JP2015186759A - 遊技機 - Google Patents

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Tetsuya Sakamoto
哲也 坂本
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Abstract

【課題】遊技機において、前面ブロックに対する背面ブロックの開放操作の円滑性を向上させ、また、前面ブロックに対して背面ブロックを施錠する施錠機構の耐久性を向上させる。
【解決手段】 遊技機の構成を、前面ブロックに対する背面ブロックの施錠状態においてそれらを開放させる方向に付勢する付勢機構と、枠体に対する遊技機本体の開放状態における施錠機構の共通操作部への所定の操作に応じた前面ブロックに対する背面ブロックの開錠に伴う付勢機構からの付勢力による前面ブロックに対する背面ブロックの自動的な開放を制限する自動開放制限機構とを備え、ブロック間施錠部の開錠に伴う前面ブロックに対する背面ブロックの自動的な開放を所定の中間開放範囲内において共通操作部への操作を伴わずに背面ブロックを開放及び閉鎖できる中間開錠状態で停止させる構成とする。
【選択図】 図49

Description

本発明は、球体を遊技媒体として使用するパチンコ機やアレンジボール機などの弾球遊技機やメダル又は球体を遊技媒体として使用する回胴式遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の典型的な遊技機は、遊技ホール内の遊技機固定設備(一般的に島設備と称される)に固定される枠体と、枠体に対して開閉自在に支持された遊技機本体とで構成されている。遊技機本体は、遊技機が遊技機固定設備への設置後においても、その内部部材を適宜に表出できるように互いに開閉自在に支持された複数のブロックで構成されている。一般的には、遊技機の前面側を構成する前面ブロックと、前面ブロックに対して開閉自在に支持された背面ブロックとを備えている。また、従来の典型的な遊技機として、遊技機本体を枠体に対して施錠し、背面ブロックを前面ブロックに対して施錠する施錠機構を備えており、枠体に対して遊技機本体を施錠や開錠する場合や前面ブロックに対して背面ブロックを施錠や開錠する場合には、所定の同一の開閉鍵を用いた異なる操作、例えば、遊技機本体の施錠や開錠に対しては開閉鍵の右回転操作、背面ブロックの施錠や開錠に対しては開閉鍵の左回転操作を実行しなければならない遊技機が知られている(下記の特許文献1参照)。なお、通常、前面ブロックと背面ブロックとは、枠体に対して遊技機本体を開放した後でなければ開閉できない構成となっている。
前面ブロックの表面側には、遊技者によって操作される各種の入力装置(例えば、弾球遊技機における遊技ハンドル並びに回胴式遊技機におけるベット操作装置、単位遊技開始走査装置及び回胴停止操作装置)や遊技媒体を貯留する貯留皿が設けられている。一方、枠体に対する遊技機本体の開錠に基づく本体開放状態において表出される背面ブロックの背面側には、電源装置、遊技媒体の払出に関連する装置、遊技進行中に比較的に操作する必要が発生し易い各種のスイッチ等が設けられている。遊技進行を実行する主要な装置、例えば、弾球遊技機における遊技盤、遊技媒体の発射装置及び主制御装置並びに回胴式遊技機における投入装置、回胴装置、設定変更操作装置及び主制御装置は、前面ブロックに対する背面ブロックの開錠に基づく内部開放状態において表出される前面ブロックの背面側や背面ブロックの前面側に設けられている。なお、遊技進行を実行する主要な装置を他段階の鍵操作によって表出させることによって不正行為を抑制する構成ともなっている。
従来の典型的な遊技機において、遊技進行を実行する主要な装置に対してメンテナンス作業や設定変更操作等を行う場合、それらの装置を表出させるためには、開閉鍵を挿入して開閉鍵の右回転操作により枠体に対して遊技機本体を開放した後に、開閉鍵を左回転操作した状態で前面ブロックと背面ブロックとを手動で乖離操作して開放させなければならず、また、それらの装置を格納するためには、開閉鍵を挿入して開閉鍵を左回転操作した状態で前面ブロックと背面ブロックとを閉鎖させた後に、開閉鍵を右回転操作して枠体に対して遊技機本体を閉鎖しなければならなかった。
特開2008−36051号公報
従来の典型的な遊技機のように、前面ブロックに対する背面ブロックの開放において、開閉鍵による左回転操作を実行した状態で前面ブロックと払出ブロックとを手動で乖離操作して開放させる場合は、開閉鍵を掴んだ不安定な状態であるために、円滑な乖離操作が阻害されたり、開閉鍵や施錠機構の開閉鍵の挿入部分に負荷がかかり開閉鍵や施錠機構が破損したりし易くなっていた。前面ブロックに対して払出ブロックが閉鎖されている状態で前面ブロックと払出ブロックとが乖離する方向に付勢する付勢体を設けることによって、開閉鍵の左回転操作によって前面ブロックに対して払出ブロックが自動的に開放される構成も考えられるが、枠体に対して遊技機本体を開放及び閉鎖させる開閉鍵及び施錠機構の挿入部が共通であるために、枠体に対して遊技機本体を開放又は閉鎖させる際に誤操作によって前面ブロックに対して背面ブロックが意図せずに開放されたりして操作性が低下することともなる。なお、一般的に、施錠機構の開閉鍵は遊技機本体に向かって右側に設けられており、開閉鍵を左手で掴んで前面側に引っ張ることで枠体に対して遊技機本体が開放されるが、人体の特性上、左手に力が入ると左手は前面ブロックに対して背面ブロックを開放する左回転方向に開閉鍵を回転させ易くなり、上述のような誤操作が発生する。特に、枠体に対して遊技機本体を閉鎖させる場合には、遊技機本体の閉鎖完了の直前において強い力を付与する必要があるためにその誤操作がされ易く、また、遊技機本体の閉鎖完了の直前においては前面ブロックが背面ブロックに対して自動開放されたとしても極めて認識し難くなり、その状態のまま閉鎖操作が続行される枠体に対する遊技機本体の閉鎖が完了できないばかりでなく、極めて大きな負荷が開閉鍵や施錠機構の開閉鍵の挿入部分にかかることとなる。更にその負荷による振動等によって電気的な構成等が誤作動したり、破損したりすることともなる。これらによって、遊技機の耐久性自体が低下する。
特に、遊技機本体が前面ブロックと少なくとも1つの中間背面ブロック及び前面ブロックに施錠される最背面ブロックで構成される背面ブロックとを含み、中間背面ブロックの取換えのみによって遊技性を変更できる構成であって、昨今における資源の有効活用を考慮した構成の遊技機においては、共通利用される前面ブロックと背面ブロックとの施錠機構の耐久性が要求されるため、施錠機構の破損を抑制することが極めて重要となっている。
そこで、本発明の遊技機では、前面ブロックに対する背面ブロックの開閉特性を向上させる。
上記の課題を解決するために、本発明に係る遊技機は、
前面ブロック、背面ブロック及び前記背面ブロックを前記前面ブロックに対して開閉自在に支持するブロック間支持機構を含む遊技機本体と、
前記背面ブロックを前記前面ブロックに対して施錠するブロック間施錠部及び所定の鍵により操作され前記ブロック間施錠部を作動させる操作部を含む施錠機構と、
を備える遊技機であって、
前記背面ブロックが閉鎖されている状態において前記前面ブロックと前記背面ブロックとを相互に付勢する付勢機構と、
前記施錠機構の前記操作部に対する所定の鍵操作に応じた前記付勢機構による前記背面ブロックの開放を制限する開放制限機構と、
を備え、
前記背面ブロックは、遊技媒体を誘導する媒体通路の形成されたブロック基体と、前記ブロック基体に設けられた遊技進行に伴う所定の条件の成立に伴い遊技媒体の放出を実行する払出装置とを含み、
前記前面ブロックは、前記払出装置から放出され、前記媒体通路を介して誘導された遊技球を貯留する貯留部を備え、
前記付勢機構は、前記ブロック基体に設けられ、前記媒体通路における遊技媒体の流下を許容する流下許容状態と前記媒体通路における遊技媒体の流下を禁止する流下禁止状態とをとる流下規制部材と、前記ブロック基体に設けられ、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの閉鎖状態において前記流下規制部材を流下許容状態側から流下禁止状態側に付勢する付勢体と、前記前面ブロックに形成され、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの開閉に応じて前記流下規制部材を流下許容状態と流下禁止状態との間で移行させる規制変更部材とを含み、
前記ブロック間施錠部は、前記背面ブロックが閉鎖されている状態からの前記所定の鍵操作を伴わない前記背面ブロックの開放側への移動を阻止し、前記背面ブロックが所定の開放範囲で開放されている状態において前記所定の鍵操作を伴わない前記背面ブロックの開放側及び閉鎖側への移動を許容し、前記背面ブロックが前記所定の開放範囲を超えて開放されている状態からの前記所定の鍵操作を伴わない前記背面ブロックの閉鎖を阻止し、
前記開放制限機構は、前記所定の鍵操作に伴う前記付勢機構による前記背面ブロックの開放を前記背面ブロックが前記所定の開放範囲で開放されている状態で停止させる、
ことを特徴としている。
本発明に係る遊技機であれば、前面ブロックに対する背面ブロックの開閉特性が向上する。
球式回胴遊技機の一例を閉鎖状態で表す斜視図 球式回胴遊技機の一例を表す正面図 球式回胴遊技機の一例を表す背面図 球式回胴遊技機の一例を遊技機本体の開放状態で表す斜視図 本体開閉検出装置の一例を概念的に表す斜視図 本体開閉検出装置の動作の一例を模式的に表す背面図 遊技機本体の開閉動作を説明するために球式回胴遊技機の一例を部分的に表す斜視図 遊技機本体の開閉動作を説明するために球式回胴遊技機の一例を部分的に表す右側面図 球式回胴遊技機の一例を払出ブロックの開放状態で表す斜視図 球式回胴遊技機の一例を遊技ブロックの開放状態で表す斜視図 前面ブロックの一例を表す正面斜視図 前面ブロックの一例を表す背面斜視図 前面ブロックの一例を表す正面視の部分分解斜視図 前面ブロックの一例を表す正面視の部分分解斜視図 上皿ユニットの一例を表す部分分解斜視図 上貯留皿の流下規制機構の一例を流下許容状態で表す断面図 上貯留皿の流下規制機構の一例を流下禁止状態で表す断面図 上皿ユニットの一例を表す斜視図 上皿ユニットの一例の取り付け過程を表す分解斜視図 投入装置の一例を表す斜視図 投入装置の一例を表す部分分解斜視図 投入装置の一例を返却禁止状態で表す横断面図 投入装置の一例を投入禁止状態で表す縦断面図 投入装置の一例を投入許容状態で表す縦断面図 投入装置の一例を返却許容状態で表す横断面図 投入装置の一例を返却許容状態で表す縦断面図 払出ブロックの一例を表す正面斜視図 払出ブロックの一例を表す背面斜視図 払出ブロックの一例を表す部分分解斜視図 払出ブロックの一例を表す正面図 払出ブロックの一例を一部の除去状態で表す背面図 球溢れ検出スイッチの一例を表す正面図 球切れ検出スイッチの一例を表す断面図 第1払出装置の一例を表す部分分解斜視図 第1払出装置の動作形態の一例を表す平面図 払出ブロックの一例を表す部分斜視図 遊技ブロックの一例を表す正面斜視図 遊技ブロックの一例を表す背面斜視図 遊技ブロックの一例を表す部分分解斜視図 遊技ブロックの一例を表す背面図 回胴ユニットの一例を表す部分分解斜視図 図柄シールの一例を表す展開図 球式回胴遊技機の一例の電気的な構成を表すブロック図 遊技機本体の開放過程における払出ブロックの開放防止機構の動作の一例を表す説明図 遊技機本体の開放過程における払出ブロック施錠機構の動作を表す説明図 ブロック間遊技球移動規制機構の一例の一部を表す断面図 ブロック間遊技球移動規制機構の一例の他の一部を表す断面図 自動開放制限機構の一例を表す斜視図 前面ブロックに対して払出ブロック及び遊技ブロックを一体的に開放する場合の払出ブロック施錠機構及び自動開放制限機構の動作を表す説明図
本発明に係る遊技機の形態について説明する。なお、本発明に係る遊技機の概念的な構成について説明した後に、本発明に係る遊技機の具体的な構成について説明する。
[概念的な構成]
本発明に係る遊技機は、枠体と、前面ブロック、背面ブロック及び背面ブロックを前面ブロックに対して開閉自在に支持するブロック間支持機構を含む遊技機本体と、遊技機本体を枠体に対して開閉自在に支持する支持機構と、遊技機本体を枠体に対して施錠する本体施錠部、背面ブロックを前面ブロックに対して施錠するブロック間施錠部及び本体施錠部とブロック間施錠部との双方を同一開閉鍵によって作動させる共通操作部を含む施錠機構とを備えている。枠体、遊技機本体、支持機構、施錠機構の本体施錠部及び共通操作部の構成は公知のいかなる構成と同一であってもよい。遊技機本体の前面ブロック及び背面ブロックの各々は、更なる開閉が不能な単一ブロックによって構成されていてもよいし、前面ブロック及び背面ブロックの少なくとも一方が、更なる開閉が可能な複数のブロックによって構成されていてもよい。
ブロック間施錠部は、背面ブロックの開放操作が禁止された施錠状態と、所定の中間開放範囲内の背面ブロックの開放後において共通操作部への所定の操作を伴わない背面ブロックの開放操作及び閉鎖操作が許容される中間開錠状態と、中間開放範囲を超えて大きく開放された完全開錠状態との間を移行する。ここで、「施錠状態」は、共通操作部への所定の操作を伴わない前面ブロックに対する背面ブロックの開放操作が禁止された状態であり、「中間開錠状態」は、施錠状態における共通操作部への所定の操作に基づく背面ブロックの開放後における所定の中間開放範囲内において共通操作部への所定の操作を伴わない背面ブロックの開放操作及び閉鎖操作が許容される状態であり、また、完全開錠状態は、中間開放範囲を超えて大きく開放された大開放範囲内において共通操作部への所定の操作を伴わない背面ブロックの開放操作及び閉鎖操作が許容され、共通操作部への所定の操作を伴わない閉鎖操作による中間開錠状態への移行が禁止されている状態である。また、ブロック間施錠部は、中間開錠状態における共通操作部への所定の操作を伴わない開放操作により完全開錠状態へ移行し、中間開錠状態における共通操作部への所定の操作を伴わない閉鎖操作により施錠状態へ移行し、完全開錠状態における共通操作部への所定の操作を伴う閉鎖操作により中間開錠状態へ移行する構成であれば公知のいかなる構成と同一であってもよい。
本発明に係る遊技機は、更に、前面ブロックに対する背面ブロックの施錠状態において、前面ブロックに対して背面ブロックを開放させる方向に付勢する付勢機構と、施錠機構の共通操作部への所定の操作に応じて付勢機構からの付勢力に基づく前面ブロックに対する背面ブロックの自動的な開放を制限する自動開放制限機構とを備えている。「付勢機構」は、前面ブロックに対する背面ブロックの施錠状態において前面ブロックに対して背面ブロックを開放させる方向に付勢できる構成であれば公知のいかなる構成と同一であってもよく、また、その所望の付勢を実現するための専用の付勢機構や、他の機能と兼用した付勢機構や、専用の付勢と他の機能に付随する付勢とを複合させた付勢機構であってもよい。付勢機構としては、例えば、前面ブロックに対する背面ブロックの施錠状態において前面ブロックと背面ブロックに接続されたコイルバネ等の少なくとも1つの付勢体のみからなる構成、前面ブロックに対する背面ブロックの施錠状態において前面ブロック及び背面ブロックの少なくとも一方が他の部材を介して付勢体に接続された構成が挙げられる。
自動開放制限機構は、前面ブロックに対する背面ブロックの自動的な開放をブロック間施錠部の中間開錠状態で停止させる。以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機A」とも称す。
上記の遊技機Aであれば、共通操作部の所定の操作に基づくブロック間施錠部の開錠に応じて、前面ブロックに対して背面ブロックを自動的に開放させるが、ブロック間施錠部に対して操作部への所定の操作を一旦実行すれば、その後は所定の操作を実行するための開閉鍵から手を離しても前面ブロックを押さえていれば、更なる共通操作部への操作を伴わずに手動で背面ブロックを完全開放状態へ移行させたり、閉鎖状態へ移行させたりできる中間開放範囲内の中間開錠状態で停止させることができる。これによって、中間開錠状態において、ブロック間施錠部に対して操作部への所定の操作を一旦実行すればその後は所定の操作を実行するための開閉鍵から手を離しても前面ブロックを押さえていれば、前面ブロックに対して背面ブロックを開放できるために、前面ブロックに対して背面ブロックを開放させる際に共通操作部を操作した状態で前面ブロックと背面ブロックとを開放させる必要がなくなる。したがって、前面ブロックに対する背面ブロックの開放操作の円滑性が向上し、また、施錠機構への負荷が低減することによって前面ブロックに対して背面ブロックを施錠する施錠機構の耐久性が向上する。更に、枠体に対する遊技機本体の開放又は閉鎖における誤操作によって前面ブロックに対して背面ブロックを開錠する操作がなされたとしても中間開錠状態で停止し、前面ブロックに対して背面ブロックが大開放範囲まで開放されないために、前面ブロックと背面ブロックとを押さえることによって前面ブロックに対して背面ブロックを閉鎖状態に簡便に復帰させることができ、共通操作部を操作した状態で前面ブロックに対して背面ブロックを閉鎖させる必要がなくなる。したがって、前面ブロックに対する背面ブロックの開放操作の円滑性が向上し、また、施錠機構への負荷が低減することによって前面ブロックに対して背面ブロックを施錠する施錠機構の耐久性が向上する。
上記の遊技機Aにおいて、
前記自動開放制限機構が、前記前面ブロックに形成された前面ブロック側係合部と、前記背面ブロックに形成された背面ブロック側係合部とを含み、
前記中間開放範囲内の少なくとも一部において前記前面ブロック側係合部材と前記背面ブロック側係合部材とが係合し、
前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの自動的な開放を前記前面ブロック側係合部と前記背面ブロック側係合部との係合により停止させることを特徴としている。以下において、この構成の遊技機を「遊技機B」とも称す。
ここで、「前面ブロック側係合部」及び「背面ブロック側係合部」としては、一方の係合部が係合爪であり他方の係合部が中間開放範囲内の少なくとも一部において係合爪に対応する係合丘である構成や、一方の係合部が係合爪であり他方の係合部が中間開放範囲内の少なくとも一部において係合爪に対応する係合溝、係合穴又は係合孔である構成や、双方の係合部が中間開放範囲内の少なくとも一部において互いに係合する構成が挙げられる。
上記の遊技機Bであれば、簡素な構成によって、ブロック間施錠部の開錠に伴う前面ブロックに対する背面ブロックの自動的な開放を所望の中間開放範囲内の中間開錠状態で確実に停止させることができる。
上記の遊技機Bにおいて、
前記前面ブロック側係合部及び前記背面ブロック側係合部とは、一方の係合部材に他方の係合部材が弾性変形を伴って乗り上げる構成であることが好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機C」とも称す。
上記の遊技機Cであれば、前面ブロック側係合部及び背面ブロック側係合部の一方の係合部材に他方の係合部材が乗り上げた際の摩擦力が大きくなるために、前面ブロックに対する背面ブロックの自動的な開放を急速に停止させることができる。これによって、前面ブロック側係合部及び背面ブロック側係合部の小型化を促進できる。また、前面ブロック側係合部及び背面ブロック側係合部が経年劣化により磨耗したとしても、弾性変形を伴わない場合に比べて、磨耗に起因するブロック間施錠部の開錠に伴う前面ブロックに対する背面ブロックの自動的な開放の停止位置のズレが小さく押さえられるために、自動開放制限機構の耐久性が向上する。
上記の遊技機Cにおいて、
前記完全開錠状態の少なくとも一部において前記前面ブロック側係合部材と前記背面ブロック側係合部材とが係合する構成であることが好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機D」とも称す。
上記の遊技機Dであれば、前面ブロックに対する背面ブロックの閉鎖において、ブロック間施錠機構を作動させるための共通操作部への所定の操作が必要となる前に、前面ブロック側係合部及び背面ブロック側係合部の一方の係合部材に他方の係合部材が乗り上げ、その乗り上げに基づいて摩擦力が大きくなるために、共通操作部への所定の操作が必要となるタイミングを簡便に検知できる。これによって、前面ブロックに対する背面ブロックの閉鎖においてブロック間施錠機構を構成する部材間の衝突を抑制でき、ブロック間施錠機構の耐久性が更に向上する。
上記の遊技機A〜Dにおいて、
前記施錠機構が、前記ブロック間施錠機構の前記中間開錠状態において前記所定の操作と異なる前記共通操作部への操作を禁止する構成であることが好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機E」とも称す。
上記の遊技機Eであれば、枠体に対して遊技機本体が開放された状態、特に、遊技機本体の閉鎖操作中における誤操作によって前面ブロックに対して前記背面ブロックが中間開放範囲内で開放された状態での枠体に対する前面ブロックと背面ブロックとの一体的な閉鎖状態や施錠状態への移行を防止できる。したがって、枠体に対する遊技機本体の正常な閉鎖や正常な施錠の確実性が向上する。また、前面ブロックに対して前記背面ブロックが中間開放範囲内で開放された状態であることを簡便に察知できる。したがって、枠体に対する遊技機本体の閉鎖操作における操作性が向上する。
上記の遊技機Eにおいて、
前記施錠機構が、前記枠体に対して前記前面ブロック及び前記背面ブロックが一体的に閉鎖されている状態における前記共通操作部への前記所定の操作を禁止する構成であることが好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機F」とも称す。
上記の遊技機Fであれば、枠体に対して遊技機本体が閉鎖された状態における誤操作によって前面ブロックに対して前記背面ブロックが中間開放範囲内で開放されることを防止できる。したがって、枠体に対する遊技機本体の正常な閉鎖や正常な施錠の確実性が向上する。
上記の遊技機A〜Fにおいて、
前記背面ブロックが、遊技媒体を誘導する媒体通路の形成されたブロック基体と、前記ブロック基体に設けられた遊技進行に伴う所定の条件の成立に伴い遊技媒体の放出を実行する払出装置とを含み、
前記前面ブロックが、前記払出装置から放出され、前記媒体通路を介して誘導された遊技球を貯留する貯留部を備え、
前記付勢機構が、
前記ブロック基体に設けられ、前記媒体通路における遊技媒体の流下を許容する流下許容状態と前記媒体通路における遊技媒体の流下を禁止する流下禁止状態との状態間を移行自在な流下規制部材と、
前記ブロック基体に設けられ、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの閉鎖状態において前記流下規制部材を流下許容状態側から流下禁止状態側に付勢する少なくとも1つの付勢体と、
前記前面ブロックに形成され、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの開閉に応じて前記流下規制部材を前記流下許容状態と前記流下禁止状態との状態間で移行させる規制変更部材とを含む構成であることが好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機G」とも称す。
上記の遊技機Gであれば、前面ブロックに対して背面ブロックが開放された状態において背面ブロック側から前面ブロック側に誘導される遊技球が貯留部及び媒体通路の外部へ落下することが防止されると共に、付勢機構とは別途に遊技球の流下規制機構を設ける場合に比べて構成が簡素化される。
上記の遊技機A〜Fにおいて、
前記背面ブロックが、遊技媒体を誘導する媒体通路の形成されたブロック基体と、前記ブロック基体に設けられた遊技進行に伴う所定の条件の成立に伴い遊技球の放出を実行する払出装置とを含み、
前記媒体通路が、前記払出装置から放出された遊技媒体が流入する共通通路部と、前記共通通路部より下流側において分岐して前記第1貯留皿に連通する第1通路部及び前記第2貯留皿に連通する第2通路部とで構成され、
前記前面ブロックが、前記払出装置から放出され、前記第1通路部を介して誘導された遊技球を貯留する第1貯留皿と、前記第2通路部を介して誘導された遊技球を貯留する第2貯留皿とを備え、
前記付勢機構が、
前記ブロック基体に設けられ、前記第1通路部における遊技媒体の流下を許容する流下許容状態と前記第1通路部における遊技媒体の流下を禁止する流下禁止状態との状態間を移行自在な第1流下規制部材と、
前記ブロック基体に設けられ、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの閉鎖状態において前記第1流下規制部材を流下許容状態側から流下禁止状態側に付勢する少なくとも1つの第1付勢体と、
前記前面ブロックに形成され、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの開閉に応じて前記第1流下規制部材を前記流下許容状態と前記流下禁止状態との状態間で移行させる規制変更部材と、
前記ブロック基体に設けられ、前記第2通路部における遊技媒体の流下を許容する流下許容状態と前記第2通路部における遊技媒体の流下を禁止する流下禁止状態との状態間を移行自在な第1流下規制部材と、
前記ブロック基体に設けられ、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの閉鎖状態において前記第2流下規制部材を流下許容状態側から流下禁止状態側に付勢する少なくとも1つの第2付勢体と、
前記前面ブロックに形成され、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの開閉に応じて前記第2流下規制部材を前記流下許容状態と前記流下禁止状態との状態間で移行させる第2規制変更部材と、
を含む構成であることが好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機H」とも称す。
上記の遊技機Hであれば、前面ブロックに対して背面ブロックが開放された状態において背面ブロック側から前面ブロック側に誘導される遊技球が第1貯留皿及び第1通路部の外部及び第2貯留皿及び第2通路部の外部へ落下することが防止されると共に、付勢機構とは別途に第1貯留皿及び第2貯留皿に対応する遊技球の流下規制機構を設ける場合に比べて構成が簡素化される。また、通常の遊技機においては、2つの貯留皿を備えるためにそれらの双方に対して遊技球の流下規制を行うことにより、背面ブロック側から前面ブロック側に誘導される遊技球の落下を確実に抑制できる。更に、前面ブロックに対して背面ブロックを開放させる付勢力が増加することによって、ブロック間施錠部の開錠に伴う前面ブロックに対する背面ブロックの自動的な開放を所望の中間開放範囲まで確実に回転させることができる。
上記の遊技機Hにおいて、
前記第2流下規制部材が、前記第1流下規制部材よりも前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの開閉軸より放射方向の外側に形成され、
前記第2通路部が、前記第1通路部より多くの遊技媒体を貯留できる構成であり、
前記少なくとも1つの第2付勢体による前記第2流下規制部材への付勢力が、前記少なくとも1つの第1付勢体による前記第1流下規制部材への付勢力が強い構成であることが好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機I」とも称す。
上記の遊技機Hであれば、全体としての前面ブロックに対する背面ブロックの回転力を逆の構成である場合よりも大きくできる。これによって、ブロック間施錠部の開錠に伴う前面ブロックに対する背面ブロックの自動的な開放を所望の中間開放範囲まで確実に回転させることができる。
[具体的な構成]
本発明に係る遊技機の最良の形態の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下において、遊技機が球体を遊技媒体とする回胴式遊技機(以下、「球式回胴遊技機」と称す)である場合の具体的な一例を挙げて説明するが、以下で説明する具体的な一例には限定されず、本発明の主旨から逸脱しない限りにおいて、その設計を適宜に変更してもよい。また、本発明は、メダルを遊技媒体として使用する回胴式遊技機(スロット機)や弾球遊技機(パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機等)にも適用することができる。
本実施形態の球式回胴遊技機について説明する。本実施形態の球式回胴遊技機は、上記の遊技機A〜遊技機Iの全ての特徴を複合的に満たす構成である。なお、球式回胴遊技機の全体構造、電気的構成及び制御構成について概説した後に、本発明の特徴部分の構成及びそれに関連する構成については、後述する〔本発明の主たる特徴部分の構成〕においてまとめて詳細に説明する。
〔全体的な構成〕
本実施形態の球式回胴遊技機の全体構造について説明する。図1は球式回胴遊技機の一例を閉鎖状態で表す斜視図であり、図2は球式回胴遊技機の一例を表す正面図であり、図3は球式回胴遊技機の一例を表す背面図であり、図4は球式回胴遊技機の一例を開放状態で表す斜視図である。なお、図3及び図4において各種の内部配線は省略されており、以下で参照する他の図面についても同様とする。
本形態の球式回胴遊技機100は、図1〜図4に示されたように、球式回胴遊技機100の外殻を形成する外枠110と、遊技機本体120と、外枠110に対して遊技機本体120を着脱自在及び開閉自在に支持する一対の本体支持機構130(図1には一方のみ図示)と、遊技機本体120を外枠110に対して施錠する本体施錠機構140(図4のみ)と、本体施錠機構140を開錠させたり施錠させたりするために管理者によって操作される錠開閉操作機構150(図1及び図2のみ)と、外枠110に対して遊技機本体120が閉鎖されている状態(以下「遊技機本体120の閉鎖状態」と略記)であるか又は外枠110に対して遊技機本体120が開放されている状態(以下「遊技機本体120の開放状態」と略記)であるかを検出する本体開閉検出装置160(図3のみ:図5及び図6も参照)とを備えている。図1に示されたような遊技機本体120の閉鎖状態において、本体施錠機構140によって遊技機本体120は外枠110に対して施錠された状態(以下「遊技機本体120の施錠状態」と略記)であり、遊技機本体120の閉鎖状態から図4に示されたような遊技機本体120の開放状態へ移行させる場合には、錠開閉操作機構150への所定の開錠操作に基づいて本体施錠機構140による遊技機本体120の施錠状態を解除し、遊技機本体120を開放方向(遊技機本体120の右端を外枠110から離隔させる方向)に回転させる。逆に、遊技機本体120の開放状態から遊技機本体120の閉鎖状態へ移行させる場合には、遊技機本体120を閉鎖方向(遊技機本体120の右端を外枠110に近接させる方向)に回転させると共に、少なくとも遊技機本体120の閉鎖状態への移行完了の直前に錠開閉操作機構150に対して本体施錠機構140の施錠を解除させるための操作(以下「開錠操作」と略記)を行い、その開錠操作中に遊技機本体120の閉鎖状態への移行を完了させる。球式回胴遊技機100は、通常、その外枠110が遊技ホールの遊技機固定設備(図示せず)の設置窓(図示せず)に装着されることによって外枠110及びそれよりも球式回胴遊技機100の後方側が遊技者の滞在する外側空間から視認できないように遊技機固定設備に固定されるが、外枠110に対して遊技機本体120が開閉自在に支持されていることによって、遊技機固定設備への設置後においても球式回胴遊技機100の背面側を外側空間に露出させることができる。
外枠110は、図3及び図4に示されたように、天板部材111と、底板部材112と、右側板部材113と、左側板部材114(図3のみ)と、遊技機本体120の閉鎖状態において遊技機本体120が載置される載置部材115とを備えている。天板部材111、底板部材112、右側板部材113及び左側板部材114は、接続部材116〜119(図3のみ)を介して組み付けられており、その全体形状が略矩形状の枠形状である。
一対の本体支持機構130の各々は、図3及び図4に示されたように、外枠110に固着された外枠側支持体131と、遊技機本体120に固着された本体側支持体132(図12も参照)と、外枠側支持体131と本体側支持体132とを連結する連結体133とを備えている。外枠側支持体131には軸受溝部131A(図4のみ)が形成され、一方、本体側支持体132には軸体部132A(図4のみ)が形成されており、軸体部132Aが軸受溝部131Aに挿入され、外枠側支持体131と本体側支持体132とが連結体133で連結されることによって、遊技機本体120が外枠110に対して着脱自在かつ開閉自在に支持されている。また、連結体133は、軸体部132Aと軸受溝部131Aとの間にかかる荷重負荷、特に、遊技機本体120の開放状態における荷重負荷を低減することによって軸体部132Aの軸ズレを抑制したり、外枠110に対する遊技機本体120の最大回転角度(90度を越えて大きいが90度の近傍の値、例えば95度)を制限したりする。なお、連結体133と外枠110との連結は簡便な操作によって解除できる構成となっている。
本体施錠機構140は、図3及び図4に示されたように、外枠110の右側板部材113に固着された一対の外枠側施錠部材141と、遊技機本体120に取設された施錠機構142とを備えている。施錠機構142は、遊技機本体120に固着された基体部材143と、基体部材143に枢設された一対の本体側施錠部材144と、一対の本体側施錠部材144に接続され、上下方向に移動自在な動力伝達棹145と、動力伝達棹145を所定の基準位置(以下において、「施錠位置」とも称す)に復帰させる方向に付勢する付勢体(図示せず)と備えている。なお、付勢体は、図4に示されたように、基体部材143を介して遊技機本体120に固着された保護カバー159によって覆われている。一対の外枠側施錠部材141の各々には係合爪部141Aが形成され、一方、一対の本体側施錠部材144の各々には係合爪部141Aと係合する係合溝部144A(図4のみ)が形成されている。
錠開閉操作機構150は、図1及び図2に示されたように、所定の開閉鍵(図示せず)の凹凸形状に対応する鍵溝(図示せず)が形成されたキーシリンダ151と、キーシリンダ151の内側に摺動自在に挿着され、挿入された開閉鍵の回動に連動して回動する可動軸体152と、開閉鍵が挿入される鍵穴と反対側(背面側)において可動軸体152に固着され、可動軸体152の回動に連動して偏心回動する可動片(図示せず)とを備えている。なお、開錠開閉操作機構150の背面側は、図4に示されたように、基体部材143を介して遊技機本体120に固着された保護カバー159によって覆われており、可動片はその内側に配置されている。
遊技機本体120の閉鎖状態において、図3及び図4に示されたように、付勢体からの付勢力に基づいて、動力伝達棹145は所定の基準位置に維持され、また、一対の外枠側施錠部材141の係合爪部141Aも所定の基準位置に維持されている。なお、遊技機本体120の閉鎖状態においては、図3に示されたように、一対の外枠側施錠部材141の係合爪部141Aは一対の本体側施錠部材144の係合溝部144Aと係合した状態である。これによって、外枠110に対して遊技機本体120が施錠された状態(以下、「遊技機本体120の施錠状態」と略記する)が維持される。遊技機本体120の閉鎖状態において錠開閉操作機構150のキーシリンダ151及び可動軸体152に形成された鍵穴に所定の開閉鍵(図示せず)が挿入され、その鍵によって所定の開錠操作、本形態では90度の時計回りの回転操作が行われると、可動軸体152が回転すると共に可動片(図示せず)が偏心回転する。その可動片の偏心回転に応じて、本体施錠機構140の動力伝達棹145が上方側に移動する。動力伝達棹145の上方側への移動に応じて、一対の本体側施錠部材144が回転し、その先端が下側へ移動する。これによって、係合爪部141Aが係合溝部144Aから離脱し、遊技機本体120が外枠110に対して回転可能な状態(以下、「遊技機本体120の開錠状態」と略記)になる。また、動力伝達棹145の上方側への移動に応じて付勢体(図示せず)が延伸される。これによって、遊技機本体120の閉鎖状態において本体施錠機構140による施錠が開錠された状態で鍵から手を離すと付勢体からの付勢力に基づいて動力伝達棹145及び一対の本体側施錠部材144は施錠位置に復帰し、遊技機本体120が施錠状態に戻る。一方、遊技機本体120の開放状態から閉鎖状態へ移行させる場合には、遊技機本体120の開放状態において開錠操作がなされていない状態で遊技機本体120を閉鎖方向に回転させると一対の外枠側施錠部材141と一対の本体側施錠部材144とが当接してその閉鎖方向の回転が阻止されるために、遊技機本体120の閉鎖状態まで移行させるためには、一旦、開錠操作を行わなければならない。
本体開閉検出装置160は、図3に示されたように、遊技機本体120の左側板部材114側に一部が突出するように配置されている。ここで、本体開閉検出装置160について詳細に説明する。図5は、本体開閉検出装置の一例の近傍を表す部分分解斜視図であり、図6(A)及び図6(B)は、それぞれ、遊技機本体の閉鎖状態及び開放状態における本体開閉検出装置の一例を模式的に表す背面図である。本体開閉検出装置160は、図5並びに図6(A)及び図6(B)に示されたように、遊技機本体120に軸止された軸部材161と、軸部材161に軸支された略U字形状の可動部材162と、可動部材162に取着されU字の開き角を大きくする付勢体163と、遊技機本体120に取着された開閉検出スイッチ164とを備えている。可動部材162は、遊技機本体120の閉鎖状態において、図6(A)に示されたような外枠110の左側板部材114に当接している閉鎖位置と、図6(B)に示されたような遊技機本体120の開放状態において外枠110に当接していない開放位置との間で移動する。なお、可動部材162の開き角は、可動部材162が閉鎖位置に位置する場合より開放位置に位置する場合の方が大きい。開閉検出スイッチ164は、図6(A)に示されたように、可動部材162が閉鎖位置にある場合に、可動部材162によって開閉検出スイッチ164の検出突起164Aが押圧されているオン状態であり、一方、図6(B)に示されたように、可動部材162が開放位置にある場合に、可動部材162によって開閉検出スイッチ164の検出突起164Aが押圧されていないオフ状態であり、検出状態に応じて電位の異なる開閉検出信号を主制御装置750(図38及び図43参照)の主制御基板751(図43参照)に出力する。
球式回胴遊技機100は、図3及び図4に示されたように、遊技機本体120の底部に設けられ、外枠110に対する遊技機本体120の開閉動作を円滑化する開閉円滑化機構170(図3のみ)と、遊技機本体120の底部に取着され、外枠110に対する遊技機本体120の開錠に応じて、管理者による意図的な遊技機本体120の開放方向の回転に因らずに、遊技機本体120が閉鎖状態から開放状態へ移行することを抑制する滑止部材180とを備えている。開閉円滑化機構170は、遊技機本体120の重心を通る上下方向(鉛直方向)と前後方向との双方に垂直な平面(以下、「荷重中心平面」とも称す)に対して外枠110に対する遊技機本体120の回転軸側に配設された内側ローラ171と、荷重中心平面に対して遊技機本体120の回転軸と反対側に配設された外側ローラ172とを備えており、遊技機本体120の閉鎖状態からの開放方向の回転に伴う摩擦力を低減すると共に、遊技機本体120の開放状態からの閉鎖方向の回転における外枠110の載置部材115への乗り上げを容易にしている。なお、内側ローラ171と外側ローラ172とは荷重中心平面を挟んで両側に配置されている。滑止部材180は、遊技機本体120の底部において回転軸と反対側の一端に配設され、略U字形状に曲折された板状体であり、その一部が遊技機本体120の底面から下方側へ突出している。
ここで、開閉円滑化機構170及び滑止部材180について詳細に説明する。図7は、開閉円滑化機構及び滑止部材の一例の近傍を表す斜視図であり、図8は、開閉円滑化機構及び滑止部材の一例の近傍を表す右側面図である。外枠110の載置部材115は、図7及び図8に示されたように、平坦部115Aと平坦部115Aの前方側において傾斜する傾斜部115Bとを含んでおり、平坦部115Aにおいて前方側に延出している部分の平坦面P1上に、一対の外枠側支持体131が配設されている。平坦部115Aにおいて前方側に延出している部分の平坦面P2は、従来において遊技機本体120が載置される載置面を構成するために設けられていたが、本形態では遊技機本体120は閉鎖状態においても平坦面P2に当接しない。遊技機本体120の閉鎖状態において、内側ローラ171は傾斜部115Bの傾斜面P3上に配置され、外側ローラ172は傾斜部115Bの傾斜面P4上に配置され、滑止部材180は傾斜面P4に最後方側で当接するように配置される。滑止部材180の下方端面180Aは傾斜面P4と実質的に同一の傾斜角で傾斜しており、遊技機本体120の閉鎖状態において下方端面180Aの全面が傾斜面P4に当接している。内側ローラ171が傾斜面P3上に配置されていない場合の遊技機本体120の開放状態において、遊技機本体120は自重によって遊技機本体120の回転軸が微少角度だけ傾斜して、その右端が下方側にずれて配置されている。なお、このような傾斜は遊技機一般について発生する。
遊技機本体120を開放状態から閉鎖状態に移行させる場合に、閉鎖方向の回転によって、まず、遊技機本体120の底面が傾斜面P3、平坦面P2及び傾斜面P4に当接することなく内側ローラ171が傾斜面P3に乗り上げる。これによって、遊技機本体120の回転軸の傾斜角度が緩和され、遊技機本体120の底面が平坦面P2に当接することなく閉鎖方向の回転を継続できる。その後、外側ローラ172が傾斜面P4に乗り上げる。これによって、遊技機本体120の回転軸の傾斜角度が大幅に緩和され、その後の閉鎖方向の回転によって滑止部材180の背面側の平面180Bが傾斜部115Bの前方側の平面P5に衝突することを防止できる。その後、滑止部材180の下方端面180Aが傾斜面P4に当接して、滑止部材180を介した遊技機本体120の載置部材115への乗り上げが開始される。その後、滑止部材180が傾斜面P4を上り終えると遊技機本体120の閉鎖状態となる。これによって、遊技機本体120が開放状態から閉鎖状態に簡便かつ円滑に移行する。逆に、遊技機本体120を閉鎖状態から開放状態に移行させる場合に、閉鎖状態において滑止部材180の下方端面180Aの全面が傾斜面P4に当接しているために摩擦力が大きく、外枠110に対する遊技機本体120の施錠を解除した直後に、球式回胴遊技機100の遊技機固定設備への設置角度ズレや経年劣化等による一対の本体支持機構130による支持角度ズレに基づいて意図せずに開放方向への回転が開始されることが抑制される。また、開放状態から閉鎖状態に移行する過程で多段階(本形態では3段階)に分けて遊技機本体120の回転軸の傾斜角度が変化するために、傾斜角度の変化に伴い一対の本体支持機構130に与えられる最大負荷を、一段階で傾斜角度が変化する場合に比べて低減できる。これによって、経年劣化等による一対の本体支持機構130による支持角度ズレの発生自体も抑制することができる。
ここで、遊技機本体120の構成について説明する。図9及び図10は、球式回胴遊技機の一例を内部開放状態で表す斜視図である。なお、図9には、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123が一体的に開放されている状態が示されており、図10には、前面ブロック121に対して払出ブロック122が開放され、かつ払出ブロック122に対して遊技ブロック123が開放されている状態が示されている。
遊技機本体120は、図9及び図10に示されたように、球式回胴遊技機100の前面側を構成する前面ブロック121と、球式回胴遊技機100の背面側を構成する払出ブロック122と、前面ブロック121及び払出ブロック122によって被包される遊技ブロック123と、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を着脱自在かつ開閉自在に支持する一対のブロック支持機構124(一方のみ図示)と、前面ブロック121に対して払出ブロック122を施錠する払出ブロック施錠機構125と、払出ブロック122に対して遊技ブロック123を固定する一対の遊技ブロック固定機構126とを備えている。
一対のブロック支持機構124の各々は、前面ブロック121に取着された前面ブロック側支持部材211(図12参照)と、払出ブロック122に取着された払出ブロック側支持部材212(図28参照)と、遊技ブロック123に取着された遊技ブロック側支持部材213(図40参照)とで構成されている。図12に示されるように、前面ブロック側支持部材211は、前面ブロック121に取着された固定部221と、固定部221に対して略垂直に屈曲して背面側に延設され、上側軸挿通孔222Aの形成された払出ブロック用軸受部222と、固定部221に対して略垂直に屈曲して背面側に延設され、上側軸挿通孔222Aの真下に下側軸挿通孔223Aの形成された遊技ブロック用軸受部223とを含んでいる。払出ブロック側支持部材212は、図28に示されるように、払出ブロック122に固着された固定部224と、固定部224に対して略垂直に屈曲して正面側に延設された接続部225と、接続部225から下側に延設された軸体部226とを含み、軸体部226が前面ブロック側支持部材211の上側軸挿通孔222Aに遊挿されている。同様に、遊技ブロック側支持部材213は、図40に示されるように、遊技ブロック123に固着された固定部227と、固定部227に対して略垂直に屈曲して正面側に延設された接続部228と、接続部228から下側に延設された軸体部229とを含み、軸体部229が前面ブロック側支持部材211の下側軸挿通孔223Aに遊挿されている。
払出ブロック施錠機構125は、払出ブロック122に形成された一対の陥没部122Aの各々に架設され、一対の陥没部122Aの陥没口の一部を覆う一対の払出ブロック側施錠部材231(図27も参照)と、前面ブロック121側に配設された施錠機構232(図12も参照)とを備えている。施錠機構232は、図12に示されるように、本体施錠機構140における基体部材143に対して上下方向に移動自在に取着され、本体施錠機構140を作動させる方向と逆方向への錠開閉操作機構150の可動片(図示せず)の回転に連動して上下方向に移動する前面ブロック側施錠部材233と、前面ブロック側施錠部材233を所定の基準位置へ復帰させる方向に付勢する付勢体(図示せず)とを備えている。前面ブロック側施錠部材233は、基体部材143と略平行に延びる棹部235と棹部235の長手方向の両端近傍から背面側に突出する一対の突出部236とを含み、一対の突出部236の各々には一部を切り欠いた係合溝236Aが形成されている。なお、本体施錠機構140の基体部材143には、一対の払出ブロック側施錠部材を誘導する一対の誘導部149が形成されている。前面ブロック121に対して払出ブロック122が閉鎖された状態(以下、「払出ブロックの閉鎖状態」とも略記)において、一対の払出ブロック側施錠部材231が一対の突出部236の係合溝部236Aに配置されており、その係合状態が付勢体からの付勢力によって維持される。これによって、前面ブロック121に対して払出ブロック122が施錠されている状態(以下、「払出ブロックの施錠状態」とも略記)が維持される。一方、本体施錠機構140を作動させる方向と逆方向への錠開閉操作機構150の操作に応じて、その操作に伴う可動片(図示せず)の回転に連動して前面ブロック側施錠部材233が下方側へ移動して、一対の突出部236の上面が一対の誘導部143Aの上面と同一又はそれよりも下方側に移動する。これによって、払出ブロック側施錠部材231が前面ブロック側施錠部材233よりも背面側へ移動させることができるために、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放することができる。なお、払出ブロック施錠機構125は、本発明の主たる特徴に関連する部分であるために、〔本発明の主たる特徴部分の構成〕において更に詳細に説明する。
一対の遊技ブロック固定機構126は、払出ブロック122に固着された一対の払出ブロック側固定部材241(図27も参照)と、遊技ブロック123に設けられた一対の固定機構242(図38も参照)とを備えている。一対の払出ブロック側固定部材241の各々は、図27に示されるように、上下方向の中央側に向けて延出する被挟持部241Aと、被挟持部241Aに対して略垂直に屈曲して前方側に突出する位置補正部241Bとを含んでいる。一対の固定機構242の各々は、図38に示されるように、払出ブロック122に形成された固定壁部244と、遊技ブロック123に回動自在に軸支された可動挟持部材245とを含んでいる。可動挟持部材245は、軸支部245Aと、軸支部245Aの周縁において円周方向に突出する操作部245Bと、軸支部245Aから回動軸方向に沿って固定壁部244よりも後方側まで突出する接続部245Cと、接続部245Cの先端から回動軸と略垂直方向に突出する挟持部245Dとを含んでおり、一対の遊技ブロック固定機構126の各々によって払出ブロック122に対して遊技ブロック123の固定されている状態(以下「遊技ブロック123の固定状態」とも略記)において、固定壁部244が払出ブロック側固定部材241の位置補正部241Bに載置されており、挟持部245Dと固定壁部244とが被挟持部241Aを挟持している。可動挟持部材245を回転させる操作部245Bへの力の付与によって挟持部245Dが回転し、その回転に伴い挟持状態が解除される。更に挟持部245Dを回転させると、前後方向に対して挟持部245Dが払出ブロック側固定部材241を被覆しない状態へと移行する。これによって、払出ブロック122に対する遊技ブロック123の回転が可能な状態(以下「遊技ブロック123の固定解除状態」とも略記)となる。
払出ブロック122に対して遊技ブロック123が一対の遊技ブロック固定機構126を介して一体化されていない場合には、可動挟持部材245が前面ブロック121に衝突することとなり、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を一体的に閉鎖状態まで回転させることはできない。また、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123が一対の払出ブロック施錠機構125を介して一体化されている場合には、可動挟持部材245が前面ブロック121の内部に配置されているために、一対の遊技ブロック固定機構126に対する操作ができず、払出ブロック122と遊技ブロック123との固定を解除することはできない。
遊技機本体120は、図9に示されたように、更に、払出ブロック122の閉鎖状態において払出ブロック122から前面ブロック121への遊技球の移動を許容し、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放状態においてその移動を禁止するブロック間遊技球移動規制機構127(一部のみ図示)を備えている。ブロック間遊技球移動規制機構127は、払出ブロック122に形成され、遊技進行に応じて払い出された遊技球や貸し出された遊技球(以下、これらをまとめて「放出球」とも称す)を上貯留皿320(図1参照)へ誘導する上皿誘導通路502(図46及び図31参照)で払出ブロック122から前面ブロック121へのそれらの遊技球の移動を許容する移動許容状態とその移動を禁止する移動禁止状態との間で状態移行する上皿側球止め機構251(図46及び図30参照)と、払出ブロック122に形成され、放出球を下貯留皿330(図1参照)へ誘導する下皿誘導通路503(図47及び図30参照)における払出ブロック122から前面ブロック121への遊技球の移動を許容する移動許容状態とその移動を禁止する移動禁止状態との間で状態移行する下皿側球止め機構252(図47及び図30参照)と、前面ブロック121に形成され、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開閉動作に応じて上皿側球止め機構251の規制状態を変化させる上皿側規制変更部材253と、前面ブロック121に形成され、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開閉動作に応じて下皿側球止め機構252の規制状態を変化させる下皿側規制変更部材254とで構成されている。なお、ブロック間遊技球移動規制機構127は、本発明の主たる特徴に関連する部分であるために、ここでの説明は省略し、〔本発明の主たる特徴部分の構成〕において説明する。
遊技機本体120は、図9及び図10に示されたように、更に、前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉鎖状態における前面ブロック121に対する払出ブロック122の施錠の解除に応じたブロック間遊技球移動規制機構127の付勢体262,267からの付勢力に基づく前面ブロック121に対する払出ブロック122の回転を所定の微少角度に制限する自動開放制限機構128を備えている。なお、自動開放制限機構128は、本発明の主たる特徴部分であるために、ここでの説明は省略し、〔本発明の主たる特徴部分の構成〕において説明する。また、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放動作についても本発明の主たる特徴部分であるために、ここでの説明は省略し、〔本発明の主たる特徴部分の構成〕において説明する。
前面ブロック121は、主に、入賞に伴い払い出された遊技球(以下「払出球」とも称す)や貸し出された遊技球(以下「貸与球」とも称す)を遊技者によって取り扱い可能な状態で貯留したり、単位遊技の開始条件となる所定の個数の遊技球を投入(以下「ベット」とも称す)したり、単位遊技を進行させるための遊技者による各種の入力を受け付けたり、遊技進行に伴う所定の遊技状態を報知したり、遊技進行に伴う視覚的及び聴覚的な演出を行ったりする。払出ブロック122は、主に、投入された遊技球の返却及び遊技者への遊技球の払い出しを行う。なお、払出ブロック122は、外部電力を取り込んで球式回胴遊技機100の各部へ内部電力を供給する。遊技ブロック123は、主に、単位遊技における当選役を決定する抽選や当選役に基づく単位遊技の結果の表示や当選役に基づく演出の報知等の遊技進行の包括的な管理を行う。なお、前面ブロック121及び払出ブロック122は球式回胴遊技機の種類に実質的に依存せず、また、遊技ブロック123は払出ブロック122に対して着脱自在に支持されているために、遊技ブロック123のみを取り替えること(一般的に、「面替え」と称される)によって他の遊技性を有する遊技機に変更ができる。以下において、前面ブロック121、払出ブロック122、遊技ブロック123についてブロック別に概ねこの順序で詳細に説明する。
なお、それらの説明に先立ち、説明の便宜上、遊技ブロック123における回胴ユニット710について簡単に説明する。遊技ブロック123は、図9に示されたように、左回胴810Lと、中回胴810Mと、右回胴810Rとを備えている。左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの各々の表面には複数種類の図柄が描かれており、単位遊技の開始時に左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが所定の方向に回転することによって図柄表示が変動し、その後、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが停止することによって遊技結果を表す図柄表示が確定される。
(前面ブロック)
前面ブロック121について説明する。図11及び図12は、それぞれ、前面ブロックの一例を表す正面側及び背面側の斜視図であり、図13及び図14は、それぞれ、前面ブロックの一例を表す正面側及び背面側の分解斜視図である。前面ブロック121は、図11〜図14に示されたように、基枠300と、基枠300に取着され、遊技ブロック123における遊技結果の表示や遊技進行に伴う演出等を透視できる透明性の遊技領域透視パネル301と、基枠300の前面側に取着された前面パネル枠310と、遊技球を貯留する上貯留皿320と、遊技球を貯留する下貯留皿330(図11及び図13のみ)と、遊技球の投入指示を入力するベット操作装置340(図11、図13及び図14のみ)と、上貯留皿320に貯留された遊技球を下貯留皿330へ移動させたり、一旦投入された遊技球を返却させたりするために操作される返却操作機構350(図11、図13及び図14のみ)と、ベット操作装置340への投入指示の入力に応じて上貯留皿320に貯留された遊技球を投入したり、返却操作機構350の操作に応じて上貯留皿320に貯留された遊技球を下貯留皿330に移動させたり、返却操作機構350の操作を検知して投入済の遊技球と同数の遊技球の返却を指示したりする投入装置360(図12及び図13のみ)と、単位遊技の開始指示を入力する単位遊技開始操作装置370(図11、図13及び図14のみ)と、遊技ブロック123における図柄変動の停止指示を入力する図柄変動停止装置380(図11、図13及び図14のみ)と、球式回胴遊技機100に隣接して設けられる球貸出制御ユニット(図示せず)と連動して遊技球の貸出指示を入力したり、貸し出し状況を表示したりする球貸出操作装置390と、遊技進行に伴う音響演出や遊技状態に応じた音響報知を行う下音響装置311、右上音響装置312及び左上音響装置313(図11、図13及び図14のみ)からなる音響装置群と、遊技進行に伴う発光演出や遊技状態に応じた発光報知を行う上発光装置314、右発光装置315(図11、図13及び図14のみ)及び左発光装置316からなる枠発光装置群と、遊技進行に伴う演出形態を変更する演出変更操作装置319(図11、図13及び図14のみ)とを備えている。
基枠300及び前面パネル枠310の各々は、前面ブロック121に設けられる各種の装置等を固定するための基礎となる枠体である。また、遊技機本体120の一部としての基枠300には、遊技機本体120(図4参照)と外枠110(図4参照)とを回動自在に支持固定する一対の本体支持機構130(図4参照)を構成する図12に示された一対の本体側固定部材132と、外枠110に対して遊技機本体120を施錠する本体施錠機構140を構成する図14に示された施錠機構142、施錠機構142(図14参照)を操作するための図11に示された錠開閉操作機構150と、外枠110に対する遊技機本体120の開閉状態を検出する本体開閉検出装置160(図5参照)の図12に示された可動部材162及び付勢体163と、外枠110に対する遊技機本体120の開閉を円滑化する開閉円滑化機構170(図3参照)の図12に示された内側ローラ171及び外側ローラ172と、外枠110(図9参照)に対する遊技機本体120(図9参照)の意図しない開放を抑制する図14に示された滑止部材180とが取着されている。以下において、図11及び図12を参照しながら前面ブロック121の具体的な構成について説明する。
遊技領域透視パネル301は、基枠300の窓部に後方側から挿入され、遊技領域透視パネル301の周縁において基枠300にネジ止めされている。遊技領域透視パネル301の背面側には遊技ブロック123(図4参照)が配置されており、遊技者は、遊技領域透視パネル301を通して遊技ブロック123で表示される各種の情報や演出を視認できる。
上貯留皿320は、遊技領域透視パネル301の下方において、前面パネル枠310を貫通してその一部が前面側に突出するように基枠300に取着されており、遊技球をベット用に貯留する。上貯留皿320には、遊技者が遊技球を直接に投入できると共に、払出球が自動的に流入する。なお、上貯留皿320は、返却操作機構350及び球貸出操作装置390と共に、それらが一体化された上皿ユニットを構成する。図15は上皿ユニットの一例を表す分解斜視図である。
上貯留皿320は、図15に示されたように、桶状部材321と、桶状部材321の後方側を覆う板状の被覆部材322と、遊技球の流下を一段に制限すると共に下方に配置される投入装置360(図12参照)を外部から遮蔽する遮蔽整流部材323(第1遮蔽整流部材323A及び第2遮蔽整流部材323B)と、桶状部材321から投入装置360への流下を規制する流下規制機構324とを備えている。桶状部材321には、一端に払出球や貸出球を流入させる流入口321Aが形成され、他端に桶状部材321に貯留されている遊技球を投入装置360へ流出させる流出口321B(図16参照)が形成されている。桶状部材321の底面は、流入口321A側から流出口321B側へ向けて緩やかに傾斜しており、遊技球が自重によって流入口321A側から流出口321B側へ向けて自動的に流下する。桶状部材321の下流側であって遮蔽整流部材323の下方には遊技球を3条(3列)に分配整列させる2つの整列突起325が取着されている。これによって、上貯留皿320には3条の流出通路321C(図16及び図18も参照)が形成される。また、桶状部材321の底面は、前方側から後方側へ向けて緩やかに傾斜しており、後方側の流出通路に優先的に遊技球が流入する。具体的には、前方側の第3条の流出通路321Cよりも中間の第2条の流出通路321Cへ流入し易く、第2条の流出通路321Cよりも後方側の第1条の流出通路321Cへ流入し易い。遮蔽整流部材323の下面にも整列突起(図示せず)が形成されており、遊技球の整列状態が維持される。遮蔽整流部材323の下面は3条の流出通路321Cの各々が下流側に向けて上下方向の幅が小さくなるように傾斜している。これによって、遊技球が積層状態で貯留されていたとしてもそれらが一段(一層)に規制される。したがって、上貯留皿320から投入装置360への遊技球の流入が円滑化される。
流下規制機構324は、上貯留皿320の桶状部材321から投入装置360への遊技球の流入を許容したり、禁止したりする。流下規制機構324は、操作部材327と、操作部材327を回動自在に支持する支持部材328と、操作部材327の回転操作に連動して移動する流下規制部材329とを備えている。操作部材327は、支持部材328によって回転自在に支持される回転軸部327Aと、回転軸部327Aの一端に延設された操作レバー部327Bと、回転軸部327Aから放射方向に突出し流下規制部材329を流入禁止位置へ移動させる3つの突起部327Cと、回転軸部327Aから放射方向に突出し流下規制部材329を流下許容位置へ移動させる3つの突起部327Dと、操作レバー部327Bの回転角度を制限する回転制限壁部327Eとを含んでいる。支持部材328は、操作部材327の回転軸部327Aを回動自在に支持する4つの軸受部328A〜328Dと、操作部材327の回転制限壁部327Eとの係合によって操作部材327の操作レバー部327Bの回転を制限する回転制限突起部328Eとを含んでいる。流下規制部材329は、突起部327Cとの係合によって流下規制部材329を流下禁止位置に移動させる動力受け部329Aと、突起部327Cとの係合によって流下規制部材329を流下許容位置に移動させる動力を受ける動力受け部329Bと、桶状部材321の流出口321Bへの突出又は流出口321Bから抜脱によって桶状部材321からの遊技球の流出を規制する3つの規制爪部329Cとを含んでいる。3つの規制爪部329Cは、それぞれ、桶状部材321における3つ流出通路321Cに対応して設けられている。
ここで、流下規制機構324の動作について詳細に説明する。図16及び図17は、それぞれ、流下規制機構324の流下許容状態及び流下禁止状態を表す断面図である。なお、図16及び図17には、説明の便宜のために投入装置360も表されている。規制爪部329Cは、図16に示された流下許容状態において、流出通路321Cの流出口321Bから遊技球が流出できる領域を確保するように配置されている。この流下許容状態において、操作部材327の操作レバー部327B(図15参照)を回転させると、その回転に応じて回転軸部327Aが回転し、突起部327Cが流下規制部材329の動力受け部329Aに当接する。更に、操作レバー部327Bを回転させると、突起部327Cが動力受け部329Aを押圧し、その押圧力によって流下規制部材329が移動する。これによって、流下規制部材329の規制爪部329Cが、図17に示されたように流出口321Bを狭窄し、流出口321Bから遊技球が流出できなくなる。逆に、図17に示された流下禁止状態において、操作部材327の操作レバー部327Bを逆回転させると、その回転に応じて回転軸部327Aが回転し、突起部327Dが流下規制部材329の動力受け部329Bに当接する。更に、操作レバー部327Bを回転させると、突起部327Dが動力受け部329Cを押圧し、その押圧力によって流下規制部材329が移動する。これによって、流下規制部材329の規制爪部329Cは、図16に示されたように流出口321Bから遊技球が流出できる空間を確保するように配置される。
ここで、基枠300への上貯留皿320の取り付けについて説明する。なお、上貯留皿320は、返却操作機構350及び球貸出操作装置390と共に、それらが一体化された上皿ユニットを構成し、上皿ユニットが基枠300に取り付けられることによって前面ブロック121に配設される。図18は上皿ユニットの一例を表す斜視図であり、図19(A)及び図19(B)は上皿ユニット(上貯留皿320)の装着過程の一例を表す斜視図である。図19(A)が上貯留皿320(上皿ユニット)の取り付け前を表し、図19(B)が上貯留皿320(上皿ユニット)の取り付け中を表している。なお、図19(A)及び図19(B)において、投入装置360が取着された状態で取り付けるかのように表されているが、正確には投入装置360を取着する前に取り付けられる。また、払出ブロック122及び遊技ブロック123が装着されていない場合が示されているがそれらの装着後においても上皿ユニットは着脱できる。
上貯留皿320の桶状部材321には、図18に示されたように、流入口321A側の外壁面から突出し、基枠300に連結される連結部326が形成されており、連結部326は、板状の固定壁部326Aと、固定壁部326Aよりも更に外方向に突出する脱落防止壁部326Bと、固定壁部326Aの上下方向の両端から突出する一対の回転軸部326C(一方のみ図示)とが形成されている。一方、基枠300には、図19(A)に示されたように、上貯留皿連結部材302が取着されており、上貯留皿連結部材302は、上貯留皿320の一対の回転軸部326Cが挿入される上下に一対の軸受部302A,302Bと、脱落防止壁部326Bの後方側に位置する脱落防止壁部302Cとを含んでいる。
図19(A)に示されたように上貯留皿320が基枠300と乖離している状態において、上貯留皿320の一対の回転軸部326Cが基枠300の一対の軸受部302A,302Bに挿入される。この状態から図19(B)に示されたように上貯留皿320を回転させると、固定壁部326Aが下側の軸受部302Bに乗り上げることによって一対の軸受部302A,302Bの間に配置され、また、上貯留皿320の脱落防止壁部326Bが基枠300の脱落防止壁部302Cと対向するようにその前方側に配置される。これによって、上貯留皿320は、並進移動によっては基枠300から離脱できないように回転自在に支持される。所定の位置まで更に回転させた状態において、上貯留皿320と基枠300とが所定の少なくとも1箇所でネジ止めされて固定される。このような構成とすることによって、ネジ止めにおいてネジ止め箇所の位置決めが実質的に不要となるために、ネジ止め箇所の位置決めを行いながら複数の箇所のネジ止めを行う場合に比べて上貯留皿320(上皿ユニット)の装着が簡便となり、スループットが向上する。また、演出変更操作装置319は遊技者によって連打されたり、必要以上の力で殴打されたりする場合があり寿命が他の操作装置に比べて短くなり易いが、上皿ユニット単位で取り外しできることによって、演出変更操作装置319を簡便に取り換えることもできる。
下貯留皿330は、図11に示されたように、その一部が前面側に突出するように前面パネル枠310に取着されており、上貯留皿320に貯留しきれない遊技球や球式回胴遊技機100の外部に排出する場合に一時的に遊技球を貯留する。下貯留皿330には、上貯留皿320が満杯である場合に払出球が流入し、また、返却操作機構350の操作に基づいて上貯留皿320に貯留されている遊技球が流入する。下貯留皿330は、放出球(払出球、貸出球)が流入する流入口331A、上貯留皿320に貯留されている遊技球が流入する返却口331B及び遊技球が流出する排出口331Cが形成された桶状部材331と、排出口331Cを開放する開放位置と排出口331Cを閉鎖する閉鎖位置との間で移動自在な板状の可動部材332と、可動部材332を移動させる操作レバー333と、可動部材332を閉鎖位置側に付勢する付勢体(図示せず)とを備えている。図11において可動部材332が閉鎖位置に位置し、排出口331が閉口状態である場合が示されており、この状態から操作レバー333を付勢体からの付勢力に抗して左方向へ移動させると、可動部材332が開放位置に移動し、排出口331が開口状態となる。一方、操作レバー333を右方向へ移動させた状態において、操作レバー333から手を離すと、可動部材は付勢体からの付勢力によって閉鎖位置に自動的に復帰する。
ベット操作装置340は、前面パネル枠310における上貯留皿320の前方側に突出する部分に取着されている。ベット操作装置340は、単位ベット数(1ベット)に対応する所定の単位個数(例えば、5球)の遊技球をベットする最小ベット操作部340Aと、最大規定数の遊技球をベットする最大ベット操作部340Cとを備えている。ここで、最大規定数とは、単位遊技においてベットできる遊技球の最大数を意味し、通常遊技状態の単位遊技において5球、10球又は15球の遊技球をベット(1ベット、2ベット又は3ベット)できる場合には15球を意味し、特別遊技状態中の単位遊技等において5球の遊技球のみをベットできる場合には5球を意味する。
最小ベット操作部340Aは、前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作される単位ベットボタン(入力操作部)341Aと、単位ベットボタン341Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、単位ベットボタン341Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含む単位ベットスイッチ341(図43参照:ベットスイッチの一種)を備えている。同様に、最大ベット操作部340Cは、前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作される最大ベットボタン(入力操作部)343Aと、最大ベットボタン343Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、最大ベットボタン343Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含む最大ベットスイッチ343(図43参照:ベットスイッチの一種)を備えている。遊技者によるベット操作装置340の操作に応じて、ベット操作部の種類(最小ベット操作部340A又は最大ベット操作部340C)に応じたベット指示が入力される。具体的には、単位ベットボタン341A及び最大ベットボタン343Aの押圧操作に応じて、それぞれ、単位ベット指示(ベット指示の一種)及び最大ベット指示(ベット指示の一種)が入力される。単位ベットボタン341A及び最大ベットボタン343Aは、遊技者が手を離すと押圧が解除されて、付勢体からの付勢力に基づいて基準位置に自動復帰する。なお、このベット指示の入力に応じて、投入装置360がベット指示の種類や遊技状態の種類に応じた所定の個数の遊技球を投入することとなる。
最大ベット操作部340Cは、更に、最大ベットボタン343Aに裏面側に設けられた発光素子(図示せず)と発光素子の発光を制御する発光制御回路(図示せず)とを含む最大ベット発光装置344(図43参照)を備えている。最大ベット発光装置344は、最大ベットスイッチ343が有効に操作できる場合に、遊技者に最大ベットボタン343Aの操作を促すために点灯され、最大ベットスイッチ343が有効に操作できない場合には消灯される。最大ベットスイッチ343が有効に操作できる場合としては、例えば、遊技ブロック123(図9参照)における後述する左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810R(図9参照)による図柄表示の変動が行われていない状態において最大規定数の遊技球がベットされていない場合が挙げられ、最大ベットスイッチ343が有効に操作できない場合としては、例えば、図柄表示の変動が行われている場合や前回の単位遊技で再遊技役が入賞した場合が挙げられる。
返却操作機構350は、前面パネル枠310における上貯留皿320の前方側に突出する部分に配設されている。なお、返却操作機構350は、球貸出操作装置390と共に上貯留皿320に取着されて、それらが一体化された上皿ユニットを構成し、上皿ユニットが基枠300に取着されることによって所定の位置に配設される。返却操作機構350は、図15に示されたように、上貯留皿320の下側に配設される収納部材351と、収納部材351に立設された支軸351Aに軸支された回動自在な操作部材352と、収納部材351に立設された支軸351Bに軸支された回動自在な押圧部材353と、収納部材351を覆う蓋部材354と、収納部材351と操作部材352とを接続し操作部材352を所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを備えている。操作部材352は、支軸351Aに軸支された基部352Aと、基部352Aに延設されて前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作される返却操作部352Bと、押圧部材353の接続軸部353Bを摺動自在に把持する把持部352Cとを含んでいる。押圧部材353は、支軸351Bに軸支された基部353Aと、基部353Aの一方の先端から回転軸方向に突出して操作部材352の把持部352Cに摺動自在に接続される接続軸部353Bと、基部352Aの他方の先端から回転軸方向に突出して投入装置360(図20参照)の返却シャッタ364(図20参照)を押圧する押圧部353Cとを含んでいる。
返却操作部352Bに遊技者によって回転力が付与されると、操作部材352が支軸351Aを中心にして回転し、その回転に連動して押圧部材353が支軸351Bを中心にして回転する。押圧部材353の回転に応じて押圧部353Cが奥方側へ移動し、その移動に基づいて押圧部353Cが投入装置360の返却シャッタ364を押圧する。この押圧力によって返却シャッタ364が移動して、上貯留皿320に貯留されている遊技球が下貯留皿330に返却されることとなる。なお、返却シャッタ364の移動に伴う返却動作については、投入装置360の説明において詳細に説明することとし、ここでの説明は省略する。
球貸出操作装置390は、前面ブロック121における上貯留皿320の前方側に突出する部分に配設されている。球貸出操作装置390は、遊技球の貸し出し可能な状態であるか否か、また貸し出し可能な場合にはその貸し出しの上限を表示する度数表示部391と、遊技球の貸し出しを受ける場合に遊技者によって操作される球貸出操作部392と、球貸し出し用のカードを返却する場合に遊技者によって操作されるカード返却操作部393とを備えている。度数表示部391は、球式回胴遊技機100に隣接して遊技機固定設備(図示せず)に設けられるCRユニット(図示せず)に所定のカード(図示せず)を挿入することでそのカードに電気的に記憶されている残額に相当する度数を表示し、遊技球の貸し出しが可能であることと共に貸し出しの上限を報知する。例えば、度数表示部391は、カードの残額の1/100の値を度数として表示する。一方、CRユニットにカードが挿入されていない場合には、度数表示部391は、消灯した状態を維持することによって遊技球の貸し出しが可能でないことを報知する。球貸出操作部392は、上貯留皿320の上面側に突出し遊技者によって操作される球貸出ボタン(入力操作部)392Aと、球貸出ボタン392Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、球貸出ボタン392Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含むボタンスイッチ(図示せず)である。遊技者による球貸出ボタン392Aの球貸出操作に応じて払出制御装置580(図28参照)の払出制御基板581(図43参照)に球貸出指示が入力されて、払出装置540から遊技球が貸し出されることとなる。カード返却操作部393は、上貯留皿320の上面側に突出し遊技者によって操作されるカード返却ボタン(入力操作部)393Aと、球貸出ボタン393Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、カード返却ボタン393Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含むボタンスイッチ(図示せず)である。遊技者によるカード返却操作部393の操作に応じてカード返却指示がCRユニットに入力され、CRユニットからカードが返却されることとなる。
投入装置360は、上貯留皿320及び投入装置360に貯留されている遊技球をベット操作装置340(図11参照)の操作に応じて所定数だけ投入したり、返却操作機構350の操作に応じて下貯留皿330に返却したり、返却操作機構350の操作に応じて既に投入(ベット)されている遊技球の払い戻しを指示したりする。図20は、投入装置の一例を表す斜視図であり、図21は、投入装置の一例を表す部分分解斜視図である。
投入装置360は、図20及び図21に示されたように、上貯留皿320の3つの流出通路321C(図15及び図18参照)に1つずつ対応した第1条の投入部361、第2条の投入部362及び第3条の投入部363と、第1条の投入部361〜第3条の投入部363に摺動自在に貫設され、上貯留皿320(図11参照)から下貯留皿330(図11参照)への遊技球の流下を規制する返却シャッタ364と、返却シャッタ364の一端を覆うカバー部材365と、カバー部材365の中空突出部365Aの内部に配置され返却シャッタ364を所定の基準位置に復帰させる方向に付勢する付勢体366(図21のみ)と、返却シャッタ364の基準位置からの移動を検知する返却スイッチ367と、主制御装置750(図37参照)の主制御基板751(図43参照)と投入装置360との間の電気信号の伝達や電力の供給を中継する投入系信号中継装置368と、投入系信号中継装置368を被覆するカバー部材369とを備えている。投入装置360は、投入すべき遊技球を第1条の投入部361〜第3条の投入部363の3つの投入系統で協同して投入する。
第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々は、図21に示されたように、第1ケーシング部材411と第2ケーシング部材412とで構成されるケーシングを備えている。第1条の投入部361及び第2条の投入部362の第1ケーシング部材411が、それぞれ、第2条の投入部362及び第3条の投入部363の第2ケーシング部材412に取り付けられることによって、第1条の投入部361、第2条の投入部362及び第3条の投入部363は、一体的に連接されている。第1条の投入部361、第2条の投入部362及び第3条の投入部363の各々のケーシングには、遊技球の通り道となる球通路420や各種の部材が配置される空間が形成される。球通路420は、投入装置360の上面側において上貯留皿320から流出してきた遊技球が載置される緩やかに傾斜した樋状の待機通路421と、待機通路421の下流側において待機通路421に対して屈曲して下方側(略鉛直方向)に延びる投入通路422と、待機通路421の下流側において斜め下方側に延びて払出通路を越えた後に屈曲して下方側に延びる返却通路423とで構成されている。第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々は、第1ケーシング部材411と第2ケーシング部材412とが組み付けられたケーシングに配設され、待機通路421から投入通路422への遊技球の流下を禁止する投入禁止状態とその流下を許容する投入許容状態との間で状態移行自在な投入フリッカ440と、ケーシングに配設され、投入フリッカ440による投入規制状態を変更する投入ソレノイド430と、ケーシングに配設され、投入通路422へ流入した遊技球を検出する通過センサ450と、ケーシングに配設され、通過センサ450より下流側において投入通路422を流下する遊技球を検出するカウントセンサ460とを備えている。
返却シャッタ364は、図21に示されたように、第1条の投入部361〜第3条の投入部363にわたって摺動自在に挿通され(図20も参照)、第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々における待機通路421から返却通路422への遊技球の流下を一斉に禁止する返却禁止状態とその流下を一斉に許容する返却許容状態との間で状態移行自在である。返却シャッタ364には、第1条の投入部361〜第3条の投入部363における3つの球通路420に1つずつ対応付けられた3つの返却遮断壁364Aと、3つの球通路420に1つずつ対応付けられた3つの返却窓孔364Bと、3つの返却窓孔464Aの各々の下部において待機通路421側へ延在し、待機通路421から各窓孔364Bに遊技球を案内する3つの誘導片364Cと、第3条の投入部363より外方向に突出し、返却操作機構350の押圧部材353に当接する被押圧部364Dと、付勢体366に当接する被付勢部364Eと、返却スイッチ367を作動させる作動片364Fとが形成されている。第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々において、返却シャッタ364が返却禁止状態である場合には、返却遮断壁364Aの少なくとも一部が球通路420の内側に配置されて待機通路421から返却通路423への遊技球の流入を禁止している。一方、返却シャッタ364が返却許容状態である場合には、返却遮断壁364Aが球通路420の外側に配置されると共に返却窓孔364B及び誘導片364Cが球通路420の内側に配置されて待機通路421から返却通路423への遊技球の流入を許容する。なお、返却シャッタ364は、返却許容状態において付勢体366から付勢力を受けており、返却操作機構350の操作解除に応じて返却禁止状態へ自動的に復帰する。
返却スイッチ367は、図21に示されたように、返却シャッタ364の移動を検出し、返却シャッタ364の移動の検出状態に基づいて検出状態に応じた信号を、投入系信号中継装置368を介して主制御装置750(図38参照)の主制御基板751(図43参照)に出力する。主制御基板751は、返却スイッチ367からの信号に基づいて、ベット操作装置340(図11参照)の操作の受付を不能にし、投入動作中である場合にはその投入動作を中断する。更に、既に投入済の遊技球が存在する場合には、主制御基板751は払出制御装置580(図28参照)の払出制御基板581(図43参照)に返却指示を出力し、払出制御装置581は返却指示に応じて投入済の遊技球と同数の遊技球を払出装置540(図28参照)から返却させる。
第1条の投入部361〜第3条の投入部363について詳細に説明する。なお、第1条の投入部361〜第3条の投入部の構成は実質的に同一であるために、第1条の投入部361について説明し、第2条の投入部362及び第3条の投入部363についての詳細な説明を省略する。なお、第1条の投入部361〜第3条の投入部363の内部構造について互いの投入部を特に識別する必要がある場合には第1条、第2条及び第3条との接頭辞を付加して識別することとする。図22は、投入装置の一例を背面側から見た横断面図である。図22には、説明の便宜のために返却操作機構350も示されている。図23及び図24は、投入装置の一例を表す縦断面図であり、図23が投入動作をしていない場合を表し、図24が投入動作をしている場合を表している。
投入ソレノイド430は、図23に示されたように、固定筒(図示せず)及び固定筒の周縁に固定筒を中心にして配置された励磁コイル(図示せず)を含むソレノイド本体431と、ソレノイド本体431の固定筒に摺動自在に挿入されたプランジャ(可動磁性芯)432と、プランジャ432をソレノイド本体431から離隔させる方向に付勢する付勢体433(例えば、コイルバネ)と、プランジャ432の先端部に取着され、投入フリッカ440に接続される動力伝達部材434とを備えている。プランジャ432は、ソレノイド本体430の励磁コイルに電流が印加されると磁気吸着によってコイルバネ433からの付勢力に抗してソレノイド本体431に近接するように移動し、励磁コイルの電流が遮断されると付勢体433からの付勢力に基づいてソレノイド本体431から離隔するように反対側に移動する。このとき、動力伝達部材434もプランジャ432の動きに追従して移動する。
投入フリッカ440は、第1ケーシング部材411及び第2ケーシング部材412によって固定される支軸441と、支軸443に回動自在に軸支され、投入ソレノイド430の動力伝達部材434に接続される基端部材442と第1ケーシング部材411及び第2ケーシング部材412によって固定される支軸443と、支軸441に回動自在に軸支された先端部材444とを備えている。基端部材442の一端に形成されている二股上に突出する把持部442Aによって投入ソレノイド430の動力伝達部材434に形成されている舌片434Aが把持されており、基端部材442は、プランジャ432の移動に連動して支軸441を中心にして回動する。また、基端部材444において把持部442Aの形成側と異なる一端に形成されている可動連結軸(図示せず)が先端部材444の一端に形成された軸受孔(図示せず)に遊挿されており、先端部材444は、基端部材442の回動に連動して支軸443を中心にして回動する。
第1条の投入部361における投入動作について説明する。第1条の投入部361が投入動作をしていない場合には、図23に示されたように、投入ソレノイド430は、励磁コイルが励磁されておらずプランジャ432がソレノイド本体431から離隔する所定の非作動位置に配置されている非作動状態であり、また、投入フリッカ440は、先端部材444において軸受孔の形成側と異なる一端に形成された尖塔形状の規制部444Bの一部が球通路420の内側に配置され、待機通路421から投入通路422への流入が禁止されている投入禁止状態である。なお、投入フリッカ440は、主制御装置750(図37参照)の主制御基板751(図43参照)からの投入制御信号のオン状態への移行に基づいて励磁コイルに電流が印加されて投入ソレノイド430が作動すると、励磁コイルの励磁に応じて、付勢体433からの付勢力に抗してプランジャ432が上方(ソレノイド本体431側)へ並進移動する。このプランジャ432の移動に基づいて動力伝達部材434も上方へ並進移動し、動力伝達部材434に接続された基端部材442が支軸441を中心に回転(図中においては反時計回りに回転)し、また、基端部材442の回転に基づいて先端部材444が支軸443を中心に基端部材442と反対方向に回転(図中においては時計回りに回転)する。これによって、先端部材444の回転に応じて規制部444Bが球通路420から抜脱される方向に移動する。プランジャ432の並進移動が完了して所定の作動位置に配置されると、図24に示されたように、投入フリッカ440は、先端部材444の規制部444Bが球通路420の外側に配置され、待機通路421から投入通路422への流入が許容されている流入許容状態となる。なお、プランジャ432は流入許容状態において付勢体433から非作動位置に復帰させる方向の付勢力を受けている。流入許容状態においては、待機通路421に配置されていた遊技球が自重によって順次に投入通路422に流入する。
逆に、主制御基板751からの投入制御信号のオフ状態への移行に基づいて励磁コイルへの電流が遮断されて投入ソレノイド430の作動が停止すると、励磁コイルが消磁されて、付勢体433からの付勢力によってプランジャ432が下方へ並進移動する。このプランジャ432の移動に基づいて動力伝達部材434が下方へ並進移動し、基端部材442が支軸441を中心に回転(図中においては時計回りに回転)し、また、基端部材442の回転に基づいて先端部材444が支軸443を中心に基端部材442と反対方向に回転(図中においては反時計回りに回転)する。これによって、先端部材444の回転に応じて規制部444Bが球通路420に挿入される方向に移動する。プランジャ432の並進移動が完了して所定の非作動位置に配置されると、図23に示されたように、投入フリッカ440は、先端部材444の規制部444Bが球通路420の外側に配置された流入禁止状態となる。
通過センサ450は、投入通路322において投入フリッカ440の先端部444Bのすぐ下流側に配置され、投入通路322に流入した遊技球を検出する。通過センサ450は、投入フリッカ440の先端部材442の一部を取り囲む横断面略コ字形状であり、上流側センサ451と上流側センサ451よりも下流側に配設された下流側センサ452とを備えている。上流側センサ451と下流側センサ452とは、遊技球1個分の直径よりも短い所定の間隔を隔てて設けられている。上流側センサ451及び下流側センサ452の各々は、投入フリッカ440よりも前面側又は背面側のいずれか一方側に配設された発光素子(図示せず)と他方側に配設された受光素子(図示せず)とを含んでおり、受光素子における発光素子からの検査光の受光状態の変化で遊技球を検出する。上流側センサ451及び下流側センサ452は、遊技球の検出状態に基づいて検出状態に応じた信号を、投入系信号中継装置368を介して主制御基板751に出力する。
上流側センサ451及び下流側センサ452の双方が遊技球を検出していない状態から、上流側センサ451のみが遊技球を検出している状態、上流側センサ451及び下流側センサ452が同時に遊技球を検出している状態、下流側センサ452のみが遊技球を検知している状態をこの順序経て上流側センサ451及び下流側センサ452の双方が遊技球を検出していない状態に戻る場合であって、それらの状態移行が所定の通過許容時間内に行われたときは、主制御基板751において、上流側センサ451及び下流側センサ452から出力される信号の変化パターンに基づいて1球の遊技球が正常に投入されたと判定される。また、通過センサ450による遊技球の検出に基づいて、主制御装置750の主制御基板751において投入動作を停止させるための投入ソレノイド430の制御が実行される。具体的には、通過センサ450による遊技球の検出に基づいて、正常に投入された遊技球の個数が第1条の投入部361で投入すべき個数よりも1つ少ない状態において上流側センサ451が遊技球を検出した場合に、投入ソレノイド430の作動が停止され、投入フリッカ440が投入禁止状態に移行する。なお、下流側センサ452のみが遊技球を検知した状態から上流側センサ451及び下流側センサ452の双方が同時に遊技球を検知している状態に変化した場合等のように遊技球が正常には投入されなかったと判定された場合には、投入エラーの発生を報知装置群及び音響装置群が報知すると共に遊技進行が停止される。これによって、不正具を用いてあたかも遊技球が投入されたかのようにする不正行為によって遊技が行われることを抑制できる。
カウントセンサ460は、第1条の投入部361〜第3条の投入部363によって投入された遊技球の個数を通過センサ450とは別個に検出し、遊技球の検出状態に基づいて検出状態に応じた信号を、投入系信号中継装置368を介して主制御装置750の主制御基板751に出力する。カウントセンサ460における遊技球の検出に基づいて計数された投入済個数が通過センサ450における遊技球の検出に基づいて正常な投入と判定された遊技球の個数未満である場合には、投入数エラーと判断されることとなり、投入数エラーの発生を報知装置群及び音響装置群が報知すると共に遊技進行が停止される。これにより不正具を用いてあたかも遊技球が投入されたかのようにする不正行為によって遊技が行われることを更に良好に抑制できる。また、カウントセンサ460は、通過センサ450とは異なる作用によって遊技球の通過を検出する。具体的には、通過センサ450は光学センサであるが、カウントセンサ460は磁気センサである。これによって、カウントセンサ460を通過したものが鉄材料であるか否かも判定できることとなり、正規の鉄製の遊技球と異なる安価な樹脂製の遊技球等を投入する不正行為によって遊技が行われることも抑制できる。
ここで、返却操作機構350の操作に基づく投入装置360の返却動作について説明する。図25及び図26は、それぞれ、投入装置の一例を返却状態によって表す横断面図及び縦断面図である。返却操作機構350が操作されていない場合には、図22及び図23に示されたように、返却シャッタ364は基準位置にあり、第1条の投入部361〜第3条の投入部363(図22においては第1条の投入部361のみ図示)において、返却シャッタ364の返却遮断壁部364Aの一部が球通路420の内側に突出し、第1条の投入部361〜第3の投入部363の全てにおいて待機通路421から返却通路423への遊技球の流入が禁止されている。返却操作機構350の操作部材352における返却操作部352Bが返却操作(図中において時計回りの回転操作)されると、付勢体354からの付勢力に抗して操作部材352が支軸351Aを中心にして回転(図中において時計回りの回転)し、操作部材352の回転に基づいて押圧部材353が操作部材352と反対方向に回転(図中において反時計回りの回転)する。押圧部材353の回転に応じて押圧部353Cが返却シャッタ364の被押圧部364Dを押圧し、返却シャッタ364が所定の基準位置から並進移動(図中において下方移動)する。この返却シャッタ364の移動に応じて、第1条の投入部361〜第3条の投入部363において、返却シャッタ364の返却遮断壁364Aが球通路420の外側に移動すると共に返却窓孔364B及び誘導片364Cが球通路420の内側に移動する。これによって、図26に示されたように、返却遮断壁364Aが球通路420の外側に配置されると共に返却窓孔364B及び誘導片364Cが球通路420の内側に配置されて、待機通路421から返却通路423への遊技球の流入が許容され、待機通路421及び上貯留皿320(図11及び図16参照)に貯留されている遊技球が返却通路423を経て下貯留皿330(図11参照)へ移動する。なお、返却スイッチ367は、返却シャッタ364が基準位置から移動を開始した直後に、その移動を検出する。この返却許可状態において返却操作部352Aから手を離すと、操作部材352及び押圧部材353は付勢体からの付勢力に基づいて、また、返却シャッタ364は付勢体367の付勢力に基づいて、図25に示された状態に戻る。
単位遊技開始操作装置370は、図11に示されたように、前面パネル枠310における上貯留皿320の前方側に突出する部分に取着されている。単位遊技開始操作装置370は、前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作されるスタートレバー(入力操作部)371Aと、スタートレバー371Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、スタートレバー371Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含むスタートスイッチ371を備えている。遊技者による単位遊技開始操作装置370の単位遊技開始操作、具体的にはスタートレバー371Aの押圧操作に応じて、主制御装置750(図37参照)の主制御基板751(図43参照)に単位遊技開始指示が入力される。スタートレバー371Aは、遊技者が手を離すと押圧が解除されて、付勢体からの付勢力に基づいて基準位置に自動的に復帰する。この単位遊技開始指示の入力に応じて、各種の役から当選役(ハズレ役を含む)が決定され、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810R(図9参照)による図柄表示の変動が開始されることとなる。
単位遊技開始操作装置370は、更に、スタートスイッチ371が有効に操作できることを報知する発光装置372(図43参照)を備えており、発光装置372は、スタートスイッチ371が有効に操作できる場合に点灯し、一方、スタートスイッチ371が有効に操作できない場合には消灯する。なお、スタートスイッチ371が有効に操作できる場合として、例えば、図柄表示の変動が行われておらず、少なくとも最小規定数以上の遊技球がベットされた場合が挙げられる。ここで、最小規定数とは、単位遊技においてベットできる遊技球の最小数を意味し、通常遊技状態の単位遊技において5球、10球又は15球の遊技球をベット(1ベット、2ベット又は3ベット)できる場合には5球を意味し、特別遊技状態中の単位遊技等において5球の遊技球のみをベットできる場合には5球を意味する。なお、単位遊技においてベットできる個数に選択の幅がない場合には、最小規定数と最大規定数とは同一の値となる。
図柄変動停止操作装置380は、前面ブロック121における上貯留皿320の前方側に突出する部分に配設されている。図柄変動停止操作装置380は、左回胴810Lの回転を停止させるために左回胴停止指示を入力する左回胴停止操作部380Lと、中回胴810M(図9参照)の回転を停止させるために中回胴停止指示を入力する中回胴停止操作部380Mと、右回胴810Rの回転を停止させるために右回胴停止指示を入力する右回胴停止操作部380Rとを備えている。左回胴停止操作部380Lは、上貯留皿320の前面側に突出し遊技者によって操作される左回胴停止ボタン(入力操作部)381Lと、左回胴停止ボタン381Lの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、左回胴停止ボタン381Lを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含む左回胴停止スイッチ384L(図43参照:回胴停止スイッチの一種)を備えている。左回胴停止操作部380Lは、更に、左回胴停止スイッチ381Lが有効に操作できることを報知する発光装置385L(図43参照)を備えている。発光装置385Lは、左回胴停止スイッチ384Lが有効に操作できる場合に点灯しており、左回胴停止スイッチ384Lが有効に操作できる場合に消灯している。左回胴停止スイッチ384Lが有効に操作できる場合としては、前回の単位遊技から所定の時間が経過し、左回胴810Lが定常回転している場合が挙げられる。なお、中回胴停止操作部380Mや右回胴停止操作部380Rが操作中である場合はこの限りではない。左回胴停止操作部380Lの場合と同様に、中回胴停止操作部380Mは、中回胴停止ボタン381M、操作検出器(図示せず)及び付勢体(図示せず)とを含む中回胴停止スイッチ384M(図43参照:回胴停止スイッチの一種)と発光装置385M(図43参照)とを備え、右回胴停止操作部380Rは、右回胴停止ボタン381R、操作検出器(図示せず)及び付勢体(図示せず)とを含む右回胴停止スイッチ384R(図43参照:回胴停止スイッチの一種)と発光装置385R(図43参照)とを備えている。
遊技者による左回胴停止スイッチ384Lへの停止入力操作、具体的には、左回胴停止ボタン381Lの押圧操作に応じて、左回胴810Lの回転が停止することとなる。なお、遊技者が左回胴停止ボタン381Lから手を離す等によって押圧操作が解除されると、左回胴停止ボタン381Lは自動的に所定の基準位置に復帰して、次回の押圧操作を受け付ける状態となる。同様に、中回胴停止スイッチ384M及び右回胴停止スイッチ384Rへの停止入力操作への停止入力操作に応じて、それぞれ、中回胴810M及び右回胴810Rの回転が停止することとなる。したがって、左回胴停止スイッチ384L、中回胴停止スイッチ384M又は右回胴停止スイッチ384Rが操作されるごとに左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rによる図柄表示の変動が部分的に停止され、左回胴停止スイッチ384L、中回胴停止スイッチ384M及び右回胴停止スイッチ384Rの全てが操作された場合にその図柄表示の変動が完全に停止する。
音響装置群を構成する下音響装置311、右上音響装置312及び左上音響装置313の各々は、エラー報知や遊技進行に伴う演出等において単純機械音や音声や音楽を出力する。下音響装置311は、図13及び図14に示されたように、基枠300に取着されたスピーカ311Aと、前面パネル枠310に形成され多数の音響出力口が形成され、スピーカの前面を覆うスピーカカバー部311Aとを備えている。右上音響装置312及び左上音響装置313の各々は、前面パネル枠310に固着されたスピーカ312A,313A(図14のみ)とスピーカカバー部312B,313B(図13のみ)とを備えている。
枠発光装置群を構成する上発光装置314、右発光装置315及び左発光装置316の各々は、図13及び図14に示されたように、前面パネル枠310に固着された発光ダイオード(LED)等の発光素子(図示せず)が搭載された回路基板314A,315A,316A(図14のみ)と、前面パネル枠310に固着された発光素子カバー314B,315B,316Bとを備えている。上発光装置314、右発光装置315及び左発光装置316の各々は、エラー報知や遊技進行に伴う演出等において、点灯したり、消灯したり、点滅したりする。
(払出ブロックの構成)
払出ブロック122について説明する。図27及び図28は、払出ブロックの一例を表す前面側及び背面側の斜視図であり、図29は、払出ブロックの一例を表す部分分解斜視図である。また、図30及び図31は、払出ブロックの一例を表す正面図及び背面図である。なお、図31においては、一部の部材を取り除いた状態が示されている。
払出ブロック122は、図27〜図30に示されたように、払出ブロック122に配置される各種の装置等を固定する基体になる払出ブロック基体500と、払出ブロック基体500に取着され、遊技機固定設備(図示せず)から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側において払出ブロック基体500に取着され、積層貯留されている遊技球を4条に整流させると共に1段に整列させるタンクレール520と、タンクレール520の下流側において払出ブロック基体500に取着され、タンクレール520から流入した遊技球を誘導するケースレール530と、ケースレール530の下流側において払出ブロック基体500に取着され、遊技進行に伴う入賞に基づく遊技球の払い出しや球貸出要求に基づいて遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出ブロック基体500に取着され、払出装置540から流出した遊技球を払出ブロック基体500に形成された所定の各種の誘導通路に誘導する誘導部材550と、払出ブロック基体500に取着され、遊技機の内部電源を制御する電源制御装置570と、電源制御装置570に積層され、遊技球の払出動作を制御する払出制御装置580と、球式回胴遊技機100をCRユニット(図示せず)に接続するためのCRユニット接続装置590とを備えている。なお、上述のように、払出ブロック122の一部としての払出ブロック基体500には、払出ブロック122(図9及び図10参照)を前面ブロック121(図9及び図10参照)に対して回動自在に支持固定する一対のブロック支持機構124(図9及び図10参照)の図28に示された払出ブロック側支持部材212と、払出ブロック122(図9及び図10参照)を前面ブロック121(図9及び図10参照)に対して施錠する払出ブロック施錠機構125の図27に示された一対の払出ブロック側施錠部材231と、払出ブロック122に対して遊技ブロック123を固定すると一対の遊技ブロック固定機構126(図10参照)の図27に示された払出ブロック側固定部材241と、払出ブロック122から前面ブロック121への遊技球の移動を規制するブロック間遊技球移動規制機構127(図10参照)の図30に示された上皿側球止め機構251及び下皿側球止め機構252と、前面ブロック121に対する払出ブロック122の自動開放を制限する自動開放制限機構128(図47参照)の図30に示された係合丘部271及び陥没部272とが設けられている。
払出ブロック基体500には、その中央に背面側へ張り出して遊技ブロック123(図37及び図38参照)を被包する保護カバー部501が形成され、保護カバー部501の上部及び一側部を取り囲むように、遊技球タンク510、タンクレール520、ケースレール530、払出装置540、CRユニット接続装置590、払出制御装置560及び電源制御装置550が配設されている。また、払出ブロック基体500には、図31に示されたように、払出装置540から流出した遊技球を上貯留皿320(図11参照)へ案内する上皿誘導通路502と、払出装置540から遊技球を下貯留皿330(図11参照)へ案内する下皿誘導通路503と、遊技球を球式回胴遊技機100の外部へ排出する排出通路504が形成されている。上皿誘導通路502の流入口502Aから流入した遊技球は、上皿用流出口502B(図30参照)から流出して上貯留皿320の流入口320A(図12参照)に流入する。また、下皿誘導通路503の流入口503Aから流入した遊技球は、下皿用流出口503B(図30参照)から流出して下貯留皿330の流入口331A(図12参照)に流入する。
下皿誘導通路503には、球溢れ検出スイッチ509が設けられている。図32は、球溢れ検出スイッチの近傍の一例を表す背面図であって、図32(A)が正常状態を表し、図32(B)が球溢れ状態を表している。球溢れ検出スイッチ509は、図32(A)及び図32(B)に示されたように、作動部509Aと作動検出部509Bとを備えている。図32(A)に示された正常状態から下貯留皿330へ遊技球が流入して下貯留皿330(図11参照)が満杯となり、下皿誘導通路503における遊技球の貯留数が増加すると作動部509Aが作動検出部509Bの方向に押圧される。この押圧が所定の圧力を超えると、図32(B)に示されたように、作動検出部509Bが作動部509Aの移動を検出し、球溢れ検出スイッチ509がオン状態となる。そのオン状態が所定の時間にわたり継続した場合には球溢れエラーと判断され、払出装置540(図28参照)による払い出しの実行が一時中止されることとなる。一方、下貯留皿330の操作レバー333(図11参照)が操作されて下貯留皿330に貯留されている遊技球が減少すると、作動部509Aへの押圧力が低下し、その押圧力が所定の圧力を下回ると球溢れ検出スイッチ509がオフ状態となる。そのオフ状態が所定の時間にわたり継続した場合には球溢れエラーが解除され、払出装置540(図28参照)による払い出しの実行が再開されることとなる。
遊技球タンク510は、図27〜図30に示されたように、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端から遊技機固定設備の球循環装置から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端の底面には開口510Aが形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口510A側に自重によって移動する。また、長手方向と直交する方向(前後方向)に対して更に穏やかに傾斜し、前方側(払出ブロック基体500への取り付け面側)に優位に遊技球を誘導する。球循環装置(図示せず)は、遊技球を遊技球タンク510の前方側の端部近傍における上方から供給し、遊技球タンク510が満杯になると自動的に停止する構成であることが一般的であるために、遊技球タンク510において遊技球を前方側に優位に誘導することによって、前後方向に傾斜を持たせない場合と比較的して遊技球タンク510に多少の余裕がある状態で球循環装置からの遊技球の供給が停止させることができ、後述するタンクレール520における遊技球の整流整列における球詰まりの発生が抑制される。また、遊技球タンク510には、球循環装置から遊技球の供給される一端から中央近傍にかけて少なくとも底部を覆う帯電防止板511が取着されており、帯電防止板511は接地電位に接続されている。球循環装置から供給される遊技球は、遊技球の磨きやその搬送過程において静電気を帯び易く、また、一般的な球式回胴遊技機においては、遊技球の循環サイクルが弾球遊技機に比べて早いために静電気が蓄積され易いが、帯電防止板511を設けた場合には、帯電した遊技球が供給されたとしても最前段で静電気を除去できる。これによって、球式回胴遊技機100に静電気が蓄積されて、その蓄積された静電気が遊技者に放出されたり、その静電気によって各種の制御装置が誤作動したりすることを防止できる。
タンクレール520は、図28、図29及び図31に示されたように、遊技球タンク510の下方に取り付けられ、タンクレール520には遊技球タンク510の開口510Aを通して遊技球が流入する。タンクレール520は、仕切り片(図示せず)によって仕切られた4列(4条)の樋状通路(図示せず)を形成する桶状部材521と、桶状部材511に軸止された固定軸522と、固定軸512に回動自在に軸支され球詰まりを防止させながら4条に整流させると共に1段に整列させる一対の整流部材523と、整列した遊技球を誘導する誘導部材524と、タンクレール520からケースレール530への遊技球の流下を規制する流下規制機構525とを備えている。各樋状通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510から流入した側と長手方向の反対側へ遊技球を誘導する。整流部材523は固定軸522を中心軸として遊技球との接触によって振り子のように動作する。誘導部材524には4条の流出口(図示せず)形成されており、その流出口から遊技球が流出することを流下規制機構525の操作部525Aの操作によって禁止したり許容したりできる。
ケースレール530は、保護カバー部501の一側面部に沿うように縦向きに配置されており、タンクレール520から遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって前後左右に湾曲する4条の球通路530A(図31参照)が形成されている。また、球通路530Aの上流側には、球切れ検出スイッチ531が取着されている。球切れ検出スイッチ531は、ケースレール530の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール530よりも上流側で球詰りが発生してケースレール530に遊技球が補給されていない場合や次回の払出において最大個数の払出が完了できない場合を検出する。ここで、球切れ検出スイッチ531について詳細に説明する。図33(A)及び図33(B)は、球切れ検出スイッチの近傍の一例を表す縦断面図であって、図33(A)が球有り状態を表し、図33(B)が球無し状態を表している。
球切れ検出スイッチ531は、図33(A)に示されたように、ケースレールに軸止された支軸532と、支軸532に回動自在に軸支された作動片533と、作動片533の作動を検出する検出部534とで構成される。作動片533には、支軸532から半径方向下方に延びてケースレール530内の球通路530Aを閉鎖可能な板状の揺動部533Aと、支軸532よりも上方でかつ支軸532よりも一方側に偏った偏心部533Bと、偏心部533Bから一方側に突出し検出部534を感応させる感応部533Cが形成されている。検出部534は、作動片533の一方側に設置され、作動片533の回転に応じた感応部533Cの移動を検出する。
図33(A)に示されたようにケースレール530内に十分に遊技球が補給されている場合は、揺動部533Aが遊技球によって押されてほぼ鉛直下向きになり、球通路530Aの側壁となる。この場合には、感応部533Cが検出部534から離間しており、検出部534によって感応部533Cは検出されない。一方、ケースレール530の上流側で球詰りが発生している場合等、ケースレール530に遊技球が補給されない場合には、図33(B)に示されたように、ケースレール530内の遊技球が不足する。この場合、偏心部533Bと感応部533Cの自重で作動片533が回転し、揺動部533Aにて球通路530Aが閉鎖される。このとき、感応部533Cが検出部534にて検出される。この球切れ検出スイッチ530の検出結果に基づき、所定の時間にわたり球無し状態が継続したと判断された場合には球切れエラーが発光装置群によって報知される。一方、ケースレール530の上流側での球詰りが解消されると、遊技球がケースレール530に流れ込み揺動部533Aが押圧されて、検出部534によって感応部533Cが検出されない正常な状態に戻る。この球切れ検出スイッチ530の検出結果に基づき、所定の時間にわたり球有り状態が継続したと判断された場合には球切れエラーの報知が停止される。
払出装置540は、図28、図29及び図31に示されたように、所定の入賞条件を満たすこと又はCRユニット(図示せず)にカード(図示せず)を挿入した状態で球貸出ボタン(図8参照)を押すことで、遊技球の貸し出しを実行する。本実施形態では、一般的な弾球遊技機の最大の獲得球数が15球であるのに対し、球式回胴遊技機100の最大の獲得球数は75球であり、弾球遊技機に比べて球式回胴遊技機100の最大の獲得球数が多いという観点から、弾球遊技機よりも多数条で協同して払出しを実行し、払出球や貸出球の払い出しを迅速に行えるようにしている。つまり、弾球遊技機は2つの払出系統(2条)の払出装置を1つ備えていれば遊技を迅速に進行できたが、球式回胴遊技機100の場合は獲得球数が多くかつ賞球が全て払い出されなければ次の単位遊技を開始できないという制約があるので、遊技を遅滞なく進行できるように、本実施形態では、4つの払出系統(4条)で協同して払い出しを行うことによって払出球の払い出しの迅速化を図っている。
払出装置540は、図29に示されたように、第1払出装置541と、第2払出装置542と、第1払出装置541の背面側を覆うカバー543とを備えている。第1払出装置541及び第2払出装置542の各々は、2つの払出系統で払い出しを実行する。ここで、第1払出装置541及び第2払出装置542について説明する。なお、第1払出装置541及び第2払出装置542とは同一の構成であるために、以下においては、第1払出装置541についてのみ詳細に説明する。図34は、第1払出装置の構成の一例を表す部分分解図である。第1払出装置541は、第1ケーシング611と第2ケーシング612とカバー613とで構成される筐体を備え、第1ケーシング611がカバー613で被覆されること及び第2ケーシング612が第1ケーシング611で被覆されることによって、それぞれ、第1払出系統及び第2払出系統に遊技球の通過する球通路620が形成される。なお、第1ケーシング611は、第2ケーシング612に対してカバー613と同様の役割も担っている。球通路620は、ケースレール530の球通路530Aに連通する流入口近傍において曲折した待機通路621と、待機通路621より下流側の略直線な払出通路622と、払出通路622の途中で払出通路622から分岐する排出通路623とで構成されている。また、第1ケーシング611、第2ケーシング612及びカバー613の一側面には、払出制御基板581(図43参照)との間の各種の信号の送受信を行う払出系信号中継装置691が配設されている。
第1ケーシング611及び第2ケーシング612の各々には、待機通路621から払出通路622への遊技球の自重による移動を規制する支軸641及び支軸642によって軸支された払出フリッカ640と、払出フリッカ640の規制状態を変化させる払出ソレノイド630とが配設されている。なお、支軸641及び支軸642は2つの払出系統で共用されている。また、第1払出装置541は、待機通路621より上流側に貯留されている遊技球を排出通路623に強制的に誘導して、球式回動遊技機100の外部に排出させる球抜き機構680を備えている。球抜き機構680は、固定軸681と、固定軸681に軸支された操作レバー682と、払出通路622に進入した遊技球を払出通路622と排出通路623との分岐点において遊技球の流下経路を切り替える切換部684Aを2つの払出系統に対応して一対で含み2つの払出系統で共通な切換部材684と、払出ソレノイド630を強制的に機構的に作動させる押圧部683Dを2つの払出系統に対応して一対で含み2つの払出系統で共通な押圧部材683とで構成されている。また、第1払出装置541は、払出通路622に流入した遊技球を検出する払出カウントスイッチ671を2つの払出系統に対応して一対で含み2つの払出系統で共通な払出数計数装置670を備えている。
第1払出装置541の各払出系統の詳細な構成及びその動作について説明する。なお、払出装置540における各払出系統の構成は実質的に同一であるために一方の払出系統について説明し、他の払出系統については説明を省略する。図35(A)〜図35(C)は第1払出装置の構成の一例を示す縦断面図である。図35(A)が払出待機状態である場合、図35(B)が払出状態である場合、図35(C)が排出状態である場合を表している。
第1払出装置541の払出系統は、図35(A)に示されたように、第1ケーシング611とカバー613(図31参照)からなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、払出フリッカ640と、払出ソレノイド630と、切換部材684の切換部684Aとを備えている。第1ケーシング611の内部には、待機通路621と、待機通路621の下流側でほぼ鉛直下向きに延びる払出通路622と、払出通路622の途中から分岐して斜め下方へ延びる排出通路623とが形成されている。切換部684Aは、払出通路622から排出通路623への分岐部に配設されている。通常は、切換部684Aは略鉛直上向きに維持されているために、遊技球は排出通路623には流入しない。
払出フリッカ640は、待機通路621から払出通路622への遊技球の流入を規制する。払出フリッカ640は、基端部材644と先端部材643とを備え、基端部材644に形成された可動連結軸644Cが先端部材643に形成された軸受孔(図示せず)に挿通されていることによって、基端部材644と先端部材643とが連結されている。払出フリッカ640の基端部材644及び先端部材643は、それぞれ、第1ケーシング611の支軸641及び支軸642によって回動自在に支持されている。払出フリッカ640の基端部材644には、払出ソレノイド630の舌片634Bを把持する把持部644Bが設けられている。また、払出フリッカ640の先端部材643には、待機通路621と払出通路622との境界部分に突出可能な開閉部643Bが設けられている。
払出ソレノイド630は、所定の入賞条件を満たすことにより、或いは図示しないCRユニット(図示せず)にカード(図示せず)を挿入した状態における球貸出操作装置390(図11及び図43参照)への貸出操作により通電されて作動し、プランジャ632を上方へ縮まらせるものである。プランジャ632の先端には、プランジャ632の一側面から外方向に延びる舌片634Bの形成されたつまみ部材634が装着されている。また、プランジャ632の周縁には、コイルバネ633(付勢体の一種)が外装されている。コイルバネ633は、励磁コイル(図示せず)を含む払出ソレノイド630の本体部分631とつまみ部材634とを離間させる方向に付勢している。つまり、払出ソレノイド630への通電を切ったときには、プランジャ632は、コイルバネ633の付勢力により下方へ移動する。
待機通路621と払出通路622との境界部分に払出フリッカ640の開閉部643Bが図35(A)に示されたように突出し、待機通路621から払出通路622への遊技球の流入が禁止された通過禁止状態において、所定の入賞条件が成立したり、度数表示部391(図11参照)に残度数がある状態で球貸出操作装置390の貸出操作がなされると、払出ソレノイド630の励磁コイルに通電される。この通電に応じて、図35(B)に示すように、プランジャ632が本体部分631に引き寄せられて払出フリッカ640の基端部材44が図示上反時計回りに回転し、これに連動して払出フリッカ640の先端部材643は図示上時計回りに回転する。これによって、先端部材643の開閉部643Bが待機通路621と払出通路622との境界部分からそれらの球通路620(図34も参照)の外側に移動し、待機通路621から払出通路622への遊技球の流入が許可された通過許可状態に移行する。通過許可状態に移行すると、遊技球は、自重によって自然落下する。逆に、図35(B)に示された払出フリッカ640の通過許可状態において、払出ソレノイド630の通電が遮断されると、コイルバネ633の付勢力によりプランジャ632が本体部分631から引き離されて払出フリッカ640の基端部材644が図示上時計回りに回転し、これに連動して払出フリッカ640の先端部材643は図示上反時計回りに回転する。これによって、先端部材643の開閉部643Bが待機通路621と払出通路622との境界部分の球通路620の内側に移動し、図35(A)に示された通過禁止状態に戻る。
また、払出ソレノイド630の下方には、押圧部材683(図34も参照)の略L字形状の押圧部683Dが配置されている。押圧部683Dは、支軸部683Cを中心にして回動し、つまみ部材634を上方へ押圧したり押圧を解除したりする。第1ケーシング611の外部には、略扇形状の操作レバー682(図34参照)が配設されている。操作レバー682は回転軸681を中心に回動可能である。操作レバー682には、切換部684Aの中間に設けられた突起部684Cと、押圧部材683の基端部683Aに設けられた突起部683Bとが連結されている。つまり、操作レバー682を操作すると、操作レバー682の回動に連動して、切換部684Aと押圧部683Dが回動する。
図35(A)に示された通過禁止状態から、操作レバー682を図示上反時計回りに操作すると、図35(C)に示されたように、その操作に連動して切換部684Aが図示上反時計回りに回転し、その回転に応じて払出通路622が遮断されて排出通路623への遊技球の流入が許可され、また、その操作に連動して押圧部683Dが回転しその回転によって払出ソレノイド630のつまみ部材634が押し上げられ、払出フリッカ640が通過許可状態となる。これによって、待機通路621から排出通路623への遊技球の流入が許可される。なお、タンクレール520(図28参照)に設けた操作部525Aの操作によって遊技球が流れるのを阻止しつつ操作レバー682を上記の如く操作すると、流下規制機構525から下流側に貯留されていた全ての遊技球を球式回胴遊技機100の外部に排出できる。また、払出装置540(図28参照)やケースレール530(図28参照)が故障した場合には、払出装置540やケースレール530を簡便に取り替えることもできる。
また、横断面略コ字形状の払出カウントスイッチ671が装着されており、払出カウントスイッチ671は、払出フリッカ640の開閉部643Bのすぐ下流側に配置され、払出通路622を流下する遊技球を検出する。払出カウントスイッチ671による遊技球の検出に基づいて払い出した遊技球の個数が計数されることとなる。
誘導部材550は、図29に示されたように、払出装置540の下方に配設されており、各払出装置540に1つずつ対応付けられた2条の払出球通路551と、各払出装置540に1つずつ対応付けられた2条の排出球通路552とを形成する。2条の払出球通路551は、図31に示されたように、上流端において所定の払出通路622に連通し、下流端において上皿誘導通路502及び下皿誘導通路503に一括して連通されている。2条の払出球通路551の各々は、その下流部において上皿誘導通路502及び下皿誘導通路503を跨ぐように下流側に向けて先太りするテーパ形状となっており、その上流部において上皿誘導通路502側にやや傾いている。払出球通路551に流入した遊技球は、上皿誘導通路502又は下皿誘導通路503に流出するが、上流部が上皿誘導通路502側にやや傾いていることによって、下皿誘導通路503よりも上皿誘導通路502に優位に流出する。また、2条の排出球通路552は、上流端において所定の排出通路623に連通し、下流側において合流して1条の排出球通路となり、その下流端において排出誘導通路504に連通されている。
電源制御装置570は、図29に示されたように、外部電力に基づいて所定の電源電圧の電力を各種制御装置や各種の駆動装置や各種のスイッチに供給する。電源制御装置570は、電源制御基板571(図43参照)と、電源制御基板571を収納する収納部材572及び収納部材572と係合して電源制御基板571を封止する蓋部材573からなる2つ割りの基板ケースとを含んでいる。電源制御基板571には、電源回路571A(図43参照)と、電源スイッチ571B、リセットスイッチ571C、打止切換スイッチ571D及び設定変更スイッチ571E(図36参照)及び電源回路571Aから出力される電力の電圧を監視する停電監視回路571F(図43参照)が設けられている。電源制御装置570の蓋部材573には係合爪部573A(図30参照)が形成され、また、払出ブロック基体500には電源制御装置570の係合爪部573Aが挿通される貫通孔507Aと、貫通孔507Aの一部に突出し、係合爪部573Aと係合する係合爪部507Bが形成されており、払出ブロック基体500に対して電源制御装置570を対向方向に移動させて払出ブロック基体500の貫通孔507Aに電源制御装置570の係合爪部573Aを挿入し、その後、払出ブロック基体500に対して電源制御装置570を並進移動(スライド)させて払出ブロック基体500の係合爪部507Bに電源制御装置570の係合爪部573Aを係合させることによって、電源制御装置570が払出ブロック基体500に装着される。
電源スイッチ571Bは、外部電力を電源回路571Aに取り込むか否かを決定するスイッチであり、電源スイッチ571Bがオン状態である場合には、外部電力が取り込まれて各種制御装置や各種の駆動装置や各種のスイッチに電力が供給される。リセットスイッチ571Cは主制御基板751のRAM751C(図43参照)や払出制御基板581のRAM581C(図43参照)に保存されている情報を消去するか否かを決定するスイッチであり、リセットスイッチ571Cが操作(押下)された状態で電源スイッチ571Bがオフ状態からオン状態に移行されるとRAM751C及びRAM581C等の全情報がリセットされて球式回胴遊技機100が初期化され、電源スイッチ571Bがオン状態であり遊技状態がエラー状態である場合にリセットスイッチ571Cが操作(押下)されるとRAM751C及びRAM581Cのエラーに関連する情報がリセットされてエラー状態が解除される。打止切換スイッチ571Dは、ビッグボーナスの終了毎に遊技進行を一時停止するか否かを設定するスイッチである。設定変更スイッチ571Eは、ボーナス役の当選確率等の各種の抽選確率を決定する確率設定を変更するキースイッチである。球式回胴遊技機100において出球率等の異なる確率設定が予め複数段階(例えば6段階)に定められており、そのいずれかの段階が確率設定として設定されている。確率設定の変更の手順は次の通りである。まず、電源スイッチ571Bがオフ状態である場合に、設定変更スイッチ571Eに所定の設定キー(図示せず)を挿入して時計回りに90度回転させる。なお、このとき設定キーから手を離しても現状が維持される。この状態で、電源スイッチ571Bをオン状態に移行させると、遊技ブロック123の前面側に設けられた遊技状態表示装置734(図37参照)に現在の確率設定(例えば、数値「1」〜「6」)が表示される。この状態で、リセットスイッチ571Cを操作すると、その操作毎に変更後の確率設定の候補が遊技状態表示装置734に循環的に表示される(例えば、操作毎に表示される数値が変化して1ずつ増加し、「6」の場合には「1」に戻る)。変更後の確率設定の候補として所望の確率設定が遊技状態表示装置734に表示されている状態で単位遊技開始操作装置370(図11参照)を操作(スタートレバー370Aを押下)すると、確率設定の候補が遊技状態表示装置734に表示されている確率設定に確定される。その後、設定キーを反時計回りに90度回転させると、遊技状態表示装置734における確率設定の候補の表示が消え、確率設定が上記で候補として確定された確率設定に変更される。停電監視回路571Fは、電源回路571Aから出力される電力の電圧を監視しており、電源スイッチ571Bのオフ状態への移行や不測の外部電力の遮断や不測の電圧変動によって所定の許容範囲の電圧未満となったか否かを検出する。その状態が所定の時間だけ継続した場合には、停電状態の発生と判断して、球式回胴遊技機100が停止されることとなる。
払出制御装置580は、主制御装置750(図37参照)の主制御基板751(図43参照)からの指示に基づいて払出装置540による遊技球の払い出しや貸し出しを制御する。払出制御装置580は、払出制御基板581(図43参照)と、払出制御基板581を収納する収納部材582及び収納部材582と係合して払出制御基板581を封止する蓋部材583からなり、収納部材582及び蓋部材583が開封の痕跡を残さずには開封できないように連結された2つ割りの基板ケースとを含んでいる。払出制御基板581は、図43に示されたように、制御の中枢をなすCPU581A、制御プログラムや制御プログラムで参照される固定データを記憶するROM581B及び制御プログラムの実行において参照される可変データ等を記憶するRAM581Cを1チップ化したMPUや外部に出力する信号及び外部から入力される信号の入出力を制御する各種の入出力ポート581D等を含んでいる。払出制御装置580の蓋部材583には係合爪部583Aが形成され、また、電源制御装置570の収納部材572には払出制御装置580の係合爪部583Aと係合する係合爪部572Aが形成されており、電源制御装置570に対して払出制御装置580を並進移動(スライド)させて電源制御装置570の係合爪部582Aに払出制御装置580の係合爪部583Aを係合させることによって、払出制御装置580が電源制御装置570に装着される。
CRユニット接続装置590は、球式回胴遊技機100の前面の球貸出操作部392(図11参照)及びCRユニット(図示せず)に電気的に接続され、遊技者による貸出操作を検知してCRユニットに信号を出力したり、その出力に応じたCRユニットからの信号を払出制御基板581に伝達したりする。なお、CRユニットを介さずに外部球貸装置等から上貯留皿320(図11参照)に遊技球が直接に貸し出される場合には、CRユニット接続装置590は不要である。
払出ブロック122は、更に、払出ブロック基体500に枢設されたスペーサ部材560を備えている。ここで、スペーサ部材560について詳細に説明する。図36(A)及び図36(B)は、スペーサ部材の近傍の一例を表す部分斜視図である。図36(A)にはスペーサ部材560が払出ブロック基体500に対して閉鎖された状態が示され、図36(A)にはスペーサ部材560が払出ブロック基体500に対して開放された状態が示されている。スペーサ部材560は、図36(A)及び図36(B)に示されたように、上下方向に延びる回転軸を中心として回動する。払出ブロック基体500には、貫通孔508A及び貫通孔508Bが形成されており、スペーサ部材560には、払出ブロック基体500の前面側に配置され、払出ブロック122と前面ブロック121との隙間を埋めるスペーサ部561と、スペーサ部561から後方側に突出して貫通孔508Aに挿通される操作阻止部562と、貫通孔508Aに挿通されて係合する係合爪部563とが形成されている。図36(A)に示されたようなスペーサ部材560が払出ブロック基体500に対して閉鎖された状態において、操作阻止部562の一部は、貫通孔508Aを貫通して払出ブロック基体500の背面側に突出して、設定変更スイッチ571Eの設定キー(図示せず)の挿入側の前方において設定変更スイッチ571Eの全体を覆い、電源制御装置570の取り外し方向の前方において電源制御装置570の一部を覆い、かつ、払出制御装置580の取り外し方向の前方において払出制御装置580の一部を覆っている。また、係合爪部563は、その一部が貫通孔508Bを貫通して払出ブロック基体500の背面側に突出し、貫通孔508Bとの係合によって払出ブロック基体500に対するスペーサ部材560の回転を阻止している。設定変更スイッチ571Eを操作する場合や、電源制御装置570及び払出制御装置580を一括して取り外す場合や、払出制御装置580を個別に取り外す場合には、図36(B)に示されたように、係合爪部563を貫通孔508Bから離脱させて払出ブロック122に対してスペーサ部材560を回転させなければならない。これによって、前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉鎖状態のみならず、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放状態であっても払出ブロック122に対するスペーサ部材560の閉鎖状態において、設定変更スイッチ571が操作されることや、電源制御装置570及び払出制御装置580が取り外し操作されることが防止できる。また、スペーサ部561が払出ブロック122と前面ブロック121との隙間を埋める構成であるために、前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉鎖状態において係合爪部563を貫通孔508Bから離脱させたとしても、設定変更スイッチ571Eが操作できるようになったり、電源制御装置570及び払出制御装置580が取り外し操作できるようになったりする程には、払出ブロック122に対してスペーサ部材560を回転させることはできない。更に、設定変更スイッチ571Eが操作できたり、電源制御装置570及び払出制御装置580が取り外し操作できたりする程度に回転させるためには、前面ブロック121(遊技機本体120)を外枠110に対して大きく開放し、かつ、払出ブロック122を前面ブロック121に大して大きく開放しなければならない。したがって、不正行為の目的で設定変更スイッチ571、電源制御装置570及び払出制御装置580に操作を加えようとしても目立つこととなる。
(遊技ブロックの構成)
遊技ブロック123について説明する。図37及び図38はそれぞれ遊技ブロックの一例を表す正面側及び背面側の斜視図であり、図39は遊技ブロックの一例を表す部分分解斜視図であり、図40は遊技ブロックの一例を表す背面図である。遊技ブロック123は、図37〜図40に示されたように、前面ブロック121の遊技領域透視パネル301(図11参照)を介して視認される。遊技ブロック123は、窓孔700A及び窓孔700Bが形成されている遊技ブロック基体700と、窓孔700Aに対応して遊技ブロック基体700の背面側から取着され、窓孔700Aを通して一部が視認される回胴ユニット710と、窓孔700Bに対応して遊技ブロック基体700に背面側から取着され、窓孔700Bを通して表示画面が視認される液晶表示装置720と、液晶表示装置720の左方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された可動演出装置731と、可動演出装置731の下方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された演出発光装置732、液晶表示装置720及び回胴ユニット710の右方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された演出発光装置733と、演出発光装置733の下方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された遊技状態表示装置734と、回胴ユニット710の一側方において遊技ブロック基体700の背面側に取着された主取付台740と、主取付台740に配設された主制御装置750と、液晶表示装置720の後方に位置し、遊技ブロック基体700の背面側に取着された副取付台760と、副取付台760に配設された副制御装置770とを備えている。なお、上述のように、遊技ブロック123の一部としての遊技ブロック基体700には、図40に示されたように遊技ブロック123(図9及び図10参照)を前面ブロック121(図9及び図10参照)に対して回動自在に支持固定する一対のブロック支持機構124(図9及び図10参照)を構成する遊技ブロック側支持部材212と、図38及び図40に示されたように遊技ブロック123を払出ブロック122に対して固定すると一対の遊技ブロック固定機構126(図10参照)を構成する遊技ブロック側固定機構242とが設けられている。
回胴ユニット710は、左回胴810Lと、中回胴810Mと、右回胴810Rとを備えている。左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの各々の表面には複数種類の図柄が描かれており、単位遊技の開始時に左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが所定の方向に回転することによって図柄表示が変動し、その後、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが停止することによって遊技結果を表す図柄表示が確定される。遊技ブロック基体700の窓孔700Aからは、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rにそれぞれ貼着される左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812L(図41及び図42参照)の各々の図柄のうちそれぞれ3図柄の全体が窓孔700Aから視認できる。
液晶表示装置720は、通常遊技中の小役当選の報知演出や遊技状態が通常遊技状態からボーナス状態に遷移することを示唆するための示唆演出、ビッグボーナス又はレギュラーボーナス中の演出、ボーナス中の小役ゲーム数やJACゲーム数の表示、特定の遊技状態(例えば、リプレイが当選しやすいRT状態)であることを報知する演出、左回胴停止操作部380L、中回胴停止操作部380M及び右回胴停止操作部380R(図11参照)の操作タイミングや操作順序を報知する演出などを行う。
回胴ユニット710について詳細に説明する。図41は、回胴ユニットの一例の部分解斜視図である。回胴ユニット710は、図41に示されたように、左回胴810Lと、中回胴810Mと、右回胴810Rと、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rを固定する上枠部材801、下枠部材802、左枠部材803及び背枠部材804からなる回胴ユニット枠と、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの駆動を制御するモータドライバ809とを備えている。左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rは、実質的に同一の構成であるために、以下において、右回胴810Rを例に挙げて説明する。なお、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの内部構造について互いの回胴を特に識別する必要がある場合には参照符号の末尾にそれぞれL、M及びRの接尾辞を付加して識別することとする。
右回胴810Rは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材811と、円筒骨格部材811の外周面に貼着され、21個の図柄(識別要素)が等間隔で描かれた図柄シール812(図42も参照)と、円筒骨格部材811を回転させるステッピングモータ813と、円筒骨格部材811とステッピングモータ813の回転軸813Aとを連結する円盤状の連結板814と、上枠部材801及び下枠部材802とに接続され、回胴ユニット枠にステッピングモータ813を固定するモータプレート815と、円筒骨格部材811の5つの車輻811Aのうちの1つに配設され、回転軸方向に突出するセンサカット板816と、モータプレート815に取着され、センサカット板816の通過を検出する回胴位置検出センサ817とを備えている。
ステッピングモータ814は、504パルスの駆動信号(励磁信号又は励磁パルスとも称される)により右回胴810Rが1周するように設定されており、この励磁パルスによって回転位置が制御される。すなわち、右回胴810Rが1周すると21図柄が順々に遊技ブロック基体700の窓孔700Aから露出するため、ある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、回胴位置検出センサ817がセンサカット板816の通過を検出したことを表す信号の受信の時点からのパルス数により、どの図柄が窓孔700Aを通して表示されているかを認識したり、所望の図柄が窓孔700Aを通して表示されるように停止制御を行ったりできる。ステッピングモータ814として、本形態においては、1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。なお、ステッピングモータ814はハイブリッド型や2相に限らず、3相のステッピングモータや5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。ステッピングモータ814に対する駆動信号(駆動信号用データ)は、励磁データとしてモータドライバ809に与えられる。
回胴位置検出センサ817は発光素子と受光素子とが一対となったフォトセンサであり、発光素子と受光素子とは所定の間隔を隔てて配置されている。センサカット板816は、右回胴810Rの回転に伴って1回転毎に回胴位置検出センサ817の発光素子と受光素子との間隙を通過する。したがって、右回胴810Rが1回転するごとにセンサカット板816の通過が回胴位置検出センサ817によって検出され、検出状態に応じた信号が出力される。主制御装置750の主制御基板751はこの検出信号に基づいて右回胴810Rの角度位置を1回転ごとに確認し、ズレが発生している場合には主制御基板751における回転情報が補正される。
ここで、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの図柄シール812L、812M及び812Rの各々に描かれる図柄について説明する。図42は、図柄シールを表す展開図であり、図42(A)が左回胴の図柄シールの一例を表し、図42(B)が中回胴の図柄シールを表し、図42(C)が右回胴の図柄シールを表している。図42(A)〜図42(C)に示されたように、左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々には、「7」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第19番目の図柄)と、「青年」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第14番目の図柄)と、「BAR」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第17番目の図柄)と、「リプレイ」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第20番目の図柄)と、「スイカ」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第12番目の図柄)と、「ベル」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第18番目の図柄)と、「チェリー」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第16番目の図柄)とを含んでいる。左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々において、図柄の種類ごとの数や図柄の配列等は異ならせている。本形態では、左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々には、全種類の図柄が含まれている場合を例示したが、本発明においては、各図柄シールには必ずしも全種類の図柄が含まれていなくてもよい。また、本形態においては、左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々における図柄数が21個である場合を例示したが、本発明においては、図柄数は20個以下であってもよいし、22個以上であってもよい。
本形態では、「7」図柄(ビッグボーナス図柄の一種)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合又は「青年」図柄(ビッグボーナス図柄の一種)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、ビッグボーナス役の入賞となり、ビッグボーナスゲームに移行する。また、「BAR」図柄(レギュラーボーナス図柄)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、レギュラーボーナス役の入賞となり、レギュラーボーナスゲームに移行する。「リプレイ」図柄がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、再遊技役の入賞となり、再遊技ゲーム(リプレイゲーム)に移行する。「スイカ」図柄いずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合にはスイカ役の入賞となり、「ベル」図柄いずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合にはベル役の入賞となり、左回胴810Lの「チェリー」図柄がいずれかの有効ライン上に停止した場合にはチェリー役の入賞となり、それぞれ所定の個数の遊技球が払い出されることとなる。
可動演出装置731、演出発光装置732及び演出発光装置733は、図37に示されたように、遊技進行に伴う演出やビッグボーナス又はレギュラーボーナスの確定報知などに使用される。
可動演出装置731、演出発光装置732及び演出発光装置733は、遊技進行に伴う演出やビッグボーナスやレギュラーボーナス等の利益役当選の確定報知などに使用される。遊技状態表示装置734は、上方側において数字関連情報を表示する7セグメント表示部734Aと、前回の単位遊技で再遊技役に当選しかつ入賞した再遊技状態であることを表示する再遊技状態表示部734Bと、ベット数を表示するベット数表示部734C〜Eで構成されている。7セグLED表示部734Aは、入賞に伴う払出数、エラー状態発生時のエラーコード、ボーナス遊技状態中の総払出数やゲーム数、設定変更時の現在の確率設定や変更候補の確率設定等を表示する。
主制御装置750は、図37〜図40に示されたように、球式回胴遊技機100の主たる遊技進行の制御を司るもので、例えば、単位遊技開始操作装置370(図11参照)からの単位遊技開始指示の入力に応じて複数種類の利益役(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役、リプレイ等)の抽選を行い、その抽選結果に基づき副制御装置770や払出制御装置580に指令信号を出力する。主制御装置750は、主制御基板751(図43も参照)と、主出制御基板751を収納する収納部材752及び収納部材752と係合して主出制御基板751を封止する蓋部材753からなり、収納部材752及び蓋部材753が開封の痕跡を残さずには開封できないように連結された2つ割りの基板ケースとを含んでいる。主制御基板751は、図43に示されたように、制御の中枢をなすCPU751A、制御プログラムや制御プログラムで参照される固定データを記憶するROM751B及び制御プログラムの実行において参照される可変データ等を記憶するRAM751Cを1チップに含むMPUと、外部に出力する信号及び外部から入力される信号の入出力を制御する各種入出力ポート751D(図43参照)、各種抽選に用いられる乱数発生回路751E、時間計数や同期を図る場合等に使用されるクロック回路751F等を含んでいる。図39に示されたように、主制御装置750の収納部材752には係合爪部750Aが形成され、また、主取付台740には収納部材752の係合爪部750Aと係合する係合爪部740Aが形成されており、主取付台740に対して主制御装置750を並進移動(スライド)させて主取付台740の係合爪部740Aに主制御装置750の係合爪部750Aを係合させることによって、主制御装置750が主取付台740に装着される。
副制御装置770は、図39に示されたように、副制御基板771(図43参照)と、副制御基板771を収納する収納部材771及び収納部材772と係合して副制御基板771を封止する蓋部材773からなり、収納部材772及び蓋部材773が開封の痕跡を残さずには開封できないように連結された2つ割りの基板ケースとを含んでいる。副制御基板771は、制御の中枢をなすCPU(図示せず)、制御プログラムや制御プログラムで参照される固定データを記憶するROM(図示せず)、制御プログラムの実行において参照される可変データ等を記憶するRAM(図示せず)、外部に出力する信号及び外部から入力される信号の入出力を制御する各種入出力ポート(図示せず)等を含んでいる。副制御装置770は、副取付台760を介して遊技ブロック基体700に装着される。
〔本発明の主たる特徴部分の構成〕
球式回胴遊技機遊100は、図10に示されたように、外枠110(〔枠体〕の一種)と、前面ブロック121(〔前面ブロック〕の一種)、払出ブロック122(〔背面ブロック〕の一種の一部)、遊技ブロック123(〔背面ブロック〕の一種の一部)及び払出ブロックを前面ブロックに対して開閉自在に支持するブロック支持機構124(〔ブロック間支持機構〕の一種)とを含む遊技機本体120(〔遊技機本体〕の一種)と、遊技機本体120を外枠110に対して開閉自在に支持する本体支持機構130(〔支持機構〕の一種)と、遊技機本体を枠体に対して施錠する本体施錠機構140(〔施錠機構〕の一種の一部:〔本体施錠部〕の一種)(図4参照)と、払出ブロック122を前面ブロック121に対して施錠する払出ブロック施錠機構125(〔施錠機構〕の一種の一部:〔ブロック間施錠部〕の一種)と、本体施錠機構140と払出ブロック間施錠機構125との双方を同一開閉鍵(図示せず)によって作動させる錠開閉操作機構150(〔施錠機構〕の一種の一部:〔共通操作部〕の一種)(図1参照)とを備えている。また、球式回胴遊技機遊100は、更に、ブロック間遊技球移動規制機構127(〔付勢機構〕の一種)(図9参照)と、自動開放制限機構128とを備えている。
払出ブロック施錠機構125は、図10及び図12を参照して上述したように、払出ブロック122に架設された一対の払出ブロック側施錠部材231と、前面ブロック121側に配設され、棹部235及び係合溝236Aが各々に形成された一対の突出部236を含む前面ブロック側施錠部材233と、付勢体(図示せず)とを備えている。また、払出ブロック施錠機構125は、更に、外枠110に対する遊技機本体120の開放前における前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放を防止する開放防止機構を備えており、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放は、外枠110に対して遊技機本体120を開放した後のみにおいて実行できる。
ここで、開放防止機構について説明する。図44は、遊技機本体の開放過程における払出ブロックの開放防止機構の動作を表す説明図であり、図44(A)が遊技機本体の閉鎖状態を表し、図44(B)が錠開閉操作機構への本体施錠機構140による施錠を解除するための操作状態を表し、図44(C)が遊技機本体の開放状態を表している。
開放防止機構は、図44(A)〜図44(C)に示されたように、本体施錠機構140の基体部材143に軸止された一対の支軸237(一方のみ図示)と、一対の支軸237によって回動自在に軸支された一対の回動部材238(一方のみ図示)と、一対の回動部材238の各々と基体部材143とに接続され、回動部材238における支軸237と反対側の一端を基体部材143の外方向に突出させる方向に付勢する付勢体239とを備えている。一対の回動部材238の各々には、棹部235側に突出する突起部238Aと、棹部235側に突出する突起部238Bと、付勢体239の一端が挿通される貫通孔238Cとが形成されている。基体部材143、動力伝達棹145及び棹部235には、それぞれ、一対の回動部材238の突起部238Aに対応して、一対の貫通孔143A(一方のみ図示)、一対の貫通孔145A(一方のみ図示)及び一対の貫通孔238A(一方のみ図示)が形成され、また、動力伝達棹145には、更に、一対の回動部材238の突起部238Aに対応して一対の貫通孔145B(一方のみ図示)が形成されている。
遊技機本体120の閉鎖状態において、図44(A)に示されたように、回動部材238は、付勢体239からの付勢力に基づいて枠体110の右側板部材113に当接している。このとき、突起部238Aは、貫通孔143A、貫通孔145A及び貫通孔238Aを貫通し、突起部238Bは、貫通孔145Bを貫通している。これによって、遊技機本体120の閉鎖状態において、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放させるための錠開閉操作機構150の可動軸体152への略90度の左回転操作(〔所定の操作〕の一種)を実行しようとしても、この操作に伴う棹部235の下方側への移動が突出部238Aとの当接によって阻止されるために、左回転操作を略90度にまで続行することができない。したがって、遊技機本体120の閉鎖状態においては、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放させることはできない。
図44(A)に示された遊技機本体120の閉鎖状態において、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放させるための可動軸体152への略90度の右回転操作を実行すると、図44(B)に示されたように、その操作に応じて動力伝達棹145が上方側に移動し、動力伝達棹145の移動に伴って貫通孔145Bに挿通されている回動部材238の突起部238Bが押圧される。これによって、突起部238Bの押圧に基づいて回動部材238が付勢体239からの付勢力に抗して回転して、回動部材238と右側板部材113(図10参照)との当接が解除される。このとき、本体施錠機構140による施錠が動力伝達棹145の移動によって解除されており、遊技機本体120が枠体110に対して開放可能な状態となっている。その後、枠体110に対して遊技機本体120を開放すると共に可動軸体152への略90度の右回転操作を解除すると、図44(C)に示されたように、付勢体239からの付勢力に基づいて回動部材238が回転して、回動部材238の突出部238Aが貫通孔238Aから抜脱される。これによって、払出ブロック122が前面ブロック121に対して開放可能な状態となる。
なお、図44(C)に示された場合には、回動部材238の一部は、図44(A)に示された場合(図44(C)中の一点鎖線)よりも外方向に突出している。これによって、遊技機本体120を閉鎖させる場合において、本体施錠機構140の一対の外枠側施錠部材141の係合爪部141A(図4参照)と一対の本体側施錠部材144の係合溝部144A(図4参照)とが当接する前に、回動部材238と右側板部材113と当接させることができ、係合爪部141Aと係合溝部144Aとの衝突に起因する本体施錠機構140の損傷や故障が防止できる。
ここで、払出ブロックの開放過程における払出ブロック施錠機構の動作について説明する。図45は、遊技機本体の開放過程における払出ブロック施錠機構の動作を表す説明図であり、図45(A)が払出ブロックの閉鎖状態を表し、図45(B)及び図45(C)が錠開閉操作機構への本体施錠機構140による施錠を解除するための操作状態を表し、図45(D)が払出ブロックの開放状態を表している。
払出ブロック施錠機構125は、図45(A)に示されたように、払出ブロック122の閉鎖状態であり、錠開閉操作機構150(図1参照)の可動軸体152に対して略90度の左回転操作が実行されていない場合に、前面ブロック側施錠部材233(図12参照)の一対の突出部236(一方のみ図示)が一対の払出ブロック側施錠部材231(一方のみ図示)(図10も参照)よりも後方側に配置され、可動軸体152への略90度の左回転操作を伴わない前面ブロック121に対する払出ブロック122と遊技ブロック123との一体的な開放回転が禁止された施錠状態である。なお、可動軸体152を操作するための開閉鍵(図示せず)の挿抜は、可動軸体152への操作がなされておらず、基準位置に配置されている場合にのみ実行できる。
図45(A)に示された施錠状態における可動軸体152への左回転操作に応じて、図45(B)に示されたように、前面ブロック側施錠部材233の下方側への移動に伴う突出部236も基体部材143の誘導部149側へ移動し、略90度の左回転操作の完了により、突出部236の上面S13が誘導部149の上面S21よりも下側に配置される。これによって、払出ブロック側施錠部材231が突出部236の上方を誘導部149に沿って移動できる状態となる。なお、図45(C)に示されたように、払出ブロック側施錠部材231が突出部236の上方に配置されている場合において可動軸体152への左回転操作が解除されると、突出部236(前面ブロック側施錠部材233の全体)は付勢体(図示せず)の付勢力に基づいて上方側に移動するが、払出ブロック側施錠部材231に当接するとそれ以上の移動が阻止される。このとき、突出部236の上面S13は誘導部149の上面S21と実質的に同一の高さに位置している。このように、略90度の左回転操作が実行されると共に払出ブロック122が所定の角度範囲(〔中間開放範囲〕の一種)内の角度だけ回転して、払出ブロック側施錠部材231の少なくとも一部が突出部236の上方に配置されている中間開錠状態においては、可動軸体152への左回転操作を伴わずに、前面ブロック121に対する開放角度を大きくする方向に払出ブロック122と遊技ブロック123とを一体的に回転(以下において「開放回転」とも称す)させること(〔開放操作〕の一種)も、開放角度を小さくする方向に回転(以下において「閉鎖回転」とも称す)させること(〔開放操作〕の一種)もできる。なお、この中間開錠状態においては、可動軸体152が基準位置に復帰しないために、開閉鍵を可動軸体152から抜脱することはできない。また、払出ブロック122に対して遊技ブロック123を開放することもできない。
図45(C)に示された中間開錠状態から更に払出ブロック122と遊技ブロック123とが一体的に開放回転され、突出部236の上方に払出ブロック側施錠部材231が配置されない角度以上まで回転されると、図45(D)に示されたように、それより開放角度が大きい範囲(〔大開放範囲〕の一種)内において、可動軸体152への左回転操作を伴わずに払出ブロック122と遊技ブロック123とを一体的に開放回転させることも、閉鎖回転させることもできる完全開錠状態となる。可動軸体152への左回転操作を維持した状態で完全開錠状態へ移行させた場合には、その左回転操作の解除に応じて突出部236が上方に移動して所定の基準位置に復帰する。一方、中間開錠状態において可動軸体152への左回転操作が解除された状態で完全開錠状態へ移行させた場合には、払出ブロック側施錠部材231が突出部236の上方に配置されない角度への払出ブロック及び遊技ブロックの一体的な開放回転に応じて突出部236は自動的に上方に移動して所定の基準位置に復帰する。これによって、完全開錠状態においては、開閉鍵を可動軸体152から抜脱することができる。
図31に示されたように、払出ブロック122の払出ブロック基体500(〔背面ブロック基体〕の一種)には、所定の払出条件の成立(所定の利益役の入賞)や貸出条件の成立に応じて払出装置540から放出される遊技球が流入する誘導部材550が設けられ、誘導部材550には、払出装置540の払出通路522を介して放出された遊技球が流入する払出球通路551の上流部分551A(〔媒体通路〕の一種の一部:〔共通通路〕の一種)と、上流部分から2つに分岐する第1の下流部分551B(〔媒体通路〕の一種の一部:〔第1通路部〕の一種の一部)及び第2の下流部分551C(〔媒体通路〕の一種の一部:〔第2通路部〕の一種の一部)とが形成されている。また、払出ブロック基体500には、第1の下流部分551Bと連通する上皿誘導通路502(〔媒体通路〕の一種の一部:〔第1通路部〕の一種の一部)と、第2の下流部分551Cと連通する下皿誘導通路503(〔媒体通路〕の一種の一部:〔第2通路部〕の一種の一部)とが形成されている。一方、前面ブロック121には、基体300に取着され、前面ブロック121に対する払出ブロックの閉鎖状態において上皿誘導通路502に連通する上貯留皿320(〔貯留部〕の一種の一部:〔第1貯留皿〕の一種)と、前面パネル314に取着され、前面ブロック121に対する払出ブロックの閉鎖状態において下皿誘導通路503に連通する下貯留皿330(〔貯留部〕の一種の一部:〔第2貯留皿〕の一種)とを備えている。
ブロック間遊技球移動規制機構127は、払出ブロック基体500において、上皿誘導通路502の上皿用流出口502Bの近傍に設けられた上皿側球止め機構251(図30参照)及び下皿誘導通路503の下皿用流出口503Bの近傍に設けられた下皿側球止め機構252(図30参照)と、基体300において、上貯留皿320の流入口321Aの近傍に設けられた上皿側規制変更部材253(〔規制変更部材〕の一種の一部:〔第1規制変更部材〕の一種)(図9参照)及び下貯留皿320の流入口331Aの近傍に設けられた下皿側規制変更部材254(〔規制変更部材〕の一種の一部:〔第1規制変更部材〕の一種)(図9参照)とで構成されている。ブロック間遊技球移動規制機構127は、前面ブロック121に対する払出ブロック122の施錠状態において、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放させる方向に付勢すると共に、上皿誘導通路502から上貯留皿320への遊技球の流下及び下皿誘導通路503から下貯留皿330への遊技球の流下を前面ブロック121と払出ブロック122との相対位置に応じて規制する。
ここで、ブロック間遊技球移動規制機構127について詳細に説明する。図46(A)及び図46(B)は、上皿側球止め機構及び上皿側規制変更部材の一例を表す図2におけるY1−Y1’矢視断面図である。図47(A)及び図47(B)は、それぞれ、払出ブロックが閉鎖状態及び開放状態である場合を表している。図46(A)及び図46(B)は、それぞれ、下皿側球止め機構及び下皿側規制変更部材の一例を表す図2におけるY2−Y2’矢視断面図及びY3−Y3’矢視断面図である。図47(A)及び図47(B)は、それぞれ、払出ブロックが閉鎖状態及び開放状態である場合を表している。なお、払出ブロック122の閉鎖状態からその開放状態へは払出ブロック122の回転によって移行するが、図46(B)及び図47(B)において、説明の便宜のために、並進移動によって払出ブロック122と前面ブロック121とを離隔させる場合が示されている。この場合であってもブロック間遊技球移動規制機構127の動作は実質的に同一である。
上皿側球止め機構251は、図46(A)及び図46(B)に示されたように、移動禁止状態に対応する遊技球の流下を禁止する流下禁止位置と移動許容状態に対応する遊技球の流下許可する流下許容位置との間を並進移動自在である流下規制部材261と、流下規制部材261を流下禁止位置側に付勢する一対の付勢体262(〔付勢機構〕の一種の一部:〔第1付勢体〕の一種)(一方のみ図示)と、流下規制部材261の移動を流下禁止位置側までに制限する移動制限体(図示せず)とを含んでいる。図46(A)に示されたような払出ブロック122の閉鎖状態において、上皿側規制変更部材253が付勢体262からの付勢力に抗して流下規制部材261を押圧し、流下規制部材261が流下許容位置に維持される。これによって、上皿用流出口502Bに遊技球が通過できる空間が確保されて、遊技球の自由な流下が実現する。このとき、前面ブロック121と払出ブロック122とは、一対の付勢体262からの付勢力に基づいてそれらを開放回転させる回転力を流下規制部材261及び上皿規制変更部材253を介して受けている。一方、図46(B)に示されたような払出ブロック122を所定の角度以上回転させた開放状態において、上皿側規制変更部材253が流下規制部材261から乖離し、流下規制部材261が付勢体262からの付勢力に基づいて流下禁止位置(流下許容位置よりも前面ブロック121側)に維持される。これによって、上皿用流出口502Bが狭窄されて遊技球の流下が禁止される。下皿側球止め機構252は、遊技球の流下を禁止する流下禁止位置と遊技球の流下許可する流下許可位置との間を回転移動自在である流下規制部材266と、流下規制部材261を流下禁止位置側に付勢する一対の付勢体267(〔付勢機構〕の一種の一部:〔第2付勢体〕の一種)(一方のみ図示)と、流下規制部材261の移動を流下禁止位置側までに制限する移動制限体(図示せず)とを含んでいる。前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉鎖状態において、払出ブロック施錠機構125による施錠によって前面ブロック121と払出ブロック122の相対位置は固定されているために、下皿側規制変更部材254が付勢体267からの付勢力に抗して流下規制部材266を押圧し、流下規制部材266が流下許容位置に維持される。これによって、下皿用流出口503Bに遊技球が通過できる空間が確保されて、遊技球の自由な流下が実現する。このとき、前面ブロック121と払出ブロック122とは、一対の付勢体267からの付勢力に基づいてそれらを開放回転させる回転力を流下規制部材266及び下皿側規制変更部材254を介して受けている。一方、前面ブロック121に対して払出ブロック122を所定の角度以上回転させた開放状態において、下皿側規制変更部材254が流下規制部材261から乖離し、流下規制部材266が付勢体267からの付勢力に基づいて流下禁止位置に維持される。これによって下皿用流出口503Bが狭窄されて遊技球の流下が禁止される。
自動開放制限機構128は、図10に示されたように、払出ブロック122の施錠状態における錠開閉操作機構150の可動軸体152への略90度の左回転操作に応じた払出ブロック施錠機構125の施錠状態の解除に伴うブロック間遊技球移動規制機構127の一対の付勢体262,267からの付勢力に基づく前面ブロック121に対する払出ブロック122及び遊技ブロック123の一体的であり自動的な開放を所定の開放角度で停止させる。
ここで、自動開放制限機構127について詳細に説明する。図48(A)及び図48(B)は、自動開放制限機構の一例の近傍を表す斜視図である。図48(A)及び図48(B)は、それぞれ、払出ブロック122の閉鎖状態及び開放状態を表している。自動開放制限機構128は、図48(A)及び図48(B)に示されたように、払出ブロック122の払出ブロック基体500に形成された係合丘部271(〔背面ブロック側係合部〕の一種)と、払出ブロック基体500に形成され、係合丘部271よりも後方側に位置する陥没部272と、本体施錠機構140の基体部材143を介して前面ブロック121の基枠300に固着された保護カバー159から延設された係合爪部273(〔前面ブロック側係合部〕の一種)とを含んでいる。自動開放制限機構128は、図48(A)に示されたように、払出ブロック122の施錠状態において、係合爪部273の突出爪273Aが陥没部272に配置され、また、係合爪部273の突出腕273Bが係合丘部271と対向して配置され、突出爪273A及び突出腕273Bが係合丘部271と接触していない閉鎖時非係合状態である。前面ブロック121に対して払出ブロック122が開放回転すると、自動開放制限機構128は、突出爪273Aが係合丘部271に乗り上げ、突出腕273Bが大きく撓んだ強係合状態となる。更に払出ブロック122が開放回転すると、自動開放制限機構128は、突出爪273Aが係合丘部271から乗り下がって、払出ブロック基体500の先端部274と係合し、突出腕273Bが小さく撓んだ弱係合状態となる。更に払出ブロック122が開放回転すると、払出ブロック基体500との係合が外れ、突出腕273Bの撓みが解消された開放時非係合状態となる。
前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を一体的に開放する場合及びそれらを一体的に閉鎖させる場合における払出ブロック施錠機構、上皿側球止め機構251、下皿側球止め機構252及び自動開放制限機構128の動作について包括的に説明する。なお、以下においては簡単のために、払出ブロック122を開放又は閉鎖するという場合には、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を一体的に開放する場合を意味することとする。図49は、前面ブロックに対して払出ブロック及び遊技ブロックを一体的に開放する場合の払出ブロック施錠機構及び自動開放制限機構の動作の一例を表す説明図であり、図49(A)が払出ブロックの閉鎖状態の一例を表し、図49(B)が払出ブロックの自動開放が停止された際の中間開錠状態を表し、図49(C)が払出ブロックの手動による開放操作中の中間開錠状態を表し、図49(D)が払出ブロックの完全開錠状態を表している。なお、以下においては図49と共に図45も参照する。図45(A)〜図45(D)に示された各状態は、それぞれ、図49(A)〜図49(D)に示された各状態に対応している。
予め、図1に示された外枠110に対する遊技機本体120の閉鎖状態において、錠開閉操作機構150の可動軸体152に開閉鍵を挿入し、開閉鍵による可動軸体152の右回転操作と共に外枠110に対して遊技機本体120を開放移動させる操作を行って、図9に示されたような外枠110に対する遊技機本体120の開放状態に移行させる。これによって、図44(A)に示されたように、回動部材146の突出部143Aが払出ブロック側施錠部材233の棹部235に形成された貫通孔235Aに挿通されている開放禁止状態から、図44(C)に示されたように、突出部143Aが貫通孔235Aから抜脱されている開放許容状態へ移行し、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放するために必要な可動軸体152の左回転操作が許容される。
枠体110に対する遊技機本体120の開放後であって前面ブロック121に対して払出ブロックが閉鎖された状態において、図49(A)及び図45(A)に示されたように、前面ブロック側施錠部材233の突出部236によって払出ブロック側施錠部材231の移動が阻止されているために、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放回転が禁止されている。このとき、払出ブロック122は、上皿側球止め機構251の付勢体262(図46参照)及び下皿側球止め機構252の付勢体267(図47参照)からの付勢力に基づいて、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放回転させる方向に付勢されている。これによって、図45(A)に示されたように、払出ブロック側施錠部材231が突出部236側に押圧されて、払出ブロック側施錠部材231は突出部236の傾斜側面S11に当接している。また、図49(A)に示されたように、係合爪部273の突出爪273Aの一部が係合丘部271よりも背面側の陥没部272に位置するものの係合丘部271に当接しないように、また、係合爪部273の突出腕273Bが係合丘部271と対向するように、係合爪部273が配置されている。
まず、図49(A)及び図45(A)に示された状態において可動軸体152を左回転操作すると、突出部236が下方側(図49の紙面の裏面側:図45における下側)に移動し、この移動に応じて払出ブロック側施錠部材231は突出部236の傾斜側面S11との当接を維持しながら誘導部149の上面S21に沿って後方側(図49の上側:図45における右側)へ移動する。これによって、前面ブロック121に対して払出ブロック122が自動的に開放回転する。同様に、係合丘部271も払出ブロック122の自動的な開放回転に応じて後方側(図49の紙面の裏面側)へ移動する。ブロック側施錠部材231と突出部236の傾斜側面S11との当接が維持された状態での払出ブロック122の自動的な開放回転中において、突出爪273Aの傾斜面S31が係合丘部271に当接し、突出腕273Bが撓む(〔弾性変形〕の一種)ことによって突出爪273Aが係合丘部271に乗り上げる。なお、突出爪273Aの係合丘部271への乗り上げが進行するにつれて、突出腕273Bの撓みが大きくなり、突出爪273Aと係合丘部271との摩擦力も大きくなる。一方、上皿側球止め機構251の付勢体262及び下皿側球止め機構252の付勢体267からの付勢力は、払出ブロック122の自動的な開放回転が進行するにつれて弱くなる。
可動軸体152の右回転操作が進行すると、突出部236の下方側への移動も進行し、この移動に応じて払出ブロック側施錠部材231は突出部236の傾斜面S12との当接状態を維持しながら後方側へ移動する。これによって、前面ブロック121に対する払出ブロック122の自動的な開放回転が進行する。同様に、係合丘部271の後方側(図49の紙面の裏面側)への移動も進行する。ブロック側施錠部材231と突出部236の傾斜側面S12との当接が維持された状態での払出ブロック122の自動的な開放回転中において、突出爪273Aの係合丘部271への乗り上げが完了する。これによって、突出腕273Bの撓みが更に大きくなって突出爪273Aと係合丘部271との摩擦力も更に大きくなり、一方、付勢体262及び付勢体267からの付勢力は更に弱くなるために、払出ブロック122の自動的な開放回転に急制動が働くこととなる。
更に可動軸体152の右回転操作が進行して、突出部236の平坦面S13が誘導部149の上面S21の位置を超えて下方側に移動すると、払出ブロック側施錠部材231と突出部236との当接が解除され、払出ブロック側施錠部材231は誘導部149の上面S21に沿って後方側に移動する。これによって、前面ブロック121に対する払出ブロック122の自動的な開放回転が更に進行する。同様に、突出爪273Aの係合丘部271への乗り上げが完了した状態を維持しながら、係合丘部271の後方側(図49の紙面の裏面側)への移動が更に進行する。可動軸体152に対する略90度の右回転操作が完了すると、図45(B)に示されたように、突出部236の平坦面S13が誘導部149の上面S21の位置を超えて下方側に移動する。
払出ブロック側施錠部材231と突出部236との当接が解除され、払出ブロック側施錠部材231と誘導部149の上面S21とが当接した状態における払出ブロック122の自動的な開放回転中において、図49(B)及び図45(A)に示されたように、払出ブロック側施錠部材231が突出部236の上面S13の上方に位置した払出ブロック施錠機構232の中間開錠状態で停止する。払出ブロックの自動的な開放回転の停止後に、開閉鍵から手を離して可動軸体152への右回転操作を解除する。これによって、払出ブロック施錠機構の付勢体(図示せず)からの付勢力に基づいて、突出部236は図45(A)に示されたような基準位置へ復帰しようとして上方側に移動するが、払出ブロック側施錠部材231に当接することによって基準位置への復帰が阻止される。上述のように、中間開錠状態においては、可動軸体152への左回転操作を伴わずに、払出ブロック122を開放回転させることも、閉鎖回転させることもできる。なお、払出ブロック122の自動的な開放回転の停止された際に、上皿側球止め機構251及び下皿側球止め機構252の各々は、遊技球の流下を禁止する移動禁止状態となっている。
前面ブロックと払出ブロック122とを掴んで更に払出ブロック122を開放回転させると、図49(C)に示されたように、払出ブロック側施錠部材231が、払出ブロック側施錠部材231と突出部236の上面S13との当接を維持しながら後方側へ移動する。ブロック側施錠部材231と突出部236の上面S13との当接が維持された状態での払出ブロック122の開放回転中において、突出爪273Aの傾斜面S32が係合丘部271に当接して突出爪273Aが係合丘部271から乗り下がると伴に係合爪273Aが先端部274に乗り上げる。これによって、突出腕273Bの撓みが緩和されるが、突出爪273Aと先端部274と当接している状態において突出腕273Bは撓んだ状態を維持している。前面ブロックと払出ブロック122とを掴んだ状態で払出ブロック122を開放回転させると、突出爪273Aの傾斜面S32が先端部274から乗り下がり、突出爪273Aと先端部274と当接が解除される。
突出爪273Aと先端部274と当接が解除された状態において、更に払出ブロック122を開放回転させると、払出ブロック側施錠部材231の後方側への移動が更に進行し、払出ブロック側施錠部材231と突出部236の上面S13との当接が解除される。これによって、図45(D)に示されたように、突出部236は、払出ブロック施錠機構の付勢体(図示せず)からの付勢力に基づいて、基準位置へ復帰し、払出ブロック施錠機構230は完全開錠状態となる。上述のように、完全開錠状態においては、可動軸体152への左回転操作を伴わずに、払出ブロック121を開放回転させることも、閉鎖回転させることもできる。但し、一旦、払出ブロック施錠機構230を完全開錠状態に移行させると、再度、開閉鍵による可動軸体152への略90度の左回転操作を行わなければ、閉鎖回転によって中間開錠状態に復帰させることができなくなる。
逆に、前面ブロック121に対する払出ブロック122の完全開錠状態から施錠状態へ移行させる場合には、前面ブロックと払出ブロック122とを掴んで前面ブロック121に対して払出ブロック122を閉鎖回転させ、払出ブロック122の開放角度が所定の角度になった場合、例えば、払出ブロック側施錠部材231と突出部236又は誘導部149に当接した場合に、開閉鍵によって略90度の左回転操作を行いながら払出ブロック122の閉鎖回転を続行して払出ブロック122を閉鎖状態に移行させたり、開閉鍵によって略90度の左回転操作を行いながら払出ブロックの閉鎖回転を続行して前面ブロック121に対して払出ブロック122を中間開錠状態に移行させた後に再度前面ブロックと払出ブロック122とを掴んで払出ブロック122を閉鎖状態に移行させたりする。
上記の球式回胴遊技機100であれば、錠開閉操作機構150の所定の操作に基づく払出ブロック施錠機構125の開錠に応じて、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を自動的に開放させるが、払出ブロック施錠機構125に対して錠開閉操作機構150への所定の操作を一旦実行すれば、その後は所定の操作を実行するための開閉鍵から手を離しても前面ブロック121を押さえていれば、更なる錠開閉操作機構150への操作を伴わずに手動で払出ブロック122及び遊技ブロック123を完全開放状態へ移行させたり、閉鎖状態へ移行させたりすることができる中間開放範囲内の半開放固定状態で停止させることができる。これによって、半開放固定状態において、錠開閉操作機構150に対して操作部への所定の操作を一旦実行すればその後は所定の操作を実行するための開閉鍵から手を離しても前面ブロック121を押さえていれば、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を開放できるために、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を開放させる際に錠開閉操作機構150を操作した状態で前面ブロック121と払出ブロック122及び遊技ブロック123とを開放させる必要がなくなる。したがって、前面ブロック121に対する払出ブロック122及び遊技ブロック123の開放操作の円滑性が向上し、また、施錠機構への負荷が低減することによって前面ブロック121に対して払出ブロック122を施錠する施錠機構の耐久性が向上する。更に、枠体に対する遊技機本体の開放又は閉鎖における誤操作によって前面ブロック121に対して払出ブロック122を開錠する操作がなされたとしても半開放固定状態で停止し、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123が大開放範囲まで開放されないために、前面ブロック121と払出ブロック122及び遊技ブロック123とを押さえることによって前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を閉鎖状態に簡便に復帰させることができ、錠開閉操作機構150を操作した状態で前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を閉鎖させる必要がなくなる。したがって、前面ブロック121に対する払出ブロック122及び遊技ブロック123の開放操作の円滑性が向上し、また、施錠機構への負荷が低減することによって前面ブロック121に対して払出ブロック122を施錠する施錠機構の耐久性が向上する。
また、上記の球式回胴遊技機100であれば、前面ブロック121に対する払出ブロック122及び遊技ブロック123の一体的かつ自動的な開放を係合爪部273と係合丘部271との係合により停止させるために、簡素な構成によって、ブロック間遊技球移動規制機構127の開錠に伴う前面ブロック121に対する払出ブロック122及び遊技ブロック123の一体的かつ自動的な開放を所望の中間開放範囲内の半開放固定状態で確実に停止させることができる。
また、上記の球式回胴遊技機100であれば、半開放固定状態において係合爪部273の突出爪273Aが係合丘部271に乗り上げ、係合爪部273の突出腕273Bが撓むことにより、係合爪部273が係合丘部271に乗り上げた際の摩擦力が大きくなるために、前面ブロック121に対する払出ブロック122及び遊技ブロック123の一体的かつ自動的な開放を急速に停止させることができる。これによって、前面ブロック側係合部及び係合丘部271の小型化を促進できる。また、係合爪部273及び係合丘部271が経年劣化により磨耗したとしても、弾性変形(撓み)を伴わない場合に比べて、磨耗に起因する払出ブロック施錠機構125の開錠に伴う前面ブロックに対する払出ブロック122及び遊技ブロック123の一体的かつ自動的な開放の停止位置のズレが小さく押さえられるために、自動開放制限機構127の耐久性が向上する。
また、上記の球式回胴遊技機100であれば、前面ブロック121に対する払出ブロック122及び遊技ブロック123の一体的な閉鎖において、払出ブロック施錠機構125を作動させるための錠開閉操作機構150への所定の操作が必要となる前に、係合爪部273の突出爪273Aが係合丘部271に乗り上げ、その乗り上げに基づいて摩擦力が大きくなるために、錠開閉操作機構150への所定の操作が必要となるタイミングを簡便に検知できる。これによって、前面ブロック121に対する払出ブロック122及び遊技ブロック123の一体的な閉鎖において払出ブロック施錠機構125を構成する部材間の衝突を抑制でき、払出ブロック施錠機構125の耐久性が更に向上する。
また、上記の球式回胴遊技機100であれば、上皿側球止め機構251及び下皿側球止め機構252とは別途に前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放する方向に付勢機構を設ける場合に比べて構成が簡素化される。
本発明は、球体や円盤体を媒体とする回胴式遊技機及び球体を媒体とする弾球式遊技機等の遊技機に適している。
121:前面ブロック
122:払出ブロック
123:遊技ブロック
125:払出ブロック施錠機構
127:ブロック間遊技球移動規制機構
128:自動開放制限機構
150:錠開閉操作機構
231:一対の払出ブロック側施錠部材
232:一対の前面ブロック側施錠部材
251:上皿側球止め機構
252:下皿側球止め機構
253:上皿側規制変更部材
254:下皿側規制変更部材
261,266:流下規制部材
262,267:付勢体
271:係合丘部
272:陥没部
273:係合爪部

Claims (1)

  1. 前面ブロック、背面ブロック及び前記背面ブロックを前記前面ブロックに対して開閉自在に支持するブロック間支持機構を含む遊技機本体と、
    前記背面ブロックを前記前面ブロックに対して施錠するブロック間施錠部及び所定の鍵により操作され前記ブロック間施錠部を作動させる操作部を含む施錠機構と、
    を備える遊技機であって、
    前記背面ブロックが閉鎖されている状態において前記前面ブロックと前記背面ブロックとを相互に付勢する付勢機構と、
    前記施錠機構の前記操作部に対する所定の鍵操作に応じた前記付勢機構による前記背面ブロックの開放を制限する開放制限機構と、
    を備え、
    前記背面ブロックは、遊技媒体を誘導する媒体通路の形成されたブロック基体と、前記ブロック基体に設けられた遊技進行に伴う所定の条件の成立に伴い遊技媒体の放出を実行する払出装置とを含み、
    前記前面ブロックは、前記払出装置から放出され、前記媒体通路を介して誘導された遊技球を貯留する貯留部を備え、
    前記付勢機構は、前記ブロック基体に設けられ、前記媒体通路における遊技媒体の流下を許容する流下許容状態と前記媒体通路における遊技媒体の流下を禁止する流下禁止状態とをとる流下規制部材と、前記ブロック基体に設けられ、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの閉鎖状態において前記流下規制部材を流下許容状態側から流下禁止状態側に付勢する付勢体と、前記前面ブロックに形成され、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの開閉に応じて前記流下規制部材を流下許容状態と流下禁止状態との間で移行させる規制変更部材とを含み、
    前記ブロック間施錠部は、前記背面ブロックが閉鎖されている状態からの前記所定の鍵操作を伴わない前記背面ブロックの開放側への移動を阻止し、前記背面ブロックが所定の開放範囲で開放されている状態において前記所定の鍵操作を伴わない前記背面ブロックの開放側及び閉鎖側への移動を許容し、前記背面ブロックが前記所定の開放範囲を超えて開放されている状態からの前記所定の鍵操作を伴わない前記背面ブロックの閉鎖を阻止し、
    前記開放制限機構は、前記所定の鍵操作に伴う前記付勢機構による前記背面ブロックの開放を前記背面ブロックが前記所定の開放範囲で開放されている状態で停止させる、
    ことを特徴とする遊技機。
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