JP2012092740A - 回転式圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮効率の低下を招くことなく駆動軸の撓みを防止できる回転式圧縮機を提供する。
【解決手段】回転式圧縮機(10)は、油溜まり(15)の油を油吸込口(61)から吸い込んでシリンダ室(C)に供給する油供給機構(60)と、駆動軸(30)の下部に配設されるバランスウェイト(70)とを備える。バランスウェイト(70)には、油溜まり(15)の油を撹拌するように径方向に延びる撹拌部(73,90)が形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転式圧縮機に関し、特に駆動軸の撓み防止の対策、及び圧縮効率を向上させる対策に係るものである。
従来より、流体を圧縮する回転式圧縮機が知られている。特許文献1には、この種の圧縮機が開示されている。
この圧縮機は、ケーシング内に、電動機と駆動軸と圧縮機構とが収容されている。電動機は、ケーシングの上部に設けられ、この電動機の下側に圧縮機構が設けられている。駆動軸には、該駆動軸の軸心から所定量偏心した偏心軸が形成されている。この偏心軸の外周には、圧縮機構のピストンが嵌め込まれている。電動機によって駆動軸が駆動されると、偏心軸が偏心回転することに伴ってシリンダの内部でピストンが回転する。これにより、シリンダ内に区画される圧縮室の容積が縮小され、流体が圧縮される。
ところで、この種の回転式圧縮機では、偏心軸が回転することに伴い、駆動軸に遠心力が作用する。この遠心力に起因する曲げモーメントにより駆動軸が径方向外側に撓むと、電動機のロータの振れ回りを招いてしまう。その結果、圧縮機構や電動機の加振力が大きくなり、振動や騒音の増大を招いてしまう。
そこで、特許文献1に開示の圧縮機では、このような駆動軸の撓みを抑制するように、駆動軸にバランスウェイトを設けている。具体的に、この圧縮機では、駆動軸の下端にバランスウェイトが取り付けられている。このバランスウェイトは、上下に扁平な円柱状に形成されており、駆動軸の軸心に対して所定量偏心している。このバランスウェイトの偏心方向は、偏心軸の偏心方向とは逆向きとなっている。これにより、この圧縮機の運転時には、バランスウェイトの遠心力が偏心軸の遠心力を相殺するように駆動軸に作用する。その結果、駆動軸の撓みが抑制され、ひいては圧縮機の振動や騒音の増大が抑制される。
特開昭62−284983号公報
ところで、特許文献1に開示のような、駆動軸の下端にバランスウェイトを設ける構成では、ケーシングの底部の油溜まり中にバランスウェイトが浸かってしまうことがある。このような状態で圧縮機を運転させると、バランスウェイトに作用する抵抗が大きくなり、動力損失の増大、ひいては圧縮効率の低下を招いてしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮効率の低下を招くことなく駆動軸の撓みを防止できる回転式圧縮機を提供することである。
第1の発明は、電動機(21)と、該電動機(21)に回転駆動されるとともに偏心軸(32)が形成された駆動軸(30)を有する駆動機構(20)と、上記偏心軸(32)に嵌合するピストン(51)と、該ピストン(51)を収容するシリンダ室(C)を内部に形成するシリンダ(41)とを有して冷媒を圧縮する圧縮機構(40)と、上記駆動機構(20)及び圧縮機構(40)を収容し、底部に油溜まり(15)が形成されるケーシング(11)と、上記偏心軸(32)の遠心力を相殺するように上記駆動軸(30)の下部に配設されるバランスウェイト(70)とを備えた回転式圧縮機を対象とする。そして、この回転式圧縮機は、上記駆動軸(30)の下端に形成される油吸込口(61)を有し、上記油溜まり(15)の油を該油吸込口(61)から吸い込んで上記シリンダ室(C)に供給する油供給機構(60)を備え、上記バランスウェイト(70)には、上記油溜まり(15)の油を撹拌するように径方向に延びる撹拌部(73,90)が形成されていることを特徴とする。
第1の発明では、駆動軸(30)の下部にバランスウェイト(70)が配設される。これにより、圧縮機の運転時には、偏心軸(32)の遠心力がバランスウェイトに(70)よって相殺されるため、駆動軸(30)の撓みが抑制される。本発明のバランスウェイト(70)には、油溜まり(15)の油を撹拌するための撹拌部(73,90)が形成される。つまり、駆動軸(30)が回転駆動されてバランスウェイト(70)が回転すると、撹拌部(73,90)によって油が撹拌される。その結果、油溜まり(15)では、油中に溶け込んだ冷媒が発泡して気化する。冷媒が発泡した後の油は、油吸込口(61)を通じてシリンダ室(C)へ供給され、この油が摺動部の潤滑に利用される。
以上のように、本発明では、撹拌部(73,90)で積極的に撹拌されて冷媒の溶解量が少なくなった油を油供給機構(60)によってシリンダ室(C)へ供給するようにしている。仮に、シリンダ室(C)に多量の冷媒が溶解した油が供給されると、シリンダ室(C)内で油中の冷媒が多量に気化してしまい、圧縮効率の低下を招くという問題が生じてしまう。これに対し、本発明では、シリンダ室(C)において油中の冷媒がほとんど気化しないため、圧縮効率が向上する。従って、本発明では、バランスウェイト(70)を油中に浸漬することによって電動機(21)の動力損失が増大したとしても、これを充分に補って高い圧縮効率を得ることができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記バランスウェイト(70)は、円板状の本体部(71)と、該本体部(71)の周方向に配列されるように該本体部(71)に形成される複数の貫通穴(80)とを有し、隣り合う貫通穴(80)に介在する部位に上記撹拌部(73)を構成していることを特徴とする。
第2の発明のバランスウェイト(70)では、円板状の本体部(71)に複数の貫通穴(80)が周方向に配列されて形成される。そして、隣り合う貫通穴(80)に介在する部位が、径方向に延びる撹拌部(73)として機能する。これにより、バランスウェイト(70)による油の撹拌効率を高めることができる。また、本体部(71)は、円板状に形成されているため、回転中の本体部(71)に作用する油の抵抗(撹拌抵抗)を低減できる。従って、電動機(21)の動力損失も低減できる。
第3の発明は、第2の発明において、上記バランスウェイト(70)は、上記本体部(71)の軸心が駆動軸(30)の軸心と略一致するように配設され、上記複数の貫通穴(80)は、上記バランスウェイト(70)の重心が上記偏心軸(32)の偏心方向と逆側に寄るように上記本体部(71)に配設されていることを特徴とする。
第3の発明では、円板状の本体部(71)の軸心が駆動軸(30)の軸心と略一致する。このため、例えば従来例のように、バランスウェイトを駆動軸から偏心させて設ける場合と比較すると、バランスウェイト(70)に作用する油の抵抗(撹拌抵抗)を低減できる。その結果、圧縮効率を更に向上できる。一方、バランスウェイト(70)では、その重心が偏心軸(32)の偏心方向と逆側に寄るように、複数の貫通穴(80)の位置、形状、大きさ等が設定される。これにより、バランスウェイト(70)の所期の機能が確保される。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記バランスウェイト(70)の撹拌部(73,90)は、該撹拌部(73,90)の長手方向の内側端部が上記駆動軸(30)に至るように延びていることを特徴とする。
第4の発明では、撹拌部(73,90)が駆動軸(30)に至るように延出している。このため、バランスウェイト(70)では、油吸込口(61)に吸入される直前の油を撹拌部(73,90)によって撹拌することができる。これにより、シリンダ室(C)へ供給される油中の冷媒の溶解量を低減できるので、シリンダ室(C)での冷媒の気化を更に抑制できる。
第5の発明は、第1の発明において、上記バランスウェイト(70)は、上記駆動軸(30)から径方向外方に放射状に延びる上記撹拌部としての複数のパドル部(90)を有していることを特徴とする。
第5の発明では、複数のパドル部(90)が駆動軸(30)から放射状に延びて形成され、このパドル部(90)が撹拌部として機能する。このパドル部(90)によって、油の撹拌効率を高めることにより、油溜まり(15)中の油から冷媒を発泡させ易くなる。
第6の発明は、第5の発明において、上記複数のパドル部(90)は、径方向の長さが互いに略同一であり、且つバランスウェイト(70)の重心が上記偏心軸(32)の偏心方向と逆側に寄るように配設されていることを特徴とする。
第6の発明では、複数のパドル部(90)の径方向長さが略同一の長さとなる。このため、パドル部(90)に作用する油の抵抗(撹拌抵抗)を低減できる。一方、バランスウェイト(70)では、その重心が偏心軸(32)の偏心方向と逆側に寄るように、複数のパドル部(90)の位置、形状、大きさ等の設定される。これにより、バランスウェイト(70)の所期の機能が確保される。
第7の発明は、第1乃至第6のいずれか1つの発明において、上記バランスウェイト(70)は、上記油吸込口(61)の内周面に嵌合する嵌合凸部(75)と、該嵌合凸部(75)の内側に形成されて上記油吸込口(61)と連通する油流入穴(72)とを有していることを特徴とする。
第7の発明のバランスウェイト(70)には、嵌合凸部(75)が形成される。この嵌合凸部(75)が油吸込口(61)に内嵌することで、バランスウェイト(70)を駆動軸(30)の下端に取り付けることができる。また、本発明では、油溜まり(15)の油が、バランスウェイト(70)の油流入穴(72)を介して油吸込口(61)へ吸い込まれる。これにより、油吸込口(61)に吸い込まれる直前の油を撹拌部(73,90)によって確実に撹拌することができる。その結果、油吸込口(61)からシリンダ室(C)へ供給される油中の冷媒の溶解量を更に低減できる。
本発明では、バランスウェイト(70)に撹拌部(73,90)を設け、撹拌部(73,90)で撹拌して冷媒を発泡させた後の油をシリンダ室(C)へ供給するようにしている。これにより、バランスウェイト(70)で駆動軸(30)の撓みを抑制するとともに、シリンダ室(C)での冷媒の発泡を未然に回避して圧縮効率を高めることができる。また、バランスウェイト(70)に撹拌機能を付与することで、部品点数の削減を図ることができる。
第2の発明では、円板状の本体部(71)に貫通穴(80)を形成し、隣り合う貫通穴(80)の間の部位に撹拌部(73)を構成している。このため、比較的容易な加工により、バランスウェイト(70)を一体成形することができ、製造時間や製造コストを低減できる。また、本体部(71)を円板状とすることで、油の撹拌抵抗を低減できる。従って、このような撹拌抵抗に起因して電動機(21)の動力損失が増大してしまうことも抑制できる。特に第3の発明では、本体部(71)の軸心を駆動軸(30)と同軸としているため、バランスウェイト(70)の撹拌抵抗を効果的に低減できる。
第4の発明では、撹拌部(73,90)を駆動軸(30)までの延出させているため、駆動軸(30)の油吸込口(61)に吸い込まれる直前の油も充分に撹拌できる。よって、シリンダ室(C)の油の発泡を一層効果的に抑制できるので、圧縮効率を向上できる。
第5の発明では、バランスウェイト(70)に複数のパドル部(90)を放射状に形成したため、油の撹拌効率を向上でき、ひいては圧縮効率を更に向上できる。特に第6の発明では、各パドル部(90)の径方向長さを等しくしているため、撹拌抵抗も効果的に低減できる。
第7の発明では、バランスウェイト(70)に嵌合凸部(75)を形成したことで、駆動軸(30)に対するバランスウェイト(70)の取り付けが容易となる。また、油吸込口(61)に吸い込まれる直前の油を効果的に撹拌することができ、シリンダ室(C)での冷媒の発泡を防止できる。
図1は、実施形態1に係る回転式圧縮機の全体構成を示す縦断面図である。 図2は、実施形態1に係る回転式圧縮機の油供給機構を拡大した縦断面図である。 図3は、実施形態1に係るリアバランスウェイトを拡大した縦断面図である。 図4は、実施形態1に係るリアバランスウェイトのIV-IV断面図である。 図5は、実施形態1の変形例1に係るリアバランスウェイトの図4相当図である。 図6は、実施形態1の変形例2に係るリアバランスウェイトの図4相当図である。 図7は、実施形態2にリアバランスウェイトを拡大した縦断面図である。 図8は、実施形態2に係るリアバランスウェイトのXIII-XIII断面図である。 図9は、実施形態2の変形例に係るリアバランスウェイトの図8相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
実施形態1に係る回転式圧縮機(10)は、冷凍装置の冷媒回路(図示省略)に接続され、冷凍サイクルの圧縮行程を行う。図1に示すように、回転式圧縮機(10)は、縦長円筒状のケーシング(11)と、このケーシング(11)内に配置された駆動機構(20)及び圧縮機構(40)を備えている。
ケーシング(11)は、縦長の円筒状で上下両端が開口した胴部(12)と、この胴部(12)の上部開口を閉塞するように胴部(12)に固定された上部鏡板(13)と、この胴部(12)の下部開口を閉塞するように胴部(12)に固定された下部鏡板(14)とを含んでいる。ケーシング(11)の下端部には、油(冷凍機油)を貯留するための油溜まり(15)が形成されている。油溜まり(15)の油面(16)は、圧縮機構(40)の下部が油に浸かる程度の高さに設定されている。
ケーシング(11)には、吸入管(17)と吐出管(18)とが接続されている。吸入管(17)は、ケーシング(11)の胴部(12)を貫通して圧縮機構(40)に直に接続されている。吐出管(18)は、ケーシング(11)の上部鏡板(13)の頂部を貫通し、吐出管(18)の流入端がケーシング(11)の内部空間(S)に連通している。ケーシング(11)の内部空間(S)は、圧縮機構(40)で圧縮された高圧の冷媒で満たされている。つまり、本実施形態の回転式圧縮機(10)は、圧縮機構(40)から吐出された高圧ガス冷媒を内部空間(S)を介して吐出管(18)よりケーシング(11)の外部へ吐出する、いわゆる高圧ドーム式に構成されている。
駆動機構(20)は、電動機(21)と、該電動機(21)に回転駆動される駆動軸(30)とを有している。電動機(21)は、ステータ(22)とロータ(23)とを備えている。ステータ(22)は、電磁鋼板を積層することにより円筒状に形成されたステータコア(22a)と、該ステータコア(22a)に巻きつけられたコイル(22b)とを含んでいる。ステータ(22)は、ステータコア(22a)の外周面がケーシング(11)の胴部(12)の上側寄りの部位に溶接又は焼き嵌めされることで固定されている。ロータ(23)は、電磁鋼板を積層することにより形成されたロータコア(23a)と、該ロータコア(23a)に装着された永久磁石(23b)とから構成されている。ロータ(23)は、その外周面とステータ(22)の内周面との間に均一で微細なラジアルギャップ(G)が形成されるように、ステータ(22)の内周側に配置されている。
駆動軸(30)は、ロータ(23)の内周面に固定されている。駆動軸(30)は、主軸部(31)と、この主軸部(31)の下部に形成された偏心軸(32)とを有している。偏心軸(32)は、主軸部(31)よりも大径の円柱状に形成され、その軸心が主軸部(31)の軸心から所定量だけ偏心している。
圧縮機構(40)は、旋回式の圧縮機構の一種である、揺動ピストン型ロータリー式圧縮機構により構成されている。圧縮機構(40)は、電動機(21)の下方に配置されている。圧縮機構(40)は、シリンダ室(C)を有するシリンダ(41)と、シリンダ室(C)に収容されて旋回運動を行う揺動ピストン(50)とを備えている。
シリンダ(41)は、環状のシリンダ本体(42)と、このシリンダ本体(42)の上側開口を閉塞するフロントヘッド(43)と、このシリンダ本体(42)の下側開口を閉塞するリアヘッド(44)とを有している。シリンダ本体(42)は、ケーシング(11)の胴部(12)に固定される。フロントヘッド(43)は、シリンダ本体(42)の上面にボルトなどの締結部材により固定される。リアヘッド(44)は、シリンダ本体(42)の下面にボルトなどの締結部材により固定される。シリンダ(41)では、シリンダ本体(42)とフロントヘッド(43)とリアヘッド(44)との間に区画された空間が、上下に扁平な円柱状のシリンダ室(C)となっている。また、フロントヘッド(43)とリアヘッド(44)とには、駆動軸(30)の主軸部(31)を回転可能に支持する軸受け部(43a,44a)が形成されている。
揺動ピストン(50)は、円環状のピストン本体(51)を備えている。シリンダ室(C)の内部には、駆動軸(30)の偏心軸(32)が位置しており、この偏心軸(32)にピストン本体(51)が装着されている。具体的に、ピストン本体(51)は、偏心軸(32)の外周面に摺動自在に嵌合している。また、揺動ピストン(50)は、駆動軸(30)が回転するときに、揺動ピストン(50)の外周面がシリンダ室(C)の内周面に油膜を介して実質的に接するように構成されている。揺動ピストン(50)は、ピストン本体(51)に一体的に連結されてシリンダ室(C)を高圧室と低圧室に区画するブレードと、該ブレードを進退自在に保持する揺動ブッシュとを備えている(図示省略)。
シリンダ(41)のシリンダ本体(42)には、吸入ポート(45)が形成されている。吸入ポート(45)には、吸入管(17)が接続されている。シリンダ(41)のフロントヘッド(43)には、吐出ポート(46)が形成されている。吐出ポート(46)は、その下端がシリンダ室(C)に接続されている。吐出ポート(46)の上端面には、リード弁である吐出弁(53)が設けられている。フロントヘッド(43)の上面には、吐出ポート(46)を覆うように吐出カバー(55)が取り付けられている。吐出カバー(55)は、冷媒の吐出音を低減するための消音部材を構成している。
図2に示すように、回転式圧縮機(10)は、油溜まり(15)に溜まった油を圧縮機構(40)の各摺動部へ供給する油供給機構(60)を備えている。本実施形態の油供給機構(60)は、ケーシング(11)の内部空間(S)の内圧を利用して油を搬送する、いわゆる差圧給油方式である。油供給機構(60)は、油吸込口(61)、給油流路(62)、ガス抜き孔(63)、軸受け給油路(64,65)、及びシリンダ給油路(66)を有している。
油吸込口(61)は、駆動軸(30)の下端の軸心部に形成されている。つまり、油吸込口(61)は、油溜まり(15)の油面(16)よりも低い位置に開口している。油吸込口(61)には、詳細は後述するリアバランスウェイト(70)が取り付けられている。給油流路(62)は、駆動軸(30)の内部を上下方向に延びて形成されている。給油流路(62)の下端は油吸込口(61)に接続している。給油流路(62)の上端は、フロントヘッド(43)の軸受け部(43a)よりもやや高くに位置している。給油流路(62)の上端近傍には、ガス抜き孔(63)が形成されている。ガス抜き孔(63)は、駆動軸(30)を径方向に貫通している。
駆動軸(30)には、給油流路(62)から分岐するように、第1軸受け給油路(64)と第2軸受け給油路(65)とが形成されている。第1軸受け給油路(64)は、リアヘッド(44)の軸受け部(44a)の上端寄りに位置し、駆動軸(30)を径方向に貫通している。第1軸受け給油路(64)は、軸受け部(44b)の摺動部へ潤滑用の油を供給する。第2軸受け給油路(65)は、フロントヘッド(43)の軸受け部(43a)の下端寄りに位置し、駆動軸(30)を径方向に貫通している。第2軸受け給油路(65)は、軸受け部(43a)の摺動部へ潤滑用の油を供給する。
シリンダ給油路(66)は、偏心軸(32)の内部に形成されている。シリンダ給油路(66)は、給油流路(62)から分岐して偏心軸(32)を径方向に延びている。シリンダ給油路(66)の流出端は、ピストン本体(51)の内周面に向かって開口している。シリンダ給油路(66)は、ピストン本体(51)と偏心軸(32)のとの間の摺動部や、揺動ピストン(50)とシリンダ(41)との間の摺接部へ潤滑油を供給する。
実施形態1に係る回転式圧縮機(10)は、下バランスウェイト(25)と、上バランスウェイト(26)と、リアバランスウェイト(70)とを有している(図1を参照)。下バランスウェイト(25)は、ロータ(23)の下端面における外縁部に固定されている。下バランスウェイト(25)は、ロータ(23)において、駆動軸(30)の軸心を基準として偏心軸(32)の偏心方向と逆側の部位に位置している。つまり、下バランスウェイト(25)の偏心角度は、偏心軸(32)の偏心角度に対して約180°ずれている。下バランスウェイト(25)は、偏心軸(32)の遠心力を相殺して駆動軸(30)の撓みを抑制するよう構成されている。
上バランスウェイト(26)は、ロータ(23)の上端面における外縁部に固定されている。上バランスウェイト(26)は、ロータ(23)において、駆動軸(30)の軸心を基準として、下バランスウェイト(25)の偏心方向と逆側の部位に位置している。つまり、上バランスウェイト(26)の偏心角度は、下バランスウェイト(25)に対して約180°ずれている。上バランスウェイト(26)は、下バランスウェイト(25)に起因して発生する曲げモーメントを抑制するように構成されている。
図2〜図4に示すように、リアバランスウェイト(70)は、駆動軸(30)の下部に配設されている。リアバランスウェイト(70)は、本体部(71)と油流入穴(72)と複数の貫通穴(80)とを有している。
本体部(71)は、上下に扁平な円板状に形成されている。本体部(71)の外径は、駆動軸(30)の外径よりも大きくなっている。本体部(71)は、その軸心が主軸部(31)の軸心(図4に示す軸心O)と略一致するように、駆動軸(30)に固定されている。
油流入穴(72)は、本体部(71)の軸心部に形成されている。つまり、油流入穴(72)の軸心は駆動軸(30)の主軸部(31)の軸心と略一致している。油流入穴(72)の口径は、油吸込口(61)の内径よりも小さくなっている。
実施形態1では、油流入穴(72)の周囲に4つの貫通穴(80)が周方向に配列されている。より詳細に、これらの貫通穴(80)は、第1から第3までの大径貫通穴(81,82,83)と、1つの小径貫通穴(84)とで構成されている。
第1大径貫通穴(81)は、軸心Oを基準として、偏心軸(32)の偏心方向(図4の矢印eが示す方向)寄りに位置している。第2大径貫通穴(82)は、その軸心が、第1大径貫通穴(81)の軸心から時計回りに約90°を置くように配設され、第3大径貫通穴(83)は、その軸心が、第1大径貫通穴(81)の軸心から反時計回りに約90°を置くように配設されている。小径貫通穴(84)は、軸心Oを基準として偏心軸(32)の偏心方向と逆側寄りに位置している。小径貫通穴(84)の口径は、大径貫通穴(81,82,83)の口径よりも小さくなっている。
以上のような貫通穴(80)の位置、大きさ、形状により、リアバランスウェイト(70)では、その重心(例えば図4に例示するb点)が偏心軸(32)の偏心方向と逆側に寄っている。これにより、リアバランスウェイト(70)は、偏心軸(32)の遠心力を相殺して駆動軸(30)の撓みを抑制するように構成されている。
本体部(71)では、隣り合う貫通穴(80,80)の間に介在する部位が、撹拌部(73)を構成している。つまり、撹拌部(73)は、油を撹拌するように径方向に延びている。本実施形態では、各貫通穴(80)に対応して、本体部(71)に4つの撹拌部(73)が形成されている。本実施形態では、これらの撹拌部(73)が周方向に概ね等間隔で配列されている。
本実施形態では、各貫通穴(80)の一部が油流入穴(72)と重複するように形成されている。これにより、本体部(71)では、各貫通穴(80)及び油流入穴(72)が、互いに繋がった1つの空間を構成している。このような貫通穴(80)の配置により、4つの撹拌部(73)の内側端部は、油流入穴(72)まで延出している。つまり、本実施形態の撹拌部(73)の内側端部は、少なくとも駆動軸(30)の外周面に至るように径方向に延びている。なお、上述した油流入穴(72)及び各貫通穴(80)は、本体部(71)をなす円板状の基板に穴空け加工が施されることで形成される。
また、リアバランスウェイト(70)には、本体部(71)の軸心部において、油流入穴(72)の周囲に嵌合凸部(75)が形成されている。本実施形態の嵌合凸部(75)は、4つの撹拌部(73)の内側端部にそれぞれ形成される突片部(76)によって構成されている。各突片部(76)は、本体部(71)から駆動軸(30)に向かって屈曲して突出しており、各突片部(76)が駆動軸(30)の油吸込口(61)の内周面に嵌合する。より詳細に、各突片部(76)は、油吸込口(61)に圧入されている。これにより、リアバランスウェイト(70)が駆動軸(30)の下端に固定される。リアバランスウェイト(70)が固定されると、本体部(71)の油流入穴(72)と油吸込口(61)とが連通する。つまり、油溜まり(15)の油は、油流入穴(72)を経由して油吸込口(61)に吸い込まれ、給油流路(62)へ送られる。
−運転動作−
次に、この回転式圧縮機(10)の運転動作について説明する。
電動機(21)を起動すると、ロータ(23)及び駆動軸(30)が一体的に回転する。その結果、偏心軸(32)が偏心回転して揺動ピストン(50)が旋回運動を行う。シリンダ室(C)では、揺動ピストン(50)の旋回運動に伴い、圧縮室が拡大される動作と縮小される動作とが交互に行われる。圧縮室の容積が拡大されていくと、吸入ポート(45)からシリンダ室(C)へ冷媒が吸入される。圧縮室の容積が縮小されていくと、シリンダ室(C)の冷媒が吐出ポート(46)からケーシング(11)の内部空間(S)へ吐出される。内部空間(S)に吐出された高圧冷媒は、吐出管(18)を通じてケーシング(11)の外部へ流出する。この冷媒は、冷媒回路を循環する際、凝縮行程、膨張行程、及び蒸発行程を経た後、再び回転式圧縮機(10)に吸入されて圧縮行程が行われる。以上のように、冷媒回路では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
−給油動作−
上述した運転動作では、油溜まり(15)に溜まった油を圧縮機構(40)の各摺動部へ供給する給油動作が行われる。この給油動作について詳細に説明する。
電動機(21)によって駆動軸(30)が回転駆動されると、これに伴いリアバランスウェイト(70)も回転する。リアバランスウェイト(70)は、油溜まり(15)の油中に浸漬している。よって、リアバランスウェイト(70)の回転に伴い、油溜まり(15)の油が撹拌される。より詳細には、リアバランスウェイト(70)には、径方向に延びる複数の撹拌部(73)が形成されている。このため、各撹拌部(73)によって油が効率良く撹拌される。
一方、リアバランスウェイト(70)の本体部(71)は、円板状に形成されており、その外縁部の形状も円形となっている。よって、本体部(71)に作用する油の抵抗(撹拌抵抗)を抑えることができる。加えて、本体部(71)の軸心は、駆動軸(30)の主軸部(31)の軸心Oと略一致している。よって、例えば本体部(71)が軸心Oに対して偏心している構成と比較すると、回転時の本体部(71)に作用する撹拌抵抗を低減できる。
このようにして油溜まり(15)の油が撹拌されると、油中に溶解していた冷媒が発泡して気化する。よって、リアバランスウェイト(70)の近傍の油は、冷媒の溶解量が比較的少なくなる。特に、油流入穴(72)の近傍では、撹拌部(73)の内側端部によって、油が効果的に撹拌される。よって、油流入穴(72)を通じて油吸込口(61)に吸い込まれる油に含まれる冷媒の溶解量は、極めて少ないものとなる。
以上のようにして、冷媒が発泡した後に油吸込口(61)に吸い込まれた油は、給油流路(62)を上方へ流れる。給油流路(62)を流れる油の一部は、各軸受け給油路(64,65)に分流して各軸受け部(43a,43b)の摺動部の潤滑に利用される。
また、給油流路(62)を流れる油の一部は、シリンダ給油路(66)に分流してピストン本体(51)の内周面に供給される。この油は、ピストン本体(51)と偏心軸(32)との間の摺動部や、シリンダ(41)と揺動ピストン(50)との間の摺動部へと供給される。ここで、シリンダ室(C)に供給された油中には、冷媒があまり溶存していない。上記のリアバランスウェイト(70)の撹拌動作により、既に冷媒が気化されているからである。このため、シリンダ室(C)では、油中の冷媒が発泡してしまうことを未然に回避できる。その結果、このような冷媒の発泡に起因して、圧縮効率が低下してしまうことを防止できる。
−実施形態1の効果−
実施形態1では、駆動軸(30)の下端にリアバランスウェイト(70)を設けることで、偏心軸(32)の遠心力に起因する駆動軸(30)の撓みを抑制することができる。従って、ロータ(23)の振れ回りを未然に防止して、回転式圧縮機(10)の騒音や振動を低減できる。また、リアバランスウェイト(70)を設けることで、例えば図1に示すように、下バランスウェイト(25)の小型化/軽量化を図ることができる。これに伴い、上バランスウェイト(26)の小型化/軽量化を図ることができる。
実施形態1では、リアバランスウェイト(70)に撹拌部(73)を形成することで、駆動軸(30)の回転に伴って油溜まり(15)の油を積極的に撹拌するようにしている。これにより、油吸込口(61)に吸い込まれる油中の冷媒を予め発泡させることができるので、シリンダ室(C)内での冷媒の発泡を防止できる。その結果、冷媒のガス化に起因して圧縮効率が低下してしまうことを防止できる。
実施形態1では、リアバランスウェイト(70)の本体部(71)を円板状に形成し、且つ本体部(71)の軸心を主軸部(31)の軸心と一致させている。このため、回転中のリアバランスウェイト(70)に作用する油の抵抗(即ち、撹拌抵抗)を軽減することができる。その結果、電動機(21)の動力損失を低減することができ、圧縮効率の向上に寄与できる。
実施形態1では、本体部(71)に複数の貫通穴(80)を形成し、これらの貫通穴(80)の間に介在する部位を撹拌部(73)として利用している。このため、比較的簡易な製法により、複数の撹拌部(73)を有するリアバランスウェイト(70)を一体成形できる。また、複数の貫通穴(80)の開口位置、大きさ、形状等を変更することで、リアバランスウェイト(70)の重心を所望とする位置に合わせることができる。
実施形態1では、複数の貫通穴(80)を油流入穴(72)に重複させるように形成しているため、各貫通穴(80)の間に形成される撹拌部(73)を油流入穴(72)まで延出させることができる。これにより、油流入穴(72)に吸い込まれる油を確実に撹拌することができ、冷媒の発泡の効率を高めることができる。
実施形態1では、撹拌部(73)の内側端部に嵌合凸部(75)(より詳細には、複数の突片部(76))を形成し、この嵌合凸部(75)を油吸込口(61)に圧入させるようにしている。これにより、駆動軸(30)の下端にリアバランスウェイト(70)を容易に取り付けることができる。また、油吸込口(61)に吸い込まれる直前の油を確実に撹拌して、この油中の冷媒を発泡させることができる。
−実施形態1の変形例−
実施形態1について、リアバランスウェイト(70)を以下のような変形例の構成としてもよい。
〈実施形態1の変形例1〉
図5に示すリアバランスウェイト(70)は、本体部(71)の軸心部に円形の油流入穴(72)が形成されている。油流入穴(72)の周囲には、環状に形成されて駆動軸(30)側に突出する環状凸部(77)が形成されている。環状凸部(77)は、駆動軸(30)の油吸込口(61)に嵌合する嵌合凸部(75)を構成している。具体的に、環状凸部(77)は、油吸込口(61)の内周面に沿うように形成され、油吸込口(61)に圧入される。これにより、リアバランスウェイト(70)は、駆動軸(30)の下端に取り付けられて固定される。この変形例1では、実施形態1と比較して、嵌合凸部(75)の外壁と駆動軸(30)の内壁との間の接触面積が広くなるため、リアバランスウェイト(70)の取り付け強度が向上する。
また、変形例1では、環状凸部(77)の周囲に、5つの貫通穴(80)が形成されている。各貫通穴(80)は、油流入穴(72)と重複しておらず、正円形状に形成されている。これらの貫通穴(80)は、3つの大径貫通穴(81,82,83)と、2つの小径貫通穴(84,85)とで構成されている。
3つの大径貫通穴(81,82,83)は、軸心Oを基準として、偏心軸(32)の偏心方向(図5の矢印eが示す方向)に寄るように配設されている。これに対し、2つの小径貫通穴(84,85)は、軸心Oを基準として、偏心軸(32)の偏心方向と逆方向に寄るように配設されている。また、小径貫通穴(84,85)の口径は、大径貫通穴(81,82,83)の口径よりも小さくなっている。これにより、リアバランスウェイト(70)の重心(例えば図5に示すb点)が、偏心軸(32)の偏心方向と逆側に寄っている。従って、この変形例1においても、リアバランスウェイト(70)により、偏心軸(32)の遠心力を相殺して駆動軸(30)の撓みを抑制できる。
また、変形例1においても、隣接する各貫通穴(80)の間の部位がそれぞれ撹拌部(73)を構成している。変形例1では、実施形態1のように撹拌部(73)の内側端部が油流入穴(72)にまで至っておらず、環状凸部(77)の外周に形成される円環部(78)と連接している。これにより、変形例1では、撹拌部(73)の強度が向上する。
変形例1の給油動作においても、油溜まりの油がリアバランスウェイト(70)によって撹拌されることで、この油中の冷媒を発泡させることができる。従って、シリンダ室(C)での冷媒の発泡を回避できるので、圧縮効率を向上できる。また、変形例1においても、本体部(71)の軸心と主軸部(31)の軸心Oとが略一致し、且つ本体部(71)の外縁が円形状に形成されている。このため、リアバランスウェイト(70)に作用する油の抵抗を低減して電動機(21)の動力損失を低減できる。
〈実施形態1の変形例2〉
図6に示すリアバランスウェイト(70)は、上述した変形例1において、貫通穴(80)を更に付加したものである。具体的に、変形例2の本体部(71)には、小径貫通穴(84,85)よりも口径が小さい、3つの最小径貫通穴(86,87,88)が形成されている。これらの最小径貫通穴(86,87.88)は、軸心Oを基準に、矢印eの方向と逆側に向かって小径貫通穴(84,85)よりも更に離れた位置に形成されている。
このように貫通穴(80)を形成することで、リアバランスウェイト(70)の重心を偏心軸(32)と反対側に寄せることができ、駆動軸(30)の撓みを防止できる。また、隣接する貫通穴(80)の間の部位に形成される撹拌部(73)の本数を更に増大できるため、油の撹拌効率を高めて油中での冷媒の発泡を促すことができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2に係る回転式圧縮機(10)は、実施形態1とリアバランスウェイト(70)の構成が異なるものである。具体的に、実施形態1のリアバランスウェイト(70)は、円板状の本体部(71)に複数の貫通穴(80)を形成して撹拌部(73)を形成する構造となっている。これに対し、実施形態2のリアバランスウェイト(70)は、駆動軸(30)の周囲に撹拌部としての複数のパドル部(90)を設けて油を撹拌する構造となっている。
図7及び図8に示すように、実施形態2のリアバランスウェイト(70)は、筒部(79)と、筒部(79)の内部に形成される油流入穴(72)と、筒部(79)の外周壁に固定される複数のパドル部(90)とを有している。筒部(79)は、その軸心が主軸部(31)の軸心Oと一致する円筒状に形成されている。筒部(79)の上部は、油吸込口(61)に嵌合するように駆動軸(30)に圧入される。これにより、リアバランスウェイト(70)は、駆動軸(30)の下端に固定される。以上のように、実施形態2では、筒部(79)が、油吸込口(61)に嵌合する嵌合凸部(75)を構成している。
複数のパドル部(90)は、筒部(79)の外壁から径方向外方に向かって放射状に延びている。実施形態2では、8つのパドル部(90)が周方向に等間隔置きに配列されている。各パドル部(90)は、周方向に扁平な板状ないし直方体状に形成されている。各パドル部(90)の径方向の長さは、互いに同じ長さとなっている。
実施形態2のリアバランスウェイト(70)には、円弧状ないし扇状に形成されたバランサー部材(100)が設けられている。バランサー部材(100)は、複数のパドル部(90)のうち偏心軸(32)とは逆側寄りの3つのパドル部(90a,90a,90a)の下端面に取り付けられている。なお、このバランサー部材(100)をこれらのパドル部(90a)の上端面に取り付けてもよい。このようにバランサー部材(100)を設けることで、リアバランスウェイト(70)の重心が偏心軸(32)と逆側に寄ることになる。従って、実施形態2においても、駆動軸(30)の撓みを防止して騒音や振動を低減することができる。
実施形態2では、放射状に形成されたパドル部(90)によって、油溜まり(15)の油が効率良く撹拌される。その結果、油溜まり(15)の油から冷媒を未然に発泡させることができ、圧縮効率を向上できる。特に、実施形態2のパドル部(90)は、駆動軸(30)の内部に至るまで径方向に延びている(図7を参照)。このため、油流入穴(72)から油吸込口(61)へ吸い込まれる直前の油を充分に撹拌することができる。従って、シリンダ室(C)へ供給される油中から確実に冷媒を抜くことができる。また、複数のパドル部(90)の径方向の長さが互いに等しいため、リアバランスウェイト(70)に作用する撹拌抵抗も比較的小さくなる。
−実施形態2の変形例−
実施形態2のリアバランスウェイト(70)について、以下のような変形例の構成としてもよい。図9に示す変形例のリアバランスウェイト(70)には、実施形態2のバランサー部材(100)が設けられていない。一方、この変形例では、パドル部(90)の形状を変化させることで、リアバランスウェイト(70)の重心を偏心軸(32)と逆側に寄せている。
具体的に、この変形例のパドル部(90)は、水平断面(駆動軸(30)の軸直角断面)の形状が、略扇型に形成されている。また、複数(8つ)のパドル部(90)は、4つの第1パドル部(91)と、2つの第2パドル部(92)と、1つの第3パドル部(93)とで構成されている。第1パドル部(91)は、周方向の幅が最も小さい扇状に形成され、軸心Oを基準として、偏心軸(32)の偏心方向に寄った位置に形成されている。第3パドル部(93)は、周方向の幅が最も大きい扇状に形成され、軸心Oを基準として、偏心軸(32)の偏心方向と逆側に寄った位置に形成されている。第2パドル部(92)の周方向の幅は、第1パドル部(91)の幅より大きく、第3パドル部(93)の幅よりも小さい。第2パドル部(92)は、第3パドル部(93)と第1パドル部(91)との間にそれぞれ1つずつ配置されている。
以上のようなリアバランスウェイト(70)では、その重心が、第3パドル部(93)及び第2パドル部(92)の重量によって、偏心軸(32)と逆側に寄ることになる。従って、この変形例においても、駆動軸(30)の撓みを防止することができる。また、各パドル部(90)によって、油溜まり(15)中の油を効率良く撹拌して、油中の冷媒の発泡効果を高めることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態で述べた貫通穴(80)やパドル部(90)の数量や、形状、配置等は単なる一例である。これらは、リアバランスウェイト(70)の重心を偏心軸(32)と逆側に寄せることができれば、如何なるものであってもよい。
上記実施形態の回転式圧縮機(10)の圧縮機構(40)は、旋回式の圧縮機構の一種である、揺動ピストン型ロータリー式である。しかしながら、例えばロータリー式、スクロール式、スクリュー式等の他の方式の圧縮機構について、本発明を適用することも可能である。
以上説明したように、本発明は、回転式圧縮機における、駆動軸の撓み防止の対策、及び圧縮効率を向上させる対策について有用である。
10 回転式圧縮機
11 ケーシング
15 油溜まり
20 駆動機構
21 電動機
30 駆動軸
32 偏心軸
40 圧縮機構
41 シリンダ
51 ピストン本体(ピストン)
60 油供給機構
61 油吸込口
70 リアバランスウェイト(バランスウェイト)
71 本体部
72 油流入穴
73 撹拌部
80 貫通穴
90 パドル部(撹拌部)
C シリンダ室

Claims (7)

  1. 電動機(21)と、該電動機(21)に回転駆動されるとともに偏心軸(32)が形成された駆動軸(30)を有する駆動機構(20)と、
    上記偏心軸(32)に嵌合するピストン(51)と、該ピストン(51)を収容するシリンダ室(C)を内部に形成するシリンダ(41)とを有して冷媒を圧縮する圧縮機構(40)と、
    上記駆動機構(20)及び圧縮機構(40)を収容し、底部に油溜まり(15)が形成されるケーシング(11)と、
    上記偏心軸(32)の遠心力を相殺するように上記駆動軸(30)の下部に配設されるバランスウェイト(70)とを備えた回転式圧縮機であって、
    上記駆動軸(30)の下端に形成される油吸込口(61)を有し、上記油溜まり(15)の油を該油吸込口(61)から吸い込んで上記シリンダ室(C)に供給する油供給機構(60)を備え、
    上記バランスウェイト(70)には、上記油溜まり(15)の油を撹拌するように径方向に延びる撹拌部(73,90)が形成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記バランスウェイト(70)は、円板状の本体部(71)と、該本体部(71)の周方向に配列されるように該本体部(71)に形成される複数の貫通穴(80)とを有し、隣り合う貫通穴(80)に介在する部位に上記撹拌部(73)を構成していることを特徴とする回転式圧縮機。
  3. 請求項2において、
    上記バランスウェイト(70)は、上記本体部(71)の軸心が駆動軸(30)の軸心と略一致するように配設され、
    上記複数の貫通穴(80)は、上記バランスウェイト(70)の重心が上記偏心軸(32)の偏心方向と逆側に寄るように上記本体部(71)に配設されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    上記バランスウェイト(70)の撹拌部(73,90)は、該撹拌部(73,90)の長手方向の内側端部が上記駆動軸(30)に至るように延びていることを特徴とする回転式圧縮機。
  5. 請求項1において、
    上記バランスウェイト(70)は、上記駆動軸(30)から径方向外方に向かって放射状に延びる上記撹拌部としての複数のパドル部(90)を有していることを特徴とする回転式圧縮機。
  6. 請求項5において、
    上記複数のパドル部(90)は、径方向の長さが互いに略同一であり、且つバランスウェイト(70)の重心が上記偏心軸(32)の偏心方向と逆側に寄るように配設されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つにおいて、
    上記バランスウェイト(70)は、上記油吸込口(61)の内周面に嵌合する嵌合凸部(75)と、該嵌合凸部(75)の内側に形成されて上記油吸込口(61)と連通する油流入穴(72)とを有していることを特徴とする回転式圧縮機。
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