JP2017008832A - 回転式圧縮機 - Google Patents

回転式圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2017008832A
JP2017008832A JP2015125745A JP2015125745A JP2017008832A JP 2017008832 A JP2017008832 A JP 2017008832A JP 2015125745 A JP2015125745 A JP 2015125745A JP 2015125745 A JP2015125745 A JP 2015125745A JP 2017008832 A JP2017008832 A JP 2017008832A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crankshaft
damping member
damping
fitting hole
rotary compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015125745A
Other languages
English (en)
Inventor
義友 塚
Yoshitomo Tsuka
義友 塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2015125745A priority Critical patent/JP2017008832A/ja
Publication of JP2017008832A publication Critical patent/JP2017008832A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

【課題】クランク軸の振動を抑制して騒音を低減できるようにする。
【解決手段】圧縮機構(30)は、駆動機構(20)のクランク軸(23)に連結されており、クランク軸(23)の回転駆動に伴って流体を圧縮する。クランク軸(23)には、軸方向に延びる嵌込孔(26)が形成されている。嵌込孔(26)は、クランク軸(23)を上下方向に貫通している。嵌込孔(26)には、円筒状の減衰部材(60)が嵌め込まれて固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転式圧縮機に関するものである。
従来より、圧縮機構と、駆動モータと、駆動モータが発生させる動力を圧縮機構に伝達するシャフトと、駆動モータを挟んでそれぞれ配置されてシャフトを回転自在に支持する主軸受部材及び副軸受部材とを備えた圧縮機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、副軸受部材が、シャフトを回転自在に支持する副軸受部と、副軸受部の外周面からケーシングの内周面まで放射状に延びる脚部とを有している。そして、脚部は、最小断面積部分において高さ寸法が幅寸法よりも大きくなっている。このように、副軸受部の剛性を水平方向よりも鉛直方向の曲げに対して高めることで、シャフトの弓なり状の振動モードを抑制し、効率的にモータ加振力による振動や騒音を低く抑えるようにしている。
特開2011−27100号公報
ところで、近年、圧縮機の大型化の要望に伴って、クランク軸の全長が長くなる傾向にある。そして、クランク軸の全長を長くした場合には、クランク軸の固有振動数が低下して振動が増大し易くなり、副軸受部材の剛性を高めただけでは、クランク軸の振動や騒音を十分に抑えることができないおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、クランク軸の振動を抑制して騒音を低減できるようにすることにある。
本発明は、ケーシング(11)内に、ステータ(21a)及びロータ(21b)を有するモータ(21)と、該モータ(21)の該ロータ(21b)に連結されたクランク軸(23)と、該クランク軸(23)の回転駆動に伴って流体を圧縮する圧縮機構(30)とが収容された回転式圧縮機を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記クランク軸(23)には、軸方向に延びる嵌込孔(26)が形成され、
前記嵌込孔(26)に嵌め込まれて固定され、前記クランク軸(23)に生じる振動を減衰可能な減衰部材(60)を備えたことを特徴とするものである。
第1の発明では、クランク軸(23)に嵌込孔(26)が形成されており、嵌込孔(26)には、圧入や焼き嵌め等によって減衰部材(60)が嵌め込まれる。これにより、クランク軸(23)の共振によって振動が生じた場合に、減衰部材(60)によって振動を減衰させることができる。
具体的に、クランク軸(23)の嵌込孔(26)に減衰部材(60)を嵌め込んだ場合には、クランク軸(23)の固有振動数と減衰部材(60)の固有振動数とが相違していることに起因して、嵌込孔(26)の内周面と減衰部材(60)の外周面との間に摩擦エネルギーが生じる。このように、振動エネルギーが摩擦エネルギーに転換されることで、クランク軸(23)の振動を減衰させることができる。これにより、クランク軸(23)の振動を抑えて騒音を低減することができる。
第2の発明は、第1の発明において、
前記減衰部材(60)は、前記クランク軸(23)とは異なる材質の部材で形成されていることを特徴とするものである。
第2の発明では、減衰部材(60)とクランク軸(23)とを異なる材質の部材で形成することで、クランク軸(23)の固有振動数と減衰部材(60)の固有振動数とを相違させて、クランク軸(23)の振動を減衰させることができる。例えば、クランク軸(23)を鋼材で形成し、減衰部材(60)を鋳物で形成すればよい。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記減衰部材(60)は、前記クランク軸(23)の軸心に対して同心となるように配設されていることを特徴とするものである。
第3の発明では、減衰部材(60)の軸心とクランク軸(23)の軸心とを同心としている。これにより、減衰部材(60)の軸心がクランク軸(23)の軸心から偏心した位置にある場合に比べて、摩擦エネルギーの発生箇所に偏りが生じるのを抑えることができる。
第4の発明は、第1乃至第3の発明のうち何れか1つにおいて、
前記減衰部材(60)の外周面には、その一部が窪んだ凹部(64)が形成されていることを特徴とするものである。
第4の発明では、減衰部材(60)の外周面の一部に凹部(64)が形成される。これにより、減衰部材(60)と嵌込孔(26)との接触面積が小さくなるので、減衰部材(60)を嵌込孔(26)に嵌め込む作業をスムーズに行うことができる。
第5の発明は、第1乃至第4の発明のうち何れか1つにおいて、
前記嵌込孔(26)は、上下方向に延びる前記クランク軸(23)の少なくとも下端側に開口しており、
前記減衰部材(60)は、前記クランク軸(23)の下端部からその一部が露出するように嵌め込まれており、
前記減衰部材(60)の露出面を支持して前記クランク軸(23)の下方への移動を規制するスラスト部材(29)を備えたことを特徴とするものである。
第5の発明では、減衰部材(60)の一部がクランク軸(23)の下端部から露出している。減衰部材(60)の露出面は、スラスト部材(29)によって支持される。これにより、減衰部材(60)によってスラスト軸受を兼用することができる。
具体的に、通常、クランク軸(23)の下端部には、スラスト部材(29)に摺動させるためのスラスト軸受が設けられている。これに対し、本発明では、減衰部材(60)の一部を露出させてスラスト部材(29)に摺動させることで、減衰部材(60)をスラスト軸受として用いることができ、部品点数を削減することができる。
第6の発明は、第5の発明において、
前記減衰部材(60)は、前記スラスト部材(29)に支持される下側減衰部(65)と、該下側減衰部(65)よりも上方に嵌め込まれた上側減衰部(68)とに分割されていることを特徴とするものである。
第6の発明では、減衰部材(60)が下側減衰部(65)と上側減衰部(68)とに分割されている。これにより、長尺状の1本の減衰部材(60)を嵌込孔(26)に嵌め込む場合に比べて、嵌め込み作業をスムーズに行うことができる。また、スラスト部材(29)に摺動する下側減衰部(65)のみを、摺動性能が高い材質に変更することもできる。
本発明によれば、クランク軸(23)の共振によって振動が生じた場合でも、嵌込孔(26)の内周面と減衰部材(60)の外周面との間に生じる摩擦エネルギーによって振動を減衰させることができる。これにより、クランク軸(23)の振動を抑えて騒音を低減することができる。
本実施形態1に係るスクロール圧縮機の構成を示す縦断面図である。 本実施形態2に係るスクロール圧縮機の構成を示す縦断面図である。 本実施形態3に係るスクロール圧縮機の構成を示す縦断面図である。 本実施形態4に係るスクロール圧縮機の構成を示す縦断面図である。 本実施形態5に係る減衰部材の構成を示す横断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
図1に示すように、スクロール圧縮機(10)は、例えば、空気調和装置で蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続されるものである。スクロール圧縮機(10)は、ケーシング(11)と、回転式の圧縮機構(30)と、圧縮機構(30)を回転駆動する駆動機構(20)とを備えている。
ケーシング(11)は、両端が閉塞された縦長円筒状の密閉容器で構成されている。ケーシング(11)の内部は、ケーシング(11)の内周面に接合されたハウジング(50)によって上下に区画されている。ハウジング(50)よりも上側の空間が上部空間部(15)を構成し、ハウジング(50)よりも下側の空間が下部空間部(16)を構成する。このハウジング(50)の構成について、詳しくは後述する。
ケーシング(11)における下部空間部(16)の底部には、スクロール圧縮機(10)の摺動部分を潤滑する油が貯留される油溜まり部(17)が設けられている。
ケーシング(11)には、吸入管(18)及び吐出管(19)が取り付けられている。吸入管(18)の一端部は、吸入管継手(47)に接続されている。吐出管(19)は、胴部(12)を貫通している。吐出管(19)の端部は、ケーシング(11)の下部空間部(16)に開口している。
駆動機構(20)は、モータ(21)と、クランク軸(23)とを備えている。モータ(21)は、ケーシング(11)の下部空間部(16)に収容されている。モータ(21)は、円筒状に形成されたステータ(21a)及びロータ(21b)を備えている。ステータ(21a)は、ケーシング(11)の内周面に固定されている。
ステータ(21a)の中空部には、ロータ(21b)が配置されている。ロータ(21b)の中空部には、ロータ(21b)を貫通するようにクランク軸(23)が固定されており、ロータ(21b)とクランク軸(23)が一体で回転するようになっている。なお、クランク軸(23)の詳細な構成については後述する。
圧縮機構(30)は、可動スクロール(35)と、固定スクロール(40)と、ハウジング(50)とを備えた、いわゆるスクロール型の圧縮機構である。ハウジング(50)及び固定スクロール(40)は、互いにボルトで締結されており、その間に可動スクロール(35)が収容されている。
可動スクロール(35)は、略円板状の可動側鏡板部(36)を有している。この可動側鏡板部(36)の上面に可動側ラップ(37)が立設している。この可動側ラップ(37)は、可動側鏡板部(36)の中心付近から径方向外方へ渦巻き状に延びる壁体である。また、可動側鏡板部(36)の下面にボス部(38)が突設されている。
固定スクロール(40)は、略円板状の固定側鏡板部(41)を有している。この固定側鏡板部(41)の下面に固定側ラップ(42)が立設している。この固定側ラップ(42)は、固定側鏡板部(41)の中心付近から径方向外方へ渦巻き状に延び、且つ可動スクロール(35)の可動側ラップ(37)と噛み合うように形成された壁体である。この固定側ラップ(42)と可動側ラップ(37)との間に圧縮室(31)が形成されている。
固定スクロール(40)は、固定側ラップ(42)の最外周壁から径方向外方へ連続する外縁部(43)を有している。この外縁部(43)の下端面がハウジング(50)の上端面に固定される。また、この外縁部(43)には、上方へ開口する開口部(44)が形成されている。そして、この開口部(44)の内部と圧縮室(31)の最外周端とを連通する吸入ポート(34)が外縁部(43)に形成されている。この吸入ポート(34)は、圧縮室(31)の吸入位置に開口している。なお、この外縁部(43)の開口部(44)には、上述した吸入管継手(47)が接続されている。
また、固定スクロール(40)の固定側鏡板部(41)には、固定側ラップ(42)の中心付近に位置して上下方向へ貫通する吐出ポート(32)が形成されている。この吐出ポート(32)の下端は、圧縮室(31)の吐出位置に開口している。吐出ポート(32)の上端は、固定スクロール(40)の上部に区画された吐出室(46)に開口している。また、図示しないが、この吐出室(46)は、ケーシング(11)の下部空間部(16)に連通している。
ハウジング(50)は、略円筒状に形成されている。ハウジング(50)の外周面は、その下側部分に対して上側部分が大径になるように形成されている。そして、この外周面の上側部分がケーシング(11)の内周面に固定されている。
ハウジング(50)の中空部には、クランク軸(23)が挿入されている。また、この中空部は、ハウジング(50)の上面側が窪むことで中空部の下側部分に対して上側部分が大径になるように形成されている。中空部の下側部分に上部軸受部(53)が設けられている。上部軸受部(53)には、上部軸受(72)が圧入されている。
ハウジング(50)の上面と可動スクロール(35)の背面との間には、シール部材(55)が嵌合されている。ハウジング(50)の中空部の上側部分は、シール部材(55)に仕切られてクランク室(54)を構成する。
クランク室(54)は、可動スクロール(35)の背面に面している。クランク室(54)には、可動スクロール(35)のボス部(38)が位置している。ボス部(38)には、ピン軸受(71)が圧入されている。
ケーシング(11)における胴部(12)の下端付近には、下部軸受部(28)が固定されている。下部軸受部(28)は、中央円筒部(28a)と、アーム部(28b)とを有する。アーム部(28b)は、中央円筒部(28a)の外周面から径方向外方に向かって延びており、中央円筒部(28a)の周方向に間隔をあけて、例えば3つ配設されている。アーム部(28b)の先端部は、ケーシング(11)に固定されている。
中央円筒部(28a)には、下部軸受(73)が圧入されている。中央円筒部(28a)の下端部には、スラスト部材(29)が設けられている。スラスト部材(29)は、クランク軸(23)の下端部を回転自在に支持するとともに、クランク軸(23)の下方への移動を規制している。
クランク軸(23)は、上下方向に延びる主軸部(24)と、主軸部(24)の上端側に設けられた偏心部(25)とを有し、それらが一体的に形成されている。偏心部(25)は、主軸部(24)の最大径よりも小径に形成されており、偏心部(25)の軸心は、主軸部(24)の軸心に対して所定距離だけ偏心している。偏心部(25)は、ボス部(38)のピン軸受(71)に係合している。これにより、クランク軸(23)の回転駆動に伴って可動スクロール(35)が公転運動する。
クランク軸(23)の主軸部(24)の上端部分は、ハウジング(50)の上部軸受部(53)の上部軸受(72)に回転自在に支持されている。主軸部(24)の下端部分は、下部軸受部(28)の上部軸受(72)に回転自在に支持されている。
クランク軸(23)には、軸方向に延びる嵌込孔(26)が形成されている。嵌込孔(26)は、クランク軸(23)を上下方向に貫通している。嵌込孔(26)には、円筒状の減衰部材(60)が嵌め込まれて固定されている。減衰部材(60)は、クランク軸(23)の軸心に対して同心となるように配設されている。
減衰部材(60)の下端部は、クランク軸(23)の下端部よりも下方に延びて油溜まり部(17)に浸漬されており、油を吸い上げるための給油ノズルを構成している。減衰部材(60)の筒孔(61)は、軸心方向に沿って延びる給油路を構成している。筒孔(61)は、軸心方向に沿って延びる途中で、ピン軸受(71)、上部軸受(72)、及び下部軸受(73)に向かって分岐している。クランク軸(23)には、この分岐路に対応した孔が形成されている。
ここで、減衰部材(60)は、クランク軸(23)とは異なる材質の部材で形成されている。本実施形態では、クランク軸(23)を鋼材で形成し、減衰部材(60)を鋳物で形成している。減衰部材(60)は、圧入や焼き嵌め等によって嵌込孔(26)に嵌め込まれて固定されている。これにより、クランク軸(23)に生じる振動を、減衰部材(60)によって減衰可能となっている。
具体的に、クランク軸(23)の固有振動数と減衰部材(60)の固有振動数とが相違していることに起因して、嵌込孔(26)の内周面と減衰部材(60)の外周面との間に摩擦エネルギーが生じる。このように、振動エネルギーが摩擦エネルギーに転換されることで、クランク軸(23)の振動を減衰させることができる。これにより、クランク軸(23)の振動を抑えて騒音を低減することができる。
減衰部材(60)の筒孔(61)を通ってピン軸受(71)と偏心部(25)との摺動面に供給された油は、自重によって流下してクランク室(54)に流れ込む。したがって、このクランク室(54)は、ケーシング(11)の下部空間部(16)と同じ圧力となる。そして、このクランク室(54)の圧力が可動スクロール(35)の背面に作用して、可動スクロール(35)を固定スクロール(40)へ押し付ける。
ハウジング(50)には、クランク室(54)内に流れ込んだ油をハウジング(50)外部に排出するための排油通路(56)が形成されている。具体的に、排油通路(56)の上流端は、クランク室(54)の底面から所定高さだけ離れた位置でクランク室(54)の内壁面に開口している。排油通路(56)の下流端は、ハウジング(50)の外周部寄りの位置で下部空間部(16)に連通するように下向きに開口している。
これにより、クランク室(54)に貯留された油の油面が排油通路(56)の上流端の開口位置に達するまでは、クランク室(54)から排油通路(56)に向かって油が排出されないため、クランク室(54)内に所定量の油を貯留できるようになっている。
−運転動作−
次に、上述したスクロール圧縮機(10)の運転動作について説明する。図1に示すように、スクロール圧縮機(10)のモータ(21)へ通電されると、ロータ(21b)とともにクランク軸(23)が回転し、可動スクロール(35)が公転運動する。この可動スクロール(35)の公転運動に伴って、圧縮室(31)の容積が周期的に増減を繰り返す。
具体的に、クランク軸(23)が回転すると、吸入ポート(34)から圧縮室(31)へ冷媒が吸入される。そして、クランク軸(23)の回転に伴い、圧縮室(31)が閉じ切られる。さらに、クランク軸(23)の回転が進むことで、圧縮室(31)の容積が縮小し始め、圧縮室(31)における冷媒の圧縮が開始される。
その後、圧縮室(31)の容積がさらに縮小し、この圧縮室(31)の容積が所定容積まで縮小したときに、吐出ポート(32)が開く。この吐出ポート(32)を通じて、圧縮室(31)で圧縮された冷媒が固定スクロール(40)の吐出室(46)へ吐出される。この吐出室(46)の冷媒は、ケーシング(11)の下部空間部(16)を介して吐出管(19)から吐出される。なお、上述したように、下部空間部(16)はクランク室(54)と連通しており、このクランク室(54)の冷媒圧力で、可動スクロール(35)が固定スクロール(40)へ押し付けられる。
ここで、クランク軸(23)が回転している途中で、クランク軸(23)が共振して振動が発生すると、クランク軸(23)の嵌込孔(26)の内周面と減衰部材(60)の外周面との間に摩擦エネルギーが生じる。このように、振動エネルギーが摩擦エネルギーに転換されることで、クランク軸(23)の振動を減衰させることができる。
圧縮機構(30)が起動すると、油溜まり部(17)の油は、遠心ポンプ作用によって減衰部材(60)の筒孔(61)を通って吸い上げられる。そして、吸い上げられた油は、可動スクロール(35)及び固定スクロール(40)のスラスト摺動面、ボス部(38)のピン軸受(71)と偏心部(25)の摺動面、上部軸受(72)と主軸部(24)の摺動面、及び下部軸受(73)と主軸部(24)の摺動面等の摺動部分に供給される。各摺動部分に供給された後の油は、油溜まり部(17)に回収される。
ボス部(38)のピン軸受(71)と偏心部(25)の摺動面に供給された油は、クランク室(54)に流入する。そして、クランク室(54)内に油が貯留されていき、油面が排油通路(56)の開口位置に達すると、クランク室(54)内の油が排油通路(56)を通ってハウジング(50)外部に排出され、油溜まり部(17)に回収される。
《実施形態2》
図2は、本実施形態2に係るスクロール圧縮機の構成を示す縦断面図である。以下、前記実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図2に示すように、クランク軸(23)には、軸方向に延びる嵌込孔(26)が形成されている。嵌込孔(26)は、クランク軸(23)の上端部からモータ(21)のロータ(21b)近傍の位置まで延びている。嵌込孔(26)には、円筒状の減衰部材(60)が嵌め込まれて固定されている。つまり、クランク軸(23)に振動が生じたときに、クランク軸(23)の撓み量が大きくなるピン軸受(71)の近傍に減衰部材(60)を嵌め込むようにしている。
クランク軸(23)の内部には、軸心方向に沿って延びる給油路(23a)が形成されている。給油路(23a)は、クランク軸(23)の下端部から上方に延びて減衰部材(60)の筒孔(61)に連通している。給油路(23a)は、軸心方向に沿って延びる途中で、下部軸受(73)に向かって分岐している。
クランク軸(23)の下端部には、給油ノズル(27)が設けられている。給油ノズル(27)の吸込口は、油溜まり部(17)に開口している。給油ノズル(27)の吐出口は、クランク軸(23)の内部に設けられた給油路(23a)に接続されている。給油ノズル(27)によって油溜まり部(17)から吸い上げられた油は、クランク軸(23)の給油路(23a)及び減衰部材(60)の筒孔(61)を通って、ピン軸受(71)、上部軸受(72)、及び下部軸受(73)等のスクロール圧縮機(10)の摺動部分へ供給される。
このように、クランク軸(23)において撓み量の大きなピン軸受(71)近傍にのみ、減衰部材(60)を嵌め込むようにしたから、クランク軸(23)の全長にわたって減衰部材(60)を嵌め込む場合に比べて、嵌め込み作業をスムーズに行うことができる。
《実施形態3》
図3は、本実施形態3に係るスクロール圧縮機の構成を示す縦断面図である。以下、前記実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図3に示すように、クランク軸(23)には、軸方向に延びる嵌込孔(26)が形成されている。嵌込孔(26)は、クランク軸(23)を上下方向に貫通している。嵌込孔(26)には、円筒状の減衰部材(60)が嵌め込まれて固定されている。減衰部材(60)は、下側減衰部(65)と、下側減衰部(65)よりも上方に嵌め込まれた上側減衰部(68)とに分割されている。
下側減衰部(65)は、クランク軸(23)の下端部からその一部が露出するように嵌込孔(26)に嵌め込まれて固定されている。下側減衰部(65)は、クランク軸(23)の下端部において径方向に拡がるフランジ部(66)を有している。フランジ部(66)の下面(露出面)がスラスト部材(29)によって回転自在に支持されることで、クランク軸(23)の下方への移動が規制されている。
下側減衰部(65)の下端部は、油溜まり部(17)に浸漬されており、油を吸い上げるための給油ノズルを構成している。下側減衰部(65)の筒孔(65a)は、軸心方向に沿って延びる給油路を構成している。また、上側減衰部(68)の筒孔(68a)も同様に、軸心方向に沿って延びる給油路を構成している。
下側減衰部(65)の下端部から吸い上げられた油は、下側減衰部(65)の筒孔(65a)及び上側減衰部(68)の筒孔(68a)を通って、ピン軸受(71)、上部軸受(72)、及び下部軸受(73)等のスクロール圧縮機(10)の摺動部分へ供給される。
このように、減衰部材(60)を下側減衰部(65)と上側減衰部(68)とに分割した構成とすることで、長尺状の1本の減衰部材(60)を嵌込孔(26)に嵌め込む場合に比べて、嵌め込み作業をスムーズに行うことができる。また、スラスト部材(29)と摺動する下側減衰部(65)のみを、摺動性能が高い材質に変更することもできる。
なお、下側減衰部(65)と上側減衰部(68)とが一体形成された構成であってもよい。この場合でも、減衰部材(60)のフランジ部(66)をスラスト軸受として用いることで、部品点数を削減できる。
《実施形態4》
図4は、本実施形態4に係るスクロール圧縮機の構成を示す縦断面図である。以下、前記実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図4に示すように、クランク軸(23)には、軸方向に延びる嵌込孔(26)が形成されている。嵌込孔(26)は、クランク軸(23)を上下方向に貫通している。嵌込孔(26)には、円筒状の減衰部材(60)が嵌め込まれて固定されている。
減衰部材(60)の下端部は、クランク軸(23)の下端部よりも下方に延びて油溜まり部(17)に浸漬されており、給油ノズルを構成している。減衰部材(60)の筒孔(61)は、軸心方向に沿って延びる給油路を構成している。
減衰部材(60)の外周面には、その一部が窪んだ凹部(64)が形成されている。図4に示す例では、クランク軸(23)の軸方向の略中央位置、より具体的には、ロータ(21b)の付近において、周方向の全周にわたって窪んだ凹部(64)が形成されている。そして、減衰部材(60)における凹部(64)を挟んで上下方向の両端部が、嵌込孔(26)との嵌め込み代となっている。
このような構成とすれば、減衰部材(60)と嵌込孔(26)との接触面積が小さくなるので、減衰部材(60)を嵌込孔(26)に嵌め込む作業をスムーズに行うことができる。
《実施形態5》
図5は、本実施形態5に係る減衰部材の構成を示す横断面図である。以下、前記実施形態1と同じ部分については、同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図5に示すように、クランク軸(23)には、軸方向に延びる嵌込孔(26)が形成されている。嵌込孔(26)には、筒状の減衰部材(60)が嵌め込まれて固定されている。減衰部材(60)の外周面には、その一部が窪んだ凹部(64)が形成されている。図5に示す例では、減衰部材(60)の外周面には、軸方向に沿って延び且つ周方向に間隔をあけて複数の凹部(64)が形成されている。そして、凹部(64)を形成することで相対的に径方向に突出している部分が、嵌込孔(26)との嵌め込み代となっている。
このような構成とすれば、減衰部材(60)と嵌込孔(26)との接触面積が小さくなるので、減衰部材(60)を嵌込孔(26)に嵌め込む作業をスムーズに行うことができる。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
また、本実施形態では、スクロール圧縮機(10)のクランク軸(23)に減衰部材(60)を嵌め込むことで振動を減衰させるようにした構成について説明したが、この形態に限定するものではない。例えば、ピストンをシリンダ内で偏心回転させることによって冷媒を圧縮するロータリ型の圧縮機において、この圧縮機のクランク軸の振動を減衰させるために、クランク軸に減衰部材(60)を嵌め込んだ構成としてもよい。
以上説明したように、本発明は、クランク軸の振動を抑制して騒音を低減できるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
10 スクロール圧縮機(回転式圧縮機)
11 ケーシング
21 モータ
21a ステータ
21b ロータ
23 クランク軸
26 嵌込孔
29 スラスト部材
30 圧縮機構
60 減衰部材
64 凹部
65 下側減衰部
68 上側減衰部

Claims (6)

  1. ケーシング(11)内に、ステータ(21a)及びロータ(21b)を有するモータ(21)と、該モータ(21)の該ロータ(21b)に連結されたクランク軸(23)と、該クランク軸(23)の回転駆動に伴って流体を圧縮する圧縮機構(30)とが収容された回転式圧縮機であって、
    前記クランク軸(23)には、軸方向に延びる嵌込孔(26)が形成され、
    前記嵌込孔(26)に嵌め込まれて固定され、前記クランク軸(23)に生じる振動を減衰可能な減衰部材(60)を備えたことを特徴とする回転式圧縮機。
  2. 請求項1において、
    前記減衰部材(60)は、前記クランク軸(23)とは異なる材質の部材で形成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  3. 請求項1又は2において、
    前記減衰部材(60)は、前記クランク軸(23)の軸心に対して同心となるように配設されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  4. 請求項1乃至3のうち何れか1つにおいて、
    前記減衰部材(60)の外周面には、その一部が窪んだ凹部(64)が形成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  5. 請求項1乃至4のうち何れか1つにおいて、
    前記嵌込孔(26)は、上下方向に延びる前記クランク軸(23)の少なくとも下端側に開口しており、
    前記減衰部材(60)は、前記クランク軸(23)の下端部からその一部が露出するように嵌め込まれており、
    前記減衰部材(60)の露出面を支持して前記クランク軸(23)の下方への移動を規制するスラスト部材(29)を備えたことを特徴とする回転式圧縮機。
  6. 請求項5において、
    前記減衰部材(60)は、前記スラスト部材(29)に支持される下側減衰部(65)と、該下側減衰部(65)よりも上方に嵌め込まれた上側減衰部(68)とに分割されていることを特徴とする回転式圧縮機。
JP2015125745A 2015-06-23 2015-06-23 回転式圧縮機 Pending JP2017008832A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015125745A JP2017008832A (ja) 2015-06-23 2015-06-23 回転式圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015125745A JP2017008832A (ja) 2015-06-23 2015-06-23 回転式圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017008832A true JP2017008832A (ja) 2017-01-12

Family

ID=57761247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015125745A Pending JP2017008832A (ja) 2015-06-23 2015-06-23 回転式圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017008832A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5716862B1 (ja) スクロール圧縮機
KR102070784B1 (ko) 압축기
JP2012219654A (ja) 回転式流体機械
JP6425744B2 (ja) 圧縮機
JP6715722B2 (ja) スクロール圧縮機
JP6328330B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2015036515A (ja) 圧縮機
JP2013224606A (ja) 冷媒圧縮機
JP6745913B2 (ja) 圧縮機
JP2017008832A (ja) 回転式圧縮機
JP6104396B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5660151B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5355361B2 (ja) 密閉型回転圧縮機
JP2015105635A (ja) 圧縮機
JP2015048820A (ja) スクロール圧縮機
JP6869378B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP2018100595A (ja) 圧縮機
JP2012107546A (ja) ロータリー圧縮機
KR101988719B1 (ko) 편심부 하면에 오일 그루브가 구비된 압축기
JP3976070B2 (ja) スクロール型流体機械
JP6485500B2 (ja) スクロール圧縮機
JP4013992B2 (ja) スクロール型流体機械
JP2014141887A (ja) スクロール圧縮機
JP2015038328A (ja) 圧縮機
WO2017141343A1 (ja) 圧縮機