JP2015196688A - テストステロン産生促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、加齢とともに減少するテストステロンの産生を、体内の経路を用いて促進するテストステロン産生促進剤を提供することにある。
【解決手段】
プロペニルシステイン又はグルタミル−プロペニルシステインからなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とするテストステロン産生促進剤であり、好ましくは、前記プロペニルシステイン及びグルタミル−プロペニルシステインがアリウム属植物由来であり、さらに好ましくは、前記アリウム属植物がニンニクであることを特徴とするテストステロン産生促進剤。
【選択図】図1

Description

本発明は、テストステロン産生促進剤、及びこれを含む食品用添加剤、飲食品、医薬品、化粧品、飼料、ペットフード等の各種製品に関する。
テストステロンは、男性ホルモンとも呼称されるものであり、視床下部より分泌された性腺刺激ホルモンが下垂体前葉に作用して、黄体ホルモンおよび卵胞刺激ホルモンの分泌を刺激し、この両ホルモンが精巣や副腎に作用することで合成されることが知られている。例えば、精巣のLeydig細胞にて合成されたテストステロンは、細胞膜の拡散現象によって血中へと放出されるが、血中での遊離型のテストステロンは全体の1〜2%程度であり、50〜60%がグロブリン結合型テストステロン、40〜50%が性ホルモン結合グロブリン型テストステロンの形で存在することが知られている。生理活性を有するテストステロンの形態は遊離型とグロブリン結合型であって、性ホルモン結合グロブリン型テストステロンには生理活性作用はないと考えられている(例えば、非特許文献1参照。)。
テストステロンの機能は、母体内で未成熟の胎児が男児への性分化を行うアンドロゲンシャワーと呼ばれる現象や、男児が大人の男性へといたる変化である2次性徴など、時期特異的な変化の他、筋力量の維持、気力の維持、性衝動の増強、男性器の勃起や精巣などにおける精子の合成にも関与していることが知られている(例えば、非特許文献2参照。)。男性においてはテストステロンの血清値は成長と共に上昇を続けるが、20代をピークに減少をはじめ、壮年期の男性における、気力の低下、筋力量の低下、勃起不全などの症状に代表される男性型更年期障害を引き起こすと考えられている。
減少するテストステロンを補うため、男性更年期症患者に対してはテストステロン補充療法も行われているが、血中テストステロンがごく微量で作用示すことや、血中量に概日変化があることが知られており、一過的な投与で症状を改善するには、投与量の管理や、タイミングが難しい。このため、一過的なテストステロン補充療法には、死亡率や心筋梗塞および虚血性脳梗塞などの発生率を上昇させたという報告もある(例えば、非特許文献3参照)。
一方、いくつかの食品由来物質にもテストステロン産生促進作用があることが明らかとなっている。例えば、S−メチル−L−システインスルホキシド、S−プロピル−L−システインスルホキシド、S−アリル−L−システインスルホキシド及びS−1−プロペニル−L−システインスルホキシドなどのネギ属に含まれるスルホキシド化合物群(以下、「アリイン類」と称する場合がある。)にテストステロン産生促進作用があることが報告されており(例えば、特許文献1参照。)、さらに玉ねぎ又はオニオンジュースやオニオンヴィネガー等の加工品が男性の性的機能老化の改善作用を持つことが報告されている(例えば、特許文献2参照)。この他にも受精させた鶏卵等を用いる方法(例えば、特許文献3参照。)や、ビタミンKを有効成分とする剤(例えば、特許文献4参照。)ゲラニルゲラニオールを有効成分として含むテストステロン増強剤(例えば、特許文献5参照。)などが挙げられる。
しかし、ネギ類に含まれる上記スルホキシド化合物群は、内在する酵素と酸素の作用によって反応し有効作用を持たない他の物質に容易に変化するため必要な量を摂取する事が難しいという観点から、いずれの発明も食品由来物質によるテストステロン産生の促進効果は満足のいくものではなかった。
このように、医薬品等による治療は、テストステロンの上昇が一過的であるため、血中での値をコントロールしにくく、食品由来物質ではテストステロンを有効濃度まで上昇させることが難しかったため、毎日摂取しても問題なく、生体内の経路を用いてテストステロンの産生を強化するテストステロン産生促進剤が求められていた。
特許第4172488号明細書 特開平9−169661号公報 国際公開第94/03192号 国際公開第2007/148494号 特開2010−275214号公報
メルクマニュアルズ オンラインメディカルライブラリー セクション:泌尿生殖器疾患、章:男性の生殖内分泌化学 最終改定日2007年6月 「中高年男性における医学的問題点−そのQOLの問題点を中心−」 日老医誌 2008;45:266−269. 「Increased Risk of Non−Fatal Myocardial Infraction Following Testosterone Therapy Prescription in Men」Plos One,2014;1:e85805.
本発明の目的は、我々の生活に様々な効果をもたらすテストステロンの産生を、自身の体内産生経路を活性化することによって、身体への負荷なく促進させるものである。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討した結果、プロペニルシステイン又はグルタミル−プロペニルシステインからなる群から選択される少なくとも1種を含有する剤が、テストステロン産生を効果的に促進する作用を有することを見出し、本発明は、かかる知見に基づいて検討を重ねることにより完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(5)を要旨とするものである。
(1)プロペニルシステイン又はグルタミル−プロペニルシステインからなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とするテストステロン産生促進剤。
(2)前記プロペニルシステイン及びグルタミル−プロペニルシステインがアリウム属植物由来であることを特徴とする(1)記載のテストステロン産生促進剤。
(3)前記アリウム属植物がニンニクであることを特徴とする(2)記載のテストステロン産生促進剤。
(4)(1)〜(3)いずれかに記載のテストステロン産生促進剤を含むことを特徴とするテストステロン産生促進用食品用添加剤。
(5)筋肉増強、血清脂質の改善、骨量増加、精子形成促進、勃起不全改善、性衝動増強、食欲増進、不眠改善、抗肥満、抗糖尿病、血圧正常化作用、美白、脳血管疾患リスク低減、心血管疾患リスク低減、抗動脈硬化作用、抗糖化作用、血小板凝集抑制作用、抗炎症作用、免疫賦活化作用、腸内細菌叢正常化作用、肝臓保護、育毛および造血から選ばれる効能をいずれか一以上有することを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載のテストステロン産生促進剤。
本発明によれば、テストステロン産生を効果的に促進することができ、テストステロン不足が関与する疾患を予防又は改善することが可能になる。また、本発明によれば、テストステロン産生を促進することにより、筋肉増強、血清脂質の改善、骨量増加、精子形成促進、勃起不全改善、性衝動増強、食欲増進、不眠改善、抗肥満、抗糖尿病、血圧正常化作用、美白、脳血管疾患リスク低減、心血管疾患リスク低減、抗動脈硬化作用、抗糖化作用、血小板凝集抑制作用、抗炎症作用、免疫賦活化作用、腸内細菌叢正常化作用、肝臓保護、育毛および造血から選ばれる効能をいずれか一以上発揮し、男性らのクオリティオブライフを高めることができる。
また、本発明のテストステロン産生促進剤は、食品用添加剤、飲食品、化粧品、医薬品、飼料、ペットフード等の各種製品に配合して使用できるので、テストステロン産生促進作用を含有する各種製品を提供できる。
試験例1において、マウス精巣由来がん細胞I−10に対するS−2−プロペニルシステイン及びS−2−プロペニルシステインスルホキシドのテストステロン産生促進作用を比較したものである。 試験例1において、テストステロン産生に関与する遺伝子群へのS−2−プロペニルシステインの作用を比較したものである。 試験例2において、早期老化モデルマウス等に対する、S−2−プロペニルシステイン及びγ‐グルタミル−S−2−プロペニル−L−システインらのテストステロン産生促進作用を比較したものである。 試験例2において、早期老化モデルマウス等に対する、S−2−プロペニルシステイン及びγ‐グルタミル−S−2−プロペニル−L−システインらの肝臓保護作用を比較したものである。 試験例2において、早期老化モデルマウス等に対する、S−2−プロペニルシステイン及びγ‐グルタミル−S−2−プロペニル−L−システインらの肝臓重量への影響を評価したものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるテストステロン産生促進剤は、プロペニルシステイン又はグルタミル−プロペニルシステインからなる群(以下、「プロペニルシステイン類」と称することがある。)から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする。
本発明におけるプロペニルシステイン、グルタミル−プロペニルシステインは、アミノ酸であるシステインに、側鎖が結合した化合物であり、具体的には以下のものが例示できる。
プロペニルシステインとグルタミル−プロペニルシステイン
本発明のプロペニルシステインは、S−1−プロペニルシステイン、及びS−2−プロペニルシステイン(S−アリルシステイン)などを挙げることができる。なお、S−1−プロペニルシステインの天然物(化1)及びS−2−プロペニルシステイン(S−アリルシステイン)の天然物(化2)は、一般に下記の一般式で示される構造を有する。
本発明におけるプロペニルシステインは、上記構造を有するS−1−プロペニルシステイン、及びS−2−プロペニルシステイン(S−アリルシステイン)の他、これの光学異性体であってもよいし、各光学異性体の混合物であってもよい。
本発明のグルタミル−プロペニルシステインは、ガンマグルタミル−S−1−プロペニルシステインおよびガンマグルタミル−S−2−プロペニルシステイン(ガンマグルタミル−S−アリルシステイン)などを挙げることができる。なお、ガンマグルタミル−S−1−プロペニルシステインの天然物(化3)およびガンマグルタミル−S−2−プロペニルシステイン(ガンマグルタミル−S−アリルシステイン)の天然物(化4)は、一般に下記の一般式で示される構造を有する。
本発明のプロペニルシステイン又はグルタミル−プロペニルシステインにおけるプロペニル基とシステインの結合は、本発明の効果を損なわない限り、アミド基、カルボシキル基、チオール基のいずれに結合したものでもよい。またグルタミル基が前述のプロペニルシステインに結合する場合は、上述のシステインの基のいずれでもよく、またプロペニル基への結合でもよい。グルタミル基側は本発明の効果を損なわない限りα、β、γ位のいずれの結合でもよい。これらの中でも、より効果的なテストステロン産生促進作用の観点から、S−1−プロペニル−L−システイン、S−2−プロペニルシステイン、γ−グルタミル−S−1−プロペニルシステイン及びγ−グルタミル−S−2−プロペニルシステインからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
本発明のプロペニルシステイン及びグルタミル−プロペニルシステインは、本発明の効果を損なわない範囲において、人工的に合成されたものでもよく、天然素材由来(植物や動物、微生物由来)のもの、又は天然由来の材料を後述する熱処理、酵素処理などの加工を行い、有効成分の濃度を高めたものでもよい。安全性や製造コスト低減の観点から、天然素材を加工したものであることが好ましい。
本発明におけるテストステロン産生促進剤の原料としては、プロペニルシステイン又はグルタミル−プロペニルシステインからなる群から選択される少なくとも1種を得られるものであれば特に限定されないが、システイン、アリシン、アリイン、グルタチオン、メチオニンなどの含硫分子を含む天然素材原料が好ましい。
具体的には、例えば、玄米、とうもろこし等の穀類;さつまいも、さといも、やまいも等のいも類とその加工物;あずき、いんげんまめ、えんどうまめ、ささげ、そらまめ、だいず、ひよこまめ、べにばないんげん、らいまめ、りょくとう、レンズまめ等の豆類;アーモンド、あさ、えごま、カシューナッツ、かや、銀杏、栗、くるみ、ココナッツ、ゴマ、しい、すいか、とち、はす、ひし、ピスタチオ、ひまわり、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、まつ、落花生等の種実類;アーティチョーク、あさつき、明日葉、アスパラガス、うど、おおさかしろな、丘ひじき、おくら、カブ、かぼちゃ、からしな、カリフラワー、かんぴょう、菊、キャベツ、きゅうり、京菜、キノコ類、キンサイ、クレソン、くわい、ケール、コールラビ、こごみ、ごぼう、小松菜、ザーサイ、さんとうさい、ししとうがらし、しそ、じゅうろくささげ、春菊、じゅんさい、しょうが、しろうり、ずいき、すぐきな、ズッキーニ、せり、セロリー、ぜんまい、タアサイ、だいこん類、たいさい、高菜、タケノコ、たらのめ、チコリー、チンゲンサイ、つうし、つるな、つるむらさき、つわぶき、唐辛子、冬瓜、トマト類、トレビス、とんぶり、ながさきはくさい、なす類、なずな、にがうり、ニンジン、ねぎ、野沢菜、のびる、白菜類、パクチョイ、バジル、パセリ、はつかだいこん、はやとうり、ビート、ピーマン類、ひのな、ひろしまな、ふき類、ふだんそう、ブロッコリー、ほうれん草、ホースラディッシュ、まこも、みずかけな、三つ葉、みょうが、むかご、めたで、もやし類、モロヘイヤ、やまごぼう、ゆりね、ようさい、よめな、よもぎ、ルバーブ、レタス類、れんこん、わけぎ、わさび、わらび等の野菜類やギョウジャニンニク、たまねぎ類、にら、ニンニク、らっきょう類、リーキなどのアリウム属の植物;アセロラ、アボカド、杏、イチゴ、イチジク、いよかん、梅、温州みかん、オリーブ、オレンジ、オロブランコ、柿、かぼす、かりん、キウイフルーツ、キワノ、キンカン、グァバ、グズベリー、ぐみ、グレープフルーツ、ごれんし、サクランボ、さんぼうかん、シイクワシャ―、すいか、すだち、すもも、だいだい、タンゴール、ダンゼロ、チェリモヤ、ドリアン、夏みかん、なつめ、なつめやし、パインアップル、ハスカップ、はっさく、パッションフルーツ、バナナ、パパイア、ひゅうがなつ、びわ、ブルーベリー、ぶんたん、ホワイトサポテ、ポンカン、まくわうり、マルメロ、マンゴー、メロン、もも、やまもも、ゆず、ラズベリー、りんご、レモン等の果実類;あおさ、あおのり、あまのり、あらめ、いわのり、えごのり、おごのり、かわのり、くびれつた、昆布類、すいぜんじのり、天草、とさかのり、ひじき、ひとえぐさ、ふのり、まつも、むかでのり、もずく類、わかめ類等の海藻類;いかなご、いわな、うなぎ、キャビア、こち、さけ・ます類、ししゃも、たら類、どじょう、はぜ、ぼら、まぐろ、わかさぎ等の魚類;あげまき、あさり、あわび、いあたやがい、牡蠣、さざえ、しじみ、たにし、つぶ、とこぶし、トップシェル、ばいがい、ばかがい、ハマグリ類、帆立貝、ほっきがい、もがい等の貝類;えび類、かに類等の甲殻類;いか類、たこ類等の頭足類;うに、おきあみ、くらげ、しゃこ、なまこ、ほや等のその他海産物;いのしし、いのぶた、うさぎ、牛、馬、鯨、鹿、豚、めんよう、ヤギ、あいがも、鳥肉類等の肉類;うこっけい卵、うずら卵、鶏卵、ピータン等の卵類;牛乳等の乳類や加工品等が挙げられる。これら天然素材原料の中でも、アリウム属に属するねぎ、玉ねぎ類、にら、ギョウジャニンニク、ニンニク、らっきょう類、リーキが好ましく、ニンニクがより好ましい。
天然素材を材料として本発明のテストステロン産生促進剤を得るには、例えば、上記天然素材を必要に応じて、破砕、粉砕、加熱、脱水、乾燥等の前処理を行った後に、抽出溶媒に静置又は撹拌しながら浸漬することにより行われる。抽出溶媒としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ピリジン類等の有機溶媒が挙げられる。また水溶性溶媒を用いても良く、水道水、純水、超純水、DMSO、各種水溶液、などが挙げられる。これらの抽出溶媒は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの抽出溶媒の中でも、水溶性溶媒は高い安全性を確保できるので、特に本発明のテストステロン酸産生促進剤を食品分野で使用する場合には好適である。また、テストステロン産生促進剤の抽出効率を高めるために、必要に応じて、酵素、界面活性剤等の添加物を抽出溶媒中に添加してもよい。また、溶媒抽出は複数回繰り返して行ってもよい。
本発明のテストステロン産生促進剤の工業的生産方法に関しては、本発明の効果が得られる範囲において特に限定されないが、例えば以下の様な工程が挙げられる。
(1)アリイナーゼの熱失活
本発明において好適に用いられる天然素材原料であるアリウム属の植物にはアリイナーゼと呼ばれる酵素が内在し、アリウム属に含まれる含硫アミノ酸誘導体であるアリインを臭気成分アリシンへと変換することが知られている。アリインは本発明の原料となり得るため、また発生する臭気を抑えるためにもアリシンの合成を抑制、すなわちアリイナーゼの作用を抑制することが好ましい。アリインを含む素材の内在するアリイナーゼの失活処理方法は、上記の酵素を失活させることができれば特に限定されないが、例えば、当該素材の内部温度を60℃以上に高められる方法が挙げられる。失活処理方法の具体例としては、熱水加熱処理、蒸気加熱処理、マイクロ波加熱処理などが挙げられる。また、酸処理やアルカリ処理により内在するアリイナーゼを失活処理する方法も挙げられる。
(2−1)グルタチオンとの反応
アリイナーゼを熱失活させた天然素材原料からテストステロン産生促進剤を得る方法の一つに、グルタチオンとの反応が挙げられる。グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸からなるトリペプチドであり、食品や生体内に多量に存在し高い抗酸化性を有することが知られている。グルタチオンには還元型と酸化型(還元型グルタチオン2分子がジスルフィド結合したもの)があるが、生体内では専ら還元型として存在し、過酸化物や活性酸素種の還元、細胞の解毒などの役割を担っている。グルタチオンとしては、化学合成されたグルタチオンを原料として用いてもよいし、グルタチオンを含む素材からのグルタチオンの抽出物、精製物などいずれのグルタチオンを原料として用いてもよい。本発明においては、後述するように、グルタチオンを含む天然素材とアリインを含む素材と共存させることによって、グルタチオンとアリインと反応させることにより本発明のテストステロン産生促進剤を得ることができる。原料として用いるグルタチオンは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
上記反応工程の反応温度としては、原料素材中のアリインとグルタチオンとが反応すれば特に限定されないが、より短時間でテストステロン産生促進剤を製造する観点から、好ましくは0℃〜150℃程度、より好ましくは30℃〜100℃程度、さらに好ましくは50℃〜90℃程度が挙げられる。また、反応工程における反応液のpHとしては、好ましくはpH2〜12程度、より好ましくはpH2〜8が挙げられる。反応工程における反応時間は、使用する原料の種類、量などによっても異なるが、通常1〜48時間程度の範囲に設定することが好ましい。
(2−2)システインとの反応
アリイナーゼを熱失活させた天然素材原料からテストステロン産生促進剤を得る方法の一つに、システインとの反応が挙げられる。システインはアミノ酸の一種であり、アリインなどと同じく含硫物である。原料となるシステインは、システイン(L体)の他、これの光学異性体(D体)であってもよいし、各光学異性体の混合物であってもよい。システインとしては、化学合成されたシステインを原料として用いてもよいし、システインを含む素材からのシステインの抽出物、精製物などを原料として用いてもよい。本発明においては、システインを含む素材とアリインを含む原料を共存させることによって、当該原料中に含まれるシステインとアリインを反応させることにより本発明のテストステロン産生促進剤を得ることができる。また、システインの2量体であるシスチンと任意の還元剤を共に用いて、反応中にシステインを作り出して、アリインと反応させても良い。
上記反応工程の反応温度としては、原料素材中のアリインとシステインが反応すれば特に限定されないが、より短時間で簡便にテストステロン産生促進剤を製造する観点から、好ましくは0℃〜150℃程度、より好ましくは30℃〜100℃程度、さらに好ましくは50℃〜90℃程度が挙げられる。また、反応工程における反応液のpHとしては、好ましくはpH2〜12程度、より好ましくはpH4〜12が挙げられる。反応工程における反応時間は、使用する原料の種類、量などによっても異なるが、通常1〜48時間程度の範囲に設定することが好ましい。
(2−3)加熱による反応
アリイナーゼを熱失活させた天然素材原料からテストステロン産生促進剤を得る方法の一つに、加熱による反応が挙げられる。アリイナーゼを熱失活させた原料を加熱処理工程に付する際の反応温度としては、20〜75℃の温度で行うことが必要であり、好ましくは25〜65℃、より好ましくは25〜55℃、さらに好ましくは30〜45℃が挙げられる。
さらには、上記温度範囲内での加熱工程を行った後に、さらに加熱工程を行うことがいっそう好ましい。すなわち、加熱工程を2段階で行うことが好ましい。例えば、第1段階目の加熱工程として25〜55℃の温度範囲で10〜30時間加熱処理を施した後、さらに第2段階目の加熱工程として、45〜90℃の温度範囲で、より好ましくは50〜75℃の温度範囲で、10〜50時間の過熱を行うと、より効率的に生成反応が進み、第1段階目での加熱工程を長時間行うよりも、より短時間で効率的に本発明のテストステロン産生促進剤を得ることができる。また、反応工程における反応液のpHとしては、好ましくはpH2〜12程度、より好ましくはpH4〜12が挙げられる。
テストステロン産生促進剤の含有量、適用量
本発明のテストステロン産生促進剤の適用量については、使用される製品の種類、用途、期待される効果、適用形態等に応じて適宜設定すればよい。例えば、経口適用される場合であれば、プロペニルシステイン又はグルタミル−プロペニルシステインからなる群から選択される少なくとも1種の成人1日あたりの摂取量が、0.000001〜100g、好ましくは0.00001〜100g、更に好ましくは0.001〜100gとなるように設定すればよい。また経皮適用される場合であれば、プロペニルシステイン又はグルタミル−プロペニルシステインからなる群から選択される少なくとも1種の1日当たりの皮膚への適用量が0.000001〜10000μg/cm2、好ましくは0.0001〜10000μg/cm2、更に好ましくは0.001〜1000μg/cm2となるように設定すればよい。
テストステロン産生促進剤の用途
本発明のテストステロン産生促進剤は、生体内でテストステロンの合成にかかわる遺伝子群の作用を活性化する等により、加齢によって低下するテストステロンの産生を促進することが出来る。そのため、壮年期などにおけるテストステロン不足が関与する疾患を予防又は改善することが可能になる。具体的には、筋肉増強、血清脂質の改善、骨量増加、精子形成促進、勃起不全改善、性衝動増強、食欲増進、不眠改善、抗肥満、抗糖尿病、血圧正常化作用、美白、脳血管疾患リスク低減、心血管疾患リスク低減、抗動脈硬化作用、抗糖化作用、血小板凝集抑制作用、抗炎症作用、免疫賦活化作用、腸内細菌叢正常化作用、肝臓保護、育毛および造血から選ばれる効能をいずれか一以上を有することができる。
テストステロン産生促進剤の使用形態
本発明のテストステロン産生促進剤の適用形態については、特に制限されないが、例えば、経口、経皮、経腸、経粘膜、経静脈、経動脈、皮下、筋肉内等の任意の適用形態で使用できるが、テストステロン産生促進作用をより一層有効に発揮させるという観点から、好ましくは、経口適用又は経皮適用、経静脈適用が挙げられる。
本発明のテストステロン産生促進剤は、任意の適用形態で使用してテストステロン産生促進作用を発揮できるので、食品用添加剤、飲食品、医薬品、化粧品、飼料、ペットフード等の各種製品に配合して使用することができる。
また、本発明のテストステロン産生促進剤が配合される製品の剤型は、固形状、半固形状、液状等のいずれであってもよく、当該製品の種類や用途に応じて適宜設定される。本発明のテストステロン産生促進剤が配合される製品には、その形態等に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、植物抽出エキス類、水溶性高分子、界面活性剤、金属石鹸、アルコール、多価アルコール、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、防腐剤、香料、粉体、増粘剤、色素、キレート剤等の添加剤を含有しても良い。また、本発明のテストステロン産生促進剤が配合される製品には、その形態や用途等に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、他のテストステロン産生促進剤を配合しても良い。例えば、ビタミンC、スクワラン、ナイアシン、ナイアシンアミド、システイン、アリイン等の含硫分子、カロテノイド類やプラセンタエキス、ソルビトール、キチン、キトサン、各種植物抽出物等が挙げられる。これらの配合量については、本発明の効果を損なわない限り限定されない。
本発明のテストステロン産生促進剤を、飲食品に使用する場合、他の食品素材や添加成分と組み合わせて所望の形態に調整して、前記所望の効果を奏する飲食品として提供される。このような飲食品としては、一般の飲食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品等が挙げられる。これらの飲食品の形態として、特に制限されないが、具体的にはパン類、麺類等の主菜;チーズ、ハム、ウインナー、魚介加工品等の副菜;果汁飲料、炭酸飲料、乳酸飲料等の飲料;クッキー、ケーキ、ゼリー、アイス、プリン、キャンディー、ヨーグルト等の嗜好品;錠剤、顆粒、粉剤、カプセル、ソフトカプセル、栄養ドリンク等のサプリメント等が例示される。これらの飲食品は、前述する用途に供することが出来る。また、前記病者用食品は、テストステロンの産生低下に対して治療が必要とされる患者用やテストステロン産生低下予防用として提供される。
本発明のテストステロン産生促進剤を飲食品に使用する場合、飲食品に対するテストステロン産生促進剤の配合量については、飲食品の形態等に応じて異なるが、例えば、0.0001〜50質量%、好ましくは0.001〜50質量%、更に好ましくは0.01〜50質量%となる範囲が挙げられる。
更に、テストステロン産生促進剤を飲食品の分野で使用する場合、本発明のテストステロン産生促進剤を単独で、又は他の成分と組み合わせて、テストステロン産生促進用の食品用添加剤として提供することもできる。本発明の飲食品に対する添加量は、添加対象となる飲食品中でプロペニルシステイン又はグルタミル−プロペニルシステインからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物が前述する含有量を充足できるように適宜設定すればよい。
また本発明のテストステロン産生促進剤を化粧料に使用する場合、本発明のテストステロン産生促進剤を香粧学的に許容される基材や添加成分と組み合わせて所望の形態に調製して、前述所望の効果を奏する化粧料として提供される。このような化粧料の形態としては、特に制限されないが、化粧料の場合であれば、具体的には乳液、クリーム、化粧水(ローション)、パック、美容液、洗浄剤、メーキャップ化粧品等が挙げられる。
本発明のテストステロン産生促進剤を化粧料に使用する場合、皮膚外用剤に対する配合割合については、化粧料の形態等に応じて異なるが、例えば、テストステロン産生促進剤が0.0000001〜10質量%、好ましくは0.00001〜10質量%、更に好ましくは0.0001〜10質量%となる範囲が挙げられる。
また、本発明のテストステロン産生促進剤を医薬品に使用する場合、本発明の促進剤を単独で、又は他の薬理活性成分、薬学的に許容される基剤や添加成分等と組み合わせて所望の形態に調整して、前記所望の効果を奏する医薬品として提供される。このような医薬品の形態としては、特に制限されないが、具体的には、錠剤、顆粒剤、粉剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、シロップ剤等の経口投与製剤;液剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、噴霧剤、貼付剤、吸入剤、坐剤等の経皮又は経粘膜投与製剤;注射剤等が挙げられる。
本発明のテストステロン産生促進剤を医薬品として使用する場合、医薬品に対する該促進剤の配合割合については、医薬品の形態等に応じて異なるが、例えば、経口与製剤又は注射剤の場合であれば、テストステロン産生促進剤が0.0001〜50質量%、好ましくは0.001〜50質量%、更に好ましくは0.01〜50質量%となる範囲が挙げられ、経皮又は経粘膜投与製剤の場合であれば、テストステロン産生促進剤が0.0000001〜10質量%、好ましくは0.00001〜10質量%、更に好ましくは0.0001〜10質量%となる範囲が挙げられる。
またテストステロン産生促進剤を飼料又はペットフードに使用する場合、本発明の促進剤を単独で又は他の資料成分と組み合わせて所望の形態に調整して、前記所望の効果を奏する飼料又はペットフードとして提供される。該飼料又はペットフードに使用される資料成分としては、例えば、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦等の穀類;ふすま、米ぬか等のぬか類;コーングルテンミール、コーンジャムミール等の粕類;脱脂粉乳、ホエー、魚粉、骨粉等の動物性飼料類;ビール酵母等の酵母類;リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム類;ビタミン類;アミノ酸類;糖類等が挙げられる。
本発明のテストステロン産生促進剤を飼料又はペットフードとして使用する場合、飼料又はペットフードに対する該促進剤の配合割合については、飼料又はペットフードの形態等に応じて異なるが、例えば、テストステロン産生産生促進剤が0.000001〜10質量%、好ましくは0.0001〜10質量%、更に好ましくは0.001〜10質量%となる範囲が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 テストステロン産生促進剤
ニンニク(品種名:福地ホワイト)1kgの芯を除去した後、2〜3cmの鱗片に分け、マイクロ波加熱装置にて加熱処理(周波数:2.45GHz、出力:2000W、照射時間:2分間)を施し、アリイナーゼを失活させた。その後、純水1Lを添加して石臼式粉砕機(増幸産業製、商品名:スーパーマスコロイダー)にて摩砕し、ニンニクペーストを得た。そのペーストに対して、5規定の水酸化ナトリウムをpH8になるように添加して撹拌したのちに35℃に加熱して48時間反応させた。加熱反応終了後、そのまま凍結乾燥・粉砕して、本発明のテストステロン産生促進剤(粉末)を得た。粉末中のプロペニルシステインの一種であるS−2−プロペニルシステインの含有量をHPLCで分析したところ、1.35g/100gであった。なお、S−2−プロペニルシステインスルホキシドは含まれていなかった。
試験例1(マウス精巣由来がん細胞I−10に対するS−2−プロペニルシステイン及びS−2−プロペニルシステインスルホキシドのテストステロン産生促進作用の比較検証)
マウス精巣由来がん細胞I−10(JCRB細胞バンク:JCRB9097)を1.5×104細胞/cm2となるように、24ウェルプレート(IWAKI社製)に播種した。その後、37℃、5%CO2の環境下で、インキュベーター(ESPEC社製)を用いて培養を行った。24時間経過後、培地をS−2−プロペニルシステイン(東京化成社製、以下「SAC」と略する場合がある。)含有培地と交換することで、細胞にSACを作用させた。24時間作用後、培養上清を採取して、テストステロン測定キット(Cayman社製)によって定量を行った。また比較例1としてS−2−プロペニルシステインスルホキシド(シグマアルドリッチ社製、以下「アリイン」と略する場合がある。)を同じ濃度で細胞へと付加し、テストステロン合成能を比較した。このときのテストステロン産生関連遺伝子に対する影響を、CTL、SAC1μM、10μM作用細胞よりRNA抽出試薬Isogen(日本ジーン社製)を用いて、抽出を行い、逆転写酵素(タカラバイオ社製)を用いて合成を行ったcDNAを基質としてReal−timePCR(酵素:SYBRPremixEXTagII/タカラバイオ社製、検出機:StepOne/AppliedBiosystems社製)法にて測定した。
得られた結果を図1に示す。SACを培地に含有させることによって、アリインを培地に含有した場合(比較例1)に比べ、容量依存的にテストステロン産生が促進されることが明らかとなった。また、このときの遺伝子測定の結果を図2に示す。経路全体的に活性化が見られているが、特にプログネロンからテストステロンへ至る過程の酵素の誘導が高いことがわかった。
試験例2(早期老化モデルマウスに対するS−2−プロペニルシステイン及びγ‐グルタミル−S−2−プロペニル−L−システインらのテストステロン産生促進作用を比較検証)
6週齢の早期老化モデルマウスであるSenescence−accelerated
mouse Prone8(SAMP8)マウス(日本SLC社製)を2週間予備飼育行った後、体重に差が無いように群分けを実施した。群分け後マウスの粉末飼料に、S−2−プロペニルシステインの終濃度が0.05%となるように実施例1で得られたテストステロン産生促進剤を添加し混合することで試験食1を得た。また試験食2は試験食1に含まれる量と同じ量の試薬SAC(東京化成社製)を含むように調整を行い、試験食3には試験食1にSACと当モル量のグルタミル−プロペニルシステインの1つであるγ‐グルタミル−S−2−プロペニル−L−システイン、通称γ−グルタミル−S−アリルシステイン(GSAC、日本健康・栄養食品協会製)をさらに添加してマウスへと摂餌させた。6週間マウスに対して投与を行った。試験のコントロールは非老化モデルであるSAMR1(日本SLC社製)を用い、SAMP8と同じタイムスケジュールで、通常食のみで飼育を継続した。試験期間終了後マウスをネンブタール麻酔下で解体し、中心静脈より採血を実施、血中のテストステロン量をテストステロン測定キット(Cayman社製)にて測定した。また、血中のγ−GTP量をLタイプワコーγ−GT・J(和光純薬工業社製)にて測定した。さらに同じく解体時にマウスの肝臓をサンプリングし、重量より肝臓の肥大等の所見の有無を確かめた。予備試験又は本試験を通じてマウスは、餌・水共に自由摂取下で飼育を行った。
テストステロン測定の結果を図3に示す。コントロールであるSAMR1マウスに比べ、老化促進モデルであるSAMP8マウスのテストステロン値は顕著に減少した。一方、試験食1、試験食2、試験食3を摂餌したマウス群では血中テストステロン値が、通常食のSAMP8マウスよりも高く、本来老化によってテストステロンが低下するマウスであっても、その低下が抑制されたことが示された。また、試験食1と試験食2ではテストステロン産生の促進作用が同程度であることから実施例1中の有効成分はSACと考えられた。またGSACを添加した試験食3では試験食2以上にテストステロンの回復が見られたことからGSACはSACと相乗作用を示し、テストステロン合成の回復に寄与したものと考えられる。
マウス血清γ−GTPの測定を行った結果を図4に示す。非老化コントロールであるSAMR1マウスに比べ、老化促進モデルであるSAMP8マウスでは血清中のγ−GTPの値が増加し、肝臓の状態が増悪化していることが疑われたが、試験食1、試験食2、試験食3を摂取したマウスではγ−GTPの値がSAMP8マウスよりも改善したことから肝臓に対する保護作用があることが確認された。
肝臓重量測定の結果を図5に示す。非老化コントロールであるSAMR1マウスに比べ、老化促進モデルであるSAMP8マウスでは肝臓重量が増加し、色が赤色からピンク色に変化していることから脂肪の蓄積が疑われた。しかし試験食1、試験食2、試験食3を摂取したマウスでは肝臓重量の増加が抑制され、老化に伴う肝臓重量増加を抑制していたことから、試験食1、試験食2、試験食3には肝臓保護作用があることが確認された。

Claims (5)

  1. プロペニルシステイン又はグルタミル−プロペニルシステインからなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とするテストステロン産生促進剤。
  2. 前記プロペニルシステイン及びグルタミル−プロペニルシステインがアリウム属植物由来であることを特徴とする請求項1記載のテストステロン産生促進剤。
  3. 前記アリウム属植物がニンニクであることを特徴とする請求項2記載のテストステロン産生促進剤。
  4. 請求項1〜3いずれか1項記載のテストステロン産生促進剤を含むことを特徴とするテストステロン産生促進用食品用添加剤。
  5. 筋肉増強、血清脂質の改善、骨量増加、精子形成促進、勃起不全改善、性衝動増強、食欲増進、不眠改善、抗肥満、抗糖尿病、血圧正常化作用、美白、脳血管疾患リスク低減、心血管疾患リスク低減、抗動脈硬化作用、抗糖化作用、血小板凝集抑制作用、抗炎症作用、免疫賦活化作用、腸内細菌叢正常化作用、肝臓保護、育毛および造血から選ばれる効能をいずれか一以上有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のテストステロン産生促進剤。
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