JP2014230985A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遊技機において、遊技媒体の獲得に関与する切換器が不正に操作されることを抑制する。【解決手段】 遊技機の構成を、前面ブロック121と、背面基体(背面ブロック基体500)に取着された遊技媒体の獲得に関与する切換器(設定変更スイッチ571E)を含み、前面ブロック121の後方側において前面ブロック121に対して開閉自在に支持された背面ブロック(払出ブロック122)とを備え、背面ブロックに対して移動自在に支持され、切換器に対する操作を禁止する操作禁止位置と切換器に対する操作を許容する操作許容位置との間を移動する操作規制部14を含む操作規制体(操作規制体10)を更に備える構成とする。【選択図】 図53

Description

本発明は、球体を遊技媒体として使用するパチンコ機やアレンジボール機などの弾球遊技機やメダル又は球体を遊技媒体として使用する回胴式遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の典型的な遊技機は、遊技ホール内の遊技機固定設備(一般的に島設備と称される)に固定される枠体と、枠体に対して開閉自在に支持された遊技機本体とで構成されている。遊技機本体は、遊技機が遊技機固定設備への設置後においても、その内部を適宜に表出できるように互いに開閉自在に支持された複数のブロックで構成されている。一般的には、遊技機の前面側を構成する前面ブロックと、前面ブロックに対して開閉自在に支持された背面ブロックとを備えている。なお、通常、前面ブロックと背面ブロックとは、枠体に対して遊技機本体を開放した後でなければ開閉できない構成となっている。また、従来の典型的な遊技機は、遊技機本体を枠体に対して施錠したり、背面ブロックを前面ブロックに対して施錠したりする施錠機構を備えており、枠体に対して遊技機本体を施錠や開錠する場合や前面ブロックに対して背面ブロックを施錠や開錠する場合には、所定の操作を実行しなければならない。
遊技機本体は、その前面側(前面ブロックの前面側)に、遊技者によって操作される各種の入力装置(例えば、弾球遊技機における遊技ハンドル並びに回胴式遊技機におけるベット操作装置、単位遊技開始操作装置及び回胴停止操作装置)や、遊技媒体を貯留する貯留装置や、遊技進行に応じた演出や状態報知を行う装置等を備えている。一方、遊技機本体は、その背面側(背面ブロックの背面側)に、遊技進行中に操作する必要が比較的に発生し易い装置及びスイッチ並びにそれらの装置を制御したりそれらのスイッチの入力を監視したりする装置(例えば、遊技媒体の払出機構、遊技状態リセットスイッチ、設定変更スイッチ、電源スイッチ、払出機構を制御する払出制御装置、各種のスイッチの入力を監視する電源装置)を備えている。また、遊技機本体は、その内部(前面ブロックの背面側や背面ブロックの前面側)に、遊技進行を実行する主要な装置、例えば、弾球遊技機における遊技盤、遊技媒体の発射装置及び主制御装置並びに回胴式遊技機における投入装置、回胴装置及び主制御装置を備えている。
従来の典型的な遊技機において、上述のように、遊技媒体の獲得に関与する全てのスイッチが多段階の開放操作を行わなければ表出させることができないように遊技機本体の内部に配置されているわけではない。遊技媒体の獲得に関与するものの遊技機本体の背面側に配置されるスイッチとして、設定変更スイッチが挙げられる(例えば、下記特許文献1参照)。また、主制御装置で規定される遊技性によっては、電源スイッチの操作によって通常の遊技状態よりも遊技球の獲得に関して有利な所定の利益遊技状態へ移行する場合及び遊技状態リセットスイッチの操作によって同様に所定の利益遊技状態へ移行する場合もあり、このような場合には、電源スイッチや遊技状態リセットスイッチも遊技球の獲得に関与するものの遊技機本体の背面側に配置されるスイッチの1つとなる。
本来的には、遊技球の獲得に関与する全ての回路基板の全てを遊技機本体の内部に配置できればよいのであるが、構造的な制約や保守点検及び遊技中に必要となる操作等の作業性の要請から、主制御装置以外の他の制御装置の動作は基本的に主制御装置が監視することとして、遊技機本体の背面側に露出して配置される場合がある。
特開2007−185547号公報
従来の典型的な遊技機において、遊技媒体の獲得に関与するスイッチが操作されれば、遊技媒体の獲得に関与する情報が表示されたり変更されたりするために、不正にスイッチが操作された場合には、遊技媒体の獲得に関して有利な状態である場合にのみ遊技を実行したり、遊技媒体の獲得に関して有利な状態に強制的に変更したりして、遊技媒体を不正に獲得できることともなる。例えば、設定変更スイッチが操作された場合には、現在の確率設定が表示されたり、確率設定を変更できたりするために、現在の確率設定を表示させて現在の確率設定が高い場合にのみ遊技を行ったり、確率設定を最も遊技媒体の獲得期待値の高い確率設定に変更して遊技を行ったりして、遊技媒体を不正に獲得できることが考えられる
そこで、本発明の遊技機では、遊技媒体の獲得に関与する切換器が不正に操作されることを抑制する。
上記の課題を解決するために、本発明に係る遊技機は、
前面ブロックと、前記前面ブロックの後方に配置され、貫通孔を有する背面基体及び前記背面基体の背面側に設けられた切換器を含む背面ブロックと、前記前面ブロックに対して前記背面ブロックを開閉自在に支持するブロック間支持機構とを備える遊技機であって、
前記背面ブロックに対して移動自在に支持され、前記切換器に対する操作を規制する操作規制体を備え、
前記操作規制体は、
前記背面基体の前面側において移動自在に支持され、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの開放状態において、前記前面ブロックと前記背面基体との間の空間内で移動する基体部と、
前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの開放状態における前記基体部の移動に応じて、前記貫通孔を通して前記背面基体の背面側に突出して前記切換器への操作を禁止する操作禁止位置と前記操作禁止位置より前記前面ブロック側であって前記切換器への操作を許容する操作許容位置との間を移動する操作規制部と、
を含むことを特徴としている。
本発明に係る遊技機であれば、遊技媒体の獲得に関与する切換器を操作する際に、その切換器が背面ブロックの背面側に設けられていても、前面ブロックに対して背面ブロックを開放すると共に、その開放後に操作規制体を作動させて操作規制部を操作禁止位置から操作禁止位置よりも前面ブロック側の操作許容位置に移動させなければならないために、遊技媒体の獲得に関与する切換器に対する不正な操作を抑制できる。
球式回胴遊技機の一例を閉鎖状態で表す斜視図 球式回胴遊技機の一例を表す正面図 球式回胴遊技機の一例を表す背面図 球式回胴遊技機の一例を遊技機本体の開放状態で表す斜視図 本体開閉検出装置の一例を概念的に表す斜視図 本体開閉検出装置の動作の一例を模式的に表す背面図 遊技機本体の開閉動作を説明するために球式回胴遊技機の一例を部分的に表す斜視図 遊技機本体の開閉動作を説明するために球式回胴遊技機の一例を部分的に表す右側面図 球式回胴遊技機の一例を払出ブロックの開放状態で表す斜視図 球式回胴遊技機の一例を遊技ブロックの開放状態で表す斜視図 遊技機本体の開放過程における払出ブロックの開放防止機構の動作の一例を表す説明図 払出ブロックの開放過程における払出ブロック施錠機構の動作を表す説明図 ブロック間遊技球移動規制機構の一例の一部を表す断面図 ブロック間遊技球移動規制機構の一例の他の一部を表す断面図 自動開放制限機構の一例を表す斜視図 前面ブロックに対して払出ブロック及び遊技ブロックを一体的に開放する場合の払出ブロック施錠機構及び自動開放制限機構の動作を表す説明図 前面ブロックの一例を表す正面斜視図 前面ブロックの一例を表す背面斜視図 投入装置の一例を表す斜視図 投入装置の一例を表す部分分解斜視図 投入装置の一例を返却禁止状態で表す横断面図 投入装置の一例を投入禁止状態で表す縦断面図 投入装置の一例を投入許容状態で表す縦断面図 投入装置の一例を返却許容状態で表す横断面図 投入装置の一例を返却許容状態で表す縦断面図 払出ブロックの一例を表す正面斜視図 払出ブロックの一例を表す背面斜視図 払出ブロックの一例を表す部分分解斜視図 払出ブロックの一例を表す正面図 払出ブロックの一例を一部の除去状態で表す背面図 球溢れ検出スイッチの一例を表す正面図 球切れ検出スイッチの一例を表す断面図 第1払出装置の一例を表す部分分解斜視図 第1払出装置の動作形態の一例を表す平面図 遊技ブロックの一例を表す正面斜視図 遊技ブロックの一例を表す背面斜視図 遊技ブロックの一例を表す部分分解斜視図 遊技ブロックの一例を表す背面図 回胴ユニットの一例を表す部分分解斜視図 図柄シールの一例を表す展開図 球式回胴遊技機の一例の電気的な構成を表すブロック図 主制御基板のタイマ割込み処理の一例を表すフローチャート 主制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャート 主制御基板のメイン処理における確率設定選択処理の一例を表すフローチャート 主制御基板の通常遊技処理の一例を表すフローチャート 主制御基板の通常遊技処理における変動待機処理の一例を表すフローチャート 主制御基板の変動待機処理における確率設定表示処理の一例を表すフローチャート 払出制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャート 払出制御基板のタイマ割込み処理の一例を表すフローチャート 副制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャート 副制御基板のメイン処理における受信コマンド確認処理の一例を表すフローチャート 副制御基板の周期タイマ割込み処理の一例を表すフローチャート 払出ブロックにおける設定変更スイッチ及び操作規制体の近傍の一例を表す斜視図
本発明に係る遊技機の形態について説明する。なお、本発明に係る遊技機の概念的な構成について説明した後に、本発明に係る遊技機の具体的な構成について説明する。
[概念的な構成]
本発明に係る遊技機は、前面ブロックと、前面ブロックの後方に配置され、背面基体及び背面基体に設けられた遊技媒体の獲得に関与する切換器を含む背面ブロックと、前面ブロックに対して背面ブロックを開閉自在に支持するブロック間支持機構とを備えている。「前面ブロック」及び「背面ブロック」は、それぞれ、遊技機の前面側及び背面側を構成する互いに開閉自在に支持された各構成体を意味する。また、「遊技媒体の獲得に関与する切換器」は、遊技媒体の獲得に関与する内部状態を変更したり、現在の内部状態を表示させたりするために操作されるスイッチを意味する。このような切換器としては、例えば、設定変更スイッチが挙げられる。また、遊技機の遊技性によっては、例えば、切換器として、更に、電源スイッチ、リセットスイッチ、初期化スイッチ等も挙げられる。「背面基体に設けられた」には、背面基体に他の部材を介さずに直接に設けられている場合や、背面基体に他の部材を介して間接的に設けられている場合を含意している。背面ブロックは、遊技媒体の獲得に関与する切換器を少なくとも1つ備えていればよく、1つの遊技媒体の獲得に関与する切換器のみを備えている場合に限らず遊技媒体の獲得に関与する複数の切換器を備えている場合であってもよい。
本発明に係る遊技機は、更に、背面ブロックに対して移動自在に支持され、切換器に対する操作を規制する操作規制体を更に備えている。操作規制体は、背面ブロックの前面側において移動自在に支持された基体部と、基体部の移動に応じて移動する操作規制部とを含んでいる。基体部は、前面ブロックに対する背面ブロックの開放状態において、前面ブロックと背面ブロックとの間の空間内で移動する。また、操作規制部は、前面ブロックに対する背面ブロックの開放状態において、切換器に対する操作を禁止する操作禁止位置と切換器に対する操作を許容する操作許容位置との間を移動する。基体部及び操作規制部の移動としては、例えば、並進移動、回転移動、及び、それらの組合せによる移動が挙げられる。また、操作規制部が操作禁止位置に配置されて切換器に対する操作を禁止する具体的な形態としては、例えば、切換器がその操作部を直接操作するボタンスイッチ等のようなスイッチであれば、操作部が実質的に移動できない形態が挙げられ、また、切換器がその操作部を所定の操作部材によって間接操作するキースイッチ等のようなスイッチであれば、スイッチへ操作部材を装填できない形態、スイッチに装填された操作部材が実質的に移動できない形態及び操作部が実質的に移動できない形態が挙げられる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を「遊技機A」とも称す。
本発明に係る遊技機Aであれば、遊技媒体の獲得に関与する切換器を操作する際に、その切換器が背面基体の背面側に設けられていても、前面ブロックに対して背面ブロックを開放すると共に、その開放後に更に操作規制体を作動させて操作規制部を操作禁止位置から操作許容位置に移動させなければならないために、遊技媒体の獲得に関与する切換器に対する不正な操作を抑制できる。また、そのような不正行為を行うには、払出機構等における球詰まりを解消するような通常遊技中においても発生する遊技機の背面側を表出して行う作業(以下、「背面表出後通常作業」とも称す)においては開放されることが極めて稀な前面ブロックに対する背面ブロックの開放及び背面表出後通常作業において開放されることのない操作規制体の開放が行われることとなり、更に、背面ブロックを前面ブロックに対して所定の開放角度以上で開放して操作規制部を操作許容位置に維持しなければならず、背面表出後通常作業に必要な前面ブロックの開放角度に比べて大幅に大きな開放角度で開放を行うことともなり、遊技機の背面側を表出して行う作業における不正行為の識別力が向上する。したがって、切換器が遊技媒体の獲得に関与する内部状態を変更するスイッチである場合には、内部状態が変更されることによる不正な遊技媒体の獲得が抑制され、切換器が現在の内部状態を表示させるために操作される場合には、内部状態が表示されることによる不正な遊技機の選択が抑制される。
上記の遊技機Aにおいて、
枠体と、前記枠体に対して前記前面ブロック、前記背面ブロック及び前記ブロック間支持機構を含む本体を開閉自在に支持する本体開閉支持機構とを更に備え、
前記背面ブロックは、前記枠体に対する前記本体の開放状態及び閉鎖状態のうち開放状態のみにおいて、前記前面ブロックに対して開閉自在である構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B」とも称す。
ここで、「枠体」は、遊技ホール等に設けられた遊技機設置設備に遊技機を固定するための構成体を意味し、「本体」は、枠体に対して開閉自在に支持される構成体を意味する。また、「背面ブロックが前面ブロックに対して開閉自在」とは、何らの操作も必要なく開閉自在な状態である場合に限らず、通常の遊技機のように前面ブロックに対する背面ブロックの施錠を解除することによって開閉自在な状態になる場合をも意味する。遊技機Bの具体的な構成としては、例えば、枠体に対する背面ブロックの閉鎖状態において、背面ブロックが後方側に開放させようとしても背面ブロックが枠体に当接することによって前記前面ブロックに対する開閉が阻止される構成や、枠体に対する背面ブロックの閉鎖状態において前面ブロックに対して背面ブロックがロックされ、枠体に対する背面ブロックの開放状態において前面ブロックに対する背面ブロックのロックが解除される開放防止機構とを備える構成が挙げられる。
上記の遊技機Bであれば、枠体に対する本体の閉鎖状態における遊技機の背面側からの操作によって、背面ブロックが前面ブロックに対して開放され、更に操作規制部が操作許容位置に移動されて、切換器が操作自在な状態になることが防止される。これによっても、遊技媒体の獲得に関与する切換器が不正に操作されることが抑制される。
なお、本発明においては、上記の遊技機Bとは異なり、背面ブロックは、少なくとも枠体に対する本体の開放状態において前面ブロックに対して開閉自在であればよく、枠体に対する本体の開放状態のみにおいて開閉自在である場合や、枠体に対する本体の閉鎖状態及び開放状態の双方において開閉自在である場合であってもよい。
上記の遊技機A〜Bにおいて、
前記操作規制部が、前記基体部から後方側に突設され、
前記操作規制部が、前記操作禁止位置において前記背面ブロックの背面側に突出し、前記操作許容位置において前記操作禁止位置より前記前面ブロック側に位置する構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機C」とも称す。
ここで、操作規制部が操作許容位置において操作禁止位置より前面ブロック側に位置するとは、操作許容位置に配置されている場合の操作規制部材の前面ブロック側の端部が、その操作禁止位置に配置されている場合の操作規制部材の前面ブロック側の端部よりも前面ブロック側に位置していることを意味している。
上記の遊技機Cであれば、極めて簡素な構成によって、背面ブロックの背面側に設けられた切換器に対する操作を規制できる。
上記の遊技機A〜Cにおいて、
前記操作規制部の前記操作許容位置への移動が、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの閉鎖状態において、前記操作規制体と前記前面ブロックとの当接により禁止される構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機D」とも称す。
上記の遊技機Dであれば、枠体に対する本体の閉鎖状態における遊技機の背面側からの操作によって、操作規制部が操作許容位置に移動されて、切換器が操作自在な状態になることが防止される。これによって、遊技媒体の獲得に関与する切換器が不正に操作されることが抑制される。
上記の遊技機A〜Dにおいて、
前記切換器は、前記切換器に挿入される所定の操作鍵を介した所定の操作に応じて作動するキースイッチである構成が好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機E」とも称す。
上記の遊技機Eであれば、操作鍵が無い限りキースイッチの操作ができないために、キースイッチに対する不正な操作が抑制される。また、キースイッチを作動させるためには、操作鍵をキースイッチに装着するための空間や操作鍵を作動させる空間を確保しなければならないが、その空間が形成されないように操作規制部を配置させることによって簡便にキースイッチに対する不正な操作を抑制できる。
上記の遊技機Eにおいて、
前記操作規制部が、前記操作禁止位置において、前記キースイッチにおける前記操作鍵が挿入される側の挿入端から前記操作鍵の長さ未満だけ前記挿入方向と反対側の前方に配置されている構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機F」とも称す。
上記の遊技機Fであれば、操作鍵をキースイッチに装着できないために、キースイッチに対する不正な操作を簡便かつ確実に抑制できる。
上記の遊技機Fにおいて、
前記キースイッチの前記挿入端から前記操作規制部までの前記挿入方向に沿った距離が、前記キースイッチへの前記操作鍵の挿入量より短い構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機G」とも称す。
上記の遊技機Gであれば、操作鍵の形状、特に操作するために把持される部分の形状を異ならせたとしても、キースイッチを作動させることができる状態にまで操作鍵を挿入できないために、キースイッチに対する不正な操作を更に確実に抑制できる。
上記の遊技機A〜Gにおいて、
前記背面ブロックは、前記切換器が搭載されている回路基板と、前記回路基板を収容する収容体とを更に含み、
前記収容体に前記切換器を操作するための開口が形成され、前記収容体に前記切換器が収容され、
前記切換器の前記操作端が、前記収容体における前記開口が形成された表面より前記収容体の内部側に位置する構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機H」とも称す。
上記の遊技機Hであれば、切換器を作動させるために切換器に接触する経路が限定されるために、切換器に対する不正な操作が困難になる。また、切換器に接触する経路が限定されるために、操作規制部の構造を簡素化できる。
上記の遊技機において、
前記切換器が、前記切換器に対する操作に基づいて、遊技媒体の獲得期待値の異なる複数種類の確率設定の変更を許可する構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機I」とも称す。
上記の遊技機Iであれば、切換器に対する不正な操作に基づいて、遊技ホールの管理者が設定した確率設定を最も獲得基体値の高い確率設定に変更するような不正行為を抑制できる。
上記の遊技機A〜Iにおいて、
前記前面ブロックが、前面側からの操作に応じて作動する前面スイッチを更に含み、
前記切換器に対する操作に基づく設定変更許可状態における前記前面スイッチに対する操作に応じて複数種類の確率設定から1つの確率設定が選択される構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機J」とも称す。
上記の遊技機であれば、確率設定を変更するような不正行為を行うためには、遊技機の背面側からの操作だけではなく、その前面側からの操作も必要となるために、そのような不正行為を行うことが困難になる。また、背面表出後通常作業において操作されることのない前面側のスイッチが操作されることとなり、遊技機の背面側を表出した状態での作業における不正行為の識別精度が向上する。
上記の遊技機A〜Jにおいて、
前記切換器が、前記切換器の操作に応じて遊技媒体の獲得期待値の異なる複数の確率設定のうち現在選択されている確率設定の表示を許可する構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機K」とも称す。
上記の遊技機Kであれば、切換器に対する不正な操作に基づいて、遊技ホールの管理者が設定した確率設定を確認して、獲得基体値の高い確率設定の場合にのみ遊技を行うような不正行為を抑制できる。
上記の遊技機A〜Kにおいて、
遊技媒体の獲得に関連する互いに異なる複数種類の内部状態から1種類の内部状態を選択する内部状態選択制御手段と、
前記複数種類の遊技状態から選択されている1種類の内部状態に基づいて遊技進行を制御する遊技進行制御手段と、
を含み、
前記内部状態選択制御手段が、前記切換器に対して所定の操作がされている場合のみにおいて、前記内部状態を変更できる構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機L」とも称す。
上記の遊技機Lであれば、遊技機の内部状態を遊技媒体の獲得に関して有利な内部状態に強制的に変更するような不正行為を抑制できる。
上記の遊技機Lにおいて、
前記枠体に対する前記本体の開閉状態を検出する開閉検出装置を更に含み、
前記内部状態選択制御手段が、前記開閉検出装置により前記本体の開放状態が検出され、かつ前記切換器に対して所定の操作がされている場合のみにおいて、前記内部状態を変更できる構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機M」とも称す。
上記の遊技機Mであれば、遊技機の背面側を表出しない状態での切換器の操作が無効となるために、遊技機の内部状態を遊技媒体の獲得に関して有利な内部状態に強制的に変更するような不正行為をさらに良好に抑制できる。
上記の遊技機L〜Mにおいて、
前記複数種類の内部状態が、遊技媒体の獲得期待値の互いに異なる複数種類の確率設定状態であり、
前記遊技進行制御手段が、複数種類の確率設定状態から選択されている確率設定状態に対応する抽選確率情報に基づいて、遊技者にとって有利な利益役の当否を抽選する抽選制御手段を含む構成が好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機N」とも称す。
上記の遊技機Nであれば、切換器に対する不正な操作に基づいて、遊技ホールの管理者が設定した確率設定を最も獲得基体値の高い確率設定に変更するような不正行為を抑制できる。
上記の遊技機A〜Nにおいて、
前記背面ブロックに対する前記操作規制体の移動が、回動である構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機O」とも称す。遊技機Oの具体的な構成としては、例えば、操作規制体が背面ブロックに対してブロック間支持機構の開閉軸と実質的に平行な軸を中心として回動する構成や、操作規制体が背面ブロックに対してブロック間支持機構の開閉軸と実質的に垂直な軸を中心として回動する構成が挙げられる。
上記の遊技機Oであれば、背面ブロックに対して操作規制体を並進移動自在に支持する場合に比べて、支持構造が簡素化され、また、操作規制体の移動距離を大きく確保することができる。これは、操作規制体を並進移動自在に支持するためには、前面ブロック側に延出するガイドレール等の誘導構造を形成しなければならないために支持構造が複雑となり、また、このような誘導構造の長さが背面ブロックの閉鎖状態における前面ブロックと背面ブロックとの間隙の幅によって制限されるために操作規制体の移動距離もその長さによって制限されて短くなるからである。操作規制体の移動距離を大きく確保できることによって、背面基体の背面側のより後方側に配置される切換器に対してもその操作を規制することができ、また、操作規制体を操作するために必要な前面ブロックと背面ブロックとの最小開放角度を大きく確保することができる。更に、背面ブロックに対して操作規制体を並進移動自在に支持する場合と異なり、切換器の側面を迂回してその背面側まで覆うように操作規制体を配置させることもできる。
上記の遊技機Oにおいて、
前記操作規制体が、前記背面ブロックに対して前記ブロック間支持機構の開閉軸と実質的に平行な軸を中心として回動し、
前記操作規制部は、前記基体部において前記操作規制体の回動中心より前記ブロック間支持機構と反対側に位置する構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機P」とも称す。
上記の遊技機Pであれば、前面ブロックと背面ブロックとが旋回によって離間する側から操作規制体を操作でき、また、操作規制体を操作する際の背面ブロックの最小開放角度を適度に抑制できるために、不正行為に対する対策を疎かにすることなく、操作規制体の操作性を向上させることができる。なお、背面ブロックの最小開放角度が大きすぎると、背面ブロックと枠体との間の開放角度が小さくなりすぎて、切換器に対する操作の作業性が低下する場合もあるからである。
上記の遊技機Pにおいて、
前記基体部は、前記背面基体の左右方向の中央近傍において支持され、
前記操作規制部は、前記操作禁止位置において、前記背面基体の左右方向の前記開閉軸と反対側の端部近傍から前記背面ブロックの背面側へ突出する構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機Q」とも称す。
上記の遊技機Qであれば、操作規制体を操作する際の背面ブロックの最小開放角度を大きく確保できると共に適度に抑制できるために、最小開放角度を簡便に最適化できる。なお、操作規制体の回動軸とブロック間支持機構の開閉軸との距離が大きすぎる場合には操作規制体が大型化し、一方、その距離が小さすぎる場合には操作規制部を操作禁止状態から操作許容状態へ移行するための操作角度が大きくなり操作性が低下することともなるからである。また、上記の遊技機Gであれば、不正目的で操作規制部が破損されていないかを目視によって確認し易くなるために、遊技機の背面側から切換器を操作できるような不正な改変が加えられていないかを簡便に識別できる。
上記の遊技機Qにおいて、前記背面ブロックに対する前記操作規制体の回動角度範囲が、90度以下である構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機R」とも称す。
上記の遊技機Rであれば、操作規制体が閉鎖状態に戻されていない状態で背面ブロックが閉鎖されるような誤操作が行われたとしても、操作規制体自体や背面ブロックと操作規制体との連結が破損されることが抑制される。また、切換器に対する操作をする際における背面ブロックの回転を固定するための把持部材として操作規制体を良好に機能させることもでき、不正行為に対する対策を疎かにすることなく、切換器に対する操作性を向上させることができる。
上記の遊技機A〜Rにおいて、
前記背面基体は、貫通孔を有し、
前記操作規制部は、前記操作禁止位置において前記貫通孔に挿通されている構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機S」とも称す。
上記の遊技機Sであれば、背面基体の背面側における回路装置の配置位置に依存せずに、回路装置の操作を規制することができる。
上記の遊技機A〜Sにおいて、
前記背面ブロックに対する前記操作規制体の移動を規制する移動規制機構を更に備え、
前記移動規制機構に対する所定の操作に基づいて、前記操作規制部の前記操作禁止位置から前記操作許容位置への移動が許容される構成であることが好ましい。ここで、移動規制機構に対する所定の操作は、背面ブロックの前面側から行われる操作であっても裏面側から行われる操作であってもよい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機T」とも称す。
上記の遊技機Tであれば、操作規制部が操作禁止位置に配置されるように操作基体体を固定できるために、切換器に対する不正な操作が行われることを更に良好かつ確実に抑制できる。また、操作規制体に対する開放操作を行う前に、更に移動規制機構に対する操作が必要となり、不正行為に必要な作業時間が増加することに基づいて、遊技機の本体を開放した状態での作業における不正行為の識別力が向上する。なお、操作規制体の移動を許容する状態に移行させるための移動規制体に対する所定の操作が、背面ブロックの前面側から行われる操作であることが更に好ましい。この場合には、背面ブロックの閉鎖状態において操作規制体が前面ブロックによって規制されていない場合であっても、背面ブロックの閉鎖状態における操作規制体の移動を防止できる。
上記の遊技機Tにおいて、
前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの閉鎖に伴う前記前面ブロックと前記基体部との当接に基づく前記操作規制体の移動に応じて、前記操作規制部が前記操作禁止位置へ自動的に移動する構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機U」とも称す。
上記の遊技機Uであれば、背面ブロックの閉鎖状態において操作規制部が移動規制機構によって操作禁止位置に維持されるために、不用意に遊技機の背面側から切換器に対する不正な操作を加えやすい状況となることが抑制される。
上記の遊技機Uにおいて、
前記移動規制機構は、前記背面基体に設けられた係合部と、前記操作規制体に設けられ、前記背面基体の前記係合部と係合する係合部とを含み、
前記背面基体の前記係合部と前記操作規制体の前記係合部との係合により前記操作規制部の前記操作禁止位置から前記操作許容位置への移動が禁止され、前記第1係合部と前記第2係合部との係合の解除により前記操作規制部の前記操作禁止位置から前記操作許容位置への移動が許容され、
前記背面基体の前記係合部と前記操作規制体の前記係合部とが、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの閉鎖に伴う前記前面ブロックと前記基体部との当接に基づく前記操作規制体の移動に応じて、自動的に係合する構成であることが好ましい。
なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機V」とも称す。
上記の遊技機Vであれば、前面ブロックに対する背面ブロックの閉鎖状態において操作規制部が背面基体及び操作規制体の双方の係合部の係合によって操作禁止位置に維持されるために、不用意に遊技機の背面側から切換器に対する不正な操作を加えやすい状況となることが抑制される。
上記の遊技機A〜Vにおいて、
前記操作規制体が、前記基体部から前記背面ブロック側に突出して前記操作規制部の周縁の一部を覆う破断抑制部を更に含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機W」とも称す。
上記の遊技機Wであれば、不正目的で操作規制部が故意に破損されることを抑制できる。
[具体的な構成]
本発明に係る遊技機の最良の形態の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下において、遊技機が球体を遊技媒体とする回胴式遊技機(以下、「球式回胴遊技機」と称す)である場合の具体的な一例を挙げて説明するが、以下で説明する具体的な一例には限定されず、本発明の主旨から逸脱しない限りにおいて、その設計を適宜に変更してもよい。また、本発明は、メダルを遊技媒体として使用する回胴式遊技機(スロット機)や弾球遊技機(パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機等)にも適用することができる。
本実施形態の球式回胴遊技機について説明する。本実施形態の球式回胴遊技機は、上記の遊技機A〜遊技機Iの全ての特徴を複合的に満たす構成である。なお、球式回胴遊技機の全体構造、電気的構成及び制御構成について概説した後に、本発明の特徴部分の構成及びそれに関連する構成については、後述する〔本発明の主たる特徴部分の構成〕においてまとめて詳細に説明する。
〔全体的な構成〕
本実施形態の球式回胴遊技機の全体構造について説明する。図1は球式回胴遊技機の一例を閉鎖状態で表す斜視図であり、図2は球式回胴遊技機の一例を表す正面図であり、図3は球式回胴遊技機の一例を表す背面図であり、図4は球式回胴遊技機の一例を開放状態で表す斜視図である。なお、図3及び図4において各種の内部配線は省略されており、以下で参照する他の図面についても同様とする。
本形態の球式回胴遊技機100は、図1〜図4に示されたように、球式回胴遊技機100の外殻を形成する外枠110と、遊技機本体120と、外枠110に対して遊技機本体120を着脱自在及び開閉自在に支持する一対の本体支持機構130(図1には一方のみ図示)と、遊技機本体120を外枠110に対して施錠する本体施錠機構140(図4のみ)と、本体施錠機構140を開錠させたり施錠させたりするために管理者によって操作される錠開閉操作機構150(図1及び図2のみ)と、外枠110に対して遊技機本体120が閉鎖されている状態(以下「遊技機本体120の閉鎖状態」と略記)であるか又は外枠110に対して遊技機本体120が開放されている状態(以下「遊技機本体120の開放状態」と略記)であるかを検出する本体開閉検出装置160(図3のみ:図5及び図6も参照)とを備えている。図1に示されたような遊技機本体120の閉鎖状態において、本体施錠機構140によって遊技機本体120は外枠110に対して施錠された状態(以下「遊技機本体120の施錠状態」と略記)であり、遊技機本体120の閉鎖状態から図4に示されたような遊技機本体120の開放状態へ移行させる場合には、錠開閉操作機構150への所定の開錠操作に基づいて本体施錠機構140による遊技機本体120の施錠状態を解除し、遊技機本体120を開放方向(遊技機本体120の右端を外枠110から離隔させる方向)に回転させる。逆に、遊技機本体120の開放状態から遊技機本体120の閉鎖状態へ移行させる場合には、遊技機本体120を閉鎖方向(遊技機本体120の右端を外枠110に近接させる方向)に回転させると共に、少なくとも遊技機本体120の閉鎖状態への移行完了の直前に錠開閉操作機構150に対して本体施錠機構140の施錠を解除させるための操作(以下「開錠操作」と略記)を行い、その開錠操作中に遊技機本体120の閉鎖状態への移行を完了させる。球式回胴遊技機100は、通常、その外枠110が遊技ホールの遊技機固定設備(図示せず)の設置窓(図示せず)に装着されることによって外枠110及びそれよりも球式回胴遊技機100の後方側が遊技者の滞在する外側空間から視認できないように遊技機固定設備に固定されるが、外枠110に対して遊技機本体120が開閉自在に支持されていることによって、遊技機固定設備への設置後においても球式回胴遊技機100の背面側を外側空間に露出させることができる。
外枠110は、図3及び図4に示されたように、天板部材111と、底板部材112と、右側板部材113と、左側板部材114(図3のみ)と、遊技機本体120の閉鎖状態において遊技機本体120が載置される載置部材115とを備えている。天板部材111、底板部材112、右側板部材113及び左側板部材114は、接続部材116〜119(図3のみ)を介して組み付けられており、その全体形状が略矩形状の枠形状である。
一対の本体支持機構130の各々は、図3及び図4に示されたように、外枠110に固着された外枠側支持体131と、遊技機本体120に固着された本体側支持体132(図16も参照)と、外枠側支持体131と本体側支持体132とを連結する連結体133とを備えている。外枠側支持体131には軸受溝部131A(図4のみ)が形成され、一方、本体側支持体132には軸体部132A(図4のみ)が形成されており、軸体部132Aが軸受溝部131Aに挿入され、外枠側支持体131と本体側支持体132とが連結体133で連結されることによって、遊技機本体120が外枠110に対して着脱自在かつ開閉自在に支持されている。また、連結体133は、軸体部132Aと軸受溝部131Aとの間にかかる荷重負荷、特に、遊技機本体120の開放状態における荷重負荷を低減することによって軸体部132Aの軸ズレを抑制したり、外枠110に対する遊技機本体120の最大回転角度(90度を越えて大きいが90度の近傍の値、例えば95度)を制限したりする。なお、連結体133と外枠110との連結は簡便な操作によって解除できる構成となっている。
本体施錠機構140は、図3及び図4に示されたように、外枠110の右側板部材113に固着された一対の外枠側施錠部材141と、遊技機本体120に取設された施錠機構142とを備えている。施錠機構142は、遊技機本体120に固着された基体部材143と、基体部材143に枢設された一対の本体側施錠部材144と、一対の本体側施錠部材144に接続され、上下方向に移動自在な動力伝達棹145と、動力伝達棹145を所定の基準位置(以下において、「施錠位置」とも称す)に復帰させる方向に付勢する付勢体(図示せず)と備えている。なお、付勢体は、図4に示されたように、基体部材143を介して遊技機本体120に固着された保護カバー159によって覆われている。一対の外枠側施錠部材141の各々には係合爪部141Aが形成され、一方、一対の本体側施錠部材144の各々には係合爪部141Aと係合する係合溝部144A(図4のみ)が形成されている。
錠開閉操作機構150は、図1及び図2に示されたように、所定の開閉鍵(図示せず)の凹凸形状に対応する鍵溝(図示せず)が形成されたキーシリンダ151と、キーシリンダ151の内側に摺動自在に挿着され、挿入された開閉鍵の回動に連動して回動する可動軸体152と、開閉鍵が挿入される鍵穴と反対側(背面側)において可動軸体152に固着され、可動軸体152の回動に連動して偏心回動する可動片(図示せず)とを備えている。なお、開錠開閉操作機構150の背面側は、図4に示されたように、基体部材143を介して遊技機本体120に固着された保護カバー159によって覆われており、可動片はその内側に配置されている。
遊技機本体120の閉鎖状態において、図3及び図4に示されたように、付勢体からの付勢力に基づいて、動力伝達棹145は所定の基準位置に維持され、また、一対の外枠側施錠部材141の係合爪部141Aも所定の基準位置に維持されている。なお、遊技機本体120の閉鎖状態においては、図3に示されたように、一対の外枠側施錠部材141の係合爪部141Aは一対の本体側施錠部材144の係合溝部144Aと係合した状態である。これによって、外枠110に対して遊技機本体120が施錠された状態(以下、「遊技機本体120の施錠状態」と略記する)が維持される。遊技機本体120の閉鎖状態において錠開閉操作機構150のキーシリンダ151及び可動軸体152に形成された鍵穴に所定の開閉鍵(図示せず)が挿入され、その鍵によって所定の開錠操作、本形態では90度の時計回りの回転操作が行われると、可動軸体152が回転すると共に可動片(図示せず)が偏心回転する。その可動片の偏心回転に応じて、本体施錠機構140の動力伝達棹145が上方側に移動する。動力伝達棹145の上方側への移動に応じて、一対の本体側施錠部材144が回転し、その先端が下側へ移動する。これによって、係合爪部141Aが係合溝部144Aから離脱し、遊技機本体120が外枠110に対して回転可能な状態(以下、「遊技機本体120の開錠状態」と略記)になる。また、動力伝達棹145の上方側への移動に応じて付勢体(図示せず)が延伸される。これによって、遊技機本体120の閉鎖状態において本体施錠機構140による施錠が開錠された状態で鍵から手を離すと付勢体からの付勢力に基づいて動力伝達棹145及び一対の本体側施錠部材144は施錠位置に復帰し、遊技機本体120が施錠状態に戻る。一方、遊技機本体120の開放状態から閉鎖状態へ移行させる場合には、遊技機本体120の開放状態において開錠操作がなされていない状態で遊技機本体120を閉鎖方向に回転させると一対の外枠側施錠部材141と一対の本体側施錠部材144とが当接してその閉鎖方向の回転が阻止されるために、遊技機本体120の閉鎖状態まで移行させるためには、一旦、開錠操作を行わなければならない。
本体開閉検出装置160は、図3に示されたように、遊技機本体120の左側板部材114側に一部が突出するように配置されている。ここで、本体開閉検出装置160について詳細に説明する。図5は、本体開閉検出装置の一例の近傍を表す部分分解斜視図であり、図6(A)及び図6(B)は、それぞれ、遊技機本体の閉鎖状態及び開放状態における本体開閉検出装置の一例を模式的に表す背面図である。本体開閉検出装置160は、図5並びに図6(A)及び図6(B)に示されたように、遊技機本体120に軸止された軸部材161と、軸部材161に軸支された略U字形状の可動部材162と、可動部材162に取着されU字の開き角を大きくする付勢体163と、遊技機本体120に取着された開閉検出スイッチ164とを備えている。可動部材162は、遊技機本体120の閉鎖状態において、図6(A)に示されたような外枠110の左側板部材114に当接している閉鎖位置と、図6(B)に示されたような遊技機本体120の開放状態において外枠110に当接していない開放位置との間で移動する。なお、可動部材162の開き角は、可動部材162が閉鎖位置に位置する場合より開放位置に位置する場合の方が大きい。開閉検出スイッチ164は、図6(A)に示されたように、可動部材162が閉鎖位置にある場合に、可動部材162によって開閉検出スイッチ164の検出突起164Aが押圧されているオン状態であり、一方、図6(B)に示されたように、可動部材162が開放位置にある場合に、可動部材162によって開閉検出スイッチ164の検出突起164Aが押圧されていないオフ状態であり、検出状態に応じて電位の異なる開閉検出信号を主制御装置750(図34及び図36参照)の主制御基板751(図36参照)に出力する。
球式回胴遊技機100は、図3及び図4に示されたように、遊技機本体120の底部に設けられ、外枠110に対する遊技機本体120の開閉動作を円滑化する開閉円滑化機構170(図3のみ)と、遊技機本体120の底部に取着され、外枠110に対する遊技機本体120の開錠に応じて、管理者による意図的な遊技機本体120の開放方向の回転に因らずに、遊技機本体120が閉鎖状態から開放状態へ移行することを抑制する滑止部材180とを備えている。開閉円滑化機構170は、遊技機本体120の重心を通る上下方向(鉛直方向)と前後方向との双方に垂直な平面(以下、「荷重中心平面」とも称す)に対して外枠110に対する遊技機本体120の回転軸側に配設された内側ローラ171と、荷重中心平面に対して遊技機本体120の回転軸と反対側に配設された外側ローラ172とを備えており、遊技機本体120の閉鎖状態からの開放方向の回転に伴う摩擦力を低減すると共に、遊技機本体120の開放状態からの閉鎖方向の回転における外枠110の載置部材115への乗り上げを容易にしている。なお、内側ローラ171と外側ローラ172とは荷重中心平面を挟んで両側に配置されている。滑止部材180は、遊技機本体120の底部において回転軸と反対側の一端に配設され、略U字形状に曲折された板状体であり、その一部が遊技機本体120の底面から下方側へ突出している。
ここで、開閉円滑化機構170及び滑止部材180について詳細に説明する。図7は、開閉円滑化機構及び滑止部材の一例の近傍を表す斜視図であり、図8は、開閉円滑化機構及び滑止部材の一例の近傍を表す右側面図である。外枠110の載置部材115は、図7及び図8に示されたように、平坦部115Aと平坦部115Aの前方側において傾斜する傾斜部115Bとを含んでおり、平坦部115Aにおいて前方側に延出している部分の平坦面P1上に、一対の外枠側支持体131が配設されている。平坦部115Aにおいて前方側に延出している部分の平坦面P2は、従来において遊技機本体120が載置される載置面を構成するために設けられていたが、本形態では遊技機本体120は閉鎖状態においても平坦面P2に当接しない。遊技機本体120の閉鎖状態において、内側ローラ171は傾斜部115Bの傾斜面P3上に配置され、外側ローラ172は傾斜部115Bの傾斜面P4上に配置され、滑止部材180は傾斜面P4に最後方側で当接するように配置される。滑止部材180の下方端面180Aは傾斜面P4と実質的に同一の傾斜角で傾斜しており、遊技機本体120の閉鎖状態において下方端面180Aの全面が傾斜面P4に当接している。内側ローラ171が傾斜面P3上に配置されていない場合の遊技機本体120の開放状態において、遊技機本体120は自重によって遊技機本体120の回転軸が微少角度だけ傾斜して、その右端が下方側にずれて配置されている。なお、このような傾斜は遊技機一般について発生する。
遊技機本体120を開放状態から閉鎖状態に移行させる場合に、閉鎖方向の回転によって、まず、遊技機本体120の底面が傾斜面P3、平坦面P2及び傾斜面P4に当接することなく内側ローラ171が傾斜面P3に乗り上げる。これによって、遊技機本体120の回転軸の傾斜角度が緩和され、遊技機本体120の底面が平坦面P2に当接することなく閉鎖方向の回転を継続できる。その後、外側ローラ172が傾斜面P4に乗り上げる。これによって、遊技機本体120の回転軸の傾斜角度が大幅に緩和され、その後の閉鎖方向の回転によって滑止部材180の背面側の平面180Bが傾斜部115Bの前方側の平面P5に衝突することを防止できる。その後、滑止部材180の下方端面180Aが傾斜面P4に当接して、滑止部材180を介した遊技機本体120の載置部材115への乗り上げが開始される。その後、滑止部材180が傾斜面P4を上り終えると遊技機本体120の閉鎖状態となる。これによって、遊技機本体120が開放状態から閉鎖状態に簡便かつ円滑に移行する。逆に、遊技機本体120を閉鎖状態から開放状態に移行させる場合に、閉鎖状態において滑止部材180の下方端面180Aの全面が傾斜面P4に当接しているために摩擦力が大きく、外枠110に対する遊技機本体120の施錠を解除した直後に、球式回胴遊技機100の遊技機固定設備への設置角度ズレや経年劣化等による一対の本体支持機構130による支持角度ズレに基づいて意図せずに開放方向への回転が開始されることが抑制される。また、開放状態から閉鎖状態に移行する過程で多段階(本形態では3段階)に分けて遊技機本体120の回転軸の傾斜角度が変化するために、傾斜角度の変化に伴い一対の本体支持機構130に与えられる最大負荷を、一段階で傾斜角度が変化する場合に比べて低減できる。これによって、経年劣化等による一対の本体支持機構130による支持角度ズレの発生自体も抑制することができる。
ここで、遊技機本体120の構成について説明する。図9及び図10は、球式回胴遊技機の一例を内部開放状態で表す斜視図である。なお、図9には、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123が一体的に開放されている状態が示されており、図10には、前面ブロック121に対して払出ブロック122が開放され、かつ払出ブロック122に対して遊技ブロック123が開放されている状態が示されている。
遊技機本体120は、図9及び図10に示されたように、球式回胴遊技機100の前面側を構成する前面ブロック121と、球式回胴遊技機100の背面側を構成する払出ブロック122と、前面ブロック121及び払出ブロック122によって被包される遊技ブロック123と、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を着脱自在かつ開閉自在に支持する一対のブロック支持機構124(一方のみ図示)と、前面ブロック121に対して払出ブロック122を施錠する払出ブロック施錠機構125と、払出ブロック122に対して遊技ブロック123を固定する一対の遊技ブロック固定機構126とを備えている。
一対のブロック支持機構124の各々は、前面ブロック121に取着された前面ブロック側支持部材211(図18参照)と、払出ブロック122に取着された払出ブロック側支持部材212(図27参照)と、遊技ブロック123に取着された遊技ブロック側支持部材213(図38参照)とで構成されている。図18に示されるように、前面ブロック側支持部材211は、前面ブロック121に取着された固定部221と、固定部221に対して略垂直に屈曲して背面側に延設され、上側軸挿通孔222Aの形成された払出ブロック用軸受部222と、固定部221に対して略垂直に屈曲して背面側に延設され、上側軸挿通孔222Aの真下に下側軸挿通孔223Aの形成された遊技ブロック用軸受部223とを含んでいる。払出ブロック側支持部材212は、図27に示されるように、払出ブロック122に固着された固定部224と、固定部224に対して略垂直に屈曲して正面側に延設された接続部225と、接続部225から下側に延設された軸体部226とを含み、軸体部226が前面ブロック側支持部材211の上側軸挿通孔222Aに遊挿されている。同様に、遊技ブロック側支持部材213は、図38に示されるように、遊技ブロック123に固着された固定部227と、固定部227に対して略垂直に屈曲して正面側に延設された接続部228と、接続部228から下側に延設された軸体部229とを含み、軸体部229が前面ブロック側支持部材211の下側軸挿通孔223Aに遊挿されている。
払出ブロック施錠機構125は、払出ブロック122に形成された一対の陥没部122Aの各々に架設され、一対の陥没部122Aの陥没口の一部を覆う一対の払出ブロック側施錠部材231(図26も参照)と、前面ブロック121側に配設された施錠機構232(図18も参照)とを備えている。施錠機構232は、図18に示されるように、本体施錠機構140における基体部材143に対して上下方向に移動自在に取着され、本体施錠機構140を作動させる方向と逆方向への錠開閉操作機構150の可動片(図示せず)の回転に連動して上下方向に移動する前面ブロック側施錠部材233と、前面ブロック側施錠部材233を所定の基準位置へ復帰させる方向に付勢する付勢体(図示せず)とを備えている。前面ブロック側施錠部材233は、基体部材143と略平行に延びる棹部235と棹部235の長手方向の両端近傍から背面側に突出する一対の突出部236とを含み、一対の突出部236の各々には一部を切り欠いた係合溝236Aが形成されている。なお、本体施錠機構140の基体部材143には、一対の払出ブロック側施錠部材を誘導する一対の誘導部149が形成されている。前面ブロック121に対して払出ブロック122が閉鎖された状態(以下、「払出ブロックの閉鎖状態」とも略記)において、一対の払出ブロック側施錠部材231が一対の突出部236の係合溝部236Aに配置されており、その係合状態が付勢体からの付勢力によって維持される。これによって、前面ブロック121に対して払出ブロック122が施錠されている状態(以下、「払出ブロックの施錠状態」とも略記)が維持される。一方、本体施錠機構140を作動させる方向と逆方向への錠開閉操作機構150の操作に応じて、その操作に伴う可動片(図示せず)の回転に連動して前面ブロック側施錠部材233が下方側へ移動して、一対の突出部236の上面が一対の誘導部143Aの上面と同一又はそれよりも下方側に移動する。これによって、払出ブロック側施錠部材231が前面ブロック側施錠部材233よりも背面側へ移動させることができるために、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放することができる。また、払出ブロック施錠機構125は、更に、外枠110に対する遊技機本体120の開放前における前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放を防止する開放防止機構を備えており、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放は、外枠110に対して遊技機本体120を開放した後のみにおいて実行できる。
ここで、開放防止機構について説明する。図11は、遊技機本体の開放過程における払出ブロックの開放防止機構の動作を表す説明図であり、図11(A)が遊技機本体の閉鎖状態を表し、図11(B)が錠開閉操作機構への本体施錠機構140による施錠を解除するための操作状態を表し、図11(C)が遊技機本体の開放状態を表している。
開放防止機構は、図11(A)〜図11(C)に示されたように、本体施錠機構140の基体部材143に軸止された一対の支軸237(一方のみ図示)と、一対の支軸237によって回動自在に軸支された一対の回動部材238(一方のみ図示)と、一対の回動部材238の各々と基体部材143とに接続され、回動部材238における支軸237と反対側の一端を基体部材143の外方向に突出させる方向に付勢する付勢体239とを備えている。一対の回動部材238の各々には、棹部235側に突出する突起部238Aと、棹部235側に突出する突起部238Bと、付勢体239の一端が挿通される貫通孔238Cとが形成されている。基体部材143、動力伝達棹145及び棹部235には、それぞれ、一対の回動部材238の突起部238Aに対応して、一対の貫通孔143A(一方のみ図示)、一対の貫通孔145A(一方のみ図示)及び一対の貫通孔238A(一方のみ図示)が形成され、また、動力伝達棹145には、更に、一対の回動部材238の突起部238Aに対応して一対の貫通孔145B(一方のみ図示)が形成されている。
遊技機本体120の閉鎖状態において、図11(A)に示されたように、回動部材238は、付勢体239からの付勢力に基づいて外枠110の右側板部材113に当接している。このとき、突起部238Aは、貫通孔143A、貫通孔145A及び貫通孔238Aを貫通し、突起部238Bは、貫通孔145Bを貫通している。これによって、遊技機本体120の閉鎖状態において、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放させるための錠開閉操作機構150の可動軸体152への略90度の左回転操作を実行しようとしても、この操作に伴う棹部235の下方側への移動が突出部238Aとの当接によって阻止されるために、左回転操作を略90度にまで続行することができない。したがって、遊技機本体120の閉鎖状態においては、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放させることはできない。
図11(A)に示された遊技機本体120の閉鎖状態において、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放させるための可動軸体152への略90度の右回転操作を実行すると、図11(B)に示されたように、その操作に応じて動力伝達棹145が上方側に移動し、動力伝達棹145の移動に伴って貫通孔145Bに挿通されている回動部材238の突起部238Bが押圧される。これによって、突起部238Bの押圧に基づいて回動部材238が付勢体239からの付勢力に抗して回転して、回動部材238と右側板部材113(図10参照)との当接が解除される。このとき、本体施錠機構140による施錠が動力伝達棹145の移動によって解除されており、遊技機本体120が外枠110に対して開放可能な状態となっている。その後、外枠110に対して遊技機本体120を開放すると共に可動軸体152への略90度の右回転操作を解除すると、図11(C)に示されたように、付勢体239からの付勢力に基づいて回動部材238が回転して、回動部材238の突出部238Aが貫通孔238Aから抜脱される。これによって、払出ブロック122が前面ブロック121に対して開放可能な状態となる。
なお、図11(C)に示された場合には、回動部材238の一部は、図11(A)に示された場合(図11(C)中の一点鎖線)よりも外方向に突出している。これによって、遊技機本体120を閉鎖させる場合において、本体施錠機構140の一対の外枠側施錠部材141の係合爪部141A(図4参照)と一対の本体側施錠部材144の係合溝部144A(図4参照)とが当接する前に、回動部材238と右側板部材113と当接させることができ、係合爪部141Aと係合溝部144Aとの衝突に起因する本体施錠機構140の損傷や故障が防止できる。
ここで、払出ブロックの開放過程における払出ブロック施錠機構の動作について説明する。図12は、払出ブロックの開放過程における払出ブロック施錠機構の動作を表す説明図であり、図12(A)が払出ブロックの閉鎖状態を表し、図12(B)及び図12(C)が錠開閉操作機構への本体施錠機構140による施錠を解除するための操作状態を表し、図12(D)が払出ブロックの開放状態を表している。
払出ブロック施錠機構125は、図12(A)に示されたように、払出ブロック122の閉鎖状態であり、錠開閉操作機構150(図1参照)の可動軸体152に対して略90度の左回転操作が実行されていない場合に、前面ブロック側施錠部材233(図16参照)の一対の突出部236(一方のみ図示)が一対の払出ブロック側施錠部材231(一方のみ図示)(図10も参照)よりも後方側に配置され、可動軸体152への略90度の左回転操作を伴わない前面ブロック121に対する払出ブロック122と遊技ブロック123との一体的な開放回転が禁止された施錠状態である。なお、可動軸体152を操作するための開閉鍵(図示せず)の挿抜は、可動軸体152への操作がなされておらず、基準位置に配置されている場合にのみ実行できる。
図12(A)に示された施錠状態における可動軸体152への左回転操作に応じて、図12(B)に示されたように、前面ブロック側施錠部材233の下方側への移動に伴う突出部236も基体部材143の誘導部149側へ移動し、略90度の左回転操作の完了により、突出部236の上面S13が誘導部149の上面S21よりも下側に配置される。これによって、払出ブロック側施錠部材231が突出部236の上方を誘導部149に沿って移動できる状態となる。なお、図12(C)に示されたように、払出ブロック側施錠部材231が突出部236の上方に配置されている場合において可動軸体152への左回転操作が解除されると、突出部236(前面ブロック側施錠部材233の全体)は付勢体(図示せず)の付勢力に基づいて上方側に移動するが、払出ブロック側施錠部材231に当接するとそれ以上の移動が阻止される。このとき、突出部236の上面S13は誘導部149の上面S21と実質的に同一の高さに位置している。このように、略90度の左回転操作が実行されると共に払出ブロック122が所定の角度範囲内の角度だけ回転して、払出ブロック側施錠部材231の少なくとも一部が突出部236の上方に配置されている中間開錠状態においては、可動軸体152への左回転操作を伴わずに、前面ブロック121に対する開放角度を大きくする方向に払出ブロック122と遊技ブロック123とを一体的に回転(以下において「開放回転」とも称す)させることも、開放角度を小さくする方向に回転(以下において「閉鎖回転」とも称す)させることもできる。なお、この中間開錠状態においては、可動軸体152が基準位置に復帰しないために、開閉鍵を可動軸体152から抜脱することはできない。また、払出ブロック122に対して遊技ブロック123を開放することもできない。
図12(C)に示された中間開錠状態から更に払出ブロック122と遊技ブロック123とが一体的に開放回転され、突出部236の上方に払出ブロック側施錠部材231が配置されない角度以上まで回転されると、図12(D)に示されたように、それより開放角度が大きい範囲内において、可動軸体152への左回転操作を伴わずに払出ブロック122と遊技ブロック123とを一体的に開放回転させることも、閉鎖回転させることもできる完全開錠状態となる。可動軸体152への左回転操作を維持した状態で完全開錠状態へ移行させた場合には、その左回転操作の解除に応じて突出部236が上方に移動して所定の基準位置に復帰する。一方、中間開錠状態において可動軸体152への左回転操作が解除された状態で完全開錠状態へ移行させた場合には、払出ブロック側施錠部材231が突出部236の上方に配置されない角度への払出ブロック及び遊技ブロックの一体的な開放回転に応じて突出部236は自動的に上方に移動して所定の基準位置に復帰する。これによって、完全開錠状態においては、開閉鍵を可動軸体152から抜脱することができる。
一対の遊技ブロック固定機構126は、図9及び図10に示されたように、払出ブロック122に固着された一対の払出ブロック側固定部材241(図24も参照)と、遊技ブロック123に設けられた一対の固定機構242(図34も参照)とを備えている。一対の払出ブロック側固定部材241の各々は、図24に示されるように、上下方向の中央側に向けて延出する被挟持部241Aと、被挟持部241Aに対して略垂直に屈曲して前方側に突出する位置補正部241Bとを含んでいる。一対の固定機構242の各々は、図34に示されるように、払出ブロック122に形成された固定壁部244と、遊技ブロック123に回動自在に軸支された可動挟持部材245とを含んでいる。可動挟持部材245は、軸支部245Aと、軸支部245Aの周縁において円周方向に突出する操作部245Bと、軸支部245Aから回動軸方向に沿って固定壁部244よりも後方側まで突出する接続部245Cと、接続部245Cの先端から回動軸と略垂直方向に突出する挟持部245Dとを含んでおり、一対の遊技ブロック固定機構126の各々によって払出ブロック122に対して遊技ブロック123の固定されている状態(以下「遊技ブロック123の固定状態」とも略記)において、固定壁部244が払出ブロック側固定部材241の位置補正部241Bに載置されており、挟持部245Dと固定壁部244とが被挟持部241Aを挟持している。可動挟持部材245を回転させる操作部245Bへの力の付与によって挟持部245Dが回転し、その回転に伴い挟持状態が解除される。更に挟持部245Dを回転させると、前後方向に対して挟持部245Dが払出ブロック側固定部材241を被覆しない状態へと移行する。これによって、払出ブロック122に対する遊技ブロック123の回転が可能な状態(以下「遊技ブロック123の固定解除状態」とも略記)となる。
払出ブロック122に対して遊技ブロック123が一対の遊技ブロック固定機構126を介して一体化されていない場合には、可動挟持部材245が前面ブロック121に衝突することとなり、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を一体的に閉鎖状態まで回転させることはできない。また、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123が一対の払出ブロック施錠機構125を介して一体化されている場合には、可動挟持部材245が前面ブロック121の内部に配置されているために、一対の遊技ブロック固定機構126に対する操作ができず、払出ブロック122と遊技ブロック123との固定を解除することはできない。
遊技機本体120は、図9に示されたように、更に、払出ブロック122の閉鎖状態において払出ブロック122から前面ブロック121への遊技球の移動を許容し、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放状態においてその移動を禁止するブロック間遊技球移動規制機構127(一部のみ図示)を備えている。ブロック間遊技球移動規制機構127は、払出ブロック122に形成され、遊技進行に応じて払い出された遊技球や貸し出された遊技球(以下、これらをまとめて「放出球」とも称す)を上貯留皿320(図1参照)へ誘導する上皿誘導通路502(図30参照)で払出ブロック122から前面ブロック121へのそれらの遊技球の移動を許容する移動許容状態とその移動を禁止する移動禁止状態との間で状態移行する上皿側球止め機構251(図29参照)と、払出ブロック122に形成され、放出球を下貯留皿330(図1参照)へ誘導する下皿誘導通路503(図29参照)における払出ブロック122から前面ブロック121への遊技球の移動を許容する移動許容状態とその移動を禁止する移動禁止状態との間で状態移行する下皿側球止め機構252(図29参照)と、前面ブロック121に形成され、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開閉動作に応じて上皿側球止め機構251の規制状態を変化させる上皿側規制変更部材253と、前面ブロック121に形成され、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開閉動作に応じて下皿側球止め機構252の規制状態を変化させる下皿側規制変更部材254とで構成されている。
ここで、ブロック間遊技球移動規制機構127について詳細に説明する。図13(A)及び図13(B)は、上皿側球止め機構及び上皿側規制変更部材の一例を表す図2におけるY1−Y1’矢視断面図である。図14(A)及び図14(B)は、それぞれ、払出ブロックが閉鎖状態及び開放状態である場合を表している。図13(A)及び図13(B)は、それぞれ、下皿側球止め機構及び下皿側規制変更部材の一例を表す図2におけるY2−Y2’矢視断面図及びY3−Y3’矢視断面図である。図14(A)及び図14(B)は、それぞれ、払出ブロックが閉鎖状態及び開放状態である場合を表している。なお、払出ブロック122の閉鎖状態からその開放状態へは払出ブロック122の回転によって移行するが、図13(B)及び図14(B)において、説明の便宜のために、並進移動によって払出ブロック122と前面ブロック121とを離隔させる場合が示されている。この場合であってもブロック間遊技球移動規制機構127の動作は実質的に同一である。
上皿側球止め機構251は、図13(A)及び図13(B)に示されたように、移動禁止状態に対応する遊技球の流下を禁止する流下禁止位置と移動許容状態に対応する遊技球の流下許可する流下許容位置との間を並進移動自在である流下規制部材261と、流下規制部材261を流下禁止位置側に付勢する一対の付勢体262(一方のみ図示)と、流下規制部材261の移動を流下禁止位置側までに制限する移動制限体(図示せず)とを含んでいる。図13(A)に示されたような払出ブロック122の閉鎖状態において、上皿側規制変更部材253が付勢体262からの付勢力に抗して流下規制部材261を押圧し、流下規制部材261が流下許容位置に維持される。これによって、上皿用流出口502Bに遊技球が通過できる空間が確保されて、遊技球の自由な流下が実現する。このとき、前面ブロック121と払出ブロック122とは、一対の付勢体262からの付勢力に基づいてそれらを開放回転させる回転力を流下規制部材261及び上皿規制変更部材253を介して受けている。一方、図13(B)に示されたような払出ブロック122を所定の角度以上回転させた開放状態において、上皿側規制変更部材253が流下規制部材261から乖離し、流下規制部材261が付勢体262からの付勢力に基づいて流下禁止位置(流下許容位置よりも前面ブロック121側)に維持される。これによって、上皿用流出口502Bが狭窄されて遊技球の流下が禁止される。下皿側球止め機構252は、遊技球の流下を禁止する流下禁止位置と遊技球の流下許可する流下許可位置との間を回転移動自在である流下規制部材266と、流下規制部材261を流下禁止位置側に付勢する一対の付勢体267(一方のみ図示)と、流下規制部材261の移動を流下禁止位置側までに制限する移動制限体(図示せず)とを含んでいる。前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉鎖状態において、払出ブロック施錠機構125による施錠によって前面ブロック121と払出ブロック122の相対位置は固定されているために、下皿側規制変更部材254が付勢体267からの付勢力に抗して流下規制部材266を押圧し、流下規制部材266が流下許容位置に維持される。これによって、下皿用流出口503Bに遊技球が通過できる空間が確保されて、遊技球の自由な流下が実現する。このとき、前面ブロック121と払出ブロック122とは、一対の付勢体267からの付勢力に基づいてそれらを開放回転させる回転力を流下規制部材266及び下皿側規制変更部材254を介して受けている。一方、前面ブロック121に対して払出ブロック122を所定の角度以上回転させた開放状態において、下皿側規制変更部材254が流下規制部材261から乖離し、流下規制部材266が付勢体267からの付勢力に基づいて流下禁止位置に維持される。これによって下皿用流出口503Bが狭窄されて遊技球の流下が禁止される。
遊技機本体120は、図9及び図10に示されたように、更に、前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉鎖状態における前面ブロック121に対する払出ブロック122の施錠の解除に応じたブロック間遊技球移動規制機構127の付勢体からの付勢力に基づく前面ブロック121に対する払出ブロック122の回転を所定の微少角度に制限する自動開放制限機構128を備えている。
ここで、自動開放制限機構128について詳細に説明する。図15(A)及び図15(B)は、自動開放制限機構の一例の近傍を表す斜視図である。図15(A)及び図15(B)は、それぞれ、払出ブロック122の閉鎖状態及び開放状態を表している。自動開放制限機構128は、図15(A)及び図15(B)に示されたように、払出ブロック122の払出ブロック基体500に形成された係合丘部271と、払出ブロック基体500に形成され、係合丘部271よりも後方側に位置する陥没部272と、本体施錠機構140の基体部材143を介して前面ブロック121の基枠300に固着された保護カバー159から延設された係合爪部273とを含んでいる。自動開放制限機構128は、図15(A)に示されたように、払出ブロック122の施錠状態において、係合爪部273の突出爪273Aが陥没部272に配置され、また、係合爪部273の突出腕273Bが係合丘部271と対向して配置され、突出爪273A及び突出腕273Bが係合丘部271と接触していない閉鎖時非係合状態である。前面ブロック121に対して払出ブロック122が開放回転すると、自動開放制限機構128は、突出爪273Aが係合丘部271に乗り上げ、突出腕273Bが大きく撓んだ強係合状態となる。更に払出ブロック122が開放回転すると、自動開放制限機構128は、突出爪273Aが係合丘部271から乗り下がって、払出ブロック基体500の先端部274と係合し、突出腕273Bが小さく撓んだ弱係合状態となる。更に払出ブロック122が開放回転すると、払出ブロック基体500との係合が外れ、突出腕273Bの撓みが解消された開放時非係合状態となる。
前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を一体的に開放する場合及びそれらを一体的に閉鎖させる場合における払出ブロック施錠機構125、上皿側球止め機構251、下皿側球止め機構252及び自動開放制限機構128の動作について包括的に説明する。なお、以下においては簡単のために、払出ブロック122を開放又は閉鎖するという場合には、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を一体的に開放する場合を意味することとする。図16は、前面ブロックに対して払出ブロック及び遊技ブロックを一体的に開放する場合の払出ブロック施錠機構及び自動開放制限機構の動作の一例を表す説明図であり、図16(A)が払出ブロックの閉鎖状態の一例を表し、図16(B)が払出ブロックの自動開放が停止された際の中間開錠状態を表し、図16(C)が払出ブロックの手動による開放操作中の中間開錠状態を表し、図16(D)が払出ブロックの完全開錠状態を表している。なお、以下においては図16と共に図12も参照する。図16(A)〜図16(D)に示された各状態は、それぞれ、図12(A)〜図12(D)に示された各状態に対応している。
予め、図1に示された外枠110に対する遊技機本体120の閉鎖状態において、錠開閉操作機構150の可動軸体152に開閉鍵を挿入し、開閉鍵による可動軸体152の右回転操作と共に外枠110に対して遊技機本体120を開放移動させる操作を行って、図9に示されたような外枠110に対する遊技機本体120の開放状態に移行させる。これによって、図11(A)に示されたように、回動部材146の突出部143Aが払出ブロック側施錠部材233の棹部235に形成された貫通孔235Aに挿通されている開放禁止状態から、図11(C)に示されたように、突出部143Aが貫通孔235Aから抜脱されている開放許容状態へ移行し、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放するために必要な可動軸体152の左回転操作が許容される。
外枠110に対する遊技機本体120の開放後であって前面ブロック121に対して払出ブロックが閉鎖された状態において、図16(A)及び図12(A)に示されたように、前面ブロック側施錠部材233の突出部236によって払出ブロック側施錠部材231の移動が阻止されているために、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放回転が禁止されている。このとき、払出ブロック122は、上皿側球止め機構251の付勢体(図示せず)及び下皿側球止め機構252の付勢体(図示せず)からの付勢力に基づいて、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放回転させる方向に付勢されている。これによって、図12(A)に示されたように、払出ブロック側施錠部材231が突出部236側に押圧されて、払出ブロック側施錠部材231は突出部236の傾斜側面S11に当接している。また、図16(A)に示されたように、係合爪部273の突出爪273Aの一部が係合丘部271よりも背面側の陥没部272に位置するものの係合丘部271に当接しないように、また、係合爪部273の突出腕273Bが係合丘部271と対向するように、係合爪部273が配置されている。
まず、図16(A)及び図12(A)に示された状態において可動軸体152を左回転操作すると、突出部236が下方側(図16の紙面の裏面側:図12における下側)に移動し、この移動に応じて払出ブロック側施錠部材231は突出部236の傾斜側面S11との当接を維持しながら誘導部149の上面S21に沿って後方側(図16の上側:図12における右側)へ移動する。これによって、前面ブロック121に対して払出ブロック122が自動的に開放回転する。同様に、係合丘部271も払出ブロック122の自動的な開放回転に応じて後方側(図16の紙面の裏面側)へ移動する。ブロック側施錠部材231と突出部236の傾斜側面S11との当接が維持された状態での払出ブロック122の自動的な開放回転中において、突出爪273Aの傾斜面S31が係合丘部271に当接し、突出腕273Bが撓むことによって突出爪273Aが係合丘部271に乗り上げる。なお、突出爪273Aの係合丘部271への乗り上げが進行するにつれて、突出腕273Bの撓みが大きくなり、突出爪273Aと係合丘部271との摩擦力も大きくなる。一方、上皿側球止め機構251の付勢体及び下皿側球止め機構252の付勢体からの付勢力は、払出ブロック122の自動的な開放回転が進行するにつれて弱くなる。
可動軸体152の右回転操作が進行すると、突出部236の下方側への移動も進行し、この移動に応じて払出ブロック側施錠部材231は突出部236の傾斜面S12との当接状態を維持しながら後方側へ移動する。これによって、前面ブロック121に対する払出ブロック122の自動的な開放回転が進行する。同様に、係合丘部271の後方側(図16の紙面の裏面側)への移動も進行する。ブロック側施錠部材231と突出部236の傾斜側面S12との当接が維持された状態での払出ブロック122の自動的な開放回転中において、突出爪273Aの係合丘部271への乗り上げが完了する。これによって、突出腕273Bの撓みが更に大きくなって突出爪273Aと係合丘部271との摩擦力も更に大きくなり、一方、付勢体及び付勢体からの付勢力は更に弱くなるために、払出ブロック122の自動的な開放回転に急制動が働くこととなる。
更に可動軸体152の右回転操作が進行して、突出部236の平坦面S13が誘導部149の上面S21の位置を超えて下方側に移動すると、払出ブロック側施錠部材231と突出部236との当接が解除され、払出ブロック側施錠部材231は誘導部149の上面S21に沿って後方側に移動する。これによって、前面ブロック121に対する払出ブロック122の自動的な開放回転が更に進行する。同様に、突出爪273Aの係合丘部271への乗り上げが完了した状態を維持しながら、係合丘部271の後方側(図16の紙面の裏面側)への移動が更に進行する。可動軸体152に対する略90度の右回転操作が完了すると、図12(B)に示されたように、突出部236の平坦面S13が誘導部149の上面S21の位置を超えて下方側に移動する。
払出ブロック側施錠部材231と突出部236との当接が解除され、払出ブロック側施錠部材231と誘導部149の上面S21とが当接した状態における払出ブロック122の自動的な開放回転中において、図16(B)及び図12(B)に示されたように、払出ブロック側施錠部材231が突出部236の上面S13の上方に位置した払出ブロック施錠機構232の中間開錠状態で停止する。払出ブロックの自動的な開放回転の停止後に、開閉鍵から手を離して可動軸体152への右回転操作を解除する。これによって、払出ブロック施錠機構の付勢体(図示せず)からの付勢力に基づいて、突出部236は図12(A)に示されたような基準位置へ復帰しようとして上方側に移動するが、払出ブロック側施錠部材231に当接することによって基準位置への復帰が阻止される。上述のように、中間開錠状態においては、可動軸体152への左回転操作を伴わずに、払出ブロック122を開放回転させることも、閉鎖回転させることもできる。なお、払出ブロック122の自動的な開放回転の停止された際に、上皿側球止め機構251及び下皿側球止め機構252の各々は、遊技球の流下を禁止する移動禁止状態となっている。
前面ブロックと払出ブロック122とを掴んで更に払出ブロック122を開放回転させると、図16(C)に示されたように、払出ブロック側施錠部材231が、払出ブロック側施錠部材231と突出部236の上面S13との当接を維持しながら後方側へ移動する。ブロック側施錠部材231と突出部236の上面S13との当接が維持された状態での払出ブロック122の開放回転中において、突出爪273Aの傾斜面S32が係合丘部271に当接して突出爪273Aが係合丘部271から乗り下がると伴に係合爪273Aが先端部274に乗り上げる。これによって、突出腕273Bの撓みが緩和されるが、突出爪273Aと先端部274と当接している状態において突出腕273Bは撓んだ状態を維持している。前面ブロックと払出ブロック122とを掴んだ状態で払出ブロック122を開放回転させると、突出爪273Aの傾斜面S32が先端部274から乗り下がり、突出爪273Aと先端部274と当接が解除される。
突出爪273Aと先端部274と当接が解除された状態において、更に払出ブロック122を開放回転させると、払出ブロック側施錠部材231の後方側への移動が更に進行し、払出ブロック側施錠部材231と突出部236の上面S13との当接が解除される。これによって、図12(D)に示されたように、突出部236は、払出ブロック施錠機構の付勢体(図示せず)からの付勢力に基づいて、基準位置へ復帰し、払出ブロック施錠機構230は完全開錠状態となる。上述のように、完全開錠状態においては、可動軸体152への左回転操作を伴わずに、払出ブロック121を開放回転させることも、閉鎖回転させることもできる。但し、一旦、払出ブロック施錠機構230を完全開錠状態に移行させると、再度、開閉鍵による可動軸体152への略90度の左回転操作を行わなければ、閉鎖回転によって中間開錠状態に復帰させることができなくなる。
逆に、前面ブロック121に対する払出ブロック122の完全開錠状態から施錠状態へ移行させる場合には、前面ブロックと払出ブロック122とを掴んで前面ブロック121に対して払出ブロック122を閉鎖回転させ、払出ブロック122の開放角度が所定の角度になった場合、例えば、払出ブロック側施錠部材231と突出部236又は誘導部149に当接した場合に、開閉鍵によって略90度の左回転操作を行いながら払出ブロック122の閉鎖回転を続行して払出ブロック122を閉鎖状態に移行させたり、開閉鍵によって略90度の左回転操作を行いながら払出ブロックの閉鎖回転を続行して前面ブロック121に対して払出ブロック122を中間開錠状態に移行させたりした後に、再度前面ブロックと払出ブロック122とを掴んで払出ブロック122を閉鎖状態に移行させたりする。
上述のように、錠開閉操作機構150の所定の操作に基づく払出ブロック施錠機構125の開錠に応じて前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を自動的に開放させるが、払出ブロック施錠機構125に対して錠開閉操作機構150への所定の操作を一旦実行すれば、その後は所定の操作を実行するための開閉鍵から手を離しても前面ブロック121を押さえていれば、更なる錠開閉操作機構150への操作を伴わずに手動で払出ブロック122及び遊技ブロック123を完全開放状態へ移行させたり、閉鎖状態へ移行させたりすることができる中間開放範囲内の半開放固定状態で停止させることができる。これによって、半開放固定状態において、錠開閉操作機構150に対して操作部への所定の操作を一旦実行すればその後は所定の操作を実行するための開閉鍵から手を離しても前面ブロック121を押さえていれば、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を開放できるために、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を開放させる際に錠開閉操作機構150を操作した状態で前面ブロック121と払出ブロック122及び遊技ブロック123とを開放させる必要がなくなる。したがって、前面ブロック121に対する払出ブロック122及び遊技ブロック123の開放操作の円滑性が向上し、また、施錠機構への負荷が低減することによって前面ブロック121に対して払出ブロック122を施錠する施錠機構の耐久性が向上する。更に、枠体に対する遊技機本体の開放又は閉鎖における誤操作によって前面ブロック121に対して払出ブロック122を開錠する操作がなされたとしても半開放固定状態で停止し、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123が大開放範囲まで開放されないために、前面ブロック121と払出ブロック122及び遊技ブロック123とを押さえることによって前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を閉鎖状態に簡便に復帰させることができ、錠開閉操作機構150を操作した状態で前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を閉鎖させる必要がなくなる。したがって、前面ブロック121に対する払出ブロック122及び遊技ブロック123の開放操作の円滑性が向上し、また、施錠機構への負荷が低減することによって前面ブロック121に対して払出ブロック122を施錠する施錠機構の耐久性が向上する。
前面ブロック121は、主に、入賞に伴い払い出された遊技球(以下「払出球」とも称す)や貸し出された遊技球(以下「貸与球」とも称す)を遊技者によって取り扱い可能な状態で貯留したり、単位遊技の開始条件となる所定の個数の遊技球を投入(以下「ベット」とも称す)したり、単位遊技を進行させるための遊技者による各種の入力を受け付けたり、遊技進行に伴う所定の遊技状態を報知したり、遊技進行に伴う視覚的及び聴覚的な演出を行ったりする。払出ブロック122は、主に、投入された遊技球の返却及び遊技者への遊技球の払い出しを行う。なお、払出ブロック122は、外部電力を取り込んで球式回胴遊技機100の各部へ内部電力を供給する。遊技ブロック123は、主に、単位遊技における当選役を決定する抽選や当選役に基づく単位遊技の結果の表示や当選役に基づく演出の報知等の遊技進行の包括的な管理を行う。なお、前面ブロック121及び払出ブロック122は球式回胴遊技機の種類に実質的に依存せず、また、遊技ブロック123は払出ブロック122に対して着脱自在に支持されているために、遊技ブロック123のみを取り替えること(一般的に、「面替え」と称される)によって他の遊技性を有する遊技機に変更ができる。以下において、前面ブロック121、払出ブロック122、遊技ブロック123についてブロック別に概ねこの順序で詳細に説明する。
なお、それらの説明に先立ち、説明の便宜上、遊技ブロック123における回胴ユニット710について簡単に説明する。遊技ブロック123は、図9に示されたように、左回胴810Lと、中回胴810Mと、右回胴810Rとを備えている。左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの各々の表面には複数種類の図柄が描かれており、単位遊技の開始時に左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが所定の方向に回転することによって図柄表示が変動し、その後、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが停止することによって遊技結果を表す図柄表示が確定される。
(前面ブロック)
前面ブロック121について説明する。図17及び図18は、それぞれ、前面ブロックの一例を表す正面側及び背面側の斜視図であり、前面ブロック121は、図17及び図18に示されたように、基枠300と、基枠300に取着され、遊技ブロック123における遊技結果の表示や遊技進行に伴う演出等を透視できる透明性の遊技領域透視パネル301と、基枠300の前面側に取着された前面パネル枠310と、遊技球を貯留する上貯留皿320と、遊技球を貯留する下貯留皿330(図17のみ)と、遊技球の投入指示を入力するベット操作装置340(図17のみ)と、上貯留皿320に貯留された遊技球を下貯留皿330へ移動させたり、一旦投入された遊技球を返却させたりするために操作される返却操作機構350(図17のみ)と、ベット操作装置340への投入指示の入力に応じて上貯留皿320に貯留された遊技球を投入したり、返却操作機構350の操作に応じて上貯留皿320に貯留された遊技球を下貯留皿330に移動させたり、返却操作機構350の操作を検知して投入済の遊技球と同数の遊技球の返却を指示したりする投入装置360(図18のみ)と、単位遊技の開始指示を入力する単位遊技開始操作装置370(図17のみ)と、遊技ブロック123における図柄変動の停止指示を入力する図柄変動停止装置380(図17のみ)と、球式回胴遊技機100に隣接して設けられる球貸出制御ユニット(図示せず)と連動して遊技球の貸出指示を入力したり、貸し出し状況を表示したりする球貸出操作装置390と、遊技進行に伴う音響演出や遊技状態に応じた音響報知を行う下音響装置311、右上音響装置312及び左上音響装置313(図17のみ)からなる音響装置群と、遊技進行に伴う発光演出や遊技状態に応じた発光報知を行う上発光装置314、右発光装置315(図17のみ)及び左発光装置316からなる枠発光装置群と、遊技進行に伴う演出形態を変更する演出変更操作装置319(図17のみ)とを備えている。
基枠300及び前面パネル枠310の各々は、前面ブロック121に設けられる各種の装置等を固定するための基礎となる枠体である。なお、上述のように、遊技機本体120(図4参照)の一部としての基枠300には、遊技機本体120と外枠110(図4参照)とを回動自在に支持固定する一対の本体支持機構130(図4参照)を構成する一対の本体側固定部材132(図18のみ)と、外枠110に対して遊技機本体120を施錠する本体施錠機構140(図4参照)を構成する施錠機構142(図17のみ)、施錠機構142を操作するための錠開閉操作機構150(図17のみ)と、外枠110に対する遊技機本体120の開閉状態を検出する本体開閉検出装置160(図5参照)の可動部材162(図18のみ)及び付勢体163(図18のみ)と、外枠110に対する遊技機本体120の開閉を円滑化する開閉円滑化機構170(図3参照)の内側ローラ171(図18のみ)及び外側ローラ172(図18のみ)と、外枠110(図9参照)に対する遊技機本体120の意図しない開放を抑制する滑止部材180(図18のみ)とが取着されている。以下において、図17及び図18を参照しながら前面ブロック121の具体的な構成について説明する。
遊技領域透視パネル301は、基枠300の窓部に後方側から挿入され、遊技領域透視パネル301の周縁において基枠300にネジ止めされている。遊技領域透視パネル301の背面側には遊技ブロック123(図4参照)が配置されており、遊技者は、遊技領域透視パネル301を通して遊技ブロック123で表示される各種の情報や演出を視認できる。
上貯留皿320は、遊技領域透視パネル301の下方において、前面パネル枠310を貫通してその一部が前面側に突出するように基枠300に取着されており、遊技球をベット用に貯留する。上貯留皿320には、遊技者が遊技球を直接に投入できると共に、払出球が自動的に流入する。なお、上貯留皿320は、返却操作機構350及び球貸出操作装置390と共に、それらが一体化された上皿ユニットを構成する。上皿ユニットは、基枠300に着脱自在に取り付けられることによって前面ブロック121に配設される。
また、上貯留皿320は、上貯留皿320から投入装置360への遊技球の流入を許容したり、禁止したりする流下規制機構324(図18参照)を備えている。操作レバー部327B(図18参照)を回転させると、流下規制部材(図示せず)が、投入装置360への流出口を狭窄し、遊技球が流出できなくなる。逆に、操作部材327の操作レバー部327Bを逆回転させると、投入装置360への流出口を拡大し、遊技球が流出できるようになる。
下貯留皿330は、図17に示されたように、その一部が前面側に突出するように前面パネル枠310に取着されており、上貯留皿320に貯留しきれない遊技球や球式回胴遊技機100の外部に排出する場合に一時的に遊技球を貯留する。下貯留皿330には、上貯留皿320が満杯である場合に払出球が流入し、また、返却操作機構350の操作に基づいて上貯留皿320に貯留されている遊技球が流入する。下貯留皿330は、放出球(払出球、貸出球)が流入する流入口331A、上貯留皿320に貯留されている遊技球が流入する返却口331B及び遊技球が流出する排出口331Cが形成された桶状部材331と、排出口331Cを開放する開放位置と排出口331Cを閉鎖する閉鎖位置との間で移動自在な板状の可動部材332と、可動部材332を移動させる操作レバー333と、可動部材332を閉鎖位置側に付勢する付勢体(図示せず)とを備えている。図17において可動部材332が閉鎖位置に位置し、排出口331が閉口状態である場合が示されており、この状態から操作レバー333を付勢体からの付勢力に抗して左方向へ移動させると、可動部材332が開放位置に移動し、排出口331が開口状態となる。一方、操作レバー333を右方向へ移動させた状態において、操作レバー333から手を離すと、可動部材は付勢体からの付勢力によって閉鎖位置に自動的に復帰する。
ベット操作装置340は、前面パネル枠310における上貯留皿320の前方側に突出する部分に取着されている。ベット操作装置340は、単位ベット数(1ベット)に対応する所定の単位個数(例えば、5球)の遊技球をベットする最小ベット操作部340Aと、最大規定数の遊技球をベットする最大ベット操作部340Cとを備えている。ここで、最大規定数とは、単位遊技においてベットできる遊技球の最大数を意味し、通常遊技状態の単位遊技において5球、10球又は15球の遊技球をベット(1ベット、2ベット又は3ベット)できる場合には15球を意味し、特別遊技状態中の単位遊技等において5球の遊技球のみをベットできる場合には5球を意味する。
最小ベット操作部340Aは、前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作される単位ベットボタン(入力操作部)341Aと、単位ベットボタン341Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、単位ベットボタン341Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含む単位ベットスイッチ341(図41参照:ベットスイッチの一種)を備えている。同様に、最大ベット操作部340Cは、前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作される最大ベットボタン(入力操作部)343Aと、最大ベットボタン343Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、最大ベットボタン343Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含む最大ベットスイッチ343(図41参照:ベットスイッチの一種)を備えている。遊技者によるベット操作装置340の操作に応じて、ベット操作部の種類(最小ベット操作部340A又は最大ベット操作部340C)に応じたベット指示が入力される。具体的には、単位ベットボタン341A及び最大ベットボタン343Aの押圧操作に応じて、それぞれ、単位ベット指示(ベット指示の一種)及び最大ベット指示(ベット指示の一種)が入力される。単位ベットボタン341A及び最大ベットボタン343Aは、遊技者が手を離すと押圧が解除されて、付勢体からの付勢力に基づいて基準位置に自動復帰する。なお、このベット指示の入力に応じて、投入装置360がベット指示の種類や遊技状態の種類に応じた所定の個数の遊技球を投入することとなる。
最大ベット操作部340Cは、更に、最大ベットボタン343Aに裏面側に設けられた発光素子(図示せず)と発光素子の発光を制御する発光制御回路(図示せず)とを含む最大ベット発光装置344(図41参照)を備えている。最大ベット発光装置344は、最大ベットスイッチ343が有効に操作できる場合に、遊技者に最大ベットボタン343Aの操作を促すために点灯され、最大ベットスイッチ343が有効に操作できない場合には消灯される。最大ベットスイッチ343が有効に操作できる場合としては、例えば、遊技ブロック123(図9参照)における後述する左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810R(図9参照)による図柄表示の変動が行われていない状態において最大規定数の遊技球がベットされていない場合が挙げられ、最大ベットスイッチ343が有効に操作できない場合としては、例えば、図柄表示の変動が行われている場合や前回の単位遊技で再遊技役が入賞した場合が挙げられる。
返却操作機構350は、前面パネル枠310における上貯留皿320の前方側に突出する部分に配設されている。なお、返却操作機構350は、球貸出操作装置390と共に上貯留皿320に取着されて、それらが一体化された上皿ユニットを構成し、上皿ユニットが基枠300に取着されることによって所定の位置に配設される。返却操作機構350は、図**に示されたように、上貯留皿320の下側に配設される収納部材351と、収納部材351に立設された支軸351Aに軸支された回動自在な操作部材352と、収納部材351に立設された支軸351Bに軸支された回動自在な押圧部材353と、収納部材351を覆う蓋部材354と、収納部材351と操作部材352とを接続し操作部材352を所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを備えている。操作部材352は、支軸351Aに軸支された基部352Aと、基部352Aに延設されて前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作される返却操作部352Bと、押圧部材353の接続軸部353Bを摺動自在に把持する把持部352Cとを含んでいる。押圧部材353は、支軸351Bに軸支された基部353Aと、基部353Aの一方の先端から回転軸方向に突出して操作部材352の把持部352Cに摺動自在に接続される接続軸部353Bと、基部352Aの他方の先端から回転軸方向に突出して投入装置360(図19参照)の返却シャッタ364(図19参照)を押圧する押圧部353Cとを含んでいる。
返却操作部352Bに遊技者によって回転力が付与されると、操作部材352が支軸351Aを中心にして回転し、その回転に連動して押圧部材353が支軸351Bを中心にして回転する。押圧部材353の回転に応じて押圧部353Cが奥方側へ移動し、その移動に基づいて押圧部353Cが投入装置360の返却シャッタ364を押圧する。この押圧力によって返却シャッタ364が移動して、上貯留皿320に貯留されている遊技球が下貯留皿330に返却されることとなる。なお、返却シャッタ364の移動に伴う返却動作については、投入装置360の説明において詳細に説明することとし、ここでの説明は省略する。
球貸出操作装置390は、前面ブロック121における上貯留皿320の前方側に突出する部分に配設されている。球貸出操作装置390は、遊技球の貸し出し可能な状態であるか否か、また貸し出し可能な場合にはその貸し出しの上限を表示する度数表示部391と、遊技球の貸し出しを受ける場合に遊技者によって操作される球貸出操作部392と、球貸し出し用のカードを返却する場合に遊技者によって操作されるカード返却操作部393とを備えている。度数表示部391は、球式回胴遊技機100に隣接して遊技機固定設備(図示せず)に設けられるCRユニット(図示せず)に所定のカード(図示せず)を挿入することでそのカードに電気的に記憶されている残額に相当する度数を表示し、遊技球の貸し出しが可能であることと共に貸し出しの上限を報知する。例えば、度数表示部391は、カードの残額の1/100の値を度数として表示する。一方、CRユニットにカードが挿入されていない場合には、度数表示部391は、消灯した状態を維持することによって遊技球の貸し出しが可能でないことを報知する。球貸出操作部392は、上貯留皿320の上面側に突出し遊技者によって操作される球貸出ボタン(入力操作部)392Aと、球貸出ボタン392Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、球貸出ボタン392Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含むボタンスイッチ(図示せず)である。遊技者による球貸出ボタン392Aの球貸出操作に応じて払出制御装置580(図27参照)の払出制御基板581(図41参照)に球貸出指示が入力されて、払出装置540から遊技球が貸し出されることとなる。カード返却操作部393は、上貯留皿320の上面側に突出し遊技者によって操作されるカード返却ボタン(入力操作部)393Aと、球貸出ボタン393Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、カード返却ボタン393Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含むボタンスイッチ(図示せず)である。遊技者によるカード返却操作部393の操作に応じてカード返却指示がCRユニットに入力され、CRユニットからカードが返却されることとなる。
投入装置360は、上貯留皿320及び投入装置360に貯留されている遊技球をベット操作装置340(図17参照)の操作に応じて所定数だけ投入したり、返却操作機構350の操作に応じて下貯留皿330に返却したり、返却操作機構350の操作に応じて既に投入(ベット)されている遊技球の払い戻しを指示したりする。図19は、投入装置の一例を表す斜視図であり、図20は、投入装置の一例を表す部分分解斜視図である。
投入装置360は、図19及び図20に示されたように、上貯留皿320の3つの流出通路に1つずつ対応した第1条の投入部361、第2条の投入部362及び第3条の投入部363と、第1条の投入部361〜第3条の投入部363に摺動自在に貫設され、上貯留皿320(図17参照)から下貯留皿330(図17参照)への遊技球の流下を規制する返却シャッタ364と、返却シャッタ364の一端を覆うカバー部材365と、カバー部材365の中空突出部365Aの内部に配置され返却シャッタ364を所定の基準位置に復帰させる方向に付勢する付勢体366(図20のみ)と、返却シャッタ364の基準位置からの移動を検知する返却スイッチ367と、主制御装置750(図35参照)の主制御基板751(図41参照)と投入装置360との間の電気信号の伝達や電力の供給を中継する投入系信号中継装置368と、投入系信号中継装置368を被覆するカバー部材369とを備えている。投入装置360は、投入すべき遊技球を第1条の投入部361〜第3条の投入部363の3つの投入系統で協同して投入する。
第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々は、図20に示されたように、第1ケーシング部材411と第2ケーシング部材412とで構成されるケーシングを備えている。第1条の投入部361及び第2条の投入部362の第1ケーシング部材411が、それぞれ、第2条の投入部362及び第3条の投入部363の第2ケーシング部材412に取り付けられることによって、第1条の投入部361、第2条の投入部362及び第3条の投入部363は、一体的に連接されている。第1条の投入部361、第2条の投入部362及び第3条の投入部363の各々のケーシングには、遊技球の通り道となる球通路420や各種の部材が配置される空間が形成される。球通路420は、投入装置360の上面側において上貯留皿320から流出してきた遊技球が載置される緩やかに傾斜した樋状の待機通路421と、待機通路421の下流側において待機通路421に対して屈曲して下方側(略鉛直方向)に延びる投入通路422と、待機通路421の下流側において斜め下方側に延びて払出通路を越えた後に屈曲して下方側に延びる返却通路423とで構成されている。第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々は、第1ケーシング部材411と第2ケーシング部材412とが組み付けられたケーシングに配設され、待機通路421から投入通路422への遊技球の流下を禁止する投入禁止状態とその流下を許容する投入許容状態との間で状態移行自在な投入フリッカ440と、ケーシングに配設され、投入フリッカ440による投入規制状態を変更する投入ソレノイド430と、ケーシングに配設され、投入通路422へ流入した遊技球を検出する通過センサ450と、ケーシングに配設され、通過センサ450より下流側において投入通路422を流下する遊技球を検出するカウントセンサ460とを備えている。
返却シャッタ364は、図20に示されたように、第1条の投入部361〜第3条の投入部363にわたって摺動自在に挿通され(図19も参照)、第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々における待機通路421から返却通路422への遊技球の流下を一斉に禁止する返却禁止状態とその流下を一斉に許容する返却許容状態との間で状態移行自在である。返却シャッタ364には、第1条の投入部361〜第3条の投入部363における3つの球通路420に1つずつ対応付けられた3つの返却遮断壁364Aと、3つの球通路420に1つずつ対応付けられた3つの返却窓孔364Bと、3つの返却窓孔464Aの各々の下部において待機通路421側へ延在し、待機通路421から各窓孔364Bに遊技球を案内する3つの誘導片364Cと、第3条の投入部363より外方向に突出し、返却操作機構350の押圧部材353に当接する被押圧部364Dと、付勢体366に当接する被付勢部364Eと、返却スイッチ367を作動させる作動片364Fとが形成されている。第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々において、返却シャッタ364が返却禁止状態である場合には、返却遮断壁364Aの少なくとも一部が球通路420の内側に配置されて待機通路421から返却通路423への遊技球の流入を禁止している。一方、返却シャッタ364が返却許容状態である場合には、返却遮断壁364Aが球通路420の外側に配置されると共に返却窓孔364B及び誘導片364Cが球通路420の内側に配置されて待機通路421から返却通路423への遊技球の流入を許容する。なお、返却シャッタ364は、返却許容状態において付勢体366から付勢力を受けており、返却操作機構350の操作解除に応じて返却禁止状態へ自動的に復帰する。
返却スイッチ367は、図20に示されたように、返却シャッタ364の移動を検出し、返却シャッタ364の移動の検出状態に基づいて検出状態に応じた信号を、投入系信号中継装置368を介して主制御装置750(図36参照)の主制御基板751(図41参照)に出力する。主制御基板751は、返却スイッチ367からの信号に基づいて、ベット操作装置340(図17参照)の操作の受付を不能にし、投入動作中である場合にはその投入動作を中断する。更に、既に投入済の遊技球が存在する場合には、主制御基板751は払出制御装置580(図27参照)の払出制御基板581(図41参照)に返却指示を出力し、払出制御装置581は返却指示に応じて投入済の遊技球と同数の遊技球を払出装置540(図27参照)から返却させる。
第1条の投入部361〜第3条の投入部363について詳細に説明する。なお、第1条の投入部361〜第3条の投入部の構成は実質的に同一であるために、第1条の投入部361について説明し、第2条の投入部362及び第3条の投入部363についての詳細な説明を省略する。なお、第1条の投入部361〜第3条の投入部363の内部構造について互いの投入部を特に識別する必要がある場合には第1条、第2条及び第3条との接頭辞を付加して識別することとする。図21は、投入装置の一例を背面側から見た横断面図である。図21には、説明の便宜のために返却操作機構350も示されている。図22及び図23は、投入装置の一例を表す縦断面図であり、図22が投入動作をしていない場合を表し、図23が投入動作をしている場合を表している。
投入ソレノイド430は、図22に示されたように、固定筒(図示せず)及び固定筒の周縁に固定筒を中心にして配置された励磁コイル(図示せず)を含むソレノイド本体431と、ソレノイド本体431の固定筒に摺動自在に挿入されたプランジャ(可動磁性芯)432と、プランジャ432をソレノイド本体431から離隔させる方向に付勢する付勢体433(例えば、コイルバネ)と、プランジャ432の先端部に取着され、投入フリッカ440に接続される動力伝達部材434とを備えている。プランジャ432は、ソレノイド本体430の励磁コイルに電流が印加されると磁気吸着によってコイルバネ433からの付勢力に抗してソレノイド本体431に近接するように移動し、励磁コイルの電流が遮断されると付勢体433からの付勢力に基づいてソレノイド本体431から離隔するように反対側に移動する。このとき、動力伝達部材434もプランジャ432の動きに追従して移動する。
投入フリッカ440は、第1ケーシング部材411及び第2ケーシング部材412によって固定される支軸441と、支軸443に回動自在に軸支され、投入ソレノイド430の動力伝達部材434に接続される基端部材442と第1ケーシング部材411及び第2ケーシング部材412によって固定される支軸443と、支軸441に回動自在に軸支された先端部材444とを備えている。基端部材442の一端に形成されている二股上に突出する把持部442Aによって投入ソレノイド430の動力伝達部材434に形成されている舌片434Aが把持されており、基端部材442は、プランジャ432の移動に連動して支軸441を中心にして回動する。また、基端部材444において把持部442Aの形成側と異なる一端に形成されている可動連結軸(図示せず)が先端部材444の一端に形成された軸受孔(図示せず)に遊挿されており、先端部材444は、基端部材442の回動に連動して支軸443を中心にして回動する。
第1条の投入部361における投入動作について説明する。第1条の投入部361が投入動作をしていない場合には、図22に示されたように、投入ソレノイド430は、励磁コイルが励磁されておらずプランジャ432がソレノイド本体431から離隔する所定の非作動位置に配置されている非作動状態であり、また、投入フリッカ440は、先端部材444において軸受孔の形成側と異なる一端に形成された尖塔形状の規制部444Bの一部が球通路420の内側に配置され、待機通路421から投入通路422への流入が禁止されている投入禁止状態である。なお、投入フリッカ440は、主制御装置750(図35参照)の主制御基板751(図41参照)からの投入制御信号のオン状態への移行に基づいて励磁コイルに電流が印加されて投入ソレノイド430が作動すると、励磁コイルの励磁に応じて、付勢体433からの付勢力に抗してプランジャ432が上方(ソレノイド本体431側)へ並進移動する。このプランジャ432の移動に基づいて動力伝達部材434も上方へ並進移動し、動力伝達部材434に接続された基端部材442が支軸441を中心に回転(図中においては反時計回りに回転)し、また、基端部材442の回転に基づいて先端部材444が支軸443を中心に基端部材442と反対方向に回転(図中においては時計回りに回転)する。これによって、先端部材444の回転に応じて規制部444Bが球通路420から抜脱される方向に移動する。プランジャ432の並進移動が完了して所定の作動位置に配置されると、図23に示されたように、投入フリッカ440は、先端部材444の規制部444Bが球通路420の外側に配置され、待機通路421から投入通路422への流入が許容されている流入許容状態となる。なお、プランジャ432は流入許容状態において付勢体433から非作動位置に復帰させる方向の付勢力を受けている。流入許容状態においては、待機通路421に配置されていた遊技球が自重によって順次に投入通路422に流入する。
逆に、主制御基板751からの投入制御信号のオフ状態への移行に基づいて励磁コイルへの電流が遮断されて投入ソレノイド430の作動が停止すると、励磁コイルが消磁されて、付勢体433からの付勢力によってプランジャ432が下方へ並進移動する。このプランジャ432の移動に基づいて動力伝達部材434が下方へ並進移動し、基端部材442が支軸441を中心に回転(図中においては時計回りに回転)し、また、基端部材442の回転に基づいて先端部材444が支軸443を中心に基端部材442と反対方向に回転(図中においては反時計回りに回転)する。これによって、先端部材444の回転に応じて規制部444Bが球通路420に挿入される方向に移動する。プランジャ432の並進移動が完了して所定の非作動位置に配置されると、図22に示されたように、投入フリッカ440は、先端部材444の規制部444Bが球通路420の外側に配置された流入禁止状態となる。
通過センサ450は、投入通路322において投入フリッカ440の先端部444Bのすぐ下流側に配置され、投入通路322に流入した遊技球を検出する。通過センサ450は、投入フリッカ440の先端部材442の一部を取り囲む横断面略コ字形状であり、上流側センサ451と上流側センサ451よりも下流側に配設された下流側センサ452とを備えている。上流側センサ451と下流側センサ452とは、遊技球1個分の直径よりも短い所定の間隔を隔てて設けられている。上流側センサ451及び下流側センサ452の各々は、投入フリッカ440よりも前面側又は背面側のいずれか一方側に配設された発光素子(図示せず)と他方側に配設された受光素子(図示せず)とを含んでおり、受光素子における発光素子からの検査光の受光状態の変化で遊技球を検出する。上流側センサ451及び下流側センサ452は、遊技球の検出状態に基づいて検出状態に応じた信号を、投入系信号中継装置368を介して主制御基板751に出力する。
上流側センサ451及び下流側センサ452の双方が遊技球を検出していない状態から、上流側センサ451のみが遊技球を検出している状態、上流側センサ451及び下流側センサ452が同時に遊技球を検出している状態、下流側センサ452のみが遊技球を検知している状態をこの順序経て上流側センサ451及び下流側センサ452の双方が遊技球を検出していない状態に戻る場合であって、それらの状態移行が所定の通過許容時間内に行われたときは、主制御基板751において、上流側センサ451及び下流側センサ452から出力される信号の変化パターンに基づいて1球の遊技球が正常に投入されたと判定される。また、通過センサ450による遊技球の検出に基づいて、主制御装置750の主制御基板751において投入動作を停止させるための投入ソレノイド430の制御が実行される。具体的には、通過センサ450による遊技球の検出に基づいて、正常に投入された遊技球の個数が第1条の投入部361で投入すべき個数よりも1つ少ない状態において上流側センサ451が遊技球を検出した場合に、投入ソレノイド430の作動が停止され、投入フリッカ440が投入禁止状態に移行する。なお、下流側センサ452のみが遊技球を検知した状態から上流側センサ451及び下流側センサ452の双方が同時に遊技球を検知している状態に変化した場合等のように遊技球が正常には投入されなかったと判定された場合には、投入エラーの発生を報知装置群及び音響装置群が報知すると共に遊技進行が停止される。これによって、不正具を用いてあたかも遊技球が投入されたかのようにする不正行為によって遊技が行われることを抑制できる。
カウントセンサ460は、第1条の投入部361〜第3条の投入部363によって投入された遊技球の個数を通過センサ450とは別個に検出し、遊技球の検出状態に基づいて検出状態に応じた信号を、投入系信号中継装置368を介して主制御装置750の主制御基板751に出力する。カウントセンサ460における遊技球の検出に基づいて計数された投入済個数が通過センサ450における遊技球の検出に基づいて正常な投入と判定された遊技球の個数未満である場合には、投入数エラーと判断されることとなり、投入数エラーの発生を報知装置群及び音響装置群が報知すると共に遊技進行が停止される。これにより不正具を用いてあたかも遊技球が投入されたかのようにする不正行為によって遊技が行われることを更に良好に抑制できる。また、カウントセンサ460は、通過センサ450とは異なる作用によって遊技球の通過を検出する。具体的には、通過センサ450は光学センサであるが、カウントセンサ460は磁気センサである。これによって、カウントセンサ460を通過したものが鉄材料であるか否かも判定できることとなり、正規の鉄製の遊技球と異なる安価な樹脂製の遊技球等を投入する不正行為によって遊技が行われることも抑制できる。
ここで、返却操作機構350の操作に基づく投入装置360の返却動作について説明する。図24及び図25は、それぞれ、投入装置の一例を返却状態によって表す横断面図及び縦断面図である。返却操作機構350が操作されていない場合には、図21及び図22に示されたように、返却シャッタ364は基準位置にあり、第1条の投入部361〜第3条の投入部363(図21においては第1条の投入部361のみ図示)において、返却シャッタ364の返却遮断壁部364Aの一部が球通路420の内側に突出し、第1条の投入部361〜第3の投入部363の全てにおいて待機通路421から返却通路423への遊技球の流入が禁止されている。返却操作機構350の操作部材352における返却操作部352Bが返却操作(図中において時計回りの回転操作)されると、付勢体354からの付勢力に抗して操作部材352が支軸351Aを中心にして回転(図中において時計回りの回転)し、操作部材352の回転に基づいて押圧部材353が操作部材352と反対方向に回転(図中において反時計回りの回転)する。押圧部材353の回転に応じて押圧部353Cが返却シャッタ364の被押圧部364Dを押圧し、返却シャッタ364が所定の基準位置から並進移動(図中において下方移動)する。この返却シャッタ364の移動に応じて、第1条の投入部361〜第3条の投入部363において、返却シャッタ364の返却遮断壁364Aが球通路420の外側に移動すると共に返却窓孔364B及び誘導片364Cが球通路420の内側に移動する。これによって、図25に示されたように、返却遮断壁364Aが球通路420の外側に配置されると共に返却窓孔364B及び誘導片364Cが球通路420の内側に配置されて、待機通路421から返却通路423への遊技球の流入が許容され、待機通路421及び上貯留皿320(図17参照)に貯留されている遊技球が返却通路423を経て下貯留皿330(図17参照)へ移動する。なお、返却スイッチ367は、返却シャッタ364が基準位置から移動を開始した直後に、その移動を検出する。この返却許可状態において返却操作部352Aから手を離すと、操作部材352及び押圧部材353は付勢体からの付勢力に基づいて、また、返却シャッタ364は付勢体367の付勢力に基づいて、図24に示された状態に戻る。
単位遊技開始操作装置370は、図17に示されたように、前面パネル枠310における上貯留皿320の前方側に突出する部分に取着されている。単位遊技開始操作装置370は、前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作されるスタートレバー(入力操作部)371Aと、スタートレバー371Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、スタートレバー371Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含むスタートスイッチ371を備えている。遊技者による単位遊技開始操作装置370の単位遊技開始操作、具体的にはスタートレバー371Aの押圧操作に応じて、主制御装置750(図35参照)の主制御基板751(図41参照)に単位遊技開始指示が入力される。スタートレバー371Aは、遊技者が手を離すと押圧が解除されて、付勢体からの付勢力に基づいて基準位置に自動的に復帰する。この単位遊技開始指示の入力に応じて、各種の役から当選役(ハズレ役を含む)が決定され、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810R(図9参照)による図柄表示の変動が開始されることとなる。
単位遊技開始操作装置370は、更に、スタートスイッチ371が有効に操作できることを報知する発光装置372(図41参照)を備えており、発光装置372は、スタートスイッチ371が有効に操作できる場合に点灯し、一方、スタートスイッチ371が有効に操作できない場合には消灯する。なお、スタートスイッチ371が有効に操作できる場合として、例えば、図柄表示の変動が行われておらず、少なくとも最小規定数以上の遊技球がベットされた場合が挙げられる。ここで、最小規定数とは、単位遊技においてベットできる遊技球の最小数を意味し、通常遊技状態の単位遊技において5球、10球又は15球の遊技球をベット(1ベット、2ベット又は3ベット)できる場合には5球を意味し、特別遊技状態中の単位遊技等において5球の遊技球のみをベットできる場合には5球を意味する。なお、単位遊技においてベットできる個数に選択の幅がない場合には、最小規定数と最大規定数とは同一の値となる。
図柄変動停止操作装置380は、前面ブロック121における上貯留皿320の前方側に突出する部分に配設されている。図柄変動停止操作装置380は、左回胴810Lの回転を停止させるために左回胴停止指示を入力する左回胴停止操作部380Lと、中回胴810M(図9参照)の回転を停止させるために中回胴停止指示を入力する中回胴停止操作部380Mと、右回胴810Rの回転を停止させるために右回胴停止指示を入力する右回胴停止操作部380Rとを備えている。左回胴停止操作部380Lは、上貯留皿320の前面側に突出し遊技者によって操作される左回胴停止ボタン(入力操作部)381Lと、左回胴停止ボタン381Lの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、左回胴停止ボタン381Lを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含む左回胴停止スイッチ384L(図41参照:回胴停止スイッチの一種)を備えている。左回胴停止操作部380Lは、更に、左回胴停止スイッチ381Lが有効に操作できることを報知する発光装置385L(図41参照)を備えている。発光装置385Lは、左回胴停止スイッチ384Lが有効に操作できる場合に点灯しており、左回胴停止スイッチ384Lが有効に操作できる場合に消灯している。左回胴停止スイッチ384Lが有効に操作できる場合としては、前回の単位遊技から所定の時間が経過し、左回胴810Lが定常回転している場合が挙げられる。なお、中回胴停止操作部380Mや右回胴停止操作部380Rが操作中である場合はこの限りではない。左回胴停止操作部380Lの場合と同様に、中回胴停止操作部380Mは、中回胴停止ボタン381M、操作検出器(図示せず)及び付勢体(図示せず)とを含む中回胴停止スイッチ384M(図41参照:回胴停止スイッチの一種)と発光装置385M(図41参照)とを備え、右回胴停止操作部380Rは、右回胴停止ボタン381R、操作検出器(図示せず)及び付勢体(図示せず)とを含む右回胴停止スイッチ384R(図41参照:回胴停止スイッチの一種)と発光装置385R(図41参照)とを備えている。
遊技者による左回胴停止スイッチ384Lへの停止入力操作、具体的には、左回胴停止ボタン381Lの押圧操作に応じて、左回胴810Lの回転が停止することとなる。なお、遊技者が左回胴停止ボタン381Lから手を離す等によって押圧操作が解除されると、左回胴停止ボタン381Lは自動的に所定の基準位置に復帰して、次回の押圧操作を受け付ける状態となる。同様に、中回胴停止スイッチ384M及び右回胴停止スイッチ384Rへの停止入力操作への停止入力操作に応じて、それぞれ、中回胴810M及び右回胴810Rの回転が停止することとなる。したがって、左回胴停止スイッチ384L、中回胴停止スイッチ384M又は右回胴停止スイッチ384Rが操作されるごとに左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rによる図柄表示の変動が部分的に停止され、左回胴停止スイッチ384L、中回胴停止スイッチ384M及び右回胴停止スイッチ384Rの全てが操作された場合にその図柄表示の変動が完全に停止する。
音響装置群を構成する下音響装置311、右上音響装置312及び左上音響装置313の各々は、エラー報知や遊技進行に伴う演出等において単純機械音や音声や音楽を出力する。
枠発光装置群を構成する上発光装置314、右発光装置315及び左発光装置316の各々は、エラー報知や遊技進行に伴う演出等において、点灯したり、消灯したり、点滅したりする。
(払出ブロックの構成)
払出ブロック122について説明する。図26及び図27は、払出ブロックの一例を表す前面側及び背面側の斜視図であり、図28は、払出ブロックの一例を表す部分分解斜視図である。また、図29及び図30は、払出ブロックの一例を表す正面図及び背面図である。なお、図30においては、一部の部材を取り除いた状態が示されている。
払出ブロック122は、図26〜図29に示されたように、払出ブロック122に配置される各種の装置等を固定する基体になる払出ブロック基体500と、払出ブロック基体500に取着され、遊技機固定設備(図示せず)から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側において払出ブロック基体500に取着され、積層貯留されている遊技球を4条に整流させると共に1段に整列させるタンクレール520と、タンクレール520の下流側において払出ブロック基体500に取着され、タンクレール520から流入した遊技球を誘導するケースレール530と、ケースレール530の下流側において払出ブロック基体500に取着され、遊技進行に伴う入賞に基づく遊技球の払い出しや球貸出要求に基づいて遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出ブロック基体500に取着され、払出装置540から流出した遊技球を払出ブロック基体500に形成された所定の各種の誘導通路に誘導する誘導部材550と、払出ブロック基体500に取着され、遊技機の内部電源を制御する電源制御装置570と、電源制御装置570に積層され、遊技球の払出動作を制御する払出制御装置580と、球式回胴遊技機100をCRユニット(図示せず)に接続するためのCRユニット接続装置590とを備えている。なお、上述のように、払出ブロック122の一部としての払出ブロック基体500には、払出ブロック122(図9及び図10参照)を前面ブロック121(図9及び図10参照)に対して回動自在に支持固定する一対のブロック支持機構124(図9及び図10参照)の図27に示された払出ブロック側支持部材212と、払出ブロック122(図9及び図10参照)を前面ブロック121(図9及び図10参照)に対して施錠する払出ブロック施錠機構125の図26に示された一対の払出ブロック側施錠部材231と、払出ブロック122に対して遊技ブロック123を固定すると一対の遊技ブロック固定機構126(図10参照)の図26に示された払出ブロック側固定部材241と、払出ブロック122から前面ブロック121への遊技球の移動を規制するブロック間遊技球移動規制機構127(図10参照)の図29に示された上皿側球止め機構251及び下皿側球止め機構252と、前面ブロック121に対する払出ブロック122の自動開放を制限する自動開放制限機構128(図9及び図10参照)の図26に示された係合丘部271及び陥没部272とが設けられている。
払出ブロック基体500には、その中央に背面側へ張り出して遊技ブロック123(図35及び図36参照)を被包する保護カバー部501が形成され、保護カバー部501の上部及び一側部を取り囲むように、遊技球タンク510、タンクレール520、ケースレール530、払出装置540、CRユニット接続装置590、払出制御装置560及び電源制御装置550が配設されている。また、払出ブロック基体500には、図30に示されたように、払出装置540から流出した遊技球を上貯留皿320(図17参照)へ案内する上皿誘導通路502と、払出装置540から遊技球を下貯留皿330(図17参照)へ案内する下皿誘導通路503と、遊技球を球式回胴遊技機100の外部へ排出する排出通路504が形成されている。上皿誘導通路502の流入口502Aから流入した遊技球は、上皿用流出口502B(図29参照)から流出して上貯留皿320の流入口320A(図18参照)に流入する。また、下皿誘導通路503の流入口503Aから流入した遊技球は、下皿用流出口503B(図29参照)から流出して下貯留皿330の流入口331A(図18参照)に流入する。
下皿誘導通路503には、球溢れ検出スイッチ509が設けられている。図31は、球溢れ検出スイッチの近傍の一例を表す背面図であって、図31(A)が正常状態を表し、図31(B)が球溢れ状態を表している。球溢れ検出スイッチ509は、図31(A)及び図31(B)に示されたように、作動部509Aと作動検出部509Bとを備えている。図31(A)に示された正常状態から下貯留皿330へ遊技球が流入して下貯留皿330(図17参照)が満杯となり、下皿誘導通路503における遊技球の貯留数が増加すると作動部509Aが作動検出部509Bの方向に押圧される。この押圧が所定の圧力を超えると、図31(B)に示されたように、作動検出部509Bが作動部509Aの移動を検出し、球溢れ検出スイッチ509がオン状態となる。そのオン状態が所定の時間にわたり継続した場合には球溢れエラーと判断され、払出装置540(図27参照)による払い出しの実行が一時中止されることとなる。一方、下貯留皿330の操作レバー333(図17参照)が操作されて下貯留皿330に貯留されている遊技球が減少すると、作動部509Aへの押圧力が低下し、その押圧力が所定の圧力を下回ると球溢れ検出スイッチ509がオフ状態となる。そのオフ状態が所定の時間にわたり継続した場合には球溢れエラーが解除され、払出装置540(図27参照)による払い出しの実行が再開されることとなる。
遊技球タンク510は、図26〜図29に示されたように、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端から遊技機固定設備の球循環装置から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端の底面には開口510Aが形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口510A側に自重によって移動する。また、長手方向と直交する方向(前後方向)に対して更に穏やかに傾斜し、前方側(払出ブロック基体500への取り付け面側)に優位に遊技球を誘導する。球循環装置(図示せず)は、遊技球を遊技球タンク510の前方側の端部近傍における上方から供給し、遊技球タンク510が満杯になると自動的に停止する構成であることが一般的であるために、遊技球タンク510において遊技球を前方側に優位に誘導することによって、前後方向に傾斜を持たせない場合と比較的して遊技球タンク510に多少の余裕がある状態で球循環装置からの遊技球の供給が停止させることができ、後述するタンクレール520における遊技球の整流整列における球詰まりの発生が抑制される。また、遊技球タンク510には、球循環装置から遊技球の供給される一端から中央近傍にかけて少なくとも底部を覆う帯電防止板511が取着されており、帯電防止板511は接地電位に接続されている。球循環装置から供給される遊技球は、遊技球の磨きやその搬送過程において静電気を帯び易く、また、一般的な球式回胴遊技機においては、遊技球の循環サイクルが弾球遊技機に比べて早いために静電気が蓄積され易いが、帯電防止板511を設けた場合には、帯電した遊技球が供給されたとしても最前段で静電気を除去できる。これによって、球式回胴遊技機100に静電気が蓄積されて、その蓄積された静電気が遊技者に放出されたり、その静電気によって各種の制御装置が誤作動したりすることを防止できる。
タンクレール520は、図27、図28及び図30に示されたように、遊技球タンク510の下方に取り付けられ、タンクレール520には遊技球タンク510の開口510Aを通して遊技球が流入する。タンクレール520は、仕切り片(図示せず)によって仕切られた4列(4条)の樋状通路(図示せず)を形成する桶状部材521と、桶状部材511に軸止された固定軸522と、固定軸512に回動自在に軸支され球詰まりを防止させながら4条に整流させると共に1段に整列させる一対の整流部材523と、整列した遊技球を誘導する誘導部材524と、タンクレール520からケースレール530への遊技球の流下を規制する流下規制機構525とを備えている。各樋状通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510から流入した側と長手方向の反対側へ遊技球を誘導する。整流部材523は固定軸522を中心軸として遊技球との接触によって振り子のように動作する。誘導部材524には4条の流出口(図示せず)形成されており、その流出口から遊技球が流出することを流下規制機構525の操作部525Aの操作によって禁止したり許容したりできる。
ケースレール530は、保護カバー部501の一側面部に沿うように縦向きに配置されており、タンクレール520から遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって前後左右に湾曲する4条の球通路530A(図30参照)が形成されている。また、球通路530Aの上流側には、球切れ検出スイッチ531が取着されている。球切れ検出スイッチ531は、ケースレール530の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール530よりも上流側で球詰りが発生してケースレール530に遊技球が補給されていない場合や次回の払出において最大個数の払出が完了できない場合を検出する。ここで、球切れ検出スイッチ531について詳細に説明する。図32(A)及び図32(B)は、球切れ検出スイッチの近傍の一例を表す縦断面図であって、図32(A)が球有り状態を表し、図32(B)が球無し状態を表している。
球切れ検出スイッチ531は、図32(A)に示されたように、ケースレールに軸止された支軸532と、支軸532に回動自在に軸支された作動片533と、作動片533の作動を検出する検出部534とで構成される。作動片533には、支軸532から半径方向下方に延びてケースレール530内の球通路530Aを閉鎖可能な板状の揺動部533Aと、支軸532よりも上方でかつ支軸532よりも一方側に偏った偏心部533Bと、偏心部533Bから一方側に突出し検出部534を感応させる感応部533Cが形成されている。検出部534は、作動片533の一方側に設置され、作動片533の回転に応じた感応部533Cの移動を検出する。
図32(A)に示されたようにケースレール530内に十分に遊技球が補給されている場合は、揺動部533Aが遊技球によって押されてほぼ鉛直下向きになり、球通路530Aの側壁となる。この場合には、感応部533Cが検出部534から離間しており、検出部534によって感応部533Cは検出されない。一方、ケースレール530の上流側で球詰りが発生している場合等、ケースレール530に遊技球が補給されない場合には、図32(B)に示されたように、ケースレール530内の遊技球が不足する。この場合、偏心部533Bと感応部533Cの自重で作動片533が回転し、揺動部533Aにて球通路530Aが閉鎖される。このとき、感応部533Cが検出部534にて検出される。この球切れ検出スイッチ530の検出結果に基づき、所定の時間にわたり球無し状態が継続したと判断された場合には球切れエラーが発光装置群によって報知される。一方、ケースレール530の上流側での球詰りが解消されると、遊技球がケースレール530に流れ込み揺動部533Aが押圧されて、検出部534によって感応部533Cが検出されない正常な状態に戻る。この球切れ検出スイッチ530の検出結果に基づき、所定の時間にわたり球有り状態が継続したと判断された場合には球切れエラーの報知が停止される。
払出装置540は、図27、図28及び図30に示されたように、所定の入賞条件を満たすこと又はCRユニット(図示せず)にカード(図示せず)を挿入した状態で球貸出ボタン(図8参照)を押すことで、遊技球の貸し出しを実行する。本実施形態では、一般的な弾球遊技機の最大の獲得球数が15球であるのに対し、球式回胴遊技機100の最大の獲得球数は75球であり、弾球遊技機に比べて球式回胴遊技機100の最大の獲得球数が多いという観点から、弾球遊技機よりも多数条で協同して払出しを実行し、払出球や貸出球の払い出しを迅速に行えるようにしている。つまり、弾球遊技機は2つの払出系統(2条)の払出装置を1つ備えていれば遊技を迅速に進行できたが、球式回胴遊技機100の場合は獲得球数が多くかつ賞球が全て払い出されなければ次の単位遊技を開始できないという制約があるので、遊技を遅滞なく進行できるように、本実施形態では、4つの払出系統(4条)で協同して払い出しを行うことによって払出球の払い出しの迅速化を図っている。
払出装置540は、図28に示されたように、第1払出装置541と、第2払出装置542と、第1払出装置541の背面側を覆うカバー543とを備えている。第1払出装置541及び第2払出装置542の各々は、2つの払出系統で払い出しを実行する。ここで、第1払出装置541及び第2払出装置542について説明する。なお、第1払出装置541及び第2払出装置542とは同一の構成であるために、以下においては、第1払出装置541についてのみ詳細に説明する。図33は、第1払出装置の構成の一例を表す部分分解図である。第1払出装置541は、第1ケーシング611と第2ケーシング612とカバー613とで構成される筐体を備え、第1ケーシング611がカバー613で被覆されること及び第2ケーシング612が第1ケーシング611で被覆されることによって、それぞれ、第1払出系統及び第2払出系統に遊技球の通過する球通路620が形成される。なお、第1ケーシング611は、第2ケーシング612に対してカバー613と同様の役割も担っている。球通路620は、ケースレール530の球通路530Aに連通する流入口近傍において曲折した待機通路621と、待機通路621より下流側の略直線な払出通路622と、払出通路622の途中で払出通路622から分岐する排出通路623とで構成されている。また、第1ケーシング611、第2ケーシング612及びカバー613の一側面には、払出制御基板581(図41参照)との間の各種の信号の送受信を行う払出系信号中継装置691が配設されている。
第1ケーシング611及び第2ケーシング612の各々には、待機通路621から払出通路622への遊技球の自重による移動を規制する支軸641及び支軸642によって軸支された払出フリッカ640と、払出フリッカ640の規制状態を変化させる払出ソレノイド630とが配設されている。なお、支軸641及び支軸642は2つの払出系統で共用されている。また、第1払出装置541は、待機通路621より上流側に貯留されている遊技球を排出通路623に強制的に誘導して、球式回動遊技機100の外部に排出させる球抜き機構680を備えている。球抜き機構680は、固定軸681と、固定軸681に軸支された操作レバー682と、払出通路622に進入した遊技球を払出通路622と排出通路623との分岐点において遊技球の流下経路を切り替える切換部684Aを2つの払出系統に対応して一対で含み2つの払出系統で共通な切換部材684と、払出ソレノイド630を強制的に機構的に作動させる押圧部683Dを2つの払出系統に対応して一対で含み2つの払出系統で共通な押圧部材683とで構成されている。また、第1払出装置541は、払出通路622に流入した遊技球を検出する払出カウントスイッチ671を2つの払出系統に対応して一対で含み2つの払出系統で共通な払出数計数装置670を備えている。
第1払出装置541の各払出系統の詳細な構成及びその動作について説明する。なお、払出装置540における各払出系統の構成は実質的に同一であるために一方の払出系統について説明し、他の払出系統については説明を省略する。図34(A)〜図34(C)は第1払出装置の構成の一例を示す縦断面図である。図34(A)が払出待機状態である場合、図34(B)が払出状態である場合、図34(C)が排出状態である場合を表している。
第1払出装置541の払出系統は、図34(A)に示されたように、第1ケーシング611とカバー613(図30参照)からなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、払出フリッカ640と、払出ソレノイド630と、切換部材684の切換部684Aとを備えている。第1ケーシング611の内部には、待機通路621と、待機通路621の下流側でほぼ鉛直下向きに延びる払出通路622と、払出通路622の途中から分岐して斜め下方へ延びる排出通路623とが形成されている。切換部684Aは、払出通路622から排出通路623への分岐部に配設されている。通常は、切換部684Aは略鉛直上向きに維持されているために、遊技球は排出通路623には流入しない。
払出フリッカ640は、待機通路621から払出通路622への遊技球の流入を規制する。払出フリッカ640は、基端部材644と先端部材643とを備え、基端部材644に形成された可動連結軸644Cが先端部材643に形成された軸受孔(図示せず)に挿通されていることによって、基端部材644と先端部材643とが連結されている。払出フリッカ640の基端部材644及び先端部材643は、それぞれ、第1ケーシング611の支軸641及び支軸642によって回動自在に支持されている。払出フリッカ640の基端部材644には、払出ソレノイド630の舌片634Bを把持する把持部644Bが設けられている。また、払出フリッカ640の先端部材643には、待機通路621と払出通路622との境界部分に突出可能な開閉部643Bが設けられている。
払出ソレノイド630は、所定の入賞条件を満たすことにより、CRユニット(図示せず)にカード(図示せず)を挿入した状態における球貸出操作装置390(図17及び図41参照)への貸出操作により通電されて作動し、プランジャ632を上方へ縮まらせるものである。プランジャ632の先端には、プランジャ632の一側面から外方向に延びる舌片634Bの形成されたつまみ部材634が装着されている。また、プランジャ632の周縁には、コイルバネ633(付勢体の一種)が外装されている。コイルバネ633は、励磁コイル(図示せず)を含む払出ソレノイド630の本体部分631とつまみ部材634とを離間させる方向に付勢している。つまり、払出ソレノイド630への通電を切ったときには、プランジャ632は、コイルバネ633の付勢力により下方へ移動する。
待機通路621と払出通路622との境界部分に払出フリッカ640の開閉部643Bが図34(A)に示されたように突出し、待機通路621から払出通路622への遊技球の流入が禁止された通過禁止状態において、所定の入賞条件が成立したり、度数表示部391(図17参照)に残度数がある状態で球貸出操作装置390の貸出操作がなされると、払出ソレノイド630の励磁コイルに通電される。この通電に応じて、図34(B)に示すように、プランジャ632が本体部分631に引き寄せられて払出フリッカ640の基端部材44が図示上反時計回りに回転し、これに連動して払出フリッカ640の先端部材643は図示上時計回りに回転する。これによって、先端部材643の開閉部643Bが待機通路621と払出通路622との境界部分からそれらの球通路620(図33も参照)の外側に移動し、待機通路621から払出通路622への遊技球の流入が許可された通過許可状態に移行する。通過許可状態に移行すると、遊技球は、自重によって自然落下する。逆に、図34(B)に示された払出フリッカ640の通過許可状態において、払出ソレノイド630の通電が遮断されると、コイルバネ633の付勢力によりプランジャ632が本体部分631から引き離されて払出フリッカ640の基端部材644が図示上時計回りに回転し、これに連動して払出フリッカ640の先端部材643は図示上反時計回りに回転する。これによって、先端部材643の開閉部643Bが待機通路621と払出通路622との境界部分の球通路620の内側に移動し、図34(A)に示された通過禁止状態に戻る。
また、払出ソレノイド630の下方には、押圧部材683(図33も参照)の略L字形状の押圧部683Dが配置されている。押圧部683Dは、支軸部683Cを中心にして回動し、つまみ部材634を上方へ押圧したり押圧を解除したりする。第1ケーシング611の外部には、略扇形状の操作レバー682(図33参照)が配設されている。操作レバー682は回転軸681を中心に回動可能である。操作レバー682には、切換部684Aの中間に設けられた突起部684Cと、押圧部材683の基端部683Aに設けられた突起部683Bとが連結されている。つまり、操作レバー682を操作すると、操作レバー682の回動に連動して、切換部684Aと押圧部683Dが回動する。
図34(A)に示された通過禁止状態から、操作レバー682を図示上反時計回りに操作すると、図34(C)に示されたように、その操作に連動して切換部684Aが図示上反時計回りに回転し、その回転に応じて払出通路622が遮断されて排出通路623への遊技球の流入が許可され、また、その操作に連動して押圧部683Dが回転しその回転によって払出ソレノイド630のつまみ部材634が押し上げられ、払出フリッカ640が通過許可状態となる。これによって、待機通路621から排出通路623への遊技球の流入が許可される。なお、タンクレール520(図27参照)に設けた操作部525Aの操作によって遊技球が流れるのを阻止しつつ操作レバー682を上記の如く操作すると、流下規制機構525から下流側に貯留されていた全ての遊技球を球式回胴遊技機100の外部に排出できる。また、払出装置540(図27参照)やケースレール530(図27参照)が故障した場合には、払出装置540やケースレール530を簡便に取り替えることもできる。
また、横断面略コ字形状の払出カウントスイッチ671が装着されており、払出カウントスイッチ671は、払出フリッカ640の開閉部643Bのすぐ下流側に配置され、払出通路622を流下する遊技球を検出する。払出カウントスイッチ671による遊技球の検出に基づいて払い出した遊技球の個数が計数されることとなる。
誘導部材550は、図28に示されたように、払出装置540の下方に配設されており、各払出装置540に1つずつ対応付けられた2条の払出球通路551と、各払出装置540に1つずつ対応付けられた2条の排出球通路552とを形成する。2条の払出球通路551は、図30に示されたように、上流端において所定の払出通路622に連通し、下流端において上皿誘導通路502及び下皿誘導通路503に一括して連通されている。2条の払出球通路551の各々は、その下流部において上皿誘導通路502及び下皿誘導通路503を跨ぐように下流側に向けて先太りするテーパ形状となっており、その上流部において上皿誘導通路502側にやや傾いている。払出球通路551に流入した遊技球は、上皿誘導通路502又は下皿誘導通路503に流出するが、上流部が上皿誘導通路502側にやや傾いていることによって、下皿誘導通路503よりも上皿誘導通路502に優位に流出する。また、2条の排出球通路552は、上流端において所定の排出通路623に連通し、下流側において合流して1条の排出球通路となり、その下流端において排出誘導通路504に連通されている。
電源制御装置570は、図28に示されたように、外部電力に基づいて所定の電源電圧の電力を各種制御装置や各種の駆動装置や各種のスイッチに供給する。電源制御装置570は、電源制御基板571(図41参照)と、電源制御基板571を収納する収納部材572及び収納部材572と係合して電源制御基板571を封止する蓋部材573からなる2つ割りの基板ケースとを含んでいる。電源制御基板571には、電源回路571A(図41参照)と、電源スイッチ571B、リセットスイッチ571C、打止切換スイッチ571D及び設定変更スイッチ571E(図41及び図53参照)及び電源回路571Aから出力される電力の電圧を監視する停電監視回路571F(図41参照)が設けられている。電源制御装置570の蓋部材573には係合爪部573A(図29参照)が形成され、また、払出ブロック基体500には電源制御装置570の係合爪部573Aが挿通される貫通孔507Aと、貫通孔507Aの一部に突出し、係合爪部573Aと係合する係合爪部507Bが形成されており、払出ブロック基体500に対して電源制御装置570を対向方向に移動させて払出ブロック基体500の貫通孔507Aに電源制御装置570の係合爪部573Aを挿入し、その後、払出ブロック基体500に対して電源制御装置570を並進移動(スライド)させて払出ブロック基体500の係合爪部507Bに電源制御装置570の係合爪部573Aを係合させることによって、電源制御装置570が払出ブロック基体500に装着される。
電源スイッチ571Bは、外部電力を電源回路571Aに取り込むか否かを決定するスイッチであり、電源スイッチ571Bがオン状態である場合には、外部電力が取り込まれて各種制御装置や各種の駆動装置や各種のスイッチに電力が供給される。リセットスイッチ571Cは主制御基板751や払出制御基板581の動作状態を初期化するボタンスイッチであり、電源スイッチ571Bがオン状態であり遊技状態がエラー状態である場合にリセットスイッチ571Cが操作(押下)されるとRAM751C及びRAM581Cのエラーに関連する情報がリセットされてエラー状態が解除される。打止切換スイッチ571Dは、ビッグボーナスの終了毎に遊技進行を一時停止するか否かを設定するスイッチである。設定変更スイッチ571Eは、ボーナス役の当選確率等の各種の抽選確率を決定する確率設定を変更するキースイッチである。球式回胴遊技機100において出球率(単位遊技当たりの遊技球の獲得に関する獲得期待値)等の異なる確率設定が予め複数段階(例えば6段階)に定められており、そのいずれかの段階が確率設定として設定されている。確率設定の変更の手順は次の通りである。まず、電源スイッチ571Bがオフ状態である場合に、設定変更スイッチ571Eに所定の設定キー(図示せず)を挿入して時計回りに90度回転させる。なお、このとき設定キーから手を離しても現状が維持される。この状態で、電源スイッチ571Bをオン状態に移行させると、遊技ブロック123の前面側に設けられた遊技状態表示装置734(図35参照)に現在の確率設定(例えば、数値「1」〜「6」)が表示される。この状態で、リセットスイッチ571Cを操作すると、その操作毎に変更後の確率設定の候補が遊技状態表示装置734の7セグメント表示部734Aに循環的に表示される(例えば、操作毎に表示される数値が変化して1ずつ増加し、「6」の場合には「1」に戻る)。変更後の確率設定の候補として所望の確率設定が遊技状態表示装置734に表示されている状態で単位遊技開始操作装置370(図17参照)を操作(スタートレバー370Aを押下)すると、確率設定の候補が7セグメント表示部734Aに表示されている確率設定に確定される。その後、設定キーを反時計回りに90度回転させると、7セグメント表示部734Aにおける確率設定の候補の表示が消え、確率設定が上記で候補として確定された確率設定に変更される。停電監視回路571Fは、電源回路571Aから出力される電力の電圧を監視しており、電源スイッチ571Bのオフ状態への移行や不測の外部電力の遮断や不測の電圧変動によって所定の許容範囲の電圧未満となったか否かを検出する。その状態が所定の時間だけ継続した場合には、停電状態の発生と判断して、球式回胴遊技機100が停止されることとなる。
払出制御装置580は、主制御装置750(図35参照)の主制御基板751(図41参照)からの指示に基づいて払出装置540による遊技球の払い出しや貸し出しを制御する。払出制御装置580は、払出制御基板581(図41参照)と、払出制御基板581を収納する収納部材582及び収納部材582と係合して払出制御基板581を封止する蓋部材583からなり、収納部材582及び蓋部材583が開封の痕跡を残さずには開封できないように連結された2つ割りの基板ケースとを含んでいる。払出制御基板581は、図41に示されたように、制御の中枢をなすCPU581A、制御プログラムや制御プログラムで参照される固定データを記憶するROM581B及び制御プログラムの実行において参照される可変データ等を記憶するRAM581Cを1チップ化したMPUや外部に出力する信号及び外部から入力される信号の入出力を制御する各種の入出力ポート581D等を含んでいる。払出制御装置580の蓋部材583には係合爪部583Aが形成され、また、電源制御装置570の収納部材572には払出制御装置580の係合爪部583Aと係合する係合爪部572Aが形成されており、電源制御装置570に対して払出制御装置580を並進移動(スライド)させて電源制御装置570の係合爪部572Aに払出制御装置580の係合爪部583Aを係合させることによって、払出制御装置580が電源制御装置570に装着される。
CRユニット接続装置590は、球式回胴遊技機100の前面の球貸出操作部392(図17参照)及びCRユニット(図示せず)に電気的に接続され、遊技者による貸出操作を検知してCRユニットに信号を出力したり、その出力に応じたCRユニットからの信号を払出制御基板581に伝達したりする。なお、CRユニットを介さずに外部球貸装置等から上貯留皿320(図17参照)に遊技球が直接に貸し出される場合には、CRユニット接続装置590は不要である。
(遊技ブロックの構成)
遊技ブロック123について説明する。図35及び図36はそれぞれ遊技ブロックの一例を表す正面側及び背面側の斜視図であり、図37は遊技ブロックの一例を表す部分分解斜視図であり、図38は遊技ブロックの一例を表す背面図である。遊技ブロック123は、図35〜図38に示されたように、前面ブロック121の遊技領域透視パネル301(図17参照)を介して視認される。遊技ブロック123は、窓孔700A及び窓孔700Bが形成されている遊技ブロック基体700と、窓孔700Aに対応して遊技ブロック基体700の背面側から取着され、窓孔700Aを通して一部が視認される回胴ユニット710と、窓孔700Bに対応して遊技ブロック基体700に背面側から取着され、窓孔700Bを通して表示画面が視認される液晶表示装置720と、液晶表示装置720の左方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された可動演出装置731と、可動演出装置731の下方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された演出発光装置732、液晶表示装置720及び回胴ユニット710の右方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された演出発光装置733と、演出発光装置733の下方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された遊技状態表示装置734と、回胴ユニット710の一側方において遊技ブロック基体700の背面側に取着された主取付台740と、主取付台740に配設された主制御装置750と、液晶表示装置720の後方に位置し、遊技ブロック基体700の背面側に取着された副取付台760と、副取付台760に配設された副制御装置770とを備えている。なお、上述のように、遊技ブロック123の一部としての遊技ブロック基体700には、図38に示されたように遊技ブロック123(図9及び図10参照)を前面ブロック121(図9及び図10参照)に対して回動自在に支持固定する一対のブロック支持機構124(図9及び図10参照)を構成する遊技ブロック側支持部材212と、図36及び図38に示されたように遊技ブロック123を払出ブロック122に対して固定すると一対の遊技ブロック固定機構126(図10参照)を構成する遊技ブロック側固定機構242とが設けられている。
回胴ユニット710は、左回胴810Lと、中回胴810Mと、右回胴810Rとを備えている。左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの各々の表面には複数種類の図柄が描かれており、単位遊技の開始時に左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが所定の方向に回転することによって図柄表示が変動し、その後、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが停止することによって遊技結果を表す図柄表示が確定される。遊技ブロック基体700の窓孔700Aからは、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rにそれぞれ貼着される左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812L(図39及び図40参照)の各々の図柄のうちそれぞれ3図柄の全体が窓孔700Aから視認できる。
液晶表示装置720は、通常遊技中の小役当選の報知演出や遊技状態が通常遊技状態からボーナス状態に遷移することを示唆するための示唆演出、ビッグボーナス又はレギュラーボーナス中の演出、ボーナス中の小役ゲーム数やJACゲーム数の表示、特定の遊技状態(例えば、リプレイが当選しやすいRT状態)であることを報知する演出、左回胴停止操作部380L、中回胴停止操作部380M及び右回胴停止操作部380R(図17参照)の操作タイミングや操作順序を報知する演出などを行う。
回胴ユニット710について詳細に説明する。図39は、回胴ユニットの一例の部分解斜視図である。回胴ユニット710は、図39に示されたように、左回胴810Lと、中回胴810Mと、右回胴810Rと、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rを固定する上枠部材801、下枠部材802、左枠部材803及び背枠部材804からなる回胴ユニット枠と、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの駆動を制御するモータドライバ809とを備えている。左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rは、実質的に同一の構成であるために、以下において、右回胴810Rを例に挙げて説明する。なお、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの内部構造について互いの回胴を特に識別する必要がある場合には参照符号の末尾にそれぞれL、M及びRの接尾辞を付加して識別することとする。
右回胴810Rは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材811と、円筒骨格部材811の外周面に貼着され、21個の図柄(識別要素)が等間隔で描かれた図柄シール812(図40も参照)と、円筒骨格部材811を回転させるステッピングモータ813と、円筒骨格部材811とステッピングモータ813の回転軸813Aとを連結する円盤状の連結板814と、上枠部材801及び下枠部材802とに接続され、回胴ユニット枠にステッピングモータ813を固定するモータプレート815と、円筒骨格部材811の5つの車輻811Aのうちの1つに配設され、回転軸方向に突出するセンサカット板816と、モータプレート815に取着され、センサカット板816の通過を検出する回胴位置検出センサ817とを備えている。
ステッピングモータ814は、504パルスの駆動信号(励磁信号又は励磁パルスとも称される)により右回胴810Rが1周するように設定されており、この励磁パルスによって回転位置が制御される。すなわち、右回胴810Rが1周すると21図柄が順々に遊技ブロック基体700の窓孔700Aから露出するため、ある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、回胴位置検出センサ817がセンサカット板816の通過を検出したことを表す信号の受信の時点からのパルス数により、どの図柄が窓孔700Aを通して表示されているかを認識したり、所望の図柄が窓孔700Aを通して表示されるように停止制御を行ったりできる。ステッピングモータ814に対する駆動信号(駆動信号用データ)は、励磁データとしてモータドライバ809に与えられる。
回胴位置検出センサ817は発光素子と受光素子とが一対となったフォトセンサであり、発光素子と受光素子とは所定の間隔を隔てて配置されている。センサカット板816は、右回胴810Rの回転に伴って1回転毎に回胴位置検出センサ817の発光素子と受光素子との間隙を通過する。したがって、右回胴810Rが1回転するごとにセンサカット板816の通過が回胴位置検出センサ817によって検出され、検出状態に応じた信号が出力される。主制御装置750の主制御基板751はこの検出信号に基づいて右回胴810Rの角度位置を1回転ごとに確認し、ズレが発生している場合には主制御基板751における回転情報が補正される。
ここで、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの図柄シール812L、812M及び812Rの各々に描かれる図柄について説明する。図40は、図柄シールを表す展開図であり、図40(A)が左回胴の図柄シールの一例を表し、図40(B)が中回胴の図柄シールを表し、図40(C)が右回胴の図柄シールを表している。図40(A)〜図40(C)に示されたように、左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々には、「7」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第19番目の図柄)と、「青年」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第14番目の図柄)と、「BAR」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第17番目の図柄)と、「リプレイ」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第20番目の図柄)と、「スイカ」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第12番目の図柄)と、「ベル」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第18番目の図柄)と、「チェリー」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第16番目の図柄)とを含んでいる。左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々において、図柄の種類ごとの数や図柄の配列等は異ならせている。本形態では、左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々には、全種類の図柄が含まれている場合を例示したが、本発明においては、各図柄シールには必ずしも全種類の図柄が含まれていなくてもよい。また、本形態においては、左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々における図柄数が21個である場合を例示したが、本発明においては、図柄数は20個以下であってもよいし、22個以上であってもよい。
本形態では、「7」図柄(ビッグボーナス図柄の一種)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合又は「青年」図柄(ビッグボーナス図柄の一種)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、ビッグボーナス役の入賞となり、ビッグボーナスゲームに移行する。また、「BAR」図柄(レギュラーボーナス図柄)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、レギュラーボーナス役の入賞となり、レギュラーボーナスゲームに移行する。「リプレイ」図柄がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、再遊技役の入賞となり、再遊技ゲーム(リプレイゲーム)に移行する。「スイカ」図柄いずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合にはスイカ役の入賞となり、「ベル」図柄いずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合にはベル役の入賞となり、左回胴810Lの「チェリー」図柄がいずれかの有効ライン上に停止した場合にはチェリー役の入賞となり、それぞれ所定の個数の遊技球が払い出されることとなる。
可動演出装置731、演出発光装置732及び演出発光装置733は、図35に示されたように、遊技進行に伴う演出やビッグボーナス又はレギュラーボーナスの確定報知などに使用される。
可動演出装置731、演出発光装置732及び演出発光装置733は、遊技進行に伴う演出やビッグボーナスやレギュラーボーナス等の利益役当選の確定報知などに使用される。遊技状態表示装置734は、上方側において数字関連情報を表示する7セグメント表示部734Aと、前回の単位遊技で再遊技役に当選しかつ入賞した再遊技状態であることを表示する再遊技状態表示部734Bと、ベット数を表示するベット数表示部734C〜Eで構成されている。7セグLED表示部734Aは、入賞に伴う払出数、エラー状態発生時のエラーコード、ボーナス遊技状態中の総払出数やゲーム数、設定変更時の現在の確率設定や変更候補の確率設定等を表示する。
主制御装置750は、図35〜図38に示されたように、球式回胴遊技機100の主たる遊技進行の制御を司るもので、例えば、単位遊技開始操作装置370(図17参照)からの単位遊技開始指示の入力に応じて複数種類の利益役(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役、リプレイ等)の抽選を行い、その抽選結果に基づき副制御装置770や払出制御装置580に指令信号を出力する。主制御装置750は、主制御基板751(図41も参照)と、主出制御基板751を収納する収納部材752及び収納部材752と係合して主出制御基板751を封止する蓋部材753からなり、収納部材752及び蓋部材753が開封の痕跡を残さずには開封できないように連結された2つ割りの基板ケースとを含んでいる。主制御基板751は、図41に示されたように、制御の中枢をなすCPU751A、制御プログラムや制御プログラムで参照される固定データを記憶するROM751B及び制御プログラムの実行において参照される可変データ等を記憶するRAM751Cを1チップに含むMPUと、外部に出力する信号及び外部から入力される信号の入出力を制御する各種入出力ポート751D、各種抽選に用いられる乱数発生回路751E、時間計数や同期を図る場合等に使用されるクロック回路751F等を含んでいる。図37に示されたように、主制御装置750の収納部材752には係合爪部750Aが形成され、また、主取付台740には収納部材752の係合爪部750Aと係合する係合爪部740Aが形成されており、主取付台740に対して主制御装置750を並進移動(スライド)させて主取付台740の係合爪部740Aに主制御装置750の係合爪部750Aを係合させることによって、主制御装置750が主取付台740に装着される。
副制御装置770は、図37に示されたように、副制御基板771(図41参照)と、副制御基板771を収納する収納部材771及び収納部材772と係合して副制御基板771を封止する蓋部材773からなり、収納部材772及び蓋部材773が開封の痕跡を残さずには開封できないように連結された2つ割りの基板ケースとを含んでいる。副制御基板771は、制御の中枢をなすCPU(図示せず)、制御プログラムや制御プログラムで参照される固定データを記憶するROM(図示せず)、制御プログラムの実行において参照される可変データ等を記憶するRAM(図示せず)、外部に出力する信号及び外部から入力される信号の入出力を制御する各種入出力ポート(図示せず)等を含んでいる。副制御装置770は、副取付台760を介して遊技ブロック基体700に装着される。
(球式回胴遊技機の制御系)
球式回胴遊技機100の制御系について説明する。図41は球式回胴遊技機の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
主制御基板751は、図41に示すように、演算処理手段であるCPU751Aを中心とするマイクロコンピュータとして構成された制御手段として機能し、処理プログラムを記憶するROM751B(フラッシュメモリ)、一時的にデータを記憶する作業用(ワーキング用)のRAM751C、入出力ポート751Dなどが内部バスを介してこのCPU751Aに接続されている。
主制御基板751の入出力ポート751Dには、リセットスイッチ571Cからのリセット信号、設定変更スイッチ571Eからの設定変更許可信号、単位ベットスイッチ341からの1ベット信号、最大ベットスイッチ343からの最大ベット信号、投入装置360に取り込まれた遊技球を検出する3つの投入カウントセンサ460からの補助通過検出信号、投入装置360に取り込まれた遊技球を条別に検出する3つの通過センサ450の各々における上流側センサ451からの上流通過検出信号及び3つの通過センサ450の各々における下流側センサ452からの下流通過検出信号、スタートスイッチ371からの変動開始信号、各回胴停止スイッチ384L,384M,384Rからの停止信号、3つの回胴位置検出センサ817の各々からの検出信号、払出装置540から払い出される遊技球を検出する4つの払出カウントスイッチ671の各々からの払出カウントスイッチ信号に基づく払出カウント信号、ケースレール530内の遊技球を検出する2つの球切れ検出スイッチ531の各々からの球切れ検出スイッチ信号、下皿誘導通路503内の遊技球の堆積を検出する2つの球溢れ検出スイッチ509からの球溢れ検出スイッチ信号、払出期間中を表す払出中信号などが入力される。
また、主制御基板751の入出力ポート751Dからは、単位ベットスイッチ341や最大ベットスイッチ343からのベット信号に基づく3つの投入ソレノイド430に対する駆動信号、3つの通過センサ450の計数値に基づく投入ソレノイド430に対する駆動停止信号、スタートスイッチ371からの変動開始信号及び回胴停止スイッチ384L,384M,384Rからの停止指令信号に基づく3つのステッピングモータ813に対する駆動信号などが出力される。また、液晶表示装置720によって表示される演出内容や各種の音響装置311〜313から発せられる効果音、各種の発光装置314〜316の点灯・点滅などを制御する制御信号が副制御基板770に出力される。
上述したCPU751Aは、このCPU751Aによって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM751Bと、このROM751B内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのワーキング用のRAM751Cの他に、周知のように割り込み回路を始めとしてクロック回路751F、乱数発生回路751Eなど球式回胴遊技機100において必要な各種の処理回路が内蔵されている。
また、CPU751AやRAM751Cには、周知のようにプログラムカウンタの値を保存するためのスタックメモリ(スタックメモリ用のエリア)の他に、停電フラグを記憶する停電フラグメモリ、スタックポインタを保存するスタックポインタ保存用メモリ、RAM751Cに保存されているデータのチェックサムに関連した補正値を保存するチェックサム補正値用メモリ、復電時に使用される復電コマンドバッファ及び復電コマンドカウンタなどのメモリエリアが確保されている。
入出力ポート751Dには、副制御基板770などのI/O装置の他に、ホール管理者用のコンピュータ等の遊技機管理装置(図示せず)や外部情報表示装置などに情報を送信できる外部集中端子板や、電源制御基板571に設けられた停電監視回路571F、さらには3つの投入ソレノイド430や払出制御基板581などが電気的に接続されている。
電源制御基板571には、主制御基板751を始めとして球式回胴遊技機100の各電子機器に駆動電力を供給する電源回路571Aや、上述した停電監視回路571Fなどが搭載されている。停電監視回路571Fは電源の切断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ571Bによる電源切断時に停電信号を生成する。そのため停電監視回路571Fは、電源回路571Aから出力される直流24ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば22ボルト未満まで低下したときに電源が切断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU751Aと入出力ポート751Dのそれぞれに供給され、CPU751Aではこの停電信号を認識することで、停電時処理が実行される。電源回路571Aからは出力電圧が22ボルト未満まで低下した場合でも、主制御基板751などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間として、主制御基板751による停電時処理を実行するのに十分な時間が確保されている。
払出制御基板581は、概ね主制御基板751と同様の構成であり、CPU581Aを備え、処理プログラムを記憶するROM581B、一時的にデータを記憶する作業用(ワーキング用)のRAM581C、入出力ポート581Dなどが内部バスを介してこのCPU581Aに接続されている。
(主制御基板の制御処理)
主制御基板751において実行される制御処理について説明する。主制御基板751の制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ571Bのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。なお、割込み処理としては、NMI端子における停電信号の受信に応じて割込みをかける停電割込み処理と、タイマによる時間計測によって定期的に割込みをかけるタイマ割込み処理とがある。
まず、停電割込み処理について説明する。停電状態が発生した場合、電源制御基板571の停電監視回路571Fで停電信号が生成され、主制御基板751に対して出力される。主制御基板751においては、CPU751AのNMI端子が停電信号を受信し、停電信号の受信に応じて停電フラグを設定する図示しない割込み処理(以下、「停電割込み処理」と称する)が実行される。停電割込み処理においては、まず、現在使用しているレジスタのデータをRAM751C内のバックアップ領域に退避させる(「レジスタ退避処理」)。レジスタ退避処理の後に、停電フラグが設定される(「停電フラグ設定処理」)。停電フラグは、RAM751C内の特定の領域に保持される停電状態の発生を表す情報である。停電フラグ設定処理の後に、自身の割込みにおける処理の終了がCPU751Aに知らせられる(「割込み終了宣言処理」)。割込み終了宣言処理の後に、レジスタ退避処理においてRAM751Cのバックアップ領域に退避させたレジスタのデータをCPU751Aのレジスタに復帰させる(「レジスタ復帰処理」)。レジスタ復帰処理の後に、新たな割込みが許可される(「割込み許可処理」)。割込み許可処理の完了によって停電割込み処理が終了する。なお、使用中のレジスタのデータを破壊せずに停電フラグ設定処理が行える場合には、レジスタ退避処理及びレジスタ復帰処理を省くことができる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図42は、主制御基板751におけるタイマ割り込み処理の一例を表すフローチャートである。主制御基板751においては、定期的にタイマ割込み処理が行われる。本形態においては、タイマ割込み処理は、実質的に1.49ms[ミリ秒]の周期で行われる。
タイマ割込み処理において、図42に示されたように、まず、後述するメイン処理における通常遊技処理で使用している全てのレジスタの情報が、RAM751Cのバックアップ領域に格納される(「割込み開始処理」S1101)。割込み開始処理S1101の後に、停電フラグが設定されているか否かが確認される(S1102)。停電フラグが設定されている場合(S1102:Y)には、復電後に現在の状態に復帰できるように必要な各種の情報が保存される(「バックアップ処理S1103」)。なお、電源制御基板571の電源回路571Aは、停電状態が発生した後においても、停電割込み処理及びバックアップ処理を完了するために十分な時間にわたって、制御系の駆動電力として使用されるバックアップ電力を出力する。このバックアップ電力によって、停電割込み処理及びタイマ割込み処理のバックアップ処理が行われる。本形態では、停電発生後の30ms[ミリ秒]の間、バックアップ電力が出力され続けるようになっている。
バックアップ処理S1103では、まず、リングバッファに蓄積されている各種のコマンドの送信が終了しているか否かが判定される。それらのコマンドの送信が終了していない場合には、バックアップ処理S1103が一旦終了されて、制御がタイマ割込み処理に復帰する。これによって、バックアップ処理S1103の開始前に、コマンドの送信が完了する。一方、それらのコマンドの送信が完了している場合には、CPU751Aのスタックポインタの値が、RAM751C内のバックアップ領域に保存され、後述するRAM判定値がクリアされると共に、入出力ポート751Dにおける出力ポートの出力状態がクリアされて図示しない全てのアクチュエータがオフ状態になる。その後に、RAM判定値が新たに算出されてバックアップ領域に保存される。なお、RAM判定値は、RAM751Cのワーク領域におけるチェックサム値の2の補数である。RAM判定値が保存された後に、RAM751Cへのアクセスが禁止され、内部電力の完全な遮断によって処理が実行できなくなるのに備えて無限ループに入る。
判定処理S1102において停電フラグが設定されていないと判定された場合(S1102:N)には、誤動作の発生を監視するためのウォッチドッグタイマが初期化され、CPU751A自身に対して割込み許可が出される(「割込み終了宣言処理」S1104)。割込み終了宣言処理S1104の後に、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rを回転させるための3つの右回胴用ステッピングモータ813の駆動が制御される(「回胴モータ制御処理」S1105)。
回胴モータ制御処理S1105の後に、入出力ポート751Dに接続された各種のスイッチやセンサにおける状態が監視される(「スイッチ読込処理」S1106)。RAM751Cには、今回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態の情報と共に、前回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態の情報や、前々回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態の情報や、前回と今回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態に基づく状態変化(立上りや立下り)の情報や、今回と前回と前々回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態に基づく状態変化の情報等も保持されており、スイッチ読込処理S1106ではタイマ割込みごとにそれらの情報が更新される。スイッチ読込処理S1106の後に入出力ポート751Dに接続された各種の装置におけるセンサの状態が監視される(「センサ監視処理」S1107)。センサ監視処理S1107では、投入カウントセンサ460を通過する遊技球の個数の計測が行われる。また、各種のセンサの状態や他の関連する情報に応じてエラーの発生の検知が行われる。なお、具体的なエラー制御及びエラー報知制御は、後述する通常遊技処理の変動待機処理中(例えば、投入エラー処理、払出エラー処理)において行われる。なお、センサ監視処理S1107において、主制御基板751に接続されたセンサが監視されるばかりでなく、払出制御基板581を介して接続された一部のセンサの基づく情報(例えば、払出カウントスイッチ671に基づく払出カウント信号や払出期間を表す払出中信号)も実質的に監視される。
センサ監視処理S1107の後に、各種のカウンタの値や各種のタイマの値が減算される(「タイマ減算処理」S1108)。タイマ減算処理S1108の後に、差球数(ベット総数と獲得総数との差分)を集計するためにベット数や獲得球数が、外部集中端子板(図示せず)へ出力される(「差球カウント処理」S1109)。差球カウント処理S1109の後に、リングバッファに蓄積された各種のコマンドが、副制御基板770に送信される(「コマンド出力処理」S1110)。コマンド出力処理S1110の後に、発光装置734の7セグメント表示部734A等に表示されるセグメントデータが設定される(「セグメントデータ設定処理」S1111)。セグメントデータ設定処理S1111で設定されたセグメントデータが7セグメント表示部734Aに送信される(「セグメントデータ表示処理」S1112)。これにより、7セグメント表示部734A等は、受信したセグメントデータに対応する数字、文字、記号などを表示する。セグメントデータ表示処理S1112の後に、入出力ポート751DからI/O装置へのデータが出力される(「ポート出力処理」S1113)。ポート出力処理S1113の後に、割込み開始処理S1101においてバックアップ領域に退避させた各レジスタのデータがそれぞれCPU751A内の所定のレジスタに復帰され、次回のタイマ割込みが許可される(「割込み終了処理」S1114)。以上の処理を経て一連のタイマ割込み処理が終了する。
主制御基板751におけるメイン処理について説明する。図43は、主制御基板751のメイン処理を表すフローチャートである。主制御基板751のメイン処理は、停電状態から復帰した場合に実行される。
主制御基板751のメイン処理では、図43に示されたように、まず、スタックポインタの初期値が設定され、割込み処理を許可する割込みモードが設定され、CPU751A内のレジスタ群やI/O装置等に対する各種の設定等が行われる(「立上げ処理」S1201)。立上げ処理S1201の後に、設定キー(図示せず)が設定変更スイッチ571Eに挿入され、所定の操作(右回転操作等)がなされているか否かが判定される(S1202)。具体的には、設定変更スイッチ571Eに対する所定の操作に応じたオン状態の設定変更許可信号が受信されているか否かが判定される。なお、設定変更許可信号の受信は、タイマ割込み処理のスイッチ読込処理S206において行われる。設定変更スイッチ571Eがオン状態であると判定された場合(S1202:Y)には、所定の複数種類の確率設定(本形態では「設定1」〜「設定6」の6段階設定)のうちから選択される1つの確率設定の設定値を保持する所定の領域を除くRAM751Cの全領域のデータが、強制的にクリアされる(「強制的RAMクリア処理」S1203)。強制的RAMクリア処理S1203の後に、所定の複数種類の確率設定から所望の確率設定の選択が行える(「確率設定選択処理」S1204)。なお、確率設定の変更においては、リセットスイッチ571Cの操作及びスタートスイッチ371の操作が援用される。確率設定選択処理S1204の後に、通常遊技処理へ移行する。
判定処理S1202において設定変更スイッチ571Eに対して所定の操作がなされていない設定変更スイッチ571Eのオフ状態であると判定された場合(S1202:N)には、選択されている確率設定の設定値が所定の範囲(「1」〜「6」)内の値であるか否かが判定される(S1205)。なお、停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM751Cが機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、設定値は所定の範囲内の値しかとらない。設定値が所定の範囲内の値である場合には、停電フラグが設定されているか否かが判定される(S1206)。停電フラグが設定されている場合には、RAM751Cのワーク領域のチェックサム値が新たに算出され、新たなチェックサム値が正常であるか否かが判定される(S1207)。新たなチェックサム値が正常とは、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値が同一であること、つまり、新たなチェックサム値とRAM751Cのバックアップ領域に保持されているRAM判定値との排他的論理和に1加算した値が「0」であることを意味する。この値は、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値とが同一である場合には「0」となり、異なる場合には「0」以外となる。停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM751Cが機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、この値は「0」以外にはならない。判定処理S1205において確率設定の設定値が所定の範囲内の値でないと判定された場合(S1205:N)、判定処理S1206において停電フラグが設定されていないと判定された場合(S1206:N)、又は、判定処理S1207において新たなチェックサム値とRAM判定値との排他的論理和に1加算した値が「0」以外であると判定された場合(S1207:N)には、割込みが禁止され、入出力ポート751Dの全ての出力ポートがクリアされて、入出力ポート751Dに接続された全てのアクチュエータがオフ状態にされると共に、エラー処理及びエラーの発生を報知させるためのエラー報知処理が行われる(「復電エラー処理」S1208)。なお、このエラー状態及びエラー報知状態は、リセットスイッチ571Cが操作されるまで継続する。
判定処理S1207において新たなチェックサム値が正常であると判定された場合(S1207:Y)には、バックアップ領域に保存されたスタックポインタの値がCPU751Aのスタックポインタに書き込まれ、スタックポインタの値が停電状態の発生前の値に復帰する(「プログラム復帰処理」S1209)。これによって、停電状態からの復帰後において、停電状態の発生により中断された処理から再開できるようになる。プログラム復帰処理S1208の後に、停電状態からの復帰を表す復電コマンドが設定される(「復電コマンド設定処理」S1210)。これにより、復電コマンドが払出制御基板581及び副制御基板770に送信されることとなる。復電コマンド設定処理S1210の後に、打止切換スイッチ571Dに基づいて選択された遊技形態(打止設定又は打止解除形態)が、RAM751Cの所定の領域に格納される(「遊技形態設定処理」S1211)。遊技形態設定処理S1212の後に、各種の装置におけるセンサの検出状態が初期化される(「センサ初期化処理」S1212)。センサ初期化処理S1212の後に、停電フラグが解除される(「停電フラグ解除処理」S1213)。停電フラグ解除処理S1213の後に、払出中に停電が発生した場合のように払い出すべき遊技球が残っている場合には、中途で終了した払出を再開させるために払出コマンドが設定される(「中途払出完遂処理」S1214)。中途払出完遂処理S1214の後に、スタックポインタの示す通常遊技処理(図45参照)の停電状態の発生前の番地における処理から再開される。
ここで、確率設定選択処理S1204について詳細に説明する。図44は、確率設定選択処理の一例を表すフローチャートである。同一ベット数で遊技する際において、設定値が「1」から「6」に向かって大きくなるに従って、一般的に、遊技媒体の獲得期待値の高い抽選確率テーブルが選択される。また、同一設定値においては、一般的に、単位遊技におけるベット数が多くなるほど遊技媒体の獲得期待値の高い抽選確率テーブルが選択される。
確率設定選択処理S1204は、図44に示されたように、まず、本体開閉検出装置160(図3及び図5参照)の開閉検出スイッチ164(図5及び図6参照)がオン状態であるか否かが判定される(S101)。なお、開閉検出スイッチ164のオン状態は外枠110に対する遊技機本体120の閉鎖状態(図4及び図6(A)参照)を意味し、一方、開閉検出スイッチ164のオフ状態(図4及び図6(B)参照)は外枠110に対する遊技機本体120の開放状態を意味する。開閉検出スイッチ164がオフ状態である場合(S101:N)には、確率設定変更許容状態となり、割込み許可を設定する(「割込み許可処理」S102)。この割込み許可の設定は、以下においてスタートスイッチ371やリセットスイッチ571Cの操作を読み込む必要があるためである。割込み許可設定処理S102の後に、現在の選択されている確率設定の設定値が変更の候補としての候補確率設定値に設定される(「候補確率設定値設定処理」S103)。候補確率設定値設定処理S103の後に、現在の確率設定と同一である候補確率設定値が正常な値(「1」〜「6」までの整数)であるか否かが判定される(S104)。候補確率設定値が正常な値でない場合(S104:N)には、候補確率設定値が強制的に所定の初期値(本形態では、「1」)に変更される(「候補確率設定値初期化処理」S105)。一方、設定値が1〜6の範囲の整数値である場合(S104:Y)には、候補確率設定値初期化処理S105がスキップされる。候補確率設定値が正常な値に設定されている場合には、その後のタイマ割込みにおけるセグメントデータ設定処理S1111(図42参照)及びセグメントデータ表示処理S1112(図42参照)によって、遊技状態表示装置734の7セグメント表示部734A(図35参照)に候補確率設定値が表示されることとなる。また、液晶表示装置720(図35参照)や音響装置311〜313(図17参照)や発光装置314〜316(図17参照)によって確率設定の表示中(変更中)を表す報知を開始させるための確率設定開始コマンドがリングバッファに格納される(「報知開始処理」S106)。なお、リングバッファに格納された確率設定開始コマンドは、その後のタイマ割込みにおけるコマンド出力処理S1110(図42参照)において副制御基板770に出力され、確率設定開始コマンドを受信した副制御基板770によって液晶表示装置720や音響装置311〜313や発光装置314〜316による確率設定の表示中(変更中)を表す報知が制御される。
報知開始処理S106の後に、スタートスイッチ371が操作されたか否かが判定される(S107)。具体的には、単位遊技開始操作装置370から出力される変動開始信号がオン状態であるか否かが判定される。スタートスイッチ371が操作されていない場合(S107:N)には、リセットスイッチ571Cが操作されたか否かが判定され(S108)、リセットスイッチ571Cが操作されていない場合(S108:N)には、設定値表示処理S106に戻り、候補確率設定値の表示や確率設定の表示中(変更中)を表す報知を継続させながら、確率設定を決定するためのスタートスイッチ371の操作又は確率設定を変更するためのリセットスイッチ571Cの操作の入力を待つ。一方、リセットスイッチ371がオン状態である場合(S108:Y)には、候補確率設定値が現在の候補確率設定値より「1」だけ大きい値に更新される(「候補確率設定値更新処理」S109)。判定処理S104に戻り、候補確率設定値が所定の範囲内であるかを確認すると共に、更新された候補確率設定値の表示や確率設定の表示中(変更中)を表す報知を継続させながら、確率設定を決定するためのスタートスイッチ371の操作又は確率設定を更に変更するためのリセットスイッチ571Cの操作の入力を待つ。なお、設定値更新処理S109において更新前の候補確率設定値が「6」であった場合には、更新後の候補確率設定値は「7」となるが、候補確率設定初期化処理S105において「1」に初期化される。したがって、リセットスイッチ571Cの操作に応じて、候補確率設定値は所定の範囲内でループする(「1」→「2」→・・・→「6」→「1」→・・・)。
判定処理S107においてスタートスイッチ371がオン状態であると判定された場合(S107:Y)には、確率設定変更許容状態が終了し、設定変更スイッチ571Eがオン状態であるか否かが判定される(S110)。設定変更スイッチ571Eがオン状態である場合(S110:Y)には、判定処理S110をループさせて設定変更スイッチ571Eがオフ状態となるまで待つ。一方、設定変更スイッチ571Eがオフ状態である場合(S110:N)には、確率設定の表示中(変更中)を表す報知を終了させるための確率設定終了コマンドがリングバッファに格納される(「報知終了処理」S111)。なお、確率設定終了コマンドには最終的な候補確率設定値(選択された確率設定に対応する設定値と同一)の情報が内包されており、確率設定終了コマンドを受信した副制御装置770は、確率設定の表示中(変更中)を表す報知を終了させると共に、液晶表示装置720や音響装置311〜313や発光装置314〜316による遊技進行に伴う演出形態を選択された確率設定に応じた演出形態に変更することとなる。報知終了処理S111の後に、割込み禁止が設定され(「割込み禁止処理」S112)、確率設定の設定値として最終的な候補確率設定値がRAM751Cの所定の領域に保存されると共に候補確率設定値が「0」に設定され(「確率設定値保存処理」S113)、確率設定の設定値が保存されている領域以外のRAM751の全領域が強制的にクリアされる(「強制的RAMクリア処理」S114)。なお、候補確率設定値が「0」に設定されることによって、候補確率設定値の表示が終了する。強制的RAMクリア処理S114の実行によって、確率設定選択処理S1204が終了する。
判定処理S101において開閉検出スイッチ164がオフ状態であると判定された場合(S101:Y)には、確率設定変更許容状態とはならず、また、7セグメント表示部734Aに候補確率設定値が表示されたり、液晶表示装置720や音響装置311〜313や発光装置314〜316によって確率設定の表示中(変更中)を表す報知がなされたりすることなく、判定処理S110をループさせて設定変更スイッチ571Eがオフ状態となるまで待つこととなる。その後は上記と同様にして報知終了処理S111〜強制的RAMクリア処理S114が実行されて、確率設定選択処理S1204が終了する。
通常時の遊技に関わる主要な制御を行う通常遊技処理について説明する。図45は、主制御基板751で実行される通常遊技処理の一例を表すフローチャートである。主制御基板751の通常遊技処理は、メイン処理における確率設定処理S1204(図43及び図44参照)の終了後に実行される。また、中途払出完遂処理S1214(図43参照)の終了後に、通常遊技処理の中途から実行される。
通常遊技処理では、図45に示されたように、まず、割込み許可を設定する(「割込み許可処理」S1301)。割込み許可処理S1301の後に、遊技形態を決定する打止切換スイッチ571Dの状態がRAM751Cの所定の領域に格納される(「遊技形態設定処理」S1302)。なお、遊技形態設定処理S1302は、メイン処理における遊技形態設定処理S1211(図43参照)と同一の処理である。遊技形態設定処理S1302の後には、下述のループ処理に移行する。なお、以下においては、連続遊技中である場合について説明する。
ループ処理においては、まず、RAM751Cにおいて一回の遊技ごとに変化する情報を保持する領域のデータをクリアする(「遊技情報クリア処理」S1303)。具体的には、前回の遊技に関連する情報をクリアする。クリアされる情報としては、例えば、乱数に関連する情報、回胴810L,810M,810Rの制御に関連する情報及び入賞に関連する情報が挙げられる。
遊技情報クリア処理S1303の後に、変動開始信号が入力されるまで、所定の処理を行いながら待機する(「変動待機処理」S1304)。ここで、変動待機処理S1304について詳細に説明する。図46は、変動待機処理の一例を表すフローチャートである。
変動待機処理S1304では、まず、遊技監視タイマが設定される(「遊技監視タイマ設定処理」S1401)。ここで、遊技監視タイマが設定されるとは、そのタイマの値がリセットされ、かつそのタイマによる新たな時間計測がスタートすることを意味する。遊技監視タイマは、遊技間隔を測定するソフトウェアタイマであって、遊技者によって遊技されていない時間が所定の時間を経過した場合に、液晶表示装置720の表示を所定の画像(デモンストレーション画像)に移行させるために用いられる。
遊技監視タイマ設定処理S1401の後に、前回の単位遊技で再遊技役が入賞したか否かが判定され、再遊技役に入賞していた場合には、自動的に、前回の単位遊技のベット数と同数のベット数に変更される(「自動ベット処理」S1402)。
自動ベット処理S1402の後に、遊技球の投入を実行する投入装置360(図18参照)においてエラーが発生しているか否かが確認され、エラーが発生している場合には、エラー処理が実行されると共に、音響装置311〜313(図17参照)、発光装置314〜316(図17参照)、液晶表示装置720(図35参照)等にエラーを報知させるための投入エラーコマンドがリングバッファに格納される(「投入エラー処理」S1403)。例えば、遊技球の投入期間外において3条の通過センサ450から上流通過検出信号や下流通過検出信号を受信した場合が挙げられる。なお、具体的には、それらの検知はタイマ割込み処理におけるセンサ監視処理S1107(図42参照)において行われ、その検知に基づいて各種の処理が実行される。リングバッファに格納された投入エラーコマンドは、その格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理S1110(図42参照)において副制御基板770に出力される。また、以下において、リングバッファに格納される各種のコマンドは、投入エラーコマンドの場合と同様に、それらの格納後に実行されるタイマ割込みのコマンド出力処理S1110において払出制御基板581や副制御基板770に出力される。なお、同様の投入エラー処理は、他の処理中においても遊技者からの何らかの入力を待っている状態、例えば、回胴810L,810M,810R(図39参照)による図柄変動中における回胴停止待ち状態においても実行される。
投入エラー処理S1403の後に、遊技球の払い出しを実行する払出装置540(図27参照)でエラーが発生しているか否かが判定され、払出装置540でエラーが発生している場合には、エラー処理が実行されると共に、音響装置311〜313、発光装置314〜316、液晶表示装置770等にエラーを報知させるための払出エラーコマンドがリングバッファに格納される(「払出エラー処理」S1404)。例えば、払出制御基板581からの払出中信号がオン状態であるか否か、及び、オン状態であるか否かが判定される。払出中信号がオン状態(払出期間中)でないにも関わらず、各種の払出カウントスイッチ671からの払出カウントスイッチ信号に基づく払出制御基板581からの払出カウント信号がオン状態である場合が挙げられる。なお、同様の払出エラー処理は、他の処理中においても遊技者からの何らかの入力を待っている状態、例えば、回胴810L,810M,810R(図39参照)による図柄変動中における回胴停止待ち状態においても実行される。
払出エラー処理S1404の後に、返却操作機構350の操作部材352の操作が行われているか否かが判定されて、返却中であれば他の装置の操作による入力が禁止され、既に投入済みの遊技球がある場合には、操作部材352の操作の終了を待って投入済みの遊技球と同数(投入済数)の遊技球が返却される(「返却処理」S1405)。
返却処理S1405の後に、単位ベットスイッチ341又は最大ベットスイッチ343の操作に応じて遊技球をベットする処理及びベットに付随する処理が実行される(「遊技球ベット処理」S1406)。
遊技球ベット処理S1406の終了後に、ベット数が0であるか否かが判定され(S1407)、ベット数が0である場合には現在の確率設定を表示させる確率設定表示処理S1408が実行され、一方、ベット数が0でない場合には現在の確率設定を表示させる確率設定表示処理S1408がスキップされる。
判定処理S1407においてベット数が0でないと判定された場合(S1407:N)や確率設定表示処理S1408が実行された場合に、変動許可状態であるか否かが判定される(S1409)。具体的には、ベット数が最小規定数未満であるか否かが判定される。ベット数が最小規定数未満である場合(S1409:N)には、投入エラー処理S1403から判定処理S1408までが繰り返される。一方、ベット数が最小規定数未満でない場合(S1409:Y)には、スタートスイッチ371の操作に応じた変動開始信号が受信されているか否かが判定される(S1410)。変動開始信号が受信されていない場合(S1410:N)には、投入エラー処理S1403から判定処理S1409までが繰り返される。一方、変動開始信号が受信されている場合(S1410:Y)には、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rによる図柄表示の変動を開始させるための各種の処理が実行される(「変動開始処理」S1405)。変動開始処理S1405の終了によって、変動待機処理S1304が終了する。
ここで、変動待機処理S1304における確率設定表示処理S1408について詳細に説明する。図47は、確率設定表示処理の一例を表すフローチャートである。確率設定表示処理S1408において、図47に示されたように、まず、ベット操作によって既に投入されている遊技球の個数(投入済個数)が「0」であるか否かが判定される(S201)。投入済個数が0でない場合(S201:N)には、実質的な制御は実行されずに確率設定表示処理S1408が終了し、一方、投入済個数が0である場合(S201:N)には、開閉検出スイッチ164がオン状態であるか否かが判定される(S202)。開閉検出スイッチ164がオン状態である場合(S202:Y)には実質的な制御は実行されずに確率設定表示処理S1408が終了する。開閉検出スイッチ164がオフ状態である場合(S202:N)には、確率設定表示許容状態となり、現在の選択されている確率設定の設定値が候補確率設定値に設定される(「候補確率設定値設定処理」S203)。これによって、確率設定選択処理S1204の候補確率設定値設定処理S203(図44参照)の場合と同様に、遊技状態表示装置734の7セグメント表示部734A(図35参照)に候補確率設定値(現在の確率設定の設定値と同一)が表示されることとなる。また、確率設定の表示中を表す報知を開始させるための確率設定開始コマンドがリングバッファに格納される(「報知開始処理」S204)。これによって、確率設定選択処理S1204の候補確率設定値設定処理S106(図44参照)の場合と同様に、液晶表示装置720(図35参照)や音響装置311〜313(図17参照)や発光装置314〜316(図17参照)による確率設定の表示中(変更中)を表す報知が開始されることとなる。報知開始処理S204の後に、設定変更スイッチ571Eがオン状態であるか否かが判定され(S205)。設定変更スイッチ571Eがオン状態である場合(S205:Y)には、判定処理S205をループさせて設定変更スイッチ571Eがオフ状態となるまで待つ。一方、設定変更スイッチ571Eがオフ状態である場合(S205:N)には、候補確率設定値が「0」に設定され(「候補確率設定値解除処理」S206)、確率設定の表示中(変更中)を表す報知を終了させるための確率設定終了コマンドがリングバッファに格納される(「報知終了処理」S207)。これによって、確率設定表示禁止状態となり、確率設定選択処理S1204の確率設定保存処理S113(図44参照)及び報知終了処理S111(図44参照)の後と同様に、候補確率設定値の表示が終了し、また、確率設定の表示中を表す報知が終了することとなる。報知終了処理S207の実行によって、確率設定表示処理S1408が終了する。
変動待機処理S1304の後に、図45に示されたように、スタートスイッチ371が操作された際にハードウェア的にラッチされた乱数カウンタの値が読み出されてRAM751Cに格納される(「乱数作成処理」S1305)。スタートスイッチ371が操作された際に乱数発生回路751F(図41参照)の乱数カウンタ(図示せず)をハードウェア的にラッチすることによって、スタートスイッチ371の操作と乱数値の取得との時間的なズレを低減させている。なお、ソフトウェアで乱数カウンタの値を読み出すこともできるが、この場合には、スタートスイッチ371の操作から乱数値の取得までの時間が、ハードウェア的にラッチする場合よりも不均一になる。
乱数作成処理S1305の後に、確率設定、ベット数及び遊技状態に応じた抽選確率テーブルを参照して、乱数作成処理S1305で取得した乱数値に応じた当選役が決定され、当選役の種別に応じた当選フラグ(例えば、ビッグボーナス当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグ、チェリー当選フラグ、ベル当選フラグ、スイカ当選フラグ、再遊技当選フラグ)が設定され、当選役の種別を表す当選役コマンドと確率設定の設定値を表す設定値コマンドとが設定される(「内部抽選処理」S1306)。当選役として、例えば、ビックボーナス役(以下、「BB」とも称す)、レギュラーボーナス役(以下、「RB」とも称す)、各種の小役(本形態では、チェリー役、ベル役、スイカ役)、再遊技役及びハズレ役が挙げられる。なお、単位遊技において複数種類の当選役が選択されてもよい。
内部抽選処理S1306の後に、当選役、ベット数及び遊技状態に基づいて、ROM751Bに保持された手動停止制御テーブル群から各回胴810L,810M,810Rの制御に用いる1つの手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして選択され、参照制御テーブルのテーブル番号がRAM751Cの所定の領域に格納される(「回転初期化処理」S1307)。当選役がハズレ以外のときには、この参照制御テーブルに従って、当選役を可能な限り入賞させるために所定の範囲(5図柄)内で余分に回胴810L,810M,810R(図39参照)を回転させるスベリ制御が行われる。当選役がハズレの場合にも、他の当選役を入賞させないために、同様のスベリ制御が行われる。この参照制御テーブルは、必要に応じて手動停止制御テーブル群から再選択されることとなる。
回転初期化処理S1307の後に、図柄変動待機処理S1308が実行される。図柄変動待機処理S1308では、まず、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間(例えば、4.1秒)以上であるか否かが判定される。ここで、「図柄変動監視タイマ」は、前回の図柄表示の変動開始時点からの経過時間を測定するタイマである。図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間未満である場合には、規定時間の経過を待つ状態(以下、「図柄変動待機状態」と称する)であることを表す図柄変動待機コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。なお、図柄変動待機状態であることが変動待機状態表示装置(図示せず)によって遊技者に報知される。その後、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上となるまで、図柄変動待機状態の報知が行われたまま、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間以上であるか否かの判定が繰り返される。一方、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上である場合には、図柄変動監視タイマがリセットスタートされ、規定時間待機状態の報知を停止し、所定の規定時間が経過した状態であることを表す規定時間経過コマンド(内部状態コマンドの一種)と、外部集中端子板(図示せず)に出力するためのベット数コマンドとがリングバッファに格納される。その後、RAM751Cの所定の領域における回胴ユニット710の3つのステッピングモータ813(図39参照)の駆動制御に関連する情報が回転開始用に初期設定される。例えば、ウェイトタイマの値が「0」に設定され、加速カウンタの値が「26」に設定される。なお、各ステッピングモータ813の実際の駆動は、タイマ割込み処理の各種の回胴モータ制御処理S1105(図42参照)で制御される。
図柄変動待機処理S1308の後に、回胴ユニット710における各回胴810L,810M,810R(図39参照)の回転を制御する回転制御処理S1309が実行される。
回転制御処理S1309の後に、図24に示されたように、入賞確認処理S1310が実行される。入賞確認処理S1310において、まず、有効ラインごとの図柄パターンを確認して、当選役以外の役が1つでも入賞している場合には、入賞エラーの発生を報知させるためのエラー処理が実行される。一方、当選役のみが入賞している場合には、入賞した全ての当選役に対応する入賞フラグ(例えば、ビッグボーナス入賞フラグ、レギュラーボーナス入賞フラグ、チェリー入賞フラグ、ベル入賞フラグ、スイカ入賞フラグ、再遊技入賞フラグ)が設定される。また、入賞した各当選役に対応する獲得遊技球数が最大獲得遊技球数を超えない範囲内において加算されることによって、最終的に獲得遊技球数が決定される。更に、入賞確認処理S1310においては、入賞役の種類の情報を含む入賞役コマンド、入賞ラインの種類の情報を含む入賞ラインコマンド及び入賞エラーの情報を含む入賞役エラーコマンドがリングバッファに格納される。
入賞確認処理S1310の後に、獲得球を払い出すための処理が実行される(「獲得球払出処理」S1311)。
獲得球払出処理S1311の後に、再遊技処理S1312が行われる。再遊技処理S1312では、入賞確認処理S1310において再遊技入賞フラグが設定されている場合に、内部状態を再遊技に設定する等の各種の処理が行われる。また、次回の遊技が再遊技であることを表す再遊技コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
再遊技処理S1312の後に、役物作動中処理S1313が行われる。役物作動中処理S1313では、ビッグボーナス(BB)役及びレギュラーボーナス(RB)役等の役物作動中の処理が行われる。内部状態がビッグボーナス遊技状態である場合には、小役ゲーム中の制御、小役ゲームからJACゲームへの移行制御、JACゲーム中の制御、JACゲームから小役ゲームへの移行制御及びビッグボーナス遊技状態の終了制御等が行われる。ビッグボーナス遊技状態の終了判定は、その状態中に獲得した遊技球の獲得総数が所定数以上であるか否かによって決定される。獲得総数が獲得規定数以上である場合には、ビッグボーナスの終了処理が行われる。一方、獲得総数が獲得規定数未満である場合には、ビッグボーナスの終了処理がスキップされる。一方、内部状態がレギュラーボーナスである場合には、JACゲーム中の制御及びレギュラーボーナス遊技状態の終了制御等が行われる。レギュラーボーナスの終了条件も、獲得総数が獲得規定数以上であるか否かによって決定される。
役物作動中処理S1313の後に、役物作動判定処理S1314が行われる。役物作動判定処理S1314では、ビッグボーナス役に当選したことを表すビッグボーナス役の当選フラグが設定されており、かつ、ビッグボーナス役が入賞したことを表すビッグボーナス役の入賞フラグが設定されている場合には、ビッグボーナスを開始するための処理(BB開始処理)を実行する。また、レギュラーボーナス役に当選したことを表すレギュラーボーナス役の当選フラグが設定されており、かつレギュラーボーナス役が入賞したことを表すレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されている場合には、レギュラーボーナス役を開始するための処理(RB開始処理)を実行する。
役物作動判定処理S1314の後に、遊技進行表示処理S1315が実行される。遊技進行表示処理S1315では、内部状態がビッグボーナス遊技状態やレギュラーボーナス遊技状態である場合には、JACゲームの残りゲーム数や1回のビッグボーナスにおける獲得遊技球の総数等を表示するためのデータが設定される。また、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の終了後に、再遊技の当選確率が通常遊技状態よりも高いリプレイタイム(「RT」)等の特定遊技状態に移行させる場合には、内部状態を特定遊技状態に設定し、特定遊技状態であることを表す特定遊技状態コマンド(内部状態コマンドの一種)をリングバッファに格納する。
(払出制御基板の制御処理)
払出制御基板581(図41参照)により実行される制御処理について説明する。払出制御基板581の制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ571Bのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して払出制御基板581外のからの信号に応じて割込みをかける外部割込み処理と、メイン処理に対して割込みをかける内部割込み処理とに大別される。外部割込み処理としては、電源制御基板571の停電監視回路571F(図41参照)からの停電信号の受信に応じて割込みをかける停電割込み処理、主制御基板751(図41参照)からの各種のコマンドの受信に応じて割込みをかけるコマンド割込み処理とが挙げられる。一方、内部割込み処理としては定期的に繰返し実行されるタイマ割込み処理がある。
払出制御基板581におけるメイン処理について説明する。図48は、払出制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャートである。メイン処理では、図48に示されたように、まず、CPU周辺のレジスタ群やI/O装置等に対する各種の設定が行われる(「初期設定処理」S3001)。初期設定処理S3001の後に、RAM581Cへのアクセスが許可され(「RAMアクセス許可処理」S3002)、各種の外部割込みの優先順位を規定する割込みベクタが設定される(「外部割込みベクタ設定処理」S3003)。なお、停電割込みがコマンド割込みよりも優先される。また、停電割込み及びコマンド割込み処理は、タイマ割込み処理よりも優先される。外部割込みベクタ設定処理S3003の後に、一旦、RAM581Cの全ての領域が「0」にクリアされ(「RAMクリア処理」S3004)、RAM581Cに初期値が設定され(「RAM初期設定処理」S3005)、CPU581Aの他の周辺デバイスの初期設定が行われる(「CPU周辺デバイス初期設定処理」S3006)。CPU周辺デバイス初期設定処理S3006の後に、割込み許可が設定される(「割込み許可設定処理」S3007)。割込み許可設定処理S3007の後に、割込み許可設定処理S3013が繰り返し実行され、各種の割込み処理の実行後に次の割込み処理の実行が許可される。なお、実質的な払出に関する処理は、後述するタイマ割込み処理で実行される。
次に、停電割込み処理について説明する。電源制御基板571からの停電信号のオン状態を検知すると、現在のプログラムの実行アドレスを保存して、オン状態の全ての払出ソレノイド630をオフ状態に移行させると共に、主制御基板751への払出カウント信号をオフ状態に移行させる。その後、無限ループに移行し、停電信号のオフ状態が検知されるまで待つ。停電信号がオフ状態に移行した場合には、停電が解消されたことになるために、保存したプログラムの実行アドレスを復帰させて、停電発生時の処理から再開する。
次に、コマンド割込み処理について説明する。コマンド割込処理は、払出制御基板581が主制御基板751からのコマンドを受信する場合に実行される。なお、コマンドは、2バイトのデータであり、各バイトデータはストローブ信号に引き続き送信される。ストローブ信号を受信するとコマンド割込処理が開始され、ストローブ信号の後に送信されるバイトデータが、ライトポインタ(RAM581Cの所定の領域)の値の指すリングバッファ(RAM581Cの所定の領域)の所定の領域に格納される。送信されたデータの格納後にライトポインタの値が更新されて、コマンド割込み処理が終了する。
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、通常遊技状態時には主制御基板751からの各種の払出コマンドの受信に応じて払出コマンドの種類に基づいた獲得球数の遊技球を払い出すと共に、球貸操作装置390の球貸出操作部392(図17参照)の操作に基づくCRユニットからの貸出要求信号の検知に応じて遊技球を払い出す実質的な処理を実行する。本タイマ割込み処理は、約2msごとに実行される。図36は、払出制御基板のタイマ割込み処理の一例を表すフローチャートである。
タイマ割込み処理において、図49に示されたように、まず、タイマ割込み処理よりも割込み優先度の高い割込みが許可される(「割込み許可処理」S3101)。具体的には、停電割込み及びコマンド割込みが許可される。タイマ割込み処理よりもコマンド割込み処理が優先されることによって、主制御基板751におけるコマンド送信に要する処理負担を軽減する共に、コマンド送信による制御進行の停滞を抑制することができる。なお、各種の外部割込みの優先順位は、メイン処理の外部割込みベクタ設定処理3003(図48参照)において設定される。
割込み許可処理S3101の後に、入出力ポート581D(図41参照)に払出ソレノイド制御情報(RAM581Cの所定の領域に保持)が出力される(「払出ソレノイド駆動処理」S3102)。払出ソレノイド制御情報は、各種の払出ソレノイド630の駆動状態を識別する情報である。これによって、入出力ポート581Dから各種の払出ソレノイド630(図41及び図34参照)に払出制御信号が出力されることとなり、払出ソレノイド630の駆動状態が払出制御信号に基づいたオン・オフ状態に更新される。払出ソレノイド630がオン状態に移行するとそれに対応する払出フリッカ640(図34参照)が通過許可状態(図34(B)の状態)に移行する。
払出ソレノイド駆動処理S3102の後に、出力バッファ(RAM581Cの所定の領域)に格納されたデータに基づいて各種の制御信号が主制御基板751や払出制御基板581に接続された各種の装置に出力される(「制御情報出力処理」S3103)。
制御情報出力処理S3103の後に、主制御基板751からストローブ信号に引き続いて送信される各種のコマンドがリングバッファ(RAM581Cの所定の領域)に格納され、また、払出制御基板581に電気的に接続された各種のスイッチ等からの信号の出力状態が読み込まれ、各種の検知状態が設定される(「制御情報入力処理」S3104)。
制御情報入力処理S3104の後に、リングバッファに格納されたコマンドの種類が判別され、コマンドの種類に応じた処理が実行される(「コマンド判定処理」S3105)。
コマンド判定処理S3105の後に、電源制御基板571のリセットスイッチ571C(図41及び図28参照)のリセット検知状態が確認され、そのリセット検知状態に基づいて払出エラーを解除するか否かが判定されて、所定の条件を満たす場合には払出エラー(立上時の払出エラー及び払出期間内の払出エラー)が解除される(「払出エラー解除処理」S3106)。
払出エラー解除処理S3106の後に、状態表示をすべき状態が変更されている場合に、その最新の状態に応じた状態表示に更新する(「状態表示更新処理」S3107)。具体的には、通過検知状態に基づいて遊技球の払出が停滞した場合の払出エラー状態、後述する球溢れ検知状態に基づく球溢れエラー状態、後述する球切れ検知状態に基づく球切れエラー状態等の場合に、各種のエラーフラグ(RAM581Cの所定の領域)やエラー報知フラグ(RAM581Cの所定の領域)に基づいて払出制御基板581に設けられた7セグメントLED(図示せず)の発光表示、音響装置311〜313(図41及び図17参照)からの音声出力、液晶表示装置720(図41及び図35参照)の画像表示等によりその旨を遊技者に知らせたりする。なお、7セグメントLED以外による報知は、各種のエラーフラグやエラー報知フラグに応じた払出制御基板581からの制御信号が主制御基板751に出力され、出力された制御信号に基づく主制御基板751からの球情報コマンドに応じて副制御基板770が制御する。
状態表示更新処理S3107の後に、第1の球切れ検出スイッチ531及び第2の球切れ検出スイッチ531(図41及び図32参照)の球切れ検知状態(RAM581Cの所定の領域に保持)が確認され、それらの球切れ検知状態に応じて球切れエラーフラグ(RAM581Cの所定の領域)の設定や解除が行われる(「貯留球確認処理」S3108)。第1の球切れ検出スイッチ531は、第1条及び第2条の少なくとも一方の条の待機通路621及び球通路530A内に所定の個数(規定貯留数)以上の遊技球が貯留されているか否かを検出し、第2の球切れ検出スイッチ531は、第3条及び第4条の少なくとも一方の条の待機通路621及び球通路530A内に所定の個数以上の遊技球が貯留されているか否かを検出する。貯留球確認処理S3108の後に、球溢れ検出スイッチ509(図41及び図31参照)からの球溢れ検出スイッチ信号に基づく球溢れ検知状態が確認され、その球溢れ検知状態に基づいて球溢れエラーフラグ(球溢れエラー状態)の設定や解除が行われる(「下皿球確認処理」S3109)。
下皿球確認処理S3109の後に、各払出カウントスイッチ671の通過開始検知状態を確認し、通過開始検知状態に基づいて全条共通の払出残数及び各条の払出残数等が更新される(「払出数計数処理」S3110)。
払出数計数処理S3110の後に、払出ソレノイド630(図41及び図34参照)を制御するための処理が実行される(「払出ソレノイド制御処理」S3111)。払出ソレノイド制御処理S3111の後に、払出ソレノイド630を具体的に制御するための情報が設定される(「払出ソレノイド設定処理」S3112)。
払出ソレノイド設定処理S3112の後に、球貸操作装置390(図41及び図17参照)への球貸操作に応じて、CRユニットを介した貸球の払出を制御するための処理が実行される(「球貸払出制御処理」S3113)。球貸払い出し制御処理においては、球貸操作に応じて貸し球払出数が設定される。具体的には、球貸操作装置390の球貸出操作部392が操作されると貸出スイッチ信号が払出系信号中継装置691に出力され、払出制御基板581を介さずに、払出系信号中継装置691からCRユニットに入力される。CRユニットは、貸出スイッチ信号の受信に基づいて、貸出要求信号及び貸出指示信号を払出制御基板581に出力する。貸出要求信号は貸出の開始から終了まで出力される。貸出指示信号は、貸出要求信号が出力されている期間において、複数回に分けて単位貸出払出数の遊技球の払い出しを指示する信号である。通常時においては、1度の貸出スイッチ信号の受信に応じて貸出指示信号は10回出力される。これによって、払出制御基板581においては、総貸出数の遊技球を10回に分割して払い出す。
球貸払出制御処理S3113の後に、主制御基板751において、払出装置540等におけるエラーの発生や払出装置540等への不正行為を発見するために、払出カウント信号及び払出中信号が出力バッファに格納される(「払出カウント信号設定処理」S3114,「払出中信号設定処理」S3115)。なお、払出カウント信号及び払出中信号の出力は、制御情報出力処理S3103において実行される。払出カウント信号は、払出カウントスイッチ671からの出力信号の受信個数(払出済みの遊技球の個数に対応)に基づいて同一個数のパルス信号を所定の波形で出力される、また、払出中信号は、払出制御基板581において払出動作中である場合にオン状態(Lレベル出力)となる。
払出中信号設定処理S3115の後に、立上時又は払出期間内の払出エラーが発生している場合には、払出エラー信号の出力状態を表す値が出力バッファに格納される(「払出エラー信号設定処理」S3116)。なお、払出エラー信号は、制御情報出力処理S3103において出力される。
払出エラー信号設定処理S3116の後に、球式回胴遊技機100がCRユニットに電気的に接続されているかが監視される(「CRユニット接続監視処理」S3117)。
(副制御基板の制御処理)
副制御基板770(図41参照)により実行される制御処理について説明する。副制御基板770の制御処理は、外部電力の停電からの復帰や電源投入等による電源復帰に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。割込み処理としては、定期的に割込みをかける内部割込み処理であるタイマ割込み処理と、主制御基板751(図41参照)からのコマンド送信に基づく外部割込み処理であるコマンド割込み処理とがある。
タイマ割込み処理は、約1msの周期で実行される。タイマ割込み処理では、まず、割込みフラグが読み込まれ、各種の割込みのうちのタイマ割込みである場合には、タイマ割込みタイマカウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」)。
コマンド割込み処理は、主制御基板751からのコマンド送信に関するストローブ信号の受信に応じて実行される。主制御基板751におけるコマンド送信は概ね1.49msの周期で行われるために、本処理は、概ね1.49msの周期で実行される。コマンド割込み処理では、ストローブ信号に引き続いて送信される各種のコマンドを受信する(「コマンド受信処理」)。
副制御基板770で実行されるメイン処理について詳細に説明する。図50は、副制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャートである。
メイン処理では、まず、電源制御基板571(図41参照)からの内部電力の供給に応じて、副制御基板770自身の初期化及び副制御基板770に接続された液晶表示装置720(図41及び図35参照)等の周辺装置の初期化が行われる(「初期化処理」S4101)。初期化処理S4201の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S4102)。ここで、システム状態は、供給電圧が所定の電圧以下であることを表す電圧低下状態と、副制御基板770及び副制御基板770に接続された周辺装置が初期化中であることを表す初期化状態と、供給電圧が所定の電圧であって通常遊技を行えることを表す通常状態とを含意する。なお、初期化状態は、初期化処理S4101の実行中に選択される。
システム状態が電圧低下状態でない場合には、割込みタイマカウンタの値に変更があるか否かが判定される(S4103)。割込みタイマカウンタの値に変更がある場合には、割込みタイマカウンタの値が現在値に「1」だけ減算した値に更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」S4104)。割込みタイマカウンタ更新処理S4104の後に、後述する周期タイマ処理S4105が行われる。周期タイマ処理S4105の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定され(S4106)、システム状態が電圧低下状態でない場合には、コマンド割込み処理において主制御基板751からの何らかのコマンドが受信されているか否かが判定される(S4107)。コマンドが受信されている場合には後述する受信コマンド確認処理S4108が行われた後に演出の詳細を決定する乱数のベース値が更新され(「乱数ベース値更新処理」S4109)、一方、コマンドが受信されていない場合には受信コマンド確認処理S4108がスキップされて乱数ベース値更新処理S4109が実行される。乱数ベース値更新処理S4109の後に、判定処理S4102に戻る。
判定処理S4102及び判定処理S4106においてシステム状態が電圧低下状態であると判定された場合には、レジスタデータやスタックデータが外部RAMに保存される(「バックアップ処理」S4110)。バックアップ処理S4110の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S4111)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S4111が繰り返し実行される。一方、電圧低下状態でない場合には、電圧低下状態の解消がノイズ等による誤作動でないことを確認するために所定の時間(本形態においては30ms)待機する(「ウェイト処理」S4112)。ウェイト処理S4112の後に、再度、システム状態が電圧低下状態であるか否かを再度判定する(S4113)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S4111に戻る。一方、システム状態が電圧低下状態でない場合には、内部電力の供給が正常に再開したと判断して、メイン処理を起動するための処理を行う(「起動処理」S4114)。起動処理S4114の後に、初期化処理S4101に戻り、メイン処理が再開される。
ここで、受信コマンド確認処理S4108について詳細に説明する。図51は、受信コマンド確認処理の一例を表すフローチャートである。受信コマンド確認処理S4108では、まず、受信されているコマンドの種類が判別される(S4201)。具体的には、受信バッファに格納されているコマンドからその上位バイト(8ビット)に含まれるコマンド識別情報を抽出して、抽出されたコマンド識別情報に応じた処理に移行させる。受信バッファに複数のコマンドが格納されている場合には、受信順序に従って順次に処理する。以下において、各コマンド識別情報に応じた処理について説明する。
判定処理S4201において受信コマンドが停止図柄コマンドであると判定された場合には、において、停止図柄コマンドの下位バイトの情報を抽出して、その情報に基づいて各リールの停止図柄を判別し、全ての停止図柄による組合せパターンに基づいて副制御基板770に接続された各種の周辺装置による演出の種類が選択される(「停止図柄コマンド処理」S4202)。例えば、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rのうち2つの回胴が停止しており、少なくとも1つの有効ラインに所定の図柄パターンが停止している場合に、各種の音響演出から所定の音響演出及び各種の発光演出から所定の発光演出の選択が行われる。所定の図柄パターンとしては、例えば、「7」図柄及び「青年」図柄の同一種類の2つ揃い、「BAR」図柄の2つ揃いが挙げられる。
判定処理S4201において受信コマンドが期間外払出エラーコマンド、球切れエラーコマンド、球溢れエラーコマンド、払出不足コマンド等の払出エラーコマンドや投入エラーコマンド等のエラーコマンドであると判定された場合には、エラーコマンドの下位バイトの情報が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置によるエラー報知の種類が決定される(「エラーコマンド処理」S4203)。
判定処理S4201において受信コマンドが復電コマンド及びリセットコマンド等の初期化コマンドであると判定された場合には、初期化コマンドの下位バイトの情報が抽出され、抽出された下位バイトの値に基づいて副制御基板770自体及び副制御基板770に接続された各種の周辺装置が初期化される(「初期化コマンド処理」S4204)。
判定処理S4201において受信コマンドが再遊技コマンド、ビッグボーナスコマンド、レギュラーボーナスコマンド等の内部状態コマンドであると判定された場合には、内部状態コマンドの下位バイトの情報(内部状態の種類)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「内部状態コマンド処理」S4205)。
判定処理S4201において受信コマンドがビッグボーナス役当選コマンド、レギュラーボーナス役当選コマンド、再遊技役当選コマンド、各種の小役の当選コマンド等の抽選結果コマンドであると判定された場合には、抽選結果コマンドの下位バイトの情報(当選役の種類)が抽出され、その情報や乱数による抽選結果に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「抽選結果コマンド処理」S4206)。
判定処理S4201において受信コマンドが再遊技入賞コマンド、ビッグボーナス入賞コマンド、レギュラーボーナス入賞コマンド、各種の小役の入賞コマンド等の入賞図柄コマンドであると判定された場合には、入賞図柄コマンドの下位バイトの情報(入賞図柄の種類)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「入賞図柄コマンド処理」S4207)。
判定処理S4201において確率設定コマンドであると判定された場合には、設定値コマンドの下位バイトの情報(設定表示中や設定変更中の開始及び終了の情報)が抽出され、各種の周辺装置による報知の開始や停止が決定される(「確率設定値処理」S4208)。
判定処理S4201において受信コマンドが入賞図柄パターンの表示された有効ラインに応じた入賞ラインコマンドであると判定された場合には、入賞ラインコマンドの下位バイトの情報(入賞ラインの種類)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「入賞ラインコマンド処理」S4209)。
判定処理S4201において受信コマンドが各種の回胴810L,810M,810Rの停止コマンド等の回胴回転情報コマンドであると判定された場合には、回胴回転情報コマンドの下位バイトの情報(停止回胴の種類)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「回胴回転情報コマンド処理」S4210)。
判定処理S4201において受信コマンドが獲得球数コマンドであると判定された場合には、獲得球数コマンドの下位バイトの情報(獲得球数)が抽出し、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「獲得球数コマンド処理」S4211)。
判定処理S4201において受信コマンドが最大ベットコマンド等のベットコマンドであると判定された場合には、ベットコマンドの下位バイトの情報(ベット数)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「ベットコマンド処理」S4212)。
判定処理S4201において受信コマンドがJAC最大ゲーム数コマンドであると判定された場合には、JAC最大ゲーム数コマンドの下位バイトの情報(JAC最大ゲーム数)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「JAC最大ゲーム数コマンド処理」S4213)。
判定処理S4201において受信コマンドがJACラウンド数コマンドであると判定された場合には、JACラウンド数コマンドの下位バイトの情報(JACラウンド数)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による報知の種類が決定される(「JACラウンド数コマンド処理」S4214)。
判定処理S4201において受信コマンドが設定値コマンドであると判定された場合には、設定値コマンドの下位バイトの情報(確率設定値)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による発光表示や画像表示による表示演出、効果音による音響演出等の種類が決定される(「確率設定値情報処理」S4215)。
判定処理S4201において受信コマンドが賞球の払出し開始時に設定される獲得球払出開始コマンド、賞球の獲得球払出終了コマンド等の球放出コマンドであると判定された場合には、球放出コマンドの下位バイトの情報(開始又は終了を表す数値)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による報知の種類や報知の期間が決定される(「球放出コマンド処理」S4216)。
判定処理S4201において受信コマンドが主制御基板751で決定された演出に関連する演出情報コマンドであると判定された場合には、演出情報コマンドの下位バイトの情報(演出情報の種類)が抽出され、その情報や乱数を用いた抽選結果に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「演出情報コマンド処理」S4217)。
判定処理S4201において受信コマンドがベット数コマンド等の球情報コマンドであると判定された場合には、球情報コマンドの下位バイトの情報(最終ベット数)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「球情報コマンド処理」S4218)。
ここで、副制御基板770のメイン処理における周期タイマ処理S4105について詳細に説明する。図52は、周期タイマ処理の一例を表すフローチャートである。タイマ割込み処理が実質的に1msごとに実行されることによって、周期タイマ処理S4105も実質的に1msごとに実行される。
周期タイマ処理4105では、まず、メイン処理の起動処理S4114(図49参照)の実行後の2秒以内に主制御基板751から何らかのコマンドが受信されているか否かが確認され、主制御基板751から何らのコマンドも受信していない場合には、主制御基板751の起動が正常に行われなかったと判断してエラー発生を報知する処理が行われる(「起動時コマンド確認処理」S4301)。
起動時コマンド確認処理S4301の後に、受信コマンド確認処理S4108(図50参照)において受信が確認された各種のコマンドに応じて、液晶表示装置720(図41及び図35参照)、音響装置311〜313(図41及び図17参照)、各種の発光装置314〜316(図41及び図17参照)の実際の駆動制御が行われる(「デバイス制御処理」S4302)。
デバイス制御処理S4302の後に、システム状態に変化があるか否かが判定され、判定結果に応じて、初期化状態を表す初期化中フラグが設定又は解除される(「システム状態変更処理」S4303)。なお、電圧低下フラグ及び初期化中フラグが解除されている場合には、システム状態は通常状態であるとみなされる。システム状態変更処理S4303の後に、電源制御基板571(図41参照)から供給される内部電力の電圧が所定の電圧以下であるか否かが判定され、内部電圧が所定の電圧以下の場合には、電圧低下フラグが解除されていれば電圧低下フラグが設定され、一方、内部電圧が所定の電圧以下でない場合には、電圧低下フラグが設定されていれば電圧低下フラグが解除される(「電圧監視処理」S4304)。電圧監視処理S4304の後に、長周期タイマカウンタが現在値に周期タイマカウンタの値を加算した値に更新される(「長周期タイマカウンタ更新処理」S4305)。
長周期タイマカウンタ更新処理S4305の後に、長周期タイマカウンタの値が「10」以上であるか否かが判定される(S4306)。判定処理S4305によって、概ね周期タイマカウンタの所定の回数(本形態では10回)の更新ごとに、以下の処理(S4307〜S4312)が実行されることになる。本形態では、周期タイマカウンタの更新が概ね1msごとに行われるために、以下の処理(S4307〜S4312)は、概ね10msごとに実行されることになる。
判定処理2402において長周期タイマカウンタの値が規定間引き数(本形態では、「10」)未満であると判定された場合には、本処理は終了する。一方、長周期タイマカウンタの値が「10」以上である場合には、長周期タイマカウンタの値が現在値から規定間引き数「10」だけ減算された値に更新される(「長周期タイマカウンタの規定間引き数減算処理」S4307)。規定間引き数減算処理S4307の後に、発光演出中又は発光報知中において、選択されている所定の発光演出パターン又は発光報知パターンを構成する発光単位データが選択され、選択された発光単位データが出力用のデータバッファに格納される(「発光データ更新処理」S4308)。ここで、各発光演出パターンは、複数の発光単位データで構成されている。各発光演出パターンを構成する発光単位データは、副制御基板770のROMに記憶されており、受信コマンド確認処理S4108(図50参照)において選択される。なお、格納された発光単位データはデバイス制御処理4302において所望の発光装置に出力される。発光報知変更処理が繰り返し実行されることによって発光単位データが順次に変更され、所定の発光パターンの発光演出又は発光報知が行われることとなる。
発光データ更新処理S4308の後に、表示演出と発光演出と音響演出とを同期させるための処理が行われる(「報知同期処理」S4309)。
発光・音響同期処理S4309の後に、音声演出が行われている状況下において、遊技者によって何らかの入力が行われることなく所定の時間(例えば、本形態では30秒)以上にわたって放置されている場合には、音響演出や各種の特別遊技状態におけるBGMの音量が小音量に変更される(「音響フェードアウト処理」S4310)。
音響フェードアウト処理S4310の後に、デモストレーション報知(客待ち演出)に移行させるか否かを、遊技者によってベット操作、スタート操作、ストップ操作等の何らかの入力操作が行われることなく所定の時間(本形態では50秒)以上経過しているかによって判定して、所定の時間が経過している場合にデモストレーション報知を実質的に開始させる(「デモストレーション報知移行処理」S4311)。具体的には、デモストレーション報知移行処理S4311では、デモストレーション報知を行うための表示報知パターンが選択され、かつ、デモストレーションフラグが設定される。ここで、デモストレーション報知パターンは、発光演出パターンと同様に、複数の発光報知単位データで構成されている。液晶表示装置720(図41及び図35参照)等の所定の周辺装置においてデモストレーション演出が開始される。
デモストレーション報知移行処理S4311の後に、音量変更操作装置(図示せず)における音量調節スイッチ(図示せず)の音量設定が確認され、音響装置311〜313(図41及び図17参照)に対する基準音量が更新される(「基準音量設定処理」S4312)。
基準音量設定処理S4312を終了した後、及び、判定処理S4306において長周期タイマカウンタの値が規定間引き数未満であると判定された場合には、液晶表示装置720、音響装置311〜313(図41及び図17参照)を制御するための表示報知単位データや表示演出単位データ等が更新される(「音響・表示報知変更処理」S4313)。
〔本発明の主たる特徴部分の構成〕
本発明に係る球式回胴遊技機100(〔遊技機〕の一種)は、図10を参照して上述したように、外枠110(〔枠体〕の一種)と、遊技機本体120(〔本体〕の一種)と、遊技機本体120を外枠110に対して開閉自在に支持する本体支持機構130と、外枠110に対して遊技機本体120を施錠する本体施錠機構140と、本体施錠機構140を開錠させたり施錠させたりする錠開閉操作機構150(図1参照)と、外枠110に対する遊技機本体120の開閉状態を検出する本体開閉検出装置160(〔本体開閉検出装置〕の一種)とを備えている。遊技機本体120は、前面ブロック121(〔前面ブロック〕の一種)と、払出ブロック122(〔背面ブロック〕の一種の一部)と、遊技ブロック123(〔背面ブロック〕の一種の一部)と、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を開閉自在に支持する一対のブロック支持機構124(〔ブロック間支持機構〕の一種)と、前面ブロック121に対して払出ブロック122を施錠する払出ブロック施錠機構125と、払出ブロック122に対して遊技ブロック123を固定する一対の遊技ブロック固定機構126(〔背面ブロック〕の一種の一部)とを備えている。
払出ブロック122及び遊技ブロック123は、外枠110に対する遊技機本体120の開放状態において前面ブロック121に対する一体的な開閉が許容され、外枠110に対する遊技機本体120の閉鎖状態において、払出ブロック施錠機構125の主に一対の回動部材238を含む開放防止機構によって前面ブロック121に対する開閉が禁止されている。なお、以下においては、遊技ブロック123は、常に払出ブロック122に固定されているとして説明する。払出ブロック122は、図27を参照して上述したように、払出ブロック基体500(〔背面基体〕の一種)と、払出ブロック基体500の背面側に取着された電源制御装置570を含んでいる。電源制御装置570は、設定変更スイッチ571E(〔遊技媒体の獲得に関与する切換器〕の一種)(図41参照)を備えており、電源回路571E(図41参照)において電源制御を行うと共に、設定変更スイッチ571Eからの入力を受け付ける。
球式回胴遊技機100は、更に、図26に示されたように、払出ブロック122に対して回動自在(〔移動自在〕の一種)であり、電源制御装置570の電源制御基板571に設けられた設定変更スイッチ571E(図41参照)に対する操作を規制する操作規制体10(〔操作規制体〕の一種)を備えている。図53は、操作規制体の動作の一例を説明するために操作規制体の近傍の一例を表す斜視図である。
ここで、操作規制体10について詳細に説明する。図53(A)及び図53(B)には、それぞれ、払出ブロック122に対する操作規制体10の閉鎖状態及び開放状態が示されている。図53(A)及び図53(B)に示されたように、操作規制体10(〔操作規制体〕の一種)は、払出ブロック122の閉鎖状態において前面ブロック121(図10参照)(〔前面ブロック〕の一種)と払出ブロック122との間隙(〔ブロック間隙〕の一種)を実質的に埋める基体部11(〔基体部〕の一種)と、基体部11の左端に設けられ、払出ブロック基体500に接続される一対の軸体部12(図26参照)と、基体部11の背面側に突出する突出爪部13(〔移動規制機構〕の一種の一部:〔背面基体の係合部〕の一種)と、基体部11に固着された操作規制部14(〔操作規制部〕の一種)と、基体部11に設けられ、操作規制部14の周縁の一部を覆う被覆部15(〔破断抑制部〕の一種)とを含んでいる。
基体部11は、前面ブロック121において払出ブロック122の閉鎖状態で基体部11に対向する部分の凹凸形状と概ね同一の凹凸が形成された板状片21(図53(B)のみ;図26も参照)と、板状片21の背面側に垂設され、払出ブロック122において払出ブロック122の閉鎖状態で基体部11に対向する部分の凹凸形状と概ね同一の凹凸形状となるように局所的な長さが適宜に調整された垂設片22(図53(B)のみ)とを含んでいる。払出ブロック122の閉鎖状態における板状片21と前面ブロック122との間には実質的に空隙が形成されない。操作規制体10の閉鎖状態における板状片21と払出ブロック122との間の空間は、垂設片22によって複数の小空間に分割されている。突出爪部13は、操作規制部14側と反対側に突出する先端爪31と、先端爪31と基体部11とを接続する突出腕32とを含んでいる。操作規制部14は、板状片21の背面側に垂設された規制片41と、規制片41から垂設され、規制片41の強度を補強する補強片42とを含んでいる。被覆部15は、補強片42が突出する側の操作規制部14の一部を覆い、操作規制部14の撓みに基づく破断を抑制している。
払出ブロック基体500には、その前面側(前面ブロック側)において操作規制体10の軸体部12と係合する一対の軸受け部91(図26参照)と、払出ブロック基体500に対する操作規制体10の開放角度を所定の最大開放角度(本形態では90度)に制限する一対の回転制限部92(図26参照)とが設けられている。また、払出ブロック基体500には、操作規制体10の突出爪部13が挿通される貫通孔93と、操作規制体10の操作規制部14が挿通される貫通孔94とが形成されている。
操作規制体10は、一対の軸受け部91と一対の軸体部12との枢着によって、球式回胴遊技機100の左右方向の中央近傍における上下方向の軸を回転軸として回動して、図53(A)に示されたように、払出ブロック122に対して操作規制体10が閉鎖された状態(以下、「操作規制体の閉鎖状態」とも略記する)と、図53(B)に示されたように、払出ブロック122に対して操作規制体10が開放された状態(以下、「操作規制体の開放状態」とも略記する)との間を移行する。
図53(A)及び図53(B)に示されたように、電源制御基板571を実質的に封止する収納部材572(図28参照)及び蓋部材573(図28参照)からなる2つ割りの基板ケースには、設定変更スイッチ571Eを操作するための開口が形成されている。設定変更スイッチ571Eは、適宜に開口を挿通して挿入される所定の設定キーによって操作されるキースイッチであり、設定変更スイッチ571Eは、基板ケースの内部側に収容されている。つまり、設定変更スイッチ571Eにおける設定キーが挿入される側のキー挿入端が基板ケースの開口が形成された表面より内部側に位置している。設定変更スイッチ571Eは、設定キーが挿入されていない場合及び挿入されて入るが所定の操作がされていない場合にはオフ状態であり、設定キーを挿入した後の所定の操作(本形態では右90度の回転)によってオン状態へ移行する。なお、オン状態において、設定変更スイッチ571から設定キーを抜脱することはできない。
操作規制体10の閉鎖状態において、図53(A)に示されたように、操作規制部14は、設定変更スイッチ571Eに対する設定変更操作禁止位置(〔操作禁止位置〕の一種)に配置されており、貫通孔94を貫通して払出ブロック基体500の背面側に突出し、設定変更スイッチ571Eにおけるキー挿入端から設定変更スイッチ571Eへの設定キーの挿入量未満だけの間隙を隔てて設定キーが挿入されるキー挿入方向と反対側の前方を覆っている。つまり、操作規制体10の閉鎖状態において、設定変更スイッチ571Eに設定キーを挿入することができないために、設定変更スイッチ571Eを操作することができない。また、操作規制体10の閉鎖状態において、操作規制体10の突出爪部13が払出ブロック基体500の貫通孔93に挿通されて、突出爪部13における操作規制部14と反対側に突出する先端爪31が払出ブロック基体500の背面側に突出しており、貫通孔93による突出爪部13の係止によって払出ブロック122に対する操作規制体10の前面ブロック121側への回転(以下、「開放回転」とも称す)が禁止されている。なお、操作規制体10の前面ブロック121と反対側への回転(以下、「閉鎖回転」とも称す)も、操作規制体10の垂設片22と払出ブロック基体500とが当接することによって実質的に禁止されている。
操作規制体10の閉鎖状態から払出ブロック122に対して操作規制体10を開放回転させるためには、まず、突出爪部13の先端爪31を操作規制部14側へ移動させて貫通孔93による突出爪部13の係止を解除しなければならない。但し、払出ブロック122の開放状態における突出爪部13の係止の解除によって操作規制体10は回転自在となるが、払出ブロック122の開放状態において突出爪部13の係止が解除されたとしても、操作規制体10の板状片21と前面ブロック121とが当接することによって実質的に操作規制体10の開放回転は禁止される。
ここで、払出ブロック122の開放状態における操作規制体10の開閉動作について説明する。まず、先端爪31が操作規制部14側へ押圧されると、先端爪31は、押圧される部分が傾斜面であるために、突出腕32の撓みによって操作規制部14側へ移動した後に前面ブロック121側に移動する。したがって、突出爪部13は先端爪31への押圧を止めても係止状態に復帰しない。更に、突出腕32の撓み状態からの復元力によって、先端爪31が貫通孔93の側壁とも係合しない状態まで自動的に回転する。なお、この状態においては、まだ、設定変更スイッチ571Eのキー挿入方向と反対側の前方を覆っており、設定変更スイッチ571Eへの操作は操作規制部14によって禁止されている。その後は、図53(B)に示されたように、払出ブロック基体500の前面側から操作規制体10を掴んで自由に回動させることができる。なお、基体部11は、前面ブロック121と払出ブロック122との間の空間内で回動する。
突出爪部13の係止解除後において、操作規制体10を所定の角度だけ開放回転させると、操作規制部14は設定鍵(図示せず)の挿入側の前方を覆わない設定変更操作許容位置(〔操作許容位置〕の一種)に移動し、設定変更スイッチ571Eへ設定キーを挿入できる状態となる。なお、操作規制体10を更に開放回転させると操作規制体10が一対の回転制限部92に当接し、それ以上の開放回転は禁止される。
球式回胴遊技機100であれば、遊技媒体の獲得に関与する設定変更スイッチ571Eを操作する際に、その設定変更スイッチ571Eが背面ブロック基体500の背面側に設けられていても、前面ブロック121に対して背面ブロック122を開放すると共に、その開放後に更に操作規制体10を作動させて操作規制部14を操作禁止位置から操作許容位置に移動させなければならないために、設定変更スイッチ571Eに対する不正な操作を抑制できる。また、そのような不正行為を行うには、払出機構等における球詰まりを解消するような通常遊技中においても発生する球式回胴遊技機遊技機100の背面側を表出して行う作業(以下、「背面表出後通常作業」とも称す)においては開放されることが極めて稀な前面ブロック121に対する背面ブロック122の開放及び背面表出後通常作業において開放されることのない操作規制体10の開放が行われることとなり、更に、背面ブロック122を前面ブロック121に対して所定の開放角度以上で開放して操作規制部14を操作許容位置に維持しなければならず、背面表出後通常作業に必要な前面ブロック121の開放角度に比べて大幅に大きな開放角度で開放を行うことともなり、遊技機100の背面側を表出して行う作業における不正行為の識別力が向上する。したがって、確率設定が変更されることによる不正な遊技媒体の獲得や確率設定が表示されることによる不正な遊技機の選択が抑制される。
また、球式回胴遊技機100であれば、操作規制部14の設定変更スイッチ571Eに対する操作許容位置への移動が、払出ブロック122の閉鎖状態において、操作規制体10と前面ブロック121との当接により禁止されるために、外枠110に対する払出ブロック122の閉鎖状態における球式回胴遊技機100の背面側からの操作によって、設定変更スイッチ571Eが操作自在な状態になることが防止される。更に、球式回胴遊技機100であれば、払出ブロック122は、払出ブロック122と外枠110との当接によって、また、主に一対の回動部材238を含む開閉防止機構によるロックによって、外枠110に対する遊技機本体120の開放状態のみにおいて前面ブロック121に対して開閉自在となるために、払出ブロック122の閉鎖状態における球式回胴遊技機100の背面側からの操作によって払出ブロック122が開放されることが防止できる。したがって、操作規制部14が設定変更スイッチ571Eに対する操作許容位置に移動されて、設定変更スイッチ571Eが操作自在な状態になることが防止される。なお、これは、通常、遊技ホールの遊技機設置設備には、2つの遊技機がそれらの背面側を対向させて配置されるために、不正行為の対象となる遊技機の背後に設置される遊技機本体を開放した場合には不正行為の対象となる遊技機の背面側が露出されることとなり、背後の遊技機本体が開放された場合にはその遊技機の動作は監視される可能性はあったとしても、不正行為の対象となったが遊技機本体は開放されていない遊技機までは監視され難いことによる。
球式回胴遊技機100であれば、払出ブロック122に対する操作規制体10の移動が回動であるために、払出ブロック122に対して操作規制体10を並進移動自在に支持する場合に比べて、操作規制体14の支持構造が簡素化され、また、操作規制体10の移動距離を大きく確保することができる。これは、操作規制体10を並進移動自在に支持するためには、前面ブロック121側に延出するガイドレール等の誘導構造を形成しなければならないために支持構造が複雑となり、また、このような誘導構造の長さが払出ブロック122の閉鎖状態における前面ブロック121と払出ブロック122との間隙の幅によって制限されるために操作規制体10の最大移動距離もその長さによって制限されて短くなるからである。操作規制体10の移動距離を大きく確保できることによって、背面ブロック基体500の背面から後方側に離隔して配置されるスイッチに対してもその操作を規制することができ、また、操作規制体10を操作するために必要な前面ブロック121に対する払出ブロック122の最小開放角度を大きく確保することもできる。
球式回胴遊技機100であれば、設定変更スイッチ571Eがキースイッチであるために、設定キーが無い限り設定変更スイッチ571Eの操作ができず、設定変更スイッチ571Eに対する不正な操作が抑制される。また、設定変更スイッチ571Eを作動させるためには、設定キーを設定変更スイッチ571Eに装着するための空間や操作鍵を作動させる空間を確保しなければならないが、その空間が形成されないように操作規制部14を配置させることによって簡便に設定変更スイッチ571Eに対する不正な操作を抑制できる。
球式回胴遊技機100であれば、設定変更スイッチ571Eの挿入端から操作規制部14までの挿入方向に沿った距離が設定変更スイッチ571Eへの設定キーの挿入量より短い構成であるために、操作鍵の形状、特に操作するために把持される部分の形状を異ならせたとしても、背面スイッチを作動させることができる状態にまで操作鍵を挿入できず、背面スイッチに対する不正な操作を更に確実に抑制できる。
球式回胴遊技機100であれば、設定変更スイッチ571Eの操作端が電源制御基板571の基板ケースにおける開口が形成された表面より基板ケースの内部側に位置する構成であるために、設定変更スイッチ571Eを作動させるために設定変更スイッチ571Eに接触する経路が限定され、設定変更スイッチ571Eに対する不正な操作が困難になる。また、背面スイッチに接触する経路が限定されるために、操作規制部14の構造を簡素化できる。なお、特に、設定変更スイッチが本形態と異なりボタンスイッチ等の操作部材を介さずに操作される構成の場合には特にその効果が高くなる。
球式回胴遊技機100であれば、設定変更において設定変更スイッチ571Eのみならず、前面ブロック121の前面側に設けられたスタートスイッチ371に対する操作も行わなければならないために、不正に確率設定を変更するためには、球式回胴遊技機100の背面側からの操作だけではなくその前面側からの操作も必要となり、そのような不正行為を行うことが困難になる。また、背面表出後通常作業において操作されることのない前面側のスタートスイッチ371が操作されることとなり、球式回胴遊技機100の背面側を表出した状態での作業における不正行為の識別精度が向上する。
球式回胴遊技機100であれば、開閉検出スイッチ164により外枠110に対する遊技機本体120の開放状態が検出され、かつ設定変更スイッチ571Eに対して所定の操作がされている場合のみにおいて、確率設定が変更できたり、確率設定が表示されたりするために、遊技媒体の獲得期待値の高い確率設定に強制的に変更したり、確率設定を表示させたりするような不正行為をさらに良好に抑制できる。
球式回胴遊技機100であれば、操作規制体10が払出ブロック122に対して一対のブロック支持機構124の開閉軸と実質的に平行な軸を中心として回動し、操作規制部14が基体部11において操作規制体10の回動中心より一対のブロック支持機構124と反対側に位置するために、前面ブロック121と背面ブロック122とが回転によって離間する側から操作規制体10を操作でき、また、操作規制体10を操作する際の払出ブロック122の最小開放角度を適度に抑制できる。これによって、不正行為に対する対策を疎かにすることなく、操作規制体10の操作性を向上させることができる。なお、これは、払出ブロック122の最小開放角度が大きすぎると、払出ブロック122と外枠110との間の開放角度が小さくなりすぎて、遊技ホールの管理者による正常な設定変更スイッチ571Eの操作の作業性が低下する場合もあるからである。
球式回胴遊技機100であれば、基体部11が背面ブロック基体500の左右方向の中央近傍において支持され、操作規制部14が操作禁止位置において背面ブロック基体500におけるブロック支持機構124の開閉軸と反対側の端部近傍から払出ブロック122の背面側へ突出するために、操作規制体10を操作する際の払出ブロック122の最小開放角度を簡便に最適化できる。なお、操作規制体10の回動軸と遊技機本体120の開閉軸との距離が大きすぎる場合には操作規制体10が大型化し、一方、その距離が小さすぎる場合には操作規制部14を操作禁止状態から操作許容状態へ移行するための操作角度が大きくなり操作性が低下することともなる。また、設定変更スイッチ571Eを不正に操作するための前段階として操作規制部14を破壊する場合が考えられるが、このような不正目的で操作規制部14が破損されていないかを目視によって簡便に確認できるために、設定変更スイッチ571Eが不正に操作されていないか及び不正に操作し易い状態となっていないかの識別精度が向上する。
球式回胴遊技機100であれば、払出ブロック122に対する操作規制体10の最大開放角度が90度であるために、操作規制体10の開放状態で払出ブロック122が閉鎖されるような誤操作が行われたとしても、操作規制体10や操作規制体10と払出ブロック122との連結が破損されることが抑制される。また、設定変更スイッチ571Eを操作する際には払出ブロック122を固定しなければならないが、操作規制体10が払出ブロック122の回転を固定するための把持部材として機能するために、不正行為に対する対策を疎かにすることなく、設定変更スイッチ571Eの操作性を向上させることができる。
球式回胴遊技機100であれば、板状片21と前面ブロック121との空隙が実質的になく、また、板状片21と前面ブロック122との間の空間が小空間に分割されるために、設定変更スイッチ571Eに基づく制御動作を変更したりするような球式回胴遊技機100の動作を改変する不正装置が装着されることが極めて良好に抑制される。
球式回胴遊技機100であれば、払出ブロック122の開放直後において、背面ブロック基体500の貫通孔93と操作規制体10の係合爪部13との係合により操作規制部14の移動が禁止されているために、操作規制体10に対する開放操作を行う前に貫通孔93と係合爪部13との係合を解除する操作が必要となり、不正行為に必要な作業時間が増加すること基づく遊技機本体120を開放した状態での作業における不正行為の識別力が向上する。
球式回胴遊技機100であれば、貫通孔93と係合爪部13とが、背面ブロック122の閉鎖に伴う前面ブロック121と基部21との当接に基づく操作規制体10の移動に応じて自動的に係合するために、背面ブロック122の閉鎖状態において操作規制部14を操作禁止位置に確実に維持できる。これによって、不測に設定変更スイッチ571Eに対する不正な操作がされ易い状況となることが抑制される。
球式回胴遊技機100であれば、操作規制体10が設定変更スイッチ571Eを作動させる設定キーの挿入方向と反対側に押圧されたとしても、操作規制体10と被覆部15との当接によって、操作規制体10が破断される程度に撓むことが抑制される。したがって、不正目的で操作規制部14が故意に破損されることが抑制される。
上記においては、開閉検出スイッチ164によって遊技機本体120の開放状態が検出されている場合に確率設定が変更できたり、確率設定が表示されたりする構成について説明したが、本発明においては、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放状態を検知する払出ブロック開閉検出スイッチを設けて、払出ブロック開閉検出スイッチによって払出ブロック122の開放状態が検出されている場合に、確率設定が変更できたり、確率設定が表示されたりする構成とすることもできる。また、本発明においては、払出ブロック122に対する操作規制体10の開放状態を検知する規制体開閉検出スイッチを設けて、規制体開閉検出スイッチによって操作規制体10の開放状態が検出されている場合に、確率設定が変更できたり、確率設定が表示されたりする構成とすることもできる。更に、開閉検出スイッチ164、払出ブロック開閉検出スイッチ及び規制体開閉検出スイッチの少なくとも2つのスイッチを設けて、それらのスイッチによって遊技機本体120や払出ブロック122や操作規制体10の開放状態が検出されている場合に、確率設定が変更できたり、確率設定が表示されたりする構成とすることもできる。なお、本発明においては、確率設定の変更や表示が開閉検出スイッチ164による検出状態に依存しない構成とすることもできる。
上記においては、操作規制体10が設定変更スイッチの操作を規制する構成について説明したが、遊技機の内部状態を初期化する初期化スイッチの操作によって通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態又はその特定遊技状態へ移行しやすい準備状態等に移行する場合には、操作規制体10が初期化スイッチの操作を規制する構成とすることもできる。また、電源スイッチ571Bの操作によって、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態又はその特定遊技状態へ移行しやすい準備状態等に移行する場合には、操作規制体10が電源スイッチ571Bの操作を規制する構成とすることもできる。
本発明は、球体や円盤体を媒体とする回胴式遊技機及び球体を媒体とする弾球式遊技機等の遊技機に適している。
10:操作規制体
11:基部
12:軸体部
13:突出爪部
14:操作規制部
15:被覆部
91:軸受け部
92:回転規制部
93:貫通孔
94:貫通孔
110:外枠
120:遊技機本体
121:前面ブロック
122:払出ブロック
123:遊技ブロック
164:開閉検出スイッチ
371:スタートスイッチ
571C:リセットスイッチ
571E:設定変更スイッチ
734A:7セグメント表示部

Claims (1)

  1. 前面ブロックと、前記前面ブロックの後方に配置され、貫通孔を有する背面基体及び前記背面基体の背面側に設けられた切換器を含む背面ブロックと、前記前面ブロックに対して前記背面ブロックを開閉自在に支持するブロック間支持機構とを備える遊技機であって、
    前記背面ブロックに対して移動自在に支持され、前記切換器に対する操作を規制する操作規制体を備え、
    前記操作規制体は、
    前記背面基体の前面側において移動自在に支持され、前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの開放状態において、前記前面ブロックと前記背面基体との間の空間内で移動する基体部と、
    前記前面ブロックに対する前記背面ブロックの開放状態における前記基体部の移動に応じて、前記貫通孔を通して前記背面基体の背面側に突出して前記切換器への操作を禁止する操作禁止位置と前記操作禁止位置より前記前面ブロック側であって前記切換器への操作を許容する操作許容位置との間を移動する操作規制部と、
    を含むことを特徴とする遊技機。
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