JP2015189702A - 防カビ・カビ取り剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたカビ取り効果、防カビ効果を兼ね備えるとともに、カビ取り成分である次亜塩素酸塩の安定性にも優れた防カビ・カビ取り剤を提供する。
【解決手段】次亜塩素酸塩と、苛性アルカリと、ヒドロトロープ剤と、炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシド1重量%以上8重量%以下と、を配合した防カビ・カビ取り剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、カビ取り効果及び防カビ効果を兼ね備えた防カビ・カビ取り剤に関する。
浴室・トイレ、キッチン等のタイル、目地、プラスチックに付着する汚れの中で、特にカビによって発生する汚れの除去には次亜塩素酸塩を主成分とする液体洗浄剤が一般的に使用されている。
例えば、特許文献1には、次亜塩素酸塩と、苛性アルカリとを含有する水溶液中に、洗浄成分としてラウリルジメチルアミンオキシドを配合した液体洗浄剤が開示されている。また、特許文献2には、次亜塩素酸塩と、苛性アルカリとを含有する水溶液中に、デシルジメチルアミノキシド0.2〜3.0重量%配合することにより、ハンドスプレーでスプレーしたときの泡化性を向上させた液体洗浄剤組成物が開示されている。
また、特許文献3には、次亜塩素酸アルカリ金属塩0.5〜5重量%、アルカリ金属水酸化物0.2〜0.5重量%、炭素鎖8〜16のアルキル基を1つ以上含有するアミンオキシド型界面活性剤及び炭素鎖8〜6のアルキル基を1つ以上含有するカルボキシベタイン型界面活性剤から選ばれる両性界面活性剤0.05〜1重量%、並びにクメンスルホン酸、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる1種以上0.1〜3重量%を含有する液体漂白洗浄剤組成物が開示されている。
一方、特許文献4には、炭素鎖3〜22のアルキル基を含有するアミンオキシドを防カビ成分として用いるカビの防除方法、並びに液状カビ防除組成物が開示されている。
特開昭59−93799号公報 特開平6−256798号公報 特開2002−212596号公報 特開2013−28555号公報
上記のような液体洗浄剤においては、使用した際の洗浄効果、カビ取り効果に加えて、持続的な防カビ効果を有することが望ましい。しかしながら、次亜塩素酸はあらゆる有機化合物に対して反応性を示し、保存中に徐々に分解するため、次亜塩素酸塩を主成分とする液体洗浄剤に有機抗菌剤、カビ取り剤を配合することは困難であった。そのため、上記特許文献1〜3に記載の液体洗浄剤では、使用時の洗浄性(漂白性)、泡立ち性、および液状組成物の保存安定性(次亜塩素酸の残存率)の試験結果については記載されているものの、持続的な防カビ効果については何ら考慮されていなかった。
また、特許文献4には、炭素鎖12のアルキル基を含有するアミンオキシドであるラウリルジメチルアミンオキシドを配合した液状組成物の防カビ試験結果が実施例として記載されているものの、アミンオキシドの種類と防カビ効果との関係については何ら記載されていなかった。また、防カビ効果についても、黒麹かびの胞子をラウリルジメチルアミンオキシドの水溶液と接触させた後の生育状況を観察するという、いわゆる「in vitro」での試験結果しか記載されておらず、実際の使用環境下での防カビ効果は定かではなかった。さらに、次亜塩素酸塩を含む液状組成物に配合した場合の保存安定性や泡化性についても検討されておらず、カビ防除組成物として十分とはいえなかった。
本発明は、上記問題点に鑑み、優れたカビ取り効果、防カビ効果を兼ね備えるとともに、カビ取り成分である次亜塩素酸塩の安定性にも優れた防カビ・カビ取り剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、次亜塩素酸塩と、苛性アルカリと、ヒドロトロープ剤と、炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシド1重量%以上8重量%以下と、を配合した防カビ・カビ取り剤である。
また本発明は、上記構成の防カビ・カビ取り剤において、前記炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドが、ミリスチルジメチルアミンオキシドであることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の防カビ・カビ取り剤において、前記ミリスチルジメチルアミンオキシドの配合量が2重量%以上4重量%以下であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の防カビ・カビ取り剤において、前記ヒドロトロープ剤が、以下の化学式(1)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種であることを特徴としている。
Figure 2015189702
(式中、R1はメチル基又はイソプロピル基、R2はメチル基又は水素、Mはアルカリ金属又はアンモニウムを表す。)
また本発明は、上記構成の防カビ・カビ取り剤において、前記ヒドロトロープ剤の配合量が0.1重量%以上10重量%以下であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の防カビ・カビ取り剤において、前記ヒドロトロープ剤が、m−キシレンスルホン酸ナトリウムであることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の防カビ・カビ取り剤において、炭素数が10以下の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドをさらに配合したことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の防カビ・カビ取り剤において、前記炭素数が10以下の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドが、デシルジメチルアミンオキシドであることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の防カビ・カビ取り剤において、前記デシルジメチルアミンオキシドの配合量が0.01重量%以上1重量%以下であることを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、次亜塩素酸塩による即効的なカビ取り・漂白効果と、炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドによる持続的な防カビ効果とを兼ね備えた防カビ・カビ取り剤を得ることができる。また、苛性アルカリに加えてヒドロトロープ剤を配合することにより、次亜塩素酸塩の安定性にも優れた防カビ・カビ取り剤が提供される。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の防カビ・カビ取り剤において、炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドとして、化学製品として汎用されており、入手が容易なミリスチルジメチルアミンオキシドを用いることにより、即効的なカビ取り・漂白効果と持続的な防カビ効果とを兼ね備えた防カビ・カビ取り剤を簡単に且つ低コストで製造可能となる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の防カビ・カビ取り剤において、ミリスチルジメチルアミンオキシドの配合量を2重量%以上4重量%以下とすることにより、長期間に亘って高い防カビ効果が得られる防カビ・カビ取り剤となる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1乃至第3のいずれかの構成の防カビ・カビ取り剤において、ヒドロトロープ剤として、化学式(1)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種を用いることにより、長期間の保存後において次亜塩素酸塩の安定性を向上させることができ、従来に比べて苛性アルカリの配合量を低減した安全性の高い防カビ・カビ取り剤が提供される。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第4の構成の防カビ・カビ取り剤において、ヒドロトロープ剤の配合量を0.1重量%以上10重量%以下とすることにより、長期保存後の次亜塩素酸塩の残存率をより一層高めることができる。
また、本発明の第6の構成によれば、上記第4又は第5の構成の防カビ・カビ取り剤において、ヒドロトロープ剤として、化学製品として汎用されており入手が容易なm−キシレンスルホン酸ナトリウムを用いることにより、即効的なカビ取り・漂白効果と持続的な防カビ効果とを兼ね備え、次亜塩素酸塩の安定性にも優れた防カビ・カビ取り剤を簡単に且つ低コストで製造可能となる。
また、本発明の第7の構成によれば、上記第1乃至第6のいずれかの構成の防カビ・カビ取り剤において、炭素数が10以下の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドをさらに配合することにより、防カビ効果と泡化性を両立させることができる。従って、空気中に飛散する次亜塩素酸のミストを減少させることができる。
また、本発明の第8の構成によれば、上記第7の構成の防カビ・カビ取り剤において、炭素数が10以下の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドの配合量を0.01重量%以上1重量%以下とすることにより、炭素数が10以下の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドの配合量を、十分な泡立ち性が得られる必要最小限の配合量とした防カビ・カビ取り剤が提供される。
また、本発明の第9の構成によれば、上記第7又は第8の構成の防カビ・カビ取り剤において、炭素数が10以下の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドとして、特に化学製品として汎用されており、入手が容易で泡化性にも優れたデシルジメチルアミンオキシドを用いることにより、スプレーしたときに十分な泡立ち性が得られるため、安全性が高く、壁面にスプレーしたときの塗布領域も視認しやすい防カビ・カビ取り剤が提供される。
以下、本発明の防カビ・カビ取り剤について詳細に説明する。本発明の防カビ・カビ取り剤は、次亜塩素酸塩、苛性アルカリ、ヒドロトロープ剤を含有する水溶液に、炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドを1重量%以上8重量%以下の割合で配合したことを特徴とする。
本発明の防カビ・カビ取り剤に用いられる次亜塩素酸塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩等の次亜塩素酸アルカリ金属塩が使用できるが、工業的に多量に生産されていて安価な次亜塩素酸ナトリウムの使用が好ましい。これらの次亜塩素酸塩は、有効性と安定性の観点から、組成物中に0.5〜6重量%、好ましくは2〜4重量%配合することが望ましい。
苛性アルカリは、一般的に次亜塩素酸塩を安定化するために使用される。本発明の防カビ・カビ取り剤に用いられる苛性アルカリとしては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが挙げられる。これらの苛性アルカリは、防カビ・カビ取り剤中に0.5〜4重量%配合される。なお、苛性アルカリの配合量が多くなると使用時の安全性が懸念されるため、洗浄剤・漂白剤等安全対策協議会(安対協)の自主基準でもある1重量%以下とすることが好ましい。
アルキルジメチルアミンオキシドは、一般的に汚れを除去する界面活性剤として使用されるが、本発明において、炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドが高い防カビ効果を兼備することが確認された。本発明の防カビ・カビ取り剤に用いられる、炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドとしては、炭素数が14のミリスチル基を有するミリスチルジメチルアミンオキシド、炭素数が16のパルミチル基を有するパルミチルジメチルアミンオキシド、炭素数が18のステアリル基を有するステアリルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドの配合量が1重量%未満の場合、十分な防カビ効果が得られない。一方、配合量が8重量%を超える場合、次亜塩素酸塩の安定性に悪影響を及ぼす。また、防カビ・カビ取り剤の粘度が上昇するため、円滑なスプレーが困難となる。従って、炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドの配合量は1重量%以上8重量%以下とする必要がある。
ところで、次亜塩素酸塩を含有する洗浄剤は、簡便性の点からハンドスプレー等を利用してスプレーするような使用形態が好ましいが、次亜塩素酸塩は刺激性があるため、スプレー時に空気中に飛散したミストを使用者が吸い込んで身体に悪影響を及ぼすという問題点がある。そのため、スプレーしたときに泡化するようにし、空気中に飛散するミストを減少させることが好ましい。また、泡化することにより、壁面にスプレーしたときの塗布領域を容易に視認することができる。
しかし、炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドは、泡立ち効果が低い。そこで、炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドに加えて、泡化性に優れた炭素数が10以下の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドを添加することが好ましい。炭素数が10以下のアルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドとしては、炭素数が10のデシル基を有するデシルジメチルアミンオキシド、炭素数が8のオクチル基を有するオクチルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
炭素数が10以下の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドの配合量が0.01重量%未満の場合、ハンドスプレー等でスプレーしたとき十分な泡立ち効果が得られない。一方、配合量が1重量%を超える場合、次亜塩素酸塩の安定性に悪影響を与える可能性がある。従って、本発明の防カビ・カビ取り剤中における炭素数が10以下の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドの配合量は、泡立ち性と次亜塩素酸塩の安定性に対する影響等の観点から、0.01重量%以上1重量%以下であることが好ましい。
ヒドロトロープ剤は、一般的に界面活性剤の水に対する溶解度を高めることにより、温度変化による粘性の変化や界面活性剤の析出を防止するものであるが、本発明では、苛性アルカリ、及びアルキルジメチルアミンオキシドと併用することで、次亜塩素酸塩の安定化剤として作用することが見いだされた。本発明の防カビ・カビ取り剤に用いられるヒドロトロープ剤は、下記の化学式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015189702
式(1)中、R1はメチル基又はイソプロピル基、R2はメチル基又は水素、Mはアルカリ金属又はアンモニウムを表す。ヒドロトロープ剤の具体例としては、m−キシレンスルホン酸ナトリウム(R1、R2;メチル基、M;Na)、p−トルエンスルホン酸ナトリウム(R1;メチル基、R2;水素、M;Na)、p−クメンスルホン酸ナトリウム(R1;イソプロピル基、R2;水素、M;Na)が挙げられる。特に、化学製品として汎用されており入手が容易なm−キシレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
また、化学式(1)で表されるヒドロトロープ剤は、単独で配合した場合は次亜塩素酸塩の安定性を低下させる傾向を示すが、炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドと併用することで、後述するように次亜塩素酸塩の安定性を向上させる作用を示すことが確認された。
ヒドロトロープ剤の配合量が0.1重量%未満の場合、次亜塩素酸塩の十分な安定化効果が得られない。一方、配合量が10重量%を超える場合、次亜塩素酸塩の安定性に悪影響を及ぼす。従って、ヒドロトロープ剤の配合量は0.01重量%以上10重量%以下であることが好ましい。
本発明の防カビ・カビ取り剤に用いられる他のヒドロトロープ剤としては、脂肪族、芳香族ならびにアルキル環状化合物のカルボン酸塩等が挙げられ、具体的には、安息香酸ナトリウムやカリウム、アンモニウム塩が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、また、次亜塩素酸塩水溶液中で使用可能な他の界面活性剤やキレート剤も配合することができる。次亜塩素酸塩水溶液中で使用可能な他の界面活性剤としては、既に公知のアルキルジフェニルエーテルジスルホネート、アルキルフェノールポリオキシエチレンエーテルサルフェート、アルキルフェノールポリオキシエチレンエーテルサルフェートモノスルホネート、脂肪酸アルカリ金属塩等が挙げられ、これらの界面活性剤を1種または2種以上を併用して使用できる。
次亜塩素酸塩水溶液中で使用可能なキレート剤としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸塩、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸塩が挙げられる。これらのキレート剤は原料等から由来するFe,Cu,Ni等の重金属イオンによる次亜塩素酸塩の分解を抑止する。また、Ca,Mgイオン等に起因する汚れに対して有効な洗浄補助成分として作用する。
更に、本発明の液体洗浄剤組成物には、その他の成分として、必要に応じて香料や紫外線吸収剤、防腐剤等を本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。以下、実施例により本発明の効果について更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。
[試験液の調製]
次亜塩素酸ナトリウム(旭硝子社製)、水酸化ナトリウム(関東化学社製)、m−キシレンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業社製)、及び、アルキルジメチルアミンオキシドとして、デシルジメチルアミンオキシド(C10AO)、ラウリルジメチルアミンオキシド(C10AO)、ミリスチルジメチルアミンオキシド(C14AO)、ヤシ油ジメチルアミンオキシド(ヤシ油AO)から選ばれた少なくとも1種(いずれもライオン・アクゾ社製)を表1、表2に示す配合割合(重量%)で配合し、精製水を加えて100重量%とした後、各成分を溶解して試験液(本発明1〜9、比較例1〜4)を得た。
[次亜塩素酸ナトリウムの安定性試験]
実施例1で調製した本発明1〜9、比較例1〜4の試験液、及び市販の次亜塩素酸系カビ取り剤(J社製)をガラス瓶に充填して密封し、50℃で保管した。1週間後に各試験液及び市販カビ取り剤中の有効塩素濃度を滴定法により測定し、次亜塩素酸ナトリウム濃度(残存率)を算出した。評価基準としては、次亜塩素酸ナトリウムの残存率が85%以上(市販のカビ取り剤と同等以上)である場合を○、80%以上85%未満である場合を△、80%未満である場合を×とした。
[防カビ効果の確認試験(準実地試験)]
10cm×10cmの半磁器タイル(MLP−100、INAX社製)を水道水に1時間浸漬後、15分間水を切り、裏側の素焼き面に30cmの距離から本発明1〜9、比較例1〜4の試験液、及び市販のカビ取り剤をハンドスプレー(T−95トリガー、キャニヨン社製)で3回スプレーし、スポンジで全体に広げて5分間放置した後、10秒間流水で濯いだ。また、比較対照例として、試験液及び市販のカビ取り剤のいずれも塗布しないもの(無処理)を準備した。
本発明1〜9、比較例1〜4の試験液、または市販のカビ取り剤を処理したタイル、並びに無処理タイルを常温で一晩乾燥した後、浴室のシャワー等がよくかかる場所に素焼き面を表向きにして設置した。2週間放置後、カビの生育状況を目視および顕微鏡で観察した。評価基準としては、目視により明らかにカビの生育が確認される場合を++、目視により少しカビの生育が確認される場合を+、目視ではカビの生育が確認されないが、顕微鏡で1、2箇所カビの生育が確認できる場合をδ+、カビの生育が全く確認されない場合を−とした。次亜塩素酸ナトリウムの安定性、防カビ効果の試験結果を試験液の配合と併せて表1、表2に示す
Figure 2015189702
※C14AOを15.1〜17.9%含有(改訂二版、油脂化学便欄)
Figure 2015189702
表1から明らかなように、1重量%以上のミリスチルジメチルアミンオキシド(C14AO)を配合した本発明1〜8の試験液、及び、0.5重量%のミリスチルジメチルアミンオキシドと4重量%のヤシ油ジメチルアミンオキシドを配合した本発明9の試験液(ミリスチルジメチルアミンオキシドの総量として1.1〜1.2重量%)では、2週間後においてもほとんどカビの発生は認められなかった。特に、ミリスチルジメチルアミンオキシドを2重量%以上配合した本発明2、3、5〜7の試験液では、2週間後に全くカビの生育はなく、極めて高い防カビ効果が確認された。
一方、0.5重量%のミリスチルジメチルアミンオキシド(C14AO)を配合した比較例1の試験液、及び、ミリスチルジメチルアミンオキシド(C14AO)に代えて、2重量%のデシルジメチルアミンオキシド(C10AO)またはラウリルジメチルアミンオキシド(C12AO)を配合した比較例2,3の試験液では、2週間後に明らかなカビの生育が認められた。
また、水酸化ナトリウムを0.2〜0.9重量%、ヒドロトロープ剤としてm−キシレンスルホン酸ナトリウムを1.5〜5重量%配合した本発明1〜9の試験液では、50℃で1週間保存後の次亜塩素酸ナトリウム濃度(残存率)が、いずれも市販のカビ取り剤と同等以上である85%以上であり、防カビ効果と次亜塩素酸の安定性を両立できることが確認された。これに対し、水酸化ナトリウムを0.5重量%配合し、m−キシレンスルホン酸ナトリウムを配合しなかった比較例4の試験液では、50℃で1週間保存後の次亜塩素酸ナトリウム濃度(残存率)が80%以下となり、安定性の面で劣る結果となった。
一般に、次亜塩素酸の安定化剤としては水酸化ナトリウム等の苛性アルカリを用いるが、安全性を考慮すると、苛性アルカリの配合量は1重量%以下であることが好ましい。本発明1〜9のように、ヒドロトロープ剤としてm−キシレンスルホン酸ナトリウムを1.5重量%以上配合することで、苛性アルカリの配合量を1重量%以下に抑えることができる。また、m−キシレンスルホン酸ナトリウムを単独で配合した場合は次亜塩素酸の安定性を低下させる傾向にあるが、本実施例のようにミリスチルジメチルアミンオキシドと併用することで、次亜塩素酸の安定性を向上させる結果が得られた。この結果より、m−キシレンスルホン酸ナトリウムは、ミリスチルジメチルアミンオキシドとの相乗効果によって次亜塩素酸の安定性を向上させる作用があるものと推測される。
さらに、ミリスチルジメチルアミンオキシドに加えてデシルジメチルアミンオキシド(C10AO)を配合した本発明2、3の試験液では、防カビ効果に加えて泡化性にも優れたものとなった。従って、スプレーしたときに十分に泡化し、空気中に飛散する次亜塩素酸のミストを減少させることができる。また、泡化することにより、壁面にスプレーしたときの塗布領域も容易に視認することができる。
本発明は、カビ取り効果及び防カビ効果を兼ね備えた防カビ・カビ取り剤に利用可能である。本発明の利用により、次亜塩素酸塩による即効的なカビ取り効果と、炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドによる持続的な防カビ効果とを兼ね備えるとともに、次亜塩素酸塩の安定性にも優れた防カビ・カビ取り剤を提供することができる。

Claims (9)

  1. 次亜塩素酸塩と、苛性アルカリと、ヒドロトロープ剤と、炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシド1重量%以上8重量%以下と、を配合したことを特徴とする防カビ・カビ取り剤。
  2. 前記炭素数が14以上の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドが、ミリスチルジメチルアミンオキシドであることを特徴とする請求項1に記載の防カビ・カビ取り剤。
  3. 前記ミリスチルジメチルアミンオキシドの配合量が2重量%以上4重量%以下であることを特徴とする請求項2に記載の防カビ・カビ取り剤。
  4. 前記ヒドロトロープ剤が、以下の化学式(1)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の防カビ・カビ取り剤。
    Figure 2015189702
    (式中、R1はメチル基又はイソプロピル基、R2はメチル基又は水素、Mはアルカリ金属又はアンモニウムを表す。)
  5. 前記ヒドロトロープ剤の配合量が0.1重量%以上10重量%以下であることを特徴とする請求項4に記載の防カビ・カビ取り剤。
  6. 前記ヒドロトロープ剤が、m−キシレンスルホン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の防カビ・カビ取り剤。
  7. 炭素数が10以下の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドをさらに配合したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の防カビ・カビ取り剤。
  8. 前記炭素数が10以下の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドの配合量が0.01重量%以上1重量%以下であることを特徴とする請求項7に記載の防カビ・カビ取り剤。
  9. 前記炭素数が10以下の直鎖アルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシドが、デシルジメチルアミンオキシドであることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の防カビ・カビ取り剤。
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