JP2014002917A - ガイガーミュラー計数管、放射線測定装置及びガイガーミュラー計数管の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、容易に不活性ガスを封入することができるガイガーミュラー計数管、放射線測定装置及びガイガーミュラー計数管の製造方法を提供する。
【解決手段】ガイガーミュラー計数管(100)は、ステンレス又は金属コバールにより形成され、一方向に開口部を他方向が封止された円筒状の封入管(111)と、開口部に接合される環状枠を有し、封入管の内部に密封された空間(112)を形成するキャップ(120)と、空間に配置される電極(121)と、空間に封入される不活性ガス及び腐食性のクエンチガスと、を備え、封入管の内壁及びキャップの環状枠の空間側の面に、耐腐食膜(130)が形成されている。
【選択図】 図3
【解決手段】ガイガーミュラー計数管(100)は、ステンレス又は金属コバールにより形成され、一方向に開口部を他方向が封止された円筒状の封入管(111)と、開口部に接合される環状枠を有し、封入管の内部に密封された空間(112)を形成するキャップ(120)と、空間に配置される電極(121)と、空間に封入される不活性ガス及び腐食性のクエンチガスと、を備え、封入管の内壁及びキャップの環状枠の空間側の面に、耐腐食膜(130)が形成されている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、不活性ガスが封入されたガイガーミュラー計数管、放射線測定装置及びガイガーミュラー計数管の製造方法に関する。
ガイガーミュラー計数管(GM管)は、主に放射線測定装置に用いられる部品である。GM管の中には不活性ガスが封入されており、不活性ガスはGM管の中に侵入した放射線により電子とイオンとに電離させられる。また、GM管には陽極電極及び陰極電極が形成されており、GM管の陽極電極及び陰極電極の間には高い電圧がかけられて使用される。そのため、電離した電子及びイオンはそれぞれ陽極電極及び陰極電極に向かって加速される。これにより陽極電極と陰極電極との間が通電され、パルス信号が発生する。このような不活性ガスが封入されたGM管は、例えば、特許文献1に開示されている。
しかし、特許文献1ではGM管への不活性ガスの封入方法に関して何ら開示していない。一般的にはGM管に排気及び不活性ガスを導入するためのガラスの排気管が取り付けられ、その後、不活性ガスがGM管へ導入されてガラスの排気管が封止される。このような工程は長く、自動化が困難であるため、GM管の量産化における課題の一つとなっている。
本発明では、容易に不活性ガスを封入することができるガイガーミュラー計数管、放射線測定装置及びガイガーミュラー計数管の製造方法を提供することを目的とする。
第1観点のガイガーミュラー計数管は、ステンレス又は金属コバールにより形成され、一方向に開口部を他方向が封止された円筒状の封入管と、開口部に接合される環状枠を有し、封入管の内部に密封された空間を形成するキャップと、空間に配置される電極と、空間に封入される不活性ガス及び腐食性のクエンチガスと、を備え、封入管の内壁及びキャップの環状枠の空間側の面に、耐腐食膜が形成されている。
第2観点のガイガーミュラー計数管は、第1観点において、耐腐食膜が、表面が酸化されたクロムのメッキ膜又はクエンチガスに耐腐食性の樹脂膜又は塗料膜である。
第3観点のガイガーミュラー計数管は、第1観点及び第2観点において、封入管の他方向が雲母により封止されている。
第4観点のガイガーミュラー計数管は、第1観点から第3観点において、封入管とキャップとが抵抗溶接により接合されている。
第5観点のガイガーミュラー計数管は、第1観点から第4観点において、キャップが、電極をキャップの空間側から外側へ支えるガラスとガラスを覆うように形成される環状枠とにより形成され、環状枠がステンレス又は金属コバールにより形成され、ガラスがステンレス又は金属コバールと同じ熱膨張率を有している。
第6観点のガイガーミュラー計数管は、第1観点から第5観点において、電極が、キャップの中央を貫通して空間内に棒状に突き出て陽極となるとともにその先端が絶縁されており、封入管が陰極となる。
第7観点のガイガーミュラー計数管は、第6観点において、電極が金属コバールにより形成されている。
第8観点の放射線測定装置は、第1観点から第7観点のガイガーミュラー計数管と、ガイガーミュラー計数管からのパルスを増幅する増幅器と、増幅器に接続されたカウンターと、を備える。
第9観点のガイガーミュラー計数管の製造方法は、一方向に開口部を他方向が封止されステンレス又は金属コバールにより形成されている円筒状の封入管と、開口部に接合される環状枠を有し封入管の内部に密封された空間を形成し空間に配置される電極を有するキャップと、をチャンバー内に配置する工程と、チャンバー内を真空引きする工程と、真空引き工程後に、チャンバー内に不活性ガス及び腐食性のクエンチガスを導入する工程と、不活性ガス及び腐食性のクエンチガスを導入して所定の真空度になった後、チャンバー内で封入管とキャップとを接合する工程と、を備える。
第10観点のガイガーミュラー計数管の製造方法は、第9観点において、封入管の内壁及びキャップの環状枠の空間側の面に耐腐食膜が形成され、耐腐食膜が、表面が酸化されたクロムのメッキ膜又はクエンチガスに耐腐食性の樹脂膜又は塗料膜である。
第11観点のガイガーミュラー計数管の製造方法は、第9観点又は第10観点において、封入管とキャップとの接合が抵抗溶接により行われる。
本発明のガイガーミュラー計数管、放射線測定装置及びガイガーミュラー計数管の製造方法によれば、容易に不活性ガスを封入することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
(第1実施形態)
<放射線測定装置10の構成>
図1は、放射線測定装置10の概略図である。放射線測定装置10は、主に測定部11、信号処理部12、及び測定部11と信号処理部12とを繋ぐケーブル13を有している。測定部11は放射線を受けてパルス信号を発生させる部分であり、後述されるガイガーミュラー計数管100(図2(a)参照)が配置される。測定部11において発生したパルス信号は、ケーブル13を伝って信号処理部12に送られる。信号処理部12にはパルス信号を増幅する増幅器(不図示)及び増幅器に接続されパルス信号を数えるためのカウンター(不図示)等が備えられている。信号処理部12ではパルス信号が放射線量に換算され、換算された放射線量は信号処理部12に形成される結果表示部14に表示される。
<放射線測定装置10の構成>
図1は、放射線測定装置10の概略図である。放射線測定装置10は、主に測定部11、信号処理部12、及び測定部11と信号処理部12とを繋ぐケーブル13を有している。測定部11は放射線を受けてパルス信号を発生させる部分であり、後述されるガイガーミュラー計数管100(図2(a)参照)が配置される。測定部11において発生したパルス信号は、ケーブル13を伝って信号処理部12に送られる。信号処理部12にはパルス信号を増幅する増幅器(不図示)及び増幅器に接続されパルス信号を数えるためのカウンター(不図示)等が備えられている。信号処理部12ではパルス信号が放射線量に換算され、換算された放射線量は信号処理部12に形成される結果表示部14に表示される。
<ガイガーミュラー計数管100の構成>
図2(a)は、ガイガーミュラー計数管100の側面図である。ガイガーミュラー計数管100は、円筒形の封止管110と、キャップ120と、により構成されている。以下の説明では、封止管110が伸びる方向をZ軸方向、封止管110を構成する円筒の直径方向でありZ軸方向に垂直な方向をX軸方向、同じく、封止管110を構成する円筒の直径方向でありX軸方向及びZ軸方向に垂直な方向をY軸方向とする。封止管110は中空であり、−Z軸側の端が封止されており、+Z軸側の端には開口されている開口部113(図3(a)参照)を有している。キャップ120は、封止管110の開口部113に接合されて封止管110の内部の空間114(図3(a)参照)を密封する。また、キャップ120の中心を線状の陽極電極121が貫いている。ガイガーミュラー計数管100のZ軸方向の長さLAは、例えば約20mmに形成される。また、封止管110の直径DAは、例えば7〜8mmに形成される。
図2(a)は、ガイガーミュラー計数管100の側面図である。ガイガーミュラー計数管100は、円筒形の封止管110と、キャップ120と、により構成されている。以下の説明では、封止管110が伸びる方向をZ軸方向、封止管110を構成する円筒の直径方向でありZ軸方向に垂直な方向をX軸方向、同じく、封止管110を構成する円筒の直径方向でありX軸方向及びZ軸方向に垂直な方向をY軸方向とする。封止管110は中空であり、−Z軸側の端が封止されており、+Z軸側の端には開口されている開口部113(図3(a)参照)を有している。キャップ120は、封止管110の開口部113に接合されて封止管110の内部の空間114(図3(a)参照)を密封する。また、キャップ120の中心を線状の陽極電極121が貫いている。ガイガーミュラー計数管100のZ軸方向の長さLAは、例えば約20mmに形成される。また、封止管110の直径DAは、例えば7〜8mmに形成される。
図2(b)は、ガイガーミュラー計数管100の上面図である。ガイガーミュラー計数管100の上面にはキャップ120が配置されるため、図2(b)はキャップ120の+Z軸側の面の平面図にもなっている。キャップ120は円盤状の形状を有しており、キャップ120の外周に形成され封止管110に接合される環状枠123と、環状枠123の内側に形成され、線状に形成された陽極電極121が中心を貫通する内周部122と、により構成されている。環状枠123は、例えば金属コバール又はステンレスにより形成され、内周部122は例えばコバールガラスにより形成される。金属コバールは鉄、ニッケル、コバルトの合金であり、コバールガラスはホウ珪酸ガラスである。
図3(a)は、図2(b)のA−A断面の分解断面図である。封止管110は、円筒状の側面111と、側面111の−Z軸側の端に側面111から連側的に繋がって形成されている底面112と、により構成されている。側面111及び底面112は、ステンレス又は金属コバールにより形成されている。また、封止管110には側面111と底面112とにより囲まれて形成される空間114が形成されており、側面111の+Z軸側の端は開口された開口部113となっている。さらに、封止管110の側面111の空間114側及び底面112の空間114側には耐腐食膜130が形成されている。耐腐食膜130は、例えば表面が酸化されたクロム(Cr)のメッキ膜、耐熱性が良く腐食しないエポキシ樹脂等の樹脂膜、又は、塗料膜等が用いられる。
封止管110の側面111の+Z軸側の端、すなわち、開口部113に、キャップ120の環状枠123が接合されて空間114が密封される。キャップ120の環状枠123の−Z軸側の面には耐腐食膜130が形成されており、空間114に封入される腐食性のガスからキャップ120の環状枠123が保護される。キャップ120の中心には陽極電極121が貫通しており、陽極電極121は空間114内に直線状に伸びている。空間114内における陽極電極121の先端は、絶縁体131により覆われている。絶縁体131は、例えばガラス等の材料により形成されており、陽極電極121の先端からの放電を防いでいる。
空間114には不活性ガス及びクエンチガスが封入される。不活性ガスには、例えばヘリウム(He)、ネオン(Ne)、又はアルゴン(Ar)等の希ガスが用いられる。また、クエンチガスには、例えば、フッ素(F)、臭素(Br)又は塩素(Cl)等のハロゲン系のガスが用いられる。このようなクエンチガスは金属を腐食させる性質を有しているために封止管110及びキャップ120を構成する金属が腐食される可能性があるが、ガイガーミュラー計数管100では耐腐食膜130が空間114を覆うようにガイガーミュラー計数管100の内壁に形成されていることにより封止管110及びキャップ120の腐食が防がれている。
図3(b)は、図2(a)のB−B断面図である。封止管110の空間114の中心には陽極電極121が配置され、封止管110の側面111が陰極電極としての役割を果たす。封止管110を介して空間114内に放射線が侵入すると、放射線は不活性ガスを正に帯電したイオンと負に帯電した電子とに電離させる。また、陽極電極と陰極電極との間に例えば460から900Vの電圧がかけられることにより空間114に電界が形成される。そのため、電離したイオン及び電子は、それぞれ陰極電極及び陽極電極に向かって加速する。加速されたイオンは、他の不活性ガスに衝突して他の不活性ガスを電離させる。このような電離の繰り返しにより、空間114内には雪崩状に電離したイオン及び電子が形成されパルス電流が流れる。ガイガーミュラー計数管100を有する放射線測定装置は、このようなパルス電流によるパルス信号のパルスの回数を計測することにより放射線量を測定することができる。また、このような電流が連続的に流れるとパルスの回数を計測できなくなるが、これを防ぐためにクエンチガスが不活性ガスと共に空間114に封入されている。クエンチガスはイオンが有するエネルギーを失わせる働きをする。
<ガイガーミュラー計数管100の製造方法>
図4は、ガイガーミュラー計数管100の製造方法が示されたフローチャートである。以下に、図4を参照してガイガーミュラー計数管100の製造方法を説明する。
図4は、ガイガーミュラー計数管100の製造方法が示されたフローチャートである。以下に、図4を参照してガイガーミュラー計数管100の製造方法を説明する。
図4のステップS101では、封入管110及びキャップ120が用意される。キャップ120は、内周部122と環状枠123とが同じ熱膨張率を有するように形成されることが望ましい。例えば、環状枠123に金属コバールが用いられる場合は、内周部122には金属コバールと同じ熱膨張率を有するコバールガラスにより形成される。さらに、封入管110及び環状枠123に関しても同じ熱膨張率を有するように同じ材料により形成される。ガイガーミュラー計数管100の全体が同じ又は近い熱膨張率の材料で形成されることにより、キャップ120と封止管110との接合時に発生する熱によって生じる温度変化に起因する熱膨張及び収縮により空間114の密封が解かれることがないため好ましい。
ステップS102では、封入管110及びキャップ120に耐腐食膜130が形成される。ステップS102では、図3(a)に示されるように封入管110の内壁及びキャップ120の環状枠123の−Z軸側の面に耐腐食膜130が形成される。キャップ120の内周部122を構成するガラスは腐食しないため内周部122の−Z軸側の面には耐腐食膜130が形成されなくても良いが、内周部122に耐腐食膜130が形成されたとしても問題はない。耐腐食膜130は、形成される耐腐食膜130の材料により、メッキ、蒸着、及び塗布等の様々な方法により行うことができる。また、必要に応じて耐腐食膜130が熱処理される。
ステップS103では、封入管110及びキャップ120がチャンバー内に配置される。ステップS103では、封入管110及びキャップ120が、封入管110及びキャップ120を保持するための保持具140及び保持具150(図5参照)に装着された状態でチャンバー(不図示)内に配置される。
図5は、封入管110及びキャップ120とこれらを保持する保持具140及び保持具150との断面図である。封入管110は保持具140に保持され、キャップ120は保持具150に保持されている。封入管110に接合される前のキャップ120の環状枠123の封入管110に接合される面には、プロジェクション123aが形成されている。プロジェクション123aは封入管110に接触する部分が尖るように形成されている。保持具140の+Z軸側の面には保持孔141が形成されており、保持孔141には封入管110が挿入されている。このとき、封入管110の開口部113は保持具140の外側に露出されている。また、保持具140の+Z軸側の面には、+Z軸方向に伸びる複数の棒142が配置されており、各棒142には、ばね143が取り付けられている。同様に、保持具150には保持孔151が形成されており、保持孔151にはキャップ120が保持されている。保持具150には、例えば磁石が埋め込まれることにより、保持具150の−Z軸側の面にキャップ120を張り付けて保持することができる。また、保持具150には棒142が挿入される為の貫通孔152が形成されている。保持具150は、ばね143によりキャップ120と封止管110とが接触しないように保持具140の+Z軸側に保持されている。封入管110及びキャップ120は図5に示された状態でチャンバー内に配置されている。
ステップS104では、チャンバー内が真空引きされる。チャンバー内が真空引きされることで、封止管110の空間114が真空引きされる。
ステップS105では、チャンバー内に不活性ガス及びクエンチガスが導入される。チャンバー内に不活性ガス及びクエンチガスが導入されることにより、封止管110の空間114にこれらのガスが導入される。
ステップS106では、封入管110とキャップ120とが接合される。ステップS105において、チャンバー内の真空度が既定の数値に達したら、図5の状態の保持具150が−Z軸方向に押される。これにより、保持具150は封入管110とキャップ120とが重なるまで棒142に沿って−Z軸方向に移動する。キャップ120が開口部113を塞いだ状態でキャップ120と封入管110とが抵抗溶接される。
図6(a)は、封入管110とキャップ120とが重ね合された状態の封入管110、キャップ120、及び保持具140、150の断面図である。ステップS106で保持具150が−Z軸方向に押されることにより、プロジェクション123aの先端と封入管110の+Z軸側の面とが接触する。この状態で、保持具150を−Z軸方向に加圧しながらキャップ120の環状枠123と封入管110の+Z軸側の面との間に電圧をかけて電流を流す。これにより、プロジェクション123aの先端では電流密度が高くなるため、プロジェクション123aが抵抗熱によって加熱されて、溶融されることにより抵抗溶接が行われる。
図6(b)は、封入管110とキャップ120とが接合された状態の封入管110、キャップ120、及び保持具140、150の断面図である。封入管110とキャップ120との抵抗溶接により、キャップ120が開口部113を塞ぐように封入管110に接合される。また、抵抗溶接はチャンバー内に不活性ガス及びクエンチガスが充満している状態で行われるため、封入管110の空間114には不活性ガス及びクエンチガスが閉じ込められる。
ガイガーミュラー計数管100は、空間114の内壁に耐腐食膜130が形成されていることにより、クエンチガスが封入管110及びキャップ120を構成する金属と反応することが防がれているため、クエンチガスが反応してなくなることがない。そのためガイガーミュラー計数管100は長期に渡って安定した性能を保持することができる。また、クエンチガスは耐腐食膜130の形成により封入管110及びキャップ120と反応しないため、封入管110及びキャップ120が腐食することにより空間114の封止の信頼性が低下することがない。さらにガイガーミュラー計数管100は、不活性ガス及びクエンチガスの空間114への封入と同時にキャップ120と封止管110との接合が行われるため、ガイガーミュラー計数管100の製造が容易であり簡略化されるため好ましい。また、キャップ120の環状枠123と封入管110の側面111とが同じ熱膨脹率を有する材料により形成されて直接接合されることにより、キャップと封入管との熱膨張率の違いに起因した力がガイガーミュラー計数管100に働くことがなく、温度変化によって空間114の密封が破れてしまう懸念がなくなるため好ましい。
(第2実施形態)
ガイガーミュラー計数管では、β線の測定が可能であるように封入管の一部にβ線測定用の窓が形成されても良い。以下に、封入管にβ線測定用の窓が形成されたガイガーミュラー計数管200について説明する。また、以下の説明では、第1実施形態と同じ部分に関しては第1実施形態と同じ記号を用いて表し、その説明を省略する。
ガイガーミュラー計数管では、β線の測定が可能であるように封入管の一部にβ線測定用の窓が形成されても良い。以下に、封入管にβ線測定用の窓が形成されたガイガーミュラー計数管200について説明する。また、以下の説明では、第1実施形態と同じ部分に関しては第1実施形態と同じ記号を用いて表し、その説明を省略する。
<ガイガーミュラー計数管200の構成>
図7(a)は、ガイガーミュラー計数管200の断面図である。ガイガーミュラー計数管200は、封入管210とキャップ120とにより構成されている。封入管210の−Z軸側の端には雲母(マイカ)の窓250がスペーサ251を介して取り付けられている。また、空間114に面する封入管210の側面211及びキャップ120の環状枠123には耐腐食膜130が形成されている。空間114に面する雲母(マイカ)の窓250及び内周部122は腐食しないため耐腐食膜130が形成されていなくても良いが、形成されても問題はない。
図7(a)は、ガイガーミュラー計数管200の断面図である。ガイガーミュラー計数管200は、封入管210とキャップ120とにより構成されている。封入管210の−Z軸側の端には雲母(マイカ)の窓250がスペーサ251を介して取り付けられている。また、空間114に面する封入管210の側面211及びキャップ120の環状枠123には耐腐食膜130が形成されている。空間114に面する雲母(マイカ)の窓250及び内周部122は腐食しないため耐腐食膜130が形成されていなくても良いが、形成されても問題はない。
図7(b)は、ガイガーミュラー計数管200の底面図である。すなわち、図7(b)は図7(a)を−Z軸側から見た状態が示されている。封入管210の底面には雲母の窓250が見えるように配置されている。β線は、封入管210の側面211を構成するステンレス又は金属コバールを透過しにくいが、雲母を容易に透過する。そのため、例えば図1に示される放射線測定装置10の測定部11の先端に雲母の窓250が配置されるようにガイガーミュラー計数管200が配置され、測定部11の先端が、β線を放射する方向に向けられることによりβ線を測定することができる。
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
10 … 放射線測定装置
11 … 測定部
12 … 信号処理部
13 … ケーブル
14 … 結果表示部
100、200 … ガイガーミュラー計数管
110、210 … 封入管
111、211 … 側面
112 … 底面
113 … 開口部
114 … 空間
120 … キャップ
121 … 陽極電極
122 … 内周部
123 … 環状枠
123a … プロジェクション
130 … 耐腐食膜
131 … 絶縁体
140、150 … 保持具
141、151 … 保持孔
142 … 棒
143 … ばね
152 … 貫通孔
250 … 雲母の窓
251 … スペーサ
11 … 測定部
12 … 信号処理部
13 … ケーブル
14 … 結果表示部
100、200 … ガイガーミュラー計数管
110、210 … 封入管
111、211 … 側面
112 … 底面
113 … 開口部
114 … 空間
120 … キャップ
121 … 陽極電極
122 … 内周部
123 … 環状枠
123a … プロジェクション
130 … 耐腐食膜
131 … 絶縁体
140、150 … 保持具
141、151 … 保持孔
142 … 棒
143 … ばね
152 … 貫通孔
250 … 雲母の窓
251 … スペーサ
Claims (11)
- ステンレス又は金属コバールにより形成され、一方向に開口部を他方向が封止された円筒状の封入管と、
前記開口部に接合される環状枠を有し、前記封入管の内部に密封された空間を形成するキャップと、
前記空間に配置される電極と、
前記空間に封入される不活性ガス及び腐食性のクエンチガスと、を備え、
前記封入管の内壁及び前記キャップの前記環状枠の前記空間側の面に、耐腐食膜が形成されているガイガーミュラー計数管。 - 前記耐腐食膜は、表面が酸化されたクロムのメッキ膜又は前記クエンチガスに耐腐食性の樹脂膜又は塗料膜である請求項1に記載のガイガーミュラー計数管。
- 前記封入管の他方向は、雲母により封止されている請求項1又は請求項2に記載のガイガーミュラー計数管。
- 前記封入管と前記キャップとは、抵抗溶接により接合されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガイガーミュラー計数管。
- 前記キャップは、前記電極を前記キャップの前記空間側から外側へ支えるガラスと前記ガラスを覆うように形成される前記環状枠とにより形成され、
前記環状枠は、ステンレス又は金属コバールにより形成され、
前記ガラスは、前記ステンレス又は前記金属コバールと同じ熱膨張率を有している請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガイガーミュラー計数管。 - 前記電極は、前記キャップの中央を貫通して前記空間内に棒状に突き出て陽極電極となるとともにその先端が絶縁されており、前記封入管が陰極電極となる請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のガイガーミュラー計数管。
- 前記電極は、金属コバールにより形成されている請求項6に記載のガイガーミュラー計数管。
- 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のガイガーミュラー計数管と、
前記ガイガーミュラー計数管からのパルスを増幅する増幅器と、
前記増幅器に接続されたカウンターと、を備える放射線測定装置。 - 一方向に開口部を他方向が封止されステンレス又は金属コバールにより形成されている円筒状の封入管と、前記開口部に接合される環状枠を有し前記封入管の内部に密封された空間を形成し前記空間に配置される電極を有するキャップと、をチャンバー内に配置する工程と、
前記チャンバー内を真空引きする工程と、
前記真空引き工程後に、前記チャンバー内に不活性ガス及び腐食性のクエンチガスを導入する工程と、
前記不活性ガス及び腐食性のクエンチガスを導入して所定の真空度になった後、前記チャンバー内で前記封入管と前記キャップとを接合する工程と、
を備えるガイガーミュラー計数管の製造方法。 - 前記封入管の内壁及び前記キャップの前記環状枠の前記空間側の面に耐腐食膜が形成され、前記耐腐食膜は、表面が酸化されたクロムのメッキ膜又は前記クエンチガスに耐腐食性の樹脂膜又は塗料膜である請求項9に記載のガイガーミュラー計数管の製造方法。
- 前記封入管と前記キャップとの接合は、抵抗溶接により行われる請求項9又は請求項10に記載のガイガーミュラー計数管の製造方法。
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JP2015194454A (ja) * | 2013-12-04 | 2015-11-05 | 日本電波工業株式会社 | ガイガーミュラー計数管及び放射線計測計 |
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