JP2011132568A - 半導体装置の製造方法および基板処理装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および基板処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011132568A
JP2011132568A JP2009292083A JP2009292083A JP2011132568A JP 2011132568 A JP2011132568 A JP 2011132568A JP 2009292083 A JP2009292083 A JP 2009292083A JP 2009292083 A JP2009292083 A JP 2009292083A JP 2011132568 A JP2011132568 A JP 2011132568A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processing
gas
processing chamber
processing gas
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009292083A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Waseda
崇之 早稲田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Kokusai Electric Inc
Original Assignee
Hitachi Kokusai Electric Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Kokusai Electric Inc filed Critical Hitachi Kokusai Electric Inc
Priority to JP2009292083A priority Critical patent/JP2011132568A/ja
Publication of JP2011132568A publication Critical patent/JP2011132568A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 本発明の目的は、成膜レートの低下を改善することができ、組成比を適切に調整することができる半導体装置の製造方法および基板処理装置を提供することにある。
【解決手段】 基板を収容した処理室内に第1の処理ガスを供給して基板上に第1の処理ガスを吸着させる工程と、処理室内をパージする工程と、処理室内に第2の処理ガスと第3の処理ガスとを同時に供給して基板上に吸着している第1の処理ガスと反応させる工程と、処理室内をパージする工程と、を1サイクルとしてこのサイクルを複数回繰り返すことにより、基板上に所定膜厚の薄膜を形成し、その際、基板の温度と処理室内の圧力を、各処理ガスが自己分解しない程度の処理温度と処理圧力であって、第2の処理ガスと第3の処理ガスとが互いに反応せず、第2の処理ガスと第3の処理ガスのそれぞれが第1の処理ガスと反応するような処理温度および処理圧力に設定するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法および基板処理装置に関し、特に、基板上に薄膜を形成する工程を備える半導体装置の製造方法および基板上に薄膜を形成する基板処理装置に関する。
第1の処理ガスとしての原料A(反応ガス)と、その複数のリアクタント、例えば、第2の処理ガスとしての第1原料、第3の処理ガスとしての第2原料とを用いて、ALD法により成膜を行う場合、第1原料と第2原料同士は互いに不活性で反応せず、それぞれが原料A(反応ガス)としか反応しない場合がある(例えば特許文献1参照)。
特開2001−217206号公報
この場合、例えば、原料A(第1の処理ガス)の供給と、第1原料(第2の処理ガス)の供給と、原料A(第1の処理ガス)の供給と、第2原料(第3の処理ガス)の供給と、を1サイクルとしてこのサイクルを繰り返して基板上に薄膜を形成すると、原料Aと第1原料とで形成される層の結晶性によっては、その次に第2原料を供給しても第2原料の化学吸着が起きにくくなる。そのため、第2原料供給時に形成される層の成長レートが低くなりアモルファス状に層が形成される場合がある。この場合、薄膜を形成する際の成膜レートが低下してしまい、また、第2原料で形成される層の組成比が少なくなることがある。
そこで、本発明は、成膜レートの低下を改善することができ、組成比を適切に調整することができる半導体装置の製造方法および基板処理装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、
基板を収容した処理室内に第1の処理ガスを供給し排気して前記基板上に前記第1の処理ガスを吸着させる工程と、
前記処理室内をパージして前記処理室内に残留する前記第1の処理ガスを除去する工程と、
前記処理室内に第2の処理ガスと第3の処理ガスとを同時に供給し排気して前記基板上に吸着している前記第1の処理ガスと反応させる工程と、
前記処理室内をパージして前記処理室内に残留する前記第2の処理ガスと前記第3の処理ガスを除去する工程と、
を1サイクルとしてこのサイクルを複数回繰り返すことにより、前記基板上に所定膜厚の薄膜を形成する工程を有し、
前記薄膜を形成する工程では、前記基板の温度と前記処理室内の圧力を、前記第1の処理ガス、前記第2の処理ガスおよび前記第3の処理ガスが自己分解しない程度の処理温度と処理圧力であって、前記第2の処理ガスと前記第3の処理ガスとが互いに反応せず、前記第2の処理ガスと前記第3の処理ガスのそれぞれが前記第1の処理ガスと反応するような処理温度および処理圧力に設定する半導体装置の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、
基板を収容する処理室と、
前記処理室内を加熱するヒータと、
前記処理室内に第1の処理ガスを供給する第1の処理ガス供給系と、
前記処理室内に第2の処理ガスを供給する第2の処理ガス供給系と、
前記処理室内に第3の処理ガスを供給する第3の処理ガス供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、
前記処理室内の圧力を調整する圧力調整部と、
基板を収容した前記処理室内に前記第1の処理ガスを供給し排気して前記基板上に前記第1の処理ガスを吸着させ、前記処理室内をパージして前記処理室内に残留する前記第1の処理ガスを除去し、前記処理室内に第2の処理ガスと第3の処理ガスとを同時に供給し排気して前記基板上に吸着している前記第1の処理ガスと反応させ、前記処理室内をパージして前記処理室内に残留する前記第2の処理ガスと前記第3の処理ガスを除去し、これを1サイクルとしてこのサイクルを複数回繰り返すことにより、前記基板上に所定膜厚の薄膜を形成すると共に、前記薄膜を形成する際は、前記基板の温度と前記処理室内の圧力を、前記第1の処理ガス、前記第2の処理ガスおよび前記第3の処理ガスが自己分解しない程度の処理温度と処理圧力であって、前記第2の処理ガスと前記第3の処理ガスとが互いに反応せず、前記第2の処理ガスと前記第3の処理ガスのそれぞれが前記第1の処理ガスと反応するような処理温度および処理圧力に設定するように、前記第1の処理ガス供給系、前記第2の処理ガス供給系、前記第3の処理ガス供給系、前記排気系、前記圧力調整部、および、前記ヒータを制御する制御部と、
を有する基板処理装置が提供される。
本発明によれば、成膜レートの低下を改善することができ、組成比を適切に調整することができる半導体装置の製造方法および基板処理装置を提供することができる。
本発明の実施形態にかかる基板処理工程における成膜シーケンス図である。 本発明の実施形態にかかる基板処理装置の有するガス供給系の構成図である。 本発明の実施形態にかかる基板処理装置のウェハ処理時における断面構成図である。 本発明の実施形態にかかる基板処理装置のウェハ搬送時における断面構成図である。 本発明の実施形態にかかる基板処理工程のフロー図である。 本実施形態で好適に用いられる縦型装置の縦型処理炉の概略構成図であり、(a)は処理炉部分を縦断面で示し、(b)は処理炉部分を図6(a)のA−A線断面図で示す。
(1)基板処理装置の構成
まず、本実施形態にかかる基板処理装置の構成について、図3,4を参照しながら説明する。図3は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置のウェハ処理時における断面構成図であり、図4は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置のウェハ搬送時における断面構成図である。
(処理室)
図3,4に示すとおり、本実施形態にかかる基板処理装置は処理容器202を備えている。処理容器202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。また、処理容器202は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)などの金属材料により構成されている。処理容器202内には、基板としてのシリコンウェハ等のウェハ200を処理する処理室201が形成されている。
(支持台)
処理室201内には、ウェハ200を支持する支持台203が設けられている。ウェハ200が直接触れる支持台203の上面には、例えば、石英(SiO)、カーボン、セラミックス、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(Al)、又は窒化アルミニウム(AlN)などから構成された支持板としてのサセプタ217が設けられている。また、支持台203には、ウェハ200を加熱する加熱手段(加熱源)としてのヒータ206が内蔵されている。なお、支持台203の下端部は、処理容器202の底部を貫通している。
(昇降機構)
処理室201の外部には、支持台203を昇降させる昇降機構207bが設けられている。この昇降機構207bを作動させて支持台203を昇降させることにより、サセプタ217上に支持されるウェハ200を昇降させることが可能となっている。支持台203は、ウェハ200の搬送時には図4で示される位置(ウェハ搬送位置)まで下降し、ウェハ200の処理時には図3で示される位置(ウェハ処理位置)まで上昇する。なお、支持台203下端部の周囲は、ベローズ203aにより覆われており、処理室201内は気密に保持されている。
(リフトピン)
また、処理室201の底面(床面)には、例えば3本のリフトピン208bが鉛直方向に立ち上がるように設けられている。また、支持台203(サセプタ217も含む)には、かかるリフトピン208bを貫通させるための貫通孔208aが、リフトピン208bに対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、支持台203をウェハ搬送位置まで下降させた時には、図4に示すように、リフトピン208bの上端部がサセプタ217の上面から突出して、リフトピン208bがウェハ200を下方から支持するようになっている。また、支持台203をウェハ処理位置まで上昇させたときには、図3に示すようにリフトピン208bはサセプタ217の上面から埋没して、サセプタ217がウェハ200を下方から支持するようになっている。なお、リフトピン208bは、ウェハ200と直接触れるため、例えば、石英やアルミナなどの材質で形成することが望ましい。
(ウェハ搬送口)
処理室201(処理容器202)の内壁側面には、処理室201の内外にウェハ200を搬送するためのウェハ搬送口250が設けられている。ウェハ搬送口250にはゲートバルブ251が設けられており、ゲートバルブ251を開くことにより、処理室201内と搬送室(予備室)271内とが連通するようになっている。搬送室271は搬送容器(密閉容器)272内に形成されており、搬送室271内にはウェハ200を搬送する搬送ロボット273が設けられている。搬送ロボット273には、ウェハ200を搬送する際にウェハ200を支持する搬送アーム273aが備えられている。支持台203をウェハ搬送位置まで下降させた状態で、ゲートバルブ251を開くことにより、搬送ロボット273により処理室201内と搬送室271内との間でウェハ200を搬送することが可能となっている。処理室201内に搬送されたウェハ200は、上述したようにリフトピン208b上に一時的に載置される。なお、搬送室271のウェハ搬送口250が設けられた側と反対側には、図示しないロードロック室が設けられており、搬送ロボット273によりロードロック室内と搬送室271内との間でウェハ200を搬送することが可能となっている。なお、ロードロック室は、未処理もしくは処理済のウェハ200を一時的に収容する予備室として機能する。
(排気系)
処理室201(処理容器202)の内壁側面であって、ウェハ搬送口250の反対側には、処理室201内の雰囲気を排気する排気口260が設けられている。排気口260には排気チャンバ260aを介して排気管261が接続されており、排気管261には、処理室201内を所定の圧力に制御するAPC(Auto Pressure Controller)等の圧力調整器262、原料回収トラップ263、及び真空ポンプ264が順に直列に接続されている。主に、排気口260、排気チャンバ260a、排気管261、圧力調整器262、原料回収トラップ263、真空ポンプ264により排気系(排気ライン)が構成される。
(ガス導入口)
処理室201の上部に設けられる後述のシャワーヘッド240の上面(天井壁)には、処理室201内に各種ガスを供給するためのガス導入口210が設けられている。なお、ガス導入口210に接続されるガス供給系の構成については後述する。
(シャワーヘッド)
ガス導入口210と処理室201との間には、ガス分散機構としてのシャワーヘッド240が設けられている。シャワーヘッド240は、ガス導入口210から導入されるガスを分散させるための分散板240aと、分散板240aを通過したガスをさらに均一に分散させて支持台203上のウェハ200の表面に供給するためのシャワー板240bと、を備えている。分散板240aおよびシャワー板240bには、複数の通気孔が設けられている。分散板240aは、シャワーヘッド240の上面及びシャワー板240bと対向するように配置されており、シャワー板240bは、支持台203上のウェハ200と対向するように配置されている。なお、シャワーヘッド240の上面と分散板240aとの間、および分散板240aとシャワー板240bとの間には、それぞれ空間が設けられており、かかる空間は、ガス導入口210から供給されるガスを分散させるための第1バッファ空間(分散室)240c、および分散板240aを通過したガスを拡散させるための第2バッファ空間240dとしてそれぞれ機能する。
(排気ダクト)
処理室201(処理容器202)の内壁側面には、段差部201aが設けられている。そして、この段差部201aは、コンダクタンスプレート204をウェハ処理位置近傍に保持するように構成されている。コンダクタンスプレート204は、内周部にウェハ200を収容する穴が設けられた1枚のドーナツ状(リング状)をした円板として構成されている。コンダクタンスプレート204の外周部には、所定間隔を開けて周方向に配列された複数の排出口204aが設けられている。排出口204aは、コンダクタンスプレート204の外周部がコンダクタンスプレート204の内周部を支えることができるよう、不連続に形成されている。
一方、支持台203の外周部には、ロワープレート205が係止している。ロワープレート205は、リング状の凹部205bと、凹部205bの内側上部に一体的に設けられたフランジ部205aとを備えている。凹部205bは、支持台203の外周部と、処理室201の内壁側面との隙間を塞ぐように設けられている。凹部205bの底部のうち排気口260付近の一部には、凹部205b内から排気口260側へガスを排出(流通)させるためのプレート排気口205cが設けられている。フランジ部205aは、支持台203の上部外周縁上に係止する係止部として機能する。フランジ部205aが支持台203の上部外周縁上に係止することにより、ロワープレート205が、支持台203の昇降に伴い、支持台203と共に昇降されるようになっている。
支持台203がウェハ処理位置まで上昇したとき、ロワープレート205もウェハ処理位置まで上昇する。その結果、ウェハ処理位置近傍に保持されているコンダクタンスプレート204が、ロワープレート205の凹部205bの上面部分を塞ぎ、凹部205bの内部をガス流路領域とする排気ダクト259が形成されることとなる。なお、このとき、排気ダクト259(コンダクタンスプレート204及びロワープレート205)及び支持台203によって、処理室201内が、排気ダクト259よりも上方の処理室上部と、排気ダクト259よりも下方の処理室下部と、に仕切られることとなる。なお、コンダクタンスプレート204およびロワープレート205は、排気ダクト259の内壁に堆積する反応生成物をエッチングする場合(セルフクリーニングする場合)を考慮して、高温保持が可能な材料、例えば、耐高温高負荷用石英で構成することが好ましい。
ここで、ウェハ処理時における処理室201内のガスの流れについて説明する。まず、ガス導入口210からシャワーヘッド240の上部へと供給されたガスは、第1バッファ空間(分散室)240cを経て分散板240aの多数の孔から第2バッファ空間240dへと入り、さらにシャワー板240bの多数の孔を通過して処理室201内に供給され、ウェハ200上に均一に供給される。そして、ウェハ200上に供給されたガスは、ウェハ200の径方向外側に向かって放射状に流れる。そして、ウェハ200に接触した後の余剰なガスは、ウェハ200外周部に位置する排気ダクト259上、すなわち、コンダクタンスプレート204上を、ウェハ200の径方向外側に向かって放射状に流れ、コンダクタンスプレート204に設けられた排出口204aから、排気ダクト259内のガス流路領域内(凹部205b内)へと排出される。その後、ガスは排気ダクト259内を流れ、プレート排気口205cを経由して排気口260へと排気される。このようにガスを流すことで、処理室下部、すなわち、支持台203の裏面や処理室201の底面側へのガスの回り込みが抑制される。
<ガス供給系>
続いて、上述したガス導入口210に接続されるガス供給系の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の実施形態にかかる基板処理装置の有するガス供給系(ガス供給ライン)の構成図である。
本発明の実施形態にかかる基板処理装置の有するガス供給系は、常温で液体状態である液体原料を気化する気化部としてのバブラと、バブラにて液体原料を気化させて得た原料ガスを処理室201内に供給する原料ガス供給系と、気体原料を処理室201内に供給する反応ガス供給系と、を有している。さらに、本発明の実施形態にかかる基板処理装置は、処理室201内にパージガスを供給するパージガス供給系と、バブラからの原料ガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスするよう排気するベント(バイパス)系とを有している。以下に、各部の構成について説明する。
<バブラ>
処理室201の外部には、液体原料としての第1原料を収容する原料容器(第1バブラ)220aと、液体原料としての第2原料を供給する原料容器(第2バブラ)220bが設けられている。第1バブラ220a、第2バブラ220bは、それぞれ内部に液体原料を収容(充填)可能なタンク(密閉容器)として構成されており、また、液体原料をバブリングにより気化させて原料ガスを生成させる気化部としても構成されている。なお、第1バブラ220a、第2バブラ220bの周りには、第1バブラ220a、第2バブラ220bおよび内部の液体原料を加熱するサブヒータ206aが設けられている。第1原料としては、例えば、Ti(チタニウム)元素を含む液体原料(チタニウム原料)であるTiCl(四塩化チタン)が用いられ、第2原料としては、例えばAl(アルミニウム)元素を含む液体原料(アルミニウム原料)であるAlCl(三塩化アルミニウム)が用いられる。
第1バブラ220a、第2バブラ220bには、第1キャリアガス供給管237a、第2キャリアガス供給管237bがそれぞれ接続されている。第1キャリアガス供給管237a、第2キャリアガス供給管237bの上流側端部には、図示しないキャリアガス供給源が接続されている。また、第1キャリアガス供給管237a、第2キャリアガス供給管237bの下流側端部は、それぞれ第1バブラ220a、第2バブラ220b内に収容した液体原料内に浸されている。第1キャリアガス供給管237aには、キャリアガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222aと、キャリアガスの供給を制御するバルブva1,va2が設けられている。第2キャリアガス供給管237bには、キャリアガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222bと、キャリアガスの供給を制御するバルブvb1,vb2が設けられている。なお、キャリアガスとしては、液体原料とは反応しないガスを用いることが好ましく、例えばNガスやArガス等の不活性ガスが好適に用いられる。主に、第1キャリアガス供給管237a、第2キャリアガス供給管237b、MFC222a,222b、バルブva1,va2,vb1,vb2により、第1キャリアガス供給系、第2キャリアガス供給系(第1キャリアガス供給ライン、第2キャリアガス供給ライン)がそれぞれ構成される。
上記構成により、バルブva1,va2,vb1,vb2を開け、第1キャリアガス供給管237a、第2キャリアガス供給管237bからMFC222a,222bで流量制御されたキャリアガスを第1バブラ220a、第2バブラ220b内に供給することにより、第1バブラ220a、第2バブラ220b内部に収容された液体原料をバブリングにより気化させて原料ガスを生成させることが可能となる。なお、原料ガスの供給流量は、キャリアガスの供給流量から割り出すことができる。すなわち、キャリアガスの供給流量を制御することにより原料ガスの供給流量を制御することができる。
<原料ガス供給系>
第1バブラ220a、第2バブラ220bには、第1バブラ220a、第2バブラ220b内で生成された原料ガスを処理室201内に供給する第1原料ガス供給管213a、第2原料ガス供給管213bがそれぞれ接続されている。第1原料ガス供給管213a、第2原料ガス供給管213bの上流側端部は、第1バブラ220a、第2バブラ220bの上部に存在する空間に連通している。第1原料ガス供給管213a、第2原料ガス供給管213bの下流側端部は合流して、高耐久高速ガスバルブVを介してガス導入口210に接続されている。高耐久高速ガスバルブVは、短時間ですばやくガス供給の切り替えおよびガス排気ができるように構成されたバルブである。なお、第1原料ガス供給管213a、第2原料ガス供給管213bには、処理室201内への原料ガスの供給を制御するバルブva3,vb3がそれぞれ設けられている。
上記構成により、第1バブラ220a、第2バブラ220bにて液体原料を気化させて原料ガスを発生させるとともに、バルブva3,vb3を開くことにより、第1原料ガス供給管213a、第2原料ガス供給管213bから処理室201内へ原料ガスを供給することが可能となる。主に、第1原料ガス供給管213a、第2原料ガス供給管213b、バルブva3,vb3、高耐久高速ガスバルブVにより第1原料ガス供給系、第2原料ガス供給系(第1原料ガス供給ライン、第2原料ガス供給ライン)がそれぞれ構成される。
また、主に、第1キャリアガス供給系、第2キャリアガス供給系、第1バブラ220a、第2バブラ220b、第1原料ガス供給系、第2原料ガス供給系により、第1原料供給系、第2原料供給系(第1原料供給ライン、第2原料供給ライン)がそれぞれ構成される。
<反応ガス供給系>
また、処理室201の外部には、反応ガス(原料A)を供給する反応ガス供給源220cが設けられている。反応ガス供給源220cには、反応ガス供給管213cの上流側端部が接続されている。反応ガス供給管213cの下流側端部は、高耐久高速ガスバルブVを介してガス導入口210に接続されている。反応ガス供給管213cには、反応ガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222cと、反応ガスの供給を制御するバルブvc1,vc2が設けられている。反応ガスとしては、例えば窒素(N)元素を含むガス(窒素含有ガス)であるアンモニア(NH)ガスが用いられる。主に、反応ガス供給源220c、反応ガス供給管213c、MFC222c、バルブvc1,vc2により、反応ガス供給系(反応ガス供給ライン)が構成される。
<パージガス供給系>
また、処理室201の外部には、パージガスを供給するためのパージガス供給源220d,220eが設けられている。パージガス供給源220d,220eには、パージガス供給管213d,213eの上流側端部がそれぞれ接続されている。パージガス供給管213dの下流側端部は反応ガス供給管213cに合流して、高耐久高速ガスバルブVを介してガス導入口210に接続されている。パージガス供給管213eの下流側端部は第1原料ガス供給管213a、第2原料ガス供給管213bに合流して、高耐久高速ガスバルブVを介してガス導入口210に接続されている。パージガス供給管213d,213eには、パージガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222d,222eと、パージガスの供給を制御するバルブvd1,vd2,ve1,ve2がそれぞれ設けられている。パージガスとしては、例えばNガスやArガス等の不活性ガスが用いられる。主に、パージガス供給源220d,220e、パージガス供給管213d,213e、MFC222d,222e、バルブvd1,vd2,ve1,ve2により、パージガス供給系(パージガス供給ライン)が構成される。
<ベント(バイパス)系>
また、第1原料ガス供給管213a、第2原料ガス供給管213bのバルブva3,vb3よりも上流側には、第1ベント管215a、第2ベント管215bの上流側端部がそれぞれ接続されている。また、第1ベント管215a、第2ベント管215bの下流側端部は合流して、排気管261の圧力調整器262よりも下流側であって原料回収トラップ263よりも上流側に接続されている。第1ベント管215a、第2ベント管215bには、ガスの流通を制御するためのバルブva4,vb4がそれぞれ設けられている。
上記構成により、バルブva3,vb3を閉め、バルブva4,vb4を開けることで、第1原料ガス供給管213a、第2原料ガス供給管213b内を流れるガスを、処理室201内に供給することなく、第1ベント管215a、第2ベント管215bを介して処理室201をバイパスさせ、排気管261より処理室201外へとそれぞれ排気することが可能となる。主に、第1ベント管215a、第2ベント管215b、バルブva4,vb4により第1ベント系、第2ベント系(第1ベントライン、第2ベントライン)がそれぞれ構成される。
なお、第1バブラ220a、第2バブラ220bの周りには、サブヒータ206aが設けられることは上述した通りだが、この他、第1キャリアガス供給管237a、第2キャリアガス供給管237b、第1原料ガス供給管213a、第2原料ガス供給管213b、第1ベント管215a、第2ベント管215b、排気管261、処理容器202、シャワーヘッド240等の周囲にもサブヒータ206aが設けられている。サブヒータ206aはこれらの部材を、例えば100℃以下の温度に加熱することで、これらの部材内部での原料ガスの再液化を防止するように構成されている。
<コントローラ>
なお、本実施形態にかかる基板処理装置は、基板処理装置の各部の動作を制御するコントローラ280を有している。コントローラ280は、ゲートバルブ251、昇降機構207b、搬送ロボット273、ヒータ206、サブヒータ206a、圧力調整器(APC)262、真空ポンプ264、バルブva1〜va4,vb1〜vb4,vc1〜vc2,vd1〜vd2、ve1〜ve2、高耐久高速ガスバルブV、流量コントローラ222a,222b,222c,222d,222e等の動作を制御する。
(2)基板処理工程
続いて、上述の基板処理装置を用いて半導体装置の製造工程の一工程として、ALD法によりウェハ上に薄膜を形成する基板処理工程について、図1及び図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の実施形態にかかる基板処理工程のフロー図である。また、図1は、本発明の実施形態にかかる基板処理工程におけるALD工程の成膜シーケンス図である。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作は、コントローラ280によって制御される。
なお、ここでは、基板を収容した処理室内に第1の処理ガスとして原料Aすなわち反応ガス(NH)を供給し排気して基板上に第1の処理ガスを吸着させる工程と、処理室内をパージして処理室内に残留する第1の処理ガスを除去する工程と、処理室内に第2の処理ガスとして第1原料(TiCl)と第3の処理ガスとして第2原料(AlCl)とを同時に供給し排気して基板上に吸着している第1の処理ガスと反応させる工程と、処理室内をパージして処理室内に残留する第2の処理ガスと第3の処理ガスを除去する工程と、を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返すことにより、ALD法により、基板上に所定膜厚の薄膜(TiAlN膜)を形成する例について説明する。なお、薄膜を形成する工程では、基板の温度と処理室内の圧力を、第1の処理ガス、第2の処理ガスおよび第3の処理ガスが自己分解しない程度の処理温度と処理圧力であって、第2の処理ガスと第3の処理ガスとが互いに反応せず、第2の処理ガスと第3の処理ガスのそれぞれが第1の処理ガスと反応するような処理温度および処理圧力に設定する。また、形成する薄膜(TiAlN膜)は、第1の処理ガスとしての反応ガス(NH)由来の原子(N)および第2の処理ガスとしての第1原料(TiCl)由来の原子(Ti)および第3の処理ガスとしての第2原料(AlCl)由来の原子(Al)を含む膜である。以下、これを詳細に説明する。
<基板搬入工程(S1)、基板載置工程(S2)>
まず、昇降機構207bを作動させ、支持台203を、図4に示すウェハ搬送位置まで下降させる。そして、ゲートバルブ251を開き、処理室201と搬送室271とを連通させる。そして、搬送ロボット273により搬送室271内から処理室201内へ処理対象のウェハ200を搬送アーム273aで支持した状態で搬入する(S1)。処理室201内に搬入したウェハ200は、支持台203の上面から突出しているリフトピン208b上に一時的に載置される。搬送ロボット273の搬送アーム273aが処理室201内から搬送室271内へ戻ると、ゲートバルブ251が閉じられる。
続いて、昇降機構207bを作動させ、支持台203を、図3に示すウェハ処理位置まで上昇させる。その結果、リフトピン208bは支持台203の上面から埋没し、ウェハ200は、支持台203上面のサセプタ217上に載置される(S2)。
<圧力調整工程(S3)、温度調整工程(S4)>
続いて、圧力調整器(APC)262により、処理室201内の圧力が所定の処理圧力となるように制御する(S3)。また、ヒータ206に供給する電力を調整し、ウェハ200の表面温度が所定の処理温度となるように制御する(S4)。ここで、所定の処理温度、処理圧力とは、後述するALD工程において、ALD法によりTiN膜およびAlN膜を形成可能な処理温度、処理圧力であって、ALD工程で用いる原料ガスが自己分解しない程度の処理温度、処理圧力である。
なお、基板搬入工程(S1)、基板載置工程(S2)、圧力調整工程(S3)、及び温度調整工程(S4)においては、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブva3,vb3,vc2を閉じ、バルブvd1,vd2,ve1,ve2を開けることで、処理室201内にNガスを常に流しておく。これにより、ウェハ200上へのパーティクルの付着を抑制することが可能となる。
工程S1〜S4と並行して、第2の処理ガスとしての第1原料及び第3の処理ガスとしての第2原料を気化させて第1原料ガス及び第2原料ガスを生成(予備気化)させておく。すなわち、バルブva1,va2を開き、第1キャリアガス供給管237aからMFC222aで流量制御されたキャリアガスを第1バブラ220a内に供給することにより、第1バブラ220a内部に収容された第1原料をバブリングにより気化させて第1原料ガスを生成させておく(予備気化工程)。この予備気化工程では、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブva3を閉めたまま、バルブva4を開けることにより、第1原料ガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスして排気しておく。第1バブラにて第1原料ガスを安定して生成させるには所定の時間を要する。このため、本実施形態では第1原料ガスを予め生成させておき、バルブva3,va4の開閉を切り替えることにより、第1原料ガスの流路を切り替える。その結果、バルブの切り替えにより、処理室201内への第1原料ガスの安定した供給を迅速に開始あるいは停止できるようになり、好ましい。
第1原料ガスと同様に第2原料を気化させて第2原料ガスを生成(予備気化)させておく。すなわち、バルブvb1,vb2を開き、第2キャリアガス供給管237bからMFC222bで流量制御されたキャリアガスを第2バブラ220b内に供給することにより、第2バブラ220b内部に収容された第2原料をバブリングにより気化させて第2原料ガスを生成させておく(予備気化工程)。この予備気化工程では、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブvb3を閉めたまま、バルブvb4を開けることにより、第2原料ガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスして排気しておく。第2バブラにて第2原料ガスを安定して生成させるには所定の時間を要する。このため、本実施形態では、第2原料ガスを予め生成させておき、バルブvb3,vb4の開閉を切り替えることにより、第2原料ガスの流路を切り替える。その結果、バルブの切り替えにより、処理室201内への第2原料ガスの安定した供給を迅速に開始あるいは停止できるようになり、好ましい。
このとき、バルブvd1,vd2,ve1,ve2を開いたままの状態とし、処理室201内へのNガスの供給を維持する。Nガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内に供給され、排気ダクト259内を流れ、排気口260、排気管261へと排気される。これにより、処理室201内をNガスによりパージする(パージ工程)。
<ALD工程(S8)>
(反応ガス供給工程(S8a))
処理室201内のパージが完了したら、バルブvc1,vc2を開けて、処理室201内への第1の処理ガスとしての原料Aすなわち反応ガス(NHガス)の供給を開始する。反応ガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内のウェハ200上に均一に供給され、ウェハ200表面に吸着する。余剰な反応ガスや反応副生成物は、排気ダクト259内を流れ、排気口260、排気管261へと排気される(反応ガス供給工程)。なお、処理室201内への反応ガスの供給時には、第1原料ガス供給管213a、第2原料ガス供給管213b内への反応ガスの侵入を防止するように、また、処理室201内における反応ガスの拡散を促すように、バルブve1,ve2は開けたままとし、処理室201内にNガスを常に流しておくことが好ましい。反応ガス供給工程は、第1の処理ガス供給工程として行われる。
バルブvc1,vc2を開け、反応ガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、バルブvc1,vc2を閉じ、処理室201内への反応ガスの供給を停止する。
(パージ工程(S8b))
バルブvc1,vc2を閉め、反応ガスの供給を停止した後は、バルブvd1,vd2,ve1,ve2を開き、処理室201内にNガスを供給する。Nガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内に供給され、排気ダクト259内を流れ、排気口260、排気管261へと排気される。これにより、処理室201内に残留している反応ガスや反応副生成物を除去し、処理室201内をNガスによりパージする(パージ工程)。
(第1原料ガス及び第2原料ガス供給工程(S8c))
続いて、真空ポンプ264を作動させたまま、バルブva4及びバルブvb4を閉じ、バルブva3及びバルブvb3を開けて、処理室201内への第2の処理ガスとしての第1原料ガス(Ti原料)及び第3の処理ガスとしての第2原料ガス(Al原料)の供給を開始する。第1原料ガス及び第2原料ガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内のウェハ200上に均一に供給される。余剰な第1原料ガス及び第2原料ガスは、排気ダクト259内を流れ、排気口260、排気管261へと排気される(第1原料ガス及び第2原料ガス供給工程)。なお、このとき処理温度、処理圧力は、第1原料及び第2原料ガスが自己分解しない程度の処理温度、処理圧力とされるので、ウェハ200上に供給された第1原料ガス及び第2原料ガスはウェハ200表面に吸着する。正確には、上述の反応ガス供給工程でウェハ200上に吸着したNH上に第1原料ガス及び第2原料ガスのガス分子が吸着する。そして、第1原料ガス及び第2原料ガスのそれぞれは、反応ガス(NH)と反応する。なお、このとき第1原料ガスと反応ガスは反応し、第2原料ガスと反応ガスは反応するが、第1原料ガスと第2原料ガスは互いに反応しない。第1原料ガス及び第2原料ガス供給工程は、第2の処理ガス及び第3の処理ガス供給工程として行われる。
なお、処理室201内への第1原料ガス及び第2原料ガスの供給時には、反応ガス供給管213c内への第1原料ガス及び第2原料ガスの侵入を防止するように、また、処理室201内における第1原料ガス及び第2原料ガスの拡散を促すように、バルブvd1,vd2は開いたままとし、処理室201内にNガスを常に流しておくことが好ましい。
バルブva3及びバルブvb3を開け第1原料ガス及び第2原料ガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、バルブva3及びバルブvb3を閉じ、バルブva4及びバルブvb4を開けて、処理室201内への第1原料ガス及び第2原料ガスの供給を停止する。
(パージ工程(S8d))
バルブva3及びバルブvb3を閉め、第1原料ガス及び第2原料ガスの供給を停止した後は、バルブvd1,vd2,ve1,ve2を開き、処理室201内にNガスを供給する。Nガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内に供給され、排気ダクト259内を流れ、排気口260、排気管261へと排気される。これにより、処理室201内に残留している第1原料ガス及び第2原料ガスを除去し、処理室201内をNガスによりパージする(パージ工程)。
(所定回数実施工程(S8e))
以上の反応ガス供給工程、パージ工程、第1原料ガス及び第2原料ガス供給工程、パージ工程を1サイクルとして、このALDサイクルを所定回数(nサイクル)実施するサイクル処理を行うことにより、ウェハ200上に、所望膜厚の窒化アルミニウムチタン膜(TiAlN膜)を形成する。なお、ALD工程(S8)終了後、バルブva1,va2,vb1,vb2を閉めて、第1バブラ220a及び第2バブラ220bへのキャリアガスの供給を停止する。
<残留ガス除去工程(S10)>
ウェハ200上に、所定膜厚のTiAlN膜が形成された後、処理室201内の真空引きを行い、バルブvd1,vd2,ve1,ve2を開き、処理室201内にNガスを供給する。Nガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内に供給され、排気ダクト259内を流れ、排気口260、排気管261へと排気される。これにより、処理室201内に残留しているガスや反応副生成物を除去し、処理室201内をNガスによりパージする。
<基板搬出工程(S11)>
その後、上述した基板搬入工程(S1)、基板載置工程(S2)に示した手順とは逆の手順により、所望膜厚のTiAlN膜を形成した後のウェハ200を処理室201内から搬送室271内へ搬出して、本実施形態にかかる基板処理工程を完了する。
(3)実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、ALD工程(S8)において、第1原料と第2原料とを交互に流すのではなく、同時に流すようにしたので、形成される薄膜の組成比を適切に調節でき、また、成膜レートを向上させることができるようになる。また、ALD工程(S8)において、第1原料と第2原料とを交互に流したときにアモルファス状に層が形成される場合があったが、第1原料と第2原料とを同時に流すことにより、多結晶状に層が形成されるようになる。これらにより、成膜に要する時間の短縮もできるようになる。
また、本実施形態によれば、第1原料と第2原料の供給量比を変化させることによって形成される薄膜の組成比を変化させることができる。例えば、第1原料の供給量を固定とし、第2原料の供給量を変化させることによって、薄膜中の第2原料由来の原子の割合を制御することができる。
また、本実施形態によれば、第1原料を供給することによりALD反応で堆積する第1原料由来の原子と、第2原料由来の原子とを同時に供給するので、堆積するのは2種類の原子種となる。その結果吸着サイトに対して選択できる格子定数(原子間距離)が原子種1種類の場合よりも多くなるので、多結晶状に層が形成される可能性が大きくなる。また、それにより薄膜の膜厚均一性や組成均一性も向上することが考えられる。
また、本実施形態によれば、ALD工程(S8)において、第1原料と第2原料とを交互に供給する場合よりも、成膜時間を短縮することができスループットを向上させることが可能となる。
<本発明の他の実施態様>
上述の実施形態では、バブラ内部に収容された液体原料をバブリングにより気化させる例について説明したが、バブラの代わりに気化器を用いて液体原料を気化させるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、第1原料及び第2原料として液体原料を用いる例について説明したが、第1原料及び第2原料として気体原料を用いるようにしてもよい。また、上述の実施形態では、第1原料(第2の処理ガス)、第2原料(第3の処理ガス)、反応ガス(第1の処理ガス)として、TiCl、AlCl、NHを用いる例について説明したが、これら以外の別の原料を用いるようにしてもよい。
<本発明の更に他の実施態様>
なお、上述の実施形態では、基板処理装置として一度に1枚の基板を処理する枚葉式の装置を用いて成膜する例について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、基板処理装置として一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の縦型装置を用いて成膜するようにしてもよい。このバッチ式の縦型装置を用いれば、一度に処理する基板の枚数を増やすことで、スループットの低下を解消することができる。以下、この縦型装置について説明する。
図6は、本実施形態で好適に用いられる縦型装置の縦型処理炉の概略構成図であり、(a)は、処理炉302部分を縦断面で示し、(b)は、処理炉302部分を図6(a)のA−A線断面図で示す。
図6(a)に示されるように、処理炉302は加熱手段(加熱機構)としてのヒータ307を有する。ヒータ307は円筒形状であり、保持板としてのヒータベースに支持されることにより垂直に据え付けられている。
ヒータ307の内側には、ヒータ307と同心円状に反応管としてのプロセスチューブ303が配設されている。プロセスチューブ303は、例えば石英(SiO)や炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。プロセスチューブ303の筒中空部には処理室301が形成されており、基板としてのウェハ200を、後述するボート317によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。
プロセスチューブ303の下方には、プロセスチューブ303と同心円状にマニホールド309が配設されている。マニホールド309は、例えばステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド309は、プロセスチューブ303に係合しており、プロセスチューブ303を支持するように設けられている。なお、マニホールド309とプロセスチューブ303との間には、シール部材としてのOリング320aが設けられている。マニホールド309がヒータベースに支持されることにより、プロセスチューブ303は垂直に据え付けられた状態となっている。プロセスチューブ303とマニホールド309とにより反応容器が形成される。
マニホールド309には、第1ガス導入部としての第1ノズル333aと、第2ガス導入部としての第2ノズル333bとが、マニホールド309の側壁を貫通するように接続されている。第1ノズル333aと第2ノズル333bは、それぞれ水平部と垂直部とを有するL字形状であり、水平部がマニホールド309に接続され、垂直部がプロセスチューブ303の内壁とウェハ200との間における円弧状の空間に、プロセスチューブ303の下部より上部の内壁に沿って、ウェハ200の積載方向に向かって立ち上がるように設けられている。第1ノズル333a、第2ノズル333bの垂直部の側面には、ガスを供給する供給孔である第1ガス供給孔348a、第2ガス供給孔348bがそれぞれ設けられている。この第1ガス供給孔348a、第2ガス供給孔348bは、それぞれ下部から上部にわたって同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。
第1ノズル333a、第2ノズル333bに接続されるガス供給系は、上述の実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、第1ノズル333aに第1原料ガス供給系および第2原料ガス供給系が接続され、第2ノズル333bに反応ガス供給系が接続される点が、上述の実施形態と異なる。すなわち、本実施形態では、原料ガス(第1原料ガス、第2原料ガス)と、反応ガスとを、別々のノズルにより供給する。なお、さらに各原料ガスを別々のノズルにより供給するようにしてもよい。
マニホールド309には、処理室301内の雰囲気を排気する排気管331が設けられている。排気管331には、圧力検出器としての圧力センサ345及び圧力調整器としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ342を介して、真空排気装置としての真空ポンプ346が接続されており、圧力センサ345により検出された圧力情報に基づきAPCバルブ342を調整することで、処理室301内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。なお、APCバルブ342は弁を開閉して処理室301内の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調整して処理室301内の圧力を調整することができるよう構成されている開閉弁である。
マニホールド309の下方には、マニホールド309の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ319が設けられている。シールキャップ319は、マニホールド309の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ319は、例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ319の上面には、マニホールド309の下端と当接するシール部材としてのOリング320bが設けられている。シールキャップ319の処理室301と反対側には、後述するボート317を回転させる回転機構367が設置されている。回転機構367の回転軸355は、シールキャップ319を貫通して、ボート317に接続されており、ボート317を回転させることでウェハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ319は、プロセスチューブ303の外部に配置された昇降機構としてのボートエレベータ315によって、垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート317を処理室301内に対し搬入搬出することが可能となっている。
基板保持具としてのボート317は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱材料からなり、複数枚のウェハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。なお、ボート317の下部には、例えば石英や炭化珪素等の耐熱材料からなる断熱部材318が設けられており、ヒータ307からの熱がシールキャップ319側に伝わりにくくなるように構成されている。プロセスチューブ303内には、温度検出器としての温度センサ363が設置されており、温度センサ363により検出された温度情報に基づきヒータ307への通電具合を調整することにより、処理室301内の温度が所定の温度分布となるように構成されている。温度センサ363は、第1ノズル333a及び第2ノズル333bと同様に、プロセスチューブ303の内壁に沿って設けられている。
制御部(制御手段)であるコントローラ380は、APCバルブ342、ヒータ307、温度センサ363、真空ポンプ346、回転機構367、ボートエレベータ315、バルブva1〜va4,vb1〜vb4,vc1〜vc2,vd1〜vd2,ve1〜ve2、高耐久高速ガスバルブV、流量コントローラ222a,222b,222c,222d,222e等の動作を制御する。
次に、上記構成にかかる縦型装置の処理炉302を用いて、半導体装置の製造工程の一工程として、ALD法によりウェハ200上に薄膜を形成する基板処理工程について、図6を参照しながら説明する。ここでは、ALD工程により、ウェハ200上に、TiAlN膜を形成する例について説明する。また、ここでは、第1原料、第2原料、反応ガスとして、それぞれ、TiCl、AlCl、NHを用いる。なお、以下の説明において、縦型装置を構成する各部の動作は、コントローラ380により制御される。
複数枚のウェハ200をボート317に装填(ウェハチャージ)する。そして、図6(a)に示すように、複数枚のウェハ200を保持したボート317を、ボートエレベータ315によって持ち上げて処理室301内に搬入(ボートロード)する。この状態で、シールキャップ319はOリング320bを介してマニホールド309の下端をシールした状態となる。
処理室301内が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ346によって処理室301内を真空排気する。この際、処理室301内の圧力を圧力センサ345で測定して、この測定された圧力に基づき、APCバルブ342をフィードバック制御する。また、処理室301内が所望の温度となるように、ヒータ307によって加熱する。この際、処理室301内が所望の温度分布となるように、温度センサ363が検出した温度情報に基づきヒータ307への通電具合をフィードバック制御する。続いて、回転機構367によりボート317を回転させることで、ウェハ200を回転させる。
その後、ALD工程を行うことにより、ウェハ200上にTiAlN膜を形成する。なお、ALD工程の手順は、上述の実施形態におけるALD工程(S8)と同様である。
ウェハ200上に、所定膜厚のTiAlN膜が形成された後、処理室301内の真空引きを行い、処理室301内にNガスを供給し排気する。これにより、処理室301内に残留しているガスや反応副生成物を除去し、処理室301内をNガスによりパージする。
その後、ボートエレベータ315によりシールキャップ319を下降させて、マニホールド309の下端を開口させるとともに、所定膜厚のTiAlN膜が形成された後のウェハ200を、ボート317に保持させた状態でマニホールド309の下端からプロセスチューブ303の外部に搬出(ボートアンロード)する。その後、処理済のウェハ200をボート317より取り出して(ウェハディスチャージ)、本実施形態にかかる基板処理工程を完了する。
200 ウェハ(基板)
201 処理室
202 処理容器
203 支持台
206 ヒータ
213a 第1原料ガス供給管
213b 第2原料ガス供給管
213c 反応ガス供給管
213d パージガス供給管
213e パージガス供給管
237a 第1キャリアガス供給管
237b 第2キャリアガス供給管
220a 第1バブラ
220b 第2バブラ
280 コントローラ

Claims (2)

  1. 基板を収容した処理室内に第1の処理ガスを供給し排気して前記基板上に前記第1の処理ガスを吸着させる工程と、
    前記処理室内をパージして前記処理室内に残留する前記第1の処理ガスを除去する工程と、
    前記処理室内に第2の処理ガスと第3の処理ガスとを同時に供給し排気して前記基板上に吸着している前記第1の処理ガスと反応させる工程と、
    前記処理室内をパージして前記処理室内に残留する前記第2の処理ガスと前記第3の処理ガスを除去する工程と、
    を1サイクルとしてこのサイクルを複数回繰り返すことにより、前記基板上に所定膜厚の薄膜を形成する工程を有し、
    前記薄膜を形成する工程では、前記基板の温度と前記処理室内の圧力を、前記第1の処理ガス、前記第2の処理ガスおよび前記第3の処理ガスが自己分解しない程度の処理温度と処理圧力であって、前記第2の処理ガスと前記第3の処理ガスとが互いに反応せず、前記第2の処理ガスと前記第3の処理ガスのそれぞれが前記第1の処理ガスと反応するような処理温度および処理圧力に設定することを特徴とする半導体装置の製造方法
  2. 基板を収容する処理室と、
    前記処理室内を加熱するヒータと、
    前記処理室内に第1の処理ガスを供給する第1の処理ガス供給系と、
    前記処理室内に第2の処理ガスを供給する第2の処理ガス供給系と、
    前記処理室内に第3の処理ガスを供給する第3の処理ガス供給系と、
    前記処理室内を排気する排気系と、
    前記処理室内の圧力を調整する圧力調整部と、
    基板を収容した前記処理室内に前記第1の処理ガスを供給し排気して前記基板上に前記第1の処理ガスを吸着させ、前記処理室内をパージして前記処理室内に残留する前記第1の処理ガスを除去し、前記処理室内に第2の処理ガスと第3の処理ガスとを同時に供給し排気して前記基板上に吸着している前記第1の処理ガスと反応させ、前記処理室内をパージして前記処理室内に残留する前記第2の処理ガスと前記第3の処理ガスを除去し、これを1サイクルとしてこのサイクルを複数回繰り返すことにより、前記基板上に所定膜厚の薄膜を形成すると共に、前記薄膜を形成する際は、前記基板の温度と前記処理室内の圧力を、前記第1の処理ガス、前記第2の処理ガスおよび前記第3の処理ガスが自己分解しない程度の処理温度と処理圧力であって、前記第2の処理ガスと前記第3の処理ガスとが互いに反応せず、前記第2の処理ガスと前記第3の処理ガスのそれぞれが前記第1の処理ガスと反応するような処理温度および処理圧力に設定するように、前記第1の処理ガス供給系、前記第2の処理ガス供給系、前記第3の処理ガス供給系、前記排気系、前記圧力調整部、および、前記ヒータを制御する制御部と、
    を有することを特徴とする基板処理装置。
JP2009292083A 2009-12-24 2009-12-24 半導体装置の製造方法および基板処理装置 Pending JP2011132568A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009292083A JP2011132568A (ja) 2009-12-24 2009-12-24 半導体装置の製造方法および基板処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009292083A JP2011132568A (ja) 2009-12-24 2009-12-24 半導体装置の製造方法および基板処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011132568A true JP2011132568A (ja) 2011-07-07

Family

ID=44345620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009292083A Pending JP2011132568A (ja) 2009-12-24 2009-12-24 半導体装置の製造方法および基板処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011132568A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013151722A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 Hitachi Kokusai Electric Inc 半導体装置の製造方法
KR20160075331A (ko) * 2014-12-19 2016-06-29 램 리써치 코포레이션 막 균일성 개선을 위한 하드웨어 및 프로세스
JP2016171244A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 東京エレクトロン株式会社 成膜方法、成膜装置及び記憶媒体
KR101771901B1 (ko) * 2016-05-11 2017-08-28 주식회사 테스 기판처리장치
JPWO2017037927A1 (ja) * 2015-09-03 2018-07-05 株式会社日立国際電気 半導体装置の製造方法、基板処理装置および記録媒体

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013151722A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 Hitachi Kokusai Electric Inc 半導体装置の製造方法
KR20160075331A (ko) * 2014-12-19 2016-06-29 램 리써치 코포레이션 막 균일성 개선을 위한 하드웨어 및 프로세스
JP2016145412A (ja) * 2014-12-19 2016-08-12 ラム リサーチ コーポレーションLam Research Corporation 膜均一性改善のためのハードウェアおよび処理
US10526700B2 (en) 2014-12-19 2020-01-07 Lam Research Corporation Hardware and process for film uniformity improvement
KR102556145B1 (ko) * 2014-12-19 2023-07-14 램 리써치 코포레이션 막 균일성 개선을 위한 하드웨어 및 프로세스
JP2016171244A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 東京エレクトロン株式会社 成膜方法、成膜装置及び記憶媒体
JPWO2017037927A1 (ja) * 2015-09-03 2018-07-05 株式会社日立国際電気 半導体装置の製造方法、基板処理装置および記録媒体
US20180190496A1 (en) * 2015-09-03 2018-07-05 Hitachi Kokusai Electric Inc. Method of manufacturing semiconductor device, substrate processing apparatus, recording medium, and supply system
US10361084B2 (en) 2015-09-03 2019-07-23 Kokusai Electric Corporation Method of manufacturing semiconductor device, substrate processing apparatus, recording medium, and supply system
KR101771901B1 (ko) * 2016-05-11 2017-08-28 주식회사 테스 기판처리장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6022638B2 (ja) 半導体装置の製造方法、基板処理装置及びプログラム
US10131984B2 (en) Substrate processing apparatus
JP5513767B2 (ja) 半導体装置の製造方法、基板処理方法、基板処理装置および半導体装置
US8685866B2 (en) Method of manufacturing semiconductor device and substrate processing apparatus
JP4472008B2 (ja) 半導体装置の製造方法及び基板処理装置
JP5719138B2 (ja) 半導体装置の製造方法および基板処理方法
JP5787488B2 (ja) 半導体装置の製造方法及び基板処理装置
JP5683388B2 (ja) 半導体装置の製造方法、基板処理方法及び基板処理装置
KR101015985B1 (ko) 기판 처리 장치
JP2011132568A (ja) 半導体装置の製造方法および基板処理装置
JP2011058031A (ja) 半導体装置の製造方法及び基板処理装置
JP4943536B2 (ja) 半導体装置の製造方法、基板処理方法及び基板処理装置
JP5801916B2 (ja) 半導体装置の製造方法、基板処理方法、および基板処理装置
JP6306386B2 (ja) 基板処理方法、基板処理装置およびプログラム
JP2010212335A (ja) 基板処理装置
JP2012136743A (ja) 基板処理装置
JP5568342B2 (ja) 半導体装置の製造方法、基板処理方法および基板処理システム
JP2013044043A (ja) 基板処理装置
JP7308299B2 (ja) 基板処理装置、半導体装置の製造方法、プログラム及び反応管
JP2012064836A (ja) 半導体装置の製造方法及び基板処理装置
JP2015183260A (ja) クリーニング方法、基板処理装置およびプログラム
JP2012102404A (ja) 半導体装置の製造方法、基板処理方法及び基板処理装置
JP5396528B2 (ja) 半導体装置の製造方法、基板処理方法及び基板処理装置
JP2011035113A (ja) 半導体装置の製造方法及び基板処理装置
JP2011060936A (ja) 半導体装置の製造方法および基板処理装置