JP2015194454A - ガイガーミュラー計数管及び放射線計測計 - Google Patents

ガイガーミュラー計数管及び放射線計測計 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明では、製品ごとの特性のばらつきが抑えられ、電極同士の短絡が防がれたガイガーミュラー計数管及び放射線計測計を提供する。
【解決手段】ガイガーミュラー計数管(10)は、密封された空間を有する筒形の封入管(11)と、空間内に配置されて棒状に形成される陽極電極(12a)と、空間内で陽極電極の周りを取り囲む筒状の陰極電極(13a)と、絶縁体により形成され中央に貫通孔(851)を有し、貫通孔に陽極電極が通り、陽極電極の陰極電極に囲まれる位置に固定されるビーズ(850)と、空間内に密封される不活性ガス及びクエンチガスと、を備える。また、ガイガーミュラー計数管では、ビーズにより陽極電極と陰極電極との直接接触が防がれている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビーズ又はリングを有するガイガーミュラー計数管及び放射線計測計に関する。
ガイガーミュラー計数管(GM管)は、主に放射線計測計に用いられる部品である。GM管には陽極電極及び陰極電極が形成され、GM管の中には不活性ガスが封入される。また、GM管は、陽極電極及び陰極電極の間に高い電圧がかけられることにより使用される。GM管の中に侵入した放射線は不活性ガスを電子とイオンとに電離され、電離した電子及びイオンはそれぞれ陽極電極及び陰極電極に向かって加速される。これにより陽極電極と陰極電極との間が通電され、パルス信号が発生する。例えば、特許文献1には一対の電極が形成された放射線検出管が開示されている。
実開昭62−149158号公報
しかし、特許文献1では、例えば製品ごとに電極同士の相対位置が異なることにより放射線検出管の特性にばらつきが生じ、さらに電極同士が接触して短絡するおそれがあった。
本発明では、陽極電極と陰極電極との間隔を所定の範囲内に保つことにより製品ごとの特性のばらつきが抑えられ、電極同士の短絡が防がれたガイガーミュラー計数管及び放射線計測計を提供することを目的とする。
第1観点のガイガーミュラー計数管は、密封された空間を有する筒形の封入管と、空間内に配置されて棒状に形成される陽極電極と、空間内で陽極電極の周りを取り囲む筒状の陰極電極と、絶縁体により形成され中央に貫通孔を有し、貫通孔に陽極電極が通り、陽極電極の陰極電極に囲まれる位置に固定されるビーズと、空間内に密封される不活性ガス及びクエンチガスと、を備える。また、ガイガーミュラー計数管では、ビーズにより陽極電極と陰極電極との直接接触が防がれている。
第2観点のガイガーミュラー計数管は、第1観点において、ビーズが、硬質ガラス、モリブデンガラス、セラミック、又はプラスチックにより形成される。
第3観点のガイガーミュラー計数管は、第1観点において、ビーズが、溶融したガラスを陽極電極に塗布し、冷却することによって形成される。
第4観点のガイガーミュラー計数管は、第1観点から第3観点において、ビーズの外形が、円柱状、円盤状、楕円体状、球状、又は輪環状に形成される。
第5観点のガイガーミュラー計数管は、第1観点又は第2観点において、ビーズが、陰極電極側に伸びる複数の突起を有する。
第6観点のガイガーミュラー計数管は、第1観点から第5観点において、ビーズが、陽極電極が突き抜ける陰極電極の開口面上に配置される。
第7観点のガイガーミュラー計数管は、密封された空間を有する筒形の封入管と、空間内に配置されて棒状に形成される陽極電極と、空間内で陽極電極の周りを取り囲み開口を有する筒状の陰極電極と、絶縁体により形成され、開口に配置され、陰極電極の開口の直径よりも小さい内径を有するリングと、空間内に密封される不活性ガス及びクエンチガスと、を備える。また、陽極電極がリングの内径内を貫通し、リングにより陽極電極と陰極電極との直接接触が防がれている。
第8観点のガイガーミュラー計数管は、第7観点において、リングが、硬質ガラス、モリブデンガラス、セラミック、又はプラスチックにより形成される。
第9観点のガイガーミュラー計数管は、第7観点及び第8観点において、リングが、溶融したガラスを陰極電極の開口に塗布し、冷却することによって形成される。
第10観点の放射線計測計は、第1観点から第9観点のガイガーミュラー計数管と、第1金属リード部と第2金属リード部との間に所定の高電圧を印加する1つの高電圧回路部と、高電圧回路部に接続され、ガイガーミュラー計数管で計測されたパルス信号をカウントするカウンターと、カウンターでカウントされたパルス信号を放射線量に換算する算出部と、を備える。
本発明のガイガーミュラー計数管及び放射線計測計によれば、製品ごとの特性のばらつきを抑え、電極同士の短絡を防ぐことができる。
(a)は、ガイガーミュラー計数管10の断面図である。 (b)は、ビーズ850の平面図である。 (c)は、図1(a)のA−A断面図である。 放射線計測計20の概略構成図である。 (a)は、ガイガーミュラー計数管30の断面図である。 (b)は、ビーズ853の概略斜視図である。 (a)は、ガイガーミュラー計数管40の概略斜視図である。 (b)は、ビーズ856の平面図である。 (a)は、ガイガーミュラー計数管50の概略断面図である。 (b)は、+Z軸側から−Z軸方向に見たガイガーミュラー計数管50の側面図である。 (a)は、ガイガーミュラー計数管110の断面図である。 (b)は、基板に取り付けられたガイガーミュラー計数管110の概略側面図である。 放射線計測計100の概略構成図である。 (a)は、ガイガーミュラー計数管210の概略構成図である。 (b)は、放射線計測計200の概略構成図である。 (a)は、ガイガーミュラー計数管310の断面図である。 (b)は、ガイガーミュラー計数管310aの概略断面図である。 (a)は、ガイガーミュラー計数管410の断面図である。 (b)は、ガイガーミュラー計数管410aの概略断面図である。 放射線計測計500の概略構成図である。 放射線計測計の放電回数を比較したグラフである。 放射線計測計600の概略構成図である。 放射線計測計700の概略構成図である。 (a)は、ガイガーミュラー計数管60を構成する陽極電極12a、ビーズ850、及び陰極電極63aの概略斜視図である。 (b)は、図15(a)のB−B断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
(第1実施形態)
<ガイガーミュラー計数管10の構成>
図1(a)は、ガイガーミュラー計数管10の断面図である。ガイガーミュラー計数管10は、封入管11と、陽極導体12と、陰極導体13と、により形成されている。以下の説明では、封入管11が伸びる方向をZ軸方向、封入管11の直径方向でありZ軸方向に垂直な方向をX軸方向、同じく封入管11の直径方向でありX軸方向及びZ軸方向に垂直な方向をY軸方向とする。
封入管11は、例えばガラスにより筒形に形成される。封入管11の+Z軸側及び−Z軸側の両端は封止されており、封入管11の内部の空間14は密封されている。封入管11の−Z軸側の端では、陽極導体12及び陰極導体13が貫通している。
陽極導体12は、棒状であり空間14に配置される陽極電極12aと、陽極電極12aに接続され封入管11の端部で支持される線状の第1金属リード部12bと、により構成されている。第1金属リード部12bは封入管11の−Z軸側の端部で支持されており、陽極電極12aは−Z軸側の端が第1金属リード部12bに接続されている。また、ガイガーミュラー計数管10では、陽極電極12aがZ軸方向に伸びる一直線150上に配置されている。
陰極導体13は、空間14で陽極電極12aの周りを取り囲む円筒形の陰極電極13aと、陰極電極13aに接続され封入管11の端部で支持される線状の第2金属リード部13bと、により構成されている。第2金属リード部13bは封入管11の−Z軸側の端部で支持されており、陰極電極13aは−Z軸側の端が第2金属リード部13bに接続されている。
陽極電極12a及び陽極電極12aを取り囲む陰極電極13aにより、放射線を検出する放射線検出部15が形成される。放射線検出部15は、放射線を検出する空間である空間15aを有している。空間15aは、陰極電極13aに囲まれる空間であり、空間内のXY平面内に陽極電極12aと陰極電極13aとの両方を含む領域である。また、陽極電極12aは、陰極電極13aの−Z軸側の開口から挿入され、空間15aを貫通して陰極電極13aの+Z軸側の開口から突き抜けるように配置されている。陽極電極12aが陰極電極13aの+Z軸側の開口から突き抜けるように配置されることにより、陽極電極12aの先端の位置を確認することで陽極電極12aが陰極電極13aの中心軸から大きく外れていないかどうかを確認することができる。さらに、空間15a内であり、陰極電極13aの+Z軸側の開口の近くの陽極電極12aには、ビーズ850が取り付けられている。
図1(b)は、ビーズ850の平面図である。ビーズ850は、例えば外形が、楕円をその短軸を回転軸として得られる回転体である回転楕円体(ドーナツ形状)であり、その回転軸に沿ってビーズ850を貫通する貫通孔851が形成されている。ビーズ850は、貫通孔851に陽極電極12aが通されることにより陽極電極12aに固定される。そのため、ビーズ850の貫通孔851の直径をW1とすると、直径W1は陽極電極12aの線径以上の大きさに形成される。また、ビーズ850は、XY平面内で陰極電極13aに取り囲まれるように配置されるため、ビーズ850のXY平面での外径をW2とすると、外径W2は陰極電極13aの内径よりも小さく形成される。
ビーズ850の陽極電極12aへの固定は、例えば、陽極電極12aと貫通孔851とのすき間を塞ぐように低融点ガラス等を埋めることにより行うことができる。また、ビーズ850の直径W1と陽極電極12aの線径との差を小さくし、ビーズ850と陽極電極12aとの間の摩擦力を大きくすることにより行っても良い。
ビーズ850は、陽極電極12aと陰極電極13aとの電気的絶縁を保つため、絶縁体により形成される。また、封入管11内には不活性ガス及びクエンチガスが封入されるが、さらに封入管11内に他のガスが混入した場合にはガイガーミュラー計数管の特性に影響する。そのため、ビーズ850は、ガスの発生源とならない素材であることが好ましい。これらのことを満たすように、例えば、ビーズ850は、硬質ガラス、モリブデンガラス、セラミック、プラスチック等により形成される。
図1(c)は、図1(a)のA−A断面図である。陽極電極12aは陰極電極13aの中心軸上に配置されている。すなわち、陰極電極13aの中心軸は一直線150(図1(a)参照)上に配置される。これにより、陰極電極13aと陽極電極12aとの間に電圧がかかった場合には、XY平面内において、陰極電極13aに囲まれる空間15aの電場が陽極電極12aを中心とした回転対称に形成される。また、空間15aを含む空間14には不活性ガス及びクエンチガスが封入される。不活性ガスには、例えばヘリウム(He)、ネオン(Ne)、又はアルゴン(Ar)などの希ガスが用いられる。また、クエンチガスには、例えば、フッ素(F)、臭素(Br)又は塩素(Cl)等のハロゲン系のガスが用いられる。
ガイガーミュラー計数管10では、封入管11を介して空間15aに放射線が侵入すると、放射線は不活性ガスを正に帯電したイオンと負に帯電した電子とに電離させる。また、陽極電極12aと陰極電極13aとの間に例えば400から600Vの電圧がかけられることにより空間15aに電場が形成される。そのため、電離したイオン及び電子は、それぞれ陰極電極13a及び陽極電極12aに向かって加速する。加速されたイオンは、他の不活性ガスに衝突して他の不活性ガスを電離させる。このような電離の繰り返しにより、空間15には雪崩状に電離したイオン及び電子が形成されパルス電流が流れる。ガイガーミュラー計数管10を有する放射線計測計20(図2参照)は、このようなパルス電流によるパルス信号のパルスの回数を計測することにより放射線量を測定することができる。また、このような電流が連続的に流れるとパルスの回数を計測できなくなるが、これを防ぐためにクエンチガスが不活性ガスと共に空間14に封入されている。クエンチガスはイオンが有するエネルギーを失わせる働きをする。
この様なガイガーミュラー計数管では陽極電極が陰極電極の中心軸上に配置されることが好ましい。これは、陽極電極が陰極電極の中心軸から外れる場合には陽極電極と陰極電極とが短絡する可能性があり、また、陽極電極と陰極電極とが短絡しなくても、陽極電極が陰極電極の中心軸から外れることがガイガーミュラー計数管の特性のばらつきの原因となる場合があるためである。特に陰極電極の内径と陽極電極の外径との差が大きい場合には、このばらつきが大きくなる。しかし、製造工程において、陽極電極を陰極電極の中心軸上に安定的に配置することは容易ではなく、電極同士の短絡及びガイガーミュラー計数管の特性のばらつきを完全に抑えることができなかった。
ガイガーミュラー計数管10では図1(c)に示されるように、陽極電極124にビーズ850が取り付けられることにより、ビーズ850が陽極電極12aと陰極電極13aとの間隔を所定の範囲に保ち、陽極電極12aを陰極電極13aの中心軸上の付近に配置することが容易になる。これにより、ガイガーミュラー計数管の製造が容易になり、陰極電極と陽極電極との短絡が防がれ、ガイガーミュラー計数管の特性のばらつきを抑えることができる。
ガイガーミュラー計数管10では、ビーズ850が回転楕円体に近い形状に形成されたが、ビーズの外形は円柱状、円盤状、楕円体状、球状、又は輪環(トーラス体)状等の様々な形状に形成されることができる。さらに、ビーズ850の形成位置は、空間15a内の陽極電極12aの先端側に限られず、空間15a内のどの位置に形成されても良く、ビーズ850の形成個数は1個に限られず、複数個が空間15a内に配置されても良い。
<放射線計測計20の構成>
図2は、放射線計測計20の概略構成図である。ガイガーミュラー計数管10は、例えば放射線計測計に用いることができる。放射線計測計20は、ガイガーミュラー計数管10を含んで構成されており、陽極導体12及び陰極導体13が高電圧回路部21に接続されている。放射線計測計20は、陽極導体12と陰極導体13との間に高電圧がかけられることにより放射線が測定される。高電圧回路部21はカウンター22に接続されている。ガイガーミュラー計数管10の放射線検出部15で検出されたパルス信号は、カウンター22でカウントされ、算出部23で放射線量に換算され、換算された放射線量が表示部24に表示される。算出部23には電源25が接続されることにより電力が供給される。
(第2実施形態)
ガイガーミュラー計数管では、ビーズを様々な形状、方法により形成することができる。また、ビーズを陽極電極に配置する代わりに、陰極電極にリングを形成しても良い。以下に、このようなガイガーミュラー計数管10の変形例について説明する。また、以下の説明では、ガイガーミュラー計数管10と同じ部分に関してはガイガーミュラー計数管10と同じ符号を付してその説明を省略する。
<ガイガーミュラー計数管30の構成>
図3(a)は、ガイガーミュラー計数管30の断面図である。ガイガーミュラー計数管30は、封入管11と、陽極導体12と、陰極導体13と、陽極電極12aに取り付けられるビーズ852と、を含んで形成されている。ガイガーミュラー計数管30は、ガイガーミュラー計数管10においてビーズ850がビーズ852に置き換えられることにより形成されている。ビーズ852はビーズ850と同じく陰極電極13aの+Z軸側の開口付近に形成されている。
ガイガーミュラー計数管10のビーズ850ではあらかじめ貫通孔851を有するビーズが形成された後に陽極電極12aに取り付けられたが、ビーズは陽極電極12a上に直接形成されても良い。ビーズ852は、陽極電極12a上に溶融した低融点ガラスが直接塗布され、球状に近い形状で固化されることにより形成されている。
<ビーズ853の構成>
図3(b)は、ビーズ853の概略斜視図である。ガイガーミュラー計数管10において、ビーズ850の代わりにスリット854が形成されたビーズ853が用いられても良い。ビーズ853は外形が円盤状に形成されており、中央の貫通孔855とビーズ853の外周とがスリット854により繋がっている。また、ビーズ853では、貫通孔855の直径W3が陽極電極12aの外径よりも小さく形成されている。ビーズ853ではスリット854を一時的に広げることにより、直径W3を陽極電極12aの外径よりも大きく広げることができる。そのため、ビーズ853の陽極電極12aへの取り付けが容易になる。また、通常では直径W3が陽極電極12aの外径よりも小さいため、ビーズ853が陽極電極12aに取り付けられた場合には、ビーズ853が陽極電極12aをより強く保持することができるため好ましい。
<ガイガーミュラー計数管40の構成>
図4(a)は、ガイガーミュラー計数管40の概略斜視図である。ガイガーミュラー計数管40は、封入管11と、陽極導体12と、陰極導体13と、陽極電極12aに取り付けられるビーズ856と、を含んで形成されている。ガイガーミュラー計数管40は、ガイガーミュラー計数管10のビーズ850がビーズ856に置き換えられることにより形成されている。ビーズ856はビーズ850と同じく空間15a内の陽極電極12aの先端側に配置されている。
図4(b)は、ビーズ856の平面図である。ビーズ856は、陽極電極12aに取り付けられる胴体部856aと、胴体部856aに取り付けられる3つの突起部856bと、により形成されている。また、各突起部856bは、例えば胴体部856aの外周に等間隔に配置される。ガイガーミュラー計数管40では、突起部856bにより陽極電極12aと陰極電極13aとの間隔が、ガイガーミュラー計数管40の特性のばらつきが許容範囲内に抑えられる所定の距離の範囲内に保たれる。
ビーズ850(図1(b)参照)では、陽極電極12aを陰極電極13aの中心軸の近くに配置するために外径W2を大きくする場合、ビーズ850が陰極電極13aの開口を塞ぎ、空間15aの内外のガスの流れが悪くなり、空間15aの内外でガスの濃度差が生じてガイガーミュラー計数管の特性に影響が及ぶことが懸念される。ビーズ856では、突起部856bにより陽極電極12aを陰極電極13aの中心軸の近くに配置すると共にビーズ856が陰極電極13aの開口を塞がないため、空間15aの内外にガスの濃度差が生じることが防がれており、ガイガーミュラー計数管の特性に影響が及ぶことが防がれている。
<ガイガーミュラー計数管50の構成>
図5(a)は、ガイガーミュラー計数管50の概略断面図である。ガイガーミュラー計数管50は、封入管11と、陽極導体12と、陰極導体13と、陰極電極13aに取り付けられるリング857と、を含んで形成されている。リング857は、陽極電極12aが空間15aから突き抜ける側の陰極電極13aの開口である+Z軸側の開口の縁を覆うように配置されている。
リング857は、例えば陰極電極13aの周囲に低融点ガラスを塗布し、冷却することにより形成することができる。また、リング857は、硬質ガラス、モリブデンガラス、セラミック、又はプラスチック等の絶縁体により形成されたリングを陰極電極13aの開口に嵌め込むこと、又は低融点ガラス等の接着材により陰極電極13aの開口に固定することにより形成されることができる。
図5(b)は、+Z軸側から−Z軸方向に見たガイガーミュラー計数管50の側面図である。リング857は、陰極電極13aの周囲に形成されている。また、陰極電極13aの内径をW5、リング857の内径をW4とすると、リング857の内径W4は陰極電極13aの内径W5よりも小さく形成される。これにより陽極電極12aが陰極電極13aの中心軸から外れた場合でも陰極電極13aと陽極電極12aとが接触してショートすることが防がれる。
また、ガイガーミュラー計数管50では、内径W4の大きさを小さくすることにより、陽極電極12aの位置を陰極電極13aの中心軸に近い位置に限定することができる。さらに、ビーズを陽極電極に取り付ける場合にはビーズの重さにより陽極電極が変形することが懸念されるが、陰極電極は直径が陽極電極よりも大きく変形し難いため、電極の変形等を懸念する必要がない。
(第3実施形態)
封入管内には、複数の陰極電極又は陽極電極が形成されていても良い。以下に封入管内に複数の陰極電極又は陽極電極が形成された例を説明する。
<ガイガーミュラー計数管110の構成>
図6(a)は、ガイガーミュラー計数管110の断面図である。ガイガーミュラー計数管110は、封入管111と、陽極導体112と、陰極導体113と、ビーズ850と、により形成されている。以下の説明では、封入管111が伸びる方向をZ軸方向、封入管111の直径方向でありZ軸方向に垂直な方向をX軸方向、同じく封入管111の直径方向でありX軸方向及びZ軸方向に垂直な方向をY軸方向とする。
封入管111はガラスにより筒形に形成されている。封入管111の+Z軸側及び−Z軸側の両端は封止されており、封入管111の内部の空間114は密封されている。封入管111の+Z軸側及び−Z軸側の両端では、陽極導体112及び陰極導体113が貫通している。
陽極導体112は、棒状であり空間114に配置される陽極電極124と、陽極電極124に接続され封入管111の端部で支持される線状の第1金属リード部123と、により構成されている。ガイガーミュラー計数管110では、陽極導体112が第1陽極導体112a及び第2陽極導体112bにより構成されている。第1陽極導体112aは空間114の−Z軸側に配置され、第2陽極導体112bは空間114の+Z軸側に配置される。また、第1陽極導体112aは陽極電極124a及び第1金属リード部123aにより構成され、第2陽極導体112bは陽極電極124b及び第1金属リード部123bにより構成される。第1金属リード部123aは封入管111の−Z軸側の端部で支持され、第1金属リード部123bは封入管111の+Z軸側の端部で支持されている。また、ガイガーミュラー計数管110では、陽極電極124aと陽極電極124bとがZ軸方向に伸びる一直線150上に配置されている。
陰極導体113は、空間114で陽極電極124の周りを取り囲む筒形の陰極電極121と、陰極電極121に接続され封入管111の端部で支持される線状の第2金属リード部122と、により構成されている。陰極電極121は、例えば鉄、ニッケル、コバルトの合金である金属コバール又はステンレスにより形成される円筒形の金属パイプにより構成され、陽極電極124は陰極電極121の中心軸上に配置されている。すなわち、陰極電極121の中心軸は一直線150上に配置される。ガイガーミュラー計数管110では、陰極導体113が第1陰極導体113a及び第2陰極導体113bにより構成されている。第1陰極導体113aは空間114の−Z軸側に配置され、第2陰極導体113bは空間114の+Z軸側に配置される。また、第1陰極導体113aは陰極電極121a及び第2金属リード部122aにより構成され、第2陰極導体113bは陰極電極121b及び第2金属リード部122bにより構成されている。第2金属リード部122aは封入管111の−Z軸側の端部で支持され、第2金属リード部122bは封入管111の+Z軸側の端部で支持されている。
ガイガーミュラー計数管110では、陽極電極124の陰極電極121に取り囲まれる位置にビーズ850が取り付けられている。ビーズ850は、陽極電極124a及び陽極電極124bにそれぞれ取り付けられており、陰極電極121aの+Z軸側の開口付近、及び陰極電極121bの−Z軸側の開口付近に配置されている。
陽極電極124及び陽極電極124を取り囲む陰極電極121により、放射線を検出する放射線検出部125が形成される。図6(a)では、陽極電極124a及び陰極電極121aにより形成される放射線検出部125を第1放射線検出部125aとし、陽極電極124b及び陰極電極121bにより形成される放射線検出部125を第2放射線検出部125bとしている。ガイガーミュラー計数管110では、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bにおいてそれぞれ放射線が検出される。
放射線検出部125は、放射線を検出する空間である空間115を有している。空間115は、陰極電極121に囲まれる空間であり、空間内のXY平面内に陽極電極124と陰極電極121との両方を含む領域である。図6(a)では、第1放射線検出部125aの空間115を空間115aとし、第2放射線検出部125bの空間115を空間115bとしている。
ガイガーミュラー計数管では空間115に侵入する放射線を計測するため、空間115を大きく形成することにより放射線の検出感度を上げることができる。しかし、陽極電極124及び陰極電極121を長くすることで空間115を大きく形成する場合には、陽極電極124及び陰極電極121の空間115内での固定強度が弱くなり、ガイガーミュラー計数管が衝撃に弱くなる。
ガイガーミュラー計数管110では、空間114に陽極電極124及び陰極電極121をそれぞれ二組形成することにより空間115の大きさを大きくしており、さらに各陽極電極124及び陰極電極121をガイガーミュラー計数管110の−Z軸側又は+Z軸側に固定することにより陽極電極124及び陰極電極121の空間114での固定強度を上げている。そのため、ガイガーミュラー計数管110では耐衝撃性が向上されている。
また、ガイガーミュラー計数管では陽極電極が陰極電極の中心軸上に配置されることが好ましいが、中心軸上から外れる場合がある。この場合、ガイガーミュラー計数管の特性のばらつきの原因となる。特に陰極電極の内径と陽極電極の外形との差が大きい場合には、このばらつきが大きくなる。また、製造工程において、陽極電極を陰極電極の中心軸上に安定的に配置することは容易ではなかった。ガイガーミュラー計数管110では図6(a)に示されるように、陽極電極124にビーズ850が取り付けられることにより、ビーズ850が陽極電極124と陰極電極121との間隔を所定の範囲に保ち、陽極電極124を陰極電極121の中心軸上の付近に配置することが容易になる。そのため、ガイガーミュラー計数管の製造が容易になり、ガイガーミュラー計数管の特性のばらつきを抑えることができる。
ガイガーミュラー計数管110ではビーズ850が陰極電極121aの+Z軸側の開口付近及び陰極電極121bの−Z軸側の開口付近に配置されたが、ビーズ850を配置する位置はこの位置に限らず陰極電極121に囲まれる領域であればどの位置に配置されても良い。また、図6(a)において、さらに陰極電極121aの−Z軸側の開口付近及び陰極電極121bの+Z軸側の開口付近にもビーズ850を配置する等、1本の陽極電極の複数の箇所にビーズ850が配置されても良い。
図6(b)は、基板140に取り付けられたガイガーミュラー計数管110の概略側面図である。ガイガーミュラー計数管110は基板140に固定されて用いられる。従来のガイガーミュラー計数管では封入管の一方の端からのみ電極が引き出されており、ガイガーミュラー計数管の一方の端のみで基板等に固定されていた。これに対して、ガイガーミュラー計数管110では封入管111の両端から電極が引き出されており、図6(b)に示されるようにガイガーミュラー計数管110の+Z軸側及び−Z軸側の両端で基板140に固定される。そのため、ガイガーミュラー計数管110では従来のガイガーミュラー計数管に比べて強固に安定して基板等に固定されることができる。
また、ガイガーミュラー計数管110では、不活性ガス及びクエンチガスを流通させず、空間114に封入した状態で測定を行う。そのため、空間114内の状態が安定し、放射線の検出感度を安定に保つことができる。
さらに、放射線の検出感度を上げるため等で複数のガイガーミュラー計数管を使用する場合には、個々のガイガーミュラー計数管の感度の個体差により、放射線検出の精度が低くなる場合がある。ガイガーミュラー計数管110では1つのガイガーミュラー計数管内に二組の放射線検出部125を配置するため、不活性ガス及びクエンチガスが共通して使用される。したがって、ガイガーミュラー計数管110内の不活性ガス及びクエンチガスの比が同一になる。そのため、ガイガーミュラー計数管110では、二組のガイガーミュラー計数管を使用する場合よりも放射線検出の精度を上げることができる。
<放射線計測計100の構成>
図7は、放射線計測計100の概略構成図である。放射線計測計100は、ガイガーミュラー計数管110を含んで構成されている。陽極導体112a及び陰極導体113aは、第1高電圧回路部130aに接続されており、両導体間には高電圧がかけられる。また、陽極導体112b及び陰極導体113bは、第2高電圧回路部130bに接続されており、両導体間には高電圧がかけられる。第1高電圧回路部130aは第1カウンター131aに接続されており、第2高電圧回路部130bは第2カウンター131bに接続されている。ガイガーミュラー計数管110の第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bで検出されたパルス信号は、第1カウンター131a及び第2カウンター131bでカウントされ、算出部132で放射線量に換算され、換算された放射線量が表示部134に表示される。算出部132には電源133が接続されることにより電力が供給される。
図7に示される放射線計測計100では、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bがそれぞれ異なる高電圧回路部及びカウンターに接続されることにより個別に放射線量を検出している。しかし、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bは、並列に1つの高電圧回路部及びカウンターに接続されて第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bの全体としての放射線量を検出してもよい。
(第4実施形態)
ガイガーミュラー計数管110で検出される放射線量はβ線及びγ線の両方の放射線量の合計値として計測される。一方、β線及びγ線の各放射線量を測定したい場合がある。以下に、β線及びγ線の各放射線量を測定するためのガイガーミュラー計数管210及び放射線計測計200について説明する。また、以下の説明では、第2実施形態と同じ部分に関しては第2実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
<ガイガーミュラー計数管210の構成>
図8(a)は、ガイガーミュラー計数管210の概略構成図である。ガイガーミュラー計数管210は、ガイガーミュラー計数管110の第1放射線検出部125aに、封入管111の外側から取り囲むようにβ線を遮蔽する遮蔽部216が取り付けられることにより形成されている。遮蔽部216は、例えばアルミニウムの円筒管として形成されることができる。
ガイガーミュラー計数管210では、遮蔽部216で覆われていない第2放射線検出部125bにおいてβ線及びγ線を検出することができる。また、遮蔽部216で覆われている第1放射線検出部125aでは、β線が遮蔽部216で遮蔽されるため、γ線のみを検出することができる。β線の放射線量は、第2放射線検出部125bの放射線量から第1放射線検出部125aの放射線量を差し引くことにより求めることができる。
従来、γ線とβ線とを同時に測定する場合には、ガイガーミュラー計数管を2本用意していた。一方のガイガーミュラー計数管はアルミ管等に入れることによりβ線を遮断してγ線のみを測定する。また、他方のガイガーミュラー計数管でβ線とγ線とを測定する。そして、β線は、他方のガイガーミュラー計数管の放射線量から一方のガイガーミュラー計数管の放射線量を差し引くことにより求める。
これに対して、ガイガーミュラー計数管210では1本のガイガーミュラー計数管でβ線及びγ線の両方の放射線量を同時に測定することができる。そのため、複数のガイガーミュラー計数管を用意する手間を省くことができるため、測定が容易になる。また、ガイガーミュラー計数管110と同様に、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bにおいて不活性ガス及びクエンチガスが共通して使用されるため、二組のガイガーミュラー計数管を使用する場合よりも放射線検出の精度を上げることができる。
<放射線計測計200の構成>
図8(b)は、放射線計測計200の概略構成図である。放射線計測計200では、図7に示される放射線計測計100において、ガイガーミュラー計数管110の代わりにガイガーミュラー計数管210が用いられ、遮蔽部216の位置を判断するための位置判断部235が設けられている。図8(b)に示されている状態では、遮蔽部216で遮蔽される第1放射線検出部125aに接続される第1カウンター131aではγ線のみの放射線量が検出される。また、第2放射線検出部125bに接続される第2カウンター131bではγ線及びβ線の放射線量が検出される。そのため、放射線計測計200では、第1放射線検出部125aの放射線量によりγ線の放射線量を検出することができ、第2放射線検出部125bの放射線量から第1放射線検出部125aの放射線量を引くことによりβ線の放射線量を検出することができる。これらの計算は算出部132で行われ、さらに結果を表示部134に表示することができる。
また、放射線計測計200では、遮蔽部216を第1放射線検出部125aから自由に取り外し及び装着できるように形成されている。例えば、遮蔽部216を図8(b)の状態から−Z軸方向に移動させて第1放射線検出部125aを露出することにより、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bを同じ条件で測定を行うことができる。この状態で測定を行うことにより、第1放射線検出部125aと第2放射線検出部125bとの間の放射線量検出値を校正すること等ができる。
さらに、遮蔽部216には、例えば、ガイガーミュラー計数管210に装着されているか取り外されているかを検知するためのセンサー(不図示)が取り付けられることにより、遮蔽部216の脱着を自動的に判断させても良い。センサーは、遮蔽部216の位置を判断する位置判断部235に接続され、位置判断部235は算出部132に接続されている。算出部132では、位置判断部235がガイガーミュラー計数管210に遮蔽部216が装着されていると判断した場合には、第1放射線検出部125aからγ線を検出し、第2放射線検出部125bから第1放射線検出部125aの放射線量を差し引くことによりβ線を自動的に検出する。また、位置判断部235がガイガーミュラー計数管210に遮蔽部216が装着されていると判断した場合には、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bの放射線量を表示部134に表示させる。表示部134への表示は、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bの放射線量の加算平均を表示しても良い。
(第5実施形態)
ガイガーミュラー計数管では、陰極導体又は陽極導体のどちらか一方のみが二組形成されていても良い。以下に、陰極導体又は陽極導体のどちらか一方のみが二組形成されたガイガーミュラー計数管について説明する。また、以下の説明では、第1実施形態及び第2実施形態と同じ部分に関しては第1実施形態及び第2実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
<ガイガーミュラー計数管310の構成>
図9(a)は、ガイガーミュラー計数管310の断面図である。ガイガーミュラー計数管310は、封入管111と、陽極導体312と、陰極導体313と、ビーズ850と、により形成されている。
陽極導体312は、空間114に配置される陽極電極324と、陽極電極324に接続され封入管111の−Z軸側の端部で支持される線状の第1金属リード部123aと、により構成されている。陽極電極324は、−Z軸側の端が第1金属リード部123aに接続されており、+Z軸側の端は空間114の+Z軸側の端部付近にまでZ軸方向に伸びている。
陰極導体313は、空間114の−Z軸側に配置される第1陰極導体313aと、空間114の+Z軸側に配置される第2陰極導体313bと、により構成されている。第1陰極導体313aは、陰極電極121a及び第2金属リード部122aにより構成されており、第2金属リード部122aが陰極電極121aの外側表面に接合されている。第2陰極導体313bは、陰極電極121b及び第2金属リード部322bにより構成されており、第2金属リード部322bが陰極電極121bの外側表面に接合されている。また、第2金属リード部322bは封入管111の+Z軸側の端部の中央で支持されている。
ガイガーミュラー計数管310では、陰極電極121aと陽極電極324とにより第1放射線検出部325aが形成され、陰極電極121bと陽極電極324とにより第2放射線検出部325bが形成される。第1放射線検出部325aは放射線を検出する空間315aを有しており、第2放射線検出部325bは放射線を検出する空間315bを有している。また、空間315b内の陰極電極121bの+Z軸側の開口付近には、陽極電極324に取り付けられたビーズ850が配置されている。これにより、陽極電極324は陰極電極121a及び陰極電極121bの中心軸上又はその付近に配置される。
陽極電極324では、第1放射線検出部325a及び第2放射線検出部325bにおいて発生する電離した電子を検出する。そのため、陽極電極324で検出されるパルス信号を測定することにより、第1放射線検出部325a及び第2放射線検出部325bに於いて検出されるβ線及びγ線の合計放射線量を測定することができる。
各放射線検出部では、電離されたイオンが陰極電極121において電子を受け取ることにより陰極電極121にパルス電流が流れる。このパルス電流を測定することにより放射線量を測定することができる。陰極電極121a及び陰極電極121bにおいては、それぞれ第1放射線検出部325a及び第2放射線検出部325bにおけるβ線及びγ線の合計放射線量が測定される。
ガイガーミュラー計数管310では、陽極電極324により第1放射線検出部325a及び第2放射線検出部325bの全体の放射線量を測定すると共に、各陰極電極により第1放射線検出部325a及び第2放射線検出部325bの放射線量を個別に測定することができる。また、ガイガーミュラー計数管310では、このような個別測定を行うことができるにもかかわらず、陽極電極324が一つであるため組み立てが容易である。
また、陰極導体313では、第2金属リード部122a及び第2金属リード部322bが陰極電極121a及び陰極電極121bの外側表面に接合されているため、放射線を検出する空間315a及び空間315bにおいて陽極電極と陰極電極との間隔がどの位置でも一定となる。これにより、空間315a及び空間315bにおける放電条件のムラがなくなり、より正確な測定を行うことができる。なお、このような陰極電極の外側表面に金属リード部が接合される構成は、前述のガイガーミュラー計数管110及び後述のガイガーミュラー計数管410等において採用されても良い。
<ガイガーミュラー計数管310aの構成>
図9(b)は、ガイガーミュラー計数管310aの概略断面図である。ガイガーミュラー計数管310aは、ガイガーミュラー計数管310及びガイガーミュラー計数管310の第1放射線検出部325aを覆う遮蔽部216により構成されている。
第1放射線検出部325aでは、γ線のみが検出される。そのため、陰極電極121aにおいて観測されるパルス信号を測定することによりγ線の放射線量を検出することができる。また、陰極電極121bにより検出される放射線量から陰極電極121aにおいて検出される放射線量を差し引くことによりβ線の放射線量を測定することができる。
また、ガイガーミュラー計数管310aを用いて、図8(b)に示される放射線計測計200と同様に、遮蔽部216の脱着を自由に行うことができる放射線計測計を形成することができる。
<ガイガーミュラー計数管410の構成>
図10(a)は、ガイガーミュラー計数管410の断面図である。ガイガーミュラー計数管410は、封入管111と、陽極導体112と、陰極導体413と、ビーズ850と、により形成されている。
陰極導体413は、陰極電極421と、封入管111の−Z軸側の端部を貫通し陰極電極421を保持する第2金属リード部122aと、により構成されている。陰極電極421は、空間114にZ軸方向に伸びるように配置されている。陰極電極421は、空間114の−Z軸側の端部付近から+Z軸側の端部付近にまで伸びている。
陽極導体112は、図6(a)に示されるガイガーミュラー計数管110と同様に、第1陽極導体112aと第2陽極導体112bとにより構成されている。第1陽極導体112aの陽極電極124a及び第2陽極導体112bの陽極電極124bは、共に陰極電極421の中心軸上に配置される。
ガイガーミュラー計数管410では、XY平面において陰極電極421と陽極電極124aとが重なる部分を第1放射線検出部425a、XY平面において陰極電極421と陽極電極124bとが重なる部分を第2放射線検出部425bとする。また、第1放射線検出部425aの放射線を検出する空間を空間415a、第2放射線検出部425aの放射線を検出する空間を空間415bとする。また、空間415a内の+Z軸側及び空間415b内の−Z軸側では、陽極電極124a及び陽極電極124bにビーズ850が取り付けられている。
ガイガーミュラー計数管410では、陰極電極421により第1放射線検出部425a及び第2放射線検出部425bの合計放射線量が検出される。また、陽極電極124aにより第1放射線検出部425aのβ線及びγ線の合計放射線量を検出することができ、陽極電極124bにより第2放射線検出部425bのβ線及びγ線の合計放射線量を検出することができる。また、ガイガーミュラー計数管410では、このような複数の放射線量測定を同時に行うことができるにもかかわらず、陰極電極421が一つであるため組み立てが容易である。
また、ガイガーミュラー計数管410では、各陽極電極124が陰極電極421で囲まれるため陽極電極124の位置を確認することができないが、各陽極電極124にビーズ850が取り付けられているため各陽極電極124を陰極電極421の中心軸から大きく逸れることが無いように配置することができる。
<ガイガーミュラー計数管410aの構成>
図10(b)は、ガイガーミュラー計数管410aの概略断面図である。ガイガーミュラー計数管410aは、ガイガーミュラー計数管410及びガイガーミュラー計数管410の第1放射線検出部425aを覆う遮蔽部216により構成されている。
第1放射線検出部425aでは、γ線のみが検出される。そのため、陽極電極124aにおいて観測されるパルス信号を測定することによりγ線の放射線量を検出することができる。また、陽極電極124bにより検出される放射線量から陽極電極124aにおいて検出される放射線量を差し引くことによりβ線の放射線量を測定することができる。
また、ガイガーミュラー計数管410aを用いて、図8(b)に示される放射線計測計200と同様に、遮蔽部216の脱着を自由に行うことができる放射線計測計を形成することができる。
(第6実施形態)
放射線計測計100では、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bがそれぞれ第1高電圧回路部130a及び第2高電圧回路部130bに接続されていたが、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bは共に1つの高電圧回路部に接続されても良い。以下に、複数の放射線計測部を有すると共に1つの高電圧回路部を有する放射線計測計について説明する。また、以下の説明では、第3実施形態から第5実施形態と同じ部分に関しては第1実施形態から第3実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
<放射線計測計500の構成>
図11は、放射線計測計500の概略構成図である。放射線計測計500は、ガイガーミュラー計数管110と、高電圧回路部530と、カウンター531と、算出部132と、表示部134と、電源133と、を含んで構成されている。高電圧回路部530は第1高電圧回路部130a及び第2高電圧回路部130bと同様の性能を有しており、カウンター531は第1カウンター131a及び第2カウンター131bと同様の性能を有している。
ガイガーミュラー計数管110の第1陽極導体112a及び第2陽極導体112bは互いに接続されて高電圧回路部530に接続される。また、第1陰極導体113a及び第2陰極導体113bは互いに接続されて高電圧回路部530に接続される。すなわち、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bは高電圧回路部530に対して並列に接続される。
高電圧回路部530にはカウンター531が接続され、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bで検出されるパルス信号がカウントされる。すなわち、カウンター531では、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bで検出される合計のパルス信号が検出される。カウンター531には算出部132が接続され、算出部132には電源133及び表示部134が接続される。
図12は、放射線計測計の放電回数を比較したグラフである。図12には、放射線計測計500(図11参照)、放射線計測計100(図7参照)、及び放射線計測計100aの3つの放射線計測計の放電回数と印加電圧との関係が示されている。放射線計測計100aは、放射線計測計100(図7参照)において第2放射線検出部125bの電極を開放して第1放射線検出部125aのみで測定を行う放射線計測計である。図12の縦軸は各放射線計測計のガイガーミュラー計数管全体の放電回数が示されている。放電回数は10秒当たりの放電回数として示されている。また、図12の横軸にはガイガーミュラー計数管の陽極電極及び陰極電極間に加えられる印加電圧の大きさが示されている。印加電圧は直流電圧であり、単位がボルト(V)となっている。
図12において、放射線計測計100aの放電回数は、印加電圧が500Vから530Vの間で増加し、印加電圧が530Vより大きくなると安定する。放射線計測計100の放電回数は、印加電圧が500Vから540Vの間で増加し、印加電圧が530Vより大きくなると安定する。放射線計測計500では、印加電圧が480Vから510Vの間で放電回数が増加する。また、印加電圧が510Vから580Vの間では放電回数がなだらかに増加し、印加電圧が580Vより大きくなると放電回数が大きく増加する。
各放射線計測計の比較のために印加電圧が550Vである場合の放電回数を比べると、放射線計測計100aは2.4回/10秒であり、放射線計測計100は4.7回/10秒であり、放射線計測計500は8.7回/10秒である。このとき、放射線計測計100は放射線計測計100aに対して約2倍のパルス信号を検出している。また、放射線計測計500は放射線計測計100に対して約1.9倍、放射線計測計100に対して約3.6倍のパルス信号を検出している。すなわち、図12に示された3つの放射線計測計の中では、放射線計測計100aの放射線検出感度が最も低く、放射線計測計500の放射線検出感度が最も高い。
放射線計測計100と放射線計測計500との主な違いは、高電圧回路部及びカウンターの使用個数である。そのため、図12に示されるような放射線計測計100と放射線計測計500との放射線検出感度の違いは、高電圧回路部及びカウンターの使用個数に起因すると考えられる。さらに、カウンターはパルス信号をカウントするのみなので、高電圧回路部の使用個数が放射線検出感度の違いに大きく影響していると考えられる。
図12の放射線計測計500に示されるように、1つの高電圧回路部を使用することにより複数の高電圧回路部を用いる場合よりも放射線検出感度を上げることが出来る。また放射線計測計500では、高電圧回路部及びカウンターの使用が1つのみであるので、放射線計測計の構成部品が少なくなって製造原価が低くなるため好ましい。
<放射線計測計600の構成>
図13は、放射線計測計600の概略構成図である。放射線計測計600は、ガイガーミュラー計数管610と、高電圧回路部530と、カウンター531と、算出部132と、表示部134と、電源133と、を含んで構成されている。
ガイガーミュラー計数管610は、封入管611と、陽極導体612と、陰極導体613と、ビーズ850と、により形成されている。封入管611は筒形のガラス管が、+Z軸方向、−Z軸方向、及び+Y軸方向にそれぞれ伸びるように形成されている。封入管611の内部の空間614は密封されている。
陽極導体612は、第1陽極導体112a、第2陽極導体112b、及び第3陽極導体612cにより構成されている。第3陽極導体612cは、陽極電極(不図示)及び第1金属リード部(不図示)により構成され、陽極電極が封入管611の+Y軸方向に伸びた空間内に配置される。第3陽極導体612cは、第1陽極導体112a及び第2陽極導体112bと同じ形状に形成され、第1陽極導体112a及び第2陽極導体112bとは封入管611内での配置位置のみが異なっている。第3陽極導体612cは、封入管611の+Y軸側の端部で支持されることにより封入管611に固定されている。
陰極導体613は、第1陰極導体113a、第2陰極導体113b、及び第3陰極導体613cにより構成されている。第3陰極導体613cは、陰極電極621c及び第2金属リード部622cにより構成され、封入管611の+Y軸方向に伸びる空間内に配置される。第3陰極導体613cは、第1陰極導体113a及び第2陰極導体113bと同じ形状であり、第1陰極導体113a及び第2陰極導体113bとは封入管611内での配置位置のみが異なっている。第3陰極導体613cは、第2金属リード部622cが封入管611の+Y軸側の端部で支持されることにより封入管611に固定されている。
ガイガーミュラー計数管610は、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bを備えると共に、第3陽極導体612c及び第3陰極導体613cにより形成される第3放射線検出部625cを備える。第3放射線検出部625cは、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bと同様の形状に形成される放射線検出部であり、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bとは封入管611内での配置位置のみが異なっている。また、第1放射線検出部125aの+Z軸側、第2放射線検出部125bの−Z軸側、及び第3放射線検出部625cの−Y軸側には、各検出部を構成する陽極電極に取り付けられることによりビーズ850が配置されている。
放射線計測計600では、ガイガーミュラー計数管610の第1陰極導体113a、第2陰極導体113b、及び第3陰極導体613cが互いに電気的に接続されて高電圧回路部530に接続される。また、第1陽極導体112a、第2陽極導体112b、及び第3陽極導体612cが互いに電気的に接続されて高電圧回路部530に接続される。すなわち、第1放射線検出部125a、第2放射線検出部125b、及び第3放射線検出部625cは高電圧回路部530に対して並列に接続される。
高電圧回路部530にはカウンター531が接続され、第1放射線検出部125a、第2放射線検出部125b、及び第3放射線検出部625cで検出されるパルス信号がカウントされる。すなわち、カウンター531では、第1放射線検出部125a、第2放射線検出部125b、及び第3放射線検出部625cで検出される合計のパルス信号をカウントする。カウンター531には算出部132が接続され、算出部132には電源132及び表示部134が接続される。
放射線計測計600では、図13に示されるように、封入管611を外側から取り囲むようにβ線を遮蔽する遮蔽部616を装着させることでβ線及びγ線の両方を測定することができる。この測定は、例えば、遮蔽部616を装着せずに測定を行うことでβ線及びγ線の合計値を測定し、さらに遮蔽部616を装着して測定を行うことでγ線の値を測定し、更にβ線及びγ線の合計値からγ線の値を引いてβ線の値を計算することにより行うことが出来る。
放射線計測計600では、3つの放射線検出部を有することにより、放射線計測計500よりも放射線検出の感度が高くなる。また、遮蔽部616を用いることにより、β線及びγ線の各値を測定することが出来る。放射線計測計600では、同時にβ線及びγ線を測定しなくても、放射線計測計自体の放射線の検出感度が高いため、高い放射線の検出感度でβ線を測定することが出来る。
<放射線計測計700の構成>
図14は、放射線計測計700の概略構成図である。放射線計測計700は、ガイガーミュラー計数管710と、高電圧回路部530と、カウンター531と、算出部132と、表示部134と、電源133と、を含んで構成されている。
ガイガーミュラー計数管710は、封入管711と、陽極導体712と、陰極導体713と、ビーズ850と、により形成されている。封入管711は筒形のガラス管が、+Z軸方向、−Z軸方向、+Y軸方向、及び+X軸方向にそれぞれ伸びるように形成されている。封入管711の内部の空間714は密封されている。
陽極導体712は、第1陽極導体112a、第2陽極導体112b、第3陽極導体612c、及び第4陽極導体712dにより構成されている。第4陽極導体712dは、陽極電極(不図示)及び第1金属リード部(不図示)により構成され、封入管711の+X軸方向に伸びる空間内に配置される。第4陽極導体712dは、第1陽極導体112a及び第2陽極導体112bと同じ形状であり、第1陽極導体112a及び第2陽極導体112bとは封入管711内での配置位置のみが異なっている。第4陽極導体712dは、封入管711の+X軸側の端部で支持されることにより封入管711に固定されている。
陰極導体713は、第1陰極導体113a、第2陰極導体113b、第3陰極導体613c、及び第4陰極導体713dにより構成されている。第4陰極導体713dは、陰極電極721d及び第2金属リード部722dにより構成され、封入管711の+X軸方向に伸びる空間内に配置される。第4陰極導体713dは、第1陰極導体113a及び第2陰極導体113bと同じ形状であり、第1陰極導体113a及び第2陰極導体113bとは封入管711内での配置位置のみが異なっている。第4陰極導体713dは、第2金属リード部722dが封入管711の+X軸側の端部で支持されることにより封入管711に固定されている。
ガイガーミュラー計数管710は、第1放射線検出部125a、第2放射線検出部125b、及び第3放射線検出部625cを備えると共に、第4陽極導体712d及び第4陰極導体713dにより形成される第4放射線検出部725dを備える。第4放射線検出部725dは、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bと同様の形状に形成される放射線検出部であり、第1放射線検出部125a及び第2放射線検出部125bとは封入管711内での配置位置のみが異なっている。また、第1放射線検出部125aの+Z軸側、第2放射線検出部125bの−Z軸側、第3放射線検出部625cの−Y軸側、及び第4放射線検出部725dの−X軸側には、各検出部を構成する陽極電極に取り付けられることによりビーズ850が配置されている。
放射線計測計700では、4つの放射線検出部を有することにより、放射線計測計500及び600よりも放射線検出の感度が高くなる。また、放射線計測計600と同様に、遮蔽部(不図示)を用いてガイガーミュラー計数管710を覆うことにより、β線及びγ線の各値を測定することが出来る。
(第7実施形態)
ガイガーミュラー計数管では、封入管内の空間のガスの濃度が均一になるように陰極電極の側面に貫通孔を形成しても良い。以下に陰極電極の側面に貫通孔が形成されたガイガーミュラー計数管60について説明する。また、以下の説明では、第1実施形態と同じ部分に関しては第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
<ガイガーミュラー計数管60の構成>
図15(a)は、ガイガーミュラー計数管60を構成する陽極電極12a、ビーズ850、及び陰極電極63aの概略斜視図である。ガイガーミュラー計数管60は、ガイガーミュラー計数管10(図1(a)参照)において、陰極電極13aの代わりに陰極電極63aが用いられたガイガーミュラー計数管である。
陰極電極63aは、例えば鉄、ニッケル、コバルトの合金である金属コバール又はステンレスの矩形形状の金属のシートが円筒状に丸められることにより形成される。また、陰極電極63aは、金属のシートの両端辺が互いに重ならないように離間されて丸められることにより、側面にZ軸方向に伸びるスリット858が形成される。スリット858は、陰極電極63aの側面に形成され、陰極電極63aに囲まれる空間65aの内外を繋ぐ貫通孔となっている。
図15(b)は、図15(a)のB−B断面図である。陽極電極12aは陰極電極63aの中心軸上に配置されている。これにより、陰極電極63aと陽極電極12aとの間に電圧がかかった場合には、XY平面内において、陰極電極63aに囲まれる空間65aの電場が陽極電極12aを中心とした回転対称に形成される。また、空間65aを含む空間14には不活性ガス及びクエンチガスが封入される。不活性ガスには、例えばヘリウム(He)、ネオン(Ne)、又はアルゴン(Ar)などの希ガスが用いられる。また、クエンチガスには、例えば、フッ素(F)、臭素(Br)又は塩素(Cl)等のハロゲン系のガスが用いられる。
ガイガーミュラー計数管10では、ビーズ850の外径W2を大きくする場合に、封入管11内のガスの流れが悪くなり、封入管11内でガスの濃度差が生じ、ガイガーミュラー計数管の特性に影響が及ぶことが懸念される。陰極電極63aでは、スリット858を形成することにより陰極電極63aの内外の通気を良くし、陰極電極63aの内外にガスの濃度差が生じないようにされている。
陰極電極63aでは、空間65aの内外を繋ぐ貫通孔がスリット858として形成されているが、貫通孔の形状はスリットに限らない。貫通孔は、例えば金属にシートに複数の円形の貫通孔が形成されることにより形成されても良いし、金属のシートに複数の金属線材が網状に編み込まれた金網を用い、金網の網目が貫通孔となるように形成しても良い。また、これらの陰極電極は、第1実施形体のみならず、第2実施形態から第6実施形態において用いられても良い。
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。また、各実施形態の特徴を様々に組み合わせて実施することができる。
また、例えば、上記実施形態では陰極電極が円筒形に形成されていたが、陰極電極の形状は、円筒形以外の筒形、すなわち、角筒状、楕円筒状、多角筒状等の様々な形状に形成されても良い。
20、100、200、500、600、700 … 放射線計測計
10、30、40、50、60、110、210、310、310a、410、410a、610、710、810 … ガイガーミュラー計数管
11、111、611、711 … 封入管
12、112、312、612、712 … 陽極導体
112a … 第1陽極導体
112b … 第2陽極導体
13、113、313、413、613、713 … 陰極導体
113a … 第1陰極導体
113b、313b … 第2陰極導体
14、114 … 封入管の内部の空間
15a、65a、115、115a、115b、315a、315b、415a、415b … 放射線を検出する空間
13a、63a、121、121a、121b、421、621c、721d、821 … 陰極電極
13b、122、122a、122b、322b、622c、722d … 第2金属リード部
12b、123、123a、123b … 第1金属リード部
12a、124、124a、124b、324 … 陽極電極
15、125 … 放射線検出部
125a、325a、425a … 第1放射線検出部
125b、325b、425b … 第2放射線検出部
130a … 第1高電圧回路部
130b … 第2高電圧回路部
131a … 第1カウンター
131b … 第2カウンター
23、132 … 算出部
25、133 … 電源
24、134 … 表示部
140 … 基板
216、616 … 遮蔽部
235 … 位置判断部
21、530 … 高電圧回路部
22、531 … カウンター
612c … 第3陽極導体
613c … 第3陰極導体
625c … 第3放射線検出部
712d … 第4陽極導体
713d … 第4陰極導体
850、852、853、856 … ビーズ
851、855 … 貫通孔
854、858 … スリット
857 … リング
W1 … 貫通孔851の直径
W2 … ビーズ850の外径
W3 … 貫通孔855の直径

Claims (10)

  1. 密封された空間を有する筒形の封入管と、
    前記空間内に配置されて棒状に形成される陽極電極と、
    前記空間内で前記陽極電極の周りを取り囲む筒状の陰極電極と、
    絶縁体により形成され中央に貫通孔を有し、前記貫通孔に前記陽極電極が通り、前記陽極電極の前記陰極電極に囲まれる位置に固定されるビーズと、
    前記空間内に密封される不活性ガス及びクエンチガスと、を備え、
    前記ビーズにより前記陽極電極と前記陰極電極との直接接触が防がれているガイガーミュラー計数管。
  2. 前記ビーズは、硬質ガラス、モリブデンガラス、セラミック、又はプラスチックにより形成される請求項1に記載のガイガーミュラー計数管。
  3. 前記ビーズは、溶融したガラスを前記陽極電極に塗布し、冷却することによって形成される請求項1に記載のガイガーミュラー計数管。
  4. 前記ビーズの外形が、円柱状、円盤状、楕円体状、球状、又は輪環状に形成される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガイガーミュラー計数管。
  5. 前記ビーズは、前記陰極電極側に伸びる複数の突起を有する請求項1又は請求項2に記載のガイガーミュラー計数管。
  6. 前記ビーズは、前記陽極電極が突き抜ける前記陰極電極の開口面上に配置される請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のガイガーミュラー計数管。
  7. 密封された空間を有する筒形の封入管と、
    前記空間内に配置されて棒状に形成される陽極電極と、
    前記空間内で前記陽極電極の周りを取り囲み開口を有する筒状の陰極電極と、
    絶縁体により形成され、前記開口に配置され、前記陰極電極の前記開口の直径よりも小さい内径を有するリングと、
    前記空間内に密封される不活性ガス及びクエンチガスと、を備え、
    前記陽極電極は前記リングの前記内径内を貫通し、前記リングにより前記陽極電極と前記陰極電極との直接接触が防がれているガイガーミュラー計数管。
  8. 前記リングは、硬質ガラス、モリブデンガラス、セラミック、又はプラスチックにより形成される請求項7に記載のガイガーミュラー計数管。
  9. 前記リングは、溶融したガラスを前記陰極電極の前記開口に塗布し、冷却することによって形成される請求項7及び請求項8に記載のガイガーミュラー計数管。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のガイガーミュラー計数管と、
    前記第1金属リード部と前記第2金属リード部との間に所定の高電圧を印加する1つの高電圧回路部と、
    前記高電圧回路部に接続され、前記ガイガーミュラー計数管で計測されたパルス信号をカウントするカウンターと、
    前記カウンターでカウントされた前記パルス信号を放射線量に換算する算出部と、を備える放射線計測計。
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