JP2015197057A - 圧縮機 - Google Patents

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Yohei Shimizu
洋平 清水
嘉人 田畔
Yoshito Taaze
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【課題】マフラ空間と密閉容器内の吐出空間とを連通する吐出孔がマフラ空間の上方に設けられる従来の圧縮機では、潤滑油がマフラ空間内に滞留する問題がある。
【解決手段】フロントヘッド20(端面部材)とフロントマフラ10(マフラ部材)との間に上マフラ空間11(マフラ空間)が形成されており、その上マフラ空間11と密閉容器内の吐出空間とを連通する吐出孔27の流入口27iが、軸方向において上マフラ空間11の中央(軸方向中央)より下方にある。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば空気調和機等に使用されるロータリ圧縮機等の圧縮機に関する。
従来の圧縮機としては、潤滑油が底部に溜められる密閉容器と、密閉容器の内部に配置される圧縮機構とを備えたものがある。この圧縮機構は、圧縮室を有するシリンダ本体と、シリンダ本体の上端面に配置されるフロントヘッド(端面部材)と、フロントヘッドとの間にマフラ空間を形成するフロントマフラ(マフラ部材)と、マフラ空間と密閉容器内の吐出空間とを連通し、マフラ空間内の冷媒を吐出空間に吐出する吐出孔とを有している。この吐出孔は、例えばフロントマフラの上端面、すなわちマフラ空間の上方に設けられている。
特開2010−190183号公報
ところで、上記の圧縮機では、密閉容器の底部に溜められる潤滑油が圧縮室に供給されるが、圧縮室に供給された潤滑油が冷媒とともにマフラ空間に吐出されて、マフラ空間内に滞留する問題がある。その結果、潤滑油によって冷媒の流れが阻害されて冷媒の圧力損失が大きくなり、圧縮機の効率が低下するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、マフラ空間内に潤滑油が滞留するのを防止できる圧縮機を提供することである。
第1の発明にかかる圧縮機は、潤滑油が溜められる密閉容器と、前記密閉容器の内部に配置される圧縮機構とを備え、前記圧縮機構は、圧縮室を有するシリンダ本体と、前記シリンダ本体の端面に配置される端面部材と、前記端面部材に取り付けられ、前記端面部材との間にマフラ空間を形成するマフラ部材と、前記マフラ空間と前記密閉容器内の吐出空間とを連通する吐出孔とを有し、前記吐出孔の流入口が、軸方向において前記マフラ空間の中央より下方にあることを特徴とする。
この圧縮機では、吐出孔の流入口が軸方向においてマフラ空間の中央より下方にあるので、圧縮室からマフラ空間に吐出された潤滑油が、マフラ空間から密閉容器内の吐出空間に吐出されやすい。したがって、マフラ空間内に潤滑油が滞留するのを防止できる。
第2の発明にかかる圧縮機は、第1の発明にかかる圧縮機において、前記端面部材は、前記圧縮室と前記マフラ空間とを連通する吐出ポートを有しており、平面視において、前記吐出ポートが配置される側とは反対側に前記吐出孔が設けられることを特徴とする。
この圧縮機では、吐出ポートと吐出孔との距離を長くできるので、冷媒の吐出に伴って発生する騒音を低減できる。
第3の発明にかかる圧縮機は、第1または第2の発明にかかる圧縮機において、前記端面部材は、前記圧縮機構を駆動する駆動軸が挿通される軸受部と、前記軸受部の周囲に形成される本体部とを有し、前記本体部には、前記マフラ部材とともに前記マフラ空間を形成する凹部が設けられており、前記吐出孔が前記本体部に設けられるとともに、前記吐出孔の流入口が前記凹部に開口していることを特徴とする。
この圧縮機では、潤滑油が滞留しやすい端面部材の凹部に吐出孔の流入口が開口しているので、潤滑油が吐出孔から吐出されやすい。
第4の発明にかかる圧縮機は、第3の発明にかかる圧縮機において、前記凹部が側壁面および底面を有しており、前記吐出孔が前記凹部の径方向外側に設けられるとともに、前記吐出孔の流入口が前記側壁面に開口していることを特徴とする。
この圧縮機では、吐出孔が凹部の径方向外側に設けられるとともに、吐出孔の流入口が凹部の側壁面に開口しているので、端面部材に吐出孔を設けやすい。
第5の発明にかかる圧縮機は、第4の発明にかかる圧縮機において、前記吐出孔の流入口が前記側壁面の下端に開口していることを特徴とする。
この圧縮機では、吐出孔の流入口が側壁面の下端に開口しているので、潤滑油が吐出孔から吐出されやすい。
第6の発明にかかる圧縮機は、第3−第5のいずれかの発明にかかる圧縮機において、前記吐出孔の流出口が前記吐出孔の流入口よりも上方にあることを特徴とする。
この圧縮機では、密閉容器内の冷媒が溶け込んだ油溜りに吐出されたガス(冷媒)が潤滑油を攪拌させて油溜りを発泡させるのを防止できる。
第7の発明にかかる圧縮機は、第6の発明にかかる圧縮機において、前記吐出孔の流出口が前記端面部材の上端面に設けられることを特徴とする。
この圧縮機では、冷媒が上方に向かって吐出されるので、吐出孔から吐出された冷媒が密閉容器の内周面に衝突して密閉容器を加振するのを抑制できる。
第8の発明にかかる圧縮機は、第3−第7のいずれかの発明にかかる圧縮機において、前記密閉容器の内周面に前記端面部材が固定される圧縮機であって、前記端面部材は、前記凹部の径方向外側に形成され、前記端面部材を前記マフラ空間の軸方向に貫通する油戻し穴を有しており、前記吐出孔が前記油戻し穴に接続されることを特徴とする。
この圧縮機では、吐出孔が油戻し穴に接続されるので、吐出孔から吐出された冷媒が油戻し穴の側壁に衝突して、油戻し穴の上方および下方から密閉容器内の吐出空間に吐出される。したがって、吐出孔から吐出された冷媒が密閉容器の内周面に衝突して密閉容器を加振するのを抑制できる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、吐出孔の流入口が軸方向においてマフラ空間の中央より下方にあるので、圧縮室からマフラ空間に吐出された潤滑油が、マフラ空間から密閉容器内の吐出空間に吐出されやすい。したがって、マフラ空間内に潤滑油が滞留するのを防止できる。
第2の発明では、吐出ポートと吐出孔との距離を長くできるので、冷媒の吐出に伴って発生する騒音を低減できる。
第3の発明では、潤滑油が滞留しやすい端面部材の凹部に吐出孔の流入口が開口しているので、潤滑油が吐出孔から吐出されやすい。
第4の発明では、吐出孔が凹部の径方向外側に設けられるとともに、吐出孔の流入口が凹部の側壁面に開口しているので、端面部材に吐出孔を設けやすい。
第5の発明では、吐出孔の流入口が側壁面の下端に開口しているので、潤滑油が吐出孔から吐出されやすい。
第6の発明では、密閉容器内の冷媒が溶け込んだ油溜りに吐出されたガス(冷媒)が潤滑油を攪拌させて油溜りを発泡させるのを防止できる。
第7の発明では、冷媒が上方に向かって吐出されるので、吐出孔から吐出された冷媒が密閉容器の内周面に衝突して密閉容器を加振するのを抑制できる。
第8の発明では、吐出孔が油戻し穴に接続されるので、吐出孔から吐出された冷媒が油戻し穴の側壁に衝突して、油戻し穴の上方および下方から密閉容器内の吐出空間に吐出される。したがって、吐出孔から吐出された冷媒が密閉容器の内周面に衝突して密閉容器を加振するのを抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る圧縮機を示す断面図である。 図1に示す圧縮機のII−II線断面図であって、シリンダ内でのピストンの動作を示す図である。 図1に示すフロントヘッド及びフロントマフラの断面図である。 図1に示すフロントヘッド単体を上方から見た図である。 図1に示す圧縮機のV−V線断面図である。 図1に示すリアヘッド及びリアマフラの断面図である。 図1に示すリアヘッド単体を下方から見た図である。 図1に示す圧縮機のVIII−VIII線断面図である。 本発明の第2実施形態に係る圧縮機を示す断面図である。 図9に示すフロントヘッド及びフロントマフラの断面図である。 図9に示すフロントヘッド単体を上方から見た図である。 本発明の第3実施形態に係る圧縮機を示す断面図である。 図12に示すフロントヘッド及びフロントマフラの断面図である。 本発明の第4実施形態に係る圧縮機を示す断面図である。 図14に示すリアヘッド及びリアマフラの断面図である。 図14に示すリアマフラ単体を下方から見た図である。 本発明の第5実施形態に係る圧縮機を示す断面図である。 図17に示すリアヘッド及びリアマフラの断面図である。 本発明の第6実施形態に係る圧縮機を示す断面図である。 図19に示すフロントヘッド及びフロントマフラの断面図である。 本発明の第7実施形態に係る圧縮機を示す断面図である。 図21に示すフロントヘッド及びフロントマフラの断面図である。 (a)は、本発明の変形例にかかるフロントヘッド及びフロントマフラの断面図であり、(b)は、本発明の変形例にかかるフロントヘッド単体を上方から見た図である。 本発明の変形例にかかる圧縮機を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る圧縮機の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
[圧縮機の全体構成]
まず、図1−図8を参照しつつ第1実施形態にかかる圧縮機1について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る圧縮機1は、2シリンダ型のロータリ圧縮機であって、密閉容器2と、この密閉容器2内に収容された圧縮機構9および駆動機構6とを有している。圧縮機1は、例えば空調装置などの冷凍サイクルに組み込まれて使用され、吸入管3a、3bから供給される冷媒を圧縮して排出管4から排出する。この圧縮機1では、例えばR32冷媒を使用している。R32は、例えばR410Aなどの従来の冷媒に比べて地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒である。この圧縮機1は、図1に示す向き、即ち、圧縮機1の軸方向が上下方向となる向きに設置される。以下においては、圧縮機1の軸方向を、単に軸方向として圧縮機1について説明する。
密閉容器2は、上下両端が塞がれた円筒状の容器である。密閉容器2の側部には、圧縮機構9に冷媒を導入するための2本の吸入管3a、3bが設けられている。密閉容器2の上部には、圧縮機構9で圧縮された冷媒を排出するための排出管4と、駆動機構6の後述する固定子7bのコイルに電流を供給するためのターミナル端子5が設けられている。なお、図1では、このコイルとターミナル端子5とを接続する配線を省略している。また、密閉容器2の底部には、潤滑油Lが溜められている。潤滑油Lは、圧縮機構9の摺動部の動作を滑らかにするためのものである。この潤滑油Lの液面高さは、圧縮機1の運転停止時において、駆動軸8の下端8dよりも上方である。また、潤滑油Lの液面高さは、圧縮機1の運転時においては、例えば圧縮機構9の後述するフロントヘッド20(端面部材)の位置に達する場合がある。
[駆動機構]
駆動機構6は、圧縮機構9を駆動するために設けられており、駆動源となるモータ7と、このモータ7に取り付けられた駆動軸8とで構成される。なお、図1では、モータ7の断面を示すハッチングを省略している。
<モータ>
モータ7は、密閉容器2の内周面に固定される略円環状の固定子7bと、この固定子7bの径方向内側にエアギャップを介して配置される略円環状の回転子7aとから構成される。回転子7aは磁石(図示省略)を有し、固定子7bはコイルを有している。固定子7bのコイルに電流を流すことで生じる電磁力によって、回転子7aは回転する。固定子7bの外周面には、上下方向に延び且つモータ7の上下の空間を連通させる複数の凹溝(図示省略)が、周方向に並んで形成されている。
<駆動軸>
駆動軸8は、回転子7aの内周面に固定されており、回転子7aと一体的に回転して圧縮機構9を駆動する。駆動軸8は、後述する圧縮室31内と、圧縮室51内とに、偏心部8a、8bをそれぞれ有している。この偏心部8a、8bは、いずれも円柱状に形成されており、その中心軸が駆動軸8の回転中心に対して偏心している。偏心部8a、8bには、圧縮機構9のピストン34、54がそれぞれ装着される。
また、駆動軸8の下側略半分の内部には、給油路8cが形成されている。この給油路8cは、上下方向に延在するとともに数箇所で駆動軸8の径方向に枝分かれしている。駆動軸8の下端8dには、駆動軸8の回転に伴って潤滑油Lを給油路8c内に吸い上げる螺旋羽根形状のポンプ部材8e(油供給機構)が取り付けられている。ポンプ部材8eによって駆動軸8の下端8dから吸い上げられた潤滑油Lは、駆動軸8の側面から排出されて、例えば圧縮室31、51など圧縮機構9の各摺動部に供給される。
[圧縮機構]
圧縮機構9は、フロントマフラ10(マフラ部材)と、フロントヘッド20(端面部材)と、フロントシリンダ30(シリンダ本体)と、ミドルプレート40と、リアシリンダ50と、リアヘッド60と、リアマフラ70とを有する。これらは上から下に向かって順に配置されている。
<フロントシリンダ>
図2(a)に示すように、フロントシリンダ30は、略円形板状の部材であって、その中央部に円形孔である圧縮室31が形成されている。また、フロントシリンダ30には、径方向外側に突出した突出部38が設けられており、この突出部38に圧縮室31に冷媒を導入するための吸入路32と、圧縮室31の周壁面から径方向外側に凹んだ形状であって、ブレード36が収容されるブレード収容部(凹部)33が形成されている。この吸入路32には、吸入管3aの先端が内嵌されている。
図2(a)に示すように、ピストン34は、円環状のローラ35と、このローラ35の外周面から径方向外側に延在するブレード36とから構成される。ローラ35は、偏心部8aに装着されており、圧縮室31内において公転運動する。ブレード36は、ブレード収容部33に配置された一対のブッシュ37の間に進退可能に配置されている。図2(b)〜図2(d)に示すように、圧縮室31はピストン34によって低圧室31aと高圧室31bに分断される。
<フロントヘッド>
図1に示すように、フロントヘッド20(端面部材)は、フロントシリンダ30の上端面に配置されており、圧縮室31の上端を閉塞している。図1に示すように、フロントヘッド20は、溶接などによって密閉容器2の内周面に固定されている。このフロントヘッド20は、駆動軸8が回転可能に挿通される円筒状のボス部21(軸受部)と、ボス部21の周囲に形成される本体部22とを有する。
この本体部22には、フロントヘッド20の上端面に形成され、フロントマフラ10とともに上マフラ空間11(マフラ空間)を形成する凹部23が設けられている。この凹部23は、図3及び図4に示すように、外側面81(側壁面)、内側面82、および底面83を有する第1凹部24と、第1凹部24の底面83に形成され且つ外側面84および底面85を有する第2凹部25とを含む。この第2凹部25の底面85には、圧縮室31と上マフラ空間11とを連通し、圧縮室31で圧縮された冷媒を上マフラ空間11に吐出する吐出ポート26が設けられている。この吐出ポート26は、第2凹部25に配置された板状の吐出弁86によって塞がれている。この吐出弁86は、圧縮室31の圧力が所定の圧力以上となると弾性変形して吐出ポート26を開口する弁である。また、この吐出弁86の上方には図示しない弁押さえ部が設けられている。なお、本実施形態において、「側壁面」及び「底面」とは、第1凹部24の外側面81及び底面83を指す。
また、フロントヘッド20は、図4に示すように、凹部23の径方向外側(フロントシリンダ30の径方向外側)の領域に、フロントヘッド20の上方に吐出された潤滑油Lを密閉容器2の底部に戻すための複数の油戻し穴28を有する。この油戻し穴28は、フロントヘッド20を軸方向に貫通する貫通穴である。
また、図1に示すように、フロントヘッド20とフロントシリンダ30との間には、空間29が形成されている。この空間29は、フロントヘッド20の下端面、フロントシリンダ30の突出部38の上端面、および吸入管3a等により形成される。なお、この空間29は、密閉容器2内の吐出空間2bの一部である(空間29と密閉容器2内の吐出空間2bとが連通している)。
<フロントマフラ>
フロントマフラ10(マフラ部材)は、例えばボルト締結によりフロントヘッド20(端面部材)の上面に取り付けられている。フロントマフラ10とフロントヘッド20との間には、上述した上マフラ空間11(マフラ空間)が形成されている。この上マフラ空間11により、冷媒の吐出に伴う騒音の低減が図られている。このフロントマフラ10は、カップマフラであり、図3及び図5に示すように、フロントヘッド20の上端面(本体部22の上端面22a)に固定される環状のシール部12と、シール部12の内側端部からボス部21の外周面と対向するように上方に延在した筒状の側面部13と、側面部13の上端部から本体部22と対向するように延在した平面部14とを有している。このフロントマフラ10は、板金(金属平板)を絞り加工等することで製造されている。但し、フロントマフラ10は、絞り加工以外の方法で製造されていてもよい。なお、このフロントマフラ10には、従来のフロントマフラとは異なり、上マフラ空間11(マフラ空間)と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔は設けられていない。
<吐出孔>
この圧縮機1では、図3に示すように、上マフラ空間11(マフラ空間)と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通し、上マフラ空間11に吐出された冷媒を密閉容器2内の吐出空間2bに吐出する吐出孔27が、フロントヘッド20の本体部22に設けられている。具体的には、吐出孔27は、本体部22のうち凹部23の径方向外側に設けられており、径方向外側に向かうにつれて上方に傾斜した通路とされている。この吐出孔27は、孔の通路長が穴長(穴径)より長く、通路長は穴長の2倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましい。吐出孔27の流入口27i(一端)は、第1凹部24の外側面81(側壁面)の下端に開口している。すなわち、吐出孔27の流入口27iが第1凹部24の外側面81と底面83との境界部分に開口している。また、吐出孔27の流出口27o(他端)は、フロントヘッド20の上端面(本体部22の上端面22a)に設けられている。したがって、吐出孔27の流出口27oは、吐出孔27の流入口27iよりも上方にある。この吐出孔27の流出口27oは、フロントマフラ10のシール部12よりも径方向外側に設けられている。
図3に示すように、吐出孔27の流入口27iは、軸方向において上マフラ空間11の中央より下方にある。すなわち、上マフラ空間11の軸方向長さ(第2凹部25の底面85からフロントマフラ10の平面部14の下面まで)をH1としたときに、吐出孔27の流入口27iの軸方向中心位置が、上マフラ空間11の軸方向中央(軸方向長さH1の半分(H1/2))より下方にある。なお、吐出孔の流入口は、その全域が軸方向においてマフラ空間の中央より下方にあることが好ましい。また、吐出孔の流入口は、その下端と凹部の底面との距離が2mm以下であることが好ましい。この圧縮機1では、図3に示すように、吐出孔27の流入口27iの全域が、軸方向において上マフラ空間11の中央より下方にある。また、吐出孔27の流入口27iの下端と第1凹部24の底面83との距離が2mm以下(実際には、略0mm)とされている。
図4に示すように、吐出孔27の流入口27iは、平面視において、吐出ポート26が配置される吐出ポート側とは反対側に設けられている。ここで、吐出ポート側とは、平面視において、圧縮機1の軸中心と吐出ポート26の中心とを通る線L1に直交し且つ圧縮機1の軸中心を通る線L2に対して吐出ポート26側の領域を指し、吐出ポートと反対側とは、その線L2に対して吐出ポート26と反対側の領域を指す。なお、吐出孔の流入口は、吐出ポートと吐出孔との距離を長くする観点から、吐出ポートに対して180°離れた位置に設けられることが好ましい。この圧縮機1では、図4に示すように、吐出ポート26に対して180°離れた位置の近傍に吐出孔27の流入口27iが設けられている。例えば吐出孔27の流入口27iが吐出ポート26に対して150°〜210°離れた範囲にある。
<ミドルプレート>
ミドルプレート40は、円形板状の部材であって、図1に示すように、フロントシリンダ30の下端面かつリアシリンダ50の上端面に配置されている。このミドルプレート40は、フロントシリンダ30の圧縮室31の下端を閉塞するとともに、リアシリンダ50の圧縮室51の上端を閉塞している。
<リアシリンダ>
リアシリンダ50は、略円形板状の部材であって、その中央部に円形孔である圧縮室51が形成されている。また、リアシリンダ50には、圧縮室51に冷媒を導入するための吸入路52と、圧縮室51の周壁面から径方向外側に凹んだ形状であって、ブレード(図示省略)が収容されるブレード収容部(図示省略)が形成されている。この吸入路52には、吸入管3bの先端が内嵌されている。なお、リアシリンダ50は、フロントシリンダ30と略同じ構成である。
<リアヘッド>
リアヘッド60は、リアシリンダ50の下端面に配置されており、リアシリンダ50の圧縮室51の下端を閉塞している。このリアヘッド60は、駆動軸8が回転可能に挿通される円筒状のボス部61(軸受部)と、ボス部61の周囲に形成される本体部62とを有する。
この本体部62には、リアヘッド60の下端面に形成され、リアマフラ70とともに下マフラ空間71を形成する凹部63が設けられている。この凹部63は、図6及び図7に示すように、外側面91(側壁面)、内側面92、および底面93を有する第1凹部64と、第1凹部64の底面93に形成され且つ外側面94および底面95を有する第2凹部65とを含む。この第2凹部65の底面95には、圧縮室51と下マフラ空間71とを連通し、圧縮室51で圧縮された冷媒を下マフラ空間71に吐出する吐出ポート66が設けられている。この吐出ポート66は、第2凹部65に配置された板状の吐出弁96によって塞がれている。この吐出弁96は、圧縮室51の圧力が所定の圧力以上となると弾性変形して吐出ポート66を開口する弁である。なお、この吐出弁96の下方には図示しない弁押さえ部が設けられている。なお、図6に示すように、このリアヘッド60は、ボス部61の軸方向長さと本体部62の外周部の軸方向長さとが略同じである。
また、図6に示すように、リアヘッド60には、上マフラ空間11を介して下マフラ空間71と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する(上マフラ空間11を介して下マフラ空間71内の冷媒を密閉容器2内の吐出空間2bに吐出する)吐出孔72が形成されている。この吐出孔72の流入口72iは、下マフラ空間71の上方に設けられており、リアヘッド60の第1凹部64に開口している。また、吐出孔72の流出口72oは、図1に示すように、フロントヘッド20、フロントシリンダ30、ミドルプレート40、およびリアシリンダ50をそれぞれ軸方向に貫通した4つの貫通孔からなる貫通孔Sと連通している。したがって、リアシリンダ50の圧縮室51で圧縮され、下マフラ空間71に吐出された冷媒は、吐出孔72および貫通孔Sを通って上マフラ空間11に吐出される。そして、上マフラ空間11において、フロントシリンダ30の圧縮室31で圧縮された冷媒と合流し、吐出孔27から密閉容器2内の吐出空間2bに吐出される。なお、貫通孔Sの上端は、フロントヘッド20の凹部23(第1凹部24)に開口している。
<リアマフラ>
リアヘッド60の下側には、例えばボルト締結によりリアマフラ70が取り付けられている。リアマフラ70とリアヘッド60との間には、上述した下マフラ空間71が形成されている。この下マフラ空間71により、冷媒の吐出に伴う騒音の低減が図られている。このリアマフラ70は、図6及び図8に示すように、中空円盤状の板マフラであり、リアヘッド60のボス部61の下端面及び本体部62の外周部の下端面に固定されている。
[圧縮機の動作]
次に、本実施形態の圧縮機1の動作について説明する。圧縮機1の運転が開始されると、吸入管3a、3bからフロントシリンダ30およびリアシリンダ50の圧縮室31、51内に冷媒が供給される。また、モータ7の駆動により駆動軸8が回転する。図2(a)〜図2(d)に示すように、フロントシリンダ30の圧縮室31では、偏心部8aに装着されたローラ35が圧縮室31の周壁面に沿って公転運動する。これにより、高圧室31bと低圧室31aの容積が変化して、高圧室31bで冷媒が圧縮される。そして、圧縮室31(高圧室31b)内の圧力が所定圧力以上になると、フロントヘッド20に設けられた吐出弁86が開弁して、圧縮室31内の冷媒が上マフラ空間11に吐出される。
また、リアシリンダ50においても、フロントシリンダ30と同様に、圧縮室51で冷媒が圧縮されて、圧縮室51内の圧力が所定圧力以上になると、リアヘッド60に設けられた吐出弁96が開弁して、圧縮室51内の冷媒が下マフラ空間71に吐出される。冷媒は、下マフラ空間71に吐出された後、吐出孔72及び貫通孔Sを通って上マフラ空間11に吐出される。
上マフラ空間11に吐出された冷媒は、吐出孔27から密閉容器2内の吐出空間2bに吐出される。吐出空間2bに吐出された冷媒は、固定子7bと回転子7aとの間のエアギャップなどを通過して、最終的に、排出管4から密閉容器2の外に排出される。
また、密閉容器2の底部に溜められる潤滑油Lは、ポンプ部材8eによって吸い上げられ、給油路8cから圧縮室31、51内などの各摺動部に排出される。圧縮室31、51に排出された潤滑油Lの一部は、冷媒とともにそれぞれ上マフラ空間11、下マフラ空間71に吐出される。しかし、この圧縮機1では、吐出孔27の流入口27iが軸方向において上マフラ空間11の中央よりも下方にあるので、冷媒とともに上マフラ空間11に吐出された潤滑油Lは、上マフラ空間11内にほとんど滞留せずに冷媒とともに吐出孔27から密閉容器2内の吐出空間2bに吐出される。
なお、圧縮機では、圧縮室31の高圧室31bと低圧室31aとの差圧が大きい場合には、上マフラ空間11内に潤滑油Lが多く供給される。また、ピストン34の回転数が低い場合には、冷媒の吐出の勢いが小さくなるため、上マフラ空間11内に潤滑油Lが滞留しやすくなる。したがって、このような上マフラ空間11に潤滑油Lが滞留しやすい運転条件では、上マフラ空間11に滞留した潤滑油Lによって冷媒の流れが阻害されて冷媒の圧力損失が大きくなり、圧縮機1の効率が低下しやすくなる。しかし、この圧縮機1では、吐出孔27の流入口27iが軸方向において上マフラ空間11の中央よりも下方にあるので、このような上マフラ空間11内に潤滑油Lが滞留しやすい運転条件でも、潤滑油Lは、上マフラ空間11内にほとんど滞留せずに冷媒とともに吐出孔27から密閉容器2内の吐出空間2bに吐出される。
また、圧縮機では、圧縮機1の運転によって、密閉容器2の底部に溜められる潤滑油Lの油面高さが上昇する。油面高さは、例えばフロントヘッド20(端面部材)の位置に達することがある。しかし、この圧縮機1では、吐出孔27の流出口27oが吐出孔27の流入口27iより上方にあるので、吐出孔27の流出口27oが、潤滑油Lの油面高さより低くなりにくい。したがって、吐出孔27の流出口27oから吐出されたガス(冷媒)が潤滑油Lを攪拌して密閉容器2内の冷媒の溶け込んだ油溜りを発泡させるオイルフォーミングが発生しにくい。
<本実施形態の圧縮機の特徴>
本実施形態の圧縮機1には、以下の特徴がある。
本実施形態の圧縮機1では、図3に示すように、吐出孔27の流入口27iが軸方向において上マフラ空間11(マフラ空間)の中央より下方にあるので、圧縮室31から上マフラ空間11に吐出された潤滑油Lが、上マフラ空間11から密閉容器2内の吐出空間2bに吐出されやすい。したがって、上マフラ空間11内に潤滑油Lが滞留するのを防止できる。
また、本実施形態の圧縮機1では、図4に示すように、吐出ポート26が配置される側とは反対側に吐出孔27が設けられるので、吐出ポート26と吐出孔27との距離を長くできる。したがって、冷媒の吐出に伴って発生する騒音を低減できる。
また、本実施形態の圧縮機1は、潤滑油Lが滞留しやすいフロントヘッド20(端面部材)の凹部23(詳しくは第1凹部24)に吐出孔27の流入口27iが開口しているので、潤滑油Lが吐出孔27から吐出されやすい。
また、本実施形態の圧縮機1では、吐出孔27が凹部23の径方向外側に設けられるとともに、吐出孔27の流入口27iが凹部23(第1凹部24)の外側面81(側壁面)に開口しているので、吐出孔27が凹部23の径方向外側以外に設けられる場合や、吐出孔27の流入口27iが凹部23(第1凹部24)の底面83に設けられる場合などに比べて、フロントヘッド20(端面部材)に吐出孔27を設けやすい。
また、本実施形態の圧縮機1では、吐出孔27の流入口27iが凹部23(第1凹部24)の外側面81(側壁面)の下端に開口しているので、潤滑油Lが吐出孔から吐出されやすい。
また、本実施形態の圧縮機1では、吐出孔27の流出口27oが吐出孔27の流入口27iよりも上方にあるので、密閉容器2内の油溜まりに冷媒が吐出されにくくなる。したがって、密閉容器2内の冷媒が溶け込んだ油溜りに吐出されたガス(冷媒)が潤滑油Lを攪拌させて油溜りを発泡させるオイルフォーミングを防止できる。
また、本実施形態の圧縮機1では、吐出孔27の流出口27oがフロントヘッド20(端面部材)の上端面に設けられるので、冷媒が上方に向かって吐出される。したがって、吐出孔27から吐出された冷媒が密閉容器2の内周面に衝突して密閉容器2を加振するのを抑制できる。
[第2実施形態]
次に、図9−図11を参照しつつ第2実施形態にかかる圧縮機について説明する。上記第1実施形態の圧縮機1では、上マフラ空間11と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔27の流出口27oが、フロントヘッド20の上端面に設けられているが、本実施形態にかかる圧縮機では、上マフラ空間11と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔27Aが油戻し穴28に接続されている点で上記第1実施形態と異なる。なお、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付してその説明を適宜省略する。
この圧縮機の吐出孔27Aは、図9及び図10に示すように、本体部22のうち凹部23の径方向外側に設けられており、例えば略水平方向に延在している。図10に示すように、吐出孔27Aの流入口27Aiは、第1凹部24の外側面81(側壁面)の下端に開口している。すなわち、吐出孔27Aの流入口27Aiが第1凹部24の外側面81と底面83との境界部分に開口している。また、吐出孔27Aの流出口27Aoは、油戻し穴28内に開口している。したがって、図10に示すように、上マフラ空間11内から吐出された冷媒は、まず油戻し穴28の側壁28aに衝突して、油戻し穴28の上方および下方から密閉容器2内の吐出空間2bに吐出される。したがって、吐出孔27Aから吐出された冷媒が密閉容器2の内周面に衝突して密閉容器2を加振することが抑制される。また、この吐出孔27Aの流入口27Aiは、図11に示すように、平面視において、吐出ポート26が配置される吐出ポート側とは反対側に設けられている。なお、吐出孔の流入口は、吐出ポートと吐出孔との距離を長くする観点から、吐出ポートに対して180°離れた位置に設けられることが好ましい。この圧縮機では、図11に示すように、吐出ポート26に対して180°離れた位置の近傍に吐出孔27Aの流入口27Aiが設けられている。例えば吐出孔27Aの流入口27Aiが吐出ポート26に対して150°〜210°離れた範囲にある。
<第2実施形態にかかる圧縮機の特徴>
この圧縮機では、図10に示すように、上マフラ空間11(マフラ空間)と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔27Aが油戻し穴28に接続されているので、上マフラ空間11内から吐出された冷媒は、まず油戻し穴28の側壁28aに衝突して、油戻し穴28の上方および下方から密閉容器2内の吐出空間2bに吐出される。したがって、吐出孔27Aから吐出された冷媒が密閉容器2の内周面に衝突して密閉容器2を加振するのを抑制できる。
[第3実施形態]
次に、図12及び図13を参照しつつ第3実施形態にかかる圧縮機について説明する。上記第1実施形態の圧縮機1では、上マフラ空間11と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔27の流出口27oが、フロントヘッド20の上端面に設けられているが、本実施形態にかかる圧縮機では、上マフラ空間11と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔27Bが、フロントヘッド20とフロントシリンダ30との間の空間29に接続されている点で上記第1実施形態と異なる。なお、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付してその説明を適宜省略する。
この圧縮機の吐出孔27Bは、図12及び図13に示すように、本体部22のうち凹部23の径方向外側に設けられており、径方向外側に向かって下方に傾斜している。図13に示すように、吐出孔27Bの流入口27Biは、第1凹部24の外側面81(側壁面)の下端に開口している。すなわち、吐出孔27Bの流入口27Biが第1凹部24の外側面81と底面83との境界部分に開口している。また、吐出孔27Bの流出口27Boは、フロントヘッド20とフロントシリンダ30との間の空間29に開口している。したがって、上マフラ空間11内から吐出された冷媒は、まず密閉容器2内の吐出空間2bの一部である空間29に吐出される。
<第3実施形態にかかる圧縮機の特徴>
この圧縮機では、図12に示すように、上マフラ空間11(マフラ空間)と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔27Bが、フロントヘッド20(端面部材)とフロントシリンダ30(シリンダ本体)との間の空間29に接続されているので、上マフラ空間11内から吐出された冷媒は、まず当該空間29内に吐出される。したがって、吐出孔27Bから吐出された冷媒が密閉容器2の内周面に衝突して密閉容器2を加振するのを抑制できる。
[第4実施形態]
次に、図14−図16を参照しつつ第4実施形態にかかる圧縮機について説明する。上記第1実施形態の圧縮機1では、上マフラ空間11を介して下マフラ空間71と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔72の流入口72iが、下マフラ空間71の上方に設けられているが、本実施形態の圧縮機では、上マフラ空間11を介して下マフラ空間71と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔72Aの流入口72Aiが、軸方向において下マフラ空間71の中央より下方に設けられる点で上記第1実施形態と異なる。なお、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付してその説明を適宜省略する。
この圧縮機の吐出孔72Aは、図15に示すように、軸方向に沿って延在しており、リアヘッド60(端面部材)の本体部62に設けられた孔部72Aaと、孔部72Aaから下方に延びた管部72Abとを有している。吐出孔72Aの流出口72Aoは、リアヘッド60の上端面に開口し、貫通孔Sと連通している。また、吐出孔72Aの流入口72Aiは、第1凹部64に開口している。
図15に示すように、この吐出孔72Aの流入口72Aiは、軸方向において下マフラ空間71の中央より下方にある。すなわち、下マフラ空間71の軸方向長さ(第2凹部65の底面95からリアマフラ70の上面まで)をH2としたときに、吐出孔72Aの流入口72Aiの軸方向中心位置が、下マフラ空間71の軸方向中央(軸方向長さH2の半分(H2/2))より下方にある。なお、吐出孔の流入口は、その全域が軸方向においてマフラ空間の中央より下方にあることが好ましい。また、吐出孔の流入口は、その下端とリアマフラ70との距離が2mm以下であることが好ましい。この圧縮機では、図15に示すように、吐出孔72Aの流入口72Aiの全域が、軸方向において下マフラ空間71の中央より下方にある。また、吐出孔72Aの流入口72Aiの下端とリアマフラ70との距離が2mm以下とされている。
図16に示すように、吐出孔72Aの流入口72Aiは、平面視において、吐出ポート66が配置される吐出ポート側とは反対側に設けられている。ここで、吐出ポート側とは、平面視において、圧縮機の軸中心と吐出ポート66の中心とを通る線L3に直交し且つ圧縮機の軸中心を通る線L4に対して吐出ポート66側の領域を指し、吐出ポートと反対側とは、その線L4に対して吐出ポート66と反対側の領域を指す。なお、吐出孔の流入口は、吐出ポートと吐出孔との距離を長くする観点から、吐出ポートに対して180°離れた位置に設けられることが好ましい。この圧縮機では、図16に示すように、吐出ポート66に対して180°離れた位置の近傍に吐出孔72Aの流入口72Aiが設けられている。例えば吐出孔72Aの流入口72Aiが吐出ポート66に対して150°〜210°離れた範囲にある。
この圧縮機では、圧縮機の運転が開始されると、ポンプ部材8eによって吸い上げられ、給油路8cからリアシリンダ50の圧縮室51内に排出された潤滑油Lの一部が、冷媒とともに下マフラ空間71に吐出される。しかし、この圧縮機では、吐出孔72Aの流入口72Aiが軸方向において下マフラ空間71の中央よりも下方にあるので、冷媒とともに下マフラ空間71に吐出された潤滑油Lは、下マフラ空間71内にほとんど滞留せずに冷媒とともに吐出孔72Aから上マフラ空間11に吐出される。なお、上マフラ空間11に吐出された潤滑油は、吐出孔27から密閉容器2内の吐出空間2bに吐出される。
<第4実施形態にかかる圧縮機の特徴>
この圧縮機では、図15に示すように、上マフラ空間11を介して下マフラ空間71(マフラ空間)と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔72Aの流入口72Aiが、軸方向において下マフラ空間71の中央より下方にあるので、リアシリンダ50(シリンダ本体)の圧縮室51から下マフラ空間71(マフラ空間)に吐出された潤滑油Lが、下マフラ空間71から密閉容器2内の吐出空間2bに吐出されやすい。したがって、下マフラ空間71内に潤滑油Lが滞留するのを防止できる。
[第5実施形態]
次に、図17及び図18を参照しつつ第5実施形態にかかる圧縮機について説明する。上記第1実施形態の圧縮機1では、吐出孔72が下マフラ空間71と上マフラ空間11とを連通しているが、本実施形態にかかる圧縮機では、吐出孔72Bが下マフラ空間71と密閉容器2内の吐出空間2bとを直接連通している点で上記第1実施形態と異なる。したがって、この圧縮機では、リアシリンダ50(シリンダ本体)から下マフラ空間71に吐出された冷媒は、上マフラ空間11を経由せずに直接密閉容器2内の吐出空間に吐出される。なお、この圧縮機では、上記第1実施形態の圧縮機1に形成される貫通孔Sは形成されていない。また、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付してその説明を適宜省略する。
この圧縮機の吐出孔72Bは、図17及び図18に示すように、リアヘッド60(端面部材)の本体部62に設けられている。具体的には、吐出孔72Bは、本体部62のうち凹部63の径方向外側に設けられており、径方向外側に向かうにつれて上方に傾斜している。したがって、吐出孔72Bの流出口72Boは、吐出孔72の流入口72Biよりも上方にある。図18に示すように、吐出孔72Bの流入口72Biは、第1凹部64の外側面91(側壁面)の下端に開口している。すなわち、吐出孔72Bの流入口72Biが第1凹部64の外側面91とリアマフラ70(マフラ部材)との境界部分に開口している。また、吐出孔72Bの流出口72Boは、リアヘッド60の外周面に開口している。
図18に示すように、この吐出孔72Bの流入口72Biは、軸方向において下マフラ空間71の中央より下方にある。すなわち、下マフラ空間71の軸方向長さ(第2凹部65の底面95からリアマフラ70の上面まで)をH2としたときに、吐出孔72Bの流入口72Biの軸方向中心位置が、下マフラ空間71の軸方向中央(軸方向長さH2の半分(H2/2))より下方にある。なお、吐出孔の流入口は、その全域が軸方向においてマフラ空間の中央より下方にあることが好ましい。また、吐出孔の流入口は、その下端とリアマフラ70との距離が2mm以下であることが好ましい。この圧縮機では、図18に示すように、吐出孔72Bの流入口72Biの全域が軸方向において下マフラ空間71(マフラ空間)の中央より下方にある。また、吐出孔72Bの流入口72Biの下端とリアマフラ70との距離が2mm以下(実際には、略0mm)とされている。また、吐出孔72Bの流入口72Biは、図示は省略するが、平面視において、吐出ポート66が配置される吐出ポート側とは反対側に設けられている。なお、吐出孔の流入口は、吐出ポートと吐出孔との距離を長くする観点から、吐出ポートに対して180°離れた位置に設けられることが好ましい。この圧縮機では、吐出ポート66に対して180°離れた位置の近傍に吐出孔72Bの流入口72Biが設けられている。例えば吐出孔72Bの流入口72Biが吐出ポート66に対して150°〜210°離れた範囲にある。
この圧縮機では、下マフラ空間71に吐出された冷媒は、吐出孔72Bから吐出空間2bに直接吐出される。吐出空間2bに吐出された冷媒は、固定子7bと回転子7aとの間のエアギャップなどを通過して、最終的に、排出管4から密閉容器2の外に排出される。
また、この圧縮機では、ポンプ部材8eによって吸い上げられ、給油路8cからリアシリンダ50の圧縮室51内に排出された潤滑油Lの一部は、冷媒とともに下マフラ空間71に吐出される。しかし、この圧縮機では、吐出孔72Bの流入口72Biが軸方向において下マフラ空間71の中央よりも下方にあるので、冷媒とともに下マフラ空間71に吐出された潤滑油Lは、下マフラ空間71内にほとんど滞留せずに冷媒とともに吐出孔72Bから密閉容器2内の吐出空間2bに吐出される。
<第5実施形態にかかる圧縮機の特徴>
この圧縮機では、図18に示すように、下マフラ空間71(マフラ空間)と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔72Bの流入口72Biが、軸方向において下マフラ空間71の中央より下方にあるので、リアシリンダ50(シリンダ本体)の圧縮室51から下マフラ空間71(マフラ空間)に吐出された潤滑油Lが、下マフラ空間71から密閉容器2内の吐出空間2bに吐出されやすい。したがって、下マフラ空間71内に潤滑油Lが滞留するのを防止できる。また、下マフラ空間71から吐出された潤滑油Lが上マフラ空間11を経由しないので、下マフラ空間71から吐出された潤滑油Lが上マフラ空間11に滞留するのを防止できる。
[第6実施形態]
次に、図19及び図20を参照しつつ第6実施形態にかかる圧縮機について説明する。上記第1実施形態の圧縮機1では、圧縮機構9のフロントマフラ10が1枚のカップマフラからなるが、本実施形態にかかる圧縮機では、圧縮機構109のフロントマフラ110(マフラ部材)が、フロントヘッド20(端面部材)との間に第1マフラ空間121を形成する下フロントマフラ120(第1マフラ部材)と、下フロントマフラ120との間に第2マフラ空間131を形成する上フロントマフラ130とを有し、上マフラ空間111が第1マフラ空間121と第2マフラ空間131の2つの空間からなる点で上記第1実施形態と異なる。なお、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付してその説明を適宜省略する。
図20に示すように、下フロントマフラ120は、中空円盤状の板マフラであり、フロントヘッド20の上端面(本体部22の上端面22a)に固定されている。フロントヘッド20と下フロントマフラ120との間に形成された第1マフラ空間121の容積は、フロントヘッド20の凹部23の容積と略一致する。この下フロントマフラ120には、マフラ孔122が形成されている。このマフラ孔122により、第1マフラ空間121と第2マフラ空間131とが連通している。
上フロントマフラ130は、カップマフラであり、外周部に形成され且つ下フロントマフラ120の外周部に固定された環状のシール部132と、シール部132の内側端部からボス部21の外周面と対向するように上方に延在した筒状の側面部133と、側面部133の上端部から本体部22と対向するように延在した平面部134とを有している。下フロントマフラ120と上フロントマフラ130との間には、第2マフラ空間131が形成されている。この圧縮機1では、フロントヘッド20とフロントマフラ110との間の上マフラ空間111が、第1マフラ空間121と第2マフラ空間131とに分かれているので、冷媒の吐出に伴う騒音をより低減しやすくなっている。なお、この圧縮機において、上マフラ空間111の軸方向長さH3は、第2凹部25の底面85から上フロントマフラ130の下面までを指す。したがって、フロントヘッド20の本体部22に形成された吐出孔27の軸方向中心位置は、上マフラ空間111の軸方向中央(軸方向長さH3の半分(H3/2))より下方に配置される。
<第6実施形態にかかる圧縮機の特徴>
この圧縮機では、図20に示すように、フロントマフラ110が、下フロントマフラ120と上フロントマフラ130とを有し、上マフラ空間111が第1マフラ空間121と第2マフラ空間131とに分かれている圧縮機において、上マフラ空間111(マフラ空間)と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔27の流入口27iが、軸方向において上マフラ空間111の中央より下方にあるので、フロントシリンダ30(シリンダ本体)の圧縮室31から上マフラ空間111(マフラ空間)に吐出された潤滑油Lが、上マフラ空間111から密閉容器2内の吐出空間2bに吐出されやすい。したがって、上マフラ空間111(マフラ空間)内に潤滑油Lが滞留するのを防止できる。
[第7実施形態]
次に、図21及び図22を参照しつつ第7実施形態にかかる圧縮機について説明する。上記第1実施形態の圧縮機1では、2シリンダ型のロータリ圧縮機であって、吐出孔27がフロントヘッド20に設けられているが、本実施形態の圧縮機では、1シリンダ型のロータリ圧縮機であって、吐出孔227がフロントマフラ210(マフラ部材)に設けられている点で上記第1実施形態と異なる。なお、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付してその説明を適宜省略する。
この圧縮機の圧縮機構209は、図21に示すように、圧縮室31を有し、その圧縮室31にピストン34が配置されるシリンダ本体230と、シリンダ本体230の上端面に取り付けられ、圧縮室31の上方を閉塞するフロントヘッド220(端面部材)と、フロントヘッド220に取り付けられ、フロントヘッド220との間にマフラ空間211を形成するフロントマフラ210(マフラ部材)と、シリンダ本体230の下端面に取り付けられ、圧縮室31の下方を閉塞するリアヘッド260とを有する。
図22に示すように、フロントヘッド220は、駆動軸208が回転可能に挿通されるボス部221(軸受部)と、ボス部221の周囲に配置される本体部222とを有する。そして、本体部222には、上端面に開口し、フロントマフラ210との間にマフラ空間211を形成する凹部223が設けられている。この凹部223の底面283には、圧縮室31とマフラ空間211とを連通し、圧縮室31で圧縮された冷媒をマフラ空間211に吐出する吐出ポート226が設けられている。また、この吐出ポート226は、凹部223に配置された板状の吐出弁286によって塞がれている。この吐出弁286は、圧縮室31の圧力が所定の圧力以上となると弾性変形して吐出ポート226を開口する弁である。また、この吐出弁286の上方には図示しない弁押さえ部が設けられている。
フロントマフラ210(マフラ部材)は、例えばボルト締結によりフロントヘッド220(端面部材)の上面に取り付けられている。このフロントマフラ210は、カップマフラであり、図22に示すように、フロントヘッド220の上端面に固定される環状のシール部212と、シール部212の内側端部からボス部221(軸受部)の外周面と対向するように上方に延在した筒状の側面部213と、側面部213の上端部から本体部222と対向するように延在した平面部214とを有している。このフロントマフラ210は、板金(金属平板)を絞り加工等することで製造されている。但し、フロントマフラ210は、絞り加工以外の方法で製造されていてもよい。
この圧縮機では、図22に示すように、マフラ空間211と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通し、マフラ空間211に吐出された冷媒を密閉容器2内の吐出空間2bに吐出する吐出孔227が、フロントマフラ210の側面部213の下端に設けられている。この吐出孔227の流入口227iは、軸方向においてマフラ空間211の中央より下方にある。すなわち、マフラ空間211の軸方向長さ(凹部223の底面283からフロントマフラ210の平面部214の下面まで)をH4としたときに、吐出孔227の流入口227iの軸方向中心位置が、マフラ空間211の軸方向中央(軸方向長さH4の半分(H4/2))より下方にある。なお、吐出孔の流入口は、その全域が軸方向においてマフラ空間の中央より下方にあることが好ましい。また、吐出孔の流入口は、その下端と凹部の底面との距離が2mm以下であることが好ましい。この圧縮機では、図22に示すように、吐出孔227の流入口227iの全域が、軸方向においてマフラ空間211の中央より下方にある。
また、吐出孔227の流入口227iは、平面視において、吐出ポート226が配置される吐出ポート側とは反対側に設けられている。なお、吐出孔の流入口は、吐出ポートと吐出孔との距離を長くする観点から、吐出ポートに対して180°離れた位置に設けられることが好ましい。この圧縮機では、吐出ポート226に対して180°離れた位置の近傍に吐出孔227の流入口227iが設けられている。例えば吐出孔227の流入口227iが吐出ポート226に対して150°〜210°離れた範囲にある。
<第7実施形態にかかる圧縮機の特徴>
この圧縮機では、1シリンダ型のロータリ圧縮機において、マフラ空間211内に潤滑油Lが滞留するのを防止できる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
上記第1−第6実施形態では、マフラ空間と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔が直線状に延在しているが、吐出孔は曲がっていてもよい。例えば図23(a)に示すように、フロントヘッド20に設けられた吐出孔27Xが径方向外側に向かうにつれて、上方(下方でもよい)に湾曲(屈曲でもよい)いてもよいし、図23(b)に示すように、フロントヘッド20に設けられた吐出孔27Yが、平面視において、反時計回り(時計回りでもよい)に湾曲(屈曲でもよい)していてもよい。
この圧縮機では、マフラ空間と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔が曲がっているので、マフラ空間内の冷媒が吐出される際に、冷媒の圧力損失が大きくなって冷媒の流速が低下する。したがって、密閉容器2内の冷媒が溶け込んだ油溜りに吐出されたガス(冷媒)が潤滑油Lを攪拌させて油溜りを発泡させるオイルフォーミングを抑制でき、且つ冷媒が密閉容器2の内周面に衝突して密閉容器2を加振するのを抑制できる。
また、上記第1実施形態には設けられていないが、図24に示すように、上マフラ空間11(マフラ空間)と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔27の流出口27oの近傍に、吐出孔27の流出口27oに対向する対向部材87が設けられていてもよい。この対向部材87は、例えばフロントヘッド20に取り付けられた板状部材である。
この圧縮機では、吐出孔27の流出口27oに対向する対向部材87が設けられているので、上マフラ空間11から吐出された冷媒は、まず対向部材87に衝突する。したがって、上マフラ空間11から吐出された冷媒が密閉容器2の内周面に衝突して密閉容器2を加振するのを防止できる。なお、上記第5実施形態に示す吐出孔72B(図18参照)の流出口72Bo(図18参照)の近傍に、吐出孔72の流出口72oに対向する対向部材を設けても上記と同様の効果が得られる。
また、上記第1−第7実施形態では、吐出孔の流入口の流路断面積と吐出孔の流出口の流路断面積とが略同じであるが、吐出孔の流出口の流路断面積が吐出孔の流入口の流路断面積よりも大きくてもよい。
この圧縮機では、吐出孔の流出口の流路断面積が吐出孔の流入口の流路断面積よりも大きいので、吐出通路を通過する際に冷媒の流速が低下する。したがって、密閉容器2内の冷媒が溶け込んだ油溜りに吐出されたガス(冷媒)が潤滑油Lを攪拌させて油溜りを発泡させるオイルフォーミングを抑制でき、且つ冷媒が密閉容器2の内周面に衝突して密閉容器2を加振するのを抑制できる。
また、上記第1実施形態では、上マフラ空間11(マフラ空間)と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔27の流入口27iが、軸方向において上マフラ空間11の中央より下方に配置される一方で、下マフラ空間71と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔72の流入口72iは、軸方向において下マフラ空間71の中央より下方に配置されない。しかし、上記第4実施形態及び第5実施形態に示すように、上マフラ空間11と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔27の流入口27iが、軸方向において上マフラ空間11の中央より下方に配置され、且つ下マフラ空間71と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔の流入口が、軸方向において下マフラ空間71の中央より下方に配置されてもよい。また、上マフラ空間と密閉容器内の吐出空間とを連通する吐出孔の流入口が、軸方向において上マフラ空間の中央より下方に配置されないで、且つ下マフラ空間と密閉容器内の吐出空間とを連通する吐出孔の流入口が、軸方向において下マフラ空間の中央より下方に配置されてもよい。
また、上記第1−第7実施形態では、マフラ空間と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔が1つであるが、吐出孔は複数あってもよい。なお、その場合においては、複数の吐出孔の流入口の軸方向中心位置が、それぞれ軸方向においてマフラ空間の中央より下方に配置されていることが好ましい。
また、上記第1−第6実施形態では、リアマフラ70が板マフラであるが、リアマフラ70の形状はそれに限られない。したがって、リアマフラ70が、フロントマフラ10と同様に、リアヘッド60の本体部62の下端面に固定される環状のシール部と、シール部の内側端部からボス部61(軸受部)の外周面と対向するように上方に延在した筒状の側面部と、側面部の上端部から本体部62と対向するように延在した平面部とを有するカップマフラであってもよい。
また、上記第1−第6実施形態では、上マフラ空間(マフラ空間)と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔がフロントヘッド20に形成されるが、吐出孔の流入口が軸方向においてマフラ空間の中央より下方にあるのであれば、フロントマフラに形成されてもよい。したがって、例えばフロントヘッド20に凹部23が形成されておらずフロントヘッド20に吐出孔を形成しにくい場合であっても、吐出孔の流入口が軸方向においてマフラ空間の中央より下方になるようにフロントマフラに吐出孔を形成することによって、マフラ空間内に潤滑油Lが滞留することを防止できる。なお、上マフラ空間(マフラ空間)と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔は、フロントヘッド20とフロントマフラとの間(例えばフロントマフラのシール部の一部)に形成されてもよい。
また、上記第4及び第5実施形態では、下マフラ空間71(マフラ空間)と密閉容器2内の吐出空間2bとを連通する吐出孔がリアヘッド60に形成されるが、吐出孔の流入口が軸方向においてマフラ空間の中央より下方にあるのであれば、リアマフラに形成されてもよい。
また、上記第1−第6実施形態では、「側壁面」及び「底面」とは、第1凹部24の外側面81及び底面83を指すが、「側壁面」及び「底面」が第2凹部25の外側面84及び底面85を指してもよい。したがって、上記第1−第6実施形態では、吐出孔の流入口が第1凹部24の外側面81(側壁面)の下端に開口しているが、吐出孔の流入口が第2凹部25の外側面84(側壁面)の下端に開口していてもよい。それにより、第2凹部25に滞留した潤滑油Lを密閉容器2内の吐出空間2bに吐出できるので、マフラ空間内に潤滑油Lがより滞留しにくい。
また、上記第1−第6実施形態では、密閉容器2の内周面にフロントヘッド20の外周面が固定されるが、それに限られない。したがって、例えばフロントシリンダ30、ミドルプレート40、リアシリンダ50、及びリアヘッド60の少なくともいずれかが密閉容器2の内周面に固定されてもよい。
また、上記第1及び第4−第6実施形態では、吐出孔27の流出口27oがフロントヘッド20の上端面に設けられるが、吐出孔27の流出口27oは、フロントヘッド20の下端面に設けられていてもよい。また、密閉容器2の内周面にフロントヘッド20の外周面が固定されない圧縮機の場合、吐出孔の流出口がフロントヘッドの外側面(外周面)に設けられてもよい。
また、上記第1及び第4−第6実施形態では、吐出孔の流出口が吐出孔の流入口よりも上方にあるが、吐出孔の流出口と流入口が同じ高さにあってもよいし、吐出孔の流出口が吐出孔の流入口より低い位置にあってもよい。
また、上記第1−第7実施形態では、平面視において、吐出ポートが配置される側とは反対側に吐出孔が設けられるが、吐出ポートが配置される側に吐出孔が設けられてもよい。
また、上記第1−第6実施形態では、2シリンダ型のロータリ圧縮機に本発明を適用したが、それに限られない。したがって、上記第7実施形態に示すように、例えば1シリンダ型のロータリ圧縮機に本発明を適用してもよい。
本発明を利用すれば、マフラ空間内に潤滑油が滞留するのを防止できる。
1 圧縮機
2 密閉容器
2b 吐出空間
8、208 駆動軸
9、109、209 圧縮機構
10、110、210 フロントマフラ(マフラ部材)
11、111 上マフラ空間(マフラ空間)
20、220 フロントヘッド(端面部材)
21、61、221 ボス部(軸受部)
22、62、222 本体部
23、63 凹部
26、66、226 吐出ポート
27、27A、27B、72A、72B、227 吐出孔
28 油戻し穴
30 フロントシリンダ(シリンダ本体)
50 リアシリンダ
31、51 圧縮室
60 リアヘッド(端面部材)
70 リアマフラ(マフラ部材)
71 下マフラ空間(マフラ空間)
81 外側面(側壁面)
83 底面
211 マフラ空間
230 シリンダ本体
L 潤滑油

Claims (8)

  1. 潤滑油が溜められる密閉容器と、
    前記密閉容器の内部に配置される圧縮機構とを備え、
    前記圧縮機構は、
    圧縮室を有するシリンダ本体と、
    前記シリンダ本体の端面に配置される端面部材と、
    前記端面部材に取り付けられ、前記端面部材との間にマフラ空間を形成するマフラ部材と、
    前記マフラ空間と前記密閉容器内の吐出空間とを連通する吐出孔とを有し、
    前記吐出孔の流入口が、軸方向において前記マフラ空間の中央より下方にあることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記端面部材は、前記圧縮室と前記マフラ空間とを連通する吐出ポートを有しており、
    平面視において、前記吐出ポートが配置される側とは反対側に前記吐出孔が設けられることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記端面部材は、
    前記圧縮機構を駆動する駆動軸が挿通される軸受部と、
    前記軸受部の周囲に形成される本体部とを有し、
    前記本体部には、前記マフラ部材とともに前記マフラ空間を形成する凹部が設けられており、
    前記吐出孔が前記本体部に設けられるとともに、前記吐出孔の流入口が前記凹部に開口していることを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機。
  4. 前記凹部が側壁面および底面を有しており、
    前記吐出孔が前記凹部の径方向外側に設けられるとともに、前記吐出孔の流入口が前記側壁面に開口していることを特徴とする請求項3に記載の圧縮機。
  5. 前記吐出孔の流入口が前記側壁面の下端に開口していることを特徴とする請求項4に記載の圧縮機。
  6. 前記吐出孔の流出口が前記吐出孔の流入口よりも上方にあることを特徴とする請求項3−5のいずれかに記載の圧縮機。
  7. 前記吐出孔の流出口が前記端面部材の上端面に設けられることを特徴とする請求項6に記載の圧縮機。
  8. 前記密閉容器の内周面に前記端面部材が固定される圧縮機であって、
    前記端面部材は、
    前記凹部の径方向外側に形成され、前記端面部材を前記マフラ空間の軸方向に貫通する油戻し穴を有しており、
    前記吐出孔が前記油戻し穴に接続されることを特徴とする請求項3−7のいずれかに記載の圧縮機。
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CN109312748A (zh) * 2016-06-14 2019-02-05 三菱电机株式会社 旋转式压缩机

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