JP2015185706A - ヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents

ヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フラックスを用いてパワーモジュール用基板とヒートシンクとを接合する際に、接触防止材を用いずにセラミックス基板と金属層との剥離を防止することが可能なヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】ヒートシンク付パワーモジュール用基板10は、セラミックス基板21と接合される金属層23を構成するアルミニウム板は、Ce濃度とLa濃度の合計が2.6質量ppm以下とされている。これにより、金属層23を構成するアルミニウム板とセラミックス基板21との接合界面にCe及びLaが凝集することが抑制され、フラックス侵入時の剥離を抑制できる。よって、金属層23とヒートシンク12とをフラックスを用いて接合しても、セラミックス基板21と金属層23とが強固に接合されたヒートシンク付パワーモジュール用基板10を製造できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、セラミックス基板と該セラミックス基板の一方の面に形成された回路層と前記セラミックス基板の他方の面に形成された金属層とを有するパワーモジュール用基板と、前記金属層とフラックスを用いて接合されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるヒートシンクと、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法に関するものである。
各種の半導体素子のうち、例えば、電気自動車や電気車両などを制御するために用いられる大電力制御用のパワー素子は、電流値が高いために発熱量が多い。こうした大電力制御用のパワー素子を搭載するパワーモジュール用基板は、発熱による誤動作などを防止するために、適切に冷却を行う必要がある。このため、パワーモジュール用基板に放熱、冷却用のヒートシンクを備えたヒートシンク付パワーモジュール基板が用いられている。
ヒートシンク付パワーモジュール用基板としては、例えば特許文献1に記載されているように、AlN(窒化アルミニウム)からなるセラミックス基板の一方の面、および他方の面にアルミニウム板(回路層及び金属層)が接合されたパワーモジュール用基板とAlからなるヒートシンクとが、ろう付けによって接合されたものが提案されている。
また、例えば特許文献2に示す半導体モジュールの冷却装置においては、セラミックス材からなる絶縁基板の両面にAlからなる金属板(上部電極及び下部電極)が接合されており、上部電極に半導体素子が接合された半導体モジュールと、アルミニウムからなる冷却器の天板とが、フラックスを用いたろう付けによって接合されたものが提案されている。
ここで、フラックスを用いたろう付けとしては、KAlFを主成分とするフラックスを用いたノコロックろう付けがある。このノコロックろう付けは、主に、アルミニウム板同士を接合する技術であり、例えばAl−Si系ろう材箔とKAlFを主成分とするフラックスとを、アルミニウム板同士の間に配置し、このフラックスによってアルミニウム板の表面に形成された酸化膜を除去するとともに、ろう材の溶融を促進して、接合するものである。
特開2007−194256号公報 特開2009−105166号公報
しかしながら、パワーモジュール用基板とヒートシンクをノコロックろう付けで接合する際に、フラックスがパワーモジュール用基板のセラミックス基板とアルミニウム板との接合面に侵入し、セラミックス基板とアルミニウム板との間の接合信頼性を低下させる懸念があった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、フラックスを用いてパワーモジュール用基板とヒートシンクとを接合する際に、セラミックス基板と金属層との剥離を防止することが可能なヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。パワーモジュール用基板において、ヒートシンクが接合される金属層にCe及びLaが含有されている場合、セラミックス基板と金属板を接合する時にこれらCe及びLaがセラミックス基板と金属板(金属層)との接合界面に凝集する。そして、セラミックス基板と金属板(金属層)との接合界面にCe及びLaが凝集した状態で、ヒートシンクをフラックスを用いたろう付けで接合すると、セラミックス基板と金属板(金属層)との接合界面にフラックスが侵入し、剥離が生じやすくなる。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであって、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法は、セラミックス基板の一方の面に回路層を形成する回路層形成工程と、前記セラミックス基板の他方の面に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム板を接合して金属層を形成する金属層形成工程と、前記金属層にアルミニウム又はアルミニウム合金からなるヒートシンクを接合するヒートシンク接合工程と、を有し、前記金属層形成工程では、Ce濃度とLa濃度の合計が2.6質量ppm以下のアルミニウム板を接合することで前記金属層を形成し、前記ヒートシンク接合工程では、フラックスを用いて前記金属層と前記ヒートシンクとを接合することを特徴とする。
本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法によれば、金属層とヒートシンクとをフラックスを用いて接合しても、金属層を構成するアルミニウム板とセラミックス基板との接合界面にCe及びLaが凝集することが抑制され、フラックス侵入時の金属層とセラミックス基板との剥離を抑制したヒートシンク付パワーモジュール用基板を製造することができる。
本発明によれば、前記金属層を形成するアルミニウム板として、さらにP濃度が4質量ppm以下のものを用いることが好ましい。
アルミニウム板に含まれる微量元素であるPも、濃度が4質量ppmを超えると、セラミックス基板とアルミニウム板との接合時にPがアルミニウム板の表面に凝集し、セラミックス基板と金属層との間にフラックスが侵入すると、セラミックス基板と金属層とを剥離させる原因となりうる。よって、CeやLaと同様にフラックス成分によってセラミックス基板と金属層との接合を剥離させる懸念があるPの濃度を4質量ppm以下と極めて低くすることで、セラミックス基板と金属層とがより一層強固に接合されたヒートシンク付パワーモジュール用基板を製造することができる。
本発明によれば、前記金属層を形成するアルミニウム板として、Alの純度が99.99質量%以上のものを用いることが好ましい。
金属層を形成するアルミニウム板として、純度が99.99質量%以上のAlを用いることによって、ヒートシンクとセラミックス基板との熱膨張係数の差による熱ひずみを金属層で十分に吸収することができ、セラミックス基板の破損を抑制したヒートシンク付パワーモジュール用基板を製造することができる。
本発明によれば、前記回路層形成工程では、Ce濃度とLa濃度の合計が2.6質量ppm以下の回路用アルミニウム板を接合することで前記回路層を形成することが好ましい。
これによって、回路層を構成する回路用アルミニウム板とセラミックス基板との接合界面にCe及びLaが凝集することが抑制され、フラックス侵入時の剥離を抑制できる。よって、回路層とセラミックス基板とが強固に接合されたヒートシンク付パワーモジュール用基板を製造することが可能になる。
本発明によれば、フラックスを用いてパワーモジュール用基板とヒートシンクとを接合する際に、セラミックス基板と金属層との剥離を防止することが可能なヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を提供することができる。
ヒートシンク付パワーモジュール用基板を示す断面図である。 本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を段階的に示した断面図である。 本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を段階的に示した断面図である。
以下、図面を参照して、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(ヒートシンク付パワーモジュール用基板)
初めに、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法によって得られるヒートシンク付パワーモジュール用基板の構成について、添付した図1を参照して説明する。
図1は、ヒートシンク付パワーモジュール用基板の一例を示す断面図である。
ヒートシンク付パワーモジュール用基板10は、パワーモジュール用基板11と、このパワーモジュール用基板11に接合されたヒートシンク12とから構成されている。
パワーモジュール用基板11は、セラミックス基板21と、このセラミックス基板21の一面21a側に接合された回路層22および他面21b側に接合された金属層23と、から構成されている。
セラミックス基板21と回路層22および金属層23とは、ろう材によって接合されている。このろう材としては、例えば、Al−Si系のろう材によって接合されている。Al−Si系のろう材は、融点が600〜700℃程度である。
セラミックス基板21は、絶縁性および放熱性の高いセラミックスからなる基板が好適に用いられる。セラミックス基板21を構成するセラミックスとしては、例えばAlN(窒化アルミニウム)や、Al(酸化アルミニウム)、Si(窒化ケイ素)、Zr−Al(ジルコニウム−酸化アルミニウム)などが挙げられる。本実施形態では、AlNを用いている。こうしたセラミックス板の厚さは、例えば、0.1〜1.0mm程度であればよい。一例として、本実施形態では、0.635mmに設定されている。
回路層22は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路用アルミニウム板が接合されることで形成されている。回路層22は純度99.99質量%以上の純アルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)から形成されており、厚さは0.2mm〜0.8mmの範囲内に設定され、本実施形態では0.5mmとされている。
また、金属層23は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム板が接合することで形成されている。本実施形態においては、純度が99.99質量%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板から形成されており、厚さは0.6mm〜2.5mmの範囲内に設定され、本実施形態では1.5mmとされている。
そして、回路層22の一方の面(図1において上面)にははんだ層を介して半導体素子が接合される。そして、金属層23の一方の面(図1において下面)にはシートシンク12がフラックスを用いたろう付けによって接合される。
これら回路層22および金属層23のうち、少なくともヒートシンク12と接合される金属層23を形成するアルミニウム板には、Ce(セリウム)及びLa(ランタン)の濃度が極めて少ないものが用いられる。
具体的には、金属層23に用いられるアルミニウム板は、Ceの濃度とLaの濃度の合計が2.6質量ppm以下のものが用いられる。一例として、Ceの濃度が2質量ppm以下、Laの濃度が1質量ppm以下である。
こうしたCeやLaの合計濃度が2.6質量ppmを超えると、セラミックス基板とアルミニウム板との接合時にこれらCe及びLaがアルミニウム板の表面に凝集する。そして、セラミックス基板21との接合界面にCe及びLaが凝集した状態で、ヒートシンク12と金属層23とをフラックスを用いたろう付けによって接合すると、、揮発したフラックスや、金属層23の側面を這い上がってきたフラックスがセラミックス基板21と金属層23との接合界面に引き込まれ、剥離が生じやすくなる。
よって、金属層23を形成するアルミニウム板のCeの濃度とLaの濃度との合計を2.6質量ppm以下に制限することで、フラックスを用いたろう付けを行ってもセラミックス基板21と金属層23との剥離を防止することができる。
なお、回路層22についても、Ce及びLaの合計濃度が2.6質量ppm以下の回路用アルミニウム板を用いることが好ましい。これによって、セラミックス基板21と回路層22との剥離も防止する。
金属層23に用いられるアルミニウム板は、更に、P(リン)濃度が4質量ppm以下のものを用いることが好ましい。このアルミニウム板に含まれる微量元素であるPも、濃度が4質量ppmを超えると、セラミックス基板21とアルミニウム板との接合時にPがアルミニウム板の表面に凝集し、フラックスの成分であるKAlFなどが侵入すると、Al−Si系のろう材によって接合されたセラミックス基板21と金属層23とを剥離させる原因となりうる。
よって、金属層23を構成するアルミニウム板のP濃度を4質量ppm以下に制限することで、セラミックス基板21と金属層23との剥離をより確実に防止することができる。
ヒートシンク12は、例えば、天板部31と、この天板部31に形成された複数のフィン32,32…から構成されている。フィン32,32…は、互いに所定の間隔をあけて配置された板状部材である。このようなヒートシンク12は、フィン32,32…の間を冷媒である空気が流通することによって、このヒートシンク12に接合されたパワーモジュール用基板11から伝搬する熱を放熱する、いわゆる空冷式のヒートシンク12である。
なお、ヒートシンク12は、例えば、天板部31に例えば冷却水を流通させる複数の流路を一体に形成した、いわゆる水冷式のヒートシンク12であってもよい。また、ヒートシンク12は放熱板等の板状のものでもよい。
ヒートシンク12を構成する天板部31やフィン32,32…は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金などから形成されている。具体的には、A3003、A1050、4N−Al、A6063などが挙げられる。
なお、天板部31とフィン32,32…とは一体の部材として形成された構成であっても、天板部31の下面に複数のフィン32,32…をろう材等で接合した構成であってもよい。天板部31と複数のフィン32,32…とを別部材で構成する場合、天板部31と複数のフィン32,32…とは互いに異なる素材を用いて形成してもよい。
このようなヒートシンク12は、パワーモジュール用基板11の金属層23に対して、Al−Si系ろう材と、KAlFを主成分とするフラックスを用いて接合されている。
以上のような構成の本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板10によれば、少なくともヒートシンク12と接合される金属層23は、Ce及びLaの合計濃度が2.6質量ppm以下のものを用いている。
これによって、金属層23にヒートシンク12を、フラックスを用いたろう付けで接合する際に、フラックスの成分であるKAlF等がセラミックス基板21の他面21bと金属層23との接合界面に侵入しても、セラミックス基板21と金属層23との接合界面にCe及びLaが凝集しないため、セラミックス基板21と金属層23とが剥離することを防止する。従って、セラミックス基板21と金属層23とが強固に接合され、例えば冷熱サイクルの負荷によっても剥離することのないヒートシンク付パワーモジュール用基板10を実現できる。
(ヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法)
本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法について、添付した図2、図3を参照して説明する。
図2、図3は、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を段階的に示した断面図である。
まず、図2(a)に示すように、セラミックス基板21の一面21a側に、回路層用アルミニウム板52が、ろう材箔41を介して積層される。また、セラミックス基板21の他面21b側に、金属層用アルミニウム板53が、ろう材箔41を介して積層される。
回路層用アルミニウム板52は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム板が用いられる。厚さは0.2mm〜0.8mmの範囲内に設定されている。本実施形態では、純度99.99質量%以上の純アルミニウムを用い、厚さは0.5mmとされている。
また、金属層用アルミニウム板53は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム板が用いられる。厚さは0.4mm〜2.5mmの範囲内に設定されている。本実施形態では、純度99.99質量%以上の純アルミニウムを用い、厚さは1.5mmとされている。
そして、金属層用アルミニウム板53は、Ce及びLaの合計濃度が2.6質量ppm以下とされている。更に、これらアルミニウム板は、P濃度が4質量ppm以下のものを用いることがより一層好ましい。
また、ろう材箔41としては、Al−5mass%〜10mass%Si系ろう材が用いられる。厚さは0.01mm〜0.03mmの範囲内の箔を用いることができる。本実施形態では、Al−7mass%Siろう材箔を用い、厚さは0.015mmの箔を用いた。
次に、図2(b)に示すように、回路層用アルミニウム板52、セラミックス基板21、金属層用アルミニウム板53を積層方向に加圧(圧力1〜5kgf/cm)した状態で真空加熱炉40内に導入し、ろう材箔41の溶融温度まで加熱する。そして、冷却することでセラミックス基板21の一面21a側に回路層用アルミニウム板52が接合され、回路層22(図2(c)参照)が形成される。また、セラミックス基板21の他面21b側に金属層用アルミニウム板53が接合され金属層23(図2(c)参照)が形成される。なお、真空加熱時の加熱温度は、例えば550℃以上650℃以下、加熱時間は30分以上180分以下とされている。本実施形態では630℃、60分とした。
以上の工程によって、図2(c)に示すように、セラミックス基板21の一面21a側に回路層22が、また、セラミックス基板21の他面21b側に金属層23が形成されたパワーモジュール用基板11が得られる。
次に、図3(a)に示すように、パワーモジュール用基板11の金属層23に、ヒートシンク12を接合する。
具体的には、パワーモジュール用基板11の金属層23と、ヒートシンク12の天板部31との間に、Al−Si系ろう材箔42と、KAlFを主成分とするフラックス43とを介在させる。Al−Si系ろう材箔42としては、Al−7mass%〜12mass%Siろう材箔を用いることができる。本実施形態では、Al−10mass%Siろう材箔(厚さ0.1mm)を用いた。
次に、積層されたパワーモジュール用基板11、ヒートシンク12を加熱炉44内に導入して加熱する。本実施形態では、加熱炉44内は、窒素ガス雰囲気とされており、加熱温度は、例えば、550℃以上630℃以下の範囲内に設定されている。本実施形態では610℃とした。
加熱炉44での加熱時に、フラックス43によって、金属層23の表面や、ヒートシンク12の天板部31の表面に形成されているAlの自然酸化膜が除去される。そして、ろう材箔42と金属層23の一部とが溶融し、パワーモジュール用基板11の金属層23と、ヒートシンク12とが、自然酸化膜を除去された状態で強固に接合される。
このような、パワーモジュール用基板11とヒートシンク12との接合時に、フラックス成分が液化、気化して、セラミックス基板21側へと移動することがある。しかしながら、金属層用アルミニウム板53に含まれるCeとLaとの合計濃度が2.6質量ppm以下と極めて低濃度であるため、セラミックス基板21と金属層23の接合界面にCe及びLaが凝集することがない。
よって、フラックス成分がセラミックス基板21と金属層23との接合界面に侵入しても、前工程でAl−Si系ろう材によって接合されているセラミックス基板21と金属層23とが剥離することを抑制できる。
以上の工程を経て、図3(b)に示すように、セラミックス基板21と金属層23が強固に接合されたパワーモジュール用基板11を有するヒートシンク付パワーモジュール用基板10を製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上記実施形態において、回路層用アルミニウム板52に含まれるCe及びLaの合計濃度を2.6質量ppm以下とすることも可能である。Ce及びLaの合計濃度が2.6質量ppm以下である回路層用アルミニウム板52をセラミックス基板21に接合し回路層22を形成した場合、セラミックス基板21と回路層22との接合界面にCe及びLaが凝集しないため、セラミックス基板21と回路層22との接合界面にフラックスが侵入したとしても、セラミックス基板21と回路層22とが剥離することを抑制することができる。
また、回路層22や金属層23を構成するアルミニウム板中のCeとLaは、合計濃度が2.6質量ppm以下であれば、互いの濃度比率が限定されるものではない。また、フラックスの成分は、KAlFに限定されるものでは無く、アルミニウム板の自然酸化膜を除去するために有効なフラックスであれば好ましく利用できる。
以下、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の効果を検証した結果を記載する。
本実施例および従来の比較例における接合状態を検証した。
まず、本発明例1−3と比較例のサンプルを作成した。サンプルの作成は、AlNからなるセラミックス基板の一方の面に、Al−Si系ろう材を介して純度が99.99質量%以上のアルミニウムからなる回路用アルミニウム板を積層し、セラミックス基板の他方の面に、Al−Si系ろう材を介して表1記載の金属層用アルミニウム板を積層し、積層方向に加圧しながら加熱し、両アルミニウム板をセラミックス基板に接合し、回路層及び金属層が形成されたパワーモジュール用基板を作成した。なお、加圧力は5kgf/cmとし、接合は、真空雰囲気において、645℃で30分保持することで行った。
各サンプルにおけるCe、La、Pの濃度測定は、グロー放電質量分析装置(VG MICROTRACE製 VG-9000型)を用いた。
そして、得られたパワーモジュール用基板の金属層に、ヒートシンクとしてA1050合金のアルミニウム板(100×100×5mm)を接合した。パワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合は、パワーモジュール用基板を構成する金属層とヒートシンクとを、Al−10mass%Siろう材箔(厚さ0.1mm)およびろう材箔の両面にKAlFを主成分とするフラックスを介して積層し、窒素ガス雰囲気中で580℃以上で7分間保持し、最高温度が626℃になるまで昇温させ、その後、自然冷却した。以上によって、本発明例1〜3と比較例のヒートシンク付パワーモジュール用基板を得た。
次に、これらサンプルの接合状態をろう付判定結果として評価した。
「ろう付判定結果」の評価は、超音波深傷装置を用いてセラミックス基板と金属層との接合部を評価したもので、剥離率=剥離面積/接合面積×100の式から算出した。
ここで、剥離面積は、接合面を撮影した超音波深傷像において剥離は接合部内の白色部で示されることから、この白色部の面積を測定したものである。また、接合面積は、接合前における接合すべき面積である金属層の接合面の面積とした。
剥離率が3%以上のものは×、剥離率が3%未満のものは○と評価した。
Figure 2015185706
表1に示す結果から、本発明例1〜3については、セラミックス基板と金属層との接合界面に剥離は殆ど見られなかった。CeおよびLaの合計濃度を2.6質量ppm以下にしたアルミニウム板を用いることによって、フラックスによるヒートシンク接合時の剥離を確実に抑制できることが確認された。
一方、比較例はCeおよびLaの合計濃度が2.6質量ppmを超えたアルミニウム板を用いており、セラミックス基板と金属層との接合界面に剥離が見られ、ヒートシンク接合時にフラックスによる剥離の抑制が困難であることが分かった。
10 ヒートシンク付パワーモジュール用基板
11 パワーモジュール用基板
12 ヒートシンク
21 セラミックス基板
22 回路層
23 金属層)

Claims (4)

  1. セラミックス基板の一方の面に回路層を形成する回路層形成工程と、
    前記セラミックス基板の他方の面に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム板を接合して金属層を形成する金属層形成工程と、
    前記金属層にアルミニウム又はアルミニウム合金からなるヒートシンクを接合するヒートシンク接合工程と、を有し、
    前記金属層形成工程では、Ce濃度とLa濃度の合計が2.6質量ppm以下のアルミニウム板を接合することで前記金属層を形成し、
    前記ヒートシンク接合工程では、フラックスを用いて前記金属層と前記ヒートシンクとを接合することを特徴とするヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
  2. 前記金属層を形成するアルミニウム板として、さらにP濃度が4質量ppm以下のものを用いることを特徴とする請求項1記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
  3. 前記金属層を形成するアルミニウム板として、Alの純度が99.99質量%以上のものを用いることを特徴とする請求項1または2記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
  4. 前記回路層形成工程では、Ce濃度とLa濃度の合計が2.6質量ppm以下の回路用アルミニウム板を接合することで前記回路層を形成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
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