JP2015192459A - 電動モータ一体型アクチュエータ - Google Patents

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匠 荒尾
茂 荻原
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【課題】弱め界磁制御を行うことなく、起動時の低負荷領域にて高回転を得ることが可能な電動モータ一体型アクチュエータを提供する。【解決手段】電動モータ一体型アクチュエータ1は、ロータ21の内側に固定されたスリーブ26と、スリーブ26の内側に配置され、摺動嵌合部36により、スリーブ26に対し軸方向に移動自在かつ回り止めされた状態で取り付けられるナット25を有する。ナット25の内側には、ボールねじ機構2を介してナット25と噛合うボールねじシャフト24が配されている。ボールねじシャフト24とスリーブ26は、スリーブ26が回転可能な状態でジョイント37によって接続されている。アクチュエータが作動すると、ロータ21の回転に伴ってナット25が回転し、ナット25の回転に伴いシャフト24とスリーブ26が軸方向に移動する。これにより、ロータ21が回転しつつステータ11内を移動する。【選択図】図1

Description

本発明は、ステータ内におけるロータの軸方向位置を機械的に変更可能な電動モータ一体型アクチュエータに関し、特に、液圧式ブレーキのピストン駆動源として好適なアクチュエータに関する。
自動車等のブレーキシステムでは、近年、ハイブリッド車の普及と共に、電動モータによって駆動されるアクチュエータを倍力装置の動力源とした液圧式ブレーキの採用が増大している。このような液圧式ブレーキでは、例えば特許文献1のように、モータの回転を減速機構で減速するとともにボールねじ機構によって直線運動に変換し、この直線運動により、シリンダ内のピストンを作動させてブレーキ液圧を発生させている。図5は、液圧式ブレーキにおけるピストンストロークと発生液圧との関係を示す説明図である。図5に示すように、ブレーキングに供される液圧は、ピストンストロークと共に増加するが、加圧開始後しばらくは非線形に推移する(図5のP部)。すなわち、ブレーキングの初期段階には、まだ液圧の負荷が軽い領域が存在する。
そこで、従来の液圧式ブレーキでは、起動応答性を高めるべく、軽負荷領域(P部)にてモータ速度(回転数)を上げる手法が採られている。通常、モータの仕様(最大トルク)は、最大加圧時の負荷に基づいて決定されるため、低負荷領域におけるモータ速度も、その仕様に即した値となり、そのままでは低負荷領域にて高回転とはならない。このため、従来の液圧式ブレーキにおいては、低負荷領域にて弱め界磁制御を実施し、モータ速度を上げる工夫を行っている。
特開2012-121557号公報
しかしながら、従来のブレーキでは、弱め界磁制御に伴い、消費電流が増大するという問題がある。これに対し、応答速度をシステム要件として設定した場合、その速度を得るためにはモータ出力を上げる必要があり、モータの大型化やコストアップを招くという問題が生じる。すなわち、液圧式ブレーキに求められるモータ特性として、(1)最大加圧時のトルクを満たすことと、(2)目標応答時間達成のため低負荷領域における最大回転数を高めること、という両極の要求が生じてしまう。このため、結局のところ、出力を優先し、体格を大きくして出力アップに対応せざるを得ない、という課題があった。
本発明の目的は、弱め界磁制御を行うことなく、起動時の低負荷領域にて高回転を得ることが可能な電動モータ一体型アクチュエータを提供し、もって、消費電流を抑えつつ、弱め界磁と同様の応答性を実現することにある。
本発明の電動モータ一体型アクチュエータは、ハウジングと、前記ハウジング内に収容され、磁性材料にて形成されたステータコアを備えるステータと、前記ステータの内側に配置され、ロータマグネットが配置されたロータコアを備えるロータと、前記ロータの内側に配置され、前記ロータコアと固定されたスリーブと、前記スリーブの内側に配置され、前記スリーブに対し周方向への移動が規制された状態で軸方向に移動可能に取り付けられ、前記ロータの回転に伴って回転するナットと、前記ナットの内側に配置され、該ナットの回転を軸方向への動作に変換するボールねじ機構を介して前記ナットと噛合い、前記ロータの回転に伴って軸方向に移動するシャフトと、前記シャフトと前記スリーブを該スリーブが回転可能な状態にて接続するジョイントと、を備え、前記ロータの回転に伴って前記ナットが回転し、該ナットの回転に伴い前記シャフト及び前記スリーブが軸方向に移動することにより、前記ロータマグネットが回転しつつ前記ステータコア内を軸方向に移動することを特徴とする。
本発明にあっては、アクチュエータの作動に伴い、ロータマグネットが回転しつつステータコア内を軸方向に移動するので、静止状態ではロータマグネットの一部をステータコアの軸方向外側に配置し、アクチュエータ始動と共にロータコアをステータコア内に導入するような設定も可能となる。従って、例えば、液圧式ブレーキの動力源として上記設定の当該アクチュエータを用いた場合、静止状態ではロータマグネットの一部がステータコアの軸方向外側にオフセットしているため、起動時にはロータマグネットの界磁磁束が少なくなり、弱め界磁を行うことなく高回転を得ることが可能となる。また、アクチュエータ作動後、ロータマグネットがステータコア内に入り、出力トルクが増大し、その後、ロータとステータが通常のモータと同様に対向して最大トルクが発生する。このため、液圧式ブレーキのように、ピストンを押すに連れて負荷が増大し、フルストローク時に最大負荷となるようなものに対し、負荷に対応して出力を上げて行くことが可能となる。従って、ストローク初期には高回転が求められる一方、フルストローク時には高トルクが求められるような液圧式ブレーキの動力源としては、最適な特性を提供することが可能となる。しかも、起動時に弱め界磁を行わないため、高応答性を実現しつつ、消費電力の低減を図ることも可能となる。
前記電動モータ一体型アクチュエータにおいて、該アクチュエータが静止状態のとき、前記ロータマグネットと前記ステータコアを軸方向にオフセットした状態で配置しても良い。この場合、前記シャフトを当該アクチュエータによって駆動される被駆動体に接続すると共に、前記ロータマグネットと前記ステータコアを、該アクチュエータが静止状態のとき、前記被駆動体の作動ストローク分軸方向にオフセットした状態で配置しても良い。また、前記シャフトを当該アクチュエータによって駆動される被駆動体に接続すると共に、前記ロータマグネットと前記ステータコアを、前記被駆動体が所定の作動ストローク移動したとき、両者の中心が一致した状態となるよう配置しても良い。
さらに、前記ナットと前記スリーブの間に摺動嵌合部を設け、前記ナットの外周に、前記スリーブを周方向への移動を規制しつつ軸方向に移動可能な状態で装着するようにしても良い。この場合、前記摺動嵌合部を、前記ナットの外周に形成され軸方向沿って延びる溝と、前記スリーブの内周に突設され前記溝と嵌合する突起と、から構成しても良い。また、前記溝の奥端部に前記突起が当接したとき、前記ロータマグネットと前記ステータコアの中心が一致した状態となるように設定しても良い。
加えて、当該アクチュエータを電動ブレーキ装置に使用しても良く、特に、液圧式ブレーキの動力源として当該アクチュエータを用いることにより、弱め界磁を行うことなく起動時に高回転が得られ、さらに、ピストン押圧と共に出力トルクが増大し、フルストローク時に最大トルクが発生させることが可能となる。従って、液圧式ブレーキ用のモータのように、ストローク初期には高回転が求められる一方、フルストローク時には高トルクが求められるようなアクチュエータとしては最適な特性を提供することが可能となる。しかも、起動時に弱め界磁を行わないため、高応答性を実現しつつ、消費電力の低減を図ることも可能となる。
本発明の電動モータ一体型アクチュエータによれば、アクチュエータの作動に伴い、ロータマグネットが回転しつつステータコア内を移動するようにしたので、例えば、静止状態ではロータマグネットの一部をステータコアの軸方向外側に配置し、アクチュエータ始動と共にロータマグネットをステータコア内に導入するような設定も可能となる。このような設定の場合、静止状態ではロータマグネットの一部がステータコアの軸方向外側にオフセットしているため、起動時にはロータマグネットの界磁磁束が少なくなり、弱め界磁制御を行うことなく、アクチュエータ高回転にて作動させることが可能となる。従って、消費電流を抑えつつ、弱め界磁制御と同様な応答性を得ることが可能となる。
本発明の一実施形態である電動モータ一体型アクチュエータを使用したモータシリンダ装置の構成を示す説明図である。 図1のモータシリンダ装置にて使用されている電動モータ一体型アクチュエータの要部の内部構成を示す説明図である。 本発明による電動モータ一体型アクチュエータのトルクと回転数の関係を示したグラフである。 ピストンストロークと発生液圧及びモータ負荷トルクの関係を示したグラフである。 液圧式ブレーキにおけるピストンストロークと発生液圧との関係を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態である電動モータ一体型アクチュエータ1(以下、アクチュエータ1と略記する)を使用したモータシリンダ装置10の構成を示す説明図であり、上半分は静止状態(アクチュエータ非作動時=シリンダ初期状態)、下半分はアクチュエータ作動時(シリンダフルストローク時)の状態をそれぞれ示している。また、図2は、アクチュエータ1の要部の内部構成を示す説明図である。図1のモータシリンダ装置10は、電動の液圧式ブレーキにおける液圧発生源であり、その動力源として、ブラシレスモータを用いたアクチュエータ1が使用されている。アクチュエータ1の回転は、ボールねじ機構2によって軸方向の運動に変換され、マスターシリンダ3内に収容されたピストン4(被駆動体)を軸方向に作動させる。ピストン4の動作に伴い、マスターシリンダ3内の液体が圧縮され、図5に示したようなブレーキ液圧が発生する。
アクチュエータ1は、外側にステータ(固定子)11、内側にロータ(回転子)21を配したインナーロータ形ブラシレスモータの構成となっている。ステータ11は、有底円筒形状に形成されたモータハウジング12内に収容固定されており、磁性材料にて形成されたステータコア13と、ステータコア13に巻装されたステータコイル14(以下、コイル14と略記する)及びコイル14と電気的に接続されたバスバーユニット15を備えている。モータハウジング12は、鉄等の磁性体にて形成されており、その開口部には、図示しない固定ネジによってアルミダイキャスト製のブラケット16が取り付けられている。
バスバーユニット15は、合成樹脂製の本体部内に銅製のバスバー17がインサート成形された構成となっており、ステータコア13の一端側においてブラケット16に取り付けられる。バスバーユニット15では、バスバー17はアクチュエータ1の相数に対応した個数(ここでは、U相,V相,W相分の3個と各相同士の接続用の1個の計4個)設けられている。各コイル14は、その相に対応したバスバー17と電気的に接続される。バスバーユニット15からは、ブラケット16に設けられた引出し孔16aを介して給電用端子18が引き出されており、図示しないコントローラに電気的に接続される。
ステータ11の内側にはロータ21が回転自在に配置されている。ロータ21は、磁性材料にて形成されたロータコア22と、ロータコア22の外周面に磁極が交互となるよう取り付けられたロータマグネット23を有している。ロータ21の内側にはボールねじシャフト24(以下、シャフト24と略記する)が挿通されており、後述するように、中心側から順に、シャフト24、ナット25、スリーブ26、そして、ロータコア22及びロータマグネット23が配されている。シャフト24は、その外周面に刻設された螺旋状の溝内に配された複数のボール部材27を介してナット25の内周面に刻設された螺旋状の溝と噛合うことで回転自在に取り付けられており、シャフト24の図1において左端側にはピストン4が固定されている。ピストン4の左端側にはリターンスプリング28が取り付けられており、ピストン4は、図中右方に付勢された状態でマスターシリンダ3内に配置されている。ピストン4の右端側は、ブラケット16内に取り付けられたピストンスリーブ29によって、軸方向に移動自在に支持されている。モータシリンダ装置10では、アクチュエータ1の作動に伴って、ロータコア22と共にナット25が回転すると、シャフト24が軸方向(図1において左右方向)に移動し、マスターシリンダ3内にてピストン4が作動する。
ここで、アクチュエータ1は、ロータ21が軸方向に沿って移動可能なアキシャル可動ロータとなっており、ナット25の回転によりシャフト24が軸方向に移動すると、スリーブ26も軸方向に移動し、それと共にロータコア22も軸方向に移動する。アクチュエータ1は、図1(上半分)に示すように、静止状態(無通電非作動状態)のときは、ロータコア22とステータコア13が軸方向にずれた状態で配置されており、ロータ21の一部がステータ11外に出た状態となっている。つまり、静止状態では、ロータマグネット23の一部がステータコア13と対向せず、軸方向外側にオフセットした状態となっている。そして、コイル14に通電され、アクチュエータ1が作動状態となると、起動と共にロータ21がステータ11内に引き込まれる。これにより、ステータ11内におけるロータマグネット23の界磁磁束量が変化し、シャフト24の移動、すなわち、ピストン4の押圧ストロークに従って、アクチュエータ1の出力特性が変化する。
ナット25は中空状となっており、内部にはシャフト24が挿通されている。ナット25の図1において左端側は、ブラケット16内に取り付けられたベアリング31によって回転自在に支持されている。ナット25の外側には、スリーブ26が軸方向に移動可能に配されている。スリーブ26の図1中右側側にはフランジ部32が突設されており、フランジ部32の外周部32aは、モータハウジング12の右端側内周に取り付けられたメタル軸受33によって、回転自在かつ軸方向に移動自在に支持されている。これにより、ナット25の右端側は、スリーブ26のフランジ部32を介してメタル軸受33にて支持される。また、ナット25の図1中左端部には、回転角度検出手段であるレゾルバ41のロータ(レゾルバロータ)42が取り付けられている。レゾルバロータ42の外側には、ロータ外周に対向してレゾルバステータ43がブラケット16に取り付けられている。なお、詳細な図示はしないが、このレゾルバステータ43の信号線は、バスバーユニット15の給電用端子18とともに、ブラケット16の挿通孔16aを介して外部に引き出されるようになっている。
ナット25の外周には、複数のスリーブ摺動溝34が軸方向に沿って等間隔(本実施形態では4ヶ所)に形成されている。これに対し、スリーブ26の内周側には、スリーブ摺動溝34と同数(本実施形態では4個)の嵌合突起35が軸方向に沿って等間隔に突設されている。嵌合突起35はスリーブ摺動溝34に嵌合しており、両者により、ナット25とスリーブ26の間に摺動嵌合部36が形成される。この摺動嵌合部36により、スリーブ26は、ナット25の外周に、軸方向に移動自在な状態、かつ、周方向への移動が規制された状態(回り止めされた状態)で取り付けられる。摺動嵌合部36は、スリーブ摺動溝34の奥端部34aに嵌合突起35が当接したとき、ロータマグネット23の中心Crとステータコア13の中心Csが一致するよう設定されている。なお、スリーブ摺動溝34と嵌合突起35の凹凸関係は逆でも良く、ナット25の外周に突起、スリーブ26の内周に溝を設けても良い。
また、スリーブ26は、シャフト24の図1中右端側にジョイント37によって連結されている。ジョイント37はシャフト24の図中右側端に所望の固定手段(本実施形態においては、ねじ材39)によって一体的に固定されている。スリーブ26の右端外周にはジョイント嵌合溝38が設けられており、そこには、ジョイント37の先端部37aが嵌合している。ジョイント37の先端部37aは断面がコの字状となっており、ジョイント嵌合溝38に対し周方向に相対的に摺動可能な状態で取り付けられる。この場合、スリーブ26はアクチュエータ1の作動に伴い回転するが、その際、ジョイント37は、シャフト24と共に回転することなく、ジョイント先端部37aがジョイント嵌合溝38内を摺動する。
スリーブ26の外側には、ロータコア22が一体的に取り付けられている。ロータコア22は、スリーブ26の外周に、圧入によって完全に拘束された状態で固定されている。ロータコア22の外側には、セグメントタイプのロータマグネット23が複数個、周方向に等分に配置されている。ロータマグネット23は、ロータコア22の外周に、図示しないマグネットホルダによって固定されている。
このようなアクチュエータ1を備えたモータシリンダ装置10は、次のようにして、ブレーキ液圧を発生させる。まず、アクチュエータ1が静止状態のときは、図1の上半分に示されているように、リターンスプリング28の付勢力によって、ピストン4が図中右方に押し込まれ、それに伴い、シャフト24、スリーブ26、ロータコア22及びロータマグネット23も右方に移動した状態とされている(非作動位置)。このとき、モータシリンダ装置10では、ロータマグネット23の軸方向全長の半分がステータ11からオフセットしており、ステータコア13と対向することなく軸方向外側に突出した状態となっている。すなわち、非作動位置では、ロータマグネット23の半分(例えば、オーバーラップ寸法L=30mm)だけがステータ11内に位置し、ステータコア13と対向した状態となっている。
次に、アクチュエータ1を通電し作動させると、コイル14により磁界が形成され、ロータ21が回転する。このとき、ロータ21では、ロータマグネット23の約半分だけがステータ11内に位置した状態となっているため、ロータマグネット23の全部がステータ11内に位置している状態よりもマグネット磁束が少なくなる。すなわち、従来のモータにおいて、弱め界磁制御を行っているのと同じ効果が生じ、全挿入状態よりもアクチュエータ1の回転数が高くなる。図3は、アクチュエータ1のトルクと回転数の関係を示したグラフである。当該アクチュエータ1では、図3に実線にて示したように、一点鎖線にて示した弱め界磁制御に比して、ピストン作動初期の低トルク領域にて高い回転数を得ることができる。従って、弱め界磁を行う場合よりもブレーキの応答性を向上させることが可能となる。また、弱め界磁制御のように余分な制御電流を消費しないため、消費電力の低減も図られる。
このように高回転にて立ち上がったアクチュエータ1では、ロータ21の回転に伴い、ロータコア22が回転し、ロータコア22と固定されたスリーブ26、そして、スリーブ26に回り止めされたナット25が回転する。ナット25が回転すると、ボールねじ機構2により、シャフト24が図中左方に移動する。シャフト24が左方に移動すると、ピストン4がリターンスプリング28の付勢力に抗して押し込まれ、マスターシリンダ3よりブレーキ液圧が発生する。
一方、シャフト24の移動に伴い、ジョイント37によって結合されたスリーブ26、そして、スリーブ26に固定されたロータコア22も軸方向に移動する。これにより、ステータ11の軸方向外側にオフセットしていたロータマグネット23がステータ11内に入って行く。すなわち、加圧開始と同時に、ロータマグネット23がステータ11内に挿入される。アクチュエータ1では、アクチュエータが静止状態のとき、ピストン4の作動ストローク分だけロータコア22が軸方向にオフセットして配置されている。また、ピストン4をフルストローク作動させると、スリーブ摺動溝34の奥端部34aに嵌合突起35が当接し、前述のように、このときロータマグネット23とステータ11の中心位置が一致する。そこで、ピストン4がフルストローク押し込まれ、最大加圧状態に達すると、ロータマグネット23とステータコア13の中心CrとCsが一致した状態となり、通常のモータと同様に、ロータマグネット23とステータコア13が対向する(図1の下半分:通常対向位置)。従って、最大加圧時には、磁束量が最大となり、磁束が有効に活用され最大トルクが発生する。
図4は、ピストンストロークと発生液圧及びモータ負荷トルクの関係を示したグラフである。図4に示すように、ピストン4の押圧初期時点(A)では、まだ液圧による負荷も小さい。従って、アクチュエータ1に対しては、高出力よりも、高応答性の観点から高回転が求められる。その点、本発明によるアクチュエータ1は、起動時にロータ21の一部がステータ11の軸方向外側にオフセットした状態となっており、モータ駆動に供される磁束が少なくなるよう調整されているため、弱め界磁を行うことなく、低負荷領域における回転数を高めることができる(図3参照)。従って、消費電力を抑えつつ、弱め界磁制御と同等の応答性を達成することが可能となる。
次に、ピストン4が押し込まれて行くと、図4の(B),(C)のように、徐々に液圧による負荷が大きくなって行き、フルストローク時(D)に最大となる。従って、アクチュエータ1に対する要求も、高回転から徐々に出力増大へと変化して行き、フルストローク時には最大負荷に対応可能なトルクが求められる。これに対し、アクチュエータ1は、ピストン4が押し込まれて行くに連れ、ロータマグネット23がステータ11内に挿入され、徐々に磁束量が増大し、出力トルクも増大する。そして、ピストン4がフルストロークにて押し込まれたとき、最大トルクが発生する。すなわち、アクチュエータ1は、負荷増大に応じて出力も増大し、ピストン押圧状態に適したトルクを供給する。
このように、本発明によるアクチュエータ1は、アキシャル可動ロータを用いた可変界磁構造により、弱め界磁を行うことなく起動時に高回転が得られ、さらに、ピストン押圧と共に出力トルクが増大し、フルストローク時には、ロータ21とステータ11が通常のモータと同様に対向して最大トルクが発生する。従って、ストローク初期には高回転が求められる一方、フルストローク時には高トルクが求められるような液圧式ブレーキ用アクチュエータとしては、従来のものにはない最適な特性を提供することが可能となる。しかも、弱め界磁を行わないため、高応答性を実現しつつ、消費電力の低減を図ることも可能となる。
本発明は前述のような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施形態では、モータ静止時にロータマグネット23の約半分がステータ11から軸方向外側へオフセットしている構成を示したが、ステータからの突出量は半分には限定されず、求められる仕様に応じて適宜変更可能である。また、前述の実施形態では、ピストン4の作動ストロークとロータ21が通常対向位置となるまでの移動距離を同一に設定し、ピストン4がフルストロークにて押し込まれたとき、ロータ21とステータ11が通常位置にて対向する構成としたが、ピストンストロークとロータ移動距離の設定は適宜変更可能である。この場合、例えば、ON/OFF機能を備えたワンウエイクラッチを用いるなどにより、ピストン4がフルストロークに至る前にロータ21が通常対向位置となり、その後、シャフト24に対してナット25が空転するように設定することも可能である。
前述の実施形態では、本発明を液圧式ブレーキ用のブラシレスモータに適用した例を示したが、本発明は、液圧式ブレーキ以外にも、高応答性の後に高トルクが要求される電動モータに広く適用可能である。
1 電動モータ一体型アクチュエータ
2 ボールねじ機構
3 マスターシリンダ
4 ピストン(被駆動体)
10 モータシリンダ装置
11 ステータ
12 モータハウジング
13 ステータコア
14 ステータコイル
15 バスバーユニット
16 ブラケット
16a 引出し孔
17 バスバー
18 給電用端子
21 ロータ
22 ロータコア
23 ロータマグネット
24 ボールねじシャフト
25 ナット
26 スリーブ
27 ボール部材
28 リターンスプリング
29 ピストンスリーブ
31 ベアリング
32 フランジ部
32a 外周部
33 メタル軸受
34 スリーブ摺動溝
34a 奥端部
35 嵌合突起
36 摺動嵌合部
37 ジョイント
37a 先端部
38 ジョイント嵌合溝
39 ねじ材
41 レゾルバ
42 レゾルバロータ
43 レゾルバステータ
Cr ロータコア中心
Cs ステータコア中心

Claims (8)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジング内に収容され、磁性材料にて形成されたステータコアを備えるステータと、
    前記ステータの内側に配置され、ロータマグネットが配置されたロータコアを備えるロータと、
    前記ロータの内側に配置され、前記ロータコアと固定されたスリーブと、
    前記スリーブの内側に配置され、前記スリーブに対し周方向への移動が規制された状態で軸方向に移動可能に取り付けられ、前記ロータの回転に伴って回転するナットと、
    前記ナットの内側に配置され、該ナットの回転を軸方向への動作に変換するボールねじ機構を介して前記ナットと噛合い、前記ロータの回転に伴って軸方向に移動するシャフトと、
    前記シャフトと前記スリーブを該スリーブが回転可能な状態にて接続するジョイントと、を備え、
    前記ロータの回転に伴って前記ナットが回転し、該ナットの回転に伴い前記シャフト及び前記スリーブが軸方向に移動することにより、前記ロータマグネットが回転しつつ前記ステータコア内を軸方向に移動することを特徴とする電動モータ一体型アクチュエータ。
  2. 請求項1記載の電動モータ一体型アクチュエータにおいて、
    該アクチュエータが静止状態のとき、前記ロータマグネットと前記ステータコアは軸方向にオフセットした状態で配置されていることを特徴とする電動モータ一体型アクチュエータ。
  3. 請求項2記載の電動モータ一体型アクチュエータにおいて、
    前記シャフトは、当該アクチュエータによって駆動される被駆動体に接続され、
    前記ロータマグネットと前記ステータコアは、該アクチュエータが静止状態のとき、前記被駆動体の作動ストローク分軸方向にオフセットした状態で配置されていることを特徴とする電動モータ一体型アクチュエータ。
  4. 請求項2又は3記載の電動モータ一体型アクチュエータにおいて、
    前記シャフトは、当該アクチュエータによって駆動される被駆動体に接続され、
    前記ロータマグネットと前記ステータコアは、前記被駆動体が所定の作動ストローク移動したとき、両者の中心が一致した状態となることを特徴とする電動モータ一体型アクチュエータ。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の電動モータ一体型アクチュエータにおいて、
    前記ナットと前記スリーブの間に、前記ナットの外周に、前記スリーブを周方向への移動を規制しつつ軸方向に移動可能な状態で装着する摺動嵌合部を設けたことを特徴とする電動モータ一体型アクチュエータ。
  6. 請求項5記載の電動モータ一体型アクチュエータにおいて、
    前記摺動嵌合部は、前記ナットの外周に形成され軸方向沿って延びる溝と、前記スリーブの内周に突設され前記溝と嵌合する突起と、からなることを特徴とする電動モータ一体型アクチュエータ。
  7. 請求項6記載の電動モータ一体型アクチュエータにおいて、
    前記溝の奥端部に前記突起が当接したとき、前記ロータマグネットと前記ステータコアの中心が一致した状態となることを特徴とする電動モータ一体型アクチュエータ。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の電動モータ一体型アクチュエータにおいて、
    当該アクチュエータは、電動ブレーキ装置に使用されることを特徴とする電動モータ一体型アクチュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105490475A (zh) * 2016-01-05 2016-04-13 苏州柔克自动化设备有限公司 转矩供给机构以及用于大电机线圈的绕线机
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WO2023097511A1 (zh) * 2021-11-30 2023-06-08 华为技术有限公司 一种位置传感器、制动装置及装配方法

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