JP2015193599A - プロピレン及び直鎖ブテンの製造方法 - Google Patents

プロピレン及び直鎖ブテンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エチレン及び/又はエタノールからプロピレンと直鎖ブテンを高い収率で同時に生産することができる製造方法を提供する。【解決手段】エチレン及びエタノールから選ばれる少なくとも1種の原料を、触媒と接触させてプロピレン及び直鎖ブテンを製造する方法において、前記触媒の活性成分をアルミニウム、ガリウム、ホウ素、及び鉄から選ばれる少なくとも1種の元素を含むメタロケイ酸塩とし、かつその構造がInternational Zeolite Association(IZA)で規定されるコードでAEIとする。【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン及びエタノールから選ばれる少なくとも1種の原料を触媒と接触させてプロピレン及び直鎖ブテンを製造する方法に関する。
従来、プロピレンや、ブタジエン製造原料として有用な直鎖ブテン(1‐ブテン、trans‐2‐ブテン、cis‐2‐ブテン)等のオレフィン類を製造する方法としては、ナフサのスチームクラッキング法や減圧軽油の流動接触分解法が挙げられ、主にナフサのスチームクラッキング法が実施されている。しかし、スチームクラッキング法では、エチレンが大量に生産される上、目的とするプロピレンや直鎖ブテン等のオレフィン類の製造割合を大きく変えることが難しい。そのため各オレフィンの需給バランスの変化に対応するのは困難であった。またスチームクラッキング法で得られるブテン類中には、イソブテンを多量に含むため、直鎖ブテンを得る際には、分離・精製の負荷が大きくなるという問題があった。
そこで、大量に生産されるエチレンを有効利用し、エチレンを原料として、プロピレンや直鎖ブテンを製造する方法が望まれている。
プロピレンの製造方法としては、エチレンからプロピレンを直接製造する方法が提案されている。
特許文献1には、ゼオライトの外表面酸量が、全酸量に対して5%以下となるように修飾されたゼオライトを触媒として、エチレン及び/又はエタノールと接触させることにより、プロピレンが高い収率で得られることが記載されている。
特許文献2には、水蒸気処理した中細孔径のアルミノシリケートを用いたプロピレンの製造方法が記載されている。
一方、直鎖ブテンの製造方法としては、例えばZiegler−Natta系触媒を用いたエチレンの二量化により1‐ブテンを製造する方法が知られている(非特許文献1)。
国際公開2010/128644号パンフレット 国際公開2009/031445号パンフレット
Catalysis Today 14,(1992) 28
しかし、従来、エチレンを原料とし、プロピレンと直鎖ブテンを同時に効率よく製造する方法については知られていなかった。
特許文献1に記載の方法は、プロピレンと共にブテン類を副生する。しかし、プロピレンの生産量は十分なものの、ブテン類の生成量が非常に少なく、直鎖ブテンの生産面では実用に耐えるものではない。
また特許文献2に記載の方法は、プロピレンとブテン類を生成するが、そのプロピレン収率が約30%程度、ブテン類の収率が約15%程度であり、これらの合算収率は50%に満たない。さらに生成するブテン類中の直鎖ブテンの割合についても不明である。その
ため、プロピレン、直鎖ブテンいずれの生産面でも実用に耐えるものではない。
また、非特許文献1に記載のエチレンの二量化反応については、1‐ブテンが収率良く得られるものの、プロピレンは全く得られないため、プロピレンの生産面では望ましくない。さらに用いるZiegler−Natta系の触媒が水分に非常に弱いため、エタノールの脱水反応により得られるエチレンを原料として用いる場合、エチレンを一旦精製する必要があるといった問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、エチレン及び/又はエタノールから、プロピレンと直鎖ブテンを高い収率で同時に生産することができる製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、エチレン及びエタノールから選ばれる少なくとも1種を原料とし、接触させる触媒として、アルミニウム、ガリウム、ホウ素、及び鉄から選ばれる少なくとも1種の元素を含むメタロケイ酸塩であり、かつその構造がInternational Zeolite Association(IZA)で規定されるコードで
AEIであるものを用いることにより、プロピレンと直鎖ブテンを同時に効率よく製造できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明の要旨は、
[1]エチレン及びエタノールから選ばれる少なくとも1種の原料を触媒と接触させてプロピレン及び直鎖ブテンを製造する方法であって、前記触媒の活性成分が、アルミニウム、ガリウム、ホウ素、及び鉄から選ばれる少なくとも1種の元素を含むメタロケイ酸塩であり、かつその構造がInternational Zeolite Association(IZA)で規定される
コードでAEIであることを特徴とするプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法、
[2]前記メタロケイ酸塩が、アルミノケイ酸塩であることを特徴とする上記[1]に記載のプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法、
[3]前記メタロケイ酸塩が、シリル化処理をされたものであることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法、
[4]前記メタロケイ酸塩が、水蒸気処理及び熱処理から選ばれる少なくとも1つの処理をされたものであることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法、
[5]前記メタロケイ酸塩が、酸処理されたものであることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載のプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法、
[6]前記原料を前記触媒に接触させてプロピレン及び直鎖ブテンを含む混合物を得る工程を有し、該工程におけるエチレン転化率が50%以上であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載のプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法、
[7]前記プロピレン及び直鎖ブテンを含む混合物を得る工程における、プロピレンに対する直鎖ブテンの質量比(直鎖ブテン/プロピレン)が0.1以上であることを特徴とする上記[6]に記載のプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法、に存する。
本発明によれば、エチレン及び/又はエタノールを原料として、プロピレン及び直鎖ブテンを同時に、効率よく製造することができる。またイソブテンの副生を抑制し、直鎖ブテンを選択的に製造することができるため、直鎖ブテンとイソブテンとを分離精製する工程における負荷を大幅に低減することが可能となる。
調製例1で得られたAEI型構造のメタロケイ酸塩のXRDチャートである。
以下、本発明を実施するための代表的な態様を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施の態様に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明は、エチレン及びエタノールから選ばれる少なくとも1種の原料を触媒と接触させてプロピレン及び直鎖ブテンを製造する方法であって、前記触媒の活性成分が、アルミニウム、ガリウム、ホウ素、及び鉄から選ばれる少なくとも1種の元素を含み、かつその構造がIZAで規定されるコードでAEI(以下、AEI型構造、ということがある)であるメタロケイ酸塩であることを特徴とするものである。なお、前記メタロケイ酸塩を、以下「本発明のメタロケイ酸塩」という。
以下、本発明における構成成分について説明する。
(1) AEI型構造を有するメタロケイ酸塩
本発明において用いられるメタロケイ酸塩は、通常、結晶性を有する。また前記メタロケイ酸塩は、ケイ素と酸素以外の原子Mをその構造中に少なくとも1種類含むメタロケイ酸塩である。
メタロケイ酸塩は、通常、ゼオライトと呼ばれる開かれた規則的なミクロ細孔(以下、単に「細孔」ということがある)を形成している多孔質結晶性化合物であり、四面体構造をもつTO4単位(Tは、ゼオライトを構成する酸素以外の原子をいい、以下、T原子と
いう)が酸素原子を共有して三次元的に連結した構造を有している。
本発明のメタロケイ酸塩は、AEI型構造を有する。
AEI型構造を有するメタロケイ酸塩は、3種類の3.8×3.8Åの8員環細孔から構成される3次元細孔を有する。8員環細孔が交差することで、その構造内に広い空洞(ケージ)が存在する。また、AEI型構造のユニットセル(単位胞)は空間座標の定まっている原子で表した場合、その組成はT4896であり、単斜晶系である。
AEI型構造を有するメタロケイ酸塩のフレームワーク密度は、通常14.8T/nm3である。
なおフレームワーク密度(単位:T/nm3)とは、ゼオライトの単位体積(1nm3)当たりに存在する骨格を形成する酸素以外の原子(T原子)の個数を意味し、この値はゼオライトの構造により決まるものである。なお、フレームワーク密度とゼオライトの構造との関係は、IZAの構造委員会(Structure Commission)により編纂されたゼオライトに関するデータ集(Atlas of Zeolite Framework Types,Sixth Revised Edition 2007, ELSEVIER)に示されている。
本発明のメタロケイ酸塩は、ケイ素、酸素以外に、アルミニウム、ガリウム、ホウ素、及び鉄から選ばれる少なくとも1種を構成元素として含む。また前記の元素以外にその他の元素を含んでいてもよく、その他の元素は特に限定されないが、亜鉛(Zn)、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、錫(Sn)等が挙げられる。これらの構成元素は1種類でも2種類以上でもよい。
本発明のメタロケイ酸塩としては、具体的には、構成元素としてアルミニウムを含有するアルミノケイ酸塩や、ガリウムを含有するガロケイ酸塩、ホウ素を含有するボロケイ酸塩、鉄を含有するフェリケイ酸塩等が挙げられる。
このうち前記メタロケイ酸塩中にアルミニウム、ガリウム、または鉄を含むものは、これらの原子がメタロケイ酸塩のT原子としてその骨格内に取り込まれ、比較的強い酸点となり、触媒反応の活性点として働くため、触媒活性に優れる。
また、前記メタロケイ酸塩中にホウ素を含むものは、ホウ素原子がメタロケイ酸塩のT
原子としてその骨格内に取り込まれることで比較的弱い酸点となる。そのためホウ素は、好ましくはアルミニウムやガリウムなどの強い酸性質を発現する他の構成元素と共存させることで、メタロケイ酸塩の酸性質や酸量を適宜調整することができる。具体的には、構成元素としてアルミニウムとホウ素を含むボロアルミノケイ酸塩や、ガリウムとホウ素を含むガロボロケイ酸塩等が挙げられる。
本発明のメタロケイ酸塩として好ましくは、アルミノケイ酸塩、ボロアルミノケイ酸塩、ガロケイ酸塩、ガロボロケイ酸塩であり、より好ましくはアルミノケイ酸塩、ボロアルミノケイ酸塩であり、さらに好ましくはアルミノケイ酸塩である。
本発明のメタロケイ酸塩の構成元素の比率は、特に限定されるものではないが、ケイ素、酸素以外の構成元素をMで表したとき、SiO2/M23モル比で表した場合、通常5
以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上であり、通常1000以下、好ましくは500以下、より好ましくは200以下であり、特に好ましくは50以下である。なお前記の比率は、メタロケイ酸塩中のSi原子が全てSiO2として含まれ、メタロケイ酸
塩中に含まれる前記MがすべてM23として含まれると仮定して求める値である。SiO2/M23モル比が上記範囲にあることで十分な酸量が得られ、高いエチレン転化率が得
られる。またコーク付着による触媒の失活、ケイ素以外のT原子の骨格からの脱離、酸点当たりの酸強度の低下といった現象を防ぐことができる。
本発明のメタロケイ酸塩が、ボロアルミノケイ酸塩、ガロボロケイ酸塩の場合、Mがアルミニウムまたはガリウムとした場合、その構成元素の比率は特に限定されないが、SiO2/M23モル比は、上記と同様の範囲である。
また、構成元素中のホウ素の比率は、特に限定されないが、SiO2/B23モル比は
、通常5以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上であり、通常1000以下、好ましくは500以下、より好ましくは100以下である。
本発明のメタロケイ酸塩のイオン交換サイトは、特に限定されないが、通常、プロトン型(以下、H型ともいう)が用いられるが、その一部がNaやK等のアルカリ金属;MgやCa等のアルカリ土類金属;等の金属イオンで交換されていてもよい。以下、例えばNaイオンで交換されているものを、「Na型」ということがある。
本発明のメタロケイ酸塩の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、米国特許第5958370号公報に記載の方法等の公知の方法で製造することができる。
本発明のメタロケイ酸塩は、一般的に水熱合成法により調製することが可能である。例えば水にアルミニウム源、ガリウム源、ホウ素源、及び鉄源から選ばれる少なくとも1種類と、ケイ素源やアルカリ水溶液等を加えて均一なゲルを生成させ、これに必要に応じて構造規定剤を加えて攪拌し、原料ゲルを調製する。得られた前記原料ゲルを、密閉容器中で加熱し、自圧下反応させることにより、結晶化させる。このときの反応温度は特に限定されないが、通常100〜200℃に保持して結晶化させる。結晶化の際に、必要に応じて種結晶を添加してもよく、製造性の面では種結晶を添加する方が、反応時間を短縮できる点や結晶粒子を微粒子化できる点で好ましい。次いで結晶化した前記原料ゲルを濾過および洗浄した後、固形分を乾燥し、引き続き焼成することによって、粉末のメタロケイ酸塩として得ることができる。前記の乾燥温度は限定されないが、通常100〜200℃である。また前記の焼成温度は限定されないが、通常400〜700℃である。
また、水熱合成後に、イオン交換、脱アルミニウム処理、含浸等の処理を加え、メタロケイ酸塩の組成を変えたものも使用できる。
前記メタロケイ酸塩の製造には、通常、構造規定剤が用いられ、米国特許第5958370号公報に記載の構造規定剤が好ましい。具体的には、N,N−ジアルキルピペリジンから誘導されるカチオン、N,N‐ジアルキル‐9‐アゾニアビシクロ[3.3.1]ノ
ナンから誘導されるカチオン、2−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンから誘導されるカチオン、N,N−ジアルキル−2,5−ジヒドロピロールから誘導されるカチオン等が挙げられる。
N,N−ジアルキルピペリジン及びN,N−ジアルキル−2,5−ジヒドロピロールの2つの独立したアルキル基は、AEI型構造の形成に寄与する構造規定剤となるものであれば特に限定はされず、通常低級アルキル基であり、好ましくは炭素数4以下のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。また前記アルキル基は直鎖状であっても分岐状であってもよく、2つのアルキル基が互いに結合して環を形成してもよい。2つのアルキル基が互いに結合して環を形成する場合は、2つのアルキル基で、通常炭素数4〜6のメチレン鎖を形成し、好ましくは炭素数4のメチレン鎖を形成する。
また前記N,N−ジアルキルピペリジンのピペリジン環は、置換基を有していてもよい。置換基は、通常低級アルキル基であり、好ましくは炭素数4以下のアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基である。置換基の数は2以上でもよい。
上記のうち好ましくは、N,N‐ジメチル‐3,5‐ジメチルピペリジウムカチオン、N,N‐ジエチル‐2,6‐ジメチルピペリジウムカチオン、N,N‐ジメチル‐9‐アゾニアビシクロ[3.3.1]ノナンカチオン等である。
前記構造規定剤として用いられるカチオンは、本発明のメタロシリケートの形成を阻害しないアニオンを伴うものである。前記アニオンは、特に限定はされないが、具体的には、Cl-、Br-、I-などのハロゲンイオンや水酸化物イオン、酢酸塩、硫酸塩、カルボ
ン酸塩が含まれる。中でも、水酸化物イオンは特に好適に用いられる。
本発明のメタロケイ酸塩の全酸量は、前記メタロケイ酸塩の細孔内に存在する酸点の量と、前記メタロケイ酸塩の外表面酸点の量の総和である。全酸量は、特に限定されるものではないが、通常0.01mmol/g以上であり、好ましくは0.05mmol/g以上であり、より好ましくは0.10mmol/g以上である。また、通常1.5mmol/g以下であり、好ましくは1.0mmol/g以下であり、より好ましくは0.50mmol/g以下である。全酸量を上記の範囲とすることで、エチレンの転化活性が担保されるとともに、メタロケイ酸塩の細孔内部におけるコーク生成が抑制され、分子の結晶内拡散性が上昇することで、プロピレンと直鎖ブテンの生成を促進することができる点で好ましい。
本発明のメタロケイ酸塩の外表面酸量は、特に限定されるものではないが、通常、メタロケイ酸塩の全酸量に対して5%以下であるものが好ましく、0%であるものが最も好ましい。外表面酸量が大きすぎる場合には、外表面酸点で起こる副反応によりプロピレンや直鎖ブテンの選択性が低下する傾向がある。これは、外表面酸点で目的物以外の炭化水素を生成する反応が進行するためと推測される。また、前記メタロケイ酸塩の細孔内で生成したプロピレンや直鎖ブテンが外表面酸点で更に反応してしまうことも選択率低下の一因であると推測される。
なお本発明のメタロケイ酸塩の外表面酸量および全酸量の値は、国際公開2010/128644号パンフレットに記載の方法で測定することができる。
前記メタロケイ酸塩の外表面酸量を、上記範囲に調整する方法としては、特に限定はされないが、通常、前記メタロケイ酸塩の外表面のシリル化、水蒸気処理、熱処理等の方法が挙げられる。また、メタロケイ酸塩を成形する際にバインダーと前記メタロケイ酸塩の外表面酸点を結合させる、といった方法が挙げられる。
本発明のメタロケイ酸塩は、そのまま触媒として反応に用いても良いし、反応に不活性
な物質やバインダーを用いて、造粒・成形して、或いはこれらを混合して反応に用いても良い。上記処理を施した前記メタロケイ酸塩は、触媒の活性成分となることから、触媒中の前記メタロケイ酸塩を指して「触媒活性成分」ということがある。
該反応に不活性な物質やバインダーとしては、アルミナまたはアルミナゾル、シリカ、シリカゾル、石英、およびこれらの混合物等が挙げられる。成形によって、前記外表面酸量を全体酸量に対して上記範囲に調整する場合、シリカをバインダーとして用いた成形が好ましい。
なお、アルミナ等の、酸点を有するバインダーを使用した場合には、前記全体酸量及び外表面酸量の測定方法では、メタロケイ酸塩の酸量と共にバインダーの酸量も含んだ合計値として測定される。その場合はバインダー由来の酸量を別法により求め、その値を差し引くことによってバインダー由来の酸量を含まない全体酸量及び外表面酸量を求めることが可能である。前記バインダーの酸量は、27Al−NMRにおいてメタロケイ酸塩の酸点に由来する4配位Alのピーク強度からメタロケイ酸塩の全体酸量を求め、アンモニア昇温脱離法により求まるメタロケイ酸塩の全体酸量とバインダー由来の酸量の合計値から差し引く方法で求められる。
(2) メタロケイ酸塩の処理方法
本発明のメタロケイ酸塩は、適宜シリル化処理、水蒸気処理、熱処理、酸処理、及びイオン交換から選ばれる少なくとも1つ以上の処理を施して用いてもよい。このうち、好ましくは水蒸気処理と、シリル化処理、熱処理、酸処理、イオン交換から選ばれる少なくとも1つ以上の処理とを併用したものであり、より好ましくは水蒸気処理と、シリル化処理、イオン交換から選ばれる少なくとも1つ以上の処理とを併用したものであり、さらに好ましくは水蒸気処理及びシリル化処理を併用したものである。以下、これらの処理方法について述べる。
(シリル化処理)
本発明のメタロケイ酸塩をシリル化処理する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜用いることができ、具体的には液相シリル化や気相シリル化等を行うことができる。
本発明のメタロケイ酸塩は、シリル化処理により、通常、外表面の酸点が被覆され、不活性化されることにより、外表面酸量が低下するものと考えられる。外表面酸量が低下すると、前記メタロケイ酸塩の外表面で起こる副反応が抑制される。具体的には、原料エチレンや、メタロケイ酸塩の細孔内で生成したプロピレンや直鎖ブテンがメタロケイ酸塩の外表面の酸点と接触することで目的物以外の成分が生成する反応を抑制する効果があると考えられる。また、外表面酸点のシリル化では、前記メタロケイ酸塩が有する細孔を構成する酸点にもシリル基が結合するため、外表面開口部の細孔径が僅かに縮小し、結晶外への分子拡散を抑制する効果もあると考えられる。これにより、より大きい分子である炭素数5以上の炭化水素の生成を抑制することができ、プロピレン及び直鎖ブテンの選択率が向上するものと考える。
以下、シリル化処理を、液相シリル化を例に取り、具体的に説明する。
シリル化剤としては、特に限定されるものではなく、通常はメタロケイ酸塩の外表面をシリル化することができ、かつメタロケイ酸塩の細孔内をシリル化することができないものを使用する。具体的には、シリコーン類、クロロシラン類、アルコキシシラン類、シロキサン類、シラザン類などが使用できる。これらのうち、気相シリル化には通常クロロシラン類、液相シリル化には通常アルコキシシラン類が用いられ、より好ましいシリル化剤は、反応性が高く、取り扱いが比較的容易であるという点で、アルコキシシラン類である。
シリコーン類としては、具体的にはジメチルシリコーン、ジエチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、エチルハイドロジェンシリコーン、フェニルハイドロジェンシリコーン、メチルエチルシリコーン、フェニルエチルシリコーン、ジフェニルシリコーン、メチルトリフルオロプロピルシリコーン、エチルトリフルオロプロピルシリコーン、テトラクロロフェニルメチルシリコーン、テトラクロロフェニルエチルシリコーン、テトラクロロフェニルハイドロジェンシリコーン、テトラクロロフェニルシリコーン、メチルビニルシリコーン及びエチルビニルシリコーン等が用いられる。
クロロシラン類としては、具体的には、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、トリクロロメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、クロロトリメチルシラン、トリクロロエチルシラン、ジクロロジエチルシラン、クロロトリエチルシラン等が用いられる。
アルコキシシラン類としては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等;の4級アルコキシシラン、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリエトキシエチルシラン等;の3級アルコキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン等;の2級アルコキシシラン、メトキシトリメチルシラン、メトキシトリエチルシラン、エトキシトリメチルシラン、エトキシトリエチルシラン等;の1級アルコキシシランが用いられる。好ましくは2級以上のアルコキシシランであり、より好ましくは3級以上のアルコキシシランであり、さらに好ましくは4級アルコキシシランである。
シロキサン類としては、具体的には、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサン等が挙げられ、ヘキサメチルジシロキサンが好ましい。
シラザン類としては、具体的には、ヘキサメチルジシラザン、ジプロピルテトラメチルジシラザン、ジフェニルテトラメチルジシラザン、テトラフェニルジメチルジシラザン等が挙げられ、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。
前記メタロケイ酸塩に対するシリル化剤の量は、特に限定されるものではないが、前記メタロケイ酸塩1モルに対して、通常0.001モル以上、好ましくは0.01モル以上、より好ましくは0.1モル以上である。また、通常5モル以下であり、好ましくは3モル以下、より好ましくは1モル以下である。シリル化剤の量を上記の範囲とすることで、外表面酸点のシリル化被覆が効率的に進行し、かつ過度なシリル化被覆による触媒活性低下を抑制できる点で好ましい。なお、上記シリル化剤の量は、シリル化剤に含まれるSi原子のモル数で表すこととし、分子内に複数のSi原子を有するシリル化剤では、そのSi原子の合計のモル数をシリル化剤のモル数として扱うことにする。
液相シリル化を行う場合、溶媒を使用することができ、溶媒としては、特に限定されないが、へキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素や水を使用することができる。また、水溶媒で液相シリル化を行なう場合は、シリル化反応を促進するために、硫酸や硝酸等の酸を添加した酸性水溶液を使用することができる。
液相シリル化を行う場合、前記液相シリル化反応を行なう溶液中のシリル化剤の濃度は、特に限定されるものではないが、通常0.01質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。また、通常80質量%以下であり、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下である。シリル化剤の濃度を上記の範囲とすることで、シリル化剤同士の縮合を抑制し、かつシリル化速度を維持できる点
で好ましい。
液相シリル化を行なう場合の前記メタロケイ酸塩に対する溶媒の量は、特に制限されるものではないが、前記メタロケイ酸塩1gに対して、通常1g以上、好ましくは3g以上、より好ましくは5g以上である。また、通常100g以下、好ましくは80g以下、より好ましくは50g以下である。溶媒の量を上記の範囲とすることで、スラリーの十分な撹拌効率を得るとともに、一定の生産性を確保することができる点で好ましい。
液相シリル化を行う場合、シリル化処理に供するメタロケイ酸塩に特定の範囲の水分を付与しておいても良い。前記のメタロケイ酸塩が含有する水分は、メタロケイ酸塩が元々含有しているものであっても、人為的に水分を供給して、特定の範囲に調整してもよい。通常、本発明のメタロケイ酸塩は水熱合成により得られたものを焼成し、さらに必要に応じてアンモニウム型へ変換してから焼成することによりプロトン型に変換したものを使用する。したがって、通常シリル化処理前のメタロケイ酸塩の水分含有量は、通常非常に少ないと想定され、そのままシリル化処理に供してもよいし、メタロケイ酸塩に特定の水分含有量となるように水分を供給し、水分含有量を調整して使用してもよい(以下、調湿処理ということがある)。
前記水分含有量は、特に制限されるものではないが、メタロケイ酸塩中に含まれる水分重量を乾燥メタロケイ酸塩の重量に対する質量%で表し、通常30質量%以下、好ましくは25質量%以下であり、下限としては完全乾燥状態の0質量%である。水分含有量を上記の範囲とすることで、外表面酸点のシリル化被覆が効率的に進行し、かつ過度なシリル化による細孔閉塞を防ぐことができる点で好ましい。
前記調湿処理方法は、所定の水分量に調整することができれば、特に限定されるものではない。例えば、メタロケイ酸塩を適当な相対湿度を有する大気中に放置する方法、メタロケイ酸塩を、密閉容器(デシケーター等)中に、水または無機塩の飽和水溶液とともに共存させ、飽和水蒸気雰囲気下で放置する方法、メタロケイ酸塩に、適当な水蒸気圧のガスを流通させる方法等が挙げられる。なお、前記の方法においては、より均一な調湿を行うために、メタロケイ酸塩を混合または攪拌しながら調湿処理を行ってもよい。
シリル化処理をする温度は、使用するシリル化剤や溶媒の種類により適宜調整され、特に限定されるものではないが、通常20℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは60℃以上である。また、通常140℃以下、好ましくは120℃以下であり、より好ましくは100℃以下である。シリル化処理温度を上記の範囲とすることで、前記メタロケイ酸塩細孔内の水分の吐出が抑制されるため、外表面酸点のシリル化被覆が効率的に進行し、かつシリル化速度を維持できる点で好ましい。
通常、メタロケイ酸塩にシリル化剤を添加してからシリル化温度まで昇温する。シリル化剤を添加してからシリル化温度まで昇温するのに要する時間は、特に限定されるものではないが、通常0.01時間以上、好ましくは0.05時間以上、より好ましくは0.1時間以上であり、上限は特にないが、通常10時間以下である。シリル化温度が高い場合、昇温に要する時間を上記の範囲とすることで、前記メタロケイ酸塩の細孔内からの水分の吐出が抑制されるため、溶液中のシリル化剤の加水分解及び重合反応が抑制され、前記メタロケイ酸塩のシリル化が効率的に進行する点で好ましい。また、メタロケイ酸塩にシリル化剤を添加せずに昇温して、シリル化温度にてシリル化剤を添加してもよい。その場合の昇温時間は、メタロケイ酸塩にシリル化剤を添加してから昇温する場合と同様である。
シリル化の処理時間は、反応温度にもよるが、通常0.1時間以上、好ましくは0.5
時間以上であり、より好ましくは1時間以上である。また触媒の性能を阻害しない限りにおいて処理時間の上限は特にないが、通常24時間以下である。処理時間を上記の範囲とすることで、前記メタロケイ酸塩の外表面酸点のシリル化被覆が進行し、外表面酸量が十分に減少する点で好ましい。
(水蒸気処理)
本発明のメタロケイ酸塩の水蒸気処理方法は、特に限定されるものではないが、本発明の効果を損なわない範囲において水蒸気を含む気体に接触させることができる。具体的には水蒸気、空気又は不活性ガスで希釈した水蒸気、エチレン及びエタノールから選ばれる少なくとも1つとともに水蒸気を含む反応雰囲気、または水蒸気を生成する反応雰囲気等に接触させる方法などが挙げられる。水蒸気を生成する反応とは、エタノールの脱水反応のように脱水が起こって水蒸気を生成する反応のことである。なお、条件によって水蒸気が部分的に液体の水として存在しても構わないが、前記メタロケイ酸塩に一様な水蒸気処理効果を与えるために、全体が水蒸気の状態で存在していることが好ましい。
前記メタロケイ酸塩は水蒸気処理により、その骨格を形成するアルミニウムやガリウム等のT原子の脱離が結晶全体で起こるため、前記の外表面酸量だけでなく、前記全酸量も減少すると考えられる。この全酸量の減少により、メタロケイ酸塩の細孔内部におけるコーク生成が抑制され、分子の結晶内拡散性が向上する。このため、プロピレンよりも大きい分子の直鎖ブテンの生成が相対的に促進されるものと推測される。
なお、過度な水蒸気処理を行うと、分子の結晶内拡散性が必要以上に上昇し、ペンテンやヘキセン等の炭素数5以上の炭化水素分子の生成量が増加する傾向がある。したがって、直鎖ブテン/プロピレン比率を高め、かつプロピレンと直鎖ブテンの合計収率を高めるためには、直鎖ブテンの結晶内拡散性を上昇させ、かつ炭素数5以上の炭化水素分子の拡散を抑制できる程度に、水蒸気処理条件を適宜調整する必要がある。
前記メタロケイ酸塩の水蒸気処理温度は、特に限定されるものではないが、通常400℃以上であり、好ましくは500℃以上、より好ましくは550℃以上である。また通常1200℃以下であり、好ましくは1000℃以下、より好ましくは900℃以下である。水蒸気処理温度を上記の範囲とすることで、骨格構造の崩壊を起こさずに、短い処理時間で効率的にアルミニウムやガリウム等のT原子を骨格から除去することができる点で好ましい。
水蒸気処理に用いる水蒸気(スチーム)は、空気や、ヘリウム、窒素等の不活性ガスで希釈して使用することができる。その際の水蒸気濃度は、特に限定されるものではないが、前記メタロケイ酸塩を水蒸気処理する際に用いる気体全体に対して通常3体積%以上、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上であり、上限は特に制限されず、100体積%の水蒸気を用いることができる。水蒸気濃度を上記範囲にすることで、短い処理時間で効率的に前記T原子を骨格から除去することができる点で好ましい。
前記メタロケイ酸塩の水蒸気処理時間は、特に限定されるものではないが、通常0.1時間以上、好ましくは0.5時間以上であり、より好ましくは1時間以上である。また触媒活性を著しく阻害しない限りにおいては処理時間の上限はないが、通常24時間以下である。水蒸気処理温度及び水蒸気濃度により、処理時間は適宜調整することができる。
本発明のメタロケイ酸塩の水蒸気処理は、その細孔内部に有機物が存在している状態で行ってもよい。有機物が細孔内部に存在することで、特に強い水蒸気処理を行なった場合に、細孔内部の酸点の極端な減少を防ぎつつ、外表面酸点の大幅な減少をはかることができる。
前記有機物としては、特に限定されないが、メタロケイ酸塩の水熱合成時に使用する構
造規定剤、及び反応によって生成するコーク等が挙げられる。これら有機物は、水熱合成後のメタロケイ酸塩(以下、焼成前メタロケイ酸塩ということがある)に水蒸気処理を行った後、空気焼成等の燃焼工程を経て除去することもできる。または空気等の酸素含有ガスで希釈した水蒸気で処理することにより、有機物を除去しながら水蒸気処理することもできる。
メタロケイ酸塩を水蒸気処理に供する前に、アルカリ土類金属を含む化合物と物理混合することも可能である。アルカリ土類金属を添加することにより、メタロケイ酸塩の強酸点を中和し、強酸点で生成するコークの生成を抑制できることがある。アルカリ土類金属を含む化合物としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウムが挙げられ、中でも炭酸カルシウムが好ましい。
アルカリ土類金属を含む化合物の量は、特に限定されないが、前記メタロケイ酸塩に対して通常、0.5質量%以上、好ましくは3質量%以上、通常45質量%以下、好ましくは40質量%以下である。
(熱処理)
本発明のメタロケイ酸塩を熱処理する方法は、特に限定されるものではないが、具体的には、前記メタロケイ酸塩を、空気及び不活性ガスから選ばれる少なくとも1つの雰囲気下で高温処理する方法や、エチレン及びエタノールから選ばれる少なくとも1つを含む混合ガス雰囲気下で高温処理する方法などが挙げられる。
前記メタロケイ酸塩の熱処理では、水蒸気処理と同様、その骨格内の前記T原子の脱離による全酸量の減少により、メタロケイ酸塩の細孔内部におけるコーク生成が抑制され、分子の結晶内拡散性が向上するため、プロピレンよりも大きい分子の直鎖ブテンの生成が相対的に促進されているものと推測される。
熱処理温度は特に限定されるものではないが、通常600℃以上であり、好ましくは700℃以上であり、通常1200℃以下であり、好ましくは1000℃以下である。熱処理温度を上記の範囲とすることで、骨格構造の崩壊を起こさずに、短い処理時間で効率的に前記T原子を骨格から除去することができる点で好ましい。
熱処理の際に使用するガス種としては、ヘリウム、窒素、空気等を使用することができる。
熱処理も水蒸気処理同様に、細孔内部に有機物が存在している状態で行っても良い。ヘリウムや窒素等の不活性ガスを用いた場合、熱処理により有機物が炭化する場合があるが、空気での焼成により、除去することができる。
なお、前記熱処理は上記のメタロケイ酸塩を製造する際に行われる焼成と同時に行っても別個に分けて行ってもよい。前記熱処理は骨格内の前記T原子の脱離等を目的とするため比較的高温で行われ、特に限定はされないが、具体的には、上記の焼成と熱処理を別個に行なう場合であれば、前記熱処理は、通常、前記焼成よりも高い温度で行なわれる。
熱処理の時間は、特に限定されるものではないが、通常0.1時間以上、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1.0時間以上である。また触媒活性を著しく阻害しない限りにおいては処理時間の上限はないが、通常24時間以下である。熱処理温度により、処理時間は適宜調整することができる。
(酸処理)
本発明のメタロケイ酸塩の酸処理の方法は、特に限定されるものではないが、具体的には、酸性水溶液を用いる方法が挙げられる。
前記酸性水溶液に用いる酸の種類としては、特に限定されるものではないが、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸、シュウ酸、マロン酸などのジカルボン酸などを使用することができる。これらのうち好ましいのは
、硫酸、硝酸、塩酸である。
前記酸性水溶液の酸の濃度としては、特に限定されるものではないが、通常0.01M以上、好ましくは0.1M以上、より好ましくは1M以上であり、通常10M以下であり、好ましくは8M以下であり、より好ましくは6M以下である。酸の濃度を上記の範囲とすることで、骨格構造の崩壊を起こさずに、短い処理時間で効率的に前記T原子を骨格から除去することができる点で好ましい。
メタロケイ酸塩に対する酸性水溶液の量としては、特に制限されるものではないが、メタロケイ酸塩1gに対して、酸性水溶液の総量で通常3g以上、好ましくは5g以上、より好ましくは10g以上であり、通常100g以下、好ましくは80g以下、より好ましくは50g以下である。酸性水溶液の量を上記の範囲とすることで、スラリーの十分な撹拌効率を得るとともに、一定の生産性を確保することができる点で好ましい。
酸処理の温度としては、特に限定されるものではないが、常圧においては通常室温から100℃、耐圧容器内では100℃以上で行うことも可能であり、通常40℃以上、好ましく60℃以上、より好ましくは80℃以上であり、通常200℃以下、好ましくは180℃以下、より好ましくは160℃以下である。酸処理の温度を上記の範囲とすることで、骨格構造の崩壊を抑制しながら、短時間で効率的に前記T原子を骨格から除去することができる。
酸処理の処理時間は、特に限定されるものではなく、酸の濃度や反応温度にもよるが、通常0.01時間以上、好ましくは0.1時間以上である。また触媒の性能を阻害しない限りにおいて処理時間の上限は特にないが、通常は24時間以下である。酸の濃度や反応温度により、処理時間は適宜調整することができる。
酸性水溶液中に、シリル化剤を添加することにより、酸処理とシリル化処理を同時に行うこともできる。その際に用いるシリル化剤は、前記シリル化剤と同じである。
(3)プロピレン及び直鎖ブテンの製造方法
本発明の製造方法は、エチレン及びエタノールから選ばれる少なくとも1つ(以下、本発明の原料)と、上記AEI型構造のメタロケイ酸塩を含む触媒を接触させることにより、プロピレン及び直鎖ブテンを製造する。以下、本発明の製造方法について説明する。
(反応原料)
本発明の原料であるエチレンは特に限定されるものではない。例えば、石油供給源から接触分解法または蒸気分解法により製造されるエチレン、石炭のガス化により得られる水素/CO混合ガスを原料としてフィッシャートロプシュ合成を行うことにより得られるエチレン、エタンの脱水素または酸化脱水素で得られるエチレン、メタセシス反応およびホモロゲーション反応により得られるエチレン、MTO(Methanol to Olefin)反応によって得られるエチレン、エタノールの脱水反応から得られるエチレン、メタンの酸化カップリングで得られるエチレン、その他の公知の各種方法により得られるエチレンを任意に用いることができる。このとき各種製造方法に起因するエチレン以外の化合物を任意に混合した状態のものをそのまま用いてもよいし、精製したエチレンを用いてもよいが、好ましくは精製したエチレンである。
本発明の原料であるエタノールは、特に限定されるものではない。例えば、エチレンの水和反応により製造されるもの、合成ガスから製造されるもの、植物由来の多糖類を原料として発酵により製造されるもの等の、公知の各種方法により得られるものを任意に用いることができ、このとき各製造方法に起因する化合物(特に水)が任意に混合した状態のものをそのまま用いても良いし、精製したエタノールを用いても良い。
エタノールは、本発明のメタロケイ酸塩に存在する酸点により、容易に脱水されてエチ
レンに変換される。そのため、反応器に原料としてエタノールを直接導入してもよい。以下、エタノールを原料とする製造方法については、脱水により変換されたエチレンを基準とし、エチレンを原料とする製造方法と同様に扱うこととする。
本発明の原料として、エチレン及びエタノールの混合物を用いても良い。例えば、エタノールの一部脱水反応により得られるエチレン及びエタノールの混合物、エチレンとエタノールをそれぞれを任意の割合で混合した混合物を用いることができる。
また、本発明によりプロピレン及び直鎖ブテンを製造する際、反応器出口ガスに含まれるオレフィンを反応器入口にリサイクルして使用しても良い。リサイクルするオレフィンとしては、通常エチレンだが、その他オレフィンをリサイクルしても良い。原料となるオレフィンとしては、低級オレフィンが好ましく、分岐鎖オレフィンはその分子の大きさから本発明のメタロケイ酸塩の細孔内への進入が困難であるため好ましくない。低級オレフィンとしては、好ましくはエチレンであるが、所望のプロピレンと直鎖ブテンの製造割合に応じて、プロピレンや直鎖ブテンをリサイクルしても良い。
(反応器)
本発明の製造方法においては、通常、エチレン及びエタノールから選ばれる少なくとも1種の原料を反応器中で触媒と接触させ、プロピレンと直鎖ブテンを製造する。用いる反応器の形態は特に限定されないが、通常連続式の固定床反応器や流動床反応器が選ばれる。本発明の製造方法においては、転化率の変動に伴い、プロピレン及び直鎖ブテンの選択率が変動する傾向にあるため、プロピレンと直鎖ブテンを一定の割合で製造するためには、流動床反応器が好ましい。
なお、流動床反応器に前述の触媒を充填する際、触媒層の温度分布を小さく抑えるために、石英砂、アルミナ、シリカ、シリカ-アルミナ等の反応に不活性な粒状物を、触媒と
混合して充填しても良い。この場合、石英砂等の反応に不活性な粒状物の使用量には特に限定されない。なお、粒状物は、触媒との均一混合性の面から、触媒と同程度の粒径であることが好ましい。
前記反応器内には、エチレンの他に、希釈剤としてヘリウム、アルゴン、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水(水蒸気)、パラフィン類、メタン等の炭化水素類、芳香族化合物類、および、それらの混合物など、反応に不活性な気体を存在させることができるが、この中でも水素が共存していることが好ましい。
(反応条件)
前記反応器に供給する全供給成分中のエチレンの濃度(即ち、基質濃度)に関して特に制限はないが、通常5モル%以上であり、通常90モル%以下、好ましくは70モル%以下である。基質濃度を上記範囲にすることで、芳香族化合物やパラフィン類の生成を抑制することができ、プロピレン及び直鎖ブテンの収率を向上させることができる。また反応速度を維持できるため、触媒量を抑制することができ、反応器の大きさも抑制可能となる。
上記の基質濃度となるように、必要に応じて上記の希釈剤でエチレンを希釈することが好ましい。
なおエタノールを原料として用いる場合は、上記の通り、エタノールは脱水により直ちにエチレン変換されるため、供給したエタノールは、同モルのエチレンを用いたときと同様の取扱うことができる。
前記反応器における空間速度は、特に制限されるものではないが、通常0.01Hr-1以上、好ましくは0.1Hr-1以上であり、通常500Hr-1以下、好ましくは100H
-1以下である。空間速度を前記範囲に設定することで、反応器出口ガス中の未反応エチレンの割合を減らすことができ、また芳香族化合物やパラフィン類等の副生成物を減らすことができるため、プロピレン及び直鎖ブテンの収率を向上させることができる点で好ましい。
ここで言う空間速度(WHSV)とは、触媒(触媒活性成分)の重量当たりの反応原料であるエチレンの流量(重量/時間)である。ここでの触媒重量とは、触媒の造粒・成形に使用する不活性成分やバインダーを含まない触媒活性成分の重量である。
反応温度は、エチレンが触媒と接触してプロピレン及び直鎖ブテンを生成する温度であれば、特に制限されるものではないが、通常200℃以上、好ましくは300℃以上であり、通常700℃以下、好ましくは600℃以下である。反応温度を上記範囲にすることで、芳香族化合物やパラフィン類の生成を抑制することができ、プロピレン及び直鎖ブテンの収率を向上させることができる。また、ゼオライト骨格からの脱アルミニウムが抑制されるため、触媒寿命を維持できる点で好ましい。
反応圧力は特に制限されるものではないが、通常1kPa(絶対圧、以下同様)以上、好ましくは50kPa以上であり、より好ましくは100kPa以上である。また、通常3MPa以下、好ましくは1MPa以下であり、より好ましくは0.7MPa以下である。反応圧力を上記範囲にすることでパラフィン類等の副生成物の生成を抑制することができ、プロピレン及び直鎖ブテンの収率を向上させることができる。また反応速度も維持できる。
本発明の製造方法において、エチレンの転化率は特に制限されるものではないが、通常転化率は50%以上であり、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、通常100%未満、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である。本発明は、エチレンの転化率が上記範囲になるように調整することで、芳香族化合物やパラフィン類の副生、および細孔内へのコークの蓄積を抑制することができ、プロピレン及び直鎖ブテンの収率を向上させることができ、また高い直鎖ブテン/プロピレン比で製造することができる。
本発明の製造方法において、プロピレン及び直鎖ブテンの合計の選択率は特に制限されるものではないが、通常70%以上、好ましくは80%以上であり、上限は特に制限されないが、通常100%である。プロピレン及び直鎖ブテンの合計の選択率が上記範囲にあることで、反応器出口における目的生成物の収率が十分なものとなり、原料コスト及び分離・精製の負荷を低減することができる点で好ましい。
本発明の製造方法において、プロピレンに対する直鎖ブテンの質量比(以下、直鎖ブテン/プロピレン)は、特に制限されるものではないが、通常0.1以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.4以上であり、上限は特に制限されないが、通常2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下である。直鎖ブテン/プロピレンは、プロピレンと直鎖ブテンの需要に応じて、任意に調整することができる。
転化率は次の式により算出される値である。
エチレン転化率(%)=〔[反応器入口エチレン(mol/Hr)−反応器出口エチレ
ン(mol/Hr)]/反応器入口エチレン(mol/Hr)〕×100
なおエタノールは、触媒と接触すると容易に脱水されてエチレンに変換されることから、本発明においてエタノールを原料として使用する場合、供給したエタノールが反応器入口で全てエチレンに変換されたとみなし、反応器入口エチレン(mol/Hr)として扱うことで、上記の式よりエチレン転化率を算出する。
本明細書における選択率とは、以下の各式により算出される値である。下記の各式において、プロピレン、ブテン、C5+、パラフィンまたは芳香族化合物の炭化水素の「由来カーボン流量(mol/Hr)」とは、各炭化水素を構成する炭素原子のモル流量を意味する。
尚、パラフィンは炭素数1から4のパラフィンの合計、芳香族化合物はベンゼン、トルエン、キシレンの合計、C5+は前記芳香族化合物を除いた炭素数5以上の炭化水素の合計である。
・プロピレン選択率(%)=〔反応器出口プロピレン由来カーボンモル流量(mol/Hr)/[反応器出口総カーボンモル流量(mol/Hr)−反応器出口エチレン由来カーボンモル流量(mol/Hr)]〕×100
・ブテン選択率(%)=〔反応器出口ブテン由来カーボンモル流量(mol/Hr)/[反応器出口総カーボンモル流量(mol/Hr)−反応器出口エチレン由来カーボンモル流量(mol/Hr)]〕×100
・C5+選択率(%)=〔反応器出口C5+由来カーボンモル流量(mol/Hr)/[反応器出口総カーボンモル流量(mol/Hr)−反応器出口エチレン由来カーボンモル流量(mol/Hr)]〕×100
・パラフィン選択率(%)=〔反応器出口パラフィン由来カーボンモル流量(mol/Hr)/[反応器出口総カーボンモル流量(mol/Hr)−反応器出口エチレン由来カーボンモル流量(mol/Hr)]〕×100
・芳香族化合物選択率(%)=〔反応器出口芳香族化合物由来カーボンモル流量(mol/Hr)/[反応器出口総カーボンモル流量(mol/Hr)−反応器出口エチレン由来カーボンモル流量(mol/Hr)]〕×100
ブテン類中の各異性体の比率は、下記の各式により算出される。
・1‐ブテン比率(%)=〔反応器出口1‐ブテン由来カーボンモル流量(mol/Hr)/反応器出口ブテン由来カーボンモル流量(mol/Hr)〕×100
・trans‐2‐ブテン比率(%)=〔反応器出口trans‐2‐ブテン由来カーボンモル流量(mol/Hr)/反応器出口ブテン由来カーボンモル流量(mol/Hr)〕×100
・cis‐2‐ブテン比率(%)=〔反応器出口cis‐2‐ブテン由来カーボンモル流量(mol/Hr)/反応器出口ブテン由来カーボンモル流量(mol/Hr)〕×100
・イソブテン比率(%)=〔反応器出口イソブテン由来カーボンモル流量(mol/Hr)/反応器出口ブテン由来カーボンモル流量(mol/Hr)〕×100
なお、本明細書における収率とは、前記エチレン転化率と、生成した各成分の選択率の積により求められ、具体的にプロピレン収率、直鎖ブテン収率は、それぞれ次の式で表される。ここでの直鎖ブテン選択率とは、ブテン選択率と、ブテン類中の1−ブテン、trans‐2‐ブテン及びcis‐2‐ブテンの比率の合計との積で表される。
・プロピレン収率(%)=エチレン転化率(%)×プロピレン選択率(%)/100
・直鎖ブテン収率(%)=エチレン転化率(%)×直鎖ブテン選択率(%)/100
・直鎖ブテン選択率(%)=ブテン選択率(%)×〔1‐ブテン比率+trans‐2‐ブテン比率+cis‐2‐ブテン比率(%)〕/100
通常、エチレンの転化率は、反応時間の経過とともに低下する傾向にあるため、一定時間反応させた触媒は、再生処理に供する必要がある。上記のエチレン転化率の範囲で運転する方法としては、特に制限されない。
例えば、固定床反応器で反応を行う場合には、複数個の反応器を並列に備え、エチレン
の転化率が上記の好ましい範囲から低下した際には、触媒と反応原料との接触を停止し、該触媒を再生工程に供する。固定床反応器においては、反応時間及び再生時間を適宜調整する、すなわち、運転における反応工程と再生工程とを切り替える時間を適宜調整することにより、上記の好ましい範囲のエチレン転化率で連続的に運転することができる。
また、流動床反応器で反応を行う場合には、反応器に対して触媒の再生器を付設し、反応器から抜き出した触媒を連続的に再生器に送り、再生器において再生された触媒を連続的に反応器に戻しながら、反応を行うことが好ましい。触媒の反応器内での滞留時間と再生器内での滞留時間を適宜調整することにより、上記の好ましい範囲のエチレン転化率で連続的に運転することができる。
反応に供した触媒は再生して使用することができる。具体的には、エチレン転化率が低下した触媒は、各種公知の触媒の再生方法を使用して再生することができる。
再生方法は特に限定されるものではないが、具体的には例えば、空気、窒素、水蒸気、水素等を用いて再生することができ、水素を用いて再生することが好ましい(例えば、特開2011−78962号公報に記載の方法に準じて再生することができる)。
また、高いエチレン転化率を長時間維持するための方法としては、特開2011‐79818号公報記載の水素雰囲気下でエチレンを反応させることにより、触媒へのコーク蓄積を抑制する方法も挙げられる。
反応器出口ガス(反応器流出物)としては、反応生成物である、プロピレン及び直鎖ブテン、未反応のエチレン、副生成物及び希釈剤を含む混合ガスが得られる。前記混合ガス中のプロピレン及び直鎖ブテンの合計の濃度は、特に限定されないが、通常1質量%以上、好ましくは2質量%以上であり、通常95質量%以下、好ましくは80質量%以下である。
この混合ガス中には通常エチレンが含まれるが、この混合ガス中のエチレンはその少なくとも一部を反応器にリサイクルして反応原料として再利用することが好ましい。
尚、副生成物としては炭素数が5以上のオレフィン類、パラフィン類、芳香族化合物が挙げられる。
本発明の製造方法によって得られたプロピレンは、これを重合することによりポリプロピレンを製造することができる。プロピレンの重合の方法は特に限定されないが、本発明により得られたプロピレンを直接、原料モノマーとして重合反応器に導入して使用することができる。また、本発明により得られたプロピレンは、ポリプロピレン以外にも、後述する各種反応を経てプロピレン誘導品の原料としても利用できる。例えば、アンモニア酸化によりアクリロニトリル、選択酸化によりアクロレイン、アクリル酸及びアクリル酸エステル、オキソ反応によりノルマルブチルアルコール、選択酸化によりプロピレンオキサイド及びプロピレングリコール等が製造できる。またプロピレンは、ワッカー反応によりアセトンが製造でき、更に得られたアセトンよりメチルイソブチルケトンが製造できる。またアセトンからは、アセトンシアンヒドリンを経てメチルメタクリレートを製造することができる。またプロピレンは、水和反応によりイソプロピルアルコールを製造することができる。またプロピレンは、ベンゼンと反応させて得られる、キュメンを原料にフェノール、ビスフェノールA、またはポリカーボネート樹脂を製造することができる。
本発明の製造方法によって得られた直鎖ブテンは、脱水素化することによりブタジエンを製造することができる。さらに、ブタジエンは、単独重合によりポリブタジエン(BR)、スチレンとの重合によりスチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルとスチレンとの重合によりアクリロニトリル‐スチレン‐ブタジエン樹脂(ABS樹脂)等を製造することができる。また直鎖ブテンは、その他のブテン誘導品の原料としても利用できる。例えば、直鎖ブテンは、間接水和法によりsec−ブチルアルコールを経て、続く脱水素化反応によりメチルエチルケトンを製造することができる。1−ブテンは、重合に
よりポリブテン−1や、オキソ反応によりアミルアルコール等が製造できる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下の調製例において、合成で得られたメタロケイ酸塩の結晶のX線回折(XRD)パターンは、PANalytical社製のX’Pert Pro MPDを用いて得た。X線源はCuKαであり(X線出力:40kV、30mA)、読込幅は0.016°である。また、合成したメタロケイ酸塩の組成は、蛍光X線分析により測定した。測定には、島津製作所社製Rayny EDX‐700を用いた。粒子の形状は、日立ハイテク社製の走査電子顕微鏡(S‐4100)を用いて、導電処理を行った試料を、加速電圧15kVで観察を行った。
(調製例1)
1M水酸化ナトリウム水溶液123g、N,N‐ジメチル‐3,5‐ジメチルピペリジウムハイドロキサイド水溶液(21.8質量%)32.9gを順に、水8.2gに溶解し、Y型ゼオライトCBV720(SiO2/Al23比 30、ZEOLYST社製)1
4.4gを加えて、30分間撹拌した。さらに、コロイダルシリカSI−30(SiO2
30質量%、Na 0.3質量%、日揮触媒化成社製)14.8gを加え、ゲル状反応液(以下、原料ゲルということがある)とし、2時間撹拌した。前記原料ゲルを1000mlのオートクレーブに仕込み、自圧下、150rpmで撹拌しながら、135℃で7日間、水熱合成反応に供した。得られた生成物を濾過、水洗した後、100℃で乾燥させた。
生成物のXRDパターン(図1)から、得られた生成物はAEI型構造を有するアルミノケイ酸塩であることを確認した。蛍光X線分析より、SiO2/Al23比は18であ
った。また、走査電子顕微鏡より、一次粒子径はおよそ800nmであった。
水熱合成により得られたアルミノケイ酸塩(焼成前アルミノケイ酸塩)を、空気流通下580℃で6時間焼成を行い、Na型のアルミノケイ酸塩を得た。
(調製例2)
1M水酸化ナトリウム水溶液123g、ホウ酸0.742g、N,N‐ジメチル‐3,5‐ジメチルピペリジウムハイドロキサイド水溶液(21.8質量%)32.9gを順に、水7.9gに溶解し、Y型ゼオライトCBV720(SiO2/Al23比 30、ZE
OLYST社製)14.4gを加えて、30分間撹拌した。さらに、コロイダルシリカSI−30(SiO2 30質量%、Na 0.3質量%、日揮触媒化成社製)14.8g
を加え、ゲル状反応液とし、2時間撹拌した。前記原料ゲルを1000mlのオートクレーブに仕込み、自圧下、150rpmで撹拌しながら、160℃で4日間、水熱合成反応に供した。得られた生成物を濾過、水洗した後、100℃で乾燥させた。
生成物のXRDパターンから、得られた生成物はAEI型構造を有するボロアルミノケイ酸塩であることを確認した。蛍光X線分析より、SiO2/Al23比は19であった

水熱合成により得られたボロアルミノケイ酸塩を、空気流通下580℃で6時間焼成を行い、Na型のボロアルミノケイ酸塩を得た。
(調製例3)
10質量%水酸化ナトリウム水溶液4.00g、N,N‐ジメチル‐3,5‐ジメチルピペリジウムハイドロキサイド水溶液(25.0質量%)1.91gを順に、水5.79gに溶解し、H-Y型ゼオライト(SiO2/Al23比 5、触媒化成工業社製)0.33
5gを加えて、30分間撹拌した。さらに、フュームドシリカ(Aerosil200)0.965を加え、ゲル状反応液とし、2時間撹拌した。前記原料ゲルを100mlのオートクレーブに仕込み、自圧下、15rpmで撹拌しながら、135℃で7日間、水熱合成反応に供した。得られた生成物を濾過、水洗した後、100℃で乾燥させた。
生成物のXRDパターンから、得られた生成物はAEI型構造を有するアルミノケイ酸塩であることを確認した(ANA型構造を不純物として含む)。蛍光X線分析より、SiO2/Al23比は10であった。水熱合成により得られたアルミノケイ酸塩を、空気流
通下580℃で6時間焼成を行い、Na型のアルミノケイ酸塩を得た。
(調製例4)
水酸化ナトリウム2.1g、N,N,N‐トリメチル‐1‐アダマンタンアンモニウムハイドロキサイド水溶液(25質量%)47.3gを順次、水89.6gに溶解し、水酸化アルミニウム(酸化アルミニウム換算で50〜57質量%)4.3gを加えて、撹拌した。次いで、SI−30(SiO2 30質量%,Na 0.3質量%,日揮触媒化成社
製)111gを加え、2時間撹拌した。さらに、加えたSiO2に対して2質量%のCH
A型アルミノケイ酸塩を種結晶として加えてさらに攪拌した。この原料ゲルを1000mlのオートクレーブに仕込み、自圧下、250rpmで攪拌しながら、160℃で20時間の水熱合成を行った。生成物を濾過、水洗した後、100℃で乾燥させた。生成物のXRDパターンから、CHA型構造を有することを確認した。蛍光X線分析より、SiO2
/Al23比は26であった。また、走査電子顕微鏡より、一次粒子径はおよそ50nmであった。
水熱合成により得られたアルミノケイ酸塩を、空気流通下580℃で6時間焼成を行い、Na型のアルミノケイ酸塩を得た。このアルミノケイ酸塩を1Mの硝酸アンモニウム水溶液を用いて、80℃で1時間のイオン交換を2回行い、100℃で乾燥させた。その後、空気流通下、500℃で6時間焼成し、プロトン型のアルミノケイ酸塩を得た。
(実施例1)
調製例1で得られたAEI型構造のアルミノケイ酸塩1gを800℃で、50%水蒸気(水蒸気/窒素=50/50(体積/体積))流通下、5時間処理することにより、水蒸気処理されたAEI型構造のアルミノケイ酸塩を得た。これを触媒として、エチレンを原料として、プロピレン及び直鎖ブテンの合成反応を行った。前記の反応には、常圧固定床流通反応装置を用い、内径6mmの石英反応管に、上記触媒100mgと石英砂400mgの混合物を充填した。エチレン及び窒素を、エチレンの空間速度が0.36Hr-1で、エチレン30体積%と窒素70体積%となるように反応器に供給し、350℃、0.1MPaでプロピレン及び直鎖ブテンの合成反応を実施し、反応器出口ガスをガスクロマトグラフィーにより分析を行った。分析の結果、プロピレン及び直鎖ブテンの合計の選択率が70%以上であり、かつ直鎖ブテン/プロピレンが最大となった0.83時間後の反応成績を表1に示した。
(実施例2)
調製例1で得られたAEI型構造のアルミノケイ酸塩0.50gを6Mの硫酸水溶液25gを用いて、100℃で20時間の酸処理を行い、濾過により固液を分離し、固形分を100℃で乾燥させた。次いで、800℃で、50%水蒸気(水蒸気/窒素=50/50(体積/体積))流通下、5時間処理することにより、酸処理及び水蒸気処理されたAEI型構造のアルミノケイ酸塩を得た。この触媒を実施例1と同様の反応器に充填し、同様の反応条件にてプロピレン及び直鎖ブテンの合成反応を行い、プロピレン及び直鎖ブテンの合計の選択率が70%以上であり、かつ直鎖ブテン/プロピレンが最大となった0.83時間後の反応成績を表1に示した。
(実施例3)
調製例2で得られたAEI型構造のボロアルミノケイ酸塩0.50gに対して、含水量が16重量%となるように調湿処理を行い、溶媒としてトルエン10ml、ジエトキシジメチルシラン2.5mlを加えて、撹拌しながら100℃で2時間加熱処理を行った。反応終了後、濾過により固液を分離し、固形分を100℃で乾燥させた。次いで、800℃で、50%水蒸気(水蒸気/空気=50/50(体積/体積))流通下、5時間処理することにより、シリル化処理及び水蒸気処理されたAEI型構造のアルミノケイ酸塩を得た。この触媒を実施例1と同様の反応器に充填し、同様の反応条件にてプロピレン及び直鎖ブテンの合成反応を行い、プロピレン及び直鎖ブテンの合計の選択率が70%以上であり、かつ直鎖ブテン/プロピレンが最大となった0.83時間後の反応成績を表1に示した。
(実施例4)
実施例4で得られたシリル化処理及び水蒸気処理されたAEI型構造のアルミノケイ酸塩を、反応温度を325℃とした以外は実施例1と同様の反応条件にてプロピレン及び直鎖ブテンの合成反応を行い、プロピレン及び直鎖ブテンの合計の選択率が70%以上であり、かつ直鎖ブテン/プロピレンが最大となった0.83時間後の反応成績を表1に示した。
(実施例5)
実施例4で得られたシリル化処理及び水蒸気処理されたAEI型構造のアルミノケイ酸塩を、反応温度を400℃とした以外は実施例1と同様の反応条件にてプロピレン及び直鎖ブテンの合成反応を行い、プロピレン及び直鎖ブテンの合計の選択率が70%以上であり、かつ直鎖ブテン/プロピレンが最大となった0.83時間後の反応成績を表1に示した。
(実施例6)
調製例3で得られたAEI型構造(ANA型構造を不純物として含む)のアルミノケイ酸塩を、実施例1と同様の反応器に充填し、同様の反応条件にてプロピレン及び直鎖ブテンの合成反応を行い、プロピレン及び直鎖ブテンの合計の選択率が70%以上であり、かつ直鎖ブテン/プロピレンが最大となった0.83時間後の反応成績を表1に示した。
(比較例1)
調製例4で得られたCHA型構造のアルミノケイ酸塩2.0gに対して、含水量が21質量%となるように調湿処理を行い、溶媒としてトルエン20ml、シリル化剤としてテトラエトキシシラン5mlを加えて、攪拌しながら70℃で4時間加熱処理を行った。反応終了後、濾過によって固液を分離し、固形分を100℃で乾燥させることにより、シリル化されたCHA型のアルミノケイ酸塩を得た。これを触媒として用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、同様の反応条件にてプロピレン及び直鎖ブテンの合成反応を実施した。分析の結果、プロピレン及び直鎖ブテンの合計の選択率が70%以上であり、かつ直鎖ブテン/プロピレンが最大となった2.08時間後の反応成績を表1に示した。
Figure 2015193599
実施例1は、原料のエチレンと、触媒として水蒸気処理されたAEI型構造のアルミノケイ酸塩を接触させて反応を行なった例である。この反応において、0.83時間後の反応器出口ガスは、プロピレン選択率が49.5%、直鎖ブテン選択率は29.6%に達した。このとき直鎖ブテン/プロピレンは0.60であった。実施例2では、触媒として酸処理及び水蒸気処理されたAEI型構造のアルミノケイ酸塩を用いた場合、プロピレン選択率が62.8%、直鎖ブテン選択率は25.1%、直鎖ブテン/プロピレンは0.40であった。
実施例3では、シリル化処理及び水蒸気処理されたAEI型構造のボロアルミノケイ酸塩を用いた場合、プロピレン選択率が49.1%、直鎖ブテン選択率は32.9%、直鎖ブテン/プロピレンは0.67であった。また、実施例4では、反応温度325℃において、プロピレン選択率が47.7%、直鎖ブテン選択率は35.2%、直鎖ブテン/プロピレンは0.74に達した。実施例5では、反応温度400℃において、プロピレン選択率が52.1%、直鎖ブテン選択率は26.0%、直鎖ブテン/プロピレンは0.50であった。実施例6では、特に処理を施していないAEI型構造のアルミノケイ酸塩を用いた場合、プロピレン選択率が43.6%、直鎖ブテン選択率は29.8%、直鎖ブテン/プロピレンは0.68に達した。
一方、比較例1は、実施例1のAEI型構造を有するアルミノケイ酸塩の代わりに、CHA型のアルミノケイ酸塩を触媒として用いた場合である。この反応におけるプロピレン選択率は88.1%、直鎖ブテン選択率は4.1%であり、直鎖ブテン/プロピレンは0.05であった。
これより、AEI型構造を有するメタロケイ酸塩を触媒として用いることで、プロピレンと直鎖ブテンの両方を同時に、高選択率で得られることがわかった。
CHA型構造を有するメタロケイ酸塩を用いることで、高い選択率でプロピレンが得られた。これはその細孔内にエチレンが入り反応するが、CHA型構造の小さい細孔径と、その空洞内のコークの生成により、炭素数の多い炭化水素、具体的には炭素数4以上の炭化水素の結晶内拡散性が低く、プロピレンが優先的に結晶外へ排出されたためと考えられる。
一方、AEI型構造の細孔径は、CHA型構造の細孔径と同じであるが、AEI型構造のメタロケイ酸塩が有する空洞が、CHA型構造のメタロケイ酸塩が有する空洞よりも広いため、プロピレンとともに、より大きい直鎖ブテンの拡散が促進され、プロピレンと直鎖ブテンが同時に高選択率で得られるものと推測される。
本発明の製造方法により、プロピレンと直鎖ブテンを同時に高い選択率で製造することができる。また、イソブテンの副生を抑制し、直鎖ブテンを選択的に製造することができるため、ブテン類からの直鎖ブテンの分離・精製の負荷を大幅に低減することができる。

Claims (7)

  1. エチレン及びエタノールから選ばれる少なくとも1種の原料を触媒と接触させてプロピレン及び直鎖ブテンを製造する方法であって、前記触媒の活性成分が、アルミニウム、ガリウム、ホウ素、及び鉄から選ばれる少なくとも1種の元素を含むメタロケイ酸塩であり、かつその構造がInternational Zeolite Association(IZA)で規定されるコード
    でAEIであることを特徴とするプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法。
  2. 前記メタロケイ酸塩が、アルミノケイ酸塩であることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法。
  3. 前記メタロケイ酸塩が、シリル化処理をされたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法。
  4. 前記メタロケイ酸塩が、水蒸気処理及び熱処理から選ばれる少なくとも1つの処理をされたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法。
  5. 前記メタロケイ酸塩が、酸処理されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法。
  6. 前記原料を前記触媒に接触させてプロピレン及び直鎖ブテンを含む混合物を得る工程を有し、該工程におけるエチレン転化率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法。
  7. 前記プロピレン及び直鎖ブテンを含む混合物を得る工程における、プロピレンに対する直鎖ブテンの質量比(直鎖ブテン/プロピレン)が0.1以上であることを特徴とする請求項6に記載のプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法。
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