JP6570332B2 - 水系防カビ剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水溶液中に防カビ成分を配合し、カビの発生し易い箇所に直接塗布して使用する水系防カビ剤に関する。
元来、高温多湿の我が国では、カビの被害が多い。近年更に、密閉性の高い住居が多くなり、その被害は増大している。しかしながら、高温多湿な条件下でカビの発生を防御することは困難で、最も被害の多い浴室では、タイル目地等にカビが発生し、黒ずんでから次亜塩素酸を主成分とする洗浄剤で酸化、漂白しているのが現状である。次亜塩素酸製剤は、酸性タイプの漂白剤等と混用すると、危険な塩素ガスを発生することから、本来的には使用を制限すべき製品であるが、他に置き換える製品が存在しないため現在でも広く使用されている。危険な次亜塩素酸製剤が使用されていることは、防カビ処理の困難さを示しているものとも言える。こうした現状から、安全性が高く、且つ持続的に効果を発揮する防カビ剤が要望されている。
一般的に、浴室等で防カビ剤の効果を持続させようとした場合、防カビ剤の耐水性が求められる。そのため、例えば水に対して難溶、不溶な防カビ成分の使用が考えられるが、それらの成分は水に対する溶解性が低いため、水系製剤には配合しにくいという問題がある。また、水に対する溶解性が高い4級アンモニウム塩等の防カビ成分を撥水性の化合物と混合して使用することも考えられるが、衣類を脱いで裸になる浴室では皮膚と化合物との接触がより直接的となるため、撥水剤は、より安全性の高いものを選択する必要がある。しかしながら、撥水剤として多用されているフッ素系やシリコーン系撥水剤は、中毒症状を引き起こすことが問題となり、現在では、密閉空間で使用しないように注意表示がなされている。また、防カビ成分と撥水性の化合物とを混合して使用する場合は乳化等の処理が必要となり、防カビ剤の製造方法が煩雑となる。また、防カビ剤として使用される4級アンモニウム塩及びアミンオキシド等のカチオン化合物は、アニオン界面活性剤が共存する環境下では、その効果が著しく低下してしまうことが知られており、配合できる処方が限られるという問題点を有していた。
そこで、近年、安全性及び安定性に優れた防カビ成分として、グリコールエーテル系化合物が検討されている。例えば、特許文献1には、グリコールエーテル系化合物を空間に揮散させることによる防カビ方法が提案されており、グリコールエーテル系化合物の具体例としてプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテルを用いた殺菌効果が記載されている。
また、特許文献2には、汚れ除去成分と親水化成分とを含有する液体組成物による硬質表面の防カビ方法が提案されており、界面活性剤と水溶性溶剤であるグリコールエーテル系化合物とを組み合わせた汚れ除去成分を用いることが記載されている。さらに、グリコールエーテル系化合物の具体例としてジエチレングリコールモノブチルエーテルを用いたカビ胞子の付着性試験、カビの成長性試験も記載されている。
特開2007−97738号公報 特開2005−8703号公報
上述した特許文献1の方法は、グリコールエーテルを空間内に揮散させて空気中のカビ細菌、ウイルス等を除菌することを目的としており、グリコールエーテル系の化合物を水性製剤に配合して浴室等の壁面やタイルに塗布した場合の、耐水性があり持続的な防カビ効果について何ら示されていなかった。また、特許文献2において実施例の液体組成物に水溶性溶剤として配合されているジエチレングリコールモノブチルエーテルは、本発明者らの検討の結果、防カビ効果が十分であるとは言えないことが明らかとなった。
本発明は、上記問題点に鑑み、優れた防カビ効果を有するとともに、防カビ効果の持続性、安全性にも優れた水系防カビ剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、防カビ成分として、以下の化学式(I)
Figure 0006570332
(上記式(I)中、R1はC3 又はC 4 の直鎖アルキル基を示し、nは2または3を示す。)
で示されるグリコールエーテル系化合物から選ばれる1種以上を配合したことを特徴とする水系防カビ剤である。
また本発明は、上記構成の水系防カビ剤において、前記グリコールエーテル系化合物が、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の水系防カビ剤において、前記グリコールエーテル系化合物が、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の水系防カビ剤において、前記グリコールエーテル系化合物の配合量が0.5質量%以上20質量%以下であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の水系防カビ剤において、前記グリコールエーテル系化合物の配合量が1質量%以上10質量%以下であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の水系防カビ剤において、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上を配合したことを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、防カビ成分として化学式(I)で示されるグリコールエーテル系化合物から選ばれる1種以上のグリコールエーテル系化合物を配合することにより、高い防カビ効果と耐水性、安全性とを兼ね備えた持続性に優れた水系防カビ剤を簡単に且つ低コストで製造可能となる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の水系防カビ剤において、グリコールエーテル系化合物として、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上を用いることにより、より高い防カビ効果を有する水系防カビ剤を得ることができる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の水系防カビ剤において、グリコールエーテル系化合物として、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上を用いることにより、より一層高い防カビ効果と耐水性とを兼ね備えた水系防カビ剤を得ることができる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1乃至第3のいずれかの構成の水系防カビ剤において、グリコールエーテル系化合物の配合量を0.5質量%以上20質量%以下とすることにより、高い防カビ効果が持続するとともに、樹脂製の浴室壁面におけるストレスクラッキングの発生も抑制できる水系防カビ剤となる。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第4の構成の水系防カビ剤において、グリコールエーテル系化合物の配合量を1質量%以上10質量%以下とすることにより、防カビ効果の持続性とストレスクラッキングの抑制効果とをより効果的に両立できる水系防カビ剤となる。
また、本発明の第6の構成によれば、上記第1乃至第5のいずれかの構成の水系防カビ剤において、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上を配合することにより、グリコールエーテル系化合物の水に対する溶解度を高めて配合量を増加することができる。また、防カビ剤に泡立ち性を付与して壁面にスプレーしたときの液ダレを抑制するとともに塗布領域も視認しやすい水系防カビ剤となる。
以下、本発明の水系防カビ剤について詳細に説明する。本発明の水系防カビ剤は、防カビ成分として、以下の化学式(I)で表されるグリコールエーテル系化合物を水に混合して水溶液としたものである。
Figure 0006570332
上記式(I)中、R1はC3以上の直鎖アルキル基を示し、nは2または3を示す。グリコールエーテル系化合物の具体例としては、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロレングリコールモノペンチルエーテル、ジプロレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロレングリコールモノオクチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノオクチルエーテル等が挙げられる。これらの化合物は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
上記のグリコールエーテル系化合物中でも、特に化学製品として汎用されていて入手が容易であり、且つ、高い防カビ効果及び防カビ効果の持続性を兼備する、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルがより好ましい。
本発明におけるグリコールエーテル系化合物の水に対する配合量は、特に限定されないものの、配合量が0.5質量%未満では、防カビ効果が十分に持続しない可能性がある。一方、配合量が20質量%を超えると、防カビ効果の向上が見られないばかりか、樹脂製の浴室壁面に対してストレスクラッキングを引き起こしやすくなってしまう。従って、グリコールエーテル系化合物を水系防カビ剤全体に対して0.5質量%以上20質量%以下の範囲で配合することが好ましく、1質量%以上10質量%以下の範囲で配合することがより好ましい。
本発明の水系防カビ剤には、目的に応じて界面活性剤を配合することができる。例えば、防カビ成分として配合するグリコールエーテル系化合物の水に対する溶解度がさほど高くない場合であって、グリコールエーテル系化合物の配合量を増加させたい場合に界面活性剤を配合する。また、界面活性剤には泡を発生する性質(泡立ち性)があり、泡立ち性に優れた界面活性剤を使用することで、本発明の水系防カビ剤をトリガースプレー等で壁面にスプレーしたときの液ダレを抑制するとともに塗布領域も視認しやすくなる。
本発明の水系防カビ剤に配合される界面活性剤の種類は特に限定されるものではなく、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。本発明の水系防カビ剤中における界面活性剤の配合量は、特に限定されないものの、0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましい。
アニオン界面活性剤の例としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、脂肪酸のアルカリ金属塩(石鹸)やスルホン酸塩、あるいはリン酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤の例としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩が挙げられる。
ノニオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ラウリルジメチルアミンオキシド等の長鎖アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、ベタイン型界面活性剤が挙げられる。具体的には、ラウリル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、ラウリルアミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、ヤシアルキルアミドプロピル−N,N−ジメチルヒドロキシプロピルスルホベタイン等が挙げられる。
本発明の水系防カビ剤は、水系タイプであり、溶媒としては主に水が用いられる。水としては、イオン交換水や逆浸透膜水等の精製水や、通常の水道水や工業用水、海洋深層水等が挙げられる。
更に、本発明の水系防カビ剤には、その他の成分として、必要に応じて、無機抗菌剤、有機抗菌剤、防藻剤、防錆剤、界面活性剤、溶剤、キレート剤、酸剤、アルカリ剤、香料、消臭成分等を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することにより、抗菌効果、防藻効果、防錆効果、洗浄効果、芳香性、消臭性等を付与するようにしてもよい。
こうして得られた本発明の水系防カビ剤を、浴室のタイル目地等、カビの発生しやすい箇所に塗布あるいはスプレーすることで、カビの発生を効果的に且つ持続的に抑制することができる。そして、本発明の水系防カビ剤は、危険で取り扱いにくい次亜塩素酸製剤と異なり、安全に、かつ簡単に施用できるので極めて実用性が高いものである。
また、本発明の水系防カビ剤は、特定のグリコールエーテル系化合物を水に配合するだけの、非常に単純な組成である。そのため、製造が簡便なうえ、多くの防カビ剤で問題となる皮膚への刺激性も小さく、安全性が極めて高い。また水洗を行っても防カビ効果が持続するため、その実用性は極めて高い。加えて、防カビ成分として4級アンモニウム塩及びアミンオキシド等のカチオン界面活性剤を配合した防カビ剤とは異なり、アニオン界面活性剤と併用してもその効果が低下しないという特徴も有している。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。以下、実施例により本発明の効果について更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。
[試験液の調製]
ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ダワノールDPnB、ダウ・ケミカル日本社製)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(商品名:ダワノールDPnP、ダウ・ケミカル日本社製)、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ダワノールTPnB、ダウ・ケミカル日本社製)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(商品名:ニューレックスRソフト5S、日油社製)、ラウリル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン(商品名:リカビオンA−100、新日本理化社製)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:ブラウノンEL−1509、青木油脂工業社製)、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(商品名:カチオーゲンTB−5、第一工業製薬社製)、塩化ベンザルコニウム(商品名:カチオンF2−50R、日油社製)、ラウリルジメチルアミンオキシド(商品名:アロモックスDM12−W、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を表1に示す配合割合(質量%)で配合し、精製水を加えて100重量%として試験液(本発明1〜9)を得た。
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(商品名:ダワノールDPM、ダウ・ケミカル日本社製)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(商品名:ダワノールPM、ダウ・ケミカル日本社製)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(商品名:ダワノールPnP、ダウ・ケミカル日本社製)、エタノール(和光純薬工業社製)、ジプロピレングリコール(和光純薬工業社製)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチルカルビトール、和光純薬工業社製)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルジメチルアミンオキシドを表2に示す配合割合(質量%)で配合し、精製水を加えて100重量%として試験液(比較例1〜8)を得た。
[防カビ効果の確認試験(準実地試験)]
乾燥した4.9cm×4.9cmの浴室用タイル(商品名:ミデュールMLP−100/1023、LIXIL社製)を用意し、その表面が全て覆われる程度の大きさのキムワイプ(日本製紙クレシア製)を乗せた。キムワイプに試験液を約1mL滴下し、5分間静置した。その後、キムワイプを外したタイル表面にシャワーを10秒あるいは100秒間当てた。この時、流れる水の量はそれぞれ1L、10 L弱であった。その後、タイルを壁に立てかけ、終夜で自然乾燥させた。翌日、タイルの表面中央部に2×2cmの滅菌済みのポリプロピレン製の網を載せて、Cladsporium cladosporioides 胞子分散液を、滅菌水で2倍希釈したGP培地と1:1で混合したものを100μL滴下した。網を乗せたのは培地が流れ落ちないようにするためである。また、比較対照例として、試験薬剤を処理しないものを同様に操作して、25℃で培養したもの(無処理)を準備した。
本発明1〜9、比較例1〜8の試験液を処理したタイル、及び比較対照例のタイルを25℃で3〜7日間培養し、カビの生育状況を目視で観察した。評価基準としては、カビの発生が目視によりほぼ確認できない場合を◎、カビの発生量が比較対照例より大幅に少ない場合を○、カビの発生量が比較対照例より若干少ない場合を△、カビの発生量が比較対照例と同等で変わりない場合を×とした。防カビ効果の試験結果を試験液の配合と併せて表1、表2に示す
Figure 0006570332
注1:括弧内の数字は、水に対する溶解度(g/100g−H2O)を示す。
Figure 0006570332
注1:括弧内の数字は、水に対する溶解度(g/100g−H2O)を示す。
表1から明らかなように、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上のグリコールエーテル系化合物を1質量%以上配合した本発明1〜9の試験液では、培養開始から7日後におけるカビの発生が比較対照例に比べて少なかった。
特に、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルを1質量%以上配合した本発明1、2、6〜9の試験液では、7日後に全くカビの生育はなく、極めて高い防カビ効果が確認された。さらに、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルを3質量%配合した本発明9の試験液では、試験液を塗布した後にシャワーを100秒間当てた場合にも高い防カビ効果が維持されたことから、極めて高い耐水性、防カビ効果の持続性を有することが確認された。
また、グリコールエーテル系化合物に加えて界面活性剤を配合した本発明3〜8の試験液の結果より、界面活性剤の添加の有無に係わらず高い防カビ効果が維持されることが確認された。特に、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを配合した本発明3、6の試験液においては、防カビ成分としてカチオン界面活性剤を配合した防カビ剤とは異なり、アニオン界面活性剤と併用してもその効果が低下しないことが確認された。
一方、グリコールエーテル系化合物を配合せず、塩化ベンザルコニウムを1質量%、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリドを1質量%配合した比較例1、2の試験液、及び、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エタノール、ジプロピレングリコールを15質量%配合した比較例3〜7の試験液では、7日後に明らかなカビの生育が認められた。また、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを3質量%配合した比較例8の試験液では、比較対照例より若干少ないものの7日後にカビの生育が認められた。
以上の結果より、本発明の水系防カビ剤は、4級アンモニウム塩や、アミンオキシドでも達成できない耐水性の高い防カビ効果を付与するものであり、その有用性は高い。また、アニオン界面活性剤を配合しても効果の減弱は特に見られないため、その点においても、4級アンモニウム塩や、アミンオキシド等の防カビ剤より優位である。
なお、特許文献1において空間の防カビ用途への使用が推奨されているグリコールエーテル系化合物(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル)を用いた比較例3〜5、及び特許文献2において液体組成物への使用が推奨されているグリコールエーテル系化合物(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)を用いた比較例8では十分な耐水性の防カビ効果が得られず、逆に、特許文献1、2において特に使用が推奨されていなかったグリコールエーテル系化合物(ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル)を用いた本発明1〜9において高い耐水性の防カビ効果があったことから、本発明の水系防カビ剤は特許文献1における空間除菌用組成物、及び特許文献2における防カビ方法とその本質を異にするものである。
上記のような差異が生じる理由としては、以下のように考えることができる。特許文献1ではグリコールエーテルを空間に揮散させる必要があるためにジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等の比較的低分子量のグリコールエーテルの使用が適しており、特許文献2ではグリコールエーテルを水溶性溶剤として使用するために、水に対する溶解性が高いジエチレングリコールモノブチルエーテル(水に対する溶解度∞)の使用が適している。これに対し、本願の水系防カビ剤では、水洗後においてもグリコールエーテルを防カビ成分として一定期間残存させる必要があるため、比較的高分子量であり、且つ水に対する溶解性が比較的低いジプロピレングリコールモノブチルエーテル(水に対する溶解度5[g/100g−H2O])、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(水に対する溶解度19[g/100g−H2O])、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(水に対する溶解度3[g/100g−H2O])等の使用が適している。
本発明は、優れた防カビ効果と耐水性とを有し、防カビ効果の持続性、安全性に優れた水系防カビ剤を提供する。本発明は、防カビ効果と耐水性とを兼ね備えた、特に浴室等で使用される防カビ剤として優れている。

Claims (6)

  1. 防カビ成分として、以下の化学式(I)
    Figure 0006570332
    (上記式(I)中、R1はC3 又はC 4 の直鎖アルキル基を示し、nは2または3を示す。)
    で示されるグリコールエーテル系化合物から選ばれる1種以上を配合したことを特徴とする水系防カビ剤。
  2. 前記グリコールエーテル系化合物が、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の水系防カビ剤。
  3. 前記グリコールエーテル系化合物が、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項2に記載の水系防カビ剤。
  4. 前記グリコールエーテル系化合物の配合量が0.5質量%以上20質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水系防カビ剤。
  5. 前記グリコールエーテル系化合物の配合量が1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする請求項4に記載の水系防カビ剤。
  6. アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上を配合したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の水系防カビ剤。
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