JP2015178053A - オイルストレーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルストレーナの外形寸法を小さく抑えることで小型化を図りながらも、吸引口からの空気の吸引を効果的に防止する。
【解決手段】本体部(71)の底部(71a)から下方に突出する筒状の吸引部(80)と、吸引部(80)の下端に設けた吸引口(78)と、吸引口(78)を囲む位置に配置されてオイルの油面(L)に浮遊可能なフロート部材(74)と、を備え、吸引部(80)は、本体部(71)の底部(71a)に接続された第1吸引筒(72)と、下端部(73c)に吸引口(78)が形成された第2吸引筒(73)とを備え、第2吸引筒(73)が第1吸引筒(72)に対して軸方向に相対移動可能に連結された多段構成であり、フロート部材(74)は、第2吸引筒(73)に取り付けられており、2吸引筒(73)とフロート部材(74)とが軸方向へ一体に移動するように構成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用の変速機などの潤滑油及び作動油として用いられるオイルを貯留するケース内に設置され、前記ケース内のオイルを吸引して濾過するオイルストレーナに関する。
車両に搭載された変速機の潤滑油及び作動油として用いられるオイルは、変速機ケースの底部に設けたオイルリザーバに溜められる。このオイルリザーバに溜められたオイルは、オイルポンプで吸い上げられる。オイルリザーバからオイルポンプで吸い上げられたオイルは、変速機構などにおける潤滑が必要な箇所などへ供給されてから、オイルリザーバへ還流される。
変速機ケース内には、オイルポンプによって吸い上げられるオイルを濾過するためのオイルストレーナが設置されている。オイルストレーナは、濾過部材を内蔵した中空容器状の本体部と、本体部内にオイルを吸引するための吸引口とを備えており、下流側に設置したオイルポンプの作動によって、吸引口から吸引されたオイルが濾過部材で濾過されてからオイルポンプに送られるようになっている。
ここで、オイルストレーナの吸引口は、本体部の底面などに開口して変速機ケース内のオイルに浸されている。しかしながら、車両の走行時の急な加減速や旋回に伴う加速度で変速機ケース内のオイルが偏りその油面が大きく傾斜すると、吸引口が油面から空中に露出することがある。そうすると、吸引口からオイルに混じって空気が吸引されてしまう現象が発生するおそれがある。
そこで、特許文献1に記載されている従来のオイルストレーナでは、本体部の底部に設けた吸引口を変速機ケースの底面の近傍に配置している。これにより、変速機ケース内に貯留されているオイルの油面から吸引口が露出し難くなるようにして、吸引口からオイルに混じって空気が吸引されてしまう現象を抑制している。また、特許文献1に記載のオイルストレーナでは、濾過部材と本体部のフランジ部を車両の進行方向に対して右または左に傾斜させて配置している。これにより、本体部内に空気が溜まる部分を少なくすると共に、オイルに混入している空気(気泡)がフランジ部を伝わって上方に排出され易くなるように構成している。
特開2005−291408号公報
しかしながら、特許文献1に記載のオイルストレーナでは、本体部の底部に設けた吸引口を変速機ケースの底面の近傍に配置していることで、その分、本体部の高さ寸法が大きくなるため、体積が大きくなる。これにより、オイルストレーナ全体の外形寸法が大きくなっている。また、濾過部材と本体部のフランジ部を車両の進行方向に対して右または左に傾斜させて配置していることによっても、オイルストレーナ全体の外形寸法が大きくなっている。これらにより、変速機ケース内でのオイルストレーナのレイアウトの自由度を十分に確保できないおそれがある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、オイルストレーナの外形寸法を小さく抑えることで小型化を図りながらも、吸引口からの空気の吸引を効果的に防止することができると共に、オイルに混入している気泡の分離を促進させることで、オイルの供給を安定化させることができるオイルストレーナを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明にかかるオイルストレーナは、潤滑油及び作動油として用いられるオイルを貯留するケース(2)内に設置され、前記ケース(2)内の前記オイルを吸引して濾過するオイルストレーナ(70)であって、内部に前記オイルを濾過する濾過部材(71b)を収容した本体部(71)と、前記本体部(71)の底部(71a)から下方に突出する筒状の吸引部(80)と、前記吸引部(80)の下端に設けた吸引口(78)と、前記吸引口(78)を囲む位置に配置されて前記オイルの油面(L)に浮遊可能なフロート部材(74)と、を備え、前記吸引部(80)は、前記本体部(71)の底部(71a)に接続された第1吸引筒(72)と、下端部(73c)に前記吸引口(78)が形成された第2吸引筒(73)とを少なくとも備え、前記第2吸引筒(73)が前記第1吸引筒(72)に対して直接、又は一又は複数の他の吸引筒を介して軸方向に相対移動可能に連結された多段構成であり、前記フロート部材(74)は、前記第2吸引筒(73)に取り付けられており、前記2吸引筒(73)と前記フロート部材(74)とが前記軸方向へ一体に移動するように構成したことを特徴とする。
本発明にかかるオイルストレーナでは、ケース内に貯留されたオイルの油面に浮遊するフロート部材が第2吸引筒に取り付けられていることで、フロート部材及び第2吸引筒が油面に追従して移動する。これにより、ケース内に貯留されたオイルの油面の高さ位置が変化したときに、第2吸引筒が軸方向に摺動することで、吸引口が油面の位置に追従して移動する。したがって、吸引口が油面から露出することを効果的に防止できる。よって、吸引口から空気を吸引することなくオイルを吸引可能となる。
すなわち、本発明にかかるオイルストレーナでは、本体部の底部から下方に突出する筒状の吸引部を多段構成の筒状として、最下段の第2吸引筒にフロート部材を取り付けたことで、吸引口が油面から露出することを防止する構成である。したがって、オイルストレーナの本体部の体積を大きくする必要が無いので、オイルストレーナ全体の外形寸法の小型化を図ることができる。このように、オイルストレーナを小型化することで、従来の構成のオイルストレーナと比較して、設置する際のレイアウトの設計自由度が増す。
また、本発明にかかるオイルストレーナ(70)では、前記フロート部材(74)は、前記第2吸引筒(73)の軸方向に対して揺動可能に取り付けられていてよい。
この構成によれば、ケース内に貯留されたオイルの油面が傾いたときに、フロート部材が第2吸引筒の軸方向に対して傾くことで、フロート部材が油面の傾きに追従してその角度が変化するようになる。したがって、ケース内に貯留されたオイルの油面の高さが変化したときだけでなく、油面が傾いたときにも吸引口から空気を吸引することなくオイルを吸引可能となる。
また、本発明にかかるオイルストレーナ(70)では、前記フロート部材(74)は、前記吸引口(78)の周囲の全体を囲む環状に形成されていてよい。この構成によれば、吸引口を囲む環状のフロート部材を導入部としてその内径側に導かれたオイルが吸引口に吸引されるようになる。これにより、油面の高さ位置の変化や傾きに追従するフロート部材によって、吸引口に吸引されるオイルの導入部を常に油面に向けて配置しておくことが可能となる。したがって、吸引口からケース内に貯留されたオイルを吸引する際に空気を吸入することをより効果的に防止できるようになる。
また、本発明にかかるオイルストレーナ(70)では、前記フロート部材(74)は、径方向の内側を向いて前記第2吸引筒(73)に面する内周面(75b)と、径方向の外側を向く外周面(75a)と、下方を向いて前記油面(L)に接する下面(77a)と、上方を向く上面(77b)と、前記内周面(75b)に形成された該内周面(75b)を窪ませてなる第1溝部(76b)と、前記下面(77a)に形成された該下面(77a)を窪ませてなる第2溝部(76a)と、を備え、前記第1溝部(76b)は、前記下面(77a)側から上方に延びて前記上面(77b)側に通じており、前記第2溝部(76a)は、前記内周面(75b)側から径方向の外側に延びて前記外周面(75a)側に通じていてよい。
この構成によれば、オイルに混入している気泡をフロート部材の内周溝で分離して下面側から上面側に排出できる。また、オイルに混入している空気をフロート部材の底溝で分離して内周面側から外周面側に排出できる。これらにより、オイルに混入している気泡の分離排出効果を向上させることができる。
また、本発明にかかるオイルストレーナ(70)では、前記フロート部材(74)が前記第2吸引筒(73)から外れることを防止する外れ防止部(73b)を備えるとよい。この構成によれば、フロート部材が油面の変化に追従して移動するときに、フロート部材が第2吸引筒から誤って外れることを防止できる。したがって、油面の高さや傾きが急激に変化する場合でも、吸引口が油面から露出することをより効果的に防止できる。なお、上記の外れ防止部の一例として、第2吸引筒(73)に設けたフロート部材(74)に係合可能な突起部(73b)を備えることが挙げられる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかるオイルストレーナによれば、外形寸法の小型化を図ることができる簡単な構成でありながら、ケース内に貯留されたオイルの油面の高さ位置又は油面の傾きが変化しても吸引口が油面から露出することを防止できるので、吸引口から空気を吸い込むことがなくオイルを吸引可能となる。また、オイルに混入している気泡の分離を促進させることができる。これらによって、オイルの供給を安定化させることができる。
本発明の第1実施形態にかかるオイルストレーナを備えた自動変速機の側断面図である。 自動変速機の縦断面図である。 オイルストレーナを示す斜視図である。 吸引部及びフロート部材を示す側断面図である。 フロート部材を下面側から見た斜視図である。 吸引口及びフロート部材の部分拡大側断面図で、(a)は、図3のX−X矢視に対応する断面を示す図、(b)は、図3のY−Y矢視に対応する断面を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかるオイルストレーナを備えた駆動力伝達装置の側断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1及び図2は、本発明の第1実施形態にかかるオイルストレーナを備えた自動変速機1を示す図である。図1は、自動変速機1の側断面図で、図2は自動変速機1の縦断面図である。これらの図に示す自動変速機1は、変速機ケース2内に収容されたギヤ機構を備える有段式の自動変速機である。ギヤ機構は、互いに平行に配置されたメインシャフト10、セカンダリシャフト11、サードシャフト12、カウンタシャフト13などを備えている。また、メインシャフト10に隣接して配置されたアイドルシャフト14、サードシャフト12に隣接して配置されたリバースアイドルシャフト15も備えている。符号16は、ディファレンシャル機構である。
図2に示すように、オイルストレーナ70の連通口31は、オイルポンプ30に接続されている。オイルポンプ30は、トルクコンバータ21のケース21aを介してエンジン(図示せず)のクランクシャフト20に連結されており、エンジンにより常時駆動される。メインシャフト10には、ギヤ22が回転不能に固定され、ギヤ23,24が回転自在に取り付けられている。湿式多板クラッチ25を係合することにより、ギヤ23はメインシャフト10に対して固定され、湿式多板クラッチ26を係合することにより、ギヤ24はメインシャフト10に対して固定される。
図1に示すように、変速機ケース2の底面2aから所定高さまでの部分は、潤滑油あるいは作動油としてのオイルが溜まるオイルリザーバ(オイル溜まり)3になっており、オイルリザーバ3には、オイルストレーナ70が設置されている。
図3は、オイルストレーナ70を示す斜視図である。また、図4は、オイルストレーナ70が備える後述する吸引部80及びフロート部材74を示す側断面図である。なお、以下の説明では、上又は下というときは、オイルストレーナ70を変速機ケース2内(オイルリザーバ3内)に設置した状態での上下を指し、この上又は下は、各図における上向き又は下向きに対応している。また、軸方向というときは、後述する吸引部80が備える第1吸引筒72及び第2吸引筒73の軸方向を指し、この軸方向は、上下方向と同じ方向である。
オイルストレーナ70は、中空容器状の本体部(本体ケース)71と、本体部71内に収容されたオイルを濾過するための濾過部材71b(図1参照)と、本体部71の底面(底部)71aから下方に突出する筒状の吸引部80と、吸引部80の下端に設けた吸引口78と、吸引口78を囲む位置に配置されてオイルリザーバ3内のオイルの油面Lに浮遊可能なフロート部材74とを備える。
吸引部80は、本体部71の底面71aに接続された第1吸引筒72と、吸引口78が下端部73cに形成された第2吸引筒73とを備え、第2吸引筒73が第1吸引筒72に対して軸方向(上下方向)に相対移動(摺動)可能に連結された二段構成の筒状である。第1吸引筒72及び第2吸引筒73は、いずれもその断面が略長方形状に形成された筒状である。また、フロート部材74は、第2吸引筒73に取り付けられており、第2吸引筒73とフロート部材74とが軸方向へ一体に移動するように構成している。
図1に示す変速機ケース2の底面2aと本体部71の底面71aは、互いの面が平行又は略平行になっている。また、以下の説明では、オイルの油面Lが本体部71の底面71aと平行又は略平行の状態をオイルの油面Lが傾斜していない状態とし、オイルの油面Lが本体部71の底面71aに対して平行でない状態をオイルの油面Lが傾斜している状態とする。
吸引部80の第1吸引筒72及び第2吸引筒73は、それらの軸方向(長手方向)が本体部71の底面71aに垂直又は略垂直になっている。第2吸引筒73は、第1吸引筒72の内径側に取り付けられている。
第1吸引筒72の下端部72aの内周面に形成した内径側に突出する突起部72bと、第2吸引筒73の上端部73dの外周面に形成した外径側に突出するつば部73aとが係合可能となっている。これにより、第2吸引筒73が最下端に位置するときにつば部73aと突起部72bが係合することで、第2吸引筒73が第1吸引筒72から下方に抜け落ちないようになっている。
また、フロート部材74は、吸引口78の周囲の全体を囲む環状に形成されている。図5は、フロート部材74を下面側から見た斜視図である。同図では、フロート部材74を第2吸引筒73に取り付けた状態に対して上下を反転された状態で示している。同図に示すように、フロート部材74は、径方向の内側を向いて第2吸引筒73に面する内周面75bと、径方向の外側を向く外周面75aと、下方を向いて油面Lに接する下面77aと、上方を向く上面77bとを有している。内周面75bは、第2吸引筒73の外周に沿う略長方形状に形成されており、長方形の長辺に対応する一対の面と、短辺に対応する他の一対の面とを有している。このフロート部材74は、内周面75bと第2吸引筒73との間に僅かな隙間を設けた状態で第2吸引筒73の外周に取り付けられている。これにより、フロート部材74は、第2吸引筒73の軸方向に対して揺動可能に取り付けられている。
また、第2吸引筒73の下端部73cの外周には、外径側に突出する突起部73bが設けられている。この突起部73bは、フロート部材74の内周面75bに下面側から係合していることで、フロート部材74が第2吸引筒73から外れ落ちることを防止している。この突起部73bによって、フロート部材74が第2吸引筒73から外れることを防止する外れ防止部が構成されている。
また、フロート部材74の上面77bは、内周面75b側から外周面75a側に向かって次第に上昇する方向に傾斜する傾斜面状に形成されている。これにより、フロート部材74は、その厚み寸法(軸方向の厚み寸法)が内周面75b側から外周面75a側に向かって次第に大きな寸法となるように形成されている。
また、フロート部材74は、内周面75bに形成された内周溝(第1溝部)76bと、下面77aに形成された下面溝(第2溝部)76aとを備えている。内周溝76bは、フロート部材74の内周面75bを外径側へ窪ませてなる溝部で、フロート部材74の下面77a側から上方に延びて上面77b側に通じている。下面溝76aは、フロート部材74の下面77aを上側へ窪ませてなる溝部で、内周面75b側から径方向の外側に延びて外周面75a側に通じている。内周溝76b及び下面溝76aは、内周面75bにおける第2吸引筒73の短辺に対応する一対の面と、長辺に対応する一対の面とのそれぞれの幅方向の略中央に対応して形成されている。したがって、フロート部材74には、合計4個ずつの内周溝76bと下面溝76aとが形成されている。
図6は、吸引部80及びフロート部材74の部分拡大側断面図で、(a)は、図3のX−X矢視に対応する断面を示す図、(b)は、図3のY−Y矢視に対応する断面を示す図である。また、図6(a)は油面Lが傾斜していない状態を示しており、図6(b)は油面Lが傾斜している状態を示している。同図及び図5に示すように、フロート部材74に設けた下面溝76aは、内周溝76bよりもその断面積が大きな寸法に設定されており、窪み量が多くなっている。また、下面溝76aは、フロート部材74の内周面75b側から外周面75a側に向かってその内面(内底面)76dが次第に上方に向かって傾斜する傾斜面状になっている。これにより、下面溝76aは、フロート部材74の内周面75bから外周面75aに向かって溝が次第に深くなっている。
本実施形態のオイルストレーナ70では、変速機ケース2のオイルリザーバ3に貯留されたオイルの油面Lに浮遊するフロート部材74が第2吸引筒73に取り付けられていることで、図4及び図6(a)に示すように、フロート部材74及び第2吸引筒73が油面Lに追従して(上下に)移動する。したがって、変速機ケース2内に貯留されたオイルの油面Lの高さ位置が変化したときに、第2吸引筒73が軸方向に摺動することで、吸引口78が油面Lの位置に追従して移動する。これにより、吸引口78が油面Lから露出することを効果的に防止できる。したがって、吸引口78から空気を吸引することなくオイルを吸引可能となる。
すなわち、本実施形態のオイルストレーナ70では、本体部71の底面71aから下方に突出する吸引部80を多段(二段)構成の筒状として、最下段の第2吸引筒73にフロート部材74を取り付けたことで、吸引口78が油面Lから露出することを効果的に防止できる。したがって、従来構造のオイルストレーナのように、本体部の体積を大きくする必要が無いので、オイルストレーナ70全体の外形寸法の小型化を図ることができる。また、オイルストレーナ70を小型化することで、従来構成のオイルストレーナと比較して、変速機ケース2内に設置する際のレイアウトの設計自由度が増す。
また、本実施形態のオイルストレーナ70では、フロート部材74は、第2吸引筒73の軸方向に対して揺動可能に取り付けられている。これにより、図6(b)に示すように、オイルリザーバ3に貯留されたオイルの油面Lが傾いたときに、フロート部材74が第2吸引筒73の軸方向に対して傾くことで、油面Lの傾きに追従してフロート部材74の角度が変化する。したがって、オイルリザーバ3に貯留されたオイルの油面Lの高さが変化したときだけでなく、油面Lが傾いたときにも吸引口78から空気を吸引することなくオイルを吸引可能となる。これにより、自動変速機1を搭載した車両の車速が高くなることでオイルリザーバ3の油面Lが低下したときや、車両の急旋回や急加速又は急減速によってオイルリザーバ3の油面Lが傾いた場合でも、吸引口78から空気を吸引することを効果的に防止できる。
また、本実施形態のオイルストレーナ70では、フロート部材74が吸引口78の周囲の全体を囲む環状に形成されている。この構成によって、吸引口78を囲む環状のフロート部材74を導入部としてその内径側に導かれたオイルが吸引口78に吸引されるようになる。これにより、油面Lの高さ位置の変化や傾きに追従するフロート部材74によって、吸引口78に吸引されるオイルの導入部を常に油面Lに向けて配置しておくことが可能となる。したがって、吸引口78からオイルリザーバ3に貯留されたオイルを吸引する際に空気を吸入することをより効果的に防止できるようになる。
また、本実施形態のオイルストレーナ70では、フロート部材74は、内周面75bに形成された内周溝(第1溝部)76bと、下面77aに形成された下面溝(第2溝部)76aとを備えている。そして、内周溝76bは、フロート部材74の下面77aから上方に延びて上面77bに通じており、下面溝76aは、フロート部材74の内周面75bから径方向の外側に延びて外周面75aに通じている。
この構成によれば、オイルに混入している気泡をフロート部材74の内周溝76bで分離して下面77a側から上面77b側に排出できる。また、オイルに混入している気泡をフロート部材74の下面溝76aで分離して内周面75b側から外周面75a側に排出できる。これらにより、オイルに混入している気泡の分離排出効果を向上させることができる。
さらに、フロート部材74に設けた下面溝76aは、内周溝76bよりもその断面積が大きな寸法に設定されており、窪み量が多くなっている。これにより、下面溝76aは内周溝76bよりも広く(大きく)なっているため、図6(a)に示すように、下面溝76aには比較的に大きな気泡S1が導かれる一方、内周溝76bには比較的に小さな(細かい)気泡S2が導かれる。したがって、大きな気泡S1は下面溝76aでフロート部材74の外周面75a側に排出され、小さな気泡S2は、内周溝76bでフロート部材74の上面77b側に排出される。
また、下面溝76aは、フロート部材74の内周面75b側から外周面75a側に向かってその底面(上底面)76dが次第に上方に向かって傾斜する傾斜面状になっていることで、下面溝76aに入った気泡S1は底面76dに沿って上昇しながら下流側に導かれる。したがって、下面溝76aに入った気泡を滞留させずにスムーズにフロート部材74の外周面75a側へ排出することが可能となる。
また、フロート部材74は、その厚み寸法(軸方向の厚み寸法)が内周面75b側から外周面75a側に向かって次第に大きな寸法となるように形成されていることで、内周面75bにおける厚さ寸法が最も小さな寸法になっている。これにより、内周溝76bの長さ寸法が短い寸法に抑えられている。したがって、内周溝76bに入った気泡を短時間でスムーズにフロート部材74の上面側に排出させることが可能となる。
また、本実施形態のオイルストレーナ70では、フロート部材74が第2吸引筒73から外れることを防止する外れ防止部として、第2吸引筒73に設けたフロート部材74に係合可能な突起部73bを備えている。この構成によれば、フロート部材74が油面Lの変化に追従して移動するときに、フロート部材74が第2吸引筒73から誤って外れることを防止できる。したがって、油面Lの高さや傾きが急激に変化する場合でも、吸引口78が油面Lから露出することをより効果的に防止できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態にかかるオイルストレーナについて説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項、および図示する以外の事項については、第1実施形態と同じである。
図4は、本発明の第2実施形態にかかるオイルストレーナ70を備えた駆動力伝達装置40の側断面図である。駆動力伝達装置40は、図4に示すように、エンジン(図示せず)から伝達された駆動力によって回転駆動されるプロペラシャフト(図示せず)に連結されたハイポイドピニオンシャフト(図示せず)と、ハイポイドピニオンシャフトの先端に形成されたハイポイドピニオンギヤ46と、ハイポイドピニオンギヤ46と噛み合うハイポイドリングギヤ47と、を備える。
また、ハイポイドリングギヤ47は、左車軸44及び右車軸43と同軸上に配置されている中空の回転軸41の外周に取り付けられている。従って、エンジン及びプロペラシャフトを介してハイポイドピニオンシャフトが回転駆動されると、ハイポイドピニオンギヤ46とハイポイドリングギヤ47を介して回転入力軸41へと駆動力が伝達されて、回転入力軸41が回転するようになっている。
回転入力軸41において、ハイポイドリングギヤ47が取り付けられている側の端部には、回転入力軸41と左車軸44との間で駆動力の伝達を行う左クラッチ53が備えられており、反対側の端部には、回転入力軸41と右車軸43との間で駆動力の伝達を行う右クラッチ52が備えられている。回転入力軸41の回転が左クラッチ53と右クラッチ52に伝達されるようになっている。そして、駆動力伝達装置40は、回転入力軸41の軸方向における中央に配置されたギヤ室45が形成されている。また、ギヤ室45の両側に配置された一対のクラッチ室50,51が形成されている。これにより、駆動力伝達装置40は上記ギヤ室45と一対のクラッチ室50,51とを備える3分割構造になっている。
左右のクラッチ室50,51にはそれぞれ、左クラッチ53と右クラッチ52が設置されている。右クラッチ室50内の右クラッチ52は、回転入力軸41の端部で結合された略円筒状のクラッチハウジング54と、クラッチハウジング51内で軸方向に沿って複数を交互に積層した摩擦材を有する摩擦係合部56とを備えている。また、摩擦係合部56に隣接する位置には、ピストンハウジング57と、ピストンハウジング57内に収容されたシリンダピストン58と、シリンダピストン58を付勢するリターンスプリング59とが設けられている。ピストンハウジング57内には、シリンダピストン58との間にオイルが導入されるピストン室60が形成されている。なお、詳細な説明は省略するが、左クラッチ53も右クラッチ52と同様の構成である。
ギヤ室45には、上記のハイポイドピニオンギヤ46及びハイポイドリングギヤ47が設置されており、ギヤ室45の底部45aにはオイルストレーナ70が設置されている。オイルストレーナ70は、底部45aに溜まったオイルを吸引するようになっている。このオイルストレーナ70は、第1実施形態と同じ構成である。
本実施形態の駆動力伝達装置40においても、本発明の一実施形態にかかるオイルストレーナ70を備えることで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態に示す自動変速機1や駆動力伝達装置40は、本発明にかかるオイルストレーナを備えた装置の一例であり、本発明にかかるオイルストレーナを適用する装置は、上記以外の構成であってもよい。
また、本発明にかかるオイルストレーナが備える吸引部の具体的な形状は一例であり、上記の実施形態では、吸引部80は、最上段の第1吸引筒72が最下段の第2吸引筒73に対して直接連結された二段構成である場合を示したが、これ以外にも、本発明にかかるオイルストレーナの吸引部は、本体部の底部に接続された第1吸引筒と下端部に吸引口が形成された第2吸引筒とを少なくとも備えていれば、最上段の第1吸引筒と最下段の第2吸引筒とが直接連結されているものには限らず、それらが一又は複数の他の吸引筒を介して軸方向に相対移動可能に連結されてなる三段以上の多段構成であってもよい。
1 自動変速機
3 オイルリザーバ
10 メインシャフト
30 オイルポンプ
40 駆動力伝達装置
45 ギヤ室
46 ハイポイドピニオンギヤ
47 ハイポイドリングギヤ
50 右クラッチ室
51 左クラッチ室
70 オイルストレーナ
71 本体部
71a 底面(底部)
71b 濾過部材
72 第1吸引筒
72a 下端部
72b 突起部
73 第2吸引筒
73d 上端部
73a つば部
73b 突起部(外れ防止部)
73c 下端部
74 フロート部材
75a 外周面
75b 内周面
76a 下面溝
76b 内周溝
77a 下面
77b 上面
78 吸引口
80 吸引部
L 油面

Claims (5)

  1. 潤滑油及び作動油として用いられるオイルを貯留するケース内に設置され、前記ケース内の前記オイルを吸引して濾過するオイルストレーナであって、
    前記オイルを濾過する濾過部材を内部に収容した本体部と、
    前記本体部の底部から下方に突出する筒状の吸引部と、
    前記吸引部の下端に設けた吸引口と、
    前記吸引口を囲む位置に配置されて前記オイルの油面に浮遊可能なフロート部材と、を備え、
    前記吸引部は、前記本体部の底部に接続された第1吸引筒と、下端部に前記吸引口が形成された第2吸引筒とを少なくとも備え、前記第2吸引筒が前記第1吸引筒に対して直接、又は一又は複数の他の吸引筒を介して軸方向に相対移動可能に連結された多段構成であり、
    前記フロート部材は、前記第2吸引筒に取り付けられており、前記2吸引筒と前記フロート部材とが前記軸方向へ一体に移動するように構成した
    ことを特徴とするオイルストレーナ。
  2. 前記フロート部材は、前記第2吸引筒の軸方向に対して揺動可能に取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のオイルストレーナ。
  3. 前記フロート部材は、前記吸引口の周囲の全体を囲む環状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のオイルストレーナ。
  4. 前記フロート部材は、
    径方向の内側を向いて前記第2吸引筒に面する内周面と、
    径方向の外側を向く外周面と、
    下方を向いて前記油面に接する下面と、
    上方を向く上面と、
    前記内周面に形成された該内周面を窪ませてなる第1溝部と、
    前記下面に形成された該下面を窪ませてなる第2溝部と、を備え、
    前記第1溝部は、前記下面側から上方に延びて前記上面側に通じており、
    前記第2溝部は、前記内周面側から径方向の外側に延びて前記外周面側に通じている
    ことを特徴とする請求項3に記載のオイルストレーナ。
  5. 前記フロート部材が前記第2吸引筒から外れることを防止する外れ防止部を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のオイルストレーナ。
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