JP2015189607A - カーボンナノチューブ分散液、及び導電性フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性に優れた導電膜を形成することができ、塗工性に優れた、電材用途に好適に用いられるカーボンナノチューブ分散液、及び該分散液を用いてなる導電膜を有する導電性フィルムを提供すること。
【解決手段】平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たし、かつG/D比が1〜20の範囲であるカーボンナノチューブを、非イオン系高分子分散剤存在下で溶媒中に分散してなり、アルカリ金属イオン濃度が500ppm以下であるカーボンナノチューブ分散液、および基材と、当該基材上に形成された前記分散液を用いてなる導電膜と、を有する導電性フィルム。
【選択図】なし
【解決手段】平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たし、かつG/D比が1〜20の範囲であるカーボンナノチューブを、非イオン系高分子分散剤存在下で溶媒中に分散してなり、アルカリ金属イオン濃度が500ppm以下であるカーボンナノチューブ分散液、および基材と、当該基材上に形成された前記分散液を用いてなる導電膜と、を有する導電性フィルム。
【選択図】なし
Description
本発明はカーボンナノチューブ分散液、及びそれを用いてなる導電膜を有する導電性フィルムに関する。
カーボンナノチューブ(以下、CNTという場合がある。)は、平面状のグラファイト(グラフェンシート)を丸めた円筒状の構造を有している。そのナノ構造の特異性に起因してカーボンナノチューブは様々な特性を示す。特に銅の1000倍以上の高い電流密度耐性、銅の約10倍の高い熱伝導性、及び鋼鉄の約20倍の引っ張り強度といった特性において、カーボンナノチューブは優れている。そのため様々な用途への応用が期待されているが、中でもフラットパネルディスプレイ、電子デバイス、走査型電子顕微鏡、などへの応用が期待されている。
かかるカーボンナノチューブではあるが、凝集しやすい性質を有しているため、分散させないと上記に記載した本来持ち合わせている性能を十分に発揮させることができない。一般的には単独では分散しにくいことから、水や有機溶媒等に分散させる際に界面活性剤などを用いて、カーボンナノチューブ分散液を作製し、使用される。
例えば特許文献1ではカーボンナノチューブに対して塩基性櫛形分散剤を用いることにより、CNTが安定かつ均一に分散した分散液の提供方法が、特許文献2ではアミン価をもつ高分子分散剤を用い、特定の大きさのビーズを用いたビーズ分散を行うことにより、CNTを良好に分散させ、分散後の保存安定性が良好であり、高濃度までカーボンナノチューブを分散できるカーボンナノチューブの分散方法が提供されている。
しかしながら、かかるカーボンナノチューブ分散液を用いて得られる導電膜の導電性は未だ不充分であった。また、従来のカーボンナノチューブには、その製造に使用する金属触媒等が不純物として多く含まれており、得られる分散液にも不純物(特にアルカリ金属イオン)が多く含まれ、そのようなカーボンナノチューブ分散液は電材用途の使用には不適であった。これに対しては、特許文献3でカーボンナノチューブの精製方法が提供されており、カーボンナノチューブを精製して用いることでカーボンナノチューブ分散液の不純物を低減することは可能である。しかし従来公知の精製方法を実施すると精製と同時にカーボンナノチューブにダメージを与えることになり、カーボンナノチューブ表面の欠損部が増え、結果として、得られるカーボンナノチューブ分散液を用いて得られる導電膜は導電性に劣ることになる。
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、導電性に優れた導電膜を形成することができ、塗工性にも優れた、電材用途に好適に用いられるカーボンナノチューブ分散液、及び該分散液を用いてなる導電膜を有する導電性フィルムを提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が所定の関係式を満たし、かつG/D比が所定の範囲にあるカーボンナノチューブを、非イオン系高分子分散剤存在下で溶媒中に分散してなり、かつアルカリ金属イオン濃度が低いカーボンナノチューブ分散液によれば、前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は次の通りである。
〔1〕平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たし、かつG/D比が1〜20の範囲であるカーボンナノチューブを、非イオン系高分子分散剤存在下で溶媒中に分散してなり、アルカリ金属イオン濃度が500ppm以下であるカーボンナノチューブ分散液、
〔2〕前記非イオン系高分子分散剤が数平均分子量1万以上であり、かつ櫛型構造のブロック共重合体からなる前記〔1〕記載の分散液、
〔3〕前記非イオン系高分子分散剤のアミン価が15以下である前記〔1〕または〔2〕記載の分散液、
〔4〕前記非イオン系高分子分散剤の酸価が1以下である前記〔1〕〜〔3〕いずれかに記載の分散液、ならびに
〔5〕基材と、当該基材上に形成された前記〔1〕〜〔4〕いずれかに記載の分散液を用いてなる導電膜と、を有する導電性フィルム。
すなわち、本発明の要旨構成は次の通りである。
〔1〕平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たし、かつG/D比が1〜20の範囲であるカーボンナノチューブを、非イオン系高分子分散剤存在下で溶媒中に分散してなり、アルカリ金属イオン濃度が500ppm以下であるカーボンナノチューブ分散液、
〔2〕前記非イオン系高分子分散剤が数平均分子量1万以上であり、かつ櫛型構造のブロック共重合体からなる前記〔1〕記載の分散液、
〔3〕前記非イオン系高分子分散剤のアミン価が15以下である前記〔1〕または〔2〕記載の分散液、
〔4〕前記非イオン系高分子分散剤の酸価が1以下である前記〔1〕〜〔3〕いずれかに記載の分散液、ならびに
〔5〕基材と、当該基材上に形成された前記〔1〕〜〔4〕いずれかに記載の分散液を用いてなる導電膜と、を有する導電性フィルム。
本発明によれば、導電性に優れた導電膜を形成することができ、塗工性にも優れた、電材用途に好適に用いられるカーボンナノチューブ分散液、及び該分散液を用いてなる導電膜を有する導電性フィルムを提供することができる。
本発明のCNT分散液は、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たし、かつG/D比が1〜20の範囲であるCNTを、非イオン系高分子分散剤存在下で溶媒中に分散してなり、アルカリ金属イオン濃度が500ppm以下である。
かかる分散液によれば、例えば、基材上に導電膜を形成することで導電性フィルムが得られる。当該分散液は不純物としてのアルカリ金属イオン濃度が低いことから電材用途に好適に用いることができ、得られた導電性フィルムは、例えば、タッチパネル、太陽電池等への適応が可能である。
かかる分散液によれば、例えば、基材上に導電膜を形成することで導電性フィルムが得られる。当該分散液は不純物としてのアルカリ金属イオン濃度が低いことから電材用途に好適に用いることができ、得られた導電性フィルムは、例えば、タッチパネル、太陽電池等への適応が可能である。
<カーボンナノチューブ>
本発明に用いるCNTは、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たし、かつG/D比が1〜20の範囲にある。用いるCNTがそれらの特性を満たすことから、CNTの分散性が高まり、本発明のCNT分散液によれば、優れた導電性を有し、機械的特性も良好な導電膜を形成することができる。例えば、CNT分散液へのCNTの配合量を低減することができ、透明性に優れた透明導電膜を得ることもできる。
本発明に用いるCNTは、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たし、かつG/D比が1〜20の範囲にある。用いるCNTがそれらの特性を満たすことから、CNTの分散性が高まり、本発明のCNT分散液によれば、優れた導電性を有し、機械的特性も良好な導電膜を形成することができる。例えば、CNT分散液へのCNTの配合量を低減することができ、透明性に優れた透明導電膜を得ることもできる。
本発明に用いるCNTの(3σ/Av)の値としては、好ましくは0.25超、より好ましくは0.50超である。
なお、直径とはCNTの外径を意味する。また、平均直径(Av)および直径の標準偏差(σ)は、透過型電子顕微鏡での観察下に、無作為に選択されたカーボンナノチューブ100本の直径を測定した際の平均値および標準偏差として求められる(後述する平均長さも、同様の方法で長さの測定を行い、その平均値として求められる。)。本発明に用いるCNTとしては、そのようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
CNTの平均直径(Av)および標準偏差(σ)は、CNTの製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
なお、直径とはCNTの外径を意味する。また、平均直径(Av)および直径の標準偏差(σ)は、透過型電子顕微鏡での観察下に、無作為に選択されたカーボンナノチューブ100本の直径を測定した際の平均値および標準偏差として求められる(後述する平均長さも、同様の方法で長さの測定を行い、その平均値として求められる。)。本発明に用いるCNTとしては、そのようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
CNTの平均直径(Av)および標準偏差(σ)は、CNTの製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
本発明に用いるCNTのG/D比、すなわち、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比としては、好ましくは4以上である。G/D比とはCNTの品質を評価するのに一般的に用いられている指標である。ラマン分光装置によって測定されるCNTのラマンスペクトルには、Gバンド(1600cm−1付近)とDバンド(1350cm−1付近)と呼ばれる振動モードが観測される。GバンドはCNTの円筒面であるグラファイトの六方格子構造由来の振動モードであり、Dバンドは非晶箇所に由来する振動モードである。よって、GバンドとDバンドのピーク強度比(G/D比)が高いものほど、結晶性の高いCNTと評価できる。
更に、CNTの平均直径(Av)としては、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることが更に好ましく、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。CNTの平均直径(Av)が上記範囲にあれば、CNTの凝集が抑制されCNT含有膜中での分散性が高まり、導電性および機械的特性に優れた導電膜を得ることができる。また、同様の観点から、CNTは、平均長さが0.1μm以上1cm以下であることが好ましい。
本発明に用いるCNTは、単層カーボンナノチューブであっても多層カーボンナノチューブであってもよいが、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。単層カーボンナノチューブを使用すれば、多層カーボンナノチューブを使用した場合と比較して、得られる導電膜の導電性および機械的特性を向上させることができる。
本発明に用いるCNTは、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層カーボンナノチューブのラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
また、CNTの比表面積は、100m2/g以上であることが好ましく、2500m2/g以下であることが好ましい。CNTが主として未開口のものにあっては、比表面積が600m2/g以上であることが好ましく、800m2/g以上であることがより好ましく、1200m2/g以下であることが好ましい。また、CNTが主として開口したものにあっては、比表面積が1300m2/g以上であることが好ましい。CNTの比表面積が100m2/g以上であれば、得られる導電膜の導電性および機械的特性を十分に向上させることができる。また、CNTの比表面積が2500m2/g以下であれば、CNTの凝集が抑制されCNT含有膜中での分散性が高まり、導電性および機械的特性に優れた導電膜を得ることができる。
なお、本発明において、「比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
なお、本発明において、「比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
CNTは通常、CNT配向集合体として製造されるが、本発明に用いるCNTとしては、本発明のCNT分散液へのアルカリ金属イオンの混入を十分に低減せしめる観点から、CNT配向集合体から直接得られた状態で、純度が、通常、98質量%以上、好ましくは99.9質量%以上であるCNTを用いるのが好ましい。純度は蛍光X線を用いた元素分析により求めることができる。
なお、以上の諸特性を有するCNTは、国際公開第2006/011655号に記載されているCNT製造方法(スーパーグロース法)に従って製造することができる。以下、スーパーグロース法で得られたCNTを「SGCNT」という場合がある。
本発明のCNT分散液中のCNTの含有量は分散液が形成出来れば特に限定されるものではないが、用いる溶媒100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.05〜1質量部である。
<非イオン系高分子分散剤>
本発明においてはCNTの分散剤として非イオン系高分子分散剤を用いる。当該分散剤は非イオン系であることから、通常、本発明のCNT分散液にアルカリ金属イオンを混入させる虞がない。また、得られるCNT分散液は優れた塗工性を示す。
本発明においてはCNTの分散剤として非イオン系高分子分散剤を用いる。当該分散剤は非イオン系であることから、通常、本発明のCNT分散液にアルカリ金属イオンを混入させる虞がない。また、得られるCNT分散液は優れた塗工性を示す。
非イオン系高分子分散剤は、高分子化合物からなるものであれば、特に限定はないが、通常、ブロック共重合体からなるものが好適に用いられる。ここで、ブロック共重合体とは、構造の異なる繰り返し部分が分子内でブロックを形成して存在する共重合体であり、「A−B」や「A−B−A」(A、Bは、それぞれ構造の異なる繰り返し部分からなるブロック)等のように、必ずしも主鎖にブロックが存在する共重合体には限定されず、例えば、主鎖にブロックが側鎖として結合してなる三叉分岐点を複数有する櫛形構造の共重合体や、ブロックが主鎖にペンダントに結合している共重合体や、末端に重合性官能基を有するポリマーまたはオリゴマーからなるマクロモノマーの共重合体なども含まれる。
前記ブロック共重合体の分子量は特に限定されないが、CNT分散液の塗工性を高める観点から、通常、数平均分子量で1万以上であり、好ましくは1万〜4万、より好ましくは1万〜2万である。なお、数平均分子量は、0.2質量%クロロホルム溶液を溶離液とするGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算値として測定することができる。
非イオン系高分子分散剤としては、中でも、CNTへの親和性と溶媒への親和性のバランスに優れ、安定性に優れたCNT分散液が得られることから、数平均分子量が1万以上であり、かつ櫛型構造のブロック共重合体からなるものが好ましい。かかる櫛型構造としては、主鎖に親水基を有するブロックが側鎖として結合してなる三叉分岐点を複数有する構造が好ましい。
また、非イオン系高分子分散剤としては、CNT分散液中のCNTの分散性を良好にし、かつ該分散液の塗工性を高める観点から、アミノ基を有するものが好ましい。非イオン系高分子分散剤中のアミノ基の存在量は特に限定されないが、非イオン系高分子分散剤のアミン価としては、1〜100mgKOH/gが好ましく、1〜15mgKOH/gがより好ましい。
非イオン系高分子分散剤の酸価は特に限定されないが、CNT分散液中のCNTの分散安定性を高める観点から、1mgKOH/g以下が好ましく、0.5mgKOH/g以下がより好ましい。
非イオン系高分子分散剤の酸価は特に限定されないが、CNT分散液中のCNTの分散安定性を高める観点から、1mgKOH/g以下が好ましく、0.5mgKOH/g以下がより好ましい。
なお、アミン価は分散剤数gを精秤し氷酢酸に溶解させ、過塩素酸(HClO4)0.1N酢酸溶液をビュレットにて滴下して滴定し、電位差滴定により当量点に達した時点の滴下量から、mgKOH/gを算出する。用いる分散剤が市販品等で既に溶液になっている場合には、その溶液をそのまま測定に用い、測定値を分散剤濃度に換算して分散剤(固形分)のアミン価とする。
一方、酸価は分散剤10gを300mlの三角フラスコに秤量し、エタノール:ベンゼン=1:2(体積比)の混合溶媒約50mlを加えて溶解し、次いで、フェノールフタレイン指示薬を用い、あらかじめ標定された0.1mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、滴定に用いた水酸化カリウムエタノール溶液の量から、mgKOH/gを算出する。
一方、酸価は分散剤10gを300mlの三角フラスコに秤量し、エタノール:ベンゼン=1:2(体積比)の混合溶媒約50mlを加えて溶解し、次いで、フェノールフタレイン指示薬を用い、あらかじめ標定された0.1mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、滴定に用いた水酸化カリウムエタノール溶液の量から、mgKOH/gを算出する。
本発明に用いられる非イオン系高分子分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔商品名「エマルゲン(登録商標)PP−290」、花王(株)製〕、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〔商品名「ノイゲン(登録商標)XL−40」、第一工業製薬(株)製〕、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル〔商品名「ニューコール(登録商標)610」、日本乳化剤(株)製〕およびポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル〔商品名「ニューコール(登録商標)707F」、日本乳化剤(株)製〕などや、数平均分子量が1万以上のブロック共重合体からなる、DISPERBYK(登録商標)−161、DISPERBYK(登録商標)−170、DISPERBYK(登録商標)−190およびDISPERBYK(登録商標)−191、DISPERBYK(登録商標)−198(以上、ビックケミー社製)などが挙げられる。中でも、アミン価が前記所定の範囲にあるDISPERBYK(登録商標)−161、酸価が前記所定の範囲にあるDISPERBYK(登録商標)−170、アミン価と酸価が共に前記所定の範囲にあるDISPERBYK(登録商標)−191、およびアミン価が前記所定の範囲にあり、数平均分子量が1万以上であり、かつ櫛型構造のブロック共重合体からなるDISPERBYK(登録商標)−198が好適に用いられ、DISPERBYK(登録商標)−198がより好適に用いられる。
本発明のCNT分散液中の非イオン系高分子分散剤の含有量は特に限定されるものではないが、得られる導電膜中、絶縁物の含有量を減らしてCNT同士が直接接触しやすい環境を作る観点から、少ないのが好ましい。非イオン系高分子分散剤の含有量としては、用いる溶媒100質量部に対して、通常、0.0005〜25質量部、好ましくは0.025〜5質量部である。
<溶媒>
用いる溶媒は特に限定されない。例えば、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、及びこれらの混合溶媒の他、水が挙げられるが、取扱い容易性や環境安全性の観点から水が好ましい。また、水としては、本発明のCNT分散液へのアルカリ金属イオンの混入を極力低減する観点から、イオン濃度を調整したイオン交換水が好ましく、超純水がより好ましい。
用いる溶媒は特に限定されない。例えば、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、及びこれらの混合溶媒の他、水が挙げられるが、取扱い容易性や環境安全性の観点から水が好ましい。また、水としては、本発明のCNT分散液へのアルカリ金属イオンの混入を極力低減する観点から、イオン濃度を調整したイオン交換水が好ましく、超純水がより好ましい。
<アルカリ金属イオン>
本発明のCNT分散液中のアルカリ金属イオン濃度は500ppm以下である。なお、ppmは質量基準である。アルカリ金属イオン濃度としては、本発明のCNT分散液を電材用途に用いる観点から、好ましくは250ppm以下である。
本発明のCNT分散液中に含まれるアルカリ金属イオン濃度は、例えば、誘導結合プラズマ質量分析計(ICPMS)を用いて測定することができる。
本発明のCNT分散液中のアルカリ金属イオン濃度は500ppm以下である。なお、ppmは質量基準である。アルカリ金属イオン濃度としては、本発明のCNT分散液を電材用途に用いる観点から、好ましくは250ppm以下である。
本発明のCNT分散液中に含まれるアルカリ金属イオン濃度は、例えば、誘導結合プラズマ質量分析計(ICPMS)を用いて測定することができる。
<CNT分散液の製造方法>
本発明のCNT分散液は、例えば、前記非イオン系高分子分散剤の存在下、CNTとしてSGCNTを用い、イオン交換水を溶媒としてSGCNTを適宜分散することで、効率よく製造することができる。SGCNTは通常、純度が98質量%以上であることから、CNTとしてSGCNTを用いれば、SGCNTを事前に公知の精製方法、例えば、硝酸等を用いる酸処理によって精製しなくとも、得られるCNT分散液中のアルカリ金属イオン濃度を500ppm以下にすることができる。また、SGCNTを事前の精製処理に供さないことから、そのG/D比が低下することがない。溶媒にCNTを分散させる環境は特に限定されないが、CNT分散液中のアルカリ金属イオン濃度は出来る限り低いのが好ましいため、外部からのアルカリ金属イオンの混入を抑制する観点から、クリーンルーム内で行うのが好ましい。
本発明のCNT分散液は、例えば、前記非イオン系高分子分散剤の存在下、CNTとしてSGCNTを用い、イオン交換水を溶媒としてSGCNTを適宜分散することで、効率よく製造することができる。SGCNTは通常、純度が98質量%以上であることから、CNTとしてSGCNTを用いれば、SGCNTを事前に公知の精製方法、例えば、硝酸等を用いる酸処理によって精製しなくとも、得られるCNT分散液中のアルカリ金属イオン濃度を500ppm以下にすることができる。また、SGCNTを事前の精製処理に供さないことから、そのG/D比が低下することがない。溶媒にCNTを分散させる環境は特に限定されないが、CNT分散液中のアルカリ金属イオン濃度は出来る限り低いのが好ましいため、外部からのアルカリ金属イオンの混入を抑制する観点から、クリーンルーム内で行うのが好ましい。
溶媒へのCNTの分散は公知の方法に従って行うことができるが、分散効率に優れることから、キャビテーション効果が得られる分散処理により行うのが好ましい。キャビテーション効果が得られる分散処理とは、液体に高エネルギーを付与した際、水に生じた真空の気泡が破裂することにより生じる衝撃波を利用した分散方法である。
ここで、キャビテーション効果が得られる分散処理の具体例としては、超音波による分散処理、ジェットミルによる分散処理および高剪断撹拌による分散処理が挙げられる。これらの分散処理は一つのみを行なってもよく、複数の分散処理を組み合わせて行なってもよい。当該処理は、例えば、それぞれ公知の、バス型超音波分散装置、超音波ホモジナイザー、ジェットミルおよび高剪断撹拌装置を用いて行うことができる。
キャビテーション効果が得られる分散処理は、外部からのアルカリ金属イオンの混入を抑制する観点から、バス型超音波分散装置を用いて行うのが好ましい。分散処理は、CNTを非イオン系高分子分散剤と共に溶媒に添加した混合物に対し、バス型超音波分散装置により超音波を照射して行う。照射する時間は、CNTの量等により適宜設定すればよく、例えば、3分以上が好ましく、30分以上がより好ましく、また、5時間以下が好ましく、2時間以下がより好ましい。また、例えば、出力は20W以上500W以下が好ましく、100W以上500W以下がより好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
超音波ホモジナイザーを用いる場合、前記混合物に対し超音波を照射する時間は、CNTの量等により適宜設定すればよく、例えば3分以上が好ましく、10分以上がより好ましく、また、1時間以下が好ましく、30分以下がより好ましい。また、例えば、出力は10W以上100W以下が好ましく、50以上80W以下がより好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
ジェットミルを用いる場合、前記混合物の処理回数は、CNTの量等により適宜設定すればよく、例えば、2回以上が好ましく、5回以上がより好ましく、100回以下が好ましく、50回以下がより好ましい。また、例えば、圧力は20MPa以上250MPa以下が好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
また、高剪断撹拌装置を用いる場合は、前記混合物に対し、当該装置により撹拌および剪断を加えればよい。旋回速度は速ければ速いほどよい。例えば、運転時間(機械が回転動作をしている時間)は3分以上4時間以下が好ましく、周速は5m/秒以上50m/秒以下が好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
溶媒へのCNTの分散は、前記超音波ホモジナイザー等の他、例えば、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノミル、スパイクミル、DCPミル、バスケットミル、ペイントコンディショナー、高速攪拌装置などを用いても行うことができる。
分散処理においては、溶媒が揮発して濃度変化が生ずる場合があるため、通常、50℃以下の温度で行なうのが好ましい。特に、分散剤として用いる非イオン系高分子分散剤が凍らないか、またはその曇点を下回らない程度の低温で分散処理を行なうと分散剤の機能がより良好に発揮されるため好ましい。
得られたCNT分散液におけるCNTの分散状態の確認は、例えば、CNT分散液を遠心分離した後、目視により行うことができる。CNTが分散していないか、または分散度が低い場合、100G〜10000Gの遠心分離によって分散液からCNTが除かれるが、分散度が高い場合はCNTが除かれず、分散液は黒色を保つ。
前記クリーンルームとしては、少なくともナトリウムイオンの除去装置を備えてなるものが好ましい。また、当該クリーンルームとしては、外部からのアルカリ金属イオンの混入を極力抑える観点から、クラス6(クラス1000)以上のクリーン度を持つものが好ましい。クリーンルーム内の湿度に関しては特に制限はないが、空気中の不純物の飛散を防止するために相対湿度60%以上に調整するのが好ましい。
前記ナトリウムイオンの除去装置としては特に制限はないが、例えば、ケミカルフィルターを用いる装置や、コロナ放電を用いる装置が挙げられる。
ケミカルフィルターを用いる装置によれば、気相中のアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどのアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンなどの塩基性物質を効率的に除去することができる。
コロナ放電を用いる装置によれば、室内の空気をコロナ放電器に通気させて空気中の不純物をイオン化し、次いでイオンを含有した空気を電気集塵器に通気させて該イオンを捕集し、空気中の不純物を効率的に除去することができる。
ケミカルフィルターを用いる装置によれば、気相中のアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどのアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンなどの塩基性物質を効率的に除去することができる。
コロナ放電を用いる装置によれば、室内の空気をコロナ放電器に通気させて空気中の不純物をイオン化し、次いでイオンを含有した空気を電気集塵器に通気させて該イオンを捕集し、空気中の不純物を効率的に除去することができる。
<導電性フィルム>
本発明の導電性フィルムは、基材と、当該基材上に形成された本発明のCNT分散液を用いてなる導電膜と、を有してなる。
本発明の導電性フィルムは、基材と、当該基材上に形成された本発明のCNT分散液を用いてなる導電膜と、を有してなる。
前記基材としては、CNT導電膜を担持することが出来るものであれば、特に限定されず、例えば、合成樹脂やガラスからなるフィルムやシートなどが挙げられる。中でも、軽量で可撓性および光透過性に優れることから、透明樹脂からなるフィルムやシートが好ましい。
前記透明樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステル(PE)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、シクロオレフィンポリマー(COP)、透明ポリイミド(PI)等の合成樹脂が挙げられる。
前記透明樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステル(PE)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、シクロオレフィンポリマー(COP)、透明ポリイミド(PI)等の合成樹脂が挙げられる。
基材の厚みは、用途に応じて適宜決定すればよいが、通常、10〜10000μmである。基材が光透過性を有する場合、光透過率(測定波長:500nm)は、好ましくは60%以上である。
前記導電膜は、上記基材上に本発明のCNT分散液を塗布し、得られた塗膜を乾燥して溶媒を除去することにより形成することができる。
本発明の分散液の基材上への塗布は、公知の塗布方法により行うことができる。塗布方法としては、例えば、バーコーターやアプリケーターを用いた手動による塗布方法、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等が挙げられる。
塗膜を乾燥する際は、公知の乾燥方法を採用できる。乾燥方法としては、熱風乾燥法、熱ロール乾燥法、赤外線照射法等が挙げられる。乾燥温度は特に限定されないが、通常、室温〜200℃、乾燥時間は特に限定されないが、通常、0.1〜150分である。
導電膜の厚みは、用途に応じて適宜決定すればよいが、通常、0.1nm〜100μmである。導電膜中に含まれるCNTの含有量は、用途に応じて適宜決定すればよいが、通常、1.0×10−6〜15mg/cm2である。
本発明の導電性フィルムは、本発明の効果を妨げない範囲において、基材や導電膜以外に、その他の層を有してもよい。その他の層としては、ハードコート層、ガスバリア層、粘着剤層等が挙げられる。その他の層は、従来公知の方法により形成することができる。
本発明の導電性フィルムが導電性に優れることは、シート抵抗を測定することで示される。本発明の導電性フィルムのシート抵抗は、通常、100〜10000Ω/□である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<評価方法>
1.アルカリ金属イオン濃度の評価
CNT分散液中に含まれるアルカリ金属イオン濃度を、誘導結合プラズマ質量分析計(ICPMS)を用いて測定し、以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:アルカリ金属イオン濃度≦500ppm
△:500ppm<アルカリ金属イオン濃度≦5000ppm
×:5000ppm<アルカリ金属イオン濃度
1.アルカリ金属イオン濃度の評価
CNT分散液中に含まれるアルカリ金属イオン濃度を、誘導結合プラズマ質量分析計(ICPMS)を用いて測定し、以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:アルカリ金属イオン濃度≦500ppm
△:500ppm<アルカリ金属イオン濃度≦5000ppm
×:5000ppm<アルカリ金属イオン濃度
2.導電性の評価
CNT分散液をPETフィルム(東洋紡社製「コスモシャイン(登録商標)A−1230」、光透過率91%、15cm×10cm)上にバーコーター(テスター産業社製、SA−203、No.10)を用いて塗布し、乾燥して導電性フィルムを得、当該フィルムの表面抵抗値を表面抵抗率測定装置(三菱アナリテック社製「ロレスタ(登録商標)GP」)にて測定し、以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:表面抵抗値<104Ω/□
×:104Ω/□≦表面抵抗値
CNT分散液をPETフィルム(東洋紡社製「コスモシャイン(登録商標)A−1230」、光透過率91%、15cm×10cm)上にバーコーター(テスター産業社製、SA−203、No.10)を用いて塗布し、乾燥して導電性フィルムを得、当該フィルムの表面抵抗値を表面抵抗率測定装置(三菱アナリテック社製「ロレスタ(登録商標)GP」)にて測定し、以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:表面抵抗値<104Ω/□
×:104Ω/□≦表面抵抗値
3.塗工性の評価
前記「2.導電性の評価」において導電性フィルムを作製する際、PETフィルムへのCNT分散液の塗布状態を目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:塗布面の表面状態にムラやハジキ等がなく均一に塗布できる
×:塗布面の表面状態にムラやハジキ等があり均一に塗布できない
前記「2.導電性の評価」において導電性フィルムを作製する際、PETフィルムへのCNT分散液の塗布状態を目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:塗布面の表面状態にムラやハジキ等がなく均一に塗布できる
×:塗布面の表面状態にムラやハジキ等があり均一に塗布できない
製造例1
国際公開第2006/011655号の記載に従い、スーパーグロース法によってSGCNTを製造した。
得られたSGCNTは、BET比表面積が1050m2/g(未開口)であり、ラマン分光光度計での測定においてG/D比が4.3、単層CNTに特長的な100〜300cm−1の低波数領域にラジアルブリージングモード(RBM)のスペクトルが観察された。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に選択された100本のSGCNTの直径を測定した結果、平均直径(Av)が3.3nm、3σが1.9nm、それらの比(3σ/Av)が0.58であった。また、蛍光X線によって元素分析をしたところ、純度は99.9質量%以上であった。
国際公開第2006/011655号の記載に従い、スーパーグロース法によってSGCNTを製造した。
得られたSGCNTは、BET比表面積が1050m2/g(未開口)であり、ラマン分光光度計での測定においてG/D比が4.3、単層CNTに特長的な100〜300cm−1の低波数領域にラジアルブリージングモード(RBM)のスペクトルが観察された。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に選択された100本のSGCNTの直径を測定した結果、平均直径(Av)が3.3nm、3σが1.9nm、それらの比(3σ/Av)が0.58であった。また、蛍光X線によって元素分析をしたところ、純度は99.9質量%以上であった。
実施例1
Na除去フィルターを用いて空気中のナトリウムイオン量を低減させ、かつクリーンルームクラス6(米国209E基準ではクラス1000相当)を満たす実験室において、脱アルカリ処理を施した300mlのガラス容器に、イオン交換水50g、SGCNT 0.025g、非イオン系高分子分散剤としてDISPERBYK(登録商標)−198(ビッグケミー社製:アミン価4mgKOH/g:固形分濃度40質量%)0.125gを、加えた。このガラス容器の内容物に対して、バス型超音波洗浄機〔アズワン(株)製、ASU−10D〕を用いて、室温にて60分間分散処理を行い、CNT分散液1を得た。ポリエステルフィルム(東洋紡社製「コスモシャイン(登録商標)A4100」、フィルム厚み100μm)上に、前記CNT分散液1を、バーコーター(テスター産業社製、SA−203、No.10)を用いて、塗布厚み22.9μmとなるように塗布した。得られた塗膜を90℃で30分乾燥させて、導電性フィルム1を得た。結果を表1に示す。
Na除去フィルターを用いて空気中のナトリウムイオン量を低減させ、かつクリーンルームクラス6(米国209E基準ではクラス1000相当)を満たす実験室において、脱アルカリ処理を施した300mlのガラス容器に、イオン交換水50g、SGCNT 0.025g、非イオン系高分子分散剤としてDISPERBYK(登録商標)−198(ビッグケミー社製:アミン価4mgKOH/g:固形分濃度40質量%)0.125gを、加えた。このガラス容器の内容物に対して、バス型超音波洗浄機〔アズワン(株)製、ASU−10D〕を用いて、室温にて60分間分散処理を行い、CNT分散液1を得た。ポリエステルフィルム(東洋紡社製「コスモシャイン(登録商標)A4100」、フィルム厚み100μm)上に、前記CNT分散液1を、バーコーター(テスター産業社製、SA−203、No.10)を用いて、塗布厚み22.9μmとなるように塗布した。得られた塗膜を90℃で30分乾燥させて、導電性フィルム1を得た。結果を表1に示す。
比較例1
SGCNTを6Nの硝酸に添加し、100℃雰囲気下で9時間還流した。濾過して得られた回収物を数回水洗した後、濾過物を150℃のオーブンで一晩乾燥することで酸処理SGCNTを得た。SGCNTを酸処理SGCNTに変更したこと以外は実施例1と同様にしてCNT分散液2を得、導電性フィルム2を得た。結果を表1に示す。
SGCNTを6Nの硝酸に添加し、100℃雰囲気下で9時間還流した。濾過して得られた回収物を数回水洗した後、濾過物を150℃のオーブンで一晩乾燥することで酸処理SGCNTを得た。SGCNTを酸処理SGCNTに変更したこと以外は実施例1と同様にしてCNT分散液2を得、導電性フィルム2を得た。結果を表1に示す。
比較例2
SGCNTをHipco Superpure(NanoIntegris Inc.社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にしてCNT分散液3を得、導電性フィルム3を得た。結果を表1に示す。
SGCNTをHipco Superpure(NanoIntegris Inc.社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にしてCNT分散液3を得、導電性フィルム3を得た。結果を表1に示す。
表1より、本発明のCNT分散液によれば、導電性に優れた導電膜を備えた導電性フィルムが得られ、当該CNT分散液は導電膜形成時の塗工性に優れることが分かる(実施例1)。一方、比較例1では、SGCNTを酸処理したところG/D比が低下し、得られる導電膜は導電性に劣ることが分かる。また、比較例2では、3σ/Avが本発明にかかる所定値に満たない市販のCNTを用いたところ、得られたCNT分散液はアルカリ金属イオン濃度が高く、しかも得られる導電膜は導電性に劣ることが分かる。
Claims (5)
- 平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たし、かつG/D比が1〜20の範囲であるカーボンナノチューブを、非イオン系高分子分散剤存在下で溶媒中に分散してなり、アルカリ金属イオン濃度が500ppm以下であるカーボンナノチューブ分散液。
- 前記非イオン系高分子分散剤が数平均分子量1万以上であり、かつ櫛型構造のブロック共重合体からなる請求項1記載の分散液。
- 前記非イオン系高分子分散剤のアミン価が15以下である請求項1または2記載の分散液。
- 前記非イオン系高分子分散剤の酸価が1以下である請求項1〜3いずれかに記載の分散液。
- 基材と、当該基材上に形成された請求項1〜4いずれかに記載の分散液を用いてなる導電膜と、を有する導電性フィルム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014066738A JP2015189607A (ja) | 2014-03-27 | 2014-03-27 | カーボンナノチューブ分散液、及び導電性フィルム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018008838A (ja) * | 2016-07-12 | 2018-01-18 | Jsr株式会社 | カーボンナノチューブを含有する分散液から金属イオンを除去する方法、カーボンナノチューブ分散液、およびカーボンナノチューブ含有膜 |
WO2019172136A1 (ja) * | 2018-03-08 | 2019-09-12 | 日本ゼオン株式会社 | 複層フィルムおよびその製造方法 |
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2014
- 2014-03-27 JP JP2014066738A patent/JP2015189607A/ja active Pending
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