JP2016171244A - 成膜方法、成膜装置及び記憶媒体 - Google Patents

成膜方法、成膜装置及び記憶媒体 Download PDF

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好太 梅澤
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【課題】縦型の処理容器内に複数の基板を棚状に配置して真空雰囲気中で成膜を行うにあたり、各基板の面内において均一性高く成膜を行うことができる技術を提供すること。【解決手段】前記処理容器内へ反応ガスを供給する第1の工程と、次いで、前記処理容器内を真空排気した状態で前記反応ガスの供給を停止する第2の工程と、その後、前記処理容器内の圧力が前記反応ガスの供給の停止により低下して設定値以下になったとき、または反応ガスの供給停止時から設定時間が経過したときに、前記処理容器内へ前記原料ガスを供給する第3の工程と、を行う。それによって、反応ガスが処理容器内に均一性高く供給され、且つ処理容器内における反応ガスの分圧が低下した状態で、処理容器内に原料ガスを供給することができるので、基板表面に均一性高く原料ガスを供給し、成膜を行うことができる。【選択図】図4

Description

本発明は、縦型の処理容器内に複数の基板を棚状に配置して真空雰囲気中で成膜を行う成膜方法、成膜装置及び当該装置を運転するためのプログラムを記憶した記憶媒体に関する。
GaN(窒化ガリウム)は、絶縁破壊電圧が高いことや低導通抵抗であることから、パワーデバイスとしての活用が期待され、また青色発光素子としても注目されている。GaNは、サファイア基板上では良質な結晶が成長できる技術が開発されているが、サファイア基板は高価であることから単結晶Si(シリコン)からなる基板上においても良質な結晶を成長させる技術が望まれている。
このような事情から、処理容器内に搬入したSi基板に原料ガスと反応ガスとを供給し、CVD(Chemical Vapor Deposition)により中間層としてAlNのエピタキシャル成長膜(AlN膜)を形成して、その中間層の上にGaNのエピタキシャル成長膜(GaN膜)を形成することが検討されている。また、このような各膜の成膜は、例えば縦型の処理容器に複数のSi基板を棚状に配置し、各基板に側方から各ガスを流して、一括で行うことが検討されている。なお、特許文献1には、複数の基板に窒化シリコン膜を一括で成膜する成膜装置が記載されている。
特開平1−195277号公報
上記のように複数のSi基板に一括で成膜を行う場合、当該Si基板を処理するための処理容器は比較的大きい。そのため供給する反応ガスの流量が不十分であると、処理容器内の各部における反応ガスの濃度差が大きくなる。具体的には、例えば処理容器内に設けられる反応ガスのガス供給部の近傍と、処理容器内に設けられる排気口の近傍と、で当該反応ガスの濃度差が大きくなることが考えられる。そのように処理容器内における反応ガスの濃度差が大きいと、Si基板間及びSi基板の面内におけるAlN膜の膜質及び膜厚の均一性が低くなることが懸念されるため、上記のCVDは比較的多くの量の反応ガスを処理容器内に供給しながら原料ガスを処理容器内に供給するように行うことが考えられる。
しかし、高い結晶性を有するようにAlN膜を形成するために、処理容器内は例えば1000℃程度の比較的高い温度雰囲気とすることが必要であり、処理容器内をそのような温度雰囲気として、上記のように原料ガス及び反応ガスを共に処理容器内に供給すると、これらのガスはSi基板の中心部に到達する前に互いに反応してしまう。その結果として、後述の評価試験で示すようにSi基板の中心部には殆どAlN膜が形成されず、Si基板におけるAlN膜の面内均一性が低くなってしまう。
原料ガスは、例えば処理容器に接続される恒温槽に貯留された固体のAlClを昇華させて発生させるAlClの蒸気により生成するため、当該固体のAlClの加熱温度を上昇させることで、当該蒸気の生成量を増加させて、処理空間への供給量を多くして対処することが考えられる。しかし、そのようにして増加する蒸気の量は小さく、現実的な対処ではない。その他に、処理容器に接続する恒温槽の数を増やすことも考えられるが、装置の大型化と高コスト化とを招いてしまう。また、比較的少量の反応ガスを処理容器内の各部に均一性高く供給できるようなガス供給部を設けて対処することも考えられるが、そのようなガス供給部をデザインすることは困難であった。
本発明は、このような背景の下になされたものであり、その目的は、縦型の処理容器内に複数の基板を棚状に配置して真空雰囲気中で成膜を行うにあたり、各基板の面内において均一性高く成膜を行うことができる技術を提供することにある。
本発明は、縦型の処理容器内に複数の基板を棚状に配置し、真空雰囲気中で当該基板に、原料ガスと当該原料ガスと反応する反応ガスとを供給して、反応生成物を前記基板に堆積させる成膜方法において、
前記処理容器内へ前記反応ガスを供給する第1の工程と、
次いで、前記処理容器内を真空排気した状態で前記反応ガスの供給を停止する第2の工程と、
その後、前記処理容器内の圧力が前記反応ガスの供給の停止により低下して設定値以下になったとき、または反応ガスの供給停止時から設定時間が経過したときに、前記処理容器内へ前記原料ガスを供給する第3の工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の記憶媒体は、内部に複数の基板が棚状に保持される縦型の処理容器を備えた成膜装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、本発明の成膜方法を実行するようにステップが組まれていることを特徴とする。
本発明の成膜装置は、縦型の処理容器を備え、当該処理容器内に棚状に配置される複数の基板に原料ガスと当該原料ガスと反応する反応ガスとを供給して当該基板に反応生成物を堆積させて成膜する成膜装置において、
前記原料ガスを前記処理容器内に供給するための原料ガス供給部と、
前記反応ガスを前記処理容器内に供給するための反応ガス供給部と、
前記処理容器内を排気して真空雰囲気を形成するための排気機構と、
前記処理容器内へ前記反応ガスを供給する第1のステップと、次いで、前記処理容器内を真空排気した状態で前記反応ガスの供給を停止する第2の工程と、その後、前記処理容器内の圧力が前記反応ガスの供給の停止により低下して設定値以下になったとき、または反応ガスの供給停止時から設定時間が経過したときに、前記処理容器内へ前記原料ガスを供給する第3のステップと、が実施されるように制御信号を出力する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、処理容器内に均一性高く反応ガスを供給した後、処理容器内における当該反応ガスの分圧が低下した状態で原料ガスを供給することができる。従って、原料ガスを処理容器内に配置される各基板の面内に均一性高く供給することができ、各基板の面内で均一性高く成膜を行うことができる。
本発明に係る成膜装置の縦断側面図である。 前記成膜装置により各ガスをウエハに供給するタイミングを示すタイミングチャートである。 ウエハの縦断側面図である。 処理空間における各ガスの分圧の変化を示すタイミングチャートである。 処理空間における各ガスの分圧の変化を示すタイミングチャートである。 処理空間における各ガスの分圧の変化を示すタイミングチャートである。 処理空間における各ガスの分圧の変化を示すタイミングチャートである。 評価試験により得られたウエハの画像を示す模式図である。
本発明の実施形態に係る成膜装置1について、図1の概略縦断側面図を参照しながら説明する。この成膜装置1は、真空雰囲気中で単結晶シリコンからなる基板である半導体ウエハ(以下、ウエハと記載する)Wの表面を窒化してSiN(窒化シリコン)膜を形成し、このSiN膜上にエピタキシャル成長によってAlN膜を成膜した後、当該AlN膜上にエピタキシャル成長によってGaN膜を成膜することができるように構成されている。このウエハWとしては、例えばその表面がミラー指数により(111)として表されるSiの結晶面(以下、Si(111)面と表記する)であるものが用いられる。
この成膜装置1では、上記のAlN膜を成膜するためにAlCl(三塩化アルミニウム)を含むガスが用いられる。AlClは高温雰囲気でSiであるウエハWをエッチングしてしまうため、このAlClに対する保護膜として上記のSiN膜を形成し、AlClとウエハW表面のSiとの接触を防ぐ。SiN膜は、AlN膜のエピタキシャル成長が妨げられないような膜厚となるように形成される。
成膜装置1は、多数枚のウエハWに対して、上記の各膜を成膜する縦型のバッチ式の処理装置である。図中11、12は、夫々外管、内管であり、石英により構成されると共に有天井の起立した円筒型に形成されている。外管11の内側に処理容器を構成する内管12が設けられており、内管12の内側は、ウエハWに処理を行うための処理空間13として構成されている。図中14は、開口部を備えるベース部材であり、外管11及び内管12は当該開口部に挿入されて設けられる。図中15は加熱部であり、ベース部材14上で外管11を囲むように設けられ、処理空間13におけるウエハWを加熱する。
図中16は処理空間13の下方に設けられる開口部であり、当該開口部16を介して基板載置治具であるボート21が処理空間13内に対して搬入出される。ボート21は石英により構成され、図示しない溝を備えた複数本の支柱22を有し、当該溝によりボート21は、ウエハWを縦方向に多数枚例えば、50〜150枚、棚状に支持することができる。ボート21は、断熱部材23を介して載置台をなすテーブル24上に載置されている。テーブル24は、蓋部25を貫通する回転軸26上に支持されており、回転軸26の下端はアーム27により支持される回転機構28に接続されている。成膜処理中においては、回転機構28により回転軸26が回転することでボート21が回転する。また、アーム27は昇降自在に構成されており、当該アーム27の昇降によって、ボート21及び蓋部25が昇降し、当該ボート21が処理空間13に対して搬入出されると共に、蓋部25による開口部16の開閉が行われる。
図中31は、内管12の側壁の一方側を構成するガス導入部であり、内管12の高さ方向に沿って形成されたガス拡散空間32及び拡散板33により構成されている。ガス拡散空間32に供給された処理ガスは、拡散板33の高さ方向に沿って多数形成されたガス吐出口34を介して処理空間13に供給される。
ガス導入部31にはバルブV1〜V11とN(窒素)ガス供給源41とを含む配管系40が接続されている。N2ガス供給源41は、バルブV1、流量制御器(MFC)42Aをこの順に介して、バルブV2の一端及びバルブV3の一端に夫々接続されていると共に、バルブV4、MFC42Bをこの順に介して、バルブV5の一端及びバルブV6の一端に夫々接続されている。バルブV2の他端は、固体の三塩化ガリウム(GaCl)が貯留された恒温槽43に接続されている。バルブV3の他端はバルブV7、V8の一端に夫々接続されており、バルブV7の他端は恒温槽43に接続されている。
バルブV5の他端は、固体の塩化アルミニウム(AlCl)が貯留された恒温槽44に接続されている。バルブV6の他端はバルブV9、V10の一端に夫々接続されており、バルブV9の他端は恒温槽44に接続されている。バルブV8及びV10の他端はバルブV11の一端に接続され、バルブV11の他端はガス供給管44A、44B、44Cの一端に接続されている。ガス供給管44A、44B、44Cの他端は、ガス拡散空間32の互いに異なる高さに開口している。
恒温槽43、44では槽内が加熱されることで昇華が起こり、固体のGaClからGaClガスが、固体のAlClからAlClガスが夫々発生する。GaClガス、AlClガスは、Nガス供給源41からキャリアガスとして恒温槽43、44に供給されるNガスと共に、夫々処理空間13に供給される。また、Nガス供給源41のNガスは、このようにキャリアガスとして処理空間13に供給される他に、処理空間13に残留するガスをパージするパージガスとしても処理空間13に供給される。AlClガスを処理空間13に導入するときには、配管系40におけるバルブV1〜V11のうちバルブV1、V2、V7、V8、V11が開かれ、他のバルブは閉じられる。GaClガスを処理空間13に導入するときには、配管系40におけるバルブV1〜V11のうちバルブV4、V5、V9、V10、V11が開かれ、他のバルブは閉じられる。処理空間13をパージするときには、バルブV1、V3、V8、V11及びバルブV4、V6、V10、V11のうち少なくとも一方が開かれ、バルブV2、V5、V7、V9は閉じられる。
また、図中35は内管12の側壁の一方側付近に、内管12の下端部から上端部へ向けて延出されるように設けられたガス導入管であり、ボート21に向けてガスを吐出するガス吐出孔(図示は省略している)が、高さ方向に沿って多数形成されている。ガス導入管35には配管系50が接続されており、配管系50は、NH(アンモニア)ガス供給源51とH(水素)ガス供給源52とを含み、NH3ガス、Hガスを夫々ガス導入管35に供給することができる。NHガス供給源51は、MFC53A、バルブV21をこの順に介してガス導入管35に接続されており、Hガス供給源52はMFC53B、バルブV22をこの順に介してガス導入管35に接続されている。
図中36は内管12の側壁の他方側に設けられる排気口であり、処理空間13の上段、中段、下段に夫々開口すると共に、外管11と内管12とによって区画される排気空間37に連通している。図中38は、その一端が排気空間37に開口する排気管である。排気管38の他端は、真空ポンプなどにより構成される排気機構39に接続されており、処理空間13を排気し、処理に必要とされる真空度にすることができる。また、このように排気口36、ガス導入管35及びガス導入部31が構成されていることで、各ガスをボート21に載置された各ウエハWの表面に沿って供給することができる。
成膜装置1にはコンピュータからなる制御部100が接続されている。前記制御部100にはプログラムが格納され、当該プログラムにより成膜装置1の各部に制御信号が出力される。この制御信号によって各バルブVの開閉及びMFCによるガスの供給量、排気機構39による排気量、回転機構28によるボート21の回転動作、アーム27の昇降及び加熱機構15によるウエハWの温度などが制御される。そのように各部の動作が制御されることで、後述のように各ステップが実施され、ウエハWに成膜処理が行われる。上記のプログラムは例えばハードディスク、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリーカード等の記憶媒体に格納された状態で制御部100に格納される
続いて、処理空間13への各ガスの給断のタイミングを示すタイミングチャートである図2と、ウエハWの縦断側面図である図3とを参照しながら、成膜装置1による処理フローについて説明する。チャートでは各ガスについてラインを示し、このラインのレベルの高低によって処理空間13へのガスの供給状態を表しており、レベルが高いときには供給が行われ、レベルが低いときには供給が停止していることを示す。なお、チャート中のNとは、パージガスとして供給されるNを示しており、チャート中、AlClガス及びGaClガスのキャリアガスとして処理空間13に供給されるNの表示は行っていない。
先ず内管12の外側において、多数の既述のウエハWをボート21に搭載した後、蓋部25を上昇させてボート21を処理空間13に搬入すると共に、当該蓋部25により内管12の開口部16を閉鎖して、処理空間13を気密にする。然る後、回転機構28によりウエハWが回転し、さらに処理空間13が排気されて所定の圧力の真空雰囲気にされると共に、例えば900℃〜1050℃にウエハWが加熱される。以下の各ステップ1〜4では、このような温度にウエハWが加熱された状態で処理が行われる。
(ステップ1:自然酸化膜の除去)
処理空間13にHガスが供給され、当該Hガスにより、ウエハWの表面部に形成された自然酸化膜が還元されて除去される。図3(a)は、この自然酸化膜除去後のウエハWを示しており、当該ウエハWのSiである表面部を60として示している。
(ステップ2:SiN膜の形成)
ガスの供給開始から例えば30分後において、Hガスの供給が停止されると共に、所定の流量でNHガスの供給が開始され(時刻t1)、処理空間13が1000Pa以下の圧力となるように排気される。このように処理空間13の圧力が比較的低い圧力にされた状態で、NHガスによりウエハWの極表面が窒化され、SiN膜61が形成される(図3(b))。既述したように、このSiN膜61は、後のステップで形成されるAlN膜がSi表面部60の結晶軸に沿ってエピタキシャル成長により成膜可能である膜厚、例えば4nm以下の膜厚になるように形成される。
(ステップ3:CVDによるAlN膜の形成)
上記の時刻t2において、処理空間13の圧力が下降し、例えば30Pa〜133Paとなるように処理空間13の圧力が調整されると共に、NHガスの供給が続けられる。この時刻t2以降におけるNHガスの流量は、例えば1.0slm(L/分)〜15.0slm(L/分)とされ、具体的には例えば10slmとされる。このように比較的大きい流量でNHガスが供給されることで、処理空間13内の各部におけるNHガスの濃度の均一性が高い状態とされる。時刻t2から例えば30秒経過すると、NHガスの供給が停止すると共に、パージガスであるNガスの供給が開始される(時刻t3)。
処理空間13では排気が引き続き行われることに加えて、パージガスが供給されることにより、NHガスの分圧が低下する。そして、例えば時刻t3から例えば10秒経過すると、パージガスの供給が停止すると共に、例えば槽内が130℃に加熱された恒温槽44にNガスがキャリアガスとして20sccm(mL/分)〜200sccm(mL/分)、具体的には例えば100sccmで供給され、それによってAlClガスが処理空間13に供給される(時刻t4)。
ガス導入部31から回転する各ウエハWの中心部へ向かって供給されたAlClガスは、NHガスが供給されていた時刻t2−t3間に比べて処理空間13における当該NHガスの分圧が低下していることにより、ウエハWの外側においてNHガスと反応することが抑えられ、ウエハWの周縁部上、更にはウエハWの中心部上へと到達することができる。また、上記の時刻t2−t3間で処理空間13におけるNHガスの濃度の均一性が高い状態とされているため、このようにAlClガスが供給されるときにおいても処理空間13におけるNHガスの濃度の均一性については比較的高い状態となっており、従って上記のようにウエハWの中心部、周縁部に夫々供給されたAlClガスは、NH3ガスと均一性高く反応して、反応生成物であるAlNがウエハWの周縁部、中心部に夫々堆積する。そして、このようにCVDによって生成したAlNがエピタキシャル成長して、ウエハWの面内にAlN膜62が均一性高く成膜される。また、上記のように処理空間13の各部におけるNHガスの濃度の均一性が比較的高いことから、このAlN膜62は各ウエハW間においても均一性高く形成される。
時刻t4から例えば20秒経過した時刻t5において、恒温槽44へのキャリアガスの供給が停止してAlClガスの処理空間13への供給が停止すると共に、処理空間13にパージガスであるNガスが供給され、処理空間13に残留するNHガス及びAlClがパージされて除去される。時刻t5から例えば10秒経過した時刻t6においてパージガスの供給が停止される。
このような時刻t2−t6間におけるNHガス、AlClガス及びパージガスの供給と供給停止とを1回目のサイクルとすると、以降、この1回目のサイクルと同様のサイクルが繰り返し行われる。m=整数として、m回目のサイクルが終了するタイミングと、m+1回目のサイクルが開始されるタイミングとは同時である。つまり、m回目のサイクルでパージガスの供給が停止するタイミングと同時に、NHガスの供給が開始されてm+1回目のサイクルが開始される。
以下、2回目のサイクルを説明する。また図4は、この2回目のサイクルと次の3回目のサイクルとにおいて、処理空間13におけるNHガスの分圧、AlClガスの分圧が夫々変化する様子を示すグラフであり、このグラフも適宜参照して説明する。グラフの横軸は時間を示し、10秒間隔で目盛を表示している。グラフの縦軸はガスの分圧を示し、この縦軸において横軸と接触する点は分圧が概ね0Paであり、縦軸の上側に向かうほど大きい分圧であることを示す。グラフではNHガスの分圧の変化を実線で、AlClガスの分圧の変化を一点鎖線で夫々示している。
上記の時刻t6にて1回目のサイクルの時刻t2と同様にNHガスが供給されて処理空間13のNHガスの分圧が上昇し、その後NHガスの分圧は比較的高い値に維持され、処理空間13の各部におけるNH3ガスの濃度の均一性が高くなる。そして、時刻t6から30秒経過した時刻t7にて、1回目のサイクルの時刻t3と同様にNHガスの供給が停止すると共にパージガスの供給が開始され、処理空間13のNH3ガスの分圧が低下する。そして、時刻t7から10秒経過した時刻t8において、1回目のサイクルの時刻t4と同様にパージガスの供給が停止すると共に恒温槽44にキャリアガスが供給され、AlClガスが処理空間13に供給される。そして、当該処理空間13におけるAlClガスの分圧が上昇して、所定の分圧に維持される。ウエハWにおいては1回目のサイクルで成膜されたAlN膜62上にAlNが堆積して積層され、CVDによるエピタキシャル成長が進行し、AlN膜62の膜厚が増加する。1回目のサイクルの時刻t4−t5間と同様に、処理空間13の各部におけるNH3ガスの濃度は比較的均一性が高いため、このAlN膜62の膜厚の増加は、ウエハWの面内及び各ウエハW間で均一性高く進行する。
時刻t8から20秒経過した時刻t9において、1回目のサイクルの時刻t5と同様に、AlClガスの処理空間13への供給が停止すると共に、処理空間13にパージガスが供給される。処理空間13に残留するNHガス及びAlClガスがパージされて除去され、処理空間13におけるNHガス及びAlClガスの分圧が低下して概ね0Paになる。そして時刻t9から10秒経過した時刻t10になると、1回目のサイクルの時刻t6と同様にパージガスの供給が停止し、2回目のサイクルが終了する。上記したように、この2回目のサイクルが終了する時刻t10ではNHガスの供給が開始され、3回目のサイクルが開始される。
3回目以降のサイクルの詳細な説明は省略するが、1回目及び2回目のサイクルと同様に各ガスが供給され、2回目のサイクルと同様に処理空間13のNHガスの分圧及びAlClガスの分圧が変化して成膜が行われ、ウエハWの面内及び各ウエハW間において均一性高くAlN膜62の膜厚が増加する。なお、図4には示していないが、1回目のサイクルについても2回目のサイクルと同様に処理空間13のNHガスの分圧及びAlClガスの分圧が変化する。サイクルが所定の回数行われ、例えば200nm〜300nmの膜厚を有するAlN膜62が形成されると、このサイクルの繰り返しが終了する。図3(c)は、当該サイクルの繰り返しが終了した状態のウエハWを示している。
(ステップ4:GaN膜の形成)
ステップ3の最後のサイクルが終了してパージガスの供給が停止すると共に、処理空間13へのGaClガス及びNHガスの供給が開始される(時刻t11)。GaClガスとNHガスとによるCVDによって、AlN膜62上にGaNが堆積し、エピタキシャル成長して、図3(d)に示すようにGaN膜63が形成される。例えば3μm〜5μmの膜厚を有するGaN膜63が形成されると、GaClガス及びNHガスの供給が停止する。然る後、蓋部25が下降して処理空間13が開放されると共に、ボート21が処理空間13から搬出される。
この成膜装置1によれば、排気機構39により排気された状態の処理空間13に反応ガスであるNHガスが供給され、NHガスの供給停止後、予め設定された時間が経過すると原料ガスであるAlClガスが供給されて、CVDによりウエハWにAlN膜62が成膜される。これによってNHガスの濃度の均一性を担保し、且つNHガスの分圧が過大になることが防がれた状態で、ウエハWの周縁部のみならず中心部にもAlClガスを供給することができる。従って、ボート21に支持される各ウエハWの面内において、AlN膜62の膜厚のばらつきを抑えることができる。また各ウエハW間でもAlN膜62の膜厚のばらつきを抑えることができる。
また、上記の成膜工程においては、一のサイクルにおいてAlClガス及びNH3ガスを除去するために処理空間13のパージが行われてから、次のサイクルが開始される。従って、AlClガスが供給されたときの処理空間13のNHガスの分圧及びAlClガスの分圧を、各サイクルで同様にすることができる。つまり、各サイクルにおいて、AlClガスが処理空間13に供給されたときのNHガスの分圧及びAlClガスの分圧を、CVDを行うための好ましい範囲とすることができるので、膜質の向上が図られる。上記の成膜処理中の時刻t4−t5間及び時刻t8−t9間のようにAlClガスの供給が行われる期間において、処理空間13におけるNH3ガスの好ましい分圧は、例えば30Pa〜97Paである。上記の処理フローでは、NHガスの供給停止後、AlCl3ガスの供給を開始するまでの間にパージガスを供給することで、NH3ガスの分圧を、速やかにこの範囲内の分圧とすることができる。従って、成膜装置1のスループットを向上させることができる。
ところで上記の処理フローのステップ3の各サイクルにおいて、NHガスの供給停止時からAlClガスの供給開始時までの間、上記のようにパージガスの供給を行わず、処理空間13の排気のみによって、当該処理空間13におけるNHガスの分圧を低下させてもよい。また、既述のステップ3においてはNHガスの供給停止後、予め設定された時間が経過するとAlClガスの供給が開始されるようにしているが、処理空間13の圧力を検出するための検出機構を成膜装置1に設け、検出される処理空間13の圧力が所定の値になると、AlClガスの供給が開始されるようにしてもよい。さらに、各サイクルにおいてNH3ガスの供給は完全に停止させることに限られず、成膜処理に影響を与えない程度の僅かな流量で処理空間13に供給されていてもよい。即ち、そのように僅かな流量で処理空間13に供給されることも、反応ガスの供給を停止させることに含まれる。
この成膜装置1において、使用されるAlN膜の原料としてはAlClに限られず、例えばトリメチルアルミニウムであってもよい。しかし成膜装置1によれば、AlClのように蒸気圧が比較的低く、蒸気の発生量を多くすることが難しい原料を用いる場合であっても、処理空間13に供給される反応ガスの流量の影響が抑えられ、既述のようにウエハWの面内に均一性高い成膜を行えるので、そのような原料を用いる場合に特に成膜装置1は有利である。また、見方を変えると、この成膜装置1によれば少量の原料ガスであってもウエハWに成膜を行うことができるので、原料の消費を抑え、成膜処理に要するコストを削減することができる。
なお、上記の処理フローのステップ3では、NHガスの供給停止後、処理空間13のNHガスの分圧が変化中に、当該処理空間13にAlClガスが供給されているが、このように分圧が変化中にAlClガスが供給されても良好な膜質のAlN膜62が得られることが、実験により確認されている。具体的な一例を示すと、上記のようにNHガスを10slmで供給し、NH3ガスの供給停止後、パージガスの供給を行わず、1分程度経過後にAlClガスの供給が開始されるようにサイクルを行うことで、ウエハWにおける面内均一性及び結晶性が良好なAlN膜62が形成されることが実験により確認された。ただし、AlClガスの供給時間が長すぎると、AlN膜62の組成についてAlが過剰になると共に、過剰なAlが表面に析出し、膜質が低下してしまう。そこで、AlClガスの供給時間としては上記の例に限られないが、例えば90秒以下、より好ましくは60秒以下であることが有効である。
上記の処理フローのステップ3について、各ガスを給断するタイミングは図2、図4で説明した例に限られない。上記の図2、図4で説明した給断例を以下、第1の給断例と記載することにすると、図5〜図7は、上記のステップ3について第1の給断例とは異なる第2〜第4の給断例で各ガスを給断したときの処理空間13における各ガスの分圧の変化を、図4と同様に示している。この第2〜第4の給断例においても、第1の給断例で説明したサイクルと略同様のサイクルが繰り返し行われてウエハWにAlN膜が形成され、一のサイクルが終了すると同時に次のサイクルが開始される。そして、各サイクル間におけるガスの給断は、互いに同様に行われることで、処理空間13における各ガスの分圧はサイクル毎に同様に変化する。図5〜図7ではn(nは整数)回目のサイクルと、次のn+1回目のサイクルで処理空間13のNHガスの分圧及びAlClガスの分圧が変化する様子を示している。この第2〜第4の給断例では、NHガスの供給停止時からAlClガスの供給開始時までの期間のパージガスの供給は行われない。
以下、第2〜第4の給断例の夫々について、第1の給断例との差異点を中心に説明する。図5に示す第2の給断例のn回目のサイクルについて具体的に説明すると、当該n回目のサイクルが開始される時刻t21でNHガスの供給が開始され、NHガスの分圧が概ね0Paから上昇して所定の値に維持される。そして、時刻t21から30秒経過後の時刻t22でNHガスの供給が停止し、NHガスの分圧が低下する。NHガスの供給停止から若干遅れた時刻t23で、AlClガスの供給が開始され、AlClガスの分圧が0から上昇して所定の値に維持される。
そして、時刻t23から概ね30秒後の時刻t24で、AlClガスの供給が停止すると共にパージガスの供給が開始され、AlClガスの分圧及びNHガスの分圧が概ね0Paになり、時刻t24から10秒経過後の時刻t25でパージガスの供給が停止して、n回目のサイクルが終了すると同時にn+1回目のサイクルが開始される。このように時刻t21、t22、t23、t24、t25における各動作は、第1の給断例の時刻t6、t7、t8、t9、t10における各動作に対応する。
図6に示す第3の給断例のn回目のサイクルについては、AlClガスの供給が開始される時刻t23からAlClガスの供給が停止されると共にパージガスの供給が開始される時刻t24までの時間が概ね10秒である他は、第2の給断例のn回目のサイクルと同様である。図7に示す第4の給断例のn回目のサイクルについては、AlClガスの供給が開始される時刻t23からAlClガスの供給が停止されると共にパージガスの供給が開始される時刻t24までの時間が概ね20秒である他は、第2の給断例のn回目のサイクルと同様である。このように第2〜第4の給断例については、処理空間13にAlClガスを供給する時間が互いに異なり、それによってCVDが行われる際にウエハWに供給されるAlClの量及びNHの量についての比が互いに異なる。また、第1の給断例と第4の給断例については、AlCl3ガスを供給する時間が略同じであるが、パージガスの供給の有無によって、上記のAlClの量及びNHの量についての比が、互いに異なる。
このようにAlClの量及びNHの量の比が異なると、ウエハWに形成されるAlN膜62におけるAlとNとの組成比が異なる結果、当該AlN膜62の結晶性及び表面平坦性が異なる。つまり、AlN膜62の膜質が異なる。実験により、第1の給断例で成膜されたAlN膜62の屈折率(R.I.)を測定したところ2.12であった。また、第2、第3、第4の給断例と、略同様にガス供給を行った実験で夫々形成されたAlN膜62のR.Iは2.24、2.04、2.29であり、互いに異なる膜質となっていた。この実験では、NH3ガスの供給停止と同時にAlCl3ガスの供給を行ったことを除いて第2〜第4の給断例と同様に各ガスの給断を行っており、従って、第2、第3、第4の給断例で各ガスを供給して形成されるAlN膜62についても、互いに異なる膜質になると考えられる。そこで、例えば、制御部100には、成膜装置1のユーザーが第1〜第4の給断例のいずれかを選択するタッチパネルなどの選択機構が設けられ、選択された給断例に従って各ガスの給断が行われるように制御部100が制御信号を出力し、処理毎に異なる膜質のAlN膜62が形成されるように成膜装置1を構成してもよい。なお、上記の各実験ではSi(111)面を表面として持つウエハWに成膜を行っている。
上記の各給断例では、既述の各ガスを給断するサイクルを複数回繰り返すことでCVDによるサイクルを行っているが、サイクルは複数回行うことに限られず、1回のみ行いAlN膜62を成膜してもよい。また、CVDによってウエハWに形成する膜としてはAlNに限られない。例えば、原料ガス、反応ガスとして夫々TiCl(四塩化チタン)、NHを用いてTiN(窒化チタン)膜を形成してもよいし、原料ガス、反応ガスとして夫々トリメチルアルミニウム、オゾンを用いてAl(酸化アルミニウム)膜を形成してもよい。
以下、本発明に関連して行われた評価試験について説明する。
(評価試験1)
評価試験1−1として、上記の成膜装置1において処理空間13の圧力を0.5torr(66.7Pa)とし、恒温槽44内を100℃にして当該恒温槽44内のAlClを昇華させた。そして、NHガスを処理空間13に2slm(L/分)で供給すると共に、恒温槽44に100sccm(mL/分)でキャリアガスであるNガスを供給することで処理空間13にAlClガスを供給し、ウエハWに成膜処理を行った。この評価試験1−1では、処理空間13へのAlClガスとNHガスとの供給は同時に開始し、60秒間これらのガスの供給を続けた。また、評価試験1−2として、恒温槽44内の温度を130℃にして、処理空間13に供給されるAlClガスの量を増加させた他は、評価試験1−1と同様の成膜処理を行った。
また、評価試験1−3として恒温槽44内を100℃にし、上記の図2、図4で説明した第1の給断例と略同様に各ガスを供給し、成膜処理を行った。ただし、各サイクルにおいて、NH3ガスを供給する期間、NH3ガスの供給停止時からAlCl3ガスの開始時までにパージガスを供給する期間、AlClガスを供給する期間、AlClガスの供給停止時からパージガスを供給する期間は、夫々60秒に設定した。処理空間13に供給するNHガスの流量は10slmとし、恒温槽44にキャリアガスとして供給するNガスの流量は100sccmとした。そして、サイクルは30回繰り返し行い、成膜処理中の処理空間13の圧力は0.5Torr程度とした。また、評価試験1−4として、恒温槽44内の温度を130℃にしたことを除いて、評価試験1−3と同様に成膜処理を行った。
評価試験1−1〜1−4のウエハWについて、中心部の複数箇所のAlN膜の膜厚、周縁部の複数箇所のAlN膜の膜厚を夫々測定し、中心部の膜厚の平均、周縁部の膜厚の平均を夫々算出した。さらに、各ウエハWについて測定された各部の膜厚から、標準偏差である1σ(単位:%)を算出した。下記の表1は、評価試験1の結果を示している。評価試験1−1ではウエハWの中心部及び周縁部においてAlN膜が形成されておらず、表面部60のSiが窒化されることで0.3nmのSiN膜が形成されていた。評価試験1−2では、ウエハWの周縁部においてAlN膜が形成されていたが、中心部にはAlN膜が形成されておらず、評価試験1−1と同様に0.3nmのSiN膜が形成されていた。図8(a)は、測定結果から得られた評価試験1−2のウエハWの表面における膜厚分布を表しており、実際にはコンピュータグラフィクスの画像として得られたものを模式図として簡略化して示している。この模式図においては、形成されたAlN膜の膜厚の範囲ごとに、ウエハWの表面を等高線で区画して示し、区画された領域に膜厚の範囲に応じて模様を付して示している。
Figure 2016171244
本発明の一手法である評価試験1−3、1−4では、ウエハWの中心部、周縁部共にAlN膜が形成されており、評価試験1−4では、評価試験1−3に比べてウエハWの中心部、周縁部共にAlN膜の膜厚が大きかった。これは、評価試験1−4の方が恒温槽44の温度が高く、処理空間13へのAlClガスの供給量が多いためであると考えられる。また、評価試験1−3、1−4の1σは、評価試験1−2の1σよりも小さい。1σが小さいほど、膜厚の均一性が高いため、評価試験1−2よりも評価試験1−3、1−4の方がウエハWの面内におけるAlN膜の均一性が高く、従って、本発明によればウエハWの面内で均一性高くAlN膜を形成することができることが確認された。なお、評価試験1−3、1−4の1σを比較すると、評価試験1−4の方が小さかった。
また、各サイクルにおいてNH3ガスの供給時間を30秒、AlCl3ガス供給停止時からNH3ガスの供給開始時までのパージガスを供給する時間を10秒とし、ガスの給断のタイミングを適切化した他は評価試験1−4と同様に処理を行い、ウエハWにAlN膜を形成した。このAlN膜の形成を評価試験1−5として、この評価試験1−5でAlN膜を形成したウエハWについて、評価試験1−1〜1−4と同様に中心部の膜厚、周縁部の膜厚及び1σについて測定した。その結果、ウエハWの中心部のAlN膜の膜厚は21.6nm、周縁部のAlN膜の膜厚は、18.9nm、1σは5.7であった。このように評価試験1−5では、評価試験1−3、1−4よりもさらに1σを小さく、つまりウエハWの面内のAlN膜の膜厚の均一性をさらに高くすることができた。
また、図8(b)には、評価試験1−5のウエハWについて、図8(a)と同様に取得されたAlN膜の膜厚分布を示す模式図を表示している。図8(a)、図8(b)を互いに比較することによって、本発明によればウエハWの周縁部側のAlN膜の膜厚に対して、中心部側の膜厚を大きくすることが可能であり、さらにウエハWの面内でAlN膜の膜厚の均一性を高くできることが分かる。なお、評価試験1−3、1−4についても、評価試験1−5と同様にウエハWの面内の膜厚分布の画像を取得しているが、ここでは中心部の膜厚を大きくすることが可能であることがより明確に示される評価試験1−5の画像についての模式図を代表して示している。
W ウエハ
1 成膜装置
13 処理空間
31 ガス導入部
35 ガス導入管
37 排気空間
40、50 配管系
60 シリコン表面部
61 SiN膜
62 AlN膜
100 制御部

Claims (6)

  1. 縦型の処理容器内に複数の基板を棚状に配置し、真空雰囲気中で当該基板に、原料ガスと当該原料ガスと反応する反応ガスとを供給して、反応生成物を前記基板に堆積させる成膜方法において、
    前記処理容器内へ前記反応ガスを供給する第1の工程と、
    次いで、前記処理容器内を真空排気した状態で前記反応ガスの供給を停止する第2の工程と、
    その後、前記処理容器内の圧力が前記反応ガスの供給の停止により低下して設定値以下になったとき、または反応ガスの供給停止時から設定時間が経過したときに、前記処理容器内へ前記原料ガスを供給する第3の工程と、を含むことを特徴とする成膜方法。
  2. 前記第3の工程を行った後、前記処理容器内にパージガスを供給して、当該処理容器内に残留する前記原料ガス及び反応ガスをパージする第4の工程を含み、 前記基板に前記反応生成物の層を積層して成膜するために、前記第1の工程、前記第2の工程、前記第3の工程及び前記第4の工程からなるサイクルを複数回繰り返し行う工程を含むことを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
  3. 前記第2の工程を行った後、前記第3の工程を行う前において、前記処理容器内における前記反応ガスの分圧を低下させるために、前記処理容器内にパージガスを供給する工程が行われることを特徴とする請求項1または2記載の成膜方法。
  4. 内部に複数の基板が棚状に保持される縦型の処理容器を備えた成膜装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、
    前記コンピュータプログラムは、請求項1ないし3のいずれか一項の成膜方法を実行するようにステップが組まれていることを特徴とする記憶媒体。
  5. 縦型の処理容器を備え、当該処理容器内に棚状に配置される複数の基板に原料ガスと当該原料ガスと反応する反応ガスとを供給して当該基板に反応生成物を堆積させて成膜する成膜装置において、
    前記原料ガスを前記処理容器内に供給するための原料ガス供給部と、
    前記反応ガスを前記処理容器内に供給するための反応ガス供給部と、
    前記処理容器内を排気して真空雰囲気を形成するための排気機構と、
    前記処理容器内へ前記反応ガスを供給する第1のステップと、次いで、前記処理容器内を真空排気した状態で前記反応ガスの供給を停止する第2の工程と、その後、前記処理容器内の圧力が前記反応ガスの供給の停止により低下して設定値以下になったとき、または反応ガスの供給停止時から設定時間が経過したときに、前記処理容器内へ前記原料ガスを供給する第3のステップと、が実施されるように制御信号を出力する制御部と、
    を備えたことを特徴とする成膜装置。
  6. 前記処理容器内の前記反応ガス及び前記原料ガスをパージするためのパージガスを当該処理容器内に供給するパージガス供給部が設けられ、
    前記制御部は、前記第3のステップが行われた後、前記処理容器内にパージガスを供給して当該処理容器内に残留する前記原料ガス及び前記反応ガスをパージする第4のステップが実施され、且つ前記基板に前記反応生成物の層を積層させて成膜するために、前記第1のステップ、前記第2のステップ、前記第3のステップ及び前記第4のステップからなるサイクルを複数回繰り返し行うように前記制御信号を出力することを特徴とする請求項5記載の成膜装置。
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