JP6171408B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、サーモ制御及び圧縮機の容量制御を有する空気調和機に関する。
サーモ制御により室温を設定温度の近辺で維持する技術が知られている。
この技術では、冷房運転において、室温が、設定温度よりも高い動作復帰温度に達したとき、圧縮機の運転を開始する。室温が、設定温度よりも低い動作停止温度にまで低下したときは、圧縮機の運転を停止する。暖房運転においては、室温が、設定温度よりも低い動作復帰温度に達したとき、圧縮機の運転を開始する。室温が、設定温度よりも高い動作停止温度にまで上昇したときは、圧縮機の運転を停止する。このような制御により、室温は設定温度の近くで推移する(特許文献1参照)。
特開2011−149674号公報
ところで、この種の空気調和機においては、圧縮機の運転開始及び運転停止の頻度(以下、「発停頻度」という。)が高くなることがある。発停止頻度が高くなると、圧縮機の寿命が短くなるため問題となる。発停止頻度が高くなる理由としては、例えば、次のような事情がある。
電算室のように、電子計算機が複数台設置されている室内空間では、電子計算機の稼動状況によって室温が急上昇する。特に、室内において電子計算機が占める容積が大きく空気量が小さい場合は、室温の急上昇が生じやすい。
容量可変型の圧縮機を備えている空気調和機では、室温と設定温度との温度差やこの温度差の時間積分に基づいてフィードバック制御により圧縮機の容量を調整し、室温を設定温度に近づける。しかし、このようなフィードバック制御を行っている場合であっても、上記のような室内空間では、室温の急上昇を抑制することができず室温が動作復帰温度を大きく超える。このようなとき、空気調和機は圧縮機の容量を増大し冷房能力を大きくするが、冷房能力が過大になり、室温が急下降する。このようなことから、室温の急上昇と急下降が繰り返されることになり、圧縮機の発停頻度が高くなる。
また、このような事象は、暖房運転時においても同様に生じる。例えば、室外と室内の温度差が大きく、室外空気が入り込みやすい室内空間であって室内空間の容積が小さいときは、室温の急下降が生じやすい。室温の急下降に応じてフィードバック制御に圧縮機の容量は調整されるが、暖房能力が過大になることがあり、このような場合は、室温が急上昇に転じる。このようなことから、室温の急上昇と急下降が繰り返されることになり、圧縮機の発停頻度が高くなる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、室温の急変化にともなって圧縮機の発停頻度が増大することを抑制することができる空気調和機を提供することにある。
課題を解決する空気調和機は、圧縮機と、空調負荷に応じて前記圧縮機の容量を制御する容量制御部と、冷房運転では、設定温度よりも高い動作復帰温度で前記圧縮機を動作させ、前記設定温度よりも低い動作停止温度で前記圧縮機を停止させるものであり、暖房運転では、設定温度よりも低い動作復帰温度で前記圧縮機を動作させ、前記設定温度よりも高い動作停止温度で前記圧縮機を停止させるサーモ制御部とを備える。前記サーモ制御部は、冷房運転時、室温が上昇して前記動作復帰温度よりも高くなり前記圧縮機が運転再開した後において室温と設定温度との差が最も大きくなるときの温度差を過上昇温度として記憶し、この過上昇温度が過大であるとき、過上昇温度の大きさに基づいて前記動作停止温度を低くする。暖房運転時、室温が下降して前記動作復帰温度よりも低くなり前記圧縮機が運転再開した後において室温と設定温度との差が最も大きくなるときの温度差を過下降温度として記憶し、この過下降温度が過大であるとき、過下降温度の大きさに基づいて前記動作停止温度を高くする。
冷房運転において、室温の急上昇及び急下降が生じるとき、過上昇温度が過大になり、圧縮機の発停頻度は高くなる。そこで、過上昇温度の大きさに基づいて動作停止温度を低くする。動作停止温度を低くすると圧縮機の運転時間が長くなる。これにより、圧縮機の発停頻度を低くすることができる。
暖房運転においても、室温の急上昇及び急下降が生じるとき、過下降温度が過大になり、圧縮機の発停頻度は高くなる。そこで、過下降温度の大きさに基づいて動作停止温度を高くする。動作停止温度を高くすると圧縮機の運転時間が長くなる。これにより、圧縮機の発停頻度を低くすることができる。
上記空気調和機において、前記サーモ制御部は、冷房運転のとき、前記過上昇温度が過大であるときは前記過上昇温度の大きさに基づいて前記動作復帰温度及び前記動作停止温度を低くし、暖房運転のとき、前記過下降温度が過大であるときは前記過下降温度の大きさに基づいて前記動作復帰温度及び前記動作停止温度を高くする。
冷房運転において動作復帰温度を低くすると、過上昇温度が小さくなる。この結果、室温の急下降が緩和し、圧縮機の運転時間が長くなる。また、動作停止温度を低くすることによっても圧縮機の運転時間が長くなる。このようなことにより、圧縮機の発停頻度を低くすることができる。
また、暖房運転において動作復帰温度を高くすると、過下降温度が小さくなる。この結果、室温の急上昇が緩和し、圧縮機の運転時間が長くなる。また、動作停止温度を高くすることによっても圧縮機の運転時間が長くなる。このようなことにより、圧縮機の発停頻度を低くすることができる。
上記空気調和機において、前記サーモ制御部は、冷房運転のとき、前記過上昇温度が過大であるときは前記動作停止温度から前記過上昇温度の大きさの所定割合分を引いて得た値を新たな前記動作停止温度とし、暖房運転のとき、前記過下降温度が過大であるときは前記動作停止温度に前記過下降温度の大きさの所定割合分を加えて得た値を新たな前記動作停止温度とする。この構成によれば、冷房運転及び暖房運転において、簡単な計算方法により、動作停止温度を新たな値に再設定することができる。
上記空気調和機において、前記サーモ制御部は、冷房運転のとき、前記過上昇温度が過大であるときは前記動作復帰温度から前記過上昇温度の大きさの所定割合分を引いて得た値を新たな前記動作復帰温度とし、暖房運転のとき、前記過下降温度が過大であるときは前記動作復帰温度に前記過下降温度の大きさの所定割合分を加えて得た値を新たな前記動作復帰温度とする。この構成によれば、冷房運転及び暖房運転において、簡単な計算方法により、動作復帰温度を新たな値に再設定することができる。
上記空気調和機において、前記サーモ制御部は、冷房運転のとき、前記過上昇温度が第1の設定値よりも大きいとき、この過上昇温度が過大である旨判定し、暖房運転のとき、前記過下降温度が第2の設定値よりも大きいとき、この過上昇温度が過大である旨判定する。この構成によれば、過下降温度が過大であるか否か簡単な方法で判定することができる。
上記空気調和機において、冷房運転のとき、平均室温が前記設定温度よりも低く、かつ前記平均室温と前記設定温度との温度差が過大であるときは、前記動作停止温度及び前記動作復帰温度を高くし、暖房運転のとき、平均室温が前記設定温度よりも高く、かつ前記平均室温と前記設定温度との温度差が過大であるときは、前記動作停止温度及び前記動作復帰温度を低くする。
冷房運転のとき、動作停止温度及び動作復帰温度の設定変更を繰り返すと、平均室温が低くなり過ぎることが想定される。そこで、平均室温が設定温度よりも低く、平均室温と設定温度との温度差が過大であるとき、動作停止温度及び動作復帰温度を高くする。これにより、平均室温と設定温度との乖離を抑制することができる。
暖房運転のとき、動作停止温度及び動作復帰温度の設定変更を繰り返すと、平均室温が高くなり過ぎることが想定される。そこで、平均室温が設定温度よりも高く、平均室温と設定温度との温度差が過大であるとき、動作停止温度及び動作復帰温度を低くする。これにより、平均室温と設定温度との乖離を抑制することができる。
上記空気調和機によれば、室温の急変化にともなって圧縮機の発停頻度が増大することを抑制することができる。
空気調和機の模式図。 「冷房運転時のサーモ制御」の処理手順を示すフローチャート。 冷房運転時の室温、圧縮機の運転状態、及び圧縮機の容量の時間変化を示す図。 「冷房運転時の過上昇温度の検出処理」の処理手順を示すフローチャート。 「動作復帰温度及び動作停止温度の設定処理」の処理手順を示すフローチャート。 動作復帰温度及び動作停止温度の設定変更前後における室温、圧縮機の運転状態、及び圧縮機の容量の時間変化を示す図。 「暖房運転時のサーモ制御」の処理手順を示すフローチャート。 暖房運転時の室温、圧縮機の運転状態、及び圧縮機の容量の時間変化を示す図。 「暖房運転時の過下降温度の検出処理」の処理手順を示すフローチャート。 「動作復帰温度及び動作停止温度の設定処理」の処理手順を示すフローチャート。 動作復帰温度及び動作停止温度の設定変更前後における室温、圧縮機の運転状態、及び圧縮機の容量の時間変化を示す図。
図1を参照して、空気調和機1の一例を説明する。
空気調和機1は、室内に設置される室内ユニット10と、室外に設置される室外ユニット20とを備えている。
室内ユニット10は、冷媒を膨張させる膨張弁11と、冷媒と室内空気との間で熱交換させる室内側熱交換器12と、室内空気を取り入れて室内側熱交換器12を通じて室内に空気を送り出す室内ファン13と、各種装置を制御する室内ユニット制御装置14とを備えている。
室外ユニット20は、圧縮機21と、圧縮機21のモータの回転数を制御するインバータ回路21aと、冷媒と室外空気との間で熱交換させる室外側熱交換器22と、四路切換弁23と、室外空気を取り入れて室外側熱交換器22に空気を送り込む室外ファン24と、各種装置を制御する室外ユニット制御装置25とを備えている。なお、膨張弁11、室内側熱交換器12、圧縮機21、室外側熱交換器22、これら装置を接続する連絡配管30により冷媒回路が構成されている。
圧縮機21としては、インバータ回路21aによりモータの回転数が制御される可変容量型の圧縮機21が用いられる。圧縮機21のモータの回転数制御により、圧縮機21の容量が変更される。
インバータ回路21aは、室外ユニット制御装置25から出力される制御信号に基づいて、圧縮機21のモータを所定の回転数で回転させるための交流を形成する。インバータ回路21aは、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistorの略)や高耐圧型MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistorの略)等のスイッチング素子により構成されている。
四路切換弁23は、冷媒回路における冷媒の循環方向を、冷房運転と暖房運転とで切り換える。
冷房運転では、膨張弁11、室内側熱交換器12、圧縮機21、室外側熱交換器22の順(図1の実線矢印の方向)に冷媒が流れるように、四路切換弁23の弁体が第1位置(図1の四路切換弁23の実線で示す位置)に切り換えられる。このとき、室内側熱交換器12は蒸発器として作用し、室外側熱交換器22は凝縮器として作用する。
暖房運転では、圧縮機21、室内側熱交換器12、膨張弁11、室外側熱交換器22の順(図1の破線矢印)に冷媒が流れるように、四路切換弁23の弁体が第2位置(図1の四路切換弁23の破線で示す位置)に切り換えられる。このとき、室内側熱交換器12は凝縮器として作用し、室外側熱交換器22は蒸発器として作用する。
送風運転では、圧縮機21及び室外ファン24の運転停止状態にされ、室内ファン13が運転状態にされる。送風運転では、四路切換弁23の弁体は、第1位置または第2位置のいずれかの位置に設定される。
室内ユニット制御装置14は、リモートコントローラ15からの出力信号、室内ユニット10に設けられている各種センサから出力される出力信号、室外ユニット制御装置25から送信される出力信号に基づいて、膨張弁11及び室内ファン13を制御する。なお、リモートコントローラ15は室内ユニット10の一構成要素である。室内ユニット10に設けられている各種センサとしては、例えば、室温センサ16が挙げられる。
室温センサ16は、室内ユニット10の空気吸い込み口付近に設けられ、室内ユニット10に室内空気の温度(室温Tr)を測定する。室温センサ16は、測定した温度(室温Tr)に対応する信号を出力する。
室外ユニット制御装置25は、室内ユニット制御装置14から送信される出力信号や室外ユニット20に設けられている各種センサの出力信号に基づいて、圧縮機21及び四路切換弁23を制御する。室外ユニット20に設けられている各種センサとしては、冷媒温度を検出する冷媒温度センサ、室外温度を検出する室外温度検出センサ、圧縮機21の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ、圧縮機21の吸込圧力を検出する吸込圧力センサ、圧縮機21のモータの回転数を検出するモータ回転数検出センサ等が挙げられる。
また、室外ユニット制御装置25は、冷房運転、暖房運転及び送風運転のいずれかを示す運転モードに基づいて四路切換弁23の位置を切り換える。
更に、室外ユニット制御装置25は、暖房負荷または冷房負荷に基づいて圧縮機21の容量を制御するための容量制御部25aを有する。圧縮機21の容量制御は、例えばPI制御(Proportional Integral controller)等のフィードバック制御により行われる。容量制御部25aは、フィードバック制御実行時における室温Trと設定温度Tx,Tyとの温度差、及び所定期間にわたるこの温度差の積分値(積分項)をパラメータとして用いて、これらのパラメータに基づいて圧縮機21の目標吸込圧力または目標吐出圧力を設定する。そして、容量制御部25aは、冷房運転時には、圧縮機21の吸込圧力と目標吸込圧力との圧力差が小さくなるように圧縮機21のモータの回転数を制御する。また、容量制御部25aは、暖房運転時には、圧縮機21の吐出圧力と目標吐出圧力との圧力差が小さくなるように圧縮機21のモータの回転数を制御する。
容量制御部25aは、圧縮機21のモータの回転数を制御するための所定周波数の交流信号をインバータ回路21aに出力し、インバータ回路21aを通じて圧縮機21のモータの回転数を制御する。
また、室外ユニット制御装置25は、サーモ制御を行うためのサーモ制御部25bを有する。
サーモ制御部25bは、室温Trに基づいて圧縮機21の運転を停止したり、運転を再開させたりする。圧縮機21の運転を停止するときは、容量制御部25aを通じて、圧縮機21の容量を実質的に「0」にする。圧縮機21の運転を再開するときは、容量制御部25aを通じて、圧縮機21を動作させる。なお、以降の説明では、サーモ制御によって圧縮機21の運転が停止されて圧縮機21が駆動停止している状態を「サーモオフ」と称し、サーモ制御によって圧縮機21の運転が再開されて圧縮機21が運転している状態を「サーモオン」と称する。
空気調和機1のサーモ制御について更に詳しく説明する。
サーモ制御は、冷房運転のときと暖房運転のときとでは異なる制御を行うため、まず、冷房運転時におけるサーモ制御について説明する。
(冷房運転時におけるサーモ制御)
冷房運転では、サーモ制御部25bは次のようにサーモ制御を行う。
圧縮機21の運転中、室温Trが動作停止温度Tbまで低くなったとき、サーモ制御部25bは圧縮機21の運転を停止する。圧縮機21の運転停止中、室温Trが動作復帰温度Taまで高くなったとき、サーモ制御部25bは圧縮機21の運転を再開する。なお、
動作復帰温度Taは、設定温度Txよりも高いところに設定され、動作停止温度Tbは、設定温度Txよりも低いところに設定されている。
図2を参照して、冷房運転時のサーモ制御の一例を説明する。
サーモ制御は、サーモ制御部25bにより、所定周期で実行される。以下、サーモ制御部25bが実行する処理をステップ毎に説明する。
ステップS100では、圧縮機21が停止しているか否かを判定する。圧縮機21が停止している旨判定するとき(YES判定)、ステップS110に移行する。
ステップS110では、室温Trが動作復帰温度Taよりも高いか否かについて判定する。ステップS110において室温Trが動作復帰温度Taよりも高い旨判定するときは(YES判定)、室温Trが上昇し過ぎているため、圧縮機21の運転を再開させる(ステップS130)。ステップS110において室温Trが動作復帰温度Ta以下である旨判定するときは(NO判定)、圧縮機21の停止を維持する(ステップS120)。
ステップS100において圧縮機21が運転している旨判定するときは(NO判定)、ステップS140に移行する。
ステップS140では、室温Trが動作停止温度Tbよりも低いか否かについて判定する。ステップS140において室温Trが動作停止温度Tbよりも低い旨判定するときは(YES判定)、室温Trが下降し過ぎているため、圧縮機21の運転を停止する(ステップS150)。ステップS140において室温Trが動作停止温度Tb以上である旨判定するときは(NO判定)、圧縮機21の運転を維持する(ステップS160)。
図3を参照して、冷房運転時において、時間経過に対する室温Trの変化、圧縮機21の運転状態、及び圧縮機21の容量変化について、説明する。
冷房運転を開始する前は、室温Trは、設定温度Txよりも高い温度になっている。
時間t10において冷房運転を開始する。このとき、圧縮機21は運転開始し、室温Trは低下する。冷房運転の開始時は室温Trと設定温度Txとの温度差が大きいため、圧縮機21の容量は迅速に増大され、大容量に設定される。その後、時間経過にしたがって室温Trが設定温度Txに近づく。このため、圧縮機21の容量も徐々に小さくなる。
そして、時間t11において、室温Trが動作停止温度Tbに達したとき、サーモ制御により圧縮機21の運転が停止する。このとき、圧縮機21はサーモオフ状態になる。圧縮機21の運転が停止すると室内空気の冷却が行われなくなるため、室温Trが上昇する。その後、室温Trが設定温度Txよりも高くなって室温Trが動作復帰温度Taに達したとき(時間t12)、サーモ制御により圧縮機21の運転が再開する。このとき、圧縮機21はサーモオン状態になる。
時間t12以降暫くの期間は、冷房能力と冷房負荷とが均衡しないため、室温Trが上昇し続けるが、その後、圧縮機21の容量が適切な大きさに設定されるため、室温Trの上昇は下降に転じて、時間t13において室温Trが再び動作復帰温度Taよりも低くなる。
そして、時間t14において、室温Trが動作停止温度Tbに達したときは、サーモ制御により圧縮機21の運転が停止する。
以上のように、冷房運転では、圧縮機21の容量制御及びサーモ制御によって、室温Trは設定温度Txの近辺で推移する。
ところで、圧縮機21の容量制御及びサーモ制御によれば、圧縮機21の運転と停止とが繰り返し行われるが、空気調和機1の設置環境によっては、圧縮機21の運転と停止との間の間隔が短くなって、圧縮機21の発停頻度が高くなることがある。圧縮機21の発停頻度が高くなると、圧縮機21を構成する部品等の磨耗によりその寿命が低下するため、圧縮機21の発停頻度が高くなることを抑制することが要求されている。
圧縮機21の発停頻度の増大は、狭い空間に電子計算機が複数台設置されているような部屋において生じやすい。このような環境で複数台の電子計算機が同時に動作し始めると、室温Trが急上昇する。すなわち、冷却対象の空気量に対して空気を加熱する加熱体(例えば、電子計算機)の能力が大きいときには、室温Trの温度変化率(上昇率)が高くなる。一方、圧縮機21の容量はPI制御により制御されているが、室温Trが急変化するときは、冷媒回路の応答性(圧縮機21の容量増大時から室内熱交換器12における交換熱量の増大が生じるまでの時間)に起因して、急変する冷房負荷に対する冷房能力の追従性が低下する。
例えば、圧縮機21が運転再開する時点(図3の時間t12)では、圧縮機21の容量と要求容量との差が大きい。また、圧縮機21の容量制御により空気調和機1が所定の冷房能力を発揮するまでには相当の時間を要するため、その間、室温Trは急上昇し続ける。この結果、室温Trと設定温度Txとの温度差が大きくなり、過上昇温度ΔTovが過大になる。
その後、圧縮機21の容量の増大により、室温Trは上昇から下降に転じる。このとき、室温Trと設定温度Txとの温度差が最も大きくなるため、このとき圧縮機21の容量はこの前後の期間において最も大きくなるように制御される。しかし、圧縮機21の容量増大による冷房能力が生じるまでには相当の時間を要するため、その間に、室温Trは低下する。このため、空気調和機1の冷房能力が極大になるときには、冷房負荷に対して冷房能力が過大になり、室温Trの急下降が生じる。すなわち、室温Trの急上昇があるときは、これに伴って室温Trの急下降が生じる。このように室温Trの急上昇及びこれに伴う急下降が生じると、圧縮機21の運転停止時と運転再開時の時間間隔が短くなるため、圧縮機21の発停頻度が増大する。
そこで、このような環境においても、圧縮機21の発停頻度の増大を抑制するために、実施形態に係る空気調和機1では、過上昇温度ΔTovに基づいて動作復帰温度Ta及び動作停止温度Tbを変更する制御を行う。ここで、過上昇温度ΔTovとは、圧縮機21の運転中において室温Trが動作復帰温度Taよりも高く、かつ室温Trと設定温度Txとの温度差の絶対値が最も大きいときの温度差(室温Trと設定温度Txとの温度差の絶対値)を示す(図3参照)。以下、この制御について説明する。
図4を参照して、「冷房運転時の過上昇温度の検出処理」の処理手順について説明する。この処理は、サーモ制御部25bにより所定周期毎に実行される。そして、「冷房運転時の過上昇温度の検出処理」において得られた「過上昇温度」は室外ユニット制御装置25の記憶部に記憶される。
ステップS210において、空気調和機1の起動後、圧縮機21の最初の運転停止が実行されたか否かについて判定する。この判定は、例えば、圧縮機21の最初の運転停止が実行されたことを記憶するフラッグを用意して、このフラッグを参照することにより、行われる。具体的には、フラッグのデフォルト値を「0」とし、圧縮機21の最初の運転停止が実行されたときにフラッグの値を「1」に設定する。
圧縮機21の最初の運転停止が実行されていないときは、当該「冷房運転時の過上昇温度の検出処理」を一旦終了する(NO判定)。このようなステップS210の処理を行う理由は過上昇温度ΔTovを正しく検出することができないためである。
ステップS210において、圧縮機21の最初の運転停止が実行された旨判定するとき(YES判定)、ステップS220に移行し、圧縮機21が運転中であるか否かについて判定する。圧縮機21が停止している旨判定するときは(NO判定)、「冷房運転時の過上昇温度の検出処理」を一旦終了する。
ステップS220において、圧縮機21が運転中である旨判定するときは(YES判定)、ステップS230に移行する。
ステップS230においては、室温Trが動作復帰温度Taよりも高いか否かについて判定する。そして、室温Trが動作復帰温度Taよりも高い旨判定するとき(YES判定)、ステップS240及びステップS250を実行する。すなわち、ステップS240及びステップS250の処理は、室温Trが動作復帰温度Taよりも高くなった時から、その後の冷房により室温Trが低下して室温Trが動作復帰温度Taよりも低くなる直前までの期間(図3の時間t12から時間t13までの期間)実行される。
ステップS240では、室温Trと設定温度Txとの差の絶対値を算出し、この値を温度差データDTxとする。ステップS250では、温度差データDTxを演算用データとして、室外ユニット制御装置25の記憶部に蓄積する。
ステップS230において、室温Trが動作復帰温度Ta以下である旨判定するとき(NO判定)、ステップS260に移行する。
ステップS260において、前回処理で「室温Tr>動作復帰温度Ta」を満たしていたか否かを判定する。すなわち、今回の処理が、室温Trが動作復帰温度Ta以下となって行われる最初の処理であるかについて判定する。そして、前回処理で「室温Tr>動作復帰温度Ta」を満たしている旨判定するとき(YES判定)、すなわち、今回の処理が、室温Trが動作復帰温度Ta以下となって行われる最初の処理であるときは、ステップS270に移行する。
ステップS270においては、室温Trが動作復帰温度Taよりも高くなった時から、その後の冷房により室温Trが低下して室温Trが動作復帰温度Taよりも低くなる直前までの期間に(図3の時間t12から時間t13までの期間)蓄積された温度差データDTxに基づいて、過上昇温度ΔTovを求める。すなわち、温度差データDTxの集合である演算用データの中で最も大きい値を抽出し、抽出したものを「過上昇温度ΔTov」に設定する。
ステップS260において、前回処理で「室温Tr>動作復帰温度Ta」を満たしていない旨判定するときは、既に、ステップS270の処理が行われたことを意味するため、演算用データを初期値にリセットする。
図5を参照して、過上昇温度ΔTovに基づいて実行される処理、「動作復帰温度及び動作停止温度の設定処理」について説明する。
「動作復帰温度及び動作停止温度の設定処理」は、サーモ制御部25bにより、「冷房運転時の過上昇温度の検出処理」の実行後に行われる。
ステップS310において、過上昇温度ΔTovが設定値ΔTovxよりも大きいか否かについて判定する。設定値ΔTovxは、空気調和機1の起動時に設定されている動作復帰温度Taの初期設定値と設定温度Txとの差の絶対値よりも大きい値に設定されている。
ステップS310の処理により、過上昇温度ΔTovが過大であるか否かが判定される。この処理で、過上昇温度ΔTovが設定値ΔTovxよりも大きい旨判定するときは、ステップS320及びステップS330の処理を実行する。
ステップS320では、動作復帰温度Taを再設定する。
すなわち、動作復帰温度Taから、過上昇温度ΔTovに係数α1を乗じた値(過上昇温度ΔTovの所定割合分)を引いて得た値を、新たな動作復帰温度Taに設定する。係数α1は0よりも大きく1よりも小さい所定の値である。動作復帰温度Taは(1)式により表される。
ステップS330では、動作停止温度Tbを再設定する。
すなわち、動作停止温度Tbから、過上昇温度ΔTovに係数α2を乗じた値(過上昇温度ΔTovの所定割合分)を引いて得た値を、新たな動作停止温度Tbに設定する。上記α2は0よりも大きく1よりも小さい所定の値である。動作停止温度Tbは(2)式により表される。なお、係数α2は係数α1よりも大きいことが好ましい。
(1)式及び(2)式を示す。
動作復帰温度Ta=動作復帰温度Ta−過上昇温度ΔTov×α1…(1)
動作停止温度Tb=動作停止温度Tb−過上昇温度ΔTov×α2…(2)
ステップS310の処理で、過上昇温度ΔTovが設定値ΔTovx以下である旨判定するときは、ステップS340に移行する。
ステップS340においては、所定期間にわたる室温Trの平均値(以下、「平均室温Tavx」という。)を算出し、平均室温Tavxと設定温度Txとの温度差の絶対値を算出する。そして、平均室温Tavxが設定温度Txよりも低く、かつ平均室温Tavxと設定温度Txとの温度差の絶対値が設定値ΔTapxよりも大きいか否かについて判定する。すなわち、この処理により、平均室温Tavxが設定温度Txから乖離し、室温Trが低下し過ぎていないかについて判定する。
ステップS340の処理で、平均室温Tavxが設定温度Tx以上である旨、または平均室温Tavxと設定温度Txとの温度差の絶対値が設定値ΔTapx以下である旨判定するときは(NO判定)、「動作復帰温度及び動作停止温度の設定処理」を終了する。また、ステップS340の処理で、平均室温Tavxが設定温度Txよりも低く、かつ平均室温Tavxと設定温度Txとの温度差の絶対値が設定値ΔTapxよりも大きい旨判定するときは(YES判定)、ステップS350及びステップS360の処理を実行する。
ステップS350では、動作復帰温度Taを再設定する。
すなわち、動作復帰温度Taに、過上昇温度ΔTovに係数α3を乗じた値(過上昇温度ΔTovの所定割合分)を加えて得た値を動作復帰温度Taに設定する。係数α3は、0よりも大きく1よりも小さい値である。動作復帰温度Taは(3)式により表される。
ステップS360では、動作停止温度Tbを再設定する。
すなわち、動作停止温度Tbに、過上昇温度ΔTovに係数α4を乗じた値(過上昇温度ΔTovの所定割合分)を加えて得た値を動作停止温度Tbに設定する。係数α4は、0よりも大きく1よりも小さい値である。動作停止温度Tbは(4)式により表される。
(3)式及び(4)式を示す。
動作復帰温度Ta=動作復帰温度Ta+過上昇温度ΔTov×α3…(3)
動作停止温度Tb=動作停止温度Tb+過上昇温度ΔTov×α4…(4)
図6を参照して、動作復帰温度Ta及び動作停止温度Tbの設定変更前後において、時間経過に対する室温Trの変化、圧縮機21の運転状態、及び圧縮機21の容量変化について、説明する。
図6における実線のうち、時間t24以降に示されている部分が、動作復帰温度Ta及び動作停止温度Tbの設定変更後における各パラメータの変化を示す。2点鎖線は、動作復帰温度Ta及び動作停止温度Tbの設定変更しなかった場合の各パラメータの変化を示す。
時間t21において、室温Trが動作復帰温度Taよりも高くなるため、圧縮機21が運転再開する。圧縮機21の容量は、室温Trと設定温度Txとの温度差が大きくなるに従って大きくなり、冷房能力が増大する。このため、室温Trの上昇は、圧縮機21の運転再開から暫くして下降に転じる。その後、室温Trが下降し続け、これに伴って圧縮機21の容量も小さくなる。その後、時間t22において、室温Trが再び動作復帰温度Taよりも低くなる。
時間t21から時間t22までの期間、「冷房運転時の過上昇温度の検出処理」の処理により、室温Trと設定温度Txとの差(温度差データDTx)が周期的に検出される。そして、時間t22において、温度差データDTxに基づいて過上昇温度ΔTovが設定される。
過上昇温度ΔTovが設定値ΔTovxよりも大きいときは、過上昇温度ΔTovが過大であるとして、動作復帰温度Ta及び動作停止温度Tbの再設定が行われる。この例では、過上昇温度ΔTovが過大であるとして判定された例を示している。このため、動作復帰温度Taが新たな動作復帰温度Ta1として再設定されている。また、動作停止温度Tbが新たな動作停止温度Tb1として再設定されている。
時間t23において、室温Trが動作停止温度Tb1よりも低くなる。このとき、サーモ制御により圧縮機21の運転が停止する。これにより冷房が行われなくなるため、室温Trは徐々に上昇し、動作復帰温度Ta1に近づく。
時間t24において、室温Trが動作復帰温度Ta1よりも高くなる。このとき、サーモ制御により圧縮機21の運転が再開する。その後、室温Trは一旦上昇してから下降に転じ、徐々に低くなり、時間t25において動作停止温度Tb1に達する。
次に、動作復帰温度Ta及び動作停止温度Tbの設定変更による作用を説明する。
動作復帰温度Ta及び動作停止温度Tbの設定変更により、圧縮機21の運転再開の温度は、動作復帰温度Taの設定変更前に比べて低くなる。このため、過上昇温度ΔTovの大きさが設定変更前に比べて小さくなる。また、過上昇温度ΔTovの大きさが小さくなることにより、動作復帰温度Taの設定変更前に比べて、室温Trの下降率が低下する。これは、過上昇温度ΔTovが小さくなることによりPI制御の積分項の寄与が小さくなり、冷房負荷の変化に対する圧縮機21の容量の追従性が向上するためである。この結果、圧縮機21の運転が再開してから停止するまでの圧縮機21の運転時間は、動作復帰温度Ta及び動作停止温度Tbを設定変更する前に比べて長くなる。また、設定変更前に比べて動作停止温度Tbを低くすることによっても圧縮機21の運転時間が長くなる。このため、圧縮機21の発停頻度が低くなる。
(暖房運転時におけるサーモ制御)
次に、暖房運転時におけるサーモ制御について説明する。
暖房運転では、サーモ制御部25bは次のようにサーモ制御を行う。
圧縮機21の運転中、室温Trが動作停止温度Tcまで高くなったとき、サーモ制御部25bは圧縮機21の運転を停止する。圧縮機21の運転停止中、室温Trが動作復帰温度Tdまで低くなったとき、サーモ制御部25bは圧縮機21を運転を再開する。なお、
動作停止温度Tcは、設定温度Tyよりも高いところに設定され、動作復帰温度Tdは、設定温度Tyよりも低いところに設定されている。
図7を参照して、暖房運転時のサーモ制御の一例を説明する。
サーモ制御は、サーモ制御部25bにより、所定周期で実行される。以下、サーモ制御部25bが実行する処理をステップ毎に説明する。
ステップS400では、圧縮機21が停止しているか否かを判定する。圧縮機21が停止している旨判定するとき(YES判定)、ステップS410に移行する。
ステップS410では、室温Trが動作復帰温度Tdよりも低いか否かについて判定する。ステップS410において室温Trが動作復帰温度Tdよりも低い旨判定するときは(YES判定)、室温Trが下降し過ぎているため、圧縮機21の運転を再開させる(ステップS430)。ステップS410において室温Trが動作復帰温度Td以上である旨判定するときは(NO判定)、圧縮機21の停止を維持する(ステップS420)。
ステップS400において圧縮機21が運転している旨判定するときは(NO判定)、ステップS440に移行する。
ステップS440では、室温Trが動作停止温度Tcよりも高いか否かについて判定する。ステップS440において室温Trが動作停止温度Tcよりも高い旨判定するときは(YES判定)、室温Trが上昇し過ぎているため、圧縮機21の運転を停止する(ステップS450)。ステップS440において室温Trが動作停止温度Tc以下である旨判定するときは(NO判定)、圧縮機21の運転を維持する(ステップS460)。
図8を参照して、暖房運転時において、時間経過に対する室温Trの変化、圧縮機21の運転状態、及び圧縮機21の容量変化について、説明する。
暖房運転を開始する前は、室温Trは、設定温度Tyよりも低い温度になっている。
時間t30において暖房運転を開始する。このとき、圧縮機21は運転開始し、室温Trは上昇する。暖房運転の開始時は室温Trと設定温度Tyとの温度差が大きいため、圧縮機21の容量は迅速に増大され、大容量に設定される。その後、時間経過にしたがって室温Trが設定温度Tyに近づく。このため、圧縮機21の容量も徐々に小さくなる。
そして、時間t31において、室温Trが動作停止温度Tcに達したとき、サーモ制御により圧縮機21の運転が停止する。このとき、圧縮機21はサーモオフ状態になる。圧縮機21の運転が停止すると室内空気の暖房が行われなくなるため、室温Trが下降する。その後、室温Trが設定温度Tyよりも低くなり、室温Trが動作復帰温度Tdに達したとき(時間t32)、サーモ制御により圧縮機21の運転が再開する。このとき、圧縮機21はサーモオン状態になる。
時間t32以降暫くの期間は、暖房能力と暖房負荷とが均衡しないため、室温Trが下降し続けるが、その後、圧縮機21の容量が適切な大きさに設定されるため、室温Trの下降は上昇に転じて、時間t33において室温Trが再び動作復帰温度Tdよりも高くなる。
そして、時間t34において、室温Trが動作停止温度Tcに達したときは、サーモ制御により圧縮機21の運転が停止する。
以上のように、暖房運転では、圧縮機21の容量制御及びサーモ制御によって、室温Trは設定温度Tyの近辺で推移する。
ところで、暖房運転時においても、冷房運転時と同様に圧縮機21の発停頻度が高くなることがある。この理由を次に説明する。例えば、圧縮機21の発停頻度の増大は、外気が侵入しやすい狭い空間の部屋において生じやすい。このような環境では、低温の外気が侵入するようになると室温Trが急下降する。このため、過下降温度ΔTundが過大になる。室温Trが動作復帰温度Tdに達したときには暖房運転が開始するが、室温Trが急変化するときは、冷媒回路の応答性に起因して、急変する暖房負荷に対する暖房能力の追従性が低下するため、暖房負荷に対して暖房能力が過大になる。この結果、室温Trが急上昇する。このようにして、室温Trの急下降及びこれに伴う急上昇が生じ、圧縮機21の運転停止時と運転再開時の時間間隔が短くなる。このため、圧縮機21の発停頻度が増大する。
そこで、このような環境において、圧縮機21の発停頻度の増大を抑制するために、実施形態に係る空気調和機1では、過下降温度ΔTundに基づいて動作停止温度Tc及び動作復帰温度Tdを変更する制御を行う。ここで、過下降温度ΔTundとは、圧縮機21の運転中において室温Trが動作復帰温度Tdよりも低く、かつ室温Trと設定温度Tyとの温度差の絶対値が最も大きいときの温度差(室温Trと設定温度Tyとの温度差の絶対値)を示す(図8参照)。以下、この制御について説明する。
図9を参照して、「暖房運転時の過下降温度の検出処理」の処理手順について説明する。この処理は、サーモ制御部25bにより所定周期毎に実行される。そして、「暖房運転時の過下降温度の検出処理」において得られた「過下降温度」は室外ユニット制御装置25の記憶部に記憶される。
ステップS510において、空気調和機1の起動後、圧縮機21の最初の運転停止が実行されたか否かについて判定する。そして、圧縮機21の最初の運転停止が実行されていないときは、当該「暖房運転時の過下降温度の検出処理」を一旦終了する(NO判定)。
ステップS510において、圧縮機21の最初の運転停止が実行された旨判定するとき(YES判定)、ステップS520に移行し、圧縮機21が運転中であるか否かについて判定する。圧縮機21が停止している旨判定するときは(NO判定)、「暖房運転時の過下降温度の検出処理」を一旦終了する。
ステップS520において、圧縮機21が運転中である旨判定するときは(YES判定)、ステップS530に移行する。
ステップS530においては、室温Trが動作復帰温度Tdよりも低いか否かについて判定する。そして、室温Trが動作復帰温度Tdよりも低い旨判定するとき(YES判定)、ステップS540及びステップS550を実行する。すなわち、ステップS540及びステップS550の処理は、室温Trが動作復帰温度Tdよりも低くなった時から、その後の暖房により室温Trが上昇して室温Trが動作復帰温度Tdよりも高くなる直前までの期間(図8の時間t32から時間t33までの期間)実行される。
ステップS540では、室温Trと設定温度Tyとの差の絶対値を算出し、この値を温度差データDTxとする。ステップS550では、温度差データDTxを演算用データとして、室外ユニット制御装置25の記憶部に蓄積する。
ステップS530において、室温Trが動作復帰温度Td以上である旨判定するとき(NO判定)、ステップS560に移行する。
ステップS560において、前回処理で「室温Tr<動作復帰温度Td」を満たしていたか否かを判定する。すなわち、今回の処理が、室温Trが動作復帰温度Td以上となって行われる最初の処理であるかについて判定する。そして、前回処理で「室温Tr<動作復帰温度Td」を満たしている旨判定するとき(YES判定)、すなわち、今回の処理が、室温Trが動作復帰温度Td以上となって行われる最初の処理であるときは、ステップS570に移行する。
ステップS570においては、室温Trが動作復帰温度Tdよりも低くなった時から、その後の暖房により室温Trが上昇して室温Trが動作復帰温度Tdよりも高くなる直前までの期間に(図8の時間t32から時間t33までの期間)蓄積された温度差データDTxに基づいて、過下降温度ΔTundを求める。すなわち、温度差データDTxの集合である演算用データの中で最も大きい値を抽出し、抽出したものを「過下降温度ΔTund」に設定する。
ステップS560において、前回処理で「室温Tr<動作復帰温度Td」を満たしていない旨判定するときは、既に、ステップS570の処理が行われたことを意味するため、演算用データを初期値にリセットする。
図10を参照して、過下降温度ΔTundに基づいて実行される処理、「動作復帰温度及び動作停止温度の設定処理」について説明する。
「動作復帰温度及び動作停止温度の設定処理」は、サーモ制御部25bにより、「暖房運転時の過下降温度の検出処理」の実行後に行われる。
ステップS610において、過下降温度ΔTundが設定値ΔTundxよりも大きいか否かについて判定する。設定値ΔTundxは、空気調和機1の起動時に設定されている動作復帰温度Tdの初期設定値と設定温度Tyとの差の絶対値よりも大きい値に設定されている。
ステップS610の処理により、過下降温度ΔTundが過大であるか否かが判定される。この処理で、過下降温度ΔTundが設定値ΔTundxよりも大きい旨判定するときは、ステップS620及びステップS630の処理を実行する。
ステップS620では、動作停止温度Tcを再設定する。
すなわち、動作停止温度Tcに、過下降温度ΔTundに係数β1を乗じた値(過下降温度ΔTundの所定割合分)を加えて得た値を、新たな動作停止温度Tcに設定する。係数β1は、0よりも大きく1よりも小さい値である。動作停止温度Tcは(5)式により表される。
ステップS630では、動作復帰温度Tdを再設定する。
すなわち、動作復帰温度Tdに、過下降温度ΔTundに係数β2を乗じた値(過下降温度ΔTundの所定割合分)を加えて得た値を、新たな動作復帰温度Tdに設定する。係数β2は、0よりも大きく1よりも小さい値である。動作復帰温度Tdは(6)式により表される。なお、係数β2は係数β1よりも小さいことが好ましい。
(5)式及び(6)式を示す。
動作停止温度Tc=動作停止温度Tc+過下降温度ΔTund×β1…(5)
動作復帰温度Td=動作復帰温度Td+過下降温度ΔTund×β2…(6)
ステップS610の処理で、過下降温度ΔTundが設定値ΔTundx以下である旨判定するときは、ステップS640に移行する。
ステップS640においては、所定期間にわたる室温Trの平均値(以下、「平均室温Tavy」という。)を算出し、平均室温Tavyと設定温度Tyとの温度差の絶対値を算出する。そして、平均室温Tavyが設定温度Tyよりも高く、かつ平均室温Tavyと設定温度Tyとの温度差の絶対値が設定値ΔTapyよりも大きいか否かについて判定する。すなわち、この処理により、平均室温Tavyが設定温度Tyから乖離し、室温Trが上昇し過ぎていないかについて判定する。
ステップS640の処理で、平均室温Tavyが設定温度Ty以下である旨、または平均室温Tavyと設定温度Tyとの温度差の絶対値が設定値ΔTapy以下である旨判定するときは(NO判定)、「動作復帰温度及び動作停止温度の設定処理」を終了する。また、ステップS640の処理で、平均室温Tavyが設定温度Tyよりも高く、かつ平均室温Tavyと設定温度Tyとの温度差の絶対値が設定値ΔTapyよりも大きい旨判定するときは(YES判定)、ステップS650及びステップS660の処理を実行する。
ステップS650では、動作停止温度Tcを再設定する。
すなわち、動作停止温度Tcから、過下降温度ΔTundに係数β3を乗じた値(過下降温度ΔTundの所定割合分)を引いて得た値を動作停止温度Tcに設定する。係数β3は、0よりも大きく1よりも小さい値である。動作停止温度Tcは(7)式により表される。
ステップS660では、動作復帰温度Tdを再設定する。
すなわち、動作復帰温度Tdから、過下降温度ΔTundに係数β4を乗じた値(過下降温度ΔTundの所定割合分)を引いて得た値を動作復帰温度Tdに設定する。係数β4は、0よりも大きく1よりも小さい値である。動作復帰温度Tdは(8)式により表される。
(7)式及び(8)式を示す。
動作停止温度Tc=動作停止温度Tc−過下降温度ΔTund×β3…(7)
動作復帰温度Td=動作復帰温度Td−過下降温度ΔTund×β4…(8)
図11を参照して、動作復帰温度Td及び動作停止温度Tcの設定変更前後において、時間経過に対する室温Trの変化、圧縮機21の運転状態、及び圧縮機21の容量変化について、説明する。
図11における実線のうち、時間t44以降に示されている部分が、動作停止温度Tc及び動作復帰温度Tdの設定変更後における各パラメータの変化を示す。2点鎖線は、動作停止温度Tc及び動作復帰温度Tdの設定変更しなかった場合の各パラメータの変化を示す。
時間t41において、室温Trが動作復帰温度Tdよりも低くなるため、圧縮機21が運転再開する。圧縮機21の容量は、室温Trと設定温度Tyとの温度差が大きくなるに従って大きくなり、暖房能力が増大する。このため、室温Trの下降は、圧縮機21の運転再開から暫くして上昇に転じる。その後、室温Trが上昇し続け、これに伴って圧縮機21の容量も小さくなる。その後、時間t42において、室温Trが再び動作復帰温度Tdよりも高くなる。
時間t41から時間t42までの期間、「暖房運転時の過下降温度の検出処理」の処理により、室温Trと設定温度Tyとの差(温度差データDTx)が周期的に検出される。そして、時間t42において、温度差データDTxに基づいて過下降温度ΔTundが設定される。
過下降温度ΔTundが設定値ΔTundxよりも大きいときは、過下降温度ΔTundが過大であるとして、動作停止温度Tc及び動作復帰温度Tdの再設定が行われる。この例では、過下降温度ΔTundが過大であるとして判定された例を示している。このため、動作復帰温度Tdが新たな動作復帰温度Td1として再設定されている。また、動作停止温度Tcが新たな動作停止温度Tc1として再設定されている。
時間t43において、室温Trが動作停止温度Tc1よりも高くなる。このとき、サーモ制御により圧縮機21の運転が停止する。これにより暖房が行われなくなるため、室温Trは徐々に下降し、動作復帰温度Td1に近づく。
時間t44において、室温Trが動作復帰温度Td1よりも低くなる。このとき、サーモ制御により圧縮機21の運転が再開する。その後、室温Trは一旦下降してから上昇に転じ、徐々に高くなり、時間t45において動作停止温度Tc1に達する。
次に、動作復帰温度Td及び動作停止温度Tcの設定変更による作用を説明する。
動作復帰温度Td及び動作停止温度Tcの設定変更により、圧縮機21の運転再開の温度は、動作復帰温度Tdの設定変更前に比べて高くなる。このため、過下降温度ΔTundの大きさが設定変更前に比べて小さくなる。また、過下降温度ΔTundの大きさが小さくなることにより、動作復帰温度Tdの設定変更前に比べて、室温Trの上昇率が低下する。これは、過下降温度ΔTundが小さくなることによりPI制御の積分項の寄与が小さくなり、暖房負荷の変化に対する圧縮機21の容量の追従性が向上するためである。この結果、圧縮機21の運転が再開してから停止するまでの圧縮機21の運転時間は、動作停止温度Tc及び動作復帰温度Tdを設定変更する前に比べて長くなる。また、設定変更前に比べて動作停止温度Tcを高くすることによっても圧縮機21の運転時間が長くなる。このため、圧縮機21の発停頻度が低くなる。
本実施形態によれば以下に示す効果を奏する。
(1)本実施形態では、サーモ制御部25bは、冷房運転のとき、過上昇温度ΔTovが過大であるときは過上昇温度ΔTovの大きさに基づいて動作復帰温度Ta及び動作停止温度Tbを低くする。また、暖房運転のとき、過下降温度ΔTundが過大であるときは過下降温度ΔTundが大きさに基づいて動作停止温度Tc及び動作復帰温度Tdを高くする。
冷房運転において動作復帰温度Taを低くすると、過上昇温度ΔTovが小さくなる。この結果、室温Trの急下降が緩和し、圧縮機21の運転時間が長くなる。また、動作停止温度Tbを低くすることによっても圧縮機21の運転時間が長くなる。このようなことにより、圧縮機21の発停頻度を低くすることができる。
また、暖房運転において動作復帰温度Tdを高くすると、過下降温度ΔTundが小さくなる。この結果、室温Trの急上昇が緩和し、圧縮機21の運転時間が長くなる。また、動作停止温度Tcを高くすることによっても圧縮機21の運転時間が長くなる。このようなことにより、圧縮機21の発停頻度を低くすることができる。
(2)本実施形態では、サーモ制御部25bは、冷房運転のとき、動作停止温度Tbから過上昇温度ΔTovの大きさの所定割合分を引いて得た値を新たな動作停止温度Tbとする((2)式参照)。暖房運転のとき、動作停止温度Tcに過下降温度ΔTundの大きさの所定割合分を加えて得た値を新たな動作停止温度Tcとする((5)式参照)。この構成によれば、冷房運転及び暖房運転において、簡単な計算方法により動作停止温度Tb,Tcを新たな値に再設定することができる。
(3)本実施形態では、サーモ制御部25bは、冷房運転のとき、動作復帰温度Taから過上昇温度ΔTovの大きさの所定割合分を引いて得た値を新たな動作復帰温度Taとする((1)式参照)。暖房運転のとき、動作復帰温度Tdに過下降温度ΔTundの大きさの所定割合分を加えて得た値を新たな動作復帰温度Tdとする((6)式参照)。この構成によれば、冷房運転及び暖房運転において、簡単な計算方法により、動作復帰温度Ta,Tdを新たな値に設定することができる。
(4)本実施形態では、サーモ制御部25bは、冷房運転のとき、過上昇温度ΔTovが設定値ΔTovx(第1の設定値)よりも大きいとき、この過上昇温度ΔTovが過大である旨判定する。暖房運転のとき、過下降温度ΔTundが設定値ΔTundx(第2の設定値)よりも大きいとき、この過下降温度ΔTundが過大である旨判定する。この構成によれば、過上昇温度ΔTov、過下降温度ΔTundが過大であるか否か簡単な方法で判定することができる。
(5)本実施形態では、サーモ制御部25bは、冷房運転のとき、平均室温Tavxが設定温度Txよりも低く、かつ平均室温Tavxと設定温度Txとの温度差の絶対値が過大であるときは、動作停止温度Tb及び動作復帰温度Taを高くする(図5ステップS340参照)。暖房運転のとき、平均室温Tavyが設定温度Tyよりも高く、かつ平均室温Tavyと設定温度Tyとの温度差の絶対値が過大であるときは、動作停止温度Tc及び動作復帰温度Tdを低くする(図10ステップS640参照)。
冷房運転のとき、動作停止温度Tb及び動作復帰温度Taの設定変更を繰り返すと、平均室温Tavxが低くなり過ぎることが想定される。そこで、平均室温Tavxが設定温度Txよりも低く、かつ平均室温Tavxと設定温度Txとの温度差の絶対値が過大であるとき、動作停止温度Tb及び動作復帰温度Taを高くする。これにより、平均室温Tavxと設定温度Txとの乖離を抑制することができる。
暖房運転のとき、動作停止温度Tc及び動作復帰温度Tdの設定変更を繰り返すと、平均室温Tavyが高くなり過ぎることが想定される。そこで、平均室温Tavyが設定温度Tyよりも高く、かつ平均室温Tavyと設定温度Tyとの温度差の絶対値が過大であるとき、動作停止温度Tc及び動作復帰温度Tdを低くする。これにより、平均室温Tavyと設定温度Tyとの乖離を抑制することができる。
(6)本実施形態では、冷房運転で過上昇温度ΔTovが過大であるとき、上記(1)式及び(2)式に基づいて、動作復帰温度Ta及び動作停止温度Tbの値を変更するが、これら式において、係数α2は係数α1よりも大きい値とすることが好ましい。この場合、動作停止温度Tbの補正分(過上昇温度ΔTov×α2)は、動作復帰温度Taの補正分(過上昇温度ΔTov×α1)よりも大きくなる。このような設定の場合は、仮に、動作復帰温度Taの設定変更による室温Trの下降率の低下が小さい場合においても、或いは、圧縮機21の運転中における室温Trのカーブ曲線の形状に変化が少ない場合においても、実質的に、圧縮機21の運転時間を長くすることができる。
(7)本実施形態では、暖房運転で過下降温度ΔTundが過大であるとき、上記(5)式及び(6)式に基づいて、動作復帰温度Td及び動作停止温度Tcの値を変更するが、これら式において、係数β1は係数β2よりも大きい値とすることが好ましい。
この場合、動作停止温度Tcの補正分(過下降温度ΔTund×β1)は、動作復帰温度Tdの補正分(過下降温度ΔTund×β2)よりも大きくなる。このような設定の場合は、仮に、動作復帰温度Tdの設定変更による室温Trの上昇率の低下が小さい場合においても、或いは、圧縮機21における運転中の室温Trのカーブ曲線の形状に変化が少ない場合においても、実質的に、圧縮機21の運転時間を長くすることができる。
(変形例)
なお、本技術の実施態様は上記に示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。また以下の各変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記実施形態では、冷房運転において過上昇温度ΔTovが過大であるとき、動作復帰温度Taを(1)式により、動作停止温度Tbを(2)式により設定変更するが、設定変更の方法はこれに限定されない。
例えば、冷房運転時、過上昇温度ΔTovが過大であるとき、過上昇温度ΔTovの大きさに基づいて動作停止温度Tbを低くし、動作復帰温度Taの変更は行わない。この構成によれば、動作停止温度Tbを低くするため、圧縮機21の運転時間が長くなる。これにより、圧縮機21の発停頻度を低くすることができる。
・上記実施形態では、暖房運転において過下降温度ΔTundが過大であるとき、動作停止温度Tcを(5)式により、動作復帰温度Tdを(6)式により設定変更するが、設定変更の方法はこれに限定されない。
例えば、暖房運転時、過下降温度ΔTundが過大であるとき、過下降温度ΔTundの大きさに基づいて動作停止温度Tcを高くし、動作復帰温度Tdの変更は行わない。この構成によれば、動作停止温度Tcを高くするため、圧縮機21の運転時間が長くなる。これにより、圧縮機21の発停頻度を低くすることができる。
・上記実施形態では、過上昇温度ΔTov,過下降温度ΔTundを、図4または図9に示すように、室温Trと設定温度Tx,Tyとの差を周期的に算出し、これを演算用データとして蓄積する。そして、演算用データの中で最も大きい値を抽出し、抽出したデータの値を過上昇温度ΔTov,過下降温度ΔTundに設定する。しかし、過上昇温度ΔTov,過下降温度ΔTundの設定方法はこれに限定されない。例えば、室温Trと設定温度Tx,Tyとの差を過上昇温度ΔTov(または過下降温度ΔTund)として周期的に算出する。そして、前回の処理において記憶した過上昇温度ΔTov(または過下降温度ΔTund)と、今回の処理で得られた過上昇温度ΔTov(または過下降温度ΔTund)とを比較し大きいと判定された値を過上昇温度ΔTov(または過下降温度ΔTund)として記憶する。そして、この操作を、冷房運転時においては室温Trが動作復帰温度Taよりも高くなってから動作復帰温度Taよりも低くなるまで繰り返し実行する。また、暖房運転時においては、この操作を、室温Trが動作復帰温度Tdよりも低くなってから動作復帰温度Tdよりも高くなるときまで繰り返し実行する。このようにして、過上昇温度ΔTov,過下降温度ΔTundが設定される。
・上記実施形態では、圧縮機21を停止する場合や圧縮機21の運転を再開するときは、容量制御部25aを通じて行っているが、これに代えて、次の構成により行ってもよい。すなわち、インバータ回路21aの電力供給配線に設けられたリレースイッチを設け、圧縮機21の運転を停止するときは、リレースイッチを「開(切断状態)」にして圧縮機21のモータへの電力供給を停止する。圧縮機21の運転を再開するときは、リレースイッチを「閉(接続状態)」にして圧縮機21のモータへの電力供給を再開する。
1…空気調和機、10…室内ユニット、11…膨張弁、12…室内側熱交換器、13…室内ファン、14…室内ユニット制御装置、15…リモートコントローラ、16…室温センサ、20…室外ユニット、21…圧縮機、21a…インバータ回路、22…室外側熱交換器、23…四路切換弁、24…室外ファン、25…室外ユニット制御装置、25a…容量制御部、25b…サーモ制御部、30…連絡配管。

Claims (6)

  1. 圧縮機(21)と、空調負荷に応じて前記圧縮機(21)の容量を制御する容量制御部(25a)と、冷房運転では、設定温度(Tx)よりも高い動作復帰温度(Ta)で前記圧縮機(21)を動作させ、前記設定温度(Tx)よりも低い動作停止温度(Tb)で前記圧縮機(21)を停止させるものであり、暖房運転では、設定温度(Ty)よりも低い動作復帰温度(Td)で前記圧縮機(21)を動作させ、前記設定温度(Ty)よりも高い動作停止温度(Tc)で前記圧縮機(21)を停止させるサーモ制御部(25b)とを備える空気調和機において、
    前記サーモ制御部(25b)は、
    冷房運転時、室温(Tr)が上昇して前記動作復帰温度(Ta)よりも高くなり前記圧縮機(21)が運転再開した後において室温(Tr)と設定温度(Tx)との差が最も大きくなるときの温度差を過上昇温度(ΔTov)として記憶し、この過上昇温度(ΔTov)が過大であるとき、過上昇温度(ΔTov)の大きさに基づいて前記動作停止温度(Tb)を低くするものであり、
    暖房運転時、室温(Tr)が下降して前記動作復帰温度(Td)よりも低くなり前記圧縮機(21)が運転再開した後において室温(Tr)と設定温度(Tx)との差が最も大きくなるときの温度差を過下降温度(ΔTund)として記憶し、この過下降温度(ΔTund)が過大であるとき、過下降温度(ΔTund)の大きさに基づいて前記動作停止温度(Tc)を高くする
    ことを特徴とする空気調和機。
  2. 請求項1の記載の空気調和機において、
    前記サーモ制御部(25b)は、
    冷房運転のとき、前記過上昇温度(ΔTov)が過大であるときは前記過上昇温度(ΔTov)の大きさに基づいて前記動作復帰温度(Ta)及び前記動作停止温度(Tb)を低くし、
    暖房運転のとき、前記過下降温度(ΔTund)が過大であるときは前記過下降温度(ΔTund)の大きさに基づいて前記動作停止温度(Tc)及び前記動作復帰温度(Td)を高くする
    ことを特徴とする空気調和機。
  3. 請求項1または2の記載の空気調和機において、
    前記サーモ制御部(25b)は、
    冷房運転のとき、前記過上昇温度(ΔTov)が過大であるときは前記動作停止温度(Tb)から前記過上昇温度(ΔTov)の大きさの所定割合分を引いて得た値を新たな前記動作停止温度(Tb)とし、
    暖房運転のとき、前記過下降温度(ΔTund)が過大であるときは前記動作停止温度(Tc)に前記過下降温度(ΔTund)の大きさの所定割合分を加えて得た値を新たな前記動作停止温度(Tc)とする
    ことを特徴とする空気調和機。
  4. 請求項2の記載の空気調和機において、
    前記サーモ制御部(25b)は、
    冷房運転のとき、前記過上昇温度(ΔTov)が過大であるときは前記動作復帰温度(Ta)から前記過上昇温度(ΔTov)の大きさの所定割合分を引いて得た値を新たな前記動作復帰温度(Ta)とし、
    暖房運転のとき、前記過下降温度(ΔTund)が過大であるときは前記動作復帰温度(Td)に前記過下降温度(ΔTund)の大きさの所定割合分を加えて得た値を新たな前記動作復帰温度(Td)とする
    ことを特徴とする空気調和機。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気調和機において、
    前記サーモ制御部(25b)は、
    冷房運転のとき、前記過上昇温度(ΔTov)が第1の設定値よりも大きいとき、この過上昇温度(ΔTov)が過大である旨判定し、
    暖房運転のとき、前記過下降温度(ΔTund)が第2の設定値よりも大きいとき、この過下降温度(ΔTund)が過大である旨判定する
    ことを特徴とする空気調和機。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気調和機において、
    冷房運転のとき、平均室温(Tavx)が前記設定温度(Tx)よりも低く、かつ前記平均室温(Tavx)と前記設定温度(Tx)との温度差が過大であるときは、前記動作停止温度(Tb)及び前記動作復帰温度(Ta)を高くし、
    暖房運転のとき、平均室温(Tavy)が前記設定温度(Ty)よりも高く、かつ前記平均室温(Tavy)と前記設定温度(Ty)との温度差が過大であるときは、前記動作停止温度(Tc)及び前記動作復帰温度(Td)を低くする
    ことを特徴とする空気調和機。
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