JP2015181978A - 帯状のフィルム基材上に不連続な塗膜を形成するための塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

帯状のフィルム基材上に不連続な塗膜を形成するための塗布装置及び塗布方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な方法で、基材の長手方向に対して、または長手方向及び幅方向に対して、間欠的に塗膜を形成することができる塗布装置及び塗布方法を提供する。【解決手段】帯状のフィルム基材上に膜を形成する塗布装置は、塗膜材料が外周面上に付着して回転する塗布ロールと、前記塗布ロールに前記塗膜材料を供給する塗液供給部材と、前記塗布ロールに対して前記フィルム基材を連続的に搬送するフィルム基材搬送部と、前記フィルム基材の前記塗膜形成面に向かってガスを吹き出して前記フィルム基材と前記塗布ロールを非接触にするエアナイフとを備える【選択図】 図1

Description

本発明は、帯状のフィルム基材上に不連続な塗膜を形成するための塗布装置及び塗布方法、基材上に互いに離間した凹凸パターン形成領域を有するフィルム部材を製造するための装置及び方法、並びにそれを用いた凹凸パターンを有する基板の製造方法に関する。
帯状のフィルム基材に塗膜を形成する方法として、回転する塗布ロールに塗膜材料を付着させ、フィルム基材を搬送しながらこの塗布ロール上の塗膜材料と接触させることによりフィルム基材上に塗膜を形成するような、グラビアコート法等の方法が知られている。
このような塗膜形成方法は、太陽電池、燃料電池、蓄電池などの電極材シート、反射防止膜、触媒塗布等の種々の用途において用いられているが、これらの用途において、基材上に一面に塗膜を形成するだけでなく、基材上の種々の形状及び面積に分割された領域に塗膜を形成する必要がある場合がある。このような場合、特許文献1に記載されるような方法により、長手方向及び幅方向において連続した無塗布領域を形成することができ、基材の長手方向及び幅方向に対して間欠的に(不連続な)塗膜を形成することができる。特許文献1に記載の方法では、フィルム基材を長手方向に搬送しながら、基材を介して塗布ロールに接触するように配置されたバッキングロールを、間欠的に塗布ロールから離間させることにより、フィルム基材の幅方向において連続した無塗布領域を形成し、それにより、フィルム基材の長手方向に対して間欠的に(長手方向において不連続に)塗膜を形成している。また、外周面上に周方向に沿って溝部を形成した塗布ロールを用い、この溝部と係合するドクターブレード等により溝部内の塗布材料を除去しながら、フィルム基材を塗布ロールに接触させつつ長手方向に搬送することにより、フィルム基材の長手方向(搬送方向)において連続した無塗布領域を形成し、それにより、フィルム基材の幅方向に対して間欠的な(幅方向において不連続な)塗膜を形成している。上記の方法により、基材の長手方向及び幅方向に対して間欠的に(不連続な)塗膜を形成することが可能となり、所望の孤立または離間したエリアで区画されたパターンを有する塗膜を基材上に形成することができる。
特開2000−51778号公報
本発明の目的は、簡便な方法で、基材上に不連続な塗膜を形成することができ、種々のパターンの塗膜の形成に適合可能である塗布装置及び塗布方法を提供することにある。また、そのような塗布装置及び塗布方法を用いて、基材上に複数の離間した凹凸パターン形成領域を有するフィルム部材を製造するための装置及び方法が提供される。さらに、本発明により製造されるフィルム部材をモールドとして用いて、凹凸パターンを有する基板を製造する方法も提供される。
本発明の第1の態様に従えば、帯状のフィルム基材に膜を形成する塗布装置であって、
塗膜材料が外周面上に付着して回転する塗布ロールと、
前記塗布ロールに前記塗膜材料を供給する塗液供給部材と、
前記塗布ロールに対して前記フィルム基材を接触させながら連続的に搬送するフィルム基材搬送部と、
前記フィルム基材の前記塗膜形成面に向かってガスを吹き出して前記フィルム基材と前記塗布ロールを非接触にするエアナイフとを備える塗布装置が提供される。
前記塗布装置は、前記エアナイフに対向して配置され、前記フィルム基材が前記塗布ロールと非接触であるときに前記フィルム基材を吸引して保持するサクションロールをさらに備えてよい。前記サクションロールは、ガスを排出する機構を有してよい。また、前記フィルム基材の前記塗膜形成面の裏面に向かってガスを吹き出す、別のエアナイフをさらに備えてよい。
前記塗布装置は、前記フィルム基材上に前記フィルム基材の搬送方向に連続した無塗布領域を形成する搬送方向無塗布領域形成機構をさらに備えてよい。
前記塗布装置において、前記搬送方向無塗布領域形成機構が、
前記塗布ロールより前記フィルム基材の搬送方向の上流側に位置し、前記フィルム基材の前記塗膜形成面上に、前記フィルム基材の搬送方向に沿って帯状のマスクシートを付与するマスク付与部と、
前記塗布ロールより前記フィルム基材の搬送方向の下流側に位置し、前記マスクシートを前記フィルム基材から剥離するマスク剥離部とを含んでよい。
前記塗布装置において、前記搬送方向無塗布領域形成機構が、前記塗布ロールより前記フィルム基材の搬送方向の上流側に位置し且つ前記フィルム基材の前記塗膜形成面上に撥液性材料を塗布する撥液材料塗布部を含んでよい。
前記塗布装置において、前記塗布ロールが前記搬送方向無塗布領域形成機構を含み、
前記搬送方向無塗布領域形成機構は、前記塗布ロールの前記外周面上に形成され且つ前記塗布ロールの周方向に連続した2つ以上の液体担持領域と、前記塗布ロールの前記外周面上において前記液体担持領域の各々の間に形成された液体非担持領域を含んでよい。前記液体非担持領域は平坦な面を有してもよい。また、前記液体非担持領域は撥液加工されていてもよい。また、前記液体非担持領域は前記液体担持領域に対して凹部を有していてもよい。
前記塗布装置において、前記塗液供給部材が前記搬送方向無塗布領域形成機構を含み、
前記搬送方向無塗布領域形成機構は、前記塗布ロールの回転軸方向においてそれぞれが離間して配置されている少なくとも2個以上の塗液供給チャンバーを含んでよい。
前記塗布装置において、形成される前記膜が前記フィルム基材の長手方向及び幅方向において互いに離間したエリア(凹凸パターン形成領域)を有する膜であってよい。
本発明の第2の態様に従えば、凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造装置であって、
帯状のフィルム基材上に凹凸形成材料を塗布して膜を形成する塗布部と、
凹凸パターンを有する転写ロールを有し、前記凹凸パターンを前記膜に転写する転写部と、
前記塗布部から前記転写部に向かって前記フィルム基材を連続的に搬送する搬送部とを備え、
前記塗布部が、第1の態様の塗布装置により構成されるフィルム部材の製造装置が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第1の態様の塗布装置を用いて、帯状のフィルム基材上に互いに離間した複数のエリアを有する膜を形成する方法であって、
前記エアナイフからの前記ガスの吹き出しを開始及び停止させることにより前記フィルム基材の幅方向に連続した無塗布領域を形成することを含む互いに離間した複数のエリアを有する膜を形成する方法が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、第1の態様の塗布装置を用いて、帯状のフィルム基材上に前記フィルム基材の長手方向及び幅方向において互いに離間した複数のエリアを有する膜を形成する方法であって、
前記エアナイフからの前記ガスの吹き出しを開始及び停止させることにより前記フィルム基材の幅方向に連続した無塗布領域を形成することと、
前記搬送方向無塗布領域形成機構を用いて前記フィルム基材の長手方向に連続した無塗布領域を形成することとを含む膜を形成する方法が提供される。
前記膜を形成する方法において、前記搬送方向無塗布領域形成機構を用いて前記フィルム基材の長手方向に連続した無塗布領域を形成することが、前記フィルム基材上に帯状のマスクシートを付与することと、前記マスクシートを付与した前記フィルム基材に塗膜材料を接触させて、前記マスクシートを付与した前記フィルム基材上に前記塗膜材料を塗布することとを含んでよい。
前記膜を形成する方法において、前記搬送方向無塗布領域形成機構を用いて前記フィルム基材の長手方向に連続した無塗布領域を形成することが、前記フィルム基材上に撥液性材料を塗布することと、前記撥液性材料を塗布した前記フィルム基材に塗膜材料を接触させて、前記フィルム基材上に前記塗膜材料を塗布することとを含んでよい。
前記膜を形成する方法において、前記搬送方向無塗布領域形成機構を用いて前記フィルム基材の長手方向に連続した無塗布領域を形成することが、前記塗布ロールの周方向に連続した2つ以上の領域に塗膜材料を担持することと、前記塗布ロールに担持した前記塗膜材料を前記フィルム基材に接触させて、前記フィルム基材上に前記塗膜材料を塗布することとを含んでよい。
本発明の第5の態様に従えば、凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造方法であって、
第3の態様または第4の態様の膜を形成する方法により、帯状のフィルム基材上に凹凸形成材料を塗布して前記凹凸形成材料の膜を形成する塗布工程と、
転写ロールの凹凸パターンを前記膜に転写する転写工程とを含むフィルム部材の製造方法が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、凹凸パターンを有する基板の製造方法であって、
基板上にゾルゲル材料層を形成することと、
第5の態様のフィルム部材の製造方法により製造されたフィルム部材を凹凸パターンを有するモールドとして用いて、前記モールドの前記凹凸パターンを前記ゾルゲル材料層に転写することを含む基板の製造方法が提供される。
本発明の塗布装置において、フィルム基材を搬送しながら塗布ロールに対して接触させたり離間させたりするように移動することにより、フィルム基材の幅方向に連続した無塗布領域を形成することができる。本発明の塗布装置は、エアナイフを用いてフィルム基材を塗布ロールに対して移動または変位させるため、装置の構成を単純化できる。本発明の塗布装置はさらに、フィルム基材の長手方向(搬送方向)に連続した無塗布領域を形成する手段を備えることにより、基材上に所望の複数のエリアが区画されたパターンを有する塗膜を形成することができる。ゆえに本発明の塗布装置は、種々のパターンの塗膜を簡便に形成することができる。さらにこの塗布装置を用いて、基材上に所望の領域において凹凸パターンが形成されたフィルム部材を製造することができる。本発明の塗布装置及び塗布方法、並びに凹凸パターンを有するフィルム部材の製造装置及び製造方法は、太陽電池、燃料電池、蓄電池などの電極材シート、反射防止膜、触媒塗布に用いられる基板の製造にきわめて有効である。
図1(a)〜(c)は、基材の長手方向において不連続な塗膜を形成するための第1の実施形態の塗布装置を概念的に示す図である。 基材の長手方向及び幅方向において不連続な塗膜を形成するための第2の実施形態の塗布装置を概念的に示す図である。 基材の長手方向及び幅方向において不連続な塗膜を形成するための第3の実施形態の塗布装置を概念的に示す図である。 基材の長手方向及び幅方向において不連続な塗膜を形成するための第4の実施形態の塗布装置を概念的に示す図である。 基材の長手方向及び幅方向において不連続な塗膜を形成するための第5の実施形態の塗布装置を概念的に示す図である。 凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造装置を概念的に示す図である。 帯状のフィルム部材の凹凸パターンを基板に転写する様子の一例を概念的に示す図である。
以下、本発明の塗布装置、凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造装置及び製造方法、並びにそのフィルム部材を用いて製造された凹凸パターンを有する部材の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態の塗布装置]
まず、基材の長手方向(搬送方向)において不連続な塗膜を形成するための第1の実施形態の塗布装置140aについて説明する。第1の実施形態の塗布装置140aは、図1(a)に示すように、主に、フィルム基材80を連続的に送り出すフィルム搬送部120aと、フィルム搬送部120aにより送り出されたフィルム基材80上に液体を塗布して塗膜84を形成する塗布ロール40と、塗布ロール40に塗液(塗膜材料)を供給する塗液供給部材82と、フィルム基材80の搬送方向において塗布ロール40に対して上流側に位置し、フィルム基材80の表面(塗膜84を形成する面)に対してガスを吹き付けてフィルム基材80の搬送路を変位させるエアナイフ44とを備える。以下に、各部の構造の詳細について説明する。
<フィルム搬送部>
フィルム搬送部120aは、図1(a)に示すように、主に、帯状のフィルム基材80を搬送方向(図1の矢印方向)に搬送するための搬送ロール78を有する。さらに図1(a)には示していないが、フィルム基材80を繰り出す繰り出しロールと、塗布ロール40の下流に設けられてフィルム基材80を巻き取る巻き取りロールとを備えてもよい(図6参照)。搬送ロール78の回転駆動及び/または繰り出しロールと巻き取りロールの回転駆動によりフィルム基材80を搬送方向に搬送することができる。
フィルム基材80は、搬送されながら連続的な処理を可能とするために帯状あるいは長尺状のフィルム基材である。フィルム基材80は、例えば、フィルム状のガラス、シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリアリレートのような有機材料で形成される。フィルム基材は透明でも不透明でもよい。フィルム基材80とその表面に形成される塗膜との密着性を高めるために、フィルム基材80は表面に易接着処理が施されてもよい。ガスバリア層を設けるなどしてもよい。フィルム基材80の寸法は、適宜設定することができるが、例えば、フィルム基材80の幅を50〜3000mm、厚みを1〜500μmにし得る。
<塗布ロール及び塗液供給部材>
塗布ロール40は、フィルム基材80に液体を塗布して塗膜84を形成する。塗布ロール40としてグラビアロールを用いる。グラビアロールは、外周面に微細な凹凸が形成された液体担持領域40aを有し(図2参照)、図示しない駆動系により回転軸回りに回転する。塗液供給部材82は、塗膜材料が貯留されているチャンバーを含み、貯留された塗膜材料に塗布ロール40の一部が浸漬する。塗布ロール40が回転すると、塗布ロール40の液体担持領域40aにその周方向に渡って塗膜材料が担持される。塗布ロール40はフィルム搬送部によって搬送されているフィルム基材80の表面(塗膜形成面)に対向するとともに接触するように配置され、塗布ロール40が回転しながら、塗布ロール40の液体担持領域40aに担持された塗膜材料が連続搬送されている基材80に接触することにより、基材80上に塗膜材料が付着して塗膜84が形成される。
塗布ロール40及びその液体担持領域40aの寸法は、適宜設定することができる。フィルム基材80の左右の端部から塗膜材料がはみ出してフィルム基材80の裏面へ回り込むことを防止する観点から、液体担持領域40aの回転軸方向の長さは、フィルム基材80の幅より小さくしてよい。
<エアナイフ>
エアナイフ44は、フィルム基材80の搬送方向において塗布ロールに対して上流側に設けられ、フィルム基材80の搬送方向と直交する方向(幅方向)に延在する。エアナイフ44は、その延在する方向(エアナイフ44の長手方向)に沿って高圧のガスを吹き出すスリットが形成されている。エアナイフ44は、フィルム基材80の表面(塗膜形成面)に高圧のガスを吹き付けることにより、その風圧によってフィルム基材80の搬送路を、フィルム基材80が塗布ロール40に接触する経路(図1(a)において実線で図示されている経路であり、以下適宜「接触経路」という)から、フィルム基材80が塗布ロール40から離間する経路(図1において破線で図示されている経路であり、以下適宜「離間経路」という)に移動させ、フィルム基材80が塗布ロール40と非接触になるようにすることができる。
エアナイフ44がガスを吹き出していないときは、フィルム基材80の搬送路は接触経路をたどる。この場合、塗布ロール40に担持された塗膜材料が基材80に接触し、基材80上に塗膜材料が付着して塗膜84が形成される。一方、エアナイフ44がガスを吹き出しているときには、フィルム基材80の搬送路は離間経路をたどる。この場合、基材80は塗布ロール40に担持された塗膜材料から離間する(非接触になる)ため、基材80上には塗膜材料が付着せず、塗膜が形成されない。したがって、フィルム基材80を搬送しながらエアナイフ44からのガスの吹き出しのオンオフを切り変えることで、フィルム基材80の搬送方向において不連続な塗膜84を形成することができる。塗布装置140aは、エアナイフ44からのガスの吹き出しのオンオフの切り替えを制御するための制御装置をさらに備えてもよい。
フィルム基材80の搬送路が離間経路をとっている状態におけるフィルム基材80と塗布ロール40の間の距離は、5〜50mmの範囲内であることが望ましい。この距離は、エアナイフ44のスリット幅及び噴出ガス圧、フィルム基材80の接触経路とエアナイフ44の間の距離、エアナイフ44と塗布ロール40の間の距離、フィルム基材80の張力等によって調整することができる。
エアナイフ44から吹き出すガスとして、例えば、各種フィルタを通すなどにより水滴や粉じんを除去した空気(クリーンドライエア)や窒素などの不活性気体を用いることができる。作業環境の観点から、クリーンドライエア等の空気が好適である。
次に、上記のような第1の実施形態の塗布装置140aを用いて、フィルム基材80の搬送方向(長手方向)において不連続な塗膜84を形成するための動作について説明する。
まず、フィルム搬送部120aによる搬送を開始し、フィルム基材80を繰り出しロールから搬送ロール78を介して塗布ロール40に対向する位置(塗布ロール40の正面)に搬送する。フィルム基材80のうち幅方向に連続して塗膜84を形成しない部分が塗布ロール40の正面に搬送されてきたときは、エアナイフ44からガスを吹き出して、フィルム基材80の搬送路が離間経路となるようにする。それにより、フィルム基材の幅方向に連続した無塗布領域が形成される。次いで、フィルム基材80の塗膜84を形成すべき部分が塗布ロール40の正面に搬送されてきたときは、エアナイフ44からのガスの吹き出しを停止して、フィルム基材80の搬送路が接触経路となるようにする。それにより、基材80が搬送方向に移動しながら塗布ロール40と接触し、基材80上に塗膜84が所定の膜厚で形成される。上記のようにエアナイフ44からのガスの吹き出しの開始及び停止を繰り返すことで、フィルム基材80上に、フィルム基材80の搬送方向において不連続な塗膜84を形成することができる。
上記のようにして、塗布装置140aを用いてフィルム基材80の搬送方向において不連続な塗膜84をフィルム基材80上に形成することができる。フィルム基材80上の塗膜84は、フィルム基材80の搬送方向において互いに離間されている。塗布装置140aは、エアナイフ44のガスの吹き出しの開始及び停止のタイミングを変えることで、フィルム基材80の搬送方向において所望の長さを有し、且つフィルム基材80の搬送方向において所望の距離で離間された塗膜84を簡便に形成することができる。塗布装置140aは、エアナイフを用いてフィルム基材を塗布ロールに対して動かすため、フィルム基材の張力を一定に保つための複雑な装置構成が不要となり、簡単な装置構成で不連続な塗膜を形成することが可能となる。
実施形態の塗布装置はさらに、図1(b)に示すように、サクションロール46を備えてもよい。このような塗布装置140a’において、サクションロール46はエアナイフ44に対向して、フィルム基材80の裏面(塗膜形成面の反対側の面)側に設けられる。サクションロール46は、エアナイフ44によって噴出されるガスによって離間経路上に移動したフィルム基材80を吸引して、フィルム基材80を離間経路上に保持することができる。
サクションロール46は、ロールの外周面においてその外側から内側に向かって吸引力を生じさせることができるロールである。さらに、サクションロール46は、ロールの外周面においてその内側から外側に向かって排気することが可能であってよい。サクションロールは、通常、吸込口と吐出口を備えるブロワーを備えているので、その吸込口と吐出口を入れ替えることによって排気することができる。サクションロール46は、例えば、円筒状のロール本体を有し、ロール本体の外周面にロール本体の周壁を貫通する多数の貫通孔が設けられている。サクションロール46の外周面の材質をセラミックなどの多孔質体にすることによって貫通孔を設けてもよい。サクションロール46の外周面をパンチングメタル等を用いてメッシュ状にすることにより貫通孔を形成してもよい。貫通孔の形状は円形、楕円形、菱形、スリット状などにすることができる。サクションロール46は、貫通孔を通じて、ロール外側の気体や物体をロール内側に向かって吸引したり、ロール内側の気体をロール外側に向かって排出したりすることができる。サクションロール46による吸引及び排気のオンオフの切り替えは、後述するように、エアナイフ44の吹き出しのオンオフ切り替えに同期して行ってよい。塗布装置140a’は、エアナイフ44とサクションロール46が同期して動作するように制御する制御装置を備えてよい。
塗布装置140a’を用いて、フィルム基材80の搬送方向(長手方向)において不連続な塗膜84を形成するための動作について以下に説明する。
まず、フィルム搬送部120aによる搬送を開始し、フィルム基材80を繰り出しロールから搬送ロール78を介して塗布ロール40に対向する位置(塗布ロール40の正面)に搬送する。フィルム基材80のうち幅方向に連続して塗膜84を形成しない部分が塗布ロール40の正面に搬送されてきたときは、エアナイフ44からガスを吹き出し、さらにサクションロール46の外周面においてその外側から内側に向かって吸引力を生じさせてフィルム基材80を吸引して保持することにより、フィルム基材80の搬送路が離間経路となるようにする。それにより、フィルム基材の幅方向に連続した無塗布領域が形成される。なお、フィルム基材80がサクションロール46の吸引力によって保持されている間は、エアナイフ44からのガスの吹き出しを停止してよい。次いで、フィルム基材80の塗膜84を形成すべき部分が塗布ロール40の正面に搬送されてきたときは、エアナイフ44からのガスの吹き出しを停止し、さらにサクションロール46の外周面においてその内側から外側に向かって気体を排出することによって、フィルム基材80の搬送路を接触経路に変更する。それにより、基材80が搬送方向に移動しながら塗布ロール40と接触し、それにより基材80上に塗膜84が所定の膜厚で形成される。なお、フィルム基材80の搬送路が接触経路である間は、サクションロール46は貫通孔を通して気体を吸引していてもよいし、排出していてもよいし、吸引及び排出をしていなくてもよい。例えば、サクションロール46から気体を排出することにより、気体が基材80を塗布ロール40に付勢する力を与えることができ、フィルム基材80への塗膜の確実な形成を促すこともできる。上記のように、フィルム基材80を搬送しながら、エアナイフ44からのガスの吹き出しの開始及び停止、並びにサクションロール46による吸引及び排出を繰り返すことで、フィルム基材80上にフィルム基材80の搬送方向において不連続な塗膜84を形成することができる。
サクションロール46を用いた塗布装置140a’では、フィルム基材80の搬送路を接触経路から離間経路に変化させるときのみエアナイフ46からガスを吹き出せばよく、サクションロール46がフィルム基材80を保持している間はエアナイフ44からのガスの吹き出しを停止することができる。そのため、フィルム基材80の搬送路が離間位置にある間に、エアナイフ44から吹き出されるガスの流れによってフィルム基材80がばたつくことを防止することができる。
なお、図1(b)ではサクションロールを1つ用いたが、複数のサクションロールを用いてフィルム基材80を吸引保持してもよい。
図1(c)に示すように、塗布装置はサクションロール46に加えて、さらにエアナイフ48を備えてもよい。このような塗布装置140a’’において、エアナイフ48は、サクションロール46に近接して、フィルム基材80の裏面に向かってガスを吹き出すように設けられる。上記塗布装置140a’においてはサクションロール46の内側から外側に向かって気体を排出することによって、フィルム基材80の搬送路を接触経路に変更したが、塗布装置140a’’においてはその代わりに、サクションロール46が吸引を停止するとともに、エアナイフ48がフィルム基材80の裏面に向かってガスを吹き出すことによってフィルム基材80の搬送路を接触経路に変更することができる。ゆえに塗布装置140a’’において用いるサクションロール46は、ロールの外周面においてその内側から外側に向かって気体を排出することが可能でなくてもよい。
[第2の実施形態の塗布装置]
次に、基材の長手方向(搬送方向)及び幅方向において不連続な塗膜を形成するための第2の実施形態の塗布装置140bについて説明する。第2の実施形態の塗布装置140bは、図2に示すように、主に、フィルム基材80を連続的に送り出すフィルム搬送部120aと、フィルム搬送部120aにより送り出されたフィルム基材80上に液体を塗布して膜84を形成する塗布ロール40と、塗布ロール40に塗液(塗膜材料)を供給する塗液供給部材82と、フィルム基材80の搬送方向において塗布ロール40の上流側に位置し、フィルム基材80の表面(膜84を形成する面)に対してガスを吹き付けてフィルム基材80の搬送路を移動させるエアナイフ44と、フィルム基材80の搬送方向においてエアナイフ44の上流側に位置しフィルム基材80上にマスクシート11を付与するマスク付与部270と、フィルム基材80の搬送方向において塗布ロール40の下流側に位置しフィルム基材80上のマスクシート11を剥離するマスク剥離部290とを備える。
第2の実施形態の塗布装置140bのフィルム搬送部120a、塗布ロール40、塗液供給部材82及びエアナイフ44は、第1の実施形態の塗布装置140aのフィルム搬送部120a、塗布ロール40、塗液供給部材82及びエアナイフ44と同様に構成されるので、その説明は省略する。
<マスク付与部>
マスクシート11は、フィルム基材80を部分的にマスクしてフィルム基材80とともに搬送されて連続的に処理されるために、帯状あるいは長尺状の部材である。マスクシート11として、例えば、フィルム基材等を用いることができる。また、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレン(PE)等の塗膜材料をはじく(塗膜材料が濡れない)材料を用いてもよい。または、マスクシート11の表面(フィルム基材80と接触する面と反対側の面)が塗膜材料をはじくように、フッ素樹脂、シリコーン等によりマスクシート11の表面を撥液処理してもよい。マスクシート11が塗膜材料をはじくようにすることにより、塗膜材料の使用量を抑制することができる。フィルム基材80上で位置が固定されるように、マスクシート11の裏面(フィルム基材80と接触する面)は粘着性を有していてもよい。マスクシート11の幅は、フィルム基材80上に形成するフィルム基材80の搬送方向に連続した無塗布領域の幅に応じて適宜設定することができるが、フィルム基材80の幅よりも小さく、求められる製品形態によって適宜設定してよい。またマスクシート11の厚みは、例えば、5μm〜1000μmにし得るが、ハンドリング性の点で、薄すぎると破れやすく、厚すぎるとロールで巻き取りにくくなる。マスクシート11はマスク繰り出しロール13から繰り出され、マスク巻き取りロール15により巻き取られる。
マスク付与部270は、マスク繰り出しロール13と、塗布ロール40に対してフィルム基材の搬送方向の上流側に位置する貼り合わせロール17を備える。マスク付与部270において、マスク繰り出しロール13から繰り出されたマスクシート11をフィルム基材80と貼り合わせロール17の間に挟み込むことにより、フィルム基材80上にフィルム基材80の搬送方向に沿ってマスクシート11が付与される。フィルム基材80の幅方向におけるマスクシート11の付与位置は、フィルム基材80上に形成するフィルム基材80の搬送方向に連続した無塗布領域の位置に応じて適宜設定することができる。
<マスク剥離部>
マスク剥離部290は、塗布ロール40に対してフィルム基材の搬送方向の下流側に位置し且つ互いに対向して回転する一組のロール、即ち剥離ロール19及び支持ロール20から構成される。マスク剥離部290において、剥離ロール19と支持ロール20の間をフィルム基材80上に重ね合わされた状態で通過したマスクシート11を、フィルム基材80から離間する方向に搬送することにより、マスクシート11がフィルム基材80から剥離される。剥離されたマスクシート11は、フィルム基材80の搬送路から外れた位置に設けられたマスク巻き取りロール15によって巻き取ることができる。
なお、マスクシート11は、貼り合わせロール17及び剥離ロール19の回転駆動並びに/またはマスク繰り出しロール13及びマスク巻き取りロール15の回転駆動により、またはフィルム基材80の搬送に従動して、搬送方向に搬送することができる。
次に、上記のような第2の実施形態の塗布装置140bを用いて、フィルム基材80の搬送方向(長手方向)及び幅方向において不連続な塗膜84を形成するための動作について説明する。
まず、フィルム搬送部120aによる搬送を開始し、フィルム基材80を繰り出しロールから搬送ロール78を介してマスク付与部270へ送り出す。マスク付与部270において、マスク繰り出しロール13から繰り出されたマスクシート11を搬送されてきたフィルム基材80と貼り合わせロール17の間に挟み込むことにより、フィルム基材80の表面(塗膜形成面)上の所定の位置にマスクシート11を重ね合わせる。
次いで、マスクシート11が重ね合わせられたフィルム基材80を、塗布ロール40に対向する位置(塗布ロール40の正面)に搬送する。フィルム基材80のうち幅方向に連続して塗膜84を形成しない部分が塗布ロール40の正面に搬送されてきたときは、エアナイフ44からガスを吹き出して、フィルム基材80及びマスクシート11が塗布ロール40から離間するように、すなわち、フィルム基材80の搬送路が離間経路となるようにする。それにより、フィルム基材80及びマスクシート11上にフィルム基材の幅方向に連続した無塗布領域が形成される。次いで、フィルム基材80の塗膜84を形成すべき部分が塗布ロール40の正面に搬送されてきたときは、エアナイフ44からのガスの吹き出しを停止して、フィルム基材80及びマスクシート11が塗布ロール40と接触するように、すなわち、フィルム基材80の搬送路が接触経路となるようにする。それにより、基材80及びマスクシート11が搬送方向に移動しながら塗布ロール40と接触し、基材80及びマスクシート11上に塗膜84が所定の膜厚で形成される。なお、マスクシート11が塗膜材料をはじく材料で形成されている場合またはマスクシート11の表面に撥液処理が施されている場合は、マスクシート11上に塗膜は形成されない。上記のようにエアナイフ44からのガスの吹き出しの開始及び停止を繰り返すことで、フィルム基材80及びマスクシート11上に、フィルム基材80の搬送方向において不連続な塗膜84を形成することができる。
フィルム基材80及びマスクシート11は、次いで、マスク剥離部290に搬送される。マスクシート11が重ね合わせられたフィルム基材80が剥離ロール19及び支持ロール20の間を通過した後、マスクシート11をフィルム基材80から離間する方向に搬送して、マスクシート11をフィルム基材80から剥離する。剥離したマスクシート11はマスク巻き取りロール15で巻き取られる。マスクシート11とともにマスクシート11上に形成された塗膜もフィルム基材80から剥離されるため、フィルム基材80のマスクシート11と重ね合わされていた領域は塗膜が形成されていない無塗布領域となる。このようにしてフィルム基材80の搬送方向に連続した無塗布領域が形成され、フィルム基材80の幅方向において不連続な塗膜84を形成することができる。なお、図2に示したマスクシート11は直線状の形状を有しているが、マスクシート11は曲線や折れ線状等の形状でもよく、マスクシート11の形状に応じてフィルム基材80の搬送方向に連続した無塗布領域が形成される。
上記のようにして、塗布装置140bを用いてフィルム基材80の搬送方向及び幅方向において不連続な塗膜84をフィルム基材80上に形成することができる。フィルム基材80上の塗膜84は、フィルム基材80の搬送方向及び幅方向において互いに離間した複数のエリア(凹凸パターン形成領域)を有するパターンを有する。なお、離間した複数のエリアとは、複数の孤立した領域をいい、その領域の形状は、矩形、円形、多角形などの任意の形状にし得る。
なお、図2において、1本の帯状のマスクシート11を用いたが、2本以上の帯状のマスクシートを用いてもよい。使用するマスクシートの本数に応じて、フィルム基材の搬送方向に延在する無塗布領域を複数形成することができる。各マスクシート間の距離及び各マスクシートの幅等に応じて、フィルム基材80の幅方向において所望の長さを有し、且つフィルム基材80の幅方向において所望の距離で離間された塗膜84を形成することができる。また、塗布装置140bは、エアナイフ44のガスの吹き出しの開始及び停止のタイミングに応じて、フィルム基材80の搬送方向において所望の長さを有し、且つフィルム基材80の搬送方向において所望の距離で離間された塗膜84を形成することができる。ゆえに塗布装置140bを用いて、種々のパターンの塗膜を簡便に形成することができる。
[第3の実施形態の塗布装置]
基材の長手方向(搬送方向)及び幅方向において不連続な塗膜を形成するための第3の実施形態の塗布装置140cについて説明する。第3の実施形態の塗布装置140cは、図3に示すように、主に、フィルム基材80を連続的に送り出すフィルム搬送部120aと、フィルム搬送部120aにより送り出されたフィルム基材80上に液体を塗布して塗膜84を形成する塗布ロール40と、塗布ロール40に塗液を供給する塗液供給部材82と、フィルム基材80の搬送方向において塗布ロール40に対して上流側に位置し、フィルム基材80の表面(塗膜84を形成する面)に対してガスを吹き付けてフィルム基材80の搬送路を変位させるエアナイフ44と、フィルム基材80の搬送方向においてエアナイフ44の上流側に位置しフィルム基材80上に撥液性材料を塗布する撥液材料塗布部310とを備える。
第3の実施形態の塗布装置140cのフィルム搬送部120a、塗布ロール40、塗液供給部材82及びエアナイフ44は、第1の実施形態の塗布装置140aのフィルム搬送部120a、塗布ロール40、塗液供給部材82及びエアナイフ44と同様に構成されるので、その説明は省略する。
<撥液材料塗布部>
撥液材料塗布部310は、図3に示すように、撥液材料塗布ロール22及び撥液材料供給チャンバー24を備える。撥液材料塗布ロール22の塗布面の回転軸方向の長さは、フィルム基材80上に形成するフィルム基材80の搬送方向に連続した無塗布領域の幅に応じて適宜設定することができるが、フィルム基材80の幅より小さくしてよい。撥液材料供給チャンバー24には液体状の撥液性材料が貯留される。撥液性材料としては、例えば、撥液材料は塗膜に対して表面エネルギーが大きく異なるものが好ましく、塗膜が親水性の材料であれば例えばフッ素を含む撥液材料が好ましい。塗膜が疎水性の材料である場合は、例えば酸素を含む親水性材料が好ましい。撥液材料塗布ロール22は、塗布面の一部が撥液材料供給チャンバー24中の撥液性材料に浸漬した状態で回転するように設けられる。撥液材料塗布ロール22を撥液性材料に浸漬しながら回転すると、撥液材料塗布ロール22の塗布面に周方向に渡って撥液性材料が担持される。撥液材料塗布ロール22は、フィルム基材80の表面(塗膜形成面)に接触しながら回転することによりフィルム基材80に撥液材料を塗布し、撥液膜26を形成する。なお、フィルム基材80の幅方向における撥液材料塗布ロール22の設置位置は、フィルム基材80上に形成するフィルム基材80の搬送方向に連続した無塗布領域の位置に応じて適宜設定することができ、撥液材料塗布ロール22を収容する撥液材料供給チャンバー24を搬送方向に直交する方向に移動可能な機構を設けてもよい。撥液材料塗布ロールの後ろ(下流側)に、撥液材料を乾燥または硬化させるヒータまたは熱ロールをフィルム基材80の裏面(塗膜形成面とは反対の面)に設置してもよい。温度は50度から250度の間で、フィルム基材80の耐熱性によって温度設定を変えてよい。ヒータや熱ロールに変わってUV照射機を設置してもよい。
次に、上記のような第3の実施形態の塗布装置140cを用いて、フィルム基材80の搬送方向(長手方向)及び幅方向において不連続な塗膜84を形成するための動作について説明する。
まず、フィルム搬送部120aによる搬送を開始し、フィルム基材80を繰り出しロールから搬送ロール78を介して撥液材料塗布部310へ送り出す。撥液材料塗布部310において、撥液材料塗布ロール22を回転しながら撥液性材料を担持した塗布面をフィルム基材80の所定の位置に接触させる。それにより、フィルム基材80の表面(塗膜形成面)上の所定の位置に、フィルム基材80の搬送方向に連続した撥液膜26を形成する。
次いで、撥液膜26が形成されたフィルム基材80を、塗布ロール40に対向する位置(塗布ロール40の正面)に搬送する。本発明の第2の実施形態の塗布装置140bにおける動作と同様にして、フィルム基材80のうち幅方向に連続して塗膜84を形成しない部分が塗布ロール40の正面に搬送されてきたときは、エアナイフ44からガスを吹き出して、フィルム基材80が塗布ロール40から離間するように、すなわち、フィルム基材80の搬送路が離間経路となるようにする。それにより、フィルム基材の幅方向に連続した無塗布領域が形成される。次いで、フィルム基材80の塗膜84を形成すべき部分が塗布ロール40の正面に搬送されてきたときは、エアナイフ44からのガスの吹き出しを停止して、フィルム基材80が塗布ロール40と接触するように、すなわち、フィルム基材80の搬送路が接触経路となるようにする。それにより、基材80が搬送方向に移動しながら塗布ロール40と接触し、基材80上に塗膜84が所定の膜厚で形成される。このとき、フィルム基材80上の撥液膜26が形成された領域においては、塗膜材料がはじかれるため膜が形成されない。そのため、撥液膜26を形成した領域に応じてフィルム基材80の搬送方向に連続した無塗布領域が形成され、フィルム基材80の幅方向において不連続な塗膜84を形成することができる。上記のようにエアナイフ44からのガスの吹き出しの開始及び停止を繰り返すことで、フィルム基材80上に、フィルム基材80の搬送方向において不連続な塗膜84を形成することができる。
上記のようにして、塗布装置140cを用いてフィルム基材80の搬送方向及び幅方向において不連続な塗膜84をフィルム基材80上に形成することができる。フィルム基材80上の塗膜84は、フィルム基材80の搬送方向及び幅方向において互いに離間した複数のエリアで区画されたパターンを有する。
なお、図3において、1つの塗布面を有する撥液材料塗布ロール22を用いて、1本のライン状の撥液膜26を形成したが、複数の塗布面を有する撥液材料塗布ロールを用いて、ライン状の撥液膜26を複数本形成してもよい。形成する撥液膜26の本数に応じて、フィルム基材の搬送方向に延在する無塗布領域を複数形成することができる。また、撥液材料塗布ロール22を回転軸方向に移動可能にしてもよい。それにより、フィルム基材の搬送方向に延在する無塗布領域を、フィルム基材の幅方向に対して所望の位置に形成することができる。各撥液材料塗布ロール22の間の距離、各ロール22の幅及び位置等に応じて、フィルム基材80の幅方向において所望の長さを有し、且つフィルム基材80の幅方向において所望の距離で離間された塗膜84を形成することができる。また、塗布装置140cは、エアナイフ44のガスの吹き出しの開始及び停止のタイミングに応じて、フィルム基材80の搬送方向において所望の長さを有し、且つフィルム基材80の搬送方向において所望の距離で離間された塗膜84を形成することができる。ゆえに塗布装置140cを用いて、種々のパターンの塗膜を簡便に形成することができる。
[第4の実施形態の塗布装置]
基材の長手方向(搬送方向)及び幅方向において不連続な塗膜を形成するための第4の実施形態の塗布装置140dについて説明する。第4の実施形態の塗布装置140dは、図4に示すように、主に、フィルム基材80を連続的に送り出すフィルム搬送部120aと、フィルム搬送部120aにより送り出されたフィルム基材80上に液体を塗布して膜84を形成する塗布ロール41と、塗布ロール41に塗液を供給する塗液供給部材82と、フィルム基材80の搬送方向において塗布ロール40に対して上流側に位置し、フィルム基材80の表面(膜84を形成する面)に対してガスを吹き付けてフィルム基材80の搬送路を変位させるエアナイフ44とを備える。
第4の実施形態の塗布装置140dのフィルム搬送部120a、塗液供給部材82及びエアナイフ44は、第1の実施形態の塗布装置140aのフィルム搬送部120a、塗液供給部材82及びエアナイフ44と同様に構成されるので、その説明は省略する。
<塗布ロール>
塗布ロール41は、フィルム基材80に液体を塗布して塗膜84を形成する。塗布ロール41として、外周面に微細な凹凸が形成された2つ以上の液体担持領域41aを有するグラビアロールを用いる。2つ以上の液体担持領域41aはそれぞれ、塗布ロール41の周方向において連続した領域である。塗布ロール41の液体担持領域41aには塗液供給部材82から供給された塗膜材料が担持される。塗布ロール41の回転軸方向において各々の液体担持領域41aに挟まれた領域41bは、塗膜材料が担持されないようにするための処理がなされている。(以下このような領域41bを適宜、液体非担持領域41bと呼ぶ。)このような処理は、例えば、領域41bを凹凸のない平坦面とすること、領域41bの表面を撥液加工すること、領域41bを液体担持領域41aに対して窪ませて、凹部を形成することなどによって行うことができる。塗布ロール41はフィルム基材80の表面(塗膜形成面)に対向して配置され、塗布ロール41が回転しながら液体担持領域41aに担持された塗膜材料が連続搬送されている基材80に接触することにより、基材80上に塗膜材料が付着して塗膜84が形成される。
塗布ロール41の液体担持領域41aの回転軸方向の長さ及び位置は、フィルム基材80上に形成する塗膜84の、フィルム基材80の幅方向における長さ及び位置に応じて適宜設定することができる。
次に、上記のような第4の実施形態の塗布装置140dを用いて、フィルム基材80の搬送方向(長手方向)及び幅方向において不連続な塗膜84を形成するための動作について説明する。
まず、フィルム搬送部120aによる搬送を開始し、フィルム基材80を繰り出しロールから搬送ロール78を介して塗布ロール41に対向する位置(塗布ロール41の正面)に搬送する。本発明の第2の実施形態の塗布装置140bにおける動作と同様にして、フィルム基材80のうち幅方向に連続して塗膜84を形成しない部分が塗布ロール40の正面に搬送されてきたときは、エアナイフ44からガスを吹き出して、フィルム基材80が塗布ロール41から離間するように、すなわち、フィルム基材80の搬送路が離間経路となるようにする。それにより、フィルム基材の幅方向に連続した無塗布領域が形成される。次いで、フィルム基材80の塗膜84を形成すべき部分が塗布ロール41の正面に搬送されてきたときは、エアナイフ44からのガスの吹き出しを停止して、フィルム基材80が塗布ロール41と接触するように、すなわち、フィルム基材80の搬送路が接触経路となるようにする。塗布ロール41の液体担持領域41aには塗膜材料が担持されているため、フィルム基材80上の液体担持領域41aと対向する領域には、塗膜84が所定の膜厚で形成される。一方塗布ロール41の液体非担持領域41bには塗膜材料が担持されていないため、フィルム基材80上の液体非担持領域41aと対向する領域には、塗膜84が形成されない。そのため、フィルム基材80の搬送方向に連続した無塗布領域が形成され、フィルム基材80の幅方向において不連続な塗膜84を形成することができる。上記のようにエアナイフ44からのガスの吹き出しの開始及び停止を繰り返すことで、フィルム基材80上に、フィルム基材80の搬送方向において不連続な塗膜84を形成することができる。
上記のようにして、塗布装置140dを用いてフィルム基材80の搬送方向及び幅方向において不連続な塗膜84をフィルム基材80上に形成することができる。フィルム基材80上の塗膜84は、フィルム基材80の搬送方向及び幅方向において互いに離間した複数のエリアで区画されたパターンを有する。
なお、図4において、2つの液体担持領域41a及び1つの液体非担持領域41bを有する塗布ロール41を用いたが、3つ以上の液体担持領域及び2つ以上の液体非担持領域を有する塗布ロールを用いてもよい。液体非担持領域の数に応じて、フィルム基材の搬送方向に延在する無塗布領域を複数形成することができる。各液体担持領域41a及び各液体非担持領域41bの幅及び位置等に応じて、フィルム基材80の幅方向において所望の長さを有し、且つフィルム基材80の幅方向において所望の距離で離間された塗膜84を形成することができる。また、塗布装置140dは、エアナイフ44のガスの吹き出しの開始及び停止のタイミングに応じて、フィルム基材80の搬送方向において所望の長さを有し、且つフィルム基材80の搬送方向において所望の距離で離間された塗膜84を形成することができる。ゆえに塗布装置140dを用いて、種々のパターンの塗膜を簡便に形成することができる。
[第5の実施形態の塗布装置]
基材の長手方向(搬送方向)及び幅方向において不連続な塗膜を形成するための第5の実施形態の塗布装置140eについて説明する。第5の実施形態の塗布装置140eは、図5に示すように、主に、フィルム基材80を連続的に送り出すフィルム搬送部120aと、フィルム搬送部120aにより送り出されたフィルム基材80上に液体を塗布して膜84を形成する塗布ロール40と、塗布ロール40に塗液を供給する塗液供給部材82と、フィルム基材80の搬送方向において塗布ロール40に対して上流側に位置し、フィルム基材80の表面(膜84を形成する面)に対してガスを吹き付けてフィルム基材80の搬送路を変位させるエアナイフ44とを備える。
第5の実施形態の塗布装置140eのフィルム搬送部120a、塗布ロール40及びエアナイフ44は、第1の実施形態の塗布装置140aのフィルム搬送部120a、塗布ロール40、及びエアナイフ44と同様に構成されるので、その説明は省略する。
<塗液供給部材>
塗液供給部材82は、塗膜材料が貯留されている2つ以上の塗液供給チャンバー82aを含み、貯留された塗膜材料に塗布ロール40の一部が浸漬する。塗布ロール40が回転すると、塗布ロール40の液体担持領域40aのうち塗膜材料に浸漬された領域に塗膜材料が担持され、塗布ロール40のうち塗膜材料に浸漬されない領域には塗膜材料が担持されない。フィルム基材80の幅方向における塗液供給チャンバー82aの大きさ及び設置位置は、フィルム基材80上に形成する塗膜84の、フィルム基材80の幅方向における長さ及び位置に応じて適宜設定することができる。
次に、上記のような第5の実施形態の塗布装置140eを用いて、フィルム基材80の搬送方向(長手方向)及び幅方向において不連続な塗膜84を形成するための動作について説明する。
まず、フィルム搬送部120aによる搬送を開始し、フィルム基材80を繰り出しロールから搬送ロール78を介して塗布ロール40に対向する位置(塗布ロール40の正面)に搬送する。本発明の第2の実施形態の塗布装置140bにおける動作と同様にして、フィルム基材80のうち幅方向に連続して塗膜84を形成しない部分が塗布ロール40の正面に搬送されてきたときは、エアナイフ44からガスを吹き出して、フィルム基材80が塗布ロール40から離間するように、すなわち、フィルム基材80の搬送路が離間経路となるようにする。それにより、フィルム基材の幅方向に連続した無塗布領域が形成される。次いで、フィルム基材80の塗膜84を形成すべき部分が塗布ロール40の正面に搬送されてきたときは、エアナイフ44からのガスの吹き出しを停止して、フィルム基材80が塗布ロール40と接触するように、すなわち、フィルム基材80の搬送路が接触経路となるようにする。塗布ロール40の液体担持領域40aには、2つ以上の塗液供給チャンバー82aによって供給される塗膜材料が担持された領域と、塗膜材料が供給されずに塗膜材料を担持していない領域とが形成されている。塗布ロール40の塗膜材料が担持された領域に対向するフィルム基材80の領域には塗膜材料が付着し、塗膜84が所定の膜厚で形成される。一方塗布ロール40の塗膜材料が担持されていない領域と対向するフィルム基材80の領域には、塗膜84が形成されない。そのため、フィルム基材80の搬送方向に連続した無塗布領域が形成され、フィルム基材80の幅方向において不連続な塗膜84を形成することができる。上記のようにエアナイフ44からのガスの吹き出しの開始及び停止を繰り返すことで、フィルム基材80上に、フィルム基材80の搬送方向において不連続な塗膜84を形成することができる。
上記のようにして、塗布装置140eを用いてフィルム基材80の搬送方向及び幅方向において不連続な塗膜84をフィルム基材80上に形成することができる。フィルム基材80上の塗膜84は、フィルム基材80の搬送方向及び幅方向において互いに離間した複数のエリアで区画されたパターンを有する。
なお、図5において、2つの塗液供給チャンバー82aを用いたが、3つ以上の塗液供給チャンバーを用いてもよい。塗液供給チャンバーの数に応じて、塗布ロール40の液体担持領域40a上に塗膜材料が担持された領域が複数形成され、各々の塗膜材料が担持された領域の間に塗膜材料が担持されていない領域が形成される。塗布ロール40の液体担持領域40a上の塗膜材料が担持されていない領域の数に応じて、フィルム基材の搬送方向に延在する無塗布領域を複数形成することができる。また、1本の塗布ロールに対して複数個の塗液供給チャンバーを設置する代わりに、各々に1つずつ塗液供給チャンバーを設置した複数本の塗布ロールを用いてもよい。この場合、フィルム基材80の搬送方向において異なる位置に各塗布ロールを配置し、フィルム基材80の幅方向において互いに離間した位置に各塗布ロールの塗液供給チャンバーを配置する。また、塗液供給チャンバーを各々独立して軸方向に移動できるようにしてもよい。各塗液供給チャンバー間の距離、各チャンバーの幅及び位置等に応じて、フィルム基材80の幅方向において所望の長さを有し、且つフィルム基材80の幅方向において所望の距離で離間された塗膜84を形成することができる。また、塗布装置140eは、エアナイフ44のガスの吹き出しの開始及び停止のタイミングに応じて、フィルム基材80の搬送方向において所望の長さを有し、且つフィルム基材80の搬送方向において所望の距離で離間された塗膜84を形成することができる。ゆえに塗布装置140eを用いて、種々のパターンの塗膜を簡便に形成することができる。
[凹凸パターンを有するフィルム部材の製造装置]
上記のような塗布装置を用いた、凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造装置の実施形態について説明する。凹凸パターンを有するフィルム部材の製造装置は、図6に示すように、主に、フィルム基材80を連続的に送り出すフィルム搬送部120と、フィルム搬送部120により送り出されたフィルム基材80上に凹凸形成材料の塗膜84を形成する塗布部140と、塗布部140の下流側に位置し凹凸形成材料の塗膜84に凹凸パターンを転写する転写部160とを備える。実施形態のフィルム部材の製造装置100により、凹凸パターンが付された凹凸形成材料を備えるフィルム基材(以下、フィルム部材という)80aが製造される。
<フィルム搬送部>
フィルム搬送部120は、図6に示すように、主に、帯状のフィルム基材80を繰り出す繰り出しロール72と、転写部160の下流に設けられてフィルム部材80aを巻き取る巻き取りロール87と、フィルム基材80及びフィルム部材80aを搬送方向に搬送するための搬送ロール78を有する。繰り出しロール72と巻き取りロール87は、それらを着脱可能にする支持台(不図示)に回転可能に取り付けられている。繰り出しロール72と巻き取りロール87の回転駆動によりフィルム基材80を搬送方向に搬送することができる。
フィルム基材80は、搬送しながら連続的な処理を可能とするために帯状あるいは長尺状のフィルム基材である。フィルム基材80として、例えば、フィルム状のガラス、シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリアリレートのような有機材料で形成される。フィルム基材は透明でも不透明でもよい。フィルム基材80とその表面に形成される凹凸形成材料の塗膜との密着性を高めるために、フィルム基材80は表面に易接着処理が施されてもよい。ガスバリア層を設けるなどしてもよい。フィルム基材80の寸法は、適宜設定することができるが、例えば、フィルム基材80の幅を50〜3000mm、厚みを1〜500μmにし得る。
<塗布部>
塗布部140は、上述の実施形態の塗布装置140a、140b、140c、140dまたは140eによって構成され、フィルム基材80の搬送方向において、または搬送方向及び幅方向において、不連続な凹凸形成材料の塗膜84をフィルム基材80上に形成する。なお、上述の実施形態の塗布装置140a〜140eの搬送部120aは、本実施形態の製造装置のフィルム搬送部120の一部となる。
<転写部>
転写部160は、図6に示されるように、転写ロール90及びそれに対向する押圧ロール(ニップロール)74を備える。
転写ロール90は、外周面に凹凸パターンを有するロール状(円柱状、円筒状)のモールドである。転写ロール90は、駆動軸を有し、モータ等の駆動装置により軸を中心として回転駆動される。転写ロールの凹凸パターンの寸法は、製造するフィルム部材の寸法等によって適宜設定することができるが、例えば、直径を50〜1000mm、軸方向の長さを50〜3000mmにし得る。
本実施形態で用いる転写ロール90は、円柱状の基体ロールの外周面に、表面に凹凸パターンを有する薄板状モールドを取り付けて構成されている。基体ロールの材料としては例えば鉄、銅、チタン、ステンレス、アルミ等を用いることができる。また、基体ロールは、一例として直径を50〜1000mm、軸方向の長さを50〜3000mmにし得る。薄板状モールドとしては、例えば、後述する方法で製造される板状の金属モールド又はフィルム状の樹脂モールド等が含まれる。樹脂モールドを構成する樹脂には、天然ゴム又は合成ゴムのようなゴムも含まれる。薄板状モールドの凹凸パターンは、製造するフィルム部材の用途により、マイクロレンズアレイ構造や光拡散や回折等の機能を有する構造、ライン&スペースからなるストライプ構造、円柱状、円錐状、円錐台状、三角柱状、三角錐状、三角錐台状、四角柱状、四角錐状、四角錐台状、多角柱状、多角錐状、多角錐台状などのピラー構造、もしくはホール構造など、任意のパターンにし得る。例えば、凹凸のピッチが均一ではなく、凹凸の向きに指向性がないような不規則な凹凸パターンにしてよい。例えば、フィルム部材を可視光の回折や散乱の用途に用いる光学基板の製造に用いる場合には、凹凸の平均ピッチとしては、100〜1500nmの範囲にすることができ、200〜1200nmの範囲であることがより好ましい。同様な用途においては、凹凸の深さ分布の平均値(平均高さ)は、20〜200nmの範囲であることが好ましく、30〜150nmの範囲であることがより好ましい。凹凸深さの標準偏差は、10〜100nmの範囲であることが好ましく、15〜75nmの範囲であることがより好ましい。
このような凹凸パターンから散乱及び/または回折される光は、単一のまたは狭い帯域の波長の光ではなく、比較的広域の波長帯を有し、散乱光及び/または回折される光は指向性がなく、あらゆる方向に向かう。但し、「不規則な凹凸パターン」には、表面の凹凸の形状を解析して得られる凹凸解析画像に2次元高速フーリエ変換処理を施して得られるフーリエ変換像が円もしくは円環状の模様を示すような、すなわち、上記凹凸の向きの指向性はないものの凹凸のピッチの分布は有するような疑似周期構造を含む。このような疑似周期構造を有する部材は、その凹凸ピッチの分布が可視光線を回折する限り、有機EL素子、LED、ECLなどの発光素子に使用される部材、太陽電池のような光電変換素子に使用される部材又はそれらの製造に用いられる部材として好適である。
薄板状モールドとして一枚のモールドを用いて、これを基体ロールに巻きつけて取り付けてよい。または、薄板状モールドとして2枚以上のモールド板を用い、これらが基体ロールの外周面を巻回するように取り付けてもよい。薄板状モールドの巻回方向の長さの合計は、基体ロールの周方向の長さよりも短く設計してもよい。薄板状モールドは、接着剤、マグネット又はねじ等を用いて基体ロールに固定することができる。また、薄板状モールドとして金属製のモールド(金属モールド)を用いる場合、例えば、金属モールドを基体ロールに巻きつけて、金属モールドの端部を基体ロールに溶接することにより、金属モールドを基体ロールに固定することができる。上記のようにして薄板状モールドを基体ロールに固定することにより、薄板状モールドの端部同士を繋ぎ合わせることができる。必要に応じて、凹凸パターン面に離型処理を施してもよい。
凹凸パターンを有する薄板状モールドの製造方法の例について説明する。最初にモールドの凹凸パターンを形成するための母型パターンの作製を行う。母型の凹凸パターンは、例えば、本出願人らによるWO2012/096368号に記載されたブロック共重合体の加熱による自己組織化(ミクロ相分離)を利用する方法(以下、適宜「BCP(Block Copolymer)熱アニール法」という)や、WO2013/161454号に記載されたブロック共重合体の溶媒雰囲気下における自己組織化を利用する方法(以下、適宜「BCP溶媒アニール法」という)、又は、WO2011/007878A1に開示されたポリマー膜上の蒸着膜を加熱・冷却することによりポリマー表面の皺による凹凸を形成する方法(以下、適宜「BKL(Buckling)法」という)を用いて形成することが好適である。BCP熱アニール法、BCP溶媒アニール法及びBKL法に代えて、フォトリソグラフィ法で形成してもよい。そのほか、例えば、切削加工法、電子線直接描画法、粒子線ビーム加工法及び操作プローブ加工法等の微細加工法、並びに微粒子の自己組織化を使用した微細加工法によっても、母型の凹凸パターンを作製することができる。BCP熱アニール法及びBCP溶媒アニール法でパターンを形成する場合、パターンを形成する材料は任意の材料を使用することができるが、ポリスチレンのようなスチレン系ポリマー、ポリメチルメタクリレートのようなポリアルキルメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリビニルピリジン、及びポリ乳酸からなる群から選択される2種の組合せからなるブロック共重合体が好適である。また、溶媒アニール処理により得られた凹凸パターンに対して、エキシマUV光などの紫外線に代表されるエネルギー線を照射することによるエッチングや、RIE(反応性イオンエッチング)のようなドライエッチング法によるエッチングを行ってもよい。またそのようなエッチングを行った凹凸パターンに対して、加熱処理を施してもよい。
パターンの母型をBCP熱アニール法、BCP溶媒アニール法又はBKL法等により形成した後、以下のようにして電鋳法などにより、パターンをさらに転写したモールドを形成することができる。最初に、電鋳処理のための導電層となるシード層を、無電解めっき、スパッタまたは蒸着等によりパターンを有する母型上に形成することができる。シード層は、後続の電鋳工程における電流密度を均一にして後続の電鋳工程により堆積される金属層の厚みを一定にするために10nm以上が好ましい。シード層の材料として、例えば、ニッケル、銅、金、銀、白金、チタン、コバルト、錫、亜鉛、クロム、金・コバルト合金、金・ニッケル合金、ホウ素・ニッケル合金、はんだ、銅・ニッケル・クロム合金、錫ニッケル合金、ニッケル・パラジウム合金、ニッケル・コバルト・リン合金、またはそれらの合金などを用いることができる。次に、シード層上に電鋳(電界めっき)により金属層を堆積させる。金属層の厚みは、例えば、シード層の厚みを含めて全体で10〜3000μmの厚さにすることができる。電鋳により堆積させる金属層の材料として、シード層として用いることができる上記金属種のいずれかを用いることができる。形成した金属層は、後続のモールドの形成のための樹脂層の押し付け、剥離及び洗浄などの処理の容易性からすれば、適度な硬度及び厚みを有することが望ましい。
上記のようにして得られたシード層を含む金属層を、凹凸構造を有する母型から剥離して金属基板を得る。剥離方法は物理的に剥がしても構わないし、パターンを形成する材料を、それらを溶解する有機溶媒、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルムなどを用いて溶解して除去してもよい。金属基板を母型から剥離するときに、残留している材料成分を洗浄にて除去することができる。洗浄方法としては、界面活性剤などを用いた湿式洗浄や紫外線やプラズマを使用した乾式洗浄を用いることができる。また、例えば、粘着剤や接着剤を用いて残留している材料成分を付着除去するなどしてもよい。こうして得られる、母型からパターンが転写された金属基板(金属モールド)は、本実施形態の薄板状モールドとして用いられ得る。
さらに、得られた金属基板を用いて、金属基板の凹凸構造(パターン)をフィルム状の支持基板に転写することでフィルム状の樹脂モールドを作製することができる。例えば、硬化性樹脂を支持基板に塗布した後、金属基板の凹凸構造を樹脂層に押し付けつつ樹脂層を硬化させる。支持基板として、例えば、ガラス、シリコン基板等の無機材料からなる基板やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリアリレート等の樹脂基板、ニッケル、銅、アルミ等の金属材料からなる基材が挙げられる。支持基板は透明でも不透明でもよい。基板上には密着性を向上させるために、表面処理や易接着層を設けるなどをしてもよいし、ガスバリア層を設けるなどしてもよい。また、支持基板の厚みは、1〜500μmの範囲にし得る。
硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系、アクリル系、メタクリル系、ビニルエーテル系、オキセタン系、ウレタン系、メラミン系、ウレア系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、フェノール系、架橋型液晶系、フッ素系、シリコーン系、ポリアミド系、等のモノマー、オリゴマー、ポリマー等の各種樹脂が挙げられる。硬化性樹脂の厚みは0.5〜500μmの範囲内であることが好ましい。厚みが前記下限未満では、硬化樹脂層の表面に形成される凹凸の高さが不十分となり易く、前記上限を超えると、硬化時に生じる樹脂の体積変化の影響が大きくなり凹凸形状が良好に形成できなくなる可能性がある。
硬化性樹脂を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法、カーテンコート法、インクジェット法、スパッタ法等の各種コート方法を採用することができる。さらに、硬化性樹脂を硬化させる条件としては、使用する樹脂の種類により異なるが、例えば、硬化温度が室温〜250℃の範囲内であり、硬化時間が0.5分〜3時間の範囲内であることが好ましい。また、紫外線や電子線のようなエネルギー線を照射することで硬化させる方法でもよく、その場合には、照射量は20mJ/cm〜5J/cmの範囲内であることが好ましい。
次いで、硬化後の硬化樹脂層から金属基板を取り外す。金属基板を取り外す方法としては、機械的な剥離法に限定されず、公知の方法を採用することができる。こうして得ることができる支持基板上に凹凸が形成された硬化樹脂層を有するフィルム状の樹脂モールドは、本実施形態の薄板状モールドとして用いられ得る。
また、上述の方法で得られた金属基板の凹凸構造(パターン)上にゴム系の樹脂材料を塗布し、塗布した樹脂材料を硬化させ、金属基板から剥離することにより、金属基板の凹凸パターンが転写されたゴムモールドを作製することができる。得られたゴムモールドは本実施形態の薄板状モールドとして用いられ得る。
転写部160において、押圧ロール74は、転写ロール90とともに凹凸形成材料の塗膜84が形成されたフィルム基材80を挟み込んで、基材80の裏面(凹凸形成材料の塗膜が形成された面の反対側の面)から基材80を押圧する。また、図5に示される実施形態において、転写部160の上流側と下流側の搬送ロール78は、基材80が転写ロール90のほぼ半周分に巻きつけられるように配置されている。この実施形態において、基材80は、押圧ロール74の正面またはその近傍で転写ロール90に接し、転写ロール90の約半周分を巻回した後に転写ロール90から離れ、転写ロール90から剥離される。それによりフィルム部材80aが得られる。また、この実施形態において、押圧ロール74の下流側且つ基材80が転写ロール90から剥離する位置より上流側にUV照射光源85を備える。UV照射光源85の代わりに加熱ヒータのような凹凸形成材料の塗膜84を硬化させるための装置を備えてもよい。
フィルム部材製造装置100には、さらに、繰り出しロール72から繰り出されたフィルム基材80及び巻き取りロール87に巻き取られる前のフィルム部材80aをそれぞれ除電するための除電器が設けられていてもよい。
フィルム部材製造装置100は、さらに、塗布部140で形成された塗膜の厚さや状態を観察する検査装置や、転写ロール90から剥離された後の塗膜84の凹凸パターンを観察する検査装置などを備えることができる。
[凹凸パターンを有するフィルム部材の製造方法]
次に、上記のフィルム部材製造装置100の動作及びフィルム部材の製造方法の実施形態について、図6を参照しながら説明する。
まず、搬送部120による搬送を開始し、フィルム基材80を繰り出しロール72から搬送ロール78を介して塗布部140へ送り出す。
塗布部140において、上述の塗布装置140a、140b、140c、140dまたは140eによりフィルム基材80の搬送方向において、または搬送方向及び幅方向において、不連続な凹凸形成材料の塗膜84をフィルム基材80上に形成する。それにより、基材80上の所望の複数の離間した複数のエリアに塗膜84を形成する。
凹凸形成材料としては、光硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が使用でき、例えば、エポキシ系、アクリル系、メタクリル系、ビニルエーテル系、オキセタン系、ウレタン系、メラミン系、ウレア系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、フェノール系、架橋型液晶系、フッ素系、シリコーン系、ポリアミド系、等のモノマー、オリゴマー、ポリマー等の各種樹脂が挙げられる。
凹凸形成材料は、耐熱性に優れることから無機材料から形成されてもよく、特に、シリカ、Ti系の材料やITO(インジウム・スズ・オキサイド)系の材料、ZnO、ZrO、Al等のゾルゲル材料を使用し得る。例えば、フィルム基材上にシリカからなる凹凸パターン層をゾルゲル法で形成する場合は、金属アルコキシド(シリカ前駆体)のゾルゲル材料を調製する。シリカの前駆体として、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシランに代表されるテトラアルコキシドモノマーや、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン(MTES)、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、トリルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシランに代表されるトリアルコキシドモノマー、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−i−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−t−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−i−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−t−ブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピルジイソプロポキシシラン、ジプロピルジ−n−ブトキシシラン、ジプロピルジ−i−ブトキシシラン、ジプロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジプロピルジ−t−ブトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジプロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジイソプロピルジ−n−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−i−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−t−ブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−i−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−t−ブトキシシラン等のジアルコキシシランに代表されるジアルコキシドモノマーを用いることができる。さらに、アルキル基の炭素数がC4〜C18であるアルキルトリアルコキシシランやジアルキルジアルコキシシランを用いることもできる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するモノマー、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するモノマー、p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基を有するモノマー、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリル基を有するモノマー、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル基を有するモノマー、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するモノマー、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基を有するモノマー、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するモノマー、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド基を有するモノマー、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するモノマー、これらモノマーを少量重合したポリマー、前記材料の一部に官能基やポリマーを導入したことを特徴とする複合材料などの金属アルコキシドを用いてもよい。また、これらの化合物のアルキル基やフェニル基の一部、あるいは全部がフッ素で置換されていてもよい。さらに、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、オキシ塩化物、塩化物や、それらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。金属種としては、Si以外にTi、Sn、Al、Zn、Zr、Inなどや、これらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。上記酸化金属の前駆体を適宜混合したものを用いることもできる。さらに、シリカの前駆体として、分子中にシリカと親和性、反応性を有する加水分解基および撥水性を有する有機官能基を有するシランカップリング剤を用いることができる。例えば、n−オクチルトリエトキシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のシランモノマー、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン等のサルファーシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、これらモノマーを重合したポリマー等が挙げられる。
凹凸形成材料としてTEOSとMTESの混合物を用いる場合には、それらの混合比は、例えばモル比で1:1にすることができる。このゾルゲル材料は、加水分解及び重縮合反応を行わせることによって非晶質シリカを生成する。合成条件として溶液のpHを調整するために、塩酸等の酸またはアンモニア等のアルカリを添加する。pHは4以下もしくは10以上が好ましい。また、加水分解を行うために水を加えてもよい。加える水の量は、金属アルコキシド種に対してモル比で1.5倍以上にすることができる。
ゾルゲル材料からなる凹凸形成材料の溶液の溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、ブタノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、ブトキシエチルエーテル、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノール、ベンジルオキシエタノール等のエーテルアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、フェノール、クロロフェノール等のフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、二硫化炭素等の含ヘテロ元素化合物、水、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。特に、エタノールおよびイソプロピルアルコールが好ましく、またそれらに水を混合したものも好ましい。
ゾルゲル材料からなる凹凸形成材料の添加物としては、粘度調整のためのポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコールや、溶液安定剤であるトリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、アセチルアセトンなどのβジケトン、βケトエステル、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキサンなどを用いることが出来る。また、ゾルゲル材料溶液の添加物として、エキシマUV光等紫外線に代表されるエネルギー線などの光を照射することによって酸やアルカリを発生する材料を用いることができる。このような材料を添加することにより、光を照射することよってゾルゲル材料溶液を硬化させることができるようになる。
形成する凹凸形成材料の塗膜84の厚みは0.5〜500μmの範囲内であることが好ましい。厚みが前記下限未満では、凹凸形成材料の表面に形成される凹凸の高さが不十分となり易く、前記上限を超えると、硬化時に生じる凹凸形成材料の体積変化の影響が大きくなり凹凸形状が良好に形成できなくなる可能性がある。
次いで、所望の互いに離間した複数のエリアに凹凸形成材料の塗膜84が形成された基材80は、塗布部140の下流の搬送ロール78上に掛け渡されて搬送され、転写部160の転写ロール90及び押圧ロール74へ向かう。押圧ロール74の直下に搬送された基材80は、転写ロール90の凹凸パターンに対向して重ね合わされ、押圧ロール74で押圧されて、転写ロール90の凹凸パターンが塗膜84に転写される。
押圧ロール74により凹凸パターンが転写された基材80に、転写ロール90を押し付けたままの状態でUV照射光源85からのUV光を照射し、それにより塗膜84の硬化を促進させてよい。凹凸形成材料を硬化させる条件としては、凹凸形成材料として使用する材料の種類により異なるが、例えば、加熱により凹凸形成材料を硬化させる場合は硬化温度が室温〜250℃の範囲内であり、硬化時間が0.5分〜3時間の範囲内であることが好ましい。また、紫外線や電子線のようなエネルギー線を照射することで硬化させる方法でもよく、その場合には、照射量は20mJ/cm〜5J/cmの範囲内であることが好ましい。図6に示した例においては、転写ロール90の下方に配置したUV照射光源85により凹凸形成材料の塗膜84にUV光を照射することができる。
硬化した凹凸形成材料の塗膜84aを有するフィルム基材(フィルム部材80a)を、転写ロール90の外周に沿って進路を変更し、次いで転写ロール90から離間する方向に搬送して転写ロール90から剥離する。この後、フィルム部材80aを巻き取りロール87に巻き取る。フィルム部材80aを転写ロール90から剥離する方法としては、機械的な剥離法に限定されず、任意の知られた方法を採用することができる。例えば図6においては、硬化後の凹凸形成材料の塗膜(凹凸パターン層)84aを有するフィルム部材80aを押圧ロール74の下流側で転写ロール90から離間する方向に搬送することにより、フィルム部材80aを転写ロール90から剥離できる。こうして、フィルム基材80上に凹凸が形成された硬化した凹凸パターン層84aを有するフィルム部材80aを得ることができる。凹凸パターン層84aは、フィルム基材80上の含漱方向において、又は搬送方向及び幅方向において不連続な所望の孤立領域、すなわち、互いに離間した複数のエリアに形成されている。
[凹凸構造層を備える基板の製造方法]
さらに、上記のような方法及び製造装置を用いて製造されたフィルム部材をフィルム状モールドとして用いることで、フィルム部材の凹凸パターンが転写された凹凸構造層を備える基板を製造することができる。この方法について、詳細を以下に説明する。
フィルム状モールドの凹凸パターンが転写された凹凸構造層をゾルゲル法により形成するため、最初にゾルゲル材料の溶液を調製する。凹凸構造層は、耐熱性に優れることから無機材料から形成されることが好ましく、特に、シリカ、Ti系の材料やITO(インジウム・スズ・オキサイド)系の材料、ZnO、ZrO、Al等のゾルゲル材料を使用し得る。ゾルゲル材料の溶液の調製のために用いる金属アルコキシド(前駆体)、溶媒、及び添加物としては、上述の帯状のフィルム部材の製造方法の実施形態において、凹凸形成材料として用いることができる金属アルコキシド(前駆体)、溶媒、及び添加物として例示したものと同様のものを使用することができる。
調製したゾルゲル材料の溶液を基板上に塗布する。基板として、ガラスや石英、シリコン基板等の無機材料からなる基板やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリアリレート等の樹脂基板を用い得る。基板は透明でも不透明でもよい。この基板から得られた凹凸パターン基板を有機EL素子の製造に用いるのであれば、基板は耐熱性、UV光等に対する耐光性を備える基板が望ましい。この観点から、基板として、ガラスや石英、シリコン基板等の無機材料からなる基板がより好ましい。特に、基板が無機材料から形成されると、基板と凹凸構造層との間で屈折率の差が少なく、光学基板内での意図しない屈折や反射を防止することができるので好ましい。基板上には密着性を向上させるために、表面処理や易接着層を設けるなどをしてもよいし、水分や酸素等の気体の浸入を防ぐ目的で、ガスバリア層を設けるなどしてもよい。また、基板は、凹凸構造層を形成する面とは反対側の面に、集光、光拡散等の種々の光学機能を有する光学機能層が形成されていてもよい。ゾルゲル材料の塗布方法として、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ダイコート法、インクジェット法などの任意の塗布方法を使用することができるが、比較的大面積の基板にゾルゲル材料を均一に塗布可能であること、ゾルゲル材料がゲル化する前に素早く塗布を完了させることができることからすれば、バーコート法、ダイコート法及びスピンコート法が好ましい。なお、後の工程でゾルゲル材料からなる所望の凹凸パターンが形成されるため基板の表面(表面処理や易接着層がある場合にはそれらも含めて)は平坦でよく、基板自体は所望の凹凸パターンを有さない。塗布するゾルゲル材料の膜厚は、例えば100〜500nmにしてよい。
ゾルゲル材料の塗布後、塗膜(以下、適宜、「ゾルゲル材料層」とも言う)中の溶媒を蒸発させるために基板を大気中もしくは減圧下で保持してもよい。この保持時間が短いと、塗膜の粘度が低くなりすぎて、後続の押圧工程において凹凸パターンの転写ができず、保持時間が長すぎると、前駆体の重合反応が進み塗膜の粘度が高くなりすぎて、押圧工程において凹凸パターンの転写ができなくなる。また、ゾルゲル材料を塗布後、溶媒の蒸発の進行とともに前駆体の重合反応も進行し、ゾルゲル材料の粘度などの物性も短時間で変化する。凹凸パターン形成の安定性の観点から、パターン転写が良好にできる乾燥時間範囲が十分広いことが望ましく、これは乾燥温度(保持温度)、乾燥圧力、ゾルゲル材料種、ゾルゲル材料種の混合比、ゾルゲル材料調製時に使用する溶媒量(ゾルゲル材料の濃度)等によって調整することができる。
次いで、上述の方法及び製造装置で製造されたフィルム部材を凹凸パターン転写用のフィルム状モールドとして用いて、フィルム状モールドの凹凸パターンをゾルゲル材料層に転写することで、凹凸構造層を形成する。この際、押圧ロールを用いてモールドをゾルゲル材料層に押し付けてもよい。押圧ロールを用いたロールプロセスでは、プレス式と比較して、モールドと塗膜とが接する時間が短いため、モールドや基板及び基板を設置するステージなどの熱膨張係数の差によるパターンくずれを防ぐことができること、ゾルゲル材料溶液中の溶媒の突沸によってパターン中にガスの気泡が発生したり、ガス痕が残ったりすることを防止することができること、基板(塗膜)と線接触するため、転写圧力及び剥離力を小さくでき、大面積化に対応し易いこと、押圧時に気泡をかみ込むことがないなどの利点を有する。また、モールドを押し付けながら基板を加熱してもよい。押圧ロールを用いてモールドをゾルゲル材料層に押し付ける例として、図6に示すように押圧ロール122とその直下に搬送されている基板10との間にフィルム状モールド80aを送り込むことでフィルム状モールド80aの凹凸パターンを基板10上のゾルゲル材料層12に転写することができる。すなわち、フィルム状モールド80aを押圧ロール122によりゾルゲル材料層12に押し付ける際に、フィルム状モールド80aと基板10を同期して搬送しながらフィルム状モールド80aを基板10上のゾルゲル材料層12の表面に被覆する。この際、押圧ロール122をフィルム状モールド80aの裏面(凹凸パターンが形成された面と反対側の面)に押しつけながら回転させることで、フィルム状モールド80aと基板10が進行しながら密着する。なお、帯状のフィルム状モールド80aを押圧ロール122に向かって送り込むには、帯状のフィルム状モールド80aが巻き付けられたフィルムロールからそのままフィルム状モールド80aを繰り出して用いるのが便利である。
ゾルゲル材料層にモールドを押し付けた後、ゾルゲル材料層を仮焼成してもよい。仮焼成することによりゾルゲル材料層のゲル化を進め、パターンを固化し、剥離の際に崩れにくくする。仮焼成を行う場合は、大気中で40〜150℃の温度で加熱することが好ましい。なお、仮焼成は必ずしも行う必要はない。
モールドの押圧またはゾルゲル材料層の仮焼成の後、ゾルゲル材料層からモールドを剥離する。モールドの剥離方法として公知の剥離方法を採用することができる。加熱しながらモールドを剥離してもよく、それによりゾルゲル材料層から発生するガスを逃がし、ゾルゲル材料層内に気泡が発生することを防ぐことができる。ロールプロセスを使用する場合、プレス式で用いるプレート状モールドに比べて剥離力は小さくてよく、ゾルゲル材料層がモールドに残留することなく容易にモールドをゾルゲル材料層から剥離することができる。特に、ゾルゲル材料層を加熱しながら押圧するので反応が進行し易く、押圧直後にモールドはゾルゲル材料層から剥離し易くなる。さらに、モールドの剥離性の向上のために、剥離ロールを使用してもよい。図6に示すように剥離ロール123を押圧ロール122の下流側に設け、剥離ロール123によりフィルム状モールド80aをゾルゲル材料層12に付勢しながら回転支持することで、フィルム状モールド80aがゾルゲル材料層(塗膜)12に付着された状態を押圧ロール122と剥離ロール123の間の距離だけ(一定時間)維持することができる。そして、剥離ロール123の下流側でフィルム状モールド80aを剥離ロール123の上方に引き上げるようにフィルム状モールド80aの進路を変更することでフィルム状モールド80aは凹凸が形成されたゾルゲル材料層12から引き剥がされる。なお、フィルム状モールド80aがゾルゲル材料層12に付着されている期間に前述のゾルゲル材料層12の仮焼成や加熱を行ってもよい。なお、剥離ロール123を使用する場合には、例えば40〜150℃に加熱しながら剥離することによりモールド80aの剥離を一層容易にすることができる。
ゾルゲル材料層からモールドを剥離した後、ゾルゲル材料層を硬化してもよく、こうして凹凸構造層を形成する。本実施形態では、本焼成によりゾルゲル材料層を硬化させることができる。本焼成によりゾルゲル材料層(塗膜)を構成するシリカ(アモルファスシリカ)中に含まれている水酸基などが脱離してゾルゲル材料層がより強固となる。本焼成は、200〜1200℃の温度で、5分〜6時間程度行うのが良い。こうしてゾルゲル材料層が硬化して、モールドの凹凸パターンに対応する凹凸パターンを有する基板、すなわち、平坦な基板上にゾルゲル材料からなる凹凸構造層が直接形成された基板が得られる。この時、凹凸構造層がシリカからなる場合、焼成温度、焼成時間に応じて非晶質または結晶質、または非晶質と結晶質の混合状態となる。また、紫外線などの光を照射することによって酸やアルカリを発生する材料を添加した場合には、凹凸パターンの転写の際に、凹凸構造層に例えば紫外線やエキシマUV等のエネルギー線を照射することによって凹凸構造層を硬化させてもよい。
なお、凹凸構造層の表面に疎水化処理を行ってもよい。疎水化処理の方法は知られている方法を用いればよく、例えば、シリカ表面であれば、ジメチルジクロルシラン、トリメチルアルコキシシラン等で疎水化処理することもできるし、ヘキサメチルジシラザンなどのトリメチルシリル化剤とシリコーンオイルで疎水化処理する方法を用いてもよいし、超臨界二酸化炭素を用いた金属酸化物粉末の表面処理方法を用いてもよい。凹凸構造層の表面を疎水性にすることにより、実施形態の製造方法により製造した凹凸パターン基板を有機EL素子等のデバイスの製造に用いる場合に、製造工程において基板から水分を容易に除去できるため、有機EL素子におけるダークスポットのような欠陥の発生や、デバイスの劣化を防止することができる。
また、上記実施形態では、凹凸構造層の材料としてゾルゲル材料を用いたが、上述の無機材料のほか、硬化性樹脂材料を用いてもよい。硬化性樹脂としては、例えば、光硬化および熱硬化、湿気硬化型、化学硬化型(二液混合)等の樹脂を用いることができる。具体的にはエポキシ系、アクリル系、メタクリル系、ビニルエーテル系、オキセタン系、ウレタン系、メラミン系、ウレア系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、フェノール系、架橋型液晶系、フッ素系、シリコーン系、ポリアミド系、等のモノマー、オリゴマー、ポリマー等の各種樹脂が挙げられる。また、凹凸構造層の表面に、水分や酸素等の気体の侵入を防ぐ目的で、ガスバリア層を設けてもよい。
硬化性樹脂を用いて凹凸構造層を形成する場合、例えば、硬化性樹脂を基板に塗布した後、塗布した硬化性樹脂層に微細な凹凸パターンを有するモールドを押し付けつつ塗膜を硬化させることによって、硬化性樹脂層にモールドの凹凸パターンを転写することができる。硬化性樹脂は有機溶剤で希釈してから塗布してもよい。この場合に用いる有機溶剤としては硬化前の樹脂を溶解するものを選択して使用することができる。例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、などのケトン系溶剤等の公知のものから選択できる。硬化性樹脂を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法、カーテンコート法、インクジェット法、スパッタ法等の各種コート方法を採用することができる。硬化性樹脂を硬化させる条件としては、使用する樹脂の種類により異なるが、例えば、硬化温度が室温〜250℃の範囲内であり、硬化時間が0.5分〜3時間の範囲内であることが好ましい。また、紫外線や電子線のようなエネルギー線を照射することで硬化させる方法でもよく、その場合には、照射量は20mJ/cm〜5J/cmの範囲内であることが好ましい。
また、凹凸構造層の材料としてシランカップリング剤を用いてもよい。それにより、実施形態の凹凸パターン(凹凸構造)を有する基板を用いて有機EL素子を製造する場合、凹凸構造層とその上に形成される電極などの層との間の密着性を向上させることができ、有機EL素子の製造工程における洗浄工程や高温処理工程での耐性が向上する。凹凸構造層に用いられるシランカップリング剤は、その種類が特に制限されるものではないが、例えばRSiX(Rは、ビニル基、グリシドキシ基、アクリル基、メタクリル基、アミノ基およびメルカプト基から選ばれる少なくとも1種を含む有機官能基であり、Xは、ハロゲン元素またはアルコキシル基である)で示される有機化合物を用いることができる。シランカップリング剤を塗布する方法としては例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法,カーテンコート法、インクジェット法、スパッタ法等の各種コート方法を採用することができる。その後、各材料に応じて適正な条件で乾燥させることにより硬化した膜を得ることができる。例えば、100〜150℃で15〜90分間加熱乾燥してもよい。
凹凸構造層の材料は、無機材料または硬化性樹脂材料に紫外線吸収材料を含有させたものであってもよい。紫外線吸収材料は、紫外線を吸収し光エネルギーを熱のような無害な形に変換することにより、膜の劣化を抑制する作用がある。紫外線吸収剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等を使用できる。
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、本発明の塗布装置及び塗布方法、凹凸パターンを有するフィルム部材の製造装置及び製造方法並びにそれにより製造されたフィルム部材を用いた凹凸パターンを有する基板の製造方法は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で適宜改変することができる。また、本発明の塗布装置及びフィルム部材の製造装置は上記の実施形態の構成に限定されず、搬送ロールの等の各種要素の配置が本願の図面に示された配置と異なっていてもよい。また、本発明の塗布装置及び凹凸パターンを有するフィルム部材は、種々の用途に使用することができ、例えば、有機EL素子、光学フィルタ、マイクロレンズアレイ、プリズムアレイ、光導波路、LED、フラットパネルディスプレイ製作のための光学フィルムや偏光素子、回折格子やレリーフホログラム等の光学部品、各種レンズなどの光学素子及び光学部品、太陽電池、反射防止フィルム、半導体チップ、パターンドメディア、データストレージ、電子ペーパー、LSIなどの製造、防曇用基板、撥水基板、親水基板、製紙、食品製造、DNA分離チップ、免疫分析チップ、細胞培養シート、ナノバイオデバイス、などのバイオ分野等における用途で使用される部材及びその製造にも使用することができる。その他、各種電子デバイス、特に、半導体集積回路、フラットスクリーン、マイクロ電気機械システム(MEMS)、センサ素子、光ディスク、高密度メモリーディスク等の磁気記録媒体、ナノデバイス、光学デバイス、液晶ディスプレイの薄膜トランジタ、有機トランジスタ、カラーフィルタ、オーバーコート層、柱材、液晶配向用のリブ材、マイクロレンズアレイ、マイクロリアクター、フォトニック液晶などにも使用することができる。
本発明の塗布装置は、より簡便な方法で、帯状のフィルム基材の長手方向において、または長手方向及び幅方向において不連続な塗膜を基材上に形成することができる。さらに、本発明の塗布装置を用いたフィルム部材の製造装置により、基材上に互いに離間した複数のエリア(凹凸パターン形成領域)を有するフィルム部材を製造することができる。製造されたフィルム部材を可撓性のあるモールドとして用いて製造される光学基板などの凹凸パターンを有する基板は耐熱性、耐候性及び耐食性に優れ、その光学基板を組み込んだ素子の製造プロセスにも耐性があり、また、それらの素子を長寿命化することができる。それゆえ、このような基板は、有機EL素子や太陽電池等の種々の用途に好適に使用することができる。
11 マスクシート、 26 撥液膜
40、41 塗布ロール、 44 エアナイフ
46 サクションロール、
80 フィルム基材、80a フィルム部材
82 塗液供給部材
84 塗膜、 90 転写ロール
100 フィルム部材製造装置、120 フィルム搬送部
130張力制御部、140 塗布部
140a、140b、140c、140d、140e 塗布装置
160 転写部

Claims (21)

  1. 帯状のフィルム基材に膜を形成する塗布装置であって、
    塗膜材料が外周面上に付着して回転する塗布ロールと、
    前記塗布ロールに前記塗膜材料を供給する塗液供給部材と、
    前記塗布ロールに対して前記フィルム基材を接触させながら連続的に搬送するフィルム基材搬送部と、
    前記フィルム基材の前記塗膜形成面に向かってガスを吹き出して前記フィルム基材と前記塗布ロールを非接触にするエアナイフとを備える塗布装置。
  2. 前記エアナイフに対向して配置され、前記フィルム基材が前記塗布ロールと非接触であるときに前記フィルム基材を吸引して保持するサクションロールをさらに備える請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記サクションロールがガスを排出する機構を有する請求項2に記載の塗布装置。
  4. 前記フィルム基材の前記塗膜形成面の裏面に向かってガスを吹き出す、別のエアナイフをさらに備える請求項2または3に記載の塗布装置。
  5. 前記フィルム基材上に前記フィルム基材の搬送方向に連続した無塗布領域を形成する搬送方向無塗布領域形成機構をさらに備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗布装置。
  6. 前記搬送方向無塗布領域形成機構が、
    前記塗布ロールより前記フィルム基材の搬送方向の上流側に位置し、前記フィルム基材の前記塗膜形成面上に、前記フィルム基材の搬送方向に沿って帯状のマスクシートを付与するマスク付与部と、
    前記塗布ロールより前記フィルム基材の搬送方向の下流側に位置し、前記マスクシートを前記フィルム基材から剥離するマスク剥離部とを含む請求項5に記載の塗布装置。
  7. 前記搬送方向無塗布領域形成機構が、前記塗布ロールより前記フィルム基材の搬送方向の上流側に位置し且つ前記フィルム基材の前記塗膜形成面上に撥液性材料を塗布する撥液材料塗布部を含む請求項5に記載の塗布装置。
  8. 前記塗布ロールが前記搬送方向無塗布領域形成機構を含み、
    前記搬送方向無塗布領域形成機構は、前記塗布ロールの前記外周面上に形成され且つ前記塗布ロールの周方向に連続した2つ以上の液体担持領域と、前記塗布ロールの前記外周面上において前記液体担持領域の各々の間に形成された液体非担持領域を含む請求項5に記載の塗布装置。
  9. 前記塗液供給部材が前記搬送方向無塗布領域形成機構を含み、
    前記搬送方向無塗布領域形成機構は、前記塗布ロールの回転軸方向においてそれぞれが離間して配置されている少なくとも2個以上の塗液供給チャンバーを含む請求項5に記載の塗布装置。
  10. 前記液体非担持領域は平坦な面を有する請求項8に記載の塗布装置。
  11. 前記液体非担持領域は撥液加工されている請求項8または10に記載の塗布装置。
  12. 前記液体非担持領域は前記液体担持領域に対して凹部を有する請求項8に記載の塗布装置。
  13. 形成される前記膜が前記フィルム基材の長手方向及び幅方向において互いに離間した複数のエリアを有する膜である請求項5〜12のいずれか一項に記載の塗布装置。
  14. 凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造装置であって、
    帯状のフィルム基材上に凹凸形成材料を塗布して膜を形成する塗布部と、
    凹凸パターンを有する転写ロールを有し、前記凹凸パターンを前記膜に転写する転写部と、
    前記塗布部から前記転写部に向かって前記フィルム基材を連続的に搬送する搬送部とを備え、
    前記塗布部が、請求項1〜13のいずれか一項に記載の塗布装置により構成されるフィルム部材の製造装置。
  15. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の塗布装置を用いて、帯状のフィルム基材上に互いに離間した複数のエリアを有する膜を形成する方法であって、
    前記エアナイフからの前記ガスの吹き出しを開始及び停止させることにより前記フィルム基材の幅方向に連続した無塗布領域を形成することを含む膜を形成する方法。
  16. 請求項5〜13のいずれか一項に記載の塗布装置を用いて、帯状のフィルム基材上に前記フィルム基材の長手方向及び幅方向において互いに離間した複数のエリアを有する膜を形成する方法であって、
    前記エアナイフからの前記ガスの吹き出しを開始及び停止させることにより前記フィルム基材の幅方向に連続した無塗布領域を形成することと、
    前記搬送方向無塗布領域形成機構を用いて前記フィルム基材の長手方向に連続した無塗布領域を形成することとを含む膜を形成する方法。
  17. 前記搬送方向無塗布領域形成機構を用いて前記フィルム基材の長手方向に連続した無塗布領域を形成することが、前記フィルム基材上に帯状のマスクシートを付与することと、前記マスクシートを付与した前記フィルム基材に塗膜材料を接触させて、前記マスクシートを付与した前記フィルム基材上に前記塗膜材料を塗布することとを含む請求項16に記載の膜を形成する方法。
  18. 前記搬送方向無塗布領域形成機構を用いて前記フィルム基材の長手方向に連続した無塗布領域を形成することが、前記フィルム基材上に撥液性材料を塗布することと、前記撥液性材料を塗布した前記フィルム基材に塗膜材料を接触させて、前記フィルム基材上に前記塗膜材料を塗布することとを含む請求項16に記載の膜を形成する方法。
  19. 前記搬送方向無塗布領域形成機構を用いて前記フィルム基材の長手方向に連続した無塗布領域を形成することが、前記塗布ロールの周方向に連続した2つ以上の領域に塗膜材料を担持することと、前記塗布ロールに担持した前記塗膜材料を前記フィルム基材に接触させて、前記フィルム基材上に前記塗膜材料を塗布することとを含む請求項16に記載の膜を形成する方法。
  20. 凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造方法であって、
    請求項15〜19のいずれか一項に記載の膜を形成する方法により、帯状のフィルム基材上に凹凸形成材料を塗布して前記凹凸形成材料の膜を形成する塗布工程と、
    転写ロールの凹凸パターンを前記膜に転写する転写工程とを含むフィルム部材の製造方法。
  21. 凹凸パターンを有する基板の製造方法であって、
    基板上にゾルゲル材料層を形成することと、
    請求項20に記載のフィルム部材の製造方法により製造されたフィルム部材を凹凸パターンを有するモールドとして用いて、前記モールドの前記凹凸パターンを前記ゾルゲル材料層に転写することを含む基板の製造方法。
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