JP2015188851A - 電気集塵装置および空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】気流の通風抵抗を増やさずに気流の清浄度を高めることができ、加えて、良好にメッシュシートを清掃することができる電気集塵装置を提供する。【解決手段】電気集塵装置は気流の通路81を形成する筐体26を備える。気流の流通方向に沿って帯電電極123の下流で、通路81を横切る横断面82に沿ってフィルタ35が配置される。フィルタ35は、少なくとも部分的に表面に導電材を有するメッシュシートで形成される。フィルタ35の導電材は、筐体26上に配置されるグラウンド電位の駆動部材(導電体)64に接続される。駆動部材64は、メッシュシートに対して清掃ブラシ66の相対移動を引き起こす。制御部125は、帯電電極123の通電停止を指示する第1制御信号の出力後に駆動部材64の駆動を指示する第2制御信号を出力する。【選択図】図8

Description

本発明は電気集塵装置および空気調和機に関する。
例えば特許文献1に開示されるように、空気調和機には一般にプレフィルタが組み込まれる。プレフィルタは気流から塵埃を除去する。熱交換器では塵埃の堆積は防止される。
特開2008−190819号公報
特許文献1ではプレフィルタは静電フィルタとして機能する。プレフィルタでは樹脂製繊維網の表面にステンレスの導電膜が形成される。イオン電極からイオンが放出される。イオンはプレフィルタの導電膜に降り注ぐ。プレフィルタの導電膜では、イオンが付着することで生じるイオンと同極性の電位が維持される。そのため、こうしたプレフィルタでは、フィルタの導電膜に生じている極性と逆の極性に帯電していない塵埃は捕獲されずに通過してしまう。期待されるほどに、メッシュよりも小さい塵埃は捕捉されない。メッシュが微小化すればプレフィルタを通り抜ける気流の清浄度は高まるものの、気流の通風抵抗が著しく増大し空気調和機の冷房機能や暖房機能は低下してしまう。
本発明のいくつかの態様によれば、気流の通風抵抗を増やさずに気流の清浄度を高めることができ、加えて、良好にメッシュシートを清掃することができる電気集塵装置は提供されることができる。
本発明の一態様は、気流の通路を形成する筐体と、前記通路内に配置されて前記気流に放電して前記気流中の物質を帯電させる帯電電極と、前記気流の流通方向に沿って前記帯電電極の下流で、前記通路を横切る横断面に沿って配置され、少なくとも部分的に表面に導電材を有するメッシュシートで形成されるフィルタと、前記筐体上に配置されて、前記導電材に接続されるグラウンド電位の導電体と、前記メッシュシートに接触する清掃ブラシと、前記メッシュシートに対して前記清掃ブラシの相対移動を引き起こす駆動部材と、前記帯電電極の通電停止を指示する第1制御信号の出力後に前記駆動部材の駆動を指示する第2制御信号を出力する制御部とを備える電気集塵装置に関する。
帯電電極から放電が行われると、気流中の塵埃などは特定の極性で帯電する。メッシュシートのメッシュよりも大きい塵埃はメッシュシートに絡め捕られる。メッシュよりも小さい塵埃などの微粒子はメッシュシートの導電材に付着する。こうしてメッシュよりも大きい塵埃だけでなくメッシュよりも小さい微粒子はメッシュシートで捕獲される。メッシュシートのメッシュでは気流の流通経路の長さに比べて開口の広がりは大きく設定されることができる。その結果、メッシュシートの圧力損失は著しく抑制される。メッシュシートは圧力損失を回避しながら効果的に微粒子を捕獲することができる。気流の通風抵抗を増やさずに気流の清浄度は高められることができる。
塵埃といった微粒子がメッシュシートの導電材に付着すると、微粒子とメッシュシートの導電材との間で電荷がやりとりされる。微粒子の帯電した状態は解消される。こうしてメッシュシートが帯電電極と同極性の電位となることを防止できる。微粒子の付着量が増加しても、確実に新たな微粒子はメッシュシートに付着していくことができる。仮にメッシュシートで電荷をやりとりする経路が設けられないと、電荷の付着量の増加に伴ってメッシュシート上で帯電電極と同極性の電位が生成され、同極性の反発力に応じて微粒子の付着は妨げられてしまう。
メッシュシートの清掃にあたってメッシュシートには清掃ブラシが接触する。制御部から第2制御信号が出力されると、駆動部材は駆動される。メッシュシートに対して清掃ブラシの相対移動が引き起こされる。清掃ブラシはメッシュシートから塵埃を掻き落とす。このとき、第2制御信号の出力に先立って制御部から第1制御信号は出力される。帯電電極の通電は切られる。放電は停止する。その結果、メッシュシートの帯電は抑制される。こうしてメッシュシートから塵埃の剥離は促進される。メッシュシートは効率的に清掃ブラシで清掃される。
電気集塵装置は、予め設定された除電時間を計時するタイマをさらに備えてもよい。タイマは除電時間を計時する。制御部は、計時された除電時間に応じて第2制御信号を出力する。こうしてフィルタではメッシュシートの清掃に先立って除電が確保される。
前記制御部は、前記第1制御信号の出力に先立って前記帯電電極の極性の切り替えを指示する第3制御信号を出力してもよい。第1制御信号の出力に先立って制御部から第3制御信号は出力される。帯電電極の極性は逆極性に切り替えられる。その結果、メッシュシートの帯電と逆極性の放電が実施される。メッシュシートの帯電は中和される。除電は促進される。
電気集塵装置は、前記フィルタの電位を検出する電位検出手段をさらに備えてもよい。フィルタの電位とグラウンド電位との差分に基づきフィルタの除電は検出されることができる。制御部は除電の検出に応じて第2制御信号を出力する。こうしてメッシュシートの清掃に先立って確実に除電は確保されることができる。
電気集塵装置は、前記気流の流通方向に沿って前記フィルタの下流に配置され、メッシュシートで形成されて、少なくとも前記フィルタの前記導電材に向き合わせられる面に沿って前記帯電電極と同極性の電気的な障壁を形成する導電材を有する反発電極をさらに備えてもよい。気流はフィルタのメッシュシートおよび反発電極のメッシュシートを通過する。帯電した微粒子は気流に乗ってフィルタのメッシュシートのメッシュを通過する。帯電した微粒子は電気的な障壁に衝突する。帯電した微粒子と電気的な障壁とは同極性を有することから、帯電した微粒子は電気的な障壁で跳ね返される。これによって微粒子の進行方向は逆向きに反転され、帯電した微粒子は容易くフィルタのメッシュシートの導電材に付着する。こうして微細な塵埃といった微粒子はフィルタのメッシュシートに捕獲される。
以上のような電気集塵装置は空気調和機に組み込まれて利用されることができる。こうして空気調和機で空気清浄機能は実現されることができる。その他、電気集塵装置は空気清浄機や換気装置に組み込まれて利用されてもよい。こうした電気集塵装置はクリーンルームの構築にあたって利用されてもよい。
以上のように開示の装置によれば、気流の通風抵抗を増やさずに気流の清浄度を高めることができ、加えて、良好にメッシュシートを清掃することができる。
本発明の一実施形態に係る空気調和機の構成を概略的に示す概念図である。 第1実施形態に係る室内機の外観を概略的に示す斜視図である。 室内機の本体の構成を概略的に示す斜視図である。 室内機の構造を概略的に示す分解斜視図である。 エアフィルタの構造を概略的に示す拡大斜視図である。 図5のA−A線に沿った断面図である。 室内機の本体の拡大垂直断面図である。 図7に対応し、気流の通路の様子を概略的に示す室内機の本体の拡大垂直断面図である。 図8に対応し、エアフィルタの上限位置を示す本体の拡大垂直断面図である。 図8に対応し、エアフィルタの下限位置を示す本体の拡大垂直断面図である。 電気集塵の原理を概略的に示す拡大断面図である。 図8に対応し、第2実施形態に係る室内機の構成を概略的に示す拡大垂直断面図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄機の構成を概略的に示す分解斜視図である。 他の実施形態に係る空気清浄機の構成を概略的に示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る換気装置の構成を概略的に示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るクリーンルームの構成を概略的に示す概念図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
(1)空気調和機の構成
図1は本発明の一実施形態に係る空気調和機11の構成を概略的に示す。空気調和機11は室内機12および室外機13を備える。室内機12は例えば建物内の室内空間に設置される。その他、室内機12は室内空間に相当する空間に設置されればよい。室内機12には室内熱交換器14が組み込まれる。室外機13には圧縮機15、室外熱交換器16、膨張弁17および四方弁18が組み込まれる。室内熱交換器14、圧縮機15、室外熱交換器16、膨張弁17および四方弁18は冷凍回路19を形成する。
冷凍回路19は第1循環経路21を備える。第1循環経路21は四方弁18の第1口18aおよび第2口18bを相互に結ぶ。第1循環経路21には、圧縮機15が設けられている。圧縮機15の吸入管15aは四方弁18の第1口18aに冷媒配管を介して接続される。第1口18aからガス冷媒は圧縮機15の吸入管15aに供給される。圧縮機15は低圧のガス冷媒を所定の圧力まで圧縮する。圧縮機15の吐出管15bは四方弁18の第2口18bに冷媒配管を介して接続される。圧縮機15の吐出管15bからガス冷媒は四方弁18の第2口18bに供給される。冷媒配管は例えば銅管であればよい。
冷凍回路19は第2循環経路22をさらに備える。第2循環経路22は四方弁18の第3口18cおよび第4口18dを相互に結ぶ。第2循環経路22には、第3口18c側から順番に室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14が組み込まれる。室外熱交換器16は、通過する冷媒と周囲の空気との間で熱エネルギーを交換する。室内熱交換器14は、通過する冷媒と周囲の空気との間で熱エネルギーを交換する。第2循環経路22は例えば銅管などの冷媒配管で形成されればよい。
室外機13には送風ファン23が組み込まれる。送風ファン23は室外熱交換器16に通風する。送風ファン23は例えば羽根車の回転に応じて気流を生成する。気流は室外熱交換器16を通り抜ける。通り抜ける気流の流量は羽根車の回転数に応じて調整される。
室内機12には送風ファン24が組み込まれる。送風ファン24は室内熱交換器14に通風する。送風ファン24は羽根車の回転に応じて気流を生成する。送風ファン24の働きで室内機12には室内空気が吸い込まれる。室内空気は室内熱交換器14を通り抜け冷媒と熱交換する。熱交換された冷気または暖気の気流は室内機12から吹き出される。通り抜ける気流の流量は羽根車の回転数に応じて調整される。
冷凍回路19で冷房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bおよび第3口18cを相互に接続し第1口18aおよび第4口18dを相互に接続する。したがって、圧縮機15の吐出管15bから高温高圧の冷媒が室外熱交換器16に供給される。冷媒は室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14を順番に流通する。室外熱交換器16では冷媒から外気に放熱する。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室内熱交換器14で周囲の空気から吸熱する。冷気が生成される。冷気は送風ファン24の働きで室内空間に吹き出される。
冷凍回路19で暖房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bおよび第4口18dを相互に接続し第1口18aおよび第3口18cを相互に接続する。圧縮機15から高温高圧の冷媒が室内熱交換器14に供給される。冷媒は室内熱交換器14、膨張弁17および室外熱交換器16を順番に流通する。室内熱交換器14では冷媒から周囲の空気に放熱する。暖気が生成される。暖気は送風ファン24の働きで室内空間に吹き出される。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室外熱交換器16で周囲の空気から吸熱する。その後、冷媒は圧縮機15に戻る。
(2)第1実施形態に係る室内機の構成
図2は第1実施形態に係る室内機12の外観を概略的に示す。室内機12の本体(筐体)26にはアウターパネル27が覆い被さる。本体26の下面には吹出口28が形成される。吹出口28は室内に向けて開口される。本体26は例えば室内の壁面に固定されることができる。吹出口28は、室内熱交換器14で生成される冷気または暖気の気流を吹き出す。
吹出口28には前後1対の上下風向板31a、31bが配置される。上下風向板31a、31bはそれぞれ水平軸線32a、32b回りに回転することができる。回転に応じて上下風向板31a、31bは吹出口28を開閉することができる。上下風向板31a、31bの角度に応じて、吹き出される気流の方向は変えられる。
図3に示されるように、本体26には吸込口33が形成される。吸込口33は本体26の正面および上面で開口する。アウターパネル27は本体26の正面で吸込口33に覆い被さることができる。室内熱交換器14に流入する空気は吸込口33から取り込まれる。
吸込口33には、吸込口33の長手方向にわたって同形状のエアフィルタアセンブリ34が複数配置される。エアフィルタアセンブリ34はエアフィルタ35および保持部36を備える。エアフィルタ35は保持部36に保持される。保持部36は枠体37を有する。保持部36は枠体37で本体26に固定される。保持部36が本体26にセットされると、エアフィルタ35は吸込口33の全面にわたって配置される。エアフィルタ35は保持部36から取り外されることができる。
保持部36の枠体37には後述するエアフィルタ35の枠部を保持する前側のフィルタレール38が設けられる。前側のフィルタレール38に対応して本体26には後側のフィルタレール39が設けられる。フィルタレール38、39は一続きの経路を形成する。フィルタレール38、39は、エアフィルタ35の左右両端をスライド可能に保持するよう、水平軸線32a、32bに直交する垂直面に沿って設けられる。エアフィルタ35はフィルタレール38、39に沿って移動する。
図4に示されるように、本体26には送風ファン24が回転自在に支持される。送風ファン24には例えばクロスフローファンが用いられる。送風ファン24は水平軸線32a、32bに平行な回転軸41回りで回転することができる。送風ファン24の回転軸41は本体26の設置時の水平方向に延びる。こうして送風ファン24は吹出口28に平行に配置される。送風ファン24には駆動源(図示せず)から回転軸41回りの駆動力が伝達される。駆動源は本体26に支持される。送風ファン24の回転に応じて気流は室内熱交換器14を通過する。その結果、冷気または暖気の気流が生成される。冷気または暖気の気流は吹出口28から吹き出される。
室内熱交換器14は前側体14aおよび後側体14bを備える。前側体14aは送風ファン24の前側から送風ファン24に被さる。後側体14bは送風ファン24の後側から送風ファン24に被さる。前側体14aおよび後側体14bは上端で相互に連結される。前側体14aおよび後側体14bは冷媒管42aを有する。冷媒管42aは水平方向に往復する。すなわち、冷媒管42aは、水平軸線32a、32bに平行に延び、本体26の正面視左右端で折り返され、再び水平軸線32a、32bに平行に延び、再び本体26の正面視左右端で折り返され、これらが繰り返される。冷媒管42aは第2循環経路22の一部を構成する。冷媒管42aには複数の放熱フィン42bが結合される。放熱フィン42bは水平軸線32a、32bに直交しつつ相互に平行に広がる。冷媒管42aおよび放熱フィン42bは例えば銅やアルミニウムといった金属材料から成形されることができる。冷媒管42aおよび放熱フィン42bを通じて冷媒と空気との間で熱交換が実現される。
図4に示されるように、エアフィルタアセンブリ34はフィルタ清掃ユニット43および電気集塵ユニット(電気集塵装置)44を含む。フィルタ清掃ユニット43は上ダストボックス45および下ダストボックス46を備える。上ダストボックス45および下ダストボックス46は保持部36の枠体37を有する。上ダストボックス45はエアフィルタ35の前面側に配置される。上ダストボックス45はカバー47を有する。カバー47はボックス本体48の塵埃貯留部49を開閉可能に覆うように設けられている。下ダストボックス46はエアフィルタ35の後面側に配置される。上ダストボックス45および下ダストボックス46はエアフィルタ35に対して水平方向に配置されている。エアフィルタ35の清掃時、概ねエアフィルタ35の前面の塵埃は上ダストボックス45のボックス本体48に回収され、エアフィルタ35の後面の塵埃は下ダストボックス46に回収される。
フィルタ清掃ユニット43は第1従動ギア51および第2従動ギア52を備える。第1従動ギア51は上ダストボックス45に取り付けられる。第1従動ギア51は水平軸53回りで回転する。第1従動ギア51は上ダストボックス45内の後述する清掃ブラシを回転させる。第1従動ギア51の歯は上ダストボックス45の外面から少なくとも部分的に露出する。同様に、第2従動ギア52は下ダストボックス46に取り付けられる。第2従動ギア52は水平軸54回りで回転する。第2従動ギア52は下ダストボックス46の両端側に設けられており、後述するようにエアフィルタ35を駆動する。第2従動ギア52の歯は下ダストボックス46の外面から少なくとも部分的に露出する。エアフィルタアセンブリ34が本体26にセットされると、第1従動ギア51は本体26に搭載の第1駆動ギア(図示されず)に噛み合い、同様に第2従動ギア52は本体26に搭載の第2駆動ギア(図示されず)に噛み合う。第1駆動ギアおよび第2駆動ギアには個別に電動モータといった駆動源(図示されず)が連結される。個々の駆動源から供給される駆動力に応じて第1従動ギア51および第2従動ギア52は個別に回転する。
電気集塵ユニット44は、イオナイザ55と、後述する帯電電極と、後述する集塵電極とを備える。イオナイザ55は上ダストボックス45の外面に固定される。イオナイザ55の筐体56は上ダストボックス45のカバー47に一体的に設けられればよい。イオナイザ55の筐体56には上下に開口57が形成される。開口57からイオンおよびオゾンは放出される。放出されたイオンおよびオゾンはアウターパネル27とエアフィルタ35との間の空間に分散する。イオナイザ55は配線(図示されず)で本体26内の図示しない制御部に電気的に接続される。イオナイザ55の配線は着脱可能な電気接点を有し、エアフィルタアセンブリ34の取り付けおよび取り外しの際には配線の結合および分断が行われる。配線を通じてイオナイザ55には動作電力が供給される。
図5に示されるように、エアフィルタ35はフレーム(フィルタフレーム)58およびメッシュシート59を備える。メッシュシート59は例えばポリエチレンテレフタラートの繊維(樹脂繊維)で形成される。メッシュシート59は複数の縦繊維と複数の横繊維とを格子状に組み合わせて構成される。メッシュシート59のメッシュは気流に対して交差するように設けられ、通気路を区画する。メッシュシート59のメッシュでは気流の流通経路の長さに比べて開口の広がりは大きく設定される。縦繊維および横繊維は撚られた繊維で形成される糸であってもよい。
メッシュシート59はフレーム58で支持される。フレーム58はメッシュシート59の輪郭に沿って連続する。フレーム58はメッシュシート59の形状を保持する機能を有する。個々の縦繊維と個々の横繊維とは両端でフレーム58に連結される。フレーム58は導電性樹脂材から形成される。エアフィルタ35の後面側でフレーム58にはラック62が形成される。ラック62は、水平軸線32a、32bに直交する垂直面に沿って直線状に延びる。
図6に示されるように、メッシュシート59の気流に対して下流側となる面(後面)には導電材の被膜(導電膜)63が形成される。導電材には例えばアルミニウムといった金属材料が用いられることができる。被膜63の形成には例えばスパッタリング法が用いられればよい。被膜63は個々の縦繊維および個々の横繊維上に積層される。個々の縦繊維および個々の横繊維ごとに被膜63はフレーム58に接続される。メッシュシート59のメッシュで区画される通気路はそのまま確保される。エアフィルタ35の室内側の面(前面)には一面にメッシュシート59の絶縁体が維持される。フレーム58は被膜63に固定される。フレーム58の成形にあたって金型内に被膜63付きのメッシュシート59は設置される。金型内に溶融樹脂が流し込まれ、メッシュシート59にフレーム58は一体化される。こうして被膜63はフレーム58に接続される。
図7に示されるように、フィルタ清掃ユニット43はピニオン(駆動部材)64を備える。ピニオン64は例えば下ダストボックス46に回転自在に支持される。ピニオン64の外周は、例えば枠体37に形成される押さえ板65の湾曲面に所定の間隔で向き合わせられる。湾曲面はピニオン64の回転軸に平行な母線で形成される。エアフィルタ35が保持部36に装着されると、フレーム58およびラック62はピニオン64の外周と押さえ板65の湾曲面に挟まれる。こうしてラック62はピニオン64に噛み合う。押さえ板65はピニオン64からラック62の離脱を防止する。ピニオン64および押さえ板65でエアフィルタ35の移動は案内される。
ピニオン64は第2従動ギア52に連結される。第2従動ギア52の回転はピニオン64に伝達される。ピニオン64の回転はピニオン64の接線方向にラック62の移動を引き起こす。こうして第2従動ギア52の回転に応じて水平軸線32a、32bに直交する垂直面に沿った方向に上ダストボックス45および下ダストボックス46に対してエアフィルタ35の相対移動は実現される。ここでは、ピニオン(導電体)64および第2従動ギア52は金属といった導電材で形成される。第2従動ギア52に噛み合う駆動ギアは本体26のグラウンドに接続される。ピニオン64および第2従動ギア52からフレーム58の電位はグラウンドに落とされる。本体26には第2駆動ギアの軸に接触する電気的な接点(図示されず)が形成されればよい。ピニオン64はグラウンド電位の導電体として機能する。例えば第2駆動ギアと駆動源との間に絶縁体が配置されれば、駆動源はメッシュシート59からの電位から保護されることができる。
フィルタ清掃ユニット43は、エアフィルタ35に関連づけられて配置される清掃ブラシ66を備える。清掃ブラシ66は上ダストボックス45内に収納される。清掃ブラシ66はブラシ台座67を備える。ブラシ台座67は第1従動ギア51からの駆動力により水平軸68回りに回転することができる。ブラシ毛69はブラシ台座67の筒面上に所定の中心角範囲にわたって配置される。ブラシ毛69の植毛範囲はブラシ台座67の軸方向にエアフィルタ35を横切る広がりを有する。清掃ブラシ66は所定の回転位置でブラシ毛69をエアフィルタ35に接触させ当該回転位置以外ではブラシ毛69をエアフィルタ35から離脱させる。ブラシ毛69がエアフィルタ35に接触する状態で水平軸線32a、32bに直交する垂直面に沿った方向にエアフィルタ35が移動すると、エアフィルタ35の前面に付着した塵埃はブラシ毛69に絡め捕られることができる。
フィルタ清掃ユニット43はブラシ受け71を備える。ブラシ受け71は下ダストボックス46内に収納される。ブラシ受け71は受け面72を有する。受け面72は清掃ブラシ66に向き合わせられる。ブラシ毛69がエアフィルタ35に接触する際に受け面72はブラシ毛69との間にエアフィルタ35を挟み込む。その他、受け面72にはブラシ毛が植毛されてもよい。
電気集塵ユニット44は反発フィルタ(反発電極)74をさらに備える。反発フィルタ74はエアフィルタ35と同様な構造を有すればよい。すなわち、反発フィルタ74はフレーム75およびメッシュシート76を備える。メッシュシート76は例えばポリエチレンテレフタラートの繊維(樹脂繊維)で形成される。メッシュシート76は複数の縦繊維と複数の横繊維とを格子状に組み合わせて構成される。メッシュシート76のメッシュは気流に対して交差するように設けられ、通気路を区画する。メッシュシート76のメッシュでは気流の流通経路の長さに比べて開口の広がりは大きく設定される。
メッシュシート76はフレーム75で支持される。フレーム75は例えばメッシュシート76の輪郭に沿って連続する。フレーム75はメッシュシート76の形状を保持する機能を有する。個々の縦繊維と個々の横繊維とは両端でフレーム75に連結される。メッシュシート76の集塵電極側(ここではエアフィルタ35側)の面は導電材の被膜78で覆われる。導電材には例えばアルミニウムといった金属材料が用いられることができる。被膜78の形成には例えばスパッタリング法が用いられればよい。メッシュシートのメッシュによって区画された通気路はそのまま確保される。反発フィルタ74の室内熱交換器14側の面には一面にメッシュシート76の絶縁体が維持される。
反発フィルタ74は下ダストボックス46に一体的に設けられたフィルタレール38の室内熱交換器14側に固定されればよい。前面の被膜78とエアフィルタ35の被膜63との間には空間が形成される。すなわち、被膜78と被膜63との間には距離が確保される。ここでは、被膜78は被膜63に等間隔で向き合わせられる。こうして電気集塵ユニット44は集塵電極としてエアフィルタ35を利用する。
被膜78は本体26の反発電極用高電圧電源79に接続される。反発フィルタ74と反発電極用高電圧電源79とを接続する配線は着脱可能な電気接点を有し、エアフィルタアセンブリ34の取り付けおよび取り外しの際には配線の結合および分断が行われる。配線を通じて被膜78には高電圧が供給される。ここでは、反発フィルタ74の被膜78には帯電電極123と同極性の電圧が供給される。したがって、高電圧の供給を受けて反発フィルタ74は前面の被膜78に沿って帯電電極123と同極性の電気的な障壁を形成する。
図8に示されるように、本体26内では吸込口33から吹出口28に向かって気流の通路81が形成される。通路81内に室内熱交換器14は配置される。室内熱交換器14の上流には通路81を横切る横断面82に沿ってエアフィルタ35が配置される。フレーム58は、横断面82に沿って本体26に支持され通路81を囲む。メッシュシート59はフレーム58に連結されて横断面82に沿って配置される。エアフィルタ35の上流側にはイオナイザ55が配置される。
エアフィルタ35のメッシュシート59は第1領域FRおよび第2領域SRを有する。エアフィルタ35が基準位置に位置すると、エアフィルタ35の上端は横断面82の上端に接触する。このとき、エアフィルタ35のメッシュシート59は横断面82に沿って通路81を遮る。メッシュシート59の第1領域FRは上ダストボックス45および下ダストボックス46の下側で横断面82に沿って通路81を遮る。メッシュシート59の第2領域SRは上ダストボックス45および下ダストボックス46の上側で横断面82に沿って通路81を遮る。こうしてエアフィルタ35の基準位置では第1領域FRおよび第2領域SRの間に清掃ブラシ66は配置される。
エアフィルタ35の下流に反発フィルタ74が配置される。反発フィルタ74のメッシュシート76は上ダストボックス45および下ダストボックス46の下側で気流の通路81を遮る。反発フィルタ74は上ダストボックス45および下ダストボックス46の上側には配置されない。こうして反発フィルタ74のメッシュシート76は基準位置のエアフィルタ35の第1領域FRにのみ対向する。
電気集塵ユニット44のイオナイザ55は帯電電極123を有する。帯電電極123には本体26に搭載の高電圧電源124が接続される。帯電電極123は高電圧電源124から高電圧の供給を受けて空気中に放電する。放電によりイオンおよびオゾンが生成される。こうして生成されたイオンおよびオゾンがイオナイザ55の開口57から放出される。
高電圧電源124には制御部125が接続される。制御部125は高電圧電源124の動作を制御する。ここでは、制御部125からの制御信号に応じて帯電電極123の通電および通電停止が切り替えられる。通電時に帯電電極123から放電が実施される。通電が停止されると、帯電電極123からの放電は停止する。制御部125は例えばMPU(マイクロプロセッサユニット)といった演算処理装置で形成されればよい。
前述のように、ピニオン64には第2従動ギア52その他の駆動機構を通じて電動モータ126といった駆動源が連結される。電動モータ126には電源127が接続される。電動モータ126は電源127から供給される電力に応じて駆動軸の回転を引き起こす。電源127には制御部125が接続される。制御部125は電源127の動作を制御する。制御部125からの制御信号に応じて電動モータ126の回転動作および動作停止は制御される。電動モータ126の回転動作に応じてエアフィルタ35は横断面82に沿って移動することができる。
制御部125はタイマ128を備える。タイマ128は、エアフィルタ35に付着した帯電した塵埃が除電されるまでの時間を予め設定した、除電時間を計時する。制御部125は通電停止の制御信号を出力すると同時にタイマ128の計時を開始する。タイマ128には予め待機時間が設定される。計時の開始から待機時間が経過すると、タイマ128は計時終了の通知信号を出力する。待機時間には1秒〜10秒程度が設定される。待機時間には、帯電電極123の通電停止からエアフィルタ35の電位がグラウンド電位に落ちるまでの時間が設定されればよい。こうした待機時間は実測されてもよく放電の電荷量およびエアフィルタ35の電気抵抗値に基づき論理式に従って算出されてもよい。
図9に示されるように、エアフィルタ35が上限位置に位置すると、エアフィルタ35の下端はピニオン64の位置まで上昇する。エアフィルタ35の上端は通路81の内壁面に沿って案内され第1規定位置UPまで達する。このとき、エアフィルタ35のメッシュシート59は横断面82に沿って第1領域FRから待避する。こうしてエアフィルタ35が基準位置と上限位置との間で移動する間に清掃ブラシ66はエアフィルタ35の第1領域FRに接触する。メッシュシート59の第1領域FRは清掃ブラシ66で清掃される。
図10に示されるように、エアフィルタ35が下限位置に位置すると、エアフィルタ35の上端は清掃ブラシ66の位置まで下降する。エアフィルタ35の下端は横断面82の延長線上で第2規定位置LPまで下降する。エアフィルタ35の一部35aは第1領域FRで大きく外側に湾曲する。このとき、エアフィルタ35のメッシュシート59は横断面82に沿って第2領域SRから待避する。こうしてエアフィルタ35が基準位置と下限位置との間で移動する間に清掃ブラシ66はエアフィルタ35の第2領域SRに接触する。メッシュシート59の第2領域SRは清掃される。
(3)室内機の動作
通常の冷房運転時や暖房運転時にはエアフィルタ35は基準位置に位置する。送風ファン24が動作すると、本体26内では吸込口33から吹出口28に向かって通路81に沿って気流が生成される。吸込口33から吸引された空気はエアフィルタ35を通過して室内熱交換器14を通過する。室内熱交換器14は気流と冷媒との間で熱交換を実施する。冷房運転時には空気は室内熱交換器14で冷却されて吹出口28から吹き出される。暖房運転時には空気は室内熱交換器14で暖められて吹出口28から吹き出される。こうして冷気や暖気は生成される。
気流がエアフィルタ35を通過する際にメッシュシート59のメッシュの大きさよりも大きい塵埃はメッシュを通過することができない。大きい塵埃はエアフィルタ35の前面に捕獲される。メッシュの大きさよりも小さい塵埃などの微粒子は、後述する電気集塵の原理によりエアフィルタ35の後面に付着する。こうして室内熱交換器14に向かって流れる気流から塵埃などは除去される。室内熱交換器14には清浄な気流が流れ込む。吹出口28から清浄な空気の冷気または暖気は吹き出される。
エアフィルタ35の清掃が行われる際のフィルタ清掃ユニット43の動作について説明する。ブラシ台座67の回転動作に応じて清掃ブラシ66のブラシ毛69はエアフィルタ35の前面に接触する。このとき、エアフィルタ35の後面はブラシ受け71の受け面72に受け止められる。エアフィルタ35はブラシ毛69と受け面72との間に挟まれる。第2従動ギア52が駆動されると、エアフィルタ35の移動に応じてブラシ毛69はエアフィルタ35の前面をなぞる。こうしてブラシ毛69はエアフィルタ35の前面から大きな塵埃を絡め捕る。絡め捕られた塵埃は上ダストボックス45に回収される。エアフィルタ35の後面ではグラウンドによって帯電は解消されることから、受け面72とエアフィルタ35とが接触することで微粒子はエアフィルタ35の後面から落下する。落下した微粒子は下ダストボックス46に回収される。
エアフィルタ35の清掃が行われる際に制御部125は帯電電極123の通電停止を指示する制御信号(第1制御信号)を出力する。第1制御信号に応じて高電圧電源124は帯電電極123に対して電力の供給を停止する。帯電電極123は放電を停止する。イオンの放出は停止される。
第1制御信号の出力と同時に制御部125はタイマ128の計時を開始する。待機時間(予め設定された除電時間)が経過すると、タイマ128は通知信号を制御部125に引き渡す。待機時間が経過すると、エアフィルタ35に付着した帯電した塵埃の電位は0[V]となる。ここでは、エアフィルタ35の被膜63はグラウンドに接続されることから、電荷はグラウンドに逃される。したがって、被膜63に大量の電荷が付着しても、帯電電極123の通電停止後に被膜63の電位を0[V]とすることができる。本実施形態に係る電気集塵ユニット44では、後述されるように、従来に比べて大量のイオンがメッシュシート59の被膜63に付着することから、電荷を空気中に逃す自然放電のみでは十分に被膜63の帯電が解消されない。
タイマ128から通知信号を受け取ると、制御部125は電動モータ126の回転動作を指示する制御信号(第2制御信号)を出力する。第2制御信号に応じて電源127は電動モータ126に電力を供給する。電動モータ126は動作する。その結果、ピニオン64は駆動される。ピニオン64の回転に応じてエアフィルタ35は上ダストボックス45および下ダストボックス46に対して相対的に移動する。メッシュシート59に対して清掃ブラシ66の相対移動は引き起こされる。相対移動に先立ってブラシ毛69はメッシュシート59に接触する。メッシュシート59から塵埃はブラシ毛69で絡め捕られる。こうして清掃ブラシ66はメッシュシート59から塵埃を掻き落とす。このとき、第2制御信号の出力に先立って制御部125から第1制御信号は出力される。帯電電極123の通電は切られる。放電は停止する。その結果、メッシュシート59の帯電は抑制される。こうしてメッシュシート59から塵埃の剥離は促進される。メッシュシート59は効率的に清掃ブラシ66で清掃される。
制御部125は第1清掃モードおよび第2清掃モードの間で清掃ブラシ66の動作モードを切り替える。第1清掃モードでは清掃ブラシ66はエアフィルタ35の第1領域FRおよび第2領域SRを清掃する。このとき、制御部125は、基準位置と上限位置との間でエアフィルタ35を往復動させ、併せて、基準位置と下限位置との間でエアフィルタ35を往復動させる。こうしてエアフィルタ35全体は清掃される。ここでは、特に、第1領域FRの往復回数に比べて第2領域SRの清掃回数は少なく設定される。こうして第1領域FRは第2領域SRに比べて念入りに清掃される。第1領域FRの集塵効果は高いことから、第1領域FRが第2領域SRに比べてより多く清掃されることでエアフィルタ35は効果的に清掃されることができる。第2清掃モードでは清掃ブラシ66は第2領域SR以外で第1領域FRを清掃する。第2清掃モードでは第2領域SRの清掃は回避される。このとき、制御部125は基準位置と上限位置との間でエアフィルタ35を往復動させる。エアフィルタ35は下限位置に向かって移動しない。こうしてエアフィルタ35の第1領域FRのみ清掃される。制御部125は第1清掃モードと第2清掃モードとを混在させる。
(4)電気集塵の原理
図11に示されるように、送風ファン24で生成される気流中に、帯電電極123、エアフィルタ35および反発フィルタ74が配置される。気流の流通方向に沿って、帯電電極123の下流にエアフィルタ35が配置され、エアフィルタ35の下流に反発フィルタ74が配置される。帯電電極123は気流に放電する。ここでは、放電により気流中に正のイオン86が生成される。正のイオン86は気流中の塵埃などの微粒子87に付着する。こうして微粒子87は正極に帯電する(以下、帯電した微粒子を「帯電微粒子88」という)。
反発フィルタ74の被膜78に高電圧が供給されると、反発フィルタ74のメッシュシート76の表面は正に帯電する。正に帯電したメッシュシート76は、気流の流通方向に交差する姿勢の電気的な障壁89を形成する。ここでは、電気的な障壁89は気流の流通方向に直交する。電気的な障壁89はメッシュシート76の表面に沿って連続する。ここで、電気的な障壁89は帯電電極123と同極性すなわち正極としている。
気流はメッシュシート59のメッシュで区画される通気路を通過する。気流に乗った帯電微粒子88は、メッシュシート59のメッシュよりも小さいことからエアフィルタ35のメッシュシート59を通過する。帯電微粒子88は電気的な障壁89に衝突する。帯電微粒子88と電気的な障壁89とは同極性を有することから、帯電微粒子88は電気的な障壁89で跳ね返される。これによって帯電微粒子88の進行方向は逆向きに反転され、帯電微粒子88は容易くエアフィルタ35の被膜63に付着する。こうして微粒子87はエアフィルタ35に捕獲される。
エアフィルタ35の被膜63はグラウンドGNDに接続される。帯電微粒子88がエアフィルタ35の被膜63に付着すると、帯電微粒子88とエアフィルタ35の被膜63との間で電荷がやりとりされる。帯電微粒子88の帯電した状態は解消される。こうしてエアフィルタ35が帯電電極123と同極性の電位となることを防止できる。帯電微粒子88の付着量が増加しても、確実に新たな帯電微粒子88はエアフィルタ35に付着していくことができる。なお、ここでは、集塵電極としてのエアフィルタ35の極性をグラウンドとしたが、帯電微粒子88を付着させられる極性を持っていればよく、帯電微粒子88と逆の極性すなわち負の極性となるようにしてもよい。
エアフィルタ35ではメッシュシート59は前面(第1面)で気流を受け後面(当該第1面の反対側の第2面)で被膜63を支持する。同様に、反発フィルタ74ではメッシュシート76はエアフィルタ35の被膜63に向き合わせられる面で被膜78を支持する。こうしてエアフィルタ35上の被膜63に反発フィルタ74上の被膜78は向き合わせられる。エアフィルタ35の被膜63および反発フィルタ74の被膜78は2つのメッシュシート59、76の間に配置される。これにより、高電圧が供給される被膜78に対して、ユーザーが外側から直接接触することを防止できる。また、金属材料により被覆された面(被膜63)は樹脂材料からなる絶縁体の表面より凹凸が少ない。そのため、帯電微粒子88が付着する面を反発フィルタ74側とすることで、エアフィルタ35の清掃が容易となる。
なお、図11ではイオナイザ55から正のイオンを放出する例を示したが、他の実施形態として、負のイオンを放出するようにしてもよい。その場合は、反発フィルタ74の極性が負となるようにし、集塵電極(エアフィルタ35)の極性を正またはグラウンドとすればよい。
(5)第2実施形態に係る室内機の構成
図12は第2実施形態に係る室内機12aの構成を概略的に示す。室内機12aは前述のタイマ128に代えて電位検出手段としての電流検出器129を備える。電位検出手段では、被膜63からグラウンドに流れる電流が計測される。被膜63の電位がグラウンド電位と同じであれば、電流は検出されない。制御部125は、被膜63の電位とグラウンド電位との差分に基づき、被膜63が電位を有しているかを検出する。その他の構成は前述の第1実施形態と同様である。
制御部125は帯電電極123の通電停止を指示する第1制御信号を出力すると、電流検出器129の検出結果を監視する。被膜63で帯電が解消されると、電流検出器129は電流を検出しない。ゼロの電流値が制御部125に通知される。制御部125は除電の検出に応じて電動モータ126の回転動作を指示する第2制御信号を出力する。こうしてメッシュシート59の清掃に先立って確実に除電は確保されることができる。
ここでは、帯電電極123は正電圧を受けて正電荷のイオンを放出し負電圧を受けて負電荷のイオンを放出してもよい。帯電電極123は正電荷のイオンの放出と負電荷のイオンの放出とで切り替えられることができる。この場合、帯電電極123は正電荷用の電極および負電荷用の電極を有すればよい。制御部125は、第1制御信号の出力に先立って正電荷用の電極または負電荷用の電極のどちらに切り替えるかを指示する制御信号(第3制御信号)を出力する。第3制御信号に応じて帯電電極123の極性は逆極性に切り替えられる。その結果、メッシュシート59の帯電と逆極性の放電が実施される。メッシュシート59の帯電は中和される。除電は促進される。
(6)空気清浄機の構成
図13は本発明の一実施形態に係る空気清浄機91の構成を概略的に示す。空気清浄機91は本体92とフロントカバー93とを備える。本体92の前面にフロントカバー93が結合される。本体92には収容空間94が区画される。収容空間94はフロントカバー93で塞がれる。フロントカバー93には収容空間94に繋がる前通気口95は形成される。
収容空間94には、フロントカバー93に向き合わせられる壁面に後通気口96が形成される。後通気口96内には送風ファン97が配置される。送風ファン97が作動すると、前通気口95から空気が収容空間94に取り込まれる。空気は収容空間94から後通気口96に流れ込む。空気は後通気口96から外部に排出される。こうして収容空間94内では前通気口95から後通気口96に向かって気流が生成される。
収容空間94には電気集塵ユニット(電気集塵装置)98が収容される。電気集塵ユニット98は1対の帯電電極99を備える。帯電電極99は収容空間94の左右の壁面に沿って縦長に形成される。帯電電極99の間の空間を気流は流通する。帯電電極99の働きで気流中の塵埃などの微粒子は特定の極性に帯電する。
電気集塵ユニット98は第1エアフィルタ101、第1反発フィルタ102、第2エアフィルタ103および第2反発フィルタ104を備える。第1エアフィルタ101および第2エアフィルタ103は前述のエアフィルタ35と同様に構成されればよい。すなわち、フレームは気流の通路を横切る横断面に沿って気流の通路を囲む。フレームにメッシュシートは支持される。メッシュシートは通路の横断面に沿って通路を遮る。メッシュシートの後面に導電材の被膜が形成される。被膜はグラウンドに接続される。メッシュシートのメッシュは気流の流通方向に貫通する通気路を区画する。同様に、第1反発フィルタ102および第2反発フィルタ104は前述の反発フィルタ74と同様に構成されればよい。すなわち、メッシュシートの前面に導電材の被膜が形成される。被膜には高電圧の電源が接続される。メッシュシートのメッシュは気流の流通方向に貫通する通気路を区画する。収容空間94内では気流は順番に帯電電極99、第1エアフィルタ101、第1反発フィルタ102、第2エアフィルタ103および第2反発フィルタ104を通過する。第1反発フィルタ102の被膜は第1エアフィルタ101の被膜に等間隔で向き合わせられる。同様に、第2反発フィルタ104の被膜は第2エアフィルタ103の被膜に等間隔で向き合わせられる。ここでは、第1反発フィルタ102は第2エアフィルタ103および第2反発フィルタ104に対して帯電電極として機能することができる。その他、第1反発フィルタ102と第2エアフィルタ103との間にさらに帯電電極が配置されてもよい。前述の原理に従って、電気集塵ユニット98では第1エアフィルタ101および第2エアフィルタ103に塵埃などの微粒子は捕獲される。空気清浄機91では第1エアフィルタ101に対して前述と同様にフィルタ清掃ユニット43が組み合わせられてもよい。
図14に示されるように、空気清浄機91aでは第2エアフィルタ103および第2反発フィルタ104に代えてHEPAフィルタ105が利用されてもよい。HEPAフィルタ105は帯電せずに第1エアフィルタ101を通過する微粒子を捕獲することができる。電気集塵ユニット98はHEPAフィルタ105のプレフィルタとして機能することができる。その場合には、プレフィルタで微粒子が捕獲されることから、HEPAフィルタ105単独で微粒子が捕獲される場合に比べて、HEPAフィルタ105の交換頻度は緩和されることができる。前述と同様に、空気清浄機91aでは第1エアフィルタ101に対して前述と同様にフィルタ清掃ユニットが組み合わせられてもよい。
(7)換気装置の構成
図15は本発明の一実施形態に係る換気装置107の構成を概略的に示す。換気装置107は筐体108を備える。筐体108には電気集塵ユニット(電気集塵装置)109および送風ファン111が収納される。電気集塵ユニット109は帯電電極112、第1エアフィルタ113、第1反発フィルタ114、第2エアフィルタ115および第2反発フィルタ116を含む。帯電電極112、第1エアフィルタ113、第1反発フィルタ114、第2エアフィルタ115および第2反発フィルタ116は前述と同様に機能する。送風ファン111が動作すると、気流は順番に帯電電極112、第1エアフィルタ113、第1反発フィルタ114、第2エアフィルタ115および第2反発フィルタ116を通過する。気流中の微粒子は第1エアフィルタ113および第2エアフィルタ115で捕獲される。こうした換気装置107は室内と室外とを相互に結ぶエアダクト内に設置されればよい。外気の導入にあたって空気中の塵埃などの微粒子は効率的に捕獲される。前述と同様に、換気装置107では第1エアフィルタ113に対して前述と同様にフィルタ清掃ユニットが組み合わせられてもよく、第2エアフィルタ115および第2反発フィルタ116に代えてHEPAフィルタが利用されてもよい。
(8)クリーンルームの構成
図16は本発明の一実施形態に係るクリーンルーム118の構成を概略的に示す。室内119は密閉された空間で構成される。室内119にはエアダクト121が接続される。エアダクト121は室内119の第1位置で開口するとともに第1位置と離れた第2位置で開口する。エアダクト121内には前述の換気装置107が組み込まれればよい。空気はエアダクト121を通じて循環する。循環のたびに換気装置107で空気は浄化される。こうしてクリーンルーム118内の空間は清浄に保たれる。
11 空気調和機、26 筐体(本体)、35 フィルタ(エアフィルタ)、44 電気集塵装置(電気集塵ユニット)、59 メッシュシート、63 導電材(被膜)、64 駆動部材および導電体(ピニオン)、66 清掃ブラシ、74 反発電極(反発フィルタ)、76 メッシュシート、81 通路、82 横断面、89 電気的な障壁 91 空気清浄機、91a 空気清浄機、123 帯電電極、125 制御部、128 タイマ、129 電流検出器。

Claims (6)

  1. 気流の通路を形成する筐体と、
    前記通路内に配置されて前記気流に放電して前記気流中の物質を帯電させる帯電電極と、
    前記気流の流通方向に沿って前記帯電電極の下流で、前記通路を横切る横断面に沿って配置され、少なくとも部分的に表面に導電材を有するメッシュシートで形成されるフィルタと、
    前記筐体上に配置されて、前記導電材に接続されるグラウンド電位の導電体と、
    前記メッシュシートに接触する清掃ブラシと、
    前記メッシュシートに対して前記清掃ブラシの相対移動を引き起こす駆動部材と、
    前記帯電電極の通電停止を指示する第1制御信号の出力後に前記駆動部材の駆動を指示する第2制御信号を出力する制御部と
    を備えることを特徴とする電気集塵装置。
  2. 請求項1に記載の電気集塵装置において、予め設定された除電時間を計時するタイマをさらに備えることを特徴とする電気集塵装置。
  3. 請求項1に記載の電気集塵装置において、前記制御部は、前記第1制御信号の出力に先立って前記帯電電極の極性の切り替えを指示する第3制御信号を出力することを特徴とする電気集塵装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気集塵装置において、前記フィルタの電位を検出する電位検出手段をさらに備えることを特徴とする電気集塵装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気集塵装置において、前記気流の流通方向に沿って前記フィルタの下流に配置され、メッシュシートで形成されて、少なくとも前記フィルタの前記導電材に向き合わせられる面に沿って前記帯電電極と同極性の電気的な障壁を形成する導電材を有する反発電極をさらに備えることを特徴とする電気集塵装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気集塵装置を備えることを特徴とする空気調和機。
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