以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
図1は、一例による商品ピッキング装置1の構成を概略的に示す図である。
商品ピッキング装置1は、商品配置ライン4と、商品払出ライン6と、空容器供給装置20と、第1搬送コンベア30と、第2搬送コンベア32と、完成容器排出コンベア34と、残数ピッキングコンベア36と、商品容器ステーションO1、O2、O3、O4と、ロボット51乃至54とを含む。また、商品ピッキング装置1は、処理装置100を含む。
商品配置ライン4は、搬送方向に沿って複数の容器停止ステーションR1、R2、R3、R4を有する。図1に示す例では、商品配置ライン4は、4つの容器停止ステーションR1、R2、R3、R4を有する。搬送方向は、任意であるが、図1に示す例では、X方向である。尚、商品配置ライン4は、直線である必要はなく、曲線を含んでもよい。
容器停止ステーションR1、R2、R3、R4のそれぞれには、第1搬送コンベア30により搬送容器が供給される。また、容器停止ステーションR1、R2、R3、R4のそれぞれには、対応する商品容器ステーションO1、O2、O3、O4から商品容器が移送される。この移送については後述する。
商品配置ライン4は、搬送方向に沿って複数のバッファステーションB1、B2、B3を有する。商品配置ライン4は、例えば、容器停止ステーションR1、R2、R3、R4間に1つずつバッファステーションB1、B2、B3を有する。従って、図1に示す例では、バッファステーションB1、B2、B3は、計3つ設けられる。尚、バッファステーションB1、B2、B3の数は、任意である。例えば、バッファステーションB1、B2、B3は、容器停止ステーションR1、R2、R3、R4間に2つずつ設けられてもよい。また、容器停止ステーションR1、R2間のバッファステーションB1は2つ、容器停止ステーションR3、R4間のバッファステーションB3は1つ、といった具合に不規則に設けられてもよい。尚、バッファステーションB1、B2、B3の機能は後述する。バッファステーションB1、B2、B3のそれぞれには、容器停止ステーションR1、R2、R3、R4と同様、第1搬送コンベア30により搬送容器が供給される。但し、バッファステーションB1、B2、B3では、商品の配置は実行されない。尚、以下では、商品配置ライン4における容器停止ステーションR1、R2、R3、R4及びバッファステーションB1、B2、B3を区別せずに表す場合は、単に"ステーション40"と称する。尚、前提として、1つのステーション40上に同時に停止することができる搬送容器の数は、1であるとする。
商品払出ライン6は、商品配置ライン4に並列に設けられる。即ち、商品払出ライン6は、商品配置ライン4に対してY方向に並んで配置される。図1に示す例では、Y方向は、搬送方向に対して垂直方向である。但し、商品払出ライン6は、商品配置ライン4に平行である必要はなく、また、曲線等を含んだ形状であってもよい。
商品払出ライン6は、搬送方向に沿って複数の完成容器受ステーションS1、S2、S3、S4を有する。図1に示す例では、商品払出ライン6は、4つの完成容器受ステーションS1、S2、S3、S4を有する。完成容器受ステーションS1、S2、S3、S4は、商品配置ライン4における容器停止ステーションR1、R2、R3、R4のそれぞれに対応付けて設けられる。
完成容器受ステーションS1、S2、S3、S4には、それぞれ、対応する容器停止ステーションR1、R2、R3、R4上の搬送容器が排出される。例えば、完成容器受ステーションS1には、容器停止ステーションR1上の搬送容器が排出される。この排出は、完成容器排出コンベア34により実現される。また、この排出は、搬送容器内に予定の商品が全て配置された場合(即ち、搬送容器への最後の商品の配置が完了したとき)に実行される。従って、最後の商品が容器停止ステーションR1で配置される搬送容器は、容器停止ステーションR1から完成容器受ステーションS1へ排出される。他方、最後の商品が容器停止ステーションR4で配置される搬送容器は、容器停止ステーションR4から完成容器受ステーションS4へ排出される。
商品払出ライン6は、商品配置ライン4と同様、搬送方向に沿って複数のバッファステーションB4、B5、B6を有する。バッファステーションB4、B5、B6の配置態様及び数は、商品配置ライン4におけるバッファステーションB1、B2、B3と同様であってよい。尚、以下では、商品払出ライン6における完成容器受ステーションS1、S2、S3、S4及びバッファステーションB4、B5、B6を区別せずに指す場合は、単に"ステーション60"と称する。尚、前提として、1つのステーション60上に同時に停止することができる搬送容器の数は、1であるとする。
商品払出ライン6の下流側には、図1に示すように、完成容器出庫装置80が配置される。完成容器出庫装置80には、商品払出ライン6上の搬送容器が所定の払い出し順に1つずつ順次払い出される。
空容器供給装置20は、商品配置ライン4の上流側に配置される。空容器供給装置20は、処理装置100による制御下で、商品配置ライン4に空の搬送容器を1つずつ供給する。空容器供給装置20により供給される空の搬送容器は、第1搬送コンベア30により容器停止ステーションR1へと移動されていく。
第1搬送コンベア30は、商品配置ライン4に設けられる。第1搬送コンベア30は、例えばベルトコンベアやローラコンベア等により形成されてもよい。第1搬送コンベア30は、商品配置ライン4内の各ステーション40間にそれぞれ設けられる。即ち、第1搬送コンベア30は、容器停止ステーションR1と最上流のバッファステーションB1との間、最上流のバッファステーションB1と容器停止ステーションR2との間といった具合に、各ステーション40間にそれぞれ設けられる。また、第1搬送コンベア30は、図1に示すように、空容器供給装置20と最上流の容器停止ステーションR1との間に設けられる。
各第1搬送コンベア30は、処理装置100による制御下で、互いに独立して動作する。各ステーション40間の第1搬送コンベア30は、各ステーション40上の搬送容器を1つ下流側のステーション40へと搬送する。また、空容器供給装置20と最上流の容器停止ステーションR1との間の第1搬送コンベア30は、空容器供給装置20からの空の搬送容器を容器停止ステーションR1に搬送する。搬送容器は、任意の構成であってよく、プラスティックや紙等の任意の材料により形成されてもよい。
尚、各第1搬送コンベア30は、各ステーション40を含めて、Y方向に回転軸を持つローラコンベアを複数本X方向に連続的に並べることで形成されてよい。この場合、各ステーション40は、対応する領域のローラコンベアを停止状態とすることにより形成される。
第2搬送コンベア32は、商品払出ライン6に設けられる。第2搬送コンベア32は、第1搬送コンベア30の搬送方向と同一の搬送方向を有する。図1に示す例では、第2搬送コンベア32は、X方向に搬送容器を搬送する。第2搬送コンベア32は、商品配置ライン4よりも下流側まで延在してもよい。
第2搬送コンベア32は、第1搬送コンベア30と同様、例えばベルトコンベアやローラコンベア等により形成されてもよい。第2搬送コンベア32は、商品払出ライン6内の各ステーション60間にそれぞれ設けられる。また、第2搬送コンベア32は、最下流の完成容器受ステーションS4と完成容器出庫装置80との間に設けられる。
各第2搬送コンベア32は、処理装置100による制御下で、互いに独立して動作する。各ステーション60間の第2搬送コンベア32は、各ステーション60上の搬送容器を1つ下流側のステーション60へと搬送する。最下流の完成容器受ステーションS4と完成容器出庫装置80との間の第2搬送コンベア32は、完成容器受ステーションS4上の搬送容器を完成容器出庫装置80に搬送する。
尚、各第2搬送コンベア32は、各ステーション60を含めて、Y方向に回転軸を持つローラコンベアを複数本X方向に連続的に並べることで形成されてよい。この場合、各ステーション60は、対応する領域のローラコンベアを停止状態とすることにより形成される。
完成容器排出コンベア34は、容器停止ステーションR1、R2、R3、R4のそれぞれに対応付けて設けられる。各完成容器排出コンベア34は、処理装置100による制御下で、対応する容器停止ステーションR1、R2、R3、R4上の搬送容器を、対応する完成容器受ステーションS1、S2、S3、S4へY方向に排出する。尚、完成容器排出コンベア34は、排出動作時に、容器停止ステーションR1、R2、R3、R4から上方に突出し、重力を利用してY方向に商品を排出する構成であってもよい。
商品容器ステーションO1、O2、O3、O4は、容器停止ステーションR1、R2、R3、R4のそれぞれに対応付けて設けられる。商品容器ステーションO1、O2、O3、O4には、ピッキング対象の商品が入った商品容器が配置される。図1に示す例では、商品容器ステーションO1、O2、O3、O4上の各商品容器は、対応するストック商品容器ステーションP1、P2、P3、P4からコンベア37により移送されてくる。商品容器ステーションO1、O2、O3、O4のそれぞれに配置される商品容器内の商品の種類は、それぞれ異なる。即ち、商品容器ステーションO1に配置される商品容器内の商品の種類と、商品容器ステーションO2に配置される商品容器内の商品の種類とは異なり、他も同様に異なる。尚、ストック商品容器ステーションP1、P2、P3、P4には、ストック用の商品容器が商品容器供給装置82からコンベア38により移送されてくる。尚、商品容器内の商品は、任意であるが、例えば袋詰めされた商品(例えば、パン)であってよい。
残数ピッキングコンベア36は、容器停止ステーションR1、R2、R3、R4(及び商品容器ステーションO1、O2、O3、O4)のそれぞれに対応付けて設けられる。残数ピッキングコンベア36は、容器停止ステーションR1と商品容器ステーションO1との間、及び、容器停止ステーションR2と商品容器ステーションO2との間にそれぞれ設けられる。また、残数ピッキングコンベア36は、容器停止ステーションR3と商品容器ステーションO3との間、及び、容器停止ステーションR4と商品容器ステーションO4との間にそれぞれ設けられる。
残数ピッキングコンベア36は、処理装置100による制御下で、対応する商品容器ステーションO1、O2、O3、O4上の商品容器を、対応する容器停止ステーションR1、R2、R3、R4に移送する。以下では、このような残数ピッキングコンベア36による移送を、「残数ピッキング」ともいう。このようにして残数ピッキングコンベア36により容器停止ステーションR1、R2、R3、R4上に移送された商品容器は、移送後、搬送容器を形成する。従って、残数ピッキングコンベア36により容器停止ステーションR1、R2、R3、R4上に移送された商品容器は、移送後、搬送容器として、商品払出ライン6を介して完成容器出庫装置80へと払い出されることになる。尚、この目的のため、商品容器は、搬送容器と同一の構成を有してよい。
尚、残数ピッキングコンベア36は、対応するコンベア37及びコンベア38、並びに、対応する商品容器ステーション及びストック商品容器ステーションを含め、X方向に回転軸を持つローラコンベアを複数本Y方向に連続的に並べることで形成されてよい。この場合、商品容器ステーション及びストック商品容器ステーションは、対応する領域のローラコンベアを停止状態とすることにより形成される。
ロボット51乃至54は、商品容器ステーションO1、O2、O3、O4のそれぞれに対応して設けられる。即ち、ロボット51は、商品容器ステーションO1(及び容器停止ステーションR1)に対応して設けられ、ロボット52は、商品容器ステーションO2(及び容器停止ステーションR2)に対応して設けられ、以下同様である。
ロボット51乃至54は、処理装置100による制御下で動作する。ロボット51乃至54は、対応する商品容器ステーションO1、O2、O3、O4上の商品容器内の商品をピッキングする。また、ロボット51乃至54は、ピッキングした商品を、対応する容器停止ステーションR1、R2、R3、R4上の搬送容器内に配置する(入れる)。例えば、ロボット51は、商品容器ステーションO1上の商品容器内の商品をピッキングし、ピッキングした商品を容器停止ステーションR1上の搬送容器内に配置する。ロボット52は、商品容器ステーションO2上の商品容器内の商品をピッキングし、ピッキングした商品を容器停止ステーションR2上の搬送容器内に配置する。以下、このような一連の動作を「通常ピッキング」ともいう。尚、図1には、通常ピッキングが模式的に矢印Y1にて示されている。
尚、ロボット51乃至54による通常ピッキングは、搬送容器内に入れる予定の商品の数(ピッキング数量)に対応する回数実行される。例えば、容器停止ステーションR1にて搬送容器内に5個商品を入れる場合は、ロボット51は、5回、通常ピッキングを行う。但し、ロボット51乃至54は、1回の通常ピッキングにより2つ以上の商品を配置することが可能な構成であってもよい。
ロボット51乃至54は、また、所定の場合に、対応するストック商品容器ステーションP1、P2、P3、P4上の商品容器内の商品をピッキングする。そして、ロボット51乃至54は、ピッキングした商品を、対応する容器停止ステーションR1、R2、R3、R4上の搬送容器(商品容器)内に配置する。以下、このような一連の動作を「補充ピッキング」ともいう。尚、図1には、補充ピッキングが模式的に矢印Y2にて示されている。補充ピッキングは、残数ピッキングコンベア36による残数ピッキングに伴って実行される。即ち、補充ピッキングは、残数ピッキングコンベア36により容器停止ステーションR1、R2、R3、R4上に移送された商品容器内に、当該商品容器内の商品と同一種類の商品を、ピッキング数量に対して足りない個数分だけ配置する動作である。補充ピッキングは、残数ピッキングに後続して実行される。尚、補充ピッキングにより商品がピッキングされたストック用の商品容器は、通常ピッキング中にコンベア37により商品容器ステーションO1、O2、O3、O4上に移送されてよい。
処理装置100は、上述の商品ピッキング装置1の各種動作を制御する。また、処理装置100は、後述の如く、第1搬送コンベア30における各搬送容器の搬送順を決定する処理等を行う。処理装置100は、1つの処理装置により形成されてもよいし、複数の処理装置を含んでもよい。例えば、処理装置100は、第1搬送コンベア30における各搬送容器の搬送順を決定する処理等を行う処理装置と、上述の商品ピッキング装置1の各種動作の制御を行う処理装置とを別々に含んでもよい。
図2は、処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示す例では、処理装置100は、制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、ドライブ装置104、ネットワークI/F部106、入力部107を含む。
制御部101は、主記憶部102や補助記憶部103に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力部107や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、記憶装置などに出力する。
主記憶部102は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部101が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
補助記憶部103は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
ドライブ装置104は、記録媒体105、例えばフレキシブルディスクからプログラムを読み出し、記憶装置にインストールする。
記録媒体105は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体105に格納されたプログラムは、ドライブ装置104を介して処理装置100にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、処理装置100により実行可能となる。
ネットワークI/F部106は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と処理装置100とのインターフェースである。
入力部107は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、マウスやスライスパット等を有する。
尚、図2に示す例において、以下で説明する各種処理等は、プログラムを処理装置100に実行させることで実現することができる。また、プログラムを記録媒体105に記録し、このプログラムが記録された記録媒体105を処理装置100に読み取らせて、以下で説明する各種処理等を実現させることも可能である。なお、記録媒体105は、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。例えば、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的,電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。なお、記録媒体105には、搬送波は含まれない。
図3は、処理装置100により実行される処理の流れを概略的に示すフローチャートである。図3に示す処理は、例えば商品ピッキング装置1の稼働開始時や、ストック商品容器ステーションP1、P2等へ新たな商品容器が移送され且つその商品容器内に未引当の商品が存在するときに、随時実行されてよい。また、図3に示す処理は、新たな店舗オーダーが所定数入力されたときに実行されてもよい。
ステップ300では、処理装置100は、店舗オーダー情報入力処理を行う。店舗オーダー情報入力処理は、店舗オーダー情報を記憶装置(例えば、補助記憶部103)から読み出す処理を含んでよい。店舗オーダー情報は、商品納入先の店舗名、オーダーされた商品の種類及び商品の数量(引当数)等を表す情報を含んでよい。店舗オーダー情報は、例えば入力部107を介して入力されてもよいし、ネットワークI/F部106や記録媒体105を介して入力されてもよい。尚、以下では、説明の都合上、店舗オーダー情報は、1つの店舗オーダー毎に存在するものとする。店舗オーダーは、同一店舗について複数個存在してもよい。ここでは、前提として、1つの店舗オーダーに係る商品の数量は、搬送容器内に配置可能な商品の最大数量以下であるものとする。尚、あるオーダーによる商品の数量が搬送容器内に配置可能な商品の最大数量より多い場合は、前処理により当該オーダーを複数の店舗オーダーに分割することとしてよい。
ステップ310では、処理装置100は、払い出し順決定処理を行う。払い出し順決定処理は、各店舗オーダーに対して1つずつ搬送容器を割り当てたときの各搬送容器の払い出し順(出庫順序)を決定することを含む。尚、後述の如く、1つの店舗オーダーに係る搬送容器は、残数ピッキングに起因して複数個の搬送容器に分離する場合もある。各搬送容器の払い出し順は、任意の態様で決定されてよい。例えば、各店舗オーダーの受信順であってもよいし、特定の店舗に係る店舗オーダーに係る搬送容器の払い出し順が優先される態様であってもよい。尚、図4に示すように、同一の店舗(この場合、店舗X)に係る複数の店舗オーダーが存在する場合、払い出し順は、最下流の容器停止ステーション(以下、「最下流ST」という)が下流側となる搬送容器が先に払い出される態様で決定されてもよい。ここで、最下流STとは、搬送容器が商品配置ライン4から商品払出ライン6に排出される際に停止していた容器停止ステーションを指す。即ち、商品の配置が完了するときの容器停止ステーションを指す。例えば、図4に示す例において、1番目の店舗オーダーに係る搬送容器は、容器停止ステーションR2にて全ての商品が配置されて完成容器受ステーションS2へと排出されるので、最下流STは、容器停止ステーションR2となる。尚、最下流STは、店舗オーダー情報に基づいて判断することができる。例えば、ある店舗オーダーに係る商品の種類が、容器停止ステーションR1で配置される商品と、容器停止ステーションR4で配置される商品とを含む場合は、最下流STは、容器停止ステーションR4となる。尚、図4では、横の3行で3つの店舗オーダーを表し、●は、容器停止ステーションR1、R2、R3、R4のうちの、通常ピッキング又は残数ピッキングが行われる容器停止ステーション(以下、「ピッキングST」ともいう)を表す。即ち、ピッキングSTは、商品が配置される容器停止ステーションを指す。また、ピッキングSTのうち、残数ピッキングが行われるピッキングSTについては、「残数ピッキングST」ともいう。尚、ピッキングSTでない容器停止ステーションで停止している搬送容器に対しては、商品が配置されない(即ち、ピッキングSTでない容器停止ステーションに対応するロボット51乃至54は動作しない)。
ステップ320では、処理装置100は、上記ステップ310で決定した払い出し順に基づいて、対象候補容器選定処理を行う。対象候補容器選定処理は、払い出し順の早い順から、所定数の搬送容器を抽出(選定)することを含む。所定数は、2以上の任意の数であり、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。所定数は、多くなるほどデッドロック(後述)の可能性が高くなる反面、ロボット51乃至54の稼働率を高めることができる。本例では、特に言及しない限り、一例として固定値"7"であるとする。但し、以下で後述するが、所定数は低減される場合がある。図5は、搬送順が確定していない店舗オーダーについて、払い出し順の早い順から店舗オーダーをソートしたテーブルを示す。この場合、払い出し順の早い順から7個の店舗オーダーに係る搬送容器を対象候補容器として選定する。以下、所定数の対象候補容器について、全体を表すときは、「対象候補容器グループ」とも称する。
ステップ330では、処理装置100は、搬送順決定処理を行う。搬送順決定処理は、上記ステップ320にて選定した対象候補容器グループ内の各対象候補容器の搬送順を決定する処理である。搬送順とは、商品配置ライン4における搬送順であり、商品配置ライン4における下流側の方が搬送順が早いことになる。搬送順決定処理の方法の詳細は後述する。
ステップ340では、処理装置100は、上記ステップ330で決定(確定)した搬送順に基づいて、搬送容器供給処理と搬送容器払い出し処理を行う。
搬送容器供給処理は、上記ステップ330で確定した搬送順に基づいて、空容器供給装置20による空の搬送容器の供給や、ロボット51乃至54による通常ピッキングや残数ピッキングコンベア36による残数ピッキング等を実行させることを含む。搬送容器供給処理の一例の詳細は後述する。
搬送容器払い出し処理は、完成容器排出コンベア34による排出や第2搬送コンベア32による搬送等を実行させることを含む。搬送容器払い出し処理の一例の詳細は後述する。
図6は、搬送順決定処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
ステップ600では、処理装置100は、上記ステップ320にて選定した対象候補容器グループ内の各対象候補容器に対して搬送順の仮決定処理を行う。各対象候補容器の搬送順は、最下流STが下流側の順に、且つ、最下流STが同じときは払い出し順が早い順に、決定される。例えば、図7に示す例では、対象候補容器グループは、対象候補容器が7つであり、払い出し順が4番目と7番目の対象候補容器は、最下流STが容器停止ステーションR4で、最も下流側の最下流STを持つ。従って、この場合、払い出し順が4番目の対象候補容器は、これらの7つの対象候補容器の中で、搬送順が1番目となる。尚、ステップ600で決定される搬送順は、仮決定されたものであり、その後、変更されうる(換言すると、そのまま確定される場合もある)。以下では、搬送順は、特に言及しない限り、1つの対象候補容器グループの中の搬送順を表す。最終的には、対象候補容器グループ毎に搬送順が決定されていくので、全体の中の搬送順は、ある対象候補容器グループ内の1番目の搬送順の対象候補容器は、前の対象候補容器グループの最後の搬送順の対象候補容器の次となる。
ステップ602では、処理装置100は、上記ステップ600で仮決定した搬送順に基づいて、上記ステップ320にて選定した対象候補容器グループ内の各対象候補容器に対してピッキング数量の引当処理を行う。ピッキング数量の引当処理は、対象候補容器グループ内の各対象候補容器に係る店舗オーダー情報に基づいて実行される。図8は、仮決定した搬送順にソートした店舗オーダーに対する各ピッキングSTでの引当数量を表すテーブルである。図8に示す例では、例えば、1番目の搬送順の対象候補容器に対しては、容器停止ステーションR4で商品が4つ配置される。また、2番目の搬送順の対象候補容器に対しては、容器停止ステーションR2で商品が3つ配置され、かつ、容器停止ステーションR4で商品が2つ配置される。
ステップ604では、処理装置100は、上記ステップ602での引当処理結果に基づいて、対象候補容器グループ内において残数ピッキングの対象となる対象候補容器が存在するか否かを判定する。残数ピッキングの対象となる対象候補容器とは、残数ピッキングが可能な店舗オーダーに係る対象候補容器である。例えば、ある店舗オーダーに対して、あるピッキングSTでの引当数量が、その容器停止ステーションに対応した商品容器ステーション上の商品容器内の商品の残存数量以上である場合、当該店舗オーダーに係る対象候補容器は、残数ピッキングの対象となる。商品容器ステーション上の商品容器内の商品の残存数量は、その商品の引当が行われる毎に、その引当数量だけ減少される。残存数量が引当後にちょうど0になると、初期数量(ストック用の新しい商品容器内の商品の数)にリセットされる。また、残存数量が引当数量に足りないときは、残数ピッキングが実行されることを意味し、残存数量は、初期数量から足りない数量を引いた数量にリセットされる。例えば、図8に示す例において、容器停止ステーションR3は、搬送順が3〜5番目の店舗オーダーに対してピッキングSTとなり、それぞれ、2個,3個及び6個の商品が引当されている。容器停止ステーションR3に対応する商品容器ステーションO3上の商品容器内の商品の初期数量を"10"とし、搬送順が3番目の店舗オーダーに対する引当前の残存数量を"9"とする。このとき、残存数量は、搬送順が3番目の店舗オーダーに対する引当後に、"7"となり、搬送順が4番目の店舗オーダーに対する引当後に、"4"となる。次に、搬送順が5番目の店舗オーダーに対する引当では、残存数量"4"が引当数量"6"に"2"足りないことから、当該店舗オーダーに係る対象候補容器は、残数ピッキングの対象となる。この結果、搬送順が5番目の店舗オーダーに対する引当後は、搬送順が5番目の店舗オーダーに対する引当後は、残存数量は"8"(=10−2)となる。尚、搬送順が5番目の店舗オーダーに係る不足の2個については、ストック商品容器ステーションP3上の商品容器内の2個の商品が引当られる。即ち、上述した補充ピッキングが実行されることになる。
本ステップ604において、対象候補容器グループ内に残数ピッキングの対象となる対象候補容器が存在しない場合は、ステップ612に進む。他方、対象候補容器グループ内に残数ピッキングの対象となる対象候補容器が存在する場合は、当該対象候補容器を残数ピッキングの対象の対象候補容器として決定し、ステップ606に進む。尚、図9は、本ステップ604の処理結果の説明図である。図9に示すテーブルでは、残数ピッキングの対象となる対象候補容器に係る引当数量の欄に"残数P"という文字が入れられている。尚、残数ピッキングは、1つの店舗オーダーに対して2つ以上の容器停止ステーションで実行される場合もありうる。
ステップ606では、処理装置100は、残数ピッキングの対象となる対象候補容器について、空の搬送容器の供給が必要となるか否かを判定する。残数ピッキングの対象となる対象候補容器について、空の搬送容器の供給が必要となる場合とは、残数ピッキングにより移送される商品容器によって空の搬送容器を差し替えできない場合に対応する。ある店舗オーダーについて、残数ピッキングSTよりも上流側に別のピッキングSTが存在しない場合、当該店舗オーダーに係る対象候補容器については、商品容器によって空の搬送容器の差し替えが可能である。即ち、空の搬送容器の供給が不要である。例えば、図9に示す例では、搬送順が7番目の店舗オーダーについては、残数ピッキングSTである容器停止ステーションR1よりも上流側に別のピッキングSTが存在しない。この場合、搬送順が7番目の店舗オーダーに係る対象候補容器については、商品容器によって空の搬送容器の差し替えが可能である。他方、ある店舗オーダーについて、残数ピッキングSTよりも上流側に別のピッキングSTが存在する場合、当該店舗オーダーに係る対象候補容器については、商品容器によって空の搬送容器の差し替えが可能でない。即ち、空の搬送容器の供給が必要である。例えば、図9に示す例では、搬送順が5番目の店舗オーダーについては、残数ピッキングSTである容器停止ステーションR3よりも上流側に別のピッキングST(容器停止ステーションR1)が存在する。この場合、搬送順が5番目の店舗オーダーに係る対象候補容器については、商品容器によって空の搬送容器の差し替えが可能でない。
本ステップ606において、残数ピッキングの対象となる対象候補容器について、空の搬送容器の供給が必要でない場合は、ステップ612に進む。他方、残数ピッキングの対象となる対象候補容器について、空の搬送容器の供給が必要である場合は、ステップ608に進む。尚、残数ピッキングの対象となるが空の搬送容器の供給が必要である店舗オーダーについては、対象候補容器が増加する。例えば、図9に示す例では、搬送順が5番目の店舗オーダーについては、空の搬送容器と、残数ピッキングにより移送される商品容器の2つの搬送容器が必要となる。これに伴い、搬送順が5番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、2つに増加(分離)する。以下では、これらの対象候補容器を区別する場合、空の搬送容器に対する対象候補容器を「元対象候補容器」とも称し、残数ピッキングにより移送される商品容器に対する対象候補容器を「残数ピッキング対象候補容器」とも称する。
ステップ608では、処理装置100は、対象候補容器の増加に伴い、各対象候補容器に対して搬送順の仮決定処理を再度行う。この際も同様に、各対象候補容器の搬送順は、最下流STが下流側の順に、且つ、最下流STが同じときは払い出し順が早い順に、決定される。尚、ここでは、1つの店舗オーダーに係る元対象候補容器及び残数ピッキング対象候補容器については、払い出し順は、元対象候補容器の直後に残数ピッキング対象候補容器が連続するように決定される。即ち、残数ピッキング対象候補容器の払い出し順は、元対象候補容器の払い出し順の次とされる。尚、残数ピッキング対象候補容器が2つ以上存在する場合も、同様であり、元対象候補容器の払い出し順の直後から連続する。例えば、図10には、図7乃至図9に示した例とは異なり、4つの対象候補容器を含む対象候補容器グループに関する例が示されている。図10において、(A)は、上記ステップ600における仮決定時の状態を示し、(B)は、上記ステップ608における再度の仮決定後の状態を示す。図10(A)において、払い出し順が2番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、容器停止ステーションR2にて残数ピッキングの対象とされる。しかしながら、払い出し順が2番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、容器停止ステーションR1においても商品が配置されるので、残数ピッキングによる商品容器によって空の搬送容器の差し替えが可能でない。このため、払い出し順が2番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、2つに増加(分離)する。このとき、払い出し順は、元対象候補容器は"2.0"番目であり、残数ピッキング対象候補容器は"2.1"番目である。尚、ここでは、都合上"2.0"及び"2.1"としているが、2.1番目は3番目として、当初の3番目以降を4番目以降に変更し直してもよい。この場合、再度の仮決定後の搬送順は、図10(B)の通りとなる。従って、この場合では、払い出し順が1番目の店舗オーダーに係る対象候補容器と、払い出し順が4番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、搬送順が1つだけ(ピッキング対象候補容器の分だけ)遅くなる。尚、図10(B)において、○は、当初予定の通常ピッキングが残数ピッキングにより不要となったことを表している。
ステップ610では、処理装置100は、上記ステップ608で再度仮決定された各対象候補容器の搬送順に基づいて、残数ピッキングが依然として可能であるか否かを判定する。この判定は、上記ステップ602及びステップ604と同様の処理を再度行うことで実現されてもよい。或いは、より簡易的に、残数ピッキングSTにおいて商品が配置される複数の対象候補容器の搬送順のうち、残数ピッキング対象候補容器の搬送順までが、上記ステップ608における仮決定に起因して変化したか否かを判定してもよい。即ち、残数ピッキングSTにおいて商品が配置される他の対象候補容器との関係で、残数ピッキング対象候補容器の当該残数ピッキングSTでの商品配置順が、上記ステップ608における仮決定に起因して変化したか否かを判定してよい。かかる変化が生じたときは、残数ピッキング対象候補容器よりも先に当該残数ピッキングSTにおいて商品が配置される対象候補容器が、上記ステップ608における仮決定に起因して新たに発生したことを意味する。残数ピッキング対象候補容器よりも先に残数ピッキングSTにおいて商品が配置される対象候補容器が、上記ステップ608における仮決定に起因して新たに発生していない場合は、残数ピッキングが依然として可能である。尚、残数ピッキングSTにおいて商品が配置される対象候補容器が、残数ピッキング対象候補容器のみである場合は、残数ピッキングが依然として可能である。
例えば、図10に示す例では、上記ステップ600の仮決定結果によれば、図10(A)に示すように、残数ピッキングSTである容器停止ステーションR2では、払い出し順が2番目と4番目の各店舗オーダーに係る対象候補容器の順に商品が配置される。上記ステップ608の再度の仮決定結果によれば、容器停止ステーションR2では、払い出し順が2.1番目と4番目の各店舗オーダーに係る対象候補容器の順に商品が配置される。従って、払い出し順が2.1番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、上記ステップ608における再度の仮決定後においても、他の店舗オーダーに係る対象候補容器よりも先に容器停止ステーションR2に搬送される。即ち、残数ピッキング対象候補容器、即ち払い出し順が2.1番目の店舗オーダーに係る対象候補容器に対しては、上記ステップ604で予定した通りの残数ピッキングが可能である。
他方、図11は、残数ピッキングが可能でなくなる場合を示し、(A)は、上記ステップ600における仮決定時の状態を示し、(B)は、上記ステップ608における再度の仮決定後の状態を示す。上記ステップ600の仮決定結果によれば、図11(A)に示すように、残数ピッキングが実行される容器停止ステーションR2では、払い出し順が2番目と4番目の各店舗オーダーに係る対象候補容器の順に商品が配置される。上記ステップ608の再度の仮決定結果によれば、容器停止ステーションR2では、払い出し順が4番目と2.1番目の各店舗オーダーに係る対象候補容器の順に商品が配置される。従って、払い出し順が2.1番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、上記ステップ608における再度の仮決定に起因して、他の店舗オーダーに係る対象候補容器よりも後に容器停止ステーションR2にて商品が配置される。即ち、払い出し順が2.1番目の店舗オーダーに係る対象候補容器に対しては、上記ステップ604で予定した通りの残数ピッキングが可能でなくなる。
本ステップ610において、残数ピッキングが依然として可能である場合は、ステップ612に進む。他方、残数ピッキングが可能でない場合は、対象候補容器グループ内の対象候補容器の数(所定数)を低減して(ステップ616)、上記ステップ310からの処理をやり直す。即ち、対象候補容器の選定数を低減し、数を低減した対象候補容器を含む対象候補容器グループに対して、ステップ600からの処理を再度行う。尚、このとき、所定数の低減に起因して対象候補容器グループ内から除外される対象候補容器は、結果として、所定数低減前の対象候補容器グループ内のうちの、払い出し順が最も遅い対象候補容器となる。尚、この払い出し順が最も遅い対象候補容器が、残数ピッキング対象候補容器に対応するときは、当該残数ピッキング対象候補容器に対する元対象候補容器が除外されることになる。このようにして、ステップ612に進めるまで、対象候補容器の選定数を低減し、ステップ600からの処理を繰り返す。尚、1回の低減数は、任意であるが、例えば"1"であってよい。
ステップ612では、処理装置100は、仮決定状態の搬送順に基づいて、デッドロック判定処理を行う。即ち、処理装置100は、仮決定状態の搬送順に基づいて、払い出し順に従った払い出しが不能となるデッドロックが発生するか否かを判定する。仮決定状態の搬送順とは、上記ステップ600で仮決定された搬送順に対応するが、上記ステップ608の処理を経由した場合は、上記ステップ608で再度仮決定された搬送順に対応する。デッドロックは、払い出し順が後の搬送容器が払い出し順が先の搬送容器よりも先に商品払出ライン6に排出される場合に生じる。例えば、図12は、デッドロックが発生する場合の一例を示す図であり、図13は、デッドロックが発生しない場合の一例を示す図である。図12及び図13において、■は、ある時点における各店舗オーダーに係る対象候補容器の位置を仮想的に表す。図12及び図13には、5つの対象候補容器を含む対象候補容器グループに関する例が示されている。図12に示す例では、払い出し順が3番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、容器停止ステーションR3に位置する。払い出し順が3番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、最下流STが容器停止ステーションR3であるので、この位置で商品払出ライン6に排出される必要がある。他方、払い出し順が1番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、容器停止ステーションR2より1つ上流側のバッファステーションB1に位置する。また、払い出し順が2番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、容器停止ステーションR1に位置する。払い出し順が1番目及び2番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、最下流STが容器停止ステーションR2である。しかしながら、払い出し順が1番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、容器停止ステーションR2上に他の対象候補容器(払い出し順が5番目の店舗オーダーに係る対象候補容器)が存在するので、容器停止ステーションR2に進むことができない。また、払い出し順が5番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、最下流STが容器停止ステーションR3であるので、この位置で商品払出ライン6に排出させることができない。これは、払い出し順が5番目の店舗オーダーに係る対象候補容器よりも下流側のバッファステーションB2上の他の対象候補容器(払い出し順が4番目の店舗オーダーに係る対象候補容器)についても同様である。この結果、払い出し順が3番目の店舗オーダーに係る対象候補容器を商品払出ライン6に排出させなければ、払い出し順が1番目の店舗オーダーに係る対象候補容器を容器停止ステーションR2へ移動することができないことになる。従って、払い出し順が3番目の店舗オーダーに係る対象候補容器を商品払出ライン6に排出させる必要がある。この結果、払い出し順が3番目の店舗オーダーに係る対象候補容器が、払い出し順が1番目の店舗オーダーに係る対象候補容器よりも前に商品払出ライン6に排出されることになる。即ち、デッドロックが発生する。これに対して、図13に示す例では、図12に示す例に比べて、対象候補容器の数が1つ低減されている。具体的には、払い出し順が5番目(対象候補容器グループ内で最も遅い)の店舗オーダーに係る対象候補容器が除外されている。この場合、払い出し順が1番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、この位置で商品払出ライン6に排出することができる。これに伴い、払い出し順が2番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、容器停止ステーションR2に進むことができる。この結果、払い出し順が3番目の店舗オーダーに係る対象候補容器は、払い出し順が1番目及び2番目の店舗オーダーに係る対象候補容器よりも前に商品払出ライン6に排出されることが回避される。即ち、デットロッは発生しない(回避されている)。
本ステップ612において、デッドロックが発生しない場合は、ステップ614に進む。他方、デッドロックが発生する場合は、対象候補容器グループ内の対象候補容器の数(所定数)を低減して(ステップ616)、上記ステップ320からの処理をやり直す。尚、このとき、所定数の低減に起因して対象候補容器グループ内から除外される対象候補容器は、結果として、所定数低減前の対象候補容器グループ内のうちの、払い出し順が最も遅い対象候補容器となる。尚、この払い出し順が最も遅い対象候補容器が、残数ピッキング対象候補容器に対応するときは、当該残数ピッキング対象候補容器に対する元対象候補容器が除外されることになる。このようにして、ステップ614に進めるまで、対象候補容器の選定数を低減し、ステップ600からの処理を繰り返す。
ステップ614では、処理装置100は、仮決定状態の搬送順を確定させる。即ち、処理装置100は、仮決定状態の搬送順を最終的な搬送順として決定(確定)する。仮決定状態の搬送順とは、上記ステップ600で仮決定された搬送順に対応するが、上記ステップ608の処理を経由した場合は、上記ステップ608で再度仮決定された搬送順に対応する。
図14は、デッドロック判定処理の一例を示すフローチャートである。図14に示すデッドロック判定処理は、図6に示したステップ612において採用されてよい。
ステップ1400では、処理装置100は、仮決定状態の搬送順に基づいて、対象候補容器グループ内の各対象候補容器のうち、搬送順の早い順に対象候補容器を1つ選択する。尚、選択対象は、残数ピッキング対象候補容器も含まれる。
ステップ1402では、処理装置100は、上記ステップ1400で選択した対象候補容器を、デッドロック判定用の仮想ステーション配列上に配置する。デッドロック判定用の仮想ステーション配列は、図15に示すように、商品配置ライン4内の各ステーション40と、仮想バッファV11乃至V47とを含む。仮想バッファV11乃至V17は、容器停止ステーションR1への供給待ちのステーションを仮想したものであり、対象候補容器の数(本例では7つ)用意される。これは、空の搬送容器から始まる対象候補容器は、対象候補容器グループ内に最大で7つありうるためである。尚、容器停止ステーションR1に残数ピッキングにより移送される搬送容器(商品容器)から始まる対象候補容器は、空の搬送容器から始まる対象候補容器と同様に扱うことができる。尚、上述の如く所定数が低減されると(対象候補容器グループ内の対象候補容器の数が低減されると)、それに応じて仮想バッファV11乃至V17のうちの、仮想バッファV17から順に除外される。例えば、対象候補容器の数が5つであるとき、仮想バッファV11乃至V15が設定される。仮想バッファV21乃至V27は、同様に、容器停止ステーションR2への供給待ちのステーションを仮想したものであり、対象候補容器の数(本例では7つ)用意される。これは、容器停止ステーションR2に残数ピッキングにより移送される搬送容器(商品容器)から始まる対象候補容器は、対象候補容器グループ内に最大で7つありうるためである。尚、以下では、容器停止ステーションR2に残数ピッキングにより移送される搬送容器(商品容器)から始まる対象候補容器は、「容器停止ステーションR2からの残数ピッキング対象候補容器」ともいう。他の容器停止ステーションR3、R4に残数ピッキングにより移送される搬送容器(商品容器)から始まる対象候補容器についても同様である。仮想バッファV31乃至V37は、同様に、容器停止ステーションR3への供給待ちのステーションを仮想したものであり、対象候補容器の数(本例では7つ)用意される。これは、容器停止ステーションR3からの残数ピッキング対象候補容器は、対象候補容器グループ内に最大で7つありうるためである。仮想バッファV41乃至V47は、同様に、容器停止ステーションR4への供給待ちのステーションを仮想したものであり、対象候補容器の数(本例では7つ)用意される。これは、容器停止ステーションR4からの残数ピッキング対象候補容器は、対象候補容器グループ内に最大で7つありうるためである。仮想ステーション配列では、仮想バッファV11乃至V47もステーションとして扱われる。上流と下流の考え方は、上流側から順にV11...V17,R1,B1,V21...V27,R2,B2,V31...V37,R3,B3,V41...V47,R4となる。
具体的には、処理装置100は、上記ステップ1400で選択した対象候補容器を、以下のルールに従って、仮想ステーション配列上に配置する。選択した対象候補容器が空の搬送容器から始まる対象候補容器であるとき、選択した対象候補容器の最下流STから仮想バッファV11までの間の最下流のステーションに配置する。最下流STから仮想バッファV11までの間に、他の対象候補容器が既に配置されているときは、処理装置100は、選択した対象候補容器を、最も上流側の他の対象候補容器のステーションから仮想バッファV11までの間の最下流のステーションに配置する。例えば、図16は、選択した対象候補容器が、空の搬送容器から始まる対象候補容器であり、かつ、最下流STが容器停止ステーションR3である場合の配置可能範囲を示す。この場合、配置可能範囲は、容器停止ステーションR3から仮想バッファV11までの間となる。配置可能範囲内に、他の対象候補容器が既に配置されているときは、当該他の対象候補容器が配置されているステーションから仮想バッファV11までの間が配置可能範囲となる。例えば、仮想バッファV27に他の対象候補容器(容器停止ステーションR2からの残数ピッキング対象候補容器)が既に配置されているときは、配置可能範囲は、バッファステーションB1から仮想バッファV11までの間となる。また、図17は、選択した対象候補容器が、容器停止ステーションR2からの残数ピッキング対象候補容器であり、かつ、最下流STが容器停止ステーションR3である場合の配置可能範囲を示す。この場合、配置可能範囲は、容器停止ステーションR3から仮想バッファV21までの間となる。配置可能範囲内に、他の対象候補容器が既に配置されているときは、同様に、当該他の対象候補容器が配置されているステーションから仮想バッファV21までの間が配置可能範囲となる。
ステップ1404では、処理装置100は、上記ステップ1402で配置した対象候補容器の配置位置よりも下流側に、上記ステップ1402で配置した対象候補容器よりも払い出し順が遅い他の対象候補容器が存在するか否かを判定する。このとき、他の対象候補容器の存在を確認すべき範囲(以下、「他対象候補容器確認範囲」という)は、仮想バッファV11乃至V47のうちの、上記ステップ1402で配置した対象候補容器の配置位置よりも下流側の仮想バッファを含む。例えば、図18は、選択した対象候補容器の配置位置が仮想バッファV21であるときの他対象候補容器確認範囲Fを示す。この場合、他対象候補容器確認範囲Fは、容器停止ステーションR3から仮想バッファV22までの間となる。
ステップ1404において、対象候補容器の配置位置よりも下流側に、払い出し順が遅い他の対象候補容器が存在する場合は、ステップ1410に進み、対象候補容器の配置位置よりも下流側に、払い出し順が遅い他の対象候補容器が存在しない場合は、ステップ1406に進む。
ステップ1406では、対象候補容器グループ内の全ての対象候補容器の配置が完了したか否かを判定する。全ての対象候補容器の配置が完了した場合は、ステップ1408に進み、それ以外の場合は、ステップ1400に戻る。この場合、ステップ1400では、次に搬送順の早い対象候補容器が選択されることになる。このようにして、ステップ1404で否定判定されずに、全ての対象候補容器の配置が完了すると、ステップ1408に進む。
ステップ1408では、処理装置100は、デッドロックが発生しないと判定する。
ステップ1410では、処理装置100は、デッドロックが発生すると判定する。
尚、図14に示す例では、各対象候補容器の配置毎にステップ1404の判定を行っているが、全ての対象候補容器の配置後にステップ1404の判定を行ってもよい。
次に、搬送容器供給処理及び搬送容器払い出し処理(図3のステップ330参照)について説明する。
図19は、空容器供給装置20による空の搬送容器の容器停止ステーションR1への供給ルールの説明図である。ここでは、1〜6番目までの搬送順の店舗オーダーに関して説明する。
空の搬送容器は、搬送容器が容器停止ステーションR1を通過する毎に供給される。例えば、空容器供給装置20は、搬送順が1番目の店舗オーダーに係る空の搬送容器については、容器停止ステーションR1に1番目に供給する。空容器供給装置20は、搬送順が2番目の店舗オーダーに係る空の搬送容器については、搬送順が1番目の店舗オーダーに係る搬送容器が容器停止ステーションR1を通過した直後に、容器停止ステーションR1に供給する。容器停止ステーションR1を通過した直後とは、バッファステーションB1への移動直後又は完成容器受ステーションS1への排出直後を含む。これは、他の容器停止ステーションR2、R3、R4に関しても同様である。搬送順が3番目の店舗オーダーに係る搬送容器は、容器停止ステーションR4での残数ピッキングにより移送される商品容器により形成される。従って、空容器供給装置20は、搬送順が3番目の店舗オーダーに係る空の搬送容器は供給しない。以下、同様に、空容器供給装置20は、搬送順が4番目の店舗オーダーに係る空の搬送容器については、搬送順が2番目の店舗オーダーに係る搬送容器が容器停止ステーションR1を通過した直後に、容器停止ステーションR1に供給する。搬送順が5番目の店舗オーダーに係る搬送容器は、容器停止ステーションR1での残数ピッキングにより移送される商品容器により形成される。従って、空容器供給装置20は、搬送順が5番目の店舗オーダーに係る空の搬送容器は供給しない。空容器供給装置20は、搬送順が6番目の店舗オーダーに係る空の搬送容器については、搬送順が5番目の店舗オーダーに係る搬送容器が容器停止ステーションR1を通過した直後に、容器停止ステーションR1に供給する。
図20は、残数ピッキングコンベア36による残数ピッキングタイミングの説明図であある。即ち、図20は、残数ピッキングに係る商品容器の容器停止ステーションR1、R2、R3、R4への移送ルールの説明図である。ここでは、1〜10番目までの搬送順の店舗オーダーに関して説明する。
残数ピッキングは、対応する残数ピッキングSTを通過する予定の他の搬送容器であって、残数ピッキングの対象の搬送容器よりも搬送順の早い全ての他の搬送容器が、残数ピッキングSTを通過した直後に実行される。例えば、容器停止ステーションR3に対応する残数ピッキングコンベア36は、搬送順が1番目の店舗オーダーに係る搬送容器が容器停止ステーションR3を通過した直後に、商品容器ステーションO3上の商品容器を容器停止ステーションR3上に移送する。このようにして移送された商品容器は、搬送順が2番目の店舗オーダーに係る搬送容器を形成する。容器停止ステーションR2に対応する残数ピッキングコンベア36は、搬送順が4番目の店舗オーダーに係る搬送容器が容器停止ステーションR2を通過した直後に、商品容器ステーションO2上の商品容器を容器停止ステーションR2上に移送する。このようにして移送された商品容器は、搬送順が5番目の店舗オーダーに係る搬送容器を形成する。容器停止ステーションR1に対応する残数ピッキングコンベア36は、搬送順が4番目の店舗オーダーに係る搬送容器が容器停止ステーションR1を通過した直後に、商品容器ステーションO1上の商品容器を容器停止ステーションR1上に移送する。このようにして移送された商品容器は、搬送順が6番目の店舗オーダーに係る搬送容器を形成する。容器停止ステーションR4に対応する残数ピッキングコンベア36は、搬送順が1番目の店舗オーダーに係る搬送容器が容器停止ステーションR4を通過した直後に、商品容器ステーションO4上の商品容器を容器停止ステーションR4上に移送する。このようにして移送された商品容器は、搬送順が7番目の店舗オーダーに係る搬送容器を形成する。容器停止ステーションR3に対応する残数ピッキングコンベア36は、搬送順が6番目の店舗オーダーに係る搬送容器が容器停止ステーションR3を通過した直後に、商品容器ステーションO3上の商品容器を容器停止ステーションR3上に移送する。このようにして移送された商品容器は、搬送順が8番目の店舗オーダーに係る搬送容器を形成する。容器停止ステーションR2に対応する残数ピッキングコンベア36は、搬送順が6番目の店舗オーダーに係る搬送容器が容器停止ステーションR2を通過した直後に、商品容器ステーションO2上の商品容器を容器停止ステーションR2上に移送する。このようにして移送された商品容器は、搬送順が9番目の店舗オーダーに係る搬送容器を形成する。容器停止ステーションR1に対応する残数ピッキングコンベア36は、搬送順が6番目の店舗オーダーに係る搬送容器が容器停止ステーションR1を通過した直後に、商品容器ステーションO1上の商品容器を容器停止ステーションR1上に移送する。このようにして移送された商品容器は、搬送順が10番目の店舗オーダーに係る搬送容器を形成する。
図21は、商品配置ライン4におけるステーション40間の搬送容器の搬送ルール(その1)の説明図である。即ち、図21は、ステーション40間の第1搬送コンベア30による搬送容器の搬送ルールの説明図である。図21には、左側に搬送前(移動前)の状態を示し、右側に搬送後(移動後)の状態を示す。また、図21では、説明の都合上、バッファステーションB2よりも下流側のステーション40については図示を省略している。これらは、以下の図22乃至図27においても同様である。
図21に示す例では、容器停止ステーションR1上に搬送容器Cが存在し、下流側のバッファステーションB1上に搬送容器が存在しない。搬送容器Cの最下流STは、容器停止ステーションR1ではないとする。この場合、図21の右側にて矢印で示すように、搬送容器Cはそのまま(制約なしに)バッファステーションB1上に移動される。即ち、容器停止ステーションR1とバッファステーションB1との間の第1搬送コンベア30は、容器停止ステーションR1上の搬送容器CをバッファステーションB1上に搬送する。尚、このルールは、他の容器停止ステーションR2、R3上の搬送容器についても同様に成り立つ。このように、ある容器停止ステーション上の搬送容器は、1つ下流側のバッファステーションに他の搬送容器が存在しない場合は、そのまま1つ下流側のバッファステーションに搬送される。
図22は、商品配置ライン4におけるステーション40間の搬送容器の搬送ルール(その2)の説明図である。
図22に示す例では、容器停止ステーションR1上に搬送容器C1が存在し、下流側のバッファステーションB1上に他の搬送容器C2が存在する。搬送容器C1の最下流STは、容器停止ステーションR1ではないとする。この場合、図22の右側にて矢印で示すように、双方の搬送容器C1,C2が同タイミングで次のステーション40へと搬送される。具体的には、バッファステーションB1と容器停止ステーションR2との間の第1搬送コンベア30は、バッファステーションB1上の搬送容器C2を容器停止ステーションR2上に搬送する。これと同時に、容器停止ステーションR1とバッファステーションB1との間の第1搬送コンベア30は、容器停止ステーションR1上の搬送容器C1をバッファステーションB1上に搬送する。このように、ある容器停止ステーション上の搬送容器は、1つ下流側のバッファステーションに他の搬送容器が存在する場合は、当該他の搬送容器と同時に1つ下流側のステーション40へと搬送される。
図23は、商品配置ライン4におけるステーション40間の搬送容器の搬送ルール(その3)の説明図である。
図23に示す例では、バッファステーションB1上に搬送容器C1が存在し、下流側の容器停止ステーションR2上に搬送容器が存在しない。この場合、この場合、図23の右側にて矢印で示すように、搬送容器Cはそのまま(制約なしに)容器停止ステーションR2上に移動される。即ち、バッファステーションB1と容器停止ステーションR2との間の第1搬送コンベア30は、バッファステーションB1上に搬送容器C1を容器停止ステーションR2上に搬送する。尚、このルールは、他のバッファステーションB2、B3上の搬送容器についても同様に成り立つ。このように、あるバッファステーション上の搬送容器は、1つ下流側の容器停止ステーションに他の搬送容器が存在しない場合は、そのまま1つ下流側の容器停止ステーションに搬送される。
図24は、商品配置ライン4におけるステーション40間の搬送容器の搬送ルール(その4)の説明図である。
図24に示す例では、バッファステーションB1上に搬送容器C1が存在し、下流側の容器停止ステーションR2上に搬送容器C2が存在する。搬送容器C2の最下流STは、容器停止ステーションR2ではないとする。この場合、図24の右側にて矢印で示すように、双方の搬送容器C1,C2が同タイミングで次のステーション40へと搬送される。具体的には、容器停止ステーションR2とバッファステーションB2との間の第1搬送コンベア30は、容器停止ステーションR2上の搬送容器C2をバッファステーションB2上に搬送する。これと同時に、バッファステーションB1と容器停止ステーションR2との間の第1搬送コンベア30は、バッファステーションB1上の搬送容器C1を容器停止ステーションR2上に搬送する。このように、あるバッファステーション上の搬送容器は、1つ下流側の容器停止ステーションに他の搬送容器が存在する場合は、当該他の搬送容器と同時に1つ下流側のステーション40へと搬送される。
図25は、商品配置ライン4におけるステーション40間の搬送容器の搬送ルール(その5)の説明図である。図25では、説明の都合上、商品払出ライン6の一部(完成容器受ステーションS1、S2、バッファステーションB4、B5)が示されている。
図25に示す例では、バッファステーションB1上に搬送容器C1が存在し、下流側の容器停止ステーションR2上に搬送容器C2が存在する。搬送容器C2の最下流STは、容器停止ステーションR2であるとする。この場合、図25の右側にて矢印で示すように、搬送容器C2が商品払出ライン6に移送されてから、搬送容器C1が容器停止ステーションR2上に移動される。具体的には、容器停止ステーションR2に対応する完成容器排出コンベア34は、全ての商品の配置が完了した搬送容器C2を商品払出ライン6の完成容器受ステーションS2に排出する。この排出後、バッファステーションB1と容器停止ステーションR2との間の第1搬送コンベア30は、バッファステーションB1上の搬送容器C1を容器停止ステーションR2上に搬送する。このように、あるバッファステーション上の搬送容器は、1つ下流側の容器停止ステーションに全ての商品の配置が完了した他の搬送容器が存在する場合は、当該他の搬送容器の排出直後に当該1つ下流側の容器停止ステーションへと搬送される。
図26は、商品配置ライン4におけるステーション40間の搬送容器の搬送ルール(その6)の説明図である。図26では、説明の都合上、商品払出ライン6の一部(完成容器受ステーションS1、S2、バッファステーションB4、B5)と商品容器ステーションO1、O2が示されている。
図26に示す例では、バッファステーションB1上に搬送容器C1が存在し、下流側の容器停止ステーションR2に対応する商品容器ステーションO2上に商品容器C3が存在する。商品容器C3は、残数ピッキングが実行される予定であり、搬送容器C1より搬送順が早いものとする。また、搬送容器C3の最下流STは、容器停止ステーションR2ではないとする。この場合、図26の右側にて矢印で示すように、先ず、商品容器C3が残数ピッキングにより容器停止ステーションR2上に移動される。次いで、図24に示した例と同様、双方の搬送容器C1,C3が同タイミングで次のステーション40へと搬送される。このように、あるバッファステーション上の搬送容器は、1つ下流側の容器停止ステーションに、搬送順が早い他の商品容器が残数ピッキングにより移送される場合は、当該商品容器の移送を待機する。
具体的には、先ず、残数ピッキングコンベア36は、商品容器ステーションO2上の商品容器C3を容器停止ステーションR2に移送する。容器停止ステーションR2に移送された商品容器C3は、搬送容器を形成し、必要に応じて補充ピッキングが実行される。次いで、容器停止ステーションR2とバッファステーションB2との間の第1搬送コンベア30は、容器停止ステーションR2上の搬送容器C3をバッファステーションB2上に搬送する。これと同時に、バッファステーションB1と容器停止ステーションR2との間の第1搬送コンベア30は、バッファステーションB1上の搬送容器C1を容器停止ステーションR2上に搬送する。
図27は、商品配置ライン4におけるステーション40間の搬送容器の搬送ルール(その7)の説明図である。図27では、説明の都合上、商品払出ライン6の一部(完成容器受ステーションS1、S2、バッファステーションB4、B5)と商品容器ステーションO1、O2が示されている。
図27に示す例では、バッファステーションB1上に搬送容器C1が存在し、下流側の容器停止ステーションR2に対応する商品容器ステーションO2上に商品容器C3が存在する。商品容器C3は、残数ピッキングが実行される予定であり、搬送容器C1より搬送順が早いものとする。また、搬送容器C3の最下流STは、容器停止ステーションR2であるとする。この場合、図27の右側にて矢印で示すように、先ず、商品容器C3が残数ピッキングにより容器停止ステーションR2上に移動される。次いで、図25に示した例と同様、搬送容器C3が商品払出ライン6に移送されてから、搬送容器C1が容器停止ステーションR2上に移動される。
具体的には、先ず、残数ピッキングコンベア36は、商品容器ステーションO2上の商品容器C3を容器停止ステーションR2に移送する。容器停止ステーションR2に移送された商品容器C3は、搬送容器を形成し、必要に応じて補充ピッキングが実行される。次いで、容器停止ステーションR2に対応する完成容器排出コンベア34は、全ての商品の配置が完了した搬送容器C3を商品払出ライン6の完成容器受ステーションS2に排出する。この排出後、バッファステーションB1と容器停止ステーションR2との間の第1搬送コンベア30は、バッファステーションB1上の搬送容器C1を容器停止ステーションR2上に搬送する。
図28は、完成容器排出コンベア34による商品払出ライン6への搬送容器の排出ルール(その1)の説明図である。尚、完成容器排出コンベア34による商品払出ライン6への搬送容器の排出は、上述の如く、搬送容器への全ての商品の配置が完了したことを前提として実行される。
図28に示す例では、容器停止ステーションR1上に搬送容器C1が存在し、容器停止ステーションR2上に搬送容器C2が存在する。搬送容器C1の最下流STは、容器停止ステーションR1であり、搬送容器C2の最下流STは、容器停止ステーションR2であるとする。搬送容器C2は、搬送容器C1より払い出し順が遅いものとする。この場合、図28の左側にて矢印で示すように、先ず、搬送容器C1が先に商品払出ライン6に排出され、搬送容器C1が第2搬送コンベア32により商品払出ライン6の下流側へと搬送される。そして、図28の右側にて矢印で示すように、搬送容器C1が完成容器受ステーションS2を通過した後に、搬送容器C2が商品払出ライン6に排出される。
具体的には、先ず、容器停止ステーションR1に対応する完成容器排出コンベア34は、搬送容器C1を完成容器受ステーションS1に排出する。第2搬送コンベア32は、完成容器受ステーションS1上の搬送容器C1をバッファステーションB4及び完成容器受ステーションS2を通ってバッファステーションB5に向けて搬送する。容器停止ステーションR2に対応する完成容器排出コンベア34は、搬送容器C1が完成容器受ステーションS2を通過した後に、容器停止ステーションR2上の搬送容器C2を完成容器受ステーションS2に排出する。
このようにして、商品配置ライン4上の上流側の搬送容器の方が払い出し順が早く、且つ、上流側の搬送容器の最下流STが下流側の搬送容器の最下流STより上流側にあるとき、商品払出ライン6への下流側の搬送容器の排出が待機される。尚、図28に示す例では、搬送容器C2は、搬送容器C1より払い出し順が遅いものとしたが、搬送容器C2が搬送容器C1より払い出し順が早い場合は、搬送容器C2はそのまま(待機なく)排出される(図29参照)。
図29は、完成容器排出コンベア34による商品払出ライン6への搬送容器の排出ルール(その2)の説明図である。
図29に示す例では、容器停止ステーションR2上に搬送容器Cが存在し、それよりも上流側に、搬送容器Cよりも払い出し順が早い搬送容器が存在しない。搬送容器Cの最下流STは、容器停止ステーションR2であるとする。この場合、搬送容器Cは商品払出ライン6へそのまま(待機なく)排出される。具体的には、容器停止ステーションR2に対応する完成容器排出コンベア34は、容器停止ステーションR2上の搬送容器Cを完成容器受ステーションS2に排出する。このようにして、商品配置ライン4上に排出可能な搬送容器が存在し、そのに排出可能な搬送容器よりも上流側に払い出し順が早い搬送容器が存在しない場合は、排出可能な搬送容器はそのまま商品払出ライン6へと排出される。
図30は、商品払出ライン6における搬送容器の搬送ルール(その1)の説明図である。即ち、図30は、商品払出ライン6における第2搬送コンベア32による搬送容器の搬送ルールの説明図である。
図30に示す例では、商品配置ライン4において搬送容器Cよりも払い出し順が早い搬送容器が存在せず、かつ、商品払出ライン6において搬送容器Cよりも下流側に搬送容器が存在しない。この場合、搬送容器Cは、そのまま完成容器出庫装置80へと払い出される。具体的には、図30に矢印にて示すように、第2搬送コンベア32は、搬送容器Cを完成容器出庫装置80に搬送する。このように、商品払出ライン6上の搬送容器は、払い出し順の早い他の搬送容器が全て払い出されているときは、そのまま完成容器出庫装置80へと搬送される。
図31は、商品払出ライン6における搬送容器の搬送ルール(その2)の説明図である。
図31に示す例では、商品配置ライン4において搬送容器C1よりも払い出し順が早い搬送容器C2が存在し、かつ、商品払出ライン6において搬送容器C1よりも下流側に搬送容器が存在しない。搬送容器C2の最下流STは、容器停止ステーションR4であるとする。また、搬送容器C1の払い出し順は、搬送容器C2の払い出し順の次であるとする。この場合、搬送容器C1は、容器停止ステーションR4に対応する完成容器受ステーションS4の1つ上流側のバッファステーションB6まで搬送され、バッファステーションB6にて搬送容器C2の排出を待機する。即ち、図31に矢印にて示すように、第2搬送コンベア32は、搬送容器C1をバッファステーションB6まで搬送して停止させる。その後、搬送容器C2が完成容器受ステーションS4に排出されると、搬送容器C2は、図30に示したルールに従って、完成容器出庫装置80へと払い出される。これに伴い、搬送容器C1は、図30に示したルールに従って、完成容器出庫装置80へと払い出される。
このようにして、商品払出ライン6上の搬送容器は、払い出し順の早い他の搬送容器が商品配置ライン4に存在する場合には、完成容器出庫装置80へと払い出されずに待機状態となる。このとき、商品払出ライン6上の搬送容器は、払い出し順の早い他の搬送容器の最下流STに対応する完成容器受ステーションS1よりも1つ上流側のバッファステーションB6で待機状態となる。
図32は、商品払出ライン6における搬送容器の搬送ルール(その3)の説明図である。
図32に示す例では、商品配置ライン4において搬送容器C3よりも払い出し順が早い搬送容器C2が存在し、且つ、商品払出ライン6において搬送容器C3よりも下流側に搬送容器C1が存在する。搬送容器C1は、図31に示した例に従って、バッファステーションB6にて搬送容器C2の排出の待機状態となっている。搬送容器C3の払い出し順は、搬送容器C1の払い出し順の次であるとする。この場合、搬送容器C3は、バッファステーションB6よりも1つ上流側の完成容器受ステーションS3まで搬送され、完成容器受ステーションS3にて搬送容器C2の排出の待機状態となる。即ち、図32に矢印にて示すように、第2搬送コンベア32は、搬送容器C3を完成容器受ステーションS3まで搬送して停止させる。その後、搬送容器C2が完成容器受ステーションS4に排出されると、搬送容器C2は、図30に示したルールに従って、完成容器出庫装置80へと払い出される。これに伴い、搬送容器C1は、図30に示したルールに従って、完成容器出庫装置80へと払い出される。これに伴い、搬送容器C3は、図30に示したルールに従って、完成容器出庫装置80へと払い出される。このようにして、商品払出ライン6上の搬送容器は、払い出し順の早い他の搬送容器が商品払出ライン6に存在する場合には、完成容器出庫装置80へと払い出されずに待機状態となる。このとき、商品払出ライン6上の搬送容器は、商品払出ライン6上の他の搬送容器(待機状態の搬送容器)のステーションよりも1つ上流側のステーションで待機状態となる。但し、商品払出ライン6上の搬送容器は、下流側に待機状態の他の搬送容器(例えば搬送容器C1)が2つ以上存在する場合、それらの最も上流側の搬送容器のステーションよりも1つ上流側のステーションで待機状態となる。
ところで、メーカー、卸売業者から小売店への納入は複数の商品を同時に納入するケースが一般的であり、また昨今では消費者のニーズの多様化により納品傾向が少量多品種化している。このため、物流業務においては1つの納入容器内に複数商品の混載が必要条件となる。一方、物流業務におけるコスト効率の改善施策として、ロボットを用いたピッキング作業が考えられる。しかし、ピッキングロボットの生産性を考慮するとロボットの稼動範囲は限定され、1台のロボットが複数の商品を同時にピッキング対象とすることは現実的ではない。このため、複数ロボットの稼働率を向上させるような割当制御の検討が必要となる。
この点、本実施例によれば、上述の如く、商品配置ライン4及び商品払出ライン6の2本のラインを有するので、ロボット51乃至54の稼働率を効率的に高めることができる。より具体的には、ロボット51乃至54の稼働率を効率的に高めるには、ロボット51乃至54ができるだけ同時に稼働している状態を形成することが有用となる。この点、商品配置ライン4の1本のラインのみを有する構成では、最下流STが容器停止ステーションR1である搬送容器も、容器停止ステーションR4まで搬送されることになる。従って、容器停止ステーションR1である搬送容器が、容器停止ステーションR2、R3、R4上に位置する期間は、ロボット51乃至53の稼働できない。これに対して、本実施例によれば、最下流STが容器停止ステーションR1である搬送容器は、容器停止ステーションR1から商品払出ライン6へと排出することができる。これにより、最下流STが容器停止ステーションR1である搬送容器が容器停止ステーションR4上まで搬送する場合に生じる稼働率の低下を抑制し、ロボット51乃至54の稼働率を効率的に高めることができる。
他方、各搬送容器をそれぞれの最下流STで商品払出ライン6へ排出する構成では、その反面として、最下流STが下流側の搬送容器の方が、最下流STが上流側の搬送容器の方よりも遅く商品払出ライン6へと排出される傾向となる。従って、最下流STが上流側の搬送容器の方が、最下流STが下流側の搬送容器の方よりも、払い出し順が遅い場合は、デッドロックが生じやすくなる。
この点、本実施例によれば、上述の如く、最下流STが下流側の搬送容器の方を、最下流STが上流側の搬送容器よりも先に搬送されるように搬送順が決定される。これにより、デッドロックが生じ難い態様で、ロボット51乃至54の稼働率を効率的に高めることができる。また、本実施例によれば、上述の如く、最下流STが同じである場合は、払い出し順が早い搬送容器が先に搬送されるように搬送順が決定される。これにより、最下流STが同じである搬送容器が複数存在する場合でも、デッドロックが生じ難い態様で、ロボット51乃至54の稼働率を効率的に高めることができる。
また、本実施例によれば、上述の如く、所定数の搬送容器を1つのグループとして、グループ毎に搬送順を決定していくので、デッドロックが生じ難い態様で、ロボット51乃至54の稼働率を効率的に高めることができる。換言すると、所定数が非常に大きい数、例えば全店舗オーダーの数であると、払い出し順が例えば最後の搬送容器が、その最下流STが下流側であることに起因して搬送順が早くなる場合等に、デッドロックが非常に発生しやすくなる。この点、本実施例によれば、所定数を適切に設定することで、デッドロックが生じ難い態様で、ロボット51乃至54の稼働率を効率的に高めることが可能である。
また、本実施例によれば、デッドロックが発生する場合は、所定数を低減して搬送順を再決定するので、デッドロックが発生しない態様で、ロボット51乃至54の稼働率を効率的に高めることができる。即ち、初期の所定数が不適当であった場合でも、所定数を低減して、デッドロックを回避することができる。
また、本実施例によれば、上述の如く、容器停止ステーションR1、R2、R3、R4間にバッファステーションB1、B2、B3を設けるので、所定数を比較的大きい値に設定した場合でも、デッドロックが生じない態様で搬送順を決定することができる。これは、図14を参照して上述したデッドロック判定ロジックからも明らかである。例えば、払い出し順が早いが搬送順が遅い対象候補容器であっても、バッファステーションB1、B2、B3が存在する分だけ早く、商品配置ライン4に供給することができるためである。尚、バッファステーションB1、B2、B3を設ける場合でも、初期の所定数が不適当であれば、デッドロックが発生するが、この場合は、所定数を低減して、デッドロックを回避することができる。尚、バッファステーションB1、B2、B3の数を増加すればするほど、デッドロックが生じ難くなるが、その分だけ商品配置ライン4の全長が増加する傾向となる。
また、本実施例によれば、上述の如く、残数ピッキングを実行するので、ロボット51乃至54の稼働率を効率的に高めることができる。これは、例えば容器停止ステーションR4で残数ピッキングにより移送される商品容器は、容器停止ステーションR1、R2、R3を通過する必要がないためである。また、残数ピッキングを実行することで、残数ピッキングを行わない構成に比べて、1搬送容器当たりの商品の配置に要する時間を短縮することができる。例えば、ある店舗オーダーに係る搬送容器に対して、容器停止ステーションR1にて5個商品を配置する必要があり、商品容器ステーションO1上の商品容器内に4個商品が残っている場合を想定する。この場合、残数ピッキングを行わない構成では、商品容器ステーションO1上の商品容器内の4個の商品をロボット51による通常ピッキングにより搬送容器内に配置し、その後、商品容器ステーションO1上の空となった商品容器を取り除く必要がある。そして、その後、商品容器ステーションO1上に新たな商品容器をストック商品容器ステーションP1から移送し、移送した新たな商品容器内から1個の商品をロボット51による通常ピッキングにより搬送容器内に配置する必要がある。これに対して、本実施例によれば、かかる場合には、商品容器ステーションO1上の商品容器を容器ごと容器停止ステーションR1に移送する(即ち残数ピッキングを行う)。そして、その後、ストック商品容器ステーションP1上の商品容器内から1個の商品をロボット51による補充ピッキングにより搬送容器(残数ピッキングにより移送された商品容器)内に配置するだけでよい。このため、本実施例では、商品容器がそのまま搬送容器となるので、商品容器ステーションO1上から空になった商品容器の取出すことも不要である。尚、補充ピッキングが不要なときは、更に時間を短縮することができる。例えば、上記の例で、ある店舗オーダーに係る搬送容器に対して、容器停止ステーションR1にて5個商品を配置する必要があり、商品容器ステーションO1上の商品容器内に5個商品が残っている場合は、補充ピッキングが不要となる。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施例においては、1搬送容器当たりの商品の配置に要する時間を効率的に短縮する等のために、残数ピッキングを実行しているが、残数ピッキングをしない構成であってもよい。
また、上述した実施例においては、バッファステーションB1、B2、B3を設けているが、バッファステーションB1、B2、B3の全て又は一部を省略する構成であってもよい。これは、商品払出ライン6におけるバッファステーションB4等についても同様である。
また、上述した実施例においては、商品払出ライン6の搬送方向は、商品配置ライン4の搬送方向と同一方向であるが、商品払出ライン6の搬送方向は、商品配置ライン4の搬送方向と同一である必要はない。例えば、商品払出ライン6の搬送方向は、商品配置ライン4の搬送方向の逆であってよい。この場合は、例えば図6のステップ600では、各対象候補容器の搬送順は、最下流STが下流側の順に、且つ、最下流STが同じときは払い出し順が遅い順に、決定されてよい。
また、上述した実施例において、残数ピッキングコンベア36の機能は、コンベア以外の手段(例えばロボット)等により実現されてもよい。同様に、完成容器排出コンベア34の機能は、コンベア以外の手段(例えばロボット)等により実現されてもよい。
また、上述した実施例では、払い出し順は、任意の態様で決定されているが、払い出し順の自由度が高い場合は、ロボット51乃至54の稼働率が高まる態様で払い出し順を決定(又は後で変更)してもよい。例えば、デッドロックが発生する場合に、デッドロックが生じないように搬送容器の払い出し順を変更してもよい。この場合、例えば図6のステップ612の判定を不要とすることも可能である。
なお、以上の実施例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の容器停止ステーションを備える商品配置ラインと、
前記商品配置ラインに設けられる第1搬送コンベアと、
前記商品配置ラインの上流側から空の搬送容器を1つずつ供給する空容器供給装置と、
前記商品配置ラインに並列に設けられ、商品が配置された搬送容器を下流側へと払い出す商品払出ラインと、
前記商品払出ラインに設けられる第2搬送コンベアと、
前記複数の容器停止ステーションのそれぞれに対応付けて設けられ、対応する容器停止ステーションで予定の全ての商品の配置が完了した搬送容器を前記商品払出ラインに排出する複数の排出装置と、
前記複数の容器停止ステーションのそれぞれに対応付けて設けられ、搬送容器内に配置される予定の商品が入った商品容器が置かれる複数の商品容器ステーションと、
前記複数の商品容器ステーションのそれぞれに対応付けて設けられ、対応する商品容器ステーション上の商品容器内の商品をピッキングし、ピッキングした前記商品を、対応する前記容器停止ステーション上の搬送容器内に配置する複数のロボットと、
前記複数の容器停止ステーションのうち、各搬送容器に係る予定される最後の商品の配置が行われる容器停止ステーションを最下流容器停止ステーションとしたとき、各搬送容器の最下流容器停止ステーションを表す情報に基づいて、最下流容器停止ステーションが下流側の搬送容器が先に搬送される態様で、前記商品配置ラインにおける各搬送容器の搬送順を決定する処理装置とを含む、商品ピッキング装置。
(付記2)
各搬送容器の最下流容器停止ステーションを表す前記情報は、各搬送容器に入れるべき商品の種類に関する情報を含む、付記1に記載の商品ピッキング装置。
(付記3)
前記処理装置は、最下流容器停止ステーションが同一であるときは、前記商品払出ラインにおける下流側への各搬送容器の払い出し順に関する情報に基づいて、前記払い出し順が早い搬送容器が先に搬送される態様で、前記搬送順を決定する、付記1又は2に記載の商品ピッキング装置。
(付記4)
前記処理装置は、払い出し予定の複数の搬送容器について、払い出し順で所定数の搬送容器毎に、前記搬送順を決定していく、付記3に記載の商品ピッキング装置。
(付記5)
前記複数の商品容器ステーションのそれぞれに対応付けて設けられ、前記商品容器ステーション上の商品容器を、対応する容器停止ステーション上に容器ごと移送する残数ピッキングを行う残数ピッキング手段を備え、
前記残数ピッキング手段により移送された商品容器は、前記移送後において前記搬送容器を形成する、付記1〜4のうちのいずれかに記載の商品ピッキング装置。
(付記6)
前記処理装置は、前記所定数の搬送容器について前記搬送順を決定した後、決定した搬送順と、前記所定数の搬送容器のそれぞれに入れるべき商品の数に関する情報と、前記各商品容器ステーション上の前記商品容器内に残存する商品の数に関する情報とに基づいて、前記容器停止ステーションのそれぞれ毎に、各搬送容器内に配置される予定の商品の数が、対応する商品容器ステーション上の前記商品容器内に残存する商品の数以上であるか否かを判定し、前記ロボットによりピッキングされる予定の商品の数が、対応する商品容器ステーション上の前記商品容器内に残存する商品の数以上である搬送容器を、前記残数ピッキングの対象の搬送容器として決定する、付記5に記載の商品ピッキング装置。
(付記7)
前記処理装置は、前記残数ピッキングの対象の搬送容器について、前記空容器供給装置により供給される前記空の搬送容器が必要であるか否かを判定し、前記空の搬送容器が必要である場合は、前記残数ピッキングの対象の搬送容器内に配置される予定の商品を別々の搬送容器に分離して搬送する態様で、前記搬送順を再決定する、付記6に記載の商品ピッキング装置。
(付記8)
前記処理装置は、前記搬送順を再決定した後、再決定した搬送順に基づいて、前記残数ピッキングが行われる予定の容器停止ステーションにおいて、前記残数ピッキングが依然として可能か否かを判定し、前記残数ピッキングが可能でない場合は、前記残数ピッキングが可能となるまで、前記所定数を低減し、低減した所定数の搬送容器について前記搬送順を決定することを繰り返す、付記7に記載の商品ピッキング装置。
(付記9)
前記商品配置ラインは、前記複数の容器停止ステーション間に、搬送容器が停止可能なバッファステーションを備え、前記バッファステーション上に停止された搬送容器には商品が配置されない、付記4〜8のうちのいずれか1項に記載の商品ピッキング装置。
(付記10)
前記処理装置は、前記決定した搬送順(再決定した搬送順を含む)と、前記所定数の搬送容器のそれぞれの最下流容器停止ステーションを表す情報とに基づいて、払い出し順に従った払い出しが不能となるデッドロックが発生するか否かを判定し、デッドロックが発生する場合は、デッドロックが発生しなくなるまで、前記所定数を低減し、低減した所定数の搬送容器について前記搬送順を決定することを繰り返す、付記9に記載の商品ピッキング装置。
(付記11)
前記商品払出ラインにおける搬送容器の搬送方向は、前記商品配置ラインにおける搬送容器の搬送方向と同一である、付記1〜10のうちのいずれか1項に記載の商品ピッキング装置。
(付記12)
搬送容器内に配置される予定の商品の数が、対応する商品容器ステーション上の前記商品容器内に残存する商品の数より多い場合、前記残数ピッキング手段により商品容器が移送された前記容器停止ステーションに対応する前記ロボットは、前記予定の商品の数に対して足りない数だけ、新たな商品容器内から商品をピッキングし、ピッキングした前記商品を、前記容器停止ステーション上の搬送容器内に配置する、付記5に記載の商品ピッキング装置。
(付記13)
前記処理装置は、前記空の搬送容器が不要である場合は、前記決定した搬送順と、前記所定数の搬送容器のそれぞれの最下流容器停止ステーションを表す情報とに基づいて、払い出し順に従った払い出しが不能となるデッドロックが発生するか否かを判定し、デッドロックが発生する場合は、デッドロックが発生しなくなるまで、前記所定数を低減し、低減した所定数の搬送容器について前記搬送順を決定することを繰り返す、付記7に記載の商品ピッキング装置。
(付記14)
前記処理装置は、デッドロックが発生しない前記搬送順を最終の搬送順として確定する、付記10又は13に記載の商品ピッキング装置。
(付記15)
前記処理装置は、前記残数ピッキングの対象の搬送容器について、前記残数ピッキングが行われる容器停止ステーションよりも上流側の容器停止ステーションで商品の配置が予定される場合に、前記空の搬送容器が必要であると判定する、付記7に記載の商品ピッキング装置。
(付記16)
前記処理装置は、前記残数ピッキングの対象の搬送容器について、前記残数ピッキングが行われる容器停止ステーションよりも上流側の容器停止ステーションで商品の配置が予定されていない場合に、前記空の搬送容器が必要でないと判定する、付記7に記載の商品ピッキング装置。
(付記17)
前記処理装置は、前記残数ピッキングの対象の搬送容器内に配置される予定の商品を搬送する別々の搬送容器については、払い出し順が連続する態様で前記搬送順を再決定する、付記7に記載の商品ピッキング装置。
(付記18)
前記処理装置は、前記残数ピッキングを行う対象の搬送容器内に配置される予定の商品を搬送する別々の搬送容器のうち、前記残数ピッキングにより商品が配置される搬送容器について、前記残数ピッキングが行われる前記容器停止ステーションで商品が配置される他の搬送容器との関係で、前記残数ピッキングが行われる前記容器停止ステーションにて商品が配置される順序が、前記再決定の前後で変化した場合に、前記残数ピッキングが可能でないと判定する、付記8に記載の商品ピッキング装置。
(付記19)
前記処理装置は、前記残数ピッキングが依然として可能である場合、又は、前記所定数を低減して前記残数ピッキングが可能となった場合は、前記再決定した搬送順と、前記所定数の搬送容器のそれぞれの最下流容器停止ステーションを表す情報とに基づいて、払い出し順に従った払い出しが不能となるデッドロックが発生するか否かを判定し、デッドロックが発生する場合は、デッドロックが発生しなくなるまで、前記所定数を低減し、低減した所定数の搬送容器について前記搬送順を決定することを繰り返す、付記8に記載の商品ピッキング装置。
(付記20)
前記複数の商品容器ステーションのそれぞれには、それぞれ異なる種類の商品が入った前記商品容器が置かれる、付記1〜19のうちのいずれか1項に記載の商品ピッキング装置。
(付記21)
付記1〜20のうちのいずれか1項に記載の商品ピッキング装置の前記処理装置による各種処理をコンピューターに実行させて、前記処理装置を実現するプログラム。
(付記22)
商品配置ラインにおける複数の容器停止ステーションのうち、各搬送容器に対して予定される最後の商品の配置が行われる容器停止ステーションを最下流容器停止ステーションとしたとき、各搬送容器の最下流容器停止ステーションを表す情報に基づいて、最下流容器停止ステーションが下流側の搬送容器が先に搬送される態様で、前記商品配置ラインにおける搬送容器の搬送順を決定し、
前記商品配置ラインに、前記決定した搬送順に従って搬送容器を供給し、
前記商品配置ラインに設けられる第1搬送コンベアを用いて、前記商品容器ステーション上で搬送容器を停止させつつ、予定の全ての商品の配置が完了するまで搬送容器を下流側へと搬送し、
前記複数の商品容器ステーションのそれぞれに対応付けて設けられる各ロボットを用いて、容器停止ステーション上に停止させた搬送容器内に、予定された商品を配置し、
前記複数の容器停止ステーションのそれぞれに対応付けて設けられる各排出装置を用いて、前記容器停止ステーションで予定の全ての商品の配置が完了した搬送容器を、前記商品配置ラインに並列に設けられる商品払出ラインに排出し、
前記商品払出ラインに設けられる第2搬送コンベアを用いて、前記商品配置ラインから排出された搬送容器を前記商品払出ラインの下流側へと払い出す、
処理をコンピューターに実行させるプログラム。
(付記23)
商品配置ラインにおける複数の容器停止ステーションのうち、各搬送容器に対して予定される最後の商品の配置が行われる容器停止ステーションを最下流容器停止ステーションとしたとき、各搬送容器の最下流容器停止ステーションを表す情報に基づいて、最下流容器停止ステーションが下流側の搬送容器が先に搬送される態様で、前記商品配置ラインにおける搬送容器の搬送順を決定し、
前記商品配置ラインに、前記決定した搬送順に従って搬送容器を供給し、
前記商品配置ラインに設けられる第1搬送コンベアを用いて、前記商品容器ステーション上で搬送容器を停止させつつ、予定の全ての商品の配置が完了するまで搬送容器を下流側へと搬送し、
前記複数の商品容器ステーションのそれぞれに対応付けて設けられる各ロボットを用いて、容器停止ステーション上に停止させた搬送容器内に、予定された商品を配置し、
前記複数の容器停止ステーションのそれぞれに対応付けて設けられる各排出装置を用いて、前記容器停止ステーションで予定の全ての商品の配置が完了した搬送容器を、前記商品配置ラインに並列に設けられる商品払出ラインに排出し、
前記商品払出ラインに設けられる第2搬送コンベアを用いて、前記商品配置ラインから排出された搬送容器を前記商品払出ラインの下流側へと払い出すことを含む、商品ピッキング方法。