JP6323104B2 - ヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents
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Description
ここで、熱処理の温度を630℃未満の場合、アルミニウム板に含まれる不純物を表面に析出させることができない。また、熱処理の温度が660℃を超えるとアルミニウム板が溶融する虞がある。よって、熱処理の温度を630℃以上660℃以下の範囲内としている。
また、熱処理工程における加熱時間を12分以上にすることよって、アルミニウム板の内部に存在する不純物を十分に表面近傍に析出させることができる。また、加熱時間を180分以下にすることよって、過度な加熱によるアルミニウム板の変形を防止することができる。
さらに、アルミニウム板に含まれるPは、セラミックス基板と金属層との間にフラックスが侵入した際に、セラミックス基板と金属層とを剥離させる原因となりうる。よって、フラックス成分によってセラミックス基板と金属層との接合を剥離させる懸念があるPを除去することで、セラミックス基板と金属層とをより一層強固に接合することが可能になる。
アルミニウム表層をエッチングすることによって、熱処理工程で析出させた不純物をアルミニウム板の表面近傍に残存させることなく確実に除去することが可能になる。
アルミニウム板として、純度が99.99質量%以上のAlを用いることによって、ヒートシンクとセラミックス基板との熱膨張係数の差による熱ひずみを金属層で十分に吸収することができ、セラミックス基板の破損を抑制することができる。
これによって、不純物が除去されたアルミニウム板を用いて回路層を形成することで回路層とセラミックス基板との接合界面に不純物が凝集することが抑制され、フラックス侵入時の剥離を抑制できる。よって、回路層とセラミックス基板とを強固に接合することが可能になる。
アルミニウム板にCe、Laが含まれると、セラミックス基板と金属層との間にフラックスが侵入した際に、セラミックス基板と金属層とを剥離させる原因となりうる。アルミニウム板から除去する不純物として、少なくともCe、Laを含むことで、アルミニウム板とセラミックス基板を接合する際に、アルミニウム板(金属層)とセラミックス基板との接合界面にCe、Laが凝集することが抑制され、金属層とヒートシンクをフラックスを用いて接合した際に、フラックスが金属層とセラミックス基板の接合界面に侵入したとしても金属層とセラミックス基板との剥離を抑制したヒートシンク付パワーモジュール用基板を製造することが可能になる。
まず、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法によって得られるヒートシンク付パワーモジュール用基板の構成を、添付した図1を参照して説明する。
図1は、ヒートシンク付パワーモジュール用基板を示す断面図である。
ヒートシンク付パワーモジュール用基板10は、パワーモジュール用基板11と、このパワーモジュール用基板11に接合されたヒートシンク12とから構成されている。
また、金属層23は、例えば緩衝層として用いられる。緩衝層は、このヒートシンク付パワーモジュール用基板10に冷熱サイクルが負荷された際に、セラミックス基板21に発生する熱応力をこの緩衝層(金属層23)によって吸収でき、セラミックス基板21に割れが発生することを抑制できる。
なお、ヒートシンク12は、例えば、天板部31に例えば冷却水を流通させる複数の流路を一体に形成した、いわゆる水冷式のヒートシンク12であってもよい。
本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法について、添付した図2、図3、図4を参照して説明する。
図2、図3、図4は、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を段階的に示した断面図である。
両アルミニウム板51をエッチング液53に浸漬する時間(エッチング時間)は、例えば30秒から5分の範囲であればよく、本実施形態においてはエッチング時間を80秒としている。
両アルミニウム板51を酸洗液55で酸洗する時間は、例えば20秒程度であればよい。
不純物除去工程において、両アルミニウム板51のエッチング後に上述した酸洗を行うことによって、水洗だけを行う場合よりもエッチング後の残渣を確実に溶解して除去することができる。
以上のようにして得られる不純物除去後の両アルミニウム板51は、Ce、La、Pといった不純物が極めて低濃度にしか存在しない。一例として、不純物除去後の両アルミニウム板51は、CeとLaの合計濃度が2.6ppm以下、Pの濃度が4ppm以下である。
具体的には、パワーモジュール用基板11の金属層23と、ヒートシンク12の天板部31との間に、Al−Si系ろう材箔42と、フッ化物、例えばKAlF4、を主成分とするフラックス43とを介在させる。Al−Si系ろう材箔42としては、Al−10mass%Si〜Al−12mass%Siろう材が用いられる。ろう材箔42の厚さは30μm〜150μmの範囲内に設定される。本実施形態では、ろう材箔42として厚さ100μmのAl−10mass%Siろう材箔を用いた。
本実施形態では、回路層用アルミニウム板52及び金属層用アルミニウム板53の両方に対し加熱処理工程及び不純物除去工程を施したが、回路層用アルミニウム板52に対しては必ずしも加熱処理工程及び不純物除去工程を適用する必要はない。フラックスの侵入は、セラミックス基板と金属層との接合界面への侵入が最も多いため、金属層用アルミニウム板53のみを上述した処理を行うことで、本発明の効果を得ることができる。
例えば、上述したように化学的にアルミニウム板51の表面を溶解させる以外にも、両アルミニウム板51の表面を物理的に研削、研磨することによって、加熱処理工程で両アルミニウム板51の表面に析出させたCe、La、Pを含む不純物を除去することもできる。
また、フラックスの成分は、KAlF4に限定されるものでは無く、アルミニウム板の自然酸化膜を除去するために有効なフラックスであれば好ましく利用できる。
まず、本発明例1−5と比較例1−3のサンプルを作成した。まず、パワーモジュール用基板の金属層を形成するアルミニウム板を用意した。アルミニウム板は、純度が99.99質量%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の厚さ1.5mmの圧延板とした。このアルミニウム板を用いて、表1記載の温度で熱処理工程を実施した。熱処理工程は真空中で60分行った。
次に、熱処理工程を実施したアルミニウム板に対しエッチングによって不純物除去工程を実施した。エッチング液としてNaOH5%水溶液を用い、液温50℃として表1記載の時間浸漬し、エッチング処理をした。その後、上記実施形態に記載した酸洗及び水洗を行った。なお、比較例1は熱処理工程及び不純物除去工程を実施しなかった。比較例3では不純物除去工程を実施しなかった。
そして、これらパワーモジュール用基板のそれぞれ金属層に、Al−Si系ろう材およびろう材箔の両面にKAlF4を主成分とするフラックスを介してヒートシンクを積層し、ノコロックろう付けした。ヒートシンクとしては、A1050のアルミニウム板を用いた。
ここで、剥離面積は、接合面を撮影した超音波深傷像において剥離は接合部内の白色部で示されることから、この白色部の面積を測定したものである。また、接合面積は、接合前における接合すべき面積である金属層の接合面の面積とした。
剥離率が3%以上のものは×、剥離率が2%以上3%未満のものは○、2%未満のものは◎と評価した。
評価結果を表1に示す。
11 パワーモジュール用基板
12 ヒートシンク
21 セラミックス基板
22 回路層
23 金属層
51 アルミニウム板
Claims (5)
- セラミックス基板と、該セラミックス基板の一方の面に形成された回路層と、前記セラミックス基板の他方の面に形成された金属層とを有するパワーモジュール用基板、および前記金属層に接合されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるヒートシンク、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法であって、
アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム板を非酸化雰囲気中で630℃以上、660℃以下の温度範囲、加熱時間を12分以上、180分以下の範囲内で熱処理し、不純物を表面に析出させる熱処理工程と、
前記不純物を前記アルミニウム板の表面から除去し、Pの濃度を4ppm以下とする不純物除去工程と、
前記アルミニウム板を前記セラミックス基板の他方の面に接合し、金属層を形成するアルミニウム板接合工程と、
前記金属層と前記ヒートシンクとを、フラックスを用いて接合するヒートシンク接合工程と、
を順に備えたことを特徴とするヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。 - 前記不純物除去工程は、エッチングによって前記不純物を除去する工程であることを特徴とする請求項1記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
- 前記アルミニウム板は、Alの純度が99.99質量%以上のものを用いることを特徴とする請求項1または2記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
- 前記回路層は、前記不純物が除去された前記アルミニウム板を用いることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
- 前記不純物除去工程において除去する不純物は、少なくともCe、Laを含むことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一項記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
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