JP2015183938A - 冷却機用コンプレッサモータ制御装置 - Google Patents

冷却機用コンプレッサモータ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】IPD運転からヒステリシス制御運転への円滑的移行を実現させ得る冷却機用コンプレッサモータ制御装置を提供する。
【解決手段】上限値通過時刻の検出時刻である上限値通過時刻tx(f1a)及び上限値通過時刻まで設定されていたIPD回転数よりも低い亜定常回転数が設定される亜定常化時刻ty(f1a)は、「tx=ty(特許請求の範囲における関係式2)」を満たしている。そして、この関係を満たすタイミングで、設定回転数NがIPD回転数から亜定常回転数へ切換設定される。これによると、設定回転数は、IPD運転の状態から上限値温度Th1まで低下すると直ちに冷却速度が鈍化されるので、亜定常回転数に関する期間Δtpが十分に確保される。この期間Δtpでは、亜定常回転数がIPD回転数より十分低いので、庫内温度低下に係る応答の余剰分を吸収し、極端なオーバーシュートが回避される。
【選択図】図5

Description

本発明は、冷却機用コンプレッサモータ制御装置に関し、特に、コンプレッサモータの回転数を設定する際に用いて好適のものである。
例えば、特開2013−181702号公報(特許文献1)では、冷却期間(モータ運転期間)と放熱期間(モータ停止期間)との比率を調整させる技術が紹介されている。かかる技術は、ヒステリシス制御の一周期である冷却期間及び放熱期間を算出し、この算出結果を用いて冷却期間の比率を算出し、この比率が理想状態となるようコンプレッサモータの設定回転数を調整させている。かかる制御装置では、ヒステリシス制御の一周期に対する冷却期間を適宜に設定することで、消費電力の上昇を抑え、また、デフロスト効果を維持させる効果も齎される。
特開2013−181702号公報
しかしながら、特許文献1に係る技術では、冷却期間(モータ運転期間)と放熱期間(モータ停止期間)の双方を算出しなければ「冷却期間の比率」を算出することが出来ない。即ち、放熱期間の算出結果が算出されていなければ、冷却期間の算出結果だけでは「冷却期間の比率」を所望値へ追従させることができない。そうすると、冷凍冷蔵庫を電源投入した直後について、常温から目標温度へ急冷させる冷却期間(IPD冷却期間)での要求冷却速度を、そのまま下限値温度まで維持させてしまうと、かかる場合の庫内温度は、下限値温度から低温側へオーバーシュートしてしまい、無駄なエネルギー消費を生じさせてしまう。このような制御では、「冷却期間の比率」を考慮に入れたヒステリシス制御への円滑的な移行に資さない。
本発明は上記課題に鑑み、IPD運転からヒステリシス制御運転への円滑的移行を実現させ得る冷却機用コンプレッサモータ制御装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では次のような冷却機用コンプレッサモータ制御装置の構成とする。即ち、下限値温度まで温度低下した旨の下限値到達情報、上限値温度まで温度上昇した旨の上限値到達情報、及び、前記上限値温度よりも高い温度から温度低下して前記上限値温度に至った旨の上限値通過情報を取得するものであって、前記下限値到達情報及び前記上限値到達情報に基づいて、コンプレッサモータの停止動作と運転動作とを混成させ庫内温度をヒステリシス制御させる冷却機用コンプレッサモータ制御装置において、
前記下限値到達情報の検出時刻である下限値検出時刻をtzとし、前記上限値通過情報の検出時刻である上限値通過時刻をtxとし、前記上限値通過時刻まで設定されていたIPD回転数よりも低い亜定常回転数が設定される亜定常化時刻をtyとすると、
「関係式1:tx≦ty<tz」を満たすタイミングで、前記コンプレッサモータの設定回転数を前記IPD回転数から前記亜定常回転数へ切換設定することとする。
好ましくは、前記IPD回転数から前記亜定常回転数へ切換設定されるにあたり、前記上限値通過時刻tx及び前記亜定常化時刻tyは、「関係式2:tx=ty」を満たしていることとする。
好ましくは、前記IPD回転数は、前記設定回転数の中から選択され得る最も高回転の設定回転数であることとする。
好ましくは、前記亜定常回転数を設定する処理は、前記IPD回転数が設定されていた期間についてのIPD温度変化速度を算出するIPD温度変化速度算出処理と、前記IPD温度変化速度に基づいて前記亜定常回転数を設定する亜定常回転数設定処理と、を具備することとする。
好ましくは、前記亜定常回転数設定処理は、前記IPD温度変化速度に基づいて基準回転数からのオフセット値を設定し、前記オフセット値を用いて前記亜定常回転数を設定することとする。
本発明に係る冷却機用コンプレッサモータ制御装置によると、IPD運転での冷却速度がヒステリシス制御運転の直前で緩和されるので、IPD運転とヒステリシス制御運転との移行が円滑化される。
実施の形態に係る冷却機用コンプレッサモータ制御装置の回路構成を示す図。 実施の形態に係る各種状態のタイムチャートを示す図。 実施の形態に係る回転数設定に関するフローチャート。 実施の形態に係る冷却速度と回転数との関係を示す図。 実施例に係る各種状態のタイムチャートを示す図。 実施例に係る回転数設定に関するフローチャート。 実施例に係る冷却速度と回転数との関係を示す図。
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して具体的に説明する。図1は、本実施の形態に係る冷却機用コンプレッサモータ制御装置の回路構成が示されている。冷却機用コンプレッサモータ制御装置100(以下、モータ制御装置と呼ぶ)は、電力変換回路120と制御回路150とから構成される。
このうち、電力変換回路120は、AC電力が一方から入力され、これを変換した3相電流を他方側の直流ブラシレスモータ140(以下、コンプレッサモータと呼ぶ)へ供給している。電力変換回路120は、整流回路,PFC回路,インバータ回路が内蔵されており、インバータ回路によってコンプレッサモータ140に流れる電流パターンが決定され、この電流パターンによって回転子が駆動される。
コンプレッサモータ140は、室外機,キャピラリチューブ,エバポレータと供に冷媒回路を形成するものであって(図示なし)、当該コンプレッサモータ140の回転数を増減させることで、庫内熱負荷に対する吸熱作用を調整させる。以下、制御回路150によって指令される回転数を、設定回転数と呼ぶこととする。
制御回路150は、信号ライン180を介してサーミスタ170に接続される。また、複数の信号ライン160を介して電力変換回路120のパワートランジスタへ接続される。この制御回路は、CPU,AD変換回路,メモリ回路,クロック回路等が内蔵されており、所定の情報に基づき適宜の演算を実施し、其の結果情報・信号をメモリ回路又は外部へと出力させる。
特に、メモリ回路は、制御プログラム、パラメータ情報等が適宜の記憶領域に記録されており、CPUは、この情報を適宜取得して、プログラムのシーケンス順に処理演算を実行していく。本実施の形態に係るメモリ回路には、PWM信号の生成処理,モータオン/オフ判定処理,回転数設定に関する処理ルーチンR1,設定回転数と温度変化速度との対応関係を記述したマップ情報等が記録されている。そして、制御回路150では、これらプログラムと協働して機能構築が行われ、例えば、放熱期間算出処理S01,温度変化速度算出処理S02,回転数設定処理S03,時刻記録処理S04といった処理を実現させる。
サーミスタ170は、下限値温度まで温度低下した旨の下限値到達情報、上限値温度まで温度上昇した旨の上限値到達情報、及び、前記上限値温度よりも高い温度から温度低下して前記上限値温度に至った旨の上限値通過情報を、電気信号によって出力する装置である。一般に用いられるサーミスタは、電子式サーミスタと呼ばれるものであって、数μsec毎に其の温度状況を検出し、これを電気信号として出力する。このようなサーミスタでは、時間経過に応じて逐次温度が監視されるので、少なくとも、下限値到達情報,上限値到達情報,上限値通過情報が検出されることとなる。
図2は、コンプレッサモータの運転に関係する各種状態が示されている。先ず、コンプレッサモータの運転状態とは、コンプレッサモータ140を駆動させる電流が流れているか否かで定まるものであって、これは、サーミスタ170の出力信号に関係する。
即ち、サーミスタ170が上限温度Th1に達した旨の信号(以下、上限値到達信号)を出力させると、制御装置150は、この信号に基づいてコンプレッサモータ140をオン(運転動作)させ、庫内の冷却を開始させる。一方、サーミスタ170が下限温度Th2に達した旨の信号(以下、下限値到達信号)を出力させると、制御装置150は、この信号に基づいてコンプレッサモータ140をオフ(停止動作)させる。このように、制御装置150は、停止動作(放熱期間の動作)と運転動作(冷却期間の動作)とを混成させ、庫内温度をヒステリシス制御させる。
よって、「Th1→Th2」へ変化する場面では、コンプレッサモータ140が駆動状態となり、これを「オン動作期間(冷却期間)」と呼ぶ。また、「Th2→Th1」へ変化する場面では、コンプレッサモータ140が停止状態となり、これを「オフ動作期間(放熱期間)」と呼ぶ。また、第1回目のオン動作期間とオフ動作期間の一組(ヒステリシス周期)をSTEP(1)と呼び、その次に現れるヒステリシス周期を、順次、STEP(2),STEP(3),STEP(4)と呼ぶこととする。
本実施の形態に係る設定回転数ωは、1500〔rpm〕〜4500〔rpm〕の範囲で選択されるものであって、後述する回転数設定処理S03によって設定される。但し、冷凍冷蔵庫への電源投入直後の動作(Initial Pull Down Action/以下、IPD動作と呼ぶ)に限っては、下限温度Th2に至るまでに自動的に回転数を上昇方向へ切換えることができるよう、時間閾値等を用いた適宜のロジックが構築されている。IPD動作に係る自動切換制御は、冷凍冷蔵庫に対する電源投入直後の冷却期間に限り実施される。一方、定常運転におけるコンプレッサモータの回転数制御は、以下のロジックによって制御されることとなる。
制御回路150は、冷凍冷蔵庫に電源投入してから最初の下限値温度情報を検出すると、IPD動作に係る冷却期間が終了したとして、回転数設定に関する処理ルーチンR1を起動させる。当該ルーチンR1は、以後、下限温度情報の検出毎に起動することとなる。尚、庫内温度の推移については、図2の下段にてTwとして示されている。
図3に示す如く、ルーチンR1のうち放熱期間算出処理S01は、下限値温度情報の検出時(t1e,t2b,t3b,・・・)を起算時として、次に到来する上限値温度情報の検出時(t2a,t3a,t4a,・・・)に至る迄の期間(放熱期間Δtq)を計数する。当然の如く、放熱期間Δtqは、庫内熱負荷及びリーク熱量に応じて増減することとなる。同図では、STEP(1)について取得された吸熱期間をΔtq1とし、STEP(2)に対応する吸熱期間をΔtq2とし、STEP(3)に対応する吸熱期間をΔtq3として示している。
制御回路150は、処理S01の完了後、温度変化速度算出処理S02を機能させる。当該処理S02では、先に算出した放熱期間Δtq1に基づいて、温度変化速度に関するパラメータを算出する。本実施の形態では、かかるパラメータmが以下の式1によって算出される。
m=ΔT/Δtq ・・・式1
m :温度変化速度に関するパラメータ
ΔT :上限温度と下限温度との差(許容温度幅)
Δtq:放熱期間
ここで、許容温度幅ΔTは、予め測定すれば特定可能であるところ、既知の値であると理解されるものである。また、冷凍室内温度の通例として、下限温度は「−20℃」程度に設定され且つ上限温度は「−10℃」程度に設定されるので、これを頼りに許容温度幅ΔTを想定することも可能である。何れにしても、許容温度幅ΔTは既知の値である。従って、式1における右辺の全ての値が既知であるので、温度変化速度に関するパラメータmが算出されることとなる。尚、特許請求の範囲における「温度変化速度に関するパラメータ」との意義は、本実施の形態で算出されるものに限らず、パラメータmのディメンションを変える係数を与えたもの、又は、パラメータmに補正値を与えたものも含まれる。
制御回路150は、処理S02が完了すると、回転数設定処理S03を実行させる。当該処理S03では、先に算出したパラメータmに基づいてコンプレッサモータの設定回転数に関する情報を特定する。以下、この具体例を説明する。
回転数設定処理S03では、「設定回転数Nに関する情報」と「パラメータmに関する情報」との対応関係が記述された情報群(以下、マップ情報と呼ぶ)を参照する。かかるマップ情報は、設定回転数N〔rpm〕とパラメータmとの対応関係が、100〔rpm〕の変化毎に記述されている。即ち、当該マップ情報は、図4に示す如く、設定回転数の特性線「N=g(m)」を表すものであって、量子化誤差がN=100〔rpm〕の範囲に収まる解像度にて表現されていることを意味する。これによれば、パラメータmが変化すると、これに応じて「設定回転数Nに関する情報」が変更され、実際に駆動されるコンプレッサモータの回転数が調整されることが解る。
そして、当該処理S03では、このマップ情報の中からパラメータmに対応する設定回転数情報を特定し、この情報をCPUのデータレジスタへフェッチさせる。その後、後段処理におけるインバータの制御処理では、この設定回転数情報に基づいて、PWM信号のDUTY比を適宜に設定することとなる。
図4では、設定回転数Nと放熱速度mとの関係が示されている。ここで、放熱速度mとは、温度変化速度のうち負の領域に属するものであり、具体的には、放熱期間にて観測される実際の温度変化のスピードを意味する。即ち、温度変化速度が負のとき、其の観測対象は放熱期間であって、設定回転数に係る特性線は「N=f(m)」を指す。一方、温度変化速度が正のとき、其の観測対象は冷却期間であって、設定回転数に係る特性線は「N=g(m)」を指す。以下、温度変化速度が正の場合、これを冷却速度と呼び、これを表す特性線を冷却特性線「N=g(m)」と呼ぶ。また、温度変化速度が負の場合、これを放熱速度と呼び、これを表す特性線を放熱特性線「N=f(m)」と呼ぶこととする。
放熱速度mは、放熱期間Δtqに基づいて算出されるところ、実際に観測されているパラメータと言える。一方、冷却速度mは、予め実験等によって得られたデータであるので、その意味で、制御中に冷却速度mの其れ自身が算出されるのではなく、放熱期間における放熱速度mを、冷却期間における冷却速度mとして推定する情報として機能する。
これまでの処理を具体的に説明すると、処理S01によって放熱期間Δtqが算出される。その後、図4に示す如く、処理S02によって放熱速度mが「−0.4〔deg/min〕」との結果を得ると、これを冷却速度mに換算し、必要な冷却速度mとして「0.4〔deg/min〕」を得る。かかる後、処理S03によって、マップ情報を参照して冷却速度「0.4〔deg/min〕」に対応する設定回転数情報「N=3000〔rpm〕」が特定される。これを見るに、本実施の形態にかかる回転数制御では、冷却期間の演算が排除されている点で、先に挙げた特許文献1の回転数制御と比べて、制御処理上のアルゴリズムが簡素化されていることが解る。
上述の如く、本実施の形態によると、予めデータ取得された温度変化速度なる情報を頼りに設定回転数を特定することができるので、「冷却期間の比率調整」に関するアルゴリズムの簡素化が図られ、冷却期間についての情報取得が不要となる。
また、このように特定された「設定回転数に関する情報」は、直後の冷却期間で反映されるよう、当該情報の算出後速やかにPWM信号の生成処理へ投じられるのが好ましい。これにより、コンプレッサモータの設定回転数は、直近の庫内熱負荷の状態が反映されるからである。
特に、本実施の形態によると、冷却特性線「N=g(m)」の各パラメータmは、放熱特性線「N=f(m)」の各パラメータmが「m=0」を対称線としてプロットされたものである。かかる場合の冷却速度mは、放熱期間の庫内条件と同一条件下にてコンプレッサモータを運転させた場合、冷却期間にあっても、放熱期間に一致する制御を実現させる冷却速度である旨を意味する。以下、放熱速度mが「m=0」を対称線としてプロットされた冷却速度mを、特定冷却速度と呼ぶこととする。
尚、庫内温度の条件とは、庫内の熱負荷の状態、気密性に関係する熱リークの状態、外気温度環境、といった条件を指す。これらの条件が等しければ、放熱期間の庫内条件と冷却期間の庫内温度とが同一条件である。従って、この条件が等しければ、放熱速度mの絶対値と等しい冷却速度mを選定すれば、放熱期間と同一の期間で冷却期間を満了させ得ることが想定できる。即ち、かかる冷却速度を実施できれば、放熱期間における温度変化の推移を時間的逆方向へ再現することが可能となる。
このため、本実施の形態に係る「設定回転数に関する情報」は、特定冷却速度と同一の冷却速度とさせるマップ情報に基づいて特定されている。これにより、ヒステリシス周期は、放熱期間と冷却期間とを「1:1」の割合に設定することが可能となる。また、この比率を変化させたい場合には、所望の期間割合を再現させ得るマップ情報を利用すると良い。
尚、上述した冷却特性線「N=g(m)」の設定は、熱負荷が高くなると、これに応じて冷却期間も冗長化される惧れがある。このため、「設定回転数に関する情報」は、庫内条件が同一とした場合、特定冷却速度よりも幾分高い冷却速度を実現させる冷却特性線によって特定すると良い。これによれば、冷却期間の冗長化が抑えられ、ヒステリシス周期における冷却期間の割合増加が避けられる。
図5は、本実施例に係る庫内温度の推移を示したタイムチャートである。同図では、IPD運転を実施するSTEP(0)、亜定常運転を実施するSTEP(1)、通常の定常運転を実施するSTEP(2)〜STEP(n)が運転上のステップとして設けられている。このうち、STEP(0)は、IPD運転に係る設定回転数が一定回転数(N=4500rpm)として設定される。STEP(1)は、IPD運転での設定回転数よりも低い回転数(亜定常回転数)が設定される。また、STEP(2)〜STEP(n)は、実施の形態で説明した放熱期間の温度変化速度に基づいて定常運転での設定回転数(真定常回転数)が設定される。
図示の如く、検出時刻t0aは、STEP(0)の始期を現す。検出時刻t1aは、STEP(0)の終期、即ち、STEP(1)の始期を現す。検出時刻t2aは、STEP(1)の終期、即ち、STEP(2)の始期を現す。そして、STEPが進行するにつれ、この始期及び終期が順次繰り上がる。また、検出時刻{tz∋t1b,t2b,t3b,t4b}は、庫内温度が下限値温度Th2に達した時刻(下限値到達時刻tz)を現している。また、検出時刻{tx∋t2a,t3a,t4a}は、庫内温度が上限値温度Th1に達した時刻(上限値到達時刻tx)を現している。更に、検出時刻{ty=ta1}は、庫内温度が常温から上限値温度Th1まで低下した、即ち、上限値通過情報の検出時刻(上限値通過時刻ty)を現している。
本実施例によると、上限値到達時刻tx及び上限値通過時刻tyは、「tx=ty(特許請求の範囲における関係式2)」を満たしている。そして、この関係を満たすタイミングで、設定回転数NがIPD回転数から亜定常回転数へ切換設定される。これによると、設定回転数は、IPD運転の状態から上限値温度Th1まで低下すると直ちに冷却速度が鈍化されるので、亜定常回転数に関する期間Δtpが十分に確保される。この期間Δtpでは、亜定常回転数がIPD回転数より十分低いので、庫内温度低下に係る応答の余剰分を吸収し、問題とされていた極端なオーバーシュートが回避される。
特に、本実施例では、上限値到達時刻tx及び上限値通過時刻tyが「tx=ty」を満たしているので、その吸収効果が最大限に発揮される。但し、上限値到達時刻tx及び上限値通過時刻tyが「tx<ty<tz(特許請求の範囲における関係式1)」とされても、其の範囲において、応答上の吸収効果が期待されよう。
上述の如く、本実施例に係るモータ制御装置によると、IPD運転での冷却速度がヒステリシス制御運転の直前で緩和されるので、IPD運転とヒステリシス制御運転との移行が円滑化される。
本実施例に係る制御回路150は、冷凍冷蔵庫に電源投入してから最初の上限値通過情報を検出すると、IPD回転数及び亜定常回転数に関する処理ルーチンR2を起動させる(図6左参照)。尚、当該処理ルーチンR2は、特許請求の範囲における「亜定常回転数を設定する処理」に相当する。この処理ルーチンR2の起動直後では、IPD回転数として4500rpmに設定される。当該回転数は、設定回転数の中から選択され得る最も高回転の設定値であり、これにより、IPD運転期間では急速冷却が行われる。かかるIPD運転は、一時的な運転であるところ、その回転数が最も高く設定される。
IPD運転によって庫内温度が上限温度Th1まで低下すると、制御回路150は、上限値通過時刻tyに至ったとして、IPD回転数が設定されていた期間についてのIPD温度変化速度を算出する(IPD温度変化速度算出処理S12)。当該処理S12は、時刻tyへ至る直前の冷却速度を算出するものであれば、演算に使用する期間の始期がIPD運転開始点であっても良く、IPD運転期間を分割した直近期間の開始点であっても良い。
処理S12によってIPD冷却速度が算出されると、このIPD冷却速度に基づいて亜定常回転数を設定する(特許請求の範囲における亜定常回転数設定処理)。ここでの処理に触れる前に、図7(a)を参照し、冷却速度m,設定回転数N,及び,庫内の熱負荷の関係について説明する。図7(a)は、図4における冷却速度特性を示すものであり、図4における「関数:N=g(m)」が現されている。但し、同図では、縦軸の下方向が、冷却速度mの増加方向を現す。
同図における「関数:N3=g3(m)」は、図4の其れと同等の特性関数を示すものであり、これを標準特性関数と呼ぶこととする。このときの熱負荷は、設定回転数Nが3000rpmのとき冷却速度が「m=0.4〔deg/min〕」を保ちながら冷却される。
また、図4(b)に示す如く、「関数:N4=g4(m)」は、標準特性関数に相当する熱負荷(以下、標準熱負荷と呼ぶ)よりも幾分高熱負荷である特性を示し、「関数:N5=g5(m)」は、其の特性関数に相当する熱負荷よりも更に高熱負荷である特性を示す。このように、標準熱負荷よりも其の熱負荷が高い場合、当該熱負荷の差異に応じて冷却速度が鈍化する。
一方、「関数:N2=g2(m)」は、標準熱負荷よりも幾分低熱負荷である特性を示し、「関数:N1=g1(m)」は、其の特性関数に相当する熱負荷よりも更に低熱負荷である特性を示す。このように、標準熱負荷よりも其の熱負荷が低い場合、当該負荷の差異に応じて冷却速度が急峻となる。
これを逆に読み解くならば、解析基準となる設定回転数(以下、基準回転数と呼ぶ)を3000rpmとすると、この設定回転数で運転した時の冷却速度によって現在の熱負荷を把握することができる。即ち、基準回転数での冷却速度が速ければ、熱負荷が低いことになり、其の冷却速度の値に基づいて熱負荷の状態が把握される。また、基準回転数での冷却速度が遅ければ、熱負荷が高いことになり、其の冷却速度の状態に基づいて熱負荷の値が把握される。
本実施例では、この複数の熱負荷状態を予め実験的に行い、その時の特性を各々マップ情報又は関数情報として記録させている。従って、亜定常運転冷却速度算出処理S13では、「N=4500rpm」でのIPD冷却速度が算出されているので、この冷却速度と標準熱負荷における同回転数での冷却速度を比較することで、実際の熱負荷が把握されることとなる。このように、本実施例では、放熱期間を測定することなく、IPD運転での冷却速度に基づいて亜定常運転での冷却速度を予測設定することが可能となる。そして、この冷却速度の予測設定は、標準特性関数を基準として設定されるところ、放熱期間の温度上昇速度に対する所定比率(例えば、1:1)に近い状態を実現させる。即ち、本実施例では、IPD運転での冷却速度に基づいて放熱期間での温度上昇速度を予測することが可能となる。
そして、亜定常回転数設定処理S14では、庫内熱負荷に応じて選択された特性関数を用いて、亜定常回転数の設定が行われる。以下、庫内熱負荷が標準熱負荷より高い場合について説明すると、図7(b)に示す如く、選択された特性関数が「N4=g4(m)」の場合、「3000rpmにおける標準特性関数の冷却速度」と「3500rpmにおける其の特性関数の冷却速度」とが一致するので、この場面での熱負荷は、設定回転数が3500rpmのとき、放熱期間と冷却期間の比率が好適化されるのが解る。従って、この場面では、亜定常回転数として3500rpmが設定される。また、選択された特性関数が「N5=g5(m)」の場合、「3000rpmにおける標準特性関数の冷却速度」と「4300rpmにおける其の特性関数の冷却速度」とが一致するので、この場面での熱負荷は、設定回転数が4300rpmのとき、放熱期間と冷却期間の比率が好適化されるのが解る。従って、この場面では、亜定常回転数として4300rpmが設定される。
また、庫内熱負荷が標準熱負荷より低い場合について説明すると、選択された特性関数が「N2=g2(m)」の場合、図7(c)に示す如く、「3000rpmにおける標準特性関数の冷却速度」と「2600rpmにおける其の特性関数の冷却速度」とが一致するので、この場面での熱負荷は、設定回転数が2600rpmのとき、放熱期間と冷却期間の比率が好適化されるのが解る。従って、この場面では、亜定常回転数として2600rpmが設定される。また、選択された特性関数が「N1=g1(m)」の場合、上述同様の処理によって、亜定常回転数が更に低値に設定される。
このように、処理S13〜処理S14では、IPD運転での冷却速度に基づいて放熱期間での温度上昇速度を予測できるので、IPD運転の途中から未だ到来してない定常運転での冷却速度に近い運転状態を事前に形成させることが可能となる。このため、本実施例に係るモータ制御装置では、亜設定回転数での運転状態が設けられることにより、其の後段に到来するヒステリシス制御運転への移行を円滑化させている。
尚、上述した処理S13〜処理S14は、基準回転数からのオフセット値を設定させる一例に過ぎない。例えば、このオフセット値の差異を無視しても良い範囲では、このオフセット値を全て等値に設定しても良い。そして、其のオフセット値の差異がある範囲ごとに、設定回転数の増分を適宜与えると良い。
かかる処理S14が完了すると、亜設定回転数における運転期間Δtp1の終期t1bがメモリ回路へ記録され、当該ルーチンR2が終了する。かかるルーチンR2の終了後、各STEPの満了毎に、真設定回転数に係る処理ルーチンR1が起動される(図4右参照)。かかる処理では、放熱期間を算出し(S01)、この他、実施の形態にて説明した同様の処理を行うことで、定常運転における設定回転数(即ち、真設定回転数)が設定されることとなる。そして、本実施例では、かかる真設定回転数によって、ヒステリシス制御での放熱期間と冷却期間との比率が好適に保たれる。
100 コンプレッサモータ制御装置, 120 電力変換回路, 160 制御回路, 170 サーミスタ, S01 放熱期間算出処理, S02 温度変化速度算出処理, S03 回転数設定処理。

Claims (5)

  1. 下限値温度まで温度低下した旨の下限値到達情報、上限値温度まで温度上昇した旨の上限値到達情報、及び、前記上限値温度よりも高い温度から温度低下して前記上限値温度に至った旨の上限値通過情報を取得するものであって、前記下限値到達情報及び前記上限値到達情報に基づいて、コンプレッサモータの停止動作と運転動作とを混成させ庫内温度をヒステリシス制御させる冷却機用コンプレッサモータ制御装置において、
    前記下限値到達情報の検出時刻である下限値検出時刻をtzとし、前記上限値通過情報の検出時刻である上限値通過時刻をtxとし、前記上限値通過時刻まで設定されていたIPD回転数よりも低い亜定常回転数が設定される亜定常化時刻をtyとすると、
    以下の関係式1を満たすタイミングで、前記コンプレッサモータの設定回転数を前記IPD回転数から前記亜定常回転数へ切換設定することを特徴とする冷却機用コンプレッサモータ制御装置。
    tx≦ty<tz ・・・関係式1
  2. 前記IPD回転数から前記亜定常回転数へ切換設定されるにあたり、前記上限値通過時刻tx及び前記亜定常化時刻tyは、以下の関係式を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の冷却機用コンプレッサモータ制御装置。
    tx=ty ・・・関係式2
  3. 前記IPD回転数は、前記設定回転数の中から選択され得る最も高回転の設定回転数であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却機用コンプレッサモータ制御装置。
  4. 前記亜定常回転数を設定する処理は、前記IPD回転数が設定されていた期間についてのIPD温度変化速度を算出するIPD温度変化速度算出処理と、前記IPD温度変化速度に基づいて前記亜定常回転数を設定する亜定常回転数設定処理と、を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の冷却機用コンプレッサモータ制御装置。
  5. 前記亜定常回転数設定処理は、前記IPD温度変化速度に基づいて基準回転数からのオフセット値を設定し、前記オフセット値を用いて前記亜定常回転数を設定することを特徴とする請求項4に記載の冷却機用コンプレッサモータ制御装置。
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