JP2015193531A - ポーラスコンクリート組成物、その製造方法、及び、ポーラスコンクリート - Google Patents

ポーラスコンクリート組成物、その製造方法、及び、ポーラスコンクリート Download PDF

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Abstract

【課題】 振動締め固めを行わなくてもポーラスコンクリートを作製可能なポーラスコンクリート組成物等を提供する。
【解決手段】セメントと、粗骨材と、発泡性を有する混和材と、水とが混練されてなり、0.50mm以上の径を有する気泡を含有するポーラスコンクリート組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポーラスコンクリート組成物、その製造方法、及び、ポーラスコンクリートに関する。
従来、道路等の舗装に、ポーラスコンクリートが用いられている。該ポーラスコンクリートは、コンクリートの単位体積当たりの細骨材量が比較的少ない多孔質のコンクリートである。かかるポーラスコンクリートは、空隙が大きいため、透水性能(排水性能)、及び、騒音低減性能に優れている。
上記ポーラスコンクリートを作製するために、生コンクリートとしてのポーラスコンクリート組成物の配合は、1m当たりの粗骨材量が一般的な生コンクリートよりも多く、その分、モルタル成分(粗骨材を除いた成分)が少なく設定されており、かかる配合により、コンクリート内部に上記空隙が形成されるようになっている。また、ポーラスコンクリート組成物中のモルタル成分は、粗骨材同士の付着性能、ひいてはコンクリートとしての強度に影響を及ぼすため、該モルタル成分に高性能AE減水剤や樹脂等を添加することによって、硬練りできる程度に比較的高い粘性を有するように調製されることが多い。
このため、ポーラスコンクリート組成物の打設においては、型枠にポーラスコンクリート組成物を投入した後、タンパ等の締固め用の機器を用いて、振動締固めを行うことが一般的である。
このように、従来、ポーラスコンクリート組成物は、打設時の振動締固めを前提とした材料である。
一方、ポーラスコンクリート組成物に高性能AE減水剤や超遅延剤を配合して、該ポーラスコンクリート組成物のモルタル成分を比較的柔らかい、すなわち粘性の低いものとし、該モルタル成分のフローを管理することによってモルタル成分の流動性を確保し、ミキサー車での運搬を可能とする技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−128453号公報
しかし、特許文献1の技術では、ミキサー車での運搬は可能となるものの、打設時に振動締固めが必要となる。
上記事情に鑑み、本発明は、打設時に振動締め固めを行わなくてもポーラスコンクリートを作製可能なポーラスコンクリート組成物、その製造方法、及び、ポーラスコンクリートを提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく本発明者らは、以下のように鋭意研究を行った。
すなわち、従来のポーラスコンクリートでは、モルタル成分の粘性を高くして流動性を低くし、打設時に振動締固めを行うことによって、粗骨材間に空隙を形成している。一方、上記のように高性能AE剤減水剤を配合してモルタル成分の流動性を高くしても、振動締固めを不要とすることはできない。
ここで、一般的なコンクリートにおいては、上記高性能AE減水剤の他にも、AE剤、AE減水剤等を配合することによってモルタル成分内に気泡(エントレインドエア、連行空気)を導入している。
しかし、これら混和剤をポーラスコンクリート用のモルタル成分に配合しても、粗骨材間に十分な空隙が形成されず、打設時に振動締固めが必要であることがわかった。
この原因を調べたところ、ポーラスコンクリート用のモルタル成分に上記混和剤を配合した場合、モルタル成分中に形成される気泡の径は0.03mm〜0.25mm(30〜250μm)と微細であることから、粗骨材間に十分な空隙が形成されないことを見出した。
そして、発泡性の混和材を配合し、モルタル成分中の気泡の径を0.5mm以上(500μm以上)と大きくすることによって、粗骨材間に十分な空隙を形成することができ、これにより、打設時の振動締固めを不要とし得ることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るポーラスコンクリート組成物は、
セメントと、粗骨材と、発泡性を有する混和材と、水とが混練されてなり、
0.50mm以上の径を有する気泡を含有してなる。
ここで、「径」とは、下記のようにして測定して得られた値を意味する。すなわち、上記セメントと、粗骨材と、発泡性を有する混和材と、水とを混練した後、練上がり直後から30分後の時点において、φ100mm、深さ15mmのシャーレに混練物を入れて擦り切り、蓋を被せた後に逆さにし、シャーレの底面側から、デジタルカメラによって高さ10cmから2倍の倍率で混練物の画像を撮影し、得られた画像中、任意の100個の気泡について、各気泡を最も長く横切る長さをノギスで測定し、得られた長さが0.50mm未満の数量、0.50mm以上1.00mm未満の数量、1.00mm以上1.50mm未満の数量、1.50mm以上3.00mm未満の数量をそれぞれ計数し、0.50mm未満については0.25mm、0.50mm以上1.00mm未満については0.75mm、1.00mm以上1.50mm未満については1.25mm、1.50mm以上3.00mm未満については2.25mmを代表値として加重平均して得られた値を意味する。
かかる構成によれば、上記発泡性を有する混和材が配合され、0.50mm以上の径を有する気泡を含有していることによって、上記発泡性を有する混和材が配合されていない場合よりも、ポーラスコンクリート組成物の嵩増し量を増加させることができ、これにより、粗骨材間に十分な空隙を形成することができる。
従って、打設後に振動締固めを行わなくても、ポーラスコンクリートを作製することが可能となる。
本発明に係るポーラスコンクリート組成物の製造方法は、
前記セメントと、前記粗骨材と、前記発泡性を有する混和材と、前記水とを混練して前記気泡を発生させる。
また、上記構成のポーラスコンクリートの製造方法においては、
前記発泡性を有する混和材を、少なくとも前記粗骨材と共に前記水と混合して前記気泡を発生させる。
かかる構成によれば、上記発泡性を有する混和材を、少なくとも前記粗骨材と共に前記水と混合して前記気泡を発生させることによって、上記発泡性を有する混和材を単独で、または粗骨材以外の材料と共に水と混合する場合よりも、より確実に、上記気泡を発生させ得る。
本発明に係るポーラスコンクリートは、前記ポーラスコンクリート組成物が打設されてなる。
本発明に係るポーラスコンクリートは、前記ポーラスコンクリート組成物の製造方法によって作製されたポーラスコンクリート組成物が打設されてなる。
本発明によれば、打設時に振動締め固めを行わなくてもポーラスコンクリートを作製可能なポーラスコンクリート組成物、その製造方法、及び、ポーラスコンクリートが提供される。
以下、本発明に係るポーラスコンクリート組成物、その製造方法、及びポーラスコンクリートの実施形態について説明する。
本実施形態のポーラスコンクリート組成物は、セメントと、粗骨材と、発泡性を有する混和材と、水とが混練されてなり、0.50mm以上の径を有する気泡を含有してなる。また、本実施形態のポーラスコンクリート組成物は、上記成分に加えて、さらに細骨材が混練されて構成されてもよい。すなわち、セメントと、粗骨材と、細骨材と、発泡性を有する混和材と、水とが混練されてなり、0.50mm以上の径を有する気泡を含有して構成されていてもよい。
前記セメントとしては、従来公知のセメントが挙げられる。かかるセメントとしては、例えば、JIS R 5210に記載のポルトランドセメントが挙げられる。また、これらのうち、早期の強度を確保する点を考慮すれば、超早強ポルトランドセメントが好ましい。
かかるセメントの配合量は、例えば、ポーラスコンクリート組成物全体100質量部に対して14〜20質量部とすることが好ましい。
また、かかる配合量は、15〜16質量部とすることがより好ましく、これにより、モルタル成分が発泡するのに適切なセメントペーストを確保でき、且つ、発泡し過ぎることによる材料分離を防ぐことができる。
前記粗骨材としては、従来公知のコンクリート材料と使用される粗骨材が挙げられる。かかる粗骨材としては、例えば、道路用砕石の6号砕石および7号砕石が挙げられ、その粒径は、5mm〜15mmであることが好ましい。
かかる粗骨材の配合量は、例えば、ポーラスコンクリート組成物全体100質量部に対して68〜77質量部とすることが好ましい。
また、かかる配合量は、73〜75質量部とすることがより好ましく、これにより、硬化に伴って気泡が消失した際、粗骨材同士がかみ合っており、且つ、ポーラスコンクリートが自重で沈下しないようにすることができる。
前記細骨材としては、従来公知のコンクリート材料と使用される細骨材が挙げられる。かかる細骨材としては、例えば、JIS A5005(2009)コンクリート用砕石及び砕砂、JISA5308(2009)の附属書Aレディーミクストコンクリート用骨材に記載される細骨材が挙げられ、その粗粒率は、1.70〜2.80であることが好ましく、より好ましくは1.70〜2.00である。
かかる細骨材の配合量は、例えば、ポーラスコンクリート組成物全体100質量部に対して0.0〜10.7質量部とすることができる。また、かかる配合量は、5.4〜5.6質量部とすることが好ましく、これにより、発泡し過ぎることによる材料分離を抑えることができる。
前記発泡性を有する混和材は、上記セメント、粗骨材、細骨材及び水と共に混練されたとき、混練物中に0.50mm以上の径を有する気泡を含有させ得るものである。
また、気泡の径は、より確実に粗骨材間に空隙を形成して振動締固めを不要とし易くするという観点を考慮すれば、0.60mm以上が好ましい。一方、材料分離をより抑制して振動締固めを不要とし易くするという観点を考慮すれば、気泡の径は、2.25mm未満が好ましく、1.50mm未満がより好ましく、1.25mm未満がさらに好ましく、1.00mm未満が一層好ましく、0.90mm未満が最も好ましい。
前記発泡性を有する混和材としては、上記セメント、粗骨材、細骨材及び水と共に混練されたとき、混練物中に0.50mm以上の径を有する気泡を含有させることが可能であれば、特に限定されるものではない。
上記発泡性を有する混和材としては、例えば、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤が好ましく、ドデカン酸アミドプロピルベタイン・オクタデカン酸アミドプロピルベタイン・ドデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられ、粘度発現の観点からドデカン酸アミドプロピルベタインが好ましい。
また、前記カチオン性界面活性剤としては、4級塩型カチオン性界面活性剤が好ましい。該4級塩型のカチオン性界面活性剤としては、構造中に、10から26個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル基を、少なくとも1つ有しているものが好ましい。例えば、前記カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩が挙げられる。前記カチオン性界面活性剤としては、具体的には、アルキル(炭素数10〜26)トリメチルアンモニウム塩、アルキル(炭素数10〜26)ピリジニウム塩、アルキル(炭素数10〜26)イミダゾリニウム塩、アルキル(炭素数10〜26) ジメチルベンジルアンモニウム塩等が挙げられ、具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、タロートリメチルアンモニウムクロライド、タロートリメチルアンモニウムブロマイド、水素化タロートリメチルアンモニウムクロライド、水素化タロートリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルエチルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルエチルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルプロピルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、1,1−ジメチル−2−ヘキサデシルイミダゾリニウムクロライド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられ、これらを2種以上併用してもよい。水溶性と増粘効果の観点から、具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(例えば花王(株)製コータミン60W)、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド等が好ましい。また、増粘効果の温度安定性の観点から、上記のアルキル基の炭素数の異なるカチオン性界面活性剤を2種類以上併用することが好ましい。
特に、前記4級塩としては、塩害による鉄筋の腐食やコンクリート劣化を防止する観点から、塩素等のハロゲンを含まない4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。
塩素等のハロゲンを含まない4級塩として、アンモニウム塩やイミダゾリニウム塩等が挙げられ、具体的にはヘキサデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、ヘキサデシルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、オクタデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、オクタデシルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、タロートリメチルアンモニウムメトサルフェート、タロージメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、1,1−ジメチル−2−ヘキサデシルイミダゾリニウムメトサルフェート、ヘキサデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムアセテート、オクタデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムアセテート、ヘキサデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムプロピオネート、オクタデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムプロピオネート、タロージメチルヒドロキシエチルアンモニウムアセテート、タロージメチルヒドロキシエチルアンモニウムプロピオネート等が挙げられる。塩素等のハロゲンを含まない4級アンモニウム塩は、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸で3級アミンを4級化することで得ることができる。
また、前記アニオン性界面活性剤としては、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム塩、アルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
上記発泡性を有する混和材の配合量は、ポーラスコンクリート組成物が0.50mm以上の径を有する気泡を含有するような量であれば、特に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
例えば、発泡性を有する混和材が、アルキルアンモニウム塩である場合には、セメント
100質量部に対して1質量部以上3質量部以下が好ましく、2質量部以上3質量部以下がより好ましい。
例えば、発泡性を有する混和材が、アルキルエーテル硫酸エステル塩である場合には、
セメント100質量部に対して0.25質量部を超えて1.5質量部以下が好ましく、0.5質量部以上1.5質量部以下がより好ましい。
例えば、発泡性を有する混和材が、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム塩である場合には、セメント100質量部に対して0.5質量部を超えて2質量部以下が好ましく、1質量部以上2質量部以下がより好ましい。
例えば、発泡性を有する混和材が、アルキル硫酸エステル塩である場合には、セメント
100質量部に対して1質量部を超えて3質量部以下が好ましく、2質量部以上3質量部以下がより好ましい。
前記水の配合量は、例えば、ポーラスコンクリート組成物全体100質量部に対して4.0〜6.0質量部とすることができる。
上記ポーラスコンクリート組成物は、上記発泡性の混和材を配合しない場合と比較して嵩増しされることになるが、この嵩増し量は、特に限定されるものではない。例えば、嵩増し量が少なすぎると、打設時に自立することが困難となって崩れやすくなる傾向にあり、また、嵩増し量が多すぎると、モルタル成分が粗骨材と分離する傾向にある。従って、例えばかかる観点を考慮して、嵩増し量は、5.0〜23.0%が好ましく、11.0〜21.0%がより好ましい。嵩増し量が5.0〜23.0%であることによって、ポーラスコンクリート組成物が、崩れ難く、しかも、モルタル成分と粗骨材とが分離し難いものとなる。
なお、嵩増し量は、後述する実施例に記載の方法で測定された値である。
また、上記ポーラスコンクリート組成物の空隙率は、練上がり後の体積から換算して12.0〜39.0%であることが好ましく、29.0〜39.0%であることがより好ましい。
空隙率が12.0%以上であることによって、透水性能が向上すると共に、空隙詰まりが起こり難くなり、39.0%以下であることによって、打設時の材料分離が起こりにくく、且つ、硬化に伴って気泡が消失した際に沈下を起こし難くなる。
なお、空隙率は、後述する実施例に記載の方法で測定された値である。
上記ポーラスコンクリート組成物の単位容積質量は、1400〜2700kg/mであることが好ましく、1500〜1700kg/mであることがより好ましい。
なお、単位容積質量は、後述する実施例に記載の方法で測定された値である。
また、上記ポーラスコンクリート組成物のスランプは、ミニスランプコーンで5.0〜10.0cmであることが好ましく、7.0〜9.0cmであることがより好ましい。
スランプが7.0cm以上であることによって、突き棒で型枠内に材料を万遍なく行き渡らせることができ、9.0cm以下であることによって、硬化に伴った気泡が消失することによる沈下を防ぐことができる。
なお、スランプは、後述する実施例に記載の方法で測定された値である。
上記ポーラスコンクリート組成物の製造方法は、
上記セメントと、上記粗骨材と、上記発泡性を有する混和材と、上記水とを混練して上記気泡を発生させる。また、これら成分に加えて、さらに上記細骨材を加えて混練してもよい。すなわち、上記セメントと、上記粗骨材と、上記細骨材と、上記発泡性を有する混和材と、上記水とを混練して上記気泡を発生させてもよい。
より具体的には、上記発泡性を有する混和材を、少なくとも前記粗骨材と共に前記水と混合して前記気泡を発生させる。また、残りの成分がある場合、さらにこの成分を混合する。
このように、上記発泡性を有する混和材を、少なくとも前記粗骨材と共に前記水と混合して前記気泡を発生させることによって、上記発泡性を有する混和材を単独で、または粗骨材以外の材料と共に水と混合する場合よりも、より確実に、上記0.5〜1.0mmの径を有する気泡を発生させ得る。
上記混練としては、2軸強制練りミキサーを用いた混練や、手練りでの混練を採用し得る。
また、本発明の実施形態に係るポーラスコンクリートは、上記ポーラスコンクリート組成物が打設されてなる。または、本実施形態のポーラスコンクリートは、上記ポーラスコンクリート組成物の製造方法によって作製されたポーラスコンクリート組成物が打設されてなる。
具体的には、上記気泡を有するポーラスコンクリート組成物は、泡立った状態となっている。この状態で、ポーラスコンクリート組成物を型枠に流し込むと、気泡に押されてモルタル成分が各粗骨材の周面に付着し、粗骨材間に十分な空隙が形成されるため、打設時に振動締固めを不要とすることができる。
このように、打設時には、ポーラスコンクリート組成物が泡立った状態であるが、該組成物が硬化する過程で泡が消えて、ポーラスコンクリートが形成される。
従って、上記ポーラスコンクリート組成物を用いて作製されたポーラスコンクリートでは、打設時に振動締固めが不要となる。
本実施形態のポーラスコンクリート組成物、その製造方法、及び、ポーラスコンクリートは以上の通りであるが、本発明は、上記実施形態に特に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態において、ポーラスコンクリート組成物には、上記で挙げられた成分以外の成分が含有されていてもよい。
例えば、本発明のポーラスコンクリート組成物として、消泡剤を含有する構成を採用することもできる。具体的には、本発明のポーラスコンクリート組成物として、上記セメントと、上記粗骨材と、上記細骨材と、上記水とが混練され、該混練物の表面に上記消泡剤が添加されてなり、上記気泡を含有する構成を採用することができる。
このように、消泡剤が配合されていることによって、気泡が消失した後の表面の凸凹を滑らかにすることができる。
また、かかるポーラスコンクリート組成物の製造方法として、上記セメントと、上記粗骨材と、上記細骨材と、上記水とを混練し、該混練物の表面に上記消泡剤を添加する構成を採用することができる。
かかる消泡剤としては、例えば、水、シリコン系消泡剤、コンクリート用消泡剤(AE剤)等が挙げられる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実験例1
下記のようにして、ポーラスコンクリート組成物を作製し、さらに、該ポーラスコンクリート組成物を打設してポーラスコンクリートを作製し、各特性を評価した。
(1)使用材料
表1に示す材料を使用した。
Figure 2015193531
(2)ポーラスコンクリート組成物の調製
表2に示す配合で、2軸強制練りミキサーに、粗骨材、細骨材、及びセメントを投入し、15秒間空練りした後、水、発泡性を有する混和材を投入し、120秒間練り混ぜて、ポーラスコンクリート組成物を作製し、測定試料とした。なお、表2において、Vs、Vm、Vgは、それぞれ、細骨材の体積、モルタルの体積、粗骨材の体積を示す。
Figure 2015193531
(3)ポーラスコンクリート組成物の評価
以下の項目について、作製されたポーラスコンクリート組成物の測定を行った。結果を表3に示す。
[生成した気泡の径の測定]
練り上がった測定試料を、練上がり直後から30分後の時点において、φ100mm、高さ15mmのシャーレ(ディスポシャーレ、サンプラテック社製)に材料が分離しないように1層で詰め、表面を均し、蓋をかぶせた後に逆さにし(裏返し)、シャーレの底面側から、デジタルカメラ(1600万画素、Optio WG−3、ペンタックス社製)によって高さ10cmから2倍の倍率で、シャーレの底面を通して混練物の画像を撮影した。得られた画像中、任意の100個の気泡について、各気泡を最も長く横切る長さをノギスで測定した。各気泡の100個の測定値のうち、上記長さ(測定径)が0.50mm未満の気泡の数量、0.50mm以上1.00mm未満の気泡の数量、1.00mm以上1.50mm未満の気泡の数量、1.50mm以上3.00mm未満の気泡の数量をそれぞれ算出し、各数値範囲の気泡の数量(個数)が全体の数量(100個)に占める割合(%)を算出した。また、上記長さが0.50mm未満については0.25mm、0.50mm以上1.00mm未満については0.75mm、1.00mm以上1.50mm未満については1.25mm、1.50mm以上3.00mm未満については2.25mmを代表値とし、各代表値と各数値範囲の数量とを用いて加重平均を算出し、得られた値を気泡の径(平均値)とした。なお、表3中、気泡が確認できなかった場合の数量は、0で表した。また、各測定試料において、上記長さが3.00mm以上の気泡は確認されなかった。
[ミニスランプ試験]
JIS A 1171 ポリマーセメントモルタルの試験方法に準拠してミニスランプ試験を行った。
すなわち、スランプコーン(上端内径50±0.5mm、下端内径100±0.5mm、高さ150±0.5mmの鋼製)に材料が分離しないように、ポーラスコンクリート組成物を2層で詰め(突き回数は5回)、表面を擦り切った。
スランプコーンを静かに垂直に引き上げ、スランプ値を1mmまで読み取った。これを2回行い、その平均値を得た。
また、スランプコーンを引き抜いた際に、中心軸に対して著しく偏らず、崩れなかった場合を、良好であると判定し、「◎」で示した。
一方、スランプコーンを引き抜いた際に、中心軸に対して著しく偏ったり、崩れたりして形が不均等になった場合は再測定し、最大4回まで繰り返した。そのうち3回崩れたものは「材料の粘性不足による崩壊」と判定し、「×」で示した。また、崩れたりはしなくても、気泡のみが試料表面から流れるような状態になった場合および泡は出来ているが少ないために中心軸に対して偏った崩れ方をしたものは、「泡の量が多すぎることによる材料分離」および「泡の量が足りないことによる流動性の不足」の傾向にあると判定し、[○]で示した。
[嵩増し量の測定]
φ5×10cmの型枠を3つ用意し、これら3つの型枠に、材料分離が生じないように測定試料を詰めた(なお、硬めの配合の場合、ランマー等を用いてもよい)。そして、型枠の上端をすり切り、測定試料の質量を測定し、測定結果を型枠の容積で除して3つの単位容積質量を求め、その平均値を算出した。一方、上記3つの型枠に、各配合から発泡性を有する混和材を除いた配合でポーラスコンクリート組成物を調製し、上記と同様にして、質量の測定、単位容積質量の算出、その平均値の算出を行った。そして、下記式に基づいて、嵩増し量を算出した。
Figure 2015193531
W:測定試料の単位容積質量(平均値、kg/m
:発泡性を有する混和材を除いたポーラスコンクリート組成物の単位容積質量(平均値、kg/m
Figure 2015193531
実験例2
下記のようにして、ポーラスコンクリート組成物を作製し、さらに、該ポーラスコンクリート組成物を打設してポーラスコンクリートを作製し、各特性を評価した。
(1)使用材料
表4に示す材料を使用した。
Figure 2015193531
(2)ポーラスコンクリート組成物の調製
表5に示す配合で、上記実験例1と同様に、練り混ぜて、ポーラスコンクリート組成物を作製し、測定試料とした。
Figure 2015193531
(3)ポーラスコンクリート組成物の評価
以下の項目について、実験例1と同様にして、作製されたポーラスコンクリート組成物の測定を行った。すなわち、実験例1と同様、「生成した気泡の径の測定」、「ミニスランプ試験」、「嵩増し量の測定」を行った。結果を表6に示す。
Figure 2015193531

Claims (5)

  1. セメントと、粗骨材と、発泡性を有する混和材と、水とが混練されてなり、
    0.50mm以上の径を有する気泡を含有してなるポーラスコンクリート組成物。
  2. 請求項1に記載のポーラスコンクリート組成物の製造方法であって、
    前記セメントと、前記粗骨材と、前記発泡性を有する混和材と、前記水とを混練して前記気泡を発生させるポーラスコンクリート組成物の製造方法。
  3. 前記発泡性を有する混和材を、少なくとも前記粗骨材と共に前記水と混合して前記気泡を発生させる請求項2に記載のポーラスコンクリート組成物の製造方法。
  4. 請求項1に記載のポーラスコンクリート組成物が打設されてなるポーラスコンクリート。
  5. 請求項2または3に記載のポーラスコンクリート組成物の製造方法によって作製されたポーラスコンクリート組成物が打設されてなるポーラスコンクリート。
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