JP2015196658A - ヒドロキシルアミンを含有する有機溶媒の蒸留方法 - Google Patents

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真一 高橋
美生 矢田
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美生 矢田
英生 菅野
Hideo Sugano
英生 菅野
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Abstract

【課題】ヒドロキシルアミンを含有する有機溶媒を安全に、かつ蒸留後得られる有機溶媒の純度を低下させることなく蒸留・回収することが可能な新規な蒸留方法の提供。
【解決手段】
ヒドロキシルアミンを含有する有機溶媒を蒸留する前、または蒸留中に、炭素数3〜8の脂肪族ケトン類を有機溶媒に添加することによって、安全かつ蒸留後得られる有機溶媒の純度を低下させることなく有機溶媒を蒸留・回収することが可能であることを見出した。
【選択図】なし

Description

本発明は、ヒドロキシルアミンを含有する有機溶媒の蒸留方法に関する。
ヒドロキシルアミンは医農薬や電子材料等の原料となる有機化合物の合成に多用されている化合物である。例えば、有機溶媒存在下、ケトン類をヒドロキシルアミンと反応させ、オキシムを合成する反応が知られている。(例えば特許文献1)
実験的には反応等で使用した有機溶媒を再利用することは稀であるが、工業的には反応等で使用した有機溶媒を再利用することはごく一般的に行われている。再利用の際、有機溶媒に含まれる不純物を除去し、再利用する有機溶媒の純度を高めるため蒸留により精製することが一般的である。以前、ヒドロキシルアミンは安定な化合物であると認識されていたため、前述のヒドロキルアミンの反応で使用した有機溶媒も例外ではなく、蒸留により精製し不純物等を除去した上、再度ヒドロキシルアミンとの反応等に使用するといったことが一般的に行われていた。
ところが昨今、ヒドロキシルアミンの危険性が認識されはじめており、特に熱を加えて行うことが一般的な蒸留時にヒドロキシルアミンが分解することにより、安全に蒸留を行うことができない恐れがあることが知られるようになった。しかしながら、ヒドロキシルアミンを含む有機溶媒の安全な蒸留方法は知られていない。そのため、ヒドロキシルアミンを含む有機溶媒は蒸留等で精製・回収されることなくそのまま廃棄されるか、反応終了後の有機溶媒に含まれるヒドロキシルアミンの含有量がごく少量であり、従来から一度も危険性を認識するに至るような事態に直面したことがない為、安全であるとの前提で特段処理されずに蒸留操作を為されることが未だ一般的に行われているのが実態である。
特許4344400号公報
本発明の目的はヒドロキシルアミンを含有する有機溶媒を安全に蒸留する方法を提供する。特に、有機溶媒に含まれるヒドロキシルアミンの含有量がごく少量であっても、有機溶媒との組み合わせによっては一定の条件でヒドロキシルアミンの分解に伴う急激な発熱が確認されたことから、このような潜在的な危険性を排除した安全な有機溶媒の蒸留方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ヒドロキシルアミンを含有する有機溶媒を蒸留する際に、炭素数3〜8の脂肪族ケトン類を有機溶媒に添加することによって、安全かつ蒸留後得られる有機溶媒の純度を低下させることなく有機溶媒を蒸留・回収することが可能であることを見出した。具体的には以下の発明を含む。
〔1〕
ヒドロキシルアミン類を含有する有機溶媒の蒸留方法であって、蒸留前及び/又は蒸留中に炭素数3〜8の脂肪族ケトン類を有機溶媒に添加することを特徴とする蒸留方法。
〔2〕
水に溶解する有機溶媒であることを特徴とする〔1〕記載の蒸留方法。
本発明によれば、安全に、かつ蒸留後得られる有機溶媒の純度を低下させることなくヒドロキシルアミンを含有する有機溶媒を蒸留・回収することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるヒドロキシルアミンを含有する有機溶媒とは、ヒドロキシルアミンを用いた反応の際に用いた有機溶媒や、反応後、反応で得られた化合物を抽出するために使用した有機溶媒等、ヒドロキシルアミンが含まれていることが明らかである有機溶媒のことを示す。具体的には、ヒドロキシルアミンをGC定法により分析し、検出限界以上のヒドロキシルアミンを含む有機溶媒であっても良いし、定法により分析できないものであったとしても、有機溶媒を後述する条件にて示査走査熱分析を行い、蒸留操作を行う際の最高温度+100℃以下の間に100J/g以上の発熱ピークを示すものであっても良い。なお、本願のヒドロキシルアミンはヒドロキシルアミンの塩類(例えばヒドロキシルアミン塩酸塩、ヒドロキシルアミン硫酸塩)のように容易にヒドロキシルアミンに変換され、危険性を示すものも含む。
本発明が適用される有機溶媒は特に限定されず、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1―ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、ジクロロメタン、ジクロロエチレン等の脂肪族(ハロゲン)炭化水素類、トルエン、ベンゼン、O−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、メシチレン等の芳香族(ハロゲン)炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチルニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、α―ピコリン、β―ピコリン、γ―ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、ピペリジン、ピロール、ピリジン等の含有窒素化合物類等が例示される。これら有機溶媒の内、水洗操作によりヒドロキシルアミンやその塩類を容易に除去することができない、水に溶解する有機溶媒(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトニトリル、トリエチルアミン、ピロール、ピリジン)が好ましい。これら有機溶媒は1種類でも、2種類以上混合されたものであっても良い。
本発明で使用する炭素数3〜8の脂肪族ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、ヘキサノン、3−ヘキサノン、ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、オクタノン、3−オクタノン、4−オクタノン、メチルイソプロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、5−メチルー2−ヘキサノン、3−メチルー2−ペンタノン、5−メチルー3−ヘプタノン、メチル−tertブチルケトンが例示され、好ましくはアセトン、メチルエチルケトンである。脂肪族ケトン類の使用量としては、有機溶媒中に含有されているヒドロキシルアミンの含有量が分析できる場合、含有しているヒドロキシルアミン1モルに対し通常2〜6倍モル、好ましくは2〜4倍モル使用する。また、有機溶媒中に含有されているヒドロキシルアミンの含有量が分析できない場合、蒸留を行う有機溶媒を一部サンプリングし、一定量の炭素数3〜8の脂肪族ケトン類を添加し、サンプリングした有機溶媒がおおよそ20重量%になるまで濃縮したものを後述する条件にて示査走査熱分析を行い、蒸留操作を行う際の最高温度+100℃以下の間の発熱ピークが100J/g以下となる量を添加すれば良い。
本発明においては、蒸留前及び/又は蒸留中にヒドロキシルアミンを含有する有機溶媒に炭素数3〜8の脂肪族ケトン類を添加することを特徴とする。より安全に蒸留する為には、蒸留前に炭素数3〜8の脂肪族ケトン類を添加することが好ましい。蒸留前に添加する場合、添加する際の温度は特に限定されないが、通常5〜30℃で実施する。また、蒸留前に添加する場合、添加後1時間以上撹拌した後に蒸留することがより好ましい。
本発明における蒸留とは、混合物を一度蒸発させ、後で再び凝縮させることで 、沸点の異なる成分を分離・濃縮する操作のことを示す。蒸留する際の条件は特に限定されず、当業者であれば回収したい有機溶媒とその他の不純物等の沸点に合わせ、公知の方法で適宜最適化することができる。また、蒸留により回収したい有機溶媒とヒドロキシルアミンと炭素数3〜8の脂肪族ケトン類との反応物、炭素数3〜8の脂肪族ケトン類、その他含まれる不純物とを確実に分離し、回収される有機溶媒の純度を高める観点から、精留により行うことが好ましい。
上述した方法により蒸留することにより安全に、高純度の有機溶媒を回収することが可能となる。回収した有機溶媒は必要に応じ水洗や吸着処理等、定法により精製しても良い。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下実施例、比較例、製造例で記載する純度は特に断りのない限り下記分析条件で分析したガスクロマトグラフィーの面積百分率値である。
(1)示差走査熱量(DSC)分析条件
装置:エスアイアイナノテクノロジー DSC6220
昇温速度:10℃/min
測定範囲:30−550℃
雰囲気 :密封、窒素40ml/min
セルの種類:金メッキSUSセル
(2)ガスクロマトグラフィー分析条件
装置:島津製作所社製 GC−2010
カラム:J&W製 DB−17
(内径:0.53mm、膜厚:1μm、長さ:30m)
温度プログラム:50℃(6分)→15℃/min→150℃(3分)→25℃/min
→200℃(0分)
気化室温度:280℃
検出器温度:300℃
検出器:FID
キャリヤー:N2(63ml/min)
燃料ガス:水素(40ml/min)、空気(400ml/min)
注入量:1.0μL
<製造例1>
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、4−メトキシ−4’−トリフルオロメチルベンゾフェノン13.6kg(46mol)、ピリジン79.6kg、ヒドロキシルアミン塩酸塩9.5kg(139mol)を仕込み、90℃で8時間撹拌した。撹拌後、同温度で得られた反応混合物に種晶として4−メトキシ−4’−トリフルオロメチルベンゾフェノン0.5kgを仕込み、1−プロパノール144.4kgを6時間かけて滴下し、結晶を析出させた後、3時間かけて40℃まで冷却した。これをヌッチェで減圧濾過した後、更に結晶を1−プロパノール84.0kgで洗浄して、結晶と母液に分離した。得られた母液は315kgであった。
<実施例1>
精留塔容器に製造例1で得られたヒドロキシルアミン含有の母液(ピリジン−プロパノール混合液)597gとアセトン16.7gを仕込み、一時間室温で撹拌混合した。混合後、精留塔(内径30mm、高さ700mm、理論段数20段)を用い、内温90℃、減圧度500torrで一時間全還流した後、還流比を10に変更して、初留17gを除去した。その後、内温120℃、減圧度450torr、還流比を5に変更し本留として1−プロパノールを403g回収した後、減圧度を400torrに変更し中留(プロパノールとピリジンの混合液)として85g回収した。その後、釜残を更に単蒸留(内温120℃、減圧度200torr)し、ピリジンを57g回収した。ピリジン回収後の釜残は45gであった。
表1に回収された1−プロパノール、ピリジンのGC分析結果、及びピリジン回収後の釜残のDSC分析結果を示す。
<実施例2>
アセトンの使用量を33.4gに変更する以外は実施例1と同様に行い、1−プロパノール390gとピリジン55gを得た。表1に回収された1−プロパノール、ピリジンのGC分析結果、及びピリジン回収後の釜残のDSC分析結果を示す。
<比較例1>
アセトンを添加しない以外は実施例1と同様に行い、1−プロパノール420gとピリジン60gを得た。表1に回収された1−プロパノール、ピリジンのGC分析結果、及びピリジン回収後の釜残のDSC分析結果を示す。
<比較例2>
アセトンの代わりにアセトフェノンを44.5g添加する以外は実施例1と同様に行い、1−プロパノール420gとピリジン63gを得た。表1に回収された1−プロパノール、ピリジンのGC分析結果、及びピリジン回収後の釜残のDSC分析結果を示す。
<参考例1>
アセトンの使用量を8.4gに変更する以外は実施例1と同様に行い、1−プロパノール410gとピリジン55gを得た。表1に回収された1−プロパノール、ピリジンのGC分析結果、及びピリジン回収後の釜残のDSC分析結果を示す。
Figure 2015196658
上記表に示す通り、炭素数3〜8の脂肪族ケトン類を添加することにより、回収する各溶媒の純度に影響を与えることなく、釜残(濃縮残)の発熱開始温度が高い温度へとシフトし、発熱量の低減が認められることから、炭素数3〜8の脂肪族ケトン類を添加しない比較例1と比べ、より安全に蒸留操作を行うことができる。また、炭素数3〜8の脂肪族ケトン類以外のケトンを用いた比較例2においては、発熱量が大幅に増加したことから、添加すると却って危険性が高まることが示された。

Claims (2)

  1. ヒドロキシルアミンを含有する有機溶媒の蒸留方法であって、蒸留前及び/又は蒸留中に炭素数3〜8の脂肪族ケトン類を有機溶媒に添加することを特徴とする蒸留方法。
  2. 水に溶解する有機溶媒であることを特徴とする請求項1記載の蒸留方法。
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