JP2015180484A - 遊技機 - Google Patents

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大輔 三木
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Abstract

【課題】 遊技機において、一時的な遊技媒体の詰まり等による払出制御の中断とは異なり、継続的に払出を遂行できないような動作不良が発生したことを検知する。
【解決手段】 遊技媒体の払出を複数の払出通路で行う遊技機において、いずれかの払出通路において通過間隔時間が所定の通過許可時間を経過したと判定されたときに（Ｓ４０８：Ｙ）、再通過許可数が所定の未完払出数未満であるか否かを判定し（Ｓ４１８）、再通過許可数が所定の未完払出数以上である場合には再通過許可数を複数の払出通路に振り分け（Ｓ４１２）、所定の未完払出数未満である場合には振分けを行わずに再払出を実行する構成とする。
【選択図】 図３３

Description

本発明は、回胴式遊技機や弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の遊技機において、遊技球の払出を規制する払出規制装置を所定時間にわたって駆動しているにも関わらず払出通路を通過する遊技球が検出されないときには払出動作を再度実行させて、再度の払出動作によって払出通路を通過する遊技球が検出されない場合に球詰まりと判定する遊技機が提案されている（例えば、特許文献１参照）。
特開平２００５−２１６５９号公報
従来の遊技機においては、払出の中断が発生した場合に好適な再度の払出を行えない場合があった。
そこで、本発明に係る遊技機では、払出が中断した場合に再度に好適な払出を行う。
上記の課題を解決するために、本発明に係る遊技機は、
複数の通路における遊技媒体の流下を通路ごとに規制する流下規制手段と、
前記複数の通路を流下する遊技媒体を通路ごとに検出する媒体検出手段と、
遊技進行に伴う払出指示に基づいて遊技媒体の総流下許可数を決定する総流下許可数決定手段と、
前記総流下許可数を前記複数の通路に振り分けて通路ごとの個別流下許可数を決定する振分制御手段と、
前記媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づいて通路ごとの個別流下数を計測する個別流下数計測手段と、
前記個別流下許可数及び前記個別流下数に基づいて、前記流下規制手段による流下規制を通路ごとに制御する流下規制制御手段と、
を含む遊技機であって、
前記媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づいて前記複数の通路に対する総流下数を計数する総流下数計数手段と、
前記複数の通路のいずれかにおいて前記媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づく遊技媒体の流下間隔時間が所定の流下許可時間を経過したかにより遊技媒体の流下が中断したかを判定する流下中断判定手段と、
前記流下中断判定手段による判定に基づいて、前記総流下許可数及び前記総流下数に基づいて決定される再流下許可数が通路数以上である場合であっても通路数未満である場合であっても、中断が発生した通路において少なくとも１球の遊技媒体を流下させるように前記個別流下許可数を再決定する再決定手段と、
を含み、
前記流下規制制御手段は、前記再決定手段による前記個別流下許可数の再決定に基づいて前記流下規制手段を再制御することを特徴としている。
本発明の遊技機であれば、払出が中断した場合に再度に好適な払出を行うことができる。
球式回胴遊技機の一例を表す正面側斜視図。 球式回胴遊技機の一例をブロック単位で開放した状態で表す斜視図。 セレクタの一例を表す斜視図。 セレクタの一例を表す部分分解斜視図。 セレクタ及び上皿球止め部の一例を投入フリッカ及び返却シャッタの通過禁止状態で表す要部拡大縦断面図。 セレクタ及び上皿球抜き操作部の一例を投入フリッカ及び返却シャッタの通過禁止状態で表す部分横断面図。 払出ブロックの一例を表す部分分解斜視図。 払出ブロックにおける遊技球の通過経路の一例を表す背面図。 （Ａ）図がタンクレールの一例を表す上面図であり、（Ｂ）図がタンクレールの一例を表す断面図。 球切れ検出スイッチの近傍の一例を表す縦断面図であって、（Ａ）図が球有り状態を表し、（Ｂ）図が球無し状態を表す。 払出装置の一例を表す縦断面図であって、（Ａ）図が払出動作をしていない状態を表し、（Ｂ）図が払出動作をしている状態を表し、（Ｃ）図が球抜き操作をしている状態を表す。 球溢れ検出スイッチの近傍の一例を表す縦断面図であって、（Ａ）図が正常状態を表し、（Ｂ）図が球溢れ状態を表す。 遊技ブロックの一例を表す部分分解斜視図。 遊技パネルの一例を表す正面図。 回胴ユニットの一例を表す部分分解斜視図。 図柄シールの一例を表す展開図であって、（Ａ）図が左図柄シールを表し、（Ｂ）図が中図柄シールを表し、（Ｃ）図が右図柄シールを表す。 球式回胴遊技機の電気的な構成の一例を表すブロック図。 主制御基板におけるタイマ割込み処理の一例を表すフローチャート。 主制御基板におけるメイン処理の一例を表すフローチャート。 主制御基板のメイン処理おける通常遊技処理の一例を表すフローチャート。 主制御基板の通常遊技処理における変動待機処理の一例を表すフローチャート。 主制御基板における通常遊技処理における回転制御処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板におけるメイン処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板におけるタイマ割込み処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板のタイマ割込み処理におけるコマンド判定処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板のタイマ割込み処理における未検知エラー解除処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板の未検知エラー解除処理における未検知エラー解除動作の一例を概念的に表すタイミングチャート。 払出制御基板のタイマ割込み処理における貯留球確認処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板の貯留球確認処理における貯留球確認動作の一例を概念的に表すタイミングチャート。 払出制御基板のタイマ割込み処理における下皿球確認動作の一例を表すフローチャート。 払出制御基板の下皿球確認処理における下皿球確認動作の一例を概念的に表すタイミングチャート。 払出制御基板のタイマ割込み処理における払出数計数処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板のタイマ割込み処理における払出ソレノイド制御処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板のタイマ割込み処理における払出数振分処理の一例を表すフローチャート。 払出数振分処理で参照される余剰振分パターンデータの一例を表す説明図 払出数振分処理で参照される余剰振分パターンデータのデータ構造の一例を表す説明図。 遊技進行に伴う複数回の払出における払出数振分の推移の一例を説明するための説明図。 払出制御基板のタイマ割込み処理における払出ソレノイド設定処理の一例を表すフローチャート。 再払出動作を経ずに正常に払出を完了する払出制御の一例を概念的に表すタイミングチャート。 再払出動作を経て正常に払出を完了する払出制御の一例を概念的に表すタイミングチャート。 未検知エラーの解除に基づく再払出動作を経て払出を完了する払出制御の一例を概念的に表すタイミングチャート。 払出制御基板のタイマ割込み処理における払出カウント信号設定処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板のタイマ割込み処理における払出中信号設定処理の一例を表すフローチャート。 払出中信号及び払出カウント信号の出力制御の一例を概念的に表すタイミングチャート。 副制御基板におけるメイン処理の一例を表すフローチャート。 副制御基板のメイン処理における受信コマンド確認処理の一例を表すフローチャート。 副制御基板のメイン処理における周期タイマ処理の一例を表すフローチャート。 未検知エラーの発生しない払出制御における払出数振分の推移の一例を表す状態推移図。 未検知エラーの発生しない払出制御における払出数振分の推移の他の一例を表す状態推移図。 未検知エラーの発生する払出制御における払出数振分の推移の一例を表す状態推移図。 未検知エラーの発生する払出制御における払出数振分の推移の他の一例を表す状態推移図。
本発明に係る遊技機は、以下の構成をとる。
手段１．
本発明に係る遊技機は、
供給される遊技媒体を複数の貯留通路に分散させ、かつ前記複数の貯留通路の各々で一列に配列させる配列貯留部（例えば、タンクレール）と、前記配列貯留部で配列させた遊技媒体を貯留通路ごとに貯留する整列貯留部（例えば、ケースレール及び払出装置の待機通路）とを含む貯留手段と、
前記複数の貯留通路に対応する複数の払出通路への前記貯留手段に貯留された遊技媒体の流入を払出通路ごとに規制する通過規制手段（例えば、払出フリッカ及び払出ソレノイド）と、
前記複数の払出通路を流下する遊技媒体を払出通路ごとに検出する媒体検出手段（例えば、払出カウントスイッチ）と、
少なくとも１種類の払出情報を生成する払出情報生成手段（例えば、主制御基板の獲得球払出処理及び球貸装置の貸球入力手段）と、
前記少なくとも１種類の払出情報の種類に基づいて遊技媒体の総通過許可数を決定する総通過許可数決定手段（例えば、払出制御基板の賞球払出数設定処理及び球貸制御処理）と、
前記総通過許可数を前記複数の払出通路に振り分けて払出通路ごとの個別通過許可数を決定する振分制御手段（例えば、払出制御基板の払出数振分処理）と、
前記媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づいて払出通路ごとの個別通過数を計測する個別通過数計測手段（例えば、払出制御基板の第１条〜第４条払出残数更新処理）と、
前記個別通過許可数及び前記個別通過数に基づいて、前記通過規制手段による通過規制を払出通路ごとに制御する通過規制制御手段（例えば、払出制御基板の払出ソレノイド制御処理及び払出ソレノイド設定処理）と、
を含む遊技機であって、
前記媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づいて前記複数の払出通路に対する総通過数を計測する総通過数計測手段（例えば、払出制御基板の総払出残数減算処理）と、
前記媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づいて払出通路ごとの遊技媒体の通過間隔時間を計測する個別通過間隔時間計測手段（例えば、払出制御基板の制御タイマ設定処理、制御タイマ更新処理、制御タイマ解除処理）と、
前記複数の払出通路のいずれかにおいて前記個別通過数が前記個別通過許可数に到達していない場合に前記通過間隔時間が前記所定の通過許可時間を経過したか否かを判定する払出中断判定手段（例えば、払出制御基板の払出中断判定処理）と、
前記払出中断判定手段による肯定判定に応じて、前記総通過許可数及び前記総通過数に基づいて決定される再通過許可数が、所定の未完払出数以上であるか否かを判定する再振分判定手段（例えば、払出制御基板の再振分判定処理）と、
を更に含み、
前記所定の未完払出数が、前記複数の払出通路の通路数以上であり、
前記振分制御手段が、前記再振分判定手段による肯定判定に応じて、前記再通過許可数を前記複数の払出通路に振り分けて前記個別通過許可数を再決定し、
前記通過規制制御手段が、前記再振分判定手段による判定に応じて、前記通過規制を払出通路ごとに再制御することを特徴としている。
本明細書において、「少なくとも１種類の払出情報」は、遊技進行に応じた遊技媒体の賞与に関する払出情報であってもよいし、遊技媒体の貸与に関する払出情報であってもよい。「少なくとも１種類の払出情報」としては、例えば、入賞に基づく遊技媒体の払出を指示するコマンドや遊技媒体の貸与を指示する貸出指示信号が挙げられる。
上記の構成であれば、初払出動作において複数の払出通路のうちいずれかの払出通路で少なくとも１球の払い出しが実行されたにもかかわらず遊技媒体の払い出しが完了しない場合には、再払出動作において、初払出動作で払出が完了しなかった遊技媒体の個数を表す再通過許可数が所定の個数（未完払出数）未満である場合には振分制御手段による個別通過許可数の再決定が実行されず、再通過許可数が所定の個数以上である場合には振分制御手段による個別通過許可数の再決定が実行される。つまり、再払出動作において、払い出しが完了しなかった払出通路によって少なくとも１球の遊技媒体の払出を確実に行わせることとなる。これによって、継続的に払出が行えないような動作不良が発生している場合には、動作異常を解消するための管理者の操作が行われたとしても最終的に払出が完了しない状態となり、その状態が継続する。一方、遊技媒体の詰まりや供給不足等により発生する軽微な動作異常である場合には、管理者の操作等によって動作異常が解消されると払出が完了する。したがって、動作不良の発生を確実に動作異常の場合と区別して検知できる。また、上記の構成であれば、再通過許可数が所定の個数以上である場合には、再払出動作において複数の払出通路で協同して再通過許可数の遊技媒体が投入されるために再払出動作に要する時間を短縮できる。
手段２．
上記の手段１の遊技機において、
前記払出中断判定手段による肯定判定に応じて、再払出試行数を計数する再払出試行数計数手段（例えば、払出制御基板の再払出試行数設定処理、再払出試行数更新処理）と、
前記払出中断判定手段による肯定判定に応じて、前記再払出試行数が所定の規定再払出試行数に到達しているか否かを判定する払出停止判定手段（例えば、払出制御基板の払出停止判定処理）と、
払出異常を報知する報知手段（例えば、液晶表示装置１０４２）と、
前記払出停止判定手段の肯定判定に応じて、前記報知手段による前記払出異常の報知を制御する払出異常報知制御手段（例えば、払出制御基板の未検知エラー情報更新処理、主制御基板の払出エラー処理、副制御基板のエラーコマンド処理）と、
を更に含むことを特徴としている。
上記の構成であれば、動作不良又は軽微な動作異常が発生した場合にはその発生が報知されるために、それらの発生を迅速に検知できる。これによって、軽微な動作異常を解消する操作等が迅速に実行できることとなり、動作不良の場合には、その操作等に応じても払出が完了しないことによって動作不良の発生を迅速に察知でき、軽微な動作異常である場合には、それを迅速に解消できる。また、通過規制の駆動を複数回繰り返すために、遊技媒体の詰まりによる軽微な動作異常に基づいて払出異常が検知されることを低減でき、軽微な動作異常に基づく遊技進行の中断が抑制できる。これは、遊技媒体の詰まりが発生していたとしても、前回の払出動作中において貯留手段における遊技媒体の貯留状態が変化して遊技媒体の詰まりが解消する場合があり、特に、詰まりが発生している払出通路に隣接する払出通路で遊技球の払出が行われたときにはその詰まりが高頻度で解消されるために、引き続き実行される払出動作において払出が完了するからである。また、通過規制の駆動を所定の回数（規定払出試行数）に限定するために、その検知に要する時間を短縮できる。
手段３．
上記の手段２の遊技機において、
前記払出停止判定手段による肯定判定に応じて、遊技進行を停止させる進行停止手段（例えば、主制御基板の払出エラー処理）と、
遊技進行再開情報を入力する進行再開入力手段（例えば、リセットスイッチ）と、
を更に含み、
前記振分判定手段は、更に、前記遊技進行再開情報の入力に応じて、前記総通過許可数及び前記総通過数に基づいて再決定される前記再通過許可数が所定の未完払出数以上であるか否かを判定することを特徴としている。
上記の構成であれば、遊技進行の再開後の払出動作においても遊技進行の停止前の再払出動作の場合と同様に、遊技進行の停止前の再払出動作において複数の払出通路のうちいずれかの払出通路で遊技媒体の払い出しが完了しない場合に遊技進行の再開後の払出動作において払い出しが完了しなかった払出通路によって少なくとも１球の遊技媒体の払出を行わせるために、動作不良の発生を検知できる。また、上記の構成であれば、払出が完了する前に新たな払出情報が生成されることを防止できることによって、新たな払出情報に基づく遊技媒体の払出が実行されない等の不具合を簡便に防止できる。
手段４．
上記の手段３の遊技機において、
前記再試行数計測手段は、更に、前記遊技進行再開情報の入力に応じて、前記再払出試行数を再設定することを特徴としている。
上記の構成であれば、遊技進行の再開後の再払出動作においても遊技進行の停止前の再払出動作の場合と同様に再払出動作が実行され、遊技媒体の詰まりを解消させる操作がなされたにも関わらず再開時に詰まりが解消されていなかった場合であっても、上記と同様の理由によって払出異常が検知されることを低減でき、軽微な動作異常に基づく遊技進行の中断を抑制できる。
手段５．
上記の手段３〜４の遊技機において、
前記規定再払出試行数が、１回であることを特徴としている。
上記の構成であれば、初払出動作後に一度だけ再払出動作を実行することとなり、軽微な動作異常の場合に払出異常が検知されることを大幅に増加させることなく、複数回の再払出動作実行する場合よりも迅速に動作不良を払出異常として検知できる。これは、複数回の再払出動作を行う場合と１回のみの再払出動作を行う場合とで、動作異常の場合に払出異常が検知される頻度は大幅に変化しないからである。なお、２回目以降の再払出動作においては、再振り分けが実行されない場合が増加し、また、再振り分けが実行されたとしても遊技媒体の詰まりが発生している貯留通路の近隣の貯留通路から払い出される遊技媒体の個数が減少するために、詰まりが自然に解消される可能性が大幅に低くなるからである。
手段６．
上記の手段１〜５の遊技機において、
前記振分手段は、前記総通過許可数及び前記再通過許可数が前記複数の払出通路の通路数よりも大きい場合に、前記複数の払出通路の各々に対応する前記個別通過許可数が１以上となるように前記通過許可数を振り分けることを特徴としている。
上記の構成であれば、総通過許可数が払出通路の通路数よりも多い場合の各払出制御動作の際に、全ての払出通路における動作不良が確認できるために、動作不良の発生を早期に検知できる。なお、払出制御動作とは、初払出動作、再払出動作、リセット復帰後の初払出動作、リセット復帰後の再払出動作等を含む一連の払出動作を意味する。
手段７．
上記の手段６の遊技機において、
前記振分手段は、前記総通過許可数及び前記再通過許可数を前記複数の払出通路に実質的に均等に振り分けることを特徴としている。
ここで、本明細書において「複数の払出通路に実質的に均等に振り分ける」とは、複数の払出通路のうち任意の２つの払出通路に対応する個別通過許可数が１を超えて異ならないように振り分けることを意味する。
上記の構成であれば、各払出通路において払いだされる遊技球の個数が概ね同一となるために、複数の払出通路の全てにおいて遊技球の払い出しが完了するまでの時間が短縮できる。これによって、遊技進行を円滑に行える。
手段８．
上記の手段７の遊技機において、
前記振分手段は、前記総通過許可数及び前記再通過許可数が前記複数の払出通路の通路数の倍数でない場合に、前記複数の払出通路のうち前回の通過許可数の振り分けにおいて前回の余剰振分数が振り分けられなかった払出通路に対して余剰振分数を優先的に振り分けることを特徴としている。
ここで、本明細書において「余剰振分数」とは、総通過許可数を通路数で除した場合の余りを意味する。
上記の構成であれば、総通過許可数が通路数よりも少ない場合の払出が連続した場合であっても、少ない回数の払出制御動作によって、全ての払出通路における動作不良が確認できる。これによって、動作不良の発生を早期に検知できる。
手段９．
上記の手段１〜８の遊技機において、
前記複数の払出通路が、前記少なくとも１種類の払出情報の各々に対応付けられた払出数の最小値以下の個数の払出通路で構成され、
前記振分手段が、前記複数の払出通路のうち任意の２つの払出通路に対応する個別通過許可数が１を超えて異ならないように前記通過許可数を振り分けることを特徴としている。
上記の構成であれば、払出情報の種類に依存せず、各回の払出制御動作において、全ての払出通路における動作不良が確認できるために、動作不良の発生を早期に検知できる。
手段１０．
上記の手段９の遊技機において、
前記少なくとも１種類の払出情報の各々に対応付けられた払出数が５以上であり、
前記複数の払出通路が、４つの払出通路で構成されていることを特徴としている。
上記の構成であれば、払出に関与する構造を大幅に複雑化させることなく、高速に払出を行える。また、貯留手段の配列貯留部において簡便な構造によって４つの払出通路に概ね均等に遊技媒体を分散させることができ、いずれかの整列貯留部に遊技媒体が十分に供給されないことに基づく軽微な動作異常の発生を抑制できる。
手段１１．
上記の手段１〜１０の遊技機において、
前記複数の貯留通路が、複数対の貯留通路で構成され、
前記貯留手段の前記配列貯留部が、遊技媒体を前記複数対の貯留通路に対ごとに実質的に均等に分散させた後に、前記複数対の貯留通路の各々において遊技媒体を貯留通路ごとに実質的に均等に分散させ、
前記遊技機が、前記払出情報生成手段による前記少なくとも１種類の払出情報の生成に応じて、前記整列貯留部に所定の貯留数以上の遊技媒体が貯留されていることを前記複数対の貯留通路の対ごとに検知する貯留検知手段（例えば、球切れ検出スイッチ）を更に含み、
前記振分手段は、前記貯留検知手段が前記複数対の貯留通路の各対において前記所定の貯留数以上の貯留を検知している場合に、前記個別通過許可数を決定することを特徴としている。
上記の構成であれば、段階的に分散させることによって、異なる対の貯留通路に分配された遊技媒体によっていずれかの貯留通路に詰まりが発生することを抑制できる。例えば、複数の貯留通路が第１条〜第４条の貯留通路で構成され、第１条の貯留通路と第２条の貯留通路を一対の貯留通路とし、第３条の貯留通路と第４条の貯留通路を他の一対の貯留通路とする場合であれば、第１条及び第２条の貯留通路近傍に分配された遊技媒体によって第１条又は第２条において、また、第３条及び第４条の貯留通路近傍に分配された遊技媒体によって第３条又は第４条において詰まりが発生する可能性はあるが、第２条及び第３の貯留通路近傍の遊技媒体によっては、第２条及び第３条の貯留通路で詰まりが発生することはない。したがって、詰まりによる軽微な動作異常によって払出異常が検知されることを低減できる。また、各対の貯留通路の少なくとも一方に所定の個数（貯留数）の遊技媒体が貯留されている場合に払出が実行されることによって、詰まりによる軽微な動作異常によって払出異常が検知されることを低減できる。これは、各貯留通路に所定の個数の媒体が貯留されている場合に払出を実行するように構成すると、少なくとも１つの貯留通路において詰まりが発生していれば払出異常として払出が実行されなくなるが、詰まりが発生していたとしても上記の構成であれば一対の貯留通路の一方の貯留通路の払出の進行に伴い他方の貯留通路の詰まりが高頻度で解消するからである。
本発明に係る遊技機の最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機が遊技球体を遊技媒体とする回胴式遊技機（以下、「球式回胴遊技機」と称す）である場合を挙げるが、遊技球体やコイン等を遊技媒体とする遊技機一般に適用できる。また、回胴式遊技機であっても、以下で説明する具体的な形態には限定されず、本発明の主旨から逸脱しない限りにおいて、その設計を適宜に変更してもよい。
本実施形態の球式回胴遊技機の構成について説明する。図１は球式回胴遊技機の一例を表す正面図であり、図２は球式回胴遊技機の内部構成をブロック単位で開放した状態で示す斜視図である。
図１又は図２に示すように、球式回胴遊技機１０１０は、球式回胴遊技機１０１０の外殻を形成する外枠１０１１と、この外枠１０１１の一側部に開閉可能に支持されたドアブロック１０１２とを備えている。ドアブロック１０１２は、外枠１０１１に対してヒンジ１０１３，１０１３によって開閉可能に取り付けられており、その開閉軸線は球式回胴遊技機１０１０の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてドアブロック１０１２が前方側に十分に開放できる。ドアブロック１０１２は、図２に示すように、球式回胴遊技機１０１０の前面を構成する前面ブロック１０２０と、前面ブロック１０２０に対して後方側へ開閉可能に取着された払出ブロック１０３０と、前面ブロック１０２０に対して後方側へ開閉可能に取着され、前面ブロック１０２０及び払出ブロック１０３０にて被包される遊技ブロック１０４０とからなる。
（前面ブロックの構成）
前面ブロック１０２０は、図２に示されたように、前面パネル１１００、前面ブロック枠１２００、回胴表示パネル１０２２、表示パネル押え枠１０２４、上皿ユニット１３００（図１参照）、及び、セレクタ１４００（遊技球投入装置）を備える。
前面パネル１１００は、図１に示されたように、遊技ブロック１０４０（図２参照）の前面に設けられた遊技領域を露出するための窓孔１１０２を有し、窓孔１１０２を囲むようにして上効果ＬＥＤカバー部１１０４、上スピーカ部１１０６，１１０６、右中効果ＬＥＤカバー部１１０８、左中効果ＬＥＤカバー部１１１０、中央パネル部１１１２、操作パネル部１１２２等が配設されている。
前面パネル１１００の上効果ＬＥＤカバー部１１０４、右中効果ＬＥＤカバー部１１０８及び左中効果ＬＥＤカバー部１１１０は、それぞれ前面パネル１１００の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード（ＬＥＤ）等の発光装置を覆っている。この発光装置は、遊技の進行に伴い点灯したり、点滅したりして遊技の視覚的演出を行う。上スピーカ部１１０６，１１０６は、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりして遊技の聴覚的演出を行う。
前面パネル１１００の中央パネル部１１１２は、無色透明のガラスで構成され、所定の入賞条件及び当該入賞条件を満たした場合に払い出される遊技球の個数（賞球数）や遊技方法などが記載された図示しない情報掲載パネルを視認できる窓である。情報掲載パネルの表示内容を見やすくするために、中央パネル部１１１２の奥側には蛍光灯１０４１ｋ（図１４参照）が設置される。中央パネル部１１１２の左側方には１ベットボタン１１１４が配設されている。中央パネル部１１１２の右側方には汎用ボタン１１１６，１１１８が配設されている。汎用ボタン１１１６，１１１８は例えば遊技モードの切替えや液晶画面における表示モードの切替えなど、遊技機の機種ごとにその用途を適宜設定可能なボタンである。中央パネル部１１１２の汎用ボタン１１１６等よりもさらに右側方には、前面ブロック開閉用のドアキーシリンダ１２０２の前面（鍵穴）を露出させるキーシリンダ挿通孔１１２０を設けてある。また、中央パネル部１１１２の下方には、前方側へ突出した操作パネル部１１２２が配設されている。
前面パネル１１００の操作パネル部１１２２には、図１の左側から順に、後述する回胴Ｌ，Ｍ，Ｒ（図１５参照）の回転を開始させるための始動レバー１１２４と、左回胴Ｌの回転を停止させるための左回胴停止ボタン１１２６Ｌと、中回胴Ｍの回転を停止させるための中回胴停止ボタン１１２６Ｍと、右回胴Ｒの回転を停止させるための右回胴停止ボタン１１２６Ｒと、上皿１３０２から下皿１１２８へ遊技球を流す操作をするための返却レバー１３８６を露出させるための小窓孔１１３０とを設けてある。始動レバー１１２４は、遊技者がゲームを開始するときに手で押下して操作するレバーであり、手が離れた後に元の位置に自動復帰する。所定数の遊技球がベットされているときに始動レバー１１２４が操作されると、各回胴Ｌ，Ｍ，Ｒが一斉に回転し始める。始動レバー１１２４の基端部上方には、各回胴Ｌ，Ｍ，Ｒの回転準備が整った状態、つまり所定数の遊技球がセレクタ１４００（図２参照）にて取り込まれ、始動レバー１１２４の操作受付可能な状態を報知するための始動レバーＬＥＤ（図示せず）を埋設してある。また、各回胴停止ボタン１１２６Ｌ，１１２６Ｍ，１１２６Ｒの周囲には、それらの操作受付可能な状態を報知するための回胴停止ボタンＬＥＤ１３４Ｌ，１３４Ｍ，１３４Ｒを埋設してある。各回胴停止ボタンＬＥＤ１１３４Ｌ，１１３４Ｍ，１１３４Ｒは、それぞれ対応する回胴Ｌ，Ｍ，Ｒが等速回転しているときに点灯し、対応する回胴Ｌ，Ｍ，Ｒの回転が停止すると消灯する。操作パネル部１１２２の下方には、遊技球を貯留するための下皿１１２８が配設されている。
下皿１１２８の奥面には、前面ブロック枠１２００に設けた下スピーカ部１２０４（図２参照）を覆う下スピーカカバー部１１３６と、上皿１３０２から下皿１１２８へ流れてくる遊技球の出口となり、かつ、後述する払出装置１０３３（図７参照）から直接遊技球が払い出されてくることもある下皿払出口１１３８とを設けてある。また、下皿１１２８の前面下部には、下皿１１２８から下皿１１２８の下方に配置した図示しない遊技球収容ケース（いわゆるドル箱）に遊技球を落とす操作をするための下皿球抜きレバー１１４０を設けてある。下皿球抜きレバー１１４０にて閉塞板１１４４をスライド操作して開口部１１４２を開口させることによって、下皿１１２８から遊技球を落下させることができる。また、下皿１１２８の左側方には灰皿１１４６を設けてある。操作パネル部１１２２及び下皿１１２８の両側には、それぞれ左下効果ＬＥＤカバー部１１４８及び右下効果ＬＥＤカバー部１１５０を設けてある。左下効果ＬＥＤカバー部１１４８及び右下効果ＬＥＤカバー部１１５０は、それぞれ前面パネル１１００の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード等の発光装置を覆っている。
前面ブロック枠１２００は、図２に示すように、前面パネル１１００よりも若干小さい矩形状の枠体で、前面パネル１１００の裏側にネジ止めされる。前面ブロック枠１２００の下部には聴覚的演出用の下スピーカ部１２０４を取り付けてある。上下にスピーカ部１１０６（図１参照）及びスピーカ部１２０４を設けることで臨場感あふれる聴覚的演出を行うことができる。また、前面ブロック枠１２００にはドア開閉機構１２０８を設けてある。ドア開閉機構１２０８を構成するドアキーシリンダ１２０２（図１参照）に図示しない鍵を挿入して右側へ回転させると、外枠１０１１に対して係止する係止爪１２１０，１２１０が下方向に回動し、外枠１０１１に対する係止が解除される。逆に、ドアキーシリンダ１２０２に図示しない鍵を挿入して左側へ回転させると、払出ブロック１０３０に対して係止する係止爪１２１２，１２１２が下方向に回動し、払出ブロック１０３０に対する係止が解除される。また、前面ブロック枠１２００には、下皿払出口１１３８に連なる誘導通路１２１４が設けられている。
回胴表示パネル１０２２は、無色透明のガラス板で、前面パネル１１００の窓孔１１０２の形状に対応した形状の略台形状とされる。表示パネル押え枠１０２４は、前面パネル１１００との間に回胴表示パネル１０２２を介在させて前面ブロック枠１２００にネジ止めされる。表示パネル押え枠１０２４は、回胴表示パネル１０２２の形状に対応した略台形状とされ、所定の奥行きをもって形成される。つまり、前面パネル１１００の窓孔１１０２が中央パネル部１１１２よりも前方に張り出しており、この張り出し長さに対応した奥行きをもって形成される。
上皿ユニット１３００は、図１に示されたように、遊技球を貯留する上皿１３０２を有する部材で、中央パネル部１１１２と操作パネル部１１２２の間の開口を閉塞するように、操作パネル部１１２２の裏側に取り付けられる。上皿ユニット１３００は、上皿ユニット本体１３２０と、球貸装置１３５０と、上皿球止め部１３６０（図５参照）と、上皿球抜き操作部１３８０から構成される。
上皿ユニット本体１３２０は、上記の如く上皿１３０２を有する部材で、所望の深さでかつ図示上左側から右側へと下る傾斜をもって形成される。上皿１３０２の下流側部分（球貸装置３５０の下方）には、複数（例えば３つ）に分岐した遊技球案内路１３２２（図５参照）を設けてある。遊技球案内路１３２２は、遊技球を整列状態にしてセレクタ１４００（図５参照）へ順次案内する。
球貸装置１３５０は、度数表示部１３５２、球貸出ボタン１３０６、球貸出ボタンＬＥＤ（図示せず）、球貸出スイッチ（図示せず）、カード返却ボタン１３０８及びカード返却スイッチ（図示せず）を備える。度数表示部１３５２は、球式回胴遊技機１０１０に隣接して配置される図示しないＣＲユニットにカードを挿入することで当該カードの残額に相当する度数を表示する。球貸出ボタン１３０６、遊技球の貸し出し操作を行うためのボタンである。球貸出スイッチ１３５６は、球貸出ボタン１３０６による貸し出し操作を検出するスイッチである。球貸出ボタンＬＥＤ１３５４は、遊技球の貸し出しを行える状態であることを点灯により遊技者に報知し、また、遊技球の貸し出しを行っているときには、球貸出ボタンＬＥＤ１３５４を点滅させて、遊技球の貸し出しを行っている最中であることを報知する。球貸出ボタンＬＥＤ１３５４の点灯中に球貸出ボタン１３０６が操作されると、所定数の遊技球が上皿１３０２に貸し出されることとなる。なお、球貸出ボタンＬＥＤ１３５４点滅状態のときには球貸出ボタン１３０６の操作を受け付けない構成とされる。カード返却ボタン１３０８は、ＣＲユニットに挿入されているカードの返却操作を行うためのボタンである。カード返却スイッチは、カード返却ボタン１３０８による返却操作を検出するスイッチである。カード返却ボタン１３０８が操作されると、ＣＲユニットからカードが返却される。
上皿球抜き操作部１３８０は、球式回胴遊技機１０１０の前面側に露出された球抜きレバー１３８６（図６参照）と、球式回胴遊技機１０１０の内部側に設けられたレバー操作伝達機構とを備える。球抜きレバー１３８６の操作に応じて、レバー操作伝達機構がセレクタ１４００の返却シャッタ１４２０（図６参照）を移動させる。これにより、上皿１３０２に貯留された遊技球が下皿１１２８に払い戻されることとなる。
上皿球止め部１３６０は、遊技球案内路１３２２の下側に取り付けられ、遊技球案内路１３２２からセレクタ１４００への入口を開閉するものである。詳しくは、上皿球止め部１３６０は、故障等によりセレクタ１４００を取り替える必要が生じたときに、セレクタ１４００を取り外しても、上皿１３０２から遊技球が毀れ落ちないようにする。
セレクタ１４００は、上皿１３０２及びセレクタ１４００の上面に貯留されている遊技球を、１ベットボタン１１１４（図１参照）及びマックベットボタン１３０４（図１参照）の操作に応じて所定数だけ球式回胴遊技機１０１０の内部に取り込んだり、上皿球抜き操作部１３８０の操作に応じて下皿１１２８（図１参照）に払い戻したりする。図３は、セレクタの一例を表す斜視図であり、図４は、セレクタの一例を表す部分分解斜視図である。具体的には、セレクタ１４００は、図３及び図４に示されたように、上皿１３０２の複数の遊技球案内路１３２２（図５参照）に１つずつ対応した複数の遊技球投入部１４１０ａ，１４１０ｂ，１４１０ｃと、上皿１３０２から下皿１１２８への遊技球の流下を規制する返却シャッタ１４２０と、返却シャッタ１４２０の基準位置からの並進移動を検知する返却スイッチ１４４１が設けられた返却スイッチ基板１４４０と、中空突出部１４０８を含み返却シャッタ１４２０の一端及び返却スイッチ基板１４４０を被覆する基板カバー１４５０と、中空突出部１４８０の内部に配置され返却シャッタ１４２０を基準位置に戻すコイルバネ（図示せず）と、主制御基板１０４５ａと複数の遊技球投入部１４１０ａ，１４１０ｂ，１４１０ｃとの間の電気信号の伝達を中継するセレクタ中継端子板１４６２及びセレクタ中継端子板１４６２を被覆する中継端子板カバー１４６４を含むセレクタ中継装置１４６０とを備えている。このセレクタ１４００は、ベット操作に応じた所定数の遊技球を複数の遊技球投入部１４１０ａ，１４１０ｂ，１４１０ｃに分散させて同時に投入することによって、単一の遊技球投入部のみを備える場合に比べて投入動作（ベット動作）を迅速に行える。
ここで、上皿球抜き操作部１３８０、上皿球止め部１３６０及びセレクタ１４００について詳細に説明する。図５は、セレクタ１４００及び上皿球止め部１３６０の一例を後方側から見た縦断面図である。図６は、セレクタ１４００及び上皿球抜き操作部１３８０の一例の一部横断面図である。図５及び図６には、投入フリッカ及び返却シャッタが通過禁止状態である場合が示されている。なお、以下において、遊技球投入部１４１０ｂ，１４１０ｃは、遊技球投入部１４１０ａと略同一の構成であるため、その詳細な説明を省略する。
上皿球止め部１３６０は、図５に示されたように、ケーシング１３６１と、ケーシング１３６１に９０度の回転範囲内で回動自在に設けられた軸部材１３６２と、軸部材１３６２の端に設けられた図示しない操作ハンドルと、軸部材１３６２の回動に応じて移動自在な開閉部材１３６３とを備えている。軸部材１３６２は、操作ハンドルと反対側の先端に、周方向に概ね９０度の間隔を隔てて形成された押圧部１３７５ａ，１３７５ｂを備える。各押圧部１３７５ａ，１３７５ｂは舌片状に形成され、それぞれ軸部材１３６２の半径方向に突出している。開閉部材１３６３は、複数の貯留通路１４０２の各々を閉じるための複数の閉塞部１３７６と、開閉部材を移動させる応力を受ける被押圧部１３７８ａ、１３７８ｂとを備える。
図５に示された状態は、押圧部１３７５ａが被押圧部１３７８ａを押圧して開閉部材１３６３が右側に移動させられている状態であり、この状態において、複数の貯留通路１４０２の各々への遊技球の流入が許可される。図５に示された状態から操作ハンドルの操作により軸部材１３６２が図５の紙面上方から見て時計回りに回転させられると、押圧部１３７５ｂが略水平方向を向いて開閉部材１３６３の被押圧部１３７８ｂを押圧する。これにより、開閉部材１３６３が左側に移動して、閉塞部１３７６が貯留通路１４０２の入口の大きさが狭まる。この状態において、複数の貯留通路１４０２の各々への遊技球の流入が禁止される。なお、この状態においては、上皿１３０２及び遊技球案内路１３２２に遊技球が貯留された状態でセレクタ１４００を取り外してもそれらの遊技球は毀れ落ちない。逆に、この状態から操作ハンドルの操作により軸部材１３６２が反時計回りに回転させられると、複数の貯留通路１４０２の各々への遊技球の流入が許可される。
上皿球抜き部１３８０は、図６に示されたように、ＣＲ操作表示部１３５０（図１参照）を介して上皿ユニット本体１３２０（図１参照）の下側に取り付けられるベース部１３８１と、ベース部１３８１に立設した支軸１３８２，１３８３を中心に回動する回動片１３８４及び押圧片１３８５と、ベース部１３８１の前面に沿ってスライドする返却レバー１３８６とを有する。回動片１３８４の基部１３８４ａには返却レバー１３８６に枢着される連結部１３８４ｂを設けてある。また、回動片１３８４の基部１３８４ａは、コイルバネ１３８７を介してベース部１３８１に連結される。回動片１３８４の先端部には二又状の把持部１３８４ｃを設けてある。把持部１３８４ｃは、押圧片１３８５の基部１３８５ａに設けた凸部１３８５ｂを摺動自在に把持する部位である。押圧片１３８５の先端部には、セレクタ１４００の返却シャッタ１４２０を押圧する押圧部１３８５ｃを設けてある。セレクタ１４００の中空突出部１４０８には、返却シャッタ１４２０を押圧片１３８５側へ押圧するコイルバネを格納してある。
図６に示された状態は、返却レバー１３８６が操作されていない状態である。つまり、コイルバネ１３８７にて回動片１３８４が反時計回りに引っ張られると共に、回動片１３８４にて押圧片１３８５が時計回りに引っ張られて、押圧部１３８５ｃが返却シャッタ１４２０の片端部から離れている状態である。この状態では、返却シャッタ１４２０は中空突出部１４０８の内部に配置されたコイルバネ１４３０の付勢力により基準位置にある。この状態から返却レバー１３８６を摘んで図の下向き（実際には球式回胴遊技機１０１０の正面から見て右側から左側）に動かすと、返却レバー１３８６に随伴して回動片１３８４が時計回りに回転すると共に、回動片１３８４にて押圧片１３８５が反時計回りに回転させられ、押圧部１３８５ｃが返却シャッタ１４２０を押圧する。これによって返却シャッタ１４２０が移動する。この状態で返却レバー１３８６から手を離すと、中空突出部１４０８に配置されたコイルバネの付勢力によって返却シャッタ１４２０が前方側へ押圧され、図６に示された状態に戻る。
セレクタ１４００は、上記で図３及び図４を参照して説明したように、複数の遊技球投入部１４１０ａ，１４１０ｂ，１４１０ｃと、返却シャッタ１４２０と、返却スイッチ基板１４４０と、基板カバー１４５０と、返却シャッタ１４２０を基準位置に戻すコイルバネ（図示せず）と、セレクタ中継装置１４６０とを備えている。
セレクタ１４００の遊技球投入部１４１０ａは、図３及び図４に示されたように、ケーシング１４１１とカバー１４１２からなる樹脂製の筐体を備える。ケーシング１４１１の外表面は、隣接する遊技球投入部１４１０ｂのカバー１４１２に対する取付面になっており、遊技球投入部１４１０ａのカバー１４１２の外表面は、基板カバー１４５０に対する取付面になっている。ケーシング１４１１とカバー１４１２とを組み付けると、貯留通路１４０２を構成する樋状部１４１７が形成される。遊技球投入部１４１０ａは、この筐体の内部に、図５に示されたように、投入フリッカ１４１３ａと、投入ソレノイド１４１４ａと、通過センサ１４１５ａと、カウントセンサ１４１６ａとを備える。また、遊技球投入部１４１０ａの内部には、貯留通路１４０２の下流側には、斜め下方へ延びる案内通路１４０４と、ほぼ鉛直下向きに延びる排出通路１４０６とが形成されている。
投入フリッカ１４１３ａは、貯留通路１４０２から排出通路１４０６への遊技球の流入を規制する。投入フリッカ１４１３ａは、基端側部分１４１３ａ１と先端側部分１４１３ａ２が支軸１４１３ａ３にて回転可能に連結されている。投入フリッカ１４１３ａの基端側部分１４１３ａ１及び先端側部分１４１３ａ２は、それぞれケーシング１４１１ａの支軸１４１１ａ１，１４１１ａ２にて回転可能に支持される。投入フリッカ１４１３ａの基端部には、投入ソレノイド１４１４ａの舌片１４１４ａ１を把持する把持部１４１３ａ４を設けてある。また、投入フリッカ１４１３ａの先端部には、排出通路１４０６ａを開閉するための開閉部１４１３ａ５を設けてある。
投入ソレノイド１４１４ａは、ベットボタン１１１４，１３０４の操作により通電されて作動し、ピストン（プランジャ）１４１４ａ２を上方へ縮まらせるものである。ピストン１４１４ａ２の先端には、つまみ部１４１４ａ３を装着してある。つまみ部１４１４ａ３はピストン１４１４ａ２の半径方向に延びる上記舌片１４１４ａ１を有する。また、ピストン１４１４ａ２には、コイルバネ１４１４ａ４を外装してある。コイルバネ１４１４ａ４は、投入ソレノイド１４１４ａの本体部分１４１４ａ５とつまみ部１４１４ａ３とを離間させる方向に付勢している。つまり、投入ソレノイド１４１４ａへの通電を切ったときに、コイルバネ１４１４ａ４の付勢力により、ピストン１４１４ａ２が下方へ伸びるようになっている。
ベットボタン１１１４，１３０４を押すと投入ソレノイド１４１４ａに通電され、ピストン１４１４ａ２が縮まって投入フリッカ１４１３ａの基端側部分１４１３ａ１を図示上反時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ１４１３ａの先端側部分１４１３ａ２は図示上時計回りに回転して排出通路１４０６ａを開き、貯留通路１４０２ａに待機している遊技球が自然落下可能な状態（通過許可状態）となる。逆に、投入ソレノイド１４１４ａの通電を切ると、コイルバネ１４１４ａ４の付勢力によりピストン１４１ａ２が伸びて投入フリッカ１４１３ａの基端側部分１４１３ａ１を図示上時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ１４１３ａの先端側部分１４１３ａ２は図示上反時計回りに回転して開閉部１４１３ａ５にて排出通路１４０６ａを閉じ、遊技球が自然落下不可能な状態（通過禁止状態）となる。
通過センサ１４１５ａは、排出通路１４０６ａであって投入フリッカ１４１３ａの開閉部１４１３ａ５のすぐ下流側に配置され、遊技球が正常に取り込まれたか否かを検知するためのものである。通過センサ１４１５ａは、投入フリッカ１４１３ａの先端側部分１４１３ａ２を取り囲むように横断面略コ字形状とされ、投入フリッカ１４１３ａよりも前面側又は背面側のいずれか一方側に発光素子を設け、他方側に受光素子を設けた構成とされる。また、発光素子及び受光素子はそれぞれ上下一対でかつ遊技球１個分の径よりも短い間隔で設けてある。上側の素子１４１５ａ１にて遊技球を検知したのち上側及び下側の素子１４１５ａ１，１４１５ａ２にて同時に遊技球を検知し、次いで下側の素子１４１５ａ２のみ遊技球を検知することが所定時間内に行われたときは、遊技球が正規に取り込まれたと判定される。逆に、上側の素子１４１５ａ１にて遊技球を検知したのち所定時間経過しても下側の素子１４１５ａ２が遊技球を検知しないときや、下側の素子１４１５ａ２にて遊技球を検知したのち上側及び下側の素子１４１５ａ１，１４１５ａ２にて同時に遊技球を検知し、次いで上側の素子１４１５ａ１のみ遊技球を検知したときは、遊技球が不正な手段にて投入されたと判定し、球式回胴遊技機１０１０にエラーが発生した旨を報知すると共に遊技が禁止されるようになっている。故に、例えば、不正具を用いてあたかも遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為が防止できるようになっている。通過センサ１４１５ａにて正常な通過を検知した遊技球の個数が遊技球投入部１４１０ａにて投入される投入予定数よりも１つ少ない状態（例えば４個、９個又は１４個）で上側素子１４１５ａ１が最終の遊技球を検知した場合に、投入ソレノイド１４１４ａの通電が切られ、投入フリッカ１４１３ａの開閉部１４１３ａ５が排出通路１４０６に突出し、貯留通路１４０２から排出通路１４０６への遊技球の構成になっている。
カウントセンサ１４１６ａは、遊技球投入部１４１０ａにて投入された遊技球を通過センサ１４１５ａとは別個に計数する。カウントセンサ１４１６ａは、通過センサ１４１５ａとは異なる作用によって遊技球の通過を検出する。カウントセンサ１４１６ａによって計数された遊技球の個数が通過センサ１４１５ａによって正常な通過と判定された遊技球の個数未満である場合には、ベットエラーとされることとなる。これにより不正行為を更に防止できるようになっている。具体的には、通過センサ１４１５ａは光学センサであるが、カウントセンサ１４１６ａは磁気センサである。カウントセンサ１４１６ａとして磁気センサを用いた場合、通過したものが鉄材料であるか否かを判定できる。これにより、正常な遊技球と異なる安価な樹脂製の遊技球等が投入することによって遊技を行う不正行為を更に良好に防止できる。
返却シャッタ１４２０は、複数の遊技球案内路１３２２の各々に１つずつ対応した複数の窓孔１４２２を有し、各窓孔１４２２の側方に各貯留通路１４０２と案内通路１４０４ａ，１４０４ｂ，１４０４ｃを遮断する遮断壁１４２４ａ，１４２４ｂ，１４２４ｃを有する。また、各窓孔１４２２ａ，１４２２ｂ，１４２２ｃの下部には貯留通路１４０２ａ，１４０２ｂ，１４０２ｃ側へ延在する舌片１４２６ａ，１４２６ｂ，１４２６ｃを設けてある。各舌片１４２６ａ，１４２６ｂ，１４２６ｃは、貯留通路１４０２ａ，１４０２ｂ，１４０２ｃから各窓孔１４２２ａ，１４２２ｂ，１４２２ｃに遊技球を案内する部位である。返却レバー１３８６が操作されていない場合には、返却シャッタ１４２０は基準位置にあり、返却シャッタ１４２０の遮断壁１４２４にて複数の貯留通路１４０２の各々から複数の案内通路１４０４への遊技球の流入が禁止されている。一方、返却レバー１３８６が操作されて返却シャッタ１４２０の押圧部１３８５ｃが押圧されると、返却シャッタ１４２０が基準位置から移動し、返却シャッタ１４２０の各窓孔１４２２ａ，１４２２ｂ，１４２２ｃを介しての貯留通路１４０２から案内通路１４０４への遊技球の流入が許可される。これによって、遊技球が上皿１３０２から案内通路１４０４ａ，１４０４ｂ，１４０４ｃを経て下皿１１２８へ流れる。このとき、返却シャッタ１４２０の基準位置からの移動が返却スイッチ基板１４４０の返却スイッチ１４４１（図４参照）にて検知され、この検知結果に基づき、１ベットボタン１１１４及びマックスベットボタン１３０４の操作受付を不能にする状態が発生する。
セレクタ中継端子板１４６２は、通過センサ１４１５ａやカウントセンサ１４１６ａの検出結果を後述する主制御装置１０４５に送信するものである。
（払出ブロックの構成）
払出ブロック１０３０は、図２に示されたように、前面ブロック１０２０に対して開閉自在に取り付けられている。払出ブロック１０３０の開閉軸線は球式回胴遊技機１０１０の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして払出ブロック１０３０が後方側に十分に開放できるようになっている。払出ブロック１０３０は、ドア開閉機構１２０８にて前面ブロック１０２０とロックされる。詳しくは、ドア開閉機構１２０８の係止爪１２１２，１２１２が払出ブロック１０３０の係合部１０３１ａ，１０３１ａに係止しており、図示しないドアキーをドアキーシリンダ１２０２に差し込んで左に回転させることで係止爪１２１２，１２１２の係止を解除する構成とされる。また、払出ブロック１０３０は、ワンタッチ式の止め具１０３１ｂを有し、この止め具１０３１ｂによっても前面ブロック１０２０と連結される。
図７は払出ブロック１０３０の一例を表す部分分解斜視図であり、図８は払出ブロックにおける遊技球の通過経路の一例を表す背面図である。払出ブロック１０３０は、図７に示されたように、払出ブロック本体１０３１に、貸球用及び賞球用としての遊技球を貯留する遊技球タンク１０３２と、遊技球を払い出す払出装置１０３３と、遊技球タンク１０３２から払出装置１０３３へと遊技球を案内するタンクレール１０３４及びケースレール１０３５と、払出中継端子板１０３６と、遊技球の払出動作を制御する払出制御装置１０３７と、遊技球の電源を制御する電源制御装置１０３８と、球式回胴遊技機１０１０を前記ＣＲユニットに接続するためのＣＲユニット接続端子板１０３９とを取り付けた構成とされる。
払出ブロック本体１０３１は、その中央に後方側へ張り出して遊技ブロック１０４０（図２参照）を被包する保護カバー部１０３１ｃと、この保護カバー部１０３１ｃを取り囲むように、遊技球タンク１０３２、タンクレール１０３４、ケースレール１０３５、払出装置１０３３、払出中継端子板１０３６、ＣＲユニット接続端子板１０３９、払出制御装置１０３７及び電源制御装置１０３８が装着されている。また、払出ブロック本体１０３１には、図８に示されたように、払出装置１０３３から遊技球を上皿１３０２へ案内する上皿誘導通路１０３１ｄと、払出装置１０３３から遊技球を下皿１１２８へ案内する下皿誘導通路１０３１ｅと、払出装置１０３３から遊技球を球式回胴遊技機１０１０の外部へ排出する排出通路１０３１ｆが形成されている。下皿誘導通路１０３１ｅは、上皿誘導通路１０３１ｄが遊技球で溢れたときに、払出装置１０３３から遊技球が導入される。上皿誘導通路１０３１ｄ及び下皿誘導通路１０３１ｅは、それぞれ、上皿払出口（図示せず）及び下皿払出口１１３８（図１参照）に連通している。
払出ブロック本体１０３１には、回転軸部１０３１ｇは上下一対で設けてある。各回転軸部１０３１ｇは、払出ブロック本体１０３１からブラケット１０３１ｈが略水平方向に延び出しており、このブラケット１０３１ｈから下方に突出している。前面ブロック１０２０には、この回転軸部１０３１ｇを落とし込む環状の軸受部（図示せず）を設けてあり、前面ブロック１０２０と払出ブロック１０３０の着脱が容易な構成となっている。
遊技球タンク１０３２は、上方に開口した横長の箱型容器で、遊技機設置島内の遊技球循環設備から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク１０３２の底部は緩やかに傾斜している。遊技球タンク１０３２の底部の下流側端部はタンクレール１０３４へ遊技球を送るために開口している。
遊技球タンク１０３２の下方にはタンクレール１０３４が取り付けられている。図９（Ａ）及び図９（Ｂ）は、それぞれ、タンクレールの一例を表す上面図及び断面図である。タンクレール１０３４は、図９（Ａ）及び図９（Ｂ）に示されたように、仕切り片１０３４ｄ，１０３４ｅによって仕切られた４列（４条）の樋状通路（〔配列貯留部〕の一部：〔貯留通路〕の一部）を有する。各樋状通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜している。タンクレール１０３４には、遊技球が積み重なって流れないように整流する４つの振り子１０３４ａ，１０３４ｂが２行２列で取り付けられている。振り子１０３４ａ，１０３４ｂの下流側には、タンクレール１０３４からケースレール１０３５へ遊技球が流れるのを阻止するための球止めレバー１０３４ｃが取り付けられている。
ケースレール１０３５は、タンクレール１０３４の下流側に縦向きに配置されている。ケースレール１０３５は、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって前後左右に湾曲した球通路（〔整列貯留部〕の一部：〔貯留通路〕の一部）１０３５ａを有し、球通路の上流側には、球切れ検出スイッチ１０３５ｂが組み付けられている。球切れ検出スイッチ１０３５ｂは、ケースレール１０３５の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール１０３５よりも上流側で球詰りが発生してケースレール１０３５に遊技球が十分に補給されていないことを検出する。図１０（Ａ）及び図１０（Ｂ）は、球切れ検出スイッチの近傍の一例を表す縦断面図であって、図１０（Ａ）が球有り状態を表し、図１０（Ｂ）が球無し状態を表す。この球切れ検出スイッチ１０３５ｂの検出結果に基づき、図１０（Ｂ）に示されたように球無し状態である場合には球切れエラーが報知される。なお、ケースレール１０３５は、タンクレール１０３４の樋状通路の個数に対応して前後方向に複数（例えば４つ）連結させた状態で配設してある。
払出装置１０３３は、所定の入賞条件を満たすこと又は図示しないＣＲユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン１３０６（図１参照）を押すことで、遊技球を払い出す。本実施形態では、一般的な弾球遊技機の最大の賞球数が１５球であるのに対し、球式回胴遊技機１０１０の最大の賞球数は７５球であり、弾球遊技機に比べて球式回胴遊技機１０１０の最大の賞球数が多いという観点から、弾球遊技機よりも払出装置１０３３を多く設け、賞球の払い出しを迅速に行えるようにしている。つまり、弾球遊技機は２つの払出装置１０３３を備えていれば遊技を迅速に進行できたが、球式回胴遊技機１０１０の場合は賞球数が多くかつ賞球が全て払い出されなければ次のゲーム（単位遊技）を開始できないという制約があるので、本実施形態では、４つの払出装置１０３３を前後方向に併設して賞球の払い出しの迅速化を図り、遊技を遅滞なく進行できるようにしてある。
取付台１０３６ａ，１０３６ｂは、２つ割りの構成とされ、上皿誘導通路１０３１ｄ及び下皿誘導通路１０３１ｅに連なる球通路１０３６ａ１，１０３６ｂ１を有し、右側に排出通路１０３１ｆに連なる球通路１０３６ａ２，１０３６ｂ２を有する。一方の球通路１０３６ａ１，１０３６ｂ１の上部は、それぞれ上皿誘導通路１０３１ｄ側にやや傾いて下皿誘導通路１０３１ｅよりも上皿誘導通路１０３１ｄに遊技球を導きやすくなっている。また、一方の球通路１０３６ａ１，１０３６ｂ１の下部は、上皿誘導通路１０３１ｄ及び下皿誘導通路１０３１ｅを跨ぐように、テーパー状に末広がりとなっている。他方の球通路１０３６ａ２，１０３６ｂ２は、背面側の球通路１０３６ａ２が前面側の球通路１０３６ｂ２に合流し、前面側で排出通路１０３１ｆに連なるよう構成されている。
図１１（Ａ）〜（Ｃ）は払出装置の構成の一例を示す縦断面図である。図１１（Ａ）が払出中でない場合、図１１（Ｂ）が上皿へ遊技球を払出中である場合、図１１（Ｃ）が遊技機の外部へ遊技球を排出中である場合を表している。
払出装置１０３３は、図１１（Ａ）に示されたように、ケーシング１０３３ａと図示しないカバーからなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、払出フリッカ（〔通過規制手段〕の一部）１０３３ｂと、払出ソレノイド（〔通過規制手段〕の一部）１０３３ｃと、切換片１０３３ｇとを備えている。ケーシング１０３３ａの内部には、待機通路（〔整列貯留部〕の一部：貯留通路の一部）１０３３ｄと、待機通路１０３３ｄの下流側でほぼ鉛直下向きに延びる払出通路１０３３ｅと、払出通路１０３３ｅの途中から分岐して斜め下方へ延びる排出通路１０３３ｆとが形成されている。切替片１０３３ｇは、払出通路１０３３ｅから排出通路１０３３ｆへの分岐部に配設されている。通常は、切替片１０３３ｇはほぼ鉛直上向きに維持されているために、遊技球は排出通路１０３３ｆには流入しない。
払出フリッカ１０３３ｂは、待機通路１０３３ｄから払出通路１０３３ｅへの遊技球の流入を規制する部材である。払出フリッカ１０３３ｂは、基端部１０３３ｂ１と先端部１０３３ｂ２が支軸１０３３ｂ３にて回転可能に連結されている。払出フリッカ１０３３ｂの基端側部分１０３３ｂ１及び先端側部分１０３３ｂ２は、それぞれケーシング１０３３ａの支軸１０３３ａ１，１０３３ａ２にて回転可能に支持されている。払出フリッカ１０３３ｂの基端部１０３３ｂ１には、払出ソレノイド１０３３ｃの舌片１０３３ｃ１を把持する把持部１０３３ｂ４が設けられている。また、払出フリッカ１０３３ｂの先端部１０３３ｂ２には、待機通路１０３３ｄと払出通路１０３３ｅとの境界部分に突出可能な開閉部１０３３ｂ５が設けられている。
払出ソレノイド１０３３ｃは、所定の入賞条件を満たすことにより、或いは図示しないＣＲユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン１３０６を押すことにより通電されて作動し、ピストン（プランジャ）１０３３ｃ２を上方へ縮まらせるものである。ピストン１０３３ｃ２の先端には、ピストン１０３３ｃ２の半径方向に延びる上記舌片１０３３ｃ１を有するつまみ部１０３３ｃ３が装着されている。また、ピストン１０３３ｃ２の周縁には、コイルバネ１０３３ｃ４が外装されている。コイルバネ１０３３ｃ４は、払出ソレノイド１０３３ｃの本体部分１０３３ｃ５とつまみ部１０３３ｃ３とを離間させる方向に付勢している。つまり、払出ソレノイド１０３３ｃへの通電を切ったときには、ピストン１０３３ｃ２は、コイルバネ１０３３ｃ４の付勢力により下方へ移動する。
図１１（Ａ）に示されたように、待機通路１０３３ｄと払出通路１０３３ｅとの境界部分に払出フリッカ１０３３ｂの開閉部１０３３ｂ５が突出し、待機通路１０３３ｄから払出通路１０３３ｅへの遊技球の流入が禁止された通過禁止状態において、所定の入賞条件が成立したり、或いは度数表示部１３５２に残度数がある状態で球貸出ボタン１３０６が押されたりすると、払出ソレノイド１０３３ｃに通電される。通電に応じて、図１１（Ｂ）に示すように、ピストン１０３３ｃ２が本体部分１０３３ｃ５に引き寄せられて払出フリッカ１０３３ｂの基端部１０３３ｂ１が図示上反時計回りに回転し、これに連動して払出フリッカ１０３３ｂの先端部１０３３ｂ２は図示上時計回りに回転する。これによって、先端部１０３３ｂ２の開閉部１０３３ｂ５が待機通路１０３３ｄと払出通路１０３３ｅとの境界部分からそれらの通路外に移動し、待機通路１０３３ｄから払出通路１０３３ｅへの遊技球の流入が許可された通過許可状態に移行する。通過許可状態に移行すると、遊技球は、自重によって自然落下する。逆に、図１１（Ｂ）に示された払出フリッカの通過許可状態において、払出ソレノイド１０３３ｃの通電が遮断されると、コイルバネ１０３３ｃ４の付勢力によりピストン１０３３ｃ２が引き離されて払出フリッカ１０３３ｂの基端側部分１０３３ｂ１が図示上時計回りに回転し、これに連動して払出フリッカ１０３３ｂの先端側部分１０３３ｂ２は図示上反時計回りに回転する。これによって、先端部１０３３ｂ２の開閉部１０３３ｂ５が待機通路１０３３ｄと払出通路１０３３ｅとの境界部分の通路内に移動し、図１１（Ａ）に示された通過禁止状態に戻る。
また、払出ソレノイド１０３３ｃの下方には、つまみ部１０３３ｃ３を上下動させるための略Ｌ字形状の押圧片１０３３ｉを設けてある。押圧片１０３３ｉは、ケーシング１０３３ａの支軸１０３３ａ３に回転自在に取り付けられており、先端部１０３３ｉ１にてつまみ部１０３３ｃ３を上方へ押圧するものである。ケーシング１０３３ａの外部には、略扇形状の操作レバー１０３３ｊ（図７参照）を配設してある。操作レバー１０３３ｊは回転軸１０３３ａ４を中心に回転可能である。操作レバー１０３３ｊには、切替片１０３３ｇの中間部に設けた突起部１０３３ｇ１と、押圧片１０３３ｉの基端部に設けた突起部１０３３ｉ２とが連結されている。つまり、操作レバー１０３３ｊを操作すると、操作レバー１０３３ｊの回転に連動して、切替片１０３３ｇと押圧片１０３３ｉが回転する。
図１１（Ａ）に示された状態から、操作レバー１０３３ｊを図示上反時計回りに操作すると、図１１（Ｃ）に示されたように、操作に連動して切替片１０３３ｇが図示上反時計回りに回転し、払出通路１０３３ｅが遮断され、排出通路１０３３ｆが開放され、また、操作に連動して押圧片１０３３ｉにて払出ソレノイド１０３３ｃのつまみ部１０３３ｃ３が押し上げられ、払出フリッカ１０３３ｂが通過許可状態となる。これによって、払出通路１０３３ｅの途中から排出通路１０３３ｆへの遊技球の流入が許可され、待機通路１０３３ｄから払出通路１０３３ｅへの遊技球の流入が許可される。なお、タンクレール１０３４に設けた球止めレバー１０３４ｃにて遊技球が流れるのを阻止しつつ操作レバー１０３３ｊを上記の如く操作すると、球止めレバー１０３４ｃから下流側に貯留されていた全ての遊技球を球式回胴遊技機１０１０の外部に排出できる、払出装置１０３３やケースレール１０３５が故障した場合には、払出装置１０３３やケースレール１０３５（図７参照）を簡便に取り替えることもできる。
また、払出装置１０３３には、横断面略コ字形状の払出カウントスイッチ（〔媒体検出手段〕）１０３３ｈを装着してある。払出カウントスイッチ１０３３ｈは、払出フリッカ１０３３ｂの開閉部１０３３ｂ５のすぐ下流側に配置され、払出通路１０３３ｅを落下する遊技球を検出する。払出カウントスイッチ１０３３ｈによる遊技球の検出に基づいて払い出した遊技球の個数が計数されることとなる。
下皿誘導通路１０３１ｅには、球溢れ検出スイッチ１０３１ｊが設けられている。図１０は、球溢れ検出スイッチの近傍の一例を表す縦断面図であって、図１２（Ａ）が正常状態を表し、図１２（Ｂ）が球溢れ状態を表している。図１２（Ａ）及び図１２（Ｂ）に示されたように、球溢れ検出スイッチ１０３１ｊは、作動部１０３１ｊ１と作動検知部１０３１ｊ２とを備えている。図１２（Ａ）に示された正常状態から下皿１１２８への遊技球の貯留数が増加すると下皿誘導通路１０３１ｅにおいても遊技球が貯留されることとなり、作動部１０３１ｊ１が作動検知部１０３１ｊ２の方向に押圧される。押圧が所定の圧力を超えると図１２（Ｂ）に示されたように球溢れ検出スイッチ１０３１ｊがオン状態となり、球溢れ状態が検知される。
払出制御装置１０３７は、賞球や貸球の払い出しを制御するもので、周知の通り制御の中枢をなすＣＰＵ１０３７ａ１、制御プログラムや制御プログラムで参照される固定データを記憶するＲＯＭ１０３７ａ２、制御プログラムの実行において参照される可変データ等を記憶するＲＡＭ１０３７ａ３、払出制御装置の入出力を制御する各種入出力ポート１０３７ａ４等を含む払出制御基板１０３７ａ（図１７参照）を具備している。
電源制御装置１０３８は、外部電力に基づいて各種制御装置等で要する所定の電源電圧の電力を供給するものである。また、電源制御装置１０３８には、電源制御基板１０３８’、電源スイッチ１０３８ａ、リセットスイッチ１０３８ｂ、打止切替スイッチ１０３８ｃ及び設定変更スイッチ（図示せず）が設けられている。電源スイッチ１０３８ａは、オンされるとＣＰＵを始めとする各部に電源を供給する。リセットスイッチ１０３８ｂはこれを押しながら同時に電源スイッチ１０３８ａをオンするとＲＡＭの内容がリセットされ、電源スイッチ１０３８ａがオンされている状態で押されるとエラー状態がリセットされる。打止切替スイッチ１０３８ｃは、ビッグボーナスの終了時点で遊技を一時停止するか否かを切り替えるためのものである。設定変更キーシリンダ１０３８ｄは、設定変更装置を構成するものである。前記設定変更装置は、球式回胴遊技機１０１０の出球率が予め複数段階（例えば６段階）に定められており、出球率をいずれかの段階に設定するものである。設定変更の手順は次の通りである。まず、電源スイッチ１０３８ａをオフにした状態で、設定変更スイッチのキーシリンダに設定変更キー（図示せず）を挿入して時計回りに９０度回転させる。この状態で、電源スイッチ１０３８ａをオンにすると、後述する遊技ブロック１０４０の前面の７セグメントＬＥＤ表示部１０４１ｇ（図１４参照）に現在の確率設定が数値「１」〜「６」のいずれかで表示される。次いで、リセットスイッチ１０３８ｂを押していくと、７セグメントＬＥＤ表示部１０４１ｇに表示される数字が変化して１ずつ増加していく（但し、「６」の場合には「１」に戻る。）。７セグメントＬＥＤ表示部１０４１ｇに「１」〜「６」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー１１２４（図１参照）を押下すると、確率設定が確定される。
ＣＲユニット接続端子板１０３９は、球式回胴遊技機１０１０の前面の球貸出ボタン１３０６（図１参照）及び図示しないＣＲユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作を検知してＣＲユニットに信号を出力したり、その出力に応じたＣＲユニットから信号を払出制御装置１０３７に伝達したりする。なお、ＣＲユニットを介さずに外部球貸装置等から上皿１３０２（図１参照）に遊技球が直接貸し出される現金機では、ＣＲユニット接続端子板１０３９は不要である。
払出制御装置１０３７及び電源制御装置１０３８は、透明樹脂材料等よりなる基板ケースにそれぞれ払出制御装置１０３７ａ及び電源制御装置１０３８’を収容した構成とされる。
（遊技ブロックの構成）
遊技ブロック１０４０は、図２に示されたように、前面ブロック１０２０に対して開閉自在に取り付けられている。遊技ブロック１０４０の開閉軸線は払出ブロック１０３０の開閉軸線と同じで、払出ブロック１０３０と同様に、落とし込み構造にて開閉自在及び着脱自在に取り付けてある。また、遊技ブロック１０４０は、ワンタッチ式の止め具１０４０ａを有し、この止め具１０４０ａによって払出ブロック１０３０と連結固定される。なお、払出ブロック１０３０側には、止め具１０４０ａを引っ掛けるための止め金具１０３１ｉを固着してある。つまり、遊技ブロック１０４０は、払出ブロック１０３０と一体になって前面ブロック１０２０に対して開閉され、払出ブロック１０３０との連結を解除してから払出ブロック１０３０に対して前方側へ回動する構成とされる。遊技ブロック１０４０は、球式回胴遊技機１０１０の中核をなす主要なブロックで、このような遊技ブロック１０４０を上記の如く着脱容易な構成とすることで、遊技ブロック１０４０の取り替えが可能となる。遊技ブロック１０４０を取り替えることで、全く別の遊技性をもった遊技機に変えることができ、遊技機の新台入替えの低コスト化を図ることができる。
図１３は、遊技ブロックの一例を表す部分分解斜視図である。遊技ブロック１０４０は、図１３に示されたように、前面パネル１１００の窓孔１１０２（図１参照）を介して視認される遊技パネル１０４１を有する。遊技パネル１０４１は、上下一対の窓孔１０４１ａ，１０４１ｂを含む。上側の窓孔１０４１ａに対応して遊技パネル１０４１の裏側に液晶表示装置１０４２が取り付けられており、液晶表示装置１０４２の表示画面は上側の窓孔１０４１ａを介して視認できる。また、下側の窓孔１０４１ｂに対応して遊技パネル１０４１の裏側に回胴ユニット１０４３が取り付けられており、回胴ユニット１０４３による図柄表示が下側の窓孔１０４１ｂを介して視認できる。また、遊技パネル１０４１の裏側には、回胴ユニット１０４３の一側方に主取付台１０４４を介して主制御装置１０４５が取り付けられ、液晶表示装置１０４２の後方に副取付台１０４６を介して副制御装置１０４７が取り付けられている。主制御装置１０４５は、遊技パネル１０４１と直交するように縦長状に配置される。
図１４は遊技ブロック１０４０の正面図である。なお、図１４では便宜上回胴ユニット１０４３から複数（例えば２１個）の図柄を一列に付した、帯状の図柄シール１０４３Ｌ，１０４３Ｍ，１０４３Ｒ（図１５参照）を取り外した状態を示している。
遊技パネル１０４１の下側の窓孔１０４１ｂからは、各回胴Ｌ，Ｍ，Ｒに貼り付けられる図柄シール１０４３Ｌ，１０４３Ｍ，１０４３Ｒの図柄のうちそれぞれ３つずつ下側の窓孔１０４１ｂから露出される。なお、図１４においては、左右一対の９組のＬＥＤ１０４３Ｌ１，１０４３Ｍ１，１０４３Ｒ１が３行３列で露出している。
遊技パネル１０４１の下側の窓孔１０４１ｂの左側方には、有効ライン表示部１０４１ｃを設けてある。有効ライン表示部１０４１ｃは、１ベット表示部１０４１ｃ１と、その上下に配置された２ベット表示部１０４１ｃ２，１０４１ｃ２と、最上段と最下段に配置された３ベット表示部１０４１ｃ３，１０４１ｃ３とを含む。遊技球のベット数に応じて、所定のベット表示部１０４１ｃ１〜１０４１ｃ３が点灯する。
遊技パネル１０４１の上側の窓孔１０４１ａの両側には、電動役物１０４１ｄ，１０４１ｅが配設されている。また、下側の窓孔１０４１ｂの右側方には、上から順に、電動役物１０４１ｆ、７セグメントＬＥＤ表示部１０４１ｇ、ＬＥＤ表示部１０４１ｈが配設されている。これらの電動役物１０４１ｄ，１０４１ｅ，１０４１ｆは、遊技上の演出やビッグボーナス又はレギュラーボーナスの確定報知などに使用される。７セグメントＬＥＤ表示部１０４１ｇは、遊技球のベット数や払出数、エラーコード、ボーナス中の総払出数、設定変更時の６段階の設定などを表示する部位である。ＬＥＤ表示部１０４１ｈには、４つのＬＥＤが配設されている。そのうち上３つのＬＥＤはベット数表示部１０４１ｈ１を構成する。ベット数表示部１０４１ｈ１は、セレクタ１４００に投入された遊技球数に対応する個数のＬＥＤを点灯させてベット数を１〜３の範囲内で表示するものである。残る１つのＬＥＤは、再遊技表示部１０４１ｈ２である。再遊技表示部１０４１ｈ２は、図１６に示す図柄シール１０４３Ｌ，１０４３Ｍ，１０４３Ｒの図柄のうちリプレイ図柄（略扇形の枠内に「再」と表示した図柄）が有効ライン上に揃ったときに点灯し、次の単位遊技を遊技球のベットなしで遊技できることを報知するものである。なお、リプレイ図柄が有効ライン上に揃ったのち所定時間経過後に始動レバー１１２４を押下すると回胴Ｌ，Ｍ，Ｒの回転に伴って、再遊技表示部１０４１ｈ２は消灯する。
また、下側の窓孔１０４１ｂの下方には、中央パネル部１１１２から露出される情報掲載パネル（図示せず）が取り付けられる。この情報掲載パネルの片端には、証紙１０４１ｉと型式名シール１０４１ｊが貼付される。また、この情報掲載パネルの内側には、破線で示すように、前記情報掲載パネルを後方側から照らすための蛍光灯１０４１ｋが配設される。
液晶表示装置１０４２は、通常遊技中の小役当選の報知演出や遊技状態が通常遊技状態からボーナス状態に遷移することを示唆するための示唆演出、ビッグボーナス又はレギュラーボーナス中の演出、ボーナス中の小役ゲーム数やＪＡＣゲーム数の表示、特定の遊技状態（例えば、リプレイが当選しやすいＲＴ状態）であることを報知する演出、回胴停止ボタン１１２６Ｌ，１１２６Ｍ，１１２６Ｒの押下のタイミングや押下順を報知する演出などを行う。
図１５は、回胴ユニット１０４３の一例の部分解斜視図である。回胴ユニット１０４３は、図１５に示されたように、３つの回胴（いわゆるリール）Ｌ，Ｍ，Ｒを有し、各回胴Ｌ，Ｍ，Ｒを回胴ユニット枠１０４３ａに収納したものである。各回胴Ｌ，Ｍ，Ｒは、実質的に同一の構成であるために、右回胴Ｒを例に挙げて説明する。
右回胴Ｒは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材１０４３Ｒ２の外周面に２１個の図柄（識別要素）が等間隔で描かれた図柄シール１０４３Ｒを巻き付けたものであり、円筒骨格部材１０４３Ｒ２を円盤状の補強板１０４３Ｒ３を介して右回胴用ステッピングモータ１０４３Ｒ４の回転軸１０４３Ｒ５に取り付けてある。
右回胴用ステッピングモータ１０４３Ｒ４は、回胴ユニット枠１０４３ａの内部に垂設されるモータプレート１０４３Ｒ６にネジ止めされており、このモータプレート１０４３Ｒ６には発光素子と受光素子とが一対となった回胴位置検出センサ１０４３Ｒ７が設置されている。回胴位置検出センサ１０４３Ｒ７を構成する一対のフォトセンサ素子（図示はしない）は、所定の間隔を保持してセンサ筐体内に配される。
円筒骨格部材１０４３Ｒ２の５つの車輻１０４３Ｒ８のうちの１つには、軸方向に延び出したセンサカットバン１０４３Ｒ９を取り付けてある。このセンサカットバン１０４３Ｒ９は、回胴位置検出センサ１０４３Ｒ７の両素子の間隙を通過できるように位置合わせがなされている。そして、右回胴Ｒが１回転するごとにセンサカットバン１０４３Ｒ９の先端部の通過を回胴位置検出センサ１０４３Ｒ７が検出し、検出ごとに主制御装置１０４５に検出信号を出力する。主制御装置１０４５はこの検出信号に基づいて右回胴Ｒの角度位置を１回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ１０４３Ｒ４は、５０４パルスの駆動信号（励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ）により右回胴Ｒが１周するように設定されており、この励磁パルスによって回転位置が制御される。すなわち、右回胴Ｒが１周すると２１図柄が順々に遊技パネル１０４１の下側の窓孔１０４１ｂから露出するため、ある図柄から次の図柄へ切り替えるには２４パルス（＝５０４パルス÷２１図柄）を要する。そして、回胴位置検出センサ１０４３Ｒ７の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が窓孔１０４１ｂから露出しているかを認識したり、任意の図柄を窓孔１０４１ｂから露出させたりする制御を行うことができる。ステッピングモータ１０４３Ｒ４として、この実施形態では、１−２相励磁方式を採用したハイブリッド（ＨＢ）型の２相ステッピングモータを使用している。ステッピングモータ１０４３Ｒ４はハイブリッド型や２相に限らず、３相のステッピングモータや５相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。ステッピングモータ１０４３Ｒ４に対する駆動信号（駆動信号用データ）は、励磁データとしてモータドライバ１０７０（図１７参照）に与えられる。
主制御装置１０４５は、球式回胴遊技機１０１０の主たる制御を司るもので、具体的には、始動レバー１１２４からの信号を受信して成立役（ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役、リプレイ）の抽選を行い、当該抽選結果に基づき副制御装置１０４７及び払出制御装置１０３７に指令信号を発する。主制御装置１０４５の構成は、図１７に示すように、主たる制御を司るＣＰＵ１０４５ａ１、遊技プログラムを記憶したＲＯＭ１０４５ａ２、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するＲＡＭ１０４５ａ３、各種機器との連絡をとる入出力ポート１０４５ａ４、各種抽選の際に用いられる乱数発生回路１０４５ａ５、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路１０４５ａ６等を含む主制御基板１０４５ａと、この主制御基板１０４５ａを収容する透明樹脂材料等よりなる基板ケース１０４５ｂ（１０４５ｂ１，１０４５ｂ２）（図１３参照）とからなる。
副制御装置１０４７は、主制御装置１０４５から発せられる指令信号（コマンド）に基づき、ＬＥＤカバー部１１０４（図１参照）等の各種ＬＥＤカバー部にて被覆される図示しない遊技演出用の発光装置（ＬＥＤ）の点灯・点滅や上下スピーカ１１０６，１２０４（図１参照）から発せられる効果音、液晶表示装置１０４２にて表示される表示態様などの制御を行う。副制御装置１０４７の構成は、主制御装置１０４５と同様、上記の各種ＬＥＤ、上下スピーカ１１０６，１２０４及び液晶表示装置１０４２の制御を司るＣＰＵや、その他ＲＯＭ、ＲＡＭ、入出力ポート等を含む副制御基板１０４７ａと、この副制御基板１０４７ａを収容する透明樹脂材料等よりなる基板ケース１０４７ｂ（１０４７ｂ１，１０４７ｂ２）とからなる。
（球式回胴遊技機の制御系）
球式回胴遊技機１０１０の制御系について説明する。図１７は球式回胴遊技機の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
主制御基板１０４５ａは、図１７に示すように、演算処理手段であるＣＰＵ１０４５ａ１を中心とするマイクロコンピュータとして構成された制御手段として機能し、処理プログラムを記憶するＲＯＭ（あるいはフラッシュメモリ）１０４５ａ２、一時的にデータを記憶する作業用（ワーキング用）のＲＡＭ１０４５ａ３、入出力ポート１０４５ａ４などが内部バスを介してこのＣＰＵ１０４５ａ１に接続されている。
主制御基板１０４５ａの入出力ポート１０４５ａ４には、リセットスイッチ１０３８ｂからのリセット信号、設定キースイッチ１０３８ｄ１からの設定信号、ベットボタン１１１４からの１ベット信号、マックスベットボタン１３０４からの最大ベット信号、セレクタ１４００に取り込まれた遊技球を検出するカウントセンサ１４１６ａ１，１４１６ｂ１，１４１６ｃ１からの補助通過検出信号、セレクタ１４００に取り込まれた遊技球を検出する通過センサ１４１５ａ，１４１５ｂ，１４１５ｃにおける上側の素子１４１５ａ１，１４１５ｂ１，１４１５ｃ１からの上流通過検出信号及び通過センサ１４１５ａ，１４１５ｂ，１４１５ｃにおける下側の素子通過センサ１４１５ａ２，１４１５ｂ２，１４１５ｃ２からの下流通過検出信号、始動レバー１１２４からの変動開始信号、各回胴停止ボタン１１２６Ｌ，１１２６Ｍ，１１２６Ｒからの停止信号、回胴位置検出センサ１０４３Ｌ７，１０４３Ｍ７，１０４３Ｒ７からの検出信号、払出装置１０３３による遊技球の払出期間を識別する払出中信号、払出カウントスイッチ１０３３ｈからの払出カウントスイッチ信号に基づく払出カウント信号、球切れ検出スイッチ１０３５ｂからの球切れ検出スイッチ信号に基づく払出用の遊技球の貯留状態を識別する球切れ検出信号等が入力される。
また、主制御基板１０４５ａの入出力ポート１０４５ａ４からは、ベットボタン１１１４，１３０４からのベット信号に基づく投入ソレノイド１４１４ａ，１４１４ｂ，１４１４ｃの駆動信号、通過センサ１４１５ａ，１４１５ｂ，１４１５ｃの計数値に基づく投入ソレノイド１４１４ａ，１４１４ｂ，１４１４ｃの駆動停止信号、始動レバー１１２４からの変動開始信号及び回胴停止ボタン１１２６Ｌ，１１２６Ｍ，１１２６Ｒからの停止指令信号に基づく回胴用ステッピングモータ１０４３Ｌ４，１０４３Ｍ４，１０４３Ｒ４の駆動信号などが出力される。また、液晶表示装置１０４２にて表示される演出内容やスピーカ１１０６，１２０４から発せられる効果音、上ＬＥＤカバー部１１０４等で被覆された各種発光装置（ＬＥＤ）の点灯・点滅などを制御する制御信号が副制御基板１０４７ａに出力される。
上述したＣＰＵ１０４５ａ１は、このＣＰＵ１０４５ａ１によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したＲＯＭ１０４５ａ２と、このＲＯＭ１０４５ａ２内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのワーキング用のＲＡＭ１０４５ａ３の他に、図示はしないが周知のように割り込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路など球式回胴遊技機１０１０において必要な各種の処理回路が内蔵されている。
ＲＯＭ１０４５ａ２とＲＡＭ１０４５ａ３とによってメインメモリが構成され、各種の処理を実行するための処理プログラム（出力制御情報生成用処理プログラムを含む）は、処理プログラムの一部として上述したＲＯＭ１０４５ａ２に記憶されている。ＲＡＭ１０４５ａ３内は、機能的には複数の作業エリアが確保されている。周知のようにＣＰＵ１０４５ａ１内に設けられたプログラムカウンタの値を保存するためのスタックメモリ（スタックメモリ用のエリア）の他に、この例では停電フラグを記憶する停電フラグメモリ、スタックポインタを保存するスタックポインタ保存用メモリ、ＲＡＭ１０４５ａ３に保存されているデータのチェックサムに関連した補正値を保存するチェックサム補正値用メモリ、さらには復電時に使用される復電コマンドバッファや復電コマンドカウンタなどのメモリエリアが確保されている。
入出力ポート１０４５ａ４には、各種のＩ／Ｏ装置の他に、払出制御基板１０３７ａ、副制御基板１０４７ａ、ホール管理者用のコンピュータ等の遊技機管理装置（図示せず）や外部情報表示装置等に情報を送信できる外部集中端子板や、電源制御基板１０３８’に設けられた停電監視回路１０３８ｆ、更には、投入ソレノイド１４１４ａ，１４１４ｂ，１４１４ｃが電気的に接続されている。
電源制御基板１０３８’には、主制御基板１０４５ａを始めとして球式回胴遊技機１０１０の各電子機器に駆動電力を供給する電源部１０３８ｅや、上述した停電監視回路１０３８ｆなどが搭載されている。停電監視回路１０３８ｆは電源の切断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ１０３８ａによる電源切断時に停電信号を生成する。そのため停電監視回路１０３８ｆは、電源部１０３８ｅから出力される直流２４ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば２２ボルト未満まで低下したときに電源が切断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はＣＰＵ１０４５ａ１と入出力ポート１０４５ａ４のそれぞれに供給され、ＣＰＵ１０４５ａ１ではこの停電信号を認識することで、停電時処理が実行される。電源部１０３８ｅからは出力電圧が２２ボルト未満まで低下した場合でも、主制御基板１０４５ａなどの制御系における駆動電圧として使用される５ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間として、主制御基板１０４５ａによる停電時処理を実行するのに十分な時間が確保されている。
また、主制御基板１０４５ａは、電源部１０３８ｅから安定化駆動電圧が供給されるのと同時にリセットスイッチ１０３８ｂからリセット信号が送信されると、ＲＡＭ１０４５ａ３に書き込まれた情報を消去し、電源部１０３８ｅから安定化駆動電圧が供給されている状態でリセットスイッチ１０３８ｂからリセット信号が送信されると、各種のエラー状態をリセットする。
さらに、電源オフ時に設定キースイッチ１０３８ｄ１をオンにしてから電源オンにした状態、つまり電源オフ時に設定変更キーシリンダ１０３８ｄに設定キーを差し込んで回転させてから電源オンにした状態にすると、球式回胴遊技機１０の出球率を変更可能な状態が発生する。この状態で、リセットスイッチ１０３８ｂからリセット信号が送信されると、球式回胴遊技機１０１０のボーナス確率や小役確率を変更し、当該変更結果を設定値「１」〜「６」の数字で７セグＬＥＤ表示部１０４１ｇ（図１４参照）に出力する。そして、７セグメントＬＥＤ表示部１０４１ｇに「１」〜「６」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー１１２４から設定確定信号を受信すると、球式回胴遊技機１０１０の出球率（設定）を確定する。
払出制御基板１０３７ａは、概ね主制御基板１０４５ａと同様の構成であり、ＣＰＵを備え、処理プログラムを記憶するＲＯＭ（あるいはフラッシュメモリ）、一時的にデータを記憶する作業用（ワーキング用）のＲＡＭ、入出力ポートなどが内部バスを介してこのＣＰＵに接続されている。
主制御基板１０４５ａにおいて実行される制御処理について説明する。主制御基板１０４５ａの制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ１０３８ａのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。なお、割込み処理としては、ＮＭＩ端子における停電信号の受信に応じて割込みをかける停電割込み処理と、タイマによる時間計測によって定期的に割込みをかけるタイマ割込み処理とがある。
まず、停電割込み処理について説明する。停電状態が発生した場合、電源制御基板１０３８’の停電監視回路１０３８ｆで停電信号が生成され、主制御基板１０４５ａに対して出力される。主制御基板１０４５ａにおいては、ＣＰＵ１０４５ａ１のＮＭＩ端子が停電信号を受信し、停電信号の受信に応じて停電フラグを設定する図示しない割込み処理（以下、「停電割込み処理」と称する）が実行される。停電割込み処理においては、まず、現在使用しているレジスタのデータをＲＡＭ１０４５ａ３内のバックアップ領域に退避させる（「レジスタ退避処理」）。レジスタ退避処理の後に、停電フラグが設定される（「停電フラグ設定処理」）。停電フラグは、ＲＡＭ１０４５ａ３内の特定の領域に保持される停電状態の発生を表す情報である。停電フラグ設定処理の後に、自身の割込みにおける処理の終了がＣＰＵ１０４５ａ１に知らせられる（「割込み終了宣言処理」）。割込み終了宣言処理の後に、レジスタ退避処理においてＲＡＭ１０４５ａ３のバックアップ領域に退避させたレジスタのデータをＣＰＵ１０４５ａ１のレジスタに復帰させる（「レジスタ復帰処理」）。レジスタ復帰処理の後に、新たな割込みが許可される（「割込み許可処理」）。割込み許可処理の完了によって停電割込み処理が終了する。なお、使用中のレジスタのデータを破壊せずに停電フラグ設定処理が行える場合には、レジスタ退避処理及びレジスタ復帰処理を省くことができる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図１８は、主制御基板１０４５ａにおけるタイマ割り込み処理の一例を表すフローチャートである。主制御基板１０４５ａにおいては、定期的にタイマ割込み処理が行われる。本形態においては、タイマ割込み処理は、実質的に１．４９ｍｓ［ミリ秒］の周期で行われる。
タイマ割込み処理において、まず、後述するメイン処理における通常処理で使用している全てのレジスタの情報が、ＲＡＭ１０４５ａ３のバックアップ領域に格納される（「割込み開始処理」Ｓ１１０１）。割込み開始処理Ｓ１１０１の後に、停電フラグが設定されているか否かが確認される（Ｓ１１０２）。停電フラグが設定されている場合には、バックアップ処理Ｓ１１０３が実行される。
バックアップ処理Ｓ１１０３では、まず、リングバッファに蓄積されている各種のコマンドの送信が終了しているか否かが判定される。それらのコマンドの送信が終了していない場合には、バックアップ処理Ｓ１１０３が一旦終了されて、制御がタイマ割込み処理に復帰する。なお、これは、バックアップ処理Ｓ１１０３の開始前に、コマンドの送信を完了させるための制御である。一方、それらのコマンドの送信が完了している場合には、ＣＰＵ１０４５ａ１のスタックポインタの値が、ＲＡＭ１０４５ａ３内のバックアップ領域に保存される（「スタックポインタ保存処理」）。スタックポインタ保存処理の後に、後述するＲＡＭ判定値がクリアされると共に、入出力ポート１０４５ａ４における出力ポートの出力状態がクリアされて図示しない全てのアクチュエータがオフ状態になる（「停止処理」）。停止処理の後に、ＲＡＭ判定値が新たに算出されてバックアップ領域に保存される（「ＲＡＭ判定値保存処理」）。ＲＡＭ判定値は、ＲＡＭ１０４５ａ３のワーク領域におけるチェックサム値の２の補数である。ここで、チックサム値の２の補数とは、２進数表現においてチェックサム値の各桁（ビット）を反転した場合に生成される値である。この場合、ＲＡＭ１０４５ａ３のチェックサム値とＲＡＭ判定値との排他的論理和（「ＦＦＦＦ」）に１加算した値は「０」である。本形態では、ＲＡＭ判定値としてチェックサム値の補数を用いたが、本発明においては、ＲＡＭ判定値としてチェックサム値そのものを用いてもよい。ＲＡＭ判定値保存処理の後に、ＲＡＭ１０４５ａ３へのアクセスが禁止される（「ＲＡＭアクセス禁止処理」）。その後は、内部電力の完全な遮断によって処理が実行できなくなるのに備えて、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤って設定される場合等を考慮して、図示しないが、無限ループに入る前には停電信号がまだ入力されているか否かが確認される。停電信号が出力されていなければ、内部電源が復旧していることになるために、ＲＡＭ１０４５ａ３の書き込みが許可されると共に停電フラグが解除され、タイマ割込み処理に復帰する。一方、停電信号が継続して入力されていれば、そのまま無限ループに入る（図示せず）。
上記のように、バックアップ処理Ｓ１１０３の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かが判断され、それらの送信が未完であるときには送信処理を優先させている。コマンドの送信処理終了後にバックアップ処理Ｓ１１０３を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中でバックアップ処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果、停電時の処理に関するプログラムを簡略化してＲＯＭ１０４５ａ２の小容量化を図ることができる。電源制御基板１０３８’の電源部１０３８ｅは、停電状態が発生した後においても、停電割込み処理及びバックアップ処理を完了するために十分な時間にわたって、制御系の駆動電力として使用されるバックアップ電力を出力する。このバックアップ電力によって、停電割込み処理及びタイマ割込み処理のバックアップ処理が行われる。本形態では、停電発生後の３０ｍｓ［ミリ秒］の間、バックアップ電力が出力され続けるようになっている。
判定処理Ｓ１１０２において停電フラグが設定されていないと判定された場合には、誤動作の発生を監視するためのウォッチドッグタイマが初期化され、ＣＰＵ１０４５ａ１自身に対して割込み許可が出される（「割込み終了宣言処理」Ｓ１１０４）。
割込み終了宣言処理Ｓ１１０４の後に、左回胴Ｌを回転させるための左ステッピングモータ１０４３Ｌ４、中回胴Ｍを回転させるための中ステッピングモータ１０４３Ｍ４及び右回胴Ｒを回転させるための右ステッピングモータ１０４３Ｒ４の駆動が制御される（「左回胴モータ制御処理」Ｓ１１０５、「中回胴モータ制御処理」Ｓ１１０６、「右回胴モータ制御処理」Ｓ１１０７）。
各種の回胴モータ制御処理Ｓ１１０５〜Ｓ１１０７の後に、入出力ポート１０４５ａ４に接続された各種のスイッチやセンサにおける状態が監視される（「スイッチ読込処理」Ｓ１１０８）。ＲＡＭ１０４５ａ３には、今回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態の情報と共に、前回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態の情報や、前々回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態の情報や、前回と今回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態に基づく状態変化（立上りや立下り）の情報や、今回と前回と前々回のタイマ割込みによって検知されたオン・オフ状態に基づく状態変化の情報等も保持されており、スイッチ読込処理Ｓ１１０８ではタイマ割込みごとにそれらの情報が更新される。
スイッチ読込処理Ｓ１１０８の後に入出力ポート１０４５ａ４に接続された各種の装置におけるセンサの状態が監視される（「センサ監視処理」Ｓ１１０９）。センサ監視処理Ｓ１１０９では、カウントセンサを通過する遊技球の個数の計測が行われる。また、センサ監視処理Ｓ１１０９では、各種のセンサの状態や他の関連する情報に応じてエラーの発生の検知が行われる。なお、具体的なエラー制御及びエラー報知制御は、後述する通常遊技処理の変動待機処理中（例えば、投入エラー処理、払出エラー処理）において行われる。なお、センサ監視処理Ｓ１１０９において、主制御基板１０４５ａに接続されたセンサが監視されるばかりでなく、払出制御基板１０３７ａを介して接続された一部のセンサの基づく情報（例えば、払出カウントセンサに基づく払出カウント信号や払出期間を表す払出中信号）も実質的に監視される。
ここで、センサ監視処理Ｓ１１０９について説明する。まず、払出動作中であるか否かが判定され、また、払出制御基板１０３７ａからの払出カウント信号の受信が検知されているか否かが判定される。払出動作中であるか否かは、具体的には、払出制御基板１０３７ａからの払出中信号の受信が検知されている場合には払出動作中と判定し、検知されていない場合には払出動作中でないと判定する。払出動作中でないにも関わらず払出カウント信号が受信されている場合には、正常な払出による遊技球の通過ではないと判定して、期間外払出エラーフラグが設定される（期間外払出エラーフラグ設定処理）。なお、期間外払出エラーフラグが設定されると、後述する払出エラー処理において、エラー処理が実行されると共にエラー発生が報知されることとなる。
その後に、投入動作中であるか否かが判定され、また、通過センサ信号が検知されているかが判定される。投入動作中であるか否かは、具体的には、投入動作期間フラグが設定されている場合には投入動作中と判定し、投入動作期間フラグが設定されていない場合には投入動作中でないと判定する。投入動作中でないにも関わらず通過センサ１４１５ａ〜１４１５ｃからの上流通過検出信号又は下流通過検出信号が受信されている場合には、正常な投入による遊技球の通過ではないと判定して、期間外投入エラーフラグが設定される（期間外投入エラーフラグ設定処理）。なお、期間外投入エラーフラグが設定されると、後述する投入エラー処理（図２１のＳ１４０３参照）において、エラー処理が実行されると共に個数エラー発生が報知される。次に、各種のセンサからの信号状態が変化している場合には、センサ検知情報が更新される（「センサ検知情報更新処理」）。
センサ検知情報更新処理の後に、カウントセンサ１４１６ａ〜１４１６ｃを正常に通過する遊技球の個数（補助投入済数）が計数される（補助投入数計数処理）。ここで、補助投入数計数処理について詳細に説明する。補助投入数計数処理では、まず、いずれかの条からの補助通過検出信号の立下りが検知されていれば、補助投入済数の値が立下りを検知した条の数だけ加算された値に更新される（補助投入数加算処理）。補助投入数加算処理の後に、投入済数の値と補助投入済数の値とを比較するタイミングを決定するための個数比較タイマが設定されているか否かが判定される。具体的には、個数比較タイマの値が、「０」を超えて大きい場合に個数比較タイマが設定されていると判定され、「０」である場合には個数比較タイマが解除されていると判定される。個数比較タイマは、遊技者による始動レバー１１２４の操作に応じて所定の値（本形態では、約３００ｍｓに相当する「２０３」）に設定されるソフトウェアタイマである。個数比較タイマが設定されていない場合には、補助投入数計数処理が終了する。一方、個数比較タイマが設定されていない場合には、個数比較タイマの値が現在値から「１」だけ減算した値に更新される（個数比較タイマ更新処理）。個数比較タイマ更新処理の後に、個数比較タイマが解除されたか否かが判定される。個数比較タイマが解除された場合には、補助投入数計数処理Ｓ８１０が終了する。一方、個数比較タイマが解除されていない場合には、再遊技状態であるか否かが判定されて、再遊技状態である場合には補助投入数計数処理が終了する。判定処理において再遊技状態でないと判定された場合には補助投入済数が投入済数以上であるか否かが判定される。補助投入済数が投入済数以上である場合には補助投入数計数処理Ｓ８１０が終了し、投入済数未満である場合には個数エラーフラグが設定され（個数エラーフラグ設定処理）、その後に補助投入数計数処理が終了する。
補助投入数計数処理の後に、報知すべき状態が発生したり、変更されたりしたかが判定され、報知すべき状態に変化がなければ、センサ監視処理が終了する。一方、肯定判定の場合には、報知すべき状態に応じたセンサ検知コマンドが設定され（センサ検知コマンド設定処理）、センサ監視処理が終了する。なお、設定されたセンサ検知コマンドは、後述するコマンド出力処理（図１８のＳ１１１２）において出力される。
センサ監視処理Ｓ１１０９の後に、各種のカウンタの値や各種のタイマの値が減算される（「タイマ減算処理」Ｓ１１１０）。タイマ減算処理Ｓ１１１０の後に、差球数（ベット総数と獲得総数との差分）を集計するためにベット数や獲得球数が、外部集中端子板（図示せず）へ出力される（「差球カウント処理」Ｓ１１１１）。差球カウント処理Ｓ１１１１の後に、リングバッファに蓄積された各種のコマンドが、副制御基板１０４７ａに送信される（「コマンド出力処理」Ｓ１１１２）。コマンド出力処理Ｓ１１１２の後に、７セグメントＬＥＤ表示部１０４１ｇ等に表示されるセグメントデータが設定される（「セグメントデータ設定処理」Ｓ１１１３）。セグメントデータ設定処理Ｓ１１１３で設定されたセグメントデータが７セグメントＬＥＤ表示部１０４１ｇ等のうち所定のセグメントデータ表示装置に送信される（「セグメントデータ表示処理」Ｓ１１１４）。これにより、７セグメントＬＥＤ表示部１０４１ｇ等は、受信したセグメントデータに対応する数字、文字、記号などを表示する。入出力ポート１０４５ａ４からＩ／Ｏ装置等へのデータが出力される（「ポート出力処理」Ｓ１１１５）。ポート出力処理Ｓ１１１５の後に、割込み開始処理Ｓ１１０１においてバックアップ領域に退避させた各レジスタのデータがそれぞれＣＰＵ１０４５ａ１の所定のレジスタに復帰され、次回のタイマ割込みが許可される（「割込み終了処理」Ｓ１１１６）。以上の処理を経て一連のタイマ割込み処理が終了する。
主制御基板１０４５ａにおけるメイン処理について説明する。図１９は、主制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャートである。主制御基板１０４５ａのメイン処理は、停電状態から復帰した場合に実行される。
主制御基板１０４５ａのメイン処理では、まず、スタックポインタの初期値が設定され、割込み処理を許可する割込みモードが設定され、ＣＰＵ１０４５ａ１内のレジスタ群やＩ／Ｏ装置等に対する各種の設定等が行われる（「立上げ処理」Ｓ１２０１）。立上げ処理Ｓ１２０１の後に、設定キーが設定キースイッチ１０３８ｄ１に挿入され、所定の操作（右回転操作等）がなされているか否か（オン状態かオフ状態か）が判定される（Ｓ１２０２）。設定キースイッチ１０３８ｄ１の操作がされていると判定された場合には、所定の複数種類の確率設定（本形態では「設定１」〜「設定６」の６段階設定）のうちから選択される１つの確率設定の設定値を保持する所定の領域を除くＲＡＭ１０４５ａ３の全領域のデータが、強制的にクリアされる（「強制的ＲＡＭクリア処理」Ｓ１２０３）。強制的ＲＡＭクリア処理Ｓ１２０３の後に、現在の設定値の再設定（設定の打ち直し）を行うことができる（「確率設定選択処理」Ｓ１２０４）。なお、設定値の変更においては、リセットスイッチ１０３８ｂの操作及び始動レバー１１２４の操作が援用される。確率設定選択処理Ｓ１２０４の後に、通常遊技処理へ移行する。
判定処理Ｓ１２０２において設定キースイッチ１０３８ｄ１が操作されていないと判定された場合には、選択されている確率設定の設定値が所定の範囲（例えば、「１」〜「６」）内の値であるか否かが判定される（Ｓ１２０５）。なお、停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、ＲＡＭ１０４５ａ３が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、設定値は所定の範囲内の値しかとらない。設定値が所定の範囲内の値である場合には、停電フラグが設定されているか否かが判定される（Ｓ１２０６）。停電フラグが設定されている場合には、ＲＡＭ１０４５ａ３のワーク領域のチェックサム値が新たに算出され、新たなチェックサム値が正常であるか否かが判定される（Ｓ１２０７）。新たなチェックサム値が正常とは、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値が同一であること、つまり、新たなチェックサム値とＲＡＭ１０４５ａ３のバックアップ領域に保持されているＲＡＭ判定値との排他的論理和に１加算した値が「０」であることを意味する。この値は、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値とが同一である場合には「０」となり、異なる場合には「０」以外となる。停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、ＲＡＭ１０４５ａ３が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、この値は「０」以外にはならない。判定処理Ｓ１２０５において確率設定の設定値が所定の範囲内の値でないと判定された場合、判定処理Ｓ１２０６において停電フラグが設定されていないと判定された場合、又は、判定処理Ｓ１２０７において新たなチェックサム値とＲＡＭ判定値との排他的論理和に１加算した値が「０」以外であると判定された場合には、割込みが禁止され、入出力ポート１０４５ａ４の全ての出力ポートがクリアされて、入出力ポート１０４５ａ４に接続された全てのアクチュエータがオフ状態にされると共に、エラー処理及びエラーの発生を報知させるためのエラー報知処理が行われる（「復電エラー処理」Ｓ１２０８）。なお、このエラー状態及びエラー報知状態は、リセットスイッチ１０３８ｂが操作されるまで継続する。
判定処理Ｓ１２０７において新たなチェックサム値が正常であると判定された場合には、バックアップ領域に保存されたスタックポインタの値がＣＰＵ１０４５ａ１のスタックポインタに書き込まれ、スタックポインタの値が停電状態の発生前の値に復帰する（「プログラム復帰処理」Ｓ１２０９）。これによって、停電状態からの復帰後において、停電状態の発生により中断された処理から再開できるようになる。プログラム復帰処理Ｓ１２０８の後に、停電状態からの復帰を表す復電コマンドが設定される（「復電コマンド設定処理」Ｓ１２１０）。これにより、復電コマンドが払出制御基板１０３７ａ及び副制御基板１０４７ａに送信されることとなる。復電コマンド設定処理Ｓ１２１０の後に、打止切換スイッチ１０３８ｃの状態が、ＲＡＭ１０４５ａ３の所定の領域に格納される（「遊技形態設定処理」Ｓ１２１１）。遊技形態設定処理Ｓ１２１２の後に、各種の装置のセンサの状態が初期化される（「センサ初期化処理」Ｓ１２１２）。センサ初期化処理Ｓ１２１２の後に、停電フラグが解除される（「停電フラグ解除処理」Ｓ１２１３）。停電フラグ解除処理Ｓ１２１３の後に、払出中に停電が発生した場合のように払い出すべき遊技球が残っている場合には、中途で終了した払出を再開させるために払出コマンドが設定される（「中途払出完遂処理」Ｓ１２１４）。中途払出完遂処理Ｓ１２１４の後に、スタックポインタの示す停電状態の発生前の番地における処理から再開される。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理におけるバックアップ処理Ｓ１１０３（図１８参照）後の割込み終了宣言処理Ｓ１１０４（図１８参照）が実行される。
通常時の遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について説明する。図２０は、主制御基板１０４５ａで実行される通常遊技処理の一例を表すフローチャートである。主制御基板１０４５ａの通常遊技処理は、メイン処理における確率設定処理Ｓ１２０４（図１９参照）の終了後に実行される。また、中途払出完遂処理Ｓ１２１４（図１９参照）の終了後に、通常遊技処理の中途から実行される
通常遊技処理では、図２０に示されたように、まず、割込み許可を設定する（「割込み許可設定処理」Ｓ１３０１）。割込み許可設定処理Ｓ１３０１の後に、遊技形態を決定する打止切換スイッチ１０３８ｃの状態がＲＡＭ１０４５ａ３の所定の領域に格納される（「遊技形態設定処理」Ｓ１３０２）。なお、遊技形態設定処理Ｓ１３０２は、メイン処理における遊技形態設定処理Ｓ１２１１（図１９参照）と実質的に同一の処理である。遊技形態設定処理Ｓ１３０２の後には、下述のループ処理に移行する。なお、以下においては、連続遊技中である場合について説明する。
ループ処理においては、まず、ＲＡＭ１０４５ａ３において一回の単位遊技ごとに変化する情報を保持する領域のデータをクリアする（「遊技情報クリア処理」Ｓ１３０３）。具体的には、前回の遊技に関連する情報をクリアする。クリアされる情報としては、例えば、乱数に関連する情報、回胴Ｌ，Ｍ，Ｒの制御に関連する情報、入賞に関連する情報及びエラーに関連する情報が挙げられる。入賞に関連する情報には、入賞図柄、入賞ライン及び賞球数等の情報が含まれる。
遊技情報クリア処理Ｓ１３０３の後に、変動開始信号が入力されるまで、所定の処理を行いながら待機する（「変動待機処理」Ｓ１３０４）。ここで、変動待機処理Ｓ１３０４について詳細に説明する。図２１は、変動待機処理の一例を表すフローチャートである。
変動待機処理Ｓ１３０４では、まず、遊技監視タイマが設定される（「遊技監視タイマ設定処理」Ｓ１４０１）。ここで、遊技監視タイマが設定されるとは、そのタイマの値がリセットされ、かつそのタイマによる新たな時間計測がスタートすることを意味する。遊技監視タイマは、遊技間隔を測定するソフトウェアタイマであって、遊技者によって遊技されていない時間が所定の時間を経過した場合に、液晶表示装置１０４２の画像を所定の画像（デモンストレーション画像）に移行させるために用いられる。
遊技監視タイマ設定処理Ｓ１４０１の後に、前回の単位遊技で再遊技役が入賞したか否かが判定され、再遊技役に入賞していた場合には、自動的に、前回の単位遊技のベット数と同数のベット数に変更される（「自動ベット処理」Ｓ１４０２）。
自動ベット処理Ｓ１４０２の後に、セレクタ１４００においてエラーが発生しているか否かが確認され、エラーが発生している場合には、エラー処理が実行されると共に、スピーカ１１０６、１２０４、発光装置１１３２、１１３４Ｌ１、各種のＬＥＤカバー部で被覆されるＬＥＤ、液晶表示装置１０４２等にエラーを報知させるための投入エラーコマンドがリングバッファに格納される（「投入エラー処理」Ｓ１４０３）。例えば、遊技球の投入期間外において通過センサ１４１５ａ、１４１５ｂ，１４１５ｃから上流通過検出信号や下流通過検出信号を受信した場合が挙げられる。なお、具体的には、それらの検知はタイマ割込み処理におけるセンサ監視処理Ｓ１１０９（図１８参照）において行われ、その検知に基づいて各種の処理が実行される。リングバッファに格納された投入エラーコマンドは、その格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理Ｓ１１１２において副制御基板１０４７ａに出力される。また、以下において、リングバッファに格納される各種のコマンドは、投入エラーコマンドの場合と同様に、それらの格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理Ｓ１１１２において払出制御基板１０３７ａや副制御基板１０４７ａに出力される。
投入エラー処理Ｓ１４０３の後に、払出装置１０３３でエラーが発生しているか否かが判定され、払出装置１０３３でエラーが発生している場合には、エラー処理が実行されると共に、スピーカ１１０６，１２０４発光装置１１３２、１１３４Ｌ１等、液晶表示装置４２等にエラーを報知させるための払出エラーコマンドがリングバッファに格納される（「払出エラー処理」Ｓ１４０４）。例えば、払出制御基板１０３７ａからの払出中信号がオン状態であるか否か、及び、払出カウント信号がオン状態であるか否かが判定される。払出中信号がオン状態（払出期間中）でないにも関わらず、払出カウント信号がオン状態（遊技球の払出カウントスイッチ通過）である場合が挙げられる。なお、同様の払出エラー処理は、他の処理中においても遊技者からの何らかの入力を待っている状態、例えば、回胴回転中における回胴停止待ち状態においても実行される。
払出エラー処理Ｓ１４０４の後に、返却レバー１３８６の操作が行われているか否かが判定されて、返却中であれば他のボタン等の操作による入力が禁止され、既に投入済みの遊技球がある場合には、返却レバー１３８６の操作の終了を待って投入済みの遊技球と同数（投入済数）の遊技球が返却される（「返却処理」Ｓ１４０５）。
返却処理Ｓ１４０５の後に、１ベットボタン１１１４又はマックスベットボタン１３０４の操作に応じて遊技球をベットする処理及びベットに付随する処理が実行される（遊技球ベット処理）。
遊技球ベット処理Ｓ１４０６の終了後に、図２１に示されたように、ベット数が最小規定数未満であるか否かが判定される（Ｓ１４０７）。ベット数が最小規定数未満である場合には、投入エラー処理Ｓ１４０３から判定処理Ｓ１４０７までが繰り返される。一方、ベット数が最小規定数未満でない場合には、始動レバー１１２４の操作に応じた変動開始信号が受信されているか否かが判定される（Ｓ１４０８）。変動開始信号が受信されていない場合には、投入エラー処理Ｓ１４０３から判定処理Ｓ１４０８までが繰り返される。一方、変動開始信号が受信されている場合には、本変動待機処理Ｓ１３０４。以上で説明したように処理過程（Ｓ１４０１〜Ｓ１４０８）を経て、変動待機処理Ｓ１３０４が完了する。
変動待機処理Ｓ１３０４の後に、図２０に示されたように、始動レバー１１２４が操作された際にハードウェア的にラッチされた乱数カウンタの値が読み出されてＲＡＭ１０４５ａ３に格納される（「乱数作成処理」Ｓ１３０５）。始動レバー１１２４が操作された際に乱数カウンタをハードウェア的にラッチすることによって、始動レバー１１２４の操作と乱数値の取得とを時間的に同期させている。なお、ソフトウェアで乱数カウンタの値を読み出すこともできるが、この場合には、始動レバー１１２４の操作から乱数値の取得までの時間が、ハードウェア的にラッチする場合よりも不均一になる。
乱数作成処理Ｓ１３０５の後に、確率設定、ベット数及び遊技状態に応じた乱数テーブルを参照して、乱数作成処理Ｓ１３０５で取得した乱数値に応じた当選役が決定され、当選役の種別に応じた当選フラグ（例えば、ビッグボーナス当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグ、チェリー当選フラグ、ベル当選フラグ、スイカ当選フラグ、再遊技当選フラグ）が設定され、当選役の種別を表す当選役コマンドと確率設定の設定値を表す設定値コマンドとが設定される（「内部抽選処理」Ｓ１３０６）。当選役として、例えば、ビックボーナス役（以下、「ＢＢ」とも称す）、レギュラーボーナス役（以下、「ＲＢ」とも称す）、各種の小役（本形態では、チェリー役、ベル役、スイカ役）、再遊技役及びハズレ役が挙げられる。なお、単位遊技において複数種類の当選役が選択されてもよい。
内部抽選処理Ｓ１３０６の後に、当選役、ベット数及び遊技状態に基づいて、ＲＯＭ１０４５ａ２に保持された手動停止制御テーブル群から各回胴Ｌ，Ｍ，Ｒの制御に用いる１つの手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして選択され、参照制御テーブルのテーブル番号がＲＡＭ１０４５ａ３の所定の領域に格納される（「回転初期化処理」Ｓ１３０７）。当選役がハズレ以外のときには、この参照制御テーブルに従って、当選役を可能な限り入賞させるために所定の範囲（５図柄）内で余分に回胴を回転させるスベリ制御が行われる。当選役がハズレの場合にも、他の当選役を入賞させないために、同様のスベリ制御が行われる。この参照制御テーブルは、必要に応じて手動停止制御テーブル群から再選択されることとなる。なお、詳細については後述する回転制御処理Ｓ１３０９において説明する。
回転初期化処理Ｓ１３０７の後に、図柄変動待機処理Ｓ１３０８が実行される。図柄変動待機処理Ｓ１３０８では、まず、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間（例えば、４．１秒）以上であるか否かが判定される。ここで、「図柄変動監視タイマ」は、前回の図柄表示の変動開始時点からの経過時間を測定するタイマである。図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間未満である場合には、規定時間の経過を待つ状態（以下、「図柄変動待機状態」と称する）であることを表す図柄変動待機コマンド（内部状態コマンドの一種）がリングバッファに格納される。なお、図柄変動待機状態であることが変動待機状態表示装置（図示せず）によって遊技者に報知される。その後、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上となるまで、図柄変動待機状態の報知が行われたまま、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間以上であるか否かの判定が繰り返される。一方、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上である場合には、図柄変動監視タイマがリセットスタートされ、規定時間待機状態の報知を停止し、所定の規定時間が経過した状態であることを表す規定時間経過コマンド（内部状態コマンドの一種）と、外部集中端子板に出力するためのベット数コマンドとがリングバッファに格納される。その後、ＲＡＭ１０４５ａ３の所定の領域における回胴ユニット１０４３の各ステッピングモータ１０４３Ｌ４，１０４３Ｍ４，１０４３Ｒ４の駆動制御に関連する情報が回転開始用に初期設定される。例えば、ウェイトタイマの値が「０」に設定され、加速カウンタの値が「２６」に設定される。なお、各ステッピングモータ１０４３Ｌ４，１０４３Ｍ４，１０４３Ｒ４の実際の駆動は、タイマ割込み処理の各種の回胴モータ制御処理Ｓ１１０５〜Ｓ１１０７（図１８参照）で制御される。
図柄変動待機処理Ｓ１３０８の後に、回胴ユニット１０４３における各回胴Ｌ，Ｍ，Ｒの回転を制御する回転制御処理Ｓ１３０９が実行される。ここで、回転制御処理Ｓ１３０９について詳細に説明する。図２２は、回転制御処理の一例を表すフローチャートである。
回転制御処理Ｓ１３０９において、ＲＡＭ１０４５ａ３の所定の領域における各回胴Ｌ，Ｍ，Ｒの回転に関する情報が初期化され、全ての回胴Ｌ，Ｍ，Ｒが回転中であることを表す全回胴回転コマンド（回胴回転情報コマンドの一種）と回胴ユニット１０４３において図柄表示変動状態であることを表す図柄変動状態コマンド（内部状態コマンドの一種）とがリングバッファに格納される（「回転開始処理」Ｓ１６０１）。回転開始処理Ｓ１６０１の後に、所定の停止待機時間が経過するまで待機する（「図柄停止待機処理」Ｓ１６０２）。図柄停止待機処理Ｓ１６０２における「所定の停止待機時間」は、各回胴Ｌ，Ｍ，Ｒの回転開始から一定速度の定常回転に至るまでに要する平均時間と概ね同一の時間である。図柄停止待機処理Ｓ１６０２の後に、全ての回胴Ｌ，Ｍ，Ｒの回転が定常回転である否かが判定される（Ｓ１６０３）。具体的には、それらの回転が定常回転であるか否かは、最後に回転を開始した回胴に対応する回胴位置検出センサ１０４３Ｒ７からの検出信号が受信されているか否かで判定されており、その検出信号が受信されている場合にはそれらの回転は定常回転であると判断し、その検出信号が受信されていなければいずれかの回胴の回転は定常回転でないと判断している。それらの回転が定常回転でない場合には、判定処理Ｓ１６０３が繰り返し実行される。なお、本形態では全ての回胴Ｌ，Ｍ，Ｒは同時に回転を開始する。
判定処理Ｓ１６０３において全ての回胴の回転が定常回転であると判定された場合には、自動停止までの図柄表示の変動時間を測定する自動停止タイマを設定する（「自動停止タイマ設定処理」Ｓ１６０４）。自動停止タイマ設定処理Ｓ１６０４の後に、自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を超えているか否かが判定される（Ｓ１６０５）。自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を越えていなければ、以下の手動により図柄表示の変動を停止させる処理が実行される。
左回胴停止ボタン１１２６Ｌの操作に応じた左停止信号が受信されているか否かが判定される（Ｓ１６０６）。左停止信号が受信されていない場合には、中回胴停止ボタン１１２６Ｍの操作に応じた中停止信号が受信されているか否かが判定される（Ｓ１６０７）。中停止信号が受信されていない場合には、右回胴停止ボタンの操作に応じた右停止信号が受信されているか否かが判定される（Ｓ１６０８）。右停止信号が受信されていない場合、つまり、左停止信号、右停止信号及び右停止信号のいずれもが受信されていない場合には、判定処理Ｓ１６０６が実行される。
判定処理Ｓ１６０６において左停止信号が受信されていると判定された場合には、左停止フラグが設定されているか否かが判定される（Ｓ１６０９）。「左停止フラグ」は、左回胴Ｌが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転初期化処理Ｓ１３０７において解除されている。左停止フラグが設定されている場合は、左回胴Ｌが既に停止していることを表し、左停止フラグが解除されている場合は、左回胴Ｌが回転していることを表す。左停止フラグが設定されている場合には、判定処理Ｓ１６０６が実行され、一方、左停止フラグが解除されている場合には、左回胴停止処理Ｓ１６１０が実行される。左回胴停止処理Ｓ１６１０において、まず、参照制御テーブルを参照して、左回胴Ｌを回転させる左ステッピングモータ１０４３Ｌ４が停止される。左ステッピングモータ１０４３Ｌ４の停止後に、左停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、左回胴Ｌが停止していることを表す左回胴停止コマンド（回胴回転情報コマンドの一種）及び左回胴Ｌの停止図柄を表す左回胴図柄コマンド（停止図柄コマンドの一種）がリングバッファに格納される。「停止回胴数」は、停止している回胴の個数を表し、回転開始処理Ｓ１６０１において「０」にリセットされる。
ここで、左回胴停止処理Ｓ１６１０について詳細に説明する。左回胴停止処理Ｓ１６１０では、まず、ＲＡＭに１０４５ａ３に保持された現在の図柄番号を参照して、停止基準図柄番号が現在の図柄番号に１だけ加算した値に設定される。停止基準図柄番号が設定された後に、左回胴Ｌが２番目に停止された回胴である場合には、必要に応じて、現在選択されている参照制御テーブルを他の制御テーブルに変更する。なお、左回胴Ｌが２番目に停止された回胴でない場合には、制御テーブルの変更は行われない。その後、参照制御テーブルを参照して、停止基準図柄番号に応じたスベリ量が抽出され、停止図柄番号にスベリ量を加算した値が停止図柄番号として設定される。なお、停止図柄番号が２０（最大図柄番号）を超える場合には、停止図柄番号が現在の値から２１だけ減算した値に変更される。停止図柄番号が設定された後に、停止間隔タイマが設定される。停止間隔タイマは、次の回胴に対する停止指示を受け付けない期間を計測するタイマである。なお、停止間隔タイマの値は、スベリ量に対応する回転及びその後の回胴の停止までに要する時間を考慮して、それらの最大時間を越える所定の時間に設定される。その後、停止間隔タイマの計測時間が所定の時間を超えた場合に、左停止フラグが設定されて、左回胴停止処理Ｓ１６１０が終了する。
左回胴停止処理Ｓ１６１０の後に、停止回胴数が３であるか否かが判定される（Ｓ１６１１）。停止回胴数が３でない場合、つまり、少なくとも１つの回胴が回転中である場合には、参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される（Ｓ１６１２）。未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される（「制御テーブル変更処理」Ｓ１６１３）。制御テーブル変更処理Ｓ１６１３においては、左回胴Ｌの停止位置と共に中回胴Ｍ及び右回胴Ｒのうちの既に停止している回胴の停止位置が参照される。参照制御テーブルの変更が必要な場合としては、例えば、当選役以外の役が入賞する場合が挙げられる。
判定処理Ｓ１６０７において中停止信号が受信されていると判定された場合には、中停止フラグが設定されているか否かが判定される（Ｓ１６１４）。「中停止フラグ」は、左停止フラグの場合と同様に、中回胴Ｍが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理Ｓ１６０１において解除されている。中停止フラグが設定されている場合には、判定処理Ｓ１６０６が実行される。一方、中停止フラグが解除されている場合には、停止回胴数が０であるか否かが判定される（Ｓ１６１５）。停止回胴数が０でない場合には、中回胴停止処理Ｓ１６１７が実行される。一方、停止回胴数が０である場合には、手動停止制御テーブル群のうち所定の手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして再設定され（「制御テーブル再設定処理」Ｓ１６１６）、制御テーブル再設定処理Ｓ１６１６の後に、中回胴停止処理Ｓ１６１７が実行される。なお、中回胴停止処理Ｓ１６１７は、左回胴停止処理Ｓ１６１０の場合と同様の処理である。中回胴停止処理Ｓ１６１７において、まず、参照制御テーブルを参照して、中回胴Ｍを回転させる中ステッピングモータ１０４３Ｍ４が停止される。中ステッピングモータを停止させる際の制御は、左ステッピングモータ４３Ｌ４を停止させる際の制御と実質的に同一である。中ステッピングモータ１０４３Ｍ４の停止後に、中停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、かつ、中回胴Ｍが停止していることを表す中回胴停止コマンド（回胴回転情報コマンドの一種）及び中回胴Ｍの停止図柄を表す中回胴図柄コマンド（停止図柄コマンドの一種）がリングバッファに格納される。
中回胴停止処理Ｓ１６１７の後に、停止回胴数が３であるか否かが判定される（Ｓ１６１８）。停止回胴数が３でない場合には、未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される（Ｓ１６１９）。参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される（「制御テーブル変更処理」Ｓ１６２０）。制御テーブル変更処理Ｓ１６２０においては、中回胴Ｍの停止位置と共に左回胴Ｌ及び右回胴Ｒのうちの既に停止している全ての回胴の停止図柄番号が参照される。
判定処理Ｓ１６０８において右停止信号が受信されていると判定された場合には、右停止フラグが設定されているか否かが判定される（Ｓ１６２１）。「右停止フラグ」は、左停止フラグ及び中停止フラグの場合と同様に、右回胴Ｒが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理Ｓ１６０１において解除されている。右停止フラグが設定されている場合には、判定処理Ｓ１６０６が実行される。一方、右停止フラグが解除されている場合には、停止回胴数が０であるか否かが判定される（Ｓ１６２２）。停止回胴数が０でない場合には、右回胴停止処理Ｓ１６２４が実行される。一方、停止回胴数が０である場合には、手動停止制御テーブル群のうち所定の手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして再設定され（「制御テーブル再設定処理」Ｓ１６２３）、制御テーブル再設定処理Ｓ１６２３の後に、右回胴停止処理Ｓ１６２４が実行される。なお、右回胴停止処理Ｓ１６１７は、左回胴停止処理Ｓ１６１０と同様の処理である。右回胴停止処理Ｓ１６１７において、まず、参照停止制御テーブルを参照して、右回胴Ｒを回転させる右ステッピングモータ１０４３Ｒ４が停止される。右ステッピングモータを停止させる際の制御は、左ステッピングモータ１０４３Ｌ４を停止させる際の制御と概ね同一である。右ステッピングモータ１０４３Ｒ４の停止後に、右停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、かつ、右回胴Ｒが停止していることを表す右回胴停止コマンド（回胴回転情報コマンドの一種）及び右回胴の停止図柄を表す右回胴図柄コマンド（停止図柄コマンドの一種）がリングバッファに格納される。
右回胴停止処理Ｓ１６２４の後に、停止回胴数が３であるか否かが判定される（Ｓ１６２５）。停止回胴数が３でない場合には、未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される（Ｓ１６２６）。参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される（「制御テーブル変更処理」Ｓ１６２７）。制御テーブル変更処理Ｓ１６２７においては、右回胴Ｒの停止位置と共に左回胴Ｌ及び中回胴Ｍのうちの既に停止している全ての回胴の停止図柄番号が参照される。
判定処理Ｓ１６０５において、自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を越えている場合には、現在回転中の全回胴Ｌ，Ｍ，Ｒの回転を停止させる（「自動停止処理」Ｓ１６２８）。自動停止処理Ｓ１６２８の後、並びに、判定処理Ｓ１６１１、判定処理Ｓ１６１８及び判定処理Ｓ１６２５において停止回胴数が「３」であると判定された場合に、自動停止タイマを解除する。
ここで、自動停止処理Ｓ１６２８について詳細に説明する。自動停止処理Ｓ１６２８では、まず、既に停止している回胴の停止図柄番号（停止位置）を参照して、ＲＯＭ１０４５ａ２に保持された自動停止制御テーブル群から１つのテーブルが参照制御テーブルとして設定される。その後に、左停止フラグが設定されているか否かが判定され、左停止フラグが設定されていない場合には、左回胴Ｌの回転が停止される。次に、中停止フラグが設定されているか否かが判定され、中停止フラグが設定されていない場合には、中回胴Ｍの回転が停止される。その後に、右停止フラグが設定されているか否かが判定されて、中停止フラグが設定されていない場合には、中回胴Ｒの回転が停止される。
回転制御処理Ｓ１３０９の後に、図２０に示されたように、入賞確認処理Ｓ１３１０が実行される。入賞確認処理Ｓ１３１０において、まず、有効ラインごとの図柄パターンを確認して、当選役以外の役が１つでも入賞している場合には、入賞エラーの発生を報知させるためのエラー処理が実行される。一方、当選役のみが入賞している場合には、入賞した全ての当選役に対応する入賞フラグ（例えば、ビッグボーナス入賞フラグ、レギュラーボーナス入賞フラグ、チェリー入賞フラグ、ベル入賞フラグ、スイカ入賞フラグ、再遊技入賞フラグ）が設定される。また、入賞した各当選役に対応する賞球数が最大賞球数を超えない範囲内において加算されることによって、最終的に賞球数が決定される。更に、入賞確認処理Ｓ１３１０においては、入賞役の種類の情報を含む入賞役コマンド、入賞ラインの種類の情報を含む入賞ラインコマンド及び入賞エラーの情報を含む入賞役エラーコマンドがリングバッファに格納される。
入賞確認処理Ｓ１３１０の後に、賞球数の情報を含む賞球払出コマンドが設定される（「獲得球払出処理」Ｓ１３１１）。獲得球払出処理Ｓ１３１１の後に、再遊技処理Ｓ１３１２が行われる。再遊技処理Ｓ１３１２では、入賞確認処理Ｓ１３１０において再遊技入賞フラグが設定されている場合に、内部状態を再遊技に設定する等の各種の処理が行われる。また、次回の遊技が再遊技であることを表す再遊技コマンド（内部状態コマンドの一種）がリングバッファに格納される。
再遊技処理Ｓ１３１２の後に、役物作動中処理Ｓ１３１３が行われる。役物作動中処理Ｓ１３１３では、ビッグボーナス（ＢＢ）役及びレギュラーボーナス（ＲＢ）役等の役物作動中の処理が行われる。内部状態がビッグボーナス遊技状態である場合には、小役ゲーム中の制御、小役ゲームからＪＡＣゲームへの移行制御、ＪＡＣゲーム中の制御、ＪＡＣゲームから小役ゲームへの移行制御及びビッグボーナス遊技状態の終了制御等が行われる。ビッグボーナス遊技状態の終了判定は、その状態中に獲得した遊技球の獲得総数が所定の規定獲得数以上であるか否かによって決定される。獲得総数が規定獲得数以上である場合には、ビッグボーナスの終了処理が行われる。一方、獲得総数が規定獲得数未満である場合には、ビッグボーナスの終了処理がスキップされる。一方、内部状態がレギュラーボーナスである場合には、ＪＡＣゲーム中の制御及びレギュラーボーナス遊技状態の終了制御等が行われる。レギュラーボーナスの終了条件も、獲得総数が規定獲得数以上であるか否かによって決定される。
役物作動中処理Ｓ１３１３の後に、役物作動判定処理Ｓ１３１４が行われる。役物作動判定処理Ｓ１３１４では、ビッグボーナス役に当選したことを表すビッグボーナス役の当選フラグが設定されており、かつ、ビッグボーナス役が入賞したことを表すビッグボーナス役の入賞フラグが設定されている場合には、ビッグボーナスを開始するための処理を実行する（「ＢＢ開始処理」）。また、レギュラーボーナス役に当選したことを表すレギュラーボーナス役の当選フラグが設定されており、かつレギュラーボーナス役が入賞したことを表すレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されている場合には、レギュラーボーナス役を開始するための処理を実行する（「ＲＢ開始処理」）。
役物作動判定処理Ｓ１３１４の後に、遊技進行表示処理Ｓ１３１５が実行される。遊技進行表示処理Ｓ１３１５では、内部状態がビッグボーナス遊技状態やレギュラーボーナス遊技状態である場合には、ＪＡＣゲームの残りゲーム数や１回のビッグボーナスにおける獲得遊技球の総数等を表示するためのデータが設定される。また、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の終了後に、再遊技の当選確率が通常遊技状態よりも高いリプレイタイム（「ＲＴ」）等の特定遊技状態に移行させる場合には、内部状態を特定遊技状態に設定し、特定遊技状態であることを表す特定遊技状態コマンド（内部状態コマンドの一種）をリングバッファに格納する。
次に、払出制御基板１０３７ａにより実行される制御処理について説明する。払出制御基板１０３７ａの制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ１０３８ａのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して払出制御基板１０３７ａ外のからの信号に応じて割込みをかける外部割込み処理と、メイン処理に対して割込みをかける内部割込み処理とに大別される。外部割込み処理としては、電源制御基板１０３８’の停電監視回路部１０３８からの停電信号の受信に応じて割込みをかける停電割込み処理、主制御基板１０４５ａからの各種のコマンドの受信に応じて割込みをかけるコマンド割込み処理とが挙げられる。一方、内部割込み処理としては定期的に繰返し実行されるタイマ割込み処理がある。
払出制御基板１０３７ａにおけるメイン処理について説明する。図２３は、払出制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャートである。メイン処理では、まず、図２３に示されたように、ＣＰＵ周辺のレジスタ群やＩ／Ｏ装置等に対する各種の設定が行われる（「初期設定処理」Ｓ３００１）。初期設定処理Ｓ３００１の後に、ＲＡＭ１０３７ａ３へのアクセスが許可され（「ＲＡＭアクセス許可処理」Ｓ３００２）、各種の外部割込みの優先順位を規定する割込みベクタが設定される（「外部割込みベクタ設定処理」Ｓ３００３）。なお、停電割込みがコマンド割込みよりも優先される。また、停電割込み及びコマンド割込み処理は、タイマ割込み処理よりも優先される。外部割込みベクタ設定処理Ｓ３００３の後に、一旦、ＲＡＭ１０３７ａ３の全ての領域が「０」にクリアされ（Ｓ３００４）、ＲＡＭ１０３７ａ３に初期値が設定され（「ＲＡＭ初期設定処理」Ｓ３００５）、ＣＰＵ１０３７ａ１の他の周辺デバイスの初期設定が行われる（「ＣＰＵ周辺デバイス初期設定処理」Ｓ３００６）。ＣＰＵ周辺デバイス初期設定処理Ｓ３００６の後に、割込み許可が設定される（「割込み許可設定処理」Ｓ３００７）。以降は、割込み許可設定処理Ｓ３００７が繰り返し実行され、各種の割込み処理の実行後に次の割込み処理の実行が許可される。なお、実質的な払出に関する処理は、実質的に後述するタイマ割込み処理内で実行される。
次に、停電割込み処理について説明する。電源制御基板１０３８’からの停電信号のオン状態を検知すると、現在のプログラムの実行アドレスを保存して、オン状態の全ての払出ソレノイド１０３３ｃをオフ状態に移行させると共に、主制御基板１０３７ａへの払出カウント信号をオフ状態に移行させる。その後、無限ループに移行し、停電信号のオフ状態が検知されるまで待つ。停電信号がオフ状態に移行した場合には、停電が解消されたことになるために、保存したプログラムの実行アドレスを復帰させて、停電発生時の処理から再開する。
次に、コマンド割込み処理について説明する。コマンド割込処理は、払出制御基板１０３７ａが主制御基板１０４５ａからのコマンドを受信する場合に実行される。なお、コマンドは、２バイトのデータであり、各バイトデータはストローブ信号に引き続き送信される。ストローブ信号を受信するとコマンド割込処理が開始され、ストローブ信号の後に送信されるバイトデータが、ライトポインタ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）の値の指すリングバッファ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）の所定の領域に格納される。送信されたデータの格納後にライトポインタの値が更新されて、コマンド割込み処理が終了する。
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、通常ゲーム時には主制御基板１０４５ａからの各種の払出コマンドの受信に応じて払出コマンドの種類に基づいた賞球数の遊技球を払い出すと共に、球貸装置１３５０の球貸出ボタン１３０６の操作に基づくＣＲユニットからの貸球払出要求に応じて遊技球を払い出す実質的な処理を実行する。本タイマ割込み処理は、約２ｍｓごとに実行される。図２４は、払出制御基板のタイマ割込み処理の一例を表すフローチャートである。
タイマ割込み処理において、図２４に示されたように、まず、タイマ割込み処理よりも割込み優先度の高い割込みが許可される（「割込み許可処理」Ｓ３１０１）。具体的には、停電割込み及びコマンド割込みが許可される。タイマ割込み処理よりもコマンド割込み処理が優先されることによって、主制御基板１０４５ａにおけるコマンド送信に要する処理負担を軽減する共に、コマンド送信による制御進行の停滞を抑制することができる。なお、各種の外部割込みの優先順位は、メイン処理の外部割込みベクタ設定処理３００３において設定される。
割込み許可処理Ｓ３１０１の後に、入出力ポート１０３７ａ４に払出ソレノイド制御情報（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域に保持）が出力される（「払出ソレノイド駆動処理」Ｓ３１０２）。払出ソレノイド制御情報は、各種の払出ソレノイド１０３３ｃの駆動状態を識別する情報である。これによって、入出力ポート１０３７ａ４から各種の払出ソレノイド１０３３ｃに払出制御信号が出力されることとなり、払出ソレノイド１０３３ｃの駆動状態が払出制御信号に基づいたオン・オフ状態に更新される。払出ソレノイド１０３３ｃがオン状態に移行するとそれに対応する払出フリッカ１０３３ｂが通過許可状態に移行する。
払出ソレノイド駆動処理Ｓ３１０２の後に、出力バッファ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）に格納されたデータに基づいて各種の制御信号が主制御基板１０４５ａや払出制御基板に接続された各種の装置に出力される（「制御情報出力処理」Ｓ３１０３）。
制御情報出力処理Ｓ３１０３の後に、主制御基板１０４５ａからストローブ信号に引き続いて送信される各種のコマンドがリングバッファ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）に格納され、また、払出制御基板１０３７ａに電気的に接続された各種のスイッチ等からの信号の出力状態が読み込まれ、各種の検知状態が設定される（「制御情報入力処理」Ｓ３１０４）。
ここで、制御情報入力処理Ｓ３１０４における各種のスイッチ等からの信号の出力状態に基づく各種の検知状態の設定について説明する。払出制御基板に入力される主制御基板１０４５ａ以外からの信号としては、例えば、第１条〜第４条の払出カウントスイッチ１０３３ｈからの第１条〜第４条の払出カウントスイッチ信号、第１及び第２の球切れ検出スイッチ１０３５ｂ（図１７及び図１０参照）からの第１及び第２の球切れ検出スイッチ信号、球溢れ検出スイッチ１０３１ｊ（図１７及び図１２参照）からの球溢れ検出スイッチ信号、リセットスイッチ１０３８ｃ（図１７及び図７参照）からのリセットスイッチ信号、電源基板１０３８’の停電監視回路１０３８ｆ（図１７）からの停電信号、ＣＲユニット（図１７）からの貸出指示信号が挙げられる。制御情報入力処理Ｓ３１０４において、第１条〜第４条の払出カウントスイッチ信号は、それぞれ、第１条〜第４条の払出カウントスイッチ１０３３ｈが遊技球の通過を検出している状態（通過状態）はＬレベルの電位であり、通過を検出していない状態（未通過状態）はＨレベルの電位である。連続する３回のタイマ割込みにおける出力状態（Ｌレベル又はＨレベル）に基づいて第１条〜第４条の通過検知状態が設定される。具体的には、各条において通過検知状態がオフ状態である場合に２回連続してＬレベルの出力が検出されると通過検知状態がオン状態に変更され、逆に、各条において通過検知状態がオン状態である場合に２回連続してＨレベルの出力が検出されると通過検知状態がオフ状態に変更される。これによって、ノイズ等による誤作動を防止している。また、連続する３回のタイマ割込みにおける通過検知状態（オン状態又はオフ状態）に基づいて通過開始検知状態を表す通過フラグが設定される。具体的には、通過検知状態がオフ状態である場合に、２回連続して通過検知状態のオン状態が検知されると通過フラグが設定される。また、第１及び第２の球切れ検出スイッチ信号は、それぞれ、第１及び第２の球切れ検出スイッチ１０３５ｂが球有り状態を検出している場合はＬレベルの電位であり、球無し状態を検出している場合はＨレベルの電位であり、連続する３回のタイマ割込みにおける信号の出力状態（Ｌレベル又はＨレベル）に基づいて第１及び第２の球切れ検知状態が設定される。また、球溢れ検出スイッチ信号は、球溢れ検出スイッチ１０３１ｊが球溢れ状態を検出している場合はＬレベルの電位であり、球抜き状態を検出している場合はＨレベルの電位であり、連続する３回のタイマ割込みにおける出力状態（Ｌレベル又はＨレベル）に基づいて球溢れ検知状態が設定される。他の入力信号に対しても同様にして連続する３回のタイマ割込みにおける出力状態（Ｌレベル又はＨレベル）に基づいて各種の検知状態が設定される。
制御情報入力処理Ｓ３１０４の後に、リングバッファに格納されたコマンドの種類が判別され、コマンドの種類に応じた処理が実行される（「コマンド判定処理」Ｓ３１０５）。ここで、コマンド判定処理Ｓ３１０５について詳細に説明する。図２５は、コマンド判定処理の一例を表すフローチャートである。
コマンド判定処理Ｓ３１０５では、図２５に示されたように、まず、ストローブ信号のオン状態の検知から所定の時間だけバイトデータの受信を待った後に、リングバッファに未読のバイトデータが格納されているか否かが判定される（Ｓ１０１）。具体的には、リングバッファへの書き込み位置（アドレス）を指すライトポインタ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域に保持）とリングバッファの読み出し位置（アドレス）を指すリードポインタ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域に保持）とが同じ位置を指す場合にはコマンドを構成するバイトデータが格納されていないと判定され、それらが異なる位置を指す場合にはバイトデータが格納されていると判定される。コマンドが格納されていないと判定された場合には、本コマンド判定処理Ｓ３１０５が終了する。
バイトデータが格納されている場合には、格納されているバイトデータが賞球払出コマンドのヘッダ情報（上位バイト）であるか否かが判定される（Ｓ１０２）。格納されているバイトデータがヘッダ情報である場合には、ヘッダ情報がコマンドヘッダバッファ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）に格納される（「コマンドヘッダ保存処理」Ｓ１０３）。ヘッダ情報の格納後に、賞球払出コマンドを構成する残りのバイトデータ（トレイラ情報；下位バイト）を読み出すためにリングバッファのリードポインタの値が更新される（「読出領域更新処理」Ｓ１０４）。その後、判定処理Ｓ１０１に戻りトレイラ情報が受信されているか否かが判定される。なお、１つの賞球払出コマンドを構成するヘッダ情報とトレイラ情報とは、同一回のタイマ割込み処理で読み出される場合も、ヘッダ情報を読み出したタイマ割込み処理の次回のタイマ割込み処理で読み出される場合もある。
判定処理Ｓ１０２においてリングバッファから読み出されたバイトデータがヘッダ情報でないと判定された場合には、賞球払出コマンドが正常であるか否かが判定される（Ｓ１０５）。具体的には、賞球払出コマンドは、ヘッダ情報が賞球数を表し、トレイラ情報が賞球数の１の補数を表すように構成されているために、ヘッダ情報とトレイラ情報とを加算した値が「ＦＦＨ」であるか否かが判定され、「ＦＦＨ」である場合には正常と判定され、「ＦＦＨ」である場合には異常と判定される。異常である場合には、読み出されたコマンドを無効と判定し、リングバッファのリードポインタを更新して（Ｓ１０４）、判定処理Ｓ１０１に戻る。
判定処理Ｓ１０５において賞球払出コマンドが正常であると判定された場合には、ヘッダ情報の賞球数が所定の規定範囲内の値であるか否かが判定される（Ｓ１０６）。本形態では、規定範囲は、「１」を超えて大きく、かつ「７６」未満の整数値の範囲である。肯定判定の場合には、賞球数が正常であるために賞球払出数（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域に保持）が賞球数と同一の値に設定され（「賞球払出数設定処理」Ｓ１０７）、かつ賞球払出コマンドの読み出しが完了したためにコマンドヘッダバッファがクリアされる（「コマンドクリア処理」Ｓ１０８）。一方、否定判定の場合には、賞球数が異常であるために賞球払出数設定処理Ｓ１０４及びコマンドクリア処理Ｓ１０５がスキップされ、賞球払出数は設定されない。
コマンド判定処理Ｓ３１０５の後に、図２４に示されたように、電源制御基板１０３８’（図１７参照）のリセットスイッチ１０３８ｂ（図１７及び図７参照）のリセット検知状態が確認され、そのリセット検知状態に基づいて未検知エラーを解除するか否かが判定されて、所定の条件を満たす場合には未検知エラーが解除される（「未検知エラー解除処理」Ｓ３１０６）。
ここで、未検知エラー解除処理Ｓ３１０６について詳細に説明する。図２６は、未検知エラー解除処理の一例を表すフローチャートである。未検知エラー解除処理Ｓ３１０６では、図２６に示されたように、まず、リセット解除待機状態であるか否かが判定される（Ｓ２０１）。具体的には、リセット解除待機フラグ（リセット解除待機情報の一種）（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）が確認され、リセット解除待機フラグが設定されている場合にはリセット解除待機状態であると判定され、リセット解除待機フラグが解除されている場合にはリセット解除待機状態でないと判定される。なお、解除決定条件については後述する。未検知エラー解除後のリセット解除待機状態でない場合、つまり、未検知エラー状態であってリセット検知状態のオン状態が所定の時間経過していない場合や未検知エラー状態でない場合には、リセット検知状態がオン状態であるか否かが判定される。リセット検知状態がオフ状態である場合には、解除判定タイマ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）が所定の値（例えば、「１０」：約２０ｍｓに相当）に設定される（「解除判定タイマ設定処理」Ｓ２０３）。これによって、リセット検知状態のオン状態がノイズ等による誤ったオン状態でないことを担保している。
判定処理Ｓ２０２においてリセット検知状態がオン状態である場合には、解除判定タイマが更新される（「解除判定タイマ更新処理」Ｓ２０４）。具体的には、解除判定タイマの値が、解除判定タイマが設定されている場合（「１」以上）には現在値から「１」だけ減算した値に更新され、解除判定タイマが解除されている場合（「０」）には現在値が維持される。解除判定タイマ更新処理Ｓ２０４の後に、解除判定タイマが解除されているか否かが判定される（Ｓ２０５）。解除判定タイマが解除されていない場合、つまり、リセット検知状態がオン状態である時間が所定の時間（本形態では、２０ｍｓ）に到達していない場合には、その所定の時間経過するまで待つために本未検知エラー解除処理Ｓ３１０６が終了する。一方、解除判定タイマが解除されている場合、つまり、リセット検知状態のオン状態が所定の時間継続した場合には、リセット解除待機フラグが設定される（「リセット解除待機開始処理」Ｓ２０６）。
リセット解除待機開始処理Ｓ２０６の後に、未検知エラー状態であるか否かが判定される（Ｓ２０７）。具体的には、第１条又は第２条における未検知エラーの発生を表す第１未検知エラーフラグ（第１未検知エラー情報の１種）（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）又は第２条又は第３条における未検知エラーの発生を表す第２未検知エラーフラグ（第１未検知エラー情報の１種）（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）が設定されている場合には、未検知エラー状態と判定され、第１未検知エラーフラグ及び第２未検知エラーフラグの双方が設定されていない場合には、未検知エラー状態でないと判定される。未検知エラー状態である場合には、全条の通過検知状態がオフ状態であるか否かが判定される（Ｓ２０８）。全条の通過検知状態がオフ状態である場合には、第１未検知エラーフラグ及び第２未検知エラーフラグが解除され（「未検知エラー解除処理」Ｓ２０９）、再払出試行数が所定の値（〔規定再払出試行数〕；本形態では「１」）に設定される（「再払出試行数設定処理」Ｓ２１０）。なお、ここでの再払出試行数は、リセット復帰後の初払出動作によって払出が完了しなかった場合における再払出動作の最大繰り返し回数を表している。
判定処理Ｓ２０１においてリセット解除待機状態であると判定された場合には、リセット検知状態がオン状態であるか否かが判定されて（Ｓ２１１）、リセット検知状態がオン状態である場合にはリセット検知状態がオフ状態に移行するのを待つために本未検知エラー解除処理Ｓ３１０６が終了し、リセット検知状態がオフ状態である場合には、リセット解除待機フラグが解除され（「リセット解除待機終了処理」Ｓ２１２）、リセット検知状態の次回のオン状態への移行に備えて、解除判定タイマが所定の値（本形態では、約２０ｍｓに対応する「１０」）に設定される（「解除判定タイマ設定処理」Ｓ２１３）。
未検知エラー解除処理Ｓ３１０６が繰り返し実行されることによって実現する未検知エラー解除動作について概ね時系列に沿って説明する。図２７（Ａ）及び図２７（Ｂ）は、未検知エラー解除動作の一例を概念的に表すタイミングチャートであり、図２７（Ａ）が未検知エラー状態からリセット復帰する場合を表し、図２７（Ｂ）が未検知エラー状態からリセット復帰しない場合を表している。図２７（Ａ）及び図２７（Ｂ）においては第１未検知エラーフラグ及び第２未検知エラーフラグの一方のみが設定されている場合が表されている。第２未検知エラーフラグ及び第１未検知エラーフラグの双方が設定されている場合も実質的に同一であるために、以下においては、その詳細な説明を省略する。なお、以下においては、図２６も参照しながら説明する。
図２７（Ａ）に示されたように、未検知エラー状態（第１未検知エラーフラグのオン状態）であって、リセット解除待機状態でなく（Ｓ２０１：Ｎ）、リセット検知状態がオフ状態である（Ｓ２０２：Ｎ）リセット入力待機状態において（例えば、ｔｘ０）、リセット検知状態がオフ状態からオン状態へ移行するまで未検知エラーフラグのオン状態（未検知エラー状態）が維持される（Ｓ２０９のスキップ）。なお、解除判定タイマには所定の値（リセット確認時間Ｔｘに対応する値）が設定されている。
リセット検知状態がオフ状態からオン状態へ移行すると（ｔｘ１）、解除判定タイマの値の減算が開始され、リセット検知状態のオン状態が継続しているために、解除判定タイマの値は「０」になるまで本未検知エラー解除処理Ｓ３１０６の実行ごと（タイマ割込みごと）に「１」だけ減算される（Ｓ２０４）。リセット検知状態のオン状態がリセット確認時間Ｔｘだけ継続するまでのリセット入力確認状態において（Ｓ２０５：Ｎ）、未検知エラーフラグのオン状態が維持される（Ｓ２０９のスキップ）。
リセット検知状態のオフ状態がリセット確認時間Ｔｘだけ継続したときに（ｔｘ２）、リセット解除待機フラグがオフ状態からオン状態に移行する。また、未検知エラー状態であるために（Ｓ２０７：Ｙ）、第１条〜第４条の通過検知状態が確認され、全条の通過検知状態がオフ状態（非通過状態）であるために（Ｓ２０８：Ｙ）、未検知エラーフラグが解除されて未検知エラー状態が終了する（Ｓ２０９）。未検知エラーフラグの解除に伴い、未完払出の遊技球を払い出させるために、再払出試行数が所定の値（本形態では「１」）に設定される。その後は、リセット解除待機状態において（Ｓ２０１：Ｙ，Ｓ２１１：Ｙ）、リセット検知状態がオフ状態に移行するのを待つこととなる。
リセット検知状態がオフ状態に移行すると（ｔｘ３）（Ｓ２１１：Ｎ）、リセット解除待機フラグがオン状態からオフ状態に移行されてリセット解除待機状態が終了する（Ｓ２１２）。また、次回のリセット検知状態のオン状態の移行に備えて、解除判定タイマには所定の値（リセット確認時間Ｔｘに対応する値）が設定される。
未検知エラー以外のエラーをリセットするためにもリセットスイッチ１０３８ｂは操作されるために、図２７（Ａ）に示された場合と異なり、リセット検知状態のオフ状態がリセット確認時間Ｔｘだけ継続したときであっても、未検知エラー状態でなければ（Ｓ２０７：Ｎ）、未検知エラーフラグの解除や再払出試行数の設定は行われない（Ｓ２０９及びＳ２１０のスキップ）。
また、第１条〜第４条の通過検知状態（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）が確認されたときに（Ｓ２０８）、図２７（Ｂ）に示されたように、第１条の通過検知状態がオン状態（通過状態）である場合には（Ｓ２０８：Ｎ）、未検知エラーフラグが解除されず（Ｓ２０５：Ｙ）、再払出試行数の設定も行われない。なお、図２７（Ｂ）には、第１条の払出通過検知状態がオン状態である場合を表したが、第１条〜第４条の通過検知状態の少なくとも１つがオン状態の場合も同様である。判定処理Ｓ２０８で通過検知状態がオン状態であると判定される場合は、前回の払出動作における払出フリッカ１０３３ｂの通過禁止状態への移行時に遊技球が待機通路１０３３ｄ（図１１参照）及び払出通路１０３３ｅ（図１１参照）の境界近傍で払出フリッカ１０３３ｂによって捕捉され、それが維持されている状態である。このように遊技球が捕捉されている場合には、リセットスイッチ１０３８ｂの操作後に再払出動作を実行したとしても正常には払出が続行できない場合があるために、リセットスイッチ１０３８ｂの操作によっては未検知エラー状態が解除されない。捕捉されている遊技球は払出装置１０３３の操作レバー１０３３ｊ（図１１参照）が操作されることによって除去でき、遊技球が捕捉されている場合には、未検知エラー状態は、操作レバー１０３３ｊの操作後にリセットスイッチ１０３８ｂが再度操作されることによって解除される。なお、図２６、図２７（Ａ）及び図２７（Ｂ）には一例を示したが、遊技球の捕捉が発生している場合にはリセットスイッチ１０３８ｂの操作によって未検知エラー状態が解除されない構成であればどのような構成であってもよい。更に、本発明においては、遊技球の捕捉が発生している場合であっても再払出動作において正常な払出が実行できる構成である場合には、リセットスイッチ１０３８ｂの操作によって未検知エラー状態が解除される構成であってもよい。
また、図２７（Ａ）に示された場合と異なり、リセット入力確認状態において、リセットスイッチ１０３８ｂのオン状態がリセット確認時間Ｔｘだけ継続しなかった場合には（Ｓ２０２：Ｎ）、実質的に何らの作用も発現せず、リセットスイッチ１０３８ｂの操作前の状態を維持する。なお、次回のリセットスイッチ１０３８ｂの操作に備えて、解除判定タイマには所定の値（リセット確認時間Ｔｘに対応する値）が再設定される（Ｓ２０３）。
図２４に示されたように、未検知エラー解除処理Ｓ３１０６の後に、状態表示をすべき状態が変更されている場合に、その最新の状態に応じた状態表示に更新する（「状態表示更新処理」Ｓ３１０７）。具体的には、払出通過検知状態に基づく遊技球の払出が停滞した場合の未検知エラー状態、後述する球溢れ検知状態に基づく球溢れエラー状態、後述する球切れ検知状態に基づく球切れエラー状態等の場合に、各種のエラーフラグ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）やエラー報知フラグ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）に基づいて払出制御基板１０３７ａに設けられた７セグメントＬＥＤ（図示せず）の発光表示、スピーカ１１０６，１２０４からの音声出力、液晶表示装置１０４２の画像表示等によりその旨を遊技者に知らせたりする。なお、７セグメントＬＥＤ以外による報知は、各種のエラーフラグやエラー報知フラグに応じた払出制御基板１０３７ａからの制御信号が主制御基板１０４５ａに出力され、出力された制御信号に基づく主制御基板１０４５ａからの球情報コマンドに応じて副制御基板１０４７ａが制御する。
状態表示更新処理Ｓ３１０７の後に、第１の球切れ検出スイッチ（〔貯留検知手段〕の一種）１０３５ｂ及び第２の球切れ検出スイッチ（〔貯留検知手段〕の一種）１０３５ｂの球切れ検知状態（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域に保持）が確認され、それらの球切れ検知状態に応じて球切れエラーフラグ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）の設定や解除が行われる（「貯留球確認処理」Ｓ３１０８）。第１の球切れ検出スイッチ１０３５ｂは、第１条及び第２条の少なくとも一方の条の待機通路１０３３ｄ及び球通路１０３５ａ内に所定の個数（規定貯留数）以上の遊技球が貯留されているか否かを検出し、第２の球切れ検出スイッチ１０３５ｂは、第３条及び第４条の少なくとも一方の条の待機通路１０３３ｄ及び球通路１０３５ａ内に所定の個数以上の遊技球が貯留されているか否かを検出する。
ここで、貯留球確認処理Ｓ３１０８について詳細に説明する。図２８は、貯留球確認処理Ｓ３１０８の一例を表すフローチャートである。貯留球確認処理Ｓ３１０８において、まず、第１の球切れ検知状態及び第２の球切れ検知状態の双方がオフ状態（球無し状態）であるか否かが判定される（Ｓ３２０１）。
いずれかの球切れ検知状態がオン状態（球有り状態）である場合には、第１の球切れ検知状態がオン状態であるか否かが判定される（Ｓ３２０２）。第１の球切れ検知状態がオフ状態である場合には次回の第１条及び第２条の球無し状態の発生に備えて第１球切れ判定タイマ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）に所定の値（本形態では、約３０００ｍｓに相当する「１５００」）が設定される（「第１球切れ判定タイマ設定処理」Ｓ３２０３）。同様に、第２の球切れ検出スイッチ１０３５ｂに対応する第２の球切れ検知状態がオン状態であるか否かが判定され（Ｓ３２０４）。第２の球切れ検知状態がオフ状態である場合には次回の第３条及び第４条の球無し状態の発生に備えて第２の球切れ判定タイマ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）に所定の値（本形態では、約３０００ｍｓに相当する「１５００」）が設定される（「第２球切れ判定タイマ設定処理」Ｓ３２０５）。また、第１の球切れ検知状態及び第２の球切れ検知状態に関わらず、次回の第１条又は第２条の球有り状態及び第３条又は第４条の球有り状態の発生に備えて球有り判定タイマ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）に所定の値（本形態では、約１００ｍｓに相当する「５０」）が設定される（「球有り判定タイマ設定処理」Ｓ３２０６）。球有り判定タイマ設定処理Ｓ３２０６の後に、第１球切れ判定タイマ及び第２球切れ判定タイマの値が更新される（「第１球切れ判定タイマ更新処理」Ｓ３２０７，「第２球切れ判定タイマ更新処理」Ｓ３２０８）。具体的には、各球切れ判定タイマの値は、現在値が「０」でなければ現在値から「１」だけ減算した値に変更され、現在値が「０」であれば現在値「０」を維持する。第１球切れ判定タイマ更新処理Ｓ３２０７及び第２球切れ判定タイマ更新処理Ｓ３２０８の後に、払出制御期間中であるか否かが判定される（Ｓ３２０９）。具体的には払出制御期間フラグ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）が設定されているか否かが確認され、払出制御期間フラグが設定されている場合（「１」）には払出制御期間中であると判定され、払出制御期間フラグが設定されていない場合（「０」）には払出制御期間外であると判定される。払出制御期間中である場合には、本貯留球確認処理Ｓ３１０８が終了する。一方、払出制御期間中である場合には、第１の球切れ判定タイマ及び第２の球切れ判定タイマが解除されているか否かが判定されて（Ｓ３２１０，Ｓ３２１１）、いずれかの球切れ判定タイマが解除されている場合には、球切れエラーフラグが設定され（「球切れエラー設定処理」Ｓ３２１２）、球切れ報知フラグ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）が設定される（「球切れ報知処理」Ｓ３２１３）。
判定処理Ｓ３２０１において全ての球切れ検知状態がオフ状態（球有り状態）である場合には、第１球切れ判定タイマ設定処理Ｓ３２０３と同様に、第１の球切れ判定タイマに所定の値が設定され（「第１球切れ判定タイマ設定処理」Ｓ３２１４）、また、第２球切れ判定タイマ設定処理Ｓ３２０５と同様に、第２の球切れ判定タイマに所定の値が設定される（「第２球切れ判定タイマ設定処理」Ｓ３２１５）。第１球切れ判定タイマ設定処理Ｓ３２１４及び第２球切れ判定タイマ設定処理Ｓ３２１５の後に、球有り判定タイマの値が更新される（「球有り判定タイマ更新処理」Ｓ３２１６）。具体的には、球有り判定タイマの値は、現在値が「０」でなければ現在値から「１」だけ減算した値に変更され、現在値が「０」であれば現在値「０」を維持する。
ここで、貯留球確認処理Ｓ３１０８が繰り返し実行されることによって実現する球切れ確認動作について概ね時系列に沿って説明する。図２９は、球切れ確認動作の一例を概念的に表すタイミングチャートであり、図２９（Ａ）が払出制御期間外に球切れが発生した場合を表し、図２９（Ｂ）が払出制御期間中に球切れが発生して払出制御期間外に球切れが解消した場合を表し、図２９（Ｃ）が払出制御期間中に球切れが発生して払出制御期間中に球切れが解消した場合を表している。図２９（Ａ）〜図２９（Ｃ）においては、第１条又は第２条においてのみ球切れが発生した場合が示されている。第３条又は第４条においてのみ球切れが発生した場合や、第１条又は第２条において球切れが発生し、かつ第３条又は第４条においても球切れが発生した場合も実質的に同一であるために、以下においては、第１条又は第２条においてのみ球切れが発生した場合について説明し、他の場合についての詳細な説明を省略する。なお、以下の説明においては、図２８も適宜に参照する。
図２９（Ａ）に示されたように、全ての球切れ検知状態がオフ状態である状態が継続しており（Ｓ３２０１：Ｙ）、球有り判定タイマが既に解除されている状態において（例えば、ｔｙ０）、（Ｓ３２０１：Ｙ）、第１球切れ判定タイマ及び第２球切れ判定タイマは所定の値（球切れ確認時間Ｔｙ１（約３０００ｍｓ）に相当する「１５００」）に維持されている（Ｓ３２１４，Ｓ３２１５）。一方、球有り判定タイマは解除（「０」に維持）されており（Ｓ３２１６，Ｓ３２１７：Ｙ）、球切れエラーフラグ及び球切れエラー報知フラグは解除されている（Ｓ３２１８，Ｓ３２１９）。
第１の球切れ検知状態がオフ状態からオン状態へ移行すると（ｔｙ１）、第１球切れ判定タイマの値の減算が開始され、第１の球切れ検知状態のオン状態が継続している間（Ｓ３２０１：Ｙ，Ｓ３２０２：Ｙ）、第１球切れ判定タイマの値は「０」になるまで本貯留球確認処理Ｓ３１０８の実行ごと（タイマ割込みごと）に「１」だけ減算される（Ｓ３２０７）。なお、第２球切れ判定タイマは、第２球切れ検知状態のオフ状態が継続しているために（Ｓ３２０４：Ｎ）、所定の値（球無し確認時間Ｔｙ１に相当する値）に設定された後に（Ｓ３２０５）、「１」だけ小さい値に更新される（Ｓ３２０８）。したがって、実質的には所定の値より「１」だけ小さい値に維持されている。また、球有り判定タイマは、所定の値（球有り確認時間Ｔｙ２（約１００ｍｓ）に相当する「５０」）に維持されている（Ｓ３２０６）。払出制御期間中であるが（Ｓ３２０９：Ｙ）、第１球切れ検知状態のオン状態が第１球切れ確認時間Ｔｙ１だけ継続するまで、球切れエラーフラグのオフ状態は維持される（Ｓ３２１２のスキップ）。これによって、球切れエラー状態に伴うエラー処理やエラー報知処理は実行されない。
球切れ検知状態のオン状態が球切れ確認時間Ｔｙ１だけ継続したときに（ｔｙ２）、第１球切れ判定タイマが解除され（Ｓ３２０７）、払出制御期間外（Ｓ３２０９：Ｎ）において球切れ判定タイマが解除されているので（Ｓ３２１０：Ｙ）、球切れエラーフラグが設定（オフ状態からオン状態に変更）されると共に、球切れエラー報知フラグが設定される。これによって、球切れエラー状態に移行すると共に、球切れエラー報知が開始されることとなる。
球切れエラー状態において、第１球切れ検知状態がオフ状態に移行すると（ｔｙ３）、全ての球切れ検知状態がオフ状態となるために（Ｓ３２０１：Ｙ）、球有り判定タイマの値の減算が開始され、第１球切れ検知状態のオフ状態が継続している間（Ｓ３２０１：Ｎ）、球有り判定タイマの値は「０」になるまで本貯留球確認処理Ｓ３１０８の実行ごと（タイマ割込みごと）に「１」だけ減算される（Ｓ３２１６）。なお、第１球切れ判定タイマ及び第２球切れ判定タイマは、所定の値（球無し確認時間Ｔｙ１に相当する値）に維持される（Ｓ３２１４，Ｓ３２１５）。また、第１球切れ検知状態のオフ状態が球有り確認時間Ｔｙ２だけ継続するまで、球切れエラーフラグ及び球切れエラー報知フラグのオン状態は維持される（Ｓ３２１８，Ｓ３２１９のスキップ）。これによって、球切れエラー状態に伴うエラー処理やエラー報知処理は継続される。
第１球切れ検知状態のオフ状態が球有り確認時間Ｔｙ２だけ継続したときに（ｔｙ４）、球有り判定タイマが解除され（Ｓ３２１６）、球切れエラーフラグが解除（オン状態からオフ状態に変更）されると共に、球切れエラー報知フラグが解除される。これによって、球切れエラー状態が終了すると共に、球切れエラー報知が停止されることとなる。
図２９（Ａ）に示された場合と異なり、第１球切れ検知状態のオン状態が球切れ確認時間Ｔｙ１だけ継続したときであっても、払出制御期間中において（Ｓ３２０９：Ｎ）球切れ確認時間Ｔｙ１が終了した場合には（Ｓ３２１０：Ｙ）、図２９（Ｂ）及び図２９（Ｃ）に示されたように、球切れエラーフラグや球切れエラー報知フラグの設定は行われない（Ｓ３２１２及びＳ３２１３のスキップ）。また、この場合において、図２９（Ｂ）に示されたように、払出制御期間の終了時（ｔｙ５）において第１球切れ検知状態のオフ状態が球有り確認時間Ｔｙ２だけ継続していない場合には、払出制御期間フラグが解除された直後に、球切れエラーフラグ及び球切れエラー報知フラグが設定される。一方、図２９（Ｃ）に示されたように、払出制御期間の終了時（ｔｙ５’）において第１球切れ検知状態のオフ状態が球有り確認時間Ｔｙ２だけ継続している場合には、球切れエラーフラグ及び球切れエラー報知フラグが設定されない。
貯留球確認処理Ｓ３１０８の後に、球溢れ検出スイッチ（球溢れ検知手段）１０３１ｊからの球溢れ検出信号に基づく球溢れ検知状態が確認され、その球溢れ検知状態に基づいて球溢れエラーフラグ（球溢れエラー状態）の設定や解除が行われる（「下皿球確認処理」Ｓ３１０９）。
ここで、下皿球確認処理Ｓ３１０９について詳細に説明する。図３０は、下皿球確認処理Ｓ３１０９の一例を表すフローチャートである。下皿球確認処理Ｓ３１０９において、まず、球溢れ検知状態がオフ状態（球抜き状態）であるか否かが判定される（Ｓ３３０１）。
球溢れ検知状態がオン状態（球溢れ状態）である場合には、次回の第１条及び第２条の球抜き状態の発生に備えて球溢れ解消判定タイマ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）に所定の値（例えば、約１０００ｍｓに相当する「５００」）が設定される（「球溢れ解消判定タイマ設定処理」Ｓ３３０２）。球溢れ解消判定タイマ設定処理Ｓ３３０２の後に、球溢れ発生判定タイマ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）の値が更新される（「球溢れ発生判定タイマ更新処理」Ｓ３３０３）。具体的には、球溢れ発生判定タイマの値は、現在値が「０」でなければ現在値から「１」だけ減算した値に変更され、現在値が「０」であれば現在値「０」を維持する。球溢れ発生判定タイマ更新処理Ｓ３３０３の後に、払出制御期間中であるか否かが判定される（Ｓ３３０４）。払出制御期間中である場合には、本下皿球確認処理Ｓ３１０９が終了する。一方、払出制御期間中である場合には、球溢れ発生判定タイマが解除されているか否かが判定されて（Ｓ３３０５）、球溢れ発生判定タイマが解除されている場合には、球溢れエラーフラグが設定され（「球溢れエラー設定処理」Ｓ３３０６）、球溢れ報知フラグ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）が設定される（「球溢れ報知設定処理」Ｓ３３０７）。
判定処理Ｓ３３０１において球溢れ検知状態がオフ状態（球抜き状態）である場合には、球溢れ発生判定タイマに所定の値が設定される（「球溢れ発生判定タイマ設定処理」Ｓ３３０８）。球溢れ発生判定タイマ設定処理Ｓ３３０８の後に、球溢れ解消判定タイマの値が更新される（「球溢れ解消判定タイマ更新処理」Ｓ３３１６）。具体的には、球溢れ解消判定タイマの値は、現在値が「０」でなければ現在値から「１」だけ減算した値に変更され、現在値が「０」であれば現在値「０」を維持する。
ここで、下皿球確認処理Ｓ３１０９が繰り返し実行されることによって実現する球溢れ確認動作について概ね時系列に沿って説明する。図３１は、球溢れ確認動作の一例を概念的に表すタイミングチャートであり、図３１（Ａ）が払出制御期間外に球溢れが発生した場合を表し、図３１（Ｂ）が払出制御期間中に球溢れが発生して払出制御期間外に球溢れが解消した場合を表し、図３１（Ｃ）が払出制御期間中に球溢れが発生して払出制御期間中に球溢れが解消した場合を表している。なお、以下の説明においては、図３０も適宜に参照する。
図３１（Ａ）に示されたように、球溢れ検知状態がオフ状態（球抜き状態）である状態が継続しており（Ｓ３３０１：Ｙ）、球溢れ解消判定タイマが既に解除されている状態において（例えば、ｔｚ０）、球溢れ発生判定タイマは所定の値（球溢れ発生確認時間Ｔｙ１（約１０００ｍｓ）に相当する「５００」）に維持されている（Ｓ３３０８）。一方、球溢れ解消判定タイマは解除（「０」に維持）されており（Ｓ３３０９，Ｓ３３１０：Ｙ）、球溢れエラーフラグ及び球溢れエラー報知フラグは解除されている（Ｓ３３１１，Ｓ３３１２）。
球溢れ検知状態がオフ状態からオン状態へ移行すると（ｔｚ１）、第１球切れ判定タイマの値の減算が開始され、第１球切れ検知状態のオン状態が継続している間（Ｓ３３０１：Ｙ）、球溢れ発生判定タイマの値は「０」になるまで本下皿球確認処理Ｓ３１０９の実行ごと（タイマ割込みごと）に「１」だけ減算される（Ｓ３３０３）。球溢れ解消判定タイマは、所定の値（球溢れ解消確認時間Ｔｚ２（約１０００ｍｓ）に相当する「５００」）に維持されている（Ｓ３３０２）。払出制御期間中であるが（Ｓ３３０４：Ｙ）、第１球切れ検知状態のオン状態が第１球切れ確認時間Ｔｚ１だけ継続するまで、球切れエラーフラグ及び球溢れエラー報知フラグのオフ状態は維持される（Ｓ３３０６のスキップ）。これによって、球溢れエラー状態に伴うエラー処理やエラー報知処理は実行されない。
球溢れ検知状態のオン状態が球切れ確認時間Ｔｚ１だけ継続したときに（ｔｚ２）、球溢れ発生判定タイマが解除され（Ｓ３３０５）、払出制御期間外（Ｓ３３０４：Ｎ）において球溢れ発生判定タイマが解除されているので（Ｓ３３０５：Ｙ）、球溢れエラーフラグが設定（オフ状態からオン状態に変更）されると共に、球溢れエラー報知フラグが設定される。これによって、球溢れエラー状態に移行すると共に、球溢れエラー報知が開始されることとなる。
球溢れエラー状態において、球溢れ検知状態がオフ状態に移行すると（ｔｚ３）（Ｓ３３０１：Ｙ）、球溢れ解消判定タイマの値の減算が開始され、球溢れ検知状態のオフ状態が継続している間（Ｓ３２０２：Ｎ）、球溢れ解消判定タイマの値は「０」になるまで本下皿球確認処理Ｓ３１０９の実行ごと（タイマ割込みごと）に「１」だけ減算される（Ｓ３２０７）。なお、球溢れ発生判定タイマは、所定の値（球溢れ発生確認時間Ｔｚ１に相当する値）に維持される（Ｓ３３０８）、「１」だけ小さい値に更新される（Ｓ３２０８）。また、球溢れ検知状態のオフ状態が球溢れ解消確認時間Ｔｚ２だけ継続するまで、球溢れエラーフラグ及び球溢れエラー報知フラグのオン状態は維持される（Ｓ３３１１のスキップ）。これによって、球切れエラー状態に伴うエラー処理やエラー報知処理は継続される。
球溢れ検知状態のオフ状態が球溢れ解消確認時間Ｔｚ２だけ継続したときに（ｔｚ４）、球溢れ解消判定タイマが解除され（Ｓ３３０９）、球球溢れエラーフラグが解除（オン状態からオフ状態に変更）されると共に、球溢れエラー報知フラグが解除される。これによって、球溢れエラー状態が終了すると共に、球溢れエラー報知が停止されることとなる。
図３１（Ａ）に示された場合と異なり、球溢れ検知状態のオン状態が球溢れ発生確認時間Ｔｚ１だけ継続したときであっても、払出制御期間中において（Ｓ３３０４：Ｎ）球溢れ発生確認時間Ｔｚ１が終了した場合には（Ｓ３３０５：Ｙ）、図３１（Ｂ）及び図３１（Ｃ）に示されたように、球溢れエラーフラグや球溢れエラー報知フラグの設定は行われない（Ｓ３３０６及びＳ３３０７のスキップ）。また、この場合において、図３１（Ｂ）に示されたように、払出制御期間の終了時（ｔｚ５）において球溢れ検知状態のオフ状態が球溢れ解消確認時間Ｔｚ２だけ継続していない場合には、払出制御期間フラグが解除された直後に、球溢れエラーフラグ及び球溢れエラー報知フラグが設定される。一方、図３１（Ｃ）に示されたように、払出制御期間の終了時（ｔｚ５’）において球溢れ検知状態のオフ状態が球溢れ解消確認時間Ｔｚ２だけ継続している場合には、球切れエラーフラグ及び球切れエラー報知フラグが設定されない。
下皿球確認処理Ｓ３１０９の後に、各払出カウントスイッチ１０３３ｈの通過開始検知状態を確認し、通過開始検知状態に基づいて全条共通の払出残数（〔総通過数〕）及び各条の払出残数（〔個別通過数〕）等が更新される（「払出数計数処理」Ｓ３１１０）。ここで、払出計数処理Ｓ３１１０について詳細に説明する。図３２は、払出数計数処理の一例を表すフローチャートである。
払出数計数処理Ｓ３１１０において、図３２に示されたように、まず、第１条の不監視タイマ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）が更新される（「第１条不監視タイマ更新処理」Ｓ３０１）。第１条の不監視タイマは、現在値が「０」以外の正数値である場合に現在値から「１」だけ減算した値に変更され、現在値が「０」以外の正数値である場合に現在値を維持する。第１条の不監視タイマは、払出カウントスイッチ信号の入力を監視しない期間を決定するために用いられるタイマである。具体的には、第１条の払出フリッカ１０３３ｂが通過禁止状態に移行してからの所定のカウント不監視時間を計測する。
第１条不監視タイマ更新処理Ｓ３０１の後に、第１条の通過フラグ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域に保持）が設定されているか否かが判定される（Ｓ３０２）。なお、第１条の通過フラグは、実質的に第１条の通過検知状態がオフ状態からオン状態に変更された場合（実質的に払出カウントスイッチ信号の立下りが検知された場合）に設定される。第１条の通過フラグが設定されている場合には、第１条の通過フラグが解除される（「第１条通過フラグ解除処理」Ｓ３０３）。これによって、１球の遊技球の払出が完了したと認識される。
第１条通過フラグ解除処理Ｓ３０３の後に、総払出残数（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域に保持）が現在値から「１」だけ減算した値に変更される（「総払出残数減算処理」Ｓ３０４）。なお、総払出残数が「０」である場合には「０」が維持される。総払出残数減算処理Ｓ３０４の後に、全条共通な貸球払出数（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域に保持）が「０」であるか否かが判定され（Ｓ３０５）、否定判定の場合には、貸球払出数が現在値から「１」だけ減じた値に変更されて（「貸球払出数更新処理」Ｓ３０６）、本処理が終了する。なお、貸球払出数が「０」である場合には「０」に維持される。一方、貸球払出数が「０」である場合には、貸球の払出ではないので、全条共通な賞球払出数（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）が現在値から「１」だけ減算した値に変更される（「賞球払出数更新処理」Ｓ３０７）。賞球払出数更新処理Ｓ２０７の後に、第１条の不監視タイマが設定されているか否かが判定され（Ｓ３０８）、第１条の不監視タイマが設定されていない場合には、主制御基板１０４５ａに送信される払出カウント信号の出力制御に用いられるカウント信号出力待機数が現在値に「１」だけ加算した値に変更される（「カウント信号出力待機数更新処理」Ｓ３０９）。なお、賞球の払出である場合には払出個数に応じた個数のパルス信号が払出カウント信号として出力されるが、貸球の払出である場合には払出カウント信号は出力されない。
その後、第１条の払出残数（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域に保持）が現在値から「１」だけ減じた値に変更される（「第１払出残数更新処理」Ｓ３１０）。なお、第１条の払出残数が「０」である場合には「０」に維持される。第１払出残数更新処理Ｓ３１０の後に、第１条の払出残数の有無が判定される（Ｓ３１１）。判定処理Ｓ３１１において第１条の払出残数が無い場合（「０」）は、第１条において最後に払い出されるべき遊技球（以下、「最終球」とも称す）の通過が開始された場合や予定外の遊技球の通過が開始された場合を意味する。判定処理Ｓ３０５において、第１条の払出残数が有る場合、第１条制御タイマ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）に所定の値（本形態では約３００ｍｓに相当する「１５０」）が設定され（「第１条制御タイマ設定処理」Ｓ３１２）、一方、第１条の払出残数が無い場合には、第１条の制御タイマが強制的に解除される（「第１条制御タイマ解除処理」Ｓ３１３）。第１条の制御タイマは、連続して払い出される２つの遊技球の払出間隔（〔通過時間間隔〕）を監視するために用いられるタイマである。なお、第１条制御タイマの値は、正数である場合にタイマ割込みごとに「１」だけ減算され、一方、「０」である場合には「０」が維持される。第１条制御タイマ設定処理Ｓ３１２の後に、第１条の不監視タイマが所定の値（本形態では、約１００ｍｓに相当する「５０」）が設定される。
次に、第１条不監視タイマ更新処理Ｓ３０１〜第１条不監視タイマ設定処理Ｓ３１４を含む一連の第１条払出数計数処理と同様にして、第２条〜第４条の払出数計数処理（「第２条払出数計数処理」Ｓ３１５，「第２条払出数計数処理」Ｓ３１６，「第２条払出数計数処理」Ｓ３１７）が実行されて、本処理が終了する。なお、第２条払出数計数処理Ｓ３１５〜第４条払出数計数処理Ｓ３１７の各々は、第１条不監視タイマ更新処理Ｓ３０１〜第１条不監視タイマ設定処理Ｓ３１４と実質的に同一であるために、第２条払出数計数処理Ｓ３１５、第３条払出計数処理Ｓ３１６及び第４条払出数計数処理Ｓ３１７については、それぞれ、第１条に対する説明における「第１条」との接頭辞を「第２条」、「第３条」及び「第４条」と読み替えることとし、その詳細な説明を省略する。
払出数計数処理Ｓ３１１０の後に、図２４に示されたように、払出ソレノイドを制御するための処理が実行される（「払出ソレノイド制御処理」Ｓ３１１１）。ここで、払出ソレノイド制御処理３１１１について詳細に説明する。図３３は、払出ソレノイド制御処理の一例を表すフローチャートである。
払出ソレノイド制御処理Ｓ３１１１において、図３３に示されたように、未検知エラーフラグ、球切れエラーフラグ、球溢れエラーフラグ等の各種の払出エラーフラグのいずれからが設定されている払出エラー状態であるか否かが判定される（Ｓ４０１）。払出エラー状態で無い場合には、貸球動作中であるか否かが判定される（Ｓ４０２）。具体的には、後述する貸球動作状態の値が「０」である貸球操作を受け付ける待機状態であるか否かが判定される。貸球動作中である場合には、貸球払出数が「０」であるか否かが更に判定されて（Ｓ４０３）、貸球払出数が「０」でない場合には、払い出すべき遊技球が残っていることとなるために、全条共通の総払出残数が貸球払出数と同一値に設定される（「払出残数設定処理」Ｓ４０４）。なお、詳細については後述するが、貸球の払出は複数回に分けて単位貸球払出数ずつ実行され、その分割的に実行されるため、貸球動作中であっても一時的に貸球払出数が「０」である場合もある。なお、通常の貸球払出においては払出残数に単位貸球払出数が設定される。一方、判定処理Ｓ４０２において貸球動作中でないと判定された場合には、賞球払出であるので、総払出残数が賞球払出数と同一値に設定される（「払出残数設定処理」Ｓ４０５）。なお、賞球払出数は、主制御基板１０３７ａからの賞球払出コマンドの受信に応じて、上記のコマンド判定処理Ｓ３１０５における賞球払出数設定処理Ｓ１０７（図２５参照）で設定される。判定処理Ｓ４０１において払出エラー状態であると判定された場合には、払出が続行できない又は払出を続行すると不具合を生じるために、判定処理Ｓ４０２〜払出数設定処理Ｓ４０５がスキップされる。
その後、総払出残数が「０」であるか否かが判定される（Ｓ４０６）。払出残数が「０」である場合には、今回の払出制御における所定数の払出が完了したこととなるために、払出を終了させるための処理が実行されて（「払出停止設定処理」Ｓ４０７）、本払出ソレノイド制御処理Ｓ３１１１が終了する。一方、総払出残数が「０」でない場合には、全条の制御タイマ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）が解除されているか否かが判定される（「払出中断判定処理」Ｓ４０８；〔払出中断判定手段〕）。具体的には、全条の制御タイマが「０」であるか否かが判定される。いずれかの条の制御タイマが解除されていない場合には、再払出動作を開始するまでの待機時間を決定する再払出制御タイマ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）が設定されて（「再払出制御タイマ設定処理」Ｓ４０９）、本払出ソレノイド制御処理Ｓ３１１１が終了する。
判定処理Ｓ４０８において全条の払出制御タイマが解除されていると判定された場合には、全条の払出残数が「０」であるか否かが判定される（Ｓ４１０）。全条における払出残数が「０」である場合には、初払出動作の開始であるので、再払出試行数（本形態では、「１」）（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域に保持）が設定される。再払出試行数は、初払出動作によって所定数の払出が完了しなかった場合の再払出動作の最大繰り返し回数を表す（「再払出試行数設定処理」Ｓ４１１）。なお、本形態では再払出試行数が「１」に設定されるために、再払出動作は一回だけ実行される。この場合には、再払出試行数は「０」又は「１」をとるために、再払出試行数に代えて再払出試行フラグを用いてもよい。再払出回数設定処理Ｓ４１１の後に、総払出残数を第１条〜第４条に振り分けて、第１条〜第４条の各々において払いだす遊技球の個数（払出残数）が決定される（「払出数振分処理」Ｓ４１２）。
払出数振分処理Ｓ４１２について詳細に説明する。図３４は、払出数振分処理の一例を表すフローチャートである。払出数振分処理Ｓ４１２において、図３４に示されたように、まず、余剰振分パターンデータが初期化される（「余剰振分パターン初期化処理」Ｓ５０１）。これによって、前回の払出数振分処理において参照された余剰振分パターンデータがクリアされる。ここで、余剰振分パターンデータについて説明する。図３５Ａは、複数の余剰振分パターンデータから構成される余剰振分パターン情報の構成を説明するための説明図であり、図３５Ｂは、各余剰振分パターンデータのデータ構成を説明するための説明図である。余剰振分パターン情報は、ＲＯＭ１０３７ａ２の所定の領域に保持された情報であって、図３５Ａの第２列に示されたように、連続する複数のアドレスに１つずつ保持された複数の余剰振分パターンデータで構成されている。なお、図３５Ａにおいて、第１列、第３列及び第４列は、説明の便宜上の記載であって、ＲＯＭ１０３７ａ２に実際に保持された情報ではない。各余剰振分パターンデータは、８ビット（１バイト）のデータであり、その第０ビット（ｂｉｔ０）によって余剰振分数を第１条に振り分けるか否かが決定される。だい第０ビットが「０」である場合には、第１条には余剰振分数は振り分けられない。同様に、第１ビット（ｂｉｔ１）、第２ビット（ｂｉｔ１）及び第３ビット（ｂｉｔ１）の値によって、それぞれ、第２条、第３条及び第４条に余剰振分数を振り分けるか否かが決定される。例えば、図３５Ｂに示された余剰振分パターンデータは、第３条、第４条及び第１条に余剰振分数を振り分けることとなる。
余剰振分パターン初期化処理Ｓ５０１の後に、余剰振分数が算出される（「余剰振分数算出処理」Ｓ５０２）。余剰振分数は、全条共通の総払出残数（〔総通過許可数〕）を条数（「４」）で除した場合の剰余に対応する値である。なお、具体的には、条数が４（２の２乗）であるために、総払出残数と「０３Ｈ（００００００１１Ｂ）」との論理積をとる論理演算（下位２ビットの抽出）によって、余剰振分数が簡便に算出さる。
余剰振分数算出処理Ｓ５０２の後に、余剰振分数が「０」であるか否かが判定され（Ｓ５０３）、余剰振分数が「０」でない場合には、第１条〜第４条の少なくとも１条に他の条より多くの遊技球の払い出し割り当てなければならないために、この割り当て決定するための余剰振分パターンデータが更新される（「余剰振分パターン更新処理」Ｓ５０４）。一方、余剰振分数が「０」である場合には、第１条〜第４条の振分数は同数であるために、余剰振分パターンデータを選択する必要がなく、余剰振分パターン更新処理Ｓ５０４がスキップされる。具体的には、前回の払出振分処理Ｓ４１２の最終段において更新された優先振分条に対応する条識別値と、余剰振分数の値とに基づいて生成される値を用いて、図３５Ａに示された余剰振分パターン情報から１つの余剰振分パターンデータが選択される。更に具体的には、条識別値と余剰振分数から「１」だけ減じた値を２ビットだけ左にシフトさせ（４倍することに相当）て、オフセット値を算出する。そして、余剰振分パターン情報における先頭メモリアドレス（「１３５０Ｈ」）の値とオフセット値とを加算した値のメモリアドレスの値に対応する余剰振分パターンデータが選択される、ここで、優先振分条（〔優先振分通路〕）は、余剰振分数を振り分ける際の先頭条である。なお、余剰振分数は、循環順序列に従って、先頭条から連続する条に１つずつ振り分けられる。なお、本形態では、循環順序列は、「・・・→第１条→第２条→第３条→第４条→第１条→・・・」と繰り返される順序列である。したがって、図５（Ａに示されたように、余剰振分数と優先条とが決定されれば、一義的に、振分パターンが決定されることとなる。
次に、均等振分数が算出される（「均等振分数算出処理」Ｓ５０５）。均等振分数は、全条共通の総払出残数を条数（「４」）で除した場合の商に対応する値である。なお、具体的には、条数が４（２の２乗）であるために、総払出残数の値を２ビット右へシフトすることによって、均等振分数が簡便に算出される。
均等振分数算出処理Ｓ５０５の後に、第１条の払出残数（〔個別通過許可数〕）が、一旦、均等振分数と同一の値に設定される（「第１条払出残数設定処理」Ｓ５０６）。第１条払出残数設定処理Ｓ５０６の後に、選択されている余剰振分パターンデータを参照して、第１条が余剰振分条である場合には、第１条の払出残数が現在の値に「１」だけ加算した値に変更される（「第１条払出残数補正処理」Ｓ５０７）。具体的には、余剰振分パターンデータの第０ビットの値が「１」である場合に、第１条の払出残数が現在の値に「１」だけ加算した値に変更される。なお、第１条がでない場合には、第１条払出残数補正処理Ｓ５０７がスキップされて、第１条の払出残数が均等振分数を維持する。
次に、上記の第１条に対する第１条払出残数設定処理Ｓ５０６〜第１条払出残数補正処理Ｓ５０８と同様にして、第２条〜第４条に対する処理（Ｓ５０９〜Ｓ５１７）が実行されて、本処理が終了する。なお、第２条〜第４条に対する各処理は第１条において対応する処理と実質的に同一の処理であるために、その詳細な説明は省略する。
第１条〜第４条の払出残数の決定後に、次回の払出数振分処理のために優先振分条が更新される（「優先振分条更新処理」Ｓ５１８）。具体的には、優先振分状の条識別値が、更新前の優先振分条に対応する条識別値に余剰振分数を加えた値に変更される。これによって、優先振分条が決定される。
ここで、再払出動作を伴わない複数回の払出における総払出残数の振分について説明する。なお、再払出動作を伴う場合の総払出残数の振分については、本発明の主たる特徴部分であるために、別途に〔本発明の主たる特徴部分〕において詳細に説明する。
払出制御における総払出残数の第１条〜第４条への振分について説明する。図３５Ｃは、遊技進行に伴う複数回の払出における払出数振分の推移の一例を説明するための説明図である。図３５Ｃには、払出制御基板１０３７ａの立上げから４回分の払出制御における総払出残数の振分の推移が表されている。また、第１回目から第４回目までの払出制御（図中の第１払出〜第４払出）において、それぞれ、７５球、３０球、４０球、５球の払出が行われる場合が表されている。なお、第１回目の払出制御においては、適用優先上は初期値の第１条が設定されていることとする。また、図中の記号「＊」は、余分に遊技球が振り分けられた条を表している。また、丸括弧で囲まれた数字は、振分後の払出動作において払い出された遊技球の個数を表している。以下に、概ね時系列に沿って、総払出残数の振分の推移を説明する。
第１回目の払出制御における払出残数の振分において、今回の振分で参照される優先振分条（図中の適用優先振分条）が第１条であり、払出残数が７５球であるために、７５（払出残数）を４（条数）で除した場合の商に対応する値である「１８」が均等振分数に設定され（Ｓ５０５）、また、その場合の剰余に対応する値である「３」が余剰振分数に設定される（Ｓ５０２）。余剰振分数を表す値「３（００００００１１Ｂ）」と第１条の条識別値「０（００００００００Ｂ）」とに基づく演算によって、図３５Ａに示された余剰振分パターン情報の先頭アドレス（１３５０Ｈ）から８番目のアドレス（１３５８Ｈ）の余剰振分パターンデータが選択される（Ｓ５０４）。具体的には、余剰振分数を表す値を１減算した後に左に２ビットシフトさせた値「８（００００１０００Ｂ）」と第１条の条識別値「０（００００００００Ｂ）」を加算し、更に、加算した結果と余剰振分パターン情報の先頭アドレスの値とを加算し、その値（「１３５８Ｈ」）が示すアドレスの余剰振分パターンデータを選択する。これによって、「０００００１１１Ｂ」が選択され、図３５Ｂに示されたように、第１条、第２条、第３条が、余分に払出数の振り分けられる余剰振分条となる。なお、本形態における循環順序列は、「・・・→第１条→第２条→第３条→第４条→第１条→・・・」と繰り返される順序列に相当する。したがって、第１条から第３条の払出残数には均等振分数よりも「１」だけ大きい値が設定される（Ｓ５０８，Ｓ５１１，Ｓ５１７）。各条において、第１回目の振分により割り当てられた個数の払出が完了すると、適用優先振分条の第１条から適用優先振分条を含めて循環順序列に沿って３（今回の余剰振分数の値）番目の第３条の次の条である第４条が第２回目の振分で参照される優先振分条（図中の更新優先振分条）となる（Ｓ５１８）。
同様にして、図３５Ｃに示されたように、第２回目以降の払出制御における払出残数の振分が行われる。図３５Ｃに示されたように、全ての払出制御において再投入動作が行われることなく初回払出動作で各条の払出が完了する場合には、各条で払い出される遊技球の個数は、１個以上異なることはない。
複数回の払出制御にわたって優先振分条（優先振分通路）の動的な変更に基づいて各条の払出通路１０３３ｅから払い出される遊技球の個数を均一化できるために、複数の払出通路の各々に対応する払出フリッカ１０３３ｂの経年劣化の差を抑制できる。これによって、遊技機の保守管理の容易性を向上させることができる。更に、各回の払出制御において各払出通路から払いだされる遊技媒体の個数を均一化できるために、払出用に貯留された遊技球のタンクレール１０３４における球詰まりを抑制できる。これは、球詰まりが起こりそうな状況下であっても、隣接する複数条での遊技球が払い出されると、遊技球の移動の自由度が大きくなるために球詰まりが防止できる。これによって、円滑な遊技進行が実現できる。
４条で払出を行う場合について説明したが、２の正数乗の条数に振り分ける場合であってもよい。この場合にも上記と同様の効果を発現する。なお、４条未満の２の正数乗の条数（２条）に振り分ける場合には、払出速度が低下する。一方、４条を越えて大きい２の正数乗の条数（８条等）に振り分ける場合には、余剰振分パターン情報の情報量が大幅に増加する。したがって、条数は、４条であることが最も好ましい。また、上記においては、２の正数乗の条数に振り分ける場合について説明したが、本発明においては、２の正数乗と異なる定数に振り分けてもよい。なお、この場合には、上記の構成のようにビット演算によって均等振分数や余剰振分数を算出したり、優先振分条を決定したりできなくなるために振分に要する制御負担が増加する。したがって、２の正数乗の条数に振り分けることが好ましい。
上記においては、余剰振分パターン情報を参照して各条の振分数を決定する場合について説明したが、これらの情報を用いずに、払出数を循環順序列に従って各条に１つずつ割り当てる処理を繰り返す構成とすることもできる。この場合であっても、本発明と実質的に同一の効果を奏する。なお、この場合には、払出数を各条に振り分けるために必要な処理回数が増大する。したがって、上記の構成であることが好ましい。
図３３における払出ソレノイド制御処理Ｓ３１１１の説明に戻り、判定処理Ｓ４１０においていずれかの条の払出残数が「０」でない場合には、前回の払出動作において割り当てられた個数の遊技球の払出が完了しなかった条があることとなり、前回の払出動作が初払出動作であって再払出動作に移行させるか、又は前回の払出動作が再払出動作であって未検知エラー状態に移行させるかを判定するために、再払出試行数が「０」であるか否かが判定される（「払出停止判定処理」Ｓ４１４；〔払出停止判定手段〕）。なお、再払出試行数が「０」でない場合は再払出動作の最大繰り返し回数に到達していない場合を意味し、再払出試行数が「０」である場合は再払出動作の最大繰り返し回数に到達している場合を意味する。
判定処理Ｓ４１４において払出試行数が「０」でないと判定された場合（本形態では「１」）には、再払出待機タイマが更新される（「再払出待機タイマ更新処理」Ｓ４１５）。具体的には、再払出待機タイマの値が、再払出待機タイマが設定されている場合（「１」以上）には現在値から「１」だけ減算した値に更新され、再払出待機タイマが解除されている場合（「０」）には現在値が維持される。再払出待機タイマは、初払出動作の完了から再払出動作の開始までの所定の待機時間を計測するために用いられるタイマである。再払出待機タイマ更新処理Ｓ４１５の後に、再払出待機タイマが設定されているか否かが判定され（Ｓ４１６）、再払出待機タイマが設定されている場合には、所定の待機時間が経過するのを待つために、本払出ソレノイド制御処理Ｓ３１１１が一旦終了する。一方、再払出待機タイマが解除されている場合には、再払出試行数が現在値から「１」だけ減算された値に更新される（「再払出試行数更新処理」Ｓ４１７）。
払出試行数更新処理Ｓ４１７の後に、払出残数が所定の値（規定残数〔未完払出数〕：本形態では「１０」）未満であるか否かが判定され（「再振分判定処理」Ｓ４１８；〔再振分判定手段〕）、払出残数が規定残数以上である場合には、払出数振分処理Ｓ４１２において払出残数が再設定され、一方、払出残数が規定残数未満である場合には、払出数振分処理Ｓ４１２をスキップする。その後、払出開始設定処理Ｓ４１３が実行され、初払出動作の場合と同様に再払出動作を開始させるために各種の設定がなされる。なお、再払出動作において払出残数に応じて再振分を行うか否かを決定する点は、本発明の主たる特徴部分であるために、以下の〔主たる特徴部分の説明〕において詳細に説明する。
判定処理Ｓ４１４において再払出試行数が「０」であると判定された場合は、払出動作が最大繰り返し回数だけ既に実行された場合であるために、再払出待機タイマが強制的に解除される（「再払出待機タイマ解除処理」Ｓ４１９）。再払出待機タイマ解除処理Ｓ４１９の後に、第１条又は第２条の払出が未完であるか否かが判定されて（Ｓ４２０）、未完である場合には、第１未検知エラーフラグ（未検知エラー情報の一種）が設定され（「未検知エラー情報更新処理」Ｓ４２１）、その後本払出ソレノイド制御処理Ｓ３１１１が終了する。また、第３条又は第４条の払出が未完であるか否かが判定されて（Ｓ４２２）、未完である場合には、第２未検知エラーフラグ（未検知エラー情報の一種）が設定され（「未検知エラー情報更新処理」Ｓ４２３）、その後本払出ソレノイド制御処理Ｓ３１１１が終了する。
払出ソレノイド制御処理Ｓ３１１１の後に、払出ソレノイドを具体的に制御するための情報が設定される（「払出ソレノイド設定処理」Ｓ３１１２）。ここで、払出ソレノイド設定処理Ｓ３１１２について詳細に説明する。図３６は、払出ソレノイド設定処理の一例を表すフローチャート図である。払出ソレノイド設定処理では、図３６に示されたように、まず、払出エラーが発生しているか否かが判定される（Ｓ３４０１）。払出エラーが発生していない場合には、第１条の制御タイマが現在の値から「１」だけ減じた値に変更される。第１条の制御タイマが「０」であるか否か、また、第１条の払出残数が「０」であるか否かが判定される（Ｓ３４０３，Ｓ３４０４）。第１条の制御タイマも第１条の払出残数も「０」でない場合には、ソレノイド制御情報が更新される。ソレノイド制御情報には、各払出ソレノイド１０３３ｃのオン・オフ状態を指定する情報が含まれており、ソレノイド制御情報自体は、全条共通な情報である。具体的には、ソレノイド制御情報における第０ビットに「１」が設定され、第１条の払出ソレノイド１０３３ｃはオン状態に移行又はオン状態を維持することとなる。
上記の第１条に対する第１条制御タイマ更新処理Ｓ３４０２〜ソレノイド制御情報更新処理Ｓ３４０５と同様にして、第２条〜第４条に対する処理（Ｓ３４０６〜Ｓ３４１７）が実行される。なお、第２条〜第４条に対する各処理は第１条において対応する処理と実質的に同一の処理であるために、第１条制御タイマ更新処理Ｓ３４０２〜ソレノイド制御情報更新処理Ｓ３４０５に対する説明における「第１条」という接尾辞を適宜に「第２条」、「第３条」又は「第４条」と読み替えることとし、その詳細な説明は省略する。
その後、ソレノイド制御情報を出力して、各条のソレノイドの作動状況をその必要に応じて変更するために、ソレノイド制御情報が出力バッファに格納される（「ソレノイド制御情報出力設定処理」Ｓ３４１８）。なお、格納されたソレノイド制御情報は、払出ソレノイド駆動処理Ｓ３１０２（図２４参照）において出力される。
ここで、払出制御について概ね時系列に沿って説明する。図３７は、再払出動作を経ずに正常に払出を完了する払出制御の一例を概念的に表すタイミングチャートであり、図３８は、再払出動作を経て正常に払出を完了する払出制御の一例を概念的に表すタイミングチャートであり、図３９は、未検知エラーの解除に基づく再払出動作を経て払出を完了する払出制御の一例を概念的に表すタイミングチャートである。図３７〜図３９においては２５個の遊技球を払い出す場合について説明する。なお、以下の払出制御の説明において、図３２、図３３及び図３５も参照する。
図３７に示されたように、払出動作が実行されていない状況において（例えば、ｔａ０）、払出制御基板１０３７ａが主制御基板１０４５ａからの賞球払出コマンドを受信すると、賞球払出数が受信した賞球払出コマンドに応じた値に設定される（賞球払出数設定処理Ｓ１０７：図２５）。賞球払出数「２５」が設定されると（Ｓ３７０１：Ｙ）、払出中信号がオン状態に設定される（ｔａ１）（Ｓ３７０２）。なお、払出中信号の出力制御については別途に後述する。また、未検知エラー等の払出エラーが発生しておらず（Ｓ４０１：Ｎ）、賞球払出動作中であるために（Ｓ４０２：Ｎ）、総払出残数に賞球払出数と同一の値「２５」が設定される。その後、総払出残数が「２５」であり（Ｓ４０６：Ｎ）、全条の制御タイマが解除されており（Ｓ４０８：Ｙ）、各条の払出残数が決定されていないために全条の払出残数が「０」である（Ｓ４１０：Ｎ）ために、再払出試行数に所定の値「１」が設定され（Ｓ４１１）、第１条〜第４条の払出残数が設定され（Ｓ４１２）、第１条〜第４条の制御タイマの各々に所定の値（Ｔ１（約３００ｍｓ）に対応する「１５０」）が設定され、払出作動期間フラグが設定される（Ｓ４１３）。なお、図３７には、第１条の払出残数、第２条の払出残数、第３条の払出残数及び第４条の払出残数に、それぞれ、「７」、「６」、「６」、「６」が設定される場合が示されている。第１条〜第４条の制御タイマの各々が設定されることによって、第１条〜第４条のソレノイド作動フラグ（ソレノイド制御情報の一種）が設定される（Ｓ３４０５，Ｓ３４０９，Ｓ３４１３，Ｓ３４１７）。第１条〜第４条のソレノイド作動フラグが設定されることによって、第１条〜第４条の払出ソレノイド１０３３ｃが一括してオフ状態からオン状態に移行される（ｔａ２）（Ｓ３１０２：図２４参照）。これによって、払出フリッカ１０３３ｂが通過禁止状態から通過許可状態に移行する。遊技球が第１条〜第４条の払出カウントスイッチ１０３３ｈの通過を開始することになる。その後、第１条の制御タイマをタイマ割込みごとに「１」だけ減少させながら（Ｓ３４０２，Ｓ３４０６，Ｓ３４１０，Ｓ３４１４）、第１条の第１球が各条の払出カウントスイッチ１０３３ｈの通過を開始するまで待つ（Ｓ２０１，Ｓ２０２：Ｎ）。第２条〜第４条についても同様である。
第１条の第１球が第１条の払出カウントスイッチ１０３３ｈの通過を開始すると（ｔ１１）、第１条通過フラグが設定され（Ｓ３１０４；図２４参照）、第１条通過フラグが設定されることによって（Ｓ３０２：Ｙ）、総払出残数、賞球払出数及び第１条の払出残数が「１」だけ減少する（Ｓ３０４，Ｓ３０７，Ｓ３１０）。なお、第１条の通過フラグは同一の割込み処理において解除される（Ｓ３０３）。また、第１条の不監視タイマは解除されているために（Ｓ３０８：Ｎ）、払出カウント信号出力待機数が「１」だけ増加する。これによって、払出カウント信号が主制御基板１０３７ａに出力されることとなる。なお、払出カウント信号の出力制御については別途に後述する。また、減算後の第１条の払出残数が「０」以外の値「５」であるために（Ｓ３１１：Ｎ）、第１条の制御タイマに所定の値（Ｔ２（約３００ｍｓ）に対応する「１５０」）が設定される（Ｓ３１２）。
第２条、第３条及び第４条の第１球が払出カウントスイッチ１０３３ｈの通過を開始すると（ｔ２１，ｔ３１，ｔ４１）、第１条の第１球と同様にして、総払出残数、賞球払出数及び第２条〜第４条の払出残数が「１」だけ減少し（Ｓ３１５，Ｓ３１６，Ｓ３１７）、また、第２条〜第４条の不監視タイマは解除されているために払出カウント信号出力待機数が増加する（Ｓ３１５，Ｓ３１６，Ｓ３１７）。また、各条の第１球の場合と同様にして、第１条の第２球から第６球までと、第２条〜第４条の第２球から第５球までが払い出される。
第１条の最終球（第７球）が第１条のカウントスイッチ１０３３ｈの通過を開始すると（ｔ１７）、最終球よりも先行して払い出された各先行球と同様に、総払出残数、賞球払出数及び第１条の払出残数が「１」だけ減少し（Ｓ３０４，Ｓ３０７，Ｓ３１０）、払出カウント信号出力待機数が「１」だけ増加する。なお、各先行球の場合と異なり、減算後の第１条の払出残数が「０」であるために（Ｓ３１１：Ｙ）、第１条の制御タイマが強制的に解除されて（Ｓ３１３）、第１条の不監視タイマに所定の値（Ｔ３（約１００ｍｓ）に対応する「５０」）が設定される（Ｓ３１４）。なお、第１条の払出残数が「０」となること（Ｓ３４０３）、また制御タイマが解除されること（Ｓ３４０４：Ｎ）によって、第１条のソレノイド作動フラグが設定されず（Ｓ３４０５のスキップ）、第１条の払出ソレノイド１０３３ｃはオン状態からオフ状態に移行する（Ｓ３４１８，Ｓ３１０４）。第２条〜第４条の最終球（第６球）も第１条の場合と同様である。
第１条〜第４条の総払出残数が「０」になると（ｔａ３：ｔ１７）、払出制御動作が終了し、払出中信号がオン状態からオフ状態に移行する（ｔａ４）。
図３７に示された場合と異なり、図３８に示されたように、第１条において遊技球が全く払い出されない場合は、Ｔ１（約３００ｍｓ）の経過を待って第１条の制御タイマが「０」になると、第１条の払出ソレノイド１０３３ｃがオン状態からオフ状態に移行する（ｔｂ４）。また、第４条において遊技球の一部しか払いだされない場合も、Ｔ２（約３００ｍｓ）の経過を待って第４条の制御タイマが「０」になると、第４条の払出ソレノイド１０３３ｃがオン状態からオフ状態に移行する（ｔｂ５）。全条の制御タイマが「０」になると、初払出動作が終了する（ｔｂ５）。初払出動作の終了からＴ４（１５００ｍｓ）の経過を待って再払出制御タイマの値が「０」になると、再払出動作が開始される（ｔｂ６）。初払出動作において払い出されなかった遊技球の個数（総払出残数）が「１１」であるために（Ｓ４１８：Ｎ）、再振分が行われる（Ｓ４１２）。なお、図３８においては、再振分によって、第１条の払出残数、第２条の払出残数、第３条の払出残数及び第４条の払出残数に、それぞれ、「２」、「３」、「３」、「３」が設定される場合が示されている。再振分後は、初払出動作の場合と同様にして遊技球の払出が行われる。
図３８に示された場合と異なり、図３９に示されたように、再払出動作において、第１条において遊技球が全く払い出されない場合は、Ｔ１（約３００ｍｓ）の経過を待って第１条の制御タイマが「０」になると、第１条の払出ソレノイド１０３３ｃがオン状態からオフ状態に移行する（ｔｂ４）。更に、第１条における遊技球の払い出しは未完であるために（Ｓ４２０）、未検知エラーフラグが設定される（ｔｃ７）（Ｓ４２１）。なお、正確には、第１未検知エラーフラグが設定される。その後、未検知エラーフラグが解除されると（ｔｃ８）、エラー復帰後の初払出動作が開始される（ｔｃ９）。なお、未検知エラーフラグの解除制御については別途に詳述する。再払出動作において払い出されなかった遊技球の個数（総払出残数）が「２」であるために（Ｓ４１８：Ｙ）、再振分は行われない（Ｓ４１２のスキップ）。その後は、初期の初払出動作の場合と同様に遊技球の払い出しが行われ、第１条の最終球の通過開始に応じて第１条の払出ソレノイド１０３３ｃがオン状態からオフ状態に移行し（ｔｃ１０）、その後、払出中信号がオン状態からオフ状態に移行する（ｔｃ１１）。なお、エラー復帰後の初払出動作において遊技球の払出が完了しなければ、更に再払出動作が実行される。また、その再払出動作においても遊技球の払出が完了しなければ、初期の再払出動作の場合と同様に未検知エラーとなる。
図２４に示されたように、払出ソレノイド設定処理Ｓ３１１２の後に、球貸装置１３５０からの球貸操作に応じて、ＣＲユニットを介した貸球の払出を制御するための処理が実行される（「球貸払出制御処理」Ｓ３１１３）。球貸払い出し制御処理においては、球貸操作に応じて貸し球払出数が設定される。具体的には、球貸装置１３５０の球貸出しボタン１３０６が操作されると貸出スイッチ信号が払出中継端子板１０３６に出力され、払出制御基板１０３７ａを介さずに、払出中継端子板１０３６からＣＲユニットに入力される。ＣＲユニットは、貸出スイッチ信号の受信に基づいて、貸出要求信号及び貸出指示信号を払出制御基板１０３７ａに出力する。貸出要求信号は貸出の開始から終了まで出力される。貸出指示信号は、貸出要求信号が出力されている期間において、複数回に分けて単位貸出払出数の遊技球の払い出しを指示する信号である。通常時においては、１度の貸出スイッチ信号の受信に応じて貸出指示信号は１０回出力される。これによって、払出制御基板１０３７ａにおいては、総貸出数の遊技球を１０回に分割して払い出す。
主制御基板１０４５ａにおいて、払出装置１０３３等におけるエラーの発生や払出装置１０３３等への不正行為を発見するための払出カウント信号及び払出中信号が出力バッファに格納される（「払出カウント信号設定処理」Ｓ３１１４，「払出中信号設定処理」Ｓ３１１５）。なお、払出カウント信号及び払出中信号の出力は、制御情報出力処理Ｓ３１０３において実行される。払出カウント信号は、払出カウントスイッチ１０３３ｈからの出力信号の受信個数（払出済みの遊技球の個数に対応）に基づいて同一個数のパルス信号を所定の波形で出力される、また、払出中信号は、払出制御基板１０３７ａにおいて払出動作中である場合にオン状態（Ｌレベル出力）となる。
ここで、払出カウント信号及び払出中信号の出力制御について説明する。図４０は払出カウント信号設定処理の一例を表すフローチャートであり、図４１は払出中信号設定処理の一例を表すフローチャートである。また、図４２は、払出カウント信号及び払出中信号の出力制御の一例を概念的に表すタイミングチャートである。
払出カウント信号設定処理Ｓ３１１４において、図４０に示されたように、まず、払出カウント信号出力タイマが更新される（「払出カウント信号出力タイマ更新処理」Ｓ３５０１）。具体的には、払出カウント信号出力タイマ（ＲＡＭ１０３７ａ３の所定の領域）の値は、現在値が「０」でなければ現在値から「１」だけ減算した値に変更され、現在値が「０」であれば現在値「０」を維持する。払出カウント信号出力タイマは、払出カウント信号の信号波形の整形に用いられるタイマである。
払出カウント信号出力タイマ更新処理Ｓ３１１４の後に、払出カウント信号出力タイマが設定されているか否かが判定される（Ｓ３５０２）。具体的には、払出カウント信号出力タイマが「０」以外の値である場合に設定と判定し、「０」である場合に解除と判定する。払出カウント信号出力タイマが設定されている場合、つまり、払出カウント信号の出力制御中である場合は、払出カウント信号を出力すべきか否かを判定するために、払出カウント信号出力待機数が「０」であるか否かが判定されて（Ｓ３５０３）、払出カウント信号出力待機数が「０」でない場合には、払出カウント信号出力待機数が現在値から「１」だけ減算された値に更新され（「払出カウント信号出力待機数更新処理」Ｓ３５０４）、払出カウント信号出力タイマが所定の値（本形態では、約１２ｍｓに相当する「６」）に設定される。一方、判定処理Ｓ３５０２において払出カウント信号出力タイマが設定されていないと判定された場合は、判定処理Ｓ３５０３〜払出カウント信号出力タイマ設定処理Ｓ３５０５がスキップされる。
その後、払出カウント信号の出力期間であるか否かが判定される（Ｓ３５０６）。具体的には、払出カウント信号出力タイマの値が所定の値未満である場合には出力期間であると判定され、所定の値（本形態では、「４」）以上である場合には出力待機期間であると判定される。出力待機期間である場合には、払出カウント信号のオフ状態の出力（Ｈレベル出力）を表す値が出力バッファに格納され（「払出カウント信号オフ状態設定処理」Ｓ３５０７）、出力期間である場合には、払出カウント信号のオン状態の出力（Ｌレベル出力）を表す値が出力バッファに格納されて（「払出カウント信号オン状態設定処理」Ｓ３５０８）、本払出カウント信号設定処理Ｓ３１１４が終了する。
払出中信号設定処理Ｓ３１１５において、図４１に示されたように、まず、賞球払出数が設定されているか否かが判定される（Ｓ３６０１）。具体的には、賞球払出数が「０」以外の値である場合には設定と判定され、「０」である場合には解除と判定される。判定処理Ｓ３６０１において賞球払出数が設定されていると判定された場合は、払出中信号をオフ状態に移行させるために、払出中信号のオフ状態の出力（Ｌレベル出力）を表す値が出力バッファに格納されて（「払出中信号オン状態設定処理」Ｓ３６０２）、本払出中信号設定処理Ｓ３１１５が終了する。一方、賞球払出数が設定されていない場合は、払出カウント信号出力待機数が「０」であるか否かが判定され（Ｓ３６０３）、また、払出カウント信号出力タイマが設定されているか否かが判定される（Ｓ３６０４）。払出カウント信号出力待機数が「０」であり、かつ、払出カウント信号出力タイマが解除されている場合（Ｓ３６０３：Ｎ，Ｓ３６０４：Ｎ）には、賞球払出数と同数の払出カウント出力信号の出力が完了しているので、払出中信号をオフ状態に移行させるために、払出中信号のオフ状態の出力（Ｌレベル出力）を表す値が出力バッファに格納される（「払出中信号オフ状態設定処理」Ｓ３６０５）。その後に、本払出中信号設定処理Ｓ３１１５が終了する。
ここで、払出カウント信号及び払出中信号の出力制御について概ね時系列に沿って説明する。第１条、第４条、第２条、第３条の順序で各条に対する第１球が通過を開始する場合であって、第１条における最終球が全条に対しても最後に払い出される遊技球である場合について説明する。また、以下において、図４２と共に図４０及び図４１を適宜に参照する。
図４２に示されたように、払出制御がなされていない状態において（例えば、ｔｄ０）、払出中信号及び払出カウント信号はオフ状を維持している。払出制御基板１０３７ａが主制御基板１０４５ａからの賞球払出コマンドを受信すると、賞球払出数が受信した賞球払出コマンドに応じた値に設定される（賞球払出数設定処理Ｓ１０７：図２５）。賞球払出数が設定されると（Ｓ３７０１：Ｙ）、払出中信号がオン状態に設定される（ｔｄ１）（Ｓ３７０２）。その後、払出フリッカ１０３３ｂが通過許可状態に移行し、遊技球が順次に第１条から第４条の払出カウントスイッチ１０３３ｈを通過することとなる。
第１条の第１球に対する第１条の通過検知状態のオン状態移行に応じて、第１条の不監視タイマは設定されていないために、払出カウント信号出力待機数は「１」に変更される（Ｓ２０９；図３２参照）。払出カウント信号出力タイマは「０」であり（Ｓ３５０１，Ｓ３５０２：Ｙ）、払出カウント信号出力待機数は「１」である（Ｓ３５０３：Ｎ）ために、払出カウント信号待機数は「０」に減少され（Ｓ３５０４）、払出カウント信号出力タイマが所定の出力制御時間Ｔｄに相当する値に設定される（ｔｄ２）（Ｓ３５０５）。しかし、払出カウント信号出力タイマが所定の時間Ｔｄ１だけ経過しておらず出力待機期間であるために（Ｓ３５０６：Ｎ）、払出カウント信号はオフ状態を維持する（Ｓ３５０７）。出力待機時間Ｔｄ１が経過した際、第１条の第１球に対する出力制御期間内であり（Ｓ３５０２：Ｙ）、払出カウント信号出力タイマは出力待機時間Ｔｄ１に相当する値だけ減算されて（Ｓ３５０１）出力期間に移行しているために、払出カウント信号はオン状態に移行する（ｔｄ３）（Ｓ３５０８）。なお、このとき、払出カウント信号出力待機数は第２条〜第３条の各々の第１球に対する通過検知状態のオン状態移行に応じて「３」に変更されている。更に出力時間Ｔｄ２が経過し、第１条の第１球に対する出力制御時間Ｔｄが経過した際に（ｔｄ４）、第１条の第１球に対する出力制御期間が終了する（Ｓ３５０２：Ｎ）。
第１条の第１球に対する出力制御時間Ｔｄが経過した際に（ｔｄ４）、払出カウント信号出力待機数は「３」であるために（Ｓ３５０３：Ｎ）、払出カウント信号出力待機数が「２」に変更され、払出カウント信号出力タイマが第４条の第１球に対応する払出カウント信号の出力を制御するために出力制御時間Ｔｄに相当する値に設定される（Ｓ３５０５）。その後、第１条の第１球と同様にして、第４条の第１球に対応する払出カウント信号の出力が制御される（ｔｄ４〜ｔｄ５）。
第４条の第１球と同様にして、第２条の第１球に対応する払出カウント信号の出力が制御され（ｔｄ５〜ｔｄ６）、また、第３条の第１球に対応する払出カウント信号の出力が制御される（ｔｄ６〜ｔｄ７）。なお、第３条の第１球に対する出力制御時間Ｔｄが経過した際に（ｔｄ７）、第１条の第１球に対する出力制御期間が終了しており（Ｓ３５０２：Ｎ）、払出カウント信号出力待機数は「０」であり（Ｓ３５０３：Ｙ）、払出カウント信号の出力期間でないために（Ｓ３５０６：Ｎ）、払出カウント信号のオフ状態に移行される（Ｓ３５０７：Ｙ）。その後、第１条〜第４条のいずれかの通過検知状態がオン状態に移行するまで、払出カウント信号のオフ状態が維持される。
更に、払い出される他の遊技球に対しても同様にして、払出カウント信号の出力が制御される。なお、全条をあわせて最後に払い出される第１条の最終球に対する払出カウント信号がオン状態からオフ状態に移行すると、賞球払出数が「０」となり（Ｓ３６０１）、払出カウント信号出力待機数が「０」となり（Ｓ３６０３）、払出カウント信号出力タイマが解除される（Ｓ３６０４）ために、払出中信号がオフ状態に移行される（ｔｄ８）。
払出中信号設定処理Ｓ３１１５の後に、払出エラー（遊技球未検知エラー）が発生している場合には、未検知エラー信号の出力状態を表す値が出力バッファに格納される（「未検知エラー信号設定処理」Ｓ３１１６）。なお、未検知エラー信号は、制御情報出力処理Ｓ３１０３において出力される。
未検知エラー信号設定処理Ｓ３１１６の後に、球式回胴遊技機１０１０がＣＲユニットに電気的に接続されているかが監視される（「ＣＲユニット接続監視処理」Ｓ３１１７）。
次に、副制御基板１０４７ａにより実行される制御処理について説明する。副制御基板１０４７ａの制御処理は、外部電力の停電からの復帰や電源投入等による電源復帰に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。割込み処理としては、定期的に割込みをかける内部割込み処理であるタイマ割込み処理と、主制御基板１０４５ａからのコマンド送信に基づく外部割込み処理であるコマンド割込み処理とがある。
タイマ割込み処理は、約１ｍｓの周期で実行される。タイマ割込み処理では、まず、割込みフラグが読み込まれ、各種の割込みのうちのタイマ割込みである場合には、タイマ割込みタイマカウンタの値が現在値に「１」だけ加算した値に更新される（「割込みタイマカウンタ更新処理」）。
コマンド割込み処理は、主制御基板１０４５ａからのコマンド送信に関するストローブ信号の受信に応じて実行される。主制御基板１０４５ａにおけるコマンド送信は概ね１．４９ｍｓの周期で行われるために、本処理は、概ね１．４９ｍｓの周期で実行される。コマンド割込み処理では、ストローブ信号に引き続いて送信される各種のコマンドを受信する（「コマンド受信処理」）。
副制御基板１０４７ａで実行されるメイン処理について詳細に説明する。図４３は、副制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャートである。
メイン処理では、まず、電源制御基板１０３８’からの内部電力の供給に応じて、副制御基板１０４７ａ自身の初期化及び副制御基板１０４７ａに接続された液晶表示装置１０４２等の周辺装置の初期化が行われる（「初期化処理」Ｓ４１０１）。初期化処理Ｓ４２０１の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される（Ｓ４１０２）。ここで、システム状態は、供給電圧が所定の電圧以下であることを表す電圧低下状態と、副制御基板１０４７ａ及び副制御基板１０４７ａに接続された周辺装置が初期化中であることを表す初期化状態と、供給電圧が所定の電圧であって通常遊技を行えることを表す通常状態とを含意する。なお、初期化状態は、初期化処理Ｓ４１０１の実行中に選択される。
システム状態が電圧低下状態でない場合には、割込みタイマカウンタの値に変更があるか否かが判定される（Ｓ４１０３）。割込みタイマカウンタの値に変更がある場合には、割込みタイマカウンタの値が現在値に「１」だけ減算した値に更新される（「割込みタイマカウンタ更新処理」Ｓ４１０４）。割込みタイマカウンタ更新処理Ｓ４１０４の後に、後述する周期タイマ処理Ｓ４１０５が行われる。周期タイマ処理Ｓ４１０５の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定され（Ｓ４１０６）、システム状態が電圧低下状態でない場合には、コマンド割込み処理において主制御基板１０４５ａからの何らかのコマンドが受信されているか否かが判定される（Ｓ４１０７）。コマンドが受信されている場合には後述する受信コマンド確認処理Ｓ４１０８が行われた後に演出の詳細を決定する乱数のベース値が更新され（「乱数ベース値更新処理」Ｓ４１０９）、一方、コマンドが受信されていない場合には受信コマンド確認処理Ｓ４１０８がスキップされて乱数ベース値更新処理Ｓ４１０９が実行される。乱数ベース値更新処理Ｓ４１０９の後に、判定処理Ｓ４１０２に戻る。
判定処理Ｓ４１０２及び判定処理Ｓ４１０６においてシステム状態が電圧低下状態であると判定された場合には、レジスタデータやスタックデータが外部ＲＡＭに保存される（「バックアップ処理」Ｓ４１１０）。バックアップ処理Ｓ４１１０の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される（Ｓ４１１１）。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理Ｓ４１１１が繰り返し実行される。一方、電圧低下状態でない場合には、電圧低下状態の解消がノイズ等による誤作動でないことを確認するために所定の時間（本形態においては３０ｍｓ）待機する（「ウェイト処理」Ｓ４１１２）。ウェイト処理Ｓ４１１２の後に、再度、システム状態が電圧低下状態であるか否かを再度判定する（Ｓ４１１３）。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理Ｓ４１１１に戻る。一方、システム状態が電圧低下状態でない場合には、内部電力の供給が正常に再開したと判断して、メイン処理を起動するための処理を行う（「起動処理」Ｓ４１１４）。起動処理Ｓ４１１４の後に、初期化処理Ｓ４１０１に戻り、メイン処理が再開される。
ここで、受信コマンド確認処理Ｓ４１０８について詳細に説明する。図４４は、受信コマンド確認処理の一例を表すフローチャートである。受信コマンド確認処理Ｓ４１０８では、まず、受信されているコマンドの種類が判別される（Ｓ４２０１）。具体的には、受信バッファに格納されているコマンドからその上位バイト（８ビット）に含まれるコマンド識別情報を抽出して、抽出されたコマンド識別情報に応じた処理に移行させる。受信バッファに複数のコマンドが格納されている場合には、受信順序に従って順次に処理する。以下において、各コマンド識別情報に応じた処理について説明する。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドが停止図柄コマンドであると判定された場合には、において、停止図柄コマンドの下位バイトの情報を抽出して、その情報に基づいて各リールの停止図柄を判別し、全ての停止図柄による組合せパターンに基づいて副制御基板１０４７ａに接続された各種の周辺装置による演出の種類が選択される（「停止図柄コマンド処理」Ｓ４２０２）。例えば、左回胴Ｌ、中回胴Ｍ及び右回胴Ｒのうち２つの回胴が停止しており、少なくとも１つの有効ラインに所定の図柄パターンが停止している場合に、各種の音響演出から所定の音響演出及び各種の発光演出から所定の発光演出の選択が行われる。所定の図柄パターンとしては、例えば、「７」図柄及び「青年」図柄の同一種類の２つ揃い、「ＢＡＲ」図柄の２つ揃いが挙げられる。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドが未検知エラーコマンド、球切れエラーコマンド、球溢れエラーコマンド、払出不足コマンド等の払出エラーコマンドや投入エラーコマンド等のエラーコマンドであると判定された場合には、エラーコマンドの下位バイトの情報が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置によるエラー報知の種類が決定される（「エラーコマンド処理」Ｓ４２０３）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドが復電コマンド及びリセットコマンド等の初期化コマンドであると判定された場合には、初期化コマンドの下位バイトの情報が抽出され、抽出された下位バイトの値に基づいて副制御基板１０４７ａ自体及び副制御基板１０４７ａに接続された各種の周辺装置が初期化される（「初期化コマンド処理」Ｓ４２０４）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドが再遊技コマンド、ビッグボーナスコマンド、レギュラーボーナスコマンド等の内部状態コマンドであると判定された場合には、内部状態コマンドの下位バイトの情報（内部状態の種類）が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される（「内部状態コマンド処理」Ｓ４２０５）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドがビッグボーナス役当選コマンド、レギュラーボーナス役当選コマンド、再遊技役当選コマンド、各種の小役の当選コマンド等の抽選結果コマンドであると判定された場合には、抽選結果コマンドの下位バイトの情報（当選役の種類）が抽出され、その情報や乱数による抽選結果に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される（「抽選結果コマンド処理」Ｓ４２０６）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドが再遊技入賞コマンド、ビッグボーナス入賞コマンド、レギュラーボーナス入賞コマンド、各種の小役の入賞コマンド等の入賞図柄コマンドであると判定された場合には、入賞図柄コマンドの下位バイトの情報（入賞図柄の種類）が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される（「入賞図柄コマンド処理」Ｓ４２０７）。
判定処理Ｓ４２０１において設定変更コマンドであると判定された場合には、各種の周辺装置による報知の種類が決定される（「確率設定値処理」Ｓ４２０８）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドが入賞図柄パターンの表示された有効ラインに応じた入賞ラインコマンドであると判定された場合には、入賞ラインコマンドの下位バイトの情報（入賞ラインの種類）が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される（「入賞ラインコマンド処理」Ｓ４２０９）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドが各種の回胴Ｌ，Ｍ，Ｒの停止コマンド等の回胴回転情報コマンドであると判定された場合には、回胴回転情報コマンドの下位バイトの情報（停止回胴の種類）が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される（「回胴回転情報コマンド処理」Ｓ４２１０）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドが獲得球数コマンドであると判定された場合には、獲得球数コマンドの下位バイトの情報（獲得球数）が抽出し、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される（「獲得球数コマンド処理」Ｓ４２１１）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドが最大ベットコマンド等のベットコマンドであると判定された場合には、ベットコマンドの下位バイトの情報（ベット数）が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される（「ベットコマンド処理」Ｓ４２１２）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドがＪＡＣ最大ゲーム数コマンドであると判定された場合には、ＪＡＣ最大ゲーム数コマンドの下位バイトの情報（ＪＡＣ最大ゲーム数）が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される（「ＪＡＣ最大ゲーム数コマンド処理」Ｓ４２１３）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドがＪＡＣラウンド数コマンドであると判定された場合には、ＪＡＣラウンド数コマンドの下位バイトの情報（ＪＡＣラウンド数）が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による報知の種類が決定される（「ＪＡＣラウンド数コマンド処理」Ｓ４２１４）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドが設定値コマンドであると判定された場合には、設定値コマンドの下位バイトの情報（確立設定値）が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による報知の種類が決定される（「確率設定値情報処理」Ｓ４２１５）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドが賞球の払出し開始時に設定される獲得球払出開始コマンド、賞球の獲得球払出終了コマンド等の球放出コマンドであると判定された場合には、球放出コマンドの下位バイトの情報（開始又は終了を表す数値）が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による報知の種類や報知の期間が決定される（「球放出コマンド処理」Ｓ４２１６）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドが主制御基板１０４５ａで決定された演出に関連する演出情報コマンドであると判定された場合には、演出情報コマンドの下位バイトの情報（演出情報の種類）が抽出され、その情報や乱数を用いた抽選結果に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される（「演出情報コマンド処理」Ｓ４２１７）。
判定処理Ｓ４２０１において受信コマンドがベット数コマンド等の球情報コマンドであると判定された場合には、球情報コマンドの下位バイトの情報（最終ベット数）が抽出され、その情報に基づいて各種の周辺装置による演出の種類が決定される（「球情報コマンド処理」Ｓ４２１８）。
ここで、副制御基板１０４７ａのメイン処理における周期タイマ処理Ｓ４１０５について詳細に説明する。図４５は、周期タイマ処理の一例を表すフローチャートである。タイマ割込み処理が実質的に１ｍｓごとに実行されることによって、周期タイマ処理Ｓ４１０５も実質的に１ｍｓごとに実行される。
周期タイマ処理４１０５では、まず、起動処理Ｓ４１１４（図４３参照）の実行後の２秒以内に主制御基板１０４５ａから何らかのコマンドが受信されているか否かが確認され、主制御基板１０４５ａから何らのコマンドも受信していない場合には、主制御基板１０４５ａの起動が正常に行われなかったと判断してエラー発生を報知する処理が行われる（「起動時コマンド確認処理」Ｓ４３０１）。
起動時コマンド確認処理Ｓ４３０１の後に、受信コマンド確認処理Ｓ４１０８（図４４参照）において受信が確認された各種のコマンドに応じて、液晶表示装置１０４２、スピーカ１１０６，１２０４、各種の効果ＬＥＤカバー部１１０４，１１０８，１１１０で被覆された発光装置（図示せず）、各種の発光装置１１３２、１１３４Ｌ１等の実際の駆動制御が行われる（「デバイス制御処理」Ｓ４３０２）。
デバイス制御処理Ｓ４３０２の後に、システム状態に変化があるか否かが判定され、判定結果に応じて、初期化状態を表す初期化中フラグが設定又は解除される（「システム状態変更処理」Ｓ４３０３）。なお、電圧低下フラグ及び初期化中フラグが解除されている場合には、システム状態は通常状態であるとみなされる。システム状態変更処理Ｓ４３０３の後に、電源基板１０３８’から供給される内部電力の電圧が所定の電圧以下であるか否かが判定され、内部電圧が所定の電圧以下の場合には、電圧低下フラグが解除されていれば電圧低下フラグが設定され、一方、内部電圧が所定の電圧以下でない場合には、電圧低下フラグが設定されていれば電圧低下フラグが解除される（「電圧監視処理」Ｓ４３０４）。電圧監視処理Ｓ４３０４の後に、長周期タイマカウンタが現在値に周期タイマカウンタの値を加算した値に更新される（「長周期タイマカウンタ更新処理」Ｓ４３０５）。
長周期タイマカウンタ更新処理Ｓ４３０５の後に、長周期タイマカウンタの値が「１０」以上であるか否かが判定される（Ｓ４３０６）。判定処理Ｓ４３０５によって、概ね周期タイマカウンタの所定の回数（本形態では１０回）の更新ごとに、以下の処理（Ｓ４３０７〜Ｓ４３１２）が実行されることになる。本形態では、周期タイマカウンタの更新が概ね１ｍｓごとに行われるために、以下の処理（Ｓ４３０７〜Ｓ４３１２）は、概ね１０ｍｓごとに実行されることになる。
判定処理２４０２において長周期タイマカウンタの値が規定間引き数（本形態では、「１０」）未満であると判定された場合には、本処理は終了する。一方、長周期タイマカウンタの値が「１０」以上である場合には、長周期タイマカウンタの値が現在値から規定間引き数「１０」だけ減算された値に更新される（「長周期タイマカウンタの規定間引き数減算処理」Ｓ４３０７）。規定間引き数減算処理Ｓ４３０７の後に、発光演出中又は発光報知中において、選択されている所定の発光演出パターン又は発光報知パターンを構成する発光単位データが選択され、選択された発光単位データが出力用のデータバッファに格納される（「発光データ更新処理」Ｓ４３０８）。ここで、各発光演出パターンは、複数の発光単位データで構成されている。各発光演出パターンを構成する発光単位データは、副制御基板１０４７ａのＲＯＭに記憶されており、受信コマンド確認処理Ｓ４１０８において選択される。なお、格納された発光単位データはデバイス制御処理４３０２において所望の発光装置に出力される。発光報知変更処理が繰り返し実行されることによって発光単位データが順次に変更され、所定の発光パターンの発光演出又は発光報知が行われることとなる。
発光データ更新処理Ｓ４３０８の後に、表示演出と発光演出と音響演出とを同期させるための処理が行われる（「報知同期処理」Ｓ４３０９）。
発光・音響同期処理Ｓ４３０９の後に、音声演出が行われている状況下において、遊技者によって何らかの入力が行われることなく所定の時間（例えば、本形態では３０秒）以上にわたって放置されている場合には、音響演出や各種の特別遊技状態におけるＢＧＭの音量が小音量に変更される（「音響フェードアウト処理」Ｓ４３１０）。
音響フェードアウト処理Ｓ４３１０の後に、デモストレーション報知（客待ち演出）に移行させるか否かを、遊技者によってベット操作、スタート操作、ストップ操作等の何らかの入力操作が行われることなく所定の時間（本形態では５０秒）以上経過しているかによって判定して、所定の時間が経過している場合にデモストレーション報知を実質的に開始させる（「デモストレーション報知移行処理」Ｓ４３１１）。具体的には、デモストレーション報知移行処理Ｓ４３１１では、デモストレーション報知を行うための表示報知パターンが選択され、かつ、デモストレーションフラグが設定される。ここで、デモストレーション報知パターンは、発光演出パターンと同様に、複数の発光報知単位データで構成されている。液晶表示装置１０４２等の所定の周辺装置においてデモストレーション演出が開始される。
デモストレーション報知移行処理Ｓ４３１１の後に、音量変更操作装置（図示せず）における音量調節スイッチ（図示せず）の音量設定が確認され、スピーカ１０６，２０４に対する基準音量が更新される（「基準音量設定処理」Ｓ４３１２）。
基準音量設定処理Ｓ４３１２を終了した後、及び、判定処理Ｓ４３０６において長周期タイマカウンタの値が規定間引き数未満であると判定された場合には、液晶表示装置１０４２、スピーカ１１０６，１２０４を制御するための表示報知単位データや表示演出単位データ等が更新される（「音響・表示報知変更処理」Ｓ４３１３）。
〔本発明に関連する主たる構成〕
本発明の球式回胴遊技機１０１０の主たる特徴部分の構成について説明する。球式回胴遊技機１０１０は、総払出残数（〔通過許可数〕）の遊技球を４つの払出系統（４つの払出通路）で協同して実質的に同時に払い出す。なお、４つの払出系統は、「第１条」、「第２条」、「第３条」及び「第４条」との表記によって識別している。
球式回胴遊技機１０１０の遊技球タンク１０３２（図７参照）には、球式回胴遊技機１０１０の外部の遊技球循環装置（遊技機が設定される島設備の一部）から遊技球が供給される。遊技球タンク１０３２に供給された遊技球は、自重によってタンクレール１０３４に移動する。タンクレール１０３４では、まず、大まかに第１条又は第２条の桶状通路（〔配列貯留部〕）に進行する遊技球と第３条又は第４条の桶状通路に進行する遊技球とが仕切り片１０３４ｄ（図８及び図９参照）によって分散され、その後、第１条の桶状通路に進行する遊技球と第２条の桶状通路に進行する遊技球とが一方の仕切り片１０３４ｅによって分散され、第３条の桶状通路又は第４条の桶状通路に進行する遊技球が他方の仕切り片１０３４ｅによって分散される。また、第１条及び第２条において積層されている遊技球が一方の振り子１０３４ａ及び一方の振り子１０３４ｂによって段階的に第１条又は第２条で一列に整列する。同様に、第３条及び第４条において積層されている遊技球が他方の振り子１０３４ａ及び他方の振り子１０３４ｂによって段階的に第３条又は第４条で一列に整列する。ケースレール１０３５の第１条〜第４条の各球通路１０３５ａでは、遊技球は一列に整列している。
ケースレール１０３５において、第１条及び第２条の球通路１０３５ａの上流側には、第１条及び第２条に対して共通の第１の球切れ検出スイッチ１０３５ｂが設けられており、また、第３条及び第４条の球通路１０３５ａの上流側には、第３条及び第４条に対して共通の第２の球切れ検出スイッチ１０３５ｂが設けられている。第１条及び第２条の払出フリッカ１０３３ｂが通過禁止状態であるときに、第１の球切れ検出スイッチ１０３５ｂに基づく第１の球切れ検知状態がオフ状態（球有り状態）である場合には、第１条の払出フリッカ１０３３ｂよりも上流側における第１条の待機通路１０３３ｄ及び球通路１０３５ａ（以下において、各条の待機通路１０３３ｄ及び球通路１０３５ａの通路を「整列貯留通路」とも総称する）及び第２条の整列貯留通路の少なくとも一方において、所定数（整列貯留数：本形態では、「２０」）の遊技球が貯留されていることになる。一方、第１条及び第２条の払出フリッカ１０３３ｂが通過禁止状態であるときに、第１の球切れ検出スイッチ１０３５ｂがオン状態（球無し状態）である場合には、第１条の整列貯留通路及び第２条の整列貯留通路の双方において整列貯留数未満の遊技球しか貯留されていないことになる。同様に、第３条及び第４条の払出フリッカ１０３３ｂが通過禁止状態であるときに、第２の球切れ検知状態がオフ状態（球有り状態）である場合には、第３条の整列貯留通路及び第４条の少なくとも一方において、整列貯留数の遊技球が貯留されていることになり、一方、第２の球切れ検出スイッチ１０３５ｂがオン状態（球無し状態）である場合には、第３条の整列貯留通路及び第４条の整列貯留通路の双方において整列貯留数未満の遊技球しか貯留されていないことになる。図２９に示されたように、払出制御期間外において、第１の球切れ検知状態のオン状態が所定の球切れ確認時間（本形態では、「１０００ｍｓ」）以上継続した場合には、第１の球切れエラー状態となる。同様に、払出制御期間中以外において、第２の球切れ検出スイッチ１０３５ｂからの球切れ検出スイッチ信号に基づく球切れ検知状態のオン状態が所定の球切れ確認時間Ｔｙ１（本形態では、「１０００ｍｓ」）以上継続した場合には、第２の球切れエラー状態となる。なお、球切れエラー状態において、第１の球切れ検知状態のオン状態及び第２の球切れ検知状態のオン状態が所定の球有り確認時間Ｔｙ２（本形態では、「１００ｍｓ」）以上継続した場合には、それぞれ、第１の球切れエラー状態及び第２の球切れエラー状態から自動的に復帰する。
主制御基板１０４５ａ（図１７参照）からの賞球払出コマンドの受信の検知又はＣＲユニットからの貸出指示信号のオン状態の検知に応じて、図３７に示されたように初払出動作が実行される（ｔａ２〜ｔａ３）。初払出動作において遊技球の払い出しが完了しない場合には、図３８に示されたように再払出動作が実行される（ｔｂ６〜ｔｂ７）。更に、再払出動作においても遊技球の払い出しが完了しない場合には、図３９に示されたように、未検知エラー状態となる（ｔｃ７）。未検知エラー状態からは、図２７に示されたように、電源制御基板１０３８’（図１７参照）に設けられたリセットスイッチ１０３８ｂ（図７及び図１７参照）の操作に基づくリセット検知状態のオン状態が所定のリセット確認時間Ｔｘ１以上継続した場合であって、全条の通過検知状態がオフ状態（未通過状態）である場合に復帰する。図３９に示されたように、未検知エラー状態からの復帰に応じて（ｔｃ８）、リセット復帰後の初払出動作が実行される（ｔｃ９〜ｔｃ１０）。
賞球払出コマンド及び貸出指示信号に基づく初払出動作の開始時に第１又は第２の球切れエラー状態であれば、第１の球切れエラー状態及び第２の球切れエラー状態から復帰するまで払出動作は実行されない。
初払出動作においては、賞球払出コマンドの種類及び貸出指示信号に応じて設定される総払出残数（賞球払出数、貸球払出数）を、総払出残数の個数に依存せずに第１条から第４条に振り分けて、第１条〜第４条の払出残数が決定される。一方、再払出動作においては、初払出動作において払い出されなかった遊技球の個数である総払出残数を、総払出残数の個数に応じて選択的に再振り分けする。具体的には、総払出残数が所定の規定残数（〔未完払出数〕；本形態では、「１０」）以上であれば、初払出動作における振り分けと同様にして、総払出残数を再振り分けし、一方、総払出残数が所定の規定残数未満であれば、再振り分けを行わない。また、リセット復帰後の初払出動作においても再払出動作の場合と同様に、総払出残数の個数に応じて選択的に再振り分けする。また、リセット復帰後の再払出動作においても初期の再払出動作の場合と同様に、総払出残数の個数に応じて選択的に再振り分けする。
ここで、一回の払出制御における複数の払出動作ごとの総払出残数の振り分けの推移について説明する。図４６及び図４７は、未検知エラーの発生しない払出制御における払出数振分の推移の一例を表す状態推移図であり、図４８及び図４９は、未検知エラーの発生する払出制御における払出数振分の推移の一例を表す状態推移図である。なお、図４６〜図４９は、図３５Ｃの場合と同様に表記されているためにその詳細な説明を省略する。
図４６（Ａ）及び図４６（Ｂ）には、初払出動作（図中の「初払出」）によっては払出が完了せず、再払出動作（図中の「再払出」）において再振り分けが実行される場合が示されている。図４６（Ａ）に示されたように、単一条（図中の第１条）のみで規定残数「１０」以上の遊技球が払い出されなかった場合や、図４６（Ｂ）に示されたように、複数条（図中の第１条〜第４条）において払い出されなかった遊技球の総数が規定残数以上である場合（Ｓ４１８：Ｙ）には、再振り分けが行われる（Ｓ４１２）。この再振り分けによって全条（図中の第１条〜第４条）の払出残数が「１」以上となるために、全条において再払出動作が実行される。
図４７（Ａ）及び図４７（Ｂ）には、再払出動作において再振り分けが実行されない場合が示されている。図４７（Ａ）に示されたように、単一条（図中の第１条）のみで規定残数「１０」未満の遊技球が払い出されなかった場合や、図４７（Ｂ）に示されたように、複数条（図中の第１条及び第４条）において払い出されなかった遊技球の総数が規定残数未満である場合には、再振り分けが行われない。したがって、払出残数の遊技球の払出が完了しなかった条（図中の第１条〜第３条）においてのみ再払出動作が実行される。
図４８（Ａ）には、リセット復帰後の初払出動作（図中の「リセット復帰初払出」）において再振り分けが実行される場合が示され、図４８（Ｂ）には、リセット復帰後の初払出動作において再振り分けが実行されない場合が示されている。リセット復帰後の初払出動作においても、図４８（Ａ）に示されたように総払出残数「１１」が規定残数「１０」以上のである場合には再振り分けが行われ、図４８（Ｂ）に示されたように総払出残数「３」が規定残数「１０」未満である場合には再振り分けが行われない。したがって、再振り分けが行われた場合には全条において再払出動作が実行され、一方、再振り分けが行われた場合には払出残数の遊技球の払出が完了しなかった条（図中の第１条）においてのみ再払出動作が実行される。
図４９（Ａ）には、リセット復帰後の再払出動作（図中の「リセット復帰再払出」）において再振り分けが実行される場合が示され、図４９（Ｂ）には、リセット復帰後の初払出動作において再振り分けが実行されない場合が示されている。リセット復帰後の初払出動作においても、図４９（Ａ）に示されたように総払出残数「１１」が規定残数「１０」以上のである場合には再振り分けが行われ、図４９（Ｂ）に示されたように総払出残数「３」が規定残数「１０」未満である場合には再振り分けが行われない。したがって、したがって、再振り分けが行われた場合には全条において再払出動作が実行され、一方、再振り分けが行われた場合には払出残数の遊技球の払出が完了しなかった条（図中の第１条）においてのみ再払出動作が実行される。
本形態の球式回胴式遊技機１０１０であれば、初払出動作において第１条〜第４条のうちいずれかの条で少なくとも１球の払い出しが実行されたにもかかわらず遊技球の払い出しが完了しない場合には、再払出動作において、払い出しが完了しなかった条によって少なくとも１球の遊技球を払い出させることとなる。これによって、継続的に払出が行えないような動作不良が発生している場合には、動作異常を解消するための管理者の操作が行われたとしても最終的に払出が完了しない状態となり、その状態が継続する。一方、遊技媒体の詰まりや供給不足等により発生する軽微な動作異常である場合には、管理者の操作等によって動作異常が解消されると払い出しが完了する。したがって、一時的な球詰まり等による払出の中断とは異なり、継続的に払出を遂行できない動作不良が発生したことを良好に検知できる。また、再通過許可数が所定の個数以上である場合には、再払出動作において複数の払出通路で協同して再通過許可数の遊技媒体が投入されるために再払出動作に要する時間を短縮できる。
また、本形態の球式回胴式遊技機１０１０であれば、動作不良又は軽微な動作異常が発生した場合にはその発生が報知するために、それらの発生を迅速に検知できる。これによって、軽微な動作異常を解消する操作等が迅速に実行できることとなり、動作不良の場合には、その操作等に応じても払い出しが完了しないことによって動作不良の発生を迅速に察知でき、軽微な動作異常である場合には、それを迅速に解消できる。また、再払出動作を行うために、球詰まりによる軽微な動作異常に基づいて払出エラーが検知されることを低減でき、軽微な動作異常に基づく遊技進行の中断が抑制できる。これは、球詰まりが発生していたとしても、前回の払出動作中においてタンクレール１０３４における遊技球の貯留状態が変化して球詰まりが解消する場合があり、特に、球詰まりが発生している条に隣接する条で遊技球の払出が行われたときにはその詰まりが高頻度で解消されるために、引き続き実行される払出動作において払い出しが完了するからである。また、再払出動作の回数を限定するために、その検知に要する時間を短縮できる。
本形態の球式回胴式遊技機１０１０であれば、遊技進行の再開後の払出動作においても遊技進行の停止前の再払出動作の場合と同様に、遊技進行の停止前の再払出動作において複数の払出通路のうちいずれかの払出通路で遊技媒体の払い出しが完了しない場合に遊技進行の再開後の払出動作において払い出しが完了しなかった条によって少なくとも１球の遊技媒体の払出を行わせるために、動作不良の発生を検知できる。また、上記の構成であれば、払出が完了する前に新たな払出情報が生成されることを防止できることによって、新たな払出情報に基づく遊技媒体の払出が実行されない等の不具合を簡便に防止できる。
また、本形態の球式回胴式遊技機１０１０であれば、遊技進行の再開後の再払出動作においても遊技進行の停止前の再払出動作の場合と同様に再払出動作が実行され、遊技媒体の詰まりを解消させる操作がなされたにも関わらず再開時に詰まりが解消されていなかった場合であっても払出異常が検知されることを低減でき、軽微な動作異常に基づく遊技進行の中断を抑制できる。
また、本形態の球式回胴式遊技機１０１０であれば、初払出動作後に一度だけ再払出動作を実行することとなり、軽微な動作異常の場合に払出異常が検知されることを大幅に増加させることなく、複数回の再払出動作実行する場合よりも迅速に動作不良を払出異常として検知できる。これは、複数回の再払出動作を行う場合と１回のみの再払出動作を行う場合とで、動作異常の場合に払出異常が検知される頻度は大幅に変化しないからである。なお、２回目以降の再払出動作においては、再振り分けが実行されない場合が増加し、また、再振り分けが実行されたとしても遊技媒体の詰まりが発生している貯留通路の近隣の貯留通路から払い出される遊技媒体の個数が減少するために、詰まりが自然に解消される可能性が大幅に低くなるからである。
また、本形態の球式回胴式遊技機１０１０であれば、再払出動作、リセット復帰後の初払出動作及びリセット復帰後の初払出動作において再振り分けを行なう場合には、初払出動作の場合と同一方法に従って再振り分けを行うために、実質的に総払出残数が規定残数（未完払出数）未満であることを判定する処理を追加するだけでよく、払出制御に係る処理負担の増大や処理プログラムの大容量化を抑制できる。
また、本形態の球式回胴式遊技機１０１０であれば、総通過許可数の最小数が条数（「４」）よりも多いために、各払出制御動作において第１条〜第４条の全条における動作不良が確認でき、動作不良の発生を早期に検知できる。
また、本形態の球式回胴式遊技機１０１０であれば、第１条〜第４条に実質的に均等に振り分けるために各条において払いだされる遊技球の個数が概ね同一となり、第１条〜第４条の全条において遊技球の払い出しが完了するまでの時間が短縮できる。これによって、遊技進行を円滑に行える。
また、本形態の球式回胴式遊技機１０１０であれば、条数が、各種の賞球払出コマンドの各々及び貸球払出指示に対応付けられた払出数の最小値以下であり、払出残数が払出数振分において、実質的に均一に振り分けられるために、払出情報の種類に依存せず、各回の払出制御動作において、全条における動作不良が確認できるために、動作不良の発生を早期に検知できる。
また、本形態の球式回胴式遊技機１０１０であれば、各種の賞球払出コマンドの各々及び貸球払出指示に対応付けられた払出数の最小値が５以上であり、条数が「４」であるために、払出に関与する構造を大幅に複雑化させることなく、高速に払出を行える。また、タンクレール１０３４において簡便な構造によって４つの払出通路に概ね均等に遊技球を分散させることができ、いずれかの整列貯留通路に遊技球が十分に供給されないことに基づく軽微な動作異常の発生を抑制できる。
また、本形態の球式回胴式遊技機１０１０であれば、タンクレール１０３４が、供給された遊技球を段階的に分散させることによって、つまり、第１条及び第２条の対と第３条及び第４条の対とに実質的に均等に分散させた後に、第１条及び第２条の対に流入した遊技球を第１条と第２条に実質的に均等に分散させ、第３条及び第４条の対に流入した遊技球を第３条と第４条に実質的に均等に分散させることによって、異なる対の貯留通路に分配された遊技球によっていずれかの条に詰まりが発生することを抑制でき、球詰まりによる軽微な動作異常によって払出異常が検知されることを低減できる。これは、タンクレール１０３４の第１条及び第２条の桶状通路近傍に分配された遊技球によって第１条又は第２条において球詰まりが発生したり、第３条及び第４条の桶状通路近傍に分配された遊技媒体によって第３条又は第４条において球詰まりが発生したりする場合はあるが、第２条及び第３条の桶状通路近傍の遊技球によっては、第２条及び第３条の桶状通路で球詰まりが発生することはなくなるからである。
また、本形態の球式回胴式遊技機１０１０であれば、第１の球切れ検出スイッチ１０３５ｂが第１条及び第２条のいずれかの整列貯留通路に規定貯留数以上の遊技球が貯留されていることを検知し、第２の球切れ検出スイッチ１０３５ｂが第３条及び第４条のいずれかの整列貯留通路に規定貯留数以上の遊技球が貯留されていることを検知し、第１及び第２の球切れ検出スイッチ１０３５ｂの双方の球切れ検知状態がオフ状態である場合に初払出動作を開始させることによって、球詰まりによる軽微な動作異常によって払出異常が検知されることを低減できる。これは、第１条〜第４条の全ての整列貯留通路に所定の個数の媒体が貯留されている場合に払出を実行するように構成すると、少なくとも１つの条において球詰まりが発生していれば払出異常として払出が実行されなくなるが、上記の構成であれば、第１条及び第２条の一方で球詰まりが発生していたとしても、また、第３条及び第４条の一方で球詰まりが発生していたとしても、払出の進行に伴い球詰まりが高頻度で解消するからである。
上記においては、初払出動作以外の払出動作において総払出残数が規定残数未満である場合に、再振り分けを実行しない構成について説明したが、本発明においては、初払出動作以外の払出動作において総払出残数が規定残数未満である場合に、払出が未完に終了した少なくとも１つの条の各々の払出残数に、少なくとも「１」以上に設定する新たな振分処理（再振分手段）によって再振分を行う構成であってもよい。この場合であっても制御プログラムの容量が若干増加し、払出制御の処理負担が若干増加することを除き本形態の球式回胴遊技機と同等の効果を奏する。
上記においては、本発明を球式回胴遊技機に適用する場合について説明したが、弾球遊技機の払出装置に適用することもできる。
本発明は、回胴式遊技機及び弾球遊技機等の遊技機に適している。
１０３２： 遊技球タンク
１０３３： 払出装置
１０３３ｂ： 払出フリッカ
１０３３ｃ： 払出ソレノイド
１０３３ｄ： 待機通路
１０３３ｅ： 払出通路
１０３３ｆ： 排出通路
１０３３ｈ： 払出カウントスイッチ
１０３４： タンクレール
１０３５： ケースレール
１０３５ａ： 球通路
１０３５ｂ： 球切れ検出スイッチ
１０３７ａ： 払出制御基板
１０３７ａ１： ＣＰＵ
１０３７ａ２： ＲＯＭ
１０３７ａ３： ＲＡＭ
１０３８ｃ： リセットスイッチ
１３５０： 球貸装置

Claims (1)

  1. 複数の通路における遊技媒体の流下を通路ごとに規制する流下規制手段と、
    前記複数の通路を流下する遊技媒体を通路ごとに検出する媒体検出手段と、
    遊技進行に伴う払出指示に基づいて遊技媒体の総流下許可数を決定する総流下許可数決定手段と、
    前記総流下許可数を前記複数の通路に振り分けて通路ごとの個別流下許可数を決定する振分制御手段と、
    前記媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づいて通路ごとの個別流下数を計測する個別流下数計測手段と、
    前記個別流下許可数及び前記個別流下数に基づいて、前記流下規制手段による流下規制を通路ごとに制御する流下規制制御手段と、
    を含む遊技機であって、
    前記媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づいて前記複数の通路に対する総流下数を計数する総流下数計数手段と、
    前記複数の通路のいずれかにおいて前記媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づく遊技媒体の流下間隔時間が所定の流下許可時間を経過したかにより遊技媒体の流下が中断したかを判定する流下中断判定手段と、
    前記流下中断判定手段による判定に基づいて、前記総流下許可数及び前記総流下数に基づいて決定される再流下許可数が通路数以上である場合であっても通路数未満である場合であっても、中断が発生した通路において少なくとも１球の遊技媒体を流下させるように前記個別流下許可数を再決定する再決定手段と、
    を含み、
    前記流下規制制御手段は、前記再決定手段による前記個別流下許可数の再決定に基づいて前記流下規制手段を再制御することを特徴とする遊技機。
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