JP4811090B2 - オーディオ信号処理装置,オーディオ信号処理方法,プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

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Description

本発明は,デジタルオーディオ信号を加工処理するオーディオ信号処理装置,オーディオ信号処理方法,プログラムおよび記憶媒体に関する。
コンピュータの処理速度の高速化およびメモリの記憶容量の増大化により,近年,アナログオーディオ信号を一旦デジタル化して,様々な加工を施し,所望するデジタルオーディオ信号を生成することが可能となった。
その一例として,デジタル化されたデジタルオーディオ信号から高調波を生成し,そのデジタルオーディオ信号に重ねることで,デジタルオーディオ信号の高域成分を再現する技術が知られている(例えば,特許文献1,2)。
しかし,上記の技術は,デジタルオーディオ信号の周波数帯域を単に拡張することを目的とし,デジタルオーディオ信号以上の周波数を持つ高調波を付加しているだけで,デジタルオーディオ信号の周波数帯域内にある高調波成分を付加していない。
このような技術の下では,圧縮音声において省略されたデジタルオーディオ信号の周波数帯域内の倍音成分を復活することができず,対象となる音声によっては,聴感上好ましくなるという効果を得ることができなかった。
他にも,デジタルオーディオ信号の周波数帯域内にある高調波成分を付加して,周波数帯域を広げ,高音成分を増幅する技術が知られている(例えば,特許文献3,4)。かかる技術では,主信号とは独立したラインで高調波を生成し,最後に主信号に加算する構成をとっているので,計算量が多く,演算処理に基づくコストを低減することができなかった。
特開平2−311006号公報 特開2005−33245号公報 特開平5−266582号公報 特表2005−501278号公報
本発明は,従来のデジタルオーディオ信号処理技術が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,簡易な構成で2次高調波を付加し,音声圧縮によって欠落した倍音成分を補完して聴感上好ましい音声を得ることが可能な,新規かつ改良されたオーディオ信号処理装置,オーディオ信号処理方法,プログラムおよび記憶媒体を提供することである。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,デジタルオーディオ信号を第1定数倍する第1乗算器と;上記定数倍されたデジタルオーディオ信号に第2定数を加える加算器と;原信号である上記デジタルオーディオ信号と,上記第2定数を加えたデジタルオーディオ信号とを乗算する第2乗算器と;を備えることを特徴とする,オーディオ信号処理装置が提供される。
本発明では,フーリエ変換等を介さずに,簡易な構成で2次の高調波の付加を実現するので,低消費電力化,高速処理化,低コスト化,また回路で構成すれば小型化を図ることができる。また,デジタルオーディオ信号の周波数帯域内の全ての成分を含む2次高調波を,元となるデジタルオーディオ信号に付加しているので,音声圧縮により欠落した倍音成分を補完し,聴感上好ましい音声を得ることが可能となる。
上記デジタルオーディオ信号のサンプル語長を拡張して上記第1乗算器および上記第2乗算器に送信する語長拡張部と;上記第2乗算器からの信号のサンプル語長を縮小する語長縮小部と;をさらに備えるとしてもよい。
語長拡張部は,入力されたデジタルオーディオ信号のサンプル語長(ビット長)を拡張する。こうしてデジタルオーディオ信号の分解能が上がり,フィルタ処理や高調波生成処理の演算精度を向上することができる。また,語長縮小部においてサンプル語長を縮小しているので,最終的には必要とされる出力のサンプル語長に合わせることができる。
上記デジタルオーディオ信号をアップサンプルして上記第1乗算器および上記第2乗算器に送信するアップサンプラと;上記第2乗算器からの信号をダウンサンプルするダウンサンプラと;をさらに備えるとしてもよい。
アップサンプラは,元のサンプリング周波数を整数倍に上げる。逆にダウンサンプラは,周波数を整数倍に下げる。上記アップサンプラとダウンサンプラの構成により,当該オーディオ信号処理装置内では,高いサンプリング周波数に基づいた処理が可能となる。
上記第2乗算器の出力信号の高周波数帯域を制限する低域通過フィルタ(LPF:Low Pass Filter)をさらに備えるとしてもよい。かかる低域通過フィルタは,上記アップサンプラに伴って付加される。ここで,低域通過フィルタの遮断周波数を,サンプリング周波数の1/2とすることができる。
かかる構成により,アップサンプリングによって拡張された周波数帯域に発生するエイリアシングノイズを防止または軽減しつつ,音声圧縮により欠落したデジタルオーディオ信号の周波数帯域内の倍音成分を補完することが可能となる。
上記第2定数は,1から第1定数を減算した値で表されるとしてもよい。
上記オーディオ信号処理装置は,複数の構成要素の集合体で表されるが,各構成要素が単体の装置に属する必要はない。また,上記構成要素は,電気回路もしくはコンピュータ上の機能モジュールとして機能するとしてもよい。さらに,上記構成要素間の接続は,直接接続に加え,他の構成要素を介して間接的に接続されている場合を含む。
コンピュータを,上記オーディオ信号処理装置として機能させるプログラムや,そのプログラムを記憶した,コンピュータで読み取り可能な記憶媒体も提供される。
また,上記オーディオ信号処理装置を利用して,デジタルオーディオ信号を第1定数倍する第1乗算ステップと;上記定数倍されたデジタルオーディオ信号に第2定数を加える加算ステップと;原信号である上記デジタルオーディオ信号と,上記第2定数を加えたデジタルオーディオ信号とを乗算する第2乗算ステップと;を含むことを特徴とする,オーディオ信号処理方法も提供される。
上述したオーディオ信号処理装置における従属項に対応する構成要素やその説明は,オーディオ信号処理方法,プログラムおよび記憶媒体にも適用可能である。
以上説明したように本発明によれば,単純な構成で,デジタルオーディオ信号の周波数帯域内の高調波,特に2次の高調波を元のデジタルオーディオ信号に付加することができる。従って,音声圧縮によって欠落した倍音成分を補完でき,聴感上好ましい音声を得ることが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
「「MPEG digital audio coding」Noll, P.;(Signal Processing Magazine, IEEE, Volume 14,Issue5,Sept.1997Page(s):59〜81)」に示されているように,MP3(MPEG Audio Layer−3)等の不可逆圧縮音声においては,知覚符号化処理であるAuditory MaskingやPerceptual Coding等の処理によって,音圧の低い高調波成分が省略される。
また,これら圧縮音声は,「「Perceptual analysis related to MPEG1-layer3 coding system」Alarcon, S.S.;(Web Delivering of Music, 2002. WEDELMUSIC 2002. Proceedings. Second International Conference on9~11 Dec. 2002, IEEE,Page(s):230)」に示されるように,PCM(Pulse Code Modulation)等の非圧縮音声に比べ,特に「オーディオファイル」と呼ばれる音楽の専門家等から,音質的に劣るという評価を受けている。
一方,従来の真空管アンプ等の聴感評価は高く,偶数次高調波,特に2次高調波を多く含んだ音声が聴感上好ましい効果をもたらすことが知られている。例えば,「「The cool sound of tubes [vacuum tube musical applications]」Barbour,E.;(Spectrum, IEEE Volume 35, Issue 8, Aug. 1998 Page(s):24〜35)」によると,上記のような2次高調波を含んだ音声は,「音がクリーンである」「音がなめらかである」等の評価を受けている。
このような背景に基づき,元となるデジタルオーディオ信号から高調波を生成し,その高調波をデジタルオーディオ信号に重ねて,デジタルオーディオ信号の聴感上の音声を改善することが検討されている。
しかし,デジタルオーディオ信号の周波数帯域を単に拡張することを目的とした処理では,生成された高調波のうち,デジタルオーディオ信号の周波数帯域以上の周波数(例えば16kHz以上)である高調波のみが付加され,デジタルオーディオ信号の周波数帯域内にある高調波の周波数成分は付加されない。
例えば,デジタルオーディオ信号のサンプリング周波数を44.1kHzとした場合において,基音2kHzのバイオリンの音の倍音(2次高調波)成分は4kHzであり,デジタルオーディオ信号の周波数帯域以上の周波数の高調波のみを付加する上記の技術では,この周波数成分は付加されずに削除されてしまう。圧縮音声においては,このようなデジタルオーディオ信号の周波数帯域内の倍音成分も往々にして省略されるので,結局,倍音成分は残らず,バイオリンの音の聴感上の音声の改善を図ることはできない。
また,デジタルオーディオ信号の周波数帯域内にある高調波成分を付加して,周波数帯域を広げ,高音成分を増幅する技術も知られている。しかし,これらの技術では,主信号と独立したラインで高調波を生成し,最後に主信号に加算する通常の形態で構成され,必然的に計算量が多くなり,演算処理に基づくコストを低減することができなかった。
本発明の実施形態では,簡易な構成で,デジタルオーディオ信号の周波数帯域内のほぼ全ての成分を含む2次高調波を,元となるデジタルオーディオ信号に付加することによって,音声圧縮により欠落した倍音成分を補完し,聴感上好ましい音声を得ることが可能となる。以下,本実施形態のオーディオ信号処理装置を詳述する。
上述したような元となるデジタルオーディオ信号に2次高調波を付加する構成は,数式1によって実現される。
Figure 0004811090
ここで,xは入力,yは出力,Gはオーディオ信号処理装置10全体のゲイン,εは2次高調波のゲインを示し,Gは1以下の数値であるのに対し,εは,0.01等の小さい値で表される。
図5は,数式1を実現するためのオーディオ信号処理装置10の概略的な構成を示した機能ブロック図である。上記オーディオ信号処理装置10は,3つの乗算器12,14,18と,1つの加算器16を含んで構成される。
まず,乗算器12は,デジタルオーディオ信号xの入力を二乗し,xを生成する。そして,乗算器14において,2次高調波のゲインεを乗算してε・xを生成する。
そして,加算器16は,原信号であるデジタルオーディオ信号xと,2次高調波ε・xとを加算し,(x+ε・x)を生成する。最後に乗算器18がデジタルオーディオ信号全体のゲインGを乗算して,所望の出力yを得ることができる。
(第1の実施形態:オーディオ信号処理装置100)
しかし,数式1に基づくオーディオ信号処理装置10では,上述したように乗算器を3つ,加算器を1つ要する。本願出願人は,かかる2次高調波の付加構成を単純に形成することができないか検討した。
まず,数式1の括弧内の値を分解して,
Figure 0004811090
数式2を得る。上記ゲインGは1以下の値なので,G=1−δ,G・ε=δと置き換えることができる。ただし,
Figure 0004811090
である。上記δは,0.01〜0.02といった小さい値を有する。
こうして
Figure 0004811090
が生成される。
図1は,上記導出された数式4を実現するためのオーディオ信号処理装置100の概略的な構成を示した機能ブロック図である。上記オーディオ信号処理装置100は,語長拡張部110と,第1乗算器112と,加算器114と,第2乗算器116と,語長縮小部126とを含んで構成される。本実施形態におけるオーディオ信号処理装置100の2次高調波生成部分は,2つの乗算器112,116と,1つの加算器114のみで構成される。
当該オーディオ信号処理装置100は,デジタルオーディオ信号を入力し,2次高調波を付与する処理を施して出力する。かかるデジタルオーディオ信号は,CD,MD,MP3プレーヤー等のデジタルオーディオプレーヤー,または任意のデジタルオーディオ信号処理回路から出力される音声信号である。また,デジタルオーディオ信号は,上記の信号に限らず,アナログレコードプレーヤーやカセットデッキ等のアナログ音声出力,あるいはデジタルオーディオプレーヤーのアナログ音声出力によるアナログ信号をA/D変換した音声であってもよい。
上記語長拡張部110は,当該オーディオ信号処理装置100の外部から入力されたデジタルオーディオ信号のサンプル語長を拡張して第1乗算器112および第2乗算器116に送信する。例えば,入力されたデジタルオーディオ信号が16ビットで形成される場合,その語長を例えば32ビットに拡張する。こうしてデジタルオーディオ信号の分解能が上がり,後段の乗算器における演算精度を向上することができる。
上記第1乗算器112は,デジタルオーディオ信号xに第1定数δを乗算してδ・xを生成する。この定数δは,非線形増幅の非線形性の強さに相当する。かかる定数δと歪み率Dとの関係は,
Figure 0004811090
で表される。
上述したようにゲインG=1−δであることから,このδを変化させることにより,当該オーディオ信号処理装置100の出力ゲインGを調整することができる。
上記加算器114は,第1乗算器112によって定数倍されたデジタルオーディオ信号δ・xに第2定数(1−δ)を加え,{(1−δ)+δ・x}を生成する。かかる第2定数(1−δ)は,第1定数δを決めると必然的に決まる。
上記第2乗算器116は,原信号であるデジタルオーディオ信号と,加算器114において第2定数(1―δ)が加えられたデジタルオーディオ信号とを乗算し,x・{(1−δ)+δ・x}を生成する。このようにして,数式4を満たす出力を得ることができる。
図2は,上記オーディオ信号処理装置100を利用したときの周波数−ゲイン特性を示した説明図である。デジタルオーディオ信号は,アンチエイリアシングフィルタによってサンプリング周波数fの1/2までの周波数に制限され,その周波数帯域はf〜f/2となる(図2(a))。そして,y=x{(1−δ)+δx}の当該非線形フィルタにより周波数帯域がf〜fに拡張される(図2(b))。ここでfは,任意の低域遮断周波数である。
上記語長縮小部126は,第2乗算器116からの信号のサンプル語長を縮小する。上述したように,語長拡張部110は,当該オーディオ信号処理装置100の外部から入力されたデジタルオーディオ信号のサンプル語長を拡張している。従って,オーディオ信号処理装置100内で処理されているサンプル語長と,必要とされる出力のサンプル語長が相違する場合がある。語長縮小部126は,出力フォーマットに合わせてサンプル語長を縮小する。また,出力先が拡張したサンプル語長を許容する場合,当該語長縮小部126を省略することもできる。
上述した各構成要素は,電気回路(ハードウェア)で形成されてもよいし,コンピュータ上の機能モジュール(ソフトウェア)として機能するとしてもよい。また,コンピュータをオーディオ信号処理装置100として機能させるプログラムやそのプログラムを記憶した,コンピュータで読み取り可能な記憶媒体も提供される。
(オーディオ信号処理方法)
また,上述したオーディオ信号処理装置100を利用して,デジタルオーディオ信号を加工処理するオーディオ信号処理方法も提供される。
図3は,オーディオ信号処理方法の処理の流れを示したフローチャートである。まず,オーディオ信号処理装置100は,入力されたデジタルオーディオ信号のサンプル語長を拡張して第1乗算器112および第2乗算器116に送信する(S200)。
そして,第1乗算器112は,サンプル語長が拡張されたデジタルオーディオ信号を第1定数δ倍し(S202),加算器114は,第2定数(1―δ)を読み出して,この第1定数δ倍されたデジタルオーディオ信号に加算する(S204)。
次に,第2乗算器116は,原信号であるデジタルオーディオ信号と,上記第2定数を加えたデジタルオーディオ信号とを乗算し(S206),最後に,語長縮小部126は,第2乗算器116からの信号のサンプル語長を縮小する(S208)。
かかるオーディオ信号処理方法によっても,2次の高調波を原デジタルオーディオ信号に付加することで,音声圧縮によって欠落した倍音成分を補完でき,聴感上好ましい音声を得ることが可能となる。
(第2の実施形態:オーディオ信号処理装置300)
第2の実施形態では,オーディオ信号処理装置の内部処理におけるサンプリング周期を高くして,フィルタ処理等の計算処理精度を高める。
図4は,第2の実施形態によるオーディオ信号処理装置300の概略的な構成を示した機能ブロック図である。上記オーディオ信号処理装置300は,語長拡張部110と,アップサンプラ310と,第1乗算器112と,加算器114と,第2乗算器116と,低域通過フィルタ(LPF)120と,ダウンサンプラ314と,語長縮小部126とを含んで構成される。本実施形態におけるオーディオ信号処理装置300の2次高調波生成部分も,2つの乗算器112,116と,1つの加算器114のみで構成される。
第1の実施形態における構成要素として既に述べた語長拡張部110と,第1乗算器112と,加算器114と,第2乗算器116と,語長縮小部126とは,実質的に機能が同一なので重複説明を省略し,ここでは,アップサンプラ310と,低域通過フィルタ120と,ダウンサンプラ314とを主に説明する。
上記アップサンプラ310は,語長拡張部110からのデジタルオーディオ信号をアップサンプルして第1乗算器112および第2乗算器116に送信する。
このアップサンプラ310により,当該オーディオ信号処理装置300内では,高いサンプリング周波数に基づいた処理が可能となる。例えば,アップサンプラによって2倍にアップサンプルすると,サンプリング周期fは,2×fとなる。
上記低域通過フィルタ120は,第2乗算器116の出力信号の高周波数帯域を制限し,低周波数帯域のみ通過させる。アップサンプラ310を含むオーディオ信号処理装置100を介して非線形増幅を行うと,原信号の周波数成分は2倍になる。従って,原信号の,周波数f/4以上の周波数成分はナイキストリミットを越え,オーディオ信号処理装置100によってエイリアシングノイズとなってしまう。低域通過フィルタ120は,アップサンプラ310の周波数帯域の拡張によってエイリアシングノイズとなる,f/2を超える周波数成分を最終的に除去もしくは削減して,上記エイリアシングノイズを防止する。
このようにf/2以上の周波数成分は,低域通過フィルタ120により取り除かれるが,f/2以下のデジタルオーディオ信号の周波数帯域の成分は残っており,また,その成分自体の高調波も生成されるため,音声圧縮により欠落した倍音成分を補完することが可能となる。
上記ダウンサンプラ314は,低域通過フィルタ120からの信号をダウンサンプルする。例えば,当該オーディオ信号処理装置300がデジタルオーディオ信号の中継装置として機能する場合,入力と出力のサンプリング周期およびサンプル語長は等しくなければならない。ここで,当該オーディオ信号処理装置300の出力フォーマットが,高いサンプリング周期を許容できる場合,必要に応じてダウンサンプラ314や低域通過フィルタ120を省略することが可能である。また,ダウンサンプラ314は,低域通過フィルタ120と一体形成され,高域の周波数成分を制限するとしてもよい。
上述した第1,2の実施形態によるオーディオ信号処理装置100,300では,デジタルオーディオ信号に2次高調波が付加され,これによって,音声圧縮によって失われた倍音成分が補完される。このような処理によって生成されたデジタルオーディオ信号は,聴感上好ましくなる効果,例えば,「音がクリーンである」「音がなめらかである」等の効果を得ることができる。また,デジタルオーディオ信号が圧縮音声でなかったとしても,上記2次高調波を付加する構成により,聴感上好ましくなる効果が得られる。
また,上述した実施形態のオーディオ信号処理装置は,基本的に,デジタルフィルタとメモリのみで構成することができるため,フーリエ変換を利用するような複雑なアルゴリズムを適用する場合に比べ,少ない処理量で目的を達成することができ,必要とされるシステム資源,実装コストの点でも非常に有利である。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上述した実施形態においては,フィルタ処理を高速で実現可能なコンピュータを例に挙げているが,ポータブルオーディオプレーヤーやシステムステレオ等の比較的小型で安価なデジタルオーディオ機器でも本実施形態を適用することが可能である。この場合,高価かつ容積をとる真空管アンプ等を用いなくても,比較的小規模のデジタル回路の追加のみで,「クリーン」「なめらか」といった真空管アンプに類似した好ましい特徴の音色を得ることができる。その他にも,原理上全てのデジタルオーディオを用いた機器に適用できるため,カーオーディオ,デジタルテレビ,ホームシアターシステム等,極めて広い範囲の電子機器に応用することができる。
なお,本明細書のオーディオ信号処理方法における各工程は,必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく,並列的あるいは個別に実行される処理(例えば,並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むとしても良い。
第1の実施形態によるオーディオ信号処理装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。 オーディオ信号処理装置を利用したときの周波数−ゲイン特性を示した説明図である。 オーディオ信号処理方法の処理の流れを示したフローチャートである。 第2の実施形態によるオーディオ信号処理装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。 オーディオ信号処理装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
符号の説明
100,300 オーディオ信号処理装置
110 語長拡張部
112 第1乗算器
114 加算器
116 第2乗算器
120 低域通過フィルタ(LPF)
126 語長縮小部
310 アップサンプラ
314 ダウンサンプラ

Claims (8)

  1. デジタルオーディオ信号を第1定数倍する第1乗算器と;
    前記定数倍されたデジタルオーディオ信号に,1から前記第1定数を減算した値で表される第2定数を加える加算器と;
    原信号である前記デジタルオーディオ信号と,前記第2定数を加えたデジタルオーディオ信号とを乗算する第2乗算器と;
    を備えることを特徴とする,オーディオ信号処理装置。
  2. 前記デジタルオーディオ信号のサンプル語長を拡張して前記第1乗算器および前記第2乗算器に送信する語長拡張部と;
    前記第2乗算器からの信号のサンプル語長を縮小する語長縮小部と;
    をさらに備えることを特徴とする,請求項1に記載のオーディオ信号処理装置。
  3. 前記デジタルオーディオ信号をアップサンプルして前記第1乗算器および前記第2乗算器に送信するアップサンプラと;
    前記第2乗算器からの信号をダウンサンプルするダウンサンプラと;
    をさらに備えることを特徴とする,請求項1に記載のオーディオ信号処理装置。
  4. 前記第2乗算器の出力信号の高周波数帯域を制限する低域通過フィルタをさらに備えることを特徴とする,請求項1に記載のオーディオ信号処理装置。
  5. 前記低域通過フィルタの遮断周波数は,サンプリング周波数の1/2であることを特徴とする,請求項4に記載のオーディオ信号処理装置。
  6. コンピュータを,
    デジタルオーディオ信号を第1定数倍する第1乗算器と;
    前記定数倍されたデジタルオーディオ信号に,1から前記第1定数を減算した値で表される第2定数を加える加算器と;
    原信号である前記デジタルオーディオ信号と,前記第2定数を加えたデジタルオーディオ信号とを乗算する第2乗算器と;
    して機能させることを特徴とする,プログラム。
  7. コンピュータを,
    デジタルオーディオ信号を第1定数倍する第1乗算器と;
    前記定数倍されたデジタルオーディオ信号に,1から前記第1定数を減算した値で表される第2定数を加える加算器と;
    原信号である前記デジタルオーディオ信号と,前記第2定数を加えたデジタルオーディオ信号とを乗算する第2乗算器と;
    して機能させるプログラムを記憶した,記憶媒体。
  8. デジタルオーディオ信号を第1定数倍する第1乗算ステップと;
    前記定数倍されたデジタルオーディオ信号に,1から前記第1定数を減算した値で表される第2定数を加える加算ステップと;
    原信号である前記デジタルオーディオ信号と,前記第2定数を加えたデジタルオーディオ信号とを乗算する第2乗算ステップと;
    を含むことを特徴とする,オーディオ信号処理方法。
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