JP2012169438A - 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 - Google Patents

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和宏 原田
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Abstract

【課題】膜中の酸素濃度を制御しつつ、段差被覆性を向上させ、抵抗率の低い薄膜を形成することができる。
【解決手段】基板を収容した処理室内にCVD反応が生じる条件下で、タンタルを含む原料ガスを供給し排気して、前記基板上にタンタル含有層を形成する工程と、前記処理室内にオゾンガスを短パルスで供給し排気することで、前記タンタル含有層の表面を酸化して、前記タンタル含有層の表面に酸化タンタル層を形成する工程と、を行うことで基板上に酸化タンタル膜を形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、処理容器内で基板を処理する工程を有する半導体装置の製造方法及びその工程において好適に用いられる基板処理装置に関する。
DRAMの代替となりうる新型RAMとして、例えば、SOI(Silicon On Insulator)基板を使ったキャパシタレスDRAM(SOI型RAM)、MRAM(Magneto−resistive RAM)、PRAM(Phase change RAM)、ReRAM(Resistive RAM)等が挙げられる。
このうちReRAMは、遷移金属酸化物からなる薄膜(以下、遷移金属酸化膜)を金属電極で挟んだキャパシタ構造を備えており、金属電極間に電圧を加えることで生じる遷移金属酸化膜の抵抗変化(電界誘起抵抗変化)を記憶情報として利用する。ReRAMは、既存のNOR型フラッシュメモリに比べて1ビット当りの消費電力が1/1000以下と低く、読み出し時間及び書き換え時間がいずれも10ns程度と高速であることから、次世代の不揮発性メモリとして期待されている。
ReRAMでは、遷移金属酸化膜として、膜中の酸素濃度の制御が可能な酸化タンタル(TaOx)膜が用いられている。ReRAMデバイスの開発段階では、酸化タンタル膜の成膜法はPVD(Physical Vapor Deposition)法が主流となっている。しかしながら、ReRAMの構造上、遷移金属酸化膜には高い段差被覆性が求められるため、量産段階ではPVD法の採用は困難になってくる。
本発明は、PVD法により成膜される酸化タンタル膜の上述の課題を解決し、膜中の酸素濃度を制御しつつ、段差被覆性を向上させ、抵抗率の低い薄膜を形成することができる半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、
基板を収容した処理室内にCVD反応が生じる条件下で、タンタルを含む原料ガスを供給し排気して、前記基板上にタンタル含有層を形成する工程と、
前記処理室内にオゾンガスを短パルスで供給し排気することで、前記タンタル含有層の表面を酸化して、前記タンタル含有層の表面に酸化タンタル層を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、
基板を収容して処理する処理室と、
前記処理室内の基板を加熱するヒータと、
前記処理室内にタンタルを含む原料ガスを供給する原料ガス供給系と、
前記処理室内にオゾンガスを供給するオゾンガス供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、
基板を収容した前記処理室内にCVD反応が生じる条件下で前記原料ガスを供給し排気して、前記基板上にタンタル含有層を形成する処理と、前記処理室内にオゾンガスを短パルスで供給し排気することで、前記タンタル含有層の表面を酸化して、前記タンタル含有層の表面に酸化タンタル層を形成する処理と、を行うように、前記ヒータ、前記原料ガス供給系、前記オゾンガス供給系および前記排気系を制御する制御部と、
を有することを特徴とする基板処理装置が提供される。
本発明によれば、PVD法により成膜される酸化タンタル膜の上述の課題を解決し、膜中の酸素濃度を制御でき、段差被覆性を向上させ、抵抗率の低い薄膜を形成することができる半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供することができる。
本発明の実施形態にかかる基板処理装置のウェハ処理時における断面構成図である。 本発明の実施形態にかかる基板処理装置のウェハ搬送時における断面構成図である。 本発明の実施形態にかかる基板処理装置の有するガス供給系および排気系の構成図である。 本発明の実施形態にかかる基板処理工程のフロー図である。 本発明の実施形態にかかる基板処理工程を用いて形成された基板の横断面図である。 本発明の他の実施形態で好適に用いられる縦型CVD装置の縦型処理炉の概略構成図であり、(a)は処理炉302部分を縦断面で示し、(b)は処理炉302部分を(a)のA−A線断面図で示す。 本発明の実施例にかかる基板処理工程のフロー図である。 本発明の実施例にかかる成膜工程のガス供給のタイミング図である。 本発明の実施例にかかる基板処理工程を350℃で実施して形成された酸化タンタル膜の酸素強度、炭素強度及び抵抗率とオゾンパルスサイクル数との関係を示すグラフ図である。 本発明の実施例にかかる基板処理工程を400℃で実施して形成された酸化タンタル膜の酸素強度、炭素強度及び抵抗率とオゾンパルスサイクル数との関係を示すグラフ図である。
(1)基板処理装置の構成
まず、本実施形態にかかる基板処理装置の構成について、図1、図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置のウェハ処理時における断面構成図であり、図2は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置のウェハ搬送時における断面構成図である。
<処理室>
図1、図2に示すとおり、本実施形態にかかる基板処理装置は処理容器202を備えている。処理容器202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。また、処理容器202は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)などの金属材料により構成されている。処理容器202内には、基板としてのシリコンウェハ等のウェハ200を処理する処理室201が形成されている。
<支持台>
処理室201内には、ウェハ200を支持する支持台203が設けられている。ウェハ200が直接触れる支持台203の上面には、例えば、石英(SiO2)、カーボン、セラミックス、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(Al23)、又は窒化アルミニウム(AlN)などから構成された支持板としてのサセプタ217が設けられている。また、支持台203には、ウェハ200を加熱する加熱手段(加熱源)としてのヒータ206が内蔵されている。なお、支持台203の下端部は、処理容器202の底部を貫通している。
<昇降機構>
処理室201の外部には、支持台203を昇降させる昇降機構207bが設けられている。この昇降機構207bを作動させて支持台203を昇降させることにより、サセプタ217上に支持されるウェハ200を昇降させることが可能となっている。支持台203は、ウェハ200の搬送時には図2で示される位置(ウェハ搬送位置)まで下降し、ウェハ200の処理時には図1で示される位置(ウェハ処理位置)まで上昇する。なお、支持台203下端部の周囲は、ベローズ203aにより覆われており、処理室201内は気密に保持されている。
<リフトピン>
また、処理室201の底面(床面)には、例えば3本のリフトピン208bが鉛直方向に立ち上がるように設けられている。また、支持台203(サセプタ217も含む)には、かかるリフトピン208bを貫通させる貫通孔208aが、リフトピン208bに対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、支持台203をウェハ搬送位置まで下降させた時には、図2に示すように、リフトピン208bの上端部がサセプタ217の上面から突出して、リフトピン208bがウェハ200を下方から支持するようになっている。また、支持台203をウェハ処理位置まで上昇させたときには、図1に示すようにリフトピン208bはサセプタ217の上面から埋没して、サセプタ217がウェハ200を下方から支持するようになっている。なお、リフトピン208bは、ウェハ200と直接触れるため、例えば、石英やアルミナなどの材質で形成することが望ましい。
<ウェハ搬送口>
処理室201(処理容器202)の内壁側面には、処理室201の内外にウェハ200を搬送するウェハ搬送口250が設けられている。ウェハ搬送口250にはゲートバルブ251が設けられており、ゲートバルブ251を開くことにより、処理室201内と搬送室(予備室)271内とが連通するようになっている。搬送室271は搬送容器(密閉容器)272内に形成されており、搬送室271内にはウェハ200を搬送する搬送ロボット273が設けられている。搬送ロボット273には、ウェハ200を搬送する際にウェハ200を支持する搬送アーム273aが備えられている。支持台203をウェハ搬送位置まで下降させた状態で、ゲートバルブ251を開くことにより、搬送ロボット273により処理室201内と搬送室271内との間でウェハ200を搬送することが可能となっている。処理室201内に搬送されたウェハ200は、上述したようにリフトピン208b上に一時的に載置される。なお、搬送室271のウェハ搬送口250が設けられた側と反対側には、図示しないロードロック室が設けられており、搬送ロボット273によりロードロック室内と搬送室271内との間でウェハ200を搬送することが可能となっている。なお、ロードロック室は、未処理もしくは処理済のウェハ200を一時的に収容する予備室として機能する。
<排気系>
処理室201(処理容器202)の内壁側面であって、ウェハ搬送口250の反対側には、処理室201内の雰囲気を排気する排気口260が設けられている。排気口260には排気チャンバ260aを介して排気管261が接続されており、排気管261には、処理室201内を所定の圧力に制御するAPC(Auto Pressure Controller)等の圧力調整器262、原料回収トラップ263、及び真空ポンプ264が順に直列に接続されている。主に、排気口260、排気チャンバ260a、排気管261、圧力調整器262、原料回収トラップ263、真空ポンプ264により排気系(排気ライン)が構成される。
<ガス導入口>
処理室201の上部に設けられる後述のシャワーヘッド240の上面(天井壁)には、処理室201内に各種ガスを供給するガス導入口210が設けられている。なお、ガス導入口210に接続されるガス供給系の構成については後述する。
<シャワーヘッド>
ガス導入口210と処理室201との間には、ガス分散機構としてのシャワーヘッド240が設けられている。シャワーヘッド240は、ガス導入口210から導入されるガスを分散させる分散板240aと、分散板240aを通過したガスをさらに均一に分散させて支持台203上のウェハ200の表面に供給するシャワー板240bと、を備えている。分散板240aおよびシャワー板240bには、複数の通気孔が設けられている。分散板240aは、シャワーヘッド240の上面及びシャワー板240bと対向するように配置されており、シャワー板240bは、支持台203上のウェハ200と対向するように配置されている。なお、シャワーヘッド240の上面と分散板240aとの間、および分散板240aとシャワー板240bとの間には、それぞれ空間が設けられており、かかる空間は、ガス導入口210から供給されるガスを分散させる第1バッファ空間(分散室)240c、および分散板240aを通過したガスを拡散させる第2バッファ空間240dとしてそれぞれ機能する。
<排気ダクト>
処理室201(処理容器202)の内壁側面には、段差部201aが設けられている。そして、この段差部201aは、コンダクタンスプレート204をウェハ処理位置近傍に保持するように構成されている。コンダクタンスプレート204は、内周部にウェハ200を収容する穴が設けられた1枚のドーナツ状(リング状)をした円板として構成されている。コンダクタンスプレート204の外周部には、所定間隔を開けて周方向に配列された複数の排出口204aが設けられている。排出口204aは、コンダクタンスプレート204の外周部がコンダクタンスプレート204の内周部を支えることができるよう、不連続に形成されている。
一方、支持台203の外周部には、ロワープレート205が係止している。ロワープレート205は、リング状の凹部205bと、凹部205bの内側上部に一体的に設けられたフランジ部205aとを備えている。凹部205bは、支持台203の外周部と、処理室201の内壁側面との隙間を塞ぐように設けられている。凹部205bの底部のうち排気口260付近の一部には、凹部205b内から排気口260側へガスを排出(流通)させるプレート排気口205cが設けられている。フランジ部205aは、支持台203の上部外周縁上に係止する係止部として機能する。フランジ部205aが支持台203の上部外周縁上に係止することにより、ロワープレート205が、支持台203の昇降に伴い、支持台203と共に昇降されるようになっている。
支持台203がウェハ処理位置まで上昇したとき、ロワープレート205もウェハ処理位置まで上昇する。その結果、ウェハ処理位置近傍に保持されているコンダクタンスプレート204が、ロワープレート205の凹部205bの上面部分を塞ぎ、凹部205bの内部をガス流路領域とする排気ダクト259が形成されることとなる。なお、このとき、排気ダクト259(コンダクタンスプレート204及びロワープレート205)及び支持台203によって、処理室201内が、排気ダクト259よりも上方の処理室上部と、排気ダクト259よりも下方の処理室下部と、に仕切られることとなる。なお、コンダクタンスプレート204およびロワープレート205は、排気ダクト259の内壁に堆積する反応生成物をエッチングする場合(セルフクリーニングする場合)を考慮して、高温保持が可能な材料、例えば、耐高温高負荷用石英で構成することが好ましい。
ここで、ウェハ処理時における処理室201内のガスの流れについて説明する。まず、ガス導入口210からシャワーヘッド240の上部へと供給されたガスは、第1バッファ空間(分散室)240cを経て分散板240aの多数の孔から第2バッファ空間240dへと入り、さらにシャワー板240bの多数の孔を通過して処理室201内に供給され、ウェハ200上に均一に供給される。そして、ウェハ200上に供給されたガスは、ウェハ200の径方向外側に向かって放射状に流れる。そして、ウェハ200に接触した後の余剰なガスは、ウェハ200外周部に位置する排気ダクト259上、すなわち、コンダクタンスプレート204上を、ウェハ200の径方向外側に向かって放射状に流れ、コンダクタンスプレート204に設けられた排出口204aから、排気ダクト259内のガス流路領域内(凹部205b内)へと排出される。その後、ガスは排気ダクト259内を流れ、プレート排気口205cを経由して排気口260へと排気される。このようにガスを流すことで、処理室下部、すなわち、支持台203の裏面や処理室201の底面側へのガスの回り込みが抑制される。
<ガス供給系>
続いて、上述したガス導入口210に接続されるガス供給系の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施形態にかかる基板処理装置の有するガス供給系および排気系の構成図である。
本発明の実施形態にかかる基板処理装置の有するガス供給系は、常温で液体状態であるタンタル(Ta)を含む液体原料を気化する気化部としてのバブラ220aと、バブラ220aにて液体原料を気化させて得た原料ガスを処理室201内に供給する原料ガス供給系と、処理室201内に窒素含有ガスを供給する窒素含有ガス供給系と、処理室201内に酸化剤を供給する酸化剤供給系と、処理室201内にパージガスを供給するパージガス供給系と、を有している。さらに、本発明の実施形態にかかる基板処理装置は、バブラ220aからの原料ガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスするよう排気するベント(バイパス)系を有している。以下に、各部の構成について説明する。
<バブラ>
処理室201の外部には、液体原料を収容する原料容器としてのバブラ220aが設けられている。バブラ220aは、内部に液体原料を収容(充填)可能なタンク(密閉容器)として構成されており、また、液体原料をバブリングにより気化させて原料ガスを生成させる気化部としても構成されている。なお、バブラ220aの周りには、バブラ220aおよび内部の液体原料を加熱するサブヒータ206aが設けられている。原料としては、例えば、タンタル(Ta)元素を含む金属液体原料であるTBTDET(トリス(ジエチルアミノ)ターシャリーブチルイミノタンタル、Ta(NC(CH33)(N(C2523)、五塩化タンタル(TaCl5)、または、五弗化タンタル(TaF5)等が用いられ、本実施形態では、例えばTBTDETが用いられる。なお、TBTDETは、窒素(N)、炭素(C)および水素(H)を含むタンタル原料である。
バブラ220aには、キャリアガス供給管237aが接続されている。キャリアガス供給管237aの上流側端部には、図示しないキャリアガス供給源が接続されている。また、キャリアガス供給管237aの下流側端部は、バブラ220a内に収容した液体原料内に浸されている。キャリアガス供給管237aには、キャリアガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222aと、キャリアガスの供給を制御するバルブva1,va2とが設けられている。なお、キャリアガスとしては、液体原料とは反応しないガスを用いることが好ましく、例えばN2ガスやArガスやHeガス等の不活性ガスが好適に用いられる。主に、キャリアガス供給管237a、MFC222a、バルブva1,va2により、キャリアガス供給系(キャリアガス供給ライン)が構成される。
上記構成により、バルブva1,va2を開き、キャリアガス供給管237aからMFC222aで流量制御されたキャリアガスをバブラ220a内に供給することにより、バブラ220a内部に収容された液体原料をバブリングにより気化させて原料ガス(TBTDETガス)を生成させることが可能となる。
<原料ガス供給系>
バブラ220aには、バブラ220a内で生成された原料ガスを処理室201内に供給する原料ガス供給管213aが接続されている。原料ガス供給管213aの上流側端部は、バブラ220aの上部に存在する空間に連通している。原料ガス供給管213aの下流側端部は、ガス導入口210に接続されている。原料ガス供給管213aには、上流側から順にバルブva5,va3が設けられている。バルブva5は、バブラ220aから原料ガス供給管213a内への原料ガスの供給を制御するバルブであり、バブラ220aの近傍に設けられている。バルブva3は、原料ガス供給管213aから処理室201内への原料ガスの供給を制御するバルブであり、ガス導入口210の近傍に設けられている。バルブva3と後述するバルブve3は高耐久高速ガスバルブとして構成されている。高耐久高速ガスバルブは、短時間で素早くガス供給の切り替えおよびガス排気ができるように構成された集積バルブである。なお、バルブve3は、原料ガス供給管213aのバルブva3とガス導入口210との間の空間を高速にパージしたのち、処理室201内をパージするパージガスの導入を制御するバルブである。
上記構成により、バブラ220aにて液体原料を気化させて原料ガスを発生させるとともに、バルブva5,va3を開くことにより、原料ガス供給管213aから処理室201内へ原料ガスを供給することが可能となる。主に、原料ガス供給管213a、バルブva5,va3により原料ガス供給系(原料ガス供給ライン)が構成される。
また、主に、キャリアガス供給系、バブラ220a、原料ガス供給系により、原料供給系(原料供給ライン)が構成される。
<オゾンガス供給系>
また、処理室201の外部には、オゾン(O3)ガスを供給するオゾンガス供給源220gが設けられている。オゾンガス供給源220gには、オゾンガス供給管213gの上流側端部が接続されている。オゾンガス供給管213gの下流側端部は、バルブvg3を介してガス導入口210に接続されている。オゾンガス供給管213gには、オゾンガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222gと、オゾンガスの供給を制御するバルブvg1,vg2,vg3が設けられている。
主に、オゾンガス供給源220g、オゾンガス供給管213g、MFC222g、バルブvg1,vg2,vg3により、オゾンガス供給系(オゾンガス供給ライン)が構成される。
<パージガス供給系>
また、処理室201の外部には、パージガスを供給するパージガス供給源220c,220eが設けられている。パージガス供給源220c,220eには、パージガス供給管213c,213eの上流側端部がそれぞれ接続されている。パージガス供給管213cの下流側端部は、バルブvc3を介してガス導入口210に接続されている。パージガス供給管213eの下流側端部は、バルブve3を介して原料ガス供給管213aのバルブva3とガス導入口210との間の部分に合流し、ガス導入口210に接続されている。パージガス供給管213c,213eには、パージガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222c,222eと、パージガスの供給を制御するバルブvc1,vc2,vc3,ve1,ve2,ve3と、がそれぞれ設けられている。パージガスとしては、例えばN2ガスやArガスやHeガス等の不活性ガスが用いられる。主に、パージガス供給源220c,220e、パージガス供給管213c,213e、MFC222c,222e、バルブvc1,vc2,vc3,ve1,ve2,ve3により、パージガス供給系(パージガス供給ライン)が構成される。
<ベント(バイパス)系>
また、原料ガス供給管213aのバルブva3よりも上流側には、ベント管215aの上流側端部が接続されている。また、ベント管215a下流側端部は排気管261の圧力調整器262よりも下流側であって原料回収トラップ263よりも上流側に接続されている。ベント管215aには、ガスの流通を制御するバルブva4が設けられている。
上記構成により、バルブva3を閉じ、バルブva4を開くことで、原料ガス供給管213a内を流れるガスを、処理室201内に供給することなく、ベント管215aを介して処理室201をバイパスさせ、排気管261より排気することが可能となる。主に、ベント管215a、バルブva4によりベント系(ベントライン)が構成される。
なお、バブラ220aの周りには、サブヒータ206aが設けられることは上述した通りだが、この他、キャリアガス供給管237a、原料ガス供給管213a、パージガス供給管213e、ベント管215a、排気管261、処理容器202、シャワーヘッド240等の周囲にもサブヒータ206aが設けられている。サブヒータ206aは、これらの部材を例えば100℃以下の温度に加熱することで、これらの部材内部での原料ガスの再液化を防止するように構成されている。
<制御部>
本実施形態にかかる基板処理装置は、基板処理装置の各部の動作を制御する制御部としてのコントローラ280を有している。コントローラ280は、ゲートバルブ251、昇降機構207b、搬送ロボット273、ヒータ206、サブヒータ206a、圧力調整器(APC)262、真空ポンプ264、バルブva1〜va5,vc1〜vc3,ve1〜ve3,vg1〜vg3,マスフローコントローラ222a,222c,222e,222g等の動作を制御する。
(2)基板処理工程
続いて、半導体装置の製造工程の一工程として、上述の基板処理装置を用いて処理容器202内でウェハ200上に酸化タンタル膜を形成する基板処理工程について、図4、図5を参照しながら説明する。図4は、本発明の実施形態にかかる基板処理工程のフロー図である。図5は、本発明の実施形態にかかる基板処理工程を用いて形成された基板の横断面図である。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作は、コントローラ280により制御される。
なお、ここでは、ウェハ200を収容した処理室201内にCVD反応が生じる条件下で、タンタルを含む原料ガスとしてのTBTDETガスを供給し排気して、ウェハ200上にタンタル含有層(CVD−Ta層)を形成し、処理室201内に酸化剤としてのオゾン(O3)ガスを供給し排気して、CVD−Ta層の表面を酸化してウェハ200上に所定膜厚の酸化タンタル膜(TaOx膜)を形成する例について説明する。
<基板搬入工程(S1)、基板載置工程(S2)>
まず、昇降機構207bを作動させ、支持台203を、図2に示すウェハ搬送位置まで下降させる。そして、ゲートバルブ251を開き、処理室201と搬送室271とを連通させる。そして、搬送ロボット273により、搬送室271内から処理室201内へ、処理対象のウェハ200を搬送アーム273aで支持した状態で搬入する(S1)。処理室201内に搬入したウェハ200は、支持台203の上面から突出しているリフトピン208b上に一時的に載置される。搬送ロボット273の搬送アーム273aが処理室201内から搬送室271内へ戻ると、ゲートバルブ251が閉じられる。
続いて、昇降機構207bを作動させ、支持台203を、図1に示すウェハ処理位置まで上昇させる。その結果、リフトピン208bは支持台203の上面から埋没し、ウェハ200は、支持台203上面のサセプタ217上に載置される(S2)。
<圧力調整工程(S3)、温度調整工程(S4)>
続いて、圧力調整器(APC)262により、処理室201内の圧力が所定の処理圧力となるように制御する(S3)。また、ヒータ206に供給する電力を調整し、ウェハ200の表面温度が所定の処理温度となるように制御する(S4)。なお、温度調整工程(S4)は、圧力調整工程(S3)と並行して行うようにしてもよいし、圧力調整工程(S3)よりも先行して行うようにしてもよい。ここで、所定の処理温度、処理圧力とは、後述するCVD−Ta層形成工程(S5a)において、CVD法によりCVD−Ta層を形成可能な処理温度、処理圧力である。すなわち、CVD−Ta層形成工程(S5a)で用いる原料が自己分解する程度の処理温度、処理圧力である。なお、ここでいう所定の処理温度、処理圧力は、後述するO3酸化工程(S5c)において、ウェハ200上に形成したCVD−Ta層に対して酸化処理がなされ得る処理温度、処理圧力でもある。
なお、基板搬入工程(S1)、基板載置工程(S2)、圧力調整工程(S3)、及び温度調整工程(S4)においては、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブva3,vg3を閉じ、バルブvc1,vc2,vc3,ve1,ve2,ve3を開くことで、処理室201内にN2ガスを常に流しておく。これにより、ウェハ200上へのパーティクルの付着を抑制することが可能となる。
工程S1〜S4と並行して、原料(TBTDET)を気化させて原料ガス(TBTDETガス)を生成(予備気化)させておく。すなわち、バルブva1,va2,va5を開き、キャリアガス供給管237aからMFC222aで流量制御されたキャリアガスをバブラ220a内に供給することにより、バブラ220a内部に収容された原料をバブリングにより気化させて原料ガスを生成させておく(予備気化工程)。この予備気化工程では、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブva3を閉じたまま、バルブva4を開くことにより、原料ガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスして排気しておく。バブラにて原料ガスを安定して生成させるには所定の時間を要する。このため、本実施形態では、原料ガスを予め生成させておき、バルブva3,va4の開閉を切り替えることにより、原料ガスの流路を切り替える。その結果、バルブの切り替えにより、処理室201内への原料ガスの安定した供給を迅速に開始あるいは停止できるようになり、好ましい。
<成膜工程(S5)>
〔CVD−Ta層形成工程(S5a)〕
続いて、真空ポンプ264を作動させたまま、バルブva4を閉じ、バルブva3を開いて、処理室201内への原料ガス(TBTDETガス)の供給を開始する。原料ガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内のウェハ200上に均一に供給される。余剰な原料ガスは、排気ダクト259内を流れ、排気口260、排気管261へと排気される。すなわち、シャワーヘッド240からは原料ガスが供給され、この原料ガスがウェハ200に対して均一に供給されることとなる。
このとき、処理温度(ウェハ温度)、処理圧力(処理室内圧力)は、原料ガスが自己分解する程度の処理温度、処理圧力とされるので、処理室201内或いはウェハ200表面において、気相反応が生じる。その結果、ウェハ200上には、CVD反応が生じることで、図5(b)に示すように、タンタル含有層としてのCVD−Ta層が形成される。ここで形成されるCVD−Ta層の厚さは、例えば50nmである。
このように、CVD−Ta層形成工程(S5a)では、ウェハ200を収容した処理室201内にCVD反応が生じる条件下で、原料ガスを供給し排気して、ウェハ200上に、CVD−Ta層を形成する。
処理室201内への原料ガスの供給時には、処理室201内における原料ガスの拡散を促すように、バルブve1,ve2,ve3,vc1,vc2,vc3は開いたままとし、処理室201内にN2ガスを常に流しておくことが好ましい。
処理室201内への原料ガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、バルブva3を閉じ、バルブva4を開いて、処理室201内への原料ガスの供給を停止する。
〔パージ工程(S5b)〕
バルブva3を閉じ、原料ガスの供給を停止した後は、バルブvc1,vc2,vc3,ve1,ve2,ve3が開いた状態を維持し、処理室201内へのN2ガスの供給を継続する。N2ガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内に供給され、排気ダクト259内を流れ、排気口260、排気管261へと排気される。これにより、処理室201内に残留している原料ガス、反応副生成物等を除去し、処理室201内をN2ガスによりパージする。
〔O3酸化工程(S5c)〕
処理室201内をパージしたら、真空ポンプ264を作動させたまま、バルブvg1,vg2,vg3を開いて、処理室201内へ酸化剤を短パルス供給する。上述したように、本実施形態では酸化剤としてO3ガスを用いる。O3ガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内のウェハ200上に均一に供給される。余剰な酸化剤は、排気ダクト259内を流れ、排気口260、排気管261へと排気される。このとき、ウェハ200上に供給された酸化剤が、ウェハ200上に形成されているCVD−Ta層の表面を酸化させることで、図5(c)に示すように、酸化タンタル膜(TaOx膜)がウェハ200上に形成される。すなわち、CVD−Ta層形成工程(S5a)において形成されたCVD−Ta層の表面の1〜10nm、好ましくは1〜3nmを酸化する。ここで、TaOx膜の厚さが1nm未満だと後述するようなキャップ層としての効果が得られなくなる。TaOx膜の厚さが10nmあれば、キャップ層として十分効果が得られることとなる。なお、TaOx膜の厚さが少なくとも、3nm程度あればキャップ層としての効果が得られ、キャップ層としてのTaOx膜の膜厚を最小限にすることが可能となる。
処理室201内へのO3ガスの供給時には、原料ガス供給管213a内へのO3ガスの侵入を防止するように、また、処理室201内におけるO3ガスの拡散を促すように、バルブve1,ve2,ve3,vc1,vc2,vc3は開いたままとし、処理室201内にN2ガスを常に流しておくことが好ましい。
処理室201内へのO3ガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、バルブvg1,vg2,vg3を閉じ、処理室201内へのO3ガスの供給を停止する(O3短パルス供給)。
〔パージ工程(S5d)〕
バルブvg1,vg2,vg3を閉じ、O3ガスの供給を停止した後は、バルブvc1,vc2,vc3,ve1,ve2,ve3が開いた状態を維持し、処理室201内へのN2ガスの供給を継続する。N2ガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内に供給され、排気ダクト259内を流れ、排気口260、排気管261へと排気される。これにより、処理室201内に残留しているO3ガスや反応副生成物等を除去し、処理室201内をN2ガスによりパージする。
<基板搬出工程(S7)>
その後、上述した基板搬入工程(S1)、基板載置工程(S2)に示した手順とは逆の手順により、TaOx膜を形成した後のウェハ200を、処理室201内から搬送室271内へ搬出し、本実施形態にかかる基板処理工程を完了する。
なお、本実施形態における成膜工程(S5)でのウェハ200の処理条件としては、
処理温度(ウェハ温度):300〜450℃、
処理圧力(処理室内圧力):20〜1330Pa、
原料(TBTDET)ガス供給流量:10〜200sccm
酸化剤(O3ガス)供給流量:10〜500sccm、
酸化剤(O3ガス)供給時間:1〜10秒、
が例示される。
本実施形態によれば、CVD−Ta層を成膜後に、O3ガスを短パルス供給することで、CVD−Ta層の表面に極薄の酸化膜(TaOx膜)を形成する。これにより、大気酸化の影響を極力無くし、Ta層の抵抗率を下げることができる。
<本発明の他の実施形態>
上述の実施形態では、基板処理装置(成膜装置)として1度に1枚の基板を処理する枚葉式のCVD装置を用いて成膜する例について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、基板処理装置として1度に複数枚の基板を処理するバッチ式の縦型CVD装置を用いて成膜するようにしてもよい。以下、この縦型CVD装置について説明する。
図6は、本実施形態で好適に用いられる縦型CVD装置の縦型処理炉の概略構成図であり、(a)は、処理炉302部分を縦断面で示し、(b)は、処理炉302部分を図6(a)のA−A線断面図で示す。
図6(a)に示されるように、処理炉302は加熱手段(加熱機構)としてのヒータ307を有する。ヒータ307は円筒形状であり、保持板としてのヒータベースに支持されることにより垂直に据え付けられている。
ヒータ307の内側には、ヒータ307と同心円状に反応管としてのプロセスチューブ303が配設されている。プロセスチューブ303は、例えば石英(SiO2)や炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。プロセスチューブ303の筒中空部には処理室301が形成されており、基板としてのウェハ200を、後述するボート317によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。
プロセスチューブ303の下方には、プロセスチューブ303と同心円状にマニホールド309が配設されている。マニホールド309は、例えばステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド309は、プロセスチューブ303に係合しており、プロセスチューブ303を支持するように設けられている。なお、マニホールド309とプロセスチューブ303との間には、シール部材としてのOリング320aが設けられている。マニホールド309がヒータベースに支持されることにより、プロセスチューブ303は垂直に据え付けられた状態となっている。プロセスチューブ303とマニホールド309とにより反応容器が形成される。
マニホールド309には、第1ガス導入部としての第1ノズル333aと、第2ガス導入部としての第2ノズル333bとが、マニホールド309の側壁を貫通するように接続されている。第1ノズル333aと第2ノズル333bは、それぞれ水平部と垂直部とを有するL字形状であり、水平部がマニホールド309に接続され、垂直部がプロセスチューブ303の内壁とウェハ200との間における円弧状の空間に、プロセスチューブ303の下部より上部の内壁に沿って、ウェハ200の積載方向に向かって立ち上がるように設けられている。第1ノズル333a、第2ノズル333bの垂直部の側面には、ガスを供給する供給孔である第1ガス供給孔348a、第2ガス供給孔348bがそれぞれ設けられている。この第1ガス供給孔348a、第2ガス供給孔348bは、それぞれ下部から上部にわたって同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。
第1ノズル333a、第2ノズル333bに接続されるガス供給系は、上述の実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、第1ノズル333aに原料ガス供給系が接続され、第2ノズル333bにオゾンガス供給系が接続される点が、上述の実施形態と異なる。すなわち、本実施形態では、原料ガスと酸化剤であるオゾンガスとを、別々のノズルにより供給する。なお、原料ガスと酸化剤であるオゾンガスとは同一のノズルにより供給するようにしてもよい。
マニホールド309には、処理室301内の雰囲気を排気する排気管331が設けられている。排気管331には、圧力検出器としての圧力センサ345及び圧力調整器としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ342を介して、真空排気装置としての真空ポンプ346が接続されており、圧力センサ345により検出された圧力情報に基づきAPCバルブ342を調整することで、処理室301内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。なお、APCバルブ342は弁を開閉して処理室301内の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調整して処理室301内の圧力を調整することができるよう構成されている開閉弁である。
マニホールド309の下方には、マニホールド309の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ319が設けられている。シールキャップ319は、マニホールド309の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ319は、例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ319の上面には、マニホールド309の下端と当接するシール部材としてのOリング320bが設けられている。シールキャップ319の処理室301と反対側には、後述するボート317を回転させる回転機構367が設置されている。回転機構367の回転軸355は、シールキャップ319を貫通して、ボート317に接続されており、ボート317を回転させることでウェハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ319は、プロセスチューブ303の外部に配置された昇降機構としてのボートエレベータ315によって、垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート317を処理室301内に対し搬入搬出することが可能となっている。
基板保持具としてのボート317は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱材料からなり、複数枚のウェハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。なお、ボート317の下部には、例えば石英や炭化珪素等の耐熱材料からなる断熱部材318が設けられており、ヒータ307からの熱がシールキャップ319側に伝わりにくくなるように構成されている。プロセスチューブ303内には、温度検出器としての温度センサ363が設置されており、温度センサ363により検出された温度情報に基づきヒータ307への通電具合を調整することにより、処理室301内の温度が所定の温度分布となるように構成されている。温度センサ363は、第1ノズル333a及び第2ノズル333bと同様に、プロセスチューブ303の内壁に沿って設けられている。
制御部(制御手段)であるコントローラ380は、APCバルブ342、ヒータ307、温度センサ363、真空ポンプ346、回転機構367、ボートエレベータ315、バルブva1〜va5,vc1〜vc3,ve1〜ve3,vg1〜vg3,マスフローコントローラ222a,222c,222e,222g等の動作を制御する。
次に、上記構成にかかる縦型CVD装置の処理炉302を用いて、半導体装置の製造工程の一工程として、ウェハ200上にCVD−Ta層を形成し、その表面にTaOx膜を形成する基板処理工程について説明する。なお、以下の説明において、縦型CVD装置を構成する各部の動作は、コントローラ380により制御される。
複数枚のウェハ200をボート317に装填(ウェハチャージ)する。そして、図6(a)に示すように、複数枚のウェハ200を保持したボート317を、ボートエレベータ315によって持ち上げて処理室301内に搬入(ボートロード)する。この状態で、シールキャップ319はOリング320bを介してマニホールド309の下端をシールした状態となる。
処理室301内が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ346によって処理室301内を真空排気する。この際、処理室301内の圧力を圧力センサ345で測定して、この測定された圧力に基づき、APCバルブ342をフィードバック制御する。また、処理室301内が所望の温度となるように、ヒータ307によって加熱する。この際、処理室301内が所望の温度分布となるように、温度センサ363が検出した温度情報に基づきヒータ307への通電具合をフィードバック制御する。続いて、回転機構367により、ウェハ200の回転を開始させる。
その後、上述の実施形態における成膜工程(S5)と同様な手順で、ウェハ200上に、CVD−Ta層を形成し、その表面にTaOx膜を形成する。すなわち、ウェハ200を収容した処理室301内にCVD反応が生じる条件下で、タンタルを含む原料ガスとしてのTBTDETガスを供給し排気して、ウェハ200上にCVD−Ta層を形成するCVD−Ta層形成工程(S5a)と、処理室301内に残留している原料ガス、反応副生成物等を除去するパージ工程(S5b)と、処理室301内に酸化剤としてのO3ガスを短パルス供給し排気して、CVD−Ta層の表面を酸化してTaOx膜を形成するO3酸化工程(S5c)と、処理室301内に残留しているO3ガスや反応副生成物等を除去するパージ工程(S5d)を行うことで、ウェハ200上に、TaOx膜を形成する。
その後、ボートエレベータ315によりシールキャップ319を下降させて、マニホールド309の下端を開口させるとともに、TaOx膜が形成された後のウェハ200を、ボート317に保持させた状態でマニホールド309の下端からプロセスチューブ303の外部に搬出(ボートアンロード)する。その後、処理済のウェハ200をボート317より取り出す(ウェハディスチャージ)。
<酸素強度、炭素強度及び抵抗率とオゾンパルスサイクル数との関係による検証>
図7は、本発明の実施例にかかる基板処理工程のフロー図である。また、図8は、本発明の実施例にかかる成膜工程のガス供給のタイミング図である。
実施例においては、上述の実施形態で説明した基板処理装置を用い、上述したCVD−Ta層形成工程(S5a)、パージ工程(S5b)、O3酸化工程(S5c)、パージ工程(S5d)を1サイクルとして、このサイクルを所定回数実施して(所定回数実施工程(S5e))、ウェハ上に、所定膜厚のTaOx膜を形成した。なお、本実施例では表面にSiO2膜が形成されたウェハ上にTaOx膜を形成した。そして、ウェハ200上に所定膜厚のTaOx膜が形成された後、処理室201内の真空引きを行い、処理室201内をN2ガスによりパージし(残留ガス除去工程(S6))、その後、所定膜厚のTaOx膜を形成した後のウェハ200を、処理室201内から搬送室271内へ搬出した(基板搬出工程(S7))。
なお、成膜は処理温度を350℃としたときと、400℃としたときの2通りの条件で、サイクル数(以下、オゾンパルスサイクル数ともいう)を変えて行い、複数の評価サンプルを作成し、それぞれのTaOx膜の抵抗率と酸素強度及び炭素強度を測定した。具体的には、処理温度を350℃とした場合においては、サイクル数をそれぞれ0回、1回、2回、3回、5回と変化させて成膜した評価サンプルを作成し、処理温度を400℃とした場合においては、サイクル数をそれぞれ0回、1回、2回、3回と変化させて成膜した評価サンプルを作成し、それぞれの評価サンプルにおけるTaOx膜の抵抗率と酸素強度及び炭素強度を測定した。
図9は、上述の実施例にかかる基板処理工程を350℃で実施して形成された酸化タンタル膜の酸素強度、炭素強度及び抵抗率とオゾンパルスサイクル数との関係を示すグラフ図である。また、図10は、上述の実施例にかかる基板処理工程を400℃で実施して形成された酸化タンタル膜の酸素強度、炭素強度及び抵抗率とオゾンパルスサイクル数との関係を示すグラフ図である。図9及び図10の横軸は、所定回数実施工程(S5e)におけるオゾンパルスのサイクル数(回)を示している。このオゾンパルスのサイクル数とは、最終的に形成するTaOx膜の膜厚を50nmと固定した時のサイクル数を示している。例えば、サイクル2回とは、CVD−Ta層を25nm形成する毎にO3ガスを供給するケースを示している。また例えば、サイクル5回とは、CVD−Ta層を10nm形成する毎にO3ガスを供給するケースを示している。また、右側の縦軸は、蛍光X線分析(XRF)にて測定したTaOx膜の酸素強度(すなわち酸素濃度)及び炭素強度(すなわち炭素濃度)を、左側の縦軸は、TaOx膜の抵抗率[mΩ・cm]をそれぞれ示している。また、オゾンパルスサイクル数が0回とは、CVD−Ta層形成工程(S5a)の後、O3酸化工程(S5c)を行わなかった場合を示している。
図9によれば、オゾンパルスサイクル1回と、サイクル0回(O3供給なし)とを比較すると、抵抗率が1/2程度低減していることが分かる。これは、大気酸化の影響が多い、CVD−Ta層の表面にO3ガスを短パルス供給することで、極薄のTaOx膜が形成され、その下のTa層の酸化を保護しているからだと考えられる。
また、図10によれば、処理温度400℃においても、オゾンパルスサイクル1回と、サイクル0回(O3供給なし)とを比較すると、抵抗率が1/2程度低減しており、処理温度を変化させてもCVD−Ta層の表面にO3ガスを短パルス供給することで、極薄のTaOx膜が形成され、その下のTa層の酸化を保護し、結果的に抵抗率を下げることができることが分かった。
また、図9及び図10によれば、1サイクル毎に形成するCVD−Ta層の厚さを薄くして、サイクル数を多くすることで、TaOx膜の酸素強度(酸素濃度)が上昇し(図中□印)、さらに抵抗率も上昇することが分かる(図中○印)。一方、オゾンパルスサイクル1回と、サイクル0回(O3供給なし)とを比較すると、炭素強度が上昇するが、サイクル数2回目以降は炭素強度が低減することが分かる(図中△印)。
すなわち、1サイクル毎に形成するCVD−Ta層の厚さ、及びサイクル数を変化させることで、TaOx膜の中の酸素強度及び炭素強度を制御でき、さらに抵抗率も制御できることが分かった。例えば、1サイクル毎に形成するCVD−Ta層の厚さを厚くすることで、TaOx膜中の酸素を意図的に欠損させ、TaOx膜の抵抗率を低下させることができる。
ところで、CVD−Ta層は、大気中に放置すると酸化してしまう(大気酸化の影響を受けやすい)。したがって、酸化力の強いO3ガスを供給し、サイクル数を多くすると抵抗率が上がるものと考えられる。しかしながら、上述の検証によれば、O3ガスの供給を1回行った場合に抵抗率が下がっていた。これは、酸化力の強い酸化剤(O3)を短パルス供給(ごく短時間供給)することで、CVD−Ta層の表面にごく薄いTaOx膜がキャップ層として形成され、それにより、その下のCVD−Ta層が大気にさらされない状況になったからだと考えられる。すなわち、TaOx膜のキャップ効果によりCVD−Ta層が保護されることとなったと考えられる。
ここで、短パルスとは、CVD−Ta層形成時間より短時間かつパージ時間よりも短時間であることを意味しており、好ましくは、CVD−Ta層形成時間の1/50以下、さらに好ましくは、CVD−Ta層形成時間の1/500〜1/50、具体的には1〜10秒程度の時間のことを意味している。
すなわち、一般的にCVD成膜による金属製膜の形成は、大気にさらされた時の酸化の影響が強く、抵抗率が高くなることが多い。しかしながら、Ta膜をCVD形成した後に酸化力の強いO3ガスを短パルス供給することで、Ta膜の表面に極薄の酸化膜を形成し、Ta膜の酸化を防止して抵抗率を下げることが可能となる。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
本発明の一態様によれば、
基板を収容した処理室内にCVD反応が生じる条件下で、タンタルを含む原料ガスを供給し排気して、前記基板上にタンタル含有層を形成する工程と、
前記処理室内にオゾンガスを短パルスで供給し排気することで、前記タンタル含有層の表面を酸化して、前記タンタル含有層の表面に酸化タンタル層を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
好ましくは、前記処理室内へのオゾンガスの供給時間を1〜10秒とする。
また好ましくは、前記酸化タンタル層の厚さを1〜10nmとする。
また好ましくは、前記酸化タンタル層の厚さを1〜3nmとする。
また好ましくは、前記原料ガスが、Ta(NC(CH33)(N(C2523、TaCl5、または、TaF5である。
また好ましくは、前記タンタル含有層を形成する工程および前記酸化タンタル層を形成する工程では、前記基板の温度を300〜450℃とし、前記処理室内の圧力を20〜1330Paとする。
本発明の他の態様によれば、
基板を収容して処理する処理室と、
前記処理室内の基板を加熱するヒータと、
前記処理室内にタンタルを含む原料ガスを供給する原料ガス供給系と、
前記処理室内にオゾンガスを供給するオゾンガス供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、
基板を収容した前記処理室内にCVD反応が生じる条件下で前記原料ガスを供給し排気して、前記基板上にタンタル含有層を形成する処理と、前記処理室内にオゾンガスを短パルスで供給し排気することで、前記タンタル含有層の表面を酸化して、前記タンタル含有層の表面に酸化タンタル層を形成する処理と、を行うように、前記ヒータ、前記原料ガス供給系、前記オゾンガス供給系および前記排気系を制御する制御部と、
を有することを特徴とする基板処理装置が提供される。
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
200 ウェハ(基板)
201 処理室
202 処理容器
203 支持台
206 ヒータ
213a 原料ガス供給管
213c パージガス供給管
213e パージガス供給管
213g オゾンガス供給管
237a キャリアガス供給管
220a バブラ
261 排気管
280 コントローラ(制御部)

Claims (2)

  1. 基板を収容した処理室内にCVD反応が生じる条件下で、タンタルを含む原料ガスを供給し排気して、前記基板上にタンタル含有層を形成する工程と、
    前記処理室内にオゾンガスを短パルスで供給し排気することで、前記タンタル含有層の表面を酸化して、前記タンタル含有層の表面に酸化タンタル層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 基板を収容して処理する処理室と、
    前記処理室内の基板を加熱するヒータと、
    前記処理室内にタンタルを含む原料ガスを供給する原料ガス供給系と、
    前記処理室内にオゾンガスを供給するオゾンガス供給系と、
    前記処理室内を排気する排気系と、
    基板を収容した前記処理室内にCVD反応が生じる条件下で前記原料ガスを供給し排気して、前記基板上にタンタル含有層を形成する処理と、前記処理室内にオゾンガスを短パルスで供給し排気することで、前記タンタル含有層の表面を酸化して、前記タンタル含有層の表面に酸化タンタル層を形成する処理と、を行うように、前記ヒータ、前記原料ガス供給系、前記オゾンガス供給系および前記排気系を制御する制御部と、
    を有することを特徴とする基板処理装置。
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