JP2015188183A - 圧電振動子の製造方法 - Google Patents

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隆俊 木内
Takatoshi Kiuchi
隆俊 木内
俊介 相良
Shunsuke Sagara
俊介 相良
栄治 重田
Eiji Shigeta
栄治 重田
康暁 藤並
Yasuaki Fujinami
康暁 藤並
元 松井
Hajime Matsui
元 松井
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Abstract

【課題】 圧電振動子のシーム封止工程にて、ダイレクトシーム方式で生じる応力により、セラミック製のケースにクラックが発生する。【解決手段】 金属製の蓋とセラミック製のケースとの長辺をダイレクトシーム方式で接合する工程において、セラミック製のケースの圧電振動片の一端を固定させる段差を有する側を始点とし、段差を有さない側を終点とすることで、ダイレクトシーム方式で生じる応力によるセラミック製のケースへのクラック発生を防止する。【選択図】 図4

Description

本発明は、セラミックパッケージ内に圧電振動片を封止した圧電振動子の製造方法に関するものである。
従来より、圧電振動片は、セラミックパッケージなどの密封容器に収容され、セラミック製のケースと金属製の蓋とを接合する封止工程には、さまざまな工夫が行なわれている。
セラミックパッケージと金属製の蓋との接合方法として、特許文献1や特許文献2に示されるようなシーム溶接や、陽極接合など、さまざまな接合方法が用いられている。
従来、シーム溶接では、シームリングを介して、セラミック製のケースと金属製の蓋とを接合していたが、パッケージの低背化や、低コスト化が求められる中で、シームリングを用いないで、蓋の接合面に接合層として機能するクラッド材を配置し、ケースの接合部に設けられた金属層と接合させるダイレクトシーム方式が用いられるようになった。
セラミックパッケージとは、圧電振動片を収容する収容凹部を備え、収納凹部の端部内側に圧電振動片の一端を接着剤を介して固定させる段差を有し、収容凹部の開口端部に金属製の蓋との接合用金属膜(Niメッキ下地の上に、Auメッキが施されている)を備える矩形のケースである。
金属性の蓋とは、コバール材を母材とし、接合層として機能するクラッド材(Ag−Cu等)が配置されているものを指す。
金属製の蓋とセラミック製のケースとを接合する前には、セラミック製のケースの収納凹部内の段差に導電性の接着剤を塗布し、圧電振動片を圧電振動片の所定の部分と導電性接着剤とが接触するように、搭載する。
上述の圧電振動片をセラミック製のケースの収納凹部内に搭載後、収納凹部の開口部に金属製の蓋を配置し、セラミック製のケースと金属製の蓋とを仮止めする。その後、長辺または短辺の一方を先にシーム溶接をし、残りの一方についても同様にシーム溶接をする。残りの一方をシーム溶接する際には、気密性を確保するために、真空雰囲気下で実施される。
特開2006−114710号公報 特開2007−88966号公報
シームリングを用いないダイレクトシーム方式において、金属製の蓋のクラッド材を融解し、金属製の蓋とセラミック製のケースとを接合する時、セラミック製のケースはほとんど変形しないのに対し、金属製の蓋は大きく熱膨張し、その後冷却により大きく収縮する。その収縮により、セラミック製パッケージに応力が生じる。
特に、セラミック製のケースの段差を有さない側を始点とし、段差を有する側を終点として接合すると、図1に示すように、セラミック製のケース1の段差5を有する短辺側に応力が集中し、クラック9が発生した。
クラックが発生すると、密封容器の気密性が損なわれ、圧電振動子10を正常に動作させることが出来なくなる。
本発明は、ダイレクトシーム方式での、金属性の蓋とセラミック製のケースとの接合における、クラックの発生を防止した圧電振動子の製造方法を提供することを目的としている。
接合材料として機能する接合層を備える金属製の蓋と、圧電振動片を収容する収容凹部を備え、収納凹部の端部内側に圧電振動片の一端を接着剤を介して固定させる段差を有し、収容凹部の開口端部に金属製の蓋との接合用金属膜を備える矩形のケースとからなるパッケージに、圧電振動片を気密に封止する圧電振動子の製造方法において、ケースの段差は、一方の短辺側に設けられ、金属製の蓋とケースとの長辺を、段差を有する側を始点とし、段差を有さない側を終点としてダイレクトシーム方式で接合する圧電振動子の製造方法。
段差は、収容凹部の短辺側の2つの隅部に設けられている圧電振動子の製造方法。
金属製の蓋とケースとの長辺を接合した後、短辺を接合する圧電振動子の製造方法。
セラミック製のケースに圧電振動片を収納後、真空雰囲気下で、金属製の蓋とセラミック製のケースとを接合するが、その中の長辺接合時、圧電振動片を固定させる段差を有する側を始点とし、段差を有さない側を終点として接合すると、セラミック製のケースへの応力が分散され、クラックの発生を防止できる。
本発明により、金属製の蓋とセラミック製のケースを接合する際に、クラックを防止することが可能になった。
セラミック製のケースのクラックを説明する図 セラミック製のケースを説明する図 セラミック製のケースに圧電振動片を搭載した図 セラミック製のケースと金属製の蓋との接合方向を説明する図
以下に、本発明を実施するための形態について詳細を説明する。
セラミック製のケースは、図2に示すように、圧電振動片を収容する収容凹部を備える矩形のケースであり、収容凹部の一方の短辺側には、圧電振動片を搭載するための段差5が形成されている。段差5には、セラミック製のケース1の外部底面に形成される実装用電極と電気的に接続された電極が形成されている。段差5は、収容凹部の一方の短辺側の2つの隅部にそれぞれ形成しても、2つの隅部に亘って形成しても良い。
圧電振動片2は、基部から平行に延出する2つの振動腕を備える音叉型の圧電振動片であり、基部には、振動腕に形成された励振電極と接続されたマウント電極が形成されている。
図3に示すように、セラミック製のケース1の収納凹部の短辺側の2つの隅部に設けられた段差5に形成された電極に導電性接着剤4を塗布し、その上に圧電振動片2を搭載する。
導電性接着剤4は、セラミック製のケース1の収納凹部の一方の短辺側に設けられた段差5に搭載された圧電振動片2を保持すると同時に、電気的な接続のために用いられる。
セラミック製のケース1には、金属製の蓋3を接合する箇所に、メタライズ層(Niメッキ下地の上に、Auメッキが施されている)が形成されている。
次に、圧電振動片2が搭載されたセラミック製のケース1に金属製の蓋3を所定の位置に配置し、スポット溶接にて、仮固定する。(図示省略)
金属製の蓋3は、コバール材を母材とし、接合層として機能するクラッド材が配置されている。
次に、長辺側について、セラミック製のケース1と金属製の蓋3とをダイレクトシーム方式で接合する。接合する際に、図4に示すように、段差5を有する側を始点とし、段差5を有さない側を終点として、一対の電極ローラー6を動かし、接合する。
このようにセラミック製のケース1と金属製の蓋3の長辺を接合することで、セラミック製のケース1へのクラックの発生を防止することができる。
短辺側については、長辺のどちらを始点として接合しても良い。セラミック製のケース1と金属製の蓋3とを接合する際、真空雰囲気下で接合することで密封容器内を真空状態にできる。
本実施形態では、音叉型の圧電振動片を例に説明したが、音叉型に限定するものではなく、矩形の圧電振動片などでも同様に適用可能であり、さらに、センサやIC等の電子素子をパッケージ内に搭載する形態においても同様に適用可能である。
1 セラミック製のケース
2 圧電振動片
3 金属製の蓋
4 導電性接着剤
5 段差
6 電極ローラー
9 クラック
10 圧電振動子

Claims (3)

  1. 接合材料として機能する接合層を備える金属製の蓋と、圧電振動片を収容する収容凹部を備え、収納凹部の端部内側に圧電振動片の一端を接着剤を介して固定させる段差を有し、該収容凹部の開口端部に前記金属製の蓋との接合用金属膜を備える矩形のケースとからなるパッケージに、圧電振動片を気密に封止する圧電振動子の製造方法において、
    前記ケースの段差は、一方の短辺側に設けられ、
    前記金属製の蓋と前記ケースとの長辺を、前記段差を有する側を始点とし、前記段差を有さない側を終点としてダイレクトシーム方式で接合することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  2. 前記段差は、前記収容凹部の短辺側の2つの隅部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の圧電振動子の製造方法。
  3. 前記金属製の蓋と前記ケースとの長辺を接合した後、短辺を接合することを特徴とする請求項1または2に記載の圧電振動子の製造方法。
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JP2006114710A (ja) * 2004-10-15 2006-04-27 Nippon Avionics Co Ltd パッケージの封止方法
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