JP5713059B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、球体を遊技媒体として使用するパチンコ機やアレンジボール機などの弾球遊技機やメダル又は球体を遊技媒体として使用する回胴式遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の典型的な遊技機は、枠体と、遊技機本体と、遊技機本体を枠体に対して開閉自在に支持する支持機構と、遊技機本体を枠体に対して施錠する施錠機構とを備えている(下記の特許文献1参照)。遊技機本体は、遊技機本体が枠体に対して閉鎖されている状態においては、枠体の下部に形成された台座部に乗り上げており、一方、遊技機本体が枠体に対して完全に開放されている状態においては、支持機構のみを介して支持されている。遊技機本体が台座部に乗り上げている場合には遊技機本体の開閉軸は実質的に鉛直方向であるが、遊技機本体が開放されて支持機構のみを介して遊技機本体が支持されている場合には遊技機本体の開閉軸が遊技機本体の自重によって鉛直方向に対して傾斜している。これは、支持機構は、開閉性を阻害しないために、遊技機本体に設けられ上下方向に整列する一対の支持部材に形成されている突起や軸体が枠体に設けられ上下方向(鉛直方向)に整列する一対の支持部材の各々に形成されている軸受け溝、軸受け穴、軸受け孔に遊挿されることによって、遊技機本体を支持しているからである。
従来の典型的な遊技機においては、遊技機本体を枠体に対して開放する場合に、遊技機本体は、台座部と当接した状態を維持しながら移動し、その後、台座部との当接位置を変化させると共に遊技機本体の開閉軸が遊技機本体の自重によって鉛直方向に対して傾斜しながら台座部から乗り下がる。その後、遊技機本体は、支持機構のみを介して支持された状態を維持しながら移動して完全に開放された状態となる。一方、遊技機本体を枠体に対して閉鎖する場合に、遊技機本体は、支持機構のみを介して支持された状態を維持しながら移動して台座部に当接し、その後、台座部との当接位置を変化させながら台座部に乗り上がる。その後、遊技機本体は、実質的に台座部と当接した状態を維持しながら移動して完全に閉鎖される。
特開平9−103567号公報
従来の典型的な遊技機においては、遊技機本体は、遊技機本体を枠体に対して開閉する大半の過程において台座部と当接しており、台座部との摩擦力が大きいために、遊技機本体の開閉動作の円滑性が阻害されていた。更に、遊技機本体が枠体に対して完全に開放されている状態においては、支持機構のみを介して支持されているために、遊技機本体の閉鎖において台座部に初めて当接した場合における乗り上げの開始が円滑に実行できない場合があった。
遊技機本体の開閉動作の円滑性を向上させる構成として、遊技機本体にローラ等を設ける構成も考えられるが、遊技機本体の設置ずれや経年劣化による遊技機本体の閉鎖時における開閉軸の軸ずれ等によって、枠体に対して遊技機本体を施錠する操作を行ったが施錠されなかった場合や枠体に対する遊技機本体の施錠を解除した場合に、不意にかつ急激に遊技機本体が開放されたりすることともなり、単にローラ等を設けるだけでは、開閉動作の安全性に関して改良の余地があった。
そこで、本発明の遊技機では、枠体に対する遊技機本体の開閉動作の円滑性及び安全性を向上させる。
上記の課題を解決するために、本発明に係る遊技機は、
台座部を含む枠体と、遊技機本体と、前記遊技機本体を前記枠体に対して開閉自在に支持する支持機構と、前記遊技機本体を前記枠体に対して施錠する施錠機構とを備える遊技機であって、
前記遊技機本体の閉鎖状態において、前記遊技機本体と前記台座部との間に位置し、前記遊技機本体の開放状態における傾倒を補正する傾倒補正体と、
前記遊技機本体の開放状態から閉鎖状態側への移動における前記遊技機本体の前記台座部上への前記傾倒補正体を介した乗り上げを補助する乗上補助体と、
を備え、
前記遊技機本体は、前記遊技機本体の閉鎖状態から開放状態側への移動において、前記台座部上に前記傾倒補正体を介して乗り上げている状態から前記台座部上に前記乗上補助体を介して乗り上げている状態となった後に前記支持機構で支持される状態となり、
前記遊技機本体が前記台座部上に前記傾倒補正体を介して乗り上げている状態での自重に基づく摩擦力は、前記遊技機本体が前記台座部上に前記乗上補助体を介して乗り上げている状態での自重に基づく摩擦力より大きく、
前記台座部は、後方側に向けて上るように傾斜し、前記遊技機本体の開放状態から閉鎖状態側への移動において前記乗上補助体及び前記傾倒補正体が当接して移動する傾斜面を有
前記傾倒補正体は、下面が前記遊技機本体の閉鎖状態において前記傾斜面と面で当接する形状である、
ことを特徴としている。
本発明に係る遊技機であれば、枠体に対する遊技機本体の開閉動作の円滑性及び安全性が向上する。
球式回胴遊技機の一例を閉鎖状態で表す斜視図 球式回胴遊技機の一例を表す正面図 球式回胴遊技機の一例を表す背面図 球式回胴遊技機の一例を遊技機本体の開放状態で表す斜視図 本体開閉検出装置の一例を概念的に表す斜視図 本体開閉検出装置の動作の一例を模式的に表す背面図 球式回胴遊技機の一例を払出ブロックの開放状態で表す斜視図 球式回胴遊技機の一例を遊技ブロックの開放状態で表す斜視図 ブロック間遊技球移動規制機構の一例の一部を表す断面図 ブロック間遊技球移動規制機構の一例の他の一部を表す断面図 自動開放制限機構の一例を表す斜視図 前面ブロックの一例を表す正面斜視図 前面ブロックの一例を表す背面斜視図 前面ブロックの一例を表す正面視の部分分解斜視図 前面ブロックの一例を表す正面視の部分分解斜視図 上皿ユニットの一例を表す部分分解斜視図 上貯留皿の流下規制機構の一例を流下許容状態で表す断面図 上貯留皿の流下規制機構の一例を流下禁止状態で表す断面図 上皿ユニットの一例を表す斜視図 上皿ユニットの一例の取り付け過程を表す分解斜視図 投入装置の一例を表す斜視図 投入装置の一例を表す部分分解斜視図 投入装置の一例を返却禁止状態で表す横断面図 投入装置の一例を投入禁止状態で表す縦断面図 投入装置の一例を投入許容状態で表す縦断面図 投入装置の一例を返却許容状態で表す横断面図 投入装置の一例を返却許容状態で表す縦断面図 払出ブロックの一例を表す正面斜視図 払出ブロックの一例を表す背面斜視図 払出ブロックの一例を表す部分分解斜視図 払出ブロックの一例を表す正面図 払出ブロックの一例を一部の除去状態で表す背面図 球溢れ検出スイッチの一例を表す正面図 球切れ検出スイッチの一例を表す断面図 第1払出装置の一例を表す部分分解斜視図 第1払出装置の動作形態の一例を表す平面図 払出ブロックの一例を表す部分斜視図 遊技ブロックの一例を表す正面斜視図 遊技ブロックの一例を表す背面斜視図 遊技ブロックの一例を表す部分分解斜視図 遊技ブロックの一例を表す背面図 回胴ユニットの一例を表す部分分解斜視図 図柄シールの一例を表す展開図 球式回胴遊技機の一例の電気的な構成を表すブロック図 一対の本体支持機構の一例の一方の動作を表す説明図 一対の本体支持機構の一例の他方の動作を表す説明図 開閉円滑化機構及び傾倒補正部材の一例の近傍を表す斜視図 遊技機本体の一例を表す底面図 開閉円滑化機構及び傾倒補正部材の一例の近傍を表す右側面図 遊技機本体の一例の開閉動作に伴う荷重受け位置の推移を表す説明図 遊技機本体の一例の開閉動作に伴う遊技機本体の傾倒の補正の推移を表す説明図
本発明に係る遊技機の形態について説明する。なお、本発明に係る遊技機の概念的な構成について説明した後に、本発明に係る遊技機の具体的な構成について説明する。
[概念的な構成]
本発明に係る遊技機は、台座部を含む枠体と、遊技機本体と、遊技機本体を枠体に対して開閉自在に支持する支持機構と、遊技機本体を枠体に対して施錠する施錠機構とを備えている。また、本発明に係る遊技機は、更に、遊技機本体が枠体に対して閉鎖され、遊技機本体の少なくとも一部が台座部上に位置する閉鎖状態において、遊技機本体と台座部との間に位置し、遊技機本体が枠体に対して開放された開放状態における遊技機本体の傾倒を補正する傾倒補正体と、遊技機本体の開放状態から閉鎖状態への移行における遊技機本体の台座部上への傾倒補正体を介した乗り上げを補助する乗上補助体とを備えている。
傾倒補正体は、遊技機本体に固着されていてもよいし、台座部に固着されていてもよい。更に、傾倒補正体は、遊技機本体側に配設された少なくとも1つの部材と台座部に配設された少なくとも1つの部材とを含む構成であってもよい。したがって、「遊技機本体の台座部上への傾倒補正体を介した乗り上げ」とは、傾倒補正体が遊技機本体に設けられている場合には台座部への傾倒補正体の乗り上げと同義であり、傾倒補正体が台座部に設けられている場合には傾倒補正体への遊技機本体の乗り上げと同義であり、また、傾倒補正体を構成する部材が遊技機本体と台座部との双方に分割的に設けられている場合には、台座部に設けられた所定の部材への遊技機本体に設けられた所定の部材の乗り上げと同義である。
本発明に係る遊技機における乗上補助体は、遊技機本体の開放状態から閉鎖状態への移行において、遊技機本体を開放状態から閉鎖状態へ移行させる外力の少なくとも一部を、遊技機本体を押し上げる押力に変換し、押力に基づく遊技機本体の台座部上への乗上補助体を介した乗り上げにより遊技機本体の傾倒を前段補正して、傾倒補正体を介した遊技機本体の台座部上への乗り上げを補助する。乗上補助体は、遊技機本体に固着されていてもよいし、台座部に固着されていてもよい。したがって、「遊技機本体の台座部上への乗上補助体を介した乗り上げ」とは、乗上補助体が遊技機本体に設けられている場合には台座部への乗上補助体の乗り上げと同義であり、乗上補助体が台座部に設けられている場合には乗上補助体への遊技機本体の乗り上げと同義であり、また、乗上補助体を構成する部材が遊技機本体と台座部との双方に分割的に設けられている場合には、台座部に設けられた所定の部材への遊技機本体に設けられた所定の部材の乗り上げと同義である。乗上補助体としては、例えば、一軸を中心として回動する円柱体状や円錐台体状や扁平球体状や楕円回転体状等の回転体を含む構成、任意の方向に回動する球体を含む構成、及び、半球体や半楕円回転体状や半円柱体状やそれらの先端曲面が平坦に加工された台状体状等の凸状部を含む構成が挙げられる。
本発明に係る遊技機における傾倒補正体は、遊技機本体の閉鎖状態から開放状態への移行において、遊技機本体が台座部上に傾倒補正体を介して乗り上げている状態における遊技機本体の移動に対する摩擦力を、遊技機本体が台座部上に傾倒補正体及び乗上補助体のうち乗上補助体のみを介して乗り上げている状態における遊技機本体の移動に対する摩擦力より大きくする。傾倒補正体としては、例えば、平坦又は屈曲した板状部材、及び、半球体状や半扁平球体状や半楕円回転体状や半円柱体状やそれらの先端曲面が平坦に加工された台状体状等の凸状部を含む部材が挙げられる。
なお、以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機A」とも称する。
本発明に係る上記の遊技機Aであれば、乗上補助体を備えることによって、従来のように遊技機本体と台座部とが当接位置を変更しながら移動する場合に比べて、遊技機本体の乗り上げの容易性を向上させることができ、また、従来のように遊技機本体と台座部とが当接しながら移動する場合の摩擦力に比べて、遊技機本体の閉鎖状態から開放状態へ向かう移動及びその逆の移動に対する摩擦力が小さくなる。これによって、枠体に対する遊技機本体の開閉動作の円滑性が向上する。また、乗上補助体を備えることによって遊技機本体の閉鎖状態から開放状態へ向かう移動に対する摩擦力が小さくなるが、その摩擦力を大きくする傾倒補正体を備えることによって、適度な摩擦力となるように調整できる。これによって、施錠解除に伴う閉鎖状態から開放状態へ向かう遊技機本体の不意の自動的な移動が抑制できる。
上記の遊技機Aにおいて、
前記乗上補助体は、前記遊技機本体の重心を通る鉛直方向と遊技機本体の前後方向とを含む平面に対して前記支持機構と反対側に配置されている構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機B」とも称する。
上記の遊技機Bであれば、乗上補助体が支持機構側に配置されている場合よりも遊技機本体の台座部への乗上補助体を介した乗り上げに応じて遊技機本体の傾倒を大幅に補正できる。これによって、遊技機本体の台座部への傾倒補正体を介した乗り上げを良好に補助できる。また、遊技機本体の台座部への乗上補助体を介した乗り上げに応じて遊技機本体の自重による回転力が発生するために、遊技機本体の傾倒の補正が簡便となる。
遊技機Bは、遊技機本体の閉鎖状態において、遊技機本体の荷重を傾倒補正体と支持機構とで受ける構成であってもよいし、遊技機本体の荷重を傾倒補正体と乗上補助体と支持機構とで受ける構成であってもよい。なお、遊技機本体の閉鎖状態において、施錠機構が遊技機本体の荷重を受けない構成であることが好ましい。なお、乗上補助体が遊技機本体の重心を通る鉛直方向と遊技機本体の前後方向とを含む平面に対して支持機構と同一側に配置されている場合には、遊技機本体の閉鎖状態において、遊技機本体の荷重を実質的に傾倒補正体と乗上補助体とで受ける構成であってもよいし、遊技機本体の荷重を実質的に傾倒補正体と支持機構とで受ける構成であってもよいし、遊技機本体の荷重を実質的に傾倒補正体と乗上補助体と支持機構とで受ける構成であってもよい。なお、遊技機本体の閉鎖状態において、施錠機構が遊技機本体の荷重を受けない構成であることが好ましい。
上記の遊技機A又は遊技機Bにおいて、
前記傾倒補正体は、前記遊技機本体に固着された板状部材であり、
前記乗上補助体は、前記遊技機本体に取設されたローラであり、
前記板状部材と前記台座部との摩擦力が、前記ローラと前記台座部との摩擦力より大きい構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機C」とも称する。
上記の遊技機Cであれば、枠体よりも高頻度で取り替えられる遊技機本体に板状部材が固着されていることによって、遊技機本体の取り替えに応じて板状部材が経年劣化等によって変形する前に板状部材も同時に取り替えることができる。これによって、高い安全性を常に維持することができる。なお、遊技ホールにおいて遊技機は概ね定期的に取り替えられるが、この取り替えにおいて遊技機本体は取り替えられるが枠体は取り替えられない場合があり、枠体の方が遊技機本体よりも共用性が高いことによる。
また、上記の遊技機Cであれば、傾倒補正体が凸状部材である場合に比べて、傾倒補正体と台座部との摩擦力を簡便に大きくでき、更に、傾倒補正体が遊技機本体と台座部との双方に分割して装着する場合に比べて、傾倒補正体を簡便に装着できる。これによって、遊技機本体の自動的な開放を簡便にかつ良好に抑制することができる。
また、上記の遊技機Cであれば、乗上補助体が凸状部材である場合に比べて、乗上補助体と台座部との摩擦力を簡便に小さくでき、また、乗上補助体が遊技機本体と台座部との双方に分割して装着する場合に比べて、乗上補助体を簡便に装着できる。これによって、遊技機本体の開閉動作の円滑性を簡便にかつ良好に向上させることができる。更に、乗上補助体が全方向に回動自在な球体を備える構成である場合に比べて、乗上補助体の構成が簡素化されると共に、その価格が安価となる。これは、全方向に円滑に球体を回動させる場合には、球体の高精度の形状加工や球体を保持する特殊な保持機構の構造が必要となるために、全体的な構造が複雑となり、また、製造価格が高価となるからである。なお、全方向に円滑に球体が回動しない場合には、乗上補助体として凸状部材を用いる場合と大差が無くなる。
上記の遊技機Cにおいて、
前記支持機構は、前記遊技機本体に固着された軸体と、前記枠体に固着され、前記軸体が遊挿される軸受け溝の形成された軸受け体とを備え、
前記ローラは、円盤状の車輪と、前記車輪を回動自在に軸支する車輪保持機構とを備え、
前記枠体に対する前記遊技機本体の開閉に応じて、前記軸体が軸受け溝に沿って並進移動すると共に、前記軸体が前記軸体の中心軸回りに回動する構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機D」とも称する。
上記の遊技機Dであれば、遊技機本体が回動のみによって開閉される場合に比べて、車輪がその回動軸に対して垂直な方向に移動するために、乗上補助体と台座部との摩擦力を更に小さくできる。これは、遊技機本体が回動のみによって開閉される場合には、その回動中心に対して円弧を描くように移動するが、遊技機本体が軸体の回動と並進移動とによって開閉される場合には、その円弧よりも直線的な曲線又は直線を描くように移動させることができるからである。これによって、遊技機本体の開閉動作の円滑性を更に向上させることができる。
上記の遊技機C又は遊技機Dにおいて、
前記台座部における前記遊技機本体側の表面は、平坦部と、前記平坦部に対して傾斜し、前記遊技機本体を前記開放状態から前記閉鎖状態へ移行させる外力の少なくとも一部を、前記遊技機本体を押し上げる押力に変換する乗上補助傾斜部とを含む構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機E」とも称する。
上記の遊技機Eであれば、台座部に乗上補助傾斜部が形成されていることによって、傾倒補正体及び乗上補助体を介した遊技機本体の台座部上への乗り上げや乗り下がりの容易性が向上する。これによって、遊技機本体の開閉動作の円滑性を更に向上させることができる。
上記の遊技機Eにおいて、
前記板状部材は、前記遊技機本体の前記閉鎖状態において、前記台座部と前記乗上補助傾斜部において当接している構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機F」とも称する。
上記の遊技機Fであれば、遊技機本体と台座部との隙間を低減できるために、その隙間を通して遊技機内部に改変を加えるような不正行為を簡便にかつ良好に抑制できる。これは、台座部の平面部に傾倒補正体としての板状部材を介して遊技機本体を乗り上げさせた場合には、概ね板状部材の厚さに相当する隙間が遊技機本体と台座部との間に形成されるが、台座部の乗上補助傾斜部に板状部材を介して遊技機本体を乗り上げさせた場合には、その隙間を小さくできるからである。
上記の遊技機Fにおいて、
前記板状部材は、前記閉鎖位置において前記台座部と当接する平面部と、前記平面部の周縁の少なくとも一部に形成され、前記遊技機本体を前記開放状態から前記閉鎖状態へ移行させる外力の少なくとも一部を、前記遊技機本体を押し上げる押力に変換する乗上補助部とを含み、
前記板状部材は、前記遊技機本体の前記開放状態から前記閉鎖状態への移行において、前記台座部の前記乗上補助傾斜部と前記乗上補助部において当接した後に前記台座部の前記乗上補助傾斜部と前記平面部において当接する構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機G」とも称する。
上記の遊技機Gであれば、傾倒補正体としての板状部材に乗上補助傾斜部が形成されていることによって、傾倒補正体を介した遊技機本体の台座部上への乗り上げや乗り下がりの容易性が向上する。これによって、遊技機本体の開閉動作の円滑性を更に向上させることができる。
上記の遊技機Gにおいて、
前記板状部材の前記平面部の前記枠体側の表面が、前記台座部の前記乗上補助傾斜部の傾斜に実質的に平行であり、
前記板状部材は、前記台座部と実質的に前記平面部の全面において当接する構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機H」とも称する。
上記の遊技機Hであれば、鉛直方向に対して乗上補助傾斜部が傾斜している場合には、板状部材から乗上補助傾斜部への実行的な垂直抗力が減少するが、板状部材と乗上補助傾斜部との接触面積が増加することによって、傾倒補正体と台座部との摩擦力の低下を防止できる。これによって、遊技機本体の自動的な開放を良好に抑制することができる。
上記の遊技機Hにおいて、
前記板状部材は、前記乗上補助部を介して前記平面部と前記遊技機本体とを接続する接続部を更に含む屈曲形状であり、
前記板状部材は、前記遊技機本体の前記閉鎖状態において弾性変形し、前記弾性変形に応じて前記台座部と実質的に前記平面部の全面において当接する構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機I」とも称する。
上記の遊技機Iであれば、板状部材の弾性変形に基づいて閉鎖状態における板状部材から乗上補助傾斜部への実行的な垂直抗力が増加するために、傾倒補正体と台座部との摩擦力が増加する。これによって、遊技機本体の自動的な開放を更に良好に抑制することができる。
上記の遊技機Fにおいて、
前記ローラは、前記遊技機本体の前記開放状態から前記閉鎖状態への移行において、前記台座部の前記平坦部及び前記乗上補助傾斜部のうち前記乗上補助傾斜部のみと当接する構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機J」とも称する。
上記の遊技機Jであれば、遊技機本体の自重によっても遊技機本体が開放状態へ向けて移動するために、遊技機本体の開放の円滑性及び容易性が更に向上する。これによって、遊技機本体の自動的な開放を更に良好に抑制することができる。
上記の遊技機Aにおいて、
前記遊技機本体の前記開放状態から前記閉鎖状態への移行における前記遊技機本体の前記台座部上への前記乗上補助体を介した乗り上げを補助する追加乗上補助体を更に備え、
前記遊技機本体の前記開放状態から前記閉鎖状態への移行において、前記遊技機本体を前記開放状態から前記閉鎖状態へ移行させる外力の少なくとも一部を、前記遊技機本体を押し上げる押力に変換し、前記押力に基づく前記遊技機本体の前記台座部上への前記追加乗上補助体を介した乗り上げにより、前記遊技機本体の前記台座部上への前記乗上補助体を介した乗り上げを補助する構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機K」とも称する。
追加乗上補助体は、遊技機本体に固着されていてもよいし、台座部に固着されていてもよい。したがって、「遊技機本体の台座部上への追加乗上補助体を介した乗り上げ」とは、乗上補助体が遊技機本体に設けられている場合には台座部への乗上補助体の乗り上げと同義であり、乗上補助体が台座部に設けられている場合には乗上補助体への遊技機本体の乗り上げと同義であり、また、乗上補助体を構成する部材が遊技機本体と台座部との双方に分割的に設けられている場合には、台座部に設けられた所定の部材への遊技機本体に設けられた所定の部材の乗り上げと同義である。乗上補助体としては、例えば、一軸を中心として回動する円柱体状や円錐台体状や扁平球体状や楕円回転体状等の回転体を含む構成、任意の方向に回動する球体を含む構成、及び、半球体や半楕円回転体状や半円柱体状やそれらの先端曲面が平坦に加工された台状体状等の凸状部を含む構成が挙げられる。追加乗上補助体は、乗上補助体と同一の構成であってもよいし、乗上補助体と異なる構成であってもよい。また、追加乗上補助体及び乗上補助体の双方が遊技機本体に固着されていている構成であってもよいし、台座部に固着されていてもよいし、一方が遊技機本体に固着され、他方が台座部に固着されていてもよい。
上記の遊技機Kであれば、追加乗上補助体を備えることによって、乗上補助体のみを備える場合に比べて、傾倒補正体を介した遊技機本体の乗り上げを容易化するために必要な乗上補助体を介した遊技機本体の乗り上げが更に容易性になる。これによって、枠体に対する遊技機本体の開閉動作の円滑性が更に向上する。また、開放状態から閉鎖状態への移行過程で更に多段階に分けて遊技機本体の開閉軸の傾斜角度が変化するために、傾斜角度の変化に伴い本体支持機構に瞬時的に与えられる最大負荷を、追加乗上補助体を備えない場合に比べて低減できる。これによって、経年劣化等による支持機構による支持角度ズレの発生自体も抑制でき、開放状態における遊技機本体の傾斜角度が大きくなることが抑制できる。
上記の遊技機Kにおいて、
前記乗上補助体が、前記遊技機本体の重心と遊技機本体の前後方向とを含む平面に対して前記支持機構と反対側に配置され、
前記追加乗上補助体が、前記遊技機本体の重心と遊技機本体の前後方向とを含む平面に対して前記支持機構と同一側に配置されている構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機L」とも称する。
上記の遊技機Lであれば、遊技機本体の追加乗上補助体を介した乗り上げや遊技機本体の乗上補助体を介した乗り上げの双方において急激な傾斜角度の変化を抑制できる。また、遊技機本体の乗上補助体を介した乗り上げ後においても徐々に傾斜角度の変化を変化させることができる。これによって、枠体に対する遊技機本体の開閉動作の円滑性が更に向上する。
なお、遊技機Kの遊技機本体の閉鎖状態において、遊技機本体の荷重を実質的に傾倒補正体と追加乗上補助体とで受ける構成であってもよいし、遊技機本体の荷重を実質的に傾倒補正体と支持機構とで受ける構成であってもよいし、遊技機本体の荷重を実質的に傾倒補正体と追加乗上補助体と支持機構とで受ける構成であってもよい。なお、遊技機本体の閉鎖状態において、施錠機構が遊技機本体の荷重を受けない構成であることが好ましい。
上記の遊技機K又は遊技機Lにおいて、
前記遊技機本体の前記閉鎖状態から前記開放状態への移行において、前記遊技機本体が前記台座部上に前記傾倒補正体を介して乗り上げている状態における前記遊技機本体の移動に対する摩擦力が、前記遊技機本体が前記台座部に前記傾倒補正体、前記乗上補助体及び前記追加乗上補助体のうち前記乗上補助体及び前記追加乗上補助体のみを介して乗り上げている状態における前記遊技機本体の移動に対する摩擦力より大きい構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機M」とも称する。
上記の遊技機Mであれば、
上記の遊技機K〜遊技機Mにおいて、
前記傾倒補正体は、前記遊技機本体に固着された板状部材であり、
前記乗上補助体は、前記遊技機本体に取設されたローラであり、
前記追加乗上補助体は、前記遊技機本体に取設されたローラであり、
前記板状部材と前記台座部との摩擦力が、前記乗上補助体としての前記ローラと前記台座部との摩擦力及び前記追加乗上補助体としての前記ローラと前記台座部との摩擦力の総和より大きい構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機N」とも称する。
上記の遊技機Nであれば、上記の遊技機Cの場合と同様に、遊技機本体の開閉動作の円滑性を簡便にかつ良好に向上させることができる。更に、乗上補助体の構成が簡素化されると共に、その価格が安価となる。
上記の遊技機Nにおいて、
前記支持機構は、前記遊技機本体に固着された軸体と、前記枠体に固着され、前記軸体が遊挿される軸受け溝の形成された軸受け体とを備え、
前記乗上補助体としての前記ローラ及び前記乗上補助体としての前記ローラの各々は、円盤状の車輪と、前記車輪を回動自在に軸支する車輪保持機構とを備え、
前記枠体に対する前記遊技機本体の開閉に応じて、前記軸体が軸受け溝に沿って並進移動すると共に、前記軸体が前記軸体の中心軸回りに回動する構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機O」とも称する。
上記の遊技機Oであれば、上記の遊技機Dの場合と同様に、遊技機本体の開閉動作の円滑性を更に向上させることができる。
上記の遊技機N又は遊技機Oにおいて、
前記台座部における前記遊技機本体側の表面は、平坦部と、前記平坦部に対して傾斜し、前記遊技機本体を前記開放状態から前記閉鎖状態へ移行させる外力の少なくとも一部を、前記遊技機本体を押し上げる押力に変換する乗上補助傾斜部とを含む構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機P」とも称する。
上記の遊技機Pであれば、上記の遊技機Eの場合と同様に、遊技機本体の開閉動作の円滑性を更に向上させることができる。
上記の遊技機Eにおいて、
前記板状部材は、前記遊技機本体の前記閉鎖状態において、前記台座部と前記乗上補助傾斜部において当接している構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機Q」とも称する。
上記の遊技機Qであれば、上記の遊技機Fの場合と同様に、遊技機本体と台座部との隙間を通して遊技機内部に改変を加えるような不正行為を簡便にかつ良好に抑制できる。
上記の遊技機Fにおいて、
前記板状部材は、前記閉鎖位置において前記台座部と当接する平面部と、前記平面部の周縁の少なくとも一部に形成され、前記遊技機本体を前記開放状態から前記閉鎖状態へ移行させる外力の少なくとも一部を、前記遊技機本体を押し上げる押力に変換する乗上補助部とを含み、
前記板状部材は、前記遊技機本体の前記開放状態から前記閉鎖状態への移行において、前記台座部の前記乗上補助傾斜部と前記乗上補助部において当接した後に前記台座部の前記乗上補助傾斜部と前記平面部において当接する構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機R」とも称する。
上記の遊技機Rであれば、上記の遊技機Gの場合と同様に、遊技機本体の開閉動作の円滑性を更に向上させることができる。
上記の遊技機Gにおいて、
前記平面部の前記枠体側の表面が、前記台座部の前記乗上補助傾斜部の傾斜に実質的に平行であり、
前記板状部材は、前記台座部と実質的に前記平面部の全面において当接する構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機S」とも称する。
上記の遊技機Sであれば、上記の遊技機Hの場合と同様に、遊技機本体の自動的な開放を良好に抑制することができる。
上記の遊技機Hにおいて、
前記板状部材は、前記乗上補助部を介して前記平面部と前記遊技機本体とを接続する接続部を更に含む屈曲形状であり、
前記板状部材は、前記遊技機本体の前記閉鎖状態において弾性変形し、前記弾性変形に応じて前記台座部と実質的に前記平面部の全面において当接する構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機T」とも称する。
上記の遊技機Tであれば、上記の遊技機Iの場合と同様に、遊技機本体の自動的な開放を更に良好に抑制することができる。
上記の遊技機Fにおいて、
前記乗上補助体としての前記ローラ及び前記乗上補助体としての前記ローラの各々は、前記遊技機本体の前記開放状態から前記閉鎖状態への移行において、前記台座部の前記平坦部及び前記乗上補助傾斜部のうち前記乗上補助傾斜部のみと当接する構成であることが好ましい。
なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機U」とも称する。
上記の遊技機Uであれば、上記の遊技機Jの場合と同様に、遊技機本体の自動的な開放を更に良好に抑制することができる。
[具体的な構成]
本発明に係る遊技機の最良の形態の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下において、遊技機が球体を遊技媒体とする回胴式遊技機(以下、「球式回胴遊技機」と称す)である場合の具体的な一例を挙げて説明するが、以下で説明する具体的な一例には限定されず、本発明の主旨から逸脱しない限りにおいて、その設計を適宜に変更してもよい。また、本発明は、メダルを遊技媒体として使用する回胴式遊技機(いわゆるスロット機)や弾球遊技機(パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機等)にも適用することができる。
本実施形態の球式回胴遊技機について説明する。なお、球式回胴遊技機の全体構造、電気的構成及び制御構成について概説した後に、本発明の特徴部分の構成及びそれに関連する構成については、後述する〔本発明の主たる特徴部分の構成〕においてまとめて詳細に説明する。
〔全体的な構成〕
本実施形態の球式回胴遊技機の全体構造について説明する。図1は球式回胴遊技機の一例を閉鎖状態で表す斜視図であり、図2は球式回胴遊技機の一例を表す正面図であり、図3は球式回胴遊技機の一例を表す背面図であり、図4は球式回胴遊技機の一例を開放状態で表す斜視図である。なお、図3及び図4において各種の内部配線は省略されており、以下で参照する他の図面についても同様とする。
本形態の球式回胴遊技機100は、図1〜図4に示されたように、球式回胴遊技機100の外殻を形成する外枠110と、遊技機本体120と、外枠110に対して遊技機本体120を着脱自在及び開閉自在に支持する一対の本体支持機構130(図1には一方のみ図示)と、遊技機本体120を外枠110に対して施錠する本体施錠機構140(図4のみ)と、本体施錠機構140を開錠させたり施錠させたりするために管理者によって操作される錠開閉操作機構150(図1及び図2のみ)と、外枠110に対して遊技機本体120が閉鎖されている状態(以下「遊技機本体120の閉鎖状態」と略記)であるか又は外枠110に対して遊技機本体120が開放されている状態(以下「遊技機本体120の開放状態」と略記)であるかを検出する本体開閉検出装置160(図3のみ:図5及び図6も参照)とを備えている。図1に示されたような遊技機本体120の閉鎖状態において、本体施錠機構140によって遊技機本体120は外枠110に対して施錠された状態(以下「遊技機本体120の施錠状態」と略記)であり、遊技機本体120の閉鎖状態から図4に示されたような遊技機本体120の開放状態へ移行させる場合には、錠開閉操作機構150への所定の開錠操作に基づいて本体施錠機構140による遊技機本体120の施錠状態を解除し、遊技機本体120を開放方向(遊技機本体120の右端を外枠110から離隔させる方向)に回転させる。逆に、遊技機本体120の開放状態から遊技機本体120の閉鎖状態へ移行させる場合には、遊技機本体120を閉鎖方向(遊技機本体120の右端を外枠110に近接させる方向)に回転させると共に、少なくとも遊技機本体120の閉鎖状態への移行完了の直前に錠開閉操作機構150に対して本体施錠機構140の施錠を解除させるための操作(以下「開錠操作」と略記)を行い、その開錠操作中に遊技機本体120の閉鎖状態への移行を完了させる。球式回胴遊技機100は、通常、その外枠110が遊技ホールの遊技機固定設備(図示せず)の設置窓(図示せず)に装着されることによって外枠110及びそれよりも球式回胴遊技機100の後方側が遊技者の滞在する外側空間から視認できないように遊技機固定設備に固定されるが、外枠110に対して遊技機本体120が開閉自在に支持されていることによって、遊技機固定設備への設置後においても球式回胴遊技機100の背面側を外側空間に露出させることができる。
外枠110は、図3及び図4に示されたように、天板部材111と、底板部材112と、右側板部材113と、左側板部材114(図3のみ)と、遊技機本体120の閉鎖状態において遊技機本体120が載置される載置部材115とを備えている。天板部材111、底板部材112、右側板部材113及び左側板部材114は、接続部材116〜119(図3のみ)を介して組み付けられており、その全体形状が略矩形状の枠形状である。
一対の本体支持機構130は、図3及び図4に示されたように、外枠110の上部側に固着された外枠側支持体131と、遊技機本体120の上端部に固着された本体側支持体132(図13も参照)と、外枠側支持体131と本体側支持体132とを連結する連結体133と、外枠側支持体131に固着された開閉軸体134(図4のみ)と、外枠110の下部側に固着された外枠側支持体136と、遊技機本体120に固着された本体側支持体137(図13も参照)と、外枠側支持体136と本体側支持体137とを連結する連結体138と、外枠側支持体136に固着された開閉軸体139(図13参照)とを備えている。外枠側支持体131及び外枠側支持体136にはそれぞれ軸受溝部131A(図4のみ)及び軸受溝部136A(図3のみ)が形成されており、開閉軸体134及び開閉軸値139がそれぞれ軸受溝部131A及び軸受溝部136Aに挿入されると共に、外枠側支持体131と本体側支持体132とが連結体133で連結され、外枠側支持体136と本体側支持体137とが下方の連結体138で連結されることによって、遊技機本体120が外枠110に対して着脱自在かつ開閉自在に支持されている。また、上方の連結体133及び下方の連結体138の各々は、開閉軸体134と軸受溝部131Aとの間及び開閉軸体134と軸受溝部131Aとの間にかかる荷重負荷、特に、遊技機本体120の開放状態における荷重負荷を低減することによって上方の開閉軸体134及び下方の開閉軸体134の変形等に基づく開閉軸の軸ズレを抑制したり、外枠110に対する遊技機本体120の最大開放角度(開閉軸体134,139周りの回転角度であり、90度を越えて大きいが90度の近傍の値、例えば95度)を制限したりする。なお、連結体133と外枠110との連結は簡便な操作によって解除できる構成となっている。
本体施錠機構140は、図3及び図4に示されたように、外枠110の右側板部材113に固着された一対の外枠側施錠部材141と、遊技機本体120に取設された施錠機構142とを備えている。施錠機構142は、遊技機本体120に固着された基体部材143と、基体部材143に枢設された一対の本体側施錠部材144と、一対の本体側施錠部材144に接続され、上下方向に移動自在な動力伝達棹145と、動力伝達棹145を所定の基準位置(以下において、「施錠位置」とも称す)に復帰させる方向に付勢する付勢体(図示せず)と備えている。なお、付勢体は、図4に示されたように、基体部材143を介して遊技機本体120に固着された保護カバー159によって覆われている。一対の外枠側施錠部材141の各々には係合爪部141Aが形成され、一方、一対の本体側施錠部材144の各々には係合爪部141Aと係合する係合溝部144A(図4のみ)が形成されている。
錠開閉操作機構150は、図1及び図2に示されたように、所定の開閉鍵(図示せず)の凹凸形状に対応する鍵溝(図示せず)が形成されたキーシリンダ151と、キーシリンダ151の内側に摺動自在に挿着され、挿入された開閉鍵の回動に連動して回動する可動軸体152と、開閉鍵が挿入される鍵穴と反対側(背面側)において可動軸体152に固着され、可動軸体152の回動に連動して偏心回動する可動片(図示せず)とを備えている。
遊技機本体120の閉鎖状態において、図3及び図4に示されたように、施錠機構142の付勢体からの付勢力に基づいて、動力伝達棹145は所定の基準位置に維持され、また、一対の外枠側施錠部材141の係合爪部141Aも所定の基準位置に維持されている。なお、遊技機本体120の閉鎖状態においては、図3に示されたように、一対の外枠側施錠部材141の係合爪部141Aは一対の本体側施錠部材144の係合溝部144Aと係合した状態である。これによって、外枠110に対して遊技機本体120が施錠された状態(以下、「遊技機本体120の施錠状態」と略記する)が維持される。遊技機本体120の閉鎖状態において錠開閉操作機構150のキーシリンダ151及び可動軸体152に形成された鍵穴に所定の開閉鍵(図示せず)が挿入され、その鍵によって所定の開錠操作、本形態では90度の時計回りの回転操作が行われると、可動軸体152が回転すると共に可動片(図示せず)が偏心回転する。その可動片の偏心回転に応じて、本体施錠機構140の動力伝達棹145が上方側に移動する。動力伝達棹145の上方側への移動に応じて、一対の本体側施錠部材144が回転し、その先端が下側へ移動する。これによって、係合爪部141Aが係合溝部144Aから離脱し、遊技機本体120が外枠110に対して回転可能な状態(以下、「遊技機本体120の開錠状態」と略記)になる。また、動力伝達棹145の上方側への移動に応じて可動部材146が上方側へ移動することによって、施錠機構142の付勢体が延伸される。これによって、遊技機本体120の閉鎖状態において本体施錠機構140による施錠が開錠された状態で鍵から手を離すと施錠機構142の付勢体からの付勢力に基づいて動力伝達棹145及び一対の本体側施錠部材144は施錠位置に復帰し、遊技機本体120が施錠状態に戻る。一方、遊技機本体120の開放状態から閉鎖状態へ移行させる場合には、遊技機本体120の開放状態において開錠操作がなされていない状態で遊技機本体120を閉鎖方向に回転させると一対の外枠側施錠部材141と一対の本体側施錠部材144とが当接してその閉鎖方向の回転が阻止されるために、遊技機本体120の閉鎖状態まで移行させるためには、一旦、開錠操作を行わなければならない。
本体開閉検出装置160は、図3に示されたように、遊技機本体120の左側板部材114側に一部が突出するように配置されている。ここで、本体開閉検出装置160について詳細に説明する。図5は、本体開閉検出装置の一例の近傍を表す部分分解斜視図であり、図6(A)及び図6(B)は、それぞれ、遊技機本体の閉鎖状態及び開放状態における本体開閉検出装置の一例を模式的に表す背面図である。本体開閉検出装置160は、図5並びに図6(A)及び図6(B)に示されたように、遊技機本体120に軸止された軸部材161と、軸部材161に軸支された略U字形状の可動部材162と、可動部材162に取着されU字の開き角を大きくする付勢体163と、遊技機本体120に取着された開閉検出スイッチ164とを備えている。可動部材162は、遊技機本体120の閉鎖状態において、図6(A)に示されたような外枠110の左側板部材114に当接している閉鎖位置と、図6(B)に示されたような遊技機本体120の開放状態において外枠110に当接していない開放位置との間で移動する。なお、可動部材162の開き角は、可動部材162が閉鎖位置に位置する場合より開放位置に位置する場合の方が大きい。開閉検出スイッチ164は、図6(A)に示されたように、可動部材162が閉鎖位置にある場合に、可動部材162によって開閉検出スイッチ164の検出突起164Aが押圧されているオン状態であり、一方、図6(B)に示されたように、可動部材162が開放位置にある場合に、可動部材162によって開閉検出スイッチ164の検出突起164Aが押圧されていないオフ状態であり、検出状態に応じて電位の異なる開閉検出信号を主制御装置750(図39及び図44参照)の主制御基板751(図44)に出力する。
球式回胴遊技機100は、図3及び図4に示されたように、遊技機本体120の底部に設けられ、外枠110に対する遊技機本体120の開閉動作を円滑化する開閉円滑化機構170(図3のみ)と、遊技機本体120の底部に取着され、遊技機本体120が外枠に対して開放された開放状態における遊技機本体120の傾倒を補正すると共に、外枠110に対する遊技機本体120の開錠に応じて、管理者による意図的な遊技機本体120の開放操作に因らずに、遊技機本体120が閉鎖状態から開放状態へ移行することを抑制する傾倒補正部材180とを備えている。なお、開閉円滑化機構170及び傾倒補正部材180は、本発明の特徴部分であるために、〔本発明の主たる特徴部分の構成〕において詳細に説明することとし、ここでの説明は省略する。
ここで、遊技機本体120の構成について説明する。図7及び図8は、球式回胴遊技機の一例を内部開放状態で表す斜視図である。なお、図7には、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123が一体的に開放されている状態が示されており、図8には、前面ブロック121に対して払出ブロック122が開放され、かつ払出ブロック122に対して遊技ブロック123が開放されている状態が示されている。
遊技機本体120は、図7及び図8に示されたように、球式回胴遊技機100の前面側を構成する前面ブロック121と、球式回胴遊技機100の背面側を構成する払出ブロック122と、前面ブロック121及び払出ブロック122によって被包される遊技ブロック123と、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を着脱自在かつ開閉自在に支持する一対のブロック支持機構124(一方のみ図示)と、前面ブロック121に対して払出ブロック122を施錠する払出ブロック施錠機構125と、払出ブロック122に対して遊技ブロック123を固定する一対の遊技ブロック固定機構126とを備えている。
一対のブロック支持機構124の各々は、前面ブロック121に取着された前面ブロック側支持部材211(図13参照)と、払出ブロック122に取着された払出ブロック側支持部材212(図29参照)と、遊技ブロック123に取着された遊技ブロック側支持部材213(図41参照)とで構成されている。図13に示されるように、前面ブロック側支持部材211は、前面ブロック121に取着された固定部221と、固定部221に対して略垂直に屈曲して背面側に延設され、上側軸挿通孔222Aの形成された払出ブロック用軸受部222と、固定部221に対して略垂直に屈曲して背面側に延設され、上側軸挿通孔222Aの真下に下側軸挿通孔223Aの形成された遊技ブロック用軸受部223とを含んでいる。払出ブロック側支持部材212は、図29に示されるように、払出ブロック122に固着された固定部224と、固定部224に対して略垂直に屈曲して正面側に延設された接続部225と、接続部225から下側に延設された軸体部226とを含み、軸体部226が前面ブロック側支持部材211の上側軸挿通孔222Aに遊挿されている。同様に、遊技ブロック側支持部材213は、図41に示されるように、遊技ブロック123に固着された固定部227と、固定部227に対して略垂直に屈曲して正面側に延設された接続部228と、接続部228から下側に延設された軸体部229とを含み、軸体部229が前面ブロック側支持部材211の下側軸挿通孔223Aに遊挿されている。
払出ブロック施錠機構125は、払出ブロック122に形成された一対の陥没部122Aの各々に架設され、一対の陥没部122Aの陥没口の一部を覆う一対の払出ブロック側施錠部材231(図28も参照)と、前面ブロック121側に配設された施錠機構232(図13も参照)とを備えている。施錠機構232は、図13に示されるように、本体施錠機構140における基体部材143に対して上下方向に移動自在に取着され、本体施錠機構140を作動させる方向と逆方向への錠開閉操作機構150の可動片(図示せず)の回転に連動して上下方向に移動する前面ブロック側施錠部材233と、前面ブロック側施錠部材233を所定の基準位置へ復帰させる方向に付勢する付勢体(図示せず)とを備えている。前面ブロック側施錠部材233は、基体部材143と略平行に延びる棹部235と棹部235の長手方向の両端近傍から背面側に突出する一対の突出部236とを含み、一対の突出部236の各々には一部を切り欠いた係合溝236Aが形成されている。前面ブロック121に対して払出ブロック122の閉鎖された状態(以下、「払出ブロックの閉鎖状態」とも略記)において、一対の払出ブロック側施錠部材231が一対の突出部236の係合溝部236Aに配置されており、その係合状態が付勢体からの付勢力によって維持される。これによって、前面ブロック121に対して払出ブロック122の施錠されている状態(以下、「払出ブロックの施錠状態」とも略記)が維持される。一方、本体施錠機構140を作動させる方向と逆方向への錠開閉操作機構150の操作に応じて、その操作に伴う可動片(図示せず)の回転に連動して前面ブロック側施錠部材233が下方側へ移動して、一対の突出部236の上面が一対の誘導部143Aの上面と同一又はそれよりも下方側に移動する。これによって、払出ブロック側施錠部材231が前面ブロック側施錠部材233よりも背面側へ移動させることができるために、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放することができる。
一対の遊技ブロック固定機構126は、払出ブロック122に固着された一対の払出ブロック側固定部材241(図28も参照)と、遊技ブロック123に設けられた一対の固定機構242(図39も参照)とを備えている。一対の払出ブロック側固定部材241の各々は、図28に示されるように、上下方向の中央側に向けて延出する被挟持部241Aと、被挟持部241Aに対して略垂直に屈曲して前方側に突出する位置補正部241Bとを含んでいる。一対の固定機構242の各々は、図39に示されるように、払出ブロック122に形成された固定壁部244と、遊技ブロック123に回動自在に軸支された可動挟持部材245とを含んでいる。可動挟持部材245は、軸支部245Aと、軸支部245Aの周縁において円周方向に突出する操作部245Bと、軸支部245Aから回動軸方向に沿って固定壁部244よりも後方側まで突出する接続部245Cと、接続部245Cの先端から回動軸と略垂直方向に突出する挟持部245Dとを含んでおり、一対の遊技ブロック固定機構126の各々によって払出ブロック122に対して遊技ブロック123の固定されている状態(以下「遊技ブロック123の固定状態」とも略記)において、固定壁部244が払出ブロック側固定部材241の位置補正部241Bに載置されており、挟持部245Dと固定壁部244とが被挟持部241Aを挟持している。可動挟持部材245を回転させる操作部245Bへの力の付与によって挟持部245Dが回転し、その回転に伴い挟持状態が解除される。更に挟持部245Dを回転させると、前後方向に対して挟持部245Dが払出ブロック側固定部材241を被覆しない状態へと移行する。これによって、払出ブロック122に対する遊技ブロック123の回転が可能な状態(以下「遊技ブロック123の固定解除状態」とも略記)となる。
払出ブロック122に対して遊技ブロック123が一対の遊技ブロック固定機構126を介して一体化されていない場合には、可動挟持部材245が前面ブロック121に衝突することとなり、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を一体的に閉鎖状態まで回転させることはできない。また、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123が一対の払出ブロック施錠機構125を介して一体化されている場合には、可動挟持部材245が前面ブロック121の内部に配置されているために、一対の遊技ブロック固定機構126に対する操作ができず、払出ブロック122と遊技ブロック123との固定を解除することはできない。
遊技機本体120は、図7に示されたように、更に、払出ブロック122の閉鎖状態において払出ブロック122から前面ブロック121への遊技球の移動を許容し、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放状態においてその移動を禁止するブロック間遊技球移動規制機構127(一部のみ図示)を備えている。ブロック間遊技球移動規制機構127は、払出ブロック122に形成され、遊技進行に応じて払い出された遊技球や貸し出された遊技球(以下、これらをまとめて「放出球」とも称す)を上貯留皿320(図1参照)へ誘導する上皿誘導通路502(図9及び図32参照)で払出ブロック122から前面ブロック121へのそれらの遊技球の移動を許容する移動許容状態とその移動を禁止する移動禁止状態との間で状態移行する上皿側球止め機構251(図9及び図31参照)と、払出ブロック122に形成され、放出球を下貯留皿330(図1参照)へ誘導する下皿誘導通路503(図9及び図31参照)における払出ブロック122から前面ブロック121への遊技球の移動を許容する移動許容状態とその移動を禁止する移動禁止状態との間で状態移行する下皿側球止め機構252(図10及び図31参照)と、前面ブロック121に形成され、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開閉動作に応じて上皿側球止め機構251の規制状態を変化させる上皿側規制変更部材253と、前面ブロック121に形成され、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開閉動作に応じて下皿側球止め機構252の規制状態を変化させる下皿側規制変更部材254とで構成されている。
ここで、ブロック間遊技球移動規制機構127について詳細に説明する。図9(A)及び図9(B)は、上皿側球止め機構及び上皿側規制変更部材の一例を表す図2におけるY1−Y1’矢視断面図である。図9(A)及び図9(B)は、それぞれ、払出ブロックが閉鎖状態及び開放状態である場合を表している。図10(A)及び図10(B)は、それぞれ、下皿側球止め機構及び下皿側規制変更部材の一例を表す図2におけるY2−Y2’矢視断面図及びY3−Y3’矢視断面図である。図10(A)及び図10(B)は、それぞれ、払出ブロックが閉鎖状態及び開放状態である場合を表している。なお、払出ブロック122の閉鎖状態からその開放状態へは払出ブロック122の回転によって移行するが、図9(B)及び図10(B)において、説明の便宜のために、並進移動によって払出ブロック122と前面ブロック121とを離隔させる場合が示されている。この場合であってもブロック間遊技球移動規制機構127の動作は実質的に同一である。
上皿側球止め機構251は、図9(A)及び図9(B)に示されたように、移動禁止状態に対応する遊技球の流下を禁止する流下禁止位置と移動許容状態に対応する遊技球の流下許可する流下許容位置との間を並進移動自在である流下規制部材261と、流下規制部材261を流下禁止位置側に付勢する一対の付勢体262(一方のみ図示)と、流下規制部材261の移動を流下禁止位置側までに制限する移動制限体(図示せず)とを含んでいる。図9(A)に示されたような払出ブロック122の閉鎖状態において、上皿側規制変更部材253が付勢体262からの付勢力に抗して流下規制部材261を押圧し、流下規制部材261が流下許容位置に維持される。これによって、上皿用流出口502Bに遊技球が通過できる空間が確保されて、遊技球の自由な流下が実現する。一方、図9(B)に示されたような払出ブロック122を所定の角度以上回転させた開放状態において、上皿側規制変更部材253が流下規制部材261から乖離し、流下規制部材261が付勢体262からの付勢力に基づいて流下禁止位置(流下許容位置よりも前面ブロック121側)に維持される。これによって上皿用流出口502Bが狭窄されて遊技球の流下が禁止される。下皿側球止め機構252は、遊技球の流下を禁止する流下禁止位置と遊技球の流下許可する流下許可位置との間を回転移動自在である流下規制部材266と、流下規制部材261を流下禁止位置側に付勢する一対の付勢体267(一方のみ図示)と、流下規制部材261の移動を流下禁止位置側までに制限する移動制限体(図示せず)とを含んでいる。前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉鎖状態において、払出ブロック施錠機構125による施錠によって前面ブロック121と払出ブロック122の相対位置は固定されているために、下皿側規制変更部材254が付勢体267からの付勢力に抗して流下規制部材266を押圧し、流下規制部材266が流下許容位置に維持される。これによって、下皿用流出口503Bに遊技球が通過できる空間が確保されて、遊技球の自由な流下が実現する。このとき、付勢体267は、流下規制部材266及び下皿側規制変更部材254を介して、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放方向に回転させる回転力を付与している。一方、前面ブロック121に対して払出ブロック122を所定の角度以上回転させた開放状態において、下皿側規制変更部材254が流下規制部材261から乖離し、流下規制部材266が付勢体267からの付勢力に基づいて流下禁止位置に維持される。これによって下皿用流出口503Bが狭窄されて遊技球の流下が禁止される。
遊技機本体120は、図7及び図8に示されたように、更に、前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉鎖状態における前面ブロック121に対する払出ブロック122の施錠の解除に応じたブロック間遊技球移動規制機構127の付勢体262,267からの付勢力に基づく前面ブロック121に対する払出ブロック122の回転を所定の微少角度に制限する自動開放制限機構128を備えている。図11(A)及び図11(B)は、自動開放制限機構の一例の近傍を拡大して示した斜視図である。図11(A)及び図11(B)は、それぞれ、払出ブロック122の閉鎖状態及び開放状態を表している。自動開放制限機構128は、図11(A)及び図11(B)に示されたように、払出ブロック122に形成された係合丘部271と、払出ブロック122に形成され、係合丘部271よりも後方側に位置する陥没部272と、前面ブロック121に形成された係合爪部273とを含んでいる。係合爪部273の先端は、図11(A)に示されたように、払出ブロック122の施錠状態において陥没部272に配置されており、払出ブロック122の開錠に応じて係合丘部271に乗り上げる。これによって、払出ブロック122の開錠に応じたブロック間遊技球移動規制機構127を構成する2種類の一対の付勢体262,267に基づく払出ブロック122の回転が、係合爪部273と係合丘部271との間の摩擦力によって停止される。なお、自動開放制限機構128によって払出ブロック122の回転が停止されている半開放固定状態において、上皿側球止め機構251及び下皿側球止め機構252の各々は、移動禁止状態となっている。
払出ブロック122の前面ブロック121に対する施錠状態において、錠開閉操作機構150(図1参照)の鍵穴に所定の鍵が挿入され、その鍵によって所定の操作(払出ブロックの開錠操作)、本形態では基準位置(施錠位置)から反時計回りの90度の逆回転操作が行われると、外枠110に対する遊技機本体120の開錠の場合とは逆に可動軸体152及び可動片(図示せず)が回転する。可動片は回転に応じて前面ブロック側施錠部材233を下方側に移動させる。これによって、払出ブロック側施錠部材231が係合溝部233Aとから離脱し、払出ブロック122及び遊技ブロック123が一体的に前面ブロック121に対して所定の角度だけ回転して停止する。これは、上皿側球止め機構251の付勢体262及び下皿側球止め機構252の付勢体267からの付勢力に基づいて払出ブロック122が前面ブロック121に対して回転を開始するが、その後、自動開放制限機構128によってその回転が停止されるからである。自動開放制限機構128によって払出ブロック122の回転が停止された状態で鍵から手を離すと施錠機構142の付勢体による付勢力によって払出ブロック側施錠部材231は施錠位置に復帰しようとするが、所定の角度だけ既に回転しているために、払出ブロック側施錠部材231が前面ブロック側施錠部材233の先端部に当接し、一対の本体側施錠部材144は施錠位置に復帰しない。この半開放固定状態においては、錠開閉操作機構150への操作を伴わずに、払出ブロック122と前面ブロック121を離隔させる方向及び払出ブロック122と前面ブロック121を近接させる方向に、払出ブロック122を回転させることができる。一方、払出ブロック122の開放状態から閉鎖状態へ移行させる場合には、払出ブロック122の開放状態において、払出ブロック122の開錠操作がなされていない状態で払出ブロック122を閉鎖方向に回転させると一対の払出ブロック側施錠部材231と前面ブロック側施錠部材233とが当接してその閉鎖方向の回転が阻止されるために、払出ブロック122を閉鎖状態まで移行させるためには、一旦、払出ブロック122の開錠操作を行わなければならない。
前面ブロック121は、主に、入賞に伴い払い出された遊技球(以下「払出球」とも称す)や貸し出された遊技球(以下「貸与球」とも称す)を遊技者によって取り扱い可能な状態で貯留したり、単位遊技の開始条件となる所定の個数の遊技球を投入(以下「ベット」とも称す)したり、単位遊技を進行させるための遊技者による各種の入力を受け付けたり、遊技進行に伴う所定の遊技状態を報知したり、遊技進行に伴う視覚的及び聴覚的な演出を行ったりする。払出ブロック122は、主に、投入された遊技球の返却及び遊技者への遊技球の払い出しを行う。なお、払出ブロック122は、外部電力を取り込んで球式回胴遊技機100の各部へ内部電力を供給する。遊技ブロック123は、主に、単位遊技における当選役を決定する抽選や当選役に基づく単位遊技の結果の表示や当選役に基づく演出の報知等の遊技進行の包括的な管理を行う。なお、前面ブロック121及び払出ブロック122は球式回胴遊技機の種類に実質的に依存せず、また、遊技ブロック123は払出ブロック122に対して着脱自在に支持されているために、遊技ブロック123のみを取り替えること(一般的に、「面替え」と称される)によって他の遊技性を有する遊技機に変更ができる。以下において、前面ブロック121、払出ブロック122、遊技ブロック123についてブロック別に概ねこの順序で詳細に説明する。
なお、それらの説明に先立ち、説明の便宜上、遊技ブロック123における回胴ユニット710について簡単に説明する。遊技ブロック123は、図7に示されたように、左回胴810Lと、中回胴810Mと、右回胴810Rとを備えている。左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの各々の表面には複数種類の図柄が描かれており、単位遊技の開始時に左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが所定の方向に回転することによって図柄表示が変動し、その後、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが停止することによって遊技結果を表す図柄表示が確定される。
(前面ブロック)
前面ブロック121について説明する。図12及び図13は、それぞれ、前面ブロックの一例を表す正面側及び背面側の斜視図であり、図14及び図15は、それぞれ、前面ブロックの一例を表す正面側及び背面側の分解斜視図である。前面ブロック121は、図12〜図15に示されたように、基枠300と、基枠300に取着され、遊技ブロック123における遊技結果の表示や遊技進行に伴う演出等を透視できる透明性の遊技領域透視パネル301と、基枠300の前面側に取着された前面パネル枠310と、遊技球を貯留する上貯留皿320と、遊技球を貯留する下貯留皿330(図12及び図14のみ)と、遊技球の投入指示を入力するベット操作装置340(図12、図14及び図15のみ)と、上貯留皿320に貯留された遊技球を下貯留皿330へ移動させたり、一旦投入された遊技球を返却させたりするために操作される返却操作機構350(図12、図14及び図15のみ)と、ベット操作装置340への投入指示の入力に応じて上貯留皿320に貯留された遊技球を投入したり、返却操作機構350の操作に応じて上貯留皿320に貯留された遊技球を下貯留皿330に移動させたり、返却操作機構350の操作を検知して投入済の遊技球と同数の遊技球の返却を指示したりする投入装置360(図13及び図14のみ)と、単位遊技の開始指示を入力する単位遊技開始操作装置370(図12、図14及び図15のみ)と、遊技ブロック123における図柄変動の停止指示を入力する図柄変動停止装置380(図12、図14及び図15のみ)と、球式回胴遊技機100に隣接して設けられる球貸出制御ユニット(図示せず)と連動して遊技球の貸出指示を入力したり、貸し出し状況を表示したりする球貸出操作装置390と、遊技進行に伴う音響演出や遊技状態に応じた音響報知を行う下音響装置311、右上音響装置312及び左上音響装置313(図12、図14及び図15のみ)からなる音響装置群と、遊技進行に伴う発光演出や遊技状態に応じた発光報知を行う上発光装置314、右発光装置315(図12、図14及び図15のみ)及び左発光装置316からなる枠発光装置群と、遊技進行に伴う演出形態を変更する演出変更操作装置319(図12、図14及び図15のみ)とを備えている。
基枠300及び前面パネル枠310の各々は、前面ブロック121に設けられる各種の装置等を固定するための基礎となる枠体である。また、遊技機本体120の一部としての基枠300には、遊技機本体120(図4参照)と外枠110(図4参照)とを回動自在に支持固定する一対の本体支持機構130(図4参照)を構成する図13に示された一対の本体側固定部材132と、外枠110に対して遊技機本体120を施錠する本体施錠機構140を構成する図15に示された施錠機構142、施錠機構142(図15参照)を操作するための図12に示された錠開閉操作機構150と、外枠110に対する遊技機本体120の開閉状態を検出する本体開閉検出装置160(図5参照)の図13に示された可動部材162及び付勢体163と、外枠110に対する遊技機本体120の開閉を円滑化する開閉円滑化機構170(図3参照)の図13に示された内側ローラ171及び外側ローラ172と、外枠110(図7参照)に対する遊技機本体120(図7参照)の意図しない開放を抑制する図15に示された傾倒補正部材180とが取着されている。以下において、図12及び図13を参照しながら前面ブロック121の具体的な構成について説明する。
遊技領域透視パネル301は、基枠300の窓部に後方側から挿入され、遊技領域透視パネル301の周縁において基枠300にネジ止めされている。遊技領域透視パネル301の背面側には遊技ブロック123(図4参照)が配置されており、遊技者は、遊技領域透視パネル301を通して遊技ブロック123で表示される各種の情報や演出を視認できる。
上貯留皿320は、遊技領域透視パネル301の下方において、前面パネル枠310を貫通してその一部が前面側に突出するように基枠300に取着されており、遊技球をベット用に貯留する。上貯留皿320には、遊技者が遊技球を直接に投入できると共に、払出球が自動的に流入する。なお、上貯留皿320は、返却操作機構350及び球貸出操作装置390と共に、それらが一体化された上皿ユニットを構成する。図16は上皿ユニットの一例を表す分解斜視図である。
上貯留皿320は、図16に示されたように、桶状部材321と、桶状部材321の後方側を覆う板状の被覆部材322と、遊技球の流下を一段に制限すると共に下方に配置される投入装置360(図13参照)を外部から遮蔽する遮蔽整流部材323(第1遮蔽整流部材323A及び第2遮蔽整流部材323B)と、桶状部材321から投入装置360への流下を規制する流下規制機構324とを備えている。桶状部材321には、一端に払出球や貸出球を流入させる流入口321Aが形成され、他端に桶状部材321に貯留されている遊技球を投入装置360へ流出させる流出口321B(図17参照)が形成されている。桶状部材321の底面は、流入口321A側から流出口321B側へ向けて緩やかに傾斜しており、遊技球が自重によって流入口321A側から流出口321B側へ向けて自動的に流下する。桶状部材321の下流側であって遮蔽整流部材323の下方には遊技球を3条(3列)に分配整列させる2つの整列突起325が取着されている。これによって、上貯留皿320には3条の流出通路321C(図17及び図19も参照)が形成される。また、桶状部材321の底面は、前方側から後方側へ向けて緩やかに傾斜しており、後方側の流出通路に優先的に遊技球が流入する。具体的には、前方側の第3条の流出通路321Cよりも中間の第2条の流出通路321Cへ流入し易く、第2条の流出通路321Cよりも後方側の第1条の流出通路321Cへ流入し易い。遮蔽整流部材323の下面にも整列突起(図示せず)が形成されており、遊技球の整列状態が維持される。遮蔽整流部材323の下面は3条の流出通路321Cの各々が下流側に向けて上下方向の幅が小さくなるように傾斜している。これによって、遊技球が積層状態で貯留されていたとしてもそれらが一段(一層)に規制される。したがって、上貯留皿320から投入装置360への遊技球の流入が円滑化される。
流下規制機構324は、上貯留皿320の桶状部材321から投入装置360への遊技球の流入を許容したり、禁止したりする。流下規制機構324は、操作部材327と、操作部材327を回動自在に支持する支持部材328と、操作部材327の回転操作に連動して移動する流下規制部材329とを備えている。操作部材327は、支持部材328によって回転自在に支持される回転軸部327Aと、回転軸部327Aの一端に延設された操作レバー部327Bと、回転軸部327Aから放射方向に突出し流下規制部材329を流入禁止位置へ移動させる3つの突起部327Cと、回転軸部327Aから放射方向に突出し流下規制部材329を流下許容位置へ移動させる3つの突起部327Dと、操作レバー部327Bの回転角度を制限する回転制限壁部327Eとを含んでいる。支持部材328は、操作部材327の回転軸部327Aを回動自在に支持する4つの軸受部328A〜328Dと、操作部材327の回転制限壁部327Eとの係合によって操作部材327の操作レバー部327Bの回転を制限する回転制限突起部328Eとを含んでいる。流下規制部材329は、突起部327Cとの係合によって流下規制部材329を流下禁止位置に移動させる動力受け部329Aと、突起部327Cとの係合によって流下規制部材329を流下許容位置に移動させる動力を受ける動力受け部329Bと、桶状部材321の流出口321Bへの突出又は流出口321Bから抜脱によって桶状部材321からの遊技球の流出を規制する3つの規制爪部329Cとを含んでいる。3つの規制爪部329Cは、それぞれ、桶状部材321における3つ流出通路321Cに対応して設けられている。
ここで、流下規制機構324の動作について詳細に説明する。図17及び図18は、それぞれ、流下規制機構324の流下許容状態及び流下禁止状態を表す断面図である。なお、図17及び図18には、説明の便宜のために投入装置360も表されている。規制爪部329Cは、図17に示された流下許容状態において、流出通路321Cの流出口321Bから遊技球が流出できる領域を確保するように配置されている。この流下許容状態において、操作部材327の操作レバー部327B(図16参照)を回転させると、その回転に応じて回転軸部327Aが回転し、突起部327Cが流下規制部材329の動力受け部329Aに当接する。更に、操作レバー部327Bを回転させると、突起部327Cが動力受け部329Aを押圧し、その押圧力によって流下規制部材329が移動する。これによって、流下規制部材329の規制爪部329Cが、図18に示されたように流出口321Bを狭窄し、流出口321Bから遊技球が流出できなくなる。逆に、図18に示された流下禁止状態において、操作部材327の操作レバー部327Bを逆回転させると、その回転に応じて回転軸部327Aが回転し、突起部327Dが流下規制部材329の動力受け部329Bに当接する。更に、操作レバー部327Bを回転させると、突起部327Dが動力受け部329Cを押圧し、その押圧力によって流下規制部材329が移動する。これによって、流下規制部材329の規制爪部329Cは、図17に示されたように流出口321Bから遊技球が流出できる空間を確保するように配置される。
ここで、基枠300への上貯留皿320の取り付けについて説明する。なお、上貯留皿320は、返却操作機構350及び球貸出操作装置390と共に、それらが一体化された上皿ユニットを構成し、上皿ユニットが基枠300に取り付けられることによって前面ブロック121に配設される。図19は上皿ユニットの一例を表す斜視図であり、図20(A)及び図20(B)は上皿ユニット(上貯留皿320)の装着過程の一例を表す斜視図である。図20(A)が上貯留皿320(上皿ユニット)の取り付け前を表し、図20(B)が上貯留皿320(上皿ユニット)の取り付け中を表している。なお、図20(A)及び図20(B)において、投入装置360が取着された状態で取り付けるかのように表されているが、正確には投入装置360を取着する前に取り付けられる。また、払出ブロック122及び遊技ブロック123が装着されていない場合が示されているがそれらの装着後においても上皿ユニットは着脱できる。
上貯留皿320の桶状部材321には、図19に示されたように、流入口321A側の外壁面から突出し、基枠300に連結される連結部326が形成されており、連結部326は、板状の固定壁部326Aと、固定壁部326Aよりも更に外方向に突出する脱落防止壁部326Bと、固定壁部326Aの上下方向の両端から突出する一対の回転軸部326C(一方のみ図示)とが形成されている。一方、基枠300には、図20(A)に示されたように、上貯留皿連結部材302が取着されており、上貯留皿連結部材302は、上貯留皿320の一対の回転軸部326Cが挿入される上下に一対の軸受部302A,302Bと、脱落防止壁部326Bの後方側に位置する脱落防止壁部302Cとを含んでいる。
図20(A)に示されたように上貯留皿320が基枠300と乖離している状態において、上貯留皿320の一対の回転軸部326Cが基枠300の一対の軸受部302A,302Bに挿入される。この状態から図20(B)に示されたように上貯留皿320を回転させると、固定壁部326Aが下側の軸受部302Bに乗り上げることによって一対の軸受部302A,302Bの間に配置され、また、上貯留皿320の脱落防止壁部326Bが基枠300の脱落防止壁部302Cと対向するようにその前方側に配置される。これによって、上貯留皿320は、並進移動によっては基枠300から離脱できないように回転自在に支持される。所定の位置まで更に回転させた状態において、上貯留皿320と基枠300とが所定の少なくとも1箇所でネジ止めされて固定される。このような構成とすることによって、ネジ止めにおいてネジ止め箇所の位置決めが実質的に不要となるために、ネジ止め箇所の位置決めを行いながら複数の箇所のネジ止めを行う場合に比べて上貯留皿320(上皿ユニット)の装着が簡便となり、スループットが向上する。また、演出変更操作装置319は遊技者によって連打されたり、必要以上の力で殴打されたりする場合があり寿命が他の操作装置に比べて短くなり易いが、上皿ユニット単位で取り外しできることによって、演出変更操作装置319を簡便に取り換えることもできる。
下貯留皿330は、図12に示されたように、その一部が前面側に突出するように前面パネル枠310に取着されており、上貯留皿320に貯留しきれない遊技球や球式回胴遊技機100の外部に排出する場合に一時的に遊技球を貯留する。下貯留皿330には、上貯留皿320が満杯である場合に払出球が流入し、また、返却操作機構350の操作に基づいて上貯留皿320に貯留されている遊技球が流入する。下貯留皿330は、放出球(払出球、貸出球)が流入する流入口331A、上貯留皿320に貯留されている遊技球が流入する返却口331B及び遊技球が流出する排出口331Cが形成された桶状部材331と、排出口331Cを開放する開放位置と排出口331Cを閉鎖する閉鎖位置との間で移動自在な板状の可動部材332と、可動部材332を移動させる操作レバー333と、可動部材332を閉鎖位置側に付勢する付勢体(図示せず)とを備えている。図12において可動部材332が閉鎖位置に位置し、排出口331が閉口状態である場合が示されており、この状態から操作レバー333を付勢体からの付勢力に抗して左方向へ移動させると、可動部材332が開放位置に移動し、排出口331が開口状態となる。一方、操作レバー333を右方向へ移動させた状態において、操作レバー333から手を離すと、可動部材は付勢体からの付勢力によって閉鎖位置に自動的に復帰する。
ベット操作装置340は、前面パネル枠310における上貯留皿320の前方側に突出する部分に取着されている。ベット操作装置340は、単位ベット数(1ベット)に対応する所定の単位個数(例えば、5球)の遊技球をベットする最小ベット操作部340Aと、最大規定数の遊技球をベットする最大ベット操作部340Cとを備えている。ここで、最大規定数とは、単位遊技においてベットできる遊技球の最大数を意味し、通常遊技状態の単位遊技において5球、10球又は15球の遊技球をベット(1ベット、2ベット又は3ベット)できる場合には15球を意味し、特別遊技状態中の単位遊技等において5球の遊技球のみをベットできる場合には5球を意味する。
最小ベット操作部340Aは、前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作される単位ベットボタン(入力操作部)341Aと、単位ベットボタン341Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、単位ベットボタン341Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含む単位ベットスイッチ341(図44参照:ベットスイッチの一種)を備えている。同様に、最大ベット操作部340Cは、前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作される最大ベットボタン(入力操作部)343Aと、最大ベットボタン343Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、最大ベットボタン343Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含む最大ベットスイッチ343(図44参照:ベットスイッチの一種)を備えている。遊技者によるベット操作装置340の操作に応じて、ベット操作部の種類(最小ベット操作部340A又は最大ベット操作部340C)に応じたベット指示が入力される。具体的には、単位ベットボタン341A及び最大ベットボタン343Aの押圧操作に応じて、それぞれ、単位ベット指示(ベット指示の一種)及び最大ベット指示(ベット指示の一種)が入力される。単位ベットボタン341A及び最大ベットボタン343Aは、遊技者が手を離すと押圧が解除されて、付勢体からの付勢力に基づいて基準位置に自動復帰する。なお、このベット指示の入力に応じて、投入装置360がベット指示の種類や遊技状態の種類に応じた所定の個数の遊技球を投入することとなる。
最大ベット操作部340Cは、更に、最大ベットボタン343Aに裏面側に設けられた発光素子(図示せず)と発光素子の発光を制御する発光制御回路(図示せず)とを含む最大ベット発光装置344(図44参照)を備えている。最大ベット発光装置344は、最大ベットスイッチ343が有効に操作できる場合に、遊技者に最大ベットボタン343Aの操作を促すために点灯され、最大ベットスイッチ343が有効に操作できない場合には消灯される。最大ベットスイッチ343が有効に操作できる場合としては、例えば、遊技ブロック123(図7参照)における後述する左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810R(図7参照)による図柄表示の変動が行われていない状態において最大規定数の遊技球がベットされていない場合が挙げられ、最大ベットスイッチ343が有効に操作できない場合としては、例えば、図柄表示の変動が行われている場合や前回の単位遊技で再遊技役が入賞した場合が挙げられる。
返却操作機構350は、前面パネル枠310における上貯留皿320の前方側に突出する部分に配設されている。なお、返却操作機構350は、球貸出操作装置390と共に上貯留皿320に取着されて、それらが一体化された上皿ユニットを構成し、上皿ユニットが基枠300に取着されることによって所定の位置に配設される。返却操作機構350は、図16に示されたように、上貯留皿320の下側に配設される収納部材351と、収納部材351に立設された支軸351Aに軸支された回動自在な操作部材352と、収納部材351に立設された支軸351Bに軸支された回動自在な押圧部材353と、収納部材351を覆う蓋部材354と、収納部材351と操作部材352とを接続し操作部材352を所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを備えている。操作部材352は、支軸351Aに軸支された基部352Aと、基部352Aに延設されて前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作される返却操作部352Bと、押圧部材353の接続軸部353Bを摺動自在に把持する把持部352Cとを含んでいる。押圧部材353は、支軸351Bに軸支された基部353Aと、基部353Aの一方の先端から回転軸方向に突出して操作部材352の把持部352Cに摺動自在に接続される接続軸部353Bと、基部352Aの他方の先端から回転軸方向に突出して投入装置360(図21参照)の返却シャッタ364(図21参照)を押圧する押圧部353Cとを含んでいる。
返却操作部352Bに遊技者によって回転力が付与されると、操作部材352が支軸351Aを中心にして回転し、その回転に連動して押圧部材353が支軸351Bを中心にして回転する。押圧部材353の回転に応じて押圧部353Cが奥方側へ移動し、その移動に基づいて押圧部353Cが投入装置360の返却シャッタ364を押圧する。この押圧力によって返却シャッタ364が移動して、上貯留皿320に貯留されている遊技球が下貯留皿330に返却されることとなる。なお、返却シャッタ364の移動に伴う返却動作については、投入装置360の説明において詳細に説明することとし、ここでの説明は省略する。
球貸出操作装置390は、前面ブロック121における上貯留皿320の前方側に突出する部分に配設されている。球貸出操作装置390は、遊技球の貸し出し可能な状態であるか否か、また貸し出し可能な場合にはその貸し出しの上限を表示する度数表示部391と、遊技球の貸し出しを受ける場合に遊技者によって操作される球貸出操作部392と、球貸し出し用のカードを返却する場合に遊技者によって操作されるカード返却操作部393とを備えている。度数表示部391は、球式回胴遊技機100に隣接して遊技機固定設備(図示せず)に設けられるCRユニット(図示せず)に所定のカード(図示せず)を挿入することでそのカードに電気的に記憶されている残額に相当する度数を表示し、遊技球の貸し出しが可能であることと共に貸し出しの上限を報知する。例えば、度数表示部391は、カードの残額の1/100の値を度数として表示する。一方、CRユニットにカードが挿入されていない場合には、度数表示部391は、消灯した状態を維持することによって遊技球の貸し出しが可能でないことを報知する。球貸出操作部392は、上貯留皿320の上面側に突出し遊技者によって操作される球貸出ボタン(入力操作部)392Aと、球貸出ボタン392Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、球貸出ボタン392Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含むボタンスイッチ(図示せず)である。遊技者による球貸出ボタン392Aの球貸出操作に応じて払出制御装置580(図29参照)の払出制御基板581(図44参照)に球貸出指示が入力されて、払出装置540から遊技球が貸し出されることとなる。カード返却操作部393は、上貯留皿320の上面側に突出し遊技者によって操作されるカード返却ボタン(入力操作部)393Aと、球貸出ボタン393Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、カード返却ボタン393Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含むボタンスイッチ(図示せず)である。遊技者によるカード返却操作部393の操作に応じてカード返却指示がCRユニットに入力され、CRユニットからカードが返却されることとなる。
投入装置360は、上貯留皿320及び投入装置360に貯留されている遊技球をベット操作装置340(図12参照)の操作に応じて所定数だけ投入したり、返却操作機構350の操作に応じて下貯留皿330に返却したり、返却操作機構350の操作に応じて既に投入(ベット)されている遊技球の払い戻しを指示したりする。図21は、投入装置の一例を表す斜視図であり、図22は、投入装置の一例を表す部分分解斜視図である。
投入装置360は、図21及び図22に示されたように、上貯留皿320の3つの流出通路321C(図16及び図19参照)に1つずつ対応した第1条の投入部361、第2条の投入部362及び第3条の投入部363と、第1条の投入部361〜第3条の投入部363に摺動自在に貫設され、上貯留皿320(図12参照)から下貯留皿330(図12参照)への遊技球の流下を規制する返却シャッタ364と、返却シャッタ364の一端を覆うカバー部材365と、カバー部材365の中空突出部365Aの内部に配置され返却シャッタ364を所定の基準位置に復帰させる方向に付勢する付勢体366(図22のみ)と、返却シャッタ364の基準位置からの移動を検知する返却スイッチ367と、主制御装置750(図38参照)の主制御基板751(図44参照)と投入装置360との間の電気信号の伝達や電力の供給を中継する投入系信号中継装置368と、投入系信号中継装置368を被覆するカバー部材369とを備えている。投入装置360は、投入すべき遊技球を第1条の投入部361〜第3条の投入部363の3つの投入系統で協同して投入する。
第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々は、図22に示されたように、第1ケーシング部材411と第2ケーシング部材412とで構成されるケーシングを備えている。第1条の投入部361及び第2条の投入部362の第1ケーシング部材411が、それぞれ、第2条の投入部362及び第3条の投入部363の第2ケーシング部材412に取り付けられることによって、第1条の投入部361、第2条の投入部362及び第3条の投入部363は、一体的に連接されている。第1条の投入部361、第2条の投入部362及び第3条の投入部363の各々のケーシングには、遊技球の通り道となる球通路420や各種の部材が配置される空間が形成される。球通路420は、投入装置360の上面側において上貯留皿320から流出してきた遊技球が載置される緩やかに傾斜した樋状の待機通路421と、待機通路421の下流側において待機通路421に対して屈曲して下方側(略鉛直方向)に延びる投入通路422と、待機通路421の下流側において斜め下方側に延びて払出通路を越えた後に屈曲して下方側に延びる返却通路423とで構成されている。第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々は、第1ケーシング部材411と第2ケーシング部材412とが組み付けられたケーシングに配設され、待機通路421から投入通路422への遊技球の流下を禁止する投入禁止状態とその流下を許容する投入許容状態との間で状態移行自在な投入フリッカ440と、ケーシングに配設され、投入フリッカ440による投入規制状態を変更する投入ソレノイド430と、ケーシングに配設され、投入通路422へ流入した遊技球を検出する通過センサ450と、ケーシングに配設され、通過センサ450より下流側において投入通路422を流下する遊技球を検出するカウントセンサ460とを備えている。
返却シャッタ364は、図22に示されたように、第1条の投入部361〜第3条の投入部363にわたって摺動自在に挿通され(図21も参照)、第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々における待機通路421から返却通路422への遊技球の流下を一斉に禁止する返却禁止状態とその流下を一斉に許容する返却許容状態との間で状態移行自在である。返却シャッタ364には、第1条の投入部361〜第3条の投入部363における3つの球通路420に1つずつ対応付けられた3つの返却遮断壁364Aと、3つの球通路420に1つずつ対応付けられた3つの返却窓孔364Bと、3つの返却窓孔464Aの各々の下部において待機通路421側へ延在し、待機通路421から各窓孔364Bに遊技球を案内する3つの誘導片364Cと、第3条の投入部363より外方向に突出し、返却操作機構350の押圧部材353に当接する被押圧部364Dと、付勢体366に当接する被付勢部364Eと、返却スイッチ367を作動させる作動片364Fとが形成されている。第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々において、返却シャッタ364が返却禁止状態である場合には、返却遮断壁364Aの少なくとも一部が球通路420の内側に配置されて待機通路421から返却通路423への遊技球の流入を禁止している。一方、返却シャッタ364が返却許容状態である場合には、返却遮断壁364Aが球通路420の外側に配置されると共に返却窓孔364B及び誘導片364Cが球通路420の内側に配置されて待機通路421から返却通路423への遊技球の流入を許容する。なお、返却シャッタ364は、返却許容状態において付勢体366から付勢力を受けており、返却操作機構350の操作解除に応じて返却禁止状態へ自動的に復帰する。
返却スイッチ367は、図22に示されたように、返却シャッタ364の移動を検出し、返却シャッタ364の移動の検出状態に基づいて検出状態に応じた信号を、投入系信号中継装置368を介して主制御装置750(図39参照)の主制御基板751(図44参照)に出力する。主制御基板751は、返却スイッチ367からの信号に基づいて、ベット操作装置340(図12参照)の操作の受付を不能にし、投入動作中である場合にはその投入動作を中断する。更に、既に投入済の遊技球が存在する場合には、主制御基板751は払出制御装置580(図29参照)の払出制御基板581(図44参照)に返却指示を出力し、払出制御装置581は返却指示に応じて投入済の遊技球と同数の遊技球を払出装置540(図29参照)から返却させる。
第1条の投入部361〜第3条の投入部363について詳細に説明する。なお、第1条の投入部361〜第3条の投入部の構成は実質的に同一であるために、第1条の投入部361について説明し、第2条の投入部362及び第3条の投入部363についての詳細な説明を省略する。なお、第1条の投入部361〜第3条の投入部363の内部構造について互いの投入部を特に識別する必要がある場合には第1条、第2条及び第3条との接頭辞を付加して識別することとする。図23は、投入装置の一例を背面側から見た横断面図である。図23には、説明の便宜のために返却操作機構350も示されている。図24及び図25は、投入装置の一例を表す縦断面図であり、図24が投入動作をしていない場合を表し、図25が投入動作をしている場合を表している。
投入ソレノイド430は、図24に示されたように、固定筒(図示せず)及び固定筒の周縁に固定筒を中心にして配置された励磁コイル(図示せず)を含むソレノイド本体431と、ソレノイド本体431の固定筒に摺動自在に挿入されたプランジャ(可動磁性芯)432と、プランジャ432をソレノイド本体431から離隔させる方向に付勢する付勢体433(例えば、コイルバネ)と、プランジャ432の先端部に取着され、投入フリッカ440に接続される動力伝達部材434とを備えている。プランジャ432は、ソレノイド本体430の励磁コイルに電流が印加されると磁気吸着によってコイルバネ433からの付勢力に抗してソレノイド本体431に近接するように移動し、励磁コイルの電流が遮断されると付勢体433からの付勢力に基づいてソレノイド本体431から離隔するように反対側に移動する。このとき、動力伝達部材434もプランジャ432の動きに追従して移動する。
投入フリッカ440は、第1ケーシング部材411及び第2ケーシング部材412によって固定される支軸441と、支軸443に回動自在に軸支され、投入ソレノイド430の動力伝達部材434に接続される基端部材442と第1ケーシング部材411及び第2ケーシング部材412によって固定される支軸443と、支軸441に回動自在に軸支された先端部材444とを備えている。基端部材442の一端に形成されている二股上に突出する把持部442Aによって投入ソレノイド430の動力伝達部材434に形成されている舌片434Aが把持されており、基端部材442は、プランジャ432の移動に連動して支軸441を中心にして回動する。また、基端部材444において把持部442Aの形成側と異なる一端に形成されている可動連結軸(図示せず)が先端部材444の一端に形成された軸受孔(図示せず)に遊挿されており、先端部材444は、基端部材442の回動に連動して支軸443を中心にして回動する。
第1条の投入部361における投入動作について説明する。第1条の投入部361が投入動作をしていない場合には、図24に示されたように、投入ソレノイド430は、励磁コイルが励磁されておらずプランジャ432がソレノイド本体431から離隔する所定の非作動位置に配置されている非作動状態であり、また、投入フリッカ440は、先端部材444において軸受孔の形成側と異なる一端に形成された尖塔形状の規制部444Bの一部が球通路420の内側に配置され、待機通路421から投入通路422への流入が禁止されている投入禁止状態である。なお、投入フリッカ440は、主制御装置750(図38参照)の主制御基板751(図44参照)からの投入制御信号のオン状態への移行に基づいて励磁コイルに電流が印加されて投入ソレノイド430が作動すると、励磁コイルの励磁に応じて、付勢体433からの付勢力に抗してプランジャ432が上方(ソレノイド本体431側)へ並進移動する。このプランジャ432の移動に基づいて動力伝達部材434も上方へ並進移動し、動力伝達部材434に接続された基端部材442が支軸441を中心に回転(図中においては反時計回りに回転)し、また、基端部材442の回転に基づいて先端部材444が支軸443を中心に基端部材442と反対方向に回転(図中においては時計回りに回転)する。これによって、先端部材444の回転に応じて規制部444Bが球通路420から抜脱される方向に移動する。プランジャ432の並進移動が完了して所定の作動位置に配置されると、図25に示されたように、投入フリッカ440は、先端部材444の規制部444Bが球通路420の外側に配置され、待機通路421から投入通路422への流入が許容されている流入許容状態となる。なお、プランジャ432は流入許容状態において付勢体433から非作動位置に復帰させる方向の付勢力を受けている。流入許容状態においては、待機通路421に配置されていた遊技球が自重によって順次に投入通路422に流入する。
逆に、主制御基板751からの投入制御信号のオフ状態への移行に基づいて励磁コイルへの電流が遮断されて投入ソレノイド430の作動が停止すると、励磁コイルが消磁されて、付勢体433からの付勢力によってプランジャ432が下方へ並進移動する。このプランジャ432の移動に基づいて動力伝達部材434が下方へ並進移動し、基端部材442が支軸441を中心に回転(図中においては時計回りに回転)し、また、基端部材442の回転に基づいて先端部材444が支軸443を中心に基端部材442と反対方向に回転(図中においては反時計回りに回転)する。これによって、先端部材444の回転に応じて規制部444Bが球通路420に挿入される方向に移動する。プランジャ432の並進移動が完了して所定の非作動位置に配置されると、図24に示されたように、投入フリッカ440は、先端部材444の規制部444Bが球通路420の外側に配置された流入禁止状態となる。
通過センサ450は、投入通路322において投入フリッカ440の先端部444Bのすぐ下流側に配置され、投入通路322に流入した遊技球を検出する。通過センサ450は、投入フリッカ440の先端部材442の一部を取り囲む横断面略コ字形状であり、上流側センサ451と上流側センサ451よりも下流側に配設された下流側センサ452とを備えている。上流側センサ451と下流側センサ452とは、遊技球1個分の直径よりも短い所定の間隔を隔てて設けられている。上流側センサ451及び下流側センサ452の各々は、投入フリッカ440よりも前面側又は背面側のいずれか一方側に配設された発光素子(図示せず)と他方側に配設された受光素子(図示せず)とを含んでおり、受光素子における発光素子からの検査光の受光状態の変化で遊技球を検出する。上流側センサ451及び下流側センサ452は、遊技球の検出状態に基づいて検出状態に応じた信号を、投入系信号中継装置368を介して主制御基板751に出力する。
上流側センサ451及び下流側センサ452の双方が遊技球を検出していない状態から、上流側センサ451のみが遊技球を検出している状態、上流側センサ451及び下流側センサ452が同時に遊技球を検出している状態、下流側センサ452のみが遊技球を検知している状態をこの順序経て上流側センサ451及び下流側センサ452の双方が遊技球を検出していない状態に戻る場合であって、それらの状態移行が所定の通過許容時間内に行われたときは、主制御基板751において、上流側センサ451及び下流側センサ452から出力される信号の変化パターンに基づいて1球の遊技球が正常に投入されたと判定される。また、通過センサ450による遊技球の検出に基づいて、主制御装置750の主制御基板751において投入動作を停止させるための投入ソレノイド430の制御が実行される。具体的には、通過センサ450による遊技球の検出に基づいて、正常に投入された遊技球の個数が第1条の投入部361で投入すべき個数よりも1つ少ない状態において上流側センサ451が遊技球を検出した場合に、投入ソレノイド430の作動が停止され、投入フリッカ440が投入禁止状態に移行する。なお、下流側センサ452のみが遊技球を検知した状態から上流側センサ451及び下流側センサ452の双方が同時に遊技球を検知している状態に変化した場合等のように遊技球が正常には投入されなかったと判定された場合には、投入エラーの発生を報知装置群及び音響装置群が報知すると共に遊技進行が停止される。これによって、不正具を用いてあたかも遊技球が投入されたかのようにする不正行為によって遊技が行われることを抑制できる。
カウントセンサ460は、第1条の投入部361〜第3条の投入部363によって投入された遊技球の個数を通過センサ450とは別個に検出し、遊技球の検出状態に基づいて検出状態に応じた信号を、投入系信号中継装置368を介して主制御装置750の主制御基板751に出力する。カウントセンサ460における遊技球の検出に基づいて計数された投入済個数が通過センサ450における遊技球の検出に基づいて正常な投入と判定された遊技球の個数未満である場合には、投入数エラーと判断されることとなり、投入数エラーの発生を報知装置群及び音響装置群が報知すると共に遊技進行が停止される。これにより不正具を用いてあたかも遊技球が投入されたかのようにする不正行為によって遊技が行われることを更に良好に抑制できる。また、カウントセンサ460は、通過センサ450とは異なる作用によって遊技球の通過を検出する。具体的には、通過センサ450は光学センサであるが、カウントセンサ460は磁気センサである。これによって、カウントセンサ460を通過したものが鉄材料であるか否かも判定できることとなり、正規の鉄製の遊技球と異なる安価な樹脂製の遊技球等を投入する不正行為によって遊技が行われることも抑制できる。
ここで、返却操作機構350の操作に基づく投入装置360の返却動作について説明する。図26及び図27は、それぞれ、投入装置の一例を返却状態によって表す横断面図及び縦断面図である。返却操作機構350が操作されていない場合には、図23及び図24に示されたように、返却シャッタ364は基準位置にあり、第1条の投入部361〜第3条の投入部363(図23においては第1条の投入部361のみ図示)において、返却シャッタ364の返却遮断壁部364Aの一部が球通路420の内側に突出し、第1条の投入部361〜第3の投入部363の全てにおいて待機通路421から返却通路423への遊技球の流入が禁止されている。返却操作機構350の操作部材352における返却操作部352Bが返却操作(図中において時計回りの回転操作)されると、付勢体354からの付勢力に抗して操作部材352が支軸351Aを中心にして回転(図中において時計回りの回転)し、操作部材352の回転に基づいて押圧部材353が操作部材352と反対方向に回転(図中において反時計回りの回転)する。押圧部材353の回転に応じて押圧部353Cが返却シャッタ364の被押圧部364Dを押圧し、返却シャッタ364が所定の基準位置から並進移動(図中において下方移動)する。この返却シャッタ364の移動に応じて、第1条の投入部361〜第3条の投入部363において、返却シャッタ364の返却遮断壁364Aが球通路420の外側に移動すると共に返却窓孔364B及び誘導片364Cが球通路420の内側に移動する。これによって、図27に示されたように、返却遮断壁364Aが球通路420の外側に配置されると共に返却窓孔364B及び誘導片364Cが球通路420の内側に配置されて、待機通路421から返却通路423への遊技球の流入が許容され、待機通路421及び上貯留皿320(図12及び図17参照)に貯留されている遊技球が返却通路423を経て下貯留皿330(図12参照)へ移動する。なお、返却スイッチ367は、返却シャッタ364が基準位置から移動を開始した直後に、その移動を検出する。この返却許可状態において返却操作部352Aから手を離すと、操作部材352及び押圧部材353は付勢体からの付勢力に基づいて、また、返却シャッタ364は付勢体367の付勢力に基づいて、図26に示された状態に戻る。
単位遊技開始操作装置370は、図12に示されたように、前面パネル枠310における上貯留皿320の前方側に突出する部分に取着されている。単位遊技開始操作装置370は、前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作されるスタートレバー(入力操作部)371Aと、スタートレバー371Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、スタートレバー371Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含むスタートスイッチ371を備えている。遊技者による単位遊技開始操作装置370の単位遊技開始操作、具体的にはスタートレバー371Aの押圧操作に応じて、主制御装置750(図38参照)の主制御基板751(図44参照)に単位遊技開始指示が入力される。スタートレバー371Aは、遊技者が手を離すと押圧が解除されて、付勢体からの付勢力に基づいて基準位置に自動的に復帰する。この単位遊技開始指示の入力に応じて、各種の役から当選役(ハズレ役を含む)が決定され、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810R(図7参照)による図柄表示の変動が開始されることとなる。
単位遊技開始操作装置370は、更に、スタートスイッチ371が有効に操作できることを報知する発光装置372(図44参照)を備えており、発光装置372は、スタートスイッチ371が有効に操作できる場合に点灯し、一方、スタートスイッチ371が有効に操作できない場合には消灯する。なお、スタートスイッチ371が有効に操作できる場合として、例えば、図柄表示の変動が行われておらず、少なくとも最小規定数以上の遊技球がベットされた場合が挙げられる。ここで、最小規定数とは、単位遊技においてベットできる遊技球の最小数を意味し、通常遊技状態の単位遊技において5球、10球又は15球の遊技球をベット(1ベット、2ベット又は3ベット)できる場合には5球を意味し、特別遊技状態中の単位遊技等において5球の遊技球のみをベットできる場合には5球を意味する。なお、単位遊技においてベットできる個数に選択の幅がない場合には、最小規定数と最大規定数とは同一の値となる。
図柄変動停止操作装置380は、前面ブロック121における上貯留皿320の前方側に突出する部分に配設されている。図柄変動停止操作装置380は、左回胴810Lの回転を停止させるために左回胴停止指示を入力する左回胴停止操作部380Lと、中回胴810M(図7参照)の回転を停止させるために中回胴停止指示を入力する中回胴停止操作部380Mと、右回胴810Rの回転を停止させるために右回胴停止指示を入力する右回胴停止操作部380Rとを備えている。左回胴停止操作部380Lは、上貯留皿320の前面側に突出し遊技者によって操作される左回胴停止ボタン(入力操作部)381Lと、左回胴停止ボタン381Lの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、左回胴停止ボタン381Lを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含む左回胴停止スイッチ384L(図44参照:回胴停止スイッチの一種)を備えている。左回胴停止操作部380Lは、更に、左回胴停止スイッチ381Lが有効に操作できることを報知する発光装置385L(図44参照)を備えている。発光装置385Lは、左回胴停止スイッチ384Lが有効に操作できる場合に点灯しており、左回胴停止スイッチ384Lが有効に操作できる場合に消灯している。左回胴停止スイッチ384Lが有効に操作できる場合としては、前回の単位遊技から所定の時間が経過し、左回胴810Lが定常回転している場合が挙げられる。なお、中回胴停止操作部380Mや右回胴停止操作部380Rが操作中である場合はこの限りではない。左回胴停止操作部380Lの場合と同様に、中回胴停止操作部380Mは、中回胴停止ボタン381M、操作検出器(図示せず)及び付勢体(図示せず)とを含む中回胴停止スイッチ384M(図44参照:回胴停止スイッチの一種)と発光装置385M(図44参照)とを備え、右回胴停止操作部380Rは、右回胴停止ボタン381R、操作検出器(図示せず)及び付勢体(図示せず)とを含む右回胴停止スイッチ384R(図44参照:回胴停止スイッチの一種)と発光装置385R(図44参照)とを備えている。
遊技者による左回胴停止スイッチ384Lへの停止入力操作、具体的には、左回胴停止ボタン381Lの押圧操作に応じて、左回胴810Lの回転が停止することとなる。なお、遊技者が左回胴停止ボタン381Lから手を離す等によって押圧操作が解除されると、左回胴停止ボタン381Lは自動的に所定の基準位置に復帰して、次回の押圧操作を受け付ける状態となる。同様に、中回胴停止スイッチ384M及び右回胴停止スイッチ384Rへの停止入力操作への停止入力操作に応じて、それぞれ、中回胴810M及び右回胴810Rの回転が停止することとなる。したがって、左回胴停止スイッチ384L、中回胴停止スイッチ384M又は右回胴停止スイッチ384Rが操作されるごとに左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rによる図柄表示の変動が部分的に停止され、左回胴停止スイッチ384L、中回胴停止スイッチ384M及び右回胴停止スイッチ384Rの全てが操作された場合にその図柄表示の変動が完全に停止する。
音響装置群を構成する下音響装置311、右上音響装置312及び左上音響装置313の各々は、エラー報知や遊技進行に伴う演出等において単純機械音や音声や音楽を出力する。下音響装置311は、図14及び図15に示されたように、基枠300に取着されたスピーカ311Aと、前面パネル枠310に形成され多数の音響出力口が形成され、スピーカの前面を覆うスピーカカバー部311Aとを備えている。右上音響装置312及び左上音響装置313の各々は、前面パネル枠310に固着されたスピーカ312A,313A(図15のみ)とスピーカカバー部312B,313B(図14のみ)とを備えている。
枠発光装置群を構成する上発光装置314、右発光装置315及び左発光装置316の各々は、図14及び図15に示されたように、前面パネル枠310に固着された発光ダイオード(LED)等の発光素子(図示せず)が搭載された回路基板314A,315A,316A(図15のみ)と、前面パネル枠310に固着された発光素子カバー314B,315B,316Bとを備えている。上発光装置314、右発光装置315及び左発光装置316の各々は、エラー報知や遊技進行に伴う演出等において、点灯したり、消灯したり、点滅したりする。
(払出ブロックの構成)
払出ブロック122について説明する。図28及び図29は、払出ブロックの一例を表す前面側及び背面側の斜視図であり、図30は、払出ブロックの一例を表す部分分解斜視図である。また、図31及び図32は、払出ブロックの一例を表す正面図及び背面図である。なお、図32においては、一部の部材を取り除いた状態が示されている。
払出ブロック122は、図28〜図31に示されたように、払出ブロック122に配置される各種の装置等を固定する基体になる払出ブロック基体500と、払出ブロック基体500に取着され、遊技機固定設備(図示せず)から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側において払出ブロック基体500に取着され、積層貯留されている遊技球を4条に整流させると共に1段に整列させるタンクレール520と、タンクレール520の下流側において払出ブロック基体500に取着され、タンクレール520から流入した遊技球を誘導するケースレール530と、ケースレール530の下流側において払出ブロック基体500に取着され、遊技進行に伴う入賞に基づく遊技球の払い出しや球貸出要求に基づいて遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出ブロック基体500に取着され、払出装置540から流出した遊技球を払出ブロック基体500に形成された所定の各種の誘導通路に誘導する誘導部材550と、払出ブロック基体500に取着され、遊技機の内部電源を制御する電源制御装置570と、電源制御装置570に積層され、遊技球の払出動作を制御する払出制御装置580と、球式回胴遊技機100をCRユニット(図示せず)に接続するためのCRユニット接続装置590とを備えている。なお、上述のように、払出ブロック122の一部としての払出ブロック基体500には、払出ブロック122(図7及び図8参照)を前面ブロック121(図7及び図8参照)に対して回動自在に支持固定する一対のブロック支持機構124(図7及び図8参照)の図29に示された払出ブロック側支持部材212と、払出ブロック122(図7及び図8参照)を前面ブロック121(図7及び図8参照)に対して施錠する払出ブロック施錠機構125の図28に示された一対の払出ブロック側施錠部材231と、払出ブロック122に対して遊技ブロック123を固定すると一対の遊技ブロック固定機構126(図8参照)の図28に示された払出ブロック側固定部材241と、払出ブロック122から前面ブロック121への遊技球の移動を規制するブロック間遊技球移動規制機構127(図8参照)の図31に示された上皿側球止め機構251及び下皿側球止め機構252と、前面ブロック121に対する払出ブロック122の自動開放を制限する自動開放制限機構128(図11参照)の図31に示された係合丘部271及び陥没部272とが設けられている。
払出ブロック基体500には、その中央に背面側へ張り出して遊技ブロック123(図38及び図39参照)を被包する保護カバー部501が形成され、保護カバー部501の上部及び一側部を取り囲むように、遊技球タンク510、タンクレール520、ケースレール530、払出装置540、CRユニット接続装置590、払出制御装置560及び電源制御装置550が配設されている。また、払出ブロック基体500には、図32に示されたように、払出装置540から流出した遊技球を上貯留皿320(図12参照)へ案内する上皿誘導通路502と、払出装置540から遊技球を下貯留皿330(図12参照)へ案内する下皿誘導通路503と、遊技球を球式回胴遊技機100の外部へ排出する排出通路504が形成されている。上皿誘導通路502の流入口502Aから流入した遊技球は、上皿用流出口502B(図31参照)から流出して上貯留皿320の流入口320A(図13参照)に流入する。また、下皿誘導通路503の流入口503Aから流入した遊技球は、下皿用流出口503B(図31参照)から流出して下貯留皿330の流入口331A(図13参照)に流入する。
下皿誘導通路503には、球溢れ検出スイッチ509が設けられている。図33は、球溢れ検出スイッチの近傍の一例を表す背面図であって、図33(A)が正常状態を表し、図33(B)が球溢れ状態を表している。球溢れ検出スイッチ509は、図33(A)及び図33(B)に示されたように、作動部509Aと作動検出部509Bとを備えている。図33(A)に示された正常状態から下貯留皿330へ遊技球が流入して下貯留皿330(図12参照)が満杯となり、下皿誘導通路503における遊技球の貯留数が増加すると作動部509Aが作動検出部509Bの方向に押圧される。この押圧が所定の圧力を超えると、図33(B)に示されたように、作動検出部509Bが作動部509Aの移動を検出し、球溢れ検出スイッチ509がオン状態となる。そのオン状態が所定の時間にわたり継続した場合には球溢れエラーと判断され、払出装置540(図29参照)による払い出しの実行が一時中止されることとなる。一方、下貯留皿330の操作レバー333(図12参照)が操作されて下貯留皿330に貯留されている遊技球が減少すると、作動部509Aへの押圧力が低下し、その押圧力が所定の圧力を下回ると球溢れ検出スイッチ509がオフ状態となる。そのオフ状態が所定の時間にわたり継続した場合には球溢れエラーが解除され、払出装置540(図29参照)による払い出しの実行が再開されることとなる。
遊技球タンク510は、図28〜図31に示されたように、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端から遊技機固定設備の球循環装置から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端の底面には開口510Aが形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口510A側に自重によって移動する。また、長手方向と直交する方向(前後方向)に対して更に穏やかに傾斜し、前方側(払出ブロック基体500への取り付け面側)に優位に遊技球を誘導する。球循環装置(図示せず)は、遊技球を遊技球タンク510の前方側の端部近傍における上方から供給し、遊技球タンク510が満杯になると自動的に停止する構成であることが一般的であるために、遊技球タンク510において遊技球を前方側に優位に誘導することによって、前後方向に傾斜を持たせない場合と比較的して遊技球タンク510に多少の余裕がある状態で球循環装置からの遊技球の供給が停止させることができ、後述するタンクレール520における遊技球の整流整列における球詰まりの発生が抑制される。また、遊技球タンク510には、球循環装置から遊技球の供給される一端から中央近傍にかけて少なくとも底部を覆う帯電防止板511が取着されており、帯電防止板511は接地電位に接続されている。球循環装置から供給される遊技球は、遊技球の磨きやその搬送過程において静電気を帯び易く、また、一般的な球式回胴遊技機においては、遊技球の循環サイクルが弾球遊技機に比べて早いために静電気が蓄積され易いが、帯電防止板511を設けた場合には、帯電した遊技球が供給されたとしても最前段で静電気を除去できる。これによって、球式回胴遊技機100に静電気が蓄積されて、その蓄積された静電気が遊技者に放出されたり、その静電気によって各種の制御装置が誤作動したりすることを防止できる。
タンクレール520は、図29、図30及び図32に示されたように、遊技球タンク510の下方に取り付けられ、タンクレール520には遊技球タンク510の開口510Aを通して遊技球が流入する。タンクレール520は、仕切り片(図示せず)によって仕切られた4列(4条)の樋状通路(図示せず)を形成する桶状部材521と、桶状部材511に軸止された固定軸522と、固定軸512に回動自在に軸支され球詰まりを防止させながら4条に整流させると共に1段に整列させる一対の整流部材523と、整列した遊技球を誘導する誘導部材524と、タンクレール520からケースレール530への遊技球の流下を規制する流下規制機構525とを備えている。各樋状通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510から流入した側と長手方向の反対側へ遊技球を誘導する。整流部材523は固定軸522を中心軸として遊技球との接触によって振り子のように動作する。誘導部材524には4条の流出口(図示せず)形成されており、その流出口から遊技球が流出することを流下規制機構525の操作部525Aの操作によって禁止したり許容したりできる。
ケースレール530は、保護カバー部501の一側面部に沿うように縦向きに配置されており、タンクレール520から遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって前後左右に湾曲する4条の球通路530A(図32参照)が形成されている。また、球通路530Aの上流側には、球切れ検出スイッチ531が取着されている。球切れ検出スイッチ531は、ケースレール530の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール530よりも上流側で球詰りが発生してケースレール530に遊技球が補給されていない場合や次回の払出において最大個数の払出が完了できない場合を検出する。ここで、球切れ検出スイッチ531について詳細に説明する。図34(A)及び図34(B)は、球切れ検出スイッチの近傍の一例を表す縦断面図であって、図34(A)が球有り状態を表し、図34(B)が球無し状態を表している。
球切れ検出スイッチ531は、図34(A)に示されたように、ケースレールに軸止された支軸532と、支軸532に回動自在に軸支された作動片533と、作動片533の作動を検出する検出部534とで構成される。作動片533には、支軸532から半径方向下方に延びてケースレール530内の球通路530Aを閉鎖可能な板状の揺動部533Aと、支軸532よりも上方でかつ支軸532よりも一方側に偏った偏心部533Bと、偏心部533Bから一方側に突出し検出部534を感応させる感応部533Cが形成されている。検出部534は、作動片533の一方側に設置され、作動片533の回転に応じた感応部533Cの移動を検出する。
図34(A)に示されたようにケースレール530内に十分に遊技球が補給されている場合は、揺動部533Aが遊技球によって押されてほぼ鉛直下向きになり、球通路530Aの側壁となる。この場合には、感応部533Cが検出部534から離間しており、検出部534によって感応部533Cは検出されない。一方、ケースレール530の上流側で球詰りが発生している場合等、ケースレール530に遊技球が補給されない場合には、図34(B)に示されたように、ケースレール530内の遊技球が不足する。この場合、偏心部533Bと感応部533Cの自重で作動片533が回転し、揺動部533Aにて球通路530Aが閉鎖される。このとき、感応部533Cが検出部534にて検出される。この球切れ検出スイッチ530の検出結果に基づき、所定の時間にわたり球無し状態が継続したと判断された場合には球切れエラーが発光装置群によって報知される。一方、ケースレール530の上流側での球詰りが解消されると、遊技球がケースレール530に流れ込み揺動部533Aが押圧されて、検出部534によって感応部533Cが検出されない正常な状態に戻る。この球切れ検出スイッチ530の検出結果に基づき、所定の時間にわたり球有り状態が継続したと判断された場合には球切れエラーの報知が停止される。
払出装置540は、図29、図30及び図32に示されたように、所定の入賞条件を満たすこと又はCRユニット(図示せず)にカード(図示せず)を挿入した状態で球貸出ボタン(図8参照)を押すことで、遊技球の貸し出しを実行する。本実施形態では、一般的な弾球遊技機の最大の獲得球数が15球であるのに対し、球式回胴遊技機100の最大の獲得球数は75球であり、弾球遊技機に比べて球式回胴遊技機100の最大の獲得球数が多いという観点から、弾球遊技機よりも多数条で協同して払出しを実行し、払出球や貸出球の払い出しを迅速に行えるようにしている。つまり、弾球遊技機は2つの払出系統(2条)の払出装置を1つ備えていれば遊技を迅速に進行できたが、球式回胴遊技機100の場合は獲得球数が多くかつ賞球が全て払い出されなければ次の単位遊技を開始できないという制約があるので、遊技を遅滞なく進行できるように、本実施形態では、4つの払出系統(4条)で協同して払い出しを行うことによって払出球の払い出しの迅速化を図っている。
払出装置540は、図30に示されたように、第1払出装置541と、第2払出装置542と、第1払出装置541の背面側を覆うカバー543とを備えている。第1払出装置541及び第2払出装置542の各々は、2つの払出系統で払い出しを実行する。ここで、第1払出装置541及び第2払出装置542について説明する。なお、第1払出装置541及び第2払出装置542とは同一の構成であるために、以下においては、第1払出装置541についてのみ詳細に説明する。図35は、第1払出装置の構成の一例を表す部分分解図である。第1払出装置541は、第1ケーシング611と第2ケーシング612とカバー613とで構成される筐体を備え、第1ケーシング611がカバー613で被覆されること及び第2ケーシング612が第1ケーシング611で被覆されることによって、それぞれ、第1払出系統及び第2払出系統に遊技球の通過する球通路620が形成される。なお、第1ケーシング611は、第2ケーシング612に対してカバー613と同様の役割も担っている。球通路620は、ケースレール530の球通路530Aに連通する流入口近傍において曲折した待機通路621と、待機通路621より下流側の略直線な払出通路622と、払出通路622の途中で払出通路622から分岐する排出通路623とで構成されている。また、第1ケーシング611、第2ケーシング612及びカバー613の一側面には、払出制御基板581(図44参照)との間の各種の信号の送受信を行う払出系信号中継装置691が配設されている。
第1ケーシング611及び第2ケーシング612の各々には、待機通路621から払出通路622への遊技球の自重による移動を規制する支軸641及び支軸642によって軸支された払出フリッカ640と、払出フリッカ640の規制状態を変化させる払出ソレノイド630とが配設されている。なお、支軸641及び支軸642は2つの払出系統で共用されている。また、第1払出装置541は、待機通路621より上流側に貯留されている遊技球を排出通路623に強制的に誘導して、球式回動遊技機100の外部に排出させる球抜き機構680を備えている。球抜き機構680は、固定軸681と、固定軸681に軸支された操作レバー682と、払出通路622に進入した遊技球を払出通路622と排出通路623との分岐点において遊技球の流下経路を切り替える切換部684Aを2つの払出系統に対応して一対で含み2つの払出系統で共通な切換部材684と、払出ソレノイド630を強制的に機構的に作動させる押圧部683Dを2つの払出系統に対応して一対で含み2つの払出系統で共通な押圧部材683とで構成されている。また、第1払出装置541は、払出通路622に流入した遊技球を検出する払出カウントスイッチ671を2つの払出系統に対応して一対で含み2つの払出系統で共通な払出数計数装置670を備えている。
第1払出装置541の各払出系統の詳細な構成及びその動作について説明する。なお、払出装置540における各払出系統の構成は実質的に同一であるために一方の払出系統について説明し、他の払出系統については説明を省略する。図36(A)〜図36(C)は第1払出装置の構成の一例を示す縦断面図である。図36(A)が払出待機状態である場合、図36(B)が払出状態である場合、図36(C)が排出状態である場合を表している。
第1払出装置541の払出系統は、図36(A)に示されたように、第1ケーシング611とカバー613(図32参照)からなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、払出フリッカ640と、払出ソレノイド630と、切換部材684の切換部684Aとを備えている。第1ケーシング611の内部には、待機通路621と、待機通路621の下流側でほぼ鉛直下向きに延びる払出通路622と、払出通路622の途中から分岐して斜め下方へ延びる排出通路623とが形成されている。切換部684Aは、払出通路622から排出通路623への分岐部に配設されている。通常は、切換部684Aは略鉛直上向きに維持されているために、遊技球は排出通路623には流入しない。
払出フリッカ640は、待機通路621から払出通路622への遊技球の流入を規制する。払出フリッカ640は、基端部材644と先端部材643とを備え、基端部材644に形成された可動連結軸644Cが先端部材643に形成された軸受孔(図示せず)に挿通されていることによって、基端部材644と先端部材643とが連結されている。払出フリッカ640の基端部材644及び先端部材643は、それぞれ、第1ケーシング611の支軸641及び支軸642によって回動自在に支持されている。払出フリッカ640の基端部材644には、払出ソレノイド630の舌片634Bを把持する把持部644Bが設けられている。また、払出フリッカ640の先端部材643には、待機通路621と払出通路622との境界部分に突出可能な開閉部643Bが設けられている。
払出ソレノイド630は、所定の入賞条件を満たすことにより、或いはCRユニット(図示せず)にカード(図示せず)を挿入した状態における球貸出操作装置390(図12及び図44参照)への貸出操作により通電されて作動し、プランジャ632を上方へ縮まらせるものである。プランジャ632の先端には、プランジャ632の一側面から外方向に延びる舌片634Bの形成されたつまみ部材634が装着されている。また、プランジャ632の周縁には、コイルバネ633(付勢体の一種)が外装されている。コイルバネ633は、励磁コイル(図示せず)を含む払出ソレノイド630の本体部分631とつまみ部材634とを離間させる方向に付勢している。つまり、払出ソレノイド630への通電を切ったときには、プランジャ632は、コイルバネ633の付勢力により下方へ移動する。
待機通路621と払出通路622との境界部分に払出フリッカ640の開閉部643Bが図36(A)に示されたように突出し、待機通路621から払出通路622への遊技球の流入が禁止された通過禁止状態において、所定の入賞条件が成立したり、度数表示部391(図12参照)に残度数がある状態で球貸出操作装置390の貸出操作がなされると、払出ソレノイド630の励磁コイルに通電される。この通電に応じて、図36(B)に示すように、プランジャ632が本体部分631に引き寄せられて払出フリッカ640の基端部材44が図示上反時計回りに回転し、これに連動して払出フリッカ640の先端部材643は図示上時計回りに回転する。これによって、先端部材643の開閉部643Bが待機通路621と払出通路622との境界部分からそれらの球通路620(図35も参照)の外側に移動し、待機通路621から払出通路622への遊技球の流入が許可された通過許可状態に移行する。通過許可状態に移行すると、遊技球は、自重によって自然落下する。逆に、図36(B)に示された払出フリッカ640の通過許可状態において、払出ソレノイド630の通電が遮断されると、コイルバネ633の付勢力によりプランジャ632が本体部分631から引き離されて払出フリッカ640の基端部材644が図示上時計回りに回転し、これに連動して払出フリッカ640の先端部材643は図示上反時計回りに回転する。これによって、先端部材643の開閉部643Bが待機通路621と払出通路622との境界部分の球通路620の内側に移動し、図36(A)に示された通過禁止状態に戻る。
また、払出ソレノイド630の下方には、押圧部材683(図35も参照)の略L字形状の押圧部683Dが配置されている。押圧部683Dは、支軸部683Cを中心にして回動し、つまみ部材634を上方へ押圧したり押圧を解除したりする。第1ケーシング611の外部には、略扇形状の操作レバー682(図35参照)が配設されている。操作レバー682は回転軸681を中心に回動可能である。操作レバー682には、切換部684Aの中間に設けられた突起部684Cと、押圧部材683の基端部683Aに設けられた突起部683Bとが連結されている。つまり、操作レバー682を操作すると、操作レバー682の回動に連動して、切換部684Aと押圧部683Dが回動する。
図36(A)に示された通過禁止状態から、操作レバー682を図示上反時計回りに操作すると、図36(C)に示されたように、その操作に連動して切換部684Aが図示上反時計回りに回転し、その回転に応じて払出通路622が遮断されて排出通路623への遊技球の流入が許可され、また、その操作に連動して押圧部683Dが回転しその回転によって払出ソレノイド630のつまみ部材634が押し上げられ、払出フリッカ640が通過許可状態となる。これによって、待機通路621から排出通路623への遊技球の流入が許可される。なお、タンクレール520(図29参照)に設けた操作部525Aの操作によって遊技球が流れるのを阻止しつつ操作レバー682を上記の如く操作すると、流下規制機構525から下流側に貯留されていた全ての遊技球を球式回胴遊技機100の外部に排出できる。また、払出装置540(図29参照)やケースレール530(図29参照)が故障した場合には、払出装置540やケースレール530を簡便に取り替えることもできる。
また、横断面略コ字形状の払出カウントスイッチ671が装着されており、払出カウントスイッチ671は、払出フリッカ640の開閉部643Bのすぐ下流側に配置され、払出通路622を流下する遊技球を検出する。払出カウントスイッチ671による遊技球の検出に基づいて払い出した遊技球の個数が計数されることとなる。
誘導部材550は、図30に示されたように、払出装置540の下方に配設されており、各払出装置540に1つずつ対応付けられた2条の払出球通路551と、各払出装置540に1つずつ対応付けられた2条の排出球通路552とを形成する。2条の払出球通路551は、図32に示されたように、上流端において所定の払出通路622に連通し、下流端において上皿誘導通路502及び下皿誘導通路503に一括して連通されている。2条の払出球通路551の各々は、その下流部において上皿誘導通路502及び下皿誘導通路503を跨ぐように下流側に向けて先太りするテーパ形状となっており、その上流部において上皿誘導通路502側にやや傾いている。払出球通路551に流入した遊技球は、上皿誘導通路502又は下皿誘導通路503に流出するが、上流部が上皿誘導通路502側にやや傾いていることによって、下皿誘導通路503よりも上皿誘導通路502に優位に流出する。また、2条の排出球通路552は、上流端において所定の排出通路623に連通し、下流側において合流して1条の排出球通路となり、その下流端において排出誘導通路504に連通されている。
電源制御装置570は、図30に示されたように、外部電力に基づいて所定の電源電圧の電力を各種制御装置や各種の駆動装置や各種のスイッチに供給する。電源制御装置570は、電源制御基板571(図44参照)と、電源制御基板571を収納する収納部材572及び収納部材572と係合して電源制御基板571を封止する蓋部材573からなる2つ割りの基板ケースとを含んでいる。電源制御基板571には、電源回路571A(図44参照)と、電源スイッチ571B、リセットスイッチ571C、打止切換スイッチ571D及び設定変更スイッチ571E(図37参照)及び電源回路571Aから出力される電力の電圧を監視する停電監視回路571F(図44参照)が設けられている。電源制御装置570の蓋部材573には係合爪部573A(図31参照)が形成され、また、払出ブロック基体500には電源制御装置570の係合爪部573Aが挿通される貫通孔507Aと、貫通孔507Aの一部に突出し、係合爪部573Aと係合する係合爪部507Bが形成されており、払出ブロック基体500に対して電源制御装置570を対向方向に移動させて払出ブロック基体500の貫通孔507Aに電源制御装置570の係合爪部573Aを挿入し、その後、払出ブロック基体500に対して電源制御装置570を並進移動(スライド)させて払出ブロック基体500の係合爪部507Bに電源制御装置570の係合爪部573Aを係合させることによって、電源制御装置570が払出ブロック基体500に装着される。
電源スイッチ571Bは、外部電力を電源回路571Aに取り込むか否かを決定するスイッチであり、電源スイッチ571Bがオン状態である場合には、外部電力が取り込まれて各種制御装置や各種の駆動装置や各種のスイッチに電力が供給される。リセットスイッチ571Cは主制御基板751のRAM751C(図44参照)や払出制御基板581のRAM581C(図44参照)に保存されている情報を消去するか否かを決定するスイッチであり、リセットスイッチ571Cが操作(押下)された状態で電源スイッチ571Bがオフ状態からオン状態に移行されるとRAM751C及びRAM581C等の全情報がリセットされて球式回胴遊技機100が初期化され、電源スイッチ571Bがオン状態であり遊技状態がエラー状態である場合にリセットスイッチ571Cが操作(押下)されるとRAM751C及びRAM581Cのエラーに関連する情報がリセットされてエラー状態が解除される。打止切換スイッチ571Dは、ビッグボーナスの終了毎に遊技進行を一時停止するか否かを設定するスイッチである。設定変更スイッチ571Eは、ボーナス役の当選確率等の各種の抽選確率を決定する確率設定を変更するキースイッチである。球式回胴遊技機100において出球率等の異なる確率設定が予め複数段階(例えば6段階)に定められており、そのいずれかの段階が確率設定として設定されている。確率設定の変更の手順は次の通りである。まず、電源スイッチ571Bがオフ状態である場合に、設定変更スイッチ571Eに所定の設定キー(図示せず)を挿入して時計回りに90度回転させる。なお、このとき設定キーから手を離しても現状が維持される。この状態で、電源スイッチ571Bをオン状態に移行させると、遊技ブロック123の前面側に設けられた遊技状態表示装置734(図38参照)に現在の確率設定(例えば、数値「1」〜「6」)が表示される。この状態で、リセットスイッチ571Cを操作すると、その操作毎に変更後の確率設定の候補が遊技状態表示装置734に循環的に表示される(例えば、操作毎に表示される数値が変化して1ずつ増加し、「6」の場合には「1」に戻る)。変更後の確率設定の候補として所望の確率設定が遊技状態表示装置734に表示されている状態で単位遊技開始操作装置370(図12参照)を操作(スタートレバー370Aを押下)すると、確率設定の候補が遊技状態表示装置734に表示されている確率設定に確定される。その後、設定キーを反時計回りに90度回転させると、遊技状態表示装置734における確率設定の候補の表示が消え、確率設定が上記で候補として確定された確率設定に変更される。停電監視回路571Fは、電源回路571Aから出力される電力の電圧を監視しており、電源スイッチ571Bのオフ状態への移行や不測の外部電力の遮断や不測の電圧変動によって所定の許容範囲の電圧未満となったか否かを検出する。その状態が所定の時間だけ継続した場合には、停電状態の発生と判断して、球式回胴遊技機100が停止されることとなる。
払出制御装置580は、主制御装置750(図38参照)の主制御基板751(図44参照)からの指示に基づいて払出装置540による遊技球の払い出しや貸し出しを制御する。払出制御装置580は、払出制御基板581(図44参照)と、払出制御基板581を収納する収納部材582及び収納部材582と係合して払出制御基板581を封止する蓋部材583からなり、収納部材582及び蓋部材583が開封の痕跡を残さずには開封できないように連結された2つ割りの基板ケースとを含んでいる。払出制御基板581は、図44に示されたように、制御の中枢をなすCPU581A、制御プログラムや制御プログラムで参照される固定データを記憶するROM581B及び制御プログラムの実行において参照される可変データ等を記憶するRAM581Cを1チップ化したMPUや外部に出力する信号及び外部から入力される信号の入出力を制御する各種入出力ポート581D等を含んでいる。払出制御装置580の蓋部材583には係合爪部583Aが形成され、また、電源制御装置570の収納部材572には払出制御装置580の係合爪部583Aと係合する係合爪部572Aが形成されており、電源制御装置570に対して払出制御装置580を並進移動(スライド)させて電源制御装置570の係合爪部582Aに払出制御装置580の係合爪部583Aを係合させることによって、払出制御装置580が電源制御装置570に装着される。
CRユニット接続装置590は、球式回胴遊技機100の前面の球貸出操作部392(図12参照)及びCRユニット(図示せず)に電気的に接続され、遊技者による貸出操作を検知してCRユニットに信号を出力したり、その出力に応じたCRユニットからの信号を払出制御基板581に伝達したりする。なお、CRユニットを介さずに外部球貸装置等から上貯留皿320(図12参照)に遊技球が直接に貸し出される場合には、CRユニット接続装置590は不要である。
払出ブロック122は、更に、払出ブロック基体500に枢設されたスペーサ部材560を備えている。ここで、スペーサ部材560について詳細に説明する。図37(A)及び図37(B)は、スペーサ部材の近傍の一例を表す部分斜視図である。図37(A)にはスペーサ部材560が払出ブロック基体500に対して閉鎖された状態が示され、図37(A)にはスペーサ部材560が払出ブロック基体500に対して開放された状態が示されている。スペーサ部材560は、図37(A)及び図37(B)に示されたように、上下方向に延びる回転軸を中心として回動する。払出ブロック基体500には、貫通孔508A及び貫通孔508Bが形成されており、スペーサ部材560には、払出ブロック基体500の前面側に配置され、払出ブロック122と前面ブロック121との隙間を埋めるスペーサ部561と、スペーサ部561から後方側に突出して貫通孔508Aに挿通される操作阻止部562と、貫通孔508Aに挿通されて係合する係合爪部563とが形成されている。図37(A)に示されたようなスペーサ部材560が払出ブロック基体500に対して閉鎖された状態において、操作阻止部562の一部は、貫通孔508Aを貫通して払出ブロック基体500の背面側に突出して、設定変更スイッチ571Eの設定キー(図示せず)の挿入側の前方において設定変更スイッチ571Eの全体を覆い、電源制御装置570の取り外し方向の前方において電源制御装置570の一部を覆い、かつ、払出制御装置580の取り外し方向の前方において払出制御装置580の一部を覆っている。また、係合爪部563は、その一部が貫通孔508Bを貫通して払出ブロック基体500の背面側に突出し、貫通孔508Bとの係合によって払出ブロック基体500に対するスペーサ部材560の回転を阻止している。設定変更スイッチ571Eを操作する場合や、電源制御装置570及び払出制御装置580を一括して取り外す場合や、払出制御装置580を個別に取り外す場合には、図37(B)に示されたように、係合爪部563を貫通孔508Bから離脱させて払出ブロック122に対してスペーサ部材560を回転させなければならない。これによって、前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉鎖状態のみならず、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放状態であっても払出ブロック122に対するスペーサ部材560の閉鎖状態において、設定変更スイッチ571が操作されることや、電源制御装置570及び払出制御装置580が取り外し操作されることが防止できる。また、スペーサ部561が払出ブロック122と前面ブロック121との隙間を埋める構成であるために、前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉鎖状態において係合爪部563を貫通孔508Bから離脱させたとしても、設定変更スイッチ571Eが操作できるようになったり、電源制御装置570及び払出制御装置580が取り外し操作できるようになったりする程には、払出ブロック122に対してスペーサ部材560を回転させることはできない。更に、設定変更スイッチ571Eが操作できたり、電源制御装置570及び払出制御装置580が取り外し操作できたりする程度に回転させるためには、前面ブロック121(遊技機本体120)を外枠110に対して大きく開放し、かつ、払出ブロック122を前面ブロック121に大して大きく開放しなければならない。したがって、不正行為の目的で設定変更スイッチ571、電源制御装置570及び払出制御装置580に操作を加えようとしても目立つこととなる。
(遊技ブロックの構成)
遊技ブロック123について説明する。図38及び図39はそれぞれ遊技ブロックの一例を表す正面側及び背面側の斜視図であり、図40は遊技ブロックの一例を表す部分分解斜視図であり、図41は遊技ブロックの一例を表す背面図である。遊技ブロック123は、図38〜図40に示されたように、前面ブロック121の遊技領域透視パネル301(図12参照)を介して視認される。遊技ブロック123は、窓孔700A及び窓孔700Bが形成されている遊技ブロック基体700と、窓孔700Aに対応して遊技ブロック基体700の背面側から取着され、窓孔700Aを通して一部が視認される回胴ユニット710と、窓孔700Bに対応して遊技ブロック基体700に背面側から取着され、窓孔700Bを通して表示画面が視認される液晶表示装置720と、液晶表示装置720の左方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された可動演出装置731と、可動演出装置731の下方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された演出発光装置732、液晶表示装置720及び回胴ユニット710の右方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された演出発光装置733と、演出発光装置733の下方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された遊技状態表示装置734と、回胴ユニット710の一側方において遊技ブロック基体700の背面側に取着された主取付台740と、主取付台740に配設された主制御装置750と、液晶表示装置720の後方に位置し、遊技ブロック基体700の背面側に取着された副取付台760と、副取付台760に配設された副制御装置770とを備えている。なお、上述のように、遊技ブロック123の一部としての遊技ブロック基体700には、図41に示されたように遊技ブロック123(図7及び図8参照)を前面ブロック121(図7及び図8参照)に対して回動自在に支持固定する一対のブロック支持機構124(図7及び図8参照)を構成する遊技ブロック側支持部材212と、図39及び図41に示されたように遊技ブロック123を払出ブロック122に対して固定すると一対の遊技ブロック固定機構126(図8参照)を構成する遊技ブロック側固定機構242とが設けられている。
回胴ユニット710は、左回胴810Lと、中回胴810Mと、右回胴810Rとを備えている。左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの各々の表面には複数種類の図柄が描かれており、単位遊技の開始時に左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが所定の方向に回転することによって図柄表示が変動し、その後、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが停止することによって遊技結果を表す図柄表示が確定される。遊技ブロック基体700の窓孔700Aからは、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rにそれぞれ貼着される左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812L(図42及び図43参照)の各々の図柄のうちそれぞれ3図柄の全体が窓孔700Aから視認できる。
液晶表示装置720は、通常遊技中の小役当選の報知演出や遊技状態が通常遊技状態からボーナス状態に遷移することを示唆するための示唆演出、ビッグボーナス又はレギュラーボーナス中の演出、ボーナス中の小役ゲーム数やJACゲーム数の表示、特定の遊技状態(例えば、リプレイが当選しやすいRT状態)であることを報知する演出、左回胴停止操作部380L、中回胴停止操作部380M及び右回胴停止操作部380R(図12参照)の操作タイミングや操作順序を報知する演出などを行う。
回胴ユニット710について詳細に説明する。図42は、回胴ユニットの一例の部分解斜視図である。回胴ユニット710は、図42に示されたように、左回胴810Lと、中回胴810Mと、右回胴810Rと、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rを固定する上枠部材801、下枠部材802、左枠部材803及び背枠部材804からなる回胴ユニット枠と、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの駆動を制御するモータドライバ809とを備えている。左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rは、実質的に同一の構成であるために、以下において、右回胴810Rを例に挙げて説明する。なお、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの内部構造について互いの回胴を特に識別する必要がある場合には参照符号の末尾にそれぞれL、M及びRの接尾辞を付加して識別することとする。
右回胴810Rは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材811と、円筒骨格部材811の外周面に貼着され、21個の図柄(識別要素)が等間隔で描かれた図柄シール812(図43も参照)と、円筒骨格部材811を回転させるステッピングモータ813と、円筒骨格部材811とステッピングモータ813の回転軸813Aとを連結する円盤状の連結板814と、上枠部材801及び下枠部材802とに接続され、回胴ユニット枠にステッピングモータ813を固定するモータプレート815と、円筒骨格部材811の5つの車輻811Aのうちの1つに配設され、回転軸方向に突出するセンサカット板816と、モータプレート815に取着され、センサカット板816の通過を検出する回胴位置検出センサ817とを備えている。
ステッピングモータ814は、504パルスの駆動信号(励磁信号又は励磁パルスとも称される)により右回胴810Rが1周するように設定されており、この励磁パルスによって回転位置が制御される。すなわち、右回胴810Rが1周すると21図柄が順々に遊技ブロック基体700の窓孔700Aから露出するため、ある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、回胴位置検出センサ817がセンサカット板816の通過を検出したことを表す信号の受信の時点からのパルス数により、どの図柄が窓孔700Aを通して表示されているかを認識したり、所望の図柄が窓孔700Aを通して表示されるように停止制御を行ったりできる。ステッピングモータ814として、本形態においては、1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。なお、ステッピングモータ814はハイブリッド型や2相に限らず、3相のステッピングモータや5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。ステッピングモータ814に対する駆動信号(駆動信号用データ)は、励磁データとしてモータドライバ809に与えられる。
回胴位置検出センサ817は発光素子と受光素子とが一対となったフォトセンサであり、発光素子と受光素子とは所定の間隔を隔てて配置されている。センサカット板816は、右回胴810Rの回転に伴って1回転毎に回胴位置検出センサ817の発光素子と受光素子との間隙を通過する。したがって、右回胴810Rが1回転するごとにセンサカット板816の通過が回胴位置検出センサ817によって検出され、検出状態に応じた信号が出力される。主制御装置750の主制御基板751はこの検出信号に基づいて右回胴810Rの角度位置を1回転ごとに確認し、ズレが発生している場合には主制御基板751における回転情報が補正される。
ここで、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの図柄シール812L、812M及び812Rの各々に描かれる図柄について説明する。図43(A)〜図43(C)に示されたように、左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々には、「7」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第19番目の図柄)と、「青年」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第14番目の図柄)と、「BAR」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第17番目の図柄)と、「リプレイ」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第20番目の図柄)と、「スイカ」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第12番目の図柄)と、「ベル」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第18番目の図柄)と、「チェリー」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第16番目の図柄)とを含んでいる。左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々において、図柄の種類ごとの数や図柄の配列等は異ならせている。本形態では、左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々には、全種類の図柄が含まれている場合を例示したが、本発明においては、各図柄シールには必ずしも全種類の図柄が含まれていなくてもよい。また、本形態においては、左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々における図柄数が21個である場合を例示したが、本発明においては、図柄数は20個以下であってもよいし、22個以上であってもよい。
本形態では、「7」図柄(ビッグボーナス図柄の一種)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合又は「青年」図柄(ビッグボーナス図柄の一種)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、ビッグボーナス役の入賞となり、ビッグボーナスゲームに移行する。また、「BAR」図柄(レギュラーボーナス図柄)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、レギュラーボーナス役の入賞となり、レギュラーボーナスゲームに移行する。「リプレイ」図柄がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、再遊技役の入賞となり、再遊技ゲーム(リプレイゲーム)に移行する。「スイカ」図柄いずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合にはスイカ役の入賞となり、「ベル」図柄いずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合にはベル役の入賞となり、左回胴810Lの「チェリー」図柄がいずれかの有効ライン上に停止した場合にはチェリー役の入賞となり、それぞれ所定の個数の遊技球が払い出されることとなる。
可動演出装置731、演出発光装置732及び演出発光装置733は、図38に示されたように、遊技進行に伴う演出やビッグボーナス又はレギュラーボーナスの確定報知などに使用される。
可動演出装置731、演出発光装置732及び演出発光装置733は、遊技進行に伴う演出やビッグボーナスやレギュラーボーナス等の利益役当選の確定報知などに使用される。遊技状態表示装置734は、上方側において数字関連情報を表示する7セグメント表示部734Aと、前回の単位遊技で再遊技役に当選しかつ入賞した再遊技状態であることを表示する再遊技状態表示部734Bと、ベット数を表示するベット数表示部734C〜734Eで構成されている。7セグメント表示部734Aは、入賞に伴う払出数、エラー状態発生時のエラーコード、ボーナス遊技状態中の総払出数やゲーム数、設定変更時の現在の確率設定や変更候補の確率設定等を表示する。
主制御装置750は、図38〜図41に示されたように、球式回胴遊技機100の主たる遊技進行の制御を司るもので、例えば、単位遊技開始操作装置370(図12参照)からの単位遊技開始指示の入力に応じて複数種類の利益役(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役、リプレイ等)の抽選を行い、その抽選結果に基づき副制御装置770や払出制御装置580に指令信号を出力する。主制御装置750は、主制御基板751(図44も参照)と、主出制御基板751を収納する収納部材752及び収納部材752と係合して主出制御基板751を封止する蓋部材753からなり、収納部材752及び蓋部材753が開封の痕跡を残さずには開封できないように連結された2つ割りの基板ケースとを含んでいる。主制御基板751は、図44に示されたように、制御の中枢をなすCPU751A、制御プログラムや制御プログラムで参照される固定データを記憶するROM751B及び制御プログラムの実行において参照される可変データ等を記憶するRAM751Cを1チップに含むMPUと、外部に出力する信号及び外部から入力される信号の入出力を制御する各種入出力ポート751D(図44参照)、各種抽選に用いられる乱数発生回路751E、時間計数や同期を図る場合等に使用されるクロック回路751F等を含んでいる。図40に示されたように、主制御装置750の収納部材752には係合爪部750Aが形成され、また、主取付台740には収納部材752の係合爪部750Aと係合する係合爪部740Aが形成されており、主取付台740に対して主制御装置750を並進移動(スライド)させて主取付台740の係合爪部740Aに主制御装置750の係合爪部750Aを係合させることによって、主制御装置750が主取付台740に装着される。
副制御装置770は、図40に示されたように、副制御基板771(図44参照)と、副制御基板771を収納する収納部材771及び収納部材772と係合して副制御基板771を封止する蓋部材773からなり、収納部材772及び蓋部材773が開封の痕跡を残さずには開封できないように連結された2つ割りの基板ケースとを含んでいる。副制御基板771は、制御の中枢をなすCPU(図示せず)、制御プログラムや制御プログラムで参照される固定データを記憶するROM(図示せず)、制御プログラムの実行において参照される可変データ等を記憶するRAM(図示せず)、外部に出力する信号及び外部から入力される信号の入出力を制御する各種入出力ポート(図示せず)等を含んでいる。副制御装置770は、副取付台760を介して遊技ブロック基体700に装着される。
〔本発明の主たる特徴部分の構成〕
球式回胴遊技機100は、図3及び図4に示されたように、載置部材115(〔台座部〕の一種)を含む外枠110(〔枠体〕の一種)と、遊技機本体120(〔遊技機本体〕の一種)と、遊技機本体120を外枠110に対して開閉自在に支持する一対の本体支持機構130(〔支持機構〕の一種)と、遊技機本体120を枠体110に対して施錠する本体施錠機構140(〔施錠機構〕の一種の一部)と錠開閉操作機構150(〔施錠機構〕の一種の一部)を備えている。また、球式回胴遊技機100は、遊技機本体120が前外枠110に対して閉鎖された閉鎖状態において、遊技機本体120と載置部材115との間に位置し、遊技機本体120が外枠に対して開放された開放状態における遊技機本体120の傾倒を補正する傾倒補正部材180(〔傾倒補正体〕の一種)と、遊技機本体120の開放状態から閉鎖状態への移行における遊技機本体120の載置部材115上へ乗り上げを補助する内側ローラ171(〔追加乗上補助体〕の一種)及び外側ローラ172(〔乗上補助体〕の一種)を含む開閉円滑化機構170(図3のみ)とを備えている。更に、球式回胴遊技機100は、本体開閉検出装置160(図5及び図6参照)を備えている。以下において、各種の構成について個別に説明する。図45は、球式回胴遊技機の一例を遊技機本体の開放状態で表す底面視点の斜視図である。
一対の本体支持機構130は、図3及び図4に示されたように、外枠110の上部側に設けられた外枠側支持体131、本体側支持体132(図4のみ)、連結体133及び開閉軸体134(図13参照)と、外枠110の下部側に設けられた外枠側支持体136、本体側支持体136、連結体137及び開閉軸体139とを備えている。ここで、外枠110に対する遊技機本体120の開閉動作に伴う一対の本体支持機構130の動作について説明する。図45(A)〜図45(C)及び図46(A)〜図46(C)は、遊技機本体の開閉動作に伴う一対の本体支持機構の一例の一方及び他方の動作を表す説明図であり、図45(A)及び図46(A)が遊技機本体の最大開放状態を表し、図45(B)及び図46(B)が遊技機本体の最大開放状態と閉鎖状態との移行過程の状態を表し、図45(C)及び図46(C)が遊技機本体の閉鎖状態を表している。
図45(A)に示されたように、開閉軸体134は、本体側支持体132に当接した基端部134Aと、基端部134Aより上方に突出し、外枠側支持体131に形成された左右方向に延びる軸受溝部131Aに挿通された外端部134Bとで構成されている。同様に、図46(A)に示されたように、開閉軸体139は、本体側支持体137に当接した基端部139Aと、基端部139Aより下方に突出し、外枠側支持体136に形成された左右方向に延びる軸受溝部136Aに挿通された外端部139Bとで構成されている。最大開放状態において、外端部134B,139Bは、軸受溝部131A,136Aの右端近傍に位置し、遊技機本体120の開放角度は、概ね90度である。この状態から遊技機本体120に閉鎖操作を行うと、図45(B)及び図46(B)に示されたように、外端部134B,139Bが軸受溝部131A,136Aに沿って左側に移動すると共に、開放角度が減少する。更に閉鎖操作を続行すると、図45(C)及び図46(C)に示されたように、外端部134B,139Bは、軸受溝部131A,136Aの左端にまで移動し、開放角度が実質的に0度である閉鎖状態となる。なお、逆に、図45(C)及び図46(C)に示された閉鎖状態において開放操作を行うと、上記と実質的に逆の過程を経て図45(A)及び図46(A)に示された完全開放状態へ移行する。つまり、外枠110に対する遊技機本体120の開閉動作は、開閉操作に伴い開閉軸体134,139の軸周りの回転と左右方向への並進移動とが複合した動作である。
内側ローラ171、外側ローラ172及び傾倒補正部材180は、図3及び図4に示されたように、遊技機本体120の底部に設けられている。ここで、内側ローラ171及び外側ローラ172及び傾倒補正部材180について詳細に説明する。図47は、開閉円滑化機構及び傾倒補正部材の一例の近傍を表す斜視図であり、図48は、遊技機本体の一例を表す底面図であり、図49は、開閉円滑化機構及び傾倒補正部材の一例の近傍を表す右側面図である。
傾倒補正部材180は、図47〜図49に示されたように、遊技機本体120の底部において、開閉軸体134,139で規定される開閉軸と反対側の一端(左端側)に配設され、略U字形状に曲折された板状体である。傾倒補正部材180の一部が遊技機本体120の底面よりも下方側へ突出している。
内側ローラ171及び外側ローラ172は、図47〜図49に示されたように、同一構造である。内側ローラ171及び外側ローラ172は、図48に示されたように、左右方向(図48中では上下方向)に配列するように設けられており、遊技機本体120の重心を通る上下方向(鉛直方向)と遊技機本体の前後方向との双方に垂直な平面VP(以下、「荷重中心平面」とも称す)に対して互いに反対側に位置している。内側ローラ171及び外側ローラ172の各々は、回転子として一軸(遊技機本体120の左右方向)を中心として回動する円盤状の車輪を備えている。
外枠110の載置部材115は、図47及び図49に示されたように、平坦部115Aと平坦部115Aの前方側において傾斜する傾斜部115B(〔乗上補助傾斜部〕の一種)とを含んでおり、平坦部115Aにおいて前方側に延出している部分の平坦面P1上に、外枠側支持体136が配設されている。なお、平坦部115Aにおいて前方側に延出している部分の平坦面P2は、従来において遊技機本体120が載置される載置面を構成するために設けられていたが、本形態では遊技機本体120は閉鎖状態においても平坦面P2に当接しない。遊技機本体120の閉鎖状態において、内側ローラ171は傾斜部115Bの傾斜面P3上に配置され、外側ローラ172は傾斜部115Bの傾斜面P4上に配置され、傾倒補正部材180は傾斜面P4に最後方側で当接するように配置される。また、傾倒補正部材180の平坦部180Aの仮面は、傾斜面P4と実質的に同一の傾斜角で傾斜しており、遊技機本体120の閉鎖状態において平面部180Aの下面の全面が傾斜面P4に当接している。
ここで、遊技機本体の開閉動作について説明する。図50は、遊技機本体の一例の開閉動作に伴う荷重受け位置の推移を表す説明図である。なお、図50において、「○」は遊技機本体120の荷重を受けていることを意味し、「−」は遊技機本体120の荷重を受けていないことを意味している。図51は遊技機本体の一例の開閉動作に伴う遊技機本体の傾倒の補正の推移を表す説明図であり、図51(A)が完全開放状態を表し、図51(B)〜図51(E)が互いに開放角度の異なる中間開放状態を表し、図51(F)が閉鎖状態を表している。なお、図51(A)〜図51(F)においては、外枠110の左右方向図51(B)〜図51(E)においては、左右方向の傾倒が示されたおり、また、説明の便宜上、実際の傾倒角度よりも大きな角度で開閉軸(図中の一点鎖線)が傾倒する場合が示されている。
まず、遊技機本体120を開放状態から閉鎖状態に移行させる場合について説明する。遊技機本体120は、開放角度がθ5(95度)である完全開放状態において、図50に示されたように、開閉軸体134及び開閉軸体139を介して荷重を受けている。なお、開閉軸体134の受けている荷重は、開閉軸体139の受ける荷重よりも大幅に小さいために、以下においては、その影響については説明を省略する。また、遊技機本体120は、完全開放状態において、図51(A)に示されたように、枠体110の左右方向に対して実質的に傾倒していない。また、遊技機本体120は、枠体110の前後方向に対しても実質的に傾倒していない。これは、図45(A)及び図46(A)に示されたように、開閉軸体134及び開閉軸体139は、軸受け溝部131A及び軸受け溝部136Aにおいて、前後方向には微少な遊びの範囲内でしか移動できないためである。なお、以下においては、遊技機本体120の開閉動作の全過程において外枠110の前後方向への傾倒角度は微少であるために、前後方向への傾倒についての説明は省略する。
閉鎖操作に応じて遊技機本体120の開放角度が減少すると、開放角度の減少につれて傾倒角度が増加し、図51(B)に示されたように、開放角度がθ4となると、内側ローラ171の傾斜面P3への乗り上げが開始される。なお、内側ローラ171が傾斜面P3に乗り上げる前(θ4以上θ5以下)において、遊技機本体120は、傾斜面P3、平坦面P2及び傾斜面P4等に当接しない。内側ローラ171の傾斜面P3への乗り上げの開始後は、図50に示されたように、内側ローラ171のみが遊技機本体120の荷重を受ける。
開放角度が更に減少すると、内側ローラ171が傾斜面P3に沿って移動することによって遊技機本体120が全体的に上方側に持ち上げられ、図51(C)に示されたように、開放角度がθ3となると、外側ローラ172の傾斜面P4への乗り上げが開始される。内側ローラ171が傾斜面P3に沿って移動するために、閉鎖操作に伴う外力を、遊技機本体120を上方へ持ち上げる押上力に良好に変換できる。これによって、内側ローラ171の傾斜面P3に沿った移動が円滑となる。また、遊技機本体120が上方側へ持ち上がることによって、外側ローラ172が傾斜面P4への乗り上げを開始する際に、外側ローラ172も上方側へ移動しているために、外側ローラ172の傾斜面P4への乗り上げが円滑に行える。なお、外側ローラ172が傾斜面P4への乗り上げを開始する前(θ3以上θ4以下)において、遊技機本体120の底面は、平坦面P2に当接しない。外側ローラ172の傾斜面P4への乗り上げの開始後は、図50に示されたように、内側ローラ171及び外側ローラ172の双方が遊技機本体120の荷重を受ける。
開放角度が更に減少すると、内側ローラ171及び外側ローラ172が、それぞれ、傾斜面P3及び傾斜面P4に沿って移動する。このとき、内側ローラ171及び外側ローラ172が傾斜面P3及び傾斜面P4に沿って移動するために、閉鎖操作に伴う外力を遊技機本体120を上方へ持ち上げる押上力に良好に変換できる。これによって、内側ローラ171及び外側ローラ172の傾斜面P3及び傾斜面P4に沿った移動が円滑となる。また、開放角度の減少につれて、傾斜面P3における内側ローラ171の当接位置と傾斜面P4における外側ローラ172の当接位置との上下方向の距離間隔が小さくなり、開閉軸の傾倒角度が補正される。これは、内側ローラ171及び外側ローラ172が、荷重中心平面VPを挟んで両側に配設されているために、傾倒角度がその距離間隔によって決定されるからである。図51(D)に示されたように、開放角度がθ2となると、傾倒補正部材180の平面部180Aが傾斜面P4に当接して、傾倒補正部材180の載置部材115への乗り上げが開始される。傾倒補正部材180の載置部材115への乗り上げの開始の際に、傾倒角度の補正(〔前段補正〕の一種)によって、傾倒補正部材180が上方に移動しているために、傾倒補正部材180の背面側の接続部180Bが傾斜部115Bの前方側の平面P5に衝突することを防止でき、傾倒補正部材180の載置部材115への乗り上げが円滑となる。なお、傾倒補正部材180が載置部材115への乗り上げを開始する前(θ2以上θ3以下)において、遊技機本体120の底面は、平坦面P4に当接しない。傾倒補正部材180の載置部材115への乗り上げの開始後は、図50に示されたように、傾倒補正部材180と内側ローラ171の双方が遊技機本体120の荷重を受ける。
開放角度が更に減少すると、傾倒補正部材180及び内側ローラ171が載置部材115の傾斜面P4及び傾斜面P3に沿って移動する。このとき、傾倒補正部材180及び内側ローラ171が傾斜面P4,P3に沿って移動するために、閉鎖操作に伴う外力を遊技機本体120の傾倒角度を補正する押上力に良好に変換できる。これによって、傾倒補正部材180の傾斜面P4に沿った移動が円滑となる。また、開放角度の減少につれて、傾斜面P3における内側ローラ171の当接位置と傾斜面P4における傾倒補正部材180の当接位置との上下方向の距離間隔が小さくなり、開閉軸の傾倒角度が補正される。これは、内側ローラ171及び傾倒補正部材180が、荷重中心平面VPを挟んで両側に配設されているために、傾倒角度がその距離間隔によって決定されるからである。図51(E)に示されたように、開放角度がθ1となると、開閉軸体139が軸受け溝部136Aの底面に当接する。開閉軸体139の軸受け溝部136Aの底面への当接後は、図50に示されたように、傾倒補正部材180と開閉軸体139の双方が遊技機本体120の荷重を受ける。
開放角度が更に減少すると、傾倒補正部材180が載置部材115の傾斜面P4に沿って更に移動し、傾倒補正部材180が傾斜面P4を上り終えると。図51(F)に示されたように、開放角度がθ0である閉鎖状態となる。閉鎖状態においては、開放角度は実質的に0度であり、遊技機本体110の傾倒が完全に補正される。以上の過程を経ることによって、遊技機本体120が開放状態から閉鎖状態に簡便かつ円滑に移行する。
逆に、遊技機本体120を閉鎖状態から開放状態に移行させる場合に、閉鎖状態において、傾倒補正部材180と開閉軸体139とで遊技機本体120の荷重を受けているために、開放方向への移動(開放角度の増加)に対する摩擦力が、外側ローラ172と開閉軸体139とで遊技機本体120の荷重を受けている場合や、内側ローラ171と開閉軸体139とで遊技機本体120の荷重を受けている場合や、外側ローラ172と内側ローラ171とで遊技機本体120の荷重を受けている場合に比べて、その摩擦力が大きく、外枠110に対する遊技機本体120の施錠を解除した直後に、球式回胴遊技機100の遊技機固定設備への設置角度ズレや経年劣化等による一対の本体支持機構130による支持角度ズレに基づいて意図せずに開放方向への移動が開始されることが抑制される。更に、閉鎖状態において、傾倒補正部材180の平面部180Aの底面の全面が傾斜面P4に当接しているために、摩擦力を大きく確保でき、意図しない開放方向への移動が更に良好に抑制できる。その後は、遊技機本体120を閉鎖状態から開放状態に移行させる場合の逆過程を経て、遊技機本体120が開放状態に移行する。これによって、遊技機本体120が閉鎖状態から開放状態に簡便かつ円滑に移行する。
上述したように、球式回胴遊技機100であれば、外側ローラ171及び内側ローラ172を備えることによって外枠110に対する遊技機本体120の開閉動作の円滑性が向上する。また、外側ローラ172及び内側ローラ171を備えることによって遊技機本体120の閉鎖状態から開放状態へ向かう移動に対する摩擦力が小さくなりすぎることを、その摩擦力を大きくする傾倒補正部材180を備えることによって抑制できる。これによって、外枠110に対する遊技機本体120の施錠解除に伴う閉鎖状態から開放状態へ向かう遊技機本体の不意の自動的な移動が抑制でき、開閉動作の円滑性が向上する。
また、球式回胴遊技機100であれば、外側ローラ171及び内側ローラ172を備えることによって、開放状態から閉鎖状態に移行する過程で多段階に分けて遊技機本体120の開閉軸の傾倒角度を補正できるために、傾倒角度の変化に伴い一対の本体支持機構130、特に、開閉軸体131及び開閉軸体139に与えられる最大負荷を、内側ローラ171及び外側ローラ172の一方のみを含む構成に比べて低減できる。これによって、経年劣化等による一対の本体支持機構130による支持角度ズレの発生自体も抑制することができる。
本発明は、球体や円盤体を媒体とする回胴式遊技機及び球体を媒体とする弾球式遊技機等の遊技機に適している。
100: 球式回胴遊技機
110: 外枠
115: 載置部材
120: 遊技機本体
130: 一対の本体支持機構
131、136: 外枠側支持体
134,139: 開閉軸体
140: 本体施錠機構
150: 錠開閉操作機構
170: 開閉円滑化機構
171: 内側ローラ
172: 外側ローラ
180: 傾倒補正部材

Claims (1)

  1. 台座部を含む枠体と、遊技機本体と、前記遊技機本体を前記枠体に対して開閉自在に支持する支持機構と、前記遊技機本体を前記枠体に対して施錠する施錠機構とを備える遊技機であって、
    前記遊技機本体の閉鎖状態において、前記遊技機本体と前記台座部との間に位置し、前記遊技機本体の開放状態における傾倒を補正する傾倒補正体と、
    前記遊技機本体の開放状態から閉鎖状態側への移動における前記遊技機本体の前記台座部上への前記傾倒補正体を介した乗り上げを補助する乗上補助体と、
    を備え、
    前記遊技機本体は、前記遊技機本体の閉鎖状態から開放状態側への移動において、前記台座部上に前記傾倒補正体を介して乗り上げている状態から前記台座部上に前記乗上補助体を介して乗り上げている状態となった後に前記支持機構で支持される状態となり、
    前記遊技機本体が前記台座部上に前記傾倒補正体を介して乗り上げている状態での自重に基づく摩擦力は、前記遊技機本体が前記台座部上に前記乗上補助体を介して乗り上げている状態での自重に基づく摩擦力より大きく、
    前記台座部は、後方側に向けて上るように傾斜し、前記遊技機本体の開放状態から閉鎖状態側への移動において前記乗上補助体及び前記傾倒補正体が当接して移動する傾斜面を有
    前記傾倒補正体は、下面が前記遊技機本体の閉鎖状態において前記傾斜面と面で当接する形状である、
    ことを特徴とする遊技機。
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