JP2014084506A - 基板処理方法、基板処理装置およびプログラム - Google Patents

基板処理方法、基板処理装置およびプログラム Download PDF

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匡史 北村
Toshiyuki Kikuchi
俊之 菊池
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則克 高浦
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Abstract

【課題】 基板上に形成する所定元素を含む膜の平坦性を向上させる。
【解決手段】 基板に対して、所定元素と、所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを供給する工程と、基板に対して、原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する工程と、を含むサイクルを所定回数行うことで、基板上に、所定元素を含む膜を形成する工程を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板処理方法、基板処理装置およびプログラムに関する。
半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、シリコンウエハ等の基板上に、例えばゲルマニウム(Ge)等の所定元素を含む膜(Ge膜)を形成する成膜工程が行われることがある。Ge膜は、基板を収容した減圧雰囲気下にある処理室内にGe原料ガスを供給し、処理室内でGe原料ガスの熱分解反応を生じさせて基板上にGeを堆積させる減圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって成膜することができる。
上述の方法では、処理室内に供給されたGe原料ガスが基板上で熱分解することで、Ge原料ガスに含まれるGeが基板上に吸着、堆積し、基板上にGe膜が形成される。しかしながら、係る方法では、基板上に形成されるGe膜の平坦性が低下してしまうことがある。
そこで本発明は、基板上に形成する所定元素を含む膜の平坦性を向上させることが可能な基板処理方法、基板処理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、
基板に対して、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを供給する工程と、
前記基板に対して、前記原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する工程と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素を含む膜を形成する工程を有する基板処理方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、
基板に対して処理が行われる処理室と、
前記処理室内にガスを供給するガス供給系と、
前記処理室内の基板に対して、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを供給する処理と、前記処理室内の前記基板に対して、前記原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する処理と、を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素を含む膜を形成する処理を行うように、前記ガス供給系を制御するよう構成される制御部と、
を有する基板処理装置が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、
基板処理装置の処理室内の基板に対して、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを供給する手順と、
前記処理室内の前記基板に対して、前記原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する手順と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素を含む膜を形成する手順をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
本発明に係る基板処理方法、基板処理装置およびプログラムによれば、基板上に形成する所定元素を含む膜の平坦性を向上させることが可能となる。
本発明の実施形態に係る基板処理装置のガス供給系の構成図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置のウエハ処理時における断面構成図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置のウエハ搬送時における断面構成図である。 本発明の実施形態で好適に用いられる基板処理装置のコントローラの概略構成図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図であり、(b)はその変形例に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図であり、(b)はその変形例に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図である。 (a)は本発明の他の実施形態に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図であり、(b)はその変形例に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図である。 (a)は本発明のさらに他の実施形態に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図であり、(b)はその変形例に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図である。 (a)は本発明のさらに他の実施形態に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図であり、(b)はその変形例に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図である。 (a)は本発明のさらに他の実施形態に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図であり、(b)はその変形例に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図である。 (a)は本発明のさらに他の実施形態に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図であり、(b)および(c)はその変形例に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図である。 (a)および(b)は組成式中におけるリガンド(R)の数が2であるGe原料の分子構造式を示す図であり、(c)はそれらの分子モデルを示す図である。 (a)は組成式中におけるリガンド(R)の数が3であるGe原料の分子構造式を示す図であり、(b)はその分子モデルを示す図である。 (a)は組成式中におけるリガンド(R)の数が4であるGe原料の分子構造式を示す図であり、(b)はその分子モデルを示す図であり、(c)は組成式中におけるリガンドの数が4であるターシャリーブチルゲルマンの分子構造式を示す図である。 本発明の一実施形態に係るGe膜の成膜メカニズムを示す図であり、(a)は所定元素(Ge)からリガンド(R)が分離する様子を、(b)は所定元素(Ge)のリガンド(R)が分離した位置に新たに所定元素(Ge)が結合した様子を、(c)はこれらを繰り返すことで主として平面方向に所定元素(Ge)の結合が進行する様子を示す図である。 組成式中におけるリガンド(R)の数が4であるGe原料ガスを用いた場合のGe膜の成膜メカニズムを示す図であり、(a)は所定元素(Ge)からリガンド(R)が分離する様子を、(b)は所定元素(Ge)のリガンド(R)が分離した位置に新たに所定元素(Ge)が結合した様子を、(c)はこれらを繰り返すことで立体方向にも所定元素(Ge)の結合が進行する様子を示す図である。 実施例に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図である。 参考例に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図である。
<本発明の第1実施形態>
(1)基板処理装置の構成
まず、本実施形態にかかる基板処理装置の構成について、図2〜4を参照しながら説明する。図2は、本実施形態にかかる基板処理装置40のウエハ処理時における断面構成図であり、図3は、本実施形態にかかる基板処理装置40のウエハ搬送時における断面構成図である。図4は、本実施形態で好適に用いられる基板処理装置40のコントローラ280の概略構成図である。
(処理室)
図2,3に示されているとおり、本実施形態にかかる基板処理装置40は処理容器202を備えている。処理容器202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。また、処理容器202は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)などの金属材料により構成されている。処理容器202内には、基板としてのシリコンウエハ等のウエハ200に対して処理が行われる処理室201が形成されている。
(支持台)
処理室201内には、ウエハ200を支持する支持台203が設けられている。ウエハ200が直接触れる支持台203の上面には、例えば、石英(SiO)、カーボン、セラミックス、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(Al)、又は窒化アルミニウム(AlN)などから構成された支持板としてのサセプタ217が設けられている。また、支持台203には、ウエハ200を加熱する加熱手段(加熱源)としてのヒータ206と、温度検出器としての温度センサ206bとが内蔵されている。温度センサ206bにより検出された温度情報に基づきヒータ206への通電具合を調整することで、サセプタ217上に支持されたウエハ200の温度が所望の温度分布となるように構成されている。なお、支持台203の下端部は、処理容器202の底部を貫通している。
(昇降機構)
処理室201の外部には、支持台203を昇降させる昇降機構207bが設けられている。この昇降機構207bを作動させて支持台203を昇降させることにより、サセプタ217上に支持されるウエハ200を昇降させることが可能となっている。支持台203は、ウエハ200の搬送時には図3で示される位置(ウエハ搬送位置)まで下降し、ウエハ200の処理時には図2で示される位置(ウエハ処理位置)まで上昇する。なお、支持台203下端部の周囲は、ベローズ203aにより覆われており、処理室201内は気密に保持されている。
(リフトピン)
また、処理室201の底面(床面)には、例えば3本のリフトピン208bが鉛直方向に立ち上がるように設けられている。また、支持台203(サセプタ217も含む)には、かかるリフトピン208bを貫通させる貫通孔208aが、リフトピン208bに対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、支持台203をウエハ搬送位置まで下降させた時には、図3に示されているように、リフトピン208bの上端部がサセプタ217の上面から突出して、リフトピン208bがウエハ200を下方から支持するようになっている。また、支持台203をウエハ処理位置まで上昇させたときには、図2に示されているようにリフトピン208bはサセプタ217の上面から埋没して、サセプタ217がウエハ200を下方から支持するようになっている。なお、リフトピン208bは、ウエハ200と直接触れるため、例えば、石英や酸化アルミニウムなどの材質で形成することが望ましい。
(ウエハ搬送口)
処理室201(処理容器202)の内壁側面には、処理室201の内外にウエハ200を搬送するウエハ搬送口250が設けられている。ウエハ搬送口250にはゲートバルブ44が設けられており、ゲートバルブ44を開くことにより、処理室201内と負圧移載室11内とが連通するようになっている。負圧移載室11は搬送容器(密閉容器)12内に形成されており、負圧移載室11内にはウエハ200を搬送する負圧移載機13が設けられている。負圧移載機13には、ウエハ200を搬送する際にウエハ200を支持する搬送アーム13aが備えられている。支持台203をウエハ搬送位置まで下降させた状態で、ゲートバルブ44を開くことにより、負圧移載機13により処理室201内と負圧移載室11内との間でウエハ200を搬送することが可能となっている。すなわち、負圧移載機13は、ウエハ200を処理室201内外に搬送する搬送装置(搬送機構)として構成される。処理室201内に搬送されたウエハ200は、上述したようにリフトピン208b上に一時的に載置される。なお、負圧移載室11のウエハ搬送口250が設けられた側と反対側には、図示しないロードロック室が設けられており、負圧移載機13によりロードロック室内と負圧移載室11内との間でウエハ200を搬送することが可能となっている。なお、ロードロック室は、未処理もしくは処理済のウエハ200を一時的に収容する予備室として機能する。
(排気系)
処理室201(処理容器202)の内壁側面であって、ウエハ搬送口250の反対側には、処理室201内の雰囲気を排気する排気口260が設けられている。排気口260には、排気チャンバ260aを介して排気管261が接続されている。排気チャンバ260aには、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ265が設けられている。排気管261には、処理室201内の圧力を所定の圧力とするように制御する圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ262および原料回収トラップ263を介して、真空排気装置としての真空ポンプ264が接続されている。なお、APCバルブ262は、真空ポンプ264を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気および真空排気停止を行うことができ、更に、真空ポンプ264を作動させた状態で弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができるように構成されているバルブである。主に、排気チャンバ260a、圧力センサ265、排気管261、APCバルブ262により排気系(排気ライン)が構成される。なお、原料回収トラップ263、真空ポンプ264を排気系に含めて考えてもよい。排気系は、真空ポンプ264を作動させつつ、圧力センサ265により検出された圧力情報に基づいてAPCバルブ262の弁の開度を調節することにより、処理室201内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。
(ガス供給口)
処理室201の上部に設けられる後述のシャワーヘッド240の上面(天井壁)には、処理室201内に所定元素を含む原料ガスを供給する原料ガス供給口210aと、処理室201内に原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する反応ガス供給口210bと、が設けられている。つまり、反応ガス供給口210bは、原料ガス供給口210aとは独立して設けられており、原料ガスと反応ガスとは異なる供給口より別々に処理室201内へ供給されるように構成されている。なお、図2、図3には、反応ガス供給口210bを原料ガス供給口210aの内側に原料ガス供給口210aと同心円状に配置する構成を例示しているが、本発明は係る態様に限定されず、反応ガス供給口210bを原料ガス供給口210aの外側に設けてもよい。なお、原料ガス供給口210a、反応ガス供給口210bに接続される各ガス供給系の構成については後述する。
(シャワーヘッド)
原料ガス供給口210aと処理室201との間には、ガス分散機構としてのシャワーヘッド240が設けられている。シャワーヘッド240は、原料ガス供給口210aから供給される原料ガスを分散させる分散板240aと、分散板240aを通過した原料ガスをさらに均一に分散させて支持台203上のウエハ200の表面に供給するシャワー板240bと、を備えている。分散板240aおよびシャワー板240bには、それぞれ、複数の通気孔が設けられている。分散板240aは、シャワーヘッド240の上面及びシャワー板240bと対向するように配置されており、シャワー板240bは、支持台203上のウエハ200と対向するように配置されている。なお、シャワーヘッド240の上面と分散板240aとの間、および分散板240aとシャワー板240bとの間には、それぞれ空間が設けられており、かかる空間は、原料ガス供給口210aから供給される原料ガスを分散させる第1バッファ空間(分散室)240c、および分散板240aを通過した原料ガスを拡散させる第2バッファ空間(拡散室)240dとしてそれぞれ機能する。
なお、反応ガス供給口210bは、シャワーヘッド240を鉛直方向(厚さ方向)に貫通し、反応ガス供給口210bの下端開口がシャワー板240bの下面から支持台203に向けて突出するように設けられている。すなわち、反応ガス供給口210bは、反応ガスを、シャワー板240bの下方側から、つまり、シャワーヘッド240を介さずに処理室201内に供給するように構成されている。
(排気ダクト)
処理室201(処理容器202)の内壁側面には、段差部201aが設けられている。そして、この段差部201aは、コンダクタンスプレート204をウエハ処理位置近傍に保持するように構成されている。コンダクタンスプレート204は、内周部にウエハ200を収容する穴が設けられた1枚のドーナツ状(リング状)をした円板として構成されている。コンダクタンスプレート204の外周部には、所定間隔を空けて周方向に配列された複数の排出口204aが設けられている。排出口204aは、コンダクタンスプレート204の外周部がコンダクタンスプレート204の内周部を支えることができるよう、不連続に形成されている。
一方、支持台203の外周部には、ロワープレート205が係止している。ロワープレート205は、リング状の凹部205bと、凹部205bの内側上部に一体的に設けられたフランジ部205aとを備えている。凹部205bは、支持台203の外周部と、処理室201の内壁側面との隙間を塞ぐように設けられている。凹部205bの底部のうち排気口260付近の一部には、凹部205b内から排気口260側へガスを排出(流通)させるプレート排気口205cが設けられている。フランジ部205aは、支持台203の上部外周縁上に係止する係止部として機能する。フランジ部205aが支持台203の上部外周縁上に係止することにより、ロワープレート205が、支持台203の昇降に伴い、支持台203と共に昇降されるようになっている。
支持台203がウエハ処理位置まで上昇したとき、ロワープレート205もウエハ処理位置まで上昇する。その結果、ウエハ処理位置近傍に保持されているコンダクタンスプレート204が、ロワープレート205の凹部205bの上面部分を塞ぎ、凹部205bの内部をガス流路領域とする排気ダクト259が形成されることとなる。なお、このとき、排気ダクト259(コンダクタンスプレート204及びロワープレート205)及び支持台203によって、処理室201内が、排気ダクト259よりも上方の処理室201上部と、排気ダクト259よりも下方の処理室201下部と、に仕切られることとなる。なお、コンダクタンスプレート204およびロワープレート205は、排気ダクト259の内壁に堆積する反応生成物をエッチングする場合(セルフクリーニングする場合)を考慮して、高温保持が可能な材料、例えば、耐高温高負荷用石英で構成することが好ましい。
ここで、ウエハ処理時における処理室201内のガスの流れについて説明する。
まず、原料ガス供給口210aからシャワーヘッド240の上部へと供給された原料ガスは、第1バッファ空間(分散室)240cを経て分散板240aの複数の通気孔から第2バッファ空間240dへと入り、さらにシャワー板240bの複数の通気孔を通過して処理室201内に供給される。また、反応ガス供給口210bから供給された反応ガスは、シャワー板240bの下方側から、つまり、シャワーヘッド240を介さずに処理室201内に供給される。すなわち、原料ガス供給口210aから供給される原料ガスと、反応ガス供給口210bから供給される反応ガスとは、別々に処理室201内へ供給されることとなる。なお、原料ガスと反応ガスとが処理室201内に同時に供給される場合は、原料ガスと反応ガスとは、事前に混合されることなく処理室201内で初めて混合されることとなる。
原料ガスと反応ガスは、それぞれウエハ200上に均一に供給され、ウエハ200の径方向外側に向かって放射状に流れる。そして、ウエハ200に接触した後の余剰なガスは、ウエハ200外周部に位置する排気ダクト259上、すなわち、コンダクタンスプレート204上を、ウエハ200の径方向外側に向かって放射状に流れ、コンダクタンスプレート204に設けられた排出口204aから、排気ダクト259内のガス流路領域内(凹部205b内)へと排出される。その後、ガスは排気ダクト259内を流れ、プレート排気口205cを経由して排気口260へと排気される。このようにガスを流すことで、処理室201下部、すなわち、支持台203の裏面や処理室201の底面側へのガスの回り込みが抑制される。
続いて、上述した原料ガス供給口210a、反応ガス供給口210bに接続されるガス供給系の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態にかかる基板処理装置40の有するガス供給系(ガス供給ライン)の構成図である。
本実施形態にかかる基板処理装置40の有するガス供給系は、常温常圧下で液体状態である液体原料を気化する気化部としてのバブラ220a,220b,220cと、バブラ220a,220b,220cにて液体原料を気化させて生成した各原料ガスを処理室201内に供給する原料ガス供給系と、処理室201内に反応ガスを供給する反応ガス供給系と、処理室201内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給系と、を有している。さらに、基板処理装置40は、バブラ220a,220b,220cからの原料ガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスするよう排気するベント(バイパス)系を有している。以下に、各部の構成について説明する。
(バブラ)
処理室201の外部には、液体原料を収容する原料容器としてのバブラ220a,220b,220cが設けられている。バブラ220a,220b,220cは、内部に液体原料を収容(充填)可能なタンク(密閉容器)として構成されており、また、液体原料をバブリングにより気化させて原料ガスを生成させる気化部としても構成されている。なお、バブラ220a,220b,220cの周りには、バブラ220a,220b,220cおよび内部の液体原料を加熱するサブヒータ206aが設けられている。
バブラ220a,220b,220cには、それぞれ異なる所定元素を含む原料が収容されている。なお、ここでいう所定元素とは、金属元素、半金属元素および半導体元素のうち少なくともいずれかの元素を含む。本実施形態においては、バブラ220aには、第1の所定元素を含む第1の原料として、例えば、ゲルマニウム(Ge)を含むゲルマニウム原料(Ge原料)が収容されている。また、バブラ220bには、第2の所定元素を含む第2の原料として、例えば、アンチモン(Sb)を含むアンチモン原料(Sb原料)が収容されている。また、バブラ220cには、第3の所定元素を含む第3の原料として、例えば、テルル(Te)を含むテルル原料(Te原料)が収容されている。なお、ここで用いるGe原料、Sb原料、Te原料は、それぞれ常温常圧下で液体状態である。なお、本明細書において「原料」という言葉を用いた場合は、「液体状態である液体原料」を意味する場合、「液体原料を気化した原料ガス」を意味する場合、または、その両方を意味する場合がある。
バブラ220a,220b,220cには、それぞれ、キャリアガス供給管237a,237b,237cが接続されている。キャリアガス供給管237a,237b,237cの上流側端部には、それぞれ、図示しないキャリアガス供給源が接続されている。また、キャリアガス供給管237a,237b,237cの下流側端部は、それぞれ、バブラ220a,220b,220c内に収容した液体原料内に浸されている。
キャリアガス供給管237aには、キャリアガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222aと、キャリアガスの供給を制御するバルブva1,va2とが設けられている。また、キャリアガス供給管237bには、キャリアガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222bと、キャリアガスの供給を制御するバルブvb1,vb2とが設けられている。また、キャリアガス供給管237cには、キャリアガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222cと、キャリアガスの供給を制御するバルブvc1,vc2とが設けられている。
なお、キャリアガスとしては、液体原料とは反応しないガスを用いることが好ましく、例えばNガスやArガスやHeガス等の不活性ガスが好適に用いられる。主に、キャリアガス供給管237a,237b,237c、MFC222a,222b,222c、バルブva1,va2,vb1,vb2,vc1,vc2により、キャリアガス供給系(キャリアガス供給ライン)が構成される。
上記構成により、バルブva1,va2を開き、キャリアガス供給管237aからMFC222aで流量制御されたキャリアガスをバブラ220a内に供給することにより、バブラ220a内部に収容された液体原料(Ge原料)をバブリングにより気化させて、第1の所定元素を含む第1の原料ガス、すなわち、Geを含むGe原料ガス(Ge含有ガス)を生成させることが可能となる。
また、バルブvb1,vb2を開き、キャリアガス供給管237bからMFC222bで流量制御されたキャリアガスをバブラ220b内に供給することにより、バブラ220b内部に収容された液体原料(Sb原料)をバブリングにより気化させて、第2の所定元素を含む第2の原料ガス、すなわち、Sbを含むSb原料ガス(Sb含有ガス)を生成させることが可能となる。
また、バルブvc1,vc2を開き、キャリアガス供給管237cからMFC222cで流量制御されたキャリアガスをバブラ220c内に供給することにより、バブラ220c内部に収容された液体原料(Te原料)をバブリングにより気化させて、第3の所定元素を含む第3の原料ガス、すなわち、Teを含むTe原料ガス(Te含有ガス)を生成させることが可能となる。
なお、後述するように、ウエハ200上に形成する膜の平坦性を向上させるには、成膜に用いる原料ガスとして、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するガスを用いるのが好ましい。ここでリガンドとは、所定元素と結合する物質であって、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)および窒素(N)のうち少なくともいずれかの元素を含む物質をいう。また、1つの所定元素に複数のリガンドが結合している場合、これら複数のリガンドは全て同種の物質であってもよく、また、互いに異種の物質であってもよい。
所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを生成するには、バブラ220a,220b,220c内に収容する原料として、原料に含まれる所定元素に結合するリガンドの数が3以下であるような原料を選択することが好ましく、さらには、各種原料に含まれる所定元素に結合するリガンドの数が2以下であるような原料を選択することがより好ましい。
仮に、所定元素に結合するリガンドの数が3を超えていると、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されにくくなる。図14の(a)は、その組成式中(1分子中)におけるリガンド(R)の数が4であるGe原料の分子構造式を示す図であり、(b)は、その分子モデルを示す図であり、(c)は組成式中におけるリガンドの数が4であるGe原料の一例として、ターシャリーブチルゲルマン(Ge(t−C)H、略称:TBGe)の分子構造式を示す図である。図14に示されているように、その組成式中(1分子中)におけるリガンド(R)の数が4であると、所定元素(Ge)と、該Geと結合する4つのリガンド(R)のうち3つのリガンド(R)と、がたとえ同一平面上に配置されていたとしても(たとえ図中x−y平面上に配置されていたとしても)、残りの1つのリガンド(R)が立体的に配置され易くなる(図中y−z平面上等に配置され易くなる)。すなわち、所定元素に結合するリガンドの数が3を超えていると、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が立体的に配置されてなる立体構造を有する傾向が強くなる。このような原料を選択した場合、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを生成することは困難となる。
これに対し、所定元素に結合するリガンドの数が3であると、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置され易くなる。図13(a)は、その組成式中(1分子中)におけるリガンド(R)の数が3であるGe原料の分子構造式を示す図であり、(b)は、その分子モデルを示す図である。図13に示されているように、その組成式中(1分子中)におけるリガンド(R)の数が3であると、所定元素(Ge)と、該Geと結合する3つのリガンド(R)と、が同一平面上(図中x−y平面上)に配置され易くなる。すなわち、所定元素に結合するリガンドの数が3であると、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる平面構造を有する傾向が強くなる。このような原料を選択した場合、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを生成することが容易となる。
また、所定元素に結合するリガンドの数が2以下であると、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が常に同一平面上に配置されることとなる。図12(a)および(b)は、その組成式中(1分子中)におけるリガンド(R)の数が2であるGe原料の分子構造式を示す図であり、(c)は、その分子モデルを示す図である。図12に示されているように、その組成式中(1分子中)におけるリガンド(R)の数が2であると、所定元素(Ge)と、該Geと結合する2つのリガンド(R)と、が常に同一平面上(図中x−y平面上)に配置されることとなる。すなわち、所定元素に結合するリガンドの数が2以下である原料を選択した場合、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを、常に生成することができるようになる。
なお、原料に含まれる所定元素の原子価が4以上である場合において、所定元素に結合するリガンドの数を3以下とするには、所定元素とリガンドとの結合が二重結合以上の結合を含むような原料、すなわち、所定元素とリガンドとの結合が二重結合または三重結合もしくはそれ以上の結合を含むような原料を選択することが好ましい。
例えば、Geのように原子価が4であるような元素を所定元素として含む原料を用いる場合、所定元素に結合するリガンドの数を3以下とするには、所定元素とリガンドとの結合が二重結合、または三重結合、もしくはそれ以上の結合を含むような原料を選択することが好ましい。
具体的には、Geのように原子価が4である所定元素に結合するリガンドの数が3となるようにするには、図13(a)に示されているように、所定元素(Ge)と1つのリガンド(R)とが二重結合によって結合され、所定元素(Ge)と残りの2つのリガンド(R)とがそれぞれ一重結合によって結合されているような原料(Ge原料)を選択することが好ましい。このような原料を選択した場合、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを生成することが容易となる。
また、Geのように原子価が4である所定元素に結合するリガンドの数が2となるようにするには、図12(a)に示されているように、所定元素(Ge)と2つのリガンド(R)とがそれぞれ二重結合によって結合されているような原料(Ge原料)を選択したり、図12(b)に示されているように、所定元素(Ge)と2つのリガンド(R)とがそれぞれ一重結合と三重結合とによって結合されているような原料(Ge原料)を選択したりすることが好ましい。このような原料を選択した場合、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを、常に生成することができるようになる。
また、例えば、Sbのように原子価が3であるような元素を所定元素として含む原料を用いる場合、所定元素に結合するリガンドの数は常に3以下となる。つまり、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスが生成され易くなる。なお、所定元素に結合するリガンドの数が2となるようにするには、所定元素とリガンドとの結合が二重結合を含むような原料を選択することが好ましい。すなわち、所定元素と2つのリガンドとのうちいずれかが二重結合によって結合され、残りが一重結合によって結合されているような原料を選択することが好ましい。このような原料を選択した場合、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスが、常に生成されるようになる。
また、例えば、Teのように原子価が2であるような元素を所定元素として含む原料を用いる場合、所定元素に結合するリガンドの数は常に2以下となる。このような原料を選択した場合、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスが、常に生成されるようになる。
なお、その組成式中(1分子中)におけるリガンドの数が3である原料の分子構造は、図13(b)に示したように、各リガンド(R)が所定元素(Ge)を中心として均等に配置されており、所定元素(Ge)と各リガンド(R)とを結ぶ直線同士がなす角度が略120°となっている形態が一例として考えられるが、本実施形態で用いることの出来る原料は係る形態に限定されない。すなわち、各リガンドが所定元素を中心として非均等に配置されており、所定元素と各リガンドとを結ぶ直線同士がなす角度が120°とは大きく異なる場合であっても、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されている限り、原料として好適に用いることができる。
また、その組成式中(1分子中)におけるリガンドの数が2である原料の分子構造は、図12(b)に示したように、各リガンド(R)が所定元素(Ge)を中心として一直線上に配置されており、所定元素(Ge)と各リガンド(R)とを結ぶ直線同士がなす角度が略180°となっている形態が一例として考えられるが、本実施形態で用いることの出来る原料は係る形態に限定されない。すなわち、各リガンドが所定元素を中心として一直線上に配置されておらず、所定元素と各リガンドとを結ぶ直線同士がなす角度が180°とは大きく異なる場合(一方のリガンド、所定元素、他方のリガンドを順に結んだ線が所定元素の位置で屈曲している場合)であっても、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されている限り、原料として好適に用いることができる。
(原料ガス供給系)
バブラ220a,220b,220cには、それぞれ、バブラ220a,220b,220c内で生成された各原料ガスを処理室201内に供給する原料ガス供給管213a,213b,213cが接続されている。原料ガス供給管213a,213b,213cの上流側端部は、それぞれ、バブラ220a,220b,220cの上部に存在する空間に連通している。原料ガス供給管213a,213b,213cの下流側端部は、原料ガス供給口210aに合流するように接続されている。
原料ガス供給管213aには、上流側から順にバルブva5,va3が設けられている。バルブva5は、バブラ220aから原料ガス供給管213a内への第1の原料ガスの供給を制御するバルブであり、バブラ220aの近傍に設けられている。バルブva3は、原料ガス供給管213aから処理室201内への第1の原料ガスの供給を制御するバルブであり、原料ガス供給口210aの近傍に設けられている。
また、原料ガス供給管213bには、上流側から順にバルブvb5,vb3が設けられている。バルブvb5は、バブラ220bから原料ガス供給管213b内への第2の原料ガスの供給を制御するバルブであり、バブラ220bの近傍に設けられている。バルブvb3は、原料ガス供給管213bから処理室201内への第2の原料ガスの供給を制御するバルブであり、原料ガス供給口210aの近傍に設けられている。
また、原料ガス供給管213cには、上流側から順にバルブvc5,vc3が設けられている。バルブvc5は、バブラ220cから原料ガス供給管213c内への第3の原料ガスの供給を制御するバルブであり、バブラ220cの近傍に設けられている。バルブvc3は、原料ガス供給管213cから処理室201内への第3の原料ガスの供給を制御するバルブであり、原料ガス供給口210aの近傍に設けられている。
バルブva3,vb3,vc3と後述するバルブve3は、例えば高耐久高速ガスバルブとして構成されている。高耐久高速ガスバルブは、短時間で素早くガス供給の切り替えおよびガス排気ができるように構成された集積バルブである。なお、バルブve3は、原料ガス供給管213a,213b,213cのバルブva3,vb3,vb3と原料ガス供給口210aとの間の空間を高速にパージしたのち、処理室201内をパージする不活性ガスの供給を制御するバルブである。
上記構成により、バブラ220aにて液体原料を気化させて第1の原料ガスを発生させるとともに、バルブva5,va3を開くことにより、原料ガス供給管213aから処理室201内へ第1の原料ガスを供給することが可能となる。主に、原料ガス供給管213a、バルブva5,va3により、第1の原料ガス供給系(第1の原料ガス供給ライン)としてのGe原料ガス供給系(Ge含有ガス供給系)が構成される。
また、バブラ220bにて液体原料を気化させて第2の原料ガスを発生させるとともに、バルブvb5,vb3を開くことにより、原料ガス供給管213bから処理室201内へ第2の原料ガスを供給することが可能となる。主に、原料ガス供給管213b、バルブvb5,vb3により、第2の原料ガス供給系(第2の原料ガス供給ライン)としてのSb原料ガス供給系(Sb含有ガス供給系)が構成される。
また、バブラ220cにて液体原料を気化させて第3の原料ガスを発生させるとともに、バルブvc5,vc3を開くことにより、原料ガス供給管213cから処理室201内へ第3の原料ガスを供給することが可能となる。主に、原料ガス供給管213c、バルブvc5,vc3により、第3の原料ガス供給系(第3の原料ガス供給ライン)としてのTe原料ガス供給系(Te含有ガス供給系)が構成される。
そして、主に、第1〜第3の原料ガス供給系(第1〜第3の原料ガス供給ライン)により、原料ガス供給系(原料ガス供給ライン)が構成される。また、主に、キャリアガス供給系、バブラ220a,220b,220c、原料ガス供給系により、原料供給系(原料供給ライン)が構成される。
(反応ガス供給系)
また、処理室201の外部には、触媒作用により上述の原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する反応ガス供給源220dが設けられている。反応ガス供給源220dには、反応ガス供給管213dの上流側端部が接続されている。反応ガス供給管213dの下流側端部は、バルブvd3を介して反応ガス供給口210bに接続されている。反応ガス供給管213dには、反応ガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222dと、反応ガスの供給を制御するバルブvd1,vd2,vd3とが設けられている。反応ガスとしては、例えばアンモニア(NH)ガスが用いられる。主に、反応ガス供給管213d、MFC222d、バルブvd1,vd2,vd3により、反応ガス供給系(反応ガス供給ライン)としてのNHガス供給系(NHガス供給ライン)が構成される。なお、反応ガス供給源220dを反応ガス供給系に含めて考えてもよい。反応ガス供給系(反応ガス供給ライン)は、還元ガス供給系(還元ガス供給ライン)と称することもでき、水素含有ガス供給系(水素含有ガス供給ライン)と称することもできる。
(不活性ガス供給系)
また、処理室201の外部には、パージガスである不活性ガスを供給する不活性ガス供給源220e,220fが設けられている。不活性ガス供給源220e,220fには、それぞれ、不活性ガス供給管213e,213fの上流側端部が接続されている。不活性ガス供給管213eの下流側端部は、バルブve3を介して原料ガス供給口210aに接続されている。不活性ガス供給管213fの下流側端部は、バルブvf3を介して反応ガス供給口210bに接続されている。不活性ガス供給管213eには、不活性ガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222eと、不活性ガスの供給を制御するバルブve1,ve2,ve3が設けられている。不活性ガス供給管213fには、不活性ガスの供給流量を制御する流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)222fと、不活性ガスの供給を制御するバルブvf1,vf2,vf3が設けられている。
不活性ガスとしては、例えば、Nガスや、ArガスやHeガス等の希ガスが用いられる。主に、不活性ガス供給管213e,213f、MFC222e,222f、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3により、パージガス供給系(パージガス供給ライン)としての不活性ガス供給系(不活性ガス供給ライン)が構成される。なお、不活性ガス供給源220e,220fを不活性ガス供給系に含めて考えてもよい。不活性ガス供給系から供給する不活性ガスは、処理室201内への原料ガスや反応ガスの供給や拡散を促すキャリアガスとしても作用し、また、処理室201内における原料ガスや反応ガスの濃度や分圧を調整する希釈ガスとしても作用する。
(ベント(バイパス)系)
また、原料ガス供給管213a,213b,213cのバルブva3,vb3,vc3よりも上流側には、それぞれ、ベント管215a,215b,215cの上流側端部が接続されている。また、ベント管215a,215b,215cの下流側端部は、それぞれ、排気管261のAPCバルブ262よりも下流側であって原料回収トラップ263よりも上流側に接続されている。ベント管215a,215b,215cには、それぞれ、ガスの流通を制御するバルブva4,vb4,vc4が設けられている。
上記構成により、バルブva3を閉じ、バルブva4を開くことで、原料ガス供給管213a内を流れる第1の原料ガスを、処理室201内に供給することなく、ベント管215aを介して処理室201を迂回(バイパス)させ、排気管261より排気することが可能となる。また、バルブvb3を閉じ、バルブvb4を開くことで、原料ガス供給管213b内を流れる第2の原料ガスを、処理室201内に供給することなく、ベント管215bを介して処理室201をバイパスさせ、排気管261より排気することが可能となる。また、バルブvc3を閉じ、バルブvc4を開くことで、原料ガス供給管213c内を流れる第3の原料ガスを、処理室201内に供給することなく、ベント管215cを介して処理室201をバイパスさせ、排気管261より排気することが可能となる。
主に、ベント管215a,215b,215c、バルブva4,vb4,vc4により、ベント系(ベントライン)が構成される。
なお、バブラ220a,220b,220cの周りにはサブヒータ206aが設けられることは上述した通りだが、この他、キャリアガス供給管237a,237b,237c、原料ガス供給管213a,213b,213c、不活性ガス供給管213eの少なくとも一部、ベント管215a,215b,215c、排気管261、処理容器202、シャワーヘッド240等の周囲にもサブヒータ206aが設けられている。サブヒータ206aは、これらの部材を例えば100℃以下の温度に加熱することで、これらの部材内部での原料ガスの再液化を防止するように構成されている。
(制御部)
図4に示されているように、制御部(制御手段)であるコントローラ280は、CPU(Central Processing Unit)280a、RAM(Random Access Memory)280b、記憶装置280c、I/Oポート280dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM280b、記憶装置280c、I/Oポート280dは、内部バス280eを介して、CPU280aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ280には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置281が接続されている。
記憶装置280cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置280c内には、基板処理装置40の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件などが記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。なお、プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ280に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。なお、本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、RAM280bは、CPU280aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
I/Oポート280dは、上述の、マスフローコントローラ222a,222b,222c,222d,222e,222f、バルブva1〜va5,vb1〜vb5,vc1〜vc5,vd1〜vd3,ve1〜ve3,vf1〜vf3、温度センサ206b、ヒータ206、サブヒータ206a、圧力センサ265、APCバルブ262、真空ポンプ264、ゲートバルブ44、昇降機構207b、負圧移載機13等に接続されている。
CPU280aは、記憶装置280cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置281からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置280cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。そして、CPU280aは、読み出したプロセスレシピの内容に沿うように、マスフローコントローラ222a,222b,222c,222d,222e,222fによる各種ガスの流量調整動作、バルブva1〜va5,vb1〜vb5,vc1〜vc5,vd1〜vd3,ve1〜ve3,vf1〜vf3の開閉動作、APCバルブ262の開閉動作及び圧力センサ265に基づくAPCバルブ262による圧力調整動作、真空ポンプ264の起動および停止、温度センサ206bに基づくヒータ206の温度調整動作、サブヒータ206aの温度調整動作、ゲートバルブ44の開閉動作、昇降機構207bの昇降動作、負圧移載機13の移載動作等を制御するように構成されている。
なお、コントローラ280は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)282を用意し、係る外部記憶装置282を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係るコントローラ280を構成することができる。なお、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置282を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置282を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。なお、記憶装置280cや外部記憶装置282は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。なお、本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置280c単体のみを含む場合、外部記憶装置282単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。
(2)基板処理工程
次に、上述の基板処理装置を用い、半導体装置の製造工程の一工程として、基板上に所定元素を含む膜を形成する基板処理工程について説明する。
本実施形態の成膜シーケンスでは、基板に対して、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを供給する工程と、基板に対して、原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する工程と、を含むサイクルを所定回数行うことで、基板上に、所定元素を含む膜を形成する。
以下に、本実施形態の成膜シーケンスについて具体的に説明する。なお、ここでは、
処理室201内のウエハ200に対して、原料ガスとして、所定元素としてのGeと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するGe原料ガスを供給する工程と、
処理室201内のウエハ200に対して、Ge原料ガスの分解を促進させる反応ガスとしてNHガスを供給する工程と、
を交互に所定回数(1回以上)行うことで、ウエハ200上に、Geを含む膜としてゲルマニウム膜(Ge膜)を形成する例について説明する。
図5(a)は、本実施形態に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図であり、図15は、本実施形態に係るGe膜の成膜メカニズムを示す図である。
なお、本明細書において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのもの」を意味する場合や、「ウエハとその表面に形成された所定の層や膜等との積層体(集合体)」を意味する場合(すなわち、表面に形成された所定の層や膜等を含めてウエハと称する場合)がある。また、本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)」を意味する場合や、「ウエハ上に形成された所定の層や膜等の表面、すなわち、積層体としてのウエハの最表面」を意味する場合がある。
従って、本明細書において「ウエハに対して所定のガスを供給する」と記載した場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)に対して所定のガスを直接供給する」ことを意味する場合や、「ウエハ上に形成されている層や膜等に対して、すなわち、積層体としてのウエハの最表面に対して所定のガスを供給する」ことを意味する場合がある。また、本明細書において「ウエハ上に所定の層(又は膜)を形成する」と記載した場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)上に所定の層(又は膜)を直接形成する」ことを意味する場合や、「ウエハ上に形成されている層や膜等の上、すなわち、積層体としてのウエハの最表面の上に所定の層(又は膜)を形成する」ことを意味する場合がある。
なお、本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同様であり、その場合、上記説明において、「ウエハ」を「基板」に置き換えて考えればよい。
〔基板搬入工程、基板載置工程〕
昇降機構207bを作動させ、支持台203を、図3に示すウエハ搬送位置まで下降させる。そして、ゲートバルブ44を開き、処理室201と負圧移載室11とを連通させる。そして、上述のように負圧移載機13により負圧移載室11内から処理室201内へウエハ200を搬送アーム13aで支持した状態でロードする。処理室201内に搬入されたウエハ200は、支持台203の上面から突出しているリフトピン208b上に一時的に載置される。負圧移載機13の搬送アーム13aが処理室201内から負圧移載室11内へ戻ると、ゲートバルブ44が閉じられる。
続いて、昇降機構207bを作動させ、支持台203を、図2に示すウエハ処理位置まで上昇させる。その結果、リフトピン208bは支持台203の上面から埋没し、ウエハ200は、支持台203上面のサセプタ217上に載置される。
〔圧力調整工程、温度調整工程〕
続いて、処理室201内の圧力が所定の処理圧力(真空度)となるように真空ポンプ264によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は圧力センサ265で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ262がフィードバック制御される(圧力調整)。なお、真空ポンプ264は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は常時作動させた状態を維持する。
また、ウエハ200の表面温度が所定の処理温度となるようにヒータ206によって加熱される。この際、ウエハ200の表面が所望の温度分布となるように、温度センサ206bが検出した温度情報に基づきヒータ206への通電具合がフィードバック制御される(温度調整)。なお、ヒータ206によるウエハ200の加熱は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
なお、基板搬入工程〜温度調整工程および後述する基板搬出工程においては、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブva3,vb3,vc3,vd3を閉じ、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3を開くことで、処理室201内にNガスを常に流しておく。これにより、ウエハ200上へのパーティクルの付着を抑制することが可能となる。
また、基板搬入工程〜温度調整工程と並行して、第1の液体原料(Ge原料)を気化させた第1の原料ガス(Ge原料ガス)、すなわち、所定元素としてのGeと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを生成(予備気化)させておく。すなわち、バルブva1,va2,va5を開き、キャリアガス供給管237aからMFC222aで流量制御されたキャリアガスをバブラ220a内に供給することにより、バブラ220a内部に収容された原料をバブリングにより気化させてGe原料ガスを生成させておく(Ge原料の予備気化)。
この予備気化工程では、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブva3を閉じたまま、バルブva4を開くことにより、Ge原料ガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスして排気しておく。バブラ220aにてGe原料ガスを安定して生成させるには所定の時間を要する。このため、本実施形態では、Ge原料ガスを予め生成させておき、バルブva3,va4の開閉を切り替えることにより、Ge原料ガスの流路を切り替える。その結果、バルブの切り替えにより、処理室201内へのGe原料ガスの安定した供給を迅速に開始あるいは停止できるようになり、好ましい。
〔成膜工程〕
その後、次の2つのステップ、すなわち、ステップ1a,2aを順次実行する。
[ステップ1a]
(Ge原料ガス供給)
バルブva4を閉じ、va3を開いて、処理室201内へのGe原料ガスの供給を開始する。原料ガス供給口210aからシャワーヘッド240の上部へと供給されたGe原料ガスは、第1バッファ空間(分散室)240cを経て分散板240aの複数の通気孔から第2バッファ空間240dへと入り、さらにシャワー板240bの複数の通気孔を通過して処理室201内に供給され、加熱されたウエハ200に対して供給される。なお、処理室201内へのGe原料ガスの供給時には、処理室201内におけるGe原料ガスの拡散を促すように、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとし、処理室201内にNガスを常に流しておくことが好ましい。
加熱されたウエハ200に対してGe原料ガスを供給することにより、Ge原料ガスの少なくとも一部が熱分解(自己分解)する。そして、Ge原料ガスに含まれるゲルマニウム(Ge)がウエハ200上に吸着、堆積することで、ウエハ200(最表面の下地膜)上に、例えば1原子層未満から数原子層程度の厚さのゲルマニウム層(Ge層)が形成される。
なお、本実施形態では、Ge原料ガスとして、Geと、該Geに結合するリガンド(R)と、が同一平面上に配置されてなる構造を有するガスを用いることとしている。これにより、ウエハ200上に形成するGe層の平坦性、すなわち、後述するGe膜の平坦性を向上させることができるようになる。以下に、この理由について図15を参照しながら説明する。図15は、その組成式中(1分子中)におけるリガンド(R)の数が3であり、Geと、該Geと結合する3つのリガンド(R)と、が同一平面上に配置されてなる構造を有するGe原料ガスを用いた場合におけるGe膜の成膜メカニズムを示す図であり、ウエハ200表面を斜め上方から見下ろした図である。
上述したように、加熱されたウエハ200に対してGe原料ガスを供給すると、Ge原料ガスの少なくとも一部が熱分解する。すなわち、図15(a)に示されているように、Ge原料ガスに含まれるGeと、該Geと結合していたリガンド(R)の少なくとも一部と、の結合が切れ、その少なくとも一部のリガンド(R)が、Geから分離することとなる。そして、ウエハ200上には、少なくとも一部のリガンド(R)が分離することで未結合手(ダングリングボンド)を有することとなったGeが、吸着、堆積することとなる。そして、図15(b)に示されているように、この未結合手を有することとなったGeのリガンド(R)が分離した位置に、他のGe、すなわち、ステップ1aで供給されたGe含有ガスに含まれ、リガンド(R)が分離することで未結合手を有することとなったGeが結合する(Ge−Ge結合が形成される)こととなる。上述したように、本実施形態で用いるGe原料ガスは、Geと、該Geに結合するリガンド(R)と、が同一平面上に配置されてなる平面構造を有している。従って、Geのリガンド(R)が分離した位置に、新たにやってきた他のGeが、Ge原料ガスが有していた上述の平面構造を維持しながら結合することで、Ge−Ge結合の形成は、主として平面方向、すなわち、ウエハ200の表面に平行な方向に進行していくこととなる。そして、この平面方向へのGe−Ge結合の形成が繰り返し行われることで、図15(c)に示されているように、ウエハ200上には、凹凸が少なく、平坦性の高いGe層が形成されることとなる。すなわち、ウエハ200上に形成される後述するGe膜の平坦性が向上することとなる。
参考までに、Ge原料ガスとして、その組成式中(1分子中)におけるリガンド(R)の数が4であるガス、つまり、Geと、該Geに結合するリガンド(R)と、が立体的に配置されてなる立体構造を有するガスを用いた場合のGe膜の成膜メカニズムを図16に示す。図16は、ウエハ表面を斜め上方から見下ろした図である。図16(a)は、Geと少なくとも一部のリガンド(R)との結合が切れ、その少なくとも一部のリガンド(R)がGeから分離する様子を、図16(b)は、Geのリガンド(R)が分離した位置に新たにGeが結合した様子を、図16(c)は、これらを繰り返すことで立体方向にもGe−Ge結合の形成が進行する様子を示している。図16に示されているように、Ge原料ガスとして、Geと、該Geに結合するリガンド(R)と、が立体的に配置されてなる立体構造を有するガスを用いた場合、ウエハ200上でのGe−Ge結合の形成は、平面方向だけでなく、立体方向にも進行することとなる。そのため、ウエハ200上には、凹凸が大きく、平坦性の低いGe層が形成され易くなる。すなわち、ウエハ200上に形成するGe膜の平坦性が低下し易くなる。
なお、ステップ1aで形成されるGe層中には、Geと分離することなく結合状態を維持しているリガンドが含まれる場合もある。すなわち、Ge層を構成するGeは、リガンドとの結合が完全に切れているものの他、少なくとも一部のリガンドとの結合が切れていないものも含む。このGe層中に含まれる残留リガンドは、後述するステップ2aを行うことでGe層から除去することができる。
但し、ウエハ200上に形成されるGe層の厚さが数原子層を超えると、後述するステップ2aでのGe層からの残留リガンドの除去作用がGe層の全体に届きにくくなる。また、ウエハ200上に形成可能なGe層の厚さの最小値は1原子層未満である。よって、Ge層の厚さは1原子層未満から数原子層程度とするのが好ましい。なお、1原子層未満の厚さの層とは不連続に形成される原子層のことを意味しており、1原子層の厚さの層とは連続的に形成される原子層のことを意味している。
なお、Ge層の厚さを1原子層以下、すなわち、1原子層または1原子層未満とすることで、後述するステップ2aでのGe層からの残留リガンドの除去作用を相対的に高めることができ、ステップ2aに要する時間を短縮することができる。ステップ1aのGe層形成に要する時間を短縮することもできる。結果として、1サイクルあたりの処理時間を短縮することができ、トータルでの処理時間を短縮することも可能となる。すなわち、成膜レートを高くすることも可能となる。また、Ge層の厚さを1原子層以下とすることで、膜厚均一性の制御性を高めることも可能となる。
(残留ガス除去)
所定の厚さのGe層が形成された後、バルブva3を閉じ、バルブva4を開いて、処理室201内へのGe原料ガスの供給を停止する。このとき、排気管261のAPCバルブ262は開いたままとして、真空ポンプ264により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはGe層形成に寄与した後のGe原料ガスを処理室201内から排除する。なお、このとき、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとして、不活性ガスとしてのNガスの処理室201内への供給を維持する。Nガスはパージガスとして作用し、これにより、処理室201内に残留する未反応もしくはGe層形成に寄与した後のGe原料ガスを処理室201内から排除する効果を高めることができる。
なお、このとき、処理室201内に残留するガスを完全に排除しなくてもよく、処理室201内を完全にパージしなくてもよい。処理室201内に残留するガスが微量であれば、その後に行われるステップ2aにおいて悪影響が生じることはない。このとき処理室201内に供給するNガスの流量も大流量とする必要はなく、例えば、処理容器202(処理室201)の容積と同程度の量を供給することで、ステップ2aにおいて悪影響が生じない程度のパージを行うことができる。このように、処理室201内を完全にパージしないことで、パージ時間を短縮し、スループットを向上させることができる。また、Nガスの消費も必要最小限に抑えることが可能となる。
Ge原料ガスとしては、上述したように、Geと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するガスを用いることが好ましい。なお、Geに結合するリガンドの数は、3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。言い換えれば、Geの原子価は4であるため、Geとリガンドとの結合が二重結合、または三重結合、もしくはそれ以上の結合を含むようなガスを用いることが好ましい。不活性ガスとしては、Nガスの他、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いてもよい。
[ステップ2a]
(NHガス供給)
ステップ1aが終了し処理室201内の残留ガスを除去した後、バルブvd1,vd2,vd3を開いて、処理室201内へのNHガスの供給を開始する。反応ガス供給口210bから供給されたNHガスは、シャワー板240bの下方側から、つまり、シャワーヘッド240を介さずに処理室201内に供給され、加熱されたウエハ200に対して供給される。なお、処理室201内へのNHガスの供給時には、処理室201内におけるNHガスの拡散を促すように、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとし、処理室201内にNガスを常に流しておくことが好ましい。
加熱されたウエハ200に対してNHガスを供給することにより、ステップ1aで形成されたGe層に含まれるGe原料やその成分の分解が促されることとなる。すなわち、NHガスの触媒作用により、Ge層に含まれている残留リガンド、つまり、ステップ1aでGeと分離することなく結合状態を維持する等してGe層に含まれることとなっていた残留リガンドの、Ge層を構成するGeからの分離が促されることとなる。
Ge層を構成するGeは、残留リガンドが分離することで未結合手(ダングリングボンド)を新たに有することとなる。そして、この未結合手には、新たにやってくるGe、すなわち、次のステップ1aで供給されるGe原料ガスに含まれ、リガンドが分離することで未結合手を有することとなったGeが結合することとなる。すなわち、ステップ2aを実施することで、ウエハ200上でのGe−Ge結合の形成を促すことができ、ウエハ200上へのGe層の形成、すなわち、後述するGe膜の形成を促進することができるようになる。なお、Geのリガンドが分離した位置に、新たにやってきた他のGeが結合することで、凹凸が少なく、平坦性の高いGe層、すなわち、平坦性の高いGe膜を形成できる点は、上述した通りである。
また、Ge層を構成するGeから残留リガンドを分離させることで、Ge層を、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)および窒素(N)等の不純物の少ない層に改質させることができるようになる。つまり、Ge層から残留リガンドを除去することで、後述するGe膜中におけるC、H、OおよびN等の不純物濃度を低減させることができるようになる。
また、ステップ1aで形成したGe層に対してNHガスを供給することにより、Ge層、すなわち、Ge膜を構成する結晶粒の粒径を小さくすることができるようになる。これにより、凹凸がより少なく、平坦性のより高いGe膜を形成できるようになる。
(残留ガス除去)
Ge層から残留リガンドを除去した後、バルブvd3を閉じ、処理室201内へのNHガスの供給を停止する。このとき、排気管261のAPCバルブ262は開いたままとして、真空ポンプ264により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはGe層からの残留リガンドの除去に寄与した後のNHガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。なお、このとき、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとして、不活性ガスとしてのNガスの処理室201内への供給を維持する。Nガスはパージガスとして作用し、これにより、処理室201内に残留する未反応もしくはGe層からの残留リガンドの除去に寄与した後のNHガスや反応副生成物を処理室201内から排除する効果を高めることができる。
なお、このとき、処理室201内に残留するガスを完全に排除しなくてもよく、処理室201内を完全にパージしなくてもよい。処理室201内に残留するガスが微量であれば、その後に行われるステップ1aにおいて悪影響が生じることはない。このとき処理室201内に供給するNガスの流量も大流量とする必要はなく、例えば、処理容器202(処理室201)の容積と同程度の量を供給することで、ステップ1aにおいて悪影響が生じない程度のパージを行うことができる。このように、処理室201内を完全にパージしないことで、パージ時間を短縮し、スループットを向上させることができる。また、Nガスの消費も必要最小限に抑えることが可能となる。
なお、反応ガスとしては、アンモニア(NH)ガスの他、例えば、ヒドラジン(N)ガス、ジアゼン(N)ガス、Nガス、水素(H)ガス等の還元ガス、すなわち、水素含有ガスを用いてもよい。また、不活性ガスとしては、Nガスの他、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いてもよい。
[所定回数実施]
上述したステップ1a,2aを1サイクルとして、このサイクルを1回以上(所定回数)行うことにより、ウエハ200上に、所定膜厚のGeを含む膜(Ge膜)が形成される。なお、上述のサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。すなわち、1サイクルあたりに形成するGe層の厚さを所望の膜厚よりも小さくして、上述のサイクルを所望の膜厚になるまで複数回繰り返すのが好ましい。
なお、サイクルを複数回行う場合、少なくとも2サイクル目以降の各ステップにおいて、「ウエハ200に対して所定のガスを供給する」と記載した部分は、「ウエハ200上に形成されている層に対して、すなわち、積層体としてのウエハ200の最表面に対して所定のガスを供給する」ことを意味し、「ウエハ200上に所定の層を形成する」と記載した部分は、「ウエハ200上に形成されている層の上、すなわち、積層体としてのウエハ200の最表面の上に所定の層を形成する」ことを意味している。この点は、上述の通りである。なお、この点は、後述する各変形例、他の実施形態においても同様である。
本実施形態における成膜工程でのウエハ200の処理条件としては、
ウエハ温度:200〜400℃
処理室内圧力:50〜400Pa
Ge原料ガス流量:0.1〜100sccm
NHガス流量:50〜1000sccm
流量:0〜2000sccm
Ge原料ガス供給時間:1〜120秒、好ましくは1〜60秒
NHガス供給時間:1〜120秒、好ましくは1〜60秒
ガス供給時間(パージ時間):1〜120秒、好ましくは1〜60秒
Ge膜厚:1〜100nm
が例示される。
〔パージ及び大気圧復帰工程〕
所定膜厚のGe膜が形成された後、排気管261のAPCバルブ262は開いたままとして、真空ポンプ264により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留するガスや反応副生成物を処理室201内から排除する(残留ガス除去)。なお、このとき、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとして、不活性ガスとしてのNガスの処理室201内への供給を維持する。Nガスはパージガスとして作用し、これにより、処理室201内に残留するガスや反応副生成物を処理室201内から排除する効果を高めることができる。
〔基板搬出工程〕
その後、上述した基板搬入工程、基板載置工程に示した手順とは逆の手順により、Ge膜を形成した後のウエハ200を、処理室201内から負圧移載室11内へ搬出する。その後、ウエハ200の温度が室温になるまで、負圧移載室11に隣接する保持室内で処理後のウエハ200を保持する。なお、形成したGe膜の酸化を抑制するように、負圧移載室11内や保持室内の雰囲気は、例えば、大気圧未満の圧力雰囲気であって、かつ、Nガス等の不活性ガス雰囲気とし、酸素(O)ガスの分圧を低下させておく。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す効果のうち1つ又は複数の効果を奏する。
本実施形態によれば、ステップ1aで用いるGe原料ガスとして、Geと、該Geに結合するリガンド(R)と、が同一平面上に配置されてなる平面構造を有するガスを用いることとしている。そして、Ge原料ガスの熱分解によりGeのリガンドが分離した位置に、新たにやってきたGeが、Ge原料ガスが有していた平面構造を維持しながら結合することで、Ge−Ge結合の形成を、平面方向に進行させることができる。これにより、ウエハ200上に形成するGe層の平坦性、すなわち、Ge膜の平坦性を向上させることができるようになる。
また、本実施形態によれば、ステップ1aでGe層を形成した後、加熱されたウエハ200に対してGe原料ガスの分解を促すNHガスを供給するステップ2aを実施するようにしている。そして、NHガスの触媒作用により、Ge層に含まれている残留リガンドのGeからの分離を促進させるようにしている。その結果、Ge層を構成するGeが新たな未結合手を有することとなり、この未結合手に、新たにやってくるGeが結合することで、ウエハ200上へのGe層の形成、すなわち、Ge膜の形成が促進されるようになる。
また、本実施形態によれば、NHガスの触媒作用により、Ge層を構成するGeから残留リガンドを分離させることで、Ge層中の不純物濃度、すなわち、Ge膜中におけるC、H、OおよびN等の不純物濃度を低減させることができるようになる。
また、本実施形態によれば、ステップ1aで形成したGe層に対してNHガスを供給するステップ2aを実施することにより、Ge層、すなわち、Ge膜を構成する結晶粒の粒径を小さくすることができるようになる。これにより、凹凸がより少なく、平坦性のより高いGe膜を形成できるようになる。
(変形例)
図5(a)に示した上述の成膜シーケンスでは、Ge原料ガス供給工程とNHガス供給工程とを、それらの間に処理室201内をパージする残留ガス除去工程を挟んで交互に行うサイクルを所定回数行う例について説明したが、本実施形態は係る形態に限定されない。すなわち、図5(b)に示されているように、Ge原料ガス供給工程とNHガス供給工程とを、それらの間に処理室201内をパージする残留ガス除去工程を挟まずに交互に連続して行うサイクルを所定回数(n回)行うようにしてもよい。但し、図5(a)に示す成膜シーケンスの方が、処理室201内においてGe原料ガスとNHガスとが気相中で混合し反応してしまうことをより確実に防ぐことができ、処理室201内でのパーティクルの発生を抑制したり、処理室201内のクリーニング頻度を低減したりすることができ、好ましい。
<本発明の第2実施形態>
上述の実施形態では、1元系の膜であるGe膜を基板上に形成する例について説明したが、本発明は係る形態に限定されない。すなわち、複数種類の所定元素を含む膜、すなわち、多元系の膜を基板上に形成する場合にも、本発明は好適に適用可能である。
以下に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、ここでは、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのGeと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するGe原料ガスと、所定元素としてのSbと、該Sbに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するSb原料ガスと、所定元素としてのTeと、該Teに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するTe原料ガスと、を供給する工程と、
処理室201内のウエハ200に対して、Ge原料ガス、Sb原料ガスおよびTe原料ガスの分解をそれぞれ促進させる反応ガスとしてNHガスを供給する工程と、
を交互に所定回数(1回以上)行うことで、ウエハ200上に、Ge,Sb,Teの3つの所定元素を含む3元系の膜であるGeSbTe膜を形成する例について説明する。
図6(a)は、本実施形態に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図である。なお、以下では、Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスを総称して、単に、原料ガスとも称する。
〔基板搬入工程、載置工程〜圧力調整工程、温度調整工程〕
基板搬入工程、載置工程〜圧力調整工程、温度調整工程については、上述の第1実施形態と同様の処理手順および同様の処理条件で行う。
なお、Ge原料の予備気化工程と並行して、第2の液体原料(Sb原料)を気化させた第2の原料ガス(Sb原料ガス)、すなわち、所定元素としてのSbと、該Sbに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを生成(予備気化)させておく。すなわち、バルブvb1,vb2,vb5を開き、キャリアガス供給管237bからMFC222bで流量制御されたキャリアガスをバブラ220b内に供給することにより、バブラ220b内部に収容された原料をバブリングにより気化させてSb原料ガスを生成させておく(Sb原料の予備気化)。
また、上記と並行して、第3の液体原料(Te原料)を気化させた第3の原料ガス(Te原料ガス)、すなわち、所定元素としてのTeと、このTeに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを生成(予備気化)させておく。すなわち、バルブvc1,vc2,vc5を開き、キャリアガス供給管237cからMFC222cで流量制御されたキャリアガスをバブラ220c内に供給することにより、バブラ220c内部に収容された原料をバブリングにより気化させてTe原料ガスを生成させておく(Te原料の予備気化)。
これらの予備気化工程では、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブva3,vb3,vc3を閉じたまま、バルブva4,vb4,vc4を開くことにより、原料ガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスして排気しておく。バブラ220a,220b,220cにて原料ガスを安定して生成させるには所定の時間を要する。このため、本実施形態では、原料ガスを予め生成させておき、バルブva3,vb3,vc3と、バルブva4,vb4,vc4との開閉を切り替えることにより、原料ガスの流路を切り替える。その結果、バルブの切り替えにより、処理室201内への原料ガスの安定した供給を迅速に開始あるいは停止できるようになり、好ましい。
〔成膜工程〕
その後、次の2つのステップ、すなわち、ステップ1b,2bを順次実行する。
[ステップ1b]
(原料ガス供給)
va4,vb4,vc4を同時に閉じ、va3,vb3,vc3を同時に開いて、処理室201内へのGe原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスの供給を同時に開始する。原料ガス供給口210aからシャワーヘッド240の上部へと供給されたGe原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスは、それぞれ、第1バッファ空間(分散室)240cを経て分散板240aの複数の通気孔から第2バッファ空間240dへと入り、さらにシャワー板240bの複数の通気孔を通過して処理室201内に供給され、加熱されたウエハ200に対して供給される。なお、処理室201内へのGe原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスの供給時には、処理室201内におけるGe原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスの拡散を促すように、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとし、処理室201内にNガスを常に流しておくことが好ましい。
加熱されたウエハ200に対してGe原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスを供給することにより、Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスの少なくとも一部がそれぞれ熱分解(自己分解)する。そして、Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスに含まれるゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)がウエハ200上に吸着、堆積することで、ウエハ200(最表面の下地膜)上に、例えば1原子層未満から数原子層程度の厚さのGe,Sb,Teの3つの所定元素を含む3元系の層であるGeSbTe層が形成される。
なお、本実施形態では、Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスとして、所定元素(Ge,Sb,Te)と、該所定元素(Ge,Sb,Te)に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するガスをそれぞれ用いることとしている。これにより、ウエハ200上に形成するGeSbTe層の平坦性、すなわち、後述するGeSbTe膜の平坦性を向上させることができるようになる。この点は、第1実施形態で説明した通りである。
なお、ステップ1bで形成されるGeSbTe層中には、所定元素(Ge,Sb,Te)と分離することなく結合状態を維持しているリガンドが含まれる場合もある。すなわち、GeSbTe層を構成する所定元素(Ge,Sb,Te)は、少なくとも一部のリガンドとの結合が切れていない場合もある。このGeSbTe層中に含まれる残留リガンドは、後述するステップ2bを行うことでGeSbTe層から除去することができる。なお、後述するステップ2bでのGeSbTe層からの残留リガンドの除去作用を十分に生じさせるため、GeSbTe層の厚さを1原子層未満から数原子層程度とするのが好ましい。この点は、第1実施形態で説明した通りである。
(残留ガス除去)
所定の厚さのGeSbTe層が形成された後、バルブva3,vb3,vc3を閉じ、バルブva4,vb4,vc4を開いて、処理室201内へのGe原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスの供給を停止する。このとき、排気管261のAPCバルブ262は開いたままとして、真空ポンプ264により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはGeSbTe層形成に寄与した後のGe原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスを処理室201内から排除する。なお、このとき、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとして、不活性ガスとしてのNガスの処理室201内への供給を維持する点や、処理室201内に残留するガスを完全に排除しなくてもよく、処理室201内を完全にパージしなくてもよい。この点は、第1実施形態で説明した通りである。
なお、Sb原料ガスとしては、例えば、トリスジメチルアミノアンチモン(Sb[N(CH、略称:TDMASb)ガス、トリイソプロピルアンチモン(Sb(i−C、略称:TIPSb)ガス、トリエチルアンチモン(Sb(C、略称:TESb)ガス、ターシャリブチルジメチルアンチモン((t−C)Sb(CH、略称:TBDMSb)ガス等を用いることができる。Sbの原子価は3であるため、Sbに結合するリガンドの数は常に3以下となる。すなわち、ここに例示したSb原料ガスは、Sbと、該Sbに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有し易いガスであるといえる。
また、Te原料ガスとしては、例えば、ジターシャリーブチルテルル(Te(t−C、略称:DTBTe)ガス、ジイソプロピルテルル(Te(i−C、略称:DIPTe)ガス、ジメチルテルル(Te(CH、略称:DMTe)ガス、ジエチルテルル(Te(C、略称:DETe)ガス等を用いることができる。Teの原子価は2であるため、Teに結合するリガンドの数は常に2以下となる。すなわち、ここに例示したTe原料ガスは、Teと、該Teに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するガスであるといえる。
[ステップ2b]
(NHガス供給)
ステップ2bは、第1実施形態のステップ2aと同様の処理手順および同様の処理条件で行う。すなわち、このステップでは、加熱されたウエハ200に対して、原料ガスの分解を促すNHガスを供給する。
加熱されたウエハ200に対してNHガスを供給することにより、ステップ1bで形成されたGeSbTe層に含まれるGe原料、Sb原料、Te原料や、それらの成分の分解がそれぞれ促されることとなる。すなわち、NHガスの触媒作用により、GeSbTe層に含まれている残留リガンド、つまり、ステップ1bで所定元素(Ge,Sb,Te)と分離することなく結合状態を維持する等してGeSbTe層に含まれることとなっていた残留リガンドの、GeSbTe層を構成する所定元素(Ge,Sb,Te)からの分離がそれぞれ促されることとなる。
その結果、GeSbTe層を構成する所定元素(Ge,Sb,Te)がそれぞれ新たな未結合手を有することとなり、この未結合手に、新たにやってくる所定元素(Ge,Sb,Te)が結合することで、ウエハ200上へのGeSbTe層の形成、すなわち、後述するGeSbTe膜の形成が促進されるようになる。なお、所定元素(Ge,Sb,Te)のリガンドが分離した位置に、新たにやってきた他の所定元素(Ge,Sb,Te)が結合することで、凹凸が少なく、平坦性の高いGeSbTe層、すなわち、GeSbTe膜を形成できる点は、上述した通りである。
また、GeSbTe層を構成する所定元素(Ge,Sb,Te)から残留リガンドを分離させることで、GeSbTe層中の不純物濃度、すなわち、後述するGeSbTe膜中におけるC、H、OおよびN等の不純物濃度を低減させることができるようになる。
(残留ガス除去)
GeSbTe層から残留リガンドを除去した後、バルブvd3を閉じ、処理室201内へのNHガスの供給を停止する。このとき、排気管261のAPCバルブ262は開いたままとして、真空ポンプ264により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはGeSbTe層からの残留リガンドの除去に寄与した後のNHガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。なお、このとき、バルブve1,ve2,ve3,vf1,vf2,vf3は開いたままとして、不活性ガスとしてのNガスの処理室201内への供給を維持する点や、処理室201内に残留するガスを完全に排除しなくてもよく、処理室201内を完全にパージしなくてもよい点は、第1実施形態で説明した通りである。
[所定回数実施]
上述したステップ1b,2bを1サイクルとして、このサイクルを1回以上(所定回数)行うことにより、ウエハ200上に、所定膜厚のGe,Sb,Teを含む膜(GeSbTe膜)が形成される。なお、上述のサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。すなわち、1サイクルあたりに形成するGeSbTe層の厚さを所望の膜厚よりも小さくして、上述のサイクルを所望の膜厚になるまで複数回繰り返すのが好ましい。
本実施形態における成膜工程でのウエハ200の処理条件としては、
ウエハ温度:200〜400℃
処理室内圧力:50〜400Pa
Ge原料ガス流量:0.1〜100sccm
Sb原料ガス流量:0.1〜100sccm
Te原料ガス流量:0.1〜100sccm
NHガス流量:50〜1000sccm
流量:0〜2000sccm
Ge原料ガス供給時間:1〜120秒、好ましくは1〜60秒
Sb原料ガス供給時間:1〜120秒、好ましくは1〜60秒
Te原料ガス供給時間:1〜120秒、好ましくは1〜60秒
NHガス供給時間:1〜120秒、好ましくは1〜60秒
ガス供給時間(パージ時間):1〜120秒、好ましくは1〜60秒
GeSbTe膜厚:1〜100nm
が例示される。
〔パージ及び大気圧復帰工程〜基板搬出工程〕
パージ及び大気圧復帰工程〜基板搬出工程については、上述の第1実施形態と同様の処理手順および同様の処理条件で行う。
本実施形態においても、上述の第1実施形態と同様の効果を奏する。
すなわち、ステップ1bで用いるGe原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスとして、所定元素(Ge,Sb,Te)と、この所定元素(Ge,Sb,Te)に結合するリガンド(R)と、が同一平面上に配置されてなる平面構造を有するガスをそれぞれ用いることで、ウエハ200上に形成するGeSbTe膜の平坦性を向上させることができるようになる。なお、Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスの全てのガスが上述の平面構造を有する場合に限らず、これらのガスのうち一部のガスのみが上述の平面構造をする場合であっても、GeSbTe膜の平坦性を向上させる効果が得られる。但し、Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスの全てのガスが上述の平面構造を有するほうが、GeSbTe膜の平坦性を向上させる効果を高めることができ、好ましい。
また、ステップ1bでGeSbTe層を形成した後、加熱されたウエハ200に対してGe原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスの分解を促すNHガスを供給するステップ2bを実施することで、GeSbTe層から残留リガンド(R)を除去することができ、これにより、ウエハ200上へのGeSbTe膜の形成を促進することができ、また、GeSbTe膜中の不純物濃度を低減させることができるようになる。
(変形例)
図6(a)に示した上述の成膜シーケンスでは、原料ガス(Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガス)供給工程とNHガス供給工程とを、それらの間に処理室201内をパージする残留ガス除去工程を挟んで交互に行うサイクルを所定回数行う例について説明したが、本実施形態は係る形態に限定されない。すなわち、図6(b)に示されているように、原料ガス(Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガス)供給工程とNHガス供給工程とを、それらの間に処理室201内をパージする残留ガス除去工程を挟まずに交互に連続して行うサイクルを所定回数行うようにしてもよい。但し、図6(a)に示す成膜シーケンスの方が、処理室201内において原料ガス(Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガス)とNHガスとが気相中で混合し反応してしまうことをより確実に防ぐことができ、処理室201内でのパーティクルの発生を抑制したり、処理室201内のクリーニング頻度を低減したりすることができ、好ましい。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、図7(a)に例示するように、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのGeと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するGe原料ガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、Ge原料ガスの分解を促進させる反応ガスとしてNHガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのSbと、該Sbに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するSb原料ガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、Sb原料ガスの分解を促進させる反応ガスとしてNHガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのTeと、該Teに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するTe原料ガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、Te原料ガスの分解を促進させる反応ガスとしてNHガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
を含むサイクルを所定回数(n回)行うことで、ウエハ200上に、GeSbTe膜を形成することができる。
また、例えば、図7(b)に例示するように、上述のGe原料ガス工程と、NHガス供給工程と、Sb原料ガス供給工程と、NHガス供給工程と、Te原料ガス供給工程と、NHガス供給工程とを、それらの間に処理室201内をパージする残留ガス除去工程を挟まずに連続して行うサイクルを所定回数行うようにしてもよい。但し、図7(a)に示す成膜シーケンスの方が、処理室201内において原料ガス(Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガス)とNHガスとが気相中で混合し反応してしまうことをより確実に防ぐことができ、処理室201内でのパーティクルの発生を抑制したり、処理室201内のクリーニング頻度を低減したりすることができ、好ましい。
また、例えば、図8(a)に例示するように、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのGeと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するGe原料ガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、Ge原料ガスの分解を促進させる反応ガスとしてNHガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
を1セットとしてこのセットを所定回数(x回)行う工程と、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのSbと、該Sbに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するSb原料ガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、Sb原料ガスの分解を促進させる反応ガスとしてNHガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
を1セットとしてこのセットを所定回数(y回)行う工程と、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのTeと、該Teに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するTe原料ガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、Te原料ガスの分解を促進させる反応ガスとしてNHガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
を1セットとしてこのセットを所定回数(z回)行う工程と、
を含むサイクルを所定回数(n回)行うことで、ウエハ200上に、GeSbTe膜を形成することができる。
また、例えば、図8(b)に例示するように、上述のGe原料ガス工程と、NHガス供給工程とを、それらの間に処理室201内をパージする残留ガス除去工程を挟まずに連続して行うセットを所定回数(x回)行う工程と、上述のSb原料ガス工程と、NHガス供給工程とを、それらの間に処理室201内をパージする残留ガス除去工程を挟まずに連続して行うセットを所定回数(y回)行う工程と、上述のTe原料ガス工程と、NHガス供給工程とを、それらの間に処理室201内をパージする残留ガス除去工程を挟まずに連続して行うセットを所定回数(z回)行う工程と、を含むサイクルを所定回数(n回)行うようにしてもよい。但し、図8(a)に示す成膜シーケンスの方が、処理室201内において原料ガス(Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガス)とNHガスとが気相中で混合し反応してしまうことをより確実に防ぐことができ、処理室201内でのパーティクルの発生を抑制したり、処理室201内のクリーニング頻度を低減したりすることができ、好ましい。
なお、図8に示す成膜シーケンスによれば、各セットの実施回数(x、y、z回)を調整することで、形成するGeSbTe膜の組成、すなわち、膜中のGe,Sb,Teの組成比を制御することが可能となる。なお、図8に示す成膜シーケンスでは、各セットの実施回数(x、y、z回)をそれぞれ2回、1回、1回とし、このサイクルをn回行うことで、Geの組成比が、SbやTeの組成比よりも大きなGeSbTe膜を形成する例を示している。
また、例えば、図9(a)に例示するように、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのGeと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するGe原料ガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのSbと、該Sbに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するSb原料ガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのTeと、該Teに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するTe原料ガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、Ge原料ガス、Sb原料ガスおよびTe原料ガス)の分解をそれぞれ促進させる反応ガスとしてNHガスを供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
を含むサイクルを所定回数(n回)行うことで、ウエハ200上に、GeSbTe膜を形成することができる。
また、例えば、図9(b)に例示するように、上述のGe原料ガス工程と、Sb原料ガス供給工程と、Te原料ガス供給工程と、NHガス供給工程とを、それらの間に処理室201内をパージする残留ガス除去工程を挟まずに連続して行うサイクルを所定回数行うようにしてもよい。但し、図9(a)に示す成膜シーケンスの方が、処理室201内において原料ガス(Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガス)とNHガスとが気相中で混合し反応してしまうことをより確実に防ぐことができ、処理室201内でのパーティクルの発生を抑制したり、処理室201内のクリーニング頻度を低減したりすることができ、好ましい。
また、上述の実施形態では、原料ガス(Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガス)と反応ガス(NHガス)とを処理室201内に交互に供給する交互供給法によりGe膜やGeSbTe膜を形成する例について説明したが、本発明は係る形態に限定されない。
例えば、図10(a)に例示するように、処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのGeと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するGe原料ガスと、所定元素としてのSbと、該Sbに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するSb原料ガスと、所定元素としてのTeと、該Teに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するTe原料ガスと、原料ガス(Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガス)の分解をそれぞれ促進させる反応ガスとしてのNHガスとを同時に供給する同時供給法により、ウエハ200上に、GeSbTe膜を形成することができる。
また、例えば、図10(b)に例示するように、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのGeと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するGe原料ガスと、Ge原料ガスの分解を促進させる反応ガスとしてのNHガスとを同時に供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのSbと、該Sbに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するSb原料ガスと、Sb原料ガスの分解を促進させる反応ガスとしてのNHガスとを同時に供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのTeと、該Teに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するTe原料ガスと、Te原料ガスの分解を促進させる反応ガスとしてのNHガスとを同時に供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
を含むサイクルを所定回数(n回)行うことで、ウエハ200上に、GeSbTe膜を形成することができる。
また、例えば、図11(a)に例示するように、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのGeと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するGe原料ガスと、所定元素としてのSbと、該Sbに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するSb原料ガスと、Ge原料ガスおよびSb原料ガスの分解をそれぞれ促進させる反応ガスとしてのNHガスとを同時に供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのTeと、該Teに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するTe原料ガスと、Te原料ガスの分解を促進させる反応ガスとしてのNHガスとを同時に供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
を含むサイクルを所定回数(n回)行うことで、ウエハ200上に、GeSbTe膜を形成することができる。
また、例えば、図11(b)に例示するように、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのGeと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するGe原料ガスと、Ge原料ガスの分解を促進させる反応ガスとしてのNHガスとを同時に供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのSbと、該Sbに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するSb原料ガスと、所定元素としてのTeと、該Teに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するTe原料ガスと、Sb原料ガスおよびTe原料ガスの分解をそれぞれ促進させる反応ガスとしてのNHガスとを同時に供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
を含むサイクルを所定回数(n回)行うことで、ウエハ200上に、GeSbTe膜を形成することができる。
また、例えば、図11(c)に例示するように、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのGeと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するGe原料ガスと、所定元素としてのTeと、該Teに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するTe原料ガスと、Ge原料ガスおよびTe原料ガスの分解をそれぞれ促進させる反応ガスとしてのNHガスとを同時に供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
処理室201内のウエハ200に対して、所定元素としてのSbと、該Sbに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有するSb原料ガスと、Sb原料ガスの分解を促進させる反応ガスとしてのNHガスとを同時に供給し、その後、処理室201内をパージするステップと、
を含むサイクルを所定回数(n回)行うことで、ウエハ200上に、GeSbTe膜を形成することができる。
なお、図7〜図11に例示した成膜シーケンスにより成膜を行う場合も、上述の実施形態に記載の処理条件と同様な処理条件とすることができる。
また、上述の実施形態では、所定元素としてGeを含む膜(1元系の膜)や、所定元素としてGe、Sb、Teの3種類の元素を含む膜(3元系の膜)を形成する場合について説明したが、本発明は係る態様に限定されない。すなわち、ウエハ200上に2種類の所定元素を含む膜(2元系の膜)を形成したり、4種類以上の所定元素を含む膜(4元系以上の膜)を形成したりする場合にも、本発明は好適に適用可能である。
また、上述の実施形態では、Ge膜やGeSbTe膜といった半金属元素を含む膜を形成する場合について説明したが、本発明は係る態様に限定されず、例えば、Ge,Sb,Te以外のTi,Ta,Hf,Zr,Al等の金属元素を含む膜を形成する場合にも、本発明は好適に適用可能である。また例えば、本発明は、TiN膜、TaN膜、HfN膜、ZrN膜、AlN膜等の窒素を含む金属膜(金属窒化膜)を形成する場合にも、好適に適用できる。また例えば、これらにSi等の半導体元素を付加したシリサイド膜を形成する場合にも、本発明は好適に適用可能である。
なお、例えばTaのように原子価が5である金属元素に結合するリガンドの数が3となるようにするには、金属元素(Ta)と2つのリガンド(R)とが二重結合によって結合され、金属元素(Ta)と残りの1つのリガンド(R)とが一重結合によって結合されているような原料(Te原料)を選択したり、金属元素(Ta)と1つのリガンド(R)とが三重結合によって結合され、金属元素(Ta)と残りの2つのリガンド(R)とがそれぞれ一重結合によって結合されているような原料(Te原料)を選択したりすることが好ましい。このような原料を選択した場合、金属元素と、該金属元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを生成することが容易となる。
また、例えばTaのように原子価が5である金属元素に結合するリガンドの数が2となるようにするには、金属元素(Ta)と1つのリガンド(R)とが三重結合によって結合され、金属元素(Ta)と残りの1つのリガンド(R)とが二重結合によって結合されているような原料(Ta原料)を選択することが好ましい。このような原料を選択した場合、金属元素と、該金属元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを、常に生成することができるようになる。
また、例えばTi,Hf,Zr,Siのように原子価が4である金属元素や半導体元素に結合するリガンドの数が3となるようにするには、Geの場合と同様に、金属元素(Ti,Hf,Zr)や半導体元素(Si)と1つのリガンド(R)とが二重結合によって結合され、金属元素(Ti,Hf,Zr)や半導体元素(Si)と残りの2つのリガンド(R)とがそれぞれ一重結合によって結合されているような原料(Ti原料、Hf原料、Zr原料、Si原料)を選択することが好ましい。このような原料を選択した場合、金属元素と、該金属元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスや、半導体元素と、該半導体元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを生成することが容易となる。
また、例えばTi,Hf,Zr,Siのように原子価が4である金属元素や半導体元素に結合するリガンドの数が2となるようにするには、Geの場合と同様に、金属元素(Ti,Hf,Zr)や半導体元素(Si)と2つのリガンド(R)とがそれぞれ二重結合によって結合されているような原料(Ti原料、Hf原料、Zr原料、Si原料)を選択したり、金属元素(Ti,Hf,Zr)や半導体元素(Si)と2つのリガンド(R)とがそれぞれ一重結合と三重結合とによって結合されているような原料(Ti原料、Hf原料、Zr原料、Si原料)を選択したりすることが好ましい。このような原料を選択した場合、金属元素と、該金属元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスや、半導体元素と、該半導体元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを、常に生成することができるようになる。
また、例えばAlのように原子価が3であるような元素を金属元素として含む原料を用いる場合、Sbの場合と同様に、金属元素に結合するリガンドの数は常に3以下となる。つまり、金属元素と、該金属元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスが生成され易くなる。なお、金属元素に結合するリガンドの数が2となるようにするには、金属元素とリガンドとの結合が二重結合を含むような原料を選択することが好ましい。すなわち、金属元素と2つのリガンドとのうちいずれかが二重結合によって結合され、残りが一重結合によって結合されているような原料を選択することが好ましい。このような原料を選択した場合、金属元素と、該金属元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスが、常に生成されるようになる。
なお、これらの原料ガスを用いて金属系薄膜を形成する際、反応ガスとしては、上述の実施形態と同様なガスを用いることができる。また、このときの処理条件は、例えば上述の実施形態と同様な処理条件とすることができる。
また、上述の実施形態では、原料ガス供給口210a、反応ガス供給口210bをそれぞれ1つずつ設ける例について説明したが、このようにした場合、特に、図10や図11に例示した同時供給法を用いる成膜シーケンスにおいては、原料ガス(Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガス)と、反応ガス(NHガス)とを、シャワー板240bよりも上流側で事前に混合させないように、すなわち、シャワーヘッド240内で反応させないようにすることができ、シャワーヘッド240内におけるGeSbTe等の堆積を防ぐことが可能となる。これにより、処理室201内のパーティクルの発生を抑制したり、シャワーヘッド240のクリーニング頻度を低減したりすることが可能となる。
なお、この場合、原料ガス供給口210a、反応ガス供給口210bをそれぞれ複数設けてもよい。原料ガス供給口210aを原料ガスの種類ごとに複数設けることとした場合、原料ガス供給口210a内で複数種の原料ガスが混合して反応してしまうことを防ぐことができ、処理室201内のパーティクルの発生を抑制したり、原料ガス供給口210aのクリーニング頻度を低減したりすることが可能となる。また、反応ガス供給口210bを分散させて複数設けた場合、反応ガスを処理室201内に均一に拡散させ易くなり、所定元素を含む膜の膜厚均一性等を向上させること可能となる。
また、例えば図5〜図9に例示した交互供給法を用いる成膜シーケンスにおいては、原料ガス(Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガス)と反応ガス(NHガス)とを処理室201内に交互に供給することとし、同時には供給しないようにしているため、原料ガス供給口210aと反応ガス供給口210bとを別々に設けずに、これらを一体のガス供給口として構成するようにしてもよい。この場合、原料ガスと反応ガスとは、それぞれシャワーヘッド240を介して処理室201内に交互に供給されることとなる。
また、上述の実施形態では、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて薄膜を成膜する例について説明したが、本発明はこれに限定されず、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて薄膜を成膜する場合にも、好適に適用できる。また、上述の実施形態では、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて薄膜を成膜する例について説明したが、本発明はこれに限定されず、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて薄膜を成膜する場合にも、好適に適用できる。
また、上述の各実施形態等は、適宜組み合わせて用いることができる。
また、本発明は、例えば、既存の基板処理装置のプロセスレシピを変更することでも実現できる。プロセスレシピを変更する場合は、本発明に係るプロセスレシピを電気通信回線や当該プロセスレシピを記録した記録媒体を介して既存の基板処理装置にインストールしたり、また、既存の基板処理装置の入出力装置を操作し、そのプロセスレシピ自体を本発明に係るプロセスレシピに変更することも可能である。
実施例として、上述の実施形態における基板処理装置を用いて、上述の第1実施形態の成膜シーケンスにより、ウエハ上にGe膜を形成した。図17は本実施例に係るガス供給シーケンスを示すタイミング図である。Ge原料ガスとしては、その組成式中におけるリガンドの数が2であり、Geと各リガンドとを結ぶ直線同士がなす角度が180°であるガス、すなわち、Geと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる平面構造を有するガスを用いた。また、反応ガスとしてはNHガスを用い、不活性ガスとしてはNガスを用いた。なお、ステップ1aにおけるGe原料ガスのガス供給時間は15秒、Nガスのガス供給時間(パージ時間)は30秒とし、ステップ2aにおけるNHガスのガス供給時間は10秒、Nガスのガス供給時間(パージ時間)は30秒とした。その他の処理条件は、上述の第1実施形態に記載の処理条件範囲内の所定の値に設定した。そして、ウエハ上に形成したGe膜の膜厚とRMSラフネス(表面粗さ)とをそれぞれ測定した。なお、RMSラフネスは、その値が小さいほど、表面が平坦であることを示しており、逆にその値が大きいほど、表面が粗いことを示している。以下、RMSラフネスを、単に、RMS、或いはラフネスともいう。
また、参考例として、上述の実施形態における基板処理装置を用いて、図18に示すガス供給シーケンスにより、ウエハ上にGe膜を形成した。Ge原料ガスとしては、実施例で用いたGe原料ガスと同じ物質、すなわち、Geと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる平面構造を有するガスを用いた。また、不活性ガスとしてはNガスを用いた。反応ガスとしてのNHガスは供給しなかった。その他の処理条件は、上述の第1実施形態に記載の処理条件範囲内の所定の値に設定した。そして、ウエハ上に形成したGe膜の膜厚とRMSラフネスとをそれぞれ測定した。
その結果、参考例に係るGe膜の膜厚は1.41nmとなり、RMSは0.454nmとなったことを確認した。すなわち、Ge原料ガスとして、Geと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる平面構造を有するガスを用いることで、ウエハ上に、平坦性の高いGe膜を形成できることを確認した。
また、実施例に係るGe膜の膜厚は1.69nmとなり、RMSは0.437nmとなったことを確認した。すなわち、Ge原料ガスとして、Geと、該Geに結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる平面構造を有するガスを用いることで、ウエハ上に形成するGe膜の平坦性を向上させることができると共に、ウエハ上に形成したGe層に対してNHガスを供給するステップ2aを行うことにより、Ge膜を構成する結晶粒の粒径を小さくすることができ、Ge膜の平坦性をさらに向上させることができることを確認した。
なお、単位膜厚あたりのRMS、すなわち、RMSと膜厚との比(RMS/膜厚)を比較すると、NHガスを供給しなかった参考例ではRMS/膜厚が0.322(=0.454/1.41)となるのに対し、NHガスを供給するステップ2aを行った実施例ではRMS/膜厚が0.259(=0.437/1.69)となり、NHガスを供給することでラフネス低減の効果が得られることを確認した。すなわち、Ge層に対してNHガスを供給するステップ2aを行うことにより、20%(=(1−(0.259/0.322))×100)のラフネス改善効果が得られることを確認した。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
基板に対して、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを供給する工程と、
前記基板に対して、前記原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する工程と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素を含む膜を形成する工程を有する基板処理方法が提供される。
(付記2)
付記1の基板処理方法であって、好ましくは、
前記原料ガスの組成式中(1分子中)における前記リガンドの数が3以下である。
(付記3)
付記1の基板処理方法であって、好ましくは、
前記原料ガスの組成式中(1分子中)における前記リガンドの数が2または3である。
(付記4)
付記1の基板処理方法であって、好ましくは、
前記原料ガスの組成式中(1分子中)における前記リガンドの数が2である。
(付記5)
付記1乃至4のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記リガンドは、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)および窒素(N)のうち少なくともいずれかの元素を含む。
(付記6)
付記1乃至5のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記所定元素と前記各リガンドとを結ぶ直線同士がなす角度が略180°または略120°である。
(付記7)
付記1乃至6のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記所定元素の原子価は4価以上である。
(付記8)
付記1乃至6のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記所定元素の原子価は4価である。
(付記9)
付記1乃至8のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記所定元素と前記リガンドとの結合は、二重結合以上の結合を含む。
(付記10)
付記1乃至8のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記所定元素と前記リガンドとの結合は、二重結合または三重結合を含む。
(付記11)
付記1乃至10のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記所定元素は金属元素、半金属元素および半導体元素のうち少なくともいずれかの元素を含む。
(付記12)
付記1乃至10のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記所定元素はゲルマニウム(Ge)を含む。
(付記13)
付記1乃至11のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記原料ガスは複数の原料ガスを含み、前記複数の原料ガスは、それぞれ異なる所定元素を含む。
(付記14)
付記1乃至11のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記原料ガスは、第1の所定元素を含む第1の原料ガスと、第2の所定元素を含む第2の原料ガスとを含む。
(付記15)
付記1乃至11のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記原料ガスは、第1の所定元素を含む第1の原料ガスと、第2の所定元素を含む第2の原料ガスと、第3の所定元素を含む第3の原料ガスとを含む。
(付記16)
付記13乃至15のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記各所定元素は金属元素、半金属元素および半導体元素のうち少なくともいずれかの元素を含む。
(付記17)
付記1乃至13、15のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記原料ガスは、ゲルマニウム(Ge)を含む第1の原料ガスと、アンチモン(Sb)を含む第2の原料ガスと、テルル(Te)を含む第3の原料ガスとを含む。
(付記18)
付記1乃至17のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記反応ガスは、還元ガスを含む。
(付記19)
付記1乃至18のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記反応ガスは、水素含有ガスを含む。
(付記20)
付記1乃至19のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記反応ガスは、アンモニア(NH)ガスおよび水素(H)ガスのうち少なくとも何れかを含む。
(付記21)
付記1乃至20のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記所定元素を含む膜を形成する工程では、前記原料ガスを供給する工程と、前記反応ガスを供給する工程と、を交互に行うサイクルを所定回数行う。
(付記22)
付記1乃至21のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記所定元素を含む膜を形成する工程は、基板を処理室内に収容した状態で行われ、
前記原料ガスと前記反応ガスとは、異なる供給口より別々に前記処理室内へ供給される。
(付記23)
付記1乃至22のいずれかの基板処理方法であって、好ましくは、
前記所定元素を含む膜を形成する工程は、前記原料ガスが熱分解する条件下で行われる。
(付記24)
本発明の他の態様によれば、
基板に対して、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを供給する工程と、
前記基板に対して、前記原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する工程と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素を含む膜を形成する工程を有する半導体装置の製造方法が提供される。
(付記25)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板に対して処理が行われる処理室と、
前記処理室内にガスを供給するガス供給系と、
前記処理室内の基板に対して、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを供給する処理と、前記処理室内の前記基板に対して、前記原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する処理と、を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素を含む膜を形成する処理を行うように、前記ガス供給系を制御するよう構成される制御部と、
を有する基板処理装置が提供される。
(付記26)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板処理装置の処理室内の基板に対して、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを供給する手順と、
前記処理室内の前記基板に対して、前記原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する手順と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素を含む膜を形成する手順をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
(付記27)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板処理装置の処理室内の基板に対して、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを供給する手順と、
前記処理室内の前記基板に対して、前記原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する手順と、
を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素を含む膜を形成する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
200 ウエハ(基板)
206 ヒータ
201 処理室
202 処理容器
210a 原料ガス供給口
210b 反応ガス供給口
280 コントローラ(制御部)

Claims (3)

  1. 基板に対して、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを供給する工程と、
    前記基板に対して、前記原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する工程と、
    を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素を含む膜を形成する工程を有する基板処理方法。
  2. 基板に対して処理が行われる処理室と、
    前記処理室内にガスを供給するガス供給系と、
    前記処理室内の基板に対して、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを供給する処理と、前記処理室内の前記基板に対して、前記原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する処理と、を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素を含む膜を形成する処理を行うように、前記ガス供給系を制御するよう構成される制御部と、
    を有する基板処理装置。
  3. 基板処理装置の処理室内の基板に対して、所定元素と、該所定元素に結合するリガンドと、が同一平面上に配置されてなる構造を有する原料ガスを供給する手順と、
    前記処理室内の前記基板に対して、前記原料ガスの分解を促進させる反応ガスを供給する手順と、
    を含むサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素を含む膜を形成する手順をコンピュータに実行させるプログラム。
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