JP6482282B2 - 電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、電子デバイスを封止する電子部品に関するものである。
従来から携帯電話や携帯情報端末機器には、表面実装型の電子部品が多く用いられている。このうち、水晶振動子、MEMS(Micro−Electro−Mechanical−Systems)、ジャイロセンサーや加速度センサー等の電子部品は、ベース基板及びリッド基板で構成されるパッケージの内部にキャビティを形成しこのキャビティに電子デバイスを封入して、密閉することによって形成される(特許文献1参照)。
このパッケージは、ベース基板に形成された貫通孔の開口部の周囲に、引き出し電極を有する。引き出し電極は、貫通孔の内部に形成される外部電極と電気的に接続される。これにより、ベース基板及びリッド基板のうち、キャビティ外部に形成された貫通孔の開口部の周囲が密閉する。そのため、キャビティの気密が保たれた状態になっている。
特許第5134357号公報
しかし、従来のパッケージの構造では課題がある。パッケージの引き出し電極は、ベース基板の上面に導電性材料をパターニングして形成される。一方、外部電極は、ベース基板の下面側から貫通孔の内部を導電性材料により塞ぐことで形成される。この場合、貫通孔の開口端で引き出し電極と外部電極とを接続する必要がある。しかし、このような構造では、貫通孔の開口端で引き出し電極と外部電極とを接続させ難いため、両電極の間の導通が取りにくく、断線してしまうという問題がある。また、引き出し電極用の導電性材料を、エッチング等のプロセスによりパターニングする場合、貫通孔の開口部の周囲の導電性材料が除去されてしまう可能性がある。また、外部電極は、ベースの下面側から導電性材料を貫通孔の内部に形成するため、ベース基板の上面の貫通孔の開口部の周囲まで形成し難い。この状態で、貫通孔の内部に外部電極を形成しても、引き出し電極が貫通孔の開口端まで形成されていないため、両電極の間の導通を取ることは難しい。これでは、電子デバイスが機能しない。
本発明に係る電子部品は、第一の基板と、前記第一の基板と接合され、前記第一の基板との間にキャビティを形成する第二の基板と、前記キャビティの内部に封止される電子デバイスと、を有する電子部品において、前記キャビティの周方向外部であって前記第一の基板及び前記第二の基板の接合面の間に配置され、前記第一の基板と前記第二の基板とを接合する接合膜と、前記キャビティの周方向外部に位置し、前記第一の基板または前記第二の基板のうち一方の基板の前記接合面から当該接合面と対向する面までを貫通する貫通孔と、前記貫通孔の内側面から前記一方の基板の前記接合面と対向する面まで形成された金属膜で構成される外部電極と、前記キャビティの内部に形成され、前記電子デバイスと電気的に接続されるマウント電極と、前記マウント電極と電気的に接続される引き出し電極とを備え、前記引き出し電極は、前記貫通孔の前記接合面側の開口部周縁を囲うとともに、前記第一の基板と前記第二の基板とを接合し、前記マウント電極と電気的に接続されるマウント電極接続部と、前記貫通孔の前記開口部を覆い、前記外部電極及び前記マウント電極接続部と接続される外部電極接続部と、を有することを特徴とする。
本発明により、マウント電極接続部が第一の基板と第二の基板とを接合し、外部電極接続部が貫通孔の開口部を覆う構造になっている。そのため、キャビティの気密を保ちつつ、マウント電極と外部電極とを確実に導通することができる。これにより、キャビティ内部の気密を保ちつつ、電子デバイスから外部電極まで確実に導通することができるため、電子デバイスの特性を良好に保つ電子部品を提供することができる。
また、前記外部電極は、さらに前記貫通孔の内部を埋める封止部を有してもよい。
また、前記封止部は、前記接合面と対向する面に形成された金属膜の上層にも積層され、前記金属膜の上層に積層された封止部を覆うコーティング膜を有してもよい。
また、前記マウント電極接続部は、前記第一の基板と前記第二の基板とを陽極接合する金属で形成してもよい。
また、前記外部電極接続部は、前記マウント電極接続部よりも耐腐食性の高い金属で形成してもよい。
また、前記マウント電極接続部は、前記第一の基板と前記第二の基板とを共晶接合又は金属拡散接合可能な金属で形成されてもよい。
本発明により、キャビティ内部の気密を保ちつつ、電子デバイスから外部電極まで確実に導通することができるため、電子デバイスの特性を良好に保つ電子部品を提供することができる。
本発明の一実施形態による電子部品の一例を示す外観斜視図である。 図1に示す電子部品の内部構成図であって、第二の基板側から見た図である。 図1に示すA−A線の断面矢視図である。 図1に示す電子部品の分解斜視図である。 図1に示す電子部品の製造工程を説明するためのフローチャートである。 図1に示す電子部品の製造方法を示す断面図である。 図1に示す電子部品の製造方法を示す断面図である。 本発明の一実施形態による電子部品の別の一例(変形例1)の内部構成図であって、第二の基板側から見た図である。 図8に示すBB線の断面矢視図である。 本発明の一実施形態による電子部品の別の一例(変形例2)の断面矢視図である。 本発明の一実施形態による電子部品の別の一例(変形例3)の断面矢視図である。 本発明の一実施形態による電子部品の別の一例(変形例3)の断面矢視図である。 本発明の一実施形態による電子部品の別の一例(変形例4)の分解斜視図である。 図13に示す電子部品の断面矢視図である。 図13に示す電子部品の製造工程を説明するためのフローチャートである。 図16に示す電子部品の製造工程を説明するための断面図である。 図13に示す電子部品の製造工程を説明するための断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る一実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。
「電子部品の構成」
図1は、本発明の一実施形態による電子部品の一例を示す外観斜視図である。図2は、図1に示す電子部品の内部構成図であって、第二の基板側から見た図である。図3は、図1に示すA−A線の断面矢視図である。図4は、図1に示す電子部品の分解斜視図である。
本実施形態の電子部品1は、図1から図4に示すように、第一の基板2と第二の基板3とで2層構造に形成されており、キャビティCの内部に電子デバイス4が収納された表面実装型パッケージである。
すなわち、電子部品1は、第一の基板2と、第一の基板2と接合し、第一の基板2との間にキャビティCを形成する第二の基板3と、キャビティCの内部に封止される電子デバイス4と、を有する。また、電子部品1は、キャビティCの外部の第一の基板2及び第二の基板3の接合面の間に配置され、第一の基板2と第二の基板3とを接合する接合膜10を有する。また、電子部品1は、キャビティCの外部の接合膜10よりキャビティC側に位置し、第一の基板2または第二の基板3のうち一方の基板の接合面から接合面の反対の面まで貫通する貫通孔11(12、13、14)を有する。また、電子部品1は、貫通孔11(12、13、14)の内側面から一方の基板の接合面の反対の面まで形成された金属膜で構成される外部電極15(16、17、18)を有する。また、電子部品1は、キャビティCの内部に形成され、電子デバイス4と電気的に接続するマウント電極5(6、7、8)を有する。また、電子部品1は、マウント電極5(6、7、8)と電気的に接続する引き出し電極27(28、29、30)とを有する。また、引き出し電極27(28、29、30)は、キャビティCの外部の接合膜10よりキャビティC側の部分に形成され、貫通孔11(12、13、14)の接合面側の開口部を囲うとともに、第一の基板2と第二の基板3とを接合し、マウント電極5(6、7、8)と電気的に接続するマウント電極接続部19(20、21、22)と、貫通孔の開口部を覆い、外部電極15(16、17、18)及びマウント電極接続部19(20、21、22)と接続する外部電極接続部23(24、25、26)と、を有する。
第一の基板2は、ガラス材料、たとえばホウケイ酸ガラスやソーダガラス、セラミックのような絶縁性の基板、あるいは局所的に絶縁分離処理を施したシリコン基板から成る。また第一の基板2は、第二の基板3に対して重ね合わせ可能な大きさで板状に形成されている。
第二の基板3は、板状に形成されるとともに、ガラス材料、たとえばホウケイ酸ガラスやソーダガラス、セラミックのような絶縁性の基板、あるいは局所的に絶縁分離処理を施したシリコン基板から成る。そして、第二の基板3の第一の基板2が接合される接合面側には、電子デバイス4が収まる上面視矩形状の凹部9が形成されている。この凹部9は、両基板2、3が重ね合わされたときに、電子デバイス4を収容するキャビティCとなる。
なお、本実施形態では、第二の基板3側にこの凹部9が形成されている場合を例に挙げて説明するが、第一の基板2側に形成されていても構わないし、両方の基板2、3にそれぞれ形成されていても構わない。
電子デバイス4は、例えば圧電振動片、受光素子、発光素子、加速度センサー、MEMSおよびその他の素子の少なくとも1つまたは複数で構成される。
また、接合膜10は、第二の基板3のキャビティCと同じ面のキャビティCの外部に成膜され、パターニングされている。また、接合膜10は、キャビティCの周囲を囲むように第二の基板3の接合面の周縁に沿って環状に形成されている。上述した接合膜10は、例えばアルミニウム(Al)や金スズ合金(AuSn)、金タンタル(AuTa)等により形成される。これにより、接合膜10は、陽極接合や金スズ接合、金属拡散接合等のプロセスにより第一の基板2および第二の基板3を接合することができる。なお、本実施形態では、後述の「電子部品の製造方法」において、アルミニウム(Al)を用いた陽極接合で電子部品を製造する場合を例に上げて説明する。
貫通孔は、本実施形態において、貫通孔11、12、13、14の4つで構成される。また、各貫通孔は、キャビティCの外部に位置するとともに、接合膜10よりキャビティC側に位置する。また、各貫通孔は、第一の基板2の接合面から反対の面まで貫通する。また、各貫通孔は、接合膜10により囲まれた部分に形成されている。外部電極15、16、17、18は、それぞれ貫通孔11、12、13、14の内側面から第一の基板2の接合面と反対の面まで形成されている。また、本実施形態において、各外部電極は、第1の基板2の接合面と反対の面の各貫通孔の周囲まで形成されている。また、外部電極は、導電性を持ち、かつはんだ等により電子回路基板に接続されたときに十分な強度を得られるようにするため、スパッタ、めっきや導電樹脂材の積層構造により形成されることが好ましい。
マウント電極5、6、7、8は、キャビティCの内部に形成され、電子デバイス4と電気的に接続する。また、各マウント電極は、第一の基板2の接合面に成膜され、パターニングされている。また、各マウント電極は、電子デバイス4を導電接着剤、金バンプ、ワイヤー等を介して実装する。なお、各マウント電極は、両基板のうち、電子デバイス4を実装する基板に形成されていればよく、必ずしも第一の基板2に形成されなくてもよい。
引き出し電極27、28、29、30は、それぞれマウント電極5、6、7、8と電気的に接続する。また、引き出し電極27、28、29、30は、第一の基板2及び第二の基板3の接合面の接合する部分に形成される。本実施形態においては、各引き出し電極は、第二の基板3に成膜され、パターニングされている。また、引き出し電極27、28、29、30は、それぞれマウント電極接続部19、20、21、22と外部電極接続部23、24、25、26とで構成されている。
マウント電極接続部19、20、21、22は、それぞれ貫通孔11、12、13、14の接合面側の開口部を囲う。また、各マウント電極接続部は、第一の基板2と第二の基板3とを接合する。また、マウント電極接続部19、20、21、22は、それぞれマウント電極5、6、7、8と電気的に接続する。
また、外部電極接続部23、24、25、26は、それぞれ貫通孔11、12、13、14の接合面側の開口部を覆う。また、外部電極接続部23、24、25、26は、それぞれ外部電極15、16、17、18と接続する。また、外部電極接続部23、24、25、26は、それぞれマウント電極接続部19、20、21、22と接続する。
また、本実施形態では、各外部電極が、各貫通孔の内側面から各外部電極接続部の第二の基板3側の面と反対の面まで覆っている。これにより、さらに各外部電極と各マウント電極とが確実に導通する。なお、本実施形態に限らず、各外部電極は、各貫通孔の内側面に形成され、各外部電極接続部と接続していればよい。
なお、本実施形態では、マウント電極接続部と外部電極接続部は同一の材料で形成しているが、外部電極接続部23、24、25、26が貫通孔11、12、13、14の開口部を覆ってあれば別の材料で形成しても構わない。
また、本実施形態では、引き出し電極は、貫通孔を形成する基板ではなく反対の基板に全体が成膜されている。これにより、マウント電極接続部と外部電極接続部とが別々の基板に形成する必要がなくなる。ただし、引き出し電極は、必ずしも貫通孔を形成する基板と異なる基板に全体が成膜される必要はなく、少なくとも貫通孔に対向する外部電極接続部が、貫通孔を形成する基板と異なる基板に形成されていればよい。
また、本実施形態では、マウント電極が4端子により成る場合を例に挙げて説明するが、電子デバイス4に必要とする電極の端子数に応じて増加・減少しても構わない。この場合、マウント電極の端子数に応じて、各電極の個数も増加・減少する。
また、本実施形態では、すべての外部電極が貫通孔の内側面に形成されているが、これに限られない。例えば、1つの外部電極は、マウント電極から両基板の接合面の端まで引き回される引き回し電極と接続する構成でもよい。この場合、引き回し電極の一部が接合膜を構成してもよい。
第一の基板2及び第二の基板3は、接合膜10及び各マウント電極接続部によって接合されている。つまり、接合膜10は第二の基板3の周縁に沿って第一の基板2及び第二の基板3を囲んでおり、これらの内部は接合により強固に密着している。また、第一の基板2に形成された各貫通孔の開口部の周囲は各マウント電極接続部により第二の基板3と接合されており、強固に密着している。強固に密着した接合部分の内部は気密が保たれているため、キャビティCを含むパッケージの内部の気密は保たれた状態となっている。
さらに、貫通電極接続部は貫通孔の開口部を覆っているため、外部電極が貫通電極接続部と確実に導通することができる。
「電子部品の製造方法」
次に、上述した実施形態における電子部品の製造方法について図5、図6、図7を参照しながら説明する。図5は、図1に示す電子部品の製造方法を示すフローチャートである。図6、図7は、図1に示す電子部品の製造方法の各工程を示す断面図である。なお、図6、7に示す断面図は、図1のAA線の断面と同じ断面を示す図である。本実施形態では、ウエハにおいて複数の電子部品を一括して形成する。
まず、第一の基板2の形成工程について説明する(S100)。本実施形態では第一の基板2は、ガラス材料で形成する。
まず、第一の基板2を所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去する研磨、洗浄、エッチング工程を行う(S1)。図6(S1)は、研磨、洗浄、エッチング工程を行った第一の基板2の一部分を示す図である。
次に、第一の基板2の所定の位置に貫通孔11、12、13、14を形成する貫通孔形成工程を行う(S2)。貫通孔形成工程において、第一の基板2をドライフィルムやフォトレジスト等により貫通孔以外の部分をマスクし、マスクしていない部分をブラスト加工やエッチング等により除去する。その後マスクを除去し、加工部を洗浄形成する。これにより、各貫通孔を形成する。図6(S2)は、第一の基板2に各貫通孔を形成した図である。
次に、第一の基板2の所定の位置にマウント電極5、6、7、8を形成するマウント電極形成工程を行う(S3)。各マウント電極は例えばスパッタ等でクロム(Cr)および金(Au)の積層構造を形成することにより形成される。図6(S3)は、第一の基板2の所定の位置にマウント電極5、6、7、8を形成した図である。
次に、形成したマウント電極5、6、7、8に電子デバイス4をマウントするマウント工程を行う(S4)。本実施形態では、金(Au)バンプで形成された電極接続部をマウント電極上に形成する。そして、電子デバイス4の電極部と金(Au)バンプを超音波接合により接着させる。これにより、各マウント電極に電子デバイス4をマウントする。図6(S4)は、各マウント電極に電子デバイス4をマウントした図である。
次に、第二の基板3の形成工程について説明する(S200)。本実施形態では第二の基板3は、ガラス材料で形成される。
まず、第二の基板3を所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去する研磨、洗浄、エッチング工程を行う(S5)。図6(S5)は、研磨、洗浄、エッチング工程を行った第二の基板3の一部分を示す図である。次に、第二の基板3に凹部9を形成する凹部形成工程を行う(S6)。凹部形成工程において、第二の基板3をドライフィルムやフォトレジスト等により凹部以外の部分をマスクし、マスクしていない部分をブラスト加工やエッチング等により除去する。その後マスクを除去し、加工部を洗浄する。これにより、凹部9を形成する。凹部9は、キャビティCを形成するためのものである。図6(S6)は、第二の基板3に凹部9を形成した図である。
次に、第二の基板3の凹部9を形成した面の所定の位置に接合膜10を形成する接合膜形成工程を行う(S7)。接合膜10は、第二の基板3の凹部9から離間した位置に形成される。本実施例では、アルミニウム(Al)膜をスパッタにより第ニの基板3の凹部9を形成した面に堆積させたあと、フォトレジストにより接合膜に対応する部分をマスクし、マスクしていない部分をエッチングにより除去する。これにより接合膜10を形成する。図6(S7)は、第二の基板3に接合膜10を形成した図である。
次に、引き出し電極27、28、29、30を形成する引き出し電極形成工程を行う(S8)。引き出し電極形成工程において、本実施例では第二の基板3の接合膜10を形成した面に、アルミニウム(Al)膜をスパッタにより堆積させたあと、フォトレジストにより引き出し電極に対応する部分をマスクし、マスクしていない部分をエッチングにより除去する。これにより、引き出し電極を形成する。引き出し電極は、第二の基板3の接合膜10を形成した面において、接合膜10と凹部9との間に形成される。図6(S8)は、各引き出し電極を第二の基板3に形成した図である。
また、本実施例では、接合膜10及び各引き出し電極のマウント電極接続部を用いて、陽極接合により第一の基板2および第二の基板3を接合する。そのため、引き出し電極形成工程において、接合膜10および各マウント電極接続部を電気的に接続するように加工する。例えば、引き出し電極形成工程において、引き出し電極と接合膜とを接続する接続部を引き出し電極とともに形成する。なお、接合膜形成工程及び引き出し電極形成工程を同一工程で行ってもよい。この際、接続部も同時に形成する。
また、各マウント電極接続部と各外部電極接続部とが別の材料で形成される場合、引き出し電極形成工程において、それぞれ別々に形成する。
次に、第一の基板2および第二の基板3を接合により電子デバイスを封止する接合工程を行う(S9)。図7(S9)は、接合工程を示す図である。接合工程において、本実施例では第一の基板2および第二の基板3の位置合わせを行った後に両基板を密着させる。この際、図7(S9)に示すように、第二の基板の凹部9の外部で、各マウント電極接続部の一部と各マウント電極の一部とが重なって接続する。なお、図3に示すように、各マウント電極は、各マウント電極接続部と重ねる部分を有する。この各マウント電極接続部と重ねる部分は、平面視において、電子デバイスを実装する部分より、幅が小さく形成されている。各マウント電極接続部と接続する部分と各マウント電極接続部とが重なると、マウント電極接続部側の重なっている部分と他の部分とで段差が生じる可能性がある。図4に示すような構成であれば、両方の重なる部分が小さくなり、確実に電気的に接続することができる。
また、この時、第二の基板に外部電極接続部が形成されるため、外部電極接続部が貫通孔の開口部と対向する位置にも形成することができる。
その後、真空チャンバー内で基板を加熱し、接合膜10に陽極を配置し、第一の基板2にカーボンやステンレス等の陰極31を配置する。これにより、陽極と陰極との間に電圧を印加し、陽極接合を行う。陽極接合を行うことで、第一の基板2が接合膜10と接合され、貫通孔11、12、13、14の周囲の各マウント電極接続部が接合される。そのため、キャビティC内部が密封される。真空中での加工のため、内部のキャビティは真空度が保たれる。
次に、第一の基板2に外部電極15、16、17、18を形成する外部電極形成工程を行う(S10)。第一の基板2に形成した各貫通孔の内側面および第二の基板3に形成した各外部電極接続部を覆うように各外部電極を形成する。本実施形態として、まず、クロム(Cr)およびニッケル(Ni)の積層構造の下地膜をスパッタ等により形成後、下地膜上に約2〜5μm程度のニッケル(Ni)めっき膜を形成する。最後にニッケルめっき膜上に半田の濡れ性をよくするため、金(Au)等を薄くめっきして形成する。これにより、各外部電極を形成する。図7(S10)は、第一の基板2に外部電極を形成した図である。
次に、両基板を切断する切断工程を行う(S11)。本実施形態では電子部品のサイズに合わせてダイシングを行い、個々の電子部品に個片化する。
最後に、電子部品の外観および電気特性を検査する検査工程を行う(S12)。これにより、電子部品を形成する。図7(S11)は、個片化した電子部品を示す図である。
以上、本実施形態に係る電子部品1及び当該電子部品1の製造方法によると、マウント電極接続部が第一の基板と第二の基板とを接合し、外部電極接続部が貫通孔の開口部を覆う構造になっている。そのため、キャビティの気密を保ちつつ、マウント電極と外部電極とを確実に導通することができる。これにより、キャビティ内部の気密を保ちつつ、電子デバイスから外部電極まで確実に導通することができるため、電子デバイスの特性を良好に保つ電子部品を提供することができる。
また、各マウント電極接続部は、第一の基板2と第二の基板3とを陽極接合する金属で形成している。これにより、各マウント電極接続部は第一の基板2と第二の基板3との間を陽極接合することができる。このため、第一の基板2と第二の基板3は接合膜10によりキャビティCの外部を接合して封止することができるとともに、各マウント電極接続部により各貫通孔の周囲を接合して封止することができる。したがって、キャビティC内部の気密を確実に保つ事ができるため、キャビティC内部に封止される電子デバイス4の特性を安定に保つことが出来る。
なお、引き出し電極形成工程S8において、必ずしも接続部を形成しなくてもよい。この場合、例えば、各マウント電極接続部による接合は、各引き出し電極に電極用プローブ等を接して、直接電圧を印加することで行うことができる。
また、上記「電子部品の製造方法」では説明を省略したが、引き出し電極形成工程S8において、接続部を形成した場合、接合工程S9を実施した後、外部電極形成工程S10を実施する前に、接続部を除去する接続部除去工程を行う。当該接続部除去工程は、両基板のいずれかをガラス材料で形成した場合、例えばレーザー光を外部から接続部の位置する部分に向けて照射することで実現される。すると、レーザー光はこの基板を透過して、接続部に照射される。これにより、接続部が除去され、接合膜と引き出し電極とが電気的に絶縁される。なお、接続部は、接合膜と引き出し電極とが電気的に絶縁されれば、完全に除去する必要はなく、一部だけでも除去されればよい。
また、接合工程において陽極接合を用いる場合、各外部電極接続部は、各マウント電極接続部より耐腐食性を有する金属で形成してもよい。例えば、各外部電極接続部は、シリコンの単層又はシリコン及びクロムの積層で構成される。
各外部電極接続部は各貫通孔の開口部を覆っているため、より外部の環境にさらされやすい部分である。この構成の場合、各マウント電極接続部は、耐腐食性を有する各外部電極接続部により、貫通孔の開口部を介した腐食を起こしにくくすることが出来る。そのため、リーク等による電子部品の特性劣化を防止することができる。
また、接合膜は、陽極接合による接合工程でなければ、導体でなくてもよく、両基板を接合すればよい。例えば、接合膜は樹脂等で形成してもよい。また、マウント電極接続部は、両基板と接合するとともに、導体で構成されていればよい。
(変形例1)
上記実施形態1では、第一の基板2側に貫通孔を形成する場合を例に挙げて説明したが、第二の基板3側に形成されていても構わない。図8、図9は、電子部品の別の一例(変形例1に係る電子部品)を示す図である。なお、図1乃至図4と同様の構成については説明を省略する。図8は、本発明の一実施形態による電子部品の別の一例の内部構成図であって、第二の基板側から見た図である。図9は、図8に示すBB線の断面矢視図である。
変形例1に係る電子部品では、第一の基板2側に貫通孔が形成されないため、図9に示すように、各マウント電極接続部19(20、21、22)は、第一の基板2の接合面上に形成される。さらに、外部電極接続部23(24、25、26)を含む引き出し電極27(28、29、30)全体を、第一の基板2の接合面上に形成することができる。また、接合膜10も第一の基板2の接合面上に形成することができる。この場合、図6のS3に係るマウント電極形成工程において、各マウント電極19の他に、接合膜10、引き出し電極27を同時に第一の基板2へ形成することができるので、図6のS7に係る接合膜形成工程とS8に係る引出電極形成工程とを省略することができる。
また、各貫通孔は、第二の基板3の凹部9の周方向外部に形成される。さらに、各外部電極は、第二の基板3の各貫通孔の内側面から第二の基板3の接合面と反対の面まで形成される。この際、本変形例1においては、各外部電極15(16、17、18)は、貫通孔11(12、13、14)の内壁、及び各外部電極接続部の第一の基板2側の面と反対の面をめっき膜で覆っている。ただし、各外部電極は、各外部電極接続部と接続していればよいため、各外部電極接続部の第一の基板2側の面と反対の面に形成されなくてもよい。
以上、本変形例に係る電子部品1によると、図1乃至図4に示す第1実施形態の電子部品に比べて、マウント電極、接合膜、引き出し電極とを第二の基板3の同一面に形成することができるため、これらを容易に形成することができる。
(変形例2)
上記変形例1では、各外部電極は、貫通孔の内壁のみを覆うように構成したが、本変形例2のように、さらに貫通孔の内部を埋める封止部を有してもよい。図10は、本発明の一実施形態による電子部品の別の一例の断面矢視図である。
本変形例では、図10に示すように、各外部電極は、各貫通孔の内側面から第二の基板3の接合面と反対の面(対向面)まで形成されるニッケル膜からなるめっき膜33と、めっき膜33を覆って各貫通孔の内部を封止する封止部31を有する。また、本変形例では、めっき膜33は、外部電極接続部の第一の基板2側の面と反対の面を覆っている。
めっき膜33は、貫通孔11に沿っておよそ2μm程度の厚さの無電解ニッケルめっき膜で形成される。
また、封止部31は、めっき膜33を覆うように、例えば銀ペーストを主剤とした導電性樹脂を貫通孔の内部に充填して形成される。
これにより、ガラス基板のような脆性材を基板に用いる場合は、封止部31で貫通孔の内部を埋めてしまうことにより、各基板にかかる応力を減少させることができる。また、貫通孔の内部の被覆性を高めることができるため、耐環境性を上げることができる。
また、各外部電極ははんだ付けにより回路基板等に実装される際に、半田と共晶を形成し強固に接合される。この際に、基板に強い応力がかかり貫通孔からパッケージにクラックが生じることがある。貫通孔の内部を埋める封止部を設ける事により、応力によるクラックの影響を抑制するとともに、封止部により気密を保ち、外部からの水分等の侵入を防ぐことにより外部電極接続部の腐食を抑えることが出来る。
また、封止部31は、第二の基板3の接合面と反対の面を覆うめっき膜33の表面を覆うことにより、回路基板等に実装する際にかかる応力等をさらに減少することができる。なお、封止部31はこの部分に必ずしも形成される必要はない。この場合でも、封止部31が貫通孔の内部を埋めるため、各基板にかかる応力を減少させることができる。
また、本変形例では、各外部電極は、さらに、第二の基板3の接合面と反対の面側の最表面上に封止部31を覆うようにコーティング膜32が形成される。コーティング膜32は、ニッケルめっき、金めっき等で形成する。
これにより、はんだ等により回路基板等に実装する際、半田濡れ性を向上することができる。
(変形例3)
貫通電極、電子デバイス等の配置関係は、第1実施形態に例示したものに限らず適宜の変更が可能であり、例えば、本変形例3のように配置しても良い。ここで、図11、図12は、本発明の一実施形態による電子部品の別の一例の断面矢視図である。図3と同様の構成の部分は、説明を省略する。
図11に示す通り、第一の基板2の表面に、各接合膜、各引き出し電極が形成される。また、各貫通電極は、第二の基板3に形成される。また、各マウント電極は、第二の基板3の接合面のうち、凹部9に隣接する部分に各マウント電極接続部と重なる部分が形成される。また、各マウント電極は、各マウント電極接続部と重なる部分から凹部9の側面を介して凹部9の底面まで形成される。また、電子デバイスは、凹部9の底面に形成された各マウント電極のマウント部に電子デバイスが実装される。これにより、第一の基板2は、貫通孔の形成等の加工をする必要がないため、形成が容易になる。
また、図12に示す電子部品は、図3と異なり、また、各マウント電極は、第二の基板3の接合面のうち、凹部9に隣接する部分に各マウント電極接続部と重なる部分が形成される。また、各マウント電極は、各マウント電極接続部と重なる部分から凹部9の側面を介して凹部9の底面まで形成される。また、電子デバイスは、凹部9の底面に形成された各マウント電極のマウント部に電子デバイスが実装される。なお、第一の基板2は図3に示す電子部品と同様の構成である。(変形例4) 第1実施形態においては、陽極接合による接合工程を行う場合を例示したが、必ずしもこの工法には限定されない。例えば、接合工程は、金−スズ系、金−シリコン系や金−ゲルマニウム系等の金基の半田を用いた共晶接合であってもよい。また、接合工程は、金タンタル(AuTa)等を用いた金属拡散接合であっても良い。
以下、本変形例では、接合工程として上記金属拡散接合を行う場合について図13〜図17を用いて説明する。
金属拡散接合を行う場合、接合膜10及びマウント電極接続部19〜22は、第一の基板2と第二の基板3とを接合する上で、第一の基板2及び第二の基板3の接合面のどちらか、もしくは両方に形成されていてもよい。本変形例では、図13や図14に示すように、第一の基板2及び第二の基板3の接合面の両方に接合膜10及びマウント電極接続部19〜22を形成する場合を例示する。
ここで、図13は、本変形例による電子部品の分解斜視図である。図14は図13に示す電子部品の断面矢視図である。図3と同様の構成の部分は、説明を省略する。
本変形例では、接合膜10及び引き出し電極27として金タンタル等の薄膜を用いる。接合膜10及び引き出し電極27は、第一の基板2及び第二の基板3の接合面の接合する部分と、マウント電極や外部電極との接続部分と、にタンタル、金を積層して堆積させた後、フォトレジストにより接合膜及び引き出し電極に対応する部分をマスクし、マスクしていない部分をエッチングにより除去して形成される。 次いで、本変形例に係る電子部品1の製造方法について、図15〜図17を用いて説明する。図15は図13に示す電子部品の製造工程を示すフローチャートである。図16、図17は図13に示す電子部品の製造工程を説明するための断面図である。なお、本変形例に係る電子部品1の製造工程のうち、第1実施形態にて説明した工程と同一工程については、同一符号を付して説明を省略する。
ここで、図15に示すフローチャートにおいて、図5に示すフローチャートと相違する点は、マウント電極形成工程(S3)とマウント工程(S4)の間に、接合膜/マウント電極接続部形成工程(S13)が存在する点、図5における接続膜形成工程(S7)と引き出し電極形成工程(S8)に替えて、接合膜/マウント電極接続部形成工程(S14)が存在する点、接合工程(S19)として金属拡散接合がなされる点である。
すなわち、本変形例においては、図15(S13)や図16(S13)に示すように、第一の基板2の第二の基板3との接合面において、接合膜10とマウント電極接続部19、20、21、22を同一工程で形成することが出来る。また、図15(S14)や図16(S14)に示すように、第二の基板3においては接合膜10と引き出し電極27、28、29、30を同一工程で形成することが出来る。なお、(S13)や(S14)において、これら接合膜10とマウント電極接続部、接合膜10と引き出し電極、を構成する金タンタル等の薄膜は、上述の積層された金タンタルに対するエッチングプロセスにより形成される。また、(S14)において、接合膜10及び引き出し電極27は同一工程で形成してもよいし、各々を順々に形成する工程を採用してもよい。
また、本変形例における接合工程では、図17(S19)のように、第一の基板2の第二の基板3とのの接合面同士を位置合わせした後に、真空中あるいは雰囲気中で加圧・加熱して接合を行うことで実現される。
以上、本変形例によると、接合膜や引き出し電極に金タンタル等の金属拡散接合可能な金を含む材料を用いることができるので、接合膜や引き出し電極に高い耐腐食性を持たせることができる。また、本変形例によると、エッチングプロセスによって、金属拡散接合用の接合膜と引き出し電極とを基板の接合面上に一度に形成することが出来るので、工程を簡略化出来る。
これらの実施形態や変形例において、第一の基板及び第二の基板の材料や、電子部品は、回路基板等の他の基板に実装する際の設計等に応じて選択することができる。

1 電子部品
2 第一の基板
3 第二の基板
4 電子デバイス
5、6、7、8 マウント電極
9 凹部
10 接合膜
11、12、13、14 貫通孔
15、16、17、18 外部電極
19、20、21、22 マウント電極接続部
23、24、25、26 外部電極接続部
27、28、29、30 引き出し電極
31 陰極
C キャビティ

Claims (6)

  1. 第一の基板と、前記第一の基板と接合され、前記第一の基板との間にキャビティを形成する第二の基板と、前記キャビティの内部に封止される電子デバイスと、を有する電子部品において、
    前記キャビティの周方向外部で前記第一の基板と前記第二の基板とを接合する接合膜と、
    前記キャビティの周方向外部に位置し、前記第一の基板または前記第二の基板のうち一方の基板の接合面から当該接合面と対向する面までを貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔の内側面から前記一方の基板の前記接合面と対向する面まで形成された金属膜で構成される外部電極と、
    前記キャビティの内部に形成され、前記電子デバイスと電気的に接続されるマウント電極と、
    前記マウント電極と電気的に接続される引き出し電極とを備え、
    前記引き出し電極は、前記貫通孔の前記接合面側の開口部周縁を囲うとともに、前記第一の基板と前記第二の基板とを接合し、前記マウント電極と電気的に接続されるマウント電極接続部と、前記貫通孔の前記開口部を覆い、前記外部電極及び前記マウント電極接続部と接続される外部電極接続部とを有し、
    前記キャビティの外部で前記マウント電極と前記マウント電極接続部の一部とが重なり、当該重なり部分は、平面視において、前記電子デバイスを実装する部分より、幅が小さく形成されていることを特徴とする電子部品。
  2. 前記外部電極は、さらに前記貫通孔の内部を埋める封止部を有することを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記封止部は、前記接合面と対向する面に形成された金属膜の上層にも積層され、
    前記金属膜の上層に積層された封止部を覆うコーティング膜を有することを特徴とする請求項2に記載の電子部品。
  4. 前記マウント電極接続部は、前記第一の基板と前記第二の基板とを陽極接合する金属で形成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子部品。
  5. 前記外部電極接続部は、前記マウント電極接続部よりも耐腐食性の高い金属で形成されることを特徴とする請求項4に記載の電子部品。
  6. 前記マウント電極接続部は、前記第一の基板と前記第二の基板とを共晶接合又は拡散接合可能な金属で形成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子部品。
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