本発明に係る遊技機は、以下の構成をとる。
手段1.
供給される遊技媒体を複数の貯留通路に分散させ、かつ前記複数の貯留通路の各々で一列に配列させて貯留する貯留手段(例えば、タンクレール及びケースレール)と、
前記複数の貯留通路に対応する複数の払出通路への前記貯留手段に貯留された遊技媒体の流入を払出通路ごとに規制する通過規制手段(例えば、払出フリッカ及び払出ソレノイド)と、
前記複数の払出通路を流下する遊技媒体を払出通路ごとに検出する媒体検出手段(例えば、払出装置のカウントセンサ)と、
少なくとも1種の払出情報を生成する払出情報生成手段(例えば、主制御装置の払出制御手段及び貸球装置)と、
前記払出情報の種類に応じて遊技媒体の通過許可数を決定する通過許可数決定手段(例えば、払出制御基板の賞球払出数設定処理)と、
前記通過許可数を前記複数の払出通路に振り分ける振分手段(例えば、払出制御基板の払出数振分処理)と、
前記媒体検出手段による遊技媒体の検出に応じて払出通路ごとの個別通過数を計測する個別通過数計測手段(例えば、払出制御基板の第1条〜第4条払出残数更新処理)と、
前記払出情報に応じて、前記通過規制手段による遊技媒体の通過の規制を払出通路ごとに制御する通過規制制御手段(例えば、払出制御基板の払出ソレノイド制御処理及び払出ソレノイド設定処理)と、
を含む遊技機であって、
前記複数の払出通路を所定の順序で循環的に指定する順序列を循環順序列とし、前記通過許可数を前記複数の払出通路の個数で除した商及び剰余に対応する値をそれぞれ均等振分数及び余剰振分数として、
前記複数の払出通路から優先振分通路を選択する優先振分通路選択手段(例えば、払出制御基板の優先振分条更新処理)を更に含み、
前記振分手段が、前記優先振分通路を先頭として前記循環順序列に従って前記余剰振分数だけ連続する払出通路に前記均等振分数より1つだけ大きい値を振り分け、前記複数の払出通路のうち残りの払出通路に前記均等振分数と同一の値を振り分け、
前記優先振分通路選択手段が、前記振分手段による前記通過許可数の振り分け後に、前記優先振分通路として選択されている払出通路から前記循環順序列に従って前記通過許可数だけ先に対応する払出通路を新たな優先振分通路として選択する、
ことを特徴とする遊技機。
本明細書において、「少なくとも1種類の払出情報」は、遊技進行に応じた賞球に関する払出情報であってもよいし、貸球に関する払出情報であってもよい。「少なくとも1種類の払出情報」としては、賞球の払出を指示するコマンドや貸球の払出を指示する信号が挙げられる。
「複数の払出通路を所定の順序で循環的に指定する順序列」とは、例えば、払出通路数が4である場合において各払出通路を第1払出通路〜第4払出通路で識別したとすると、「・・・→第1払出通路→第2払出通路→第3払出通路→第4払出通路→第1払出通路→・・・」と繰り返される順序列を意味する。
上記の構成であれば、複数回の払出制御にわたって優先振分通路の動的な変更に基づいて各振分通路から払い出される遊技媒体の個数を均一化できるために、複数の払出通路の各々に対応する通過規制手段の経年劣化の差を抑制できる。これによって、遊技機の保守管理の容易性を向上させることができる。また、更に、本発明の遊技機であれば、各回の払出制御において各払出通路から払い出される遊技媒体の個数を均一化できるために、払出用に貯留された遊技媒体の球詰まりを抑制できる。これによって、円滑な遊技進行が実現できる。
本発明に係る遊技機の最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機が遊技球体を遊技媒体とする回胴式遊技機(以下、「球式回胴遊技機」と称す)である場合を挙げるが、遊技球体やコイン等を遊技媒体とする遊技機一般に適用できる。また、回胴式遊技機であっても、以下で説明する具体的な形態には限定されず、本発明の主旨から逸脱しない限りにおいて、その設計を適宜に変更してもよい。
本実施形態の球式回胴遊技機の構成について説明する。図1は球式回胴遊技機の一例を表す正面図であり、図2は球式回胴遊技機の内部構成をブロック単位で開放した状態で示す斜視図である。
図1又は図2に示すように、球式回胴遊技機1010は、球式回胴遊技機1010の外殻を形成する外枠1011と、この外枠1011の一側部に開閉可能に支持されたドアブロック1012とを備えている。ドアブロック1012は、外枠1011に対してヒンジ1013,1013によって開閉可能に取り付けられており、その開閉軸線は球式回胴遊技機1010の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてドアブロック1012が前方側に十分に開放できる。ドアブロック1012は、図2に示すように、球式回胴遊技機1010の前面を構成する前面ブロック1020と、前面ブロック1020に対して後方側へ開閉可能に取着された払出ブロック1030と、前面ブロック1020に対して後方側へ開閉可能に取着され、前面ブロック1020及び払出ブロック1030にて被包される遊技ブロック1040とからなる。
(前面ブロックの構成)
前面ブロック1020は、図2に示されたように、前面パネル1100、前面ブロック枠1200、回胴表示パネル1022、表示パネル押え枠1024、上皿ユニット1300(図1参照)、及び、セレクタ1400(遊技球投入装置)を備える。
前面パネル1100は、図1に示されたように、遊技ブロック1040(図2参照)の前面に設けられた遊技領域を露出するための窓孔1102を有し、窓孔1102を囲むようにして上効果LEDカバー部1104、上スピーカ部1106,1106、右中効果LEDカバー部1108、左中効果LEDカバー部1110、中央パネル部1112、操作パネル部1122等が配設されている。
前面パネル1100の上効果LEDカバー部1104、右中効果LEDカバー部1108及び左中効果LEDカバー部1110は、それぞれ前面パネル1100の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード(LED)等の発光装置を覆っている。この発光装置は、遊技の進行に伴い点灯したり、点滅したりして遊技の視覚的演出を行う。上スピーカ部1106,1106は、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりして遊技の聴覚的演出を行う。
前面パネル1100の中央パネル部1112は、無色透明のガラスで構成され、所定の入賞条件及び当該入賞条件を満たした場合に払い出される遊技球の個数(賞球数)や遊技方法などが記載された図示しない情報掲載パネルを視認できる窓である。情報掲載パネルの表示内容を見やすくするために、中央パネル部1112の奥側には蛍光灯1041k(図12参照)が設置される。中央パネル部1112の左側方には1ベットボタン1114が配設されている。中央パネル部1112の右側方には汎用ボタン1116,1118が配設されている。汎用ボタン1116,1118は例えば遊技モードの切替えや液晶画面における表示モードの切替えなど、遊技機の機種ごとにその用途を適宜設定可能なボタンである。中央パネル部1112の汎用ボタン1116等よりもさらに右側方には、前面ブロック開閉用のドアキーシリンダ1202の前面(鍵穴)を露出させるキーシリンダ挿通孔1120を設けてある。また、中央パネル部1112の下方には、前方側へ突出した操作パネル部1122が配設されている。
前面パネル1100の操作パネル部1122には、図1の左側から順に、後述する回胴L,M,R(図13参照)の回転を開始させるための始動レバー1124と、左回胴Lの回転を停止させるための左回胴停止ボタン1126Lと、中回胴Mの回転を停止させるための中回胴停止ボタン1126Mと、右回胴Rの回転を停止させるための右回胴停止ボタン1126Rと、上皿1302から下皿1128へ遊技球を流す操作をするための上皿球返却レバー1386を露出させるための小窓孔1130とを設けてある。始動レバー1124は、遊技者がゲームを開始するときに手で押下して操作するレバーであり、手が離れた後に元の位置に自動復帰する。所定数の遊技球がベットされているときに始動レバー1124が操作されると、各回胴L,M,Rが一斉に回転し始める。始動レバー1124の基端部上方には、各回胴L,M,Rの回転準備が整った状態、つまり所定数の遊技球がセレクタ1400(図2参照)にて取り込まれ、始動レバー1124の操作受付可能な状態を報知するための始動レバーLED(図示せず)を埋設してある。また、各回胴停止ボタン1126L,1126M,1126Rの周囲には、それらの操作受付可能な状態を報知するための回胴停止ボタンLED134L,134M,134Rを埋設してある。各回胴停止ボタンLED1134L,1134M,1134Rは、それぞれ対応する回胴L,M,Rが等速回転しているときに点灯し、対応する回胴L,M,Rの回転が停止すると消灯する。操作パネル部1122の下方には、遊技球を貯留するための下皿1128が配設されている。
下皿1128の奥面には、前面ブロック枠1200に設けた下スピーカ部1204(図2参照)を覆う下スピーカカバー部1136と、上皿1302から下皿1128へ流れてくる遊技球の出口となり、かつ、後述する払出装置1033(図7参照)から直接遊技球が払い出されてくることもある下皿払出口1138とを設けてある。また、下皿1128の前面下部には、下皿1128から下皿1128の下方に配置した図示しない遊技球収容ケース(いわゆるドル箱)に遊技球を落とす操作をするための下皿球抜きレバー1140を設けてある。下皿球抜きレバー1140にて閉塞板1144をスライド操作して開口部1142を開口させることによって、下皿1128から遊技球を落下させることができる。また、下皿1128の左側方には灰皿1146を設けてある。操作パネル部1122及び下皿1128の両側には、それぞれ左下効果LEDカバー部1148及び右下効果LEDカバー部1150を設けてある。左下効果LEDカバー部1148及び右下効果LEDカバー部1150は、それぞれ前面パネル1100の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード等の発光装置を覆っている。
前面ブロック枠1200は、図2に示すように、前面パネル1100よりも若干小さい矩形状の枠体で、前面パネル1100の裏側にネジ止めされる。前面ブロック枠1200の下部には聴覚的演出用の下スピーカ部1204を取り付けてある。上下にスピーカ部1106(図1参照)及びスピーカ部1204を設けることで臨場感あふれる聴覚的演出を行うことができる。また、前面ブロック枠1200にはドア開閉機構1208を設けてある。ドア開閉機構1208を構成するドアキーシリンダ1202(図1参照)に図示しない鍵を挿入して右側へ回転させると、外枠1011に対して係止する係止爪1210,1210が下方向に回動し、外枠1011に対する係止が解除される。逆に、ドアキーシリンダ1202に図示しない鍵を挿入して左側へ回転させると、払出ブロック1030に対して係止する係止爪1212,1212が下方向に回動し、払出ブロック1030に対する係止が解除される。また、前面ブロック枠1200には、下皿払出口1138に連なる誘導通路1214が設けられている。
回胴表示パネル1022は、無色透明のガラス板で、前面パネル1100の窓孔1102の形状に対応した形状の略台形状とされる。表示パネル押え枠1024は、前面パネル1100との間に回胴表示パネル1022を介在させて前面ブロック枠1200にネジ止めされる。表示パネル押え枠1024は、回胴表示パネル1022の形状に対応した略台形状とされ、所定の奥行きをもって形成される。つまり、前面パネル1100の窓孔1102が中央パネル部1112よりも前方に張り出しており、この張り出し長さに対応した奥行きをもって形成される。
上皿ユニット1300は、図1に示されたように、遊技球を貯留する上皿1302を有する部材で、中央パネル部1112と操作パネル部1122の間の開口を閉塞するように、操作パネル部1122の裏側に取り付けられる。上皿ユニット1300は、上皿ユニット本体1320と、球貸装置1350と、上皿球止め部1360(図5参照)と、上皿球抜き操作部1380から構成される。
上皿ユニット本体1320は、上記の如く上皿1302を有する部材で、所望の深さでかつ図示上左側から右側へと下る傾斜をもって形成される。上皿1302の下流側部分(球貸装置350の下方)には、複数(例えば3つ)に分岐した遊技球案内路1322(図5参照)を設けてある。遊技球案内路1322は、遊技球を整列状態にしてセレクタ1400(図5参照)へ順次案内する。
球貸装置1350は、度数表示部1352、球貸出ボタン1306、球貸出ボタンLED(図示せず)、球貸出スイッチ(図示せず)、カード返却ボタン1308及びカード返却スイッチ(図示せず)を備える。度数表示部1352は、球式回胴遊技機1010に隣接して配置される図示しないCRユニットにカードを挿入することで当該カードの残額に相当する度数を表示する。球貸出ボタン1306、遊技球の貸し出し操作を行うためのボタンである。球貸出スイッチ1356は、球貸出ボタン1306による貸し出し操作を検出するスイッチである。球貸出ボタンLED1354は、遊技球の貸し出しを行える状態であることを点灯により遊技者に報知し、また、遊技球の貸し出しを行っているときには、球貸出ボタンLED1354を点滅させて、遊技球の貸し出しを行っている最中であることを報知する。球貸出ボタンLED1354の点灯中に球貸出ボタン1306が操作されると、所定数の遊技球が上皿1302に貸し出されることとなる。なお、球貸出ボタンLED1354点滅状態のときには球貸出ボタン1306の操作を受け付けない構成とされる。カード返却ボタン1308は、CRユニットに挿入されているカードの返却操作を行うためのボタンである。カード返却スイッチは、カード返却ボタン1308による返却操作を検出するスイッチである。カード返却ボタン1308が操作されると、CRユニットからカードが返却される。
上皿球抜き操作部1380は、球式回胴遊技機1010の前面側に露出された球抜きレバー1386(図6参照)と、球式回胴遊技機1010の内部側に設けられたレバー操作伝達機構とを備える。球抜きレバー1386の操作に応じて、レバー操作伝達機構がセレクタ1400の返却シャッタ1420(図6参照)を移動させる。これにより、上皿1302に貯留された遊技球が下皿1128に払い戻されることとなる。
上皿球止め部1360は、遊技球案内路1322の下側に取り付けられ、遊技球案内路1322からセレクタ1400への入口を開閉するものである。詳しくは、上皿球止め部1360は、故障等によりセレクタ1400を取り替える必要が生じたときに、セレクタ1400を取り外しても、上皿1302から遊技球が毀れ落ちないようにする。
セレクタ1400は、上皿1302及びセレクタ1400の上面に貯留されている遊技球を、1ベットボタン1114(図1参照)及びマックベットボタン1304(図1参照)の操作に応じて所定数だけ球式回胴遊技機1010の内部に取り込んだり、上皿球抜き操作部1380の操作に応じて下皿1128(図1参照)に払い戻したりする。図3は、セレクタの一例を表す斜視図であり、図4は、セレクタの一例を表す部分分解斜視図である。具体的には、セレクタ1400は、図3及び図4に示されたように、上皿1302の複数の遊技球案内路1322(図5参照)に1つずつ対応した複数の遊技球投入部1410a,1410b,1410cと、上皿1302から下皿1128への遊技球の流下を規制する返却シャッタ1420と、返却シャッタ1420の基準位置からの並進移動を検知する返却スイッチ1441が設けられた返却スイッチ基板1440と、中空突出部1408を含み返却シャッタ1420の一端及び返却スイッチ基板1440を被覆する基板カバー1450と、中空突出部1480の内部に配置され返却シャッタ1420を基準位置に戻すコイルバネ(図示せず)と、主制御基板1045aと複数の遊技球投入部1410a,1410b,1410cとの間の電気信号の伝達を中継するセレクタ中継端子板1462及びセレクタ中継端子板1462を被覆する中継端子板カバー1464を含むセレクタ中継装置1460とを備えている。このセレクタ1400は、ベット操作に応じた所定数の遊技球を複数の遊技球投入部1410a,1410b,1410cに分散させて同時に投入することによって、単一の遊技球投入部のみを備える場合に比べて投入動作(ベット動作)を迅速に行える。
ここで、上皿球抜き操作部1380、上皿球止め部1360及びセレクタ1400について詳細に説明する。図5は、セレクタ1400及び上皿球止め部1360の一例を後方側から見た縦断面図である。図6は、セレクタ1400及び上皿球抜き操作部1380の一例の一部横断面図である。図5及び図6には、投入フリッカ及び返却シャッタが通過禁止状態である場合が示されている。なお、以下において、遊技球投入部1410b,1410cは、遊技球投入部1410aと略同一の構成であるため、その詳細な説明を省略する。
上皿球止め部1360は、図5に示されたように、ケーシング1361と、ケーシング1361に90度の回転範囲内で回動自在に設けられた軸部材1362と、軸部材1362の端に設けられた図示しない操作ハンドルと、軸部材1362の回動に応じて移動自在な開閉部材1363とを備えている。軸部材1362は、操作ハンドルと反対側の先端に、周方向に概ね90度の間隔を隔てて形成された押圧部1375a,1375bを備える。各押圧部1375a,1375bは舌片状に形成され、それぞれ軸部材1362の半径方向に突出している。開閉部材1363は、複数の貯留通路1402の各々を閉じるための複数の閉塞部1376と、開閉部材を移動させる応力を受ける被押圧部1378a、1378bとを備える。
図5に示された状態は、押圧部1375aが被押圧部1378aを押圧して開閉部材1363が右側に移動させられている状態であり、この状態において、複数の貯留通路1402の各々への遊技球の流入が許可される。図5に示された状態から操作ハンドルの操作により軸部材1362が図5の紙面上方から見て時計回りに回転させられると、押圧部1375bが略水平方向を向いて開閉部材1363の被押圧部1378bを押圧する。これにより、開閉部材1363が左側に移動して、閉塞部1376が貯留通路1402の入口の大きさが狭まる。この状態において、複数の貯留通路1402の各々への遊技球の流入が禁止される。なお、この状態においては、上皿1302及び遊技球案内路1322に遊技球が貯留された状態でセレクタ1400を取り外してもそれらの遊技球は毀れ落ちない。逆に、この状態から操作ハンドルの操作により軸部材1362が反時計回りに回転させられると、複数の貯留通路1402の各々への遊技球の流入が許可される。
上皿球抜き部1380は、図6に示されたように、CR操作表示部1350(図1参照)を介して上皿ユニット本体1320(図1参照)の下側に取り付けられるベース部1381と、ベース部1381に立設した支軸1382,1383を中心に回動する回動片1384及び押圧片1385と、ベース部1381の前面に沿ってスライドする上皿球返却レバー1386とを有する。回動片1384の基部1384aには上皿球返却レバー1386に枢着される連結部1384bを設けてある。また、回動片1384の基部1384aは、コイルバネ1387を介してベース部1381に連結される。回動片1384の先端部には二又状の把持部1384cを設けてある。把持部1384cは、押圧片1385の基部1385aに設けた凸部1385bを摺動自在に把持する部位である。押圧片1385の先端部には、セレクタ1400の返却シャッタ1420を押圧する押圧部1385cを設けてある。セレクタ1400の中空突出部1408には、返却シャッタ1420を押圧片1385側へ押圧するコイルバネを格納してある。
図6に示された状態は、上皿球返却レバー1386が操作されていない状態である。つまり、コイルバネ1387にて回動片1384が反時計回りに引っ張られると共に、回動片1384にて押圧片1385が時計回りに引っ張られて、押圧部1385cが返却シャッタ1420の片端部から離れている状態である。この状態では、返却シャッタ1420は中空突出部1408の内部に配置されたコイルバネ1430の付勢力により基準位置にある。この状態から上皿球返却レバー1386を摘んで図の下向き(実際には球式回胴遊技機1010の正面から見て右側から左側)に動かすと、上皿球返却レバー1386に随伴して回動片1384が時計回りに回転すると共に、回動片1384にて押圧片1385が反時計回りに回転させられ、押圧部1385cが返却シャッタ1420を押圧する。これによって返却シャッタ1420が移動する。この状態で上皿球返却レバー1386から手を離すと、中空突出部1408に配置されたコイルバネの付勢力によって返却シャッタ1420が前方側へ押圧され、図6に示された状態に戻る。
セレクタ1400は、上記で図3及び図4を参照して説明したように、複数の遊技球投入部1410a,1410b,1410cと、返却シャッタ1420と、返却スイッチ基板1440と、基板カバー1450と、返却シャッタ1420を基準位置に戻すコイルバネ(図示せず)と、セレクタ中継装置1460とを備えている。
セレクタ1400の遊技球投入部1410aは、図3及び図4に示されたように、ケーシング1411とカバー1412からなる樹脂製の筐体を備える。ケーシング1411の外表面は、隣接する遊技球投入部1410bのカバー1412に対する取付面になっており、遊技球投入部1410aのカバー1412の外表面は、基板カバー1450に対する取付面になっている。ケーシング1411とカバー1412とを組み付けると、貯留通路1402を構成する樋状部1417が形成される。遊技球投入部1410aは、この筐体の内部に、図5に示されたように、投入フリッカ1413aと、投入ソレノイド1414aと、通過センサ1415aと、カウントセンサ1416aとを備える。また、遊技球投入部1410aの内部には、貯留通路1402の下流側には、斜め下方へ延びる案内通路1404と、ほぼ鉛直下向きに延びる排出通路1406とが形成されている。
投入フリッカ1413aは、貯留通路1402から排出通路1406への遊技球の流入を規制する。投入フリッカ1413aは、基端側部分1413a1と先端側部分1413a2が支軸1413a3にて回転可能に連結されている。投入フリッカ1413aの基端側部分1413a1及び先端側部分1413a2は、それぞれケーシング1411aの支軸1411a1,1411a2にて回転可能に支持される。投入フリッカ1413aの基端部には、投入ソレノイド1414aの舌片1414a1を把持する把持部1413a4を設けてある。また、投入フリッカ1413aの先端部には、排出通路1406aを開閉するための開閉部1413a5を設けてある。
投入ソレノイド1414aは、ベットボタン1114,1304の操作により通電されて作動し、ピストン(プランジャ)1414a2を上方へ縮まらせるものである。ピストン1414a2の先端には、つまみ部1414a3を装着してある。つまみ部1414a3はピストン1414a2の半径方向に延びる上記舌片1414a1を有する。また、ピストン1414a2には、コイルバネ1414a4を外装してある。コイルバネ1414a4は、投入ソレノイド1414aの本体部分1414a5とつまみ部1414a3とを離間させる方向に付勢している。つまり、投入ソレノイド1414aへの通電を切ったときに、コイルバネ1414a4の付勢力により、ピストン1414a2が下方へ伸びるようになっている。
ベットボタン1114,1304を押すと投入ソレノイド1414aに通電され、ピストン1414a2が縮まって投入フリッカ1413aの基端側部分1413a1を図示上反時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ1413aの先端側部分1413a2は図示上時計回りに回転して排出通路1406aを開き、貯留通路1402aに待機している遊技球が自然落下可能な状態(通過許可状態)となる。逆に、投入ソレノイド1414aの通電を切ると、コイルバネ1414a4の付勢力によりピストン141a2が伸びて投入フリッカ1413aの基端側部分1413a1を図示上時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ1413aの先端側部分1413a2は図示上反時計回りに回転して開閉部1413a5にて排出通路1406aを閉じ、遊技球が自然落下不可能な状態(通過禁止状態)となる。
通過センサ1415aは、排出通路1406aであって投入フリッカ1413aの開閉部1413a5のすぐ下流側に配置され、遊技球が正常に取り込まれたか否かを検知するためのものである。通過センサ1415aは、投入フリッカ1413aの先端側部分1413a2を取り囲むように横断面略コ字形状とされ、投入フリッカ1413aよりも前面側又は背面側のいずれか一方側に発光素子を設け、他方側に受光素子を設けた構成とされる。また、発光素子及び受光素子はそれぞれ上下一対でかつ遊技球1個分の径よりも短い間隔で設けてある。上側の素子1415a1にて遊技球を検知したのち上側及び下側の素子1415a1,1415a2にて同時に遊技球を検知し、次いで下側の素子1415a2のみ遊技球を検知することが所定時間内に行われたときは、遊技球が正規に取り込まれたと判定される。逆に、上側の素子1415a1にて遊技球を検知したのち所定時間経過しても下側の素子1415a2が遊技球を検知しないときや、下側の素子1415a2にて遊技球を検知したのち上側及び下側の素子1415a1,1415a2にて同時に遊技球を検知し、次いで上側の素子1415a1のみ遊技球を検知したときは、遊技球が不正な手段にて投入されたと判定し、球式回胴遊技機1010にエラーが発生した旨を報知すると共に遊技が禁止されるようになっている。故に、例えば、不正具を用いてあたかも遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為が防止できるようになっている。通過センサ1415aにて正常な通過を検知した遊技球の個数が遊技球投入部1410aにて投入される投入予定数よりも1つ少ない状態(例えば4個、9個又は14個)で上側素子1415a1が最終の遊技球を検知した場合に、投入ソレノイド1414aの通電が切られ、投入フリッカ1413aの開閉部1413a5が排出通路1406に突出し、貯留通路1402から排出通路1406への遊技球の構成になっている。
カウントセンサ1416aは、遊技球投入部1410aにて投入された遊技球を通過センサ1415aとは別個に計数する。カウントセンサ1416aは、通過センサ1415aとは異なる作用によって遊技球の通過を検出する。カウントセンサ1416aによって計数された遊技球の個数が通過センサ1415aによって正常な通過と判定された遊技球の個数未満である場合には、ベットエラーとされることとなる。これにより不正行為を更に防止できるようになっている。具体的には、通過センサ1415aは光学センサであるが、カウントセンサ1416aは磁気センサである。カウントセンサ1416aとして磁気センサを用いた場合、通過したものが鉄材料であるか否かを判定できる。これにより、正常な遊技球と異なる安価な樹脂製の遊技球等が投入することによって遊技を行う不正行為を更に良好に防止できる。
返却シャッタ1420は、複数の遊技球案内路1322の各々に1つずつ対応した複数の窓孔1422を有し、各窓孔1422の側方に各貯留通路1402と案内通路1404a,1404b,1404cを遮断する遮断壁1424a,1424b,1424cを有する。また、各窓孔1422a,1422b,1422cの下部には貯留通路1402a,1402b,1402c側へ延在する舌片1426a,1426b,1426cを設けてある。各舌片1426a,1426b,1426cは、貯留通路1402a,1402b,1402cから各窓孔1422a,1422b,1422cに遊技球を案内する部位である。上皿球返却レバー1386が操作されていない場合には、返却シャッタ1420は基準位置にあり、返却シャッタ1420の遮断壁1424にて複数の貯留通路1402の各々から複数の案内通路1404への遊技球の流入が禁止されている。一方、上皿球返却レバー1386が操作されて返却シャッタ1420の押圧部1385cが押圧されると、返却シャッタ1420が基準位置から移動し、返却シャッタ1420の各窓孔1422a,1422b,1422cを介しての貯留通路1402から案内通路1404への遊技球の流入が許可される。これによって、遊技球が上皿1302から案内通路1404a,1404b,1404cを経て下皿1128へ流れる。このとき、返却シャッタ1420の基準位置からの移動が返却スイッチ基板1440の返却スイッチ1441(図4参照)にて検知され、この検知結果に基づき、1ベットボタン1114及びマックスベットボタン1304の操作受付を不能にする状態が発生する。
セレクタ中継端子板1462は、通過センサ1415aやカウントセンサ1416aの検出結果を後述する主制御装置1045に送信するものである。
(払出ブロックの構成)
払出ブロック1030は、図2に示されたように、前面ブロック1020に対して開閉自在に取り付けられている。払出ブロック1030の開閉軸線は球式回胴遊技機1010の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして払出ブロック1030が後方側に十分に開放できるようになっている。払出ブロック1030は、ドア開閉機構1208にて前面ブロック1020とロックされる。詳しくは、ドア開閉機構1208の係止爪1212,1212が払出ブロック1030の係合部1031a,1031aに係止しており、図示しないドアキーをドアキーシリンダ1202に差し込んで左に回転させることで係止爪1212,1212の係止を解除する構成とされる。また、払出ブロック1030は、ワンタッチ式の止め具1031bを有し、この止め具1031bによっても前面ブロック1020と連結される。
図7は払出ブロック1030の一例を表す部分分解斜視図である。払出ブロック1030は、図7に示されたように、払出ブロック本体1031に、貸球用及び賞球用としての遊技球を貯留する遊技球タンク1032と、遊技球を払い出す払出装置1033と、遊技球タンク1032から払出装置1033へと遊技球を案内するタンクレール1034及びケースレール1035と、払出中継端子板1036と、遊技球の払出動作を制御する払出制御装置1037と、遊技球の電源を制御する電源制御装置1038と、球式回胴遊技機1010を前記CRユニットに接続するためのCRユニット接続端子板1039とを取り付けた構成とされる。
払出ブロック本体1031は、その中央に後方側へ張り出して遊技ブロック1040(図2参照)を被包する保護カバー部1031cと、この保護カバー部1031cを取り囲むように、遊技球タンク1032、タンクレール1034、ケースレール1035、払出装置1033、払出中継端子板1036、CRユニット接続端子板1039、払出制御装置1037及び電源制御装置1038が装着されている。払出ブロック本体1031には、払出装置1033から遊技球を上皿1302へ案内する上皿誘導通路1031dと、払出装置1033から遊技球を下皿1128へ案内する下皿誘導通路1031eと、払出装置1033から遊技球を球式回胴遊技機1010の外部へ排出する排出通路1031fが形成されている。下皿誘導通路1031eは、上皿誘導通路1031dが遊技球で溢れたときに、払出装置1033から遊技球が導入される。上皿誘導通路1031d及び下皿誘導通路1031eは、それぞれ、上皿払出口1312及び下皿払出口1138に連通している。
払出ブロック本体1031には、回転軸部1031gは上下一対で設けてある。各回転軸部1031gは、払出ブロック本体1031からブラケット1031hが略水平方向に延び出しており、このブラケット1031hから下方に突出している。前面ブロック1020には、この回転軸部1031gを落とし込む環状の軸受部(図示せず)を設けてあり、前面ブロック1020と払出ブロック1030の着脱が容易な構成となっている。
遊技球タンク1032は、上方に開口した横長の箱型容器で、遊技機設置島内の遊技球循環設備から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク1032の底部は緩やかに傾斜している。遊技球タンク1032の底部の下流側端部はタンクレール1034へ遊技球を送るために開口している。
タンクレール1034は、遊技球タンク1032の下方に取り付けられ、仕切り片1034d,1034eによって仕切られた横方向4列の樋状通路(図示せず)を有する。樋状通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜している。タンクレール1034には、遊技球が積み重なって流れないように整流する4つの振り子1034a,1034bが2行2列で取り付けられている。振り子1034a,1034bの下流側には、タンクレール1034からケースレール1035へ遊技球が流れるのを阻止するための球止めレバー1034cを取り付けてある。
ケースレール1035は、タンクレール1034の下流側に縦向きに配置されている。ケースレール1035は、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって左右に湾曲した球通路1035aを有し、その上部には、球切れ検出装置1035bを組み付けてある。球切れ検出装置1035bは、ケースレール1035の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール1035よりも上流側で球詰りが発生してケースレール1035に遊技球が十分に補給されていないことを検出する。この球切れ検出装置1035bの検出結果に基づき、球詰りエラーが報知される。なお、ケースレール1035は、タンクレール1034の樋状通路の個数に対応して前後方向に複数(例えば4つ)連結させた状態で配設してある。
払出装置1033は、所定の入賞条件を満たすことで、或いは図示しないCRユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン1306を押すことで、所定数の遊技球を払い出すためのものである。この実施形態では、パチンコ機の最大の賞球数が15球であるのに対し、球式回胴遊技機1010の最大の賞球数は75球であり、パチンコ機に比べて球式回胴遊技機1010の最大の賞球数が多いという観点から、パチンコ機よりも払出装置1033を多く設け、賞球の払い出しを迅速に行えるようにしている。つまり、パチンコ機は2つの払出装置1033を備えていれば遊技を迅速に進行できたが、球式回胴遊技機1010の場合は賞球数が多くかつ賞球が全て払い出されなければ次のゲームを開始できないという制約があるので、本実施形態では、4つの払出装置1033を前後方向に併設して賞球の払い出しの迅速化を図り、遊技を遅滞なく進行できるようにしてある。
取付台1036a,1036bは、2つ割りの構成とされ、上皿誘導通路1031d及び下皿誘導通路1031eに連なる球通路1036a1,1036b1を有し、右側に排出通路1031fに連なる球通路1036a2,1036b2を有する。一方の球通路1036a1,1036b1の上部は、それぞれ上皿誘導通路1031d側にやや傾いて下皿誘導通路1031eよりも上皿誘導通路1031dに遊技球を導きやすくなっている。また、一方の球通路1036a1,1036b1の下部は、上皿誘導通路1031d及び下皿誘導通路1031eを跨ぐように、テーパー状に末広がりとなっている。他方の球通路1036a2,1036b2は、背面側の球通路1036a2が前面側の球通路1036b2に合流し、前面側で排出通路1031fに連なるよう構成されている。
図10(A)〜(C)は払出装置の構成の一例を示す縦断面図である。図10(A)が払出中でない場合、図10(B)が上皿へ遊技球を払出中である場合、図10(C)が遊技機の外部へ遊技球を排出中である場合を表している。
払出装置1033は、図10(A)に示されたように、ケーシング1033aと図示しないカバーからなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、払出フリッカ1033bと、払出ソレノイド1033cと、切換片1033gとを備える。ケーシング1033aの内部には、球通路1033dと、球通路1033dの下流側でほぼ鉛直下向きに延びる払出通路1033eと、払出通路1033eの途中から分岐して斜め下方へ延びる排出通路1033fとが形成されている。切替片1033gは、払出通路1033eから排出通路1033fへの分岐部に配設されている。通常は切替片1033gはほぼ鉛直上向きに維持されているために、遊技球は排出通路1033fには流入しない。
払出フリッカ1033bは、球通路1033dを開閉するための部材である。払出フリッカ1033bは、基端側部分1033b1と先端側部分1033b2が支軸1033b3にて回転可能に連結されている。払出フリッカ1033bの基端側部分1033b1及び先端側部分1033b2は、それぞれケーシング1033aの支軸1033a1,1033a2にて回転可能に支持される。払出フリッカ1033bの基端部には、払出ソレノイド1033cの舌片1033c1を把持する把持部1033b4を設けてある。また、払出フリッカ1033bの先端部には、球通路1033dを開閉するための開閉部1033b5を設けてある。
払出ソレノイド1033cは、所定の入賞条件を満たすことにより、或いは図示しないCRユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン1306を押すことにより通電されて作動し、ピストン(プランジャ)1033c2を上方へ縮まらせるものである。ピストン1033c2の先端には、つまみ部1033c3を装着してある。つまみ部1033c3はピストン1033c2の半径方向に延びる上記舌片1033c1を有する。また、ピストン1033c2には、コイルバネ1033c4を外装してある。コイルバネ1033c4は、払出ソレノイド1033cの本体部分1033c5とつまみ部1033c3とを離間させる方向に付勢している。つまり、払出ソレノイド1033cへの通電を切ったときには、ピストン1033c2は、コイルバネ1033c4の付勢力により下方へ移動する。
図10(A)に示すように、球通路1033dが払出フリッカ1033bの開閉部1033b5にて閉鎖された状態で、所定の入賞条件が成立したり、或いは度数表示部1352に残度数がある状態で球貸出ボタン1306が押されたりすると、払出ソレノイド1033cに通電される。そうすると、図10(B)に示すように、ピストン1033c2が縮まって払出フリッカ1033bの基端側部分1033b1を図示上反時計回りに回転させる。これと同時に払出フリッカ1033bの先端側部分1033b2は図示上時計回りに回転して球通路1033dを開き、遊技球が自然落下可能な状態となる。逆に、払出ソレノイド1033cの通電を切ると、コイルバネ1033c4の付勢力によりピストン1033c2が伸びて払出フリッカ1033bの基端側部分1033b1を図示上時計回りに回転させる。これと同時に払出フリッカ1033bの先端側部分1033b2は図示上反時計回りに回転して球通路1033dを閉じ、遊技球が自然落下不可能な状態、つまり図10(A)に示す状態に戻る。
また、払出装置1033には、横断面略コ字形状のカウントセンサ1033hを装着してある。カウントセンサ1033hは、払出フリッカ1033bの開閉部1033b5のすぐ下流側に配置され、球通路1033dを落下する遊技球を計数するためのものである。カウントセンサ1033hにて検知した遊技球の個数が所定値(例えば35個、75個、125個又は250個)に達すると、払出ソレノイド1033cの通電が切られ、払出フリッカ1033bにて球通路1033dを閉鎖する構成になっている。
また、払出ソレノイド1033cの下方には、つまみ部1033c3を上下動させるための略L字形状の押圧片1033iを設けてある。押圧片1033iは、ケーシング1033aの支軸1033a3に回転自在に取り付けられており、先端部1033i1にてつまみ部1033c3を上方へ押圧するものである。
ケーシング1033aの外部には、略扇形状の操作レバー1033j(図7参照)を配設してある。図10(A)〜図10(C)において、操作レバー1033jは回転軸1033a4を中心に回転可能である。操作レバー1033jには、切替片1033gの中間部に設けた突起部1033g1と、押圧片1033iの基端部に設けた突起部1033i2とを連結してある。つまり、操作レバー1033jを回転操作すると、切替片1033gと押圧片1033iが連動する構成になっている。操作レバー1033jを図示上反時計回りに操作すると、図10(C)に示すように、切替片1033gにて払出通路1033eが閉鎖されると共に球通路1033dと排出通路1033fが連通する。一方で、押圧片1033iにて払出ソレノイド1033cのつまみ部1033c3が押し上げられ、払出フリッカ1033bが球通路1033dを開く。タンクレール1034に設けた球止めレバー1034cにて遊技球が流れるのを阻止しつつ操作レバー1033jを上記の如く操作すると、球止めレバー1034cから下流側の遊技球が球式回胴遊技機1010の外部に排出される。払出装置1033やケースレール1035が故障した場合には、上記のように球止めレバー1034cから下流側の遊技球を球式回胴遊技機1010の外部に排出した状態で払出装置1033やケースレール1035(図7参照)を取り替えることができる。
払出制御装置1037は、図7に示されたように、賞球や貸出球の払い出しを制御するもので、周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む払出制御基板1037a(図15参照)を具備している。
電源制御装置1038は、各種制御装置等で要する所定の電源電圧を生成し出力するものである。また、電源制御装置1038には、電源制御基板1038’と、電源スイッチ1038aと、RAM消去用のリセットスイッチ1038b、打止切替スイッチ1038c、及び、設定変更キーシリンダ(図示せず)が設けられている。電源スイッチ1038aは、オンされるとCPUを始めとする各部に電源を供給する。リセットスイッチ1038bはこれを押しながら同時に電源スイッチ1038aをオンするとRAMの内容がリセットされ、電源スイッチ1038aがオンされている状態で押されるとエラー状態がリセットされる。打止切替スイッチ1038cは、ビッグボーナスの終了時点で遊技を一時停止するか否かを切り替えるためのものである。設定変更キーシリンダ1038dは、設定変更装置を構成するものである。前記設定変更装置は、球式回胴遊技機1010の出球率が予め複数段階(例えば6段階)に定められており、出球率をいずれかの段階に設定するものである。設定変更の手順は次の通りである。まず、電源スイッチ1038aをオフにした状態で、設定変更キーシリンダに図示しない設定変更キーを挿入して時計回りに90度回転させる。この状態で、電源スイッチ1038aをオンにすると、後述する遊技ブロック1040の前面の7セグメントLED表示部1041g(図12参照)に現在の出球率(設定)が数値「1」〜「6」のいずれかで表示される。次いで、リセットスイッチ1038bを押していくと、7セグメントLED表示部1041gに表示される数字が変化して1ずつ増加していく(但し、「6」の場合には「1」に戻る。)。7セグメントLED表示部1041gに「1」〜「6」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー1124(図1参照)を押下すると、出球率(設定)が確定される。
CRユニット接続端子板1039は、球式回胴遊技機1010の前面の球貸出ボタン1306(図1参照)及び図示しないCRユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置1037に出力するものである。なお、CRユニットを介さずに球貸し装置等から上皿1302(図1参照)に遊技球が直接貸し出される現金機では、CRユニット接続端子板1039は不要である。
払出制御装置1037及び電源制御装置1038は、透明樹脂材料等よりなる基板ケースにそれぞれ制御基板を収容した構成とされる。
(遊技ブロックの構成)
遊技ブロック1040は、図2に示されたように、前面ブロック1020に対して開閉自在に取り付けられている。遊技ブロック1040の開閉軸線は払出ブロック1030の開閉軸線と同じで、払出ブロック1030と同様に、落とし込み構造にて開閉自在及び着脱自在に取り付けてある。また、遊技ブロック1040は、ワンタッチ式の止め具1040aを有し、この止め具1040aによって払出ブロック1030と連結固定される。なお、払出ブロック1030側には、止め具1040aを引っ掛けるための止め金具1031iを固着してある。つまり、遊技ブロック1040は、払出ブロック1030と一体になって前面ブロック1020に対して開閉され、払出ブロック1030との連結を解除してから払出ブロック1030に対して前方側へ回動する構成とされる。遊技ブロック1040は、球式回胴遊技機1010の中核をなす主要なブロックで、このような遊技ブロック1040を上記の如く着脱容易な構成とすることで、遊技ブロック1040の取り替えが可能となる。遊技ブロック1040を取り替えることで、全く別の遊技性をもった遊技機に変えることができ、遊技機の新台入替えの低コスト化を図ることができる。
図11は、遊技ブロックの一例を表す部分分解斜視図である。遊技ブロック1040は、図11に示されたように、前面パネル1100の窓孔1102(図1参照)を介して視認される遊技パネル1041を有する。遊技パネル1041は、上下一対の窓孔1041a,1041bを含む。上側の窓孔1041aに対応して遊技パネル1041の裏側に液晶表示装置1042が取り付けられており、液晶表示装置1042の表示画面は上側の窓孔1041aを介して視認できる。また、下側の窓孔1041bに対応して遊技パネル1041の裏側に回胴ユニット1043が取り付けられており、回胴ユニット1043による図柄表示が下側の窓孔1041bを介して視認できる。また、遊技パネル1041の裏側には、回胴ユニット1043の一側方に主取付台1044を介して主制御装置1045が取り付けられ、液晶表示装置1042の後方に副取付台1046を介して副制御装置1047が取り付けられている。主制御装置1045は、遊技パネル1041と直交するように縦長状に配置される。
図12は遊技ブロック1040の正面図である。なお、図12では便宜上回胴ユニット1043から複数(例えば21個)の図柄を一列に付した、帯状の図柄シール1043L,1043M,1043R(図13参照)を取り外した状態を示している。
遊技パネル1041の下側の窓孔1041bからは、各回胴L,M,Rに貼り付けられる図柄シール1043L,1043M,1043Rの図柄のうちそれぞれ3つずつ下側の窓孔1041bから露出される。なお、図12においては、左右一対の9組のLED1043L1,1043M1,1043R1が3行3列で露出している。
遊技パネル1041の下側の窓孔1041bの左側方には、有効ライン表示部1041cを設けてある。有効ライン表示部1041cは、1ベット表示部1041c1と、その上下に配置された2ベット表示部1041c2,1041c2と、最上段と最下段に配置された3ベット表示部1041c3,1041c3とを含む。遊技球のベット数に応じて、所定のベット表示部1041c1〜1041c3が点灯する。
遊技パネル1041の上側の窓孔1041aの両側には、電動役物1041d,1041eが配設されている。また、下側の窓孔1041bの右側方には、上から順に、電動役物1041f、7セグメントLED表示部1041g、LED表示部1041hが配設されている。これらの電動役物1041d,1041e,1041fは、遊技上の演出やビッグボーナス又はレギュラーボーナスの確定報知などに使用される。7セグメントLED表示部1041gは、遊技球のベット数や払出数、エラーコード、ボーナス中の総払出数、設定変更時の6段階の設定などを表示する部位である。LED表示部1041hには、4つのLEDが配設されている。そのうち上3つのLEDはベット数表示部1041h1を構成する。ベット数表示部1041h1は、セレクタ1400に投入された遊技球数に対応する個数のLEDを点灯させてベット数を1〜3の範囲内で表示するものである。残る1つのLEDは、再遊技表示部1041h2である。再遊技表示部1041h2は、図14に示す図柄シール1043L,1043M,1043Rの図柄のうちリプレイ図柄(略扇形の枠内に「再」と表示した図柄)が有効ライン上に揃ったときに点灯し、次の単位遊技を遊技球のベットなしで遊技できることを報知するものである。なお、リプレイ図柄が有効ライン上に揃ったのち所定時間経過後に始動レバー1124を押下すると回胴L,M,Rの回転に伴って、再遊技表示部1041h2は消灯する。
また、下側の窓孔1041bの下方には、中央パネル部1112から露出される情報掲載パネル(図示せず)が取り付けられる。この情報掲載パネルの片端には、証紙1041iと型式名シール1041jが貼付される。また、この情報掲載パネルの内側には、破線で示すように、前記情報掲載パネルを後方側から照らすための蛍光灯1041kが配設される。
液晶表示装置1042は、通常遊技中の小役当選の報知演出や遊技状態が通常遊技状態からボーナス状態に遷移することを示唆するための示唆演出、ビッグボーナス又はレギュラーボーナス中の演出、ボーナス中の小役ゲーム数やJACゲーム数の表示、特定の遊技状態(例えば、リプレイが当選しやすいRT状態)であることを報知する演出、回胴停止ボタン1126L,1126M,1126Rの押下のタイミングや押下順を報知する演出などを行う。
図13は、回胴ユニット1043の一例の部分解斜視図である。回胴ユニット1043は、図13に示されたように、3つの回胴(いわゆるリール)L,M,Rを有し、各回胴L,M,Rを回胴ユニット枠1043aに収納したものである。各回胴L,M,Rは、実質的に同一の構成であるために、右回胴Rを例に挙げて説明する。
右回胴Rは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材1043R2の外周面に21個の図柄(識別要素)が等間隔で描かれた図柄シール1043Rを巻き付けたものであり、円筒骨格部材1043R2を円盤状の補強板1043R3を介して右回胴用ステッピングモータ1043R4の回転軸1043R5に取り付けてある。
右回胴用ステッピングモータ1043R4は、回胴ユニット枠1043aの内部に垂設されるモータプレート1043R6にネジ止めされており、このモータプレート1043R6には発光素子と受光素子とが一対となった回胴位置検出センサ1043R7が設置されている。回胴位置検出センサ1043R7を構成する一対のフォトセンサ素子(図示はしない)は、所定の間隔を保持してセンサ筐体内に配される。
円筒骨格部材1043R2の5つの車輻1043R8のうちの1つには、軸方向に延び出したセンサカットバン1043R9を取り付けてある。このセンサカットバン1043R9は、回胴位置検出センサ1043R7の両素子の間隙を通過できるように位置合わせがなされている。そして、右回胴Rが1回転するごとにセンサカットバン1043R9の先端部の通過を回胴位置検出センサ1043R7が検出し、検出ごとに主制御装置1045に検出信号を出力する。主制御装置1045はこの検出信号に基づいて右回胴Rの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ1043R4は、504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)により右回胴Rが1周するように設定されており、この励磁パルスによって回転位置が制御される。すなわち、右回胴Rが1周すると21図柄が順々に遊技パネル1041の下側の窓孔1041bから露出するため、ある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、回胴位置検出センサ1043R7の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が窓孔1041bから露出しているかを認識したり、任意の図柄を窓孔1041bから露出させたりする制御を行うことができる。ステッピングモータ1043R4として、この実施形態では、1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。ステッピングモータ1043R4はハイブリッド型や2相に限らず、3相のステッピングモータや5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。ステッピングモータ1043R4に対する駆動信号(駆動信号用データ)は、励磁データとしてモータドライバ1070(図15参照)に与えられる。
主制御装置1045は、球式回胴遊技機1010の主たる制御を司るもので、具体的には、始動レバー1124からの信号を受信して成立役(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役、リプレイ)の抽選を行い、当該抽選結果に基づき副制御装置1047及び払出制御装置1037に指令信号を発する。主制御装置1045の構成は、図15に示すように、主たる制御を司るCPU1045a1、遊技プログラムを記憶したROM1045a2、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM1045a3、各種機器との連絡をとる入出力ポート1045a4、各種抽選の際に用いられる乱数発生回路1045a5、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路1045a6等を含む主制御基板1045aと、この主制御基板1045aを収容する透明樹脂材料等よりなる基板ケース1045b(1045b1,1045b2)(図11参照)とからなる。
副制御装置1047は、主制御装置1045から発せられる指令信号(コマンド)に基づき、LEDカバー部1104(図1参照)等の各種LEDカバー部にて被覆される図示しない遊技演出用の発光装置(LED)の点灯・点滅や上下スピーカ1106,1204(図1参照)から発せられる効果音、液晶表示装置1042にて表示される表示態様などの制御を行う。副制御装置1047の構成は、主制御装置1045と同様、上記の各種LED、上下スピーカ1106,1204及び液晶表示装置1042の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、入出力ポート等を含む副制御基板1047aと、この副制御基板1047aを収容する透明樹脂材料等よりなる基板ケース1047b(1047b1,1047b2)とからなる。
(球式回胴遊技機の制御系)
球式回胴遊技機1010の制御系について説明する。図15は球式回胴遊技機の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
主制御基板1045aは、図15に示すように、演算処理手段であるCPU1045a1を中心とするマイクロコンピュータとして構成された制御手段として機能し、処理プログラムを記憶するROM(あるいはフラッシュメモリ)1045a2、一時的にデータを記憶する作業用(ワーキング用)のRAM1045a3、入出力ポート1045a4などが内部バスを介してこのCPU1045a1に接続されている。
主制御基板1045aの入出力ポート1045a4には、リセットスイッチ1038bからのリセット信号、設定キースイッチ1038d1からの設定信号、ベットボタン1114からの1ベット信号、マックスベットボタン1304からの最大ベット信号、セレクタ1400に取り込まれた遊技球を検出するカウントセンサ1416a1,1416b1,1416c1からの補助通過検出信号、セレクタ1400に取り込まれた遊技球を検出する通過センサ1415a,1415b,1415cにおける上側の素子1415a1,1415b1,1415c1からの上流通過検出信号及び通過センサ1415a,1415b,1415cにおける下側の素子通過センサ1415a2,1415b2,1415c2からの下流通過検出信号、始動レバー1124からの変動開始信号、各回胴停止ボタン1126L,1126M,1126Rからの停止信号、回胴位置検出センサ1043L7,1043M7,1043R7からの検出信号、払出装置1033から払い出される遊技球を検出するカウントセンサ1033hからのカウントスイッチ信号に基づくカウント信号、ケースレール1035内の遊技球を検出する球切れ検出装置1035bからの遊技球検出信号、払出期間中を表す払出中信号などが入力される。
また、主制御基板1045aの入出力ポート1045a4からは、ベットボタン1114,1304からのベット信号に基づく投入ソレノイド1414a,1414b,1414cの駆動信号、通過センサ1415a,1415b,1415cの計数値に基づく投入ソレノイド1414a,1414b,1414cの駆動停止信号、始動レバー1124からの変動開始信号及び回胴停止ボタン1126L,1126M,1126Rからの停止指令信号に基づく回胴用ステッピングモータ1043L4,1043M4,1043R4の駆動信号などが出力される。また、液晶表示装置1042にて表示される演出内容やスピーカ1106,1204から発せられる効果音、上LEDカバー部1104等で被覆された各種発光装置(LED)の点灯・点滅などを制御する制御信号が副制御基板1047aに出力される。
上述したCPU1045a1は、このCPU1045a1によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM1045a2と、このROM1045a2内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのワーキング用のRAM1045a3の他に、図示はしないが周知のように割り込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路など球式回胴遊技機1010において必要な各種の処理回路が内蔵されている。
ROM1045a2とRAM1045a3とによってメインメモリが構成され、各種の処理を実行するための処理プログラム(出力制御情報生成用処理プログラムを含む)は、処理プログラムの一部として上述したROM1045a2に記憶されている。RAM1045a3内は、機能的には複数の作業エリアが確保されている。周知のようにCPU1045a1内に設けられたプログラムカウンタの値を保存するためのスタックメモリ(スタックメモリ用のエリア)の他に、この例では停電フラグを記憶する停電フラグメモリ、スタックポインタを保存するスタックポインタ保存用メモリ、RAM45a3に保存されているデータのチェックサムに関連した補正値を保存するチェックサム補正値用メモリ、さらには復電時に使用される復電コマンドバッファや復電コマンドカウンタなどのメモリエリアが確保されている。
入出力ポート1045a4には、副制御基板1047aなどのI/O装置の他に、ホール管理者用のコンピュータ等の遊技機管理装置(図示せず)や外部情報表示装置などに情報を送信できる外部集中端子板や、電源制御基板1038’に設けられた停電監視回路1038f、さらには投入ソレノイド1414a,1414b,1414cや払出制御基板1037aなどが電気的に接続されている。
電源制御基板1038’には、主制御基板1045aを始めとして球式回胴遊技機1010の各電子機器に駆動電力を供給する電源部1038eや、上述した停電監視回路1038fなどが搭載されている。停電監視回路1038fは電源の切断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ1038aによる電源切断時に停電信号を生成する。そのため停電監視回路1038fは、電源部1038eから出力される直流24ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば22ボルト未満まで低下したときに電源が切断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU1045a1と入出力ポート1045a4のそれぞれに供給され、CPU1045a1ではこの停電信号を認識することで、停電時処理が実行される。電源部1038eからは出力電圧が22ボルト未満まで低下した場合でも、主制御基板1045aなどの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間として、主制御基板1045aによる停電時処理を実行するのに十分な時間が確保されている。
また、主制御基板1045aは、電源部1038eから安定化駆動電圧が供給されるのと同時にリセットスイッチ1038bからリセット信号が送信されると、RAM1045a3に書き込まれた情報を消去し、電源部1038eから安定化駆動電圧が供給されている状態でリセットスイッチ1038bからリセット信号が送信されると、エラー状態をリセットする。
さらに、電源オフ時に設定キースイッチ1038d1をオンにしてから電源オンにした状態、つまり電源オフ時に設定変更キーシリンダ1038dに設定キーを差し込んで回転させてから電源オンにした状態にすると、球式回胴遊技機10の出球率を変更可能な状態が発生する。この状態で、リセットスイッチ1038bからリセット信号が送信されると、球式回胴遊技機1010のボーナス確率や小役確率を変更し、当該変更結果を設定値「1」〜「6」の数字で7セグLED表示部1041g(図12参照)に出力する。そして、7セグメントLED表示部1041gに「1」〜「6」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー1124から設定確定信号を受信すると、球式回胴遊技機1010の出球率(設定)を確定する。
払出制御基板1037aは、概ね主制御基板1045aと同様の構成であり、CPUを備え、処理プログラムを記憶するROM(あるいはフラッシュメモリ)、一時的にデータを記憶する作業用(ワーキング用)のRAM、入出力ポートなどが内部バスを介してこのCPUに接続されている。
主制御基板1045aにおいて実行される制御処理について説明する。主制御基板1045aの制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ1038aのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。なお、割込み処理としては、NMI端子における停電信号の受信に応じて割込みをかける停電割込み処理と、タイマによる時間計測によって定期的に割込みをかけるタイマ割込み処理とがある。
まず、停電割込み処理について説明する。停電状態が発生した場合、電源制御基板1038’の停電監視回路1038fで停電信号が生成され、主制御基板1045aに対して出力される。主制御基板1045aにおいては、CPU1045a1のNMI端子が停電信号を受信し、停電信号の受信に応じて停電フラグを設定する図示しない割込み処理(以下、「停電割込み処理」と称する)が実行される。停電割込み処理においては、まず、現在使用しているレジスタのデータをRAM1045a3内のバックアップ領域に退避させる(「レジスタ退避処理」)。レジスタ退避処理の後に、停電フラグが設定される(「停電フラグ設定処理」)。停電フラグは、RAM1045a3内の特定の領域に保持される停電状態の発生を表す情報である。停電フラグ設定処理の後に、自身の割込みにおける処理の終了がCPU1045a1に知らせられる(「割込み終了宣言処理」)。割込み終了宣言処理の後に、レジスタ退避処理においてRAM1045a3のバックアップ領域に退避させたレジスタのデータをCPU1045a1のレジスタに復帰させる(「レジスタ復帰処理」)。レジスタ復帰処理の後に、新たな割込みが許可される(「割込み許可処理」)。割込み許可処理の完了によって停電割込み処理が終了する。なお、使用中のレジスタのデータを破壊せずに停電フラグ設定処理が行える場合には、レジスタ退避処理及びレジスタ復帰処理を省くことができる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図16は、主制御基板1045aにおけるタイマ割り込み処理の一例を表すフローチャートである。主制御基板1045aにおいては、定期的にタイマ割込み処理が行われる。本形態においては、タイマ割込み処理は、実質的に1.49ms[ミリ秒]の周期で行われる。
タイマ割込み処理において、まず、後述するメイン処理における通常処理で使用している全てのレジスタの情報が、RAM1045a3のバックアップ領域に格納される(「割込み開始処理」S1101)。割込み開始処理S1101の後に、停電フラグが設定されているか否かが確認される(S1102)。停電フラグが設定されている場合には、バックアップ処理S1103が実行される。
バックアップ処理S1103では、まず、リングバッファに蓄積されている各種のコマンドの送信が終了しているか否かが判定される。それらのコマンドの送信が終了していない場合には、バックアップ処理S1103が一旦終了されて、制御がタイマ割込み処理に復帰する。なお、これは、バックアップ処理S1103の開始前に、コマンドの送信を完了させるための制御である。一方、それらのコマンドの送信が完了している場合には、CPU1045a1のスタックポインタの値が、RAM1045a3内のバックアップ領域に保存される(「スタックポインタ保存処理」)。スタックポインタ保存処理の後に、後述するRAM判定値がクリアされると共に、入出力ポート1045a4における出力ポートの出力状態がクリアされて図示しない全てのアクチュエータがオフ状態になる(「停止処理」)。停止処理の後に、RAM判定値が新たに算出されてバックアップ領域に保存される(「RAM判定値保存処理」)。RAM判定値は、RAM1045a3のワーク領域におけるチェックサム値の2の補数である。ここで、チックサム値の2の補数とは、2進数表現においてチェックサム値の各桁(ビット)を反転した場合に生成される値である。この場合、RAM1045a3のチェックサム値とRAM判定値との排他的論理和(「FFFF」)に1加算した値は「0」である。本形態では、RAM判定値としてチェックサム値の補数を用いたが、本発明においては、RAM判定値としてチェックサム値そのものを用いてもよい。RAM判定値保存処理の後に、RAM1045a3へのアクセスが禁止される(「RAMアクセス禁止処理」)。その後は、内部電力の完全な遮断によって処理が実行できなくなるのに備えて、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤って設定される場合等を考慮して、図示しないが、無限ループに入る前には停電信号がまだ入力されているか否かが確認される。停電信号が出力されていなければ、内部電源が復旧していることになるために、RAM1045a3の書き込みが許可されると共に停電フラグが解除され、タイマ割込み処理に復帰する。一方、停電信号が継続して入力されていれば、そのまま無限ループに入る(図示せず)。
上記のように、バックアップ処理S1103の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かが判断され、それらの送信が未完であるときには送信処理を優先させている。コマンドの送信処理終了後にバックアップ処理S1103を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中でバックアップ処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果、停電時の処理に関するプログラムを簡略化してROM1045a2の小容量化を図ることができる。電源制御基板1038’の電源部1038eは、停電状態が発生した後においても、停電割込み処理及びバックアップ処理を完了するために十分な時間にわたって、制御系の駆動電力として使用されるバックアップ電力を出力する。このバックアップ電力によって、停電割込み処理及びタイマ割込み処理のバックアップ処理が行われる。本形態では、停電発生後の30ms[ミリ秒]の間、バックアップ電力が出力され続けるようになっている。
判定処理S1102において停電フラグが設定されていないと判定された場合には、誤動作の発生を監視するためのウォッチドッグタイマが初期化され、CPU1045a1自身に対して割込み許可が出される(「割込み終了宣言処理」S1104)。
割込み終了宣言処理S1104の後に、左回胴Lを回転させるための左ステッピングモータ1043L4、中回胴Mを回転させるための中ステッピングモータ1043M4及び右回胴Rを回転させるための右ステッピングモータ1043R4の駆動が制御される(「左回胴モータ制御処理」S1105、「中回胴モータ制御処理」S1106、「右回胴モータ制御処理」S1107)。
各種の回胴モータ制御処理S1105〜S1107の後に、入出力ポート1045a4に接続された各種のスイッチやセンサにおける状態が監視される(「スイッチ読込処理」S1108)。RAM1045a3には、今回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態の情報と共に、前回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態の情報や、前々回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態の情報や、前回と今回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態に基づく状態変化(立上りや立下り)の情報や、今回と前回と前々回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態に基づく状態変化の情報等も保持されており、スイッチ読込処理S1108ではタイマ割込みごとにそれらの情報が更新される。
スイッチ読込処理S1108の後に入出力ポート1045a4に接続された各種の装置におけるセンサの状態が監視される(「センサ監視処理」S1109)。センサ監視処理S1109では、カウントセンサを通過する遊技球の個数の計測が行われる。また、センサ監視処理S1109では、各種のセンサの状態や他の関連する情報に応じてエラーの発生の検知が行われる。なお、具体的なエラー制御及びエラー報知制御は、後述する通常遊技処理の変動待機処理中(例えば、投入エラー処理、払出エラー処理)において行われる。なお、センサ監視処理S1109において、主制御基板1045aに接続されたセンサが監視されるばかりでなく、払出制御基板1037aを介して接続された一部のセンサの基づく情報(例えば、払出カウントセンサに基づく払出カウント信号や払出期間を表す払出中信号)も実質的に監視される。
ここで、センサ監視処理S1109について説明する。まず、払出動作中であるか否かが判定され、また、払出制御基板1037aからの払出カウント信号の受信が検知されているか否かが判定される。払出動作中であるか否かは、具体的には、払出制御基板1037aからの払出中信号の受信が検知されている場合には払出動作中と判定し、検知されていない場合には払出動作中でないと判定する。払出動作中でないにも関わらず払出カウント信号が受信されている場合には、正常な払出による遊技球の通過ではないと判定して、期間外払出エラーフラグが設定される(期間外払出エラーフラグ設定処理)。なお、期間外払出エラーフラグが設定されると、後述する払出エラー処理において、エラー処理が実行されると共にエラー発生が報知されることとなる。
その後に、投入動作中であるか否かが判定され、また、通過センサ信号が検知されているかが判定される。投入動作中であるか否かは、具体的には、投入動作期間フラグが設定されている場合には投入動作中と判定し、投入動作期間フラグが設定されていない場合には投入動作中でないと判定する。投入動作中でないにも関わらず通過センサ1415a〜1415cからの上流通過検出信号又は下流通過検出信号が受信されている場合には、正常な投入による遊技球の通過ではないと判定して、期間外投入エラーフラグが設定される(期間外投入エラーフラグ設定処理)。なお、期間外投入エラーフラグが設定されると、後述する投入エラー処理(図19のS1403参照)において、エラー処理が実行されると共に個数エラー発生が報知される。次に、各種のセンサからの信号状態が変化している場合には、センサ検知情報が更新される(「センサ検知情報更新処理」)。
センサ検知情報更新処理の後に、カウントセンサ1416a〜1416cを正常に通過する遊技球の個数(補助投入済数)が計数される(補助投入数計数処理)。ここで、補助投入数計数処理について詳細に説明する。補助投入数計数処理では、まず、いずれかの条からの補助通過検出信号の立下りが検知されていれば、補助投入済数の値が立下りを検知した条の数だけ加算された値に更新される(補助投入数加算処理)。補助投入数加算処理の後に、投入済数の値と補助投入済数の値とを比較するタイミングを決定するための個数比較タイマが設定されているか否かが判定される。具体的には、個数比較タイマの値が、「0」を超えて大きい場合に個数比較タイマが設定されていると判定され、「0」である場合には個数比較タイマが解除されていると判定される。個数比較タイマは、遊技者による始動レバー1124の操作に応じて所定の値(本形態では、約300msに相当する「203」)に設定されるソフトウェアタイマである。個数比較タイマが設定されていない場合には、補助投入数計数処理が終了する。一方、個数比較タイマが設定されていない場合には、個数比較タイマの値が現在値から「1」だけ減算した値に更新される(個数比較タイマ更新処理)。個数比較タイマ更新処理の後に、個数比較タイマが解除されたか否かが判定される。個数比較タイマが解除された場合には、補助投入数計数処理S810が終了する。一方、個数比較タイマが解除されていない場合には、再遊技状態であるか否かが判定されて、再遊技状態である場合には補助投入数計数処理が終了する。判定処理において再遊技状態でないと判定された場合には補助投入済数が投入済数以上であるか否かが判定される。補助投入済数が投入済数以上である場合には補助投入数計数処理S810が終了し、投入済数未満である場合には個数エラーフラグが設定され(個数エラーフラグ設定処理)、その後に補助投入数計数処理が終了する。
補助投入数計数処理の後に、報知すべき状態が発生したり、変更されたりしたかが判定され、報知すべき状態に変化がなければ、センサ監視処理が終了する。一方、肯定判定の場合には、報知すべき状態に応じたセンサ検知コマンドが設定され(センサ検知コマンド設定処理)、センサ監視処理が終了する。なお、設定されたセンサ検知コマンドは、後述するコマンド出力処理(図16のS1112)において出力される。
センサ監視処理S1109の後に、各種のカウンタの値や各種のタイマの値が減算される(「タイマ減算処理」S1110)。タイマ減算処理S1110の後に、差球数(ベット総数と獲得総数との差分)を集計するためにベット数や獲得球数が、外部集中端子板(図示せず)へ出力される(「差球カウント処理」S1111)。差球カウント処理S1111の後に、リングバッファに蓄積された各種のコマンドが、副制御基板1047aに送信される(「コマンド出力処理」S1112)。コマンド出力処理S1112の後に、7セグメントLED表示部1041g等に表示されるセグメントデータが設定される(「セグメントデータ設定処理」S1113)。セグメントデータ設定処理S1113で設定されたセグメントデータが7セグメントLED表示部1041g等のうち所定のセグメントデータ表示装置に送信される(「セグメントデータ表示処理」S1114)。これにより、7セグメントLED表示部1041g等は、受信したセグメントデータに対応する数字、文字、記号などを表示する。入出力ポート1045a4からI/O装置へのデータが出力される(「ポート出力処理」S1115)。ポート出力処理S1115の後に、割込み開始処理S1101においてバックアップ領域に退避させた各レジスタのデータがそれぞれCPU1045a1内の所定のレジスタに復帰され、次回のタイマ割込みが許可される(「割込み終了処理」S1116)。以上の処理を経て一連のタイマ割込み処理が終了する。
主制御基板1045aにおけるメイン処理について説明する。図17は、主制御基板1045aのメイン処理を表すフローチャートである。主制御基板1045aのメイン処理は、停電状態から復帰した場合に実行される。
主制御基板1045aのメイン処理では、まず、スタックポインタの初期値が設定され、割込み処理を許可する割込みモードが設定され、CPU1045a1内のレジスタ群やI/O装置等に対する各種の設定等が行われる(「立上げ処理」S1201)。立上げ処理S1201の後に、設定キーが設定キースイッチ1038d1に挿入され、所定の操作(右回転操作等)がなされているか否か(オン状態かオフ状態か)が判定される(S1202)。設定キースイッチ1038d1の操作がされていると判定された場合には、所定の複数種類の確率設定(本形態では「設定1」〜「設定6」の6段階設定)のうちから選択される1つの確率設定の設定値を保持する所定の領域を除くRAM1045a3の全領域のデータが、強制的にクリアされる(「強制的RAMクリア処理」S1203)。強制的RAMクリア処理S1203の後に、現在の設定値の再設定(設定の打ち直し)を行うことができる(「確率設定選択処理」S1204)。なお、設定値の変更においては、リセットスイッチ1038bの操作及び始動レバー1124の操作が援用される。確率設定選択処理S1204の後に、通常遊技処理へ移行する。
判定処理S1202において設定キースイッチ1038d1が操作されていないと判定された場合には、選択されている確率設定の設定値が所定の範囲(「1」〜「6」)内の値であるか否かが判定される(S1205)。なお、停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM1045a3が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、設定値は所定の範囲内の値しかとらない。設定値が所定の範囲内の値である場合には、停電フラグが設定されているか否かが判定される(S1206)。停電フラグが設定されている場合には、RAM1045a3のワーク領域のチェックサム値が新たに算出され、新たなチェックサム値が正常であるか否かが判定される(S1207)。新たなチェックサム値が正常とは、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値が同一であること、つまり、新たなチェックサム値とRAM1045a3のバックアップ領域に保持されているRAM判定値との排他的論理和に1加算した値が「0」であることを意味する。この値は、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値とが同一である場合には「0」となり、異なる場合には「0」以外となる。停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM1045a3が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、この値は「0」以外にはならない。判定処理S1205において確率設定の設定値が所定の範囲内の値でないと判定された場合、判定処理S1206において停電フラグが設定されていないと判定された場合、又は、判定処理S1207において新たなチェックサム値とRAM判定値との排他的論理和に1加算した値が「0」以外であると判定された場合には、割込みが禁止され、入出力ポート1045a4の全ての出力ポートがクリアされて、入出力ポート1045a4に接続された全てのアクチュエータがオフ状態にされると共に、エラー処理及びエラーの発生を報知させるためのエラー報知処理が行われる(「復電エラー処理」S1208)。なお、このエラー状態及びエラー報知状態は、リセットスイッチ1038bが操作されるまで継続する。
判定処理S1207において新たなチェックサム値が正常であると判定された場合には、バックアップ領域に保存されたスタックポインタの値がCPU1045a1のスタックポインタに書き込まれ、スタックポインタの値が停電状態の発生前の値に復帰する(「プログラム復帰処理」S1209)。これによって、停電状態からの復帰後において、停電状態の発生により中断された処理から再開できるようになる。プログラム復帰処理S1208の後に、停電状態からの復帰を表す復電コマンドが設定される(「復電コマンド設定処理」S1210)。これにより、復電コマンドが払出制御基板1037a及び副制御基板1047aに送信されることとなる。復電コマンド設定処理S1210の後に、打止切換スイッチ1038cの状態が、RAM1045a3の所定の領域に格納される(「遊技形態設定処理」S1211)。遊技形態設定処理S1212の後に、各種の装置のセンサの状態が初期化される(「センサ初期化処理」S1212)。センサ初期化処理S1212の後に、停電フラグが解除される(「停電フラグ解除処理」S1213)。停電フラグ解除処理S1213の後に、払出中に停電が発生した場合のように払い出すべき遊技球が残っている場合には、中途で終了した払出を再開させるために払出コマンドが設定される(「中途払出完遂処理」S1214)。中途払出完遂処理S1214の後に、スタックポインタの示す停電状態の発生前の番地における処理から再開される。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理におけるバックアップ処理S1103(図16参照)後の割込み終了宣言処理S1104(図16参照)が実行される。
通常時の遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について説明する。図18は、主制御基板1045aで実行される通常遊技処理の一例を表すフローチャートである。主制御基板1045aの通常遊技処理は、メイン処理における確率設定処理S1204(図17参照)の終了後に実行される。また、中途払出完遂処理S1214(図17参照)の終了後に、通常遊技処理の中途から実行される
通常遊技処理では、図18に示されたように、まず、割込み許可を設定する(「割込み許可設定処理」S1301)。割込み許可設定処理S1301の後に、遊技形態を決定する打止切換スイッチ1038cの状態がRAM1045a3の所定の領域に格納される(「遊技形態設定処理」S1302)。なお、遊技形態設定処理S1302は、メイン処理における遊技形態設定処理S1211(図17参照)と実質的に同一の処理である。遊技形態設定処理S1302の後には、下述のループ処理に移行する。なお、以下においては、連続遊技中である場合について説明する。
ループ処理においては、まず、RAM1045a3において一回の遊技ごとに変化する情報を保持する領域のデータをクリアする(「遊技情報クリア処理」S1303)。具体的には、前回の遊技に関連する情報をクリアする。クリアされる情報としては、例えば、乱数に関連する情報、回胴L,M,Rの制御に関連する情報、入賞に関連する情報及びエラーに関連する情報が挙げられる。入賞に関連する情報には、入賞図柄、入賞ライン及び獲得遊技球数等の情報が含まれる。
遊技情報クリア処理S1303の後に、変動開始信号が入力されるまで、所定の処理を行いながら待機する(「変動待機処理」S1304)。ここで、変動待機処理S1304について詳細に説明する。図19は、変動待機処理の一例を表すフローチャートである。
変動待機処理S1304では、まず、遊技監視タイマが設定される(「遊技監視タイマ設定処理」S1401)。ここで、遊技監視タイマが設定されるとは、そのタイマの値がリセットされ、かつそのタイマによる新たな時間計測がスタートすることを意味する。遊技監視タイマは、遊技間隔を測定するソフトウェアタイマであって、遊技者によって遊技されていない時間が所定の時間を経過した場合に、液晶表示装置1042の画像を所定の画像(デモンストレーション画像)に移行させるために用いられる。
遊技監視タイマ設定処理S1401の後に、前回の単位遊技で再遊技役が入賞したか否かが判定され、再遊技役に入賞していた場合には、自動的に、前回の単位遊技のベット数と同数のベット数に変更される(「自動ベット処理」S1402)。
自動ベット処理S1402の後に、セレクタ1400においてエラーが発生しているか否かが確認され、エラーが発生している場合には、エラー処理が実行されると共に、スピーカ1106、1204、発光装置1132、1134L1、各種のLEDカバー部で被覆されるLED、液晶表示装置1042等にエラーを報知させるための投入エラーコマンドがリングバッファに格納される(「投入エラー処理」S1403)。例えば、遊技球の投入期間外において通過センサ1415a、1415b,1415cから上流通過検出信号や下流通過検出信号を受信した場合が挙げられる。なお、具体的には、それらの検知はタイマ割込み処理におけるセンサ監視処理S1109(図16参照)において行われ、その検知に基づいて各種の処理が実行される。リングバッファに格納された投入エラーコマンドは、その格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理S1112において副制御基板1047aに出力される。また、以下において、リングバッファに格納される各種のコマンドは、投入エラーコマンドの場合と同様に、それらの格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理S1112において払出制御基板1037aや副制御基板1047aに出力される。
投入エラー処理S1403の後に、払出装置1033でエラーが発生しているか否かが判定され、払出装置1033でエラーが発生している場合には、エラー処理が実行されると共に、スピーカ1106,1204発光装置1132、1134L1等、液晶表示装置42等にエラーを報知させるための払出エラーコマンドがリングバッファに格納される(「払出エラー処理」S1404)。例えば、払出基板1037aからの払出中信号がオン状態であるか否か、及び、オン状態であるか否かが判定される。払出中信号がオン状態(払出期間中)でないにも関わらず、各種のカウントセンサ1033hからのカウントスイッチ信号に基づく払出基板1037aからのカウント信号がオン状態である場合が挙げられる。なお、同様の払出エラー処理は、他の処理中においても遊技者からの何らかの入力を待っている状態、例えば、回胴回転中における回胴停止待ち状態においても実行される。
払出エラー処理S1404の後に、上皿球返却レバー1386の操作が行われているか否かが判定されて、返却中であれば他のボタン等の操作による入力が禁止され、既に投入済みの遊技球がある場合には、上皿球返却レバー1386の操作の終了を待って投入済みの遊技球と同数(投入済数)の遊技球が返却される(「返却処理」S1405)。
返却処理S1405の後に、1ベットボタン1114又はマックスベットボタン1304の操作に応じて遊技球をベットする処理及びベットに付随する処理が実行される(遊技球ベット処理)。
遊技球ベット処理S1406の終了後に、図19に示されたように、ベット数が最小規定数未満であるか否かが判定される(S1407)。ベット数が最小規定数未満である場合には、投入エラー処理S1403から判定処理S1407までが繰り返される。一方、ベット数が最小規定数未満でない場合には、始動レバー1124の操作に応じた変動開始信号が受信されているか否かが判定される(S1408)。変動開始信号が受信されていない場合には、投入エラー処理S1403から判定処理S1408までが繰り返される。一方、変動開始信号が受信されている場合には、本変動待機処理S1304。以上で説明したように処理過程(S1401〜S1408)を経て、変動待機処理S1304が完了する。
変動待機処理S1304の後に、図18に示されたように、始動レバー1124が操作された際にハードウェア的にラッチされた乱数カウンタの値が読み出されてRAM1045a3に格納される(「乱数作成処理」S1305)。始動レバー1124が操作された際に乱数カウンタをハードウェア的にラッチすることによって、始動レバー1124の操作と乱数値の取得とを時間的に同期させている。なお、ソフトウェアで乱数カウンタの値を読み出すこともできるが、この場合には、始動レバー1124の操作から乱数値の取得までの時間が、ハードウェア的にラッチする場合よりも不均一になる。
乱数作成処理S1305の後に、確率設定、ベット数及び遊技状態に応じた乱数テーブルを参照して、乱数作成処理S1305で取得した乱数値に応じた当選役が決定され、当選役の種別に応じた当選フラグ(例えば、ビッグボーナス当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグ、チェリー当選フラグ、ベル当選フラグ、スイカ当選フラグ、再遊技当選フラグ)が設定され、当選役の種別を表す当選役コマンドと確率設定の設定値を表す設定値コマンドとが設定される(「内部抽選処理」S1306)。当選役として、例えば、ビックボーナス役(以下、「BB」とも称す)、レギュラーボーナス役(以下、「RB」とも称す)、各種の小役(本形態では、チェリー役、ベル役、スイカ役)、再遊技役及びハズレ役が挙げられる。なお、単位遊技において複数種類の当選役が選択されてもよい。
内部抽選処理S1306の後に、当選役、ベット数及び遊技状態に基づいて、ROM1045a2に保持された手動停止制御テーブル群から各回胴L,M,Rの制御に用いる1つの手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして選択され、参照制御テーブルのテーブル番号がRAM1045a3の所定の領域に格納される(「回転初期化処理」S1307)。当選役がハズレ以外のときには、この参照制御テーブルに従って、当選役を可能な限り入賞させるために所定の範囲(5図柄)内で余分に回胴を回転させるスベリ制御が行われる。当選役がハズレの場合にも、他の当選役を入賞させないために、同様のスベリ制御が行われる。この参照制御テーブルは、必要に応じて手動停止制御テーブル群から再選択されることとなる。なお、詳細については後述する回転制御処理S1309において説明する。
回転初期化処理S1307の後に、図柄変動待機処理S1308が実行される。図柄変動待機処理S1308では、まず、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間(例えば、4.1秒)以上であるか否かが判定される。ここで、「図柄変動監視タイマ」は、前回の図柄表示の変動開始時点からの経過時間を測定するタイマである。図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間未満である場合には、規定時間の経過を待つ状態(以下、「図柄変動待機状態」と称する)であることを表す図柄変動待機コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。なお、図柄変動待機状態であることが変動待機状態表示装置(図示せず)によって遊技者に報知される。その後、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上となるまで、図柄変動待機状態の報知が行われたまま、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間以上であるか否かの判定が繰り返される。一方、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上である場合には、図柄変動監視タイマがリセットスタートされ、規定時間待機状態の報知を停止し、所定の規定時間が経過した状態であることを表す規定時間経過コマンド(内部状態コマンドの一種)と、外部集中端子板に出力するためのベット数コマンドとがリングバッファに格納される。その後、RAM1045a3の所定の領域における回胴ユニット1043の各ステッピングモータ1043L4,1043M4,1043R4の駆動制御に関連する情報が回転開始用に初期設定される。例えば、ウェイトタイマの値が「0」に設定され、加速カウンタの値が「26」に設定される。なお、各ステッピングモータ1043L4,1043M4,1043R4の実際の駆動は、タイマ割込み処理の各種の回胴モータ制御処理S1105〜S1107(図16参照)で制御される。
図柄変動待機処理S1308の後に、回胴ユニット1043における各回胴L,M,Rの回転を制御する回転制御処理S1309が実行される。ここで、回転制御処理S1309について詳細に説明する。図20は、回転制御処理の一例を表すフローチャートである。
回転制御処理S1309において、RAM1045a3の所定の領域における各回胴L,M,Rの回転に関する情報が初期化され、全ての回胴L,M,Rが回転中であることを表す全回胴回転コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)と回胴ユニット1043において図柄表示変動状態であることを表す図柄変動状態コマンド(内部状態コマンドの一種)とがリングバッファに格納される(「回転開始処理」S1601)。回転開始処理S1601の後に、所定の停止待機時間が経過するまで待機する(「図柄停止待機処理」S1602)。図柄停止待機処理S1602における「所定の停止待機時間」は、各回胴L,M,Rの回転開始から一定速度の定常回転に至るまでに要する平均時間と概ね同一の時間である。図柄停止待機処理S1602の後に、全ての回胴L,M,Rの回転が定常回転である否かが判定される(S1603)。具体的には、それらの回転が定常回転であるか否かは、最後に回転を開始した回胴に対応する回胴位置検出センサ1043R7からの検出信号が受信されているか否かで判定されており、その検出信号が受信されている場合にはそれらの回転は定常回転であると判断し、その検出信号が受信されていなければいずれかの回胴の回転は定常回転でないと判断している。それらの回転が定常回転でない場合には、判定処理S1603が繰り返し実行される。なお、本形態では全ての回胴L,M,Rは同時に回転を開始する。
判定処理S1603において全ての回胴の回転が定常回転であると判定された場合には、自動停止までの図柄表示の変動時間を測定する自動停止タイマを設定する(「自動停止タイマ設定処理」S1604)。自動停止タイマ設定処理S1604の後に、自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を超えているか否かが判定される(S1605)。自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を越えていなければ、以下の手動により図柄表示の変動を停止させる処理が実行される。
左回胴停止ボタン1126Lの操作に応じた左停止信号が受信されているか否かが判定される(S1606)。左停止信号が受信されていない場合には、中回胴停止ボタン1126Mの操作に応じた中停止信号が受信されているか否かが判定される(S1607)。中停止信号が受信されていない場合には、右回胴停止ボタンの操作に応じた右停止信号が受信されているか否かが判定される(S1608)。右停止信号が受信されていない場合、つまり、左停止信号、右停止信号及び右停止信号のいずれもが受信されていない場合には、判定処理S1606が実行される。
判定処理S1606において左停止信号が受信されていると判定された場合には、左停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1609)。「左停止フラグ」は、左回胴Lが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転初期化処理S1307において解除されている。左停止フラグが設定されている場合は、左回胴Lが既に停止していることを表し、左停止フラグが解除されている場合は、左回胴Lが回転していることを表す。左停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1606が実行され、一方、左停止フラグが解除されている場合には、左回胴停止処理S1610が実行される。左回胴停止処理S1610において、まず、参照制御テーブルを参照して、左回胴Lを回転させる左ステッピングモータ1043L4が停止される。左ステッピングモータ1043L4の停止後に、左停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、左回胴Lが停止していることを表す左回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び左回胴Lの停止図柄を表す左回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。「停止回胴数」は、停止している回胴の個数を表し、回転開始処理S1601において「0」にリセットされる。
ここで、左回胴停止処理S1610について詳細に説明する。左回胴停止処理S1610では、まず、RAMに1045a3に保持された現在の図柄番号を参照して、停止基準図柄番号が現在の図柄番号に1だけ加算した値に設定される。停止基準図柄番号が設定された後に、左回胴Lが2番目に停止された回胴である場合には、必要に応じて、現在選択されている参照制御テーブルを他の制御テーブルに変更する。なお、左回胴Lが2番目に停止された回胴でない場合には、制御テーブルの変更は行われない。その後、参照制御テーブルを参照して、停止基準図柄番号に応じたスベリ量が抽出され、停止図柄番号にスベリ量を加算した値が停止図柄番号として設定される。なお、停止図柄番号が20(最大図柄番号)を超える場合には、停止図柄番号が現在の値から21だけ減算した値に変更される。停止図柄番号が設定された後に、停止間隔タイマが設定される。停止間隔タイマは、次の回胴に対する停止指示を受け付けない期間を計測するタイマである。なお、停止間隔タイマの値は、スベリ量に対応する回転及びその後の回胴の停止までに要する時間を考慮して、それらの最大時間を越える所定の時間に設定される。その後、停止間隔タイマの計測時間が所定の時間を超えた場合に、左停止フラグが設定されて、左回胴停止処理S1610が終了する。
左回胴停止処理S1610の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S1611)。停止回胴数が3でない場合、つまり、少なくとも1つの回胴が回転中である場合には、参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1612)。未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S1613)。制御テーブル変更処理S1613においては、左回胴Lの停止位置と共に中回胴M及び右回胴Rのうちの既に停止している回胴の停止位置が参照される。参照制御テーブルの変更が必要な場合としては、例えば、当選役以外の役が入賞する場合が挙げられる。
判定処理S1607において中停止信号が受信されていると判定された場合には、中停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1614)。「中停止フラグ」は、左停止フラグの場合と同様に、中回胴Mが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理S1601において解除されている。中停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1606が実行される。一方、中停止フラグが解除されている場合には、停止回胴数が0であるか否かが判定される(S1615)。停止回胴数が0でない場合には、中回胴停止処理S1617が実行される。一方、停止回胴数が0である場合には、手動停止制御テーブル群のうち所定の手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして再設定され(「制御テーブル再設定処理」S1616)、制御テーブル再設定処理S1616の後に、中回胴停止処理S1617が実行される。なお、中回胴停止処理S1617は、左回胴停止処理S1610の場合と同様の処理である。中回胴停止処理S1617において、まず、参照制御テーブルを参照して、中回胴Mを回転させる中ステッピングモータ1043M4が停止される。中ステッピングモータを停止させる際の制御は、左ステッピングモータ43L4を停止させる際の制御と実質的に同一である。中ステッピングモータ1043M4の停止後に、中停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、かつ、中回胴Mが停止していることを表す中回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び中回胴Mの停止図柄を表す中回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
中回胴停止処理S1617の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S1618)。停止回胴数が3でない場合には、未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1619)。参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S1620)。制御テーブル変更処理S1620においては、中回胴Mの停止位置と共に左回胴L及び右回胴Rのうちの既に停止している全ての回胴の停止図柄番号が参照される。
判定処理S1608において右停止信号が受信されていると判定された場合には、右停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1621)。「右停止フラグ」は、左停止フラグ及び中停止フラグの場合と同様に、右回胴Rが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理S1601において解除されている。右停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1606が実行される。一方、右停止フラグが解除されている場合には、停止回胴数が0であるか否かが判定される(S1622)。停止回胴数が0でない場合には、右回胴停止処理S1624が実行される。一方、停止回胴数が0である場合には、手動停止制御テーブル群のうち所定の手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして再設定され(「制御テーブル再設定処理」S1623)、制御テーブル再設定処理S1623の後に、右回胴停止処理S1624が実行される。なお、右回胴停止処理S1617は、左回胴停止処理S1610と同様の処理である。右回胴停止処理S1617において、まず、参照停止制御テーブルを参照して、右回胴Rを回転させる右ステッピングモータ1043R4が停止される。右ステッピングモータを停止させる際の制御は、左ステッピングモータ1043L4を停止させる際の制御と概ね同一である。右ステッピングモータ1043R4の停止後に、右停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、かつ、右回胴Rが停止していることを表す右回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び右回胴の停止図柄を表す右回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
右回胴停止処理S1624の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S1625)。停止回胴数が3でない場合には、未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1626)。参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S1627)。制御テーブル変更処理S1627においては、右回胴Rの停止位置と共に左回胴L及び中回胴Mのうちの既に停止している全ての回胴の停止図柄番号が参照される。
判定処理S1605において、自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を越えている場合には、現在回転中の全回胴L,M,Rの回転を停止させる(「自動停止処理」S1628)。自動停止処理S1628の後、並びに、判定処理S1611、判定処理S1618及び判定処理S1625において停止回胴数が「3」であると判定された場合に、自動停止タイマを解除する。
ここで、自動停止処理S1628について詳細に説明する。自動停止処理S1628では、まず、既に停止している回胴の停止図柄番号(停止位置)を参照して、ROM1045a2に保持された自動停止制御テーブル群から1つのテーブルが参照制御テーブルとして設定される。その後に、左停止フラグが設定されているか否かが判定され、左停止フラグが設定されていない場合には、左回胴Lの回転が停止される。次に、中停止フラグが設定されているか否かが判定され、中停止フラグが設定されていない場合には、中回胴Mの回転が停止される。その後に、右停止フラグが設定されているか否かが判定されて、中停止フラグが設定されていない場合には、中回胴Rの回転が停止される。
回転制御処理S1309の後に、図18に示されたように、入賞確認処理S1310が実行される。入賞確認処理S1310において、まず、有効ラインごとの図柄パターンを確認して、当選役以外の役が1つでも入賞している場合には、入賞エラーの発生を報知させるためのエラー処理が実行される。一方、当選役のみが入賞している場合には、入賞した全ての当選役に対応する入賞フラグ(例えば、ビッグボーナス入賞フラグ、レギュラーボーナス入賞フラグ、チェリー入賞フラグ、ベル入賞フラグ、スイカ入賞フラグ、再遊技入賞フラグ)が設定される。また、入賞した各当選役に対応する獲得遊技球数が最大獲得遊技球数を超えない範囲内において加算されることによって、最終的に獲得遊技球数が決定される。更に、入賞確認処理S1310においては、入賞役の種類の情報を含む入賞役コマンド、入賞ラインの種類の情報を含む入賞ラインコマンド及び入賞エラーの情報を含む入賞役エラーコマンドがリングバッファに格納される。
入賞確認処理S1310の後に、獲得遊技球数の情報を含む払出コマンドが設定される(「獲得球払出処理」S1311)。獲得遊技球払出処理S1311の後に、再遊技処理S1312が行われる。再遊技処理S1312では、入賞確認処理S1310において再遊技入賞フラグが設定されている場合に、内部状態を再遊技に設定する等の各種の処理が行われる。また、次回の遊技が再遊技であることを表す再遊技コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
再遊技処理S1312の後に、役物作動中処理S1313が行われる。役物作動中処理S1313では、ビッグボーナス(BB)役及びレギュラーボーナス(RB)役等の役物作動中の処理が行われる。内部状態がビッグボーナス遊技状態である場合には、小役ゲーム中の制御、小役ゲームからJACゲームへの移行制御、JACゲーム中の制御、JACゲームから小役ゲームへの移行制御及びビッグボーナス遊技状態の終了制御等が行われる。ビッグボーナス遊技状態の終了判定は、その状態中に獲得した遊技球の獲得総数が所定数以上であるか否かによって決定される。獲得総数が獲得規定数以上である場合には、ビッグボーナスの終了処理が行われる。一方、獲得総数が獲得規定数未満である場合には、ビッグボーナスの終了処理がスキップされる。一方、内部状態がレギュラーボーナスである場合には、JACゲーム中の制御及びレギュラーボーナス遊技状態の終了制御等が行われる。レギュラーボーナスの終了条件も、獲得総数が獲得規定数以上であるか否かによって決定される。
役物作動中処理S1313の後に、役物作動判定処理S1314が行われる。役物作動判定処理S1314では、ビッグボーナス役に当選したことを表すビッグボーナス役の当選フラグが設定されており、かつ、ビッグボーナス役が入賞したことを表すビッグボーナス役の入賞フラグが設定されている場合には、ビッグボーナスを開始するための処理を実行する(「BB開始処理」)。また、レギュラーボーナス役に当選したことを表すレギュラーボーナス役の当選フラグが設定されており、かつレギュラーボーナス役が入賞したことを表すレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されている場合には、レギュラーボーナス役を開始するための処理を実行する(「RB開始処理」)。
役物作動判定処理S1314の後に、遊技進行表示処理S1315が実行される。遊技進行表示処理S1315では、内部状態がビッグボーナス遊技状態やレギュラーボーナス遊技状態である場合には、JACゲームの残りゲーム数や1回のビッグボーナスにおける獲得遊技球の総数等を表示するためのデータが設定される。また、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の終了後に、再遊技の当選確率が通常遊技状態よりも高いリプレイタイム(「RT」)等の特定遊技状態に移行させる場合には、内部状態を特定遊技状態に設定し、特定遊技状態であることを表す特定遊技状態コマンド(内部状態コマンドの一種)をリングバッファに格納する。
払出制御基板1037aにより実行される制御処理について説明する。払出制御基板1037aの制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ1038aのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。割込み処理としては、主制御基板1045aからの各種のコマンドの受信に応じて割込みをかけるコマンド割込み処理と、定期的に繰返し実行されるタイマ割込み処理がある。
払出制御基板1037aにおけるメイン処理について説明する。図21は、払出制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャートである。メイン処理では、まず、図32に示されたように、CPU周辺のレジスタ群やI/O装置等に対する各種の設定が行われる(「初期設定処理」S3001)。初期設定処理S3001の後に、RAM1037a3へのアクセスが許可され(「RAMアクセス許可処理」S3002)、各種の割込みの優先順位を規定する割込みベクタが設定される(「割込みベクタ設定処理」S3003)。外部割込みベクタ設定処理S3003の後に、RAM1037a3の全ての領域を「0」にクリアした(S3004)後に、RAM1037a3に初期値が設定され(「RAM初期設定処理」S3005)、CPU1037a1の他の周辺デバイスの初期設定が行われる(「CPU周辺デバイス初期設定処理」S3006)。CPU周辺デバイス初期設定処理S3006の後に、割込み許可が設定される(「割込み許可設定処理」S3007)。以降は、割込み許可設定処理S3007が繰り返し実行され、各種の割込み処理の実行後に次の割込み処理の実行が許可される。なお、実効的な払出に関する処理は、実質的に後述するタイマ割込み処理内で実行される。
次に、コマンド割込み処理について説明する。コマンド割込処理は、払出制御基板1037aが主制御基板1045aからのコマンドを受信する場合に実行される。コマンド割込処理が実行されると、まず、受信したコマンドが受信用のデータバッファに格納される(受信コマンド格納処理)。コマンド受信処理の後に、コマンド受信フラグが設定される(コマンド受信フラグ設定処理)。コマンド受信フラグ設定処理の終了によりコマンド割込み処理は終了する。
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、通常ゲーム時には主制御基板1045aからの払出コマンドの受信に応じて払出コマンドの種類に基づいた賞球数の遊技球を払い出すと共に、球貸装置1350からの貸球払出要求に応じて遊技球を払い出す処理である。本タイマ割込み処理は、約2msごとに実行される。図22は、払出制御基板1037aのタイマ割込み処理の一例を表すフローチャートである。
タイマ割込み処理において、図22に示されたように、まず、タイマ割込み処理よりも割込み優先度の高い割込みが許可される(「割込み許可処理」S3101)。具体的には、コマンド割込みが許可される。タイマ割込み処理よりもコマンド割込み処理が優先されることによって、主制御基板1045aにおけるコマンド送信に要する処理負担を軽減する共に、コマンド送信による制御進行の停滞を抑制することができる。なお、各種の割込みの優先順位は、メイン処理の割込みベクタ設定処理において設定される。
割込み許可処理S3101の後に、入出力ポート1037a4に払出ソレノイド制御情報が出力される(「払出ソレノイド駆動処理」S3102)。払出ソレノイド制御情報は、各種の払出ソレノイド1033cの駆動状態を識別する情報である。これによって、入出力ポート1037から各種の払出ソレノイド1033cに払出制御信号が出力されることとなり、払出ソレノイド1033cの駆動状態が払出ソレノイド制御情報に基づいたオン・オフ状態に更新される。払出ソレノイド1033cがオン状態に移行するとそれに対応する払出フリッカ1033bが通過許可状態に移行する。
払出ソレノイド駆動処理S3102の後に、出力バッファ(RAM1037a3の所定の領域)に格納された各種の制御信号が主制御基板1045aや払出制御基板に接続された各種の装置に出力さる(「制御情報出力処理」S3103)。制御情報出力処理S3103の後に、主制御基板1045aからストローブ信号に引き続いて送信される各種のコマンドがリングバッファ(RAM1037a3の所定の領域)に格納される(「制御情報入力処理」S3104)。制御情報入力処理S3104の後に、リングバッファに格納されたコマンドの種類が判別され、コマンドの種類に応じた処理が実行される(「コマンド判定処理」S3105)。ここで、コマンド判定処理S3105について詳細に説明する。図23は、コマンド判定処理の一例を表すフローチャートである。
コマンド判定処理S3105において、図23に示されたように、まず、リングバッファに何らかのコマンドが格納されているか否かが判定される(S101)。具体的には、リングバッファへの書き込み位置(アドレス)を指すライトポインタとリングバッファの読み出し位置(アドレス)を指すリードポインタとが同じ位置を指す場合にはコマンドが格納されていないと判定され、それらが異なる位置を指す場合にはコマンドが格納されていると判定される。コマンドが格納されていない場合には、本コマンド判定処理S3105が終了する。
コマンドが格納されている場合には、格納されているコマンドが賞球払出コマンドであるが否かが判定される(S102)。格納されているコマンドが賞球払出コマンドである場合には、賞球払出コマンドに含まれる賞球数の情報に基づいて賞球数が「1」を超えて大きく、かつ「76」未満であるか否かが判定され(S103)、肯定判定の場合には、賞球数が正常であるために賞球払出数が賞球数と同一の値に設定され(「賞球払出数設定処理」S104)、かつ読み出した賞球コマンドの格納されていた領域のリングバッファがクリアされ(「コマンドクリア処理」S105)、一方、否定判定の場合には、賞球数が異常であるために賞球払出数設定処理S104及びコマンドクリア処理S105がスキップされる。判定処理S102において、格納されているコマンドが賞球払出コマンドでないと判定された場合には、コマンドがコマンドバッファ(RAM1037a3の所定の領域)に格納される。
その後、リングバッファに別のコマンドが格納されているかを確認するために、リードポインタの指す位置が次の位置に更新する(「コマンド読出領域更新処理」S107)。コマンド読出領域更新処理S107の後に、リングバッファに格納された全てのコマンドを確認するまで判定処理S101〜コマンド読出領域更新処理S107が繰り返し実行され、全てのコマンドを確認すると本コマンド判定処理S3105が終了する。
コマンド判定処理S3105の後に、コマンドバッファに格納されているコマンドにリセットコマンドが含まれているか否かが判定され、エラー発生中を表す未検知エラーフラグが設定されている場合には、未検知エラーフラグが解除される。
遊技球未検知解除処理S3106の後に、状態表示をすべき状態が変更されている場合に、その最新の状態に応じた状態表示に更新する(「状態表示更新処理」S3107)。具体的には、下皿球満タン中の場合に、スピーカ1106,1204からの音声によりその旨を遊技者に知らせたり、液晶表示装置1042により画像によりその旨を遊技者に知らせたりする。また、遊技球タンク1032内に遊技球が貯留されてない場合(球有りフラグが解除されている場合)にも同様にその旨を遊技者に知らせたりする。
状態表示更新処理S3107の後に、各球切れ検出装置1035bからの遊技球検出信号の受信状態が確認され、その受信状態に基づいて球有り状態の設定制御がなされる(「タンク球確認処理」S3108)。具体的には、まず、全ての球切れ検出装置1035bからの遊技球検出信号がオン状態であるか否かが判定され、つまり、球通路1033d,1035a内の全てに所定数以上の遊技球が貯留されているか否かが判定される。全ての遊技球検出信号がオン状態である場合には、その状態が2000ms継続しているか否かが確認される。遊技球検出信号のオン状態が約2000ms経過している場合には、全ての球通路1035a内に所定数(本形態では20個)以上の遊技球があることになるので、球有りフラグが設定されてタンク球確認処理S3108が終了し、遊技球検出信号のオン状態が約2000ms経過していない場合には、そのまま球有り状態設定処理S3106が終了する。一方、遊技球検出信号のうち少なくとも1つがオフ状態である場合には、その状態が約200ms継続しているか否かが判定され、その状態が約200ms経過している場合には、球有りフラグが解除されてタンク球確認処理S3108が終了し、その状態が約200ms継続していない場合には、タンク球確認処理S3108が終了する。
タンク球確認処理S3108の後に、オーバーフロー検出スイッチ(図示せず)からの検出信号の状態が確認され、その受信状態に基づいて下皿満タン状態の設定制御がなされる(「下皿確認処理」S3109)。具体的には、オーバーフロー検出スイッチが約200msの間に渡り継続して検出されている下皿満タン中の場合には、下皿満タン状態が設定され、その他の場合においては下皿満タン状態が解除される。
下皿確認処理S3109の後に、各カウントセンサ1033hからの出力信号に基づいて、全条共通の払出残数及び各条の払出残数等が更新される(「払出数計数処理」S3110)。ここで、払出計数処理S3110について詳細に説明する。図24は、払出数計数処理の一例を表すフローチャートである。
払出数計数処理S3110において、図24に示されたように、第1条の通過フラグが設定されているか否かが判定される(S201)。ここで、第1条の通過フラグは、第1条のカウントセンサからの出力信号がオフ状態からオン状態に変更された場合(立上がりが検知された場合)に設定されるフラグである。第1条の通過フラグが設定されている場合には、第1条の通過フラグが解除される(「第1条通過フラグ解除処理」S202)。これによって、1球の遊技球の払出が完了したと認識される。
第1条通過フラグ解除処理S302の後に、全条共通の払出残数等が更新される(「払出残数更新処理」S203)。なお、払出残数更新処理S203は、全条共通な情報を更新する。ここで、払出残数更新処理S203について詳細に説明する。図25は、払出残数更新処理の一例を表すフローチャートである。払出残数更新処理S203では、図25に示されたように、まず、払出残数が現在の値から1だけ減じた値に変更される(「払出残数減算処理」S301)。払出残数減算処理S301の後に、貸球払出残数が「0」であるか否かが判定され(S302)、否定判定の場合には、貸球払出制御個数を現在の値から「1」だけ減じた値に変更されて(「貸球制御個数減算処理」S303)、本処理が終了する。一方、全条共通な貸球払出残数が「0」である場合には、貸球の払出中ではないので、全条共通な賞球払出個数が現在の値から「1」だけ減じた値に変更され、主制御基板1045aに送信される払出カウント信号の出力制御に用いられるカウント信号待機数が現在の値から「1」だけ加えた値に変更される。なお、払出残数更新処理においては、全条に対して共通に用いられる情報が更新される。
払出残数更新処理S204の後に、図24に示されたように、第1条の払出残数が現在の値から「1」だけ減じた値に変更される(「第1払出残数更新処理」S204)。第1払出残数更新処理S204の後に、第1条の払出残数が「0」であるか否かが判定される(判定処理S205)。第1条の払出残数が「0」であることは、第1条において最後に払い出されるべき遊技球(最終球)の通過が開始されたことを意味する。判定処理S205において、通過を開始した遊技球が最終球の場合には、第1条制御タイマに所定の値(本形態では約300msに相当する「150」)が設定され(「第1条制御タイマ設定処理」S207)、一方、通過を開始した遊技球が最終球でない場合には、第1条の制御タイマが解除される(「第1条制御タイマ解除処理」S207)。第1条の制御タイマは、連続して払出しされる2つの遊技球の払出間隔を監視するためのタイマである。なお、第1条制御タイマの値は、正数である場合にタイマ割込みごとに「1」だけ減算される。
次に、上記の第1条に対する判定処理S201〜第1条制御タイマ解除処理S207と同様にして、第2条〜第4条に対する処理(S208〜S228)が実行されて、本処理が終了する。なお、第2条〜第4条に対する各処理は第1条において対応する処理と実質的に同一の処理であるために、その詳細な説明は省略する。
払出数計数処理S3110の後に、図22に示されたように、払出ソレノイドを制御するための処理が実行される(「払出ソレノイド制御処理」S3111)。ここで、払出ソレノイド制御処理3111について詳細に説明する。図26は、払出ソレノイド制御処理の一例を表すフローチャートである。
払出ソレノイド制御処理S3111において、図26に示されたように、払出エラー(遊技球未検知エラー)フラグが設定されているか否かが判定される(S401)。払出エラーが設定されていない場合には、貸球動作中であるか否かが判定される(S402)。貸球動作中である場合には、貸球払出回数が「0」であるか否かが更に判定されて、貸球払出回数が「0」でない場合には、払い出すべき遊技球が残っていることとなるために、払出数が貸球払出数と同一値に設定される。なお、貸球の払出は複数回に分けて実行され、その分割的に実行される回数が貸球払出回数である。各回の貸球の払出においては、払出数が所定の貸球払出数と同一値に設定される。一方、貸球動作中でなければ、賞球の払出であるので、払出数が賞球払出数と同一値に設定される。なお、賞球払出数は、上記のコマンド判定処理S3105における賞球払出数設定処理S104(図23参照)で設定される値である。判定処理S401で払出エラーフラグが設定されている場合には、払出が続行できないために、判定処理S402〜払出数設定処理S405がスキップされる。
その後、払出残数が「0」であるか否かが判定される(S406)。払出残数が「0」である場合には、今回の払出制御における所定数の払出が完了したこととなるために、払出を終了させるための処理が実行されて(「払出停止設定処理」S407)、本処理が終了する。払出残数が「0」である場合には、全条の制御タイマが解除されているか否かが判定される。具体的には、全条の制御タイマが「0」であるか否かが判定される(S408)。いずれかの条の制御タイマが解除されていない場合には、再払出動作を開始するまでの待機時間を決定する再払出制御タイマが設定されて(「再払出制御タイマ設定処理」S409)、本処理が終了する。
一方、全条の払出制御タイマが解除されている場合には、いずれかの条の払出残数が0であるか否かが判定される(S410)。全条における払出残数が0でない場合には、払出の開始であるので、再払出回数(本形態では、「1」)が設定される。再払出回数は、初払出動作において所定数の払出が完了しなかった場合に、初払出動作後に払出動作を何度繰り返すかを決定する(「再払出回数設定処理」S411)。再払出回数設定処理S411の後に、第1条〜第4条の各々において払いだす遊技球の個数(払出残数:〔個別通過許可数〕)が決定される。
ここで、払出ソレノイド制御処理S3111における払出数振分処理S412について詳細に説明する。図27は、払出数振分処理の一例を表すフローチャートである。払出数振分処理S412において、図27に示されたように、まず、余剰振分パターンデータが初期化される。これによって、前回の払出数振分処理において参照された余剰振分パターンデータがクリアされる。ここで、余剰振分パターンデータについて説明する。図28は、複数の余剰振分パターンデータから構成される余剰振分パターン情報の構成を説明するための説明図であり、図29は、各余剰振分パターンデータのデータ構成を説明するための説明図である。余剰振分パターン情報は、ROM1037a2の所定の領域に保持された情報であって、図28の第2列に示されたように、連続する複数のアドレスに1つずつ保持された複数の余剰振分パターンデータで構成されている。なお、図28において、第1列、第3列及び第4列は、説明の便宜上の記載であって、ROM1037a2に実際に保持された情報ではない。各余剰振分パターンデータは、8ビット(1バイト)のデータであり、その第0ビット(bit0)によって余剰振分数を第1条に振り分けるか否かが決定される。だい第0ビットが「0」である場合には、第1条には余剰振分数は振り分けられない。同様に、第1ビット(bit1)、第2ビット(bit1)及び第3ビット(bit1)の値によって、それぞれ、第2条、第3条及び第4条に余剰振分数を振り分けるか否かが決定される。例えば、図29に示された余剰振分パターンデータは、第3条、第4条及び第1条に余剰振分数を振り分けることとなる。
余剰振分パターンデータ初期化処理S501の後に、余剰振分数が算出される(「余剰振分数算出処理」S502)。余剰振分数は、全条共通の払出数(〔通過許可数〕)を条数(「4」)で除した場合の剰余に対応する値である。なお、具体的には、条数が4(2の2乗)であるために、払出数と「03H(00000011B)」との論理積をとる論理演算(下位2ビットの抽出)によって、余剰振分数が簡便に算出さる。
余剰振分数算出処理の後に、余剰振分数が「0」であるか否かが判定され(S504)、余剰振分数が「0」でない場合には、第1条〜第4条の少なくとも1条に他の条より多くの遊技球の払い出し割り当てなければならないために、この割り当て決定するための余剰振分パターンデータが更新される。一方、余剰振分数が「0」である場合には、第1条〜第4条の振分数は同数であるために、余剰振分パターンデータを選択する必要がなく、余剰振分パターンデータ更新処理S504がスキップされる。具体的には、前回の払出振分処理S412の最終段において更新された優先振分条に対応する条識別値と、余剰振分数の値とに基づいて生成される値を用いて、図28に示された余剰振分パターン情報から1つの余剰振分パターンデータが選択される。更に具体的には、条識別値と余剰振分数から「1」だけ減じた値を2ビットだけ左にシフトさせ(4倍することに相当)て、オフセット値を算出する。そして、余剰振分パターン情報における先頭メモリアドレス(「1350H」)の値とオフセット値とを加算した値のメモリアドレスの値に対応する余剰振分パターンデータが選択される、ここで、優先振分条(〔優先振分通路〕)は、余剰振分数を振り分ける際の先頭条である。なお、余剰振分数は、循環順序列に従って、先頭条から連続する条に1つずつ振り分けられる。なお、本形態では、循環順序列は、「・・・→第1条→第2条→第3条→第4条→第1条→・・・」と繰り返される順序列である。したがって、図28に示されたように、余剰振分数と優先条とが決定されれば、一義的に、振分パターンが決定されることとなる。
次に、均等振分数が算出される(「均等振分数算出処理」S505)。均等振分数は、全条共通の払出数(〔通過許可数〕)を条数(「4」)で除した場合の商に対応する値である。なお、具体的には、条数が4(2の2乗)であるために、払出数の値を2ビット右へシフトすることによって、均等振分数が簡便に算出される。
均等振分数算出処理S505の後に、第1条の払出残数(〔個別通過許可数〕)が、一旦、均等振分数と同一の値に設定される(「第1条払出残数設定処理」S506)。第1条払出残数設定処理S506の後に、選択されている余剰振分パターンデータを参照して、第1条が余剰振分条である場合には、第1条の払出残数が現在の値に「1」だけ加算した値に変更される(「第1条払出残数補正処理」S507)。具体的には、余剰振分パターンデータの第0ビットの値が「1」である場合に、第1条の払出残数が現在の値に「1」だけ加算した値に変更される。なお、第1条がでない場合には、第1条払出残数補正処理S507がスキップされて、第1条の払出残数が均等振分数を維持する。
次に、上記の第1条に対する第1条払出残数設定処理S506〜第1条払出残数補正処理S508と同様にして、第2条〜第4条に対する処理(S509〜S517)が実行されて、本処理が終了する。なお、第2条〜第4条に対する各処理は第1条において対応する処理と実質的に同一の処理であるために、その詳細な説明は省略する。
第1条〜第4条に対する払出残数の決定後に、次回の払出数振分処理のために優先振分条が更新される(「優先振分条更新処理」S518)。具体的には、優先振分状の条識別値が、更新前の優先振分条に対応する条識別値に余剰振分数を加えた値に変更される。これによって、優先振分条が決定される。
払出ソレノイド制御処理S3111の後に、払出ソレノイドを具体的に制御するための情報が設定される(「払出ソレノイド設定処理」S3112)。ここで、払出ソレノイド設定処理S3112について詳細に説明する。図30は、払出ソレノイド設定処理の一例を表すフローチャート図である。払出ソレノイド設定処理では、図30に示されたように、まず、払出エラーが発生しているか否かが判定される(S601)。払出エラーが発生していない場合には、第1条の制御タイマが現在の値から「1」だけ減じた値に変更される。第1条の制御タイマが「0」であるか否かと、第1条の払出残数が「0」であるか否かとが判定される(S603,S604)。第1条の制御タイマも第1条の払出残数も「0」でない場合には、ソレノイド制御情報が更新される。ソレノイド制御情報には、各ソレノイドのオン・オフ状態を指定する情報が含まれており、ソレノイド制御情報自体は、全条共通な情報である。具体的には、ソレノイド制御情報における第0ビットに「1」が設定され、第1条の払出ソレノイドはオン状態に移行又はオン状態を維持することとなる。
次に、上記の第1条に対する第1条制御タイマ更新処理S602〜ソレノイド制御情報更新処理S605と同様にして、第2条〜第4条に対する処理(S606〜S617)が実行される。なお、第2条〜第4条に対する各処理は第1条において対応する処理と実質的に同一の処理であるために、その詳細な説明は省略する。
その後に、ソレノイド制御情報を出力して、各条のソレノイドの作動状況をその必要に応じて変更するために、ソレノイド制御情報が出力バッファに格納される。なお、格納されたソレノイド制御情報は、払出ソレノイド駆動処理S3102(図22)において出力される。また、判定処理S601で払出エラーが発生していると判定された場合も、ソレノイド制御情報が出力される。なお、この場合には、ソレノイド制御情報は、ソレノイド制御情報更新処理S421又はソレノイド制御情報更新処理S423においてオフ状態に変更されている。
図22に示されたように、払出ソレノイド設定処理S3112の後に、球貸装置1350からの信号や球貸装置への信号を制御するための処理が実行される(「球貸払出制御処理」S3113)。また、主制御基板1045aにおいて、払出装置1033h等におけるエラーの発生や払出装置1033h等への不正行為を発見するための払出カウント信号及び払出中信号を出力バッファに格納する(「払出カウント信号設定処理」S3114,「払出中信号設定処理」S3115)。払出カウント信号は、カウントセンサ10からの出力信号の受信個数(払出済みの遊技球の個数に対応)に基づいて同一個数のパルス信号を所定の波形で出力される、また、払出中信号は、払出制御基板1037aにおいて払出動作中である場合にオン状態となる信号である。また、払出中信号設定処理S3115の後に、払出エラー(遊技球未検知エラー)が発生した場合には、未検知エラー信号を出力バッファに格納する(「未検知エラー信号設定処理」S3116)。なお、各種の信号は、制御情報出力処理S3104において実際的に出力される。
未検知エラー信号設定処理S3116の後に、本球式回胴遊技機1010が外部の球貸装置に接続されているかが監視される(「CRユニット接続監視処理」S3117)。
次に、副制御基板1047aにより実行される制御処理について説明する。副制御基板1047aの制御処理は、外部電力の停電からの復帰や電源のオン等による電源復帰に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。割込み処理としては、定期的に割込みをかける内部割込み処理であるタイマ割込み処理と、主制御基板1045aからのコマンド送信に基づく外部割込み処理であるコマンド割込み処理とがある。
タイマ割込み処理は、約1msの周期で実行される。タイマ割込み処理では、まず、割込みフラグが読み込まれ、各種の割込みのうちのタイマ割込みである場合には、タイマ割込みタイマカウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」)。
また、コマンド割込み処理は、主制御基板1045aからのコマンド送信に関するストローブ信号の受信に応じて実行される。主制御基板1045aにおけるコマンド送信は概ね1.49msの周期で行われるために、本処理は、概ね1.49msの周期で実行される。コマンド割込み処理では、ストローブ信号に引き続いて送信されてる各種のコマンドを受信する(「コマンド受信処理」)。
副制御基板1047aで実行されるメイン処理について詳細に説明する。図31は、副制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャートである。
メイン処理では、まず、電源制御基板1038’からの内部電力の供給に応じて、副制御基板1047a自身の初期化及び副制御基板1047aに接続された液晶表示装置1042等の周辺装置の初期化が行われる(「初期化処理」S4101)。初期化処理S4201の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S4102)。ここで、システム状態は、供給電圧が所定の電圧以下であることを表す電圧低下状態と、副制御基板1047a及び副制御基板1047aに接続された周辺装置が初期化中であることを表す初期化状態と、供給電圧が所定の電圧であって通常遊技を行えることを表す通常状態とを含意する。なお、初期化状態は、初期化処理S4101の実行中に選択される。
システム状態が電圧低下状態でない場合には、割込みタイマカウンタの値に変更があるか否かが判定される(S4103)。割込みタイマカウンタの値に変更がある場合には、割込みタイマカウンタの値が現在値に「1」だけ減算した値に更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」S4104)。割込みタイマカウンタ更新処理S4104の後に、後述する周期タイマ処理S4105が行われる。周期タイマ処理S4105の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定され(S4106)、システム状態が電圧低下状態でない場合には、コマンド割込み処理において主制御基板1045aからの何らかのコマンドが受信されているか否かが判定される(S4107)。コマンドが受信されている場合には後述する受信コマンド確認処理S4108が行われた後に演出の詳細を決定する乱数のベース値が更新され(「乱数ベース値更新処理」S4109)、一方、コマンドが受信されていない場合には受信コマンド確認処理S4108がスキップされて乱数ベース値更新処理S4109が実行される。乱数ベース値更新処理S4109の後に、判定処理S4102に戻る。
判定処理S4102及び判定処理S4106においてシステム状態が電圧低下状態であると判定された場合には、レジスタデータやスタックデータが外部RAMに保存される(「バックアップ処理」S4110)。バックアップ処理S4110の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S4111)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S4111が繰り返し実行される。一方、電圧低下状態でない場合には、電圧低下状態の解消がノイズ等による誤作動でないことを確認するために所定の時間(本形態においては30ms)待機する(「ウェイト処理」S4112)。ウェイト処理S4112の後に、再度、システム状態が電圧低下状態であるか否かを再度判定する(S4113)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S4111に戻る。一方、システム状態が電圧低下状態でない場合には、内部電力の供給が正常に再開したと判断して、メイン処理を起動するための処理を行う(「起動処理」S4114)。起動処理S4114の後に、初期化処理S4101に戻り、メイン処理が再開される。
ここで、受信コマンド確認処理S4108について詳細に説明する。図32は、受信コマンド確認処理の一例を表すフローチャートである。受信コマンド確認処理S4108では、まず、受信されているコマンドの種類が判別される(S4201)。具体的には、受信バッファに格納されているコマンドからその上位バイト(8ビット)に含まれるコマンド識別情報を抽出して、抽出されたコマンド識別情報に応じた処理に移行させる。受信バッファに複数のコマンドが格納されている場合には、受信順序に従って順次に処理する。以下において、各コマンド識別情報に応じた処理について説明する。
判定処理S4201において受信コマンドが停止図柄コマンドであると判定された場合には、において、停止図柄コマンドの下位バイトの情報を抽出して、その情報に基づいて各リールの停止図柄を判別し、全ての停止図柄による組合せパターンに基づいて副制御基板1047aに接続された各種の周辺装置による演出の種類が選択される(「停止図柄コマンド処理」S4202)。例えば、左回胴L、中回胴M及び右回胴Rのうち2つの回胴が停止しており、少なくとも1つの有効ラインに所定の図柄パターンが停止している場合に、各種の音響演出から所定の音響演出及び各種の発光演出から所定の発光演出の選択が行われる。所定の図柄パターンとしては、例えば、「7」図柄及び「青年」図柄の同一種類の2つ揃い、「BAR」図柄の2つ揃いが挙げられる。
判定処理S4201において受信コマンドが払出エラーコマンドや投入エラーコマンド等のエラーコマンドであると判定された場合には、エラーコマンドの下位バイトの情報が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置によるエラー報知の種類が決定される(「エラーコマンド処理」S4203)。
判定処理S4201において受信コマンドが復電コマンド及びリセットコマンド等の初期化コマンドであると判定された場合には、初期化コマンドの下位バイトの情報が抽出され、抽出された下位バイトの値に基づいて副制御基板1047a自体及び副制御基板1047aに接続された各種の周辺装置が初期化される(「初期化コマンド処理」S4204)。
判定処理S4201において受信コマンドが再遊技コマンド、ビッグボーナスコマンド、レギュラーボーナスコマンド等の内部状態コマンドであると判定された場合には、内部状態コマンドの下位バイトの情報(内部状態の種類)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「内部状態コマンド処理」S4205)。
判定処理S4201において受信コマンドがビッグボーナス役当選コマンド、レギュラーボーナス役当選コマンド、再遊技役当選コマンド、各種の小役の当選コマンド等の抽選結果コマンドであると判定された場合には、抽選結果コマンドの下位バイトの情報(当選役の種類)が抽出され、その情報や乱数による抽選結果に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「抽選結果コマンド処理」S4206)。
判定処理S4201において受信コマンドが再遊技入賞コマンド、ビッグボーナス入賞コマンド、レギュラーボーナス入賞コマンド、各種の小役の入賞コマンド等の入賞図柄コマンドであると判定された場合には、入賞図柄コマンドの下位バイトの情報(入賞図柄の種類)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「入賞図柄コマンド処理」S4207)。
判定処理S4201において設定変更コマンドであると判定された場合には、各種の周辺装置による報知の種類が決定される(「確率設定値処理」S4208)。
判定処理S4201において受信コマンドが入賞図柄パターンの表示された有効ラインに応じた入賞ラインコマンドであると判定された場合には、入賞ラインコマンドの下位バイトの情報(入賞ラインの種類)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「入賞ラインコマンド処理」S4209)。
判定処理S4201において受信コマンドが各種の回胴L,M,Rの停止コマンド等の回胴回転情報コマンドであると判定された場合には、回胴回転情報コマンドの下位バイトの情報(停止回胴の種類)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「回胴回転情報コマンド処理」S4210)。
判定処理S4201において受信コマンドが獲得球数コマンドであると判定された場合には、獲得球数コマンドの下位バイトの情報(獲得球数)が抽出し、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「獲得球数コマンド処理」S4211)。
判定処理S4201において受信コマンドが最大ベットコマンド等のベットコマンドであると判定された場合には、ベットコマンドの下位バイトの情報(ベット数)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「ベットコマンド処理」S4212)。
判定処理S4201において受信コマンドがJAC最大ゲーム数コマンドであると判定された場合には、JAC最大ゲーム数コマンドの下位バイトの情報(JAC最大ゲーム数)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「JAC最大ゲーム数コマンド処理」S4213)。
判定処理S4201において受信コマンドがJACラウンド数コマンドであると判定された場合には、JACラウンド数コマンドの下位バイトの情報(JACラウンド数)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による報知の種類が決定される(「JACラウンド数コマンド処理」S4214)。
判定処理S4201において受信コマンドが設定値コマンドであると判定された場合には、設定値コマンドの下位バイトの情報(確立設定値)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による報知の種類が決定される(「確率設定値情報処理」S4215)。
判定処理S4201において受信コマンドが賞球の払出し開始時に設定される獲得球払出開始コマンド、賞球の獲得球払出終了コマンド等の球放出コマンドであると判定された場合には、球放出コマンドの下位バイトの情報(開始又は終了を表す数値)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による報知の種類や報知の期間が決定される(「球放出コマンド処理」S4216)。
判定処理S4201において受信コマンドが主制御基板1045aで決定された演出に関連する演出情報コマンドであると判定された場合には、演出情報コマンドの下位バイトの情報(演出情報の種類)が抽出され、その情報や乱数を用いた抽選結果に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「演出情報コマンド処理」S4217)。
判定処理S4201において受信コマンドがベット数コマンド等の球情報コマンドであると判定された場合には、球情報コマンドの下位バイトの情報(最終ベット数)が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される(「球情報コマンド処理」S4218)。
ここで、副制御基板1047aのメイン処理における周期タイマ処理S4105について詳細に説明する。図33は、周期タイマ処理の一例を表すフローチャートである。タイマ割込み処理が実質的に1msごとに実行されることによって、周期タイマ処理S4105も実質的に1msごとに実行される。
周期タイマ処理4105では、まず、起動処理S4114(図31参照)の実行後の2秒以内に主制御基板1045aから何らかのコマンドが受信されているか否かが確認され、主制御基板1045aから何らのコマンドも受信していない場合には、主制御基板1045aの起動が正常に行われなかったと判断してエラー発生を報知する処理が行われる(「起動時コマンド確認処理」S4301)。
起動時コマンド確認処理S4301の後に、受信コマンド確認処理S4108(図32参照)において受信が確認された各種のコマンドに応じて、液晶表示装置1042、スピーカ1106,1204、各種の効果LEDカバー部1104,1108,1110で被覆された発光装置(図示せず)、各種の発光装置1132、1134L1等の実際の駆動制御が行われる(「デバイス制御処理」S4302)。
デバイス制御処理S4302の後に、システム状態に変化があるか否かが判定され、判定結果に応じて、初期化状態を表す初期化中フラグが設定又は解除される(「システム状態変更処理」S4303)。なお、電圧低下フラグ及び初期化中フラグが解除されている場合には、システム状態は通常状態であるとみなされる。システム状態変更処理S4303の後に、電源基板1038’から供給される内部電力の電圧が所定の電圧以下であるか否かが判定され、内部電圧が所定の電圧以下の場合には、電圧低下フラグが解除されていれば電圧低下フラグが設定され、一方、内部電圧が所定の電圧以下でない場合には、電圧低下フラグが設定されていれば電圧低下フラグが解除される(「電圧監視処理」S4304)。電圧監視処理S4304の後に、長周期タイマカウンタが現在値に周期タイマカウンタの値を加算した値に更新される(「長周期タイマカウンタ更新処理」S4305)。
長周期タイマカウンタ更新処理S4305の後に、長周期タイマカウンタの値が「10」以上であるか否かが判定される(S4306)。判定処理S4305によって、概ね周期タイマカウンタの所定の回数(本形態では10回)の更新ごとに、以下の処理(S4307〜S4312)が実行されることになる。本形態では、周期タイマカウンタの更新が概ね1msごとに行われるために、以下の処理(S4307〜S4312)は、概ね10msごとに実行されることになる。
判定処理2402において長周期タイマカウンタの値が規定間引き数(本形態では、「10」)未満であると判定された場合には、本処理は終了する。一方、長周期タイマカウンタの値が「10」以上である場合には、長周期タイマカウンタの値が現在値から規定間引き数「10」だけ減算された値に更新される(「長周期タイマカウンタの規定間引き数減算処理」S4307)。規定間引き数減算処理S4307の後に、発光演出中又は発光報知中において、選択されている所定の発光演出パターン又は発光報知パターンを構成する発光単位データが選択され、選択された発光単位データが出力用のデータバッファに格納される(「発光データ更新処理」S4308)。ここで、各発光演出パターンは、複数の発光単位データで構成されている。各発光演出パターンを構成する発光単位データは、副制御基板1047aのROMに記憶されており、受信コマンド確認処理S4108において選択される。なお、格納された発光単位データはデバイス制御処理4302において所望の発光装置に出力される。発光報知変更処理が繰り返し実行されることによって発光単位データが順次に変更され、所定の発光パターンの発光演出又は発光報知が行われることとなる。
発光データ更新処理S4308の後に、表示演出と発光演出と音響演出とを同期させるための処理が行われる(「報知同期処理」S4309)。
発光・音響同期処理S4309の後に、音声演出が行われている状況下において、遊技者によって何らかの入力が行われることなく所定の時間(例えば、本形態では30秒)以上にわたって放置されている場合には、音響演出や各種の特別遊技状態におけるBGMの音量が小音量に変更される(「音響フェードアウト処理」S4310)。
音響フェードアウト処理S4310の後に、デモストレーション報知(客待ち演出)に移行させるか否かを、遊技者によってベット操作、スタート操作、ストップ操作等の何らかの入力操作が行われることなく所定の時間(本形態では50秒)以上経過しているかによって判定して、所定の時間が経過している場合にデモストレーション報知を実質的に開始させる(「デモストレーション報知移行処理」S4311)。具体的には、デモストレーション報知移行処理S4311では、デモストレーション報知を行うための表示報知パターンが選択され、かつ、デモストレーションフラグが設定される。ここで、デモストレーション報知パターンは、発光演出パターンと同様に、複数の発光報知単位データで構成されている。液晶表示装置1042等の所定の周辺装置においてデモストレーション演出が開始される。
デモストレーション報知移行処理S4311の後に、音量変更操作装置(図示せず)における音量調節スイッチ(図示せず)の音量設定が確認され、スピーカ106,204に対する基準音量が更新される(「基準音量設定処理」S4312)。
基準音量設定処理S4312を終了した後、及び、判定処理S4306において長周期タイマカウンタの値が規定間引き数未満であると判定された場合には、液晶表示装置1042、スピーカ1106,1204を制御するための表示報知単位データや表示演出単位データ等が更新される(「音響・表示報知変更処理」S4313)。
〔本発明に関連する主たる構成〕
本発明の球式回胴遊技機1010の主たる特徴部分の構成について説明する。球式回胴遊技機1010は、払出許可数の遊技球を4つの払出系統(4つの払出通路)で協同して実質的に同時に払出する。なお、4つの払出系統は、「第1条」、「第2条」、「第3条」及び「第4条」との表記によって識別している。
払出制御における払出許可数の第1条〜第4条への振分について説明する。図34は、遊技進行に伴う複数回の払出における払出数振分の推移の一例を説明するための説明図である。図34には、払出制御基板1037aの立上げから4回分の払出制御における払出数の振分の推移が表されている。また、第1回目から第4回目までの払出制御(図中の第1払出〜第4払出)において、それぞれ、75球、30球、40球、5球の払出が行われる場合が表されている。なお、第1回目の払出制御においては、適用優先上は初期値の第1条が設定されていることとする。また、図中の記号「*」は、余分に遊技球が振り分けられた条を表している。以下に、概ね時系列に沿って、払出数振分の推移を説明する。
第1回目の払出制御における払出数の振分において、今回の振分で参照される優先振分条(図中の適用優先振分条)が第1条であり、払出数が75球であるために、75(払出数)を4(条数)で除した場合の商に対応する値である「18」が均等振分数に設定され(S505)、また、その場合の剰余に対応する値である「3」が余剰振分数に設定される(S502)。余剰振分数を表す値「3(00000011B)」と第1条の条識別値「0(00000000B)」とに基づく演算によって、図28に示された余剰振分パターン情報の先頭アドレス(1350H)から8番目のアドレス(1358H)の余剰振分パターンデータが選択される(S504)。具体的には、余剰振分数を表す値を1減算した後に左に2ビットシフトさせた値「8(00001000B)」と第1条の条識別値「0(00000000B)」を加算し、更に、加算した結果と余剰振分パターン情報の先頭アドレスの値とを加算し、その値(「1358H」)が示すアドレスの余剰振分パターンデータを選択する。これによって、「00000111B」が選択され、図29に示されたように、第1条、第2条、第3条が、余分に払出数の振り分けられる余剰振分条となる。なお、本形態における循環順序列は、「・・・→第1条→第2条→第3条→第4条→第1条→・・・」と繰り返される順序列に相当する。したがって、第1条から第3条の払出数(払出残数)には均等振分数よりも「1」だけ大きい値が設定される(S508,S511,S517)。各条において、第1回目の振分により割り当てられた個数の払出が完了すると、適用優先振分条の第1条から適用優先振分条を含めて循環順序列に沿って3(今回の余剰振分数の値)番目の第3条の次の条である第4条が第2回目の振分で参照される優先振分条(図中の更新優先振分条)となる(S518)。
同様にして、図34に示されたように、第2回目以降の払出制御における払出数の振分が行われる。図34に示されたように、全ての払出制御において再投入動作が行われることなく初回払出動作で各条の払出が完了する場合には、各条で払い出される遊技球の個数は、1以上異なることはない。
本形態の遊技機であれば、複数回の払出制御にわたって優先振分条(優先振分通路)の動的な変更に基づいて各条(払出通路)から払い出される遊技媒体の個数を均一化できるために、複数の払出通路の各々に対応する払出フリッカ1033b(通過規制手段)の経年劣化の差を抑制できる。これによって、遊技機の保守管理の容易性を向上させることができる。更に、本形態の遊技機であれば、各回の払出制御において各払出通路から払いだされる遊技媒体の個数を均一化できるために、払出用に貯留された遊技球のタンクレール1034球詰まりを抑制できる。これは、球詰まりが起こりそうな状況下であっても、隣接する複数条での遊技球が払い出されると、遊技球の移動の自由度が大きくなるために球詰まりが防止できる。これによって、円滑な遊技進行が実現できる。
上記においては、4条で払出を行う場合について説明したが、本発明においては、2の正数乗の条数に振り分ける場合であってもよい。この場合にも上記と同様の効果を発現する。なお、4条未満の2の正数乗の条数(2条)に振り分ける場合には、払出速度が低下する。一方、4条を越えて大きい2の正数乗の条数(8条等)に振り分ける場合には、余剰振分パターン情報の情報量が大幅に増加する。したがって、条数は、4条であることが最も好ましい。また、上記においては、2の正数乗の条数に振り分ける場合について説明したが、本発明においては、2の正数乗と異なる定数に振り分けてもよい。なお、この場合には、上記の構成のようにビット演算によって均等振分数や余剰振分数を算出したり、優先振分条を決定したりできなくなるために振分に要する制御負担が増加する。したがって、2の正数乗の条数に振り分けることが好ましい。
上記においては、余剰振分パターン情報を参照して各条の振分数を決定する場合について説明したが、本発明においては、これらの情報を用いずに、払出数を循環順序列に従って各条に1つずつ割り当てる処理を繰り返す構成とすることもできる。この場合であっても、本発明と実質的に同一の効果を奏する。なお、この場合には、払出数を各条に振り分けるために必要な処理回数が増大する。したがって、本形態の構成であることが好ましい。
上記においては、本発明を球式回胴遊技機に適用する場合について説明したが、弾球遊技機の払出装置に適用することもできる。