JP2015191102A - 音響装置及び信号処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
簡易な構成で、エイリアジングノイズの発生を防止しつつ、圧縮音声信号に対して適切な高域補間を行って、高品質な音声を出力させる。
【解決手段】
高域補間に際して、まず、LPF部110が、入力された圧縮音声信号CADから、高調波生成の対象となる所定帯域の信号LPDを抽出する。引き続き、入出力特性が非線形となっている高調波生成部120が、信号LPDに基づいて、最高次数が制限された高調波信号成分を含む高調波含有信号HMDを生成する。次に、HPF部130が、高調波含有信号HMDから、圧縮音声が圧縮前音声から生成された際に信号成分が欠落した信号欠落帯域の信号成分を抽出して、信号HBDを生成する。そして、合成部140が、圧縮音声信号CADと信号HBDとを合成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音響装置、信号処理方法及び信号処理プログラム、及び、当該信号処理プログラムが記録された記録媒体に関する。
近年、デジタル形式で記録された音響コンテンツを再生する音響装置が広く普及している。こうした音響コンテンツのデータは、多くの場合に、ファイルサイズを縮小するために、MP3(MPEG(Moving Picture Expert Group) Audio Layer-3)等の方式によってデジタル圧縮処理が施されている。かかるデジタル圧縮処理が行われて生成された圧縮音声データを解凍して生成された圧縮音声信号は、圧縮処理前の音声データを得る際に採用されたサンプリング周波数(FS)によって制限される帯域よりも更に高音帯域が制限された音声信号となっている。
このため、圧縮処理に起因して信号成分が欠落することになった高音帯域(以下、「欠落信号帯域」という)の信号成分を補間するために、圧縮音声信号の高調波信号(倍音信号)を発生させるとともに、エイリアジングノイズ(折り返しノイズ)の発生を抑制しつつ、当該高調波信号と圧縮音声信号とを合成する技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例」という)。この従来例の技術では、圧縮音声信号の低域成分を所定のカットオフ周波数を有するローパスフィルタ(LPF)により抽出し、抽出された信号成分を半波整流して、当該信号成分の偶数次数の高調波信号を含む高調波含有信号を生成する。そして、生成された高調波含有信号における欠落信号帯域の信号成分を抽出するようになっている。
ここで、エイリアジングノイズの発生を抑制するため、従来例の技術では、LPFのカットオフ周波数を、サンプリング周波数(FS)による定まる圧縮前音声の信号帯域の最高周波数の1/2程度とするようにする。そして、半波整流により発生する偶数次数の高調波では2次高調波に比べて4次以上の高調波は十分に小さいとして、高調波含有信号の最高周波数の積極的な制限を要件とせずに高調波含有信号の生成するようになっている。
なお、従来例においては、半波整流されて生成された高調波含有信号を、抽出される信号成分の上側周波数を制限するバンドパスフィルタ(BPF)を介させる構成も挙げられている。しかしながら、当該BPFに関して、上側カットオフ周波数をどのような周波数とするかについては記載されていない。
特開2005―033245号公報
上述した従来例の技術では、半波整流により発生する高調波含有信号の最高周波数の積極的な制限を要件としていない。このため、その量は少ないかもしれないが、エイリアジングノイズが発生することになる。
そして従来例の技術の範囲で、エイリアジングノイズを更に低減させるためには、上述したBPFを備える構成を採用したうえで、当該BPFの上側カットオフ周波数を、圧縮前音声の信号帯域の最高周波数程度とすることが必要となる。すなわち、急峻な減衰特性を有する上側カットオフ周波数を圧縮前音声の信号帯域の最高周波数程度に設定したBPFを用意することが必要となるので、簡易にエイリアジングノイズの発生を防止することができるとはいいがたい。
このため、簡易な構成で、エイリアジングノイズの発生を防止しつつ、圧縮音声信号に対して適切な高域補間を行って、高品質な音声を出力させることができる技術が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
請求項1に記載の発明は、入力された音声信号から、所定帯域の信号成分を抽出するローパスフィルタ部と;入出力特性が非線形であり、前記ローパスフィルタ部の出力信号に基づいて、次数が制限された高調波信号成分を含む高調波含有信号を生成する高調波生成部と;前記高調波生成部の出力信号から、前記音声信号において信号成分が欠落している信号欠落帯域の信号成分を抽出するハイパスフィルタ部と;前記入力された音声信号と、前記ハイパスフィルタ部の出力信号とを合成する合成部と;を備えることを特徴とする音響装置である。
請求項5に記載の発明は、入力された音声信号に対して高域補間を行う音響装置において使用される信号処理方法であって、前記入力された音声信号から、所定帯域の信号成分を抽出するローパスフィルタリング工程と;前記ローパスフィルタリング工程により得られた信号に基づいて、非線形加工を行って、次数が制限された高調波信号成分を含む高調波含有信号を生成する高調波生成工程と;前記高調波生成工程により得られた信号から、前記音声信号において信号成分が欠落している信号欠落帯域の信号成分を抽出するハイパスフィルタリング工程と;前記入力された音声信号と、前記ハイパスフィルタリング工程により得られた信号とを合成する合成工程と;を備えることを特徴とする信号処理方法である。
請求項6に記載の発明は、音響装置が有するコンピュータに、請求項5に記載の信号処理方法を実行させる、ことを特徴とする信号処理プログラムである。
請求項7に記載の発明は、音響装置が有するコンピュータにより読み取り可能に、請求項6に記載の信号処理プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
本発明の一実施形態に係る音響装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図1の音響装置に入力される圧縮音声の平均的なスペクトルを示す図である。 図1のローパスフィルタ(LPF部)及びハイパスフィルタ(HPF)部のフィルタリング特性を説明するための図である。 図1の高調波生成部の構成を示すブロック図である。 図4の高調波含有信号生成部で利用する数式を説明するための図である。 図4の高調波含有信号生成部で生成される高調波含有信号のスペクトルを示す図である。 図1の合成部の構成を説明するためのブロック図である。 図1の装置による高域補間を説明するための図である。 高調波含有信号生成部で利用する数式の変形を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図8を参照して説明する。なお、図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図1には、一実施形態に係る音響装置100の概略的な構成が、ブロック図にて示されている。この図1に示されるように、音響装置100は、圧縮音声解凍装置200及び音出力装置300と接続されている。
ここで、上記の圧縮音声解凍装置200は、MP3規格等の所定の標準規格に準拠して生成された圧縮音声データを解凍して、圧縮音声信号CADを生成する。こうして生成された圧縮音声信号CADが、音響装置100へ送られる。
なお、本実施形態では、圧縮音声信号CADは、ビットレート「BR」に対応する圧縮音声信号となっている。そして、圧縮音声信号CADの信号帯域の上限周波数は、周波数FBRとなっている。
また、上記の音出力装置300は、スピーカSPを備えて構成されている。この音出力装置300は、音響装置100から送られた高域補間信号HIDを受ける。そして、音出力装置300は、高域補間信号HIDに従った音をスピーカSPから出力する。
<音響装置100の構成>
上記の音響装置100は、ローパスフィルタ(LPF)部110と、高調波生成部120とを備えている。また、音響装置100は、ハイパスフィルタ(HPF)部130と、合成部140とを備えている。
上記のLPF部110は、カットオフ周波数FCLでローパスフィルタリング処理を行う。このLPF部110は、圧縮音声解凍装置200から送られた圧縮音声信号CADを受ける。そして、LPF部110は、カットオフ周波数FCLのローパスフィルタリング処理を圧縮音声信号CADに対して施す。このローパスフィルタリング処理の結果が、信号LPDとして高調波生成部120へ送られる。
なお、本実施形態では、カットオフ周波数FCLが、圧縮前音声の信号帯域の最高周波数FMAX(=FS/2)の「1/3」となっており、信号LPDの帯域は、カットオフ周波数FCL以下の信号帯域となっている。
上記の高調波生成部120は、LPF部110から送られた信号LPDを受ける。そして、高調波生成部120は、信号LPDの高調波として3次以下の高調波を含む高調波含有信号HMDを生成する。こうして生成された高調波含有信号HMDは、HPF部130へ送られる。
なお、高調波生成部120の構成については、後述する。
上記のHPF部130は、カットオフ周波数FCHでパイパスフィルタリング処理を行う。ここで、カットオフ周波数FCHは、上述した周波数FBRとほぼ一致するようになっている。
HPF部130は、高調波生成部120から送られた高調波含有信号HMDを受ける。そして、HPF部130は、カットオフ周波数FCHのハイパスフィルタリング処理を高調波含有信号HMDに対して施す。このハイパスフィルタリング処理の結果が、信号HBDとして合成部140へ送られる。
上記の合成部140は、圧縮音声解凍装置200から送られた圧縮音声信号CADを受ける。また、合成部140は、HPF部130から送られた信号HBDを受ける。そして、合成部140は、圧縮音声信号CADと信号HBDとの合成を行い、高域補間信号HIDを生成する。こうして生成された高域補間信号HIDは、音出力装置300へ送られる。
なお、合成部140の構成の詳細については、後述する。
図2(A)には、サンプル周波数FSでサンプリングされて生成されたデジタル楽曲音に対応する圧縮前音声の平均的なスペクトルが模式的に示されている。この図2(A)に示されるように、圧縮前音声の帯域の上限周波数は、最高周波数FMAX(=FS/2)となっている。
かかる圧縮前音声を圧縮して得られる上述したビットレート「BR」の圧縮音声の信号帯域が図2(B)に示されている。この図2(B)に示されるように、ビットレート「BR」の圧縮音声は、信号帯域の上限周波数が周波数FBRであり、周波数帯域(FBR〜FMAX)が、圧縮前音声と比べて、信号成分の欠落帯域となっている。
なお、図3(A)には、上述したLPF部110のフィルタリング特性が示されている。また、図3(B)には、上述したHPF部130のフィルタリング特性が示されている。
(高調波生成部120の構成)
次に、上記の高調波生成部120の構成について説明する。
高調波生成部120は、図4に示されるように、エンベロープ信号生成部121と、正規化部122とを備えている。また、高調波生成部120は、高調波含有信号生成部123を備えている。
上記のエンベロープ信号生成部121は、LPF部110から送られた信号LPDを受ける。そして、エンベロープ信号生成部121は、信号LPDの振幅(=A(T))のエンベロープ信号EVDを生成する。こうして生成されたエンベロープ信号EVDは、正規化部122へ送られる。
本実施形態では、エンベロープ信号EVDの生成に際して、エンベロープ信号生成部121は、まず、信号LPDの振幅の絶対値(=|A(T)|)を算出する。引き続き、エンベロープ信号生成部121は、値|E(T−ΔT)|から所定の一定値ΔE(>0)を差し引いた値EE(T)を算出する。そして、エンベロープ信号生成部121は、絶対値(=|A(T)|)と値EE(T)とのうちで大きな値を、エンベロープ信号EVDの振幅(=E(T))として採用する。
なお、時間ΔTは、エンベロープ信号EVDの振幅(=E(T))の算出周期時間である。また、値ΔEは、合理的なエンベロープ信号EVDを生成するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
上記の正規化部122は、LPF部110から送られた信号LPDを受ける。また、正規化部122は、エンベロープ信号生成部121から送られたエンベロープ信号EVDを受ける。そして、正規化部122は、信号LPD及びエンベロープ信号EVDに基づいて、正規化信号NMDを算出する。こうして生成された正規化信号NMDは、高調波含有信号生成部123へ送られる。
かかる正規化信号NMDの算出に際して、正規化部122は、信号LPDの振幅(=A(T))及びエンベロープ信号EVDの振幅(=E(T))に基づいて、次の(1)式により、正規化信号NMDの振幅(=X(T))を算出する。
X(T)=A(T)/E(T) …(1)
このため、正規化信号NMDの振幅(=X(T))の値は、「−1」以上かつ「1」以下となるようになっている。
上記の高調波含有信号生成部123は、正規化部122から送られた正規化信号NMDを受ける。そして、高調波含有信号生成部123は、正規化信号NMDに基づいて、正規化信号NMD(ひいては、信号LPD)の高調波として、3次以下の高調波を含む高調波含有信号HMDを生成する。こうして生成された高調波含有信号HMDは、HPF部130へ送られる。
かかる高調波含有信号HMDの生成に際して、高調波含有信号生成部123は、正規化信号NMDの振幅(=X(T))を変数として、次の(2)式により高調波含有信号HMDの振幅(=Y(T))を算出する。
Y(T)=F(X)
=C3・(X(T))3+C2・(X(T))2+C・X(T) …(2)
定数C,C2,C3は、振幅(=X(T))の符号が正負の場合で、出力(=Y(T))が非対称になるような(すなわち、原点(X(T)=0,Y(T)=0)を基準として、点対称対象とはならないような)、ソフトクリップ非線形入出力特性を近似することにより導かれた値を使用する。
ここで、(2)式における「(X(T))3」と「X(T)」の項に起因して、高調波含有信号HMDには、正規化信号NMD(ひいては、信号LPD)の3次と1次の高調波が含まれることになる。また、(2)式における「(X(T))2」の項に起因して、高調波含有信号HMDには、正規化信号NMD(ひいては、信号LPD)の2次高調波が含まれることになる。
なお、定数C,C2,C3は、適切な2次高調波及び3次高調波の発生の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、ソフトクリップ非線形入出力特性を調整することで、予め定められる。
図5には、振幅X(T)と振幅Y(T)との関係の例が示されている。また、図6には、高調波含有信号HMDのスペクトルの例が示されている。
(合成部140の構成)
次いで、上記の合成部140の構成について説明する。
合成部140は、図7に示されるように、遅延部141と、乗算部1421,1422を備えている。また、合成部140は、加算部143を備えている。
上記の遅延部141は、圧縮音声解凍装置200から送られた圧縮音声信号CAD(=X(T))を受ける。そして、遅延部141は、圧縮音声信号CADを、LPF部110及びHPF部130における位相遅延に対応する時間TDLだけ遅延させた信号DLD(=D(T))を生成する。ここで、信号D(T)と圧縮音声信号X(T)との関係は、次の(3)式で表される。
D(T)=X(T−TDL) …(3)
この結果、信号DLDと、上述したHPF部130から出力される信号HBDとの同期が図られるようになっている。こうして生成された信号DLDは、乗算部1421へ送られる。
上記の乗算部1421は、遅延部141から送られた信号DLDを受ける。そして、乗算部1421は、信号DLDをK1倍して信号MLDを生成する。こうして生成された信号MLDは、加算部143へ送られる。
上記の乗算部1422は、HPF部130から送られた信号HBDを受ける。そして、乗算部1422は、信号HBDをK2倍して信号MHDを生成する。こうして生成された信号MHDは、加算部143へ送られる。
なお、値K1と値K2との比は、適切な高域補間の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて予め定められる。
上記の加算部143は、乗算部1421から送られた信号MLDを受ける。また、加算部143は、乗算部1422から送られた信号MHDを受ける。そして、加算部143は、信号MLDと信号MHDとを加算して高域補間信号HIDを生成する。こうして生成された高域補間信号HIDは、音出力装置300へ送られる。
上述のようにして生成された信号MHDのスペクトルが図8に示されている。この図8では、ビットレート「BR」の圧縮音声信号CADに対応して生成された信号MHDのスペクトルが、破線にて示されている。なお、図8では、信号DLDをK1倍した信号MLD(ひいては、圧縮音声信号CADをK1倍した信号)のスペクトルが、実線にて示されている。
図8に示されるように、高調波含有信号HMDは、圧縮音声信号CADにおける信号成分の欠落帯域を、適切に補間する信号となっている。
[動作]
次に、上記のように構成された音響装置100の動作について、圧縮音声信号CADに基づく信号HBD(図1参照)の生成処理に主に着目して説明する。
圧縮音声解凍装置200が圧縮音声信号CADの供給を開始すると、音響装置100では、LPF部110が圧縮音声信号CADを受ける。また、音響装置100では、合成部140が圧縮音声信号CADを受ける(図1参照)。
圧縮音声信号CADを受けると、LPF部110は、カットオフ周波数FCL(=FMAX/3=FS/6))のローパスフィルタリング処理を圧縮音声信号CADに対して施す。そして、LPF部110は、ローパスフィルタリング処理の結果を、信号LPDとして高調波生成部120へ送る(図1参照)。
LPF部110から送られた信号LPDを受けると、高調波生成部120は、信号LPDの2次高調波及び3次高調波を含む高調波含有信号HMDを生成する。そして、高調波生成部120は、生成された高調波含有信号HMDをHPF部130へ送る(図1参照)。
かかる高調波含有信号HMDの生成に際して、高調波生成部120では、LPF部110から送られた信号LPDを受けたエンベロープ信号生成部121が、まず、信号LPD(=A(T))に基づいて、まず、信号LPDの振幅の絶対値(=|A(T)|)を算出する。引き続き、エンベロープ信号生成部121は、値|E(T−ΔT)|から所定の一定値ΔE(>0)を差し引いた値EE(T)を算出する。
次に、エンベロープ信号生成部121は、絶対値(=|A(T)|)と値EE(T)とのうちで大きな値を、エンベロープ信号EVDの振幅(=E(T))として採用して、エンベロープ信号EVDを生成する。そして、エンベロープ信号生成部121は、生成されたエンベロープ信号EVDを正規化部122へ送る(図4参照)。
LPF部110から送られた信号LPD(=A(T))、及び、エンベロープ信号生成部121から送られたエンベロープ信号EVD(=E(T))を受けると、正規化部122は、信号LPD及びエンベロープ信号EVDに基づいて、正規化信号NMDを算出する。かかる正規化信号NMDの算出に際して、正規化部122は、信号LPDの振幅(=A(T))及びエンベロープ信号EVDの振幅(=E(T))に基づいて、上述した(1)式により、値が「−1」以上かつ「1」以下となる正規化信号NMDの振幅(=X(T))を算出する。そして、正規化部122は、算出された振幅の正規化信号NMDを高調波含有信号生成部123へ送る(図4参照)。
正規化部122から送られた正規化信号NMD(=X(T))を受けると、高調波含有信号生成部123は、正規化信号NMDに基づいて、正規化信号NMD(ひいては、信号LPD)の2次高調波及び3次高調波を高調波として含む高調波含有信号HMDを生成する。かかる高調波含有信号HMDに際して、高調波含有信号生成部123は、上述した(2)式により、高調波含有信号HMDの振幅(=Y(T))を算出する。そして、高調波含有信号生成部123は、算出された振幅の高調波含有信号HMDをHPF部130へ送る(図4参照)。
高調波生成部120(より詳しくは、高調波含有信号生成部123)から送られた高調波含有信号HMDを受けると、HPF部130は、カットオフ周波数FCH(=FBR)のハイパスフィルタリング処理を高調波含有信号HMDに対して施す。そして、HPF部130は、ハイパスフィルタリング処理の結果を、信号HBDとして合成部140へ送る(図1参照)。
HPF部130から送られた信号HBDを受けると、合成部140は、信号HBDと、圧縮音声解凍装置200から送られた圧縮音声信号CADとの合成を行う。かかる合成に際して、合成部140では、遅延部141が、圧縮音声信号CADを、LPF部110、及びHPF部130における位相遅延に対応する時間TDLだけ遅延させて、信号HBDとの同期が図られた信号DLDを生成する。そして、遅延部141は、生成された信号DLDを乗算部1421へ送る(図7参照)。
遅延部141から送られた信号DLDを受けると、乗算部1421は、信号DLDをK1倍して信号MLDを生成する。そして、乗算部1421は、生成された信号MLDを加算部143へ送る(図7参照)。
一方、乗算部1422は、信号HBDをK2倍して信号MHDを生成する。そして、乗算部1422は、生成された信号MHDを加算部143へ送る(図7参照)。
乗算部1421から送られた信号MLD、及び、乗算部1422から送られた信号MHDを受けると、加算部143は、信号MLDと信号MHDとを加算して高域補間信号HIDを生成する。そして、加算部143は、生成された高域補間信号HIDを音出力装置300へ送る(図7参照)。
すなわち、合成部140は、信号HBDと圧縮音声信号CADとの同期を図ったうえで、適切な高域補間ができる混合比で重み付け加算して、信号HBDと圧縮音声信号CADとの合成を行う。かかる合成の結果として生成された高域補間信号HIDが、音出力装置300へ送られるようになっている。
音響装置100(より詳しくは、合成部140)から送られた高域補間信号HIDを受けると、音出力装置300は、高域補間信号HIDに従った音をスピーカSPから出力する。この結果、圧縮音声信号CADの信号帯域に対応して適切に高域補間が行われた高品質の音声が、音出力装置300から出力される。
以上説明したように、本実施形態では、高域補間に際して、まず、LPF部110が、入力された圧縮音声信号CADから、高調波生成の対象となる所定帯域の信号LPDを抽出する。引き続き、入出力特性が非線形となっている高調波生成部120が、信号LPDに基づいて、次数が3次以下に制限された高調波信号成分を含む高調波含有信号HMDを生成する。ここで、本実施形態では、高調波信号成分の周波数は、圧縮前音声の信号帯域内の周波数となっている。
次に、HPF部130が、高調波含有信号HMDから、圧縮音声が圧縮前音声から生成された際に信号成分が欠落した信号欠落帯域の信号成分を抽出する。そして、合成部140が、圧縮音声信号CADと信号HBDとを合成する。
したがって、本実施形態によれば、簡易な構成でエイリアジングノイズの発生を防止しつつ、圧縮音声信号に対して適切な高域補間を行って、高品質な音声を出力させることができる。
また、本実施形態では、高調波含有信号HMDの生成に際して、ローパスフィルタ部110から出力された信号LPDの絶対値からエンベロープ信号EVDを生成する。引き続き、正規化部122が、信号LPDの振幅をエンベロープ信号EVDの振幅で除した正規化信号NMDを生成する。そして、高調波含有信号生成部123が、正規化信号NMDに基づいて、高調波含有信号HMDを生成する。このため、信号LPDの振幅の絶対値が小さくなったとしても、安定した高調波生成を行うことができる。
また、本実施形態では、高調波含有信号生成部123が、上述した(2)式及び(3)式を利用して高調波含有信号HMDを生成する。また、ローパスフィルタ部110から出力された信号LPDの帯域が、圧縮前音声の信号帯域の最高周波数FMAXを「3」で除した周波数以下の信号帯域に設定されている。このため、当該最高周波数FMAXを超える周波数のパワーを無視できない高調波成分の発生をほぼ完全に回避できる。したがって、エイリアジングノイズの発生を非常に有効に防止することができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、高調波含有信号の生成に際して、最高次数を3次とするべき乗多項式である上述した(2)式を採用した。これに対し、当該(2)式に代えて、最高次数を2次又は4次以上としたべき乗多項式を採用するとともに、最高次数を「N」とした場合に、ローパスフィルタから出力された信号の帯域を圧縮前音声の信号帯域の最高周波数を「N」で除した周波数以下の信号帯域に設定するようにしてもよい。この場合には、発生した「N」次以下の高調波成分を利用した高域補間が行われる。
また、上記の実施形態では、正規化信号の振幅X(T)が正である場合と、非正である場合とで共通する(2)式により、高調波含有信号HMDの振幅Y(T)を算出するようにした。これに対し、正規化信号の振幅X(T)が正である場合と、非正である場合とで異なる式により、高調波含有信号HMDの振幅Y(T)を算出するようにしてもよい。
例えば、次の(4),(5)式により、高調波含有信号HMDの振幅Y(T)を算出するようにしてもよい。
Y(T)=F(X)
=C3・(X(T))3+C2・(X(T))2 [if X(T)>0] …(4)
Y(T)=X [if X(T)≦0] …(5)
ここで、(4)式における「(X(T))3」の項に起因して、高調波含有信号HMDには、正規化信号NMD(ひいては、信号LPD)の3次高調波が含まれることになる。また、(4)式における「(X(T))2」の項の存在、及び、(5)式における「(X(T))2」の項の不存在に起因して、高調波含有信号HMDには、正規化信号NMD(ひいては、信号LPD)の2次高調波が含まれることになる。
なお、(4)式における定数C2,C3は、例えば、適切な2次高調波及び3次高調波の発生の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて予め定められたソフトクリップ非線形入出力特性を近似することにより導かれた値を使用する。
なお、図9には、上述した(4),(5)式を採用した場合の振幅X(T)と振幅Y(T)との関係の例が示されている。
また、上記の実施形態におけるエンベロープ信号の生成方法に代えて、他のエンベロープ信号の生成方法を採用するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、圧縮音声信号の高域補間に本発明を適用するようにしたが、圧縮音声信号以外の音声信号の高域補間に本発明を適用してもよい。
また、上記の実施形態では、音響装置とは別の装置として圧縮音声解凍装置及び音出力装置が配置される構成とした。これに対し、音響装置が圧縮音声解凍装置の機能を備えるようにしてもよいし、また、音響装置が音出力装置の機能を備えるようにしてもよい。
なお、上記の実施形態の音響装置を、DSP(Digital Signal Processor)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、上記の実施形態における処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配送の形態で取得されるようにしてもよい。
100 … 音響装置
110 … ローパスフィルタ部
120 … 高調波生成部
121 … エンベロープ信号生成部
122 … 正規化部
123 … 高調波含有信号生成部
130 … ハイパスフィルタ部
140 … 合成部

Claims (7)

  1. 入力された音声信号から、所定帯域の信号成分を抽出するローパスフィルタ部と;
    入出力特性が非線形であり、前記ローパスフィルタ部の出力信号に基づいて、次数が制限された高調波信号成分を含む高調波含有信号を生成する高調波生成部と;
    前記高調波生成部の出力信号から、前記音声信号において信号成分が欠落している信号欠落帯域の信号成分を抽出するハイパスフィルタ部と;
    前記入力された音声信号と、前記ハイパスフィルタ部の出力信号とを合成する合成部と;
    を備えることを特徴とする音響装置。
  2. 前記高調波生成部は、
    前記ローパスフィルタ部の出力信号の絶対値からエンベロープ信号を生成するエンベロープ信号生成部と;
    前記ローパスフィルタ部の出力信号の振幅を前記エンベロープ信号の振幅で除した正規化信号を生成する正規化部と;
    前記正規化信号に基づいて、前記高調波含有信号を生成する高調波含有信号生成部と;
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
  3. 前記音声信号は、圧縮前音声のデータに対して圧縮処理がなされたデータを解凍して生成された圧縮音声信号であり、
    前記高調波信号成分の周波数は、前記圧縮前音声の信号帯域内の周波数である、ことを特徴とする請求項2に記載の音響装置。
  4. 前記高調波含有信号生成部は、最高次数が値N(N:2以上の自然数)の前記正規化信号の振幅のべき乗多項式による算出結果を前記高調波含有信号の振幅として、前記高調波含有信号を生成し、
    前記べき乗多項式による算出結果は、前記正規化信号の振幅の増加に従って増大し、
    前記べき乗多項式を利用して実現される前記入出力特性は、基準点を中心に、点対称とはならない入出力特性であり、
    前記所定帯域は、前記圧縮前音声の信号帯域の最高周波数を前記値Nで除した周波数以下の信号帯域に設定されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の音響装置。
  5. 入力された音声信号に対して高域補間を行う音響装置において使用される信号処理方法であって、
    前記入力された音声信号から、所定帯域の信号成分を抽出するローパスフィルタリング工程と;
    前記ローパスフィルタリング工程により得られた信号に基づいて、非線形加工を行って、次数が制限された高調波信号成分を含む高調波含有信号を生成する高調波生成工程と;
    前記高調波生成工程により得られた信号から、前記音声信号において信号成分が欠落している信号欠落帯域の信号成分を抽出するハイパスフィルタリング工程と;
    前記入力された音声信号と、前記ハイパスフィルタリング工程により得られた信号とを合成する合成工程と;
    を備えることを特徴とする信号処理方法。
  6. 音響装置が有するコンピュータに、請求項5に記載の信号処理方法を実行させる、ことを特徴とする信号処理プログラム。
  7. 音響装置が有するコンピュータにより読み取り可能に、請求項6に記載の信号処理プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体。
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