JP2015192089A - ステージ装置、移動体の姿勢の矯正方法、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 - Google Patents

ステージ装置、移動体の姿勢の矯正方法、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】センサを設けることなく、ステージが有している水平方向に沿う面の傾きを矯正することが可能な、磁気浮上式のステージ装置を提供する。
【解決手段】ステージ装置は、水平方向に沿った基準面ZREFを有する基準部材XMと、移動体と、移動体を磁気力で浮上支持する支持ユニットLVを有する。移動体は、移動体を移動させる第1アクチュエータXAM、YAMによって基準面ZREFに沿って移動し、第2アクチュエータZAMによって鉛直方向に移動する。さらに移動体は、第2アクチュエータZAMを用いて基準面ZREFに当接可能な凸部を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステージ装置、移動体の姿勢の矯正方法、リソグラフィ装置及び物品の製造方法に関する。
近年、半導体の回路パターンの形成に用いるリソグラフィ装置に対するスループット向上の要求に伴い、ウエハステージやレチクルステージ等のステージ装置の高速化と位置決め精度の高精度化が望まれている。特許文献1にはこれらの要求に応えるべく、鉛直方向に磁気で浮上するステージ構造を開示している。変位センサによる計測結果に基づいてステージの浮上制御をボイスコイルモータで行う旨が記載されている。
特開2011−3782号公報
ステージの位置制御を精度良く行うためには、レーザ干渉計の計測光と当該計測光の反射面とが直交する状態であることが望ましい。そのため、ステージの制御装置の電源投入時にはステージの姿勢を矯正した状態で原点位置を決める必要がある。ところが磁気浮上式のステージの場合は、ステージが有している水平方向に沿った面の傾きも電源を切った段階で不定状態となってしまうため、電源投入時には改めてこの面の傾きを矯正してから原点位置を決めなければならない。
しかしながら、特許文献1のように変位センサを設けてステージが有している水平方向に沿う面の傾き矯正を行うと、ステージ構造の複雑化や、変位センサ用の配線による外乱要因の増加を招く恐れがある。
そこで、本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、センサを設けることなく、ステージが有している水平方向に沿う面の傾きを矯正することが可能な、磁気浮上式のステージ装置を提供することを目的とする。
本発明のステージ装置は、水平方向に沿った基準面を有する基準部材と、移動体と、
前記移動体を磁気力により非接触支持する支持ユニットと、前記基準面に沿って前記移動体を移動させる第1アクチュエータと、前記移動体を鉛直方向に移動させる第2アクチュエータとを有し、前記移動体は、前記第2アクチュエータを用いて前記基準面に当接可能な凸部を有することを特徴とする。
本発明によれば、センサを設けることなく、磁気浮上式のステージが有している水平方向に沿う面の傾きを矯正することが可能である。
実施形態に係る描画装置1の構成図。 ステージ装置の構成図。 ステージの姿勢矯正及び原点出しに関するフローチャート。
磁気力によって支持された磁気浮上式のステージが有する水平方向に沿った面(以下、浮上面と称す)の傾きを、容易に矯正して原点出しを行うことが可能なステージ装置の構成について説明する。
(描画装置の構成)
本発明に係るステージ装置の実施形態について、図1を用いて説明する。図1はレジストの塗布されているウエハ(基板)W上に電子線を照射してパターン形成を行う描画装置(リソグラフィ装置)1の正面図である。Y軸方向に対する、ステージ装置の構成は図2を用いて後述する。鏡筒CLは、電子線を発生する電子源(不図示)と、電子源から射出された電子線をウエハW上に集束する電子光学系(不図示)を有している。さらに、鏡筒CLは真空チャンバVCを貫通するように設置されており、真空チャンバVC内及び鏡筒CL内は真空ポンプ(不図示)を用いて真空雰囲気に保たれている。
真空チャンバVC内の底部には、土台となる定盤BS、及び定盤BSを支え定盤BSへ伝わる外部振動を低減するためのマウントMTがある。定盤BS上にはX軸方向に移動可能なステージXMがあり、ステージXM上には、ウエハWを保持した状態で水平方向であるX軸方向及びY軸方向と、鉛直方向であるZ軸方向への移動が可能なステージYM(移動体)がある。制御部2は、ステージXM及びステージYMには、ステージXMやステージYMを移動するためのアクチュエータを制御する。
ステージYM上には、X軸方向の位置を計測するために用いるミラーXBMがある。真空チャンバVCから吊り下げられている干渉計LからミラーXBMに向けてレーザ光を射出し、ミラーXBMが反射したレーザ光と参照光との干渉光を検出する。干渉計Lは、この干渉光の強度変化に基づいてステージYMのX軸方向の変位を計測する。Y軸方向及びZ軸方向の変位も、ミラーYBM(図2(a)に図示)とZ軸方向用のミラー(不図示)を用いて同様に計測する。干渉計Lによる検出結果から、検出器3がステージYMのX軸、Y軸、Z軸方向の位置を出力する。
主制御部4は、制御部2と検出器3に接続されている。主制御部4は、検出器3の計測結果に基づいて、ステージXM及びステージYMに必要な移動量を制御部2に指示する。制御部2の指示に基づいてステージXMとステージYMが同期しながら移動をし、ステージYMの6軸方向(X、Y、Z、ωx、ωy、ωz)の位置が制御される。
(ステージ装置の詳細構成)
ステージYMは支持ユニットLVにより、ステージXMの上方で非接触で浮上支持されている。これにより、ステージYMは、ステージYMよりも下方に配置されているケーブル等による振動等の影響を受けず、かつ高速で移動することができる。
支持ユニットLVは、支持ユニットLVを構成している固定子LVSと可動子LVMとの間にはたらく磁気吸引力によってステージYMを浮上する。固定子LVSは鉄であり、可動子LVMは鉄LVMSと、鉄LVMSに固定されている永久磁石LVMMで構成されている。固定子LVSは、ステージYMのY軸方向への移動が大幅に外れてしまうことを防ぐガイドとしての役割も有する。
ステージYMの底面には、ステージYMを移動するアクチュエータが配置されている。アクチュエータの可動子として磁石ユニットXAM、YAM、ZAMがある。磁石ユニットXAMはステージYMをX軸方向に移動し、2つの磁石ユニットYAMはステージYMをY軸方向に移動し、4つの磁石ユニットZAMはステージYMをZ軸方向に移動する。各々の磁石ユニットXAM、YAM、ZAMは、各々の磁石ユニットXAM、YAM、ZAMに対応するアクチュエータの固定子である、コイルXAC、YAC、ZACが貫通できるように中空の構造をしている。
磁石ユニットYAMは、コイルYACの上下に磁石YAMMを各々配置しており、各々の磁石YAMMのさらに上下をヨークYAMYで挟んでいる。さらに、ヨークYAMY同士を中間部材YAMIで固定している。Y軸方向には異なる磁極の磁石YAMMが交互に並べられている。
磁石ユニットZAMの磁石ZAMM1同士、ZAMM2同士には互いに異なる向きの磁性を帯びた磁石である。磁石ZAMM1、ZAMM2の側面にはヨークZAMYが配置されており、ヨークZAMY同士を中間部材ZAMIで固定している。
磁石ユニットXAMは、コイルXACの上下にある磁石XAMMと、各々磁石の上下に配置されたヨークXAMYと、ヨークXAMY同士を連結するように固定する中間部材XAMIで構成されている。各々の磁石XAMMはX軸方向に異なる向きの磁性を帯びた磁石である。
次に、鏡筒CL下面からステージYMを見た図を図2(a)に、ステージXMからステージYMを見た図を図2(b)に示す。なお、図1(a)に示した支持ユニットLVは省略している。図2(a)(b)に示すように、ステージXMはY軸方向に長い形状をしている。コイルXACは単相の長円形コイルであって、XY平面においてY軸方向に長い形状をしている。コイルZACも単相の長円形コイルであり、コイルZACの成す面がコイルXACの成す面と直角を成すように配置されている。一方、コイルYACは多相コイルで構成されており、ステージYMをY軸方向に長距離駆動できる構成となっている。
制御部2は、コイルXACに電流を流して、電磁力により磁石ユニットXAM及びステージYMをX軸方向に駆動する。同様にコイルZACに電流を流して、磁石ユニットZAM及びステージYMをZ軸方向に駆動する。さらに、制御部2はステージYMの位置に応じたコイルYACの所定のコイルに対して電流を流して、磁石ユニットYAM及びステージYMをY軸方向に駆動する。
図2(b)に示すように、コイルZACの各コイルは、X軸方向、Y軸方向に離間して配置されている。これにより、描画中に、ウエハW表面の微小な凹凸等に合わせてステージYMの傾きを制御することも可能である。このようにして、制御部2からの指示に基づいて各々のコイルに対して流れる電流量、電流の方向、及びタイミング等に応じて、ステージYMの位置が制御される。
ステージXMはリニアモータ(不図示)を用いて、転動ガイド(不図示)に支持されながらX軸方向に移動する。ステージXMが移動した分だけ、磁石ユニットXAMも移動することで、ステージXMとステージYMが一体となってX軸方向に移動する。
ステージXMとステージYMの移動によって、ウエハWは図2(c)に示すような軌跡を描く。電子線を照射しながらY軸方向に駆動するスキャン駆動(実線部)と、電子線を照射していない間にX軸方向に移動するステップ駆動(破線部)とを繰り返す。ステージXM及びステージYMの1回あたりの移動距離は、例えば、X軸方向には10〜100μmに対してY軸方向には100〜1000mmである。
図1及び図2(b)(d)を用いて、本実施形態の特徴的な構成である、ステージYMの浮上面の傾きを矯正するための構成について説明する。
ステージXM上には、水平方向に沿った平面であるZ基準面((第1の)基準面)ZREFが形成された基準部材ZBと、Z基準面ZREFに垂直なX基準面(第2の基準面)XREFが形成された基準部材XBがある。さらに、ステージYMの側面のうちX基準面XREFと対向する面には当接部材(第2の凸部)XPが、各磁石ユニットZAMの底面には、Z基準面ZREFと対向するように4つの当接部材(第1の凸部)ZP1〜ZP4がある。図2(d)に示すように、ステージYMの側面であって基準面XREFに対向する面に、当接部材XPが2つ並んでいる。
制御部2がステージYMを下降させ、当接部材ZP1〜ZP4をZ基準面ZREFに突き当てることで、ステージYMの浮上面の傾きを矯正することができる。一方、当接部材XPをX基準面XREFに突き当てることで、ステージYMの水平面における回転ずれを矯正することができる。これらの動作を、電源を入れた後の原点出し前に行えば、当接部材XPとZP1〜ZP4を用いてステージYMの6軸方向の姿勢矯正をすることができる。
当接部材ZP1〜ZP4は、ステージYMが鉛直下方に移動したときに最初にZ基準面ZREFに当接可能な長さになるように加工されている。同様に、当接部材XPも、ステージYMをX軸方向に移動したときに最初にX基準面XREFに当接可能な長さになるように加工されている。さらに、2つの当接部材XP同士、あるいは当接部材ZP1〜ZP4は、同じ長さになるように加工されている。
図2(b)に示すように、全ての当接部材ZP1〜ZP4を一直線上に並ぶことが無いように配置している。このように配置することで、ステージYMの浮上面の傾きを矯正することが可能となる。また、当接部材ZP1〜ZP4を、本実施形態のように互いに離間して配置することが望ましい。ステージYMの偏った位置に配置されてしまうと、当接部材が配置されていない場所においてステージYMがたわむことによって、浮上面の傾き矯正の精度が低下する恐があるためである。
当接部材XP、ZP1〜ZP4の使用目的から、各当接部材の基準面に対面している平面は平面度が小さくなるように加工されていることが好ましい。同様にX基準面XREF、及びZ基準面ZREFの表面も平面度が小さくなるように加工されていることが好ましい。さらに、当接部材XPの傾きとステージYMの側面の傾き、及び当接部材ZP1〜ZP4とステージYMの浮上面の傾きとが平行となっている状態が好ましい。
以上の構成によれば、各々の当接部材を基準面に突き当てることによって、初期化動作の際にステージYMの6軸方向の姿勢矯正の精度を高めることができる。
また、接触による摩耗によってパーティクルが発生することを防ぐため、当接部材XP、ZP1〜ZP4、X基準面XREF、Z基準面ZREFには硬度の高い材料を使用することが好ましい。例えば、焼き入れをした鉄や、ステンレス材等が挙げられる。特に本実施形態の場合は、オーステナイト系のステンレスのように着磁しにくい材料であることが好ましい。磁場の影響を受けて、ウエハWに照射する電子線の軌道が曲がる現象を防ぐためである。
本実施形態では、X基準面XREFの面の大きさは当接部材XPのY軸方向の可動範囲よりも大きく、Z基準面ZREFの面の大きさも当接部材ZP1〜ZP4のY軸方向の可動範囲よりも大きくしている。これにより、ステージXMやステージYMがどのような場所に位置している状態であったとしてもX基準面XREF及びZ基準面ZREFへの突き当てができ、任意の位置でステージYMの姿勢矯正をすることができる。
(ステージの初期化動作)
描画装置1の電源投入時や外部からの衝撃等によりステージYMの絶対位置が分からない場合には、改めて原点位置を決定しなければならない。特に支持ユニットLVによる支持のみでステージの浮上面が不定状態となってしまう場合には、Z軸まわりの姿勢矯正だけでなく、浮上面の傾きも矯正した状態で原点位置を決定しなければならない。これにより、原点位置決定後の干渉計LによるステージYMの位置計測の精度が高まり、ステージYMと電子線の照射位置を同期精度も高めることができるからである。
そこで、描画装置1におけるステージ装置の初期化動作(当接部材XP、ZP1〜ZP4及びX基準面XREF、Z基準面ZREFを用いたステージYMの姿勢の矯正方法(S101〜S102)及び原点位置の決定方法(S103〜S109))について説明する。
図3は原点位置を決定するまでの流れを示すフローチャートである。フローチャートの開始時点では、ステージYMの位置や姿勢が分からずに浮上している状態とする。まず、制御部2がコイルZACに対して電流を流してステージYMを鉛直下向きに移動する。当接部材ZP1〜ZP4をZ基準面ZREFに突き当てて、ステージYMのZ、ωx、ωy軸の姿勢を正す(S101)。制御部2が当接部材ZP1〜ZP4が基準面ZREFに突き当たるまでに十分な大きさの電流と十分な時間をかけて電流を流すことにより、主制御部4は、両物体の平面同士が当接した状態であると判断する。
次に制御部2は、当接部材ZP1〜ZP4をZ基準面ZREFに接触させた状態のままステージYMをX基準面XREFの方向に移動するように、コイルXACに対して電流を流す。これにより当接部材XPがX基準面XREFに接触し、ステージYMの6軸(X、Y、Z、ωx、ωy、ωz)方向の姿勢が水平方向及び鉛直方向に沿った状態に矯正される(S102)。このとき、X基準面XREF、Z基準面ZREFの位置は既知であるため、ステージYMのX軸方向及びZ軸方向における位置を知ることができる。
次に、ステージYMのY軸方向のおよその位置を把握する(S103)。位置把握の手法としてさまざまな手法が考えられるが、例えばミラーYBMの位置変動を干渉計Lで計測している状態で、Y軸方向に並んでいるコイルYACを構成している多相コイルの端から順に電流を流していく手法が簡便で好ましい。磁石ユニットYAMがある付近のコイルYACに電流が流れるとステージYMがわずかにずれる。この位置のずれを検出器3が検知したら、その時に電流を流していたコイルの位置からステージYMのおよその位置がわかる。
次に、サーボをONにし、制御部2がコイルXAC,YAC、ZACに対して電流を流して位置制御ができる状態にする(S104)。コイルYACに電流を流しながらY軸方向の原点位置に向けてステージYMを移動する(S105)。ステージYMが移動させながら、所定の位置までステージYMが移動してきたかどうかを原点位置に配置したフォトセンサ等の原点センサ(不図示)が判断する(S107)。
原点センサがステージYMを検出しない場合(NO)は、引き続きステージYMの移動を行う。検出した場合(YES)はステージYMの位置の原点として決定する(S108)。サーボをOFFにし、原点位置における干渉計Lの値や各コイルに流している電流値をオフセット値として記憶する。以後に計測される値をオフセット値に上乗せしていくことで、ステージYMの絶対位置を計測することが可能となる。
本実施形態によれば、当接部材ZP1〜ZP4、Z基準面XREFを用いて、センサ等の配線が必要な装置を使用せずにステージYMの浮上面の傾き矯正を行うことができる。これにより、ステージ周りの構成を簡素化することが可能となる。さらに当接部材XP、X基準面XREFと合わせた構成にすることによって、6軸方向の姿勢を矯正することができるため、原点位置を精度良く決定することができ描画中のウエハWの位置決め精度が向上する。
なお、X基準面XREFに当接部材XPが突き当たるまでの間、当接部材ZP1〜ZP4の平面の摩耗を防ぎたい場合には、コイルZACに電流を流しステージYMにかかる重力と同程度の力で浮上させながら移動することが好ましい。同様の理由から、S105における移動の際に、当接部材XP、ZP1〜ZP4は、X基準面XREF及びZ基準面ZREFから離す状態にすることが好ましい。
S103における、その他のステージYMの位置検出方法として、絶対距離計である超音波センサやコイルYACの各々にホール素子を接続して検出する方法を用いても構わない。
(その他の実施形態)
その他の実施形態について説明する。前述の実施形態では、浮上面の傾き矯正のために4つの当接部材ZP1〜ZP4を配置したステージを例に説明したが、当接部材の個数はこの形態に限られるわけではない。当接部材は複数あることが好ましく、特に当接部材が3つ以上在り、水平面の位置を規制できるように一直線上に無いように配置されていることが好ましい。
当接部材ZP1〜ZP4の配置位置は、磁石ユニットZAMの下部に限られるわけではない。ステージYMと一体となって移動する位置に設けられており、鉛直下向きにステージYMを下降させた際に最初にZ基準面ZREFに突き当たるのであれば、どこに配置されていても構わない。当接部材ZP1〜ZP4とステージYMとが別部材であっても、一体に成形されていても構わない。
また、当接部材の形状は、前述の円柱形状に限られるわけではない。円錐台、角柱、角柱台、直方体などの柱形状等、基準面に当接可能な部材であればどのような凸部材であっても構わない。特にこれら当接部材には、基準面と対面する方に平面加工が施されていることが好ましい。これにより、ステージYMの浮上面の傾きを水平方向に沿って配置されている基準面ZREFの傾きに合うように、浮上面の傾きを矯正することが可能となる。
当接部材ZP1〜ZP4の代替部材としてアクチュエータの可動子である磁石ユニット(磁石ユニット内部からの磁場漏れを防止するための不図示の磁気シールド材がZ基準面ZREFに面している場合は磁気シールド材も含む)を使用しても構わない。これらに平面加工を施しておくことで、Z基準面ZREFに突き当て浮上面の傾きを矯正することもできる。しかしながら、平面加工の容易さの観点、さらには加工した平面の傾きとステージYMの浮上面のとの平行度が小さいほうが好ましい観点から、突き当てる当接部材の面積は大きくなり過ぎないことが好ましい。
浮上面の傾きを矯正するためにステージYMをZ軸方向に移動させるアクチュエータ(磁石ZAMとコイルZAC)は、前述のリニアモータのような電磁アクチュエータに限らない。空気の吹き付けや接触式のアクチュエータ等による加圧によって、当接部材当接部材ZP1〜ZP4をZ基準面ZREFに当接しても良い。
移動体の浮上支持は、移動体をZ軸方向に移動するためのアクチュエータ(磁石ZAMとコイルZAC)のみで行っても構わない。しかし、前述の実施形態のように支持ユニットLVを併用するほうが、アクチュエータが必要とする動力を低減させることができるため好ましい。
傾き矯正対象の移動体が磁気浮上式により吊り下げられている場合には、Z基準面ZREFを移動体の鉛直上方に設けてZ基準面ZREFに当接部材を当接させることで、移動体の浮上面の傾きを矯正することもできる。しかしZ基準面ZREFは前述の実施形態のように移動体の鉛直下方に設ける方が好ましい。移動体の重力も利用することができ、移動体を鉛直方向に移動するにあたりアクチュエータが必要とする動力を低減させることができるからである。
なお、本発明における移動体とは、少なくとも、磁気力によって浮上支持されているおり基準面に沿った方向、かつ鉛直方向に移動するステージと、当該ステージと一体となって移動する当接部材とを有する。
また、本発明に係るステージ装置は、電子線を用いた描画装置に限らず、KrFやEUV等の光線、イオンビーム又はレーザビームを照射してパターンを形成するリソグラフィ装置や、インプリント法を用いてパターンを形成するリソグラフィ装置にも適用できる。その他、磁気浮上を利用して駆動するステージ装置においても適用できる。
(物品の製造方法)
本発明の物品(半導体集積回路素子、液晶表示素子、CD−RW、フォトマスク等)の製造方法は、前述の実施形態のステージ装置を用いて基板上にパターンを露光する工程と、露光されたウエハやガラス等の基板に対してエッチング処理又はイオン注入処理の少なくとも一方の処理を施す工程とを含む。さらに、他の周知の工程(現像、酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含んでも良い。
1 描画装置
LV 支持ユニット
XM、YM ステージ
XP 当接部材(X軸方向)
ZP1〜ZP4 当接部材(Z軸方向)
XREF X基準面
ZREF Z基準面
XAM、YAM、ZAM 磁石ユニット
XAC、YAC、ZAC コイル
XB、ZB 基準部材
W ウエハ

Claims (12)

  1. 水平方向に沿った基準面を有する基準部材と、
    移動体と、
    前記移動体を磁気力により非接触支持する支持ユニットと
    前記基準面に沿って前記移動体を移動させる第1アクチュエータと、
    前記移動体を鉛直方向に移動させる第2アクチュエータとを有し、
    前記移動体は、前記第2アクチュエータを用いて前記基準面に当接可能な凸部を有することを特徴とするステージ装置。
  2. 前記基準面は第1の基準面であり、前記基準部材は第1の基準部材であり、前記凸部は第1の凸部であって、
    前記第1の基準面に垂直な第2の基準面を有する第2の基準部材とを有し、
    前記移動体は、前記第1アクチュエータを用いて前記第2の基準面に当接可能な第2の凸部を有することを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
  3. 前記基準面は第1の基準面であり、前記凸部は第1の凸部であって、
    前記第1の凸部は、前記第1の基準面に対面している平面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のステージ装置。
  4. 前記凸部は第1の凸部であって、
    前記第1の凸部は3つ以上在り、全ての前記凸部が一直線上に並ぶことが無く、かつ、離間していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のステージ装置。
  5. 前記基準面は前記移動体の下方に在る第1の基準面であり、前記第2アクチュエータは前記移動体を鉛直下方に移動させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のステージ装置。
  6. 前記第2のアクチュエータは磁気力により前記移動体を移動させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のステージ装置。
  7. 前記第2のアクチュエータが前記支持ユニットを兼ねることを特徴とする請求項6に記載のステージ装置。
  8. 前記移動体は、前記凸部と一体に成形されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のステージ装置。
  9. 水平方向に沿った基準面を有する基準部材と、
    移動体と、
    前記移動体を磁気力により非接触支持する支持ユニットと
    前記基準面に沿って前記移動体を移動させる第1アクチュエータと、
    前記移動体を鉛直方向に移動させる第2アクチュエータとを有し、
    前記第1のアクチュエータ又は前記第2のアクチュエータは、固定子及び可動子を有する電磁アクチュエータであって、
    前記可動子は、前記第2アクチュエータを用いて前記基準面に当接可能であることを特徴とするステージ装置。
  10. 磁気力により浮上している移動体を鉛直方向に移動して基準面に近づけるステップと、
    前記移動体が有する凸部を前記基準面に当接して、前記移動体の浮上面の傾きを前記基準面の傾きに合わせるように矯正するステップと、を有することを特徴とする移動体の姿勢の矯正方法。
  11. 基板上にパターンを形成するリソグラフィ装置であって、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のステージ装置を有することを特徴とするリソグラフィ装置。
  12. 請求項11に記載のリソグラフィ装置によって基板にパターンを形成する工程と、
    前記基板に対してエッチング処理及びイオン注入処理の少なくともいずれか一方を施す工程とを有することを特徴とする物品の製造方法。
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