JP2015185614A - 基板処理方法、基板処理装置およびプログラム - Google Patents

基板処理方法、基板処理装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】SbおよびTeを含むSbTe層とGeおよびTeを含むGeTe層とが積層されてなる積層膜の形成に適用することができる新規な成膜技術を提供する。【解決手段】基板処理方法は、基板に対して第1の元素を含む第1の原料と第2の元素を含む第2の原料とを供給して、第1の元素と第2の元素とを含む第1の層を形成する工程と、基板に対して第2の原料と第3の元素を含む第3の原料とを供給して、第2の元素と第3の元素とを含む第2の層を形成する工程と、を含むサイクルを所定回数行うことで、基板上に第1の層と第2の層とが積層されてなる積層膜を形成する工程を有し、第3の原料は第1の原料および第2の原料よりも熱分解温度が低く、第1の層を形成する工程では、第1の原料および第2の原料に加え、第3の原料をも供給する。【選択図】図5

Description

本発明は、基板処理方法、基板処理装置およびプログラムに関する。
半導体装置の製造工程の一工程として、シリコン(Si)ウエハ等の基板上に、例えばゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)等の半金属元素を含む膜(GeSbTe膜)を形成する成膜工程が行われることがある。Ge、SbおよびTeを含むGeSbTe膜として、SbおよびTeを含むSbTe層とGeおよびTeを含むGeTe層とが積層されてなる積層膜が形成されることがある。
本発明の一目的は、SbおよびTeを含むSbTe層とGeおよびTeを含むGeTe層とが積層されてなる積層膜の形成に適用することができる新規な成膜技術を提供することである。
本発明の一態様によれば、
基板に対して第1の元素を含む第1の原料と第2の元素を含む第2の原料とを供給して、前記第1の元素と前記第2の元素とを含む第1の層を形成する工程と、
前記基板に対して前記第2の原料と第3の元素を含む第3の原料とを供給して、前記第2の元素と前記第3の元素とを含む第2の層を形成する工程と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記第1の層と前記第2の層とが積層されてなる積層膜を形成する工程を有し、
前記第3の原料は前記第1の原料および前記第2の原料よりも熱分解温度が低く、
前記第1の層を形成する工程では、前記第1の原料および前記第2の原料に加え、前記第3の原料をも供給する基板処理方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、
基板を収容する処理室と、
前記処理室内に第1の元素を含む第1の原料を供給する第1原料供給系と、
前記処理室内に第2の元素を含む第2の原料を供給する第2原料供給系と、
前記処理室内に第3の元素を含み前記第1の原料および前記第2の原料よりも熱分解温度が低い第3の原料を供給する第3原料供給系と、
前記処理室内の基板に対して前記第1の原料と前記第2の原料とを供給して、前記第1の元素と前記第2の元素とを含む第1の層を形成する処理と、前記処理室内の前記基板に対して前記第2の原料と前記第3の原料とを供給して、前記第2の元素と前記第3の元素とを含む第2の層を形成する処理と、を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記第1の層と前記第2の層とが積層されてなる積層膜を形成する処理を行い、前記第1の層を形成する処理では、前記第1の原料および前記第2の原料に加え、前記第3の原料をも供給するように、前記第1原料供給系、前記第2原料供給系および前記第3原料供給系を制御するよう構成される制御部と、
を有する基板処理装置が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、
処理室内の基板に対して第1の元素を含む第1の原料と第2の元素を含む第2の原料とを供給して、前記第1の元素と前記第2の元素とを含む第1の層を形成する手順と、
前記処理室内の前記基板に対して前記第2の原料と第3の元素を含む第3の原料とを供給して、前記第2の元素と前記第3の元素とを含む第2の層を形成する手順と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記第1の層と前記第2の層とが積層されてなる積層膜を形成する手順をコンピュータに実行させ、
前記第3の原料は前記第1の原料および前記第2の原料よりも熱分解温度が低く、
前記第1の層を形成する手順では、前記第1の原料および前記第2の原料に加え、前記第3の原料をも供給するプログラムが提供される。
第1の元素を含む第1の原料と第2の元素を含む第2の原料とを供給して第1の元素と第2の元素とを含む第1の層を形成し、第2の原料と第3の元素を含む第3の原料とを供給して第2の元素と第3の元素とを含む第2の層を形成して、第1の層と第2の層とが積層されてなる積層膜を形成する際に、第1の層の形成において、第2の層の形成で用いられ第1〜第3の原料のうち熱分解温度が最も低い第3の原料も供給することにより、第3の原料を供給しない場合に比べて、第1の層の形成を促進することができる。
図1は、本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置のガス供給系の構成図である。 図2は、本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置のウエハ処理時における断面構成図である。 図3は、本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置のウエハ搬送時における断面構成図である。 図4は、本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置のコントローラの概略構成図である。 図5(a)は、本発明の一実施形態の成膜シーケンスにおけるガス供給タイミングを示すタイミングチャートであり、図5(b)は、変形例1の成膜シーケンスにおけるガス供給タイミングを示すタイミングチャートである。 図6(a)は、変形例2の成膜シーケンスにおけるガス供給タイミングを示すタイミングチャートであり、図6(b)は、変形例3の成膜シーケンスにおけるガス供給タイミングを示すタイミングチャートである。 図7(a)は、変形例4の成膜シーケンスにおけるガス供給タイミングを示すタイミングチャートであり、図7(b)は、変形例5の成膜シーケンスにおけるガス供給タイミングを示すタイミングチャートである。 図8は、一例によるGe原料の化学構造式を示す図である。 図9は、TDMASb、DTBTeおよび図8に化学構造式を示すGe原料の熱分解特性を示すグラフである。 図10(a)は、実施例によるSbTe層のSEM写真であり、図10(b)は、比較例によるSbTe層のSEM写真である。 図11は、SbTe層の結晶構造解析結果を示すグラフである。 図12(a)は、バッチ式の基板処理装置の概略構造例を示す縦断面図であり、図12(b)は、バッチ式の基板処理装置の概略構造例を示す、図12(a)のA−A線断面図である。
<本発明の一実施形態>
(1)基板処理装置の構成
まず、本実施形態による基板処理装置の構成について、図2〜4を参照しながら説明する。
(処理室)
図2,3に示されているとおり、本実施形態による基板処理装置40は処理容器202を備えている。処理容器202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。また、処理容器202は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)等の金属材料により構成されている。処理容器202内には、基板としてのシリコンウエハ等のウエハ200に対して処理が行われる処理室201が形成されている。
(支持台)
処理室201内には、ウエハ200を支持する支持台203が設けられている。ウエハ200が直接触れる支持台203の上面には、例えば、石英(SiO)、カーボン、セラミックス、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(Al)、または窒化アルミニウム(AlN)等から構成された支持板としてのサセプタ217が設けられている。また、支持台203には、ウエハ200を加熱する加熱手段(加熱源)としてのヒータ206と、温度検出器としての温度センサ206bとが内蔵されている。温度センサ206bにより検出された温度情報に基づきヒータ206への通電具合を調整することで、サセプタ217上に支持されたウエハ200の温度分布を所望の温度分布にすることができる。支持台203の下端部は、処理容器202の底部を貫通している。
(昇降機構)
処理室201の外部には、支持台203を昇降させる昇降機構207bが設けられている。昇降機構207bを作動させて支持台203を昇降させることにより、サセプタ217上に支持されるウエハ200を昇降させることができる。支持台203は、ウエハ200の搬送時には図3で示される位置(ウエハ搬送位置)まで下降し、ウエハ200の処理時には図2で示される位置(ウエハ処理位置)まで上昇する。支持台203下端部の周囲は、ベローズ203aにより覆われており、処理室201内は気密に保持されている。
(リフトピン)
処理室201の底面(床面)には、例えば3本のリフトピン208bが鉛直方向に立ち上がるように設けられている。支持台203(サセプタ217も含む)には、リフトピン208bを貫通させる貫通孔208aが、リフトピン208bに対応する位置にそれぞれ設けられている。支持台203をウエハ搬送位置まで下降させた時には、図3に示されているように、リフトピン208bの上端部がサセプタ217の上面から突出して、リフトピン208bがウエハ200を下方から支持する。支持台203をウエハ処理位置まで上昇させたときには、図2に示されているように、リフトピン208bはサセプタ217の上面から埋没して、サセプタ217がウエハ200を下方から支持するようになっている。リフトピン208bは、ウエハ200と直接触れるため、例えば、石英や酸化アルミニウム等の材質で形成することが望ましい。
(ウエハ搬送口)
処理室201(処理容器202)の内壁側面には、処理室201の内外へウエハ200を搬送するウエハ搬送口250が設けられている。ウエハ搬送口250にはゲートバルブ44が設けられており、ゲートバルブ44を開くことにより、処理室201内と負圧移載室11内とが連通するようになっている。負圧移載室11は搬送容器(密閉容器)12内に形成されており、負圧移載室11内にはウエハ200を搬送する負圧移載機13が設けられている。負圧移載機13には、ウエハ200を搬送する際にウエハ200を支持する搬送アーム13aが備えられている。支持台203をウエハ搬送位置まで下降させた状態で、ゲートバルブ44を開くことにより、負圧移載機13により処理室201内と負圧移載室11内との間でウエハ200を搬送することができる。すなわち、負圧移載機13は、ウエハ200を処理室201内外へ搬送する搬送装置(搬送機構)として構成される。処理室201内へ搬送されたウエハ200は、上述したようにリフトピン208b上に一時的に載置される。なお、負圧移載室11のウエハ搬送口250が設けられた側と反対側には、図示しないロードロック室が設けられており、負圧移載機13によりロードロック室内と負圧移載室11内との間でウエハ200を搬送することができる。ロードロック室は、未処理もしくは処理済のウエハ200を一時的に収容する予備室として機能する。
(排気系)
処理室201(処理容器202)の内壁側面であって、ウエハ搬送口250の反対側には、処理室201内の雰囲気を排気する排気口260が設けられている。排気口260には、排気チャンバ260aを介して排気管261が接続されている。排気チャンバ260aには、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ265が設けられている。排気管261には、処理室201内の圧力を所定の圧力とするように制御する圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ262および原料回収トラップ263を介して、真空排気装置としての真空ポンプ264が接続されている。なお、APCバルブ262は、真空ポンプ264を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気および真空排気停止を行うことができ、さらに、真空ポンプ264を作動させた状態で弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができるように構成されているバルブである。主に、排気チャンバ260a、圧力センサ265、排気管261、APCバルブ262により排気系(排気ライン)が構成される。なお、原料回収トラップ263、真空ポンプ264を排気系に含めて考えてもよい。排気系は、真空ポンプ264を作動させつつ、圧力センサ265により検出された圧力情報に基づいてAPCバルブ262の弁の開度を調節することにより、処理室201内が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気され得るように、構成されている。
(ガス供給口)
処理室201の上部に設けられる後述のシャワーヘッド240の上面(天井壁)には、処理室201内に所定元素を含む原料ガスを供給する原料ガス供給口210aと、処理室201内に反応ガスを供給する反応ガス供給口210bと、が設けられている。つまり、反応ガス供給口210bは、原料ガス供給口210aとは独立して設けられており、原料ガスと反応ガスとは異なる供給口より別々に処理室201内へ供給されるように構成されている。なお、図2、図3には、反応ガス供給口210bを原料ガス供給口210aの内側に原料ガス供給口210aと同心円状に配置する構成を例示しているが、本発明は上述の態様に限定されず、反応ガス供給口210bを原料ガス供給口210aの外側に設けてもよい。原料ガス供給口210a、反応ガス供給口210bに接続される各ガス供給系の構成については後述する。
(シャワーヘッド)
原料ガス供給口210aと処理室201との間には、ガス分散機構としてのシャワーヘッド240が設けられている。シャワーヘッド240は、原料ガス供給口210aから供給される原料ガスを分散させる分散板240aと、分散板240aを通過した原料ガスをさらに均一に分散させて支持台203上のウエハ200の表面に供給するシャワー板240bと、を備えている。分散板240aおよびシャワー板240bには、それぞれ、複数の通気孔が設けられている。分散板240aは、シャワーヘッド240の上面およびシャワー板240bと対向するように配置されており、シャワー板240bは、支持台203上のウエハ200と対向するように配置されている。なお、シャワーヘッド240の上面と分散板240aとの間、および分散板240aとシャワー板240bとの間には、それぞれ空間が設けられており、これらの空間は、原料ガス供給口210aから供給される原料ガスを分散させる第1バッファ空間(分散室)240c、および分散板240aを通過した原料ガスを拡散させる第2バッファ空間(拡散室)240dとしてそれぞれ機能する。
反応ガス供給口210bは、シャワーヘッド240を鉛直方向(厚さ方向)に貫通し、反応ガス供給口210bの下端開口がシャワー板240bの下面から支持台203に向けて突出するように設けられている。すなわち、反応ガス供給口210bは、反応ガスを、シャワー板240bの下方側から、つまり、シャワーヘッド240を介さずに処理室201内へ供給するように構成されている。
(排気ダクト)
処理室201(処理容器202)の内壁側面には、段差部201aが設けられている。そして、この段差部201aは、コンダクタンスプレート204をウエハ処理位置近傍に保持するように構成されている。コンダクタンスプレート204は、内周部にウエハ200を収容する穴が設けられた1枚のドーナツ状(リング状)をした円板として構成されている。コンダクタンスプレート204の外周部には、所定間隔を空けて周方向に配列された複数の排出口204aが設けられている。排出口204aは、コンダクタンスプレート204の外周部がコンダクタンスプレート204の内周部を支えることができるよう、不連続に形成されている。
一方、支持台203の外周部には、ロワープレート205が係止している。ロワープレート205は、リング状の凹部205bと、凹部205bの内側上部に一体的に設けられたフランジ部205aとを備えている。凹部205bは、支持台203の外周部と、処理室201の内壁側面との隙間を塞ぐように設けられている。凹部205bの底部のうち排気口260付近の一部には、凹部205b内から排気口260側へガスを排出(流通)させるプレート排気口205cが設けられている。フランジ部205aは、支持台203の上部外周縁上に係止する係止部として機能する。フランジ部205aが支持台203の上部外周縁上に係止することにより、ロワープレート205が、支持台203の昇降に伴い、支持台203と共に昇降されるようになっている。
支持台203がウエハ処理位置まで上昇したとき、ロワープレート205もウエハ処理位置まで上昇する。その結果、ウエハ処理位置近傍に保持されているコンダクタンスプレート204が、ロワープレート205の凹部205bの上面部分を塞ぎ、凹部205bの内部をガス流路領域とする排気ダクト259が形成されることとなる。なお、このとき、排気ダクト259(コンダクタンスプレート204およびロワープレート205)および支持台203によって、処理室201内が、排気ダクト259よりも上方の処理室201上部と、排気ダクト259よりも下方の処理室201下部と、に仕切られることとなる。コンダクタンスプレート204およびロワープレート205は、排気ダクト259の内壁に堆積する反応生成物をエッチングする場合(セルフクリーニングする場合)を考慮して、高温保持が可能な材料、例えば、耐高温高負荷用石英で構成することが好ましい。
ここで、ウエハ処理時における処理室201内のガスの流れについて説明する。
原料ガス供給口210aからシャワーヘッド240の上部へと供給された原料ガスは、第1バッファ空間(分散室)240cを経て分散板240aの複数の通気孔から第2バッファ空間240dへと入り、さらにシャワー板240bの複数の通気孔を通過して処理室201内へ供給される。また、反応ガス供給口210bから供給された反応ガスは、シャワー板240bの下方側から、つまり、シャワーヘッド240を介さずに処理室201内へ供給される。すなわち、原料ガス供給口210aから供給される原料ガスと、反応ガス供給口210bから供給される反応ガスとは、別々に処理室201内へ供給されることとなる。なお、原料ガスと反応ガスとが処理室201内に同時に供給される場合は、原料ガスと反応ガスとは、事前に混合されることなく処理室201内で初めて混合されることとなる。
原料ガスと反応ガスとは、それぞれウエハ200上に均一に供給され、ウエハ200の径方向外側に向かって放射状に流れる。そして、ウエハ200に接触した後の余剰なガスは、ウエハ200外周部に位置する排気ダクト259上、すなわち、コンダクタンスプレート204上を、ウエハ200の径方向外側に向かって放射状に流れ、コンダクタンスプレート204に設けられた排出口204aから、排気ダクト259内のガス流路領域内(凹部205b内)へと排出される。その後、ガスは排気ダクト259内を流れ、プレート排気口205cを経由して排気口260へと排気される。このようにガスを流すことで、処理室201下部、すなわち、支持台203の裏面や処理室201の底面側へのガスの回り込みが抑制される。
続いて、上述した原料ガス供給口210a、反応ガス供給口210bに接続されるガス供給系の構成について、図1を参照しながら説明する。
本実施形態による基板処理装置40の有するガス供給系は、常温常圧下で液体状態である液体原料を気化する気化部としてのバブラ220a,220b,220cと、バブラ220a,220b,220cにて液体原料を気化させて生成した各原料ガスを処理室201内へ供給する原料ガス供給系と、処理室201内へ反応ガスを供給する反応ガス供給系と、処理室201内へ不活性ガスを供給する不活性ガス供給系と、を有している。さらに、基板処理装置40は、バブラ220a,220b,220cからの原料ガスを処理室201内へ供給することなく処理室201をバイパスするよう排気するベント(バイパス)系を有している。以下、各部の構成について説明する。
(バブラ)
処理室201の外部には、液体原料を収容する原料容器としてのバブラ220a,220b,220cが設けられている。バブラ220a,220b,220cは、内部に液体原料を収容(充填)可能なタンク(密閉容器)として構成されており、また、液体原料をバブリングにより気化させて原料ガスを生成させる気化部としても構成されている。なお、バブラ220a,220b,220cの周りには、バブラ220a,220b,220cおよび内部の液体原料を加熱するサブヒータ206aが設けられている。
バブラ220a,220b,220cには、それぞれ異なる所定元素を含む原料が収容されている。なお、ここでいう所定元素とは、金属元素、半金属元素および半導体元素のうち少なくともいずれかの元素を含む。本実施形態において、バブラ220a,220b,220cには、以下のような原料が収容されている。バブラ220aには、第1の所定元素を含む第1の原料として、アンチモン(Sb)を含むアンチモン原料(Sb原料)が収容されている。バブラ220bには、第2の所定元素を含む第2の原料として、テルル(Te)を含むテルル原料(Te原料)が収容されている。バブラ220cには、第3の所定元素を含む第3の原料として、ゲルマニウム(Ge)を含むゲルマニウム原料(Ge原料)が収容されている。ここで用いるSb原料、Te原料、Ge原料は、それぞれ常温常圧下で液体状態である。なお、本明細書において「原料」という言葉を用いた場合は、「液体状態である液体原料」を意味する場合、「液体原料を気化した原料ガス」を意味する場合、または、その両方を意味する場合がある。
バブラ220a,220b,220cには、それぞれ、キャリアガス供給管237a,237b,237cが接続されている。キャリアガス供給管237a,237b,237cの上流側端部には、それぞれ、図示しないキャリアガス供給源が接続されている。また、キャリアガス供給管237a,237b,237cの下流側端部は、それぞれ、バブラ220a,220b,220c内に収容した液体原料内に浸されている。
キャリアガス供給管237aには、キャリアガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222aと、キャリアガスの供給を制御するバルブva1,va2とが設けられている。また、キャリアガス供給管237bには、キャリアガスの供給流量を制御する流量制御器としてのMFC222bと、キャリアガスの供給を制御するバルブvb1,vb2とが設けられている。また、キャリアガス供給管237cには、キャリアガスの供給流量を制御する流量制御器としてのMFC222cと、キャリアガスの供給を制御するバルブvc1,vc2とが設けられている。
キャリアガスとしては、液体原料とは反応しないガスを用いることが好ましく、例えばNガスやArガスやHeガス等の不活性ガスが好適に用いられる。主に、キャリアガス供給管237a,237b,237c、MFC222a,222b,222c、バルブva1,va2,vb1,vb2,vc1,vc2により、キャリアガス供給系(キャリアガス供給ライン)が構成される。
上記構成により、バルブva1,va2を開き、キャリアガス供給管237aからMFC222aで流量制御されたキャリアガスをバブラ220a内へ供給することにより、バブラ220a内部に収容された第1の液体原料(Sb液体原料)をバブリングにより気化させて、第1の所定元素を含む第1の原料ガス、すなわち、Sbを含むSb原料ガス(Sb含有ガス)を生成させることができる。
また、バルブvb1,vb2を開き、キャリアガス供給管237bからMFC222bで流量制御されたキャリアガスをバブラ220b内へ供給することにより、バブラ220b内部に収容された第2の液体原料(Te液体原料)をバブリングにより気化させて、第2の所定元素を含む第2の原料ガス、すなわち、Teを含むTe原料ガス(Te含有ガス)を生成させることができる。
また、バルブvc1,vc2を開き、キャリアガス供給管237cからMFC222cで流量制御されたキャリアガスをバブラ220c内へ供給することにより、バブラ220c内部に収容された第3の液体原料(Ge液体原料)をバブリングにより気化させて、第3の所定元素を含む第3の原料ガス、すなわち、Geを含むGe原料ガス(Ge含有ガス)を生成させることができる。
(原料ガス供給系)
バブラ220a,220b,220cには、それぞれ、バブラ220a,220b,220c内で生成された各原料ガスを処理室201内へ供給する原料ガス供給管213a,213b,213cが接続されている。原料ガス供給管213a,213b,213cの上流側端部は、それぞれ、バブラ220a,220b,220cの上部に存在する空間に連通している。原料ガス供給管213a,213b,213cの下流側端部は、原料ガス供給口210aに合流するように接続されている。
原料ガス供給管213aには、上流側から順にバルブva5,va3が設けられている。バルブva5は、バブラ220aから原料ガス供給管213a内への第1の原料ガスの供給を制御するバルブであり、バブラ220aの近傍に設けられている。バルブva3は、原料ガス供給管213aから処理室201内への第1の原料ガスの供給を制御するバルブであり、原料ガス供給口210aの近傍に設けられている。
また、原料ガス供給管213bには、上流側から順にバルブvb5,vb3が設けられている。バルブvb5は、バブラ220bから原料ガス供給管213b内への第2の原料ガスの供給を制御するバルブであり、バブラ220bの近傍に設けられている。バルブvb3は、原料ガス供給管213bから処理室201内への第2の原料ガスの供給を制御するバルブであり、原料ガス供給口210aの近傍に設けられている。
また、原料ガス供給管213cには、上流側から順にバルブvc5,vc3が設けられている。バルブvc5は、バブラ220cから原料ガス供給管213c内への第3の原料ガスの供給を制御するバルブであり、バブラ220cの近傍に設けられている。バルブvc3は、原料ガス供給管213cから処理室201内への第3の原料ガスの供給を制御するバルブであり、原料ガス供給口210aの近傍に設けられている。
バルブva3,vb3,vc3と後述するバルブve3は、例えば高耐久高速ガスバルブとして構成されている。高耐久高速ガスバルブは、短時間で素早くガス供給の切り替えおよびガス排気ができるように構成された集積バルブである。なお、バルブve3は、原料ガス供給管213a,213b,213cのバルブva3,vb3,vb3と原料ガス供給口210aとの間の空間を高速にパージしたのち、処理室201内をパージする不活性ガスの供給を制御するバルブである。
上記構成により、バブラ220aにて第1の液体原料を気化させて第1の原料ガスを発生させるとともに、バルブva5,va3を開くことにより、原料ガス供給管213aから処理室201内へ第1の原料ガスを供給することができる。主に、原料ガス供給管213a、バルブva5,va3により、第1の原料ガス供給系(第1の原料ガス供給ライン)としてのSb原料ガス供給系(Sb含有ガス供給系)が構成される。
また、バブラ220bにて第2の液体原料を気化させて第2の原料ガスを発生させるとともに、バルブvb5,vb3を開くことにより、原料ガス供給管213bから処理室201内へ第2の原料ガスを供給することができる。主に、原料ガス供給管213b、バルブvb5,vb3により、第2の原料ガス供給系(第2の原料ガス供給ライン)としてのTe原料ガス供給系(Te含有ガス供給系)が構成される。
また、バブラ220cにて第3の液体原料を気化させて第3の原料ガスを発生させるとともに、バルブvc5,vc3を開くことにより、原料ガス供給管213cから処理室201内へ第3の原料ガスを供給することができる。主に、原料ガス供給管213c、バルブvc5,vc3により、第3の原料ガス供給系(第3の原料ガス供給ライン)としてのGe原料ガス供給系(Ge含有ガス供給系)が構成される。
そして、主に、第1〜第3の原料ガス供給系(第1〜第3の原料ガス供給ライン)により、原料ガス供給系(原料ガス供給ライン)が構成される。また、主に、キャリアガス供給系、バブラ220a,220b,220c、原料ガス供給系により、原料供給系(原料供給ライン)が構成される。
(反応ガス供給系)
処理室201の外部には、反応ガスを供給する反応ガス供給源220dが設けられている。反応ガス供給源220dには、反応ガス供給管213dの上流側端部が接続されている。反応ガス供給管213dの下流側端部は、バルブvd3を介して反応ガス供給口210bに接続されている。反応ガス供給管213dには、反応ガスの供給流量を制御する流量制御器としてのMFC222dと、反応ガスの供給を制御するバルブvd1,vd2,vd3とが設けられている。反応ガスとしては、例えばアンモニア(NH)ガスが用いられる。主に、反応ガス供給管213d、MFC222d、バルブvd1,vd2,vd3により、反応ガス供給系(反応ガス供給ライン)としてのNHガス供給系(NHガス供給ライン)が構成される。なお、反応ガス供給源220dを反応ガス供給系に含めて考えてもよい。反応ガス供給系(反応ガス供給ライン)は、還元ガス供給系(還元ガス供給ライン)と称することもでき、水素含有ガス供給系(水素含有ガス供給ライン)と称することもできる。
(不活性ガス供給系)
また、処理室201の外部には、パージガスである不活性ガスを供給する不活性ガス供給源220e,220fが設けられている。不活性ガス供給源220e,220fには、それぞれ、不活性ガス供給管213e,213fの上流側端部が接続されている。不活性ガス供給管213eの下流側端部は、バルブve3を介して原料ガス供給口210aに接続されている。不活性ガス供給管213fの下流側端部は、バルブvf3を介して反応ガス供給口210bに接続されている。不活性ガス供給管213eには、不活性ガスの供給流量を制御する流量制御器としてのMFC222eと、不活性ガスの供給を制御するバルブve1,ve2,ve3が設けられている。不活性ガス供給管213fには、不活性ガスの供給流量を制御する流量制御器としてのMFC222fと、不活性ガスの供給を制御するバルブvf1,vf2,vf3が設けられている。
不活性ガスとしては、例えば、Nガスや、ArガスやHeガス等の希ガスが用いられる。主に、不活性ガス供給管213e,213f、MFC222e,222f、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3により、パージガス供給系(パージガス供給ライン)としての不活性ガス供給系(不活性ガス供給ライン)が構成される。なお、不活性ガス供給源220e,220fを不活性ガス供給系に含めて考えてもよい。不活性ガス供給系から供給する不活性ガスは、処理室201内への原料ガスや反応ガスの供給や拡散を促すキャリアガスとしても作用し、また、処理室201内における原料ガスや反応ガスの濃度や分圧を調整する希釈ガスとしても作用する。
(ベント(バイパス)系)
原料ガス供給管213a,213b,213cのバルブva3,vb3,vc3よりも上流側には、それぞれ、ベント管215a,215b,215cの上流側端部が接続されている。ベント管215a,215b,215cの下流側端部は、それぞれ、排気管261のAPCバルブ262よりも下流側であって原料回収トラップ263よりも上流側に接続されている。ベント管215a,215b,215cには、それぞれ、ガスの流通を制御するバルブva4,vb4,vc4が設けられている。
上記構成により、バルブva3を閉じ、バルブva4を開くことで、原料ガス供給管213a内を流れる第1の原料ガスを、処理室201内へ供給することなく、ベント管215aを介して処理室201を迂回(バイパス)させ、排気管261より排気することができる。また、バルブvb3を閉じ、バルブvb4を開くことで、原料ガス供給管213b内を流れる第2の原料ガスを、処理室201内へ供給することなく、ベント管215bを介して処理室201をバイパスさせ、排気管261より排気することができる。また、バルブvc3を閉じ、バルブvc4を開くことで、原料ガス供給管213c内を流れる第3の原料ガスを、処理室201内へ供給することなく、ベント管215cを介して処理室201をバイパスさせ、排気管261より排気することができる。
主に、ベント管215a,215b,215c、バルブva4,vb4,vc4により、ベント系(ベントライン)が構成される。
なお、バブラ220a,220b,220cの周りにはサブヒータ206aが設けられることは上述した通りだが、この他、キャリアガス供給管237a,237b,237c、原料ガス供給管213a,213b,213c、不活性ガス供給管213eの少なくとも一部、ベント管215a,215b,215c、排気管261、処理容器202、シャワーヘッド240等の周囲にもサブヒータ206aが設けられている。サブヒータ206aは、これらの部材を例えば100℃以下の温度に加熱することで、これらの部材内部での原料ガスの再液化を防止するように構成されている。
(制御部)
図4に示されているように、制御部(制御手段)であるコントローラ280は、CPU(Central Processing Unit)280a、RAM(Random Access Memory)280b、記憶装置280c、I/Oポート280dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM280b、記憶装置280c、I/Oポート280dは、内部バス280eを介して、CPU280aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ280には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置281が接続されている。
記憶装置280cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置280c内には、基板処理装置40の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理工程の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。なお、プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ280に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、RAM280bは、CPU280aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
I/Oポート280dは、上述の、バルブva1〜va5,vb1〜vb5,vc1〜vc5,vd1〜vd3,ve1〜ve3,vf1〜vf3、MFC222a〜222f、温度センサ206b、ヒータ206、サブヒータ206a、圧力センサ265、APCバルブ262、真空ポンプ264、ゲートバルブ44、昇降機構207b、負圧移載機13等に接続されている。
CPU280aは、記憶装置280cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置281からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置280cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。そして、CPU280aは、読み出したプロセスレシピの内容に沿うように、MFC222a〜222fによる各種ガスの流量調整動作、バルブva1〜va5,vb1〜vb5,vc1〜vc5,vd1〜vd3,ve1〜ve3,vf1〜vf3の開閉動作、APCバルブ262の開閉動作および圧力センサ265に基づくAPCバルブ262による圧力調整動作、真空ポンプ264の起動および停止、温度センサ206bに基づくヒータ206の温度調整動作、サブヒータ206aの温度調整動作、ゲートバルブ44の開閉動作、昇降機構207bの昇降動作、負圧移載機13の移載動作等を制御するように構成されている。
なお、コントローラ280は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)282を用意し、このような外部記憶装置282を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態によるコントローラ280を構成することができる。なお、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置282を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置282を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。なお、記憶装置280cや外部記憶装置282は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。なお、本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置280c単体のみを含む場合、外部記憶装置282単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。
(2)基板処理工程
上述の基板処理装置を用い、半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、基板上に積層膜を形成する成膜シーケンスについて、図5(a)を用いて説明する。以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ280により制御される。
図5(a)に示す成膜シーケンスでは、
基板としてのウエハ200に対して、第1の元素としてのSbを含む第1の原料としてのSb原料と、第2の元素としてのTeを含む第2の原料としてのTe原料と、を供給して、第1の元素および第2の元素を含む第1の層としてのSbTe層を形成する工程と、
ウエハ200に対して、Te原料と、第3の元素としてのGeを含む第3の原料としてのGe原料と、を供給して、第2の元素および第3の元素を含む第2の層としてのGeTe層を形成する工程と、
を含むサイクルを所定回数(1回以上)行うことで、ウエハ200上に、SbTe層とGeTe層とが積層されてなる積層膜を形成する。
ここで、Ge原料(第3の原料)はSb原料(第1の原料)およびTe原料(第2の原料)よりも熱分解温度が低く、SbTe層(第1の層)を形成する工程では、Sb原料(第1の原料)およびTe原料(第2の原料)に加え、Ge原料(第3の原料)をも供給する。
なお、本明細書において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのもの」を意味する場合や、「ウエハとその表面に形成された所定の層や膜等との積層体(集合体)」を意味する場合、すなわち、表面に形成された所定の層や膜等を含めてウエハと称する場合がある。また、本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)」を意味する場合や、「ウエハ上に形成された所定の層や膜等の表面、すなわち、積層体としてのウエハの最表面」を意味する場合がある。
したがって、本明細書において「ウエハに対して所定のガスを供給する」と記載した場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)に対して所定のガスを直接供給する」ことを意味する場合や、「ウエハ上に形成されている層や膜等に対して、すなわち、積層体としてのウエハの最表面に対して所定のガスを供給する」ことを意味する場合がある。また、本明細書において「ウエハ上に所定の層(または膜)を形成する」と記載した場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)上に所定の層(または膜)を直接形成する」ことを意味する場合や、「ウエハ上に形成されている層や膜等の上、すなわち、積層体としてのウエハの最表面の上に所定の層(または膜)を形成する」ことを意味する場合がある。
本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同様であり、その場合、上記説明において、「ウエハ」を「基板」に置き換えて考えればよい。
(基板搬入および基板載置)
昇降機構207bを作動させ、支持台203を、図3に示すウエハ搬送位置まで下降させる。そして、ゲートバルブ44を開き、処理室201と負圧移載室11とを連通させる。そして、上述のように負圧移載機13により負圧移載室11内から処理室201内へ、ウエハ200を搬送アーム13aで支持した状態でロードする。処理室201内に搬入されたウエハ200は、支持台203の上面から突出しているリフトピン208b上に一時的に載置される。負圧移載機13の搬送アーム13aが処理室201内から負圧移載室11内へ戻ると、ゲートバルブ44が閉じられる。
続いて、昇降機構207bを作動させ、支持台203を、図2に示すウエハ処理位置まで上昇させる。その結果、リフトピン208bは支持台203の上面から埋没し、ウエハ200は、支持台203上面のサセプタ217上に載置される。
(圧力調整および温度調整)
処理室201内、すなわち、ウエハ200が存在する空間が、所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ264によって真空排気(減圧排気)される。減圧排気とは、大気圧未満の圧力となるように排気することをいう。この際に、処理室201内の圧力は圧力センサ265で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ262がフィードバック制御される。真空ポンプ264は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は常時作動させた状態を維持する。
また、処理室201内のウエハ200が、所定の処理温度となるように、ヒータ206によって加熱される。この際に、ウエハ200の表面が所望の温度分布となるように、温度センサ206bが検出した温度情報に基づきヒータ206への通電具合がフィードバック制御される。ヒータ206によるウエハ200の加熱は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
(各原料の予備気化)
基板搬入〜温度調整の工程と並行し、以下のようにして、Sb原料ガス(第1の原料ガス)、Te原料ガス(第2の原料ガス)およびGe原料ガス(第3の原料ガス)を、それぞれ生成させておく(予備気化)。
バルブva1,va2,va5を開き、キャリアガス供給管237aからMFC222aで流量制御されたキャリアガスをバブラ220a内へ供給することにより、バブラ220a内部に収容されたSb液体原料をバブリングにより気化させてSb原料ガスを生成させておく。
また、バルブvb1,vb2,vb5を開き、キャリアガス供給管237bからMFC222bで流量制御されたキャリアガスをバブラ220b内へ供給することにより、バブラ220b内部に収容されたTe液体原料をバブリングにより気化させてTe原料ガスを生成させておく。
また、バルブvc1,vc2,vc5を開き、キャリアガス供給管237cからMFC222cで流量制御されたキャリアガスをバブラ220c内へ供給することにより、バブラ220c内部に収容されたGe液体原料をバブリングにより気化させてGe原料ガスを生成させておく。
これらの予備気化の工程では、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブva3,vb3,vc3を閉じたまま、バルブva4,vb4,vc4を開くことにより、原料ガスを処理室201内へ供給することなく処理室201をバイパスさせて排気しておく。バブラ220a,220b,220cにて原料ガスを安定して生成させるには所定の時間を要する。このため、本実施形態では、原料ガスを予め生成させておき、バルブva3,vb3,vc3と、バルブva4,vb4,vc4との開閉を切り替えることにより、原料ガスの流路を切り替える。その結果、バルブの切り替えにより、処理室201内への原料ガスの安定した供給を迅速に開始あるいは停止できるようになり、好ましい。
なお、基板搬入〜温度調整および後述する基板搬出の工程においては、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブva3,vb3,vc3,vd3を閉じ、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3を開くことで、処理室201内にNガスを常に流しておく。これにより、ウエハ200上へのパーティクルの付着を抑制することができる。
(第1の層の形成)
基板搬入〜温度調整の工程の後、第1の層の形成工程として、以下に説明するステップ1aを実行する。
[ステップ1a]
(Sb原料ガス、Te原料ガスおよびGe原料ガスの供給)
バルブva4,vb4を同時に閉じ、バルブva3,vb3を同時に開いて、処理室201内へのSb原料ガスおよびTe原料ガスの供給を同時に開始する。また、バルブva4,vb4を閉じるのと同時にバルブvc4も閉じ、バルブva3,vb3を開くのと同時にバルブvc3も開いて、処理室201内へのGe原料ガスの供給も同時に開始する。
原料ガス供給口210aからシャワーヘッド240の上部へと供給されたSb原料ガス、Te原料ガス、Ge原料ガスは、それぞれ、第1バッファ空間(分散室)240cを経て分散板240aの複数の通気孔から第2バッファ空間240dへと入り、さらにシャワー板240bの複数の通気孔を通過して処理室201内へ供給され、加熱されたウエハ200に対して供給される。
なお、処理室201内へのSb原料ガス、Te原料ガス、Ge原料ガスの供給時には、処理室201内におけるSb原料ガス、Te原料ガス、Ge原料ガスの拡散を促すように、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとして、処理室201内へNガスを常に流しておくことが好ましい。
本実施形態で用いられるSb原料、Te原料、Ge原料は、Ge原料の熱分解温度が、Sb原料の熱分解温度およびTe原料の熱分解温度よりも低くなる組み合わせとなるように、選択されている。Sb原料としては、例えば、トリスジメチルアミノアンチモン(Sb[N(CH、略称:TDMASb)を用いることができる。Te原料としては、例えば、ジターシャリーブチルテルル(Te(t−C、略称:DTBTe)を用いることができる。Ge原料としては、例えば、図8に示す化学構造式を有するGe原料を用いることができる。図8に示す化学構造式を有するGe原料を、単に、図8のGe原料と呼ぶこともある。
図9は、例示のSb原料であるTDMASb、例示のTe原料であるDTBTeおよび例示のGe原料である図8のGe原料の熱分解特性を示すグラフである。縦軸は分解率を0から1の数値で示し、横軸は温度を℃単位で示す。分解温度範囲は、TDMASbが316℃〜389℃、DTBTeが250℃〜300℃、図8のGe原料が204℃〜250℃である。つまり、例示のSb原料、Te原料、Ge原料の組み合わせでは、熱分解温度の大小関係が、Sb原料>Te原料>Ge原料となっている。
後述の実施例として説明する実験で示されているように、Sb原料およびTe原料が充分には熱分解しないような低い温度、つまり、Sb原料およびTe原料のみの供給では連続的なSbTe層の形成が困難であるような低い温度であっても、Sb原料およびTe原料に加えてGe原料も供給することにより、連続的なSbTe層を形成することができる。Ge原料が、Sb原料およびTe原料のうち少なくとも一方の分解反応を促進するような触媒的な作用をすることにより、連続的なSbTe層の形成が可能になるものと考えられる。「連続的なSbTe層」とは、SbTe層が形成されていない下地表面の露出領域を疎らに残す不連続的なSbTe層(図10(b)参照)ではなく、下地表面が連続的に被覆されているようなSbTe層(図10(a)参照)である。
ここで、「触媒」とは、化学反応の前後でそれ自身は変化しないが、反応の速度を変化させる物質のことである。本実施形態の反応系におけるGe原料は、反応の速度等を変化させる作用を有するが、それ自身が化学反応の前後で変化する。すなわち、本実施形態の反応系におけるGe原料は、触媒的な作用をするが、厳密には「触媒」ではない。このように、本実施形態の反応系におけるGe原料のように、「触媒」のように作用するが、それ自身は化学反応の前後で変化する物質を、「疑似触媒」ということもできる。
Sb原料、Te原料およびGe原料の供給時の処理温度は、例えば、Sb原料およびTe原料については熱分解温度の低い方の原料(本例ではTe原料)であっても充分には熱分解しないが、Ge原料については充分に熱分解するような温度とすることができる。ある原料が「充分には熱分解しない」ような温度とは、例えば、分解率が0.5未満となるような温度と定義できる。また、ある原料が「充分に熱分解する」ような温度とは、例えば、分解率が0.5以上となるような温度と定義できる。
例えば、DTBTeの分解率が0.5未満となる温度は286℃以下であり、図8のGe原料の分解率が0.5以上となる温度は224℃以上である。したがって、本例の原料において、Sb原料およびTe原料のうち熱分解温度の低いTe原料であっても充分には熱分解しないが、Ge原料は充分に熱分解するような温度とは、例えば224℃〜286℃の範囲内の温度となる。
なお、このときの処理温度は、例えば、Sb原料およびTe原料のうち熱分解温度の高い方の原料(本例ではSb原料)が充分には熱分解しないが、Ge原料については充分に熱分解するような温度としてもよい。例えば、TDMASbの分解率が0.5未満となる温度は354℃以下である。したがって、本例の原料において、Sb原料およびTe原料のうち熱分解温度の高いSb原料が充分には熱分解しないが、Ge原料は充分に熱分解するような温度とは、例えば224℃〜354℃の範囲内の温度となる。
すなわち、このときの処理温度は、例えば、Sb原料およびTe原料のうち少なくともいずれかが充分には熱分解しないが、Ge原料については充分に熱分解するような温度とすることができる。
処理室201内へのSb原料ガス、Te原料ガスおよびGe原料ガスの供給を所定時間継続することにより、ウエハ200上に、第1の層として、所定厚さを有し、SbおよびTeを含むSbTe層が形成される。本実施形態で形成されるSbTe層には、Ge原料の供給により、Geが添加される。Geが添加されたSbTe層を、単に、SbTe層と呼ぶこともある。SbTe層の厚さは、ウエハ200に対しSb原料ガスおよびTe原料ガスを供給する時間(ガス供給時間)を調整することで制御できる。
SbTe層中のSbとTeとの比は、Sb原料ガス流量とTe原料ガス流量との比率を調整することで制御できる。例えば、Sb:Te=2:3となるように、すなわち、SbTeを含むSbTe層が形成されるように、Sb原料ガス流量とTe原料ガス流量との比率を調整することができる。
SbTe層の形成工程において、Ge原料の供給量は、Sb原料およびTe原料のそれぞれの供給量よりも少なくすることが好ましい。例えば、Ge原料の供給量は、Sb原料およびTe原料のそれぞれの供給量の1/20〜1/10以下であることが好ましい。図5(a)に例示する成膜シーケンスでは、Ge原料ガスの供給時間をSb原料ガスおよびTe原料ガスの供給時間と同一とし、Ge原料ガスの流量をSb原料ガスおよびTe原料ガスのそれぞれの流量よりも少なくすることで、Ge原料供給量を制御することができる。
SbTeは、Geが添加されていない状態で、六方晶の結晶構造を有する。SbTe層の結晶構造は、Ge原料の供給量を変えることにより、つまり、SbTe層中のGe原子濃度を変えることにより、制御することができる。SbTe層中のGe原子濃度が以下のような範囲となるよう、Ge原料の供給量を少なくすることにより、Geが添加されたSbTe層の結晶構造を六方晶に保つことができる。六方晶のSbTe層を形成したい場合には、SbTe層中のGe原子濃度を、6.3%未満とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、4.4%以下とすることがさらに好ましい(図11参照)。一方、SbTe層中のGe原子濃度を充分に高くすることにより、SbTe層の結晶構造を六方晶から変化させることができる(図11参照)。
(残留ガス除去)
所定厚さのSbTe層が形成された後、バルブva3,vb3,vc3を閉じ、バルブva4,vb4,vc4を開いて、処理室201内へのSb原料ガス、Te原料ガス、Ge原料ガスの供給を停止する。このとき、排気管261のAPCバルブ262は開いたままとして、真空ポンプ264により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはSbTe層形成に寄与した後のSb原料ガス、Te原料ガス、Ge原料ガスを処理室201内から排除する。このとき、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとして、不活性ガスとしてのNガスの処理室201内への供給を維持する。Nガスはパージガスとして作用し、これにより、処理室201内に残留する未反応もしくはSbTe層形成に寄与した後のSb原料ガス、Te原料ガス、Ge原料ガスを処理室201内から排除する効果を高めることができる。
なお、このとき、処理室201内に残留するガスを完全に排除しなくてもよく、処理室201内を完全にパージしなくてもよい。処理室201内に残留するガスが微量であれば、その後に行われるステップ2aにおいて悪影響が生じることはない。このとき処理室201内へ供給するNガスの流量も大流量とする必要はなく、例えば、処理容器202(処理室201)の容積と同程度の量を供給することで、ステップ2aにおいて悪影響が生じない程度のパージを行うことができる。このように、処理室201内を完全にパージしないことで、パージ時間を短縮し、スループットを向上させることができる。また、Nガスの消費も必要最小限に抑えることができる。
ステップ1aにおけるウエハ200の処理条件としては、
ウエハ温度:225℃〜350℃
処理室内圧力:50Pa〜400Pa
Sb原料ガス流量:0.1sccm〜100sccm
Te原料ガス流量:0.1sccm〜100sccm
Ge原料ガス流量:0.01sccm〜10sccm
流量:0sccm〜2000sccm
Sb原料ガス供給時間:1秒〜120秒、好ましくは1秒〜60秒
Te原料ガス供給時間:1秒〜120秒、好ましくは1秒〜60秒
Ge原料ガス供給時間:1秒〜120秒、好ましくは1秒〜60秒
ガス供給時間(パージ時間):1秒〜120秒、好ましくは1秒〜60秒
SbTe層厚:1nm〜100nm
が例示される。
処理条件を、上述の処理条件範囲内の条件に設定することで、Sb:Te=2:3で六方晶のSbTe層を形成することができる。
Sb原料、Te原料およびGe原料は、上記のTDMASb、DTBTeおよび図8のGe原料に限定されない。必要に応じて、他の原料の組み合わせを選択してもよい。なお、上記の原料の組み合わせでは、熱分解温度の大小関係が、Sb原料>Te原料>Ge原料となっているが、熱分解温度の大小関係が、Te原料>Sb原料>Ge原料となるような原料の組み合わせとしてもよい。
Sb原料としては、TDMASbの他、例えば、トリイソプロピルアンチモン(Sb(i−C、略称:TIPSb)、トリエチルアンチモン(Sb(C、略称:TESb)、ターシャリーブチルジメチルアンチモン((t−C)Sb(CH、略称:TBDMSb)等が挙げられる。
Te原料としては、DTBTeの他、例えば、ジイソプロピルテルル(Te(i−C、略称:DIPTe)、ジメチルテルル(Te(CH、略称:DMTe)、ジエチルテルル(Te(C、略称:DETe)等が挙げられる。
Ge原料としては、Sb原料およびTe原料よりも熱分解温度が低いGe原料が用いられる。アルキル基を有するGe原料と比べて熱分解温度の低いGe原料として、例えば、アミノ基あるいはアミジン基を有するGe原料が挙げられる。また、4つのリガンドが結合したGe原子を有するGe原料と比べて熱分解温度の低いGe原料として、3つ以下のリガンドが結合したGe原子を有するGe原料、例えば、2つのリガンドが結合したGe原子を有するGe原料が挙げられる。ここでリガンドとは、所定元素(ここではGe)の原子と結合する物質であって、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)および窒素(N)のうち少なくともいずれかの元素を含む物質をいう。また、1つの所定元素に複数のリガンドが結合している場合、これら複数のリガンドは全て同種の物質であってもよく、また、互いに異種の物質であってもよい。
アミノ基あるいはアミジン基を有するGe原料としては、図8のGe原料の他、例えば、Ge[N(CHが挙げられる。2つのリガンドが結合したGe原子を有するGe原料として、図8のGe原料の他、例えば、GeCl、GeF、GeBr等のGe原子に2つのリガンドとしてハロゲン基が結合しているものが挙げられる。
図8のGe原料は、アミノ基あるいはアミジン基を有するとともに、2つのリガンドが結合したGe原子を有するGe原料である。図8のGe原料は、また、Ge原子に結合した2つのリガンドの化学構造が互いに異なっており、シンメトリな分子構造を有しておらず、アシメトリな分子構造を有している。
なお、不活性ガスとしては、Nガスの他、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いてもよい。
(第2の層の形成)
第1の層の形成工程であるステップ1aの実行後、第2の層の形成工程として、以下に説明するステップ2aを実行する。
[ステップ2a]
(Te原料ガスおよびGe原料ガスの供給)
バルブvb4,vc4を同時に閉じ、バルブvb3,vc3を同時に開いて、処理室201内へのTe原料ガスおよびGe原料ガスの供給を同時に開始する。Te原料ガス、Ge原料ガスは、それぞれ、ステップ1aにおけるガス供給と同様にして、シャワーヘッド240を介し処理室201内へ供給され、加熱されたウエハ200に対して供給される。
また、ステップ1aと同様に、Te原料ガス、Ge原料ガスの拡散を促すように、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとして、処理室201内へNガスを常に流しておくことが好ましい。
処理室201内へのTe原料ガスおよびGe原料ガスの供給を所定時間継続することにより、第1の層上に、第2の層として、所定厚さを有し、GeおよびTeを含むGeTe層が形成される。GeTe層の厚さは、ウエハ200に対しTe原料ガスおよびGe原料ガスを供給する時間(ガス供給時間)を調整することで制御できる。
GeTe層中のGeとTeとの比は、Ge原料ガス流量とTe原料ガス流量との比率を調整することで制御できる。例えば、Ge:Te=1:1となるように、Ge原料ガスの流量とTe原料ガスの流量との比率を調整することができる。
GeTe層の結晶構造は、GeTe層の下地となるSbTe層の結晶構造により制御することができる。下地のSbTe層が六方晶である場合、GeTe層を六方晶として成長させることができる。
(残留ガス除去)
所定厚さのGeTe層が形成された後、バルブvb3,vc3を閉じ、バルブvb4,vc4を開いて、処理室201内へのTe原料ガス、Ge原料ガスの供給を停止する。このとき、排気管261のAPCバルブ262は開いたままとして、真空ポンプ264により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはGeTe層形成に寄与した後のTe原料ガス、Ge原料ガスを処理室201内から排除する。このとき、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとしてNガスの処理室201内への供給を維持する点や、処理室201内に残留するガスを完全に排除しなくてもよく処理室201内を完全にパージしなくてもよい点は、ステップ1aにおける残留ガス除去工程と同様である。
ステップ2aにおけるウエハ200の処理条件としては、
ウエハ温度:225℃〜350℃
処理室内圧力:50Pa〜400Pa
Te原料ガス流量:0.1sccm〜100sccm
Ge原料ガス流量:0.1sccm〜100sccm
流量:0sccm〜2000sccm
Te原料ガス供給時間:1秒〜120秒、好ましくは1秒〜60秒
Ge原料ガス供給時間:1秒〜120秒、好ましくは1秒〜60秒
ガス供給時間(パージ時間):1秒〜120秒、好ましくは1秒〜60秒
GeTe層厚:1nm〜100nm
が例示される。
処理条件を、上述の処理条件範囲内の条件に設定することで、Ge:Te=1:1のGeTe層を形成することができる。
(サイクルの所定回数実施)
ステップ1a、すなわち、第1の層としてのSbTe層を形成する工程と、ステップ2a、すなわち、第2の層としてのGeTe層を形成する工程とを1サイクルとして、このサイクルを所定回数(1回以上)行うことにより、すなわち、SbTe層の形成工程とGeTe層の形成工程とを交互に1回以上行うことにより、ウエハ200上に、SbTe層とGeTe層とが積層されてなる積層膜を形成することができる。SbTe層とGeTe層とが積層されてなる積層膜を、SbTe層とGeTe層との積層順に関係なく、SbTe/GeTe積層膜と呼ぶこともある。六方晶のSbTe層上に、GeTe層を積層することにより、六方晶のSbTe/GeTe積層膜を形成することができる。SbTe/GeTe積層膜を、Ge、SbおよびTeを含む膜として、GeSbTe膜と呼ぶこともできる。
なお、サイクルを複数回行う場合、少なくとも2サイクル目以降、正確には1サイクル目のステップ2a以降の各ステップにおいて、「ウエハ200に対して所定のガスを供給する」との記載は、「ウエハ200上に形成されている層に対して、すなわち、積層体としてのウエハ200の最表面に対して所定のガスを供給する」ことを意味し、「ウエハ200上に所定の層を形成する」との記載は、「ウエハ200上に形成されている層の上、すなわち、積層体としてのウエハ200の最表面の上に所定の層を形成する」ことを意味する。この点は、上述の通りである。この点は、後述する各変形例等においても同様である。
(パージおよび大気圧復帰)
所定膜厚の積層膜が形成された後、排気管261のAPCバルブ262は開いたままとして、真空ポンプ264により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留するガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。なお、このとき、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとして、不活性ガスとしてのNガスの処理室201内への供給を維持する。Nガスはパージガスとして作用し、これにより、処理室201内に残留するガスや反応副生成物を処理室201内から排除する効果を高めることができる。
(基板搬出)
その後、上述した基板搬入工程、基板載置工程に示した手順とは逆の手順により、積層膜を形成した後のウエハ200を、処理室201内から負圧移載室11内へ搬出する。その後、ウエハ200の温度が室温になるまで、負圧移載室11に隣接する保持室内で処理後のウエハ200を保持する。なお、形成した積層膜の酸化を抑制するように、負圧移載室11内や保持室内の雰囲気は、例えば、大気圧未満の圧力雰囲気であって、かつ、Nガス等の不活性ガス雰囲気とし、酸素(O)ガスの分圧を低下させておく。
(3)本実施形態による効果
本実施形態によれば、以下に示す効果のうち1つまたは複数の効果を得ることができる。
(a)SbTe層を形成する工程では、Sb原料およびTe原料に加え、Ge原料も供給する。例えば、Sb原料およびTe原料が両方とも充分には熱分解しないような低い温度でSbTe層を形成する場合であっても、Ge原料の触媒的作用により、連続的なSbTe層を形成することができる。
第1の比較形態として、GeTe層の形成に好適な温度で、Ge原料の供給なしにSbTe層を形成しようとする場合について考える。GeTe層の形成に好適な温度(例えば240℃〜260℃)は、SbTe層の形成温度としては低すぎるので、第1の比較形態の方法では、Sb原料およびTe原料が両方とも充分には熱分解せず、連続的なSbTe層を形成することができない(図10(b)参照)。
本実施形態の方法によれば、GeTe層形成時の温度と同程度の低い温度でも、連続的なSbTe層の形成を行うことができる(図10(a)参照)。例えば、GeTe層の形成温度と同一温度で連続的なSbTe層を形成することができ、SbTe層形成工程とGeTe層の形成工程との間での温度変更の手間を省くことができる。
第2の比較形態として、Sb原料およびTe原料の両方が充分に熱分解して連続的なSbTe層が形成されるような高い温度(例えば400℃)で、Ge原料ガスの供給なしにSbTe層を形成するとともに、温度変更せずこのような高い温度でGeTe層も形成する場合について考える。第2の比較形態の方法では、Ge原料ガスの供給なしに連続的なSbTe層を形成できるが、このようなSbTe層の形成温度は、GeTe層の形成温度としては高すぎ、GeTe層の表面ラフネスが悪化する懸念がある。「表面ラフネス」とは、ウエハ面内あるいは任意の対象面内の高低差を意味しており、表面粗さと同様の意味を有している。表面ラフネスが向上する(良好)とは、この高低差が小さくなる(小さい)こと、すなわち、表面が平滑となる(平滑である)ことを意味している。表面ラフネスが悪化する(悪い)とは、この高低差が大きくなる(大きい)こと、すなわち、表面が粗くなる(粗い)ことを意味している。
本実施形態の方法によれば、良好な表面ラフネスでGeTe層を形成できるような温度(例えば240℃〜260℃)で、連続的なSbTe層を形成できるとともに、GeTe層を形成できる。連続的なSbTe層は不連続的なSbTe層に比べて表面ラフネスが良好であり、また、このような温度で形成されたGeTe層は表面ラフネスが良好である。したがって、SbTe/GeTe積層膜を良好な表面ラフネスで形成することができる。
なお、Sb原料およびTe原料のうち少なくともいずれかが充分には熱分解しないような温度でSbTe層を形成する場合であっても、Ge原料の触媒的作用により、SbTe層の形成レート、すなわち、成膜レート向上等の効果を得ることができ、連続的なSbTe層の形成を容易にすることができる。
また、Sb原料およびTe原料の両方が充分に熱分解するような温度では、Ge原料の供給なしでも連続的なSbTe層を形成することはできるが、このような温度でSbTe層を形成する場合であっても、Ge原料を供給することにより、Ge原料の触媒的作用で、SbTe層の形成レート、すなわち、成膜レート向上等の効果を得ることができる。
(b)SbTe層を形成する工程では、Sb原料ガスの流量とTe原料ガスの流量との比率を調整することにより、例えばSb:Te=2:3であるSbTe層を形成できる。また、GeTe層を形成する工程では、Ge原料ガスの流量とTe原料ガスの流量との比率を調整することにより、例えばGe:Te=1:1であるGeTe層を形成できる。このようにして、SbTe層におけるSb:TeとGeTe層におけるGe:Teとが制御されたSbTe/GeTe積層膜、例えば、Sb:Te=2:3であるSbTe層とGe:Te=1:1であるGeTe層とが積層されてなるSbTe/GeTe積層膜を形成することができる。
(c)SbTe層を形成する工程では、Ge原料ガスの供給量を調整し、SbTe層に含まれるGeの原子濃度を例えば6.3%未満、好ましくは5%以下、より好ましくは4.4%以下とすることで、六方晶のSbTe層を形成することができる。六方晶のSbTe層上にGeTe層を積層することにより、六方晶のSbTe/GeTe積層膜を形成することができる。すなわち、第1層(初期層)として形成された六方晶のSbTe層を下地とすることにより、GeTe層は下地の結晶性を引き継ぎ六方晶として成長することになり、六方晶のSbTe/GeTe積層膜を形成することが可能となる。
(4)変形例
本実施形態における成膜シーケンスは、図5(a)に示す態様に限定されず、以下に示す変形例のように変更することができる。
(変形例1)
図5(b)を参照して、変形例1について説明する。変形例1は、図5(a)に示す成膜シーケンスと、SbTe層を形成するステップ1aにおけるGe原料供給量の制御方法が異なる。変形例1のステップ1aでは、Ge原料ガスの供給時間を、Sb原料ガスおよびTe原料ガスの供給時間よりも短くしている。また、SbTe層形成を開始するためのトリガー的に、Sb原料ガスおよびTe原料ガスの供給時間の初期に、Ge原料ガスを供給するようにしている。このようにして、Ge原料供給量を制御することもできる。なおこの場合、Ge原料供給量は、主に、Ge原料ガスの供給時間で制御することから、Ge原料ガス流量は、図5(a)に示す成膜シーケンスのように微量にする必要はなく、Sb原料ガスやTe原料ガスの流量と同様な流量、例えば、0.1sccm〜100sccmの範囲内の流量とすることができる。
(変形例2)
図6(a)を参照して、変形例2について説明する。変形例2は、図5(a)に示す成膜シーケンスと、SbTe層を形成するステップ1aの残留ガス除去工程およびGeTe層を形成するステップ2aの残留ガス除去工程におけるGe原料ガスの供給態様が異なる。変形例2では、ステップ1aの残留ガス除去工程およびステップ2aの残留ガス除去工程において、Ge原料ガスの供給を停止していない。すなわち、ステップ1aおよびステップ2aの全期間に亘り連続的にGe原料ガスを供給している。
Ge原料ガスは、ステップ1aでのSbTe層形成およびステップ2aでのGeTe層形成に必要なので、ステップ1aに先立つステップ2aの残留ガス除去工程およびステップ2aに先立つステップ1aの残留ガス除去工程で排除することが必須ではない。したがって、変形例2のように、ステップ1aの残留ガス除去工程およびステップ2aの残留ガス除去工程において、Ge原料ガスの供給を停止しなくてもよい。これにより、例えば、Ge原料ガスの供給に関するバルブ操作を簡略化できる。例えば、ステップ1aの開始時点や、ステップ1aの残留ガス除去工程開始時点や、ステップ2aの開始時点や、ステップ2aの残留ガス除去工程開始時点等で、必要に応じて、Ge原料ガス流量を所定量とするような流量調整を行うことができる。
(変形例3)
図6(b)を参照して、変形例3について説明する。変形例3は、図5(a)に示す成膜シーケンスと、SbTe層を形成するステップ1aの残留ガス除去工程およびGeTe層を形成するステップ2aの残留ガス除去工程におけるTe原料ガスの供給態様が異なる。変形例3では、ステップ1aの残留ガス除去工程およびステップ2aの残留ガス除去工程において、Te原料ガスの供給を停止していない。すなわち、ステップ1aおよびステップ2aの全期間に亘り連続的にTe原料ガスを供給している。
Te原料ガスは、ステップ1aでのSbTe層形成およびステップ2aでのGeTe層形成に必要なので、ステップ1aに先立つステップ2aの残留ガス除去工程およびステップ2aに先立つステップ1aの残留ガス除去工程で排除することが必須ではない。したがって、変形例3のように、ステップ1aの残留ガス除去工程およびステップ2aの残留ガス除去工程において、Te原料ガスの供給を停止しなくてもよい。これにより、例えば、Te原料ガスの供給に関するバルブ操作を簡略化できる。例えば、ステップ1aの開始時点や、ステップ1aの残留ガス除去工程開始時点や、ステップ2aの開始時点や、ステップ2aの残留ガス除去工程開始時点等で、必要に応じて、Te原料ガス流量を所定量とするような流量調整を行うことができる。
(変形例4)
図7(a)を参照して、変形例4について説明する。変形例4は、第1の層としてのSbTe層を形成する工程において、ステップ1aの後に反応ガスを供給するステップ1bが追加されている点で、図5(a)に示す成膜シーケンスと異なる。また、第2の層としてのGeTe層を形成する工程において、ステップ2aの後に反応ガスを供給するステップ2bが追加されている点で、図5(a)に示す成膜シーケンスと異なる。
(第1の層の形成)
[ステップ1a]
まず、図5(a)に示す成膜シーケンスについて説明した処理と同様にして、SbTe層を形成する工程のステップ1aまでの処理を行う。
[ステップ1b]
(NHガス供給)
ステップ1aの残留ガス除去工程が終了した後、バルブvd1,vd2,vd3を開いて、処理室201内へ、反応ガスとしてのNHガスの供給を開始する。反応ガス供給口210bから供給されたNHガスは、シャワー板240bの下方側から、つまり、シャワーヘッド240を介さずに処理室201内へ供給され、加熱されたウエハ200に対して供給される。なお、処理室201内へのNHガスの供給時には、処理室201内におけるNHガスの拡散を促すように、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとして、処理室201内へNガスを常に流しておくことが好ましい。
これにより、ステップ1aで形成されたSbTe層上に、NHガスが供給される。上述のように、例えばSb原料およびTe原料が充分には熱分解しないような温度条件でSbTe層を形成した場合、Sb原料中のリガンドおよびTe原料中のリガンドが、SbTe層中に残留しやすくなっていることが考えられる。NHガスの触媒作用により、SbTe層に含まれている残留リガンドのSbTe層からの分離を促すことができる。このようにして、SbTe層中の不純物濃度を低減させることができる。
(残留ガス除去)
その後、バルブvd3を閉じ、処理室201内へのNHガスの供給を停止する。このとき、排気管261のAPCバルブ262は開いたままとして、真空ポンプ264により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはSbTe層からの残留リガンドの除去に寄与した後のNHガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。
なお、このとき、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとして、Nガスの処理室201内への供給を維持する点や、処理室201内に残留するガスを完全に排除しなくてもよく処理室201内を完全にパージしなくてもよい点は、ステップ1aの残留ガス除去工程と同様である。
ステップ1bにおけるウエハ200の処理条件としては、
ウエハ温度:225℃〜350℃
処理室内圧力:50Pa〜400Pa
NH流量:50sccm〜1000sccm
流量:0sccm〜2000sccm
NHガス供給時間:1秒〜120秒、好ましくは1秒〜60秒
ガス供給時間(パージ時間):1秒〜120秒、好ましくは1秒〜60秒
が例示される。
(第2の層の形成)
[ステップ2a]
ステップ1bの残留ガス除去工程が終了した後、図5(a)に示す成膜シーケンスについて説明した処理と同様にして、GeTe層を形成する工程のステップ2aまでの処理を行う。
[ステップ2b]
(NHガス供給)
ステップ2aの残留ガス除去工程が終了した後、ステップ1bのNHガス供給工程と同様にして、NHガスの供給を開始する。また、ステップ1bのNHガス供給工程と同様に、処理室201内へNガスを常に流しておくことが好ましい。
これにより、ステップ2aで形成されたGeTe層上に、NHガスが供給される。NHガスの触媒作用により、GeTe層に含まれている残留リガンドのGeTe層からの分離を促すことができる。このようにして、GeTe層中の不純物濃度を低減させることができる。
(残留ガス除去)
その後、ステップ1bの残留ガス除去工程と同様にして、処理室201内へのNHガスの供給を停止する。このとき、排気管261のAPCバルブ262は開いたままとして、真空ポンプ264により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはGeTe層からの残留リガンドの除去に寄与した後のNHガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。
なお、このとき、Nガスの処理室201内への供給を維持する点や、処理室201内に残留するガスを完全に排除しなくてもよく処理室201内を完全にパージしなくてもよい点は、ステップ1bの残留ガス除去工程と同様である。
ステップ2bにおけるウエハ200の処理条件としては、
ウエハ温度:225℃〜350℃
処理室内圧力:50Pa〜400Pa
NH流量:50sccm〜1000sccm
流量:0sccm〜2000sccm
NHガス供給時間:1秒〜120秒、好ましくは1秒〜60秒
ガス供給時間(パージ時間):1秒〜120秒、好ましくは1秒〜60秒
が例示される。
ステップ1aおよびステップ1b、すなわち、第1の層としてのSbTe層を形成する工程と、ステップ2aおよびステップ2b、すなわち、第2の層としてのGeTe層を形成する工程とを1サイクルとして、このサイクルを所定回数(1回以上)行うことにより、SbTe層とGeTe層とが積層されてなる積層膜を形成することができる。さらに、その後、パージ工程、大気圧復帰工程、基板搬出工程が、図5(a)に示す成膜シーケンスについて説明した処理と同様にして行われる。
(変形例5)
図7(b)を参照して、変形例5について説明する。変形例5は、図5(a)に示す成膜シーケンスと、反応ガス、例えばNHガスの供給が加わっている点で異なる。SbTe層を形成するステップ1aでは、Sb原料ガス、Te原料ガス、Ge原料ガスと同時にNHガスを供給し、GeTe層を形成するステップ2aでは、Te原料ガス、Ge原料ガスと同時にNHガスを供給する。ステップ1aおよびステップ2aにおけるNHガスの流量は、それぞれ、例えば50sccm〜1000sccmとすることができる。
NHガスは、SbTe層の形成工程において、Sb原料ガス、Te原料ガス等の熱分解を促す触媒として作用し、GeTe層の形成工程において、Te原料ガス、Ge原料ガスの熱分解を促す触媒として作用する。これにより、SbTe層の形成をより効率的に進行させることができるとともに、GeTe層の形成をより効率的に進行させることができる。
変形例4では、原料ガスと反応ガスとを交互供給したが、変形例5のように、原料ガスと反応ガスとを同時供給することもできる。なお、本実施形態による基板処理装置では、原料ガスと反応ガスとを別々に処理室201内へ供給することができる。これにより、原料ガスと反応ガスとが同時供給される場合に、原料ガスと反応ガスとが処理室201内へ供給される前に反応してしまうことを抑制できる。
変形例4および変形例5のそれぞれで用いられる反応ガスは、NHガスに限定されない。反応ガスとして、NHガスの他、例えば、ヒドラジン(N)ガス、ジアゼン(N)ガス、Nガス、水素(H)ガス等の還元ガス、すなわち、水素含有ガスを用いてもよい。
変形例1〜5によれば、図5(a)に示す成膜シーケンスと同様の効果を得ることができる。各変形例1〜5において、図5(a)の成膜シーケンスとの差異として説明した以外の処理条件は、例えば、図5(a)の成膜シーケンスについて説明した処理条件と同様の処理条件とすることができる。
(変形例6)
変形例6として、図5(a)に示す成膜シーケンスに対し、SbTe層を形成するステップ1aと、GeTe層を形成するステップ2aとの実施順を逆として、SbTe/GeTe積層膜を形成することもできる。この場合、SbTe層に先だって形成されるGeTe層は立方晶となり、立方晶のGeTe層上にSbTe層を形成することで、立方晶のSbTe/GeTe積層膜を形成することができる。変形例6において、図5(a)の成膜シーケンスとの差異として説明した以外の処理条件は、例えば、図5(a)の成膜シーケンスについて説明した処理条件と同様の処理条件とすることができる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態による基板処理装置では、原料ガス供給口210a、反応ガス供給口210bをそれぞれ1つずつ設ける例について説明したが、原料ガス供給口210a、反応ガス供給口210bは、それぞれ複数設けてもよい。原料ガス供給口210aを原料ガスの種類ごとに複数設けることにより、原料ガス供給口210a内で複数種の原料ガスが混合して反応してしまうことを抑制しやすくなり、処理室201内のパーティクルの発生を抑制したり、原料ガス供給口210aのクリーニング頻度を低減したりすることができる。触媒的作用を有する第3の原料ガス(上述の例ではGe原料ガス)の供給口と、その他の原料ガスである第1の原料ガス(上述の例ではSb原料ガス)および第2の原料ガス(上述の例ではTe原料ガス)の供給口とが別々に設けられている構造が好ましい。また、反応ガス供給口210bを分散させて複数設けることにより、反応ガスを処理室201内に均一に拡散させ易くなり、反応ガスによる反応の面内均一性向上等が図られる。
上述の実施形態において、SbTe層が形成される下地としてシリコン層等のシリコン含有層を有するウエハ200(基板)が例示される。その他例えば、SbTe層の下地として例えばタングステン層や窒化チタン層等の金属含有層を有するウエハ200(基板)を用いることもできる。金属含有層上にSbTe層を形成する場合は、シリコン含有層上にSbTe層を形成する場合と比べて、Sb、Teが吸着しやすい傾向がある。金属含有層上にSbTe層を形成する場合であっても、Ge原料の供給によりSbTe層の形成が促進される効果を得ることはできる。なお、Ge原料の供給によるSbTe層形成促進効果は、金属含有層に比べてSb、Teが吸着しにくいシリコン含有層上にSbTe層を形成する場合に、特に顕著であり効果的であるということができる。
上述の実施形態では、第1〜第3の元素としてそれぞれ半金属元素(Sb,Te,Ge)を含む第1〜第3の原料ガスを用いて積層膜を形成する例について説明した。第1〜第3の元素は、Sb、Te、Ge等の半金属元素に限定されず、例えば、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)等の遷移金属元素や、アルミニウム(Al)等の典型金属元素であってもよく、また例えば、Si等の半導体元素であってもよい。
第1の元素と第2の元素とを含む第1の層と第2の元素と第3の元素とを含む第2の層とが積層されてなる所望の積層膜が形成されるように、第1〜第3の元素として所望の金属元素や半金属元素や半導体元素を選択することができ、第1〜第3の原料のうち熱分解温度が最も低くなるように第3の原料を選択することができる。これにより、上述の実施形態と同様な効果を得ることができる。つまり、第1の元素を含む第1の原料と第2の元素を含む第2の原料とを供給して第1の元素と第2の元素とを含む第1の層を形成し、第2の原料と第3の元素を含む第3の原料とを供給して第2の元素と第3の元素とを含む第2の層を形成して、第1の層と第2の層とが積層されてなる積層膜を形成する際に、第1の層の形成において、第2の層の形成で用いられ第1〜第3の原料のうち熱分解温度が最も低い第3の原料も供給することにより、第3の原料を供給しない場合に比べて、第1の層の形成を促進することができる。例えば、連続的な第1の層を形成できる温度の低下を図ることができ、また例えば、第1の層の形成レートの向上を図ることができる。このような処理の処理条件は、例えば、上述の実施形態と同様な処理条件とすることができる。必要に応じて、各種処理条件を実験的に調整することもできる。
すなわち、本発明は、金属元素、半金属元素および半導体元素のうちの少なくともいずれかの元素を含む積層膜を形成する場合に好適に適用することができる。
これらの各種積層膜の形成に用いられるプロセスレシピ(処理手順や処理条件等が記載されたプログラム)は、基板処理の内容(形成する積層膜の膜種、組成比、膜質、膜厚、ガス供給パターン、処理条件等)に応じて、それぞれ個別に用意する(複数用意する)ことが好ましい。そして、基板処理を開始する際、基板処理の内容に応じて、複数のプロセスレシピの中から、適正なプロセスレシピを適宜選択することが好ましい。具体的には、基板処理の内容に応じて個別に用意された複数のプロセスレシピを、電気通信回線や当該プロセスレシピを記録した記録媒体(外部記憶装置282)を介して、基板処理装置が備える記憶装置280c内に予め格納(インストール)しておくことが好ましい。そして、基板処理を開始する際、基板処理装置が備えるCPU280aが、記憶装置280c内に格納された複数のプロセスレシピの中から、基板処理の内容に応じて、適正なプロセスレシピを適宜選択することが好ましい。このように構成することで、1台の基板処理装置で様々な膜種、組成比、膜質、膜厚の積層膜を汎用的に、かつ、再現性よく形成できるようになる。また、オペレータの操作負担(処理手順や処理条件等の入力負担等)を低減でき、操作ミスを回避しつつ、基板処理を迅速に開始できるようになる。
上述のプロセスレシピは、新たに作成する場合に限らず、例えば、基板処理装置に既にインストールされていた既存のプロセスレシピを変更することで用意してもよい。プロセスレシピを変更する場合は、変更後のプロセスレシピを、電気通信回線や当該プロセスレシピを記録した記録媒体を介して、基板処理装置にインストールしてもよい。また、既存の基板処理装置が備える入出力装置281を操作し、基板処理装置に既にインストールされていた既存のプロセスレシピを直接変更するようにしてもよい。
上述の実施形態では、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置(枚葉式装置)を用いて基板処理を行う例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、例えば、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の縦型基板処理装置(縦型装置)を用いて基板処理を行う場合にも、好適に適用できる。また、上述の実施形態では、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて基板処理を行う例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて基板処理を行う場合にも、好適に適用できる。これらの場合においても、処理条件は、例えば上述の実施形態と同様な処理条件とすることができる。
以下、図12(a)および図12(b)を参照して、ホットウォール型の縦型装置を用いた基板処理の例について説明する。
図12(a)に示されるように、処理炉302は加熱手段(加熱機構)としてのヒータ307を有する。ヒータ307は円筒形状であり、保持板としてのヒータベースに支持されることにより垂直に据え付けられている。
ヒータ307の内側には、ヒータ307と同心円状に反応管303が配設されている。反応管303は、例えば石英(SiO)や炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管303の筒中空部には処理室301が形成されている。処理室301は、複数枚の基板としてのウエハ200を、後述するボート317によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。
反応管303の下方には、反応管303と同心円状にマニホールド309が配設されている。マニホールド309は、例えばステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド309は、反応管303に係合しており、反応管303を支持するように設けられている。なお、マニホールド309と反応管303との間には、シール部材としてのOリング320aが設けられている。マニホールド309がヒータベースに支持されることにより、反応管303は垂直に据え付けられた状態となっている。反応管303とマニホールド309とにより処理容器(反応容器)が形成される。
マニホールド309には、第1ガス導入部としての第1ノズル333aと、第2ガス導入部としての第2ノズル333bとが、マニホールド309の側壁を貫通するように接続されている。第1ノズル333aおよび第2ノズル333bは、それぞれ、例えば石英またはSiC等の耐熱性材料からなり、水平部と垂直部とを有するL字形状である。水平部は、マニホールド309に接続されている。垂直部は、反応管303の内壁とウエハ200との間における円環上の空間に、反応管303の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向に向かって立ち上がるように設けられている。第1ノズル333aおよび第2ノズル333bの垂直部の側面には、それぞれ、ガスを供給する供給孔である第1ガス供給孔348aおよび第2ガス供給孔348bが設けられている。第1ガス供給孔348aおよび第2ガス供給孔348bは、それぞれ、例えば、下部から上部にわたって同一の開口面積を有し、同じ開口ピッチで設けられている。
第1ノズル333a、第2ノズル333bに接続されるガス供給系は、上述の実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、第1ノズル333aに原料ガス供給系が接続され、第2ノズル333bに反応ガス供給系が接続される点が、上述の実施形態と異なる。すなわち、本実施形態では、原料ガスと、反応ガスとを、別々のノズルにより供給する。なお、原料ガスと反応ガスとは同一のノズルにより供給するようにしてもよい。
マニホールド309には、処理室301内の雰囲気を排気する排気管331が設けられている。排気管331には、圧力検出器としての圧力センサ345及び圧力調整器としてのAPCバルブ342を介して、真空排気装置としての真空ポンプ346が接続されている。APCバルブ342は、真空ポンプ346を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気および真空排気停止を行うことができ、さらに、真空ポンプ346を作動させた状態で、圧力センサ345により検出された圧力情報に基づいて弁開度を調節することで、処理室301内の圧力を調整することができるように構成されているバルブである。
マニホールド309の下方には、マニホールド309の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ319が設けられている。シールキャップ319は、マニホールド309の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ319は、例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ319の上面には、マニホールド309の下端と当接するシール部材としてのOリング320bが設けられている。シールキャップ319の処理室301と反対側には、後述するボート317を回転させる回転機構367が設置されている。回転機構367の回転軸355は、シールキャップ319を貫通して、ボート317に接続されており、ボート317を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ319は、反応管303の外部に配置された昇降機構としてのボートエレベータ315によって、垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート317を処理室301内に対し搬入搬出することが可能となっている。
基板保持具としてのボート317は、複数、例えば25〜200枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に支持するように、すなわち、間隔を空けて配列させるように構成されている。ボート317は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料からなる。なお、ボート317の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱材料からなる断熱部材318が設けられており、ヒータ307からの熱がシールキャップ319側に伝わりにくくなるように構成されている。反応管303内には、温度検出器としての温度センサ363が設置されている。ヒータ307は、温度センサ363により検出された温度情報に基づきヒータ307への通電具合を調整することで、処理室301内の温度を所定の温度分布とすることができるように構成されている。温度センサ363は、ノズル333a,333bと同様に、反応管303の内壁に沿って設けられている。
制御部(制御手段)であるコントローラ380は、APCバルブ342、ヒータ307、温度センサ363、真空ポンプ346、回転機構367、ボートエレベータ315、バルブva1〜va5,vb1〜vb5,vc1〜vc5,vd1〜vd3,ve1〜ve3,vf1〜vf3、MFC222a〜222f等の動作を制御する。
次に、上述のような縦型装置の処理炉を用いた基板処理について説明する。以下の説明において、縦型装置を構成する各部の動作はコントローラ380により制御される。
複数枚のウエハ200をボート317に装填(ウエハチャージ)する。そして、図12(a)に示すように、複数枚のウエハ200を保持したボート317を、ボートエレベータ315によって持ち上げて処理室301内に搬入(ボートロード)する。この状態で、シールキャップ319はOリング320bを介してマニホールド309の下端をシールした状態となる。
処理室301内が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ346によって処理室301内を真空排気する。この際に、処理室301内の圧力を圧力センサ345で測定して、この測定された圧力に基づき、APCバルブ342をフィードバック制御する。また、処理室301内が所望の温度となるように、ヒータ307によって加熱する。この際、処理室301内が所望の温度分布となるように、温度センサ363が検出した温度情報に基づきヒータ307への通電具合をフィードバック制御する。続いて、回転機構367によりボート317を回転させることで、ウエハ200を回転させる。
その後、ウエハ200上にSbTe/GeTe積層膜を形成する基板処理を行う。SbTe/GeTe積層膜形成の手順や条件は、例えば、上述の枚葉式装置による実施形態におけるSbTe/GeTe積層膜形成の手順や条件と同様とすることができる。
ウエハ200上に、所定膜厚のSbTe/GeTe積層膜が形成された後、処理室301内にNガスを供給し、処理室301内を排気する。これにより、処理室301内に残留しているガスや反応副生成物を除去し、処理室301内をNガスによりパージする。
その後、ボートエレベータ315によりシールキャップ319を下降させて、マニホールド309の下端を開口させるとともに、所定膜厚のSbTe/GeTe積層膜が形成された後のウエハ200を、ボート317に保持させた状態でマニホールド309の下端から反応管303の外部に搬出(ボートアンロード)する。その後、処理済のウエハ200をボート317より取り出して(ウエハディスチャージ)、基板処理を完了する。縦型装置を用いて基板処理を行う場合においても、枚葉式装置を用いて基板処理を行う場合における効果と同様な効果を得ることができる。
また、上述の実施形態や変形例等は、適宜組み合わせて用いることができる。また、このときの処理条件は、例えば上述の実施形態と同様な処理条件とすることができる。
実施例および比較例について説明する。実施例として、図5(a)に示す成膜シーケンスのステップ1aと同様な処理により、すなわち、Sb原料ガスおよびTe原料ガスに加えてGe原料ガスも供給することにより、SbTe層を形成した。比較例として、図5(a)に示す成膜シーケンスのステップ1aにおいてGe原料ガスの供給を行わない処理により、すなわち、Sb原料ガスおよびTe原料ガスの供給のみにより、SbTe層を形成した。
Sb原料ガスとしてTDMASbガスを用い、Te原料ガスとしてDTBTeガスを用い、Ge原料ガスとして図8のGe原料のガスを用いた。SbTe層の形成温度は、実施例および比較例で240℃〜260℃とした。実施例、比較例とも、SbTeが形成されるようなSb原料ガス流量とTe原料ガス流量との比率で、Sb原料ガスおよびTe原料ガスを供給した。実施例では、SbTe層におけるGe原子濃度が0.5%〜5%となるように、Ge原料ガスを供給した。
図10(a)は、実施例によるSbTe層の走査型電子顕微鏡(SEM)写真であり、図10(b)は、比較例によるSbTe層のSEM写真である。図10(a)、図10(b)ともに、左側に上面の写真を示し、右側に側方断面の写真を示す。
比較例では、SbTe層が形成されていない下地表面の露出領域を疎らに残す不連続的なSbTe層が形成されており、連続的なSbTe層を形成できていないことがわかる。つまり、表面が平坦な(表面ラフネスが良好な)SbTe層が得られないことがわかる。
一方、実施例では、連続的で表面平坦性の高い(表面ラフネスが良好な)SbTe層が形成されていることがわかる。また、結晶化が良好に行われ、六方晶の結晶構造が得られていることがわかる。このようなSbTe層上にGeTe層を形成することにより、表面平坦性が高く(表面ラフネスが良好で)六方晶の結晶構造を有するSbTe/GeTe積層膜を形成することができる。
SbTeに添加されたGeの原子濃度によって、SbTe層の結晶構造がどのように変化するか調べた実験について説明する。図11は、X線回折法(XRD)によるSbTe層の結晶構造解析結果を示すグラフである。図11の横軸は、回折角2θ(入射X線方向と回折X線方向とのなす角)を示している。また、縦軸方向に、Ge原子濃度別の試料のグラフを並べて示す。
Ge原子濃度が0%〜4.4%の試料において、六方晶のSbTeを示すピークが観察され、Ge原子濃度が6.3%以上の試料において、六方晶のSbTeを示すピークが観察されなくなっている。したがって、六方晶のSbTe層を得るためには、SbTe層中のGe原子濃度を6.3%未満とすることが好ましいといえ、SbTe層中のGe原子濃度を6.3%と4.4%との間の例えば5%以下とすることがより好ましいといえる。なお、他の実験で、Ge原子濃度5%以下で結晶構造が変わらないことを確認している。六方晶のSbTe層を得るためには、SbTe層中のGe原子濃度を4.4%以下とすることがさらに好ましいといえる。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
基板に対して第1の元素を含む第1の原料と第2の元素を含む第2の原料とを供給して、前記第1の元素と前記第2の元素とを含む第1の層を形成する工程と、
前記基板に対して前記第2の原料と第3の元素を含む第3の原料とを供給して、前記第2の元素と前記第3の元素とを含む第2の層を形成する工程と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記第1の層と前記第2の層とが積層されてなる積層膜を形成する工程を有し、
前記第3の原料は前記第1の原料および前記第2の原料よりも熱分解温度が低く、
前記第1の層を形成する工程では、前記第1の原料および前記第2の原料に加え、前記第3の原料をも供給する基板処理方法が提供される。
(付記2)
付記1に記載の基板処理方法であって、好ましくは、
前記積層膜を形成する工程では、前記第1の層を形成する工程を、前記第2の層を形成する工程よりも先行して行う。
(付記3)
付記1または2に記載の基板処理方法であって、好ましくは、
前記積層膜を形成する工程では、前記第1の層を形成する工程と、前記第2の層を形成する工程と、を交互に繰り返す。
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の基板処理方法であって、好ましくは、
前記積層膜を形成する工程では、前記第1の層と前記第2の層とが交互に積層されてなる積層膜を形成する。
(付記5)
付記1乃至4のいずれかに記載の基板処理方法であって、好ましくは、
前記第1の層に含まれる前記第3の元素の原子濃度が6.3%未満である。
(付記6)
付記1乃至4のいずれかに記載の基板処理方法であって、好ましくは、
前記第1の層に含まれる前記第3の元素の原子濃度が5%以下である。
(付記7)
付記1乃至4のいずれかに記載の基板処理方法であって、好ましくは、
前記第1の層に含まれる前記第3の元素の原子濃度が4.4%以下である。
(付記8)
付記1乃至7のいずれかに記載の基板処理方法であって、好ましくは、
前記基板の表面には、シリコン含有層または金属含有層が形成されており、前記積層膜を形成する工程では、前記シリコン含有層または前記金属含有層の上に、前記積層膜を形成する。
(付記9)
付記1乃至7のいずれかに記載の基板処理方法であって、好ましくは、
前記基板の表面には、シリコン層が形成されており、前記積層膜を形成する工程では、前記シリコン層の上に、前記積層膜を形成する。
(付記10)
付記1乃至7のいずれかに記載の基板処理方法であって、好ましくは、
前記基板の表面には、タングステン層または窒化チタン層が形成されており、前記積層膜を形成する工程では、前記タングステン層または前記窒化チタン層の上に、前記積層膜を形成する。
(付記11)
付記1乃至10のいずれかに記載の基板処理方法であって、好ましくは、
前記第1の元素がアンチモンであり、前記第2の元素がテルルであり、前記第3の元素がゲルマニウムである。
(付記12)
本発明の他の態様によれば、
基板に対して第1の元素を含む第1の原料と第2の元素を含む第2の原料とを供給して、前記第1の元素と前記第2の元素とを含む第1の層を形成する工程と、
前記基板に対して前記第2の原料と第3の元素を含む第3の原料とを供給して、前記第2の元素と前記第3の元素とを含む第2の層を形成する工程と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記第1の層と前記第2の層とが積層されてなる積層膜を形成する工程を有し、
前記第3の原料は前記第1の原料および前記第2の原料よりも熱分解温度が低く、
前記第1の層を形成する工程では、前記第1の原料および前記第2の原料に加え、前記第3の原料をも供給する半導体装置の製造方法が提供される。
(付記13)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板を収容する処理室と、
前記処理室内に第1の元素を含む第1の原料を供給する第1原料供給系と、
前記処理室内に第2の元素を含む第2の原料を供給する第2原料供給系と、
前記処理室内に第3の元素を含み前記第1の原料および前記第2の原料よりも熱分解温度が低い第3の原料を供給する第3原料供給系と、
前記処理室内の基板に対して前記第1の原料と前記第2の原料とを供給して、前記第1の元素と前記第2の元素とを含む第1の層を形成する処理と、前記処理室内の前記基板に対して前記第2の原料と前記第3の原料とを供給して、前記第2の元素と前記第3の元素とを含む第2の層を形成する処理と、を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記第1の層と前記第2の層とが積層されてなる積層膜を形成する処理を行い、前記第1の層を形成する処理では、前記第1の原料および前記第2の原料に加え、前記第3の原料をも供給するように、前記第1原料供給系、前記第2原料供給系および前記第3原料供給系を制御するよう構成される制御部と、
を有する基板処理装置が提供される。
(付記14)
本発明のさらに他の態様によれば、
処理室内の基板に対して第1の元素を含む第1の原料と第2の元素を含む第2の原料とを供給して、前記第1の元素と前記第2の元素とを含む第1の層を形成する手順と、
前記処理室内の前記基板に対して前記第2の原料と第3の元素を含む第3の原料とを供給して、前記第2の元素と前記第3の元素とを含む第2の層を形成する手順と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記第1の層と前記第2の層とが積層されてなる積層膜を形成する手順をコンピュータに実行させ、
前記第3の原料は前記第1の原料および前記第2の原料よりも熱分解温度が低く、
前記第1の層を形成する手順では、前記第1の原料および前記第2の原料に加え、前記第3の原料をも供給するプログラム、または、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
200 ウエハ(基板)
206 ヒータ
201 処理室
202 処理容器
210a 原料ガス供給口
210b 反応ガス供給口
280 コントローラ(制御部)

Claims (5)

  1. 基板に対して第1の元素を含む第1の原料と第2の元素を含む第2の原料とを供給して、前記第1の元素と前記第2の元素とを含む第1の層を形成する工程と、
    前記基板に対して前記第2の原料と第3の元素を含む第3の原料とを供給して、前記第2の元素と前記第3の元素とを含む第2の層を形成する工程と、
    を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記第1の層と前記第2の層とが積層されてなる積層膜を形成する工程を有し、
    前記第3の原料は前記第1の原料および前記第2の原料よりも熱分解温度が低く、
    前記第1の層を形成する工程では、前記第1の原料および前記第2の原料に加え、前記第3の原料をも供給する基板処理方法。
  2. 前記積層膜を形成する工程では、前記第1の層を形成する工程を、前記第2の層を形成する工程よりも先行して行う請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記第1の元素がアンチモンであり、前記第2の元素がテルルであり、前記第3の元素がゲルマニウムである請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 基板を収容する処理室と、
    前記処理室内に第1の元素を含む第1の原料を供給する第1原料供給系と、
    前記処理室内に第2の元素を含む第2の原料を供給する第2原料供給系と、
    前記処理室内に第3の元素を含み前記第1の原料および前記第2の原料よりも熱分解温度が低い第3の原料を供給する第3原料供給系と、
    前記処理室内の基板に対して前記第1の原料と前記第2の原料とを供給して、前記第1の元素と前記第2の元素とを含む第1の層を形成する処理と、前記処理室内の前記基板に対して前記第2の原料と前記第3の原料とを供給して、前記第2の元素と前記第3の元素とを含む第2の層を形成する処理と、を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記第1の層と前記第2の層とが積層されてなる積層膜を形成する処理を行い、前記第1の層を形成する処理では、前記第1の原料および前記第2の原料に加え、前記第3の原料をも供給するように、前記第1原料供給系、前記第2原料供給系および前記第3原料供給系を制御するよう構成される制御部と、
    を有する基板処理装置。
  5. 処理室内の基板に対して第1の元素を含む第1の原料と第2の元素を含む第2の原料とを供給して、前記第1の元素と前記第2の元素とを含む第1の層を形成する手順と、
    前記処理室内の前記基板に対して前記第2の原料と第3の元素を含む第3の原料とを供給して、前記第2の元素と前記第3の元素とを含む第2の層を形成する手順と、
    を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記第1の層と前記第2の層とが積層されてなる積層膜を形成する手順をコンピュータに実行させ、
    前記第3の原料は前記第1の原料および前記第2の原料よりも熱分解温度が低く、
    前記第1の層を形成する手順では、前記第1の原料および前記第2の原料に加え、前記第3の原料をも供給するプログラム。
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