JP2015178204A - 印刷制御装置および印刷制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】それぞれ所定のインク流路に連通する複数のノズルが列状に配置された記録ヘッドを使用し、各ノズルからインク滴を吐出させて印刷を行う印刷制御装置であって、多値の印刷データをドットサイズに対応した小値のデータに変換するマスクパターンを用い、印刷データを小値のドットパターンデータに変換するディザハーフトーン手段を備え、主走査方向に二つ以上のドットが並び、かつ、主走査方向から見て先頭側に斜めに並ぶようにドットが配置されるパターンを基準パターンとするとき、インクデューティが25%以上の場合に、生成されるドットパターンの中に基準パターンが発生する確率が、ブルーノイズ特性に基づいて生成されるマスクパターンの中に基準パターンが発生する確率よりも大きくなる第一のマスクパターンを用いてディザハーフトーン手段がハーフトーンを行う。
【選択図】図9
Description
一方、ディザハーフトーン処理で使用するマスクパターンとして、ドットの配置位置を決定する上で斜めに配置する考え方が知られており、特許文献1に開示されたものが知られている。
一方、このような斜めの配置が最も多くなる千鳥配置を採用した場合、風紋は非常に発生しやすいパターンであるといわざるを得ない。千鳥配置とすることで気流の逃げ道が塞がれると考えられる。
多階調の印刷データをドットの有無を表した多値のデータに変換するマスクパターンを用い、印刷データを多値のドットパターンに変換するディザハーフトーン手段を備え、
前記ディザハーフトーン手段は、
前記記録ヘッドを印刷媒体に対して相対的に走査する方向である主走査方向に二つ以上のドットが並ぶ第一のドット列と、前記第一のドット列に含まれる所定のドットに対して前記主走査方向に対して斜め方向に隣接するドットを含む前記第一のドット列のドット数以下からなる第二のドットまたは前記主走査方向に並ぶ第二のドット列であって、前記第一のドット列のドット数と同一ドット数の場合には前記第一のドット列と前記主走査方向にずれた状態で隣接する第二のドットまたは第二のドット列と、からなるパターンを基準パターンとするとき、
インクデューティが25%の場合に、生成されるドットパターンの中に前記基準パターンが発生する確率が、ブルーノイズ特性のマスクパターンに基づいて生成されるドットパターンの中に前記基準パターンが発生する確率よりも大きくなる第一のマスクパターンを用いてハーフトーンを行う構成としてある。
マスクパターン全体として誘導方向を揃えることで気流は同方向に誘導される。同方向に誘導されるとスムーズに流れるので吐出されるインク滴を過度に乱すことが無くなり、風紋も発生しにくくなる。
記録ヘッドが主走査方向に移動する際、ノズル列に対して気流を上下方向に(内側から外側へ)誘導することになるため、気流がスムーズに誘導され、吐出されるインク滴を過度に乱すことが無くなり、風紋も発生しにくくなる。
基準パターンの形状は主走査方向を基準として両方向において気流を斜めに誘導する性能は備えている。しかし、主走査方向に向けた場合の方が反対側の方向よりも気流の誘導性能が高いとも言える。このため、記録ヘッドと印刷媒体との相対方向に対応して二つ形成しておき、それぞれを移動方向に合わせて変えることで誘導性能をより発揮しやすくすることができる。
本発明の態様の一つとして、上記ディザハーフトーン手段は、上記第一のマスクパターンと、分散性の高い第二のマスクパターンとを備え、バンド印刷時に、滲みにくい印刷媒体を使用し、記録ヘッドと印刷媒体との距離が広く、上記ノズル間の間隔が狭い場合に上記第一のマスクパターンを使用し、その他の場合に上記第二のマスクパターンを使用する構成としてある。
(1)装置構成の概略の説明
図1は、本発明の一実施形態にかかる印刷制御装置をブロック図により示している。
本システムは、例えば、コンピューター10およびプリンター20を有する。コンピューター10及び/又はプリンター20は、本発明の印刷制御装置の例に該当する。印刷制御装置は、印刷制御方法の実行主体となる。コンピューター10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバスを介してコンピューター10全体を制御する。当該バスには、ROM12、RAM13、各種インターフェイス(I/F18等)が接続され、またハードディスクドライブ(HDDRV)15を介して記憶手段としてのハードディスク(HD)14が接続されている。HD14にはオペレーティングシステムやアプリケーションプログラム、プリンタードライバー14d等が記憶され、これらはCPU11によって適宜RAM13に読み出され実行される。
記録ヘッド26は、各種インク(例えば、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インク、ブラック(K)インク、ライトシアン(Lc)インク、ライトマゼンダ(Lm)インク)毎のインクカートリッジから各種インクの供給を受け、各種インクに対応して設けられた複数のノズルからインク滴(ドット)を噴射(吐出)することで印刷媒体に画像を形成する。プリンターコントロールIC25は、ヘッド駆動部27に対して、印刷対象の画像を表現したラスタデータに対応する印加電圧データを出力する。ヘッド駆動部27は、印加電圧データから、記録ヘッド26の各ノズルに対応して形成された圧電素子への印加電圧パターン(駆動波形)を生成して出力し、記録ヘッド26の各ノズルにインク種類毎のドットを吐出させる。
多数のノズル26aが記録ヘッド26の底面に一列に一定の間隔(ピッチ)で配置されて形成されている。なお、ノズル26aは一列ではなく二列であったり、直線状ではなく千鳥配列状であったりしても良い。記録ヘッド26には、一つのノズル26a毎にアクチュエータ26bが配設されている。所定の容積を有する圧力室26cには吐出口としてのノズル26aに加え、図示しないインクカートリッジへと連通するリザーバー26dが備えられている。インクカートリッジからノズル26aに至る経路がインク流路26eを構成している。アクチュエータ26bは圧電素子で形成され、個別に前記印加電圧パターンを印加されることで圧力室26cの容積を変化させてインク滴を吐出する。
図5は、基準パターンのドットの配置を図により示している。基準パターンとは、記録ヘッド26を印刷媒体に対して相対的に走査する方向である主走査方向に二つ以上のドットが並ぶ第一のドット列と、前記第一のドット列に含まれる所定のドットに対して前記主走査方向に対して斜め方向に隣接するドットを含む前記第一のドット列のドット数以下からなる第二のドットまたは前記主走査方向に並ぶ第二のドット列であって、前記第一のドット列のドット数と同一ドット数の場合には前記第一のドット列と前記主走査方向にずれた状態で隣接する第二のドットまたは第二のドット列と、からなるパターンである。以下、簡便のために、主走査方向に二つ以上のドットが並び、かつ、主走査方向から見て先頭側に斜めに並ぶようにドットが配置されるパターンとも呼ぶことにする。(I)には、主走査方向に並ぶ二つのドットと、先頭側に斜めに並ぶ一つのドットを示している。これを基準としつつも、その派生例として(II)のように主走査方向に並ぶ二つのドットが二組用意され、副走査方向に隣接する画素列に配置され、かつ、主走査方向に一ドット分ずれて形成されている。さらに、(III)のように、主走査方向には三つのドットを並べつつ、先頭側のドットと副走査方向に隣接する画素位置に一つのドットを並べている。(I)〜(III)のいずれも(I)のパターンを含んでおり、気流の誘導効果は備えている。このため、(I)〜(III)のいずれも基準パターンに含まれる。むろん、主走査方向を基準として反転させたパターンも含まれる。基本的にはこれらのドットを除き、副走査方向に隣接する画素位置(図中にXで示す)にはドットが付されないものを基準パターンと呼ぶ。
図4は、印刷制御装置が実施する印刷制御をフローチャートにより示している。
ステップS100では、CPU11は、印刷対象としてユーザにより選択された画像データなどを、HD14等の所定の記憶領域から読み出して取得する。ユーザは、表示部16に表示された所定のUI画面を視認しながら操作部17を操作することにより、印刷対象とする画像データを任意に選択することができる。なお、CPU11は、画像データに対して、解像度変換処理や画質補正処理などを適宜施すことができる。
図6は、ブルーノイズ特性に基づいて生成される第二のマスクパターンによって形成されるドットパターンを図により示している。ベタパターンの印刷においてインクデューティ(インク濃度)がそれぞれ異なる場合を示しており、上からインクデューティが32/255、64/255、128/255の場合を示している。
図7は、第二のマスクパターンを使用したときの印刷時の気流の流れを図により示している。なお、インクデューティが128/255の場合の主走査方向の三画素列分を拡大して示している。
図6に示す第二のマスクパターンは、ブルーノイズ特性を利用して人間の視覚で関知しにくくするような分散性を高めたものである。しかし、図7に、気流の逃げ道を矢印で示しているが、この矢印以外については気流を塞ぐことになっていることが多い。
インクデューティが64/255のドットパターンを例に取ると、図8に示すドットパターンには基準パターンが7箇所に含まれている。同じ64/255のインクデューティの場合の第二のマスクパターンによるドットパターン(図6)には、基準パターンと言えるパターンが一つも含まれていない。
図7に示す第二のマスクパターンに基づくドットパターンと比較して、図9に示す第一のマスクパターンに基づくドットパターンには、より多くの矢印が書き込まれ、気流の流れを塞ぐことなく誘導できていることが分かる。
これらの例からも、基準パターンを多く含むことで気流の流れをスムーズにできる効果が理解できる。
図10は、変形例にかかる第三のマスクパターンによって形成されるドットパターンを図により示している。なお、インクデューティが64/255のベタパターンを印刷したときのドットパターンである。
この変形例では、基準パターンは含まれていないが、以下のことを考慮してマスクパターンを形成している。
ディザマスクによりドットを斜めに配置させることで、ノズル間に気流を流しやすくし、風紋を抑制する。
1:インクの打ち込み量に応じて、ドット同士が斜めに隣接して形成される割合を変更する。
2:インクデューティが64/255の付近から、ドット同士が斜めに隣接して形成される割合を高くする。
3:風紋が発生しやすい状況において行う。
・風紋が目立ち始めるインクデューティが64/255の付近から、従来のディザマスクパターンよりも、斜めに発生するドットを増やすようにしている。
・ドットを斜めに配置することで、ノズル列方向にドットが隣接しにくくなるため、印刷中にノズル間に気流が流れやすくなる。これによりノズル間の気流が整流化され、風紋が発生しにくくなる。
以上より、インクデューティが25%の場合に、図10に示すようなマスクパターンを使用し、さらに生成されるインクデューティが増える領域で基準パターンが発生する確率が増えていくようにしてもよい。
図12は、マスクパターンと走査方向との対応を図により示している。記録ヘッド26の移動方向に対応してマスクパターンを逆転させて使用する例を示している。
基準パターンによって気流を誘導する方向が決まる。すなわち、主走査方向に並ぶ二つ以上のドットの画素列に対して、斜めに並ぶドットの画素位置の方向に向けて気流を誘導すると考えられる。そして、生成されるドットパターンの中に基準パターンが配置されるにあたり、この誘導方向を揃えている。このマスクパターンの場合、副走査方向を基準として領域をほぼ真ん中で上下に二分割し、上方の領域では誘導方向を上方に向けて揃えて気流を上方に誘導し、下方の領域では誘導方向を下方に向けて揃えて気流を下方に誘導している。このようにすると、気流を内側から外側へと誘導するので、気流の乱れが非常に少なくなる。
このため、図12に示すように主走査方向が左から右へ移動する場合には上段に示すようにドットパターンが形成されるマスクパターンとし、主走査方向が右から左へ逆転して移動する場合には下段に示すようにドットパターンが形成されるマスクパターンとする。言い換えると、マスクパターンの向きを記録ヘッドの移動方向に応じて変更するので、マスクパターンの向きが記録ヘッドと印刷媒体との相対方向に対応して形成されていると言える。また、このように誘導方向を揃えていない場合であっても、基準パターンには方向性があると言えるから、基準パターンの向きについても記録ヘッドと印刷媒体との相対方向に対応して形成してもよい。
上述した例では、基準パターンが発生する確率が、ブルーノイズ特性に基づいて生成されるマスクパターンを使用した場合の確率よりも大きいと説明してきた。この変形例3の説明では、より具体的な例を説明する。
一つの基準として、第一のマスクパターンを使用して生成されるドットパターンの中のドットのうち、基準パターンのドットが75%以上を占めるのであれば、基準パターンが発生する確率が、ブルーノイズ特性に基づいて生成されるマスクパターンを使用した場合の確率よりも大きいと言える。
例えば、4X4個の升目を考える。この場合、16個の画素位置があり、インクデューティが50%であると、8個のドットが付される。そのうちの6個のドットが基準パターンを形成している状況である。8個のドットのうちの6個のドットが基準パターンを形成していれば、75%以上を占めているといえる。
上述した第一のマスクパターンは、風紋対策として良好である。一方、図7に示すような第二のマスクパターンは分散性の観点で作成してあるので一般的には良好なハーフトーン結果を得られる。このため、風紋が発生しやすいと考えられる状況、例えば、バンド印刷時に、滲みにくい印刷媒体を使用し、記録ヘッドと印刷媒体との距離が広く、上記ノズル間の間隔が狭い場合に、第一のマスクパターンを使用することが好ましい。また、その他の場合に第二のマスクパターンを使用することが好ましい。
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
Claims (7)
- 複数のノズルが列状に配置された記録ヘッドを使用し、各ノズルからインク滴を吐出させて印刷を行う印刷制御装置であって、
多階調の印刷データをドットの有無を表した多値のデータに変換するマスクパターンを用い、印刷データを多値のドットパターンに変換するディザハーフトーン手段を備え、
前記ディザハーフトーン手段は、
前記記録ヘッドを印刷媒体に対して相対的に走査する方向である主走査方向に二つ以上のドットが並ぶ第一のドット列と、前記第一のドット列に含まれる所定のドットに対して前記主走査方向に対して斜め方向に隣接するドットを含む前記第一のドット列のドット数以下からなる第二のドットまたは前記主走査方向に並ぶ第二のドット列であって、前記第一のドット列のドット数と同一ドット数の場合には前記第一のドット列と前記主走査方向にずれた状態で隣接する第二のドットまたは第二のドット列と、からなるパターンを基準パターンとするとき、
インクデューティが25%の場合に、生成されるドットパターンの中に前記基準パターンが発生する確率が、ブルーノイズ特性のマスクパターンに基づいて生成されるドットパターンの中に前記基準パターンが発生する確率よりも大きくなる第一のマスクパターンを用いてハーフトーンを行うことを特徴とする印刷制御装置。 - 上記第一のマスクパターンは、
上記基準パターンにおいて、上記斜め方向を気流の誘導方向とすると、
上記生成されるドットパターンの中に上記基準パターンが配置されるとき、その誘導方向が揃えられていることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。 - 上記第一のマスクパターンは、副走査方向で領域を二分したときに、上方の領域では上記誘導方向は上方に向けられ、下方の領域では上記誘導方向は下方に向けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷制御装置。
- 上記第一のマスクパターンは、上記基準パターンの向きが、上記記録ヘッドと印刷媒体との相対方向に対応して形成されていることを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
- 上記第一のマスクパターンは、生成されるドットパターンの中のドットのうち、上記基準パターンのドットが75%以上を占めることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の印刷制御装置。
- 上記ディザハーフトーン手段は、上記第一のマスクパターンと、分散性の高い第二のマスクパターンとを備え、バンド印刷時に、滲みにくい印刷媒体を使用し、記録ヘッドと印刷媒体との距離が広く、上記ノズル間の間隔が狭い場合に上記第一のマスクパターンを使用し、その他の場合に上記第二のマスクパターンを使用することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の印刷制御装置。
- 複数のノズルが列状に配置された記録ヘッドを使用し、各ノズルからインク滴を吐出させて印刷を行う印刷制御方法であって、
多階調の印刷データをドットの有無を表した多値のデータに変換するマスクパターンを用い、印刷データを多値のドットパターンに変換するディザハーフトーンを実施するときに、
前記記録ヘッドを印刷媒体に対して相対的に走査する方向である主走査方向に二つ以上のドットが並ぶ第一のドット列と、前記第一のドット列に含まれる所定のドットに対して前記主走査方向に対して斜め方向に隣接するドットを含む前記第一のドット列のドット数以下からなる第二のドットまたは前記主走査方向に並ぶ第二のドット列であって、前記第一のドット列のドット数と同一ドット数の場合には前記第一のドット列と前記主走査方向にずれた状態で隣接する第二のドットまたは第二のドット列と、からなるパターンを基準パターンとするとき、
インクデューティが25%の場合に、生成されるドットパターンの中に前記基準パターンが発生する確率が、ブルーノイズ特性のマスクパターンに基づいて生成されるドットパターンの中に前記基準パターンが発生する確率よりも大きくなる第一のマスクパターンを用いてハーフトーンを行うことを特徴とする印刷制御方法。
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