JP2015189631A - 酸化物焼結体及びスパッタリングターゲット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】In2O3相と、InGaZnmO3+m(mは、0.5又は1以上の整数)で表されるホモロガス相を含有し、上記In2O3相が、Hf、Zr、Ti、Y、Ge、Ta、Nb及びランタノイド元素からなる群より選択される1以上の元素Xを含有し、長さ10μm以上の双晶割れの個数が40×25μm四方の視野中に1個以下であり、相対密度が95%以上であり、上記In2O3相及びホモロガス相の平均粒子径が、10μm以下であることを特徴とする酸化物焼結体。
【選択図】なし
Description
例えば、In−Ga−Zn酸化物半導体を使用した薄膜トランジスタは、スイッチング特性が良好である。
そのため、ITOのように粒成長を促進させるような焼結条件とするだけでは、安定したスパッタリングができる酸化物焼結体は得られなかった。
また、ホットプレス等の通常の大気圧焼成により、焼成を促進する方法もあるが、その場合、製造コストが上がるという問題があった。
本発明によれば、以下の酸化物焼結体等が提供される。
1.In2O3相と、InGaZnmO3+m(mは、0.5又は1以上の整数)で表されるホモロガス相を含有し、前記In2O3相が、Hf、Zr、Ti、Y、Ge、Ta、Nb及びランタノイド元素からなる群より選択される1以上の元素Xを含有し、長さ10μm以上の双晶割れの個数が40×25μm四方の視野中に1個以下であり、相対密度が95%以上であり、前記In2O3相及びホモロガス相の平均粒子径が、10μm以下であることを特徴とする酸化物焼結体。
2.前記元素Xが、Hf、Zr、Ti、Y、Ta及びSmより選択される1以上の元素であることを特徴とする1に記載の酸化物焼結体。
3.前記mが1又は2であることを特徴とする1又は2に記載の酸化物焼結体。
4.前記mが2であることを特徴とする1又は2に記載の酸化物焼結体。
5.前記In2O3相にXが固溶していることを特徴とする1乃至4のいずれかに記載の酸化物焼結体。
6.前記In2O3相がビックスバイト相であることを特徴とする1乃至5のいずれかに記載の酸化物焼結体。
7.抵抗値が50mΩcm以下であることを特徴とする1乃至6のいずれかに記載の酸化物焼結体。
8.直径1μm以上のポアの個数が、40×25μm四方の視野中に9個以下であることを特徴とする1乃至7のいずれかに記載の酸化物焼結体。
9.長さ10μm以上の双晶割れの個数が40×25μm四方の視野中に0個であることを特徴とする1乃至8のいずれかに記載の酸化物焼結体。
10.前記元素Xの原子比[X/(In+Ga+Zn+X)]が0.001〜0.2であることを特徴とする1乃至9のいずれかに記載の酸化物焼結体。
11.上記1乃至10のいずれかに記載の酸化物焼結体を加工してなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
12.上記11に記載のスパッタリングターゲットを用いて成膜されたことを特徴とする酸化物薄膜。
13.アモルファス膜であることを特徴とする12に記載の酸化物薄膜。
14.上記12又は13に記載の酸化物薄膜をチャネル層として有することを特徴とする薄膜トランジスタ。
酸化物焼結体の原料に、元素Xの化合物を添加することにより、焼成時の温度を低くでき、また、焼成時間を短縮できる。その結果、ポアが少なく、双晶粒界の小さいホモロガス相を有する酸化物焼結体が作製できる。この酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲットは、いわゆる火の玉放電のようなメジャーアーク以外にもマイクロアークのような小さなアーキングが少なく安定した放電が可能であるため、大面積で均一な酸化物膜が作製できる。
同様に、酸化物焼結体がIn2O3相を有することは、X線回折法により確認できる。本発明の酸化物焼結体には上述したIn2O3相及びホモロガス相以外の相を含有していてもよい。
尚、In2O3相及びホモロガス相の粒子の確認は、SEM−EDSでも行える。EDSにより各々の特性X線を用いたマッピングにより元素分布を測定し、InとOで全体の70%以上が構成される粒子をIn2O3粒子と定義し、InかつGaかつZnが含まれる粒子をIn−Ga−Zn酸化物ホモロガス相の粒子と定義する。さらに、それぞれの粒子にEDSのポイント元素定量分析で簡易定量を行って相の確認を行う。
尚、元素Xの一部はホモロガス相の粒子内に固溶していてもよい。他の化合物相を形成していてもよい。
平均粒子径は、鏡面研磨した焼結体を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定する。焼結体の表面の形状が円形の場合、円に内接する正方形を等面積に16分割し、また、焼結体の表面の形状が四角形の場合には、表面を等面積に16分割して、それぞれ16個のサンプルを作成して測定する。測定の詳細は、実施例に示す。
元素Xは、Hf、Zr、Ti、Y及びSmより選択される1以上の元素であることが好ましい。
本発明では、元素XはIn2O3相に固溶していることが好ましい。元素XはIn2O3相に固溶していることは、X線回折の格子定数の変化及びSEM−EDSの粒子の組成分析、又は広域X線吸収微細構造(EXAFS)測定により確認できる。
In2O3相がビックスバイト相(希土類酸化物C型の結晶構造)を示すことは、X線回折でICDDカードNo.6−0416のパターンを示すことから確認できる。
尚、双晶とは、ホモロガス構造を持つ粒子同士が接合した状態で、結晶粒界(grain boundary; GB)で、結晶方位が互いに異なる結晶粒が接しており、境界面で結晶軸に関して、互いに対称的であるように2個の結晶が結合したものをいう。
双晶割れとは、上記2個の結晶間の結晶粒界に生じる割れを意味する。双晶割れの長さ及び個数は、コロイダルシリカ等の砥粒で鏡面研磨した焼結体から、平均粒子径等と同様にサンプルを作製し、SEMにより観察して測定する。測定の詳細は、実施例に示す。
尚、研磨サンプルを加熱処理したり、硝酸等で化学的にエッチングして粒界を観察しやくする方法もあるが、これらの場合、その処理によって双晶割れや小さなポアが観察できなくなるおそれがある。従って、上記処理は行なわずに鏡面研磨により表面仕上げしたサンプルで観察する必要がある。
相対密度は、アルキメデス法により測定した実測密度を原料の真密度の相加平均から算出される理論密度で割った値を百分率で示したものである。
抵抗値は、三菱化学株式会社製の低抵抗率計「ロレスターEP」(JIS K 7194に準拠)によって測定することができる。測定の詳細は、実施例に示す。
これによりポアに起因する異常放電を大幅に抑制できる。ポアの数は、15個以下であることが好ましく、特に、10個以下であることが好ましい。
尚、ポアとは焼結体の表面をSEM観察で観察される粒子間にできる孔である。直径1μm未満のポアは粒子内や粒界の三重点に生成しやすいポアである。
尚、ポアの数は上述したホモロガス相の平均粒子径と同様にサンプルを作製し、SEM観察により測定する。測定の詳細は、実施例に示す。
Gaの原子比[Ga/(In+Ga+Zn)]は0.1〜0.4であることが好ましい。特に好ましくは、0.1〜0.3である。
Znの原子比[Zn/(In+Ga+Zn)]は0.1〜0.5であることが好ましい。特に好ましくは、0.15〜0.4である。
具体的に、ICP−AESを用いた分析では、酸化物焼結体を10μm以下に粉砕した粉体を酸などに溶かした溶液試料をネブライザーで霧状にして、アルゴンプラズマ(約6000〜8000℃)に導入すると、試料中の元素は熱エネルギーを吸収して励起され、軌道電子が基底状態から高いエネルギー準位の軌道に移る。この軌道電子は10−7〜10−8秒程度で、より低いエネルギー準位の軌道に移る。この際にエネルギーの差を光として放射し発光する。この光は元素固有の波長(スペクトル線)を示すため、スペクトル線の有無により元素の存在を確認できる(定性分析)。
定性分析で含有されている元素を特定後、定量分析で含有量を求め、その結果から各元素の原子比を求める。
(1)配合工程
原料の配合工程は、本発明の酸化物に含有される金属元素の化合物を混合する必須の工程である。
原料としては、インジウム化合物の粉末、ガリウム化合物の粉末、亜鉛化合物の粉末、元素Xの化合物の粉末等の粉末を用いる。インジウムの化合物としては、例えば、酸化インジウム、水酸化インジウム等が挙げられる。亜鉛の化合物としては、例えば、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等が挙げられる。各々の化合物として、焼成のしやすさ、副生成物の残存のし難さから、酸化物が好ましい。
原料の一次粒子の粒子径は、3μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以下でありことが好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。特に、元素Xの化合物の粒子径が大きい場合は、偏析するおそれがあるため0.3μm以下であることが好ましい。
金属酸化物等のターゲットの製造に用いる原料を混合し、通常の混合粉砕機、例えば、湿式ボールミルやビーズミル又は超音波装置を用いて、均一に混合・粉砕することが好ましい。
尚、下記の成形工程での成型体密度の向上あるいは成型体の割れを抑制するために、ポリビニルアルコール(PVA)やメチルセルロース、ポリワックス、オレイン酸等の成形助剤を混合してもよい。さらに、成形時に成型体を金型からの離型剤を混合してもよい。
分散剤として、例えばPVAを用いた場合、PVAの使用量は原料全量の5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以下、2重量%以下であることがよい。分散剤が多いと亜鉛化合物やガリウム化合物が偏析を起こし、抵抗の高いZnGa2O4相の析出や、ホモロガス相の粗大粒子が生成するおそれがある。
離型剤としては例えばステアリン酸を用いてもよい。
仮焼工程では、上記工程で得た混合物を仮焼する。尚、本工程は必要に応じて設けられる工程である。仮焼工程により、酸化物の密度を上げることが容易になるが、製造コストが上がるおそれがある。そのため、仮焼を行わずに密度を上げられることがより好ましい。
仮焼工程においては、500〜1500℃で、1〜100時間の条件で上記の混合物を熱処理することが好ましい。
成形工程は、上述した配合工程で得た混合物(上記仮焼工程を設けた場合には仮焼物)を加圧成形して成形体とする必須の工程である。この工程により、ターゲットとして好適な形状に成形する。仮焼工程を設けた場合には得られた仮焼物の微粉末を造粒した後、成形処理により所望の形状に成形することができる。
成形処理としては、例えば、プレス成形(一軸成形)、金型成形、鋳込み成形、射出成形等が挙げられるが、焼成密度の高いターゲットを得るためには、冷間静水圧(CIP)等で成形するのが好ましい。
尚、単なるプレス成形(一軸プレス)であると圧力にムラ生じて、想定外の結晶型が生成してしまうおそれがある。
また、プレス成形(一軸プレス)後に、冷間静水圧(CIP)、熱間静水圧(HIP)等を行い2段階以上の成形工程を設けてもよい。
焼成工程は、上記成形工程で得られた成形体を焼成する必須の工程である。
焼成は、大気圧焼成又は熱間静水圧(HIP)焼成等によって行うことができる。
焼成条件としては、焼結炉内に成型体を設置後、120〜400℃で0.5〜6時間で成形体中の水分や成形助剤の脱脂をする工程を得ることが好ましい。
その後、昇温速度0.5〜5℃/分で800〜1200℃まで昇温し、その後、前期の昇温速度よりも遅い0.1〜3℃/分で焼成温度1300〜1500℃に達成する。焼成保持時間は、5〜72時間で、好ましくは8〜48時間、より好ましくは10〜36時間焼成する。
焼成後の降温過程では、1000〜1200℃までは0.1〜5℃/分で降温する。好ましくは0.2〜3℃、より好ましくは0.2〜1℃/分で降温する。さらに300〜500℃までは1〜5℃/分で降温し、さらに、室温までは3℃/分以下の降温速度で冷却する。
焼成する雰囲気は大気圧下の大気、大気流通、酸素流通系、又は酸素加圧下でもよい。酸素流通系での雰囲気が焼結体中のポアが少なくなるため好ましい。酸素流通量は炉内体積や成型体の設置方法にもよるが、炉内容積1m3あたり0.1〜100L/分が好ましい。特に、1000℃以上の焼成工程で酸素流通するとポアが少なくなるため効果的である。
還元工程は、上記焼成工程で得られた焼結体のバルク抵抗をターゲット全体で均一化するためのものであり、必要に応じて設けられる工程である
本工程で適用することができる還元方法としては、例えば、還元性ガスによる方法や真空焼成又は不活性ガスによる還元等が挙げられる。
還元性ガスによる還元処理の場合、水素、メタン、一酸化炭素、又はこれらのガスと酸素との混合ガス等を用いることができる。
不活性ガス中での焼成による還元処理の場合、窒素、アルゴン、又はこれらのガスと酸素との混合ガス等を用いることができる。
還元処理時の温度は、通常100〜800℃、好ましくは200〜800℃である。また、還元処理の時間は、通常0.01〜10時間、好ましくは0.05〜5時間である。
加工は、上記の酸化物焼結体をスパッタリング装置への装着に適した形状に切削加工し、また、バッキングプレート等の装着用治具を取り付けるために行う。酸化物焼結体をスパッタリングターゲットとするには、焼結体を、例えば、平面研削盤で研削して表面粗さRa5μm以下とする。さらに、スパッタリングターゲットのスパッタ面に鏡面加工を施して、平均表面粗さRaが1000オングストローム以下としてもよい。この鏡面加工(研磨)は機械的な研磨、化学研磨、メカノケミカル研磨(機械的な研磨と化学研磨の併用)等の、すでに知られている研磨技術を用いることができる。例えば、固定砥粒ポリッシャー(ポリッシュ液:水)で#2000以上にポリッシングしたり、又は遊離砥粒ラップ(研磨材:SiCペースト等)にてラッピング後、研磨材をダイヤモンドペーストに換えてラッピングすることによって得ることができる。このような研磨方法には特に制限はない。
洗浄後は、110℃以下の温度で0.5〜48時間の間で十分乾燥するのがよい。
酸化物薄膜がアモルファス膜であることは、X線回折による測定結果が、特定の結晶ピークを示さないことにより確認できる。
また、Zr、Hf、Ti、Y、Ta及びNbから選択されるいずれかの元素を添加することにより、耐薬品性が向上し、電極とのエッチング速度の差を利用したバックチャネルエッチングが可能となる。特に、Ta又はNbは酸耐性の向上が顕著であり、例えば、Al配線のエッチャントで用いられるPAN(燐酸、酢酸、硝酸の混酸)へのエッチング耐性が向上する。
純度99.99%の酸化インジウム粉末、純度99.99%の酸化ガリウム粉末、純度99.99%の酸化亜鉛粉末、及び酸化サマリウム粉末を、各金属元素の原子比が下記を満たすように秤量し、遊星ボールミルを使用して湿式混合粉砕した。
[In/(In+Ga+Zn+Sm)]=0.5
[Ga/(In+Ga+Zn+Sm)]=0.1
[Zn/(In+Ga+Zn+Sm)]=0.3
[Sm/(In+Ga+Zn+Sm)]=0.1
尚、湿式媒体攪拌ミルの媒体には0.2〜1mmφ粒径の異なる数種のジルコニアビーズを使用した。また、成形助剤としてポリビニルアルコール(PVA)を1質量%使用した。
混合粉砕後、スプレードライヤーで乾燥させた。0.5μm以上の粗粒を分級して得られた混合粉末を金型に充填し、1軸加圧及びCIP成型し成形体(直径101.6mm、厚さ8mm)を作製した。
得られた成形体を1L/分の酸素気流中、300℃で2時間、乾燥及び脱脂を行い、1430℃で20時間焼成し、酸化物焼結体を作製した。昇温速度は1000℃まで1℃/分とし、その後0.5℃/分で昇温して焼成温度に到達させた。降温は1000℃まで0.5℃/分で冷却し、500℃まで1℃/分、その後は大気雰囲気で0.6℃/分で室温まで炉内で冷却した。
本図から、In濃度の高い相、即ち、In2O3相にSmが存在していることが確認できる。
ポイントAのEDSスペクトルはSmが固溶したIn2O3相に、ポイントBのEDSスペクトルはホモロガス相(IGZO112相)に相当する。
酸化物焼結体の抵抗値、密度、ZrO2相の平均粒子径、ZrO2相の平均粒子径、双晶割れの個数、ポアの平均径、直径1μm以上のポアの個数、直径1μm未満のポアの個数を表1及び2に示す。また、酸化物焼結体が有する結晶相について、表1及び2に示す。
(1)抵抗値
三菱化学株式会社製の低抵抗率計「ロレスターEP」(JIS K 7194に準拠)によって測定した。得られた円形の焼結体の直交する2本の直径の交点と、その交点と端部の中点の4点、計5点で測定し、平均値を抵抗値とした。
(2)相対密度
得られた円形の焼結体の上下面を1mm研磨し、その中心部分をさらに2×2×0.5cmの直方体に成形したサンプルをアルキメデス法で実測密度を測定し、これを理論密度で除すことで相対密度を算出した。
(3)In2O3相及びホモロガス相の平均粒子径
得られた円形の焼結体の上下面を研磨し厚さを5mmとした。さらに、ウォータジェット切断機で直径101.6mmφに成形した。その円に内接する正方形を等面積に16分割し、さらにそれぞれの中心部分を1×1×0.5cmの直方体に成形後に、樹脂中に包埋して鏡面研磨したもの16個をサンプルとして用いた。尚、鏡面研磨は、焼結体のサンプリング時に生じる観察部表面の切断痕や荒削り時の研磨痕がなくなるまで行った。サンプルは除電用にオスミウムでコーティングした。SEM観察(日本電子(株)製JSM−6390A、加速電圧15kV)による測定により3,000倍視野で40×25μm四方(長方形)のサイズの観察像を撮影し、該範囲の中で観察される粒子について、その粒子径を測定し、16個のサンプルの枠内の粒子の粒子径の平均値を求め平均粒子径とした。粒子径は、JIS R 1670に基づき、結晶粒を円相当径として測定した。
In2O3相及びホモロガス相の粒子の確認は、SEMに付属しているエネルギー分散型X線分析装置EDS装置(日本電子社製、EX−2300)により行った。EDSにより各々の特性X線を用いたマッピングにより元素分布を測定し、InとOで全体の70%以上が構成される粒子をIn2O3粒子と定義し、In、Ga及びZnが含まれる粒子をIn−Ga−Znホモロガス相の粒子と定義する。さらに、それぞれの粒子にEDSのポイント元素定量分析で簡易定量を行って相の確認を行った。
(4)双晶割れの個数
上記(3)と同じサンプルを用い、同様にSEMにより測定により3,000倍視野で40×25μm四方のサイズの観察像を撮影し、直線状で粒子と粒子の間に観察される直線状の空間を双晶割れと定義して、観察される範囲の中の割れのうち、長さ10μm以上の割れの個数を計測し、前記16個のサンプルの枠内にある割れの個数の平均値を求め10μm以上の双晶割れの個数とした。
(5)ポアの個数
上記(3)と同じサンプルを用い、同様にSEMにより測定により3,000倍視野で40×25μm四方のサイズの観察像を撮影し、視野中に観察される粒子のない、JIS R 1670に基づき測定した円相当径が0.5μm以上の空隙をポアとした。円相当径が1μm以上のポアを直径1μm以上のポアとしてその個数を数え、前記16個のサンプルの平均値を直径1μm以上のポアの個数とした。同様に、直径1μm未満のポアの個数も測定した。
(6)結晶相
X線回折測定(XRD)により判定した。
・装置:(株)リガク製Ultima−III
・X線:Cu−Kα線(波長1.5406Å、グラファイトモノクロメータにて単色化)
・2θ−θ反射法、連続スキャン(1.0°/分)
・サンプリング間隔:0.02°
・スリット DS、SS:2/3°、RS:0.6mm
表1又は2に示す元素Xの酸化物を使用し、各金属原子の原子比、焼成条件を変更した他は、実施例1と同様にして、酸化物焼結体を作製し、評価した。結果を表1〜4に示す。
図7に実施例4(Ti)で作製した酸化物焼結体の断面のSEM写真を、図8に実施例21(Y)で作製した酸化物焼結体の断面のSEM写真を、図9に比較例1(Al)で作製した酸化物焼結体の断面のSEM写真を示す。図10に比較例2(Mg)で作製した酸化物焼結体の断面のSEM写真を示す。図11に比較例3で作製した酸化物焼結体の断面のSEM写真を示す。
図12〜15は、それぞれ実施例3、実施例4、実施例12及び実施例23で作製した酸化物焼結体のX線回折パターンである。
Claims (14)
- In2O3相と、InGaZnmO3+m(mは、0.5又は1以上の整数)で表されるホモロガス相を含有し、
前記In2O3相が、Hf、Zr、Ti、Y、Ge、Ta、Nb及びランタノイド元素からなる群より選択される1以上の元素Xを含有し、
長さ10μm以上の双晶割れの個数が40×25μm四方の視野中に1個以下であり、
相対密度が95%以上であり、
前記In2O3相及びホモロガス相の平均粒子径が、10μm以下であることを特徴とする酸化物焼結体。 - 前記元素Xが、Hf、Zr、Ti、Y、Ta及びSmより選択される1以上の元素であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物焼結体。
- 前記mが1又は2であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化物焼結体。
- 前記mが2であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化物焼結体。
- 前記In2O3相にXが固溶していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の酸化物焼結体。
- 前記In2O3相がビックスバイト相であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の酸化物焼結体。
- 抵抗値が50mΩcm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の酸化物焼結体。
- 直径1μm以上のポアの個数が、40×25μm四方の視野中に9個以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の酸化物焼結体。
- 長さ10μm以上の双晶割れの個数が40×25μm四方の視野中に0個であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の酸化物焼結体。
- 前記元素Xの原子比[X/(In+Ga+Zn+X)]が0.001〜0.2であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の酸化物焼結体。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の酸化物焼結体を加工してなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
- 請求項11に記載のスパッタリングターゲットを用いて成膜されたことを特徴とする酸化物薄膜。
- アモルファス膜であることを特徴とする請求項12に記載の酸化物薄膜。
- 請求項12又は13に記載の酸化物薄膜をチャネル層として有することを特徴とする薄膜トランジスタ。
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