JP2015178474A - カルボニルフェナセン化合物、有機発光材料、有機半導体材料、及びカルボニルフェナセン化合物の製造方法 - Google Patents

カルボニルフェナセン化合物、有機発光材料、有機半導体材料、及びカルボニルフェナセン化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高電圧や酸素等の外部環境に対する耐性を有し、有機半導体材料等に利用することができる新規化合物を提供すること、及びかかる新規化合物を効率良く製造することができる製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】フェナセン構造にカルボニル基(アシル基)を導入した化合物が、高電圧や酸素等の外部環境に対する耐性を有するとともに、優れた発光特性を示し、有機半導体材料や有機発光材料として利用することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、カルボニルフェナセン化合物、有機発光材料、有機半導体材料、及びカルボニルフェナセン化合物の製造方法に関し、さらに詳しくはフェナセン構造にカルボニル基(アシル基)を導入したカルボニルフェナセン化合物及び該化合物の製造方法、並びに該化合物を利用した有機発光材料及び有機半導体材料に関する。
ペンタセンやルブレン等の多環芳香族炭化水素化合物は、p型半導体等の有機半導体材料として利用することができ、ケイ素等の無機半導体材料に比べて、製造コストが安く、さらに温和な条件で簡易的に半導体素子を製造することができると考えられている。
例えば、特許文献1には、特定の置換基を有するポリアセン誘導体からなる有機半導体材料が記載されており、かかる誘導体が低温で有機溶媒に溶解させることができるため、塗布プロセスでの使用に適した有機半導体材料となることが報告されている。
また、特許文献2には、有機薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)用の有機半導体材料として、下記式(1)で表される多環縮環化合物が提案されており、応答速度(駆動速度)が高速で、さらに発光可能な有機薄膜発光トランジスタに利用できることが記載されている。
Figure 2015178474
特開2007−013097号公報 国際公開第2011/074232号
ペンタセン等の多環芳香族炭化水素化合物は、高いキャリア移動能を有するものの、高電圧や酸素等の外部環境に対する耐性が低い問題があった。
即ち、本発明は、高電圧や酸素等の外部環境に対する耐性を有し、有機半導体材料等に利用することができる新規化合物を提供すること、及びかかる新規化合物を効率良く製造することができる製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、フェナセン構造にカルボニル基(アシル基)を導入した化合物が、高電圧や酸素等の外部環境に対する耐性を有するとともに、優れた発光特性を示し、有機半導体材料や有機発光材料として利用するこ
とができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の通りである。
<1> 下記式(I)で表されるカルボニルフェナセン化合物。
Figure 2015178474
(式(I)中、Aは下記式(A1)〜(A6)の何れかで表されるフェナセニル基を、Rは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
Figure 2015178474
(式(A1)〜(A6)中、mは0〜10の整数を表す。)
<2> 前記Rがフェニル基である、<1>に記載のカルボニルフェナセン化合物。
<3> 下記式(II)で表されるカルボニルフェナセン化合物。
Figure 2015178474
(式(II)中、Aはそれぞれ独立に下記式(A1)〜(A6)の何れかで表されるフェナセニル基を表す。)
Figure 2015178474

(式(A1)〜(A6)中、mは0〜10の整数を表す。)
<4> <1>〜<3>の何れかに記載のカルボニルフェナセン化合物を含むことを特徴とする有機発光材料。
<5> <1>〜<3>の何れかに記載のカルボニルフェナセン化合物を含むことを特徴とする有機半導体材料。
<6> 下記式(I)又は(II)で表されるカルボニルフェナセン化合物の製造方法であって、
下記式(MI)又は(MII)で表されるアセタール化合物を準備する準備工程、及び
前記アセタール化合物に対して光照射によって下記反応式(III)で表される反応を行う光環化工程を含むことを特徴とする、カルボニルフェナセン化合物の製造方法。
Figure 2015178474
(式(I)及び(II)中、Aはそれぞれ独立に下記式(A1)〜(A6)の何れかで表されるフェナセニル基を、Rは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
Figure 2015178474

(式(A1)〜(A6)中、mは0〜10の整数を表す。)
Figure 2015178474
(式(MI)及び(MII)中、Zはそれぞれ独立に下記式(Z1)〜(Z27)の何れかで表される芳香族炭化水素基を、Rは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を、R’はそれぞれ独立に炭素数1〜6の炭化水素基を表す。但し、R’同士が連結して環状構造を形成していてもよい。)
Figure 2015178474

(式(Z1)〜(Z27)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
Figure 2015178474
本発明によれば、高電圧や酸素等の外部環境に対する耐性を有し、有機半導体材料や有機発光材料として利用することができる新規化合物を提供することができる。
2−ベンゾイルピセンと溶媒の混合物に310nmの励起光を照射したときの発光スペクトルである。 実施例1〜3のカルボニルフェナセン化合物と2−ベンゾイルフェナントレンの吸収発光測定の結果である。
本発明を説明するに当たり、具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
<カルボニルフェナセン化合物1(アシルフェナセン化合物)>
本発明の一態様であるカルボニルフェナセン化合物(以下、「本発明のアシルフェナセン化合物」と略す場合がある。)は、下記式(I)で表されることを特徴とする。
Figure 2015178474

(式(I)中、Aは下記式(A1)〜(A6)の何れかで表されるフェナセニル基を、Rは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
Figure 2015178474
(式(A1)〜(A6)中、mは0〜10の整数を表す。)
本発明者らは、高電圧や酸素等の外部環境に対する耐性を有し、有機半導体材料等に利用することができる新規化合物を求めて鋭意検討を重ねた結果、フェナセン構造にカルボニル基(アシル基)を導入した上記式(I)で表されるカルボニルフェナセン化合物(後述する式(II)で表されるカルボニルフェナセン化合物も同様である。)が、高電圧や酸素等の外部環境に対する耐性を有するとともに、優れた発光特性を示すことを見出したのである。本発明のアシルフェナセン化合物は、フェナセン類の特徴である大きなHOMO−LUMOギャップを引き継いでいるため、ベンゼン環の数が多いにも関わらず、青色発光を得ることが可能である。また、通常フェナセン類からは単一色の発光しか得られないと考えられるが、本発明のアシルフェナセン化合物はカルボニル基(アシル基)を導入したことにより、分子内の電荷移動性が誘発されて、外部環境によって発光スペクトルが変化する特性を有するのである。図1は、本発明のアシルフェナセン化合物の1つである2−ベンゾイルピセンをクロロホルム(CF)、アセトニトリル(ACN)、エタノール(EtOH)およびメタノール(MeOH)に混合し、それぞれに310nmの励起光を照射したときの発光スペクトルである。図1の結果から、混合した溶媒によって発光スペクトルが大きく変化することが明らかである。
Figure 2015178474
また、本発明のアシルフェナセン化合物は、通常p型半導体として働くフェナセン構造に電子吸引性のカルボニル基(アシル基)を導入した化合物となるため、有機半導体材料としては希少なn型半導体になり得ると考えられる。
即ち、本発明のアシルフェナセン化合物は、有機半導体材料や有機発光材料として利用することができる有用な化合物なのである。
なお、式(A1)〜(A6)中の波線は、その先が式(I)中のアシル基であることを表しており、アシル基との結合を表した線が接触しているベンゼン環の結合可能な何れの位置にアシル基が結合していてもよいことを表している。
式(I)のRは、「窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基」を表しているが、「窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい」とは、アミノ基(−NH)、ヒドロキシル基(−OH)、メルカプト基(−SH)、フルオロ基(−F)等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又はハロゲン原子を含む官能基を含んでいてもよいことを意味するほか、イミノ基(−NH−)、エーテル基(−O−)、チオエーテル基(−S−)等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又はハロゲン原子を含む連結基を炭素骨格の内部又は末端に含んでいてもよいことを意味する。従って、「窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい」炭化水素基には、例えば−CH−CH−OHのようにヒドロキシル基を含んでいる炭素数2の炭化水素基、−CH−O−CHのようにエーテル基を炭素骨格の内部に含んでいる炭素数2の炭化水素基、及び−O−CH−CHのようにエーテル基を炭素骨格の末端に含んでいる炭素数2の炭化水素基等が含まれる。
また、「炭化水素基」とは、直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合のそれぞれを有していてもよい(分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合からなる群より選択される少なくとも1種を有していてもよい)炭化水素基を意味する。従って、「炭化水素基」には、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、多環芳香族炭化水素基、複素環基等が含まれる。
Rの炭素数は、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、さらに好ましくは8以上である。
具体的なRとしては、メチル基、フェニル基、フリル基、チオフェニル基、ピリジル基等が挙げられる(具体的なRは下記式で表すことができる。)。
Figure 2015178474
式(A1)〜(A6)のmは0〜10の整数を表しているが、好ましくは1以上、より好ましくは2以上であり、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは4以下である。
本発明のアシルフェナセン化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015178474
<カルボニルフェナセン化合物2(フェナセニルケトン化合物)>
本発明の別の態様であるカルボニルフェナセン化合物(以下、「本発明のフェナセニルケトン化合物」と略す場合がある。)は、下記式(II)で表されることを特徴とする。
Figure 2015178474
(式(II)中、Aはそれぞれ独立に下記式(A1)〜(A6)の何れかで表されるフェナセニル基を表す。)
Figure 2015178474

(式(A1)〜(A6)中、mは0〜10の整数を表す。)
前述した本発明のアシルフェナセン化合物と同様に、フェナセン構造にカルボニル基を導入した上記式(II)で表されるカルボニルフェナセン化合物も、高電圧や酸素等の外部環境に対する耐性を有するとともに、優れた発光特性を示すことを明らかとしたのである。
なお、式(A1)〜(A6)中の波線は、その先が式(II)中のカルボニル基であることを表しており、カルボニル基との結合を表した線が接触しているベンゼン環の結合可能な何れの位置にカルボニル基が結合していてもよいことを表している。
式(A1)〜(A6)のmは0〜10の整数を表しているが、好ましくは1以上、より好ましくは2以上であり、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは4以下である。
本発明のフェナセニルケトン化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015178474
本発明のアシルフェナセン化合物及びフェナセニルケトン化合物の用途は、特に限定されないが、発光特性を活用して有機発光材料として利用することが挙げられるほか、n型半導体等の有機半導体材料として利用することが挙げられる。
<カルボニルフェナセン化合物の製造方法>
本発明のアシルフェナセン化合物及びフェナセニルケトン化合物の製造方法は、特に限定されず、公知の合成方法等を適宜組み合わせて製造してもよいが、比較的簡便に収率良くカルボニルフェナセン化合物を製造することができることから、下記式(MI)又は(MII)で表されるアセタール化合物を準備する準備工程(以下、「準備工程」と略す場合がある。)、及び前記アセタール化合物に対して光照射によって下記反応式(III)で表される反応を行う光環化工程(以下、「光環化工程」と略す場合がある。)を含む方法によって製造することが好ましい。なお、かかる製造方法も本発明の一態様(以下、「本発明の製造方法」と略す場合がある。)である。
本発明のアシルフェナセン化合物やフェナセニルケトン化合物に含まれる多環芳香族炭化水素基を形成する反応は、一般的に手間や時間がかかり、また収率も低いという問題があった。本発明者らは、反応式(III)で表されるような光環化反応を利用することによって、比較的簡便に収率良く合成できることを明らかとしたのである。
Figure 2015178474
(式(I)及び(II)中、Aはそれぞれ独立に下記式(A1)〜(A6)の何れかで表されるフェナセニル基を、Rは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
Figure 2015178474

(式(A1)〜(A6)中、mは0〜10の整数を表す。)
Figure 2015178474
(式(MI)及び(MII)中、Zはそれぞれ独立に下記式(Z1)〜(Z27)の何れかで表される芳香族炭化水素基を、Rは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を、R’はそれぞれ独立に炭素数1〜6の炭化水素基を表す。但し、R’同士が連結して環状構造を形成していてもよい。)
Figure 2015178474

(式(Z1)〜(Z27)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
Figure 2015178474

なお、式(Z1)〜(Z18)中の波線は、その先が(MI)及び(MII)中のカルボニル基であることを表しており、カルボニル基との結合を表した線が接触しているベンゼン環の結合可能な何れの位置にカルボニル基が結合していてもよいことを表している。
また、反応式(III)中の波線は、その先が準備したアセタール化合物に応じた構造であることを表している。
(準備工程)
準備工程は、式(MI)又は(MII)で表されるアセタール化合物を準備する工程であるが、アセタール化合物を準備するための原料(出発物質)、合成方法等は特に限定されず、公知の化合物や方法等を適宜選択し、組み合わせてアセタール化合物を準備することができる。
以下、原料(出発物質)、合成経路等について、具体例を挙げて説明する。
原料(出発物質)としては、下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015178474
合成経路としては、下記反応式で表される合成経路が挙げられる。
Figure 2015178474

上記反応式で表される合成経路は、以下の(1)〜(5)の工程を含む経路である。
(1)酸ハロゲン化物、酸無水物、エステル等を用いたフリーデル・クラフツ アシル化反応(Friedel-Crafts Acylation)によって、芳香族メチル基を有するカルボニル化合物を合成する。
(2)(1)で合成した化合物の芳香族メチル基をウォール・チーグラー反応(Wohl-Zie
gler reaction)によって臭素化する。
(3)(2)で合成した化合物とトリフェニルホスフィン(PPh)とを反応させることによってホスホニウムブロマイド化合物を合成する。
(4)(3)で合成した化合物にウィッティヒ反応(Wittig Reaction)によって、芳香族アルケニル基を導入した化合物を合成する。
(5)(4)で合成した化合物のカルボニル基をアセタールで保護する。
即ち、準備工程は、フリーデル・クラフツ アシル化反応により下記式(MI−1)又は(MII−1)で表される化合物を合成する第1工程(以下、「第1工程」と略す場合がある。)を含むことが挙げられる。
Figure 2015178474

(式(MI−1)及び(MII−1)中、Zはそれぞれ独立に下記式(Z1)〜(Z3)の何れかで表される芳香族炭化水素基を、Rは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
Figure 2015178474

なお、第1工程における具体的な反応条件は、特に限定されず、フリーデル・クラフツ
アシル化反応に利用される溶媒、触媒、温度等を適宜採用することができる。
また、準備工程は、ウォール・チーグラー反応により下記式(MI−2)又は(MII−2)で表される化合物を合成する第2工程(以下、「第2工程」と略す場合がある。)を含むことが挙げられる。
Figure 2015178474

(式(MI−2)及び(MII−2)中、Zはそれぞれ独立に下記式(Z1)〜(Z9)の何れかで表される芳香族炭化水素基を、Rは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
Figure 2015178474

なお、第2工程における具体的な反応条件は、特に限定されず、ウォール・チーグラー反応に利用される溶媒、触媒、温度等を適宜採用することができる。
また、準備工程は、式(MI−2)又は(MII−2)で表される化合物とトリフェニルホスフィン(PPh)とを反応させて、下記式(MI−3)又は(MII−3)で表される化合物を合成する第3工程(以下、「第3工程」と略す場合がある。)を含むことが挙げられる。
Figure 2015178474

(式(MI−3)及び(MII−3)中、Zはそれぞれ独立に下記式(Z1)〜(Z6)の何れかで表される芳香族炭化水素基を、Rは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
Figure 2015178474

なお、第3工程における具体的な反応条件は、特に限定されず、トリフェニルホスフィンを用いてホスホニウムブロマイド化合物を得る反応に利用される溶媒、触媒、温度等を適宜採用することができる。
また、準備工程は、ウィッティヒ反応により式(MI−3)又は(MII−3)で表される化合物と下記式(i)〜(iii)の何れかで表される化合物とを反応させて、下記式(MI−4)又は(MII−4)で表される化合物を合成する第4工程(以下、「第4工程」と略す場合がある。)を含むことが挙げられる。
Figure 2015178474

(式(i)〜(iii)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
Figure 2015178474

(式(MI−4)及び(MII−4)中、Zはそれぞれ独立に下記式(Z1)〜(Z27)の何れかで表される芳香族炭化水素基を、Rは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
Figure 2015178474

なお、第4工程における具体的な反応条件は、特に限定されず、ウィッティヒ反応に利用される溶媒、触媒、温度等を適宜採用することができる。
また、準備工程は、式(MI−4)又は(MII−4)で表される化合物と炭素数1〜6のアルコール又はジオールとを反応させて、式(MI)又は(MII)で表されるアセタール化合物を合成する第5工程(以下、「第5工程」と略す場合がある。)を含むことが挙げられる。
なお、第5工程における具体的な反応条件は、特に限定されず、アセタールの保護反応に利用される溶媒、触媒、温度等を適宜採用することができる。
(光環化工程)
光環化工程は、準備工程で準備したアセタール化合物に対して光照射によって下記反応式(III)で表される反応を行う工程であるが、反応条件は特に限定されず、公知の条件を適宜選択して行うことができる。
Figure 2015178474

光環化工程に使用する光の波長は、通常200nm以上、好ましくは280nm以上であり、通常400nm以下、好ましくは370nm以下である。
光環化工程は酸化剤の共存下で反応を行うことが好ましい。酸化剤としては、空気、塩素、臭素、ヨウ素、酸化マンガン、クロム酸、過マンガン酸カリウム、クロム酸カリウム等が挙げられる。特に、空気、臭素、ヨウ素が特に好ましい。
光環化工程における溶媒は、メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ピリジン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレンが好ましい。
光環化工程における反応温度は、通常10℃以上、好ましくは15℃以上であり、通常40℃以下、好ましくは27℃以下である。
本発明の製造方法は、前述の準備工程と光環化工程を含む方法であるが、その他の工程を含むものであってもよく、目的に応じて様々な工程を導入してもよい。例えば、アセタールの脱保護工程、精製工程等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<カルボニルフェナセン化合物の製造>
(実施例1)
I. 3-Benzoylchrysene (3-B[4])の合成
Figure 2015178474
Step 1. (4-Bromomethylphenylbenzoyl)triphenylphosphonium saltの合成
Figure 2015178474

4-Bromomethylbenzophenone 3.0g(10.9mmol)、triphenylphosphine(PPh3) 3.45g(13.2mmol)をxylene 60mlに加え、140℃で一晩還流した。放冷後、吸引濾過し、結晶をbenzeneで洗浄した。収量は5.8g、収率は99%であった。
Step 2. p-Benzoylphenyl(1-naphthyl)etheneの合成
Figure 2015178474
(4-Bromomethylphenylbenzoyl)triphenylphosphonium salt 3.1g(5.7mmol)、1-naphthoaldehyde 1.1 g(6.8mmol)、dichloromethane70mlを加え、撹拌しながら50%KOH水溶液を25ml滴下した。窒素雰囲気下、45℃で2時間還流した。還流終了後、100 mlの水を加え、有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、MgSO4で乾燥した。Hexane:chloroform(1:3, v/v)を展開溶媒としてシリカカラムクロマトグラフにより単離し、目的物をNMRで確認した。収量1.87g、収率99%。
Step 3. Phenylacetalphenylnaphthyletheneの合成
Figure 2015178474
p-Benzoylphenyl(1-naphthyl)ethene 1.8g(5.4mmol)、ethylene glycol 15ml、sodium p-toluenesulfonate 0.6g加え、benzene 50mL中で48時間還流した。還流後、有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、MgSO4で脱水した。溶媒を留去し目的物をNMRで確認した。収量1.97g、収率99%。
Step 4. 光環化反応による3-(phenylacetal)chryseneの合成
Figure 2015178474

Phenylacetalphenylnaphthylethene 1.97g(5.4mmol)を空気飽和したcyclohexaneに溶かし入れ、ヨウ素を少量加え、撹拌しながら中圧水銀灯(λ=308nm)で13時間照射した。Benzeneで抽出した後、チオ硫酸ナトリウム水溶液で2回、炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、水で2回洗浄した。Hexaneで再結晶を行い目的物を得た。NMRで目的物であることを確認した。収量1.2g、収率61%。
Step 5. アセタール脱保護による3-benzoylchryseneの合成
Figure 2015178474

3-(Phenylacetal)chrysene 1.2g(3.3mmol)、THF 20ml、1N HCl 0.8mlを加え、一晩還流した。室温まで冷却後、benzene 80mLを加え抽出し、有機層を飽和食塩水で2度洗浄した。Hexane:chloroform(1:3, v/v)を展開溶媒としてシリカカラムクロマトグラフにて分離生成し、NMRで目的物であることを確認した。収量1.07g、収率98%。
(実施例2)
II. 2-Benzoylpicene (2-B[5])の合成
Figure 2015178474
Step 1. (4-Bromomethylphenylbenzoyl)triphenylphosphonium saltの合成
Step. 1は実施例1と同様である。
Step 2. p-Benzoylphenyl(1-phenanthryl)etheneの合成
Figure 2015178474

(4-Bromomethylphenylbenzoyl)triphenylphosphonium salt 2.86g(5.34mmol)、1-phenanthrylaldehyde 1.00g(4.85mmol)、dichloromethane 60mLを加え、撹拌しながら50%KOH水溶液を50ml滴下した。窒素雰囲気下、45℃3時間還流した。還流終了後、100mlの水を加え
、水層と有機層に分けた。水層をdichloromethaneで再抽出して有機層と合わせた。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、MgSO4で乾燥した。Hexane:chloroform(1:1, v/v)を展開溶媒としてシリカカラムクロマトグラフにより単離し、目的物をNMRで確認した。収量1.81g、収率98%。
Step 3. Phenylacetalphenylphenanthryletheneの合成
Figure 2015178474

Benzoylphenyl(1-phenanthryl)ethene 1.80g(4.68mmol)、ethylene glycol 10ml、sodium p-toluenesulfonate 0.42gを150mlのbenzeneに加え、48時間還流した。還流後、有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、MgSO4で脱水した。溶媒を留去し目的物を得た。収量1.88g、94%。
Step 4. 2-Phenylacetalpiceneの合成
Figure 2015178474

Phenylacetalphenylphenanthrylethene 1.88gを空気飽和させた400mlのbenzene溶液に、ヨウ素を少量加え、撹拌しながら中圧水銀灯(λ=308nm)を20時間照射した。析出した結晶をろ過後、チオ硫酸ナトリウム水溶液、水で洗浄した。NMR測定により得られた結晶が目的物であることを確認した。また、ろ液をチオ硫酸ナトリウム水溶液、水で洗浄し、溶媒を留去した。さらに、ethylacetateで再結晶をして目的物を得た。収量1.07g、収率57%。
Step 5. 2-Benzoylpiceneの合成
Figure 2015178474

2-Phenylacetalpicene 1.07g、THF 100mlに1N HCl 6mlを加え、一晩還流した。室温まで冷却後、析出した結晶をろ過、水洗いし、NMRで目的物であることを確認した。また、ろ液の水層をchloroformで再抽出して有機層とあわせ、水洗い後、溶媒を留去した。さらに、ethylacetateで再結晶をして目的物を得た。収量0.89g、収率93%。
(実施例3)
III. 3-Benzoylfluminene (3-B[6])の合成
Figure 2015178474
Step 1. (4-Bromomethylphenylbenzoyl)triphenylphosphonium saltの合成
Step. 1は実施例1と同様である。
Step 2. 4-Benzoyl-2'-methylstilbeneの合成
Figure 2015178474

4-Bromomethylbenzophenonetriphenylphosphonium salt 3.60g(6.7mmol)、o-methylbenzaldehyde 0.74ml(6.4mmol)を90mlのdichloromethaneに加え、攪拌しながら50%KOH水溶液を50 ml滴下後、窒素雰囲気下、45℃で3時間還流した。還流終了後、hexane:chloroform (5:1,v/v)を展開溶媒としたTLCでRf=0.1に新たなスポットを確認した。約100mlの水を加え、水層と有機層に分けた。水槽をdichloromethaneで再抽出を行い、有機層と合わせ、有機層を水、塩水で洗浄した。その後、溶媒を減圧留去し、hexane:chloroform (5:1, v/v)を展開溶媒としたシリカカラムクロマトグラフにより生成物を分離した。収量1.97g、収率98%。
Step 3. 4-Phenylacetal-2'-methylstilbeneの合成
Figure 2015178474

Benzoylmethylstilbene 1.40g(4.67mmol)、ethylene glycol 10ml、sodium p-toluenesulfonate 0.43gを200mLのbenzeneに加え、48時間還流した。還流後、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、MgSO4で脱水した。溶媒を留去し目的物の生成をNMRで確認した。収量1.55g、収率96%。
Step 4. 1-Methyl-6-phenylacetalphenanthreneの合成
Figure 2015178474

Phenylacetalmethylstilbene 1.55g(4.53mmol)を空気飽和した500ml cyclohexaneに加え、ヨウ素を少量加え、撹拌しながら中圧水銀灯(λ=308 nm)で17時間照射した。Benzeneで抽出した後、チオ硫酸ナトリウム水溶液で2回、炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、水で2回洗浄した。Hexaneで再結晶を行い、目的物の生成をNMRで確認した。収量0.80g、収率52%。
Step 5. 1-Bromomethyl-6-phenylacetalphenanthreneの合成
Figure 2015178474

1-Methyl-6-phenylacetalphenanthrene 1.5g(4.4mmol)、N-bromosuccinimide (NBS) 0.95g(5.3mmol)、過酸化ベンゾイル(BPO) 55mg(0.2 mmol)を四塩化炭素40mlに溶解後、窒素雰囲気下、85℃で6時間還流した。室温まで放冷後、ろ過をした。ろ液を水と飽和食塩水で洗浄した後、ethylacetateで再結晶後、NMRで目的物の生成を確認した。収量0.74g、収率41%。
Step 6. 1-(6-Phenylacetal)phenanthrylbromomethyl phosphonium saltの合成
Figure 2015178474

1-Bromomethyl-6-phenylacetalphenanthrene 0.74g(1.75mmol)、PPh3 0.57g(2.1mmol) をxylene15 mlに加え、140℃で一晩還流した。放冷後、ろ過をして沈殿物をベンゼンで洗い、目的物を得た。収量0.84g、収率70%。
Step 7. 1-(6-Phenylacetal)phenanthryl(1'-naphthyl)etheneの合成
Figure 2015178474

Phenylacetalphenanthrylbromomethyl phosphonium salt 600mg (0.88mmol)、1-naphthaldehyde 0.12ml(0.88mmol)をchloroform 12mlに加え、撹拌しながら50%KOH水溶液を4ml滴下した。窒素雰囲気下、70℃で3時間還流した。還流後、水を加え、水層と有機層に分けた。水層をchloroformで再抽出して有機層と合わせた。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、MgSO4で脱水し、NMRで目的物の生成を確認した。収量0.42g、収率99 %。
Step 8. 2-Phenylacetalflumineneの合成
Figure 2015178474

Phenylacetalphenanthrylnaphthylethene 0.30gを500mlのbenzeneに溶解させ、ヨウ素少量加え、撹拌しながら中圧水銀灯(λ=308nm)を14時間照射した。析出した結晶をろ過後、チオ硫酸ナトリウム水溶液、水で洗浄し、NMRで目的物であることを確認した。また、ろ液をチオ硫酸ナトリウム水溶液、水で洗浄し、溶媒を留去した。さらに、ethylacetateからの再結晶により目的物を得た。収量0.15g、収率50%。
Step 9. 2-Benzoylflumineneの合成
Figure 2015178474

Phenylacetalfluminene 0.10g(0.21mmol)と1N HCl 0.6 mlをTHF 10mlに加え、一晩還流した。室温まで冷却後、析出した結晶をろ過、水洗いし、NMRで目的物であることを確認した。また、ろ液の水層をchloroformで再抽出して有機層とあわせ、水洗い後、溶媒を留去し、ethylacetateからの再結晶により目的物を得た。収量75mg、収率83 %。
(実施例4)
IV. 5-Benzoylpicene(5-B[5]) の合成
Figure 2015178474
Step 1. Friede-Crafts Acylationによる1-benzoyl-4-methylaphthareneの合成
Figure 2015178474

Benzoylchloride 0.61g(5.28mmol)、1-methylnaphthalene 0.58g(4.06mmol)、dichloromethane 40mlを溶媒として用い、撹拌しながらAlCl3 0.54 g加えた。1時間撹拌後、氷水に反応液を加えた。水、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。反応の進行はTLCで追跡した。Hexane:ethylacetate (5:1, v/v)の展開溶媒を用いてシリカクロマトグラフにて目的物を単離した。収量1.00g、収率100%。
Step 2. NBSを用いた1-benzoyl-4-bromomethylnaphthleneの合成
Figure 2015178474

1-Benzoyl-4-methylaphtharene 1.0g(4.06mmol)、N-bromosuccinimide(NBS) 0.87g (4.87mmol)、過酸化ベンゾイル(BPO) 65 mg(0.203mmol)、四塩化炭素40mlを窒素雰囲気下、85℃で時間還流した。室温まで放冷後、濾過をした。濾液を水で1回と飽和食塩水で1回洗浄し、MgSO4で脱水した。Hexane:ethylacetate (5:1, v/v)の展開溶媒を用いてシリカクロマトグラフにて目的物を単離した。収量1.32g、収率100%。
Step 3. 1-(4-Benzoylnaphthyl)bromomethyltriphenylphosphonium saltの合成
Figure 2015178474

1-Benzoyl(4-bromomethylnaphthlene) 3.90g(12.0mmol)、PPh3 4.56g (14.4 mmol)、キシレン145mlを140℃で一晩還流した。還流後、室温まで放冷して、濾過によって溶媒と目的物を分離した。目的物をbenzeneで洗浄後、乾燥させた。収量5.17g、収率73%。
Step 4. 1-(4-Benzoylnaphthyl)(1-naphthyl)ethene (化合物 1)の合成
Figure 2015178474

4-Benzoylnaphthyl-1-bromomethyltriphenylphosphonium salt 1.64g(4.26mmol)、1-naphthaldehyde 0.58ml(4.26mmol)、chloroform 50mLを加え、撹拌しながら50%KOH水溶液を20 ml滴下した。窒素雰囲気下、65℃で5時間還流した。Hexane:etheracetate (9:1, v/v)の展開溶媒を用いてTLCを行い目的物の存在を確認した。還流後、水(約100ml)加え、水層と有機層に分けた。水層をchloroformで再抽出して有機層と合わせた。有機層を水で2
回、飽和食塩水で1回洗浄し、MgSO4で脱水した。Hexaneでシリカカラムとグラフにより化合物1を単離した。収量1.64 g、収率100%。
Step 5. 1-(4-Phenylacetalnaphthyl)(1-naphthyl)ethene (化合物2)の合成
Figure 2015178474

化合物1 1.64g(4.26mmol)、ethylene glycol 10 ml、sodium p-toluenesulfonate 0.43g加え、benzene中で48時間還流した。還流後、水層と有機層に分けた。水層をbenzeneで再抽出して有機層と合わせた。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、MgSO4で脱水した。溶媒を留去し目的物の生成をNMRで確認した。収量1.81g、収率99%。
Step 6. 5-Phenylacetalpicene(化合物3)の合成
Figure 2015178474

化合物2 1.81 gを500ml benzeneに溶解し、ヨウ素を少量加え、空気飽和させて撹拌しながら中圧水銀灯(λ=308nm)を13時間照射した。チオ硫酸ナトリウム水溶液で2回、炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、水で2回洗浄した。溶媒を留去した後ethanolからの再結晶法により目的物を得た。同定は1H NMRで行った。収量0.76g、収率42%。
Step 7. 5-Benzoylpiceneの合成
Figure 2015178474

化合物3 0.596g(0.21mmol)、THF 56mlに1N HCl 3.4mlを加え、一晩還流した。室温まで冷却後、析出した結晶をろ過、水洗いし、NMRで目的物であることを確認した。また、反応液をbenzeneで再抽出して有機層とあわせ、水洗い後、溶媒を留去した。収量0.324g、収率54%。
<カルボニルフェナセン化合物の吸収発光測定>
実施例1〜3で得られたカルボニルフェナセン化合物と比較例として下記式で表される
2−ベンゾイルフェナントレン(B[3])について、それぞれクロロホルム中の吸収発光測定を行った(測定装置:日本分光(JASCO)可視紫外吸収分光光度計U−best V−550および日立蛍光分光光度計F−7000、条件:測定温度22℃)。結果を図2((a):実施例1、(b):実施例2、(c):実施例3、(d):2−ベンゾイルフェナントレン)及び表1に示す。表中のΦ、τ、kはそれぞれ蛍光の量子収率、蛍光寿命および蛍光速度を表す。(測定装置:浜松ホトニクス 絶対PL量子収率測定装置 C9920−02および浜松ホトニクス 蛍光寿命測定装置 カンタウルス−タウ)。蛍光速度は式、kτ −1。を用いて計算した。
Figure 2015178474
Figure 2015178474
本発明のカルボニルフェナセン化合物は、有機ELや有機電子デバイス等に利用することができる。

Claims (6)

  1. 下記式(I)で表されるカルボニルフェナセン化合物。
    Figure 2015178474

    (式(I)中、Aは下記式(A1)〜(A6)の何れかで表されるフェナセニル基を、Rは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
    Figure 2015178474

    (式(A1)〜(A6)中、mは0〜10の整数を表す。)
  2. 前記Rがフェニル基である、請求項1に記載のカルボニルフェナセン化合物。
  3. 下記式(II)で表されるカルボニルフェナセン化合物。
    Figure 2015178474

    (式(II)中、Aはそれぞれ独立に下記式(A1)〜(A6)の何れかで表されるフェナセニル基を表す。)
    Figure 2015178474

    (式(A1)〜(A6)中、mは0〜10の整数を表す。)
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のカルボニルフェナセン化合物を含むことを特徴とする有機発光材料。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載のカルボニルフェナセン化合物を含むことを特徴とする有機半導体材料。
  6. 下記式(I)又は(II)で表されるカルボニルフェナセン化合物の製造方法であって、
    下記式(MI)又は(MII)で表されるアセタール化合物を準備する準備工程、及び
    前記アセタール化合物に対して光照射によって下記反応式(III)で表される反応を行う光環化工程を含むことを特徴とする、カルボニルフェナセン化合物の製造方法。
    Figure 2015178474

    (式(I)及び(II)中、Aはそれぞれ独立に下記式(A1)〜(A6)の何れかで表されるフェナセニル基を、Rは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
    Figure 2015178474

    (式(A1)〜(A6)中、mは0〜10の整数を表す。)
    Figure 2015178474

    (式(MI)及び(MII)中、Zはそれぞれ独立に下記式(Z1)〜(Z27)の何れかで表される芳香族炭化水素基を、Rは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を、R’はそれぞれ独立に炭素数1〜6の炭化水素基を表す。但し、R’同士が連結して環状構造を形成していてもよい。)
    Figure 2015178474

    (式(Z1)〜(Z27)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
    Figure 2015178474
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