JP5867755B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、球体を遊技媒体として使用するパチンコ機やアレンジボール機などの弾球遊技機やメダル又は球体を遊技媒体として使用する回胴式遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の遊技機として、遊技に関わる種々の制御を司る制御基板、例えば、主制御基板、払出制御基板、サブ制御基板等を2つ割りの基板ケースに収容する構成が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。2つ割りの基板ケースとしては、例えば、所定の方向にスライドさせて基板ケースを構成する2つのケース構成部材の係合を解除する構成や、所定の軸に対して回転させて2つのケース構成部材の係合を解除する構成が知られている。この種の基板ケースには、基板ケースの開封により制御基板やその一部を改変したり、置換したりする不正行為を抑制するために、基板ケースの開封が困難となるように、また、強制的に開封された場合にはその痕跡が残るように種々の処置が施されている。例えば、2つのケース構成部材の相対位置を嵌めや破断ネジなどの金属製の接続部材によって固定する場合が挙げられる。この場合、2つのケース構成部材を強固に固定できると共に、強制的に開封された場合には、嵌めが変形したり、ネジが破断したりすることによって、開封の痕跡が確実に残ることとなる。
また、2つのケース構成部材の一方に貫通孔を形成し、他方に貫通孔に連通する空洞を形成し、貫通孔及び空洞に硬化性樹脂を充填して硬化性樹脂を硬化させることによって、2つのケース構成部材を固定する場合が提案されている(例えば、下記特許文献3参照)。樹脂製の接続部材によって2つのケース構成部材の相対位置を固定する場合は、2つのケース構成部材の固定が簡便に行えるという利点がある。また、通常、基板ケースがその内部に収納される制御基板を見通せる透明性の樹脂で構成されるために、金属製の接続部材を使用する場合と異なり廃棄に際して分別の必要がなく、リサイクル性に優れているという利点がある。
特開2005−102834号公報 特開2005−152297号公報 特開2003−310977号公報
基板ケースを構成する2つのケース構成部材の相対位置を樹脂製の接続部材によって固定する場合において、樹脂製の接続部材は、一般的に、破断ネジのように金属であっても比較的に硬度の小さい金属製の接続部材と比較してもその硬度が低いために、簡単な工作具(ドライバ、ナイフ、ピック等)を用いて接続部材が削り取られて、比較的容易に基板ケースが開封されてしまうという虞がある。この場合には、開封後に同種の樹脂が再度に充填されると、開封の痕跡が全く残らなかったり、開封の痕跡の識別が極めて困難となったりする。
そこで、本発明の遊技機では、開封の痕跡の識別が困難な状態に復帰できるように外囲体が開封されることを抑制する。
上記の課題を解決するために、本発明に係る遊技機は、
第1外囲形成部、前記第1外囲形成部と係合する第2外囲形成部、前記第1外囲形成部に延設され陥没穴の形成された第1連結部及び前記第2外囲形成部に延設され前記第1連結部の前記陥没穴と連通する貫通孔の形成された第2連結部を含み、所定の部材を前記第1外囲形成部と前記第2外囲形成部との並進移動による係合により格納する外囲体と、
前記陥没穴と前記貫通孔との接続口を越えて前記陥没穴から前記貫通孔に亘って充填され前記第1連結部及び前記第2連結部の双方と接合することにより前記第1連結部と前記第2連結部とを連結固定する連結固定体と、
を備える遊技機であって、
前記第1連結部と前記第2連結部とは前記並進移動の方向と異なる方向に対向し、
前記第2連結部は、前記接続口の境界の少なくとも一部を前記第2連結部側から視認できないように、当該境界から前記第1連結部と反対側に離隔した位置において前記接続口より小さく前記貫通孔を狭窄する狭窄部を有する、
ことを特徴としている。
本発明の遊技機であれば、開封の痕跡の識別が困難な状態に復帰できるように外囲体が開封されることを抑制できる。
球式回胴遊技機の一例を閉塞状態で表す斜視図 球式回胴遊技機の一例を表す正面図 球式回胴遊技機の一例を表す背面図 球式回胴遊技機の一例を遊技機本体の開放状態で表す斜視図 本体開閉検出装置の一例を概念的に表す斜視図 本体開閉検出装置の動作の一例を模式的に表す背面図 遊技機本体の開閉動作を説明するために球式回胴遊技機の一例を部分的に表す斜視図 遊技機本体の開閉動作を説明するために球式回胴遊技機の一例を部分的に表す右側面図 球式回胴遊技機の一例を払出ブロックの開放状態で表す斜視図 球式回胴遊技機の一例を遊技ブロックの開放状態で表す斜視図 ブロック間遊技球移動規制機構の一例の一部を表す断面図 ブロック間遊技球移動規制機構の一例の他の一部を表す断面図 自動開放制限機構の一例を表す斜視図 前面ブロックの一例を表す正面斜視図 前面ブロックの一例を表す背面斜視図 前面ブロックの一例を表す正面視の部分分解斜視図 前面ブロックの一例を表す正面視の部分分解斜視図 上皿ユニットの一例を表す部分分解斜視図 上貯留皿の流下規制機構の一例を流下許容状態で表す断面図 上貯留皿の流下規制機構の一例を流下禁止状態で表す断面図 上皿ユニットの一例を表す斜視図 上皿ユニットの一例の取り付け過程を表す分解斜視図 投入装置の一例を表す斜視図 投入装置の一例を表す部分分解斜視図 投入装置の一例を返却禁止状態で表す横断面図 投入装置の一例を投入禁止状態で表す縦断面図 投入装置の一例を投入許容状態で表す縦断面図 投入装置の一例を返却許容状態で表す横断面図 投入装置の一例を返却許容状態で表す縦断面図 払出ブロックの一例を表す正面斜視図 払出ブロックの一例を表す背面斜視図 払出ブロックの一例を表す部分分解斜視図 払出ブロックの一例を表す正面図 払出ブロックの一例を一部の除去状態で表す背面図 球溢れ検出スイッチの一例を表す正面図 球切れ検出スイッチの一例を表す断面図 第1払出装置の一例を表す部分分解斜視図 第1払出装置の動作形態の一例を表す平面図 払出ブロックの一例を表す部分斜視図 遊技ブロックの一例を表す正面斜視図 遊技ブロックの一例を表す背面斜視図 遊技ブロックの一例を表す部分分解斜視図 遊技ブロックの一例を表す背面図 回胴ユニットの一例を表す部分分解斜視図 図柄シールの一例を表す展開図 球式回胴遊技機の一例の電気的な構成を表すブロック図 主制御装置の一例を表す正面斜視図 主制御装置の一例を表す背面斜視図 主制御装置の一例を表す正面視の部分分解斜視図 主制御装置の一例を表す背面視の部分分解斜視図 基板ケースのMPUの保護構造例を表す透視正面図 基板ケースのMPUの保護構造例を表す縦断面図 基板ケースのMPUの保護構造例を表す横断面図 主制御装置の一例を表す正面図 主制御装置の一例を表す断面図 基板ケースにおける第1の連結固定構造の一例を表す正面図 基板ケースにおける第1の連結固定構造の一例を表す断面図 第1の連結固定構造の収容側連結部材及び蓋側連結部材の一例を表す斜視図 第1の連結固定構造の収容側連結部材及び蓋側連結部材の一例を表す平面図 基板ケースの連結固定構造の一例を連結固定前の状態で表す断面図 第1の連結固定構造を形成する連結固定過程の一例を樹脂注入直前の状態で表す断面図 第1の連結固定構造を形成する連結固定過程の一例を樹脂注入途中の状態で表す断面図 第1の連結固定構造の一例を一方向に沿った樹脂の切削状態で表す断面図 第1の連結固定構造の一例を全方向に沿った樹脂の切削状態で表す断面図
本発明に係る遊技機の形態について説明する。なお、本発明に係る遊技機の概念的な構成について説明した後に、本発明に係る遊技機の具体的な構成について説明する。
[概念的な構成]
本発明に係る遊技機は、第1外囲形成部及び第1外囲形成部と係合する第2外囲形成部を含む外囲体と、第1外囲形成部と第2外囲形成部との係合により形成された実質的な閉塞空間に格納されている制御基板と、第1外囲形成部と第2外囲形成部との相対位置を固定している連結固定体とを備えている。外囲体は、第1外囲形成部に延設され、陥没穴の形成された第1連結部と、第2外囲形成部に延設され、前記第1連結部の前記陥没穴と連通する貫通孔の形成された第2連結部とを更に含んでおり、連結固定体は、陥没穴及び貫通孔において陥没穴から貫通孔まで連続的に内在し、前記第1連結部と前記第2連結部とを連結固定している。本発明において、第1連結部及び第2連結部の形状、特に第2連結部の形状、並びに、貫通孔内に形成される連結固定体の形状に主たる特徴を有している。
ここで、「実質的な閉塞空間」とは、完全に閉塞された空間のみならず、第1外囲形成部及び第2外囲形成部の少なくとも一部に制御基板に形成された記憶素子等の重要な素子に触れることができないような所定の開口が形成されることによって完全には閉塞されていない空間であってもよいことを意味する。例えば、実質的な閉塞空間を形成する第1外囲形成部及び第2外囲形成部としては、第1外囲形成部及び第2外囲形成部の少なくとも一方に、制御基板に設けられたスイッチを操作するための開口が形成された構成や制御基板から信号を出力するためのコネクタ端子を突出させる開口が形成された構成、制御基板に信号を入力するためのコネクタ端子を突出させる開口が形成された構成が挙げられる。第1外囲形成部及び第2外囲形成部は、公知のいかなる構成と同一であってもよく、例えば、第1外囲形成部及び第2外囲形成部としては、第1外囲形成部に対する第2外囲形成部の相対位置が一方向へ並進移動することのみによって外囲体が開封される構成、複数の方向への所定の順序での並進移動によって外囲体が開封される構成、複数の方向のいずれかへの並進移動によって開封される構成、回転移動によって開封される構成、並進移動と回転移動との組合せによって開封される構成が挙げられる。
「陥没穴から貫通孔まで連続的に内在する」とは、連結固定体が陥没穴の少なくとも一部の空間領域と貫通孔の少なくとも一部の空間領域に形成され、それらの空間領域に形成された連結固定体が連続していることを意味し、必ずしも陥没穴の空間及び貫通孔の空間に全てに連結固定体が形成されていなくてもよいことを意味している。
連結固定体と第1連結部及び第2連結部との界面が接合されている。「連結固定体と第1連結部及び第2連結部との界面が接合されている」とは、連結固定体と第1連結部との界面は単に接触しているだけではなく物理的吸着、化学的吸着、化学結合等によって接合されていることを意味し、また、連結固定体と第2連結部との界面も単に接触しているだけでなく接合されていることを意味している。
貫通孔及び陥没穴で構成される連通空間は、前記第1連結部及び前記第2連結部の少なくとも一方と交差せずには外囲体及び連結固定体の外側から所定の最切削方向に沿って直線的に到達できず、陥没穴と貫通孔との接続口の少なくとも一部を跨ぐ遮蔽空間領域を含んでいる。言い換えれば、遮蔽空間領域内の任意の点から外囲体及び連結固定体の外側へは、貫通孔及び陥没穴で構成される連通空間のみを最切削方向に沿って直線的に経由したのでは到達できない。定性的に更に簡単な概念に置き換えれば、外囲体の外側から所定の一方向に射出される平面光によっては照明されない空間領域である。ここで、「最切削方向」とは、貫通孔の第1連結部と反対側の開口(以下、「開放開口」とも称す)を通して外囲体及び連結固定体の外側から直線的に到達できる接続口の面積が最も大きくなる直線的な一方向を意味している。また、「接続口」とは、陥没穴の開口と貫通孔の第1連結部側の開口(以下、「閉塞開口」とも称す)との重複部分を意味する。したがって、接続口には、陥没穴の開口において第2連結部によって塞がれている部分及び貫通孔の閉塞開口において第1連結部によって塞がれている部分は含まない。また、「接続口の少なくとも一部を跨ぐ」とは、遮断空間領域が接続口に沿って分断された場合に少なくとも2つの空間領域に分割される状態であることを意味している。なお、このような遮蔽空間領域が形成されるように外囲体、特に第2連結部が所定の形状に加工されている。
連結固定体は、遮蔽空間領域内に形成され、陥没穴と貫通孔との接続口の少なくとも一部を跨いで第1連結部及び第2連結部の双方に接合された到達遮断部を含んでいる。「接続口の少なくとも一部を跨いで」とは、上記の場合と同様に、到達遮断部が接続口に沿って切断された場合に少なくとも2つに分割されることを意味している。到達遮断部は、1箇所に形成されていてもよいし、複数の個所に分散して形成されていてもよい。上記の構成の遊技機を「遊技機A」とも称す。
上記の構成であれば、ピックやドライバやドリル等の簡単な工具によって連結固定体が第2連結部の開放開口側から所定の最切削方向の一方向に沿って直線的に切削されたとしても接続口を跨ぐ到達遮断部は残存し、到達遮断部と第1連結部及び第2連結部との界面が接合されているために、第1連結部と第2連結部との連結固定が維持されることとなる。これによって、外囲体を開封するための第1連結部(第1外囲形成部)と第2連結部(第1外囲形成部)との相対位置の移動が困難となる。また、この状態で外囲体の開封が行われた場合には外囲体の少なくとも一部の破壊、特に第1外囲形成部と第1連結部との接続領域近傍や第2外囲形成部と第2連結部の接続領域近傍の破壊が発生することとなる。これによって、容易に識別できる開封の痕跡が外囲体に残ることとなる。したがって、本発明の遊技機であれば、外囲体の開封自体が容易となることを抑制でき、また、開封の痕跡の識別が困難な状態に復帰できるように開封されることを抑制できる。
上記の遊技機Aにおいて、
前記連通空間が、前記遮蔽空間領域の一部として、前記第1連結部及び前記第2連結部の少なくとも一方と交差せずには前記外囲体及び前記連結固定体の外側から任意の方向に沿って直線的に到達できず、前記接続口の少なくとも一部を跨ぐ狭域遮蔽空間領域を含み、
前記連結固定体が、前記到達遮断部の一部として、前記狭域遮蔽空間領域内に形成され、前記接続口を跨いで前記第1連結部及び前記第2連結部の双方に接合された狭域到達遮断部を含む構成であることが好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機B」とも称す。
上記の構成であれば、更に、連結固定体が全ての方向からピックやドライバやドリル等の簡単な工具によって切削されたとしても、狭域到達遮断部が更に切削されるものの接続口を跨ぐ狭域到達遮断部が確実に残存するからである。これによって、外囲体の開封自体が容易となることを更に良好に抑制でき、また、開封の痕跡の識別が困難な状態に復帰できるように開封されることを更に良好に抑制できる。なお、実際には、工具は空間的な広がり(有限の大きさ)を持っているために、全ての切削可能な方向から削除されたとしても狭域遮断空間領域を含む更に広い空間領域に形成されている連結固定体(狭域到達遮断部よりも広い範囲の連結固定体)が残存することとなる。なお、狭域到達遮断部は、1箇所に形成されていてもよいし、複数の個所に分散させて形成されていてもよい。
上記の遊技機A又は遊技機Bにおいて、
前記第2連結部が、中空領域を有する周縁部と、前記周縁部から前記中空領域に突出し、前記接続口から前記第1連結部と反対側の開口側に離隔した位置において前記貫通孔を前記接続口より狭く狭窄する狭窄部を含み、
前記狭窄部が、前記連通空間に前記遮蔽空間領域の少なくとも一部を形成する構成であることが好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機C」とも称す。
上記の構成であれば、狭窄部の配置箇所の調整によって遮蔽空間領域を簡便に確保できる。更に狭窄部の形状の調整によって遮蔽空間領域の大きさを簡便に確保できる。これによって、所望の到達遮断部を簡便に形成できることともなる。狭窄部は、一箇所において周縁部と接続されている構成であってもよいし、複数の箇所において周縁部と接続されている構成であってもよい。
前記連結固定体は、前記陥没穴及び前記貫通孔に流入充填された流動物質の固化物である構成が好ましい。この構成であれば、陥没穴及び貫通孔で構成される連通空間が柱状や陥没穴から貫通孔へ向けて単調に広がるテーパ形状でない複雑な形状であっても、陥没穴から貫通孔に連続する連結固定体を簡便に形成できるからである。また、陥没穴及び貫通孔の形状に応じた形状に連結固定体を形成できるからである。更に、連結固定体と第1連結部及び第2連結部との界面の接合を簡便に接合させることができるからである。なお、流動物質としては、金属物質や無機物質や有機物質が挙げられる。なお、第1連結部及び第2連結部を構成する物質よりも融点の低い物質であることが好ましい。また、流動物質としては、冷却によって固化する物質や、加熱によって硬化する物質や光照射によって硬化する物質であってもよい。
前記連結固定体は、樹脂の固化物である構成が好ましい。この構成であれば、常温において流動性を得易いために連結固定体の作製が容易となるからであり、また、連結固定体と第1連結部及び第2連結部との界面の接合強度が他の物質である場合よりも一般的に大きいからである。また、第1連結部及び第2連結部が樹脂組成物である場合には、特にその接合強度が大きくなる。
前記連結固定体は、光照射により硬化された光硬化性樹脂組成物であることが好ましい。一般的に光硬化性樹脂は、常温において良好な流動性を有し、また、硬化過程において温度変化が極めて小さく第1連結部や第2連結部の形状を変化させることがないために、陥没穴及び貫通孔の形状に応じた所望の形状の連結固定体を形成できるからである。
光硬化性樹脂組成物等の樹脂組成物は、透明性を有する構成であることが好ましい。この構成であれば、連結固定体のみならず第2連結部も切削された場合には、その後に透明性の樹脂組成物で充填されたとしても第2連結部の形状の変化が視認できるからである。これによって、開封の痕跡の識別が困難な状態に復帰できなくなる。
光硬化性樹脂組成物等の樹脂組成物は、無色透明性を有する構成であることが好ましい。この構成であれば、第2連結部が切削された場合の第2連結部の形状の変化を識別し易くなるからである。
前記第1外囲形成部と前記第1連結部とが、接続境界を有していない一体成形物であり、前記第2外囲形成部と前記第2連結部とが、接続境界を有していない一体成形物である構成が好ましい。この構成であれば、接続口を跨ぎ第1連結部及び第2連結部の双方に接合された部分(到達遮断部、狭域到達遮断部又は狭域到達遮断部)が残存する状態における無理な外囲体の開封によって、第1外囲形成部と第1連結部との接続や第2外囲形成部と第2連結部との接続が破壊された場合には、その後に破壊部分が修復されたとしても接続境界としての接合界面が生成されるために、その破壊の痕跡を簡便に識別できるからである。なお、外囲形成部と連結部の接続が接着等による接合である場合には、無理な開封による破壊の有無に関わらず接続境界として接続界面が形成されるため破壊の痕跡の識別が困難となることもある。
前記第1外囲形成部と前記第1連結部とを含む前記一体成形物及び前記第2外囲形成部と前記第2連結部とを含む前記一体成形物の各々が、樹脂組成物である構成が好ましい。この構成であれば、複雑な形状であってもそれらの一体成形物を簡便に作製できるからである。なお、この作製には公知の樹脂成形技術を用いることができる。
前記第1外囲形成部と前記第1連結部とを含む前記一体成形物及び前記第2外囲形成部と前記第2連結部とを含む前記一体成形物の各々が、透明性の樹脂組成物である構成が好ましく、また、無色透明性の樹脂組成物である構成が更に好ましい。この構成であれば、各一体成形物において外囲形成部と連結部との接続が破壊された場合には、その内部における破壊界面までも視認できるために、その破壊の痕跡を更に簡便に識別できるからである。更に無色である場合にはその視認性が更に向上する。
上記の遊技機A〜遊技機Cにおいて、
前記外囲体が、前記第1外囲形成部に延設されている第1係止部と、前記第2外囲形成部に延設され、前記第1係止部と係合する第2係止部とを更に含み、
前記第1外囲形成部と前記第2外囲形成部とが、前記第1係止部と前記第2係止部との係合によって所定の対向位置に係止され、
前記第1連結部と前記第2連結部とが、前記第1外囲形成部及び前記第2外囲形成部の対向方向と同一方向に対向し、
前記連結固定体が存在しない場合において、前記第1外囲形成部と前記第2外囲形成部との係止は、前記第1外囲形成部に対する前記第2外囲形成部の所定の方向への並進移動によって解除され、前記並進移動に伴う前記第1連結部に対する前記第2連結部の移動は、前記並進移動と実質的に同一である構成が好ましい。
上記の構成であれば、連結固定体の部分的な切削後の無理な開封における前段において、連結固定体の狭域到達遮断部(到達遮断部)が第1外囲形成部又は第2外囲形成部のいずれか一方から完全に剥離されたとしても他方の外囲形成部には接合されているために狭域到達遮断部(到達遮断部)は接続口を跨ぐように配置された状態を維持することとなり、また、連結固定部が第1外囲形成部に接合されている部分と第2外囲形成部に接合されている部分とに分割されたりしたとしても、接続口に沿って分割される可能性は少なく、少なくとも一方の外囲形成部に接合されている狭域到達遮断部は接続口を跨ぐように配置された状態を維持することとなり、この状態で更に並進移動を継続しても狭域到達遮断部(到達遮断部)が第1外囲形成部と第2外部形成部とに挟まれた状態となり、無理な開封における後段においてそれ以上の並進移動が困難な状態となる。この2段階での並進移動の抑制によって、開封自体が容易に行われることを更に良好に抑制できる。また、更に並進移動させると、狭域到達遮断部(到達遮断部)によって第1外囲形成部と第2外部形成部とが離隔する方向(対向方向)にも移動させられることとなり、その応力によって第1外囲形成部と第1連結部との接続又は第2外囲形成部と第2連結部との接続が切断されることとなる。
連結固定体を可能な限り切削すればするほど、つまり、狭域到達遮断部のみが残存するように切削すればするほど、無理な開封における前段において、陥没穴における連結固定体の残存領域の深さが浅くなって残存する連結固定体と第1連結部との接合面積が小さくなり、その接合面が剥離し易くなる。しかし、無理な開封における後段において、残存領域の深さが浅くなった分だけ、残存している連結固定体が第1外囲形成部と第2外囲形成部との間に乗り上げ易くなるために、その応力が伝達され易くなり、第1外囲形成部と第1連結部との接続又は第2外囲形成部と第2連結部との接続の切断が促進されることとなる。したがって、連結固定体の切削量にほとんど依存せずに、開封の痕跡の識別が困難な状態に復帰できるように開封されることを抑制できる。
前記第1外囲形成部と前記第1係止部が、接続境界を有していない一体成形物であり、前記第2外囲形成部と前記第2係止部が、接続境界を有していない一体成形物である構成が好ましい。上記で説明したように、外囲形成部と連結部とが接続境界を有していない場合が好ましい理由と同様である。
上記の遊技機Bにおいて、
前記第2連結部が、中空領域を有する周縁部と、前記周縁部から前記中空領域に突出し、前記接続口から前記開放開口側に離隔した位置において前記貫通孔を前記接続口より狭く狭窄する狭窄部を含み、
前記狭窄部が、前記連通空間に前記狭域遮蔽空間領域の少なくとも一部を形成する構成であることが好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機D」とも称す。
上記の構成であれば、狭窄部の形状や配置箇所の調整によって所望の狭域遮蔽空間領域を簡便に確保でき、所望の狭域到達遮断部を簡便に形成できる。狭窄部は、一箇所において周縁部と接続されている構成であってもよいし、複数の箇所において周縁部と接続されている構成であってもよい。
前記周縁部と前記狭窄部とが、接続境界を有していない一体成形物である構成が好ましい。この構成であれば、連結固定体のみならず狭窄部も切削された場合には、切削された部分を元の形状に戻したとしても、復元に際して周縁部と狭窄部との間に接続界面が生成されるからである。これによって、開封の痕跡の識別が困難な状態に復帰できなくなる。
上記の遊技機Dにおいて、
前記連結固定体が、前記接続口から前記狭窄部の前記接続口側の最近接端を越えて内在し、
前記狭域到達遮断部が、前記狭窄部と前記周縁部と前記第1連結部との双方に接合されている構成であることが好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機E」とも称す。
上記の構成であれば、狭域到達遮断部を大きくできると共に、狭窄到達遮断部による第2連結部と連結固定体の連結強度の増加によって第1連結部と第2連結部とを向上させることができる。更に、第2連結部において狭窄部と周縁部とに接続されることによって、狭窄部と狭域到達遮断部との接合界面と周縁部と狭域到達遮断部との接合界面における剥離耐性の方向依存性が異なることにより、第2連結部と連結固定体との剥離耐性の方向依存性を向上させることができる。
上記の遊技機D〜遊技機Eにおいて、
前記第1連結部が、前記中空領域として直柱状の中空領域を有する直桶状であり、
前記周縁部が、前記貫通孔として直柱状の中空領域を有する直筒状であり、
前記狭窄部が、前記接続口の一部の真上を覆い、
前記狭窄部が、前記連通空間に前記狭域遮蔽空間領域の少なくとも一部を形成する構成であることが好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機F」とも称す。
ここで、「直柱状」とは、直円柱体、直角柱体に代表されるような柱軸が底面に実質的に垂直であり、柱軸を法線とする平面による断面形状が底面に合同である直柱体のみならず、直円錐台、直角錐台に代表されるような錐軸が底面に実質的に垂直であり、柱軸を法線とする平面による断面形状が下底面に実質的に相似である直錐台体や、底面形状の異なる複数種類の直柱体や直錐台体を下層の直柱体又は直錐台体の上底面内に上層の直柱体又は直錐台体の下底面が配置されるように順次に積層した形状をも意味している。また、「直筒状」とは、直柱状の中空領域の形成された立体を意味している。また、「直桶状」とは、貫通しない直柱状の中空領域の形成された立体を意味している。
上記の構成であれば、狭窄部の形状や配置箇所の調整によって所望の狭域遮蔽空間領域や遮蔽空間領域を狭窄部の下であって第1連結部と第2連結部との接続口の周縁近傍に簡便に確保でき、所望の狭域到達遮断部や到達遮断部を狭窄部の第1連結部側の下側であって第1連結部と第2連結部との接続口の周縁近傍に簡便に形成できる。
上記の遊技機D〜遊技機Fにおいて、
前記外囲体が、前記第1外囲形成部に延設されている第1係止部と、前記第2外囲形成部に延設され、前記第1係止部と係合する第2係止部とを更に含み、
前記第1外囲形成部と前記第2外囲形成部とが、前記第1係止部と前記第2係止部との係合によって所定の対向位置に係止され、
前記第1連結部と前記第2連結部とが、前記第1外囲形成部及び前記第2外囲形成部の対向方向と同一方向に対向し、
前記連結固定体が存在しない場合において、前記第1外囲形成部と前記第2外囲形成部との係止は、前記第1外囲形成部に対する前記第2外囲形成部の所定の方向への並進移動によって解除され、前記並進移動に伴う前記第1連結部に対する前記第2連結部の移動は、前記並進移動と実質的に同一であり、
前記第1連結部と前記周縁部との界面が、前記並進移動の方向を含む平面に平行である構成が好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機G」とも称す。
上記の構成であれば、遊技機Cについて上述したように、連結固定体が狭域到達遮断部を確実に形成されているために、連結固定体の切削量にほとんど依存せずに、開封の痕跡の識別が困難な状態に復帰できるように開封されることを抑制できる。
上記の遊技機Gにおいて、
前記第1連結部と前記周縁部との界面が、前記対向方向に垂直な平面である構成が好ましい。この構成の遊技機を「遊技機I」とも称す。この構成であれば、遊技機Cについて上述したように、連結固定体が切削されて狭域到達遮断部が残存する場合に良好に狭域遮断部が第1連結部と第2連結部との間に乗り上がるために、第1外囲形成部と第1連結部との接続又は第2外囲形成部と第2連結部との接続の切断が更に促進されるからである。
上記の遊技機Hにおいて、
前記狭窄部の前記接続口側の表面が、前記接続口から離隔し、前記接続口を含む平面に実質的に平行な平面である構成が好ましい。以下において、この構成の遊技機を「遊技機J」とも称す。ここで、「実質的に平行な平面」とは、意図的には平行な平面以外となるようには形成しないことを意味し、実質的に平行な平面には、厳密に平行である平面である場合や作製誤差等により厳密には平行でない平面である場合や作製誤差等により平面でない場合を含意する。この構成であれば、狭窄部の接続口側の表面が第1連結部と第2連結部との接続面に対して傾斜している場合よりも狭域遮断空間領域を大きく確保でき、大きな狭域到達遮断部を簡便に形成できるからである。狭窄部が接続口と反対側に向かって先太りするように傾斜させた場合には、狭域遮断空間領域が狭くなり狭域到達遮断部も小さくなる。また、狭窄部が接続口と反対側に向かって先細りするように逆に傾斜させた場合には、狭窄部と周縁部との境界近傍において空隙が形成される等の連結固定体を形成する樹脂の注入性が悪化するために、狭域遮断空間領域が広く確保できたとしてもその領域に形成される狭域到達遮断部は小さくなる。
上記の遊技機Hにおいて、
前記狭窄部の下における前記第2連結部の第1連結部側の開口の輪郭形状が、前記狭窄部の下における前記第1連結部の開口の輪郭形状と実質的に同一であり、
前記接続口における前記狭域到達遮断部の前記第2連結部側の断面の輪郭形状が、前記接続口における前記狭域到達遮断部の前記第1連結部側の断面の輪郭形状と実質的に同一である構成が好ましい。ここで、「実質的に同一」とは、意図的には同一でない輪郭形状には形成しないことを意味し、実質的に同一には、厳密に同一である場合のみならず、作製誤差等により厳密には同一でない場合を含意する。この構成の遊技機を「遊技機K」とも称す。
上記の構成であれば、第2連結部が小型化しつつ、開封の痕跡の識別が困難な状態に復帰できるように開封されることを抑制する効果が低減することを防止できる。これは、狭窄部の下における第2連結部の閉塞開口の輪郭形状が、狭窄部の下における第1連結部の開口の輪郭形状より小さい場合には、第2連結部が内側に突出することによって狭域遮蔽空間領域が小さくなる共に、無理な外囲体の開封の前段においてその突出部分が狭域到達遮断部を接続面に平行に切断する応力中心として機能するために、その後段において開封の痕跡の識別が困難な状態に復帰できるように開封されることを抑制する効果が低減するからである。また、狭窄部の下における第2連結部の閉塞開口の輪郭形状が、狭窄部の下における第1連結部の開口の輪郭形状より大きい場合には、第2連結部が大型化し、更に、狭域遮蔽空間を確保するために周縁部からの狭窄部の突出量を大きくしなければならないために、狭窄部と周縁部の接続部分の近傍に連結固定体の形成されない空隙が発生し易くなり、この場合には、狭域遮蔽空間領域が大きくなるものの狭域到達遮断部と第2連結部との接合面の面積は大きくは増加しないために、開封の痕跡の識別が困難な状態に復帰できるように開封されることを抑制する効果は殆ど向上しないからである。
上記の遊技機Hにおいて、前記狭窄部が、前記周縁部と一箇所で接続された少なくとも1つの柱状の狭窄片を含み、前記狭域到達遮断部が、前記少なくとも1つの狭窄片の各々の下に形成されている構成であることが好ましい。この構成であれば、極めて簡便に狭窄部を形成でき、狭域遮蔽空間を確保できる。これによって、所望の狭域到達遮断部を極めて簡便に狭窄片の下に形成できる。この構成の遊技機を「遊技機L」とも称す。
上記の遊技機Lにおいて、前記少なくとも1つの直柱状の狭窄片が、前記並進移動の方向に対向する一対の直柱状の狭窄片を含み、前記狭域到達遮断部が、前記一対の直柱状の狭窄片の各々の狭窄片の下に分割的に形成されている構成であることが好ましい。この構成の遊技機を「遊技機M」とも称す。
上記の遊技機Lにおいて、前記少なくとも1つの柱状の狭窄片が、前記並進移動の方向と前記対向方向との双方に直交する方向に対向する一対の狭窄片を含み、前記狭域到達遮断部が、前記一対の狭窄片の各々の狭窄片の下に分割的に形成されている構成であることが好ましい。この構成の遊技機を「遊技機N」とも称す。
上記の遊技機C〜遊技機Nにおいて、前記第2連結部が、前記周縁部と複数箇所で接続され、前記貫通孔を複数の通路に分割する経路分割部を更に含み、前記狭窄部が、前記複数の通路の少なくとも1つの通路を狭窄し、前記複数の通路の少なくとも一部の通路を狭窄しない構成であることが好ましい。この構成の遊技機を「遊技機O」とも称す。この構成であれば、狭窄部の下に空隙を形成することなく極めて良好に連結固定体を簡便に形成できる。これは、狭窄部の下に空隙を形成することなく連結固定体を形成するためには、連結固定体を形成することとなる流動物質を狭窄部の下側から充填する必要があり、経路分割部を設けない場合には、流動物質の注入針を狭窄部の下側にまで挿入して、所定の圧力で流動物質を注入し、その完了後に注入針を抜脱しなければならないが、経路分割部を設けた場合には、狭窄部の設けられていない通路に対して流動物質を滴下又は極めて低い圧力で注入すれば、狭窄部の設けられている通路には自動的に狭窄部の下側から流動物質が充填されるからである。したがって、経路分割部を設けた場合には、流動物資の注入工程における注入針の挿入の位置決め精度が緩和され、流動物質の注入動作が簡素化されるために、製造費用が削減され、またスループットが向上する。
上記の遊技機Oにおいて、前記周縁部と前記経路分割部とは、接続境界を有していない一体成形物である構成が好ましい。この構成の遊技機を「遊技機P」とも称す。上記で説明したように周縁部と狭窄部とが接続境界を有していない場合が好ましいのと同様に、連結固定体のみならず経路分割部も切削された場合には、切削された部分を元の形状に戻したとしても、復元に際して周縁部と経路分割部との間に接続界面が生成されるからである。これによって、開封の痕跡の識別が困難な状態に復帰できなくなる。
上記の遊技機Pにおいて、経路分割部は、前記周縁部と2箇所で接続されて前記貫通孔を2つの通路に分割し、前記狭窄部が、前記2の通路の一方の通路のみを狭窄する構成であることが好ましい。この構成の遊技機を「遊技機Q」とも称す。この構成であれば、連結固定体を形成することとなる流動物質の充填において、その注入性が阻害されることが防止される。これは、経路分割部は、狭域遮蔽空間領域の形成には大きく寄与しないために、3以上の経路に分割しても実質的に流動物質の注入性を阻害するだけであるからである。
上記の遊技機Qにおいて、前記経路分割部は、前記狭窄部と接続されている構成であることが好ましい。この構成の遊技機を「遊技機R」とも称す。この構成の場合、狭窄部との接続部分の近傍における経路分割部の下にも狭域遮断空間領域を形成できるからである。
上記の遊技機Rにおいて、前記経路分割部は、前記連通面の法線を柱軸とする柱状である構成が好ましい。この構成の遊技機を「遊技機S」とも称す。この構成であれば簡便に経路分割部を形成できるからである。また、連結固定体を形成することとなる流動物質の注入性が阻害されることを防止できるからである。これは、狭窄部の形成されていない通路が経路分割部によって注入方向に沿って狭くなる構成であるとその通路から陥没穴への注入性が低下し、一方、注入方向に沿って広くなる構成であってもその通路へ入口での注入性が低下するために、その通路から流動物質が溢れたりするからである。特に、溢れた流動物質が狭窄部の形成されている通路を介して狭窄部の上方から注入された場合には、流動物質を連通空間に良好に充填することは極めて困難になるからである。
[具体的な構成]
本発明に係る遊技機の最良の形態の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下において、遊技機が球体を遊技媒体とする回胴式遊技機(以下、「球式回胴遊技機」と称す)である場合の具体的な一例を挙げて説明するが、以下で説明する具体的な一例には限定されず、本発明の主旨から逸脱しない限りにおいて、その設計を適宜に変更してもよい。また、本発明は、メダルを遊技媒体として使用する回胴式遊技機(いわゆるスロット機)や弾球遊技機(パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機等)にも適用することができる。
本実施形態の球式回胴遊技機について説明する。なお、球式回胴遊技機の全体構造、電気的構成及び制御構成について概説した後に、本発明の特徴部分の構成及びそれに関連する構成については、後述する〔本発明の主たる特徴部分の構成〕においてまとめて詳細に説明する。
〔全体的な構成〕
本実施形態の球式回胴遊技機の全体構造について説明する。図1は球式回胴遊技機の一例を閉塞状態で表す斜視図であり、図2は球式回胴遊技機の一例を表す正面図であり、図3は球式回胴遊技機の一例を表す背面図であり、図4は球式回胴遊技機の一例を開放状態で表す斜視図である。なお、図3及び図4において各種の内部配線は省略されており、以下で参照する他の図面についても同様とする。
本形態の球式回胴遊技機100は、図1〜図4に示されたように、球式回胴遊技機100の外殻を形成する外枠110と、遊技機本体120と、外枠110に対して遊技機本体120を着脱自在及び開閉自在に支持する一対の本体支持機構130(図1には一方のみ図示)と、遊技機本体120を外枠110に対して施錠する本体施錠機構140(図4のみ)と、本体施錠機構140を開錠させたり施錠させたりするために管理者によって操作される錠開閉操作機構150(図1及び図2のみ)と、外枠110に対して遊技機本体120が閉塞されている状態(以下「遊技機本体120の閉塞状態」と略記)であるか又は外枠110に対して遊技機本体120が開放されている状態(以下「遊技機本体120の開放状態」と略記)であるかを検出する本体開閉検出装置160(図3のみ:図5及び図6も参照)とを備えている。図1に示されたような遊技機本体120の閉塞状態において、本体施錠機構140によって遊技機本体120は外枠110に対して施錠された状態(以下「遊技機本体120の施錠状態」と略記)であり、遊技機本体120の閉塞状態から図4に示されたような遊技機本体120の開放状態へ移行させる場合には、錠開閉操作機構150への所定の開錠操作に基づいて本体施錠機構140による遊技機本体120の施錠状態を解除し、遊技機本体120を開放方向(遊技機本体120の右端を外枠110から離隔させる方向)に回転させる。逆に、遊技機本体120の開放状態から遊技機本体120の閉塞状態へ移行させる場合には、遊技機本体120を閉塞方向(遊技機本体120の右端を外枠110に近接させる方向)に回転させると共に、少なくとも遊技機本体120の閉塞状態への移行完了の直前に錠開閉操作機構150に対して本体施錠機構140の施錠を解除させるための操作(以下「開錠操作」と略記)を行い、その開錠操作中に遊技機本体120の閉塞状態への移行を完了させる。球式回胴遊技機100は、通常、その外枠110が遊技ホールの遊技機固定設備(図示せず)の設置窓(図示せず)に装着されることによって外枠110及びそれよりも球式回胴遊技機100の後方側が遊技者の滞在する外側空間から視認できないように遊技機固定設備に固定されるが、外枠110に対して遊技機本体120が開閉自在に支持されていることによって、遊技機固定設備への設置後においても球式回胴遊技機100の背面側を外側空間に露出させることができる。
外枠110は、図3及び図4に示されたように、天板部材111と、底板部材112と、右側板部材113と、左側板部材114(図3のみ)と、遊技機本体120の閉塞状態において遊技機本体120が載置される載置部材115とを備えている。天板部材111、底板部材112、右側板部材113及び左側板部材114は、接続部材116〜119(図3のみ)を介して組み付けられており、その全体形状が略矩形状の枠形状である。
一対の本体支持機構130の各々は、図3及び図4に示されたように、外枠110に固着された外枠側支持体131と、遊技機本体120に固着された本体側支持体132(図15も参照)と、外枠側支持体131と本体側支持体132とを連結する連結体133とを備えている。外枠側支持体131には軸受溝部131A(図4のみ)が形成され、一方、本体側支持体132には軸体部132A(図4のみ)が形成されており、軸体部132Aが軸受溝部131Aに挿入され、外枠側支持体131と本体側支持体132とが連結体133で連結されることによって、遊技機本体120が外枠110に対して着脱自在かつ開閉自在に支持されている。また、連結体133は、軸体部132Aと軸受溝部131Aとの間にかかる荷重負荷、特に、遊技機本体120の開放状態における荷重負荷を低減することによって軸体部132Aの軸ズレを抑制したり、外枠110に対する遊技機本体120の最大回転角度(90度を越えて大きいが90度の近傍の値、例えば95度)を制限したりする。なお、連結体133と外枠110との連結は簡便な操作によって解除できる構成となっている。
本体施錠機構140は、図3及び図4に示されたように、外枠110の右側板部材113に固着された一対の外枠側施錠部材141と、遊技機本体120に取設された施錠機構142とを備えている。施錠機構142は、遊技機本体120に固着された基体部材143と、基体部材143に枢設された一対の本体側施錠部材144と、一対の本体側施錠部材144に接続され、上下方向に移動自在な動力伝達棹145と、基体部材143に軸支され、動力伝達棹145に連動して移動する一対の可動部材146と、基体部材143及び可動部材146に連結され、可動部材146を介して動力伝達棹145を所定の基準位置(以下において、「施錠位置」とも称す)に復帰させる方向に付勢する付勢体147(図4のみ)と備えている。一対の外枠側施錠部材141の各々には係合爪部141Aが形成され、一方、一対の本体側施錠部材144の各々には係合爪部141Aと係合する係合溝部144A(図4のみ)が形成されている。
錠開閉操作機構150は、図1及び図2に示されたように、所定の開閉鍵(図示せず)の凹凸形状に対応する鍵溝(図示せず)が形成されたキーシリンダ151と、キーシリンダ151の内側に摺動自在に挿着され、挿入された開閉鍵の回動に連動して回動する可動軸体152と、開閉鍵が挿入される鍵穴と反対側(背面側)において可動軸体152に固着され、可動軸体152の回動に連動して偏心回動する可動片(図示せず)とを備えている。
遊技機本体120の閉塞状態において、図3及び図4に示されたように、付勢体147からの付勢力に基づいて、動力伝達棹145は所定の基準位置に維持され、また、一対の外枠側施錠部材141の係合爪部141Aも所定の基準位置に維持されている。なお、遊技機本体120の閉塞状態においては、図3に示されたように、一対の外枠側施錠部材141の係合爪部141Aは一対の本体側施錠部材144の係合溝部144Aと係合した状態である。これによって、外枠110に対して遊技機本体120が施錠された状態(以下、「遊技機本体120の施錠状態」と略記する)が維持される。遊技機本体120の閉塞状態において錠開閉操作機構150のキーシリンダ151及び可動軸体152に形成された鍵穴に所定の鍵(図示せず)が挿入され、その鍵によって所定の開錠操作、本形態では90度の時計回りの回転操作が行われると、可動軸体152が回転すると共に可動片(図示せず)が偏心回転する。その可動片の偏心回転に応じて、本体施錠機構140の動力伝達棹145が上方側に移動する。動力伝達棹145の上方側への移動に応じて、一対の本体側施錠部材144が回転し、その先端が下側へ移動する。これによって、係合爪部141Aが係合溝部144Aから離脱し、遊技機本体120が外枠110に対して回転可能な状態(以下、「遊技機本体120の開錠状態」と略記)になる。また、動力伝達棹145の上方側への移動に応じて可動部材146が上方側へ移動することによって、付勢体147が延伸される。これによって、遊技機本体120の閉塞状態において本体施錠機構140による施錠が開錠された状態で鍵から手を離すと付勢体147からの付勢力に基づいて動力伝達棹145及び一対の本体側施錠部材144は施錠位置に復帰し、遊技機本体120が施錠状態に戻る。一方、遊技機本体120の開放状態から閉塞状態へ移行させる場合には、遊技機本体120の開放状態において開錠操作がなされていない状態で遊技機本体120を閉塞方向に回転させると一対の外枠側施錠部材141と一対の本体側施錠部材144とが当接してその閉塞方向の回転が阻止されるために、遊技機本体120の閉塞状態まで移行させるためには、一旦、開錠操作を行わなければならない。
本体開閉検出装置160は、図3に示されたように、遊技機本体120の左側板部材114側に一部が突出するように配置されている。ここで、本体開閉検出装置160について詳細に説明する。図5は、本体開閉検出装置の一例の近傍を表す部分分解斜視図であり、図6(A)及び図6(B)は、それぞれ、遊技機本体の閉塞状態及び開放状態における本体開閉検出装置の一例を模式的に表す背面図である。本体開閉検出装置160は、図5並びに図6(A)及び図6(B)に示されたように、遊技機本体120に軸止された軸部材161と、軸部材161に軸支された略U字形状の可動部材162と、可動部材162に取着されU字の開き角を大きくする付勢体163と、遊技機本体120に取着された開閉検出スイッチ164とを備えている。可動部材162は、遊技機本体120の閉塞状態において、図6(A)に示されたような外枠110の左側板部材114に当接している閉塞位置と、図6(B)に示されたような遊技機本体120の開放状態において外枠110に当接していない開放位置との間で移動する。なお、可動部材162の開き角は、可動部材162が閉塞位置に位置する場合より開放位置に位置する場合の方が大きい。開閉検出スイッチ164は、図6(A)に示されたように、可動部材162が閉塞位置にある場合に、可動部材162によって開閉検出スイッチ164の検出突起164Aが押圧されているオン状態であり、一方、図6(B)に示されたように、可動部材162が開放位置にある場合に、可動部材162によって開閉検出スイッチ164の検出突起164Aが押圧されていないオフ状態であり、検出状態に応じて電位の異なる開閉検出信号を主制御装置750(図41及び図46参照)の主制御基板751(図46及び図49参照)に出力する。
球式回胴遊技機100は、図3及び図4に示されたように、遊技機本体120の底部に設けられ、外枠110に対する遊技機本体120の開閉動作を円滑化する開閉円滑化機構170(図3のみ)と、遊技機本体120の底部に取着され、外枠110に対する遊技機本体120の開錠に応じて、管理者による意図的な遊技機本体120の開放方向の回転に因らずに、遊技機本体120が閉塞状態から開放状態へ移行することを抑制する滑止部材180とを備えている。開閉円滑化機構170は、遊技機本体120の重心を通る上下方向(鉛直方向)と前後方向との双方に垂直な平面(以下、「荷重中心平面」とも称す)に対して外枠110に対する遊技機本体120の回転軸側に配設された内側ローラ171と、荷重中心平面に対して遊技機本体120の回転軸と反対側に配設された外側ローラ172とを備えており、遊技機本体120の閉塞状態からの開放方向の回転に伴う摩擦力を低減すると共に、遊技機本体120の開放状態からの閉塞方向の回転における外枠110の載置部材115への乗り上げを容易にしている。なお、内側ローラ171と外側ローラ172とは荷重中心平面を挟んで両側に配置されている。滑止部材180は、遊技機本体120の底部において回転軸と反対側の一端に配設され、略U字形状に曲折された板状体であり、その一部が遊技機本体120の底面から下方側へ突出している。
ここで、開閉円滑化機構170及び滑止部材180について詳細に説明する。図7は、開閉円滑化機構及び滑止部材の一例の近傍を表す斜視図であり、図8は、開閉円滑化機構及び滑止部材の一例の近傍を表す右側面図である。外枠110の載置部材115は、図7及び図8に示されたように、平坦部115Aと平坦部115Aの前方側において傾斜する傾斜部115Bとを含んでおり、平坦部115Aにおいて前方側に延出している部分の平坦面P1上に、一対の外枠側支持体131が配設されている。平坦部115Aにおいて前方側に延出している部分の平坦面P2は、従来において遊技機本体120が載置される載置面を構成するために設けられていたが、本形態では遊技機本体120は閉塞状態においても平坦面P2に当接しない。遊技機本体120の閉塞状態において、内側ローラ171は傾斜部115Bの傾斜面P3上に配置され、外側ローラ172は傾斜部115Bの傾斜面P4上に配置され、滑止部材180は傾斜面P4に最後方側で当接するように配置される。滑止部材180の下方端面180Aは傾斜面P4と実質的に同一の傾斜角で傾斜しており、遊技機本体120の閉塞状態において下方端面180Aの全面が傾斜面P4に当接している。内側ローラ171が傾斜面P3上に配置されていない場合の遊技機本体120の開放状態において、遊技機本体120は自重によって遊技機本体120の回転軸が微少角度だけ傾斜して、その右端が下方側にずれて配置されている。なお、このような傾斜は遊技機一般について発生する。
遊技機本体120を開放状態から閉塞状態に移行させる場合に、閉塞方向の回転によって、まず、遊技機本体120の底面が傾斜面P3、平坦面P2及び傾斜面P4に当接することなく内側ローラ171が傾斜面P3に乗り上げる。これによって、遊技機本体120の回転軸の傾斜角度が緩和され、遊技機本体120の底面が平坦面P2に当接することなく閉塞方向の回転を継続できる。その後、外側ローラ172が傾斜面P4に乗り上げる。これによって、遊技機本体120の回転軸の傾斜角度が大幅に緩和され、その後の閉塞方向の回転によって滑止部材180の背面側の平面180Bが傾斜部115Bの前方側の平面P5に衝突することを防止できる。その後、滑止部材180の下方端面180Aが傾斜面P4に当接して、滑止部材180を介した遊技機本体120の載置部材115への乗り上げが開始される。その後、滑止部材180が傾斜面P4を上り終えると遊技機本体120の閉塞状態となる。これによって、遊技機本体120が開放状態から閉塞状態に簡便かつ円滑に移行する。逆に、遊技機本体120を閉塞状態から開放状態に移行させる場合に、閉塞状態において滑止部材180の下方端面180Aの全面が傾斜面P4に当接しているために摩擦力が大きく、外枠110に対する遊技機本体120の施錠を解除した直後に、球式回胴遊技機100の遊技機固定設備への設置角度ズレや経年劣化等による一対の本体支持機構130による支持角度ズレに基づいて意図せずに開放方向への回転が開始されることが抑制される。また、開放状態から閉塞状態に移行する過程で多段階(本形態では3段階)に分けて遊技機本体120の回転軸の傾斜角度が変化するために、傾斜角度の変化に伴い一対の本体支持機構130に与えられる最大負荷を、一段階で傾斜角度が変化する場合に比べて低減できる。これによって、経年劣化等による一対の本体支持機構130による支持角度ズレの発生自体も抑制することができる。
ここで、遊技機本体120の構成について説明する。図9及び図10は、球式回胴遊技機の一例を内部開放状態で表す斜視図である。なお、図9には、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123が一体的に開放されている状態が示されており、図10には、前面ブロック121に対して払出ブロック122が開放され、かつ払出ブロック122に対して遊技ブロック123が開放されている状態が示されている。
遊技機本体120は、図9及び図10に示されたように、球式回胴遊技機100の前面側を構成する前面ブロック121と、球式回胴遊技機100の背面側を構成する払出ブロック122と、前面ブロック121及び払出ブロック122によって被包される遊技ブロック123と、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を着脱自在かつ開閉自在に支持する一対のブロック支持機構124(一方のみ図示)と、前面ブロック121に対して払出ブロック122を施錠する払出ブロック施錠機構125と、払出ブロック122に対して遊技ブロック123を固定する一対の遊技ブロック固定機構126とを備えている。
一対のブロック支持機構124の各々は、前面ブロック121に取着された前面ブロック側支持部材211(図15参照)と、払出ブロック122に取着された払出ブロック側支持部材212(図31参照)と、遊技ブロック123に取着された遊技ブロック側支持部材213(図43参照)とで構成されている。図15に示されるように、前面ブロック側支持部材211は、前面ブロック121に取着された固定部221と、固定部221に対して略垂直に屈曲して背面側に延設され、上側軸挿通孔222Aの形成された払出ブロック用軸受部222と、固定部221に対して略垂直に屈曲して背面側に延設され、上側軸挿通孔222Aの真下に下側軸挿通孔223Aの形成された遊技ブロック用軸受部223とを含んでいる。払出ブロック側支持部材212は、図31に示されるように、払出ブロック122に固着された固定部224と、固定部224に対して略垂直に屈曲して正面側に延設された接続部225と、接続部225から下側に延設された軸体部226とを含み、軸体部226が前面ブロック側支持部材211の上側軸挿通孔222Aに遊挿されている。同様に、遊技ブロック側支持部材213は、図43に示されるように、遊技ブロック123に固着された固定部227と、固定部227に対して略垂直に屈曲して正面側に延設された接続部228と、接続部228から下側に延設された軸体部229とを含み、軸体部229が前面ブロック側支持部材211の下側軸挿通孔223Aに遊挿されている。
払出ブロック施錠機構125は、払出ブロック122に形成された一対の陥没部122Aの各々に架設され、一対の陥没部122Aの陥没口の一部を覆う一対の払出ブロック側施錠部材231(図30も参照)と、前面ブロック121側に配設された施錠機構232(図15も参照)とを備えている。施錠機構232は、図15に示されるように、本体施錠機構140における基体部材143に対して上下方向に移動自在に取着され、本体施錠機構140を作動させる方向と逆方向への錠開閉操作機構150の可動片(図示せず)の回転に連動して上下方向に移動する前面ブロック側施錠部材233と、前面ブロック側施錠部材233を所定の基準位置へ復帰させる方向に付勢する付勢体(図示せず)とを備えている。前面ブロック側施錠部材233は、基体部材143と略平行に延びる棹部235と棹部235の長手方向の両端近傍から背面側に突出する一対の突出部236とを含み、一対の突出部236の各々には一部を切り欠いた係合溝236Aが形成されている。前面ブロック121に対して払出ブロック122の閉塞された状態(以下、「払出ブロックの閉塞状態」とも略記)において、一対の払出ブロック側施錠部材231が一対の突出部236の係合溝部236Aに配置されており、その係合状態が付勢体からの付勢力によって維持される。これによって、前面ブロック121に対して払出ブロック122の施錠されている状態(以下、「払出ブロックの施錠状態」とも略記)が維持される。
一対の遊技ブロック固定機構126は、払出ブロック122に固着された一対の払出ブロック側固定部材241(図30も参照)と、遊技ブロック123に設けられた一対の固定機構242(図41も参照)とを備えている。一対の払出ブロック側固定部材241の各々は、図30に示されるように、上下方向の中央側に向けて延出する被挟持部241Aと、被挟持部241Aに対して略垂直に屈曲して前方側に突出する位置補正部241Bとを含んでいる。一対の固定機構242の各々は、図41に示されるように、払出ブロック122に形成された固定壁部244と、遊技ブロック123に回動自在に軸支された可動挟持部材245とを含んでいる。可動挟持部材245は、軸支部245Aと、軸支部245Aの周縁において円周方向に突出する操作部245Bと、軸支部245Aから回動軸方向に沿って固定壁部244よりも後方側まで突出する接続部245Cと、接続部245Cの先端から回動軸と略垂直方向に突出する挟持部245Dとを含んでおり、一対の遊技ブロック固定機構126の各々によって払出ブロック122に対して遊技ブロック123の固定されている状態(以下「遊技ブロック123の固定状態」とも略記)において、固定壁部244が払出ブロック側固定部材241の位置補正部241Bに載置されており、挟持部245Dと固定壁部244とが被挟持部241Aを挟持している。可動挟持部材245を回転させる操作部245Bへの力の付与によって挟持部245Dが回転し、その回転に伴い挟持状態が解除される。更に挟持部245Dを回転させると、前後方向に対して挟持部245Dが払出ブロック側固定部材241を被覆しない状態へと移行する。これによって、払出ブロック122に対する遊技ブロック123の回転が可能な状態(以下「遊技ブロック123の固定解除状態」とも略記)となる。
払出ブロック122に対して遊技ブロック123が一対の遊技ブロック固定機構126を介して一体化されていない場合には、可動挟持部材245が前面ブロック121に衝突することとなり、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123を一体的に閉塞状態まで回転させることはできない。また、前面ブロック121に対して払出ブロック122及び遊技ブロック123が一対の払出ブロック施錠機構125を介して一体化されている場合には、可動挟持部材245が前面ブロック121の内部に配置されているために、一対の遊技ブロック固定機構126に対する操作ができず、払出ブロック122と遊技ブロック123との固定を解除することはできない。
遊技機本体120は、図9に示されたように、更に、払出ブロック122の閉塞状態において払出ブロック122から前面ブロック121への遊技球の移動を許容し、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放状態においてその移動を禁止するブロック間遊技球移動規制機構127(一部のみ図示)を備えている。ブロック間遊技球移動規制機構127は、払出ブロック122に形成され、遊技進行に応じて払い出された遊技球や貸し出された遊技球(以下、これらをまとめて「放出球」とも称す)を上貯留皿320(図1参照)へ誘導する上皿誘導通路502(図11及び図34参照)で払出ブロック122から前面ブロック121へのそれらの遊技球の移動を許容する移動許容状態とその移動を禁止する移動禁止状態との間で状態移行する上皿側球止め機構251(図11及び図33参照)と、払出ブロック122に形成され、放出球を下貯留皿330(図1参照)へ誘導する下皿誘導通路503(図11及び図33参照)における払出ブロック122から前面ブロック121への遊技球の移動を許容する移動許容状態とその移動を禁止する移動禁止状態との間で状態移行する下皿側球止め機構252(図12及び図33参照)と、前面ブロック121に形成され、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開閉動作に応じて上皿側球止め機構251の規制状態を変化させる上皿側規制変更部材253と、前面ブロック121に形成され、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開閉動作に応じて下皿側球止め機構252の規制状態を変化させる下皿側規制変更部材254とで構成されている。
ここで、ブロック間遊技球移動規制機構127について詳細に説明する。図11(A)及び図11(B)は、上皿側球止め機構及び上皿側規制変更部材の一例を表す図2におけるY1−Y1’矢視断面図である。図11(A)及び図11(B)は、それぞれ、払出ブロックが閉塞状態及び開放状態である場合を表している。図12(A)及び図12(B)は、それぞれ、下皿側球止め機構及び下皿側規制変更部材の一例を表す図2におけるY2−Y2’矢視断面図及びY3−Y3’矢視断面図である。図12(A)及び図12(B)は、それぞれ、払出ブロックが閉塞状態及び開放状態である場合を表している。なお、払出ブロック122の閉塞状態からその開放状態へは払出ブロック122の回転によって移行するが、図11(B)及び図12(B)において、説明の便宜のために、並進移動によって払出ブロック122と前面ブロック121とを離隔させる場合が示されている。この場合であってもブロック間遊技球移動規制機構127の動作は実質的に同一である。
上皿側球止め機構251は、図11(A)及び図11(B)に示されたように、移動禁止状態に対応する遊技球の流下を禁止する流下禁止位置と移動許容状態に対応する遊技球の流下許可する流下許容位置との間を並進移動自在である流下規制部材261と、流下規制部材261を流下禁止位置側に付勢する一対の付勢体262(一方のみ図示)と、流下規制部材261の移動を流下禁止位置側までに制限する移動制限体(図示せず)とを含んでいる。図11(A)に示されたような払出ブロック122の閉塞状態において、上皿側規制変更部材253が付勢体262からの付勢力に抗して流下規制部材261を押圧し、流下規制部材261が流下許容位置に維持される。これによって、上皿用流出口502Bに遊技球が通過できる空間が確保されて、遊技球の自由な流下が実現する。一方、図11(B)に示されたような払出ブロック122を所定の角度以上回転させた開放状態において、上皿側規制変更部材253が流下規制部材261から乖離し、流下規制部材261が付勢体262からの付勢力に基づいて流下禁止位置(流下許容位置よりも前面ブロック121側)に維持される。これによって上皿用流出口502Bが狭窄されて遊技球の流下が禁止される。下皿側球止め機構252は、遊技球の流下を禁止する流下禁止位置と遊技球の流下許可する流下許可位置との間を回転移動自在である流下規制部材266と、流下規制部材261を流下禁止位置側に付勢する一対の付勢体267(一方のみ図示)と、流下規制部材261の移動を流下禁止位置側までに制限する移動制限体(図示せず)とを含んでいる。前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉塞状態において、払出ブロック施錠機構125による施錠によって前面ブロック121と払出ブロック122の相対位置は固定されているために、下皿側規制変更部材254が付勢体267からの付勢力に抗して流下規制部材266を押圧し、流下規制部材266が流下許容位置に維持される。これによって、下皿用流出口503Bに遊技球が通過できる空間が確保されて、遊技球の自由な流下が実現する。このとき、付勢体267は、流下規制部材266及び下皿側規制変更部材254を介して、前面ブロック121に対して払出ブロック122を開放方向に回転させる回転力を付与している。一方、前面ブロック121に対して払出ブロック122を所定の角度以上回転させた開放状態において、下皿側規制変更部材254が流下規制部材261から乖離し、流下規制部材266が付勢体267からの付勢力に基づいて流下禁止位置に維持される。これによって下皿用流出口503Bが狭窄されて遊技球の流下が禁止される。
遊技機本体120は、図9及び図10に示されたように、更に、前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉塞状態における前面ブロック121に対する払出ブロック122の施錠の解除に応じたブロック間遊技球移動規制機構127の付勢体262,267からの付勢力に基づく前面ブロック121に対する払出ブロック122の回転を所定の微少角度に制限する自動開放制限機構128を備えている。図13(A)及び図13(B)は、自動開放制限機構の一例の近傍を拡大して示した斜視図である。図13(A)及び図13(B)は、それぞれ、払出ブロック122の閉塞状態及び開放状態を表している。自動開放制限機構128は、図13(A)及び図13(B)に示されたように、払出ブロック122に形成された係合丘部271と、払出ブロック122に形成され、係合丘部271よりも後方側に位置する陥没部272と、前面ブロック121に形成された係合爪部273とを含んでいる。係合爪部273の先端は、図13(A)に示されたように、払出ブロック122の施錠状態において陥没部272に配置されており、払出ブロック122の開錠に応じて係合丘部271に乗り上げる。これによって、払出ブロック122の開錠に応じたブロック間遊技球移動規制機構127を構成する2種類の一対の付勢体262,267に基づく払出ブロック122の回転が、係合爪部273と係合丘部271との間の摩擦力によって停止される。なお、自動開放制限機構128によって払出ブロック122の回転が停止されている半開放固定状態において、上皿側球止め機構251及び下皿側球止め機構252の各々は、移動禁止状態となっている。
払出ブロック122の前面ブロック121に対する施錠状態において、錠開閉操作機構150(図1参照)の鍵穴に所定の鍵が挿入され、その鍵によって所定の操作(払出ブロックの開錠操作)、本形態では基準位置(施錠位置)から反時計回りの90度の逆回転操作が行われると、外枠110に対する遊技機本体120の開錠の場合とは逆に可動軸体152及び可動片(図示せず)が回転する。可動片は回転に応じて前面ブロック側施錠部材233を下方側に移動させる。これによって、払出ブロック側施錠部材231が係合溝部233Aとから離脱し、払出ブロック122及び遊技ブロック123が一体的に前面ブロック121に対して所定の角度だけ回転して停止する。これは、上皿側球止め機構251の付勢体262及び下皿側球止め機構252の付勢体267からの付勢力に基づいて払出ブロック122が前面ブロック121に対して回転を開始するが、その後、自動開放制限機構128によってその回転が停止されるからである。自動開放制限機構128によって払出ブロック122の回転が停止された状態で鍵から手を離すと付勢体147による付勢力によって払出ブロック側施錠部材231は施錠位置に復帰しようとするが、所定の角度だけ既に回転しているために、払出ブロック側施錠部材231が前面ブロック側施錠部材233の先端部に当接し、一対の本体側施錠部材144は施錠位置に復帰しない。この半開放固定状態においては、錠開閉操作機構150への操作を伴わずに、払出ブロック122と前面ブロック121を離隔させる方向及び払出ブロック122と前面ブロック121を近接させる方向に、払出ブロック122を回転させることができる。一方、払出ブロック122の開放状態から閉塞状態へ移行させる場合には、払出ブロック122の開放状態において、払出ブロック122の開錠操作がなされていない状態で払出ブロック122を閉塞方向に回転させると一対の払出ブロック側施錠部材231と前面ブロック側施錠部材233とが当接してその閉塞方向の回転が阻止されるために、払出ブロック122を閉塞状態まで移行させるためには、一旦、払出ブロック122の開錠操作を行わなければならない。
前面ブロック121は、主に、入賞に伴い払い出された遊技球(以下「払出球」とも称す)や貸し出された遊技球(以下「貸与球」とも称す)を遊技者によって取り扱い可能な状態で貯留したり、単位遊技の開始条件となる所定の個数の遊技球を投入(以下「ベット」とも称す)したり、単位遊技を進行させるための遊技者による各種の入力を受け付けたり、遊技進行に伴う所定の遊技状態を報知したり、遊技進行に伴う視覚的及び聴覚的な演出を行ったりする。払出ブロック122は、主に、投入された遊技球の返却及び遊技者への遊技球の払い出しを行う。なお、払出ブロック122は、外部電力を取り込んで球式回胴遊技機100の各部へ内部電力を供給する。遊技ブロック123は、主に、単位遊技における当選役を決定する抽選や当選役に基づく単位遊技の結果の表示や当選役に基づく演出の報知等の遊技進行の包括的な管理を行う。なお、前面ブロック121及び払出ブロック122は球式回胴遊技機の種類に実質的に依存せず、また、遊技ブロック123は払出ブロック122に対して着脱自在に支持されているために、遊技ブロック123のみを取り替えること(一般的に、「面替え」と称される)によって他の遊技性を有する遊技機に変更ができる。以下において、前面ブロック121、払出ブロック122、遊技ブロック123についてブロック別に概ねこの順序で詳細に説明する。
なお、それらの説明に先立ち、説明の便宜上、遊技ブロック123における回胴ユニット710について簡単に説明する。遊技ブロック123は、図9に示されたように、左回胴810Lと、中回胴810Mと、右回胴810Rとを備えている。左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの各々の表面には複数種類の図柄が描かれており、単位遊技の開始時に左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが所定の方向に回転することによって図柄表示が変動し、その後、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが停止することによって遊技結果を表す図柄表示が確定される。
(前面ブロック)
前面ブロック121について説明する。図14及び図15は、それぞれ、前面ブロックの一例を表す正面側及び背面側の斜視図であり、図16及び図17は、それぞれ、前面ブロックの一例を表す正面側及び背面側の分解斜視図である。前面ブロック121は、図14〜図17に示されたように、基枠300と、基枠300に取着され、遊技ブロック123における遊技結果の表示や遊技進行に伴う演出等を透視できる透明性の遊技領域透視パネル301と、基枠300の前面側に取着された前面パネル枠310と、遊技球を貯留する上貯留皿320と、遊技球を貯留する下貯留皿330(図14及び図16のみ)と、遊技球の投入指示を入力するベット操作装置340(図14、図16及び図17のみ)と、上貯留皿320に貯留された遊技球を下貯留皿330へ移動させたり、一旦投入された遊技球を返却させたりするために操作される返却操作機構350(図14、図16及び図17のみ)と、ベット操作装置340への投入指示の入力に応じて上貯留皿320に貯留された遊技球を投入したり、返却操作機構350の操作に応じて上貯留皿320に貯留された遊技球を下貯留皿330に移動させたり、返却操作機構350の操作を検知して投入済の遊技球と同数の遊技球の返却を指示したりする投入装置360(図15及び図16のみ)と、単位遊技の開始指示を入力する単位遊技開始操作装置370(図14、図16及び図17のみ)と、遊技ブロック123における図柄変動の停止指示を入力する図柄変動停止装置380(図14、図16及び図17のみ)と、球式回胴遊技機100に隣接して設けられる球貸出制御ユニット(図示せず)と連動して遊技球の貸出指示を入力したり、貸し出し状況を表示したりする球貸出操作装置390と、遊技進行に伴う音響演出や遊技状態に応じた音響報知を行う下音響装置311、右上音響装置312及び左上音響装置313(図14、図16及び図17のみ)からなる音響装置群と、遊技進行に伴う発光演出や遊技状態に応じた発光報知を行う上発光装置314、右発光装置315(図14、図16及び図17のみ)及び左発光装置316からなる枠発光装置群と、遊技進行に伴う演出形態を変更する演出変更操作装置319(図14、図16及び図17のみ)とを備えている。
基枠300及び前面パネル枠310の各々は、前面ブロック121に設けられる各種の装置等を固定するための基礎となる枠体である。また、遊技機本体120の一部としての基枠300には、遊技機本体120(図4参照)と外枠110(図4参照)とを回動自在に支持固定する一対の本体支持機構130(図4参照)を構成する図15に示された一対の本体側固定部材132と、外枠110に対して遊技機本体120を施錠する本体施錠機構140を構成する図17に示された施錠機構142、施錠機構142(図17参照)を操作するための図14に示された錠開閉操作機構150と、外枠110に対する遊技機本体120の開閉状態を検出する本体開閉検出装置160(図5参照)の図15に示された可動部材162及び付勢体163と、外枠110に対する遊技機本体120の開閉を円滑化する開閉円滑化機構170(図3参照)の図15に示された内側ローラ171及び外側ローラ172と、外枠110(図9参照)に対する遊技機本体120(図9参照)の意図しない開放を抑制する図17に示された滑止部材180とが取着されている。以下において、図14及び図15を参照しながら前面ブロック121の具体的な構成について説明する。
遊技領域透視パネル301は、基枠300の窓部に後方側から挿入され、遊技領域透視パネル301の周縁において基枠300にネジ止めされている。遊技領域透視パネル301の背面側には遊技ブロック123(図4参照)が配置されており、遊技者は、遊技領域透視パネル301を通して遊技ブロック123で表示される各種の情報や演出を視認できる。
上貯留皿320は、遊技領域透視パネル301の下方において、前面パネル枠310を貫通してその一部が前面側に突出するように基枠300に取着されており、遊技球をベット用に貯留する。上貯留皿320には、遊技者が遊技球を直接に投入できると共に、払出球が自動的に流入する。なお、上貯留皿320は、返却操作機構350及び球貸出操作装置390と共に、それらが一体化された上皿ユニットを構成する。図18は上皿ユニットの一例を表す分解斜視図である。
上貯留皿320は、図18に示されたように、桶状部材321と、桶状部材321の後方側を覆う板状の被覆部材322と、遊技球の流下を一段に制限すると共に下方に配置される投入装置360(図15参照)を外部から遮蔽する遮蔽整流部材323(第1遮蔽整流部材323A及び第2遮蔽整流部材323B)と、桶状部材321から投入装置360への流下を規制する流下規制機構324とを備えている。桶状部材321には、一端に払出球や貸出球を流入させる流入口321Aが形成され、他端に桶状部材321に貯留されている遊技球を投入装置360へ流出させる流出口321B(図19参照)が形成されている。桶状部材321の底面は、流入口321A側から流出口321B側へ向けて緩やかに傾斜しており、遊技球が自重によって流入口321A側から流出口321B側へ向けて自動的に流下する。桶状部材321の下流側であって遮蔽整流部材323の下方には遊技球を3条(3列)に分配整列させる2つの整列突起325が取着されている。これによって、上貯留皿320には3条の流出通路321C(図19及び図21も参照)が形成される。また、桶状部材321の底面は、前方側から後方側へ向けて緩やかに傾斜しており、後方側の流出通路に優先的に遊技球が流入する。具体的には、前方側の第3条の流出通路321Cよりも中間の第2条の流出通路321Cへ流入し易く、第2条の流出通路321Cよりも後方側の第1条の流出通路321Cへ流入し易い。遮蔽整流部材323の下面にも整列突起(図示せず)が形成されており、遊技球の整列状態が維持される。遮蔽整流部材323の下面は3条の流出通路321Cの各々が下流側に向けて上下方向の幅が小さくなるように傾斜している。これによって、遊技球が積層状態で貯留されていたとしてもそれらが一段(一層)に規制される。したがって、上貯留皿320から投入装置360への遊技球の流入が円滑化される。
流下規制機構324は、上貯留皿320の桶状部材321から投入装置360への遊技球の流入を許容したり、禁止したりする。流下規制機構324は、操作部材327と、操作部材327を回動自在に支持する支持部材328と、操作部材327の回転操作に連動して移動する流下規制部材329とを備えている。操作部材327は、支持部材328によって回転自在に支持される回転軸部327Aと、回転軸部327Aの一端に延設された操作レバー部327Bと、回転軸部327Aから放射方向に突出し流下規制部材329を流入禁止位置へ移動させる3つの突起部327Cと、回転軸部327Aから放射方向に突出し流下規制部材329を流下許容位置へ移動させる3つの突起部327Dと、操作レバー部327Bの回転角度を制限する回転制限壁部327Eとを含んでいる。支持部材328は、操作部材327の回転軸部327Aを回動自在に支持する4つの軸受部328A〜328Dと、操作部材327の回転制限壁部327Eとの係合によって操作部材327の操作レバー部327Bの回転を制限する回転制限突起部328Eとを含んでいる。流下規制部材329は、突起部327Cとの係合によって流下規制部材329を流下禁止位置に移動させる動力受け部329Aと、突起部327Cとの係合によって流下規制部材329を流下許容位置に移動させる動力を受ける動力受け部329Bと、桶状部材321の流出口321Bへの突出又は流出口321Bから抜脱によって桶状部材321からの遊技球の流出を規制する3つの規制爪部329Cとを含んでいる。3つの規制爪部329Cは、それぞれ、桶状部材321における3つ流出通路321Cに対応して設けられている。
ここで、流下規制機構324の動作について詳細に説明する。図19及び図20は、それぞれ、流下規制機構324の流下許容状態及び流下禁止状態を表す断面図である。なお、図19及び図20には、説明の便宜のために投入装置360も表されている。規制爪部329Cは、図19に示された流下許容状態において、流出通路321Cの流出口321Bから遊技球が流出できる領域を確保するように配置されている。この流下許容状態において、操作部材327の操作レバー部327B(図18参照)を回転させると、その回転に応じて回転軸部327Aが回転し、突起部327Cが流下規制部材329の動力受け部329Aに当接する。更に、操作レバー部327Bを回転させると、突起部327Cが動力受け部329Aを押圧し、その押圧力によって流下規制部材329が移動する。これによって、流下規制部材329の規制爪部329Cが、図20に示されたように流出口321Bを狭窄し、流出口321Bから遊技球が流出できなくなる。逆に、図20に示された流下禁止状態において、操作部材327の操作レバー部327Bを逆回転させると、その回転に応じて回転軸部327Aが回転し、突起部327Dが流下規制部材329の動力受け部329Bに当接する。更に、操作レバー部327Bを回転させると、突起部327Dが動力受け部329Cを押圧し、その押圧力によって流下規制部材329が移動する。これによって、流下規制部材329の規制爪部329Cは、図19に示されたように流出口321Bから遊技球が流出できる空間を確保するように配置される。
ここで、基枠300への上貯留皿320の取り付けについて説明する。なお、上貯留皿320は、返却操作機構350及び球貸出操作装置390と共に、それらが一体化された上皿ユニットを構成し、上皿ユニットが基枠300に取り付けられることによって前面ブロック121に配設される。図21は上皿ユニットの一例を表す斜視図であり、図22(A)及び図22(B)は上皿ユニット(上貯留皿320)の装着過程の一例を表す斜視図である。図22(A)が上貯留皿320(上皿ユニット)の取り付け前を表し、図22(B)が上貯留皿320(上皿ユニット)の取り付け中を表している。なお、図22(A)及び図22(B)において、投入装置360が取着された状態で取り付けるかのように表されているが、正確には投入装置360を取着する前に取り付けられる。また、払出ブロック122及び遊技ブロック123が装着されていない場合が示されているがそれらの装着後においても上皿ユニットは着脱できる。
上貯留皿320の桶状部材321には、図21に示されたように、流入口321A側の外壁面から突出し、基枠300に連結される連結部326が形成されており、連結部326は、板状の固定壁部326Aと、固定壁部326Aよりも更に外方向に突出する脱落防止壁部326Bと、固定壁部326Aの上下方向の両端から突出する一対の回転軸部326C(一方のみ図示)とが形成されている。一方、基枠300には、図22(A)に示されたように、上貯留皿連結部材302が取着されており、上貯留皿連結部材302は、上貯留皿320の一対の回転軸部326Cが挿入される上下に一対の軸受部302A,302Bと、脱落防止壁部326Bの後方側に位置する脱落防止壁部302Cとを含んでいる。
図22(A)に示されたように上貯留皿320が基枠300と乖離している状態において、上貯留皿320の一対の回転軸部326Cが基枠300の一対の軸受部302A,302Bに挿入される。この状態から図22(B)に示されたように上貯留皿320を回転させると、固定壁部326Aが下側の軸受部302Bに乗り上げることによって一対の軸受部302A,302Bの間に配置され、また、上貯留皿320の脱落防止壁部326Bが基枠300の脱落防止壁部302Cと対向するようにその前方側に配置される。これによって、上貯留皿320は、並進移動によっては基枠300から離脱できないように回転自在に支持される。所定の位置まで更に回転させた状態において、上貯留皿320と基枠300とが所定の少なくとも1箇所でネジ止めされて固定される。このような構成とすることによって、ネジ止めにおいてネジ止め箇所の位置決めが実質的に不要となるために、ネジ止め箇所の位置決めを行いながら複数の箇所のネジ止めを行う場合に比べて上貯留皿320(上皿ユニット)の装着が簡便となり、スループットが向上する。また、演出変更操作装置319は遊技者によって連打されたり、必要以上の力で殴打されたりする場合があり寿命が他の操作装置に比べて短くなり易いが、上皿ユニット単位で取り外しできることによって、演出変更操作装置319を簡便に取り換えることもできる。
下貯留皿330は、図14に示されたように、その一部が前面側に突出するように前面パネル枠310に取着されており、上貯留皿320に貯留しきれない遊技球や球式回胴遊技機100の外部に排出する場合に一時的に遊技球を貯留する。下貯留皿330には、上貯留皿320が満杯である場合に払出球が流入し、また、返却操作機構350の操作に基づいて上貯留皿320に貯留されている遊技球が流入する。下貯留皿330は、放出球(払出球、貸出球)が流入する流入口331A、上貯留皿320に貯留されている遊技球が流入する返却口331B及び遊技球が流出する排出口331Cが形成された桶状部材331と、排出口331Cを開放する開放位置と排出口331Cを閉塞する閉塞位置との間で移動自在な板状の可動部材332と、可動部材332を移動させる操作レバー333と、可動部材332を閉塞位置側に付勢する付勢体(図示せず)とを備えている。図14において可動部材332が閉塞位置に位置し、排出口331が閉口状態である場合が示されており、この状態から操作レバー333を付勢体からの付勢力に抗して左方向へ移動させると、可動部材332が開放位置に移動し、排出口331が開口状態となる。一方、操作レバー333を右方向へ移動させた状態において、操作レバー333から手を離すと、可動部材は付勢体からの付勢力によって閉塞位置に自動的に復帰する。
ベット操作装置340は、前面パネル枠310における上貯留皿320の前方側に突出する部分に取着されている。ベット操作装置340は、単位ベット数(1ベット)に対応する所定の単位個数(例えば、5球)の遊技球をベットする最小ベット操作部340Aと、最大規定数の遊技球をベットする最大ベット操作部340Cとを備えている。ここで、最大規定数とは、単位遊技においてベットできる遊技球の最大数を意味し、通常遊技状態の単位遊技において5球、10球又は15球の遊技球をベット(1ベット、2ベット又は3ベット)できる場合には15球を意味し、特別遊技状態中の単位遊技等において5球の遊技球のみをベットできる場合には5球を意味する。
最小ベット操作部340Aは、前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作される単位ベットボタン(入力操作部)341Aと、単位ベットボタン341Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、単位ベットボタン341Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含む単位ベットスイッチ341(図46参照:ベットスイッチの一種)を備えている。同様に、最大ベット操作部340Cは、前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作される最大ベットボタン(入力操作部)343Aと、最大ベットボタン343Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、最大ベットボタン343Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含む最大ベットスイッチ343(図46参照:ベットスイッチの一種)を備えている。遊技者によるベット操作装置340の操作に応じて、ベット操作部の種類(最小ベット操作部340A又は最大ベット操作部340C)に応じたベット指示が入力される。具体的には、単位ベットボタン341A及び最大ベットボタン343Aの押圧操作に応じて、それぞれ、単位ベット指示(ベット指示の一種)及び最大ベット指示(ベット指示の一種)が入力される。単位ベットボタン341A及び最大ベットボタン343Aは、遊技者が手を離すと押圧が解除されて、付勢体からの付勢力に基づいて基準位置に自動復帰する。なお、このベット指示の入力に応じて、投入装置360がベット指示の種類や遊技状態の種類に応じた所定の個数の遊技球を投入することとなる。
最大ベット操作部340Cは、更に、最大ベットボタン343Aに裏面側に設けられた発光素子(図示せず)と発光素子の発光を制御する発光制御回路(図示せず)とを含む最大ベット発光装置344(図46参照)を備えている。最大ベット発光装置344は、最大ベットスイッチ343が有効に操作できる場合に、遊技者に最大ベットボタン343Aの操作を促すために点灯され、最大ベットスイッチ343が有効に操作できない場合には消灯される。最大ベットスイッチ343が有効に操作できる場合としては、例えば、遊技ブロック123(図9参照)における後述する左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810R(図9参照)による図柄表示の変動が行われていない状態において最大規定数の遊技球がベットされていない場合が挙げられ、最大ベットスイッチ343が有効に操作できない場合としては、例えば、図柄表示の変動が行われている場合や前回の単位遊技で再遊技役が入賞した場合が挙げられる。
返却操作機構350は、前面パネル枠310における上貯留皿320の前方側に突出する部分に配設されている。なお、返却操作機構350は、球貸出操作装置390と共に上貯留皿320に取着されて、それらが一体化された上皿ユニットを構成し、上皿ユニットが基枠300に取着されることによって所定の位置に配設される。返却操作機構350は、図18に示されたように、上貯留皿320の下側に配設される収納部材351と、収納部材351に立設された支軸351Aに軸支された回動自在な操作部材352と、収納部材351に立設された支軸351Bに軸支された回動自在な押圧部材353と、収納部材351を覆う蓋部材354と、収納部材351と操作部材352とを接続し操作部材352を所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを備えている。操作部材352は、支軸351Aに軸支された基部352Aと、基部352Aに延設されて前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作される返却操作部352Bと、押圧部材353の接続軸部353Bを摺動自在に把持する把持部352Cとを含んでいる。押圧部材353は、支軸351Bに軸支された基部353Aと、基部353Aの一方の先端から回転軸方向に突出して操作部材352の把持部352Cに摺動自在に接続される接続軸部353Bと、基部352Aの他方の先端から回転軸方向に突出して投入装置360(図23参照)の返却シャッタ364(図23参照)を押圧する押圧部353Cとを含んでいる。
返却操作部352Bに遊技者によって回転力が付与されると、操作部材352が支軸351Aを中心にして回転し、その回転に連動して押圧部材353が支軸351Bを中心にして回転する。押圧部材353の回転に応じて押圧部353Cが奥方側へ移動し、その移動に基づいて押圧部353Cが投入装置360の返却シャッタ364を押圧する。この押圧力によって返却シャッタ364が移動して、上貯留皿320に貯留されている遊技球が下貯留皿330に返却されることとなる。なお、返却シャッタ364の移動に伴う返却動作については、投入装置360の説明において詳細に説明することとし、ここでの説明は省略する。
球貸出操作装置390は、前面ブロック121における上貯留皿320の前方側に突出する部分に配設されている。球貸出操作装置390は、遊技球の貸し出し可能な状態であるか否か、また貸し出し可能な場合にはその貸し出しの上限を表示する度数表示部391と、遊技球の貸し出しを受ける場合に遊技者によって操作される球貸出操作部392と、球貸し出し用のカードを返却する場合に遊技者によって操作されるカード返却操作部393とを備えている。度数表示部391は、球式回胴遊技機100に隣接して遊技機固定設備(図示せず)に設けられるCRユニット(図示せず)に所定のカード(図示せず)を挿入することでそのカードに電気的に記憶されている残額に相当する度数を表示し、遊技球の貸し出しが可能であることと共に貸し出しの上限を報知する。例えば、度数表示部391は、カードの残額の1/100の値を度数として表示する。一方、CRユニットにカードが挿入されていない場合には、度数表示部391は、消灯した状態を維持することによって遊技球の貸し出しが可能でないことを報知する。球貸出操作部392は、上貯留皿320の上面側に突出し遊技者によって操作される球貸出ボタン(入力操作部)392Aと、球貸出ボタン392Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、球貸出ボタン392Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含むボタンスイッチ(図示せず)である。遊技者による球貸出ボタン392Aの球貸出操作に応じて払出制御装置580(図31参照)の払出制御基板581(図46参照)に球貸出指示が入力されて、払出装置540から遊技球が貸し出されることとなる。カード返却操作部393は、上貯留皿320の上面側に突出し遊技者によって操作されるカード返却ボタン(入力操作部)393Aと、球貸出ボタン393Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、カード返却ボタン393Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含むボタンスイッチ(図示せず)である。遊技者によるカード返却操作部393の操作に応じてカード返却指示がCRユニットに入力され、CRユニットからカードが返却されることとなる。
投入装置360は、上貯留皿320及び投入装置360に貯留されている遊技球をベット操作装置340(図14参照)の操作に応じて所定数だけ投入したり、返却操作機構350の操作に応じて下貯留皿330に返却したり、返却操作機構350の操作に応じて既に投入(ベット)されている遊技球の払い戻しを指示したりする。図23は、投入装置の一例を表す斜視図であり、図24は、投入装置の一例を表す部分分解斜視図である。
投入装置360は、図23及び図24に示されたように、上貯留皿320の3つの流出通路321C(図18及び図21参照)に1つずつ対応した第1条の投入部361、第2条の投入部362及び第3条の投入部363と、第1条の投入部361〜第3条の投入部363に摺動自在に貫設され、上貯留皿320(図14参照)から下貯留皿330(図14参照)への遊技球の流下を規制する返却シャッタ364と、返却シャッタ364の一端を覆うカバー部材365と、カバー部材365の中空突出部365Aの内部に配置され返却シャッタ364を所定の基準位置に復帰させる方向に付勢する付勢体366(図24のみ)と、返却シャッタ364の基準位置からの移動を検知する返却スイッチ367と、主制御装置750(図40参照)の主制御基板751(図46参照)と投入装置360との間の電気信号の伝達や電力の供給を中継する投入系信号中継装置368と、投入系信号中継装置368を被覆するカバー部材369とを備えている。投入装置360は、投入すべき遊技球を第1条の投入部361〜第3条の投入部363の3つの投入系統で協同して投入する。
第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々は、図24に示されたように、第1ケーシング部材411と第2ケーシング部材412とで構成されるケーシングを備えている。第1条の投入部361及び第2条の投入部362の第1ケーシング部材411が、それぞれ、第2条の投入部362及び第3条の投入部363の第2ケーシング部材412に取り付けられることによって、第1条の投入部361、第2条の投入部362及び第3条の投入部363は、一体的に連接されている。第1条の投入部361、第2条の投入部362及び第3条の投入部363の各々のケーシングには、遊技球の通り道となる球通路420や各種の部材が配置される空間が形成される。球通路420は、投入装置360の上面側において上貯留皿320から流出してきた遊技球が載置される緩やかに傾斜した樋状の待機通路421と、待機通路421の下流側において待機通路421に対して屈曲して下方側(略鉛直方向)に延びる投入通路422と、待機通路421の下流側において斜め下方側に延びて払出通路を越えた後に屈曲して下方側に延びる返却通路423とで構成されている。第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々は、第1ケーシング部材411と第2ケーシング部材412とが組み付けられたケーシングに配設され、待機通路421から投入通路422への遊技球の流下を禁止する投入禁止状態とその流下を許容する投入許容状態との間で状態移行自在な投入フリッカ440と、ケーシングに配設され、投入フリッカ440による投入規制状態を変更する投入ソレノイド430と、ケーシングに配設され、投入通路422へ流入した遊技球を検出する通過センサ450と、ケーシングに配設され、通過センサ450より下流側において投入通路422を流下する遊技球を検出するカウントセンサ460とを備えている。
返却シャッタ364は、図24に示されたように、第1条の投入部361〜第3条の投入部363にわたって摺動自在に挿通され(図23も参照)、第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々における待機通路421から返却通路422への遊技球の流下を一斉に禁止する返却禁止状態とその流下を一斉に許容する返却許容状態との間で状態移行自在である。返却シャッタ364には、第1条の投入部361〜第3条の投入部363における3つの球通路420に1つずつ対応付けられた3つの返却遮断壁364Aと、3つの球通路420に1つずつ対応付けられた3つの返却窓孔364Bと、3つの返却窓孔464Aの各々の下部において待機通路421側へ延在し、待機通路421から各窓孔364Bに遊技球を案内する3つの誘導片364Cと、第3条の投入部363より外方向に突出し、返却操作機構350の押圧部材353に当接する被押圧部364Dと、付勢体366に当接する被付勢部364Eと、返却スイッチ367を作動させる作動片364Fとが形成されている。第1条の投入部361〜第3条の投入部363の各々において、返却シャッタ364が返却禁止状態である場合には、返却遮断壁364Aの少なくとも一部が球通路420の内側に配置されて待機通路421から返却通路423への遊技球の流入を禁止している。一方、返却シャッタ364が返却許容状態である場合には、返却遮断壁364Aが球通路420の外側に配置されると共に返却窓孔364B及び誘導片364Cが球通路420の内側に配置されて待機通路421から返却通路423への遊技球の流入を許容する。なお、返却シャッタ364は、返却許容状態において付勢体366から付勢力を受けており、返却操作機構350の操作解除に応じて返却禁止状態へ自動的に復帰する。
返却スイッチ367は、図24に示されたように、返却シャッタ364の移動を検出し、返却シャッタ364の移動の検出状態に基づいて検出状態に応じた信号を、投入系信号中継装置368を介して主制御装置750(図41参照)の主制御基板751(図46参照)に出力する。主制御基板751は、返却スイッチ367からの信号に基づいて、ベット操作装置340(図14参照)の操作の受付を不能にし、投入動作中である場合にはその投入動作を中断する。更に、既に投入済の遊技球が存在する場合には、主制御基板751は払出制御装置580(図31参照)の払出制御基板581(図46参照)に返却指示を出力し、払出制御装置581は返却指示に応じて投入済の遊技球と同数の遊技球を払出装置540(図31参照)から返却させる。
第1条の投入部361〜第3条の投入部363について詳細に説明する。なお、第1条の投入部361〜第3条の投入部の構成は実質的に同一であるために、第1条の投入部361について説明し、第2条の投入部362及び第3条の投入部363についての詳細な説明を省略する。なお、第1条の投入部361〜第3条の投入部363の内部構造について互いの投入部を特に識別する必要がある場合には第1条、第2条及び第3条との接頭辞を付加して識別することとする。図25は、投入装置の一例を背面側から見た横断面図である。図25には、説明の便宜のために返却操作機構350も示されている。図26及び図27は、投入装置の一例を表す縦断面図であり、図26が投入動作をしていない場合を表し、図27が投入動作をしている場合を表している。
投入ソレノイド430は、図26に示されたように、固定筒(図示せず)及び固定筒の周縁に固定筒を中心にして配置された励磁コイル(図示せず)を含むソレノイド本体431と、ソレノイド本体431の固定筒に摺動自在に挿入されたプランジャ(可動磁性芯)432と、プランジャ432をソレノイド本体431から離隔させる方向に付勢する付勢体433(例えば、コイルバネ)と、プランジャ432の先端部に取着され、投入フリッカ440に接続される動力伝達部材434とを備えている。プランジャ432は、ソレノイド本体430の励磁コイルに電流が印加されると磁気吸着によってコイルバネ433からの付勢力に抗してソレノイド本体431に近接するように移動し、励磁コイルの電流が遮断されると付勢体433からの付勢力に基づいてソレノイド本体431から離隔するように反対側に移動する。このとき、動力伝達部材434もプランジャ432の動きに追従して移動する。
投入フリッカ440は、第1ケーシング部材411及び第2ケーシング部材412によって固定される支軸441と、支軸443に回動自在に軸支され、投入ソレノイド430の動力伝達部材434に接続される基端部材442と第1ケーシング部材411及び第2ケーシング部材412によって固定される支軸443と、支軸441に回動自在に軸支された先端部材444とを備えている。基端部材442の一端に形成されている二股上に突出する把持部442Aによって投入ソレノイド430の動力伝達部材434に形成されている舌片434Aが把持されており、基端部材442は、プランジャ432の移動に連動して支軸441を中心にして回動する。また、基端部材444において把持部442Aの形成側と異なる一端に形成されている可動連結軸(図示せず)が先端部材444の一端に形成された軸受孔(図示せず)に遊挿されており、先端部材444は、基端部材442の回動に連動して支軸443を中心にして回動する。
第1条の投入部361における投入動作について説明する。第1条の投入部361が投入動作をしていない場合には、図26に示されたように、投入ソレノイド430は、励磁コイルが励磁されておらずプランジャ432がソレノイド本体431から離隔する所定の非作動位置に配置されている非作動状態であり、また、投入フリッカ440は、先端部材444において軸受孔の形成側と異なる一端に形成された尖塔形状の規制部444Bの一部が球通路420の内側に配置され、待機通路421から投入通路422への流入が禁止されている投入禁止状態である。なお、投入フリッカ440は、主制御装置750(図40参照)の主制御基板751(図46参照)からの投入制御信号のオン状態への移行に基づいて励磁コイルに電流が印加されて投入ソレノイド430が作動すると、励磁コイルの励磁に応じて、付勢体433からの付勢力に抗してプランジャ432が上方(ソレノイド本体431側)へ並進移動する。このプランジャ432の移動に基づいて動力伝達部材434も上方へ並進移動し、動力伝達部材434に接続された基端部材442が支軸441を中心に回転(図中においては反時計回りに回転)し、また、基端部材442の回転に基づいて先端部材444が支軸443を中心に基端部材442と反対方向に回転(図中においては時計回りに回転)する。これによって、先端部材444の回転に応じて規制部444Bが球通路420から抜脱される方向に移動する。プランジャ432の並進移動が完了して所定の作動位置に配置されると、図27に示されたように、投入フリッカ440は、先端部材444の規制部444Bが球通路420の外側に配置され、待機通路421から投入通路422への流入が許容されている流入許容状態となる。なお、プランジャ432は流入許容状態において付勢体433から非作動位置に復帰させる方向の付勢力を受けている。流入許容状態においては、待機通路421に配置されていた遊技球が自重によって順次に投入通路422に流入する。
逆に、主制御基板751からの投入制御信号のオフ状態への移行に基づいて励磁コイルへの電流が遮断されて投入ソレノイド430の作動が停止すると、励磁コイルが消磁されて、付勢体433からの付勢力によってプランジャ432が下方へ並進移動する。このプランジャ432の移動に基づいて動力伝達部材434が下方へ並進移動し、基端部材442が支軸441を中心に回転(図中においては時計回りに回転)し、また、基端部材442の回転に基づいて先端部材444が支軸443を中心に基端部材442と反対方向に回転(図中においては反時計回りに回転)する。これによって、先端部材444の回転に応じて規制部444Bが球通路420に挿入される方向に移動する。プランジャ432の並進移動が完了して所定の非作動位置に配置されると、図26に示されたように、投入フリッカ440は、先端部材444の規制部444Bが球通路420の外側に配置された流入禁止状態となる。
通過センサ450は、投入通路322において投入フリッカ440の先端部444Bのすぐ下流側に配置され、投入通路322に流入した遊技球を検出する。通過センサ450は、投入フリッカ440の先端部材442の一部を取り囲む横断面略コ字形状であり、上流側センサ451と上流側センサ451よりも下流側に配設された下流側センサ452とを備えている。上流側センサ451と下流側センサ452とは、遊技球1個分の直径よりも短い所定の間隔を隔てて設けられている。上流側センサ451及び下流側センサ452の各々は、投入フリッカ440よりも前面側又は背面側のいずれか一方側に配設された発光素子(図示せず)と他方側に配設された受光素子(図示せず)とを含んでおり、受光素子における発光素子からの検査光の受光状態の変化で遊技球を検出する。上流側センサ451及び下流側センサ452は、遊技球の検出状態に基づいて検出状態に応じた信号を、投入系信号中継装置368を介して主制御基板751に出力する。
上流側センサ451及び下流側センサ452の双方が遊技球を検出していない状態から、上流側センサ451のみが遊技球を検出している状態、上流側センサ451及び下流側センサ452が同時に遊技球を検出している状態、下流側センサ452のみが遊技球を検知している状態をこの順序経て上流側センサ451及び下流側センサ452の双方が遊技球を検出していない状態に戻る場合であって、それらの状態移行が所定の通過許容時間内に行われたときは、主制御基板751において、上流側センサ451及び下流側センサ452から出力される信号の変化パターンに基づいて1球の遊技球が正常に投入されたと判定される。また、通過センサ450による遊技球の検出に基づいて、主制御装置750の主制御基板751において投入動作を停止させるための投入ソレノイド430の制御が実行される。具体的には、通過センサ450による遊技球の検出に基づいて、正常に投入された遊技球の個数が第1条の投入部361で投入すべき個数よりも1つ少ない状態において上流側センサ451が遊技球を検出した場合に、投入ソレノイド430の作動が停止され、投入フリッカ440が投入禁止状態に移行する。なお、下流側センサ452のみが遊技球を検知した状態から上流側センサ451及び下流側センサ452の双方が同時に遊技球を検知している状態に変化した場合等のように遊技球が正常には投入されなかったと判定された場合には、投入エラーの発生を報知装置群及び音響装置群が報知すると共に遊技進行が停止される。これによって、不正具を用いてあたかも遊技球が投入されたかのようにする不正行為によって遊技が行われることを抑制できる。
カウントセンサ460は、第1条の投入部361〜第3条の投入部363によって投入された遊技球の個数を通過センサ450とは別個に検出し、遊技球の検出状態に基づいて検出状態に応じた信号を、投入系信号中継装置368を介して主制御装置750の主制御基板751に出力する。カウントセンサ460における遊技球の検出に基づいて計数された投入済個数が通過センサ450における遊技球の検出に基づいて正常な投入と判定された遊技球の個数未満である場合には、投入数エラーと判断されることとなり、投入数エラーの発生を報知装置群及び音響装置群が報知すると共に遊技進行が停止される。これにより不正具を用いてあたかも遊技球が投入されたかのようにする不正行為によって遊技が行われることを更に良好に抑制できる。また、カウントセンサ460は、通過センサ450とは異なる作用によって遊技球の通過を検出する。具体的には、通過センサ450は光学センサであるが、カウントセンサ460は磁気センサである。これによって、カウントセンサ460を通過したものが鉄材料であるか否かも判定できることとなり、正規の鉄製の遊技球と異なる安価な樹脂製の遊技球等を投入する不正行為によって遊技が行われることも抑制できる。
ここで、返却操作機構350の操作に基づく投入装置360の返却動作について説明する。図28及び図29は、それぞれ、投入装置の一例を返却状態によって表す横断面図及び縦断面図である。返却操作機構350が操作されていない場合には、図25及び図26に示されたように、返却シャッタ364は基準位置にあり、第1条の投入部361〜第3条の投入部363(図25においては第1条の投入部361のみ図示)において、返却シャッタ364の返却遮断壁部364Aの一部が球通路420の内側に突出し、第1条の投入部361〜第3の投入部363の全てにおいて待機通路421から返却通路423への遊技球の流入が禁止されている。返却操作機構350の操作部材352における返却操作部352Bが返却操作(図中において時計回りの回転操作)されると、付勢体354からの付勢力に抗して操作部材352が支軸351Aを中心にして回転(図中において時計回りの回転)し、操作部材352の回転に基づいて押圧部材353が操作部材352と反対方向に回転(図中において反時計回りの回転)する。押圧部材353の回転に応じて押圧部353Cが返却シャッタ364の被押圧部364Dを押圧し、返却シャッタ364が所定の基準位置から並進移動(図中において下方移動)する。この返却シャッタ364の移動に応じて、第1条の投入部361〜第3条の投入部363において、返却シャッタ364の返却遮断壁364Aが球通路420の外側に移動すると共に返却窓孔364B及び誘導片364Cが球通路420の内側に移動する。これによって、図29に示されたように、返却遮断壁364Aが球通路420の外側に配置されると共に返却窓孔364B及び誘導片364Cが球通路420の内側に配置されて、待機通路421から返却通路423への遊技球の流入が許容され、待機通路421及び上貯留皿320(図14及び図19参照)に貯留されている遊技球が返却通路423を経て下貯留皿330(図14参照)へ移動する。なお、返却スイッチ367は、返却シャッタ364が基準位置から移動を開始した直後に、その移動を検出する。この返却許可状態において返却操作部352Aから手を離すと、操作部材352及び押圧部材353は付勢体からの付勢力に基づいて、また、返却シャッタ364は付勢体367の付勢力に基づいて、図28に示された状態に戻る。
単位遊技開始操作装置370は、図14に示されたように、前面パネル枠310における上貯留皿320の前方側に突出する部分に取着されている。単位遊技開始操作装置370は、前面パネル枠310の前面側に突出し遊技者によって操作されるスタートレバー(入力操作部)371Aと、スタートレバー371Aの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、スタートレバー371Aを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含むスタートスイッチ371を備えている。遊技者による単位遊技開始操作装置370の単位遊技開始操作、具体的にはスタートレバー371Aの押圧操作に応じて、主制御装置750(図40参照)の主制御基板751(図46参照)に単位遊技開始指示が入力される。スタートレバー371Aは、遊技者が手を離すと押圧が解除されて、付勢体からの付勢力に基づいて基準位置に自動的に復帰する。この単位遊技開始指示の入力に応じて、各種の役から当選役(ハズレ役を含む)が決定され、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810R(図9参照)による図柄表示の変動が開始されることとなる。
単位遊技開始操作装置370は、更に、スタートスイッチ371が有効に操作できることを報知する発光装置372(図46参照)を備えており、発光装置372は、スタートスイッチ371が有効に操作できる場合に点灯し、一方、スタートスイッチ371が有効に操作できない場合には消灯する。なお、スタートスイッチ371が有効に操作できる場合として、例えば、図柄表示の変動が行われておらず、少なくとも最小規定数以上の遊技球がベットされた場合が挙げられる。ここで、最小規定数とは、単位遊技においてベットできる遊技球の最小数を意味し、通常遊技状態の単位遊技において5球、10球又は15球の遊技球をベット(1ベット、2ベット又は3ベット)できる場合には5球を意味し、特別遊技状態中の単位遊技等において5球の遊技球のみをベットできる場合には5球を意味する。なお、単位遊技においてベットできる個数に選択の幅がない場合には、最小規定数と最大規定数とは同一の値となる。
図柄変動停止操作装置380は、前面ブロック121における上貯留皿320の前方側に突出する部分に配設されている。図柄変動停止操作装置380は、左回胴810Lの回転を停止させるために左回胴停止指示を入力する左回胴停止操作部380Lと、中回胴810M(図9参照)の回転を停止させるために中回胴停止指示を入力する中回胴停止操作部380Mと、右回胴810Rの回転を停止させるために右回胴停止指示を入力する右回胴停止操作部380Rとを備えている。左回胴停止操作部380Lは、上貯留皿320の前面側に突出し遊技者によって操作される左回胴停止ボタン(入力操作部)381Lと、左回胴停止ボタン381Lの操作を検出する操作検出器(図示せず)と、左回胴停止ボタン381Lを所定の基準位置に復帰させる付勢体(図示せず)とを含む左回胴停止スイッチ384L(図46参照:回胴停止スイッチの一種)を備えている。左回胴停止操作部380Lは、更に、左回胴停止スイッチ381Lが有効に操作できることを報知する発光装置385L(図46参照)を備えている。発光装置385Lは、左回胴停止スイッチ384Lが有効に操作できる場合に点灯しており、左回胴停止スイッチ384Lが有効に操作できる場合に消灯している。左回胴停止スイッチ384Lが有効に操作できる場合としては、前回の単位遊技から所定の時間が経過し、左回胴810Lが定常回転している場合が挙げられる。なお、中回胴停止操作部380Mや右回胴停止操作部380Rが操作中である場合はこの限りではない。左回胴停止操作部380Lの場合と同様に、中回胴停止操作部380Mは、中回胴停止ボタン381M、操作検出器(図示せず)及び付勢体(図示せず)とを含む中回胴停止スイッチ384M(図46参照:回胴停止スイッチの一種)と発光装置385M(図46参照)とを備え、右回胴停止操作部380Rは、右回胴停止ボタン381R、操作検出器(図示せず)及び付勢体(図示せず)とを含む右回胴停止スイッチ384R(図46参照:回胴停止スイッチの一種)と発光装置385R(図46参照)とを備えている。
遊技者による左回胴停止スイッチ384Lへの停止入力操作、具体的には、左回胴停止ボタン381Lの押圧操作に応じて、左回胴810Lの回転が停止することとなる。なお、遊技者が左回胴停止ボタン381Lから手を離す等によって押圧操作が解除されると、左回胴停止ボタン381Lは自動的に所定の基準位置に復帰して、次回の押圧操作を受け付ける状態となる。同様に、中回胴停止スイッチ384M及び右回胴停止スイッチ384Rへの停止入力操作への停止入力操作に応じて、それぞれ、中回胴810M及び右回胴810Rの回転が停止することとなる。したがって、左回胴停止スイッチ384L、中回胴停止スイッチ384M又は右回胴停止スイッチ384Rが操作されるごとに左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rによる図柄表示の変動が部分的に停止され、左回胴停止スイッチ384L、中回胴停止スイッチ384M及び右回胴停止スイッチ384Rの全てが操作された場合にその図柄表示の変動が完全に停止する。
音響装置群を構成する下音響装置311、右上音響装置312及び左上音響装置313の各々は、エラー報知や遊技進行に伴う演出等において単純機械音や音声や音楽を出力する。下音響装置311は、図16及び図17に示されたように、基枠300に取着されたスピーカ311Aと、前面パネル枠310に形成され多数の音響出力口が形成され、スピーカの前面を覆うスピーカカバー部311Aとを備えている。右上音響装置312及び左上音響装置313の各々は、前面パネル枠310に固着されたスピーカ312A,313A(図17のみ)とスピーカカバー部312B,313B(図16のみ)とを備えている。
枠発光装置群を構成する上発光装置314、右発光装置315及び左発光装置316の各々は、図16及び図17に示されたように、前面パネル枠310に固着された発光ダイオード(LED)等の発光素子(図示せず)が搭載された回路基板314A,315A,316A(図17のみ)と、前面パネル枠310に固着された発光素子カバー314B,315B,316Bとを備えている。上発光装置314、右発光装置315及び左発光装置316の各々は、エラー報知や遊技進行に伴う演出等において、点灯したり、消灯したり、点滅したりする。
(払出ブロックの構成)
払出ブロック122について説明する。図30及び図31は、払出ブロックの一例を表す前面側及び背面側の斜視図であり、図32は、払出ブロックの一例を表す部分分解斜視図である。また、図33及び図34は、払出ブロックの一例を表す正面図及び背面図である。なお、図34においては、一部の部材を取り除いた状態が示されている。
払出ブロック122は、図30〜図33に示されたように、払出ブロック122に配置される各種の装置等を固定する基体になる払出ブロック基体500と、払出ブロック基体500に取着され、遊技機固定設備(図示せず)から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側において払出ブロック基体500に取着され、積層貯留されている遊技球を4条に整流させると共に1段に整列させるタンクレール520と、タンクレール520の下流側において払出ブロック基体500に取着され、タンクレール520から流入した遊技球を誘導するケースレール530と、ケースレール530の下流側において払出ブロック基体500に取着され、遊技進行に伴う入賞に基づく遊技球の払い出しや球貸出要求に基づいて遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出ブロック基体500に取着され、払出装置540から流出した遊技球を払出ブロック基体500に形成された所定の各種の誘導通路に誘導する誘導部材550と、払出ブロック基体500に取着され、遊技機の内部電源を制御する電源制御装置570と、電源制御装置570に積層され、遊技球の払出動作を制御する払出制御装置580と、球式回胴遊技機100をCRユニット(図示せず)に接続するためのCRユニット接続装置590とを備えている。なお、上述のように、払出ブロック122の一部としての払出ブロック基体500には、払出ブロック122(図9及び図10参照)を前面ブロック121(図9及び図10参照)に対して回動自在に支持固定する一対のブロック支持機構124(図9及び図10参照)の図31に示された払出ブロック側支持部材212と、払出ブロック122(図9及び図10参照)を前面ブロック121(図9及び図10参照)に対して施錠する払出ブロック施錠機構125の図30に示された一対の払出ブロック側施錠部材231と、払出ブロック122に対して遊技ブロック123を固定すると一対の遊技ブロック固定機構126(図10参照)の図30に示された払出ブロック側固定部材241と、払出ブロック122から前面ブロック121への遊技球の移動を規制するブロック間遊技球移動規制機構127(図10参照)の図33に示された上皿側球止め機構251及び下皿側球止め機構252と、前面ブロック121に対する払出ブロック122の自動開放を制限する自動開放制限機構128(図13参照)の図33に示された係合丘部271及び陥没部272とが設けられている。
払出ブロック基体500には、その中央に背面側へ張り出して遊技ブロック123(図40及び図41参照)を被包する保護カバー部501が形成され、保護カバー部501の上部及び一側部を取り囲むように、遊技球タンク510、タンクレール520、ケースレール530、払出装置540、CRユニット接続装置590、払出制御装置560及び電源制御装置550が配設されている。また、払出ブロック基体500には、図34に示されたように、払出装置540から流出した遊技球を上貯留皿320(図14参照)へ案内する上皿誘導通路502と、払出装置540から遊技球を下貯留皿330(図14参照)へ案内する下皿誘導通路503と、遊技球を球式回胴遊技機100の外部へ排出する排出通路504が形成されている。上皿誘導通路502の流入口502Aから流入した遊技球は、上皿用流出口502B(図33参照)から流出して上貯留皿320の流入口320A(図15参照)に流入する。また、下皿誘導通路503の流入口503Aから流入した遊技球は、下皿用流出口503B(図33参照)から流出して下貯留皿330の流入口331A(図15参照)に流入する。
下皿誘導通路503には、球溢れ検出スイッチ509が設けられている。図35は、球溢れ検出スイッチの近傍の一例を表す背面図であって、図35(A)が正常状態を表し、図35(B)が球溢れ状態を表している。球溢れ検出スイッチ509は、図35(A)及び図35(B)に示されたように、作動部509Aと作動検出部509Bとを備えている。図35(A)に示された正常状態から下貯留皿330へ遊技球が流入して下貯留皿330(図14参照)が満杯となり、下皿誘導通路503における遊技球の貯留数が増加すると作動部509Aが作動検出部509Bの方向に押圧される。この押圧が所定の圧力を超えると、図35(B)に示されたように、作動検出部509Bが作動部509Aの移動を検出し、球溢れ検出スイッチ509がオン状態となる。そのオン状態が所定の時間にわたり継続した場合には球溢れエラーと判断され、払出装置540(図31参照)による払い出しの実行が一時中止されることとなる。一方、下貯留皿330の操作レバー333(図14参照)が操作されて下貯留皿330に貯留されている遊技球が減少すると、作動部509Aへの押圧力が低下し、その押圧力が所定の圧力を下回ると球溢れ検出スイッチ509がオフ状態となる。そのオフ状態が所定の時間にわたり継続した場合には球溢れエラーが解除され、払出装置540(図31参照)による払い出しの実行が再開されることとなる。
遊技球タンク510は、図30〜図33に示されたように、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端から遊技機固定設備の球循環装置から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端の底面には開口510Aが形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口510A側に自重によって移動する。また、長手方向と直交する方向(前後方向)に対して更に穏やかに傾斜し、前方側(払出ブロック基体500への取り付け面側)に優位に遊技球を誘導する。球循環装置(図示せず)は、遊技球を遊技球タンク510の前方側の端部近傍における上方から供給し、遊技球タンク510が満杯になると自動的に停止する構成であることが一般的であるために、遊技球タンク510において遊技球を前方側に優位に誘導することによって、前後方向に傾斜を持たせない場合と比較的して遊技球タンク510に多少の余裕がある状態で球循環装置からの遊技球の供給が停止させることができ、後述するタンクレール520における遊技球の整流整列における球詰まりの発生が抑制される。また、遊技球タンク510には、球循環装置から遊技球の供給される一端から中央近傍にかけて少なくとも底部を覆う帯電防止板511が取着されており、帯電防止板511は接地電位に接続されている。球循環装置から供給される遊技球は、遊技球の磨きやその搬送過程において静電気を帯び易く、また、一般的な球式回胴遊技機においては、遊技球の循環サイクルが弾球遊技機に比べて早いために静電気が蓄積され易いが、帯電防止板511を設けた場合には、帯電した遊技球が供給されたとしても最前段で静電気を除去できる。これによって、球式回胴遊技機100に静電気が蓄積されて、その蓄積された静電気が遊技者に放出されたり、その静電気によって各種の制御装置が誤作動したりすることを防止できる。
タンクレール520は、図31、図32及び図34に示されたように、遊技球タンク510の下方に取り付けられ、タンクレール520には遊技球タンク510の開口510Aを通して遊技球が流入する。タンクレール520は、仕切り片(図示せず)によって仕切られた4列(4条)の樋状通路(図示せず)を形成する桶状部材521と、桶状部材511に軸止された固定軸522と、固定軸512に回動自在に軸支され球詰まりを防止させながら4条に整流させると共に1段に整列させる一対の整流部材523と、整列した遊技球を誘導する誘導部材524と、タンクレール520からケースレール530への遊技球の流下を規制する流下規制機構525とを備えている。各樋状通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510から流入した側と長手方向の反対側へ遊技球を誘導する。整流部材523は固定軸522を中心軸として遊技球との接触によって振り子のように動作する。誘導部材524には4条の流出口(図示せず)形成されており、その流出口から遊技球が流出することを流下規制機構525の操作部525Aの操作によって禁止したり許容したりできる。
ケースレール530は、保護カバー部501の一側面部に沿うように縦向きに配置されており、タンクレール520から遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって前後左右に湾曲する4条の球通路530A(図34参照)が形成されている。また、球通路530Aの上流側には、球切れ検出スイッチ531が取着されている。球切れ検出スイッチ531は、ケースレール530の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール530よりも上流側で球詰りが発生してケースレール530に遊技球が補給されていない場合や次回の払出において最大個数の払出が完了できない場合を検出する。ここで、球切れ検出スイッチ531について詳細に説明する。図36(A)及び図36(B)は、球切れ検出スイッチの近傍の一例を表す縦断面図であって、図36(A)が球有り状態を表し、図36(B)が球無し状態を表している。
球切れ検出スイッチ531は、図36(A)に示されたように、ケースレールに軸止された支軸532と、支軸532に回動自在に軸支された作動片533と、作動片533の作動を検出する検出部534とで構成される。作動片533には、支軸532から半径方向下方に延びてケースレール530内の球通路530Aを閉塞可能な板状の揺動部533Aと、支軸532よりも上方でかつ支軸532よりも一方側に偏った偏心部533Bと、偏心部533Bから一方側に突出し検出部534を感応させる感応部533Cが形成されている。検出部534は、作動片533の一方側に設置され、作動片533の回転に応じた感応部533Cの移動を検出する。
図36(A)に示されたようにケースレール530内に十分に遊技球が補給されている場合は、揺動部533Aが遊技球によって押されてほぼ鉛直下向きになり、球通路530Aの側壁となる。この場合には、感応部533Cが検出部534から離間しており、検出部534によって感応部533Cは検出されない。一方、ケースレール530の上流側で球詰りが発生している場合等、ケースレール530に遊技球が補給されない場合には、図36(B)に示されたように、ケースレール530内の遊技球が不足する。この場合、偏心部533Bと感応部533Cの自重で作動片533が回転し、揺動部533Aにて球通路530Aが閉塞される。このとき、感応部533Cが検出部534にて検出される。この球切れ検出スイッチ530の検出結果に基づき、所定の時間にわたり球無し状態が継続したと判断された場合には球切れエラーが発光装置群によって報知される。一方、ケースレール530の上流側での球詰りが解消されると、遊技球がケースレール530に流れ込み揺動部533Aが押圧されて、検出部534によって感応部533Cが検出されない正常な状態に戻る。この球切れ検出スイッチ530の検出結果に基づき、所定の時間にわたり球有り状態が継続したと判断された場合には球切れエラーの報知が停止される。
払出装置540は、図31、図32及び図34に示されたように、所定の入賞条件を満たすこと又はCRユニット(図示せず)にカード(図示せず)を挿入した状態で球貸出ボタン(図8参照)を押すことで、遊技球の貸し出しを実行する。本実施形態では、一般的な弾球遊技機の最大の獲得球数が15球であるのに対し、球式回胴遊技機100の最大の獲得球数は75球であり、弾球遊技機に比べて球式回胴遊技機100の最大の獲得球数が多いという観点から、弾球遊技機よりも多数条で協同して払出しを実行し、払出球や貸出球の払い出しを迅速に行えるようにしている。つまり、弾球遊技機は2つの払出系統(2条)の払出装置を1つ備えていれば遊技を迅速に進行できたが、球式回胴遊技機100の場合は獲得球数が多くかつ賞球が全て払い出されなければ次の単位遊技を開始できないという制約があるので、遊技を遅滞なく進行できるように、本実施形態では、4つの払出系統(4条)で協同して払い出しを行うことによって払出球の払い出しの迅速化を図っている。
払出装置540は、図32に示されたように、第1払出装置541と、第2払出装置542と、第1払出装置541の背面側を覆うカバー543とを備えている。第1払出装置541及び第2払出装置542の各々は、2つの払出系統で払い出しを実行する。ここで、第1払出装置541及び第2払出装置542について説明する。なお、第1払出装置541及び第2払出装置542とは同一の構成であるために、以下においては、第1払出装置541についてのみ詳細に説明する。図37は、第1払出装置の構成の一例を表す部分分解図である。第1払出装置541は、第1ケーシング611と第2ケーシング612とカバー613とで構成される筐体を備え、第1ケーシング611がカバー613で被覆されること及び第2ケーシング612が第1ケーシング611で被覆されることによって、それぞれ、第1払出系統及び第2払出系統に遊技球の通過する球通路620が形成される。なお、第1ケーシング611は、第2ケーシング612に対してカバー613と同様の役割も担っている。球通路620は、ケースレール530の球通路530Aに連通する流入口近傍において曲折した待機通路621と、待機通路621より下流側の略直線な払出通路622と、払出通路622の途中で払出通路622から分岐する排出通路623とで構成されている。また、第1ケーシング611、第2ケーシング612及びカバー613の一側面には、払出制御基板581(図46参照)との間の各種の信号の送受信を行う払出系信号中継装置691が配設されている。
第1ケーシング611及び第2ケーシング612の各々には、待機通路621から払出通路622への遊技球の自重による移動を規制する支軸641及び支軸642によって軸支された払出フリッカ640と、払出フリッカ640の規制状態を変化させる払出ソレノイド630とが配設されている。なお、支軸641及び支軸642は2つの払出系統で共用されている。また、第1払出装置541は、待機通路621より上流側に貯留されている遊技球を排出通路623に強制的に誘導して、球式回動遊技機100の外部に排出させる球抜き機構680を備えている。球抜き機構680は、固定軸681と、固定軸681に軸支された操作レバー682と、払出通路622に進入した遊技球を払出通路622と排出通路623との分岐点において遊技球の流下経路を切り替える切換部684Aを2つの払出系統に対応して一対で含み2つの払出系統で共通な切換部材684と、払出ソレノイド630を強制的に機構的に作動させる押圧部683Dを2つの払出系統に対応して一対で含み2つの払出系統で共通な押圧部材683とで構成されている。また、第1払出装置541は、払出通路622に流入した遊技球を検出する払出カウントスイッチ671を2つの払出系統に対応して一対で含み2つの払出系統で共通な払出数計数装置670を備えている。
第1払出装置541の各払出系統の詳細な構成及びその動作について説明する。なお、払出装置540における各払出系統の構成は実質的に同一であるために一方の払出系統について説明し、他の払出系統については説明を省略する。図38(A)〜図38(C)は第1払出装置の構成の一例を示す縦断面図である。図38(A)が払出待機状態である場合、図38(B)が払出状態である場合、図38(C)が排出状態である場合を表している。
第1払出装置541の払出系統は、図38(A)に示されたように、第1ケーシング611とカバー613(図34参照)からなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、払出フリッカ640と、払出ソレノイド630と、切換部材684の切換部684Aとを備えている。第1ケーシング611の内部には、待機通路621と、待機通路621の下流側でほぼ鉛直下向きに延びる払出通路622と、払出通路622の途中から分岐して斜め下方へ延びる排出通路623とが形成されている。切換部684Aは、払出通路622から排出通路623への分岐部に配設されている。通常は、切換部684Aは略鉛直上向きに維持されているために、遊技球は排出通路623には流入しない。
払出フリッカ640は、待機通路621から払出通路622への遊技球の流入を規制する。払出フリッカ640は、基端部材644と先端部材643とを備え、基端部材644に形成された可動連結軸644Cが先端部材643に形成された軸受孔(図示せず)に挿通されていることによって、基端部材644と先端部材643とが連結されている。払出フリッカ640の基端部材644及び先端部材643は、それぞれ、第1ケーシング611の支軸641及び支軸642によって回動自在に支持されている。払出フリッカ640の基端部材644には、払出ソレノイド630の舌片634Bを把持する把持部644Bが設けられている。また、払出フリッカ640の先端部材643には、待機通路621と払出通路622との境界部分に突出可能な開閉部643Bが設けられている。
払出ソレノイド630は、所定の入賞条件を満たすことにより、或いは図示しないCRユニット(図示せず)にカード(図示せず)を挿入した状態における球貸出操作装置390(図14及び図46参照)への貸出操作により通電されて作動し、プランジャ632を上方へ縮まらせるものである。プランジャ632の先端には、プランジャ632の一側面から外方向に延びる舌片634Bの形成されたつまみ部材634が装着されている。また、プランジャ632の周縁には、コイルバネ633(付勢体の一種)が外装されている。コイルバネ633は、励磁コイル(図示せず)を含む払出ソレノイド630の本体部分631とつまみ部材634とを離間させる方向に付勢している。つまり、払出ソレノイド630への通電を切ったときには、プランジャ632は、コイルバネ633の付勢力により下方へ移動する。
待機通路621と払出通路622との境界部分に払出フリッカ640の開閉部643Bが図38(A)に示されたように突出し、待機通路621から払出通路622への遊技球の流入が禁止された通過禁止状態において、所定の入賞条件が成立したり、度数表示部391(図14参照)に残度数がある状態で球貸出操作装置390の貸出操作がなされると、払出ソレノイド630の励磁コイルに通電される。この通電に応じて、図38(B)に示すように、プランジャ632が本体部分631に引き寄せられて払出フリッカ640の基端部材44が図示上反時計回りに回転し、これに連動して払出フリッカ640の先端部材643は図示上時計回りに回転する。これによって、先端部材643の開閉部643Bが待機通路621と払出通路622との境界部分からそれらの球通路620(図37も参照)の外側に移動し、待機通路621から払出通路622への遊技球の流入が許可された通過許可状態に移行する。通過許可状態に移行すると、遊技球は、自重によって自然落下する。逆に、図38(B)に示された払出フリッカ640の通過許可状態において、払出ソレノイド630の通電が遮断されると、コイルバネ633の付勢力によりプランジャ632が本体部分631から引き離されて払出フリッカ640の基端部材644が図示上時計回りに回転し、これに連動して払出フリッカ640の先端部材643は図示上反時計回りに回転する。これによって、先端部材643の開閉部643Bが待機通路621と払出通路622との境界部分の球通路620の内側に移動し、図38(A)に示された通過禁止状態に戻る。
また、払出ソレノイド630の下方には、押圧部材683(図37も参照)の略L字形状の押圧部683Dが配置されている。押圧部683Dは、支軸部683Cを中心にして回動し、つまみ部材634を上方へ押圧したり押圧を解除したりする。第1ケーシング611の外部には、略扇形状の操作レバー682(図37参照)が配設されている。操作レバー682は回転軸681を中心に回動可能である。操作レバー682には、切換部684Aの中間に設けられた突起部684Cと、押圧部材683の基端部683Aに設けられた突起部683Bとが連結されている。つまり、操作レバー682を操作すると、操作レバー682の回動に連動して、切換部684Aと押圧部683Dが回動する。
図38(A)に示された通過禁止状態から、操作レバー682を図示上反時計回りに操作すると、図38(C)に示されたように、その操作に連動して切換部684Aが図示上反時計回りに回転し、その回転に応じて払出通路622が遮断されて排出通路623への遊技球の流入が許可され、また、その操作に連動して押圧部683Dが回転しその回転によって払出ソレノイド630のつまみ部材634が押し上げられ、払出フリッカ640が通過許可状態となる。これによって、待機通路621から排出通路623への遊技球の流入が許可される。なお、タンクレール520(図31参照)に設けた操作部525Aの操作によって遊技球が流れるのを阻止しつつ操作レバー682を上記の如く操作すると、流下規制機構525から下流側に貯留されていた全ての遊技球を球式回胴遊技機100の外部に排出できる。また、払出装置540(図31参照)やケースレール530(図31参照)が故障した場合には、払出装置540やケースレール530を簡便に取り替えることもできる。
また、横断面略コ字形状の払出カウントスイッチ671が装着されており、払出カウントスイッチ671は、払出フリッカ640の開閉部643Bのすぐ下流側に配置され、払出通路622を流下する遊技球を検出する。払出カウントスイッチ671による遊技球の検出に基づいて払い出した遊技球の個数が計数されることとなる。
誘導部材550は、図32に示されたように、払出装置540の下方に配設されており、各払出装置540に1つずつ対応付けられた2条の払出球通路551と、各払出装置540に1つずつ対応付けられた2条の排出球通路552とを形成する。2条の払出球通路551は、図34に示されたように、上流端において所定の払出通路622に連通し、下流端において上皿誘導通路502及び下皿誘導通路503に一括して連通されている。2条の払出球通路551の各々は、その下流部において上皿誘導通路502及び下皿誘導通路503を跨ぐように下流側に向けて先太りするテーパ形状となっており、その上流部において上皿誘導通路502側にやや傾いている。払出球通路551に流入した遊技球は、上皿誘導通路502又は下皿誘導通路503に流出するが、上流部が上皿誘導通路502側にやや傾いていることによって、下皿誘導通路503よりも上皿誘導通路502に優位に流出する。また、2条の排出球通路552は、上流端において所定の排出通路623に連通し、下流側において合流して1条の排出球通路となり、その下流端において排出誘導通路504に連通されている。
電源制御装置570は、図32に示されたように、外部電力に基づいて所定の電源電圧の電力を各種制御装置や各種の駆動装置や各種のスイッチに供給する。電源制御装置570は、電源制御基板571(図46参照)と、電源制御基板571を収納する収納部材572及び収納部材572と係合して電源制御基板571を封止する蓋部材573からなる2つ割りの基板ケースとを含んでいる。電源制御基板571には、電源回路571A(図46参照)と、電源スイッチ571B、リセットスイッチ571C、打止切換スイッチ571D及び設定変更スイッチ571E(図39参照)及び電源回路571Aから出力される電力の電圧を監視する停電監視回路571F(図46参照)が設けられている。電源制御装置570の蓋部材573には係合爪部573A(図33参照)が形成され、また、払出ブロック基体500には電源制御装置570の係合爪部573Aが挿通される貫通孔507Aと、貫通孔507Aの一部に突出し、係合爪部573Aと係合する係合爪部507Bが形成されており、払出ブロック基体500に対して電源制御装置570を対向方向に移動させて払出ブロック基体500の貫通孔507Aに電源制御装置570の係合爪部573Aを挿入し、その後、払出ブロック基体500に対して電源制御装置570を並進移動(スライド)させて払出ブロック基体500の係合爪部507Bに電源制御装置570の係合爪部573Aを係合させることによって、電源制御装置570が払出ブロック基体500に装着される。
電源スイッチ571Bは、外部電力を電源回路571Aに取り込むか否かを決定するスイッチであり、電源スイッチ571Bがオン状態である場合には、外部電力が取り込まれて各種制御装置や各種の駆動装置や各種のスイッチに電力が供給される。リセットスイッチ571Cは主制御基板751のRAM751C(図46参照)や払出制御基板581のRAM581C(図46参照)に保存されている情報を消去するか否かを決定するスイッチであり、リセットスイッチ571Cが操作(押下)された状態で電源スイッチ571Bがオフ状態からオン状態に移行されるとRAM751C及びRAM581C等の全情報がリセットされて球式回胴遊技機100が初期化され、電源スイッチ571Bがオン状態であり遊技状態がエラー状態である場合にリセットスイッチ571Cが操作(押下)されるとRAM751C及びRAM581Cのエラーに関連する情報がリセットされてエラー状態が解除される。打止切換スイッチ571Dは、ビッグボーナスの終了毎に遊技進行を一時停止するか否かを設定するスイッチである。設定変更スイッチ571Eは、ボーナス役の当選確率等の各種の抽選確率を決定する確率設定を変更するキースイッチである。球式回胴遊技機100において出球率等の異なる確率設定が予め複数段階(例えば6段階)に定められており、そのいずれかの段階が確率設定として設定されている。確率設定の変更の手順は次の通りである。まず、電源スイッチ571Bがオフ状態である場合に、設定変更スイッチ571Eに所定の設定キー(図示せず)を挿入して時計回りに90度回転させる。なお、このとき設定キーから手を離しても現状が維持される。この状態で、電源スイッチ571Bをオン状態に移行させると、遊技ブロック123の前面側に設けられた遊技状態表示装置734(図40参照)に現在の確率設定(例えば、数値「1」〜「6」)が表示される。この状態で、リセットスイッチ571Cを操作すると、その操作毎に変更後の確率設定の候補が遊技状態表示装置734に循環的に表示される(例えば、操作毎に表示される数値が変化して1ずつ増加し、「6」の場合には「1」に戻る)。変更後の確率設定の候補として所望の確率設定が遊技状態表示装置734に表示されている状態で単位遊技開始操作装置370(図14参照)を操作(スタートレバー370Aを押下)すると、確率設定の候補が遊技状態表示装置734に表示されている確率設定に確定される。その後、設定キーを反時計回りに90度回転させると、遊技状態表示装置734における確率設定の候補の表示が消え、確率設定が上記で候補として確定された確率設定に変更される。停電監視回路571Fは、電源回路571Aから出力される電力の電圧を監視しており、電源スイッチ571Bのオフ状態への移行や不測の外部電力の遮断や不測の電圧変動によって所定の許容範囲の電圧未満となったか否かを検出する。その状態が所定の時間だけ継続した場合には、停電状態の発生と判断して、球式回胴遊技機100が停止されることとなる。
払出制御装置580は、主制御装置750(図40参照)の主制御基板751(図46参照)からの指示に基づいて払出装置540による遊技球の払い出しや貸し出しを制御する。払出制御装置580は、払出制御基板581(図46参照)と、払出制御基板581を収納する収納部材582及び収納部材582と係合して払出制御基板581を封止する蓋部材583からなり、収納部材582及び蓋部材583が開封の痕跡を残さずには開封できないように連結された2つ割りの基板ケースとを含んでいる。払出制御基板581は、図46に示されたように、制御の中枢をなすCPU581A、制御プログラムや制御プログラムで参照される固定データを記憶するROM581B及び制御プログラムの実行において参照される可変データ等を記憶するRAM581Cを1チップ化したMPUや外部に出力する信号及び外部から入力される信号の入出力を制御する各種入出力ポート581D等を含んでいる。払出制御装置580の蓋部材583には係合爪部583Aが形成され、また、電源制御装置570の収納部材572には払出制御装置580の係合爪部583Aと係合する係合爪部572Aが形成されており、電源制御装置570に対して払出制御装置580を並進移動(スライド)させて電源制御装置570の係合爪部582Aに払出制御装置580の係合爪部583Aを係合させることによって、払出制御装置580が電源制御装置570に装着される。
CRユニット接続装置590は、球式回胴遊技機100の前面の球貸出操作部392(図14参照)及びCRユニット(図示せず)に電気的に接続され、遊技者による貸出操作を検知してCRユニットに信号を出力したり、その出力に応じたCRユニットからの信号を払出制御基板581に伝達したりする。なお、CRユニットを介さずに外部球貸装置等から上貯留皿320(図14参照)に遊技球が直接に貸し出される場合には、CRユニット接続装置590は不要である。
払出ブロック122は、更に、払出ブロック基体500に枢設されたスペーサ部材560を備えている。ここで、スペーサ部材560について詳細に説明する。図39(A)及び図39(B)は、スペーサ部材の近傍の一例を表す部分斜視図である。図39(A)にはスペーサ部材560が払出ブロック基体500に対して閉塞された状態が示され、図39(A)にはスペーサ部材560が払出ブロック基体500に対して開放された状態が示されている。スペーサ部材560は、図39(A)及び図39(B)に示されたように、上下方向に延びる回転軸を中心として回動する。払出ブロック基体500には、貫通孔508A及び貫通孔508Bが形成されており、スペーサ部材560には、払出ブロック基体500の前面側に配置され、払出ブロック122と前面ブロック121との隙間を埋めるスペーサ部561と、スペーサ部561から後方側に突出して貫通孔508Aに挿通される操作阻止部562と、貫通孔508Aに挿通されて係合する係合爪部563とが形成されている。図39(A)に示されたようなスペーサ部材560が払出ブロック基体500に対して閉塞された状態において、操作阻止部562の一部は、貫通孔508Aを貫通して払出ブロック基体500の背面側に突出して、設定変更スイッチ571Eの設定キー(図示せず)の挿入側の前方において設定変更スイッチ571Eの全体を覆い、電源制御装置570の取り外し方向の前方において電源制御装置570の一部を覆い、かつ、払出制御装置580の取り外し方向の前方において払出制御装置580の一部を覆っている。また、係合爪部563は、その一部が貫通孔508Bを貫通して払出ブロック基体500の背面側に突出し、貫通孔508Bとの係合によって払出ブロック基体500に対するスペーサ部材560の回転を阻止している。設定変更スイッチ571Eを操作する場合や、電源制御装置570及び払出制御装置580を一括して取り外す場合や、払出制御装置580を個別に取り外す場合には、図39(B)に示されたように、係合爪部563を貫通孔508Bから離脱させて払出ブロック122に対してスペーサ部材560を回転させなければならない。これによって、前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉塞状態のみならず、前面ブロック121に対する払出ブロック122の開放状態であっても払出ブロック122に対するスペーサ部材560の閉塞状態において、設定変更スイッチ571が操作されることや、電源制御装置570及び払出制御装置580が取り外し操作されることが防止できる。また、スペーサ部561が払出ブロック122と前面ブロック121との隙間を埋める構成であるために、前面ブロック121に対する払出ブロック122の閉塞状態において係合爪部563を貫通孔508Bから離脱させたとしても、設定変更スイッチ571Eが操作できるようになったり、電源制御装置570及び払出制御装置580が取り外し操作できるようになったりする程には、払出ブロック122に対してスペーサ部材560を回転させることはできない。更に、設定変更スイッチ571Eが操作できたり、電源制御装置570及び払出制御装置580が取り外し操作できたりする程度に回転させるためには、前面ブロック121(遊技機本体120)を外枠110に対して大きく開放し、かつ、払出ブロック122を前面ブロック121に大して大きく開放しなければならない。したがって、不正行為の目的で設定変更スイッチ571、電源制御装置570及び払出制御装置580に操作を加えようとしても目立つこととなる。
(遊技ブロックの構成)
遊技ブロック123について説明する。図40及び図41はそれぞれ遊技ブロックの一例を表す正面側及び背面側の斜視図であり、図42は遊技ブロックの一例を表す部分分解斜視図であり、図43は遊技ブロックの一例を表す背面図である。遊技ブロック123は、図40〜42に示されたように、前面ブロック121の遊技領域透視パネル301(図14参照)を介して視認される。遊技ブロック123は、窓孔700A及び窓孔700Bが形成されている遊技ブロック基体700と、窓孔700Aに対応して遊技ブロック基体700の背面側から取着され、窓孔700Aを通して一部が視認される回胴ユニット710と、窓孔700Bに対応して遊技ブロック基体700に背面側から取着され、窓孔700Bを通して表示画面が視認される液晶表示装置720と、液晶表示装置720の左方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された可動演出装置731と、可動演出装置731の下方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された演出発光装置732、液晶表示装置720及び回胴ユニット710の右方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された演出発光装置733と、演出発光装置733の下方において遊技ブロック基体700に背面側から取着された遊技状態表示装置734と、回胴ユニット710の一側方において遊技ブロック基体700の背面側に取着された主取付台740と、主取付台740に配設された主制御装置750と、液晶表示装置720の後方に位置し、遊技ブロック基体700の背面側に取着された副取付台760と、副取付台760に配設された副制御装置770とを備えている。なお、上述のように、遊技ブロック123の一部としての遊技ブロック基体700には、図43に示されたように遊技ブロック123(図9及び図10参照)を前面ブロック121(図9及び図10参照)に対して回動自在に支持固定する一対のブロック支持機構124(図9及び図10参照)を構成する遊技ブロック側支持部材212と、図41及び図43に示されたように遊技ブロック123を払出ブロック122に対して固定すると一対の遊技ブロック固定機構126(図10参照)を構成する遊技ブロック側固定機構242とが設けられている。
回胴ユニット710は、左回胴810Lと、中回胴810Mと、右回胴810Rとを備えている。左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの各々の表面には複数種類の図柄が描かれており、単位遊技の開始時に左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが所定の方向に回転することによって図柄表示が変動し、その後、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの全てが停止することによって遊技結果を表す図柄表示が確定される。遊技ブロック基体700の窓孔700Aからは、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rにそれぞれ貼着される左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812L(図44及び図45参照)の各々の図柄のうちそれぞれ3図柄の全体が窓孔700Aから視認できる。
液晶表示装置720は、通常遊技中の小役当選の報知演出や遊技状態が通常遊技状態からボーナス状態に遷移することを示唆するための示唆演出、ビッグボーナス又はレギュラーボーナス中の演出、ボーナス中の小役ゲーム数やJACゲーム数の表示、特定の遊技状態(例えば、リプレイが当選しやすいRT状態)であることを報知する演出、左回胴停止操作部380L、中回胴停止操作部380M及び右回胴停止操作部380R(図14参照)の操作タイミングや操作順序を報知する演出などを行う。
回胴ユニット710について詳細に説明する。図44は、回胴ユニットの一例の部分解斜視図である。回胴ユニット710は、図44に示されたように、左回胴810Lと、中回胴810Mと、右回胴810Rと、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rを固定する上枠部材801、下枠部材802、左枠部材803及び背枠部材804からなる回胴ユニット枠と、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの駆動を制御するモータドライバ809とを備えている。左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rは、実質的に同一の構成であるために、以下において、右回胴810Rを例に挙げて説明する。なお、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの内部構造について互いの回胴を特に識別する必要がある場合には参照符号の末尾にそれぞれL、M及びRの接尾辞を付加して識別することとする。
右回胴810Rは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材811と、円筒骨格部材811の外周面に貼着され、21個の図柄(識別要素)が等間隔で描かれた図柄シール812(図45も参照)と、円筒骨格部材811を回転させるステッピングモータ813と、円筒骨格部材811とステッピングモータ813の回転軸813Aとを連結する円盤状の連結板814と、上枠部材801及び下枠部材802とに接続され、回胴ユニット枠にステッピングモータ813を固定するモータプレート815と、円筒骨格部材811の5つの車輻811Aのうちの1つに配設され、回転軸方向に突出するセンサカット板816と、モータプレート815に取着され、センサカット板816の通過を検出する回胴位置検出センサ817とを備えている。
ステッピングモータ814は、504パルスの駆動信号(励磁信号又は励磁パルスとも称される)により右回胴810Rが1周するように設定されており、この励磁パルスによって回転位置が制御される。すなわち、右回胴810Rが1周すると21図柄が順々に遊技ブロック基体700の窓孔700Aから露出するため、ある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、回胴位置検出センサ817がセンサカット板816の通過を検出したことを表す信号の受信の時点からのパルス数により、どの図柄が窓孔700Aを通して表示されているかを認識したり、所望の図柄が窓孔700Aを通して表示されるように停止制御を行ったりできる。ステッピングモータ814として、本形態においては、1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。なお、ステッピングモータ814はハイブリッド型や2相に限らず、3相のステッピングモータや5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。ステッピングモータ814に対する駆動信号(駆動信号用データ)は、励磁データとしてモータドライバ809に与えられる。
回胴位置検出センサ817は発光素子と受光素子とが一対となったフォトセンサであり、発光素子と受光素子とは所定の間隔を隔てて配置されている。センサカット板816は、右回胴810Rの回転に伴って1回転毎に回胴位置検出センサ817の発光素子と受光素子との間隙を通過する。したがって、右回胴810Rが1回転するごとにセンサカット板816の通過が回胴位置検出センサ817によって検出され、検出状態に応じた信号が出力される。主制御装置750の主制御基板751はこの検出信号に基づいて右回胴810Rの角度位置を1回転ごとに確認し、ズレが発生している場合には主制御基板751における回転情報が補正される。
ここで、左回胴810L、中回胴810M及び右回胴810Rの図柄シール812L、812M及び812Rの各々に描かれる図柄について説明する。図45(A)〜図45(C)に示されたように、左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々には、「7」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第19番の図柄)と、「青年」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第14番の図柄)と、「BAR」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第17番の図柄)と、「リプレイ」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第15番の図柄)と、「スイカ」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第8番の図柄)と、「ベル」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第9番の図柄)と、「チェリー」図柄(例えば、左図柄シール812Lにおける第4番の図柄)とを含んでいる。左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々において、図柄の種類ごとの数や図柄の配列等は異ならせている。本形態では、左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々には、全種類の図柄が含まれている場合を例示したが、本発明においては、各図柄シールには必ずしも全種類の図柄が含まれていなくてもよい。また、本形態においては、左図柄シール812L、中図柄シール812M及び右図柄シール812Rの各々における図柄数が21個である場合を例示したが、本発明においては、図柄数は20個以下であってもよいし、22個以上であってもよい。
本形態では、「7」図柄(ビッグボーナス図柄の一種)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合又は「青年」図柄(ビッグボーナス図柄の一種)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、ビッグボーナス役の入賞となり、ビッグボーナスゲームに移行する。また、「BAR」図柄(レギュラーボーナス図柄)がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、レギュラーボーナス役の入賞となり、レギュラーボーナスゲームに移行する。「リプレイ」図柄がいずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合には、再遊技役の入賞となり、再遊技ゲーム(リプレイゲーム)に移行する。「スイカ」図柄いずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合にはスイカ役の入賞となり、「ベル」図柄いずれかの有効ラインに沿って3つ揃った場合にはベル役の入賞となり、左回胴810Lの「チェリー」図柄がいずれかの有効ライン上に停止した場合にはチェリー役の入賞となり、それぞれ所定の個数の遊技球が払い出されることとなる。
可動演出装置731、演出発光装置732及び演出発光装置733は、図40に示されたように、遊技進行に伴う演出やビッグボーナス又はレギュラーボーナスの確定報知などに使用される。
可動演出装置731、演出発光装置732及び演出発光装置733は、遊技進行に伴う演出やビッグボーナスやレギュラーボーナス等の利益役当選の確定報知などに使用される。遊技状態表示装置734は、上方側において数字関連情報を表示する7セグメント表示部734Aと、前回の単位遊技で再遊技役に当選しかつ入賞した再遊技状態であることを表示する再遊技状態表示部734Bと、ベット数を表示するベット数表示部734C〜Eで構成されている。7セグLED表示部734Aは、入賞に伴う払出数、エラー状態発生時のエラーコード、ボーナス遊技状態中の総払出数やゲーム数、設定変更時の現在の確率設定や変更候補の確率設定等を表示する。
主制御装置750は、図40〜図43に示されたように、球式回胴遊技機100の主たる遊技進行の制御を司るもので、例えば、単位遊技開始操作装置370(図14参照)からの単位遊技開始指示の入力に応じて複数種類の利益役(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役、リプレイ等)の抽選を行い、その抽選結果に基づき副制御装置770や払出制御装置580に指令信号を出力する。主制御装置750は、主制御基板751(図46及び図49も参照)と、主出制御基板751を収納する収納部材752及び収納部材752と係合して主出制御基板751を封止する蓋部材753からなり、収納部材752及び蓋部材753が開封の痕跡を残さずには開封できないように連結された2つ割りの基板ケースとを含んでいる。主制御基板751は、図46に示されたように、制御の中枢をなすCPU751A、制御プログラムや制御プログラムで参照される固定データを記憶するROM751B及び制御プログラムの実行において参照される可変データ等を記憶するRAM751Cを1チップに含むMPU15(図49参照)と、外部に出力する信号及び外部から入力される信号の入出力を制御する各種入出力ポート751D(図46参照)、各種抽選に用いられる乱数発生回路751E、時間計数や同期を図る場合等に使用されるクロック回路751F等を含んでいる。図42に示されたように、主制御装置750の収納部材752には係合爪部23が形成され、また、主取付台740には収納部材752の係合爪部23と係合する係合爪部743が形成されており、主取付台740に対して主制御装置750を並進移動(スライド)させて主取付台740の係合爪部743に主制御装置750の係合爪部23を係合させることによって、主制御装置750が主取付台740に装着される。
副制御装置770は、図42に示されたように、副制御基板771(図46参照)と、副制御基板771を収納する収納部材771及び収納部材772と係合して副制御基板771を封止する蓋部材773からなり、収納部材772及び蓋部材773が開封の痕跡を残さずには開封できないように連結された2つ割りの基板ケースとを含んでいる。副制御基板771は、制御の中枢をなすCPU(図示せず)、制御プログラムや制御プログラムで参照される固定データを記憶するROM(図示せず)、制御プログラムの実行において参照される可変データ等を記憶するRAM(図示せず)、外部に出力する信号及び外部から入力される信号の入出力を制御する各種入出力ポート(図示せず)等を含んでいる。副制御装置770は、副取付台760を介して遊技ブロック基体700に装着される。
〔本発明の主たる特徴部分の構成〕
本発明は、図41に示された主制御装置750の基板ケース(収納部材752及び蓋部材753)や図31に示された払出制御装置580の基板ケース(収納部材582及び蓋部材583)の構造、特に、2つ割りの基板ケースの連結固定構造に主たる特徴を有している。なお、以下においては、主制御装置750の基板ケースについて説明するが、払出制御装置580等の基板ケースに封止される他の制御基板に対して適用することもできる。図47及び図48はそれぞれ主制御装置の一例を表す正面斜視図及び背面斜視図であり、図49及び図50はそれぞれ主制御装置の一例を表す正面視及び背面視の部分分解斜視図であり、図51は主制御装置の一例を表す正面図である。図47及び図48には、主取付台740も示されている。また、図49及び図50において、主制御基板751を構成するMPU15以外の各種の電気・電子部品は省略されている。なお、以下においては、説明の便宜のために、図47に示されたような主制御装置750の説明に固有の右手座標系を導入し、X軸、Y軸及びZ軸の矢印の方向をそれぞれX方向、Y方向及びZ方向と称し、その逆をそれぞれ反X方向、反Y方向及び反Z方向と称することとする。また、図47に示されたように、主制御装置750の表面において英字の表された表面を正面(上記の説明においては右側面)と称し、X方向及び反X方向をそれぞれ右方向及び左方向、Y方向及び反Y方向をそれぞれ上方向及び下方向、Z方向及び反Z方向を前方向及び後方向と称する。
主制御装置750は、図47〜図50に示されたように、主制御基板751(〔制御基板〕の一種)(図49及び図50のみ)と、主制御基板751を実質的に収容する収容部材752(〔外囲体〕の一種の一部)及び収容部材752の開口を塞ぐ蓋部材753(〔外囲体〕の一種の一部)からなる2つ割りの基板ケース(〔外囲体〕の一種)と、収容部材752と蓋部材753とを第1連結態様によって連結固定する破断トルクネジ等の3つの連結固定部材754A,754B,754C(図49及び図50のみ)と、収容部材752と蓋部材753とを第1連結態様と異なる第2連結態様によって連結固定する破断ピン等の連結固定部材755(図47、図49及び図50のみ)と、収容部材752と蓋部材753との連結固定後に収容部材752及び蓋部材753の一部を連続的に被覆するように貼着される封印シール756,757とを備えている。主制御装置750は、主取付台740(図47及び図48のみ)を介して遊技ブロック基体700(図41及び図42参照)に装着される。なお、主取付台740は、前方側貫通孔748A(図47及び図48のみ)及び後方側貫通孔748B(図48のみ)を貫通して遊技ブロック基体700に挿着されるネジ等の主取付台固定部材(図示せず)によって、遊技ブロック基体700に対して固定されている。
図47及び図48に示された状態から収容部材752の上方側の2箇所及び下方側の2箇所に形成されている係合爪部23(上方側のみ図示)と主取付台740の上方側の2箇所及び下方側の2箇所に4つの係合爪部23に対応させて形成されている係合爪部743(図47のみにおいて下方側のみ図示)とが干渉しないように主制御装置750をX方向に移動させた後に反Z方向に移動させて、主制御装置750を主取付台740に当接させる。その当接後に、主制御装置750を更に反X方向に移動させることによって、係合爪部23と係合爪部743とを係合させる。このとき、蓋部材753に形成されている突出片部34(図48のみ)が主取付台740に形成されている可撓性の脱落防止板部744の脱落防止突起744A(図48のみ)を押し下げながら乗り越え、脱落防止突起744Aが突出片部34を介して主制御装置750の主取付台740からの脱落を防止する。これによって、主制御装置750が主取付台740に固定されると共に主制御装置750の取り外し方向であるX方向への移動が禁止される。その後に、収容部材752の上方側に形成されている4つの挿通筒部26の1つを通して、主取付台740の上方側に4つの挿通筒部26に対応させて形成された4つの固定筒部746(図47のみ)に破断ネジや破断ピン等の不可逆連結固定部材(図示せず)を挿着して、主制御装置750と主取付台740とを更に連結固定している。また、収容部材752に形成されている挿通孔27を通して、主取付台740に形成されており蓋部材753の空隙37に配置される固定筒部747(図47のみ)にネジ等の可逆連結固定部材を挿入して、主制御装置750と主取付台740とを更に連結固定し、その後に挿通孔27の開口を覆い収容部材752の前面からその右側面、蓋部材753の右側面、主取付台740の右側面を経由して蓋部材753の背面までを包み込むように剥離痕跡の残る封印シール741(図42参照)が貼着される。これによって、主取付台740から主制御装置750を取り外すためには、封印シール741を剥離して可逆連結固定部材を抜脱すると共に、不可逆連結固定部材を所定の操作によって破壊しなければならず、主取付台740から主制御装置750を取り外した場合には、封印シール741の剥離痕跡及び不可逆連結固定部材の破壊痕跡が残る。
正常な使用において、極めて稀ではあるが、主取付台740から主制御装置750を取り外さなければならない状況が発生するために、このような状況に対応できることが前提となっている。具体的には、不可逆性の連結固定部材が挿着される複数の挿通筒部758及び複数の固定筒部748が主取付台740に形成されているのはこのためであり、動作不良等による修理や動作確認等による検査の場合には主制御装置750が主取付台740から取り外されて所定の修理や検査が行われた後に、主制御装置750が再度取り付けられ、未使用の挿入筒部745に新たな不可逆連結固定部材が挿着され、かつ、新たな封印シールが貼着される。なお、固定筒部749に挿着される可逆連結固定部材については再利用できる。したがって、不可逆連結固定部材の破壊痕跡が残っていたとしても他の挿通筒部758及び固定筒部748に新たに正規の不可逆連結固定部材が挿着されている場合があり、また、新たに正規の封印シールが貼着されてその痕跡が残っていない場合がある。つまり、不可逆連結固定部材や封印シールが偽造された場合には、正当な目的による主制御装置750の取り外しと不正目的による取り外しとの識別は困難となる。但し、主制御基板751に対して不正を行う場合には、主取付台740から主制御装置750を取り外さなければならないので、不正目的による主制御装置750の取り外しを検知できる可能性のある構成とすることが好ましい。
主制御基板751において、図49及び図50に示されたように、回路基板11の一面である主素子配置面P7(図49のみ)には、MPU15と、各種の電子・電気素子(図示せず)と、回路配線(図示せず)と、主制御装置751と他の制御装置や駆動装置とを接続する接続ケーブルが装着される各種のコネクタ(図示せず)とが配設されている。
収容部材752には、主制御基板751を実質的に収容する収容部20(〔第2外囲形成部〕の一種)と、収容部材752と蓋部材753とを開封自在に係合させるために収容部20の外縁の左右両側の溝部24の内側において右方側の5箇所及び左方側の5箇所に延在する10個の収容側係合鉤部29(〔第2係止部〕の一種)と、主制御基板751のMPU15を外包するMPU保護壁25と、収容部材752と蓋部材753とを第1連結態様で連結固定するために収容部20の下方側の1箇所及び上方側の2箇所に延在する3つの収容側連結部21A,21B,21C(〔第2連結部〕の一種)と、収容部材752と蓋部材753とを第1連結態様と異なる第2連結態様で連結固定するために収容部20の下方側において収容側連結部21Aと隣接して延在する収容側連結部22とが形成されている。
蓋部材753には、収容部20を実質的に封止する封止部30(〔第1外囲形成部〕の一種)と、収容部材752と蓋部材753とを開封自在に係合させるために封止部30の外縁の右方側の5箇所及び左方側の5箇所に延在する10個の収容側係合鉤部39(〔第1係止部〕の一種)と、収容部材752と蓋部材753とを第1連結態様で連結固定するために封止部30の下方側の1箇所及び上方側の2箇所に形成された3つの蓋側連結部31A,31B,31C(〔第1連結部〕の一種)と、収容部材752と蓋部材753とを第1連結態様と異なる第2連結態様で連結固定するために封止部30の下方側において収容側連結部31Aに隣接して形成された蓋側連結部32とが形成されている。
ここで、主制御装置750の作製について説明する。まず、図49及び図50に示された状態から、回路基板11におけるMPU15の固着された主素子配置面P7が収容部材752側に向くように主制御基板751を収容部材752に当接させて、ネジ等の可逆的固定部材(図示せず)を、回路基板11の4隅に形成された挿通孔11Aを貫通させて収容部20に形成された挿入孔20Aに挿着し、また、回路基板11の中央近傍に形成された挿通孔11Bを貫通してMPU保護壁20に形成された挿入孔25Aに挿着する。これによって、主制御基板751が収容部材752に取着される。
収容部材752に主制御基板751を取着した後に、収容側係合鉤部29と蓋側係合鉤部39とを係合させる。これによって、収容部材752に蓋部材753が取り付けられる。ここで、収容部材752に蓋部材753を取り付ける方法について説明する。図52は、収容側係合鉤部及び蓋側係合鉤部の近傍を表す断面図であり、図51におけるY4−Y4’矢視断面図である。図49及び図50に示された状態から収容部材752に主制御基板751を取着した後に、収容側係合鉤部29と蓋側係合鉤部39とが干渉しないように蓋部材753をY方向に移動させた後に反Z方向に移動させて、図52(A)に示されたように、溝部24の挿入溝24Aに蓋側係合鉤部39を挿入し、蓋部材753を収容部材752に当接させる。その当接後に、蓋側係合鉤部39を更に反Y方向に移動させて、溝部24の陥入溝24Bに蓋側係合鉤部39の先端部39Aを挿入する。これによって、図52(B)に示されたように、収容側係合鉤部29の先端部29Aが蓋側係合鉤部39の鉤溝39Bに挿入されて、収容側係合鉤部29と蓋側係合鉤部39とが係合する。なお、この状態においては、蓋部材753をY方向に移動させれば、収容側係合鉤部29と蓋側係合鉤部39との係合を解除できる。
収容部材752に蓋部材753が取着されると、収容部20と封止部30とは所定の対向位置に配置され、また、収容側連結部21A〜21C,22と蓋側連結部31A〜31C,32とは所定の対向位置に配置される。収容部20と封止部30とが所定の対向位置に配置されることよって実質的な閉塞空間が形成され、その閉塞空間に主制御基板751が封止される。収容部材752に蓋部材753を取着した後に、連結固定部材754A〜754Cが収容側連結部21A〜21Cと蓋側連結部31A〜31Cとに装着されると共に収容側連結部21A〜21Cと蓋側連結部31A〜31Cとが一体的に樹脂固定され、また、連結固定部材755が収容側連結部22と蓋側連結部32とに装着される。その後、封印シール756及び757を所定の位置に貼着する。これによって、主制御装置750の作製が完了する。
主制御装置750において、MPU15は、MPU保護壁25の内側に配置され、また、主素子配置面P7に装着された各種のコネクタ(図示せず)は、収容部20に形成された挿通孔20B(図51参照)を通して一部が収容部材752の外部に突出するように配置される。各種の挿通孔20Bの輪郭は、それらに対応づけられた各種のコネクタの外形と略同一であり、各種の挿通孔20Bと各種のコネクタとの間隙から異物が挿入されることを抑制している。これによって、蓋部材753と収容部材752とを係合させた場合には、主制御基板751は実質的な閉塞空間に封止されることとなる。特に、MPU15は、MPU保護壁25と収容部20と回路基板11とで構成される閉塞空間内に配置されると共にMPU15の近傍において可逆的固定部材で更に固定されることよって、二重にかつ厳重に封止されており、挿通孔20Bとコネクタとの間隙から異物を挿入したり、収容部20において主制御装置750の主取付台740の取り付け後には目立たない部分(例えば、側面部)を穿孔したりして、不正な外部信号がMPU15に入力されることを厳格に抑制している。更に、MPU保護壁25には取り外し防止壁25Dが形成されており、MPU15自体を取り変える不正行為が行われることを更に厳格に抑制している。ここで、MPU15の保護構造について詳細に説明する。図53、図54及び図55は、それぞれ、主制御装置のMPU近傍の一例を模式的に表す透視正面図、縦断面図及び横断面図である。なお、図53(A)、図54(A)及び図55(A)が本形態の構成を表し、その他は変化例の構成を表している。図54(A)及び図55(A)は、図53(A)におけるY5−Y5’矢視断面及びX5−X5’矢視断面である。同様に、図54(B)及び図55(B)は、図53(B)におけるY6−Y6’矢視断面及びX6−X6’矢視断面であり、図54(C)及び図55(C)は、図53(C)におけるY7−Y7’矢視断面及びX7−X7’矢視断面である。
MPU保護壁25は、図50、図53(A)、図54(A)及び図55(A)に示されたように、収容部20の背面から後方側(主制御基板側)に突出する縦断面凸字形状の筒状体であり、上側矩形空間構成部25Bと、下側矩形空間構成部25Cと、上側矩形空間構成部25Bから下方側に突出し、MPU15の長手方向の一端の一部を覆う取り外し防止壁25D(図53(A)、図54(A)及び図55(A)のみ)と、下側矩形空間構成部25Cから上方側に突出し、MPU15の長手方向の他端の一部の前面側を覆う取り外し防止壁25Eとで構成されている。MPU15の本体15Aからのリード線15B(図55(A)のみ)は回路基板11を貫通して主素子配置面P7の裏面側に突出しており、MPU15を取り外すためには、MPU15を前面側である(+Z)方向に移動させなければならないが、取り外し防止壁25D,25Eがその移動方向である前面側においてMPU15を覆うために、MPU15の移動が阻止される。これによって、MPU15を回路基板11から取り外すことはできない。なお、本形態においては、上記の構成を採用しているが、MPU15を取り外せない構成である限りにおいて他の構成であってもよい。例えば、図53(B)、図54(B)及び図55(B)に示されたように、上側矩形空間構成部25B’の左右両側の壁の厚さを前方側へ向かって段階的に厚くする構成であってもよいし、図53(B)、図54(B)及び図55(B)に示されたように、上側矩形空間構成部25B’の左右両側の壁の厚さを前方側へ向かって連続的に厚くする構成であってもよい。
ここで、本発明の主要な特徴部分を含んでいる収容側連結部21A〜21C、蓋側連結部31A〜31C及びそれらを連結固定する構成について説明する。一対をなす収容側連結部21A及び蓋側連結部31Aを含む第1の連結固定構造と、他の一対をなす収容側連結部21B及び蓋側連結部31Bを含む第2の連結固定構造と、更に他の一対をなす収容側連結部21C及び蓋側連結部31Cを含む第3の連結固定構造とは、図51に示されたように、配置方向が異なること及び外形が一部において異なること以外は同一の構成であって、連結固定に関連する本発明に特徴的な構成は同一であるために、以下においては、第1の連結固定構造についてのみ詳細に説明する。図56及び図57は、それぞれ、第1の連結固定構造の一例の近傍を表す正面図及び断面図である。図57(A)、図57(B)、図57(C)及び図57(D)には、それぞれ、図56におけるA−A’矢視縦断面、B−B’矢視縦断面、C−C’矢視横断面、D−D’矢視横断面が示されている。
第1の連結固定構造は、図56及び図57に示されたように、陥没穴50A及び貫通孔50B(図57(A)及び図57(B)のみ)が形成されている蓋側連結部31Aと、陥没穴50A及び貫通穴50Bの双方に連通する貫通孔40が形成されている収容側連結部21Aと、貫通孔40の一部を貫通して貫通孔50Bに挿着され、蓋側連結部31Aと収容側連結部21Bとを連結固定する連結固定部材754Aと、連結固定部材754が配置される部分を除く陥没穴50A及び貫通孔40とで形成される空間(〔連通空間〕の一種)に充填され、蓋側連結部31A及び収容側連結部21Aの双方の界面に接合されることによって蓋側連結部31Aと収容側連結部21Aとを連結固定する連結固定体60(図57のみ)とで構成されている。第1の連結固定構造は、連結固定部材754による蓋側連結部31Aと収容側連結部21Aとを連結固定し、かつ連結固定部材754を連結固定体60によって被覆する第1種の連結固定構造と、連結固定体60によって蓋側連結部31Aと収容側連結部21Aとを連結固定する第2種の連結固定構造とを複合した構成である。以下においては、第2種の連結固定構造に本発明の最大の特徴を有するために、第2種の連結固定構造のみについて詳細に説明することとする。なお、以下においては、説明の便宜上、まず、概ね連結固定構造の作製過程に則して各部材について説明し、再度、作成後の連結固定構造について説明する。
図58(A)及び図58(B)は、それぞれ、収容側連結部及び蓋側連結部の一例の近傍を表す斜視図である。なお、図58(B)においては、蓋側連結部の外形を簡略化している。図59(A)及び図59(B)は、それぞれ、収容側連結部の一例を表す正面図及び背面図であり、図59(C)は、蓋側連結部の一例を表す正面図である。また、図60は、収容側連結部及び蓋側連結部の一例の近傍を連結固定前の状態で表す断面図である。図60(A)〜図60(D)には、それぞれ、図57(A)〜図57(D)と同様に、図56におけるA−A’矢視縦断面、B−B’矢視縦断面、C−C’矢視横断面、D−D’矢視横断面と同等箇所の断面が示されている。図60においては、図57に示されたような連結固定部材754Aや連結固定体60による連結固定がまだ行われていない状態が示されている。
蓋側連結部31Aは、図58〜図60に示されたように、収容側連結部材21Aと当接する蓋側接続面SAに対して実質的に垂直に陥没する陥没穴50A及び蓋側接続面SAに対して実質的に垂直に貫通する貫通孔50Bが形成された直桶状の周縁壁51と、周縁壁51の外周を取り囲み、周縁壁51と封止部30とを接続する外郭壁58(図60(C)及び図60(D)のみ)と蓋側連結部31Aとの当接位置を規制する配置規制片59(図60(C)及び図60(D)のみ)とで構成されている。周縁壁51及び架橋部52は、無色透明樹脂からなり、樹脂成形によって封止部30と一体的に形成される。したがって、一体成形によって周縁壁51、架橋部52及び封止部30の内部並びにそれらの接続境界において接続界面がなく、開裂や破断が発生すれば、それらを修復したしても開裂面及び破断面が残ることとなり、また、無色透明樹脂であるために外表面の開裂跡や破断跡のみならず内部における開裂面及び破断面を目視によって良好に視認できることとなる。
陥没穴50Aは、蓋側接続面SAから背面側に向けて先細りするテーパ形状の第1層部と、第1層部よりも背面側において蓋側接続面SAの法線を柱軸とする直柱状の第2層部とで構成されている。陥没穴50Aの開口AAは、直角折れ線ABCと半円CDEと直角折れ線EFGと直線GAとで囲まれる閉線ABCDEFGAを輪郭としている。一方、貫通孔50Bは、点Hと点Iと点Jとを通る円周HIJHを輪郭とし、蓋側接続面SAの法線を柱軸とする直円柱状空洞である。
収容側連結部21Aは、蓋側連結部31Aの蓋側接続面SAと当接する収容側接続面SBに対して垂直に貫通する空洞の形成された直筒状の周縁壁41(〔周縁部〕の一種)と、周縁壁41の内周壁から空洞側に突出する第1の突出壁42(〔狭窄部〕の一種)(図59及び図60のみ)と、周縁壁41の内周壁から空洞側に突出する第2の突出壁43(〔狭窄部〕の一種)(図58(A)、図59(A)、図59(B)、図60(C)及び図60(D)のみ)と、周縁壁41の内周壁の複数箇所に接続され、周縁壁41の空洞を貫通方向の一部において分割する分割壁44(〔狭窄部〕及び〔経路分割部〕の一種)と、周縁壁41と収容部20とを接続する架橋片48(図56参照)と、配置規制片59との係合によって収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとの対向位置の位置ずれを防止する配置規制片49とで構成されている。周縁壁41、第1の突出壁42、第2の突出壁43、分割壁44、架橋片48及び配置規制壁49は、無色透明樹脂からなり、樹脂成形によって封止部30と一体的に形成される。したがって、蓋側連結部31Aに対して説明したように、開裂や破断が発生すれば、それらを修復したしても外表面の開裂跡及び破断跡や内部の開裂面及び破断面を目視によって良好に視認できることとなる。なお、図58〜図60において、周縁壁41、第1の突出壁42、第2の突出壁43及び分割壁44の相互の概念的な境界を表す補助線を点線で示している。
第1の突出壁42と第2の突出壁43は、同一形状であり、互いに対向している。なお、それらの対向方向は、第1の収容側連結部21A及び第2の収容側連結部21Cにおいては、収容部材752(図52参照)と蓋部材753(図52参照)とを係合させる際の並進移動方向(Y軸方向)であり、第3の収容側連結部21Bにおいては、その並進移動方向に垂直な方向(X軸方向)である。第1の突出壁42及び第2の突出壁43の各々は、周縁壁41の空洞における貫通方向に対する蓋側連結部31Aの周縁壁51と反対側(以下、「反蓋周縁壁側」とも略記する)の一部において突出している。つまり、第1の突出壁42及び第2の突出壁43の各々の蓋側連結部31A側(以下、「蓋周縁壁側」とも略記する)の端面は、周縁壁41の蓋周縁壁側の表面から反蓋側連結部側に離隔し、周縁壁41の蓋周縁壁の表面に平行である。分割壁44は、周縁壁41の内周面の一部の領域から空洞側に突出すると共に、その領域と対向する内周面の領域にまで延在し、周縁壁41の空洞における貫通方向に対する反蓋周縁壁側の一部において空洞を2つに分割している。分割壁44の蓋周縁壁側の端面は、周縁壁41の蓋周縁壁側の表面から反蓋周縁壁側に離隔し、周縁壁41の蓋周縁壁側の表面に平行である。また、第1の突出壁42及び第2の突出壁43の各々の一端と接続されており、分割壁44の蓋周縁壁側の端面は、第1の突出壁42及び第2の突出壁43の各々の蓋周縁壁側の端面と同一平面内に位置し、分割壁44の反蓋周縁壁側の端面は、第1の突出壁42及び第2の突出壁43の各々の蓋周縁壁側の端面から反蓋周縁壁側に離隔している。
収容側連結部21Aには、周縁壁42、第1の突出壁42及び第2の突出壁43によって、蓋側連結部31Aの陥没穴50A及び貫通孔50Bに連通する所定の形状の貫通孔40が形成されている。貫通孔40の蓋周縁壁側の開口ABは、収容側接続面SB(平面層Z1(図60(A)〜図60(D)参照)に相当)において、図59(B)に示されたように、直角折れ線Aと、半円Cと、直角折れ線Eと、直線Gと、円弧Hで構成される閉線Aを輪郭としている。収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとが正常に対向している場合には、図59(B)に示された周縁壁41の収容側接続面SBの点A〜点Gが、図59(C)に示された周縁壁51の蓋側接続面SAにおける点A〜点Gと接続される。これによって、収容側連結部21Aの貫通孔50と蓋側連結部31Aの陥没穴50A及び貫通孔50Bとは、それぞれ、陥没穴50Aの開口AAの形状で決定される第1の接続口(図示せず)と貫通孔50Bの開口の形状で決定される第2の接続口(図示せず)との2箇所によって連通する。なお、以下において、点A(i:整数)は収容側接続面SBの法線方向に沿った収容側接続面SBからの距離が異なる平面層i(i=1〜5)における同一点を表すこととし、点B〜点T(i=1〜5)及び点H’〜 点L’(i=1〜5)についても同様とする。
貫通孔40は、図58〜図59に示されたように、収容側接続面SBよりも反蓋周縁壁側において、第1の突出壁42、第2の突出壁43及び分割壁44によって狭窄されると共に、分割壁44によって第1通路部40Aと第2通路部40Bとに分割される。なお、第1の突出壁42、第2の突出壁43及び分割壁44は、第1接続口(陥没穴50A)の反蓋周縁壁側の方向に沿って真上に(第1接続口に対向して)配置されており、それらは第1接続口の真上において貫通孔40を狭窄しており、更に分割壁44は第1接続口の真上において貫通孔40を分割している。これによって、図59(A)及び図59(B)に示されたように、第1の突出壁42、第2の突出壁43及び分割壁44の蓋周縁壁側の端面を含む平面層Z2(図60(A)〜図60(D)参照)において、貫通孔40の第1通路部40Aは閉線Aを輪郭とする断面形状となり、貫通孔40の第2通路部40Bは閉線Cを輪郭とする断面形状となる。
貫通孔40の第1通路部40Aは、平面層Z2よりも反蓋周縁壁側において、第1の突出壁42及び第2の突出壁43の反蓋周縁壁側の端面の近傍の平面層Z3(図60(A)〜図60(D)参照)から反蓋周縁壁側に向かって第1の突出壁42及び第2の突出壁43の端面を含む平面層Z4(図60(A)〜図60(D)参照)まで先太りして、閉線Aを輪郭とする断面形状から閉線A’K’L’G’H’I’J’A’を輪郭とする断面形状に変化し、また、平面層Z4における周縁壁41の形状変化に基づいて拡大されて、直線Mと半円Nと直線Pと直線Qとで構成される閉線Mを輪郭とする断面形状となる。一方、貫通孔40の第2通路部40Bは、平面層Z2から、平面層Z4と分割壁44の蓋周縁壁側端面を含む平面層Z6(図60(A)〜図60(D)参照)との間の平面層Z5(図60(A)〜図60(D)参照)まで変化せず(輪郭:閉線C→閉線C→閉線C)。平面層Z5よりも反蓋周縁壁側において、平面層Z5における周縁壁41の形状変化に基づいて拡大されて、半円Rと直線Tとで構成される閉線Rを輪郭とする断面形状となる。第1通路部40Aと第2通路部40Bとは、平面層Z6よりも反蓋周縁壁側において統合されて、直線Mと半円Nと直線Pと直線Qと半円Rと直線Tとで構成される閉線Mを輪郭とする断面形状となる。また、貫通孔40は、平面層Z6から周縁壁41の蓋周縁壁側の開放面SC(平面層Z7(図60(A)〜図60(D)参照)に相当)まで変化せず、開放面SCにおける貫通孔40の開口ACは、閉線Mを輪郭としている。
ここで、第1の連結固定構造の作製過程について説明する。図61及び図62は、第1の連結固定構造の作製過程を表す工程断面図である。図61(A)〜図61(D)及び図62(A)〜図62(D)には、それぞれ、図60(A)〜図60(D)と同一箇所の断面が示されている。図61においては、連結固定部材754Aによる連結固定の作製途中の状態が表され、図62には、連結固定体60による連結固定の作製途中の状態が表されている。
図60に示されたように収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとが所定の対向位置に配置された状態において、図61に示されたように、連結固定部材754A’を収容側連結部21Aの第1通路部40A側における貫通孔40を貫通させ、蓋側連結部31Aの貫通孔50Bに挿着する。具体的には、連結固定部材754A’は、オスネジ部91と、オスネジ部91の一端に形成され、オスネジ部91の半径よりも半径の大きな円盤状の第1のネジ頭部92と、ドライバやレンチ等の所定の工具の先端形状に対応する係合突起又は係合溝が形成された第2のネジ頭部93と、第1のネジ頭部92と第2のネジ頭部93とを接続する接続部94とを含んでおり、所定の工具によって貫通孔40の内周面にタップを切るようにオスネジ部を貫通孔40に螺合させる。連結結合部材754A’によって収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとを連結固定した後に、図62に示されたように、連結結合部材754A’の連結部において第2のネジ頭部93を切断する。これによって、図63に示されたように、ドライバやレンチ等の所定の工具(図示せず)によって取り外し不能に固定された連結固定部材754Aが形成され、連結固定部材754Aによる収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとの連結固定が完了する。その後、図62に示されたように、貫通孔40の第2通路部40Bに樹脂注入ノズル99を挿入し、光硬化性樹脂60’を注入する。これによって、まず、図62に示されたように蓋側連結部31Aの陥没穴50Aが光硬化性樹脂60’によって充填され、その後、貫通孔40が光硬化性樹脂60’によって充填される。この充填過程において、貫通孔40の第1通路部40Aには、蓋周縁壁側から反蓋周縁壁側に向けて光硬化性樹脂60’の注入が進行するために、貫通孔40において分割壁44の蓋周縁壁側の端面より更に反蓋周縁壁側の空間領域のみならず、第1の突出壁42及び第2の突出壁43の蓋周縁壁側の端面よりも蓋周縁壁側の空間領域の隅々に、光硬化性樹脂60’を簡便かつ確実に注入することができる。光硬化性樹脂60’の注入完了後に、樹脂注入ノズル99を貫通孔40から抜脱し、光硬化性樹脂60’に紫外線を照射する。これによって、光硬化性樹脂60’が硬化されて、図60に示されたように、連結固定体60が形成されると共に、連結固定体60が周縁壁41、第1の突出壁42、第2の突出壁43、分離壁44及び周縁壁51並びに連結固定部材754Aの各々の表面と接合されて、連結固定体60による収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとの連結固定が完了する。また、同時に、連結固定部材754Aの連結固定体60による被覆も完了する。なお、連結固定体60は無色透明であり、連結固定体60が無色透明となるように光硬化性樹脂60’の種類が選択されている。以上の過程を経ることによって、第1の連結固定構造が作製される。
図60に示された第1の連結固定構造に対して、不正目的でドライバやピックやドリル等の工具を用いて連結固定体60の切削が行われた場合について説明する。但し、連結固定部材754Aを除去するために連結固定体60の一部は既に切削され、かつ連結固定部材754Aは既に除去されている場合についてのみ説明する。図63及び図64は、第1の連結固定構造の連結固定体を収容側連結部21Aの開放面SCの法線方向(一方向)及び切削可能なあらゆる方向に沿って切削した状態を表す断面図である。なお、図63(A)〜図63(D)及び図64(A)〜図64(D)には、それぞれ、図60(A)〜図60(D)と同一箇所の断面が示されている。また、図63及び図64には、連結固定体60の切削に用いる工具が有限の大きさを持たない仮想的な場合について示されているが、実際にはそれらの工具は有限の大きさを持つために図63及び図64に示されたよりも広い領域に連結固定体が残存することとなる。
図60に示された第1の連結固定構造に対して、連結固定体60を最も多量に切削できると共に、収容側連結部21Aの貫通孔40と蓋側連結部31Aの陥没穴50Aとが連通する第1の接続口の近傍を最も切削できる一方向は、収容側連結部21Aの開放面SCの法線方向(〔最切削方向〕の一種)である。なお、開放面SCの法線方向は、収容側連結部21Aの収容側接続面SBの法線方向及び蓋側連結部31Aの蓋側接続面SAの法線方向と同一方向である。この開放面SCの法線方向の一方向に沿って連結固定体60を切削したとしても、連結固定体60の一部が、図63に示されたように、第1の突出壁42の蓋周縁壁側の真下において残存部62(〔到達遮断部〕の一種)として残存し、第2の突出壁43の蓋周縁壁側の真下において残存部63(〔到達遮断部〕の一種)として残存している。また、分離壁44の蓋周縁壁側の真下においても連結固定体60の一部が残存部64(〔到達遮断部〕の一種)として残存している。なお、残存部62及び残存部63は残存部64と接続されておりそれらの間に境界はないが、説明の便宜上これらを概念的に分離して説明する。上述のように実際に切削される場合には、切削に用いられる工具が有限の大きさを有するために、第1の突出壁42の蓋周縁壁側及びその近傍には残存部62より大きい残存部(図示せず)が残存することになる。残存部63,64についても同様である。
残存部62は、第1の接続口を挟んで貫通孔40の一部と陥没穴50Aの一部に連続的に残存しており、第1の突出壁42及び周縁壁41と共に周縁壁51とに接合されている。したがって、残存部62は、切削後においても収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとを連結固定している。同様に、残存部63は、第1の接続口を挟んで貫通孔40の一部と陥没穴50Aの一部に連続的に残存し、第2の突出壁43及び周縁壁41と共に周縁壁51とに接合されて切削後においても収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとを連結固定している。なお、このように切削後において収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとを連結固定する残存部62が形成される空間領域(〔遮蔽空間領域〕の一種)を確保するように、収容側連結部21Aの空洞における第1の突出壁42及び第2の突出壁43の配置が決められている。また、残存部64は、第1の接続口を挟んで貫通孔40の一部と陥没穴50Aの一部に連続的に残存し、分離壁44及び周縁壁41と共に周縁壁51とに接合されて切削後においても収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとを連結固定している。
また、開放面SCの法線方向の一方向に限らず切削可能な全方向に沿って連結固定体60を切削したとしても、連結固定体60の一部が、図64に示されたように、第1の突出壁42の蓋周縁壁側の真下の一部において残存部62’(〔狭域到達遮断部〕の一種)として残存し、第2の突出壁43の蓋周縁壁側の真下の一部において残存部63’(〔狭域到達遮断部〕の一種)として残存している。また、分離壁44の蓋周縁壁側の真下の一部においても連結固定体60の一部が残存部64’(〔狭域到達遮断部〕の一種)として残存している。上述のように実際に切削される場合には、切削に用いられる工具が有限の大きさを有するために、第1の突出壁42の蓋周縁壁側には概ね残存部62’と残存部62(図63参照)との間の大きさの残存部(図示せず)が残存することになる。残存部63’及び残存部64’についても同様である。なお、残存部62’及び残存部63’と残存部64’とは接続されておりそれらの間に境界はないが、説明の便宜上これらを概念的に分離して説明する。
残存部62’は、第1の接続口を挟んで貫通孔40の一部と陥没穴50Aの一部に連続的に残存しており、第1の突出壁42及び周縁壁41と共に周縁壁51とに接合されて切削後においても収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとを連結固定している。同様に、残存部63’は、第1の接続口を挟んで貫通孔40の一部と陥没穴50Aの一部に連続的に残存し、第2の突出壁43及び周縁壁41と共に周縁壁51とに接合されて切削後においても収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとを連結固定している。なお、このように切削後において収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとを連結固定する残存部62’が形成される空間領域(〔狭域遮蔽空間領域〕の一種)を確保するように、収容側連結部21Aの空洞における第1の突出壁42及び第2の突出壁43の配置と共に、第1の突出壁42及び第2の突出壁43の突出量や蓋周縁壁側の端面の収容側接続面SBからの距離等の第1の突出壁42及び第2の突出壁43の形状、及び、周縁壁41の開放面SCにおける内周面の第1の突出壁42及び第2の突出壁43の蓋周縁壁側の端面における突出端からの蓋周縁壁側への距離やそれに垂直な方向の距離等の周縁壁41の内周面の形状が決められている。また、残存部64’は、第1の接続口を挟んで貫通孔40の一部と陥没穴50Aの一部に連続的に残存し、分離壁44及び周縁壁41と共に周縁壁51とに接合されて切削後においても収容側連結部21Aと蓋側連結部31Aとを連結固定している。
球式回胴遊技機100において、ピックやドライバやドリル等の簡単な工具によって連結固定体60が収容側連結部21A,21B,21Cの開放面SC側から開放面SCの法線方向の一方向に沿って直線的に切削されたとしても、更に、収容側連結部21A,21B,21Cの開放面SC側から切削可能な全方向に沿って直線的に切削されたとしても、第1〜第3の連結固定構造において蓋側連結部31A,31B,31Cと収容側連結部21A,21B,21Cとの連結固定が維持されるために、蓋側連結部31A,31B,31Cの形成された蓋部材753及び収容側連結部21A,21B,21Cの形成された収容部材752で構成される基板ケースを開封するための蓋側連結部31A(蓋部材753)と収容側連結部21A(収容部材752)との相対位置の移動が困難となる。この状態で基板ケースの開封が強引に行われた場合には、蓋部材753及び収容部材752の少なくとも一部が破壊されることとなる。具体的には、残存部62〜64(図63参照)が残存している場合には、基板ケースを開封させるための並進移動が極めて困難となり、蓋部材753又は収容部材752の随所において大幅な破壊が発生し、残存部62’〜64’(図64参照)が残存している場合には、基板ケースを開封させる移動は残存部62〜64が残存している場合よりも容易となり、蓋部材753又は収容部材752の随所において局所的な破壊、例えば、蓋部材753における封止部30と周縁壁51とを接続する架橋片48の破壊、封止部30と外郭壁58との接続の破壊及び周縁壁51と外郭壁58との接続の破壊、並びに、収容部材752における収容部20と周縁壁41とを接続する架橋部48の破壊、収容部20と架橋部48との接続の破壊及び周縁壁41と架橋部48との接続の破壊が発生する。
また、主取付台740への取り付け後において容易に目視される収容部材752に形成された収容側連結部721A〜721Cの周縁壁41が比較的に強度の小さい架橋片48を介して収容部40に接続されているために、架橋片48の近傍における破壊を限定的に誘発させることができると共にその破壊の発生を主制御装置750が主取付台740に取着された状態で簡便に認識できる。
また、蓋部材753又は収容部材752がスライド開閉方式の2つ割りの基板ケースを構成するために、残存部62〜64及び残存部62’〜64’の各々について収容側連結部21A〜21C及び蓋側連結部31A〜31Cの一方から剥離されたとしても基板ケースを開封させるための並進移動の過程において、残存部62〜64,62’〜64’が収容側連結部21A〜21Cと蓋側連結部31A〜31Cとで挟まれたり、収容側連結部21A〜21Cと蓋側連結部31A〜31Cとの間に乗り上げたりするために、その並進移動が禁止されたり、その並進移動に応じて破壊を誘発したりできる。更に、残存部62’〜64’が残存している場合において、残存部62’〜64’と蓋側連結部31A〜31Cとの接合面積が残存部62〜64の残存している場合よりも小さくなるために残存部62’〜64’が蓋側連結部31A〜31Cから剥離し、基板ケースを開封させるための並進移動が残存部62〜64の残存している場合よりも容易となったとしても、残存部62’〜64’がその並進移動の過程において蓋側連結部31A〜31Cに乗り上げ易くなり、残存部62〜64の残存している場合よりも特定箇所における破壊を誘発できる。これによって、連結固定体60の切削量に依存せずに容易に識別できる開封の痕跡が基板ケースに残ることとなる。更に、蓋側連結部31A〜31Cの陥没穴には収容側連結部21A〜21C側の端部に収容側連結部21A〜21C側に向けて広がるテーパ空洞部が形成されているために、テーパ空洞部の内周面に沿って残存部62’〜64’が移動し、その並進移動の過程において蓋側連結部31A〜31Cに更に乗り上げ易くなる。
以上で説明したように、球式回胴遊技機100において、基板ケースの開封自体が容易となることを抑制でき、また、開封の痕跡の識別が困難な状態に復帰できるように開封されることを極めて良好に抑制できる。
本発明は、球体や円盤体を媒体とする回胴式遊技機及び球体を媒体とする弾球式遊技機等の遊技機に適している。
750:主制御装置
751:主制御基板
752:収容部材
753:蓋部材
754A〜754C:連結固定部材
21A〜21C:収容側連結部
31A〜31C:蓋側連結部
40:貫通孔
40A:第1通路部
40A:第2通路部
41:周縁壁
42,43:突出壁
44:分割壁
48:架橋片
50:陥没穴
51:周縁壁
60:連結固定体
62,63,64:残存部
62’,63’,64’:残存部

Claims (1)

  1. 第1外囲形成部、前記第1外囲形成部と係合する第2外囲形成部、前記第1外囲形成部に延設され陥没穴の形成された第1連結部及び前記第2外囲形成部に延設され前記第1連結部の前記陥没穴と連通する貫通孔の形成された第2連結部を含み、所定の部材を前記第1外囲形成部と前記第2外囲形成部との並進移動による係合により格納する外囲体と、
    前記陥没穴と前記貫通孔との接続口を越えて前記陥没穴から前記貫通孔に亘って充填され前記第1連結部及び前記第2連結部の双方と接合することにより前記第1連結部と前記第2連結部とを連結固定する連結固定体と、
    を備える遊技機であって、
    前記第1連結部と前記第2連結部とは前記並進移動の方向と異なる方向に対向し、
    前記第2連結部は、前記接続口の境界の少なくとも一部を前記第2連結部側から視認できないように、当該境界から前記第1連結部と反対側に離隔した位置において前記接続口より小さく前記貫通孔を狭窄する狭窄部を有する、
    ことを特徴とする遊技機。
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