JP2015189986A - 陽極酸化皮膜及びその封孔処理方法 - Google Patents

陽極酸化皮膜及びその封孔処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い耐食性と高い修復性とを両立することができるアルミニウム系材料の陽極酸化皮膜の陽極酸化皮膜及びその封孔処理方法を提供する。
【解決手段】 アルミニウム系材料に直流電解を印加して第二の陽極酸化皮膜を形成する工程と、前記工程の後に、前記アルミニウム系材料に交直重畳電解を印加してさらに第一の陽極酸化皮膜を形成する工程と、前記第一及び第二の陽極酸化皮膜を、リチウムイオンを含む溶液で封孔処理する工程とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、陽極酸化皮膜及びその封孔処理方法に関し、特に、アルミニウムを含む材料を陽極酸化した陽極酸化皮膜及びその封孔処理方法に関する。
従来、アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、アルミニウム系材料ともいう。)の耐食性を向上させる方法として、アルミニウム系材料の表面に多孔質の陽極酸化皮膜を形成する陽極酸化処理が行われている。電解条件による所も大きいが、陽極酸化皮膜の多孔質層は、一般的に規則正しく気孔が配列されるため、耐食性が低下する一因となっている。
このような処理には、耐食性の向上を目的として、陽極酸化処理の後に気孔を塞ぐ封孔処理が行なわれている。従来の高温水和型の封孔処理よりも低温かつ短時間で、高温水和型と同等以上の耐食性を付与することができる省エネルギー型の封孔処理が提案されている(特許文献1)。
特開2010−77532号公報
リチウムイオンを含む封孔処理液(以下、リチウムイオン封孔液ともいう。)における封孔処理にて耐食性を更に高める方法は、見出せていなかった。そこで、本発明者らは、リチウムイオン封孔液による封孔処理により、陽極酸化皮膜の表面に発生したクラックや傷が修復されること、つまり修復性を有することを見出している。(特願2013−046469参照)しかしながら、修復性を更に高める方法は見出せていない。そのため、耐食性と修復性を両立させつつ、更に高い耐食性と高い修復性とを得ることができる方法が望まれている。
前記課題に照らして、本発明は、高い耐食性と高い修復性とを両立することができるアルミニウム系材料の陽極酸化皮膜及びその封孔処理方法を提供することを目的とする。
本発明に係る陽極酸化皮膜の封孔処理方法の一態様は、アルミニウム系材料に直流電解を印加して第二の陽極酸化皮膜を形成する工程と、前記工程の後に、前記アルミニウム系材料に交直重畳電解を印加してさらに第一の陽極酸化皮膜を形成する工程と、前記第一及び第二の陽極酸化皮膜を、リチウムイオンを含む溶液で封孔処理する工程とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、交直重畳の陽極酸化皮膜および封孔処理の相乗効果による高い耐食性と、直流の陽極酸化皮膜とリチウムイオン封孔液による封孔処理による高い修復性とが両立した陽極酸化皮膜及び陽極酸化皮膜の封孔処理を得ることができる。
図1は、本発明に係る陽極酸化皮膜及びその封孔処理方法について、陽極酸化皮膜形成工程を実施後のアルミニウム系材料の断面の模式図である。 図2は、本発明に係る陽極酸化皮膜及びその封孔処理方法について、封孔処理工程を実施した後のアルミニウム系材料の断面の模式図である。 図3(a)及び図3(b)は、本発明に係る陽極酸化皮膜及びその封孔処理方法について、実施例での塩水噴霧試験後のリチウム濃度を示す図である。
本発明に係る陽極酸化皮膜の封孔処理方法の一実施の形態について、添付図面を参照してさらに詳細に説明する。
本実施の形態に係る陽極酸化皮膜の封孔処理方法は、その対象物質をアルミニウム系材料としている。本実施の形態での「アルミニウム系材料」は、アルミニウムの他、シリコン、銅等の合金成分を含むアルミニウム合金又はそれらを含有するアルミ展伸材、アルミ鋳造材、アルミダイカスト材(ADC)等のアルミニウム合金を意味する。
陽極酸化皮膜形成工程として、陽極酸化処理液中にアルミニウム系材料を陽極として、チタン(Ti)を陰極としてそれぞれ配置する。陽極酸化処理液を電気分解することにより、アルミニウム系材料の表面近傍に酸化アルミニウムを主成分とした陽極酸化皮膜を形成する。前記陽極酸化皮膜により、アルミニウム系材料には耐食性、耐摩耗性等の機能を付与される。なお、陰極の材料は、陰極として機能する材料であればよく、チタンの他にステンレス板等を用いることができる。
図1は、陽極酸化皮膜形成工程を実施した後のアルミニウム系材料1の断面の模式図である。図1に示すように、アルミニウム系材料1は、その表面に第一の陽極酸化皮膜(以下、交直重畳電解陽極酸化層ともいう。)2aと第二の陽極酸化皮膜(以下、直流電解陽極酸化層ともいう。)2bとからなる陽極酸化皮膜2が形成されている。陽極酸化皮膜2は、大きさ、数及び/又は分布の異なる複数の気孔を有している。前記陽極酸化皮膜形成工程は、第二の陽極酸化皮膜2bを形成する第一の陽極酸化皮膜形成工程と、第一の陽極酸化皮膜2aを形成する第二の陽極酸化皮膜形成工程とを別途に実施する。陽極酸化処理液成分が同じであれば、電解条件を変えるだけで連続的に直流電解陽極酸化層と交直重畳電解陽極酸化層を形成することができる。なお、アルミニウム系材料1がシリコンを含むアルミニウム合金の場合、シリコン5が陽極酸化皮膜により内包されている。
第一の陽極酸化皮膜工程として、アルミニウム系材料1に対して直流電解を印加することにより、第二の陽極酸化皮膜2bを形成する。本工程では、第二の陽極酸化皮膜2bを、陽極酸化皮膜2の表面上を主に含む表面に形成する。第二の陽極酸化皮膜2bは、配向性を有するため、後述する第一の陽極酸化皮膜2aよりも多くの気孔(第二の気孔)を有している。また、前記第二の気孔は、シリコン5等の存在によっても形成される。前記第二の気孔には、後述する封孔処理及び修復処理にて、リチウムイオン及びそれに起因するリチウム化合物を多く存在させることができる。第二の陽極酸化皮膜2bは、耐食性を有し、腐食させる要因となる物質をアルミニウム系材料1まで到達することを防ぐことができる。その結果、第二の陽極酸化皮膜2bは、アルミニウム系材料1に対して耐食性を付与するとともに、クラックの高い修復性を与え、且つ、修復効果を長く維持することができる。
第二の陽極酸化皮膜形成工程として、第二の陽極酸化皮膜2bが形成されたアルミニウム系材料1に対して交直重畳電解を印加することにより、第一の陽極酸化皮膜2aを形成する。すなわち、第二の陽極酸化形成工程は、交流電流に直流電流を重畳させた交直重畳法により実施する。本工程では、第一の陽極酸化皮膜2aを、アルミニウム系材料1の表面上を主に含む界面近傍に形成する。すなわち、第一の陽極酸化皮膜2aは、アルミニウム系材料1と第二の陽極酸化皮膜2bとの間でアルミニウム系材料1との界面近傍に形成される。第一の陽極酸化皮膜2aも、交直重畳電解を印加して形成された多孔質の皮膜であり、複数の気孔(第一の気孔)を有している。また、前記第一の気孔は、シリコン5等の存在によって少しは形成される。第一の陽極酸化皮膜2aは、ランダム配向に起因する緻密性を有し(すなわち、配向性がない又は低い)、第二の陽極酸化皮膜2bよりも気孔の大きさ、数、分布等が少ない。気孔の大きさ、数及び/又は分布の点において、第一の陽極酸化皮膜2aは密であり、第二の陽極酸化皮膜2bは粗である。したがって、第一の陽極酸化皮膜2aは、第二の陽極酸化皮膜2bより高い気密性を有し、腐食させる要因となる物質をアルミニウム系材料1まで到達することを防ぐことができる。また、第一の陽極酸化皮膜2aは、この高い緻密性と後述する封孔処理とにより、アルミニウム系材料1により高い耐食性を付与することができる。なお、「緻密」とは、気孔の大きさ、数(分布)が他の陽極酸化皮膜と比較して小さい又は少ないことを意味している。
陽極酸化処理液としては、硫酸(HSO)、シュウ酸(H)、リン酸(HPO)、クロム酸(HCrO)等の酸性浴、水酸化ナトリウム(NaOH)、リン酸ナトリウム(NaPO)、フッ化ナトリウム(NaF)等の塩基性浴のいずれを用いてもよい。後述する封孔処理の対象となる陽極酸化皮膜2を表面に生成するアルミニウム系材料1は、特定の陽極酸化浴を使用した場合には限定されないが、実用的な観点より、硫酸が好ましい。
陽極酸化皮膜の膜厚は、特に限定されないが、実用性の観点より、3μm以上60μm以下に形成することが好ましい。皮膜形成処理での通電時間を調整することにより、用途に応じて必要な膜厚とすることができる。
洗浄処理工程として、前記第一の陽極酸化皮膜形成工程の後且つ後述する封孔処理を行う前に、アルミニウム系材料に対して、水洗浄等の前処理を行うことが好ましい。前記洗浄処理により、アルミニウム系材料に付着した陽極酸化処理液が、リチウムイオン封孔液に混入することを防止できる。これにより、常に適切な封孔処理を行うことができる。また、陽極酸化皮膜2の気孔内の陽極酸化処理液を除去できるため、陽極酸化皮膜の内部により多くのリチウムイオンを備えることができる。このことは、後述する封孔処理による封孔効果及び修復処理による修復効果の向上に寄与する。
封孔処理工程として、リチウムイオンを少なくとも含むリチウムイオン封孔液(強塩基性封孔浴)を、陽極酸化皮膜の表面及び内部に付着させる。陽極酸化皮膜の気孔に、リチウムイオンを含有したリチウムイオン封孔液を浸透させる。リチウムイオンを含有するリチウムイオン封孔液は、陽極酸化皮膜の気孔に侵入して気孔中にて化合物を形成する。これにより、気孔を封孔するとともに、後述する修復処理にて水と反応するアルミニウム化合物を陽極酸化皮膜に存在させることができる。リチウムイオン封孔液に含有させるリチウム(Li)は非常に小さな元素であるため、皮膜の隙間に入って反応しやすい。このため、リチウムは、第一の陽極酸化皮膜と第二の陽極酸化皮膜に対して耐食性と修復性とを安定して付与することができる。更に、リチウムは、同族元素であるナトリウム(Na)、カリウム(K)等と比較すると、処理回数に鈍感で、且つ、薬液の管理上のコストも低い。このため、生産コストを低減させることができる。
図2は、封孔処理工程を実施した後のアルミニウム系材料1の断面を示す模式図である。図2に示すように、アルミニウム系材料1の表面に陽極酸化皮膜2が形成されている。陽極酸化皮膜2の気孔内には、封孔処理により水和アルミナ3(AlO・OH)とリチウム化合物4(例えばLiH(AlO・5HO)が生成している。アルミニウム系材料1がシリコンを含むアルミニウム合金である場合、陽極酸化皮膜2に内包されていたシリコン5が、封孔処理時の陽極酸化皮膜2の溶解により析出している。また、陽極酸化皮膜2の表層からアルミニウム系材料1との界面近傍までには、リチウム化合物4が存在している。
封孔処理工程は、陽極酸化皮膜を有する対象物に処理液を塗布やスプレーし、又は、対象物を処理液に浸漬し、空気中で保持してから水洗、乾燥して行うことが好ましい。また、陽極酸化皮膜を有する対象物や処理液に浸漬し、0.5分以上で処理液から取り出し、水洗、乾燥することが好ましい。塗布やスプレーによる封孔処理方法は、部分的に封孔処理することができる。このため、大型部品を処理する場合、処理の上で、大型部品を浸漬するための大型の槽を不必要とすることができる。前記乾燥処理での乾燥温度は、実用性の観点より、100℃以上150℃以下の範囲内であることが好ましい。
リチウムイオン封孔液に含むリチウムイオン又はリチウムイオン源となる薬品としては、水酸化リチウム(LiOH)、硫酸リチウム(LiSO)、塩化リチウム(LiCl)、ケイ酸リチウム(LiSi)、硝酸リチウム(LiNO)、炭酸リチウム(LiCO)、リン酸リチウム(LiPO)及びそれらの水和物を使用することができる。これらのうち、水溶液が塩基性を示す水酸化リチウム、炭酸リチウム又はケイ酸リチウムが好ましい。また、ケイ酸リチウムは毒性を有して難水溶性である点から実用的でない。したがって、実用性の観点より、リチウムイオン封孔液は、水酸化リチウム又は炭酸リチウムがより好ましい。
リチウムイオン封孔液のリチウムイオン濃度は、0.02g/L以上20g/L以下であればよい。0.02g/L以上の濃度のリチウムイオンであれば、封孔処理の反応が促進される。下限は、好ましくは0.08g/L以上であり、より好ましくは2g/L以上である。上限は、より好ましくは10g/L以下である。リチウムイオン濃度が10g/Lを超えたリチウムイオン封孔液では、急速に反応が進行することにより、陽極酸化皮膜のないアルミニウム素地の溶解が起こる虞がある。
リチウムイオン封孔液のpH値は、特に限定されないが、pH値10.5以上14.0以下が好ましく、pH値12.0以上14.0以下がより好ましい。前記範囲内であれば、リチウムイオン封孔液が塩基性のため、酸性水溶液で処理した皮膜と反応しやすく、後述するリチウム化合物を速やかに生成することができる。特に、pH値が12.0以上であれば、リチウム化合物をより速やかに生成することができる。pH値が10.5未満では、腐食率が高く、耐食性を向上させる効果が低下する虞がある。pH値が14.0を超えると、陽極酸化皮膜の過剰な溶解が起こる虞がある。なお、前記リチウムイオン源によってpH値は異なる。この場合、リチウムイオン封孔液のpH値は、硫酸(HSO)、シュウ酸(H)、リン酸(HPO)、クロム酸(HCrO)等の酸又は水酸化ナトリウム(NaOH)、リン酸ナトリウム(NaPO)、フッ化ナトリウム(NaF)等の塩基を用いて調整することができる。
リチウムイオン封孔液の温度は、65℃以下であればよく、10℃以上65℃以下が好ましく、25℃以上50℃以下がより好ましい。25℃未満の温度で処理した場合、活性が低く、反応が弱くなるが、ある程度の耐食性は期待できる。50℃、特に65℃を超える温度で処理した場合、陽極酸化皮膜表面からの皮膜の溶解が進み、皮膜が消失して高い耐食性は得られない虞がある。
リチウムイオン封孔液での処理時間(浸漬時間)は、0.5分以上あればより。0.5分以上であれば、高い耐食性を得ることができる。処理時間は5分以下であることが好ましい。処理時間が5分を超える場合、皮膜の溶解が優先的に進行して、耐食性は低下する虞がある。なお、前記処理時間は、浸漬後に空気中で保持する保持時間を設けて、これらを合わせて処理時間としてもよい。この場合、処理液中へのアルミニウムイオンの溶出を低減することができる。
封孔処理工程を行うことにより、陽極酸化皮膜2は化学反応を起こすため、気孔と気孔の間の陽極酸化皮膜部分は強度が低下する。リチウムイオンを含む水溶液での封孔処理では、陽極酸化皮膜2の表層にリチウム化合物4が特に密集して生成する。これにより、陽極酸化皮膜2の表層部分では、気孔内から陽極酸化皮膜側2へ圧力が発生する。この圧力により陽極酸化皮膜2にクラックが発生し、気孔と気孔が繋がる。気孔内の水和アルミナ3及びリチウム化合物4は、極小の化合物が集まったものであるため強度は高くない。そのため、気孔と気孔が繋がった際の衝撃等で、気孔内の水和アルミナ3又はリチウム化合物4の集合体にもクラックが発生する。これらナノレベルの大きさのクラックが多数繋がることで、大きなクラックへと成長し、リチウム化合物4が特に密集して生成している深さ約1μmの部分に、クラックが多く生成する。また、クラックは、陽極酸化皮膜2のみならず、その下にあるアルミニウム系材料1にまで達している場合がある。このような傷は、アルミニウム系材料1を加工した部品を他の部品にぶつけた場合や、陽極酸化皮膜2をカッター、ヤスリ等で傷つけてしまった場合に生じる。本実施の形態では、前記クラック及び傷を含んで「クラック」と呼称する。
修復工程として、前記封孔処理工程の実施後、第一の陽極酸化皮膜及び/又第二の陽極酸化皮膜に生じたクラックを修復することができる。また、前記修復工程では、陽極酸化皮膜の下にあるアルミニウム系材料にまで到達したクラックも修復することができる。アルミニウム系材料をハロゲン化合物及び/又はアルカリ金属化合物を少なくとも含む修復処理液を用いて、前記クラックを修復する。
修復工程は、アルミニウム系部材を修復処理液に浸漬することにより行うことができる。その他、修復処理液を浸み込ませた布、紙、スポンジ等の吸水性のある加工品又は天然素材により、クラックを被膜することもできる。また、スプレーを用いてクラックに吹き付ける等により、修復処理液をクラックに接触させることにより、修復することができる。前記加工品、素材、スプレーによる封孔処理方法は、部分的に修復処理を行うことができる。これにより、大型部品を処理する場合、処理の上で、大型部品を浸漬するための大型の槽を不必要とすることができる。
修復処理液に用いるハロゲン化合物としては、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化リチウム(LiCl)等が挙げられる。また、修復処理液に用いるアルカリ金属化合物としては、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、リン酸二水素ナトリウム(HNaOP)、リン酸水素ナトリウム(NaHPO)、リン酸三ナトリウム(NaPO)、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸リチウム(LiSO)等が挙げられる。なお、これらのハロゲン化合物およびアルカリ金属化合物は、例示であり、これらの化合物に限定されない。ハロゲン化合物やアルカリ金属化合物は、修復処理液に単独で含むことができるし、ハロゲン化合物とアルカリ金属化合物を共存して含むこともできる。また、修復処理液は、前記したハロゲン化合物や上記アルカリ金属化合物の他、pH調整剤等を含むことができる。
修復処理液に含有されるハロゲン化合物又はアルカリ金属化合物は、陽極酸化皮膜を溶解する。陽極酸化皮膜を構成していたアルミニウム化合物と水とが反応することにより、アルミニウムと酸素で構成される水和化合物が生成する。水和化合物がクラック内部に析出することにより、クラックを修復することができる。更に、修復処理液により陽極酸化皮膜が溶解した際、封孔生成物であるリチウム化合物がクラック内部へ移動して充填することにより、クラックを修復することができる。
また、クラックがアルミニウム系材料まで達している場合、前記修復処理液を用いることにより、酸化アルミニウムや水酸化アルミニウム等からなる不動態皮膜がアルミニウム系材料のクラックに生成する。前記不動態皮膜の皮膜厚さは、1μm未満であり、陽極酸化皮膜と同様の元素から構成されている。前記不動態皮膜がクラックに速やかに生成し、不動態皮膜上にアルミニウム及び酸素の水和化合物又は封孔生成物であるリチウム化合物の何れか一方若しくはそれら両方からなる層が生成することにより、少なくとも二層以上の層構造が形成される。前記構造により、アルミニウム系材料の腐食を防止するとともに、クラックを修復工程により塞いで目立たなくする効果を得ることができる。
修復処理液のハロゲン化合物及び/又はアルカリ金属化合物の濃度は、0.01mol/L以上3.5mol/L以下であることが好ましい。前記濃度範囲であれば、修復処理液の温度を制御することにより、クラックを修復することができる。より具体的には、修復処理液の濃度が0.01mol/L以上0.14mol/L以下の場合、温度を60℃以上95℃以下とすることが好ましい。修復処理液の濃度が0.15mol/L以上1.0mol/L以下の場合、温度を5.0℃以上95℃以下とすることが好ましい。修復処理液の濃度が1.1mol/L以上2.5mol/L以下の場合、温度を5.0℃以上60℃以下とすることが好ましい。また、修復処理液の濃度が2.6mol/L以上3.5mol/L以下の場合、温度を5.0℃以上25℃以下とすることが好ましい。
修復処理液のpH値は、5.0以上10以下であることが好ましい。pH値が前記範囲内であれば、陽極酸化皮膜2を構成するアルミニウム化合物の溶解、クラックでの水和化合物の析出並びにリチウム化合物の移動をバランス良く行うことができる。このため、クラックを効率的に修復することができる。pH値が5.0未満又は10を超える場合には、陽極酸化皮膜2及びアルミニウム系材料1が溶解する可能性があるため、クラックが大きくなる虞や、陽極酸化皮膜2が溶解してその下にあるアルミニウム系材料1が露出する虞がある。
修復工程の処理時間は、クラックの大きさによって異なるため特に限定されないが、前記処理時間は、例えば浸漬により修復する場合、幅が数μm程のクラックであれば、修復処理液に30分〜1時間浸漬することにより修復可能である。幅が1mm程度の目視可能なクラックであれば、1日〜5日程で修復することができる。なお、クラックを修復した後、アルミニウム系部材を引続き修復処理液に浸漬しても、陽極酸化皮膜が過剰に溶解する等の反応は起きず、クラックは塞がったままであるため、問題は生じない。
修復工程の前に陽極酸化皮膜及び/又はアルミニウム系材料の汚れ、油分、ダスト等を除去する除去工程を行うこともでき、前記修復工程後に陽極酸化皮膜及び/又はアルミニウム系材料を純水等で洗浄する洗浄工程を行うこともできる。また、修復工程後又は封孔処理工程後に、陽極酸化皮膜を下地として、塗装工程を行うことができる。塗装工程は、治具を付け替えて連続ラインとして行われる。この場合、治具の付け替えにより被処理物に汚れが付着する可能性があるため、塗装時に前処理として脱脂を行う必要がある。本実施の形態では、前記封孔処理にて強塩基のリチウムイオン封孔液を用いている。このため、残留する脱脂成分が少なくなり、塗装工程での塗装密着性の低下を防止することができる。
本実施の形態によれば、陽極酸化皮膜を、交直重畳による第一の陽極酸化皮膜及び直流による第二の陽極酸化皮膜との二層構造とするよう形成するとともに、その両方に対してリチウムイオン封孔液による封孔処理を施している。また、第二の陽極酸化皮膜を形成した後、第一の陽極酸化皮膜を形成することにより、二層構造のうちの下層を第一の陽極酸化皮膜とし、上層を第二の陽極酸化皮膜2としている。これにより、交直重畳の第一の陽極酸化皮膜及び封孔処理の相乗効果による高い耐食性と、直流の第二の陽極酸化皮膜とリチウムイオン封孔液による封孔処理による高い修復性とが両立した陽極酸化皮膜を得ることができる。
また、第二の陽極酸化皮膜を形成する工程と封孔処理する工程との間に、さらに洗浄工程を行う。これにより、対象物であるアルミニウム系材料に付着した陽極酸化処理液が、リチウムイオン封孔液に混入することを防止できる。その結果、常に適切な封孔処理を可能とすることができる。また、第二の陽極酸化皮膜の気孔内の陽極酸化処理液を除去することができる。したがって、第二の陽極酸化皮膜の内部により多くのリチウムイオンを備えることができる。その結果、クラックの修復性を向上するとともに、修復効果を長く維持することができる。
更に、二層構造の陽極酸化皮膜を形成し、封孔工程を行った後、修復工程を実施する。修復工程は、強酸への浸漬や電解処理を行う必要が無いため、アルミニウム系材料に塗装を施した後や他部品の組み付け後であっても、塗装及び他部品へ悪影響を及ぼすことなく、クラックを修復できる。また、製造過程においてクラックを修復できるため、耐食性に優れたアルミニウム系材料を提供することができるとともに、アルミニウム系材料の修復及びそれを用いた部品製造に用いることができる。また、二層構造の陽極酸化皮膜のうちの直流の陽極酸化皮膜の表面及び内部により多くのリチウムイオンを備えているため、交直重畳の陽極酸化皮膜のみ一層構造の陽極酸化皮膜を修復する場合と比較して、修復性の効果を長時間持続させることができる。
以上の処理方法により形成される陽極酸化皮膜の一実施の形態について、添付図面を参照して更に詳細に説明する。
陽極酸化皮膜は、第一の陽極酸化皮膜と第二の陽極酸化皮膜とからなり、アルミニウム系材料の表面に備えられている。陽極酸化皮膜、第一の陽極酸化皮膜及び第二の陽極酸化皮膜により、アルミニウム系材料に耐食性、耐摩耗性等の機能を付与している。陽極酸化皮膜の形成方法は、上記したとおりである。
第一の陽極酸化皮膜は、第二の陽極酸化皮膜の形成後に、交直重畳電解を印加してアルミニウム系材料の表面上に設けられた多孔質の皮膜であり、複数の気孔(第一の気孔)を有している。また、前記第一の気孔は、シリコン等の存在によっても形成されている。第一の陽極酸化皮膜は、ランダム配向に起因した緻密性を有しているため(すなわち、配向性がない又は低いため)、後述する第二の陽極酸化皮膜と比較して、アルミニウム系材料に高い耐食性を付与している。すなわち、第一の陽極酸化皮膜により、腐食させる要因となる物質をアルミニウム系材料まで到達することを防ぐことができる。
第一の陽極酸化皮膜の第一の気孔には、水和アルミナ及び/又はリチウム化合物が封孔されている。封孔処理は、上記したとおりである。第一の気孔を有する第一の陽極酸化皮膜は、その高い緻密性と封孔処理との相乗効果により、アルミニウム系材料により高い耐食性を付与することができる。
第二の陽極酸化皮膜は、直流電解を印加して第一の陽極酸化皮膜の表面上に設けられた多孔質の皮膜である。第二の陽極酸化皮膜は、配向性を有するため、第一の陽極酸化皮膜と比較して、多くの気孔(第二の気孔)を有している。気孔の大きさ、数及び/又は分布の点において、第二の陽極酸化皮膜は租であり、第一の陽極酸化皮膜は密である。また、前記第二の気孔は、シリコン等の存在によっても形成されている。第二の陽極酸化皮膜も、アルミニウム系材料に耐食性を付与している。
第二の陽極酸化皮膜の第二の気孔には、水和アルミナ及び/又はリチウム化合物が封孔されている。封孔処理は、上記したとおりである。第二の陽極酸化皮膜には、第一の陽極酸化皮膜と比較して、リチウムイオン及びそれに起因するリチウム化合物が多く存在している。これにより、第二の陽極酸化皮膜は、アルミニウム系材料に対して耐食性を付与するとともに、第一の陽極酸化皮膜よりもクラックに対する高い修復性を与えて、且つ、その修復効果を長く維持することができる。
陽極酸化皮膜の膜厚は、特に限定されないが、実用性の観点より、3μm以上60μm以下が好ましい。用途に応じて必要な膜厚とすることができる。
陽極酸化皮膜、第一の陽極酸化皮膜、第二の陽極酸化皮膜及び/又はアルミニウム系材料に生じたクラックは、リチウム化合物で被覆されている。したがって、アルミニウム系材料は高い耐食性を有している。クラックの修復方法は、上記したとおりである。
本実施の形態によれば、陽極酸化皮膜は、交直重畳による第一の陽極酸化皮膜及び直流による第二の陽極酸化皮膜との二層構造を有している。また、第一の陽極酸化皮膜を、第二の陽極酸化皮膜よりもアルミニウム系材料の表面近設に設けるよう構成されている。更に、その両方の皮膜に対して、リチウムイオンが存在している。これにより、交直重畳の陽極酸化皮膜及び封孔処理の相乗効果による高い耐食性と、高い修復性とが両立した陽極酸化皮膜を得ることができる。更に、二層構造の陽極酸化皮膜のうちの第二の陽極酸化皮膜の表面及び内部にリチウムイオンを多く備えているため、第一の陽極酸化皮膜のみ一層構造の陽極酸化皮膜を修復する場合と比較して、修復性の効果を長時間持続させることができる。
なお、前述した実施の形態では、第一の陽極酸化皮膜及び第二の陽極酸化皮膜とからなる二層構造を有する陽極酸化皮膜を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、三層構造を有する陽極酸化皮膜である場合も、ランダム配向した密な第一の陽極酸化皮膜をアルミニウム系材料の表面近傍に形成して、前記形成した第一の陽極酸化皮膜の表面上に配向性を有する疎な第二の陽極酸化皮膜を形成すれば、前述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、前述した実施の形態では、気孔の存在割合が多い第二の陽極酸化皮膜の形成方法として、直流電解による陽極酸化処理を例示したが、本発明はこれに限定されない。第二の陽極酸化皮膜は、薬液による気孔径拡大処理により気孔の存在割合を増やすことにより、形成することもできる。また、その気孔径は電解処理条件である電圧を大きくすることにより大きくすることもできる。例えば、リン酸浴中で高電圧を印加することにより大きな気孔径をもつ第二の陽極酸化皮膜を得ることができる。
また、前述した実施の形態では、対象物としてアルミニウム系材料を例示したが、本発明はこれに限定されない。前記対象物としては、アルミニウム系材料を部品等に加工したアルミニウム系部材を含んでいる。アルミニウム系部材は、母材であるアルミニウム系材料とその中に含まれる不純物及び/又は添加物から構成されている。アルミニウム系部材(処理部品)にプラス印加し、電解処理を行なうと、アルミニウム部品が溶解し、溶解したアルミニウムが処理液中の酸素と結合して、アルミニウムの表面に微小な酸化皮膜ができる。アルミニウム系部材を対象物とすることができる。
例えば、アルミニウム系部材は、船外機用オイルパン、ギヤケース、プロペラ等の船外機用部品である。船外機は、装着式の船舶の推進システムであり、海水や潮風と接触することから、船外機を構成する部品には、高い耐食性が要求されている。例えば、オイルパンは、エンジンオイルを貯蔵するとともに、走行風によりエンジンオイルを冷却する機能も有しており、海水や潮風と直接接触する必要がある。このため、高い耐食性が要求されている。十分な耐食性を有することから、耐食性の要求される船外機用部品の用途に用いることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明することにより、本発明の効果を明らかにする。本発明に係る陽極酸化皮膜及びその封孔処理方法は、下記実施例によって制限されない。
[試験例1]
アルミニウム系材料として、アルミニウム合金(AC8A)を試験片として用いた。AC8Aに対して、直流電解法により陽極酸化を行い、10μm〜20μmの皮膜を形成した。陽極酸化処理は20℃、濃度200g/Lの硫酸浴中で、1.5A/dm、20分間処理を行なった。次に、水洗後、1.7g/Lのリチウムイオン濃度、pH13、温度25℃のリチウムイオン封孔液で1分間処理し、再度水洗処理を行なった。作製した直流電解陽極酸化層からなる一層の陽極酸化皮膜を有する試験片を、試験例1の試験片とした。
[試験例2]
アルミニウム系材料として、アルミニウム合金(AC8A)を試験片として用いた。AC8Aに対して、交直重畳電解法により陽極酸化を行い、10μm〜20μmの陽極酸化皮膜を形成した。前記陽極酸化処理は10kHz、20℃、濃度200g/Lの硫酸浴中で、正極25V、負極2V、10分間処理を行った。次に、水洗後、1.7g/Lのリチウムイオン濃度、pH13、温度25℃のリチウムイオン封孔液で1分間処理し、再度水洗処理を行なった。作製した交直重畳電解陽極酸化層からなる一層の陽極酸化皮膜を有する試験片を、試験例2の試験片とした。
[試験例3]
アルミニウム系材料として、アルミニウム合金(AC8A)を試験片として用いた。AC8Aに対して、交直重畳電解法により陽極酸化を行い、陽極酸化皮膜を形成した。陽極酸化処理は10kHz、20℃、濃度200g/Lの硫酸浴中で、正極25V、負極2V、7分間処理を行なった。その後、従来の直流電解法により陽極酸化を行い、皮膜を形成した。膜厚は10μm〜20μmであった。陽極酸化処理は20℃、濃度200g/Lの硫酸浴中で、1.5A/dm、10分間処理を行った。次に、水洗後、1.7g/Lのリチウムイオン濃度、pH13、温度25℃のリチウムイオン封孔液で1分間処理し、再度水洗処理を行なった。前記処理により、アルミニウム合金の直近近傍(下層)の直流電解陽極酸化層と、この直流電解陽極酸化層の上(上層)の交直重畳電解陽極酸化層とからなる試験片を作製した。作製した二層構造の陽極酸化皮膜を有する試験片を、試験例3の試験片とした。
[試験例4]
アルミニウム系材料として、アルミニウム合金(AC8A)を試験片として用いた。AC8Aに対して、直流電解法により陽極酸化を行い、陽極酸化皮膜を形成した。陽極酸化処理は20℃、濃度200g/Lの硫酸浴中で、1.5A/dm、10分間処理を行なった。その後、交直重畳電解法により陽極酸化を行い、皮膜を形成した。陽極酸化処理は10kHz、20℃、濃度200g/Lの硫酸浴中で、正極25V、負極2V、7分間処理を行なった。膜厚は10μm〜20μmであった。次に、水洗後、1.7g/Lのリチウムイオン濃度、pH13、温度25℃のリチウムイオン封孔液で1分間処理し、再度水洗処理を行なった。前記処理により、アルミニウム合金の直近近傍(下層)の交直重畳電解陽極酸化層と、この交直重畳電解陽極酸化層の上(上層)の直流電解陽極酸化層とからなる試験片を作製した。作製した二層構造の陽極酸化皮膜を有する試験片を、試験例4の試験片とした。
<耐食性試験>
耐食性試験は、試験例1〜4の試験品に対して、塩水噴霧試験を1000時間かけて行い、乾燥後その腐食度合いを目視で比較した。なお、耐食性を評価した試験品は、試験例1〜4で作製した試験片から切り出し、周囲をマスキングした。
試験品1〜4より、リチウムイオンによる封孔処理の効果は、いずれの試験例でも陽極酸化皮膜全般に亘って良好に付与されていることを確認した。
試験例1と試験例2とを比較すると、交直重畳電解陽極酸化層からなる陽極酸化皮膜を有する試験例2の試験片の方が、アルミニウム合金の露出又は錆の発生部位が少なかった。このことから、一層構造を有する陽極酸化膜の場合、交直重畳電解により陽極酸化処理して形成した陽極酸化皮膜のほうが、直流電解にて陽極酸化処理した陽極酸化皮膜よりも、耐食性が高いことがわかった。
試験例3と試験例4とを比較すると、交直重畳電解陽極酸化層を下層として直流電解陽極酸化層を上層とした陽極酸化皮膜を有する試験例4の試験片の方が、アルミニウム合金の露出又は錆の発生部位が少なかった。このことから、二層構造を有する陽極酸化皮膜の場合、アルミニウム合金の界面近傍に交直重畳にて陽極酸化皮膜を形成させた方が、耐食性が高いことがわかった。
次に、試験例4で作製した試験品の耐食性試験後の皮膜断面を確認したところ、二層構造のうちの上層に直流電解陽極酸化層が形成され、下層に交直重畳電解陽極酸化層が形成されていた。上層の直流電解陽極酸化層では、シリコンの存在により皮膜が形成され難く、形成されない箇所が気孔となっていた。
次に、高周波方式グロー放電表面分析装置を使用して作製した皮膜の塩水噴霧後のリチウムイオン濃度(%)を確認した。図3(a)は、試験例1の表面から皮膜深さ方向(s)のリチウムイオン濃度(%)を示し、図3(b)は、試験例2の表面から皮膜深さ方向(s)のリチウムイオン濃度(%)を示している。なお、皮膜深さ方向(s)とは、厳密にはスパッタリング時間(s)を意味している。
図3(a)及び図3(b)に示すように、表面から皮膜深さ方向のリチウムイオン濃度は、試験例2の交直重畳電解陽極酸化層よりも、試験例1の直流電解陽極酸化層の方が高い。このことから、直流電解陽極酸化で形成された陽極酸化皮膜の方が、交直重畳電解陽極酸化で形成された皮膜よりもリチウムイオンが多く存在していることが示された。すなわち、耐食試験後でも、直流電解陽極酸化で形成された陽極酸化皮膜の方が、交直重畳電解陽極酸化で形成された皮膜よりもリチウム化合物が多く存在していることがわかった。
以上のことから、直流電解による陽極酸化処理された皮膜には、交直重畳電解処理で形成された皮膜よりも気孔が多く存在し、リチウムイオンを含むアルカリ性の水溶液を用いた封孔処理を行った陽極酸化皮膜には、より多くのリチウム成分が存在していることがわかった。これにより、陽極酸化皮膜表面又は皮膜中にリチウムイオンが存在することにより、陽極酸化皮膜に生じるクラックが修復する機能が付与される。
また、耐食性試験後においても、直流電解陽極酸化で形成された皮膜中の方が、交直重畳電解陽極酸化で形成された陽極酸化皮膜よりもリチウムイオン濃度が高いことがわかった。クラックの修復性は主にリチウム化合物により生じる。リチウム化合物が陽極酸化皮膜の溶解を起こり易くし、溶解により水との水和反応が起こりやすくなり短時間でクラックを塞ぐことができる。尚、リチウムイオンを含まないアルミニウムの水和物は、その反応が起こらずクラックを塞ぐことはできない。リチウムイオンが多いということは、リチウム化合物が多く生成しているということであり、アルミニウムの水和物は少ない。水和物の量が少ないので、修復は起こりやすくなる。よって、リチウムイオンが多く存在する直流電解陽極酸化処理された皮膜の方が、クラックを修復する効果を持続させることができる。
以上のように、直流電解陽極酸化処理により上層に第二の陽極酸化皮膜を形成された後、交直重畳電解陽極酸化処理により下層に第一の陽極酸化皮膜を形成されて、二層の陽極酸化皮膜を形成させる。その後、リチウムイオンを含むアルカリ性の水溶液を用いた封孔処理することにより、これまでにない、高い耐食性及び修復性を付与させることができることがわかった。
本発明に係る陽極酸化皮膜及び陽極酸化皮膜の封孔処理によれば、交直重畳の陽極酸化皮膜より耐食性を向上するとともに、封孔処理により耐食性を向上させることができる。また、直流の陽極酸化皮膜とリチウムイオン封孔液による封孔処理による高い修復性を両立させることができる。
1 アルミニウム系材料
2 陽極酸化皮膜
2a 第一の陽極酸化皮膜(交直重畳電解陽極酸化層)
2b 第二の陽極酸化皮膜(直流電解陽極酸化層)
3 水和アルミナ
4 リチウム化合物
5 クラック

Claims (8)

  1. アルミニウム系材料に直流電解を印加して第二の陽極酸化皮膜を形成する工程と、
    前記工程の後に、前記アルミニウム系材料に交直重畳電解を印加してさらに第一の陽極酸化皮膜を形成する工程と、
    前記第一及び第二の陽極酸化皮膜を、リチウムイオンを含む溶液で封孔処理する工程と
    を備えていることを特徴とする陽極酸化皮膜の封孔処理方法。
  2. 前記直流電解を印加する工程と前記封孔処理する工程との間に、洗浄の工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の陽極酸化皮膜の封孔処理方法。
  3. 前記封孔処理する工程の後に、前記第一の陽極酸化皮膜、第二の陽極酸化皮膜及び/又はアルミニウム系材料に形成されたクラックを、ハロゲン化合物又はアルカリ金属化合物を少なくとも含む修復処理液を用いて修復する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の陽極酸化皮膜の封孔処理方法。
  4. アルミニウム系材料の表面に第一の陽極酸化皮膜と、
    前記第一の陽極酸化皮膜の表面に第二の陽極酸化皮膜と、
    を備え、
    前記第一及び第二の陽極酸化皮膜のいずれの内部にもリチウムイオンが備えられていることを特徴とする陽極酸化皮膜。
  5. 前記第二の陽極酸化皮膜の気孔の数が、前記第一の陽極酸化皮膜より多いことを特徴とする請求項4に記載の陽極酸化皮膜。
  6. 前記第一の陽極酸化皮膜が、交直重畳電解を印加して得られることを特徴とする請求項4又は5に記載の陽極酸化皮膜。
  7. 前記第二の陽極酸化皮膜が、直流電解を印加して得られることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の陽極酸化皮膜。
  8. クラックをさらに備え、
    前記クラックの内部に前記リチウムイオンが備えられていることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の陽極酸化皮膜。
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