JP2015197154A - 防振装置用液体組成物及び液体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体封入式防振装置において、封入された作動液中のキャビテーションの発生を抑制し、キャビテーションの崩壊に伴う異音や衝撃の発生を防止すること。【解決手段】下記一般式(1)で表わされる環状化合物(A)を含むことを特徴とする防振装置用液体組成物(一般式(1)中、Xは、エステル基、カーボネート基、N−置換アルキルアミド基、N,N’−ジ置換アルキルウレア基、スルホキシド基のいずれか1種の官能基である。Rは、水素原子又はメチル基である。m及びnは、m+nが2〜6の範囲になるように選ばれる自然数である。)【選択図】図1

Description

本発明は、防振装置用液体組成物及び液体封入式防振装置に関する。
自動車等の車両は、内燃機関に代表される駆動力機関(以下、「機関」と称す)を搭載している。このため、車両には、車体が機関の振動をできるだけ受けないように、機関を支持する防振装置が設置されている。このような防振装置としては、一般に、主液封室と副液封室とをオリフィスを介して連通させた液体封入式防振装置が知られている。
液体封入式防振装置には、機関を弾性的に支持するゴム状弾性体を壁部の一部とし、その内部に非圧縮性の作動液を封入した空間が形成されている。この空間は、主液封室と副液封室とをオリフィスを介して連通させた液室を構成している。そして、機関による入力振動を受けて圧縮される側の主液封室からオリフィスを通して副液封室に液体が通過して流れる際の作動液の粘性抵抗によって、車体に伝達される振動を吸収し減衰させる構造になっている。
このような構造を有する液体封入式防振装置では、機関による振動の入力時に、液室に封入された作動液中にキャビテーションが発生することが知られている。キャビテーションが発生すると、オリフィス通路における作動液の円滑な流動が阻害され、防振性能が低下する。また、大振幅振動時には、主液封室内部に発生したキャビテーションの崩壊に伴い、異音や衝撃が発生する場合がある。
このようなキャビテーションの発生による防振性能の低下、異音や衝撃の発生を防ぐ方法として、例えば、ダイアフラムによって区画された液体封入室と空気室とを設け、液体封入室に封入された作動液の内圧を高圧化できる構造を有する液体封入式防振マウンドが報告されている(特許文献1参照)。特許文献2には、主液室、副液室及びオリフィス内に圧力吸収体が液体と混在するように封入されている防振装置が記載されている。また、特許文献3〜特許文献6には、主成分液体と非相溶であり且つ主成分液体よりも蒸気圧が高い液体を第2液体として添加する防振装置が記載されている。
特開平08−170683号公報 特開2008−095719号公報 特開2010−286026号公報 特開2010−286027号公報 特開2010−286028号公報 特開2010−286035号公報
ところで、前述したように、液体封入式防振装置において、キャビテーションの発生防止を目的として副液封室のダイアプラムの背後に空気室を備えると、液室に封入された作動液の内圧が常に高圧に維持される。このため、このような方法を採用した場合は、大振幅振動の入力時にキャビテーションの発生が抑制される。
しかし、大振幅振動と比較して振幅が小さい小振幅振動が液体封入式防振装置に入力すると、振動の吸収・減衰が低下し、かえって防振性能が悪化する場合がある。
本発明の目的は、液体封入式防振装置において、封入された作動液中のキャビテーションの発生を抑制し、キャビテーションの崩壊に伴う異音や衝撃の発生を防止することにある。
本発明によれば、下記一般式(1)で表わされる環状化合物(A)を主成分として含むことを特徴とする防振装置用液体組成物が提供される。
Figure 2015197154
一般式(1)中、Xは、エステル基、カーボネート基、N−置換アルキルアミド基、N,N’−ジ置換アルキルウレア基、スルホキシド基のいずれか1種の官能基である。Rは、水素原子又はメチル基である。m及びnは、m+nが2〜6の範囲になるように選ばれる自然数である。
ここで、前記環状化合物(A)の濃度が少なくとも50質量%であることが好ましい。 さらに、下記一般式(2)で表される液状化合物(B)を含むことが好ましい。
Figure 2015197154
一般式(2)中、Yは、エーテル基、エステル基、カルボニル基のいずれか1種の官能基である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。
また、前記液状化合物(B)の濃度が5質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましい。
さらに、本発明によれば、振動源と非振動源との間に設けられる液体封入式防振装置であって、振動源側に取り付けられる第1取り付け部材と、非振動源側に取り付けられる第2取り付け部材と、前記第1取り付け部材と前記第2取り付け部材とを弾性的に連結する弾性部材と、前記第2取り付け部材に前記弾性部材と相対するように取り付けられたダイアフラムと当該弾性部材とによって囲まれた閉鎖空間からなる液封室と、を有し、前記液封室には、下記一般式(1)で表わされる環状化合物(A)を主成分として含む作動液が封入されることを特徴とする液体封入式防振装置が提供される。
Figure 2015197154
一般式(1)中、Xは、エステル基、カーボネート基、N−置換アルキルアミド基、N,N’−ジ置換アルキルウレア基、スルホキシド基のいずれか1種の官能基である。Rは、水素原子又はメチル基である。m及びnは、m+nが2〜6の範囲になるように選ばれる自然数である。
本発明によれば、液体封入式防振装置において、封入された作動液中のキャビテーションの発生を抑制し、キャビテーションの崩壊に伴う異音や衝撃の発生が防止される。
液体封入式防振装置の一形態である液封マウントを説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。すなわち、実施の形態の例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に記載がない限り、本発明の範囲を限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。また、使用する図面は、本実施の形態を説明するための一例であり、実際の大きさを表すものではない。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
<液体封入式防振装置>
図1は、液体封入式防振装置の一形態である液封マウント1を説明する図である。液封マウント1は、第1取り付け部材11と、第2取り付け部材12と、第1取り付け部材11及び第2取り付け部材12を連結し、これらと一体的に設けられた弾性部材13と、を備えている。さらに、第2取り付け部材12に弾性部材13と相対するように取り付けられたダイアフラム15を有し、ダイアフラム15と弾性部材13とによって囲まれた閉鎖空間からなる液封室(主液室16,副液室17)が構成されている。
第1取り付け部材11は、振動源である駆動力機関の一例としての自動車用エンジン(図示せず)側のエンジン側ブラケット100に取り付けられる。第2取り付け部材12は、非振動源である自動車の車体側ブラケット200に取り付けられる。
第1取り付け部材11は、振動源側に取り付けられる本体部112と本体部112の外縁部から張り出すフランジ部113とを有している。本体部112の形状は、主たる振動の入力方向Xと平行に第2取り付け部材12の内部へ向って延出する軸状をなしている。
第1取り付け部材11の本体部112は、エンジン側ブラケット100の一端に嵌合し、取り付けボルト111により取り付けられている。エンジン側ブラケット100の他端は、図示しない自動車用エンジンにボルト等により取り付けられている。
弾性部材13は、略円錐状に形成された円錐部131と、筒状の筒状部132とから構成されている。円錐部131の内面136は、第1取り付け部材11の本体部112の表面114に接着剤により密着している。筒状部132は円錐部131と一体に成形され、その外面は第2取り付け部材12の表面に密着している。弾性部材13は、例えば、天然ゴムを含むゴム材料により形成されている。
第2取り付け部材12は、弾性部材13の筒状部132の外面と密着する円筒部122を有する。本実施の形態では、第2取り付け部材12の円筒部122の内部に、水平に設けた第1仕切り部材14aと第2仕切り部材14bとが上下2段に重ねられている。上側の第1仕切り部材14aの内部には、弾性膜(メンブラン)141が取り付けられている。ダイアフラム15は、第2仕切り部材14bの下側に備えられている。
閉鎖空間からなる液封室には、防振装置用液体組成物としての作動液Lが封入されている。液封室は、弾性部材13の内面と第1仕切り部材14aとにより区画された主液室16と、第2仕切り部材14bとダイアフラム15とにより区画された副液室17とから構成されている。主液室16と副液室17とは、第1仕切り部材14aと第2仕切り部材14bの周縁部に形成されたオリフィス通路161により連通している。作動液Lについては後述する。
本実施の形態では、自動車用エンジンから発生する高周波領域の振動は、弾性部材13の弾性変形により吸収される。また、例えば、エンジンシェイク等の低周波領域の振動は、主液室16及び副液室17の容積変化に伴いオリフィス通路161を流動する作動液Lの液柱共振作用に伴い減衰される。尚、副液室17の内圧はダイアフラム15の弾性変形によって吸収される。これにより、副液室17と主液室16との内圧に圧力差を生じさせ、オリフィス通路161における作動液Lの円滑な流動を生じさせている。
(弾性部材13)
本実施の形態において、液封マウント1の弾性部材13に使用するゴム材料は、自動車用エンジンマウントの用途に通常使用されるゴムの中から適宜選択され、特に限定されない。例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、高シス−ポリブタジエンゴム(HCBR)、低シス−ポリブタジエンゴム(LCBR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR(乳化重合SBR(ランダム)、溶液重合SBR(ランダム、スチレンテーパード))等が挙げられる。さらに、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(HNBR)、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム(EPR、EPDM)、クロロプレンゴム等が挙げられる。
これらの中でも、天然ゴム(NR)は、他のゴムと比較して動倍率が低い性質を示すので好ましい。また、クロロプレンゴムは、天然ゴム(NR)等と比較して高温下の使用において耐候性が改善される傾向があるので好ましい。ここで、動倍率は、JIS K 6394に準拠して測定した静ばね定数(Ks(単位:N/mm))と動ばね定数(Kd(単位:N/mm))との比(Kd/Ks)である。
本実施の形態における弾性部材13は、上述したゴム材料に各種補強剤、加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等を配合したゴム組成物を調製し、これを加硫することにより成形される。
次に、液封マウント1に封入される防振装置用液体組成物としての作動液Lについて説明する。
<防振装置用液体組成物>
次に、作動液Lについて説明する。
本実施の形態において、液封マウント1に封入される防振装置用液体組成物(以下、単に「液体組成物」と記すことがある。)としての作動液Lは、下記一般式(1)で表わされる環状化合物(A)を主成分として含んでいる。ここで、主成分とは、環状化合物(A)の液体組成物中の濃度が少なくとも50質量%であり、また、液体組成物全体を100質量部にしたとき、少なくとも50質量部であることをいう。さらに、環状化合物(A)の液体組成物中の濃度が、少なくとも60質量部であることが好ましく、少なくとも80質量部であることがより好ましい。環状化合物(A)の濃度が過度に低いと、図1に示した液封マウント1における弾性部材13の疲労耐久性や振動吸収性能が低下する傾向がある。
Figure 2015197154
ここで、一般式(1)中、Xは、エステル基、カーボネート基、N−置換アルキルアミド基、N,N’−ジ置換アルキルウレア基、スルホキシド基のいずれか1種の官能基である。Rは、水素原子又はメチル基である。m及びnは、m+nが2〜6の範囲になるように選ばれる自然数である。
一般式(1)中のXがエステル基である化合物としては、例えば、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。これらの中でも、γ−ブチロラクトンが好ましい。
Xがカーボネート基である化合物としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが好ましい。
XがN−置換アルキルアミド基である化合物としては、例えば、N−メチル−γ−ブチロラクタム、1−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの中でも、N−メチル−γ−ブチロラクタムが好ましい。
XがN,N’−ジ置換アルキルウレア基である化合物としては、例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
Xがスルホキシド基である化合物としては、例えば、1,3−ジメチル−2−スルホラン、テトラメチレンスルホラン等が挙げられる。これらの中でも、1,3−ジメチル−2−スルホランが好ましい。
本実施の形態が適用される防振装置用液体組成物は、環状化合物(A)に加え、さらに、下記一般式(2)で表される液状化合物(B)を含むことが好ましい。
Figure 2015197154
ここで、一般式(2)中、Yは、エーテル基、エステル基、カルボニル基のいずれか1種の官能基である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。液状化合物(B)の濃度は特に限定されないが、本実施の形態では、5質量%〜40質量%の範囲内であり、また、液状組成物全体を100質量部とすると、液状化合物(B)が5質量部〜40質量部の範囲内で含まれることが好ましい。
液状化合物(B)の濃度が過度に高いと、液状化合物(B)中に環状化合物(A)が分散するようになる。このような場合、例えば、液封マウント1が80℃以上の高温に保持される環境下では液封室内に気体相が生じ易い。そうすると、ダイアフラム15の膨張や、それによる減衰性能が低下する傾向がある。
液状化合物(B)の具体例は、Yがエーテル基の場合、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、1−ペンチルアルコール等のアルコールが挙げられる。Yがエステル基の場合、例えば、酢酸エチル、蟻酸エチル、酢酸メチル等が挙げられる。Yがカルボニル基の場合、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
本実施の形態では、一般式(2)で表される液状化合物(B)は、前述した環状化合物(A)と非相溶であることが好ましい。液封マウント1に封入される作動液Lとして環状化合物(A)を含む液体組成物を使用することにより、または、環状化合物(A)及び液状化合物(B)を含む液体組成物を使用することにより、キャビテーション気泡が小径化し、その消滅時に発生する異音(伝達音)が抑制される効果を奏する。
尚、本実施の形態で使用する防振装置用液体組成物には、通常、自動車等の液体封入式防振装置に使用する各種の添加剤、安定剤、防錆剤等を適宜配合することができる。
また、本発明により得られる効果を損なわない範囲において、従来、液体封入式防振装置に使用されている、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、水等を併用することは可能である。
本実施の形態が適用される防振装置用液体組成物を使用する防振装置は、図1に例示した液封マウント1に限定されない。すなわち、弾性部材13とダイアフラム15とによって囲まれた液封室を有する液体封入式防振装置であれば、液封室に封入される作動液Lとして好適に使用される。液体封入式防振装置としては、例えば、エンジンマウントを始めとして、ボディマウント、キャブマウント、メンバーマウント、デフマウント等の各種の自動車用防振ゴム装置等が挙げられる。
以下に、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。尚、本発明は実施例に限定されるものではない。尚、実施例及び比較例中の部及び%は、特に断らない限り総て重量基準である。
(1)液封マウント1のキャビテーション異音測定
図1に示す液封マウント1を作製し、液封室(主液室16,副液室17)に作動液Lを封入した後、液封マウント1に振動(Sin13Hz±2.0mm)を入力し、その際のキャビテーション崩壊時の伝達力(キャビテーション異音)を測定した(単位:N)。入力振動の1波〜20波について伝達力を測定したうえ、それらのうちの最大値を結果とした。数値が小さいほど、異音の発生が抑制されていることを示す。尚、表1〜表3は、後述する比較例1の場合の値を100としたときの指数(伝達力指数)として結果を表示した。
(2)液封マウント1の動特性試験
液封室(主液室16,副液室17)に作動液Lを封入した液封マウント1について、減衰性を測定した(単位:N・sec/mm)。液封マウント1に振幅±1.0mm、周波数範囲5〜30Hzの入力を与え減衰係数の周波数依存性を測定し、そのピーク値を減衰性の指標とした。数値が大きいほど、減衰性がすぐれていることを示す。
(3)液封マウント1の弾性部材13の調製
液封マウント1の弾性部材13は、下記配合組成のゴム組成物を射出成形方法により成形し、165℃×10分間の加硫を行って調製した。
(配合組成)
天然ゴム 65部
ブタジエンゴム 35部
カーボンブラックGPF 40部
酸化亜鉛 5部
ステアリン酸 1部
老化防止剤 3部
ワックス 1部
硫黄 1.5部
加硫促進剤(TMTD) 1部
加硫促進剤(CBS) 0.5部
(4)ダイアフラム部の膨れ
ダイアフラム部の膨れについて、以下の基準に基づき判定した。
液封室(主液室16,副液室17)に作動液Lを封入した液封マウント1を100℃に制御したギアオーブン中に48時間静置した後、目視にてダイアフラム部に膨れが発生していないか、以下に示す基準に基づき判定した。
○:気体発生がほぼなく、外観上変化がない。
△:気体発生量が初期形状の維持ができる程であり、外観上変化がない。
×:気体発生量が初期形状の維持ができない程となり、外観上変化がある。
(実施例1〜実施例5,比較例1〜比較例5)
図1に示す液封マウント1の液封室(主液室16,副液室17)に、表1に示す成分の液体組成物(環状化合物(A))からなる作動液Lを封入し、キャビテーション異音(伝達力指数)、減衰性、ダイアフラム部の膨れを測定した。また、比較例として、環状化合物(A)を含まない場合(比較例1、比較例2)、液状化合物(B)を含み且つ環状化合物(A)を含まない場合(比較例3、比較例4)、環状化合物(A)が主成分ではない場合(比較例5)の作動液Lをそれぞれ液封マウント1の液封室(主液室16,副液室17)に封入し、実施例1と同じ条件でキャビテーション異音等を測定した。
結果を、作動液Lとして使用した液体組成物の成分と併せて表1に示す。尚、特に断らない限り、実施例及び比較例における表中の成分表示は質量部である。
Figure 2015197154
表1に示す結果から、液封マウント1の作動液Lとして環状化合物(A)100質量部からなる液体組成物を使用した場合(実施例1〜実施例5)は、従来、液体封入式防振装置に使用されているエチレングリコール、プロピレングリコールを使用する場合(比較例1,比較例2)と比較して伝達力指数が減少し、キャビテーション異音が大幅に抑制されることが分かる。また、作動液Lとして液状化合物(B)100質量部からなる液体組成物を使用した場合(比較例3,比較例4)は、伝達力指数が減少するもののダイアフラム部の膨れが観察され、液封マウント1の作動液Lとしては不適当であることが分かる。さらに、環状化合物(A)が作動液Lの主成分ではない場合(比較例5)、伝達力指数の減少量が少なくなり、キャビテーション異音の抑制効果が低下することが分かる。
(実施例6〜実施例15)
図1に示す液封マウント1の液封室(主液室16,副液室17)に、環状化合物(A)としてプロピレンカーボネートを含み、さらに表2に示す種類と成分の液状化合物(B)を含む作動液Lを封入し、キャビテーション異音(伝達力指数)、減衰性、ダイアフラム部の膨れを測定した。結果を、作動液Lとして使用した液体組成物の成分と併せて表2に示す。
Figure 2015197154
表2に示す結果から、液封マウント1の作動液Lとして環状化合物(A)としてプロピレンカーボネートを90質量部〜60質量部の範囲で含み、液状化合物(B)を10質量部〜40質量部の範囲で含む液体組成物を使用した場合(実施例6〜実施例15)は、前述したエチレングリコール及びプロピレングリコールを使用する場合(比較例1)と比較して伝達力指数が減少し、キャビテーション異音が大幅に抑制されることが分かる。
(実施例16〜実施例21)
図1に示す液封マウント1の液封室(主液室16,副液室17)に封入する作動液Lとして、環状化合物(A)としてのN−メチル−γ−ブチロラクタムを含み、液状化合物(B)としての1−ブチルアルコールを含む場合(実施例16〜実施例19)と、環状化合物(A)としてのプロピレンカーボネートを含み、その他表3に示す成分を含む場合(実施例20,実施例21)について、キャビテーション異音(伝達力指数)、減衰性、ダイアフラム部の膨れを測定した。結果を、作動液Lとして使用した液体組成物の成分と併せて表3に示す。
Figure 2015197154
表3に示す結果から、液封マウント1の作動液Lとして環状化合物(A)としてN−メチル−γ−ブチロラクタムを90質量部〜60質量部の範囲で含み、液状化合物(B)として1−ブチルアルコールを10質量部〜40質量部の範囲で含む液体組成物を使用した場合(実施例16〜実施例19)は、前述したエチレングリコール及びプロピレングリコールを使用する場合(比較例1)と比較して伝達力指数が減少し、キャビテーション異音が大幅に抑制されることが分かる。また、環状化合物(A)としてのプロピレンカーボネートを80質量部〜60質量部の範囲で含む液体組成物を使用した場合(実施例20,実施例21)も、伝達力指数が減少し、キャビテーション異音が抑制されることが分かる。
1…液封マウント、11…第1取り付け部材、12…第2取り付け部材、13…弾性部材、14a…第1仕切り部材、14b…第2仕切り部材、15…ダイアフラム、16…主液室、17…副液室、100…エンジン側ブラケット、111…取り付けボルト、112…本体部、113…フランジ部、114…表面、122…円筒部、131…円錐部、132…筒状部、136…内面、141…弾性膜(メンブラン)、161…オリフィス通路、200…車体側ブラケット

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表わされる環状化合物(A)を主成分として含むことを特徴とする防振装置用液体組成物。
    Figure 2015197154
    (一般式(1)中、Xは、エステル基、カーボネート基、N−置換アルキルアミド基、N,N’−ジ置換アルキルウレア基、スルホキシド基のいずれか1種の官能基である。Rは、水素原子又はメチル基である。m及びnは、m+nが2〜6の範囲になるように選ばれる自然数である。)
  2. 前記環状化合物(A)の濃度が少なくとも50質量%であることを特徴とする請求項1に記載の防振装置用液体組成物。
  3. さらに、下記一般式(2)で表される液状化合物(B)を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の防振装置用液体組成物。
    Figure 2015197154
    (一般式(2)中、Yは、エーテル基、エステル基、カルボニル基のいずれか1種の官能基である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)
  4. 前記液状化合物(B)の濃度が5質量%〜40質量%の範囲内であることを特徴とする請求項2又は3に記載の防振装置用液体組成物。
  5. 振動源と非振動源との間に設けられる液体封入式防振装置であって、
    振動源側に取り付けられる第1取り付け部材と、
    非振動源側に取り付けられる第2取り付け部材と、
    前記第1取り付け部材と前記第2取り付け部材とを弾性的に連結する弾性部材と、
    前記第2取り付け部材に前記弾性部材と相対するように取り付けられたダイアフラムと当該弾性部材とによって囲まれた閉鎖空間からなる液封室と、を有し、
    前記液封室には、下記一般式(1)で表わされる環状化合物(A)を主成分として含む作動液が封入されることを特徴とする液体封入式防振装置。
    Figure 2015197154
    (一般式(1)中、Xは、エステル基、カーボネート基、N−置換アルキルアミド基、N,N’−ジ置換アルキルウレア基、スルホキシド基のいずれか1種の官能基である。Rは、水素原子又はメチル基である。m及びnは、m+nが2〜6の範囲になるように選ばれる自然数である。)
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