JP2015177608A - 系統連系インバータ装置、および、分散型電源システム - Google Patents

系統連系インバータ装置、および、分散型電源システム Download PDF

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Abstract

【課題】 エネルギー源と地面との間に発生する接地容量を介して流れる同相電流および、高周波ノイズの少ない系統連系インバータ装置を提供する。【解決手段】 ブリッジ回路とフィルタ回路と前記ブリッジ回路を制御する制御手段とを有し、直流電源から得た電力を前記ブリッジ回路、前記フィルタ回路の順に介して商用系統に供給するための系統連系インバータ装置において、前記ブリッジ回路は複数のスイッチからなり、前記制御手段は、前記商用系統の中性点と直流電源間の電圧に、前記商用系統の全波整流波形と相似な波形が重畳するように前記スイッチを制御するモード1と、前記商用系統の中性点と直流電源間の電圧が概略直流となるように前記スイッチを制御するモード2とを有することを特徴とする系統連系インバータ装置。【選択図】 図1

Description

本発明は、系統連系インバータ装置に関し、特に漏洩電流およびノイズを低減するものに関する。
近年、燃料電池や太陽電池パネルなどをエネルギー源とした分散型電源システムが普及してきている。一般に分散型電源システムには、エネルギー源から得た直流電力を商用系統に供給できるように交流電力に変換する系統連系インバータ装置が具備される。この系統連系インバータ装置の電力変換効率の向上やノイズの低減を目的とし、装置内における半導体素子のスイッチング方法に関して、様々な技術が提案されている。
特許文献1には、商用系統を流れる電流の歪を抑える制御モード1と、スイッチングによる半導体の損失を低減する制御モード2とを有する系統連系インバータ装置が開示されている。
WO2012153368A号公報
分散型電源システムの構成例を図8に示す。系統連系インバータ装置2は、エネルギー源である太陽電池パネル10で発電した直流電力を交流電力に変換し、漏電ブレーカ13を介して商用系統11に電力を供給する。12は太陽電池パネルを固定する設置架台、30は太陽電池パネルと設置架台12との間に形成される接地容量である。設置架台12、商用系統11の中性点Oは、それぞれ、接地手段14、接地手段15によって地面に電気的に接地されている。
図8において、特許文献1の技術を適用すると、太陽電池パネルの接地容量が原因となり、商用系統11から漏電ブレーカ13、系統連系インバータ装置2、太陽電池パネル10、接地容量30、設置架台12を介して電流が流れる場合がある。ここでは、この電流を同相電流と定義する。一方、漏電ブレーカ13が、同相電流を系統連系インバータ装置内で発生した漏洩電流であると誤検知すると、本来遮断する必要はないのに遮断してしまい、太陽電池パネル10で発電した電力を売電できなくなる虞がある。
本発明の目的は、エネルギー源と地面との間に発生する接地容量を介して流れる同相電流および高周波ノイズが少ない系統連系インバータ装置を提供することで、漏電ブレーカ誤動作を原因とする売電量の減少を防止することにある。
ブリッジ回路とフィルタ回路と前記ブリッジ回路を制御する制御手段とを有し、直流電源から得た電力を前記ブリッジ回路、前記フィルタ回路の順に介して商用系統に供給するための系統連系インバータ装置において、前記ブリッジ回路は複数のスイッチからなり、前記制御手段は、前記商用系統の中性点と直流電源間の電圧に、前記商用系統の全波整流波形と相似な波形が重畳するように前記スイッチを制御するモード1と、前記商用系統の中性点と直流電源間の電圧が概略直流となるように前記スイッチを制御するモード2とを有する。
エネルギー源と地面との間に発生する接地容量を介して流れる同相電流および、高周波ノイズの少ない系統連系インバータ装置を提供できる。
一実施例の系統連系インバータ装置の構成図である。 本実施例の比較対象1の動作波形図である。 本実施例の比較対象2の動作波形図である。 比較対象2の動作波形図の拡大図である。 本実施例の動作波形図である。 本実施例における商用系統の中性点と太陽電池パネルとの間に発生する交流電圧の計算結果例である。 本実施における同相電流の計算結果例である。 分散型電源システムの構成例である。
図1〜図7を用いて、本発明の実施例を説明する。なお、図1は本実施例の系統連系インバータ装置1の回路構成図、図2〜4は本実施例の比較対象の動作波形図、図5は本実施例の動作波形図、図6は商用系統の中性点と太陽電池パネルとの間に発生する交流電圧の計算結果例、図7は同相電流の計算結果例である。
本実施例の構成を説明する。図1において、10は太陽電池パネル、1は系統連系インバータ装置、80はコンバータ部、90はインバータ部、11は商用系統である。20〜24はスイッチング素子、25はダイオード、31、32はコンデンサ、40〜42はインダクタ、50、51はEMCフィルタ、60〜63は電流センサ、100は制御手段、101は同相電流検出手段である。なお、スイッチング素子20〜24の両端には、それぞれダイオードが逆並列に接続されている。本実施例では、スイッチング素子20〜23にはIGBTを、24にはMOSFETを用いているが、それに限定するものではない。
コンバータ部80の回路の接続を説明する。太陽電池パネル10の両端には、電流センサ60、EMCフィルタ50、電流センサ62を介して、インダクタ40とスイッチング素子24の直列接続体が接続される。スイッチング素子24の両端には、ダイオード25とコンデンサ31の直列接続体が接続される。スイッチング素子24の制御端子であるゲート端子およびソース端子は、制御手段100に接続される。
コンバータ部80の入力は太陽電池パネル10と接続される側であり、出力はコンデンサ31の両端である。太陽電池10の電圧VpvはEMCフィルタ50を介し、太陽電池パネル10の電流量情報は電流センサ62によって制御手段100に伝達される。同様にコンデンサ31の電圧Vpnも制御手段100に伝達される。説明の便宜上、コンバータ部80と太陽電池パネル10の正側との接続線をP1、負側との接続線をN1、コンデンサ31の正側をP2、負側をN2とする。
インバータ部90の回路の接続を説明する。コンバータ部80の出力となるコンデンサ31の両端に、スイッチング素子20(第1のスイッチ)と21(第2のスイッチ)との直列接続体およびスイッチング素子22(第3のスイッチ)と23(第4のスイッチ)との直列接続体が接続される。なお、コンデンサ31の両端には直流電圧が印加されており、インバータ部90からみるとコンデンサ31は直流電源と等価となる。スイッチング素子20と21との接続点と、スイッチング素子22と23との接続点とには、インダクタ41とコンデンサ32とインダクタ42との直列接続体が、電流センサ63を介して接続される。コンデンサ32の両端がEMCフィルタ51と電流センサ61を介して商用系統11のU相およびV相に接続される。スイッチング素子20〜22のそれぞれのゲートは制御手段100に接続される。
インバータ部90の入力端はコンデンサ31への接続線であるP2、N2である。出力端はコンデンサ32からEMCフィルタ51の商用系統11側である。商用系統11の電圧値は、EMCフィルタ51を介し、インダクタ42の電流値は電流センサ63を介して制御手段100に伝達される。なお、説明の便宜上、商用系統11の中性点OのEMCフィルタ51を介した個所を点Qとする。
前述のスイッチング素子20〜23はコンバータ部80から伝達される直流電力を交流のパルス電力に変換するブリッジ回路を形成する。前記ブリッジ回路の出力端は、第1のスイッチ20と第2のスイッチ21との接続点と、第3のスイッチ22と第4のスイッチ23との接続点である。ここで、第1のスイッチ20と第4のスイッチ23、第2のスイッチ21と第3のスイッチ22は、回路上においてそれぞれ対角に位置する。対角に位置したスイッチの双方がオン状態のときに、前記ブリッジ回路からパルス電力が出力される。また、インダクタ41、コンデンサ32、インダクタ42は、前記ブリッジ回路から出力された交流のパルス電力を平滑して商用系統へ出力するフィルタ回路を構成する。前記フィルタ回路の入力端は、インダクタ41とコンデンサ32とインダクタ42で構成された直列接続体の両端であり、出力端はコンデンサ32の両端である。
制御手段100について説明する。制御手段100は、太陽電池パネル10から発電可能な最大の電力を取得するように、スイッチング素子24におけるゲート電圧のパルスの時間幅を制御(これをPWM制御という)する。また、コンバータ部80から入力された直流電流電力を交流電力に変換するとともに、正側の接続線P2と負側の接続線N2間の電圧Vpnを所望の電圧に保ちつつ、交流電力を商用系統11に出力するよう、スイッチング素子20〜23をPWM制御する。
さらに制御手段100には、本実施例に関わる同相電流検出手段101を備える。同相電流検出手段101には、電流センサ60、61が接続され、太陽電池10の接地容量が原因で発生する同相電流の値を検出または推定する機能がある。制御手段100は、スイッチング素子20〜23に対して複数のスイッチングパターンを有し、同相電流検出手段101から同相電流値を受け取り、それが所望の値になるように前記複数のスイッチングパターンの切替え動作を行う。
これ以降、本実施例の動作について説明する。まず、本実施例の作用・効果を明確にするための比較対象として、本実施例に関わる同相電流検出手段を使用せず、前記複数のスイッチングパターンの切り替え動作を行わない2つの比較対象例を説明する。
図2に、系統連系インバータ装置1に第1比較対象のスイッチングパターンを適用した場合の動作波形を示す。これは前述の特許文献1のスイッチングパターンに相当する。図1と2を見ながら、動作波形を説明する。Vacは商用系統11の電圧、Vg(20)〜Vg(23)はそれぞれスイッチング素子20〜23のゲート電圧である。Vinvは、スイッチング素子20〜23で構成されたブリッジ回路の出力電圧である。Vnqは点Q―接続線N2間の電圧、Vnoは中性点Oから太陽電池パネル10の負側の接続線N1間の電圧である。なお、図2の横軸は時間である。
Vacが正の半周期のときは、Vg(20)は連続的にオンであり、Vg(21)は連続的にオフである。そして、Vg(22)とVg(23)は互い違いにオン・オフされている(これを相補PWMと呼ぶ)。一方、Vacが負の半周期のときは、Vg(20)とVg(21)は相補PWMされている。そして、Vg(22)は連続的にオンであり、Vg(23)は連続的にオフである。つまり、商用系統の半周期の期間中、一方の上下アームでは一方のスイッチを継続的にオン、他方のスイッチを継続的にオフするとともに、他方の上下アームのスイッチをPWMしている。
図2のスイッチングパターンにおいて、Vinvは、振幅をコンバータ部80の出力電圧Vpnとしたパルス電圧となる。なお、このパルス電圧はPWMされており、前記フィルタ回路で平滑されてVacと同じ電圧波形となる。一方でVnqは、Vinvに同期し、−Vpn/2と−Vpnとの電位を遷移するパルス電圧となる。そしてVnoには、EMCフィルタ50と51の作用によってVnqのパルス電圧が平滑され、−Vpn/2にバイアスされた電位にVacを全波整流した形状の交流電圧波形が重畳する。この重畳した交流電圧波形のピークピーク電圧値は、Vacの振幅値をVaとおくと、Va/2となる。なお、中性点Oから太陽電池パネル10の正側の接続線P1の電圧を測定した場合にも、このピークピーク値がVa/2の交流電圧が重畳しているのは言うまでもない。また、商用系統に電力を供給するためには、前記ブリッジ回路を構成するスイッチ(20)〜(23)やインダクタ41、42で発生する電圧降下を考慮し、VpnはVaよりも大きな値に設定する必要がある。
以上の通り、系統連系インバータ装置1に第1比較対象のPWMパターンを適用した場合、中性点Oと太陽電池パネル10の正側(P1)間、中性点Oと太陽電池パネル10の負側(N1)間には、ピークピーク値をVa/2とし、商用系統を全波整流した形状の交流電圧が重畳する。従って、この交流電圧が図8の接地容量30と、接地手段14、15の接地抵抗に印加され、同相電流が流れる。この同相電流が漏電ブレーカ13における漏電検知の閾値を超えると、漏電ブレーカ13が誤って遮断する虞がある。
次に、系統連系インバータ装置1に、第2比較対象のスイッチングパターンを適用した場合の動作波形を図3と図4に示す。図4は、図3のVacが正の期間における時間軸を拡大したものである。図3と4を使って系統連系インバータ装置1の動作を説明する。図4より、対角となるVg(20)とVg(23)は、それぞれ同じスイッチング周期内でオンとオフが繰り返されており、互いのゲート電圧はスイッチング周期の半周期分の位相がずれている。そして互いのオン期間が重なった期間(t1−t2間、t3−t4間)において、前記ブリッジからパルス電圧が出力され、VinvはゼロとVpnを遷移するパルス電圧となる。なお、Vinvのパルスの時間幅が先の第1比較対象と同様になるように、Vg(20)とVg(23)はPWMされている。また、Vg(20)とVg(21)、Vg(22)とVg(23)は、それぞれ相補PWMされている。一方でVacが負の期間においては、図3に示す通り、Vg(21)とVg(22)の互いのオン期間が重なった期間において、前記単相ブリッジからパルス電力が出力され、Vinvはゼロと−Vpnを遷移するパルス電圧となる。つまり第2比較対象においては、対角となるスイッチのゲート電圧パルスをスイッチング周期の半周期分の位相をずらし、それぞれのゲート電圧のオン期間が重なったときに前記ブリッジ回路から電圧を出力するように各スイッチがPWMされている。
第2比較対象におけるVinvは、第1比較対象と同様に、振幅をコンバータ部80の出力電圧Vpnとしたパルス電圧となる。しかし、Vnqは、Vinvに同期し、−Vpn/2にバイアスされて振幅をVpn/2としたパルス電圧となる。このパルス電圧は、図2で示した第1比較対象のVnqのパルス電圧が、−Vpn/2を中心として1パルスごとに上下に振り分けられた形状となる。このため、VnqがEMCフィルタ50と51の作用で平滑されると、商用系統に同期した交流成分の重畳は無く、Vnoは概略−Vpn/2の直流となる。しかし一方で、Vnqの電圧振幅は、図2で示した第1比較対象と比較して2倍になることから、系統連系インバータ装置1から外部へ流出する高周波ノイズに関しては、第1比較対象より第2比較対象の方が大きくなる。
以上の通り、第2比較対象のPWMパターンを適用した場合、中性点Oと太陽電池パネル10の正側(P1)間、中性点Oと太陽電池10の負側(N1)間に商用系統と同周波数の交流電圧は重畳しない。このため、接地容量30を介して流れる同相電流は殆ど無く、漏電ブレーカ13が誤って遮断する虞は無くなる。しかし、第1比較対象と比較して、外部に流出する高周波ノイズが大きくなる虞がある。
次に、図1における系統連系インバータ装置1が、本実施例に関わる同相電流検出手段101を使用し、複数のスイッチングパターンを切り替えた場合の動作を説明する。動作波形を図5に示す。以降、図1と図5を参照しながら説明する。
図5において、PWMモード1は前述の第1比較対象のPWMパターンで、PWMモード2は前述の第2比較対象のPWMパターンで動作していることを表している。前述の通り、系統連系インバータ装置1が第1比較対象のPWMパターンで動作しているときは、Vnoに商用系統を全波整流した形状の交流電圧が重畳し、この交流電圧によって同相電流が発生して、漏電ブレーカが誤って遮断する虞があった。一方、この交流電圧の傾きはゼロクロス点に近いほど急である(図5のVnoの点線箇所)。つまり、電圧の変化率の高いゼロクロス点を基点とした所定の期間を、第2比較対象のPWMパターンで動作することで、Vnoに重畳する交流波形のピークピーク値を大幅に低減可能な効果がある。また同時に、全期間を高周波ノイズの大きな第2比較対象のPWMパターンで動作させる場合よりも、高周波ノイズを低減する効果がある。
また、図5の制御方式は次のように要約できる。すなわち、単相フルブリッジPWMインバータに用いられる制御方式であって、対角アームのスイッチングが一方が1パルス(オン状態)で他方がPWMとした方アームPWM制御方式と、対角アームのスイッチングの搬送波が180°位相の異なるPWMとした多重PWM制御方式を組み合わせたものであり、出力電圧の零クロス近傍は多重PWM制御方式を用いるものである。
次に、系統連系インバータ装置1が、同相電流を所望の値に低減する原理を説明する。図6は、Vno中の交流電圧成分の実効値(以降、Vnoの交流成分電圧と表記する)と、系統連系インバータ装置1の動作中にPWMモード2の期間が占める割合の計算結果例である。計算条件として、Vpnは、前記ブリッジ回路が商用系統11に交流電力を供給できるように、商用系統11のピーク電圧(200×√2=282V)よりも十分に高い340Vとした。期間割合0%は全期間をPWMモード1で、期間割合100%は全期間をPWMモード2で動作する状態を表している。Vnoの交流成分電圧は、期間割合0%のときに43.5Vrms、期間割合50%のときに23.1Vrmsであり、PWMモード2の期間割合が増加するとVnoの交流電圧が低下することを確認できる。
制御手段100は同相電流検出手段101によって同相電流値を把握し、PWMモード1と2の期間の割合を変更することで、同相電流値を所望の値に制御する。例えば、同相電流値が所望の値よりも大きな値のときはPWMモード2の期間を増やして(PWMモード1の期間を減らして)Vnoの交流成分電圧を低減する。逆に、同相電流が所望の値よりも小さな値の場合は、PWMモード2の期間を減らして(PWMモード1の期間を増やして)、同相電流を所望の値まで増加させて系統連系インバータ装置1から外部に出る高周波ノイズを低減する。これらの動作により、同相電流を所望の値に制御するとともに、高周波ノイズを低減することができる。
ここで、同相電流と、PWMモード1および2の期間割合との関係を具体的に説明する。図8において、同相電流の値をIc、接地容量30の値とインピーダンスをそれぞれCpvとZc、接地手段14と接地手段15間の地面を介した抵抗値をZe、商用系統11の電圧値と周波数をそれぞれVacとf、そしてVnoの交流成分電圧値をVno_acとおくと、同相電流Icは(1)式となる。なお(1)にはVnoの直流成分に関係した項が無い。これは、接地容量30は容量性であって直流分を殆ど通さないため、交流電圧値Vno_acが同相電流値に大きく作用するからである。
Ic = Vno_ac/(Zc+Ze)・・・(1)
一方、Vno_acの周波数は商用系統11の2倍となるから、Zcは(2)式で求められる。
Zc = 1/(2π×2×f×Cpv) ・・・(2)
(1)と(2)式、および図6に示したVnoの交流電圧値を使って導出した同相電流の計算結果例を図7に示す。計算条件とし、一般的な住宅に数kWクラスの分散電源を設置したことを想定して、商用系統11の周波数fを50Hz、太陽電池パネル11の接地容量Cpvを1400nF、接地抵抗Zeを100Ωとした。計算の結果、PWMモード2の期間割合が100%のときに同相電流Icは35.2mArms、50%ときに18.7mArms、0%のときに0Armsとなった。
系統連系インバータ装置1の具体的な動作を説明する。制御手段100には同相電流値の目標値が設定されている。例えば、分散電源システムに使用する漏電ブレーカの漏電検知の閾値が30mArmsの場合、それより少ない20mArmsをIcの目標値に設定しておく。系統連系インバータ装置1が動作を始めたときは、制御手段100は全期間をPWMモード2、すなわちPWMモード1の期間割合を0%として、Icを発生させないように動作する。しかし、この状態では系統連系インバータ装置1から放出される高周波ノイズは大きい。その後、制御手段100は、同相電流検出手段101から同相電流値を受け取り、所望の20mArmsになるようにPWMモード1の期間割合を増加させる(PWMモード2の期間割合を低下させる)。この場合、図7から、PWMモード2の期間割合は約50%となる。
以上に説明した通り、本実施例では、同相電流検出手段101を使用することで、分散電源システムにおける太陽電池パネルの接地容量を介して流れる同相電流を低減するとともに高周波ノイズを低減する効果を得ることができる。そして、同相電流による漏電ブレーカの誤遮断を回避することが可能となる。
なお、同相電流の値を把握するために、系統連系インバータ装置1の入力側に電流センサ60、出力側に電流センサ61を備えたが、どちらか一方を備えるだけでも同相電流を把握可能である。また別途に電流センサをコンバータ部80の出力とインバータ部90との間に挿入しても、同相電流を把握可能である。
さらに、分散電源システムにおける太陽電池パネル10の接地容量30ならびに接地手段14、15による接地抵抗値を制御手段100内のメモリに格納しておき、それらの値を基に式(1)、(2)を用いて同相電流を把握することも可能である。
また本実施例では、エネルギー源として太陽電池パネルを例に挙げたが、燃料電池やバッテリー、発電機でも良いことは言うまでもない。
またさらに、本実施例は前述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前述した各構成や機能等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、前述した各構成や機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラムの情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1、2 系統連系インバータ装置
10 太陽電池パネル
11 商用系統
12 設置架台
13 漏電ブレーカ
14、15 接地手段
20〜24 スイッチング素子
25 ダイオード
30 接地容量
31、32 コンデンサ
40、41、42 インダクタ
50、51 EMCフィルタ
60、61、62、63 電流センサ
80 コンバータ部
90 インバータ部
100 制御手段
101 同相電流検出手段
P1、N1、P2、N2 接続線

Claims (4)

  1. ブリッジ回路とフィルタ回路と前記ブリッジ回路を制御する制御手段とを有し、直流電源から得た電力を前記ブリッジ回路、前記フィルタ回路の順に介して商用系統に供給するための系統連系インバータ装置において、
    前記ブリッジ回路は複数のスイッチからなり、
    前記制御手段は、前記商用系統の中性点と直流電源間の電圧に、前記商用系統の全波整流波形と相似な波形が重畳するように前記スイッチを制御するモード1と、前記商用系統の中性点と直流電源間の電圧が概略直流となるように前記スイッチを制御するモード2とを有することを特徴とする系統連系インバータ装置。
  2. 請求項1に記載の系統連系インバータ装置において、
    前記ブリッジ回路は、直列接続された第1のスイッチと第2のスイッチの両端と、直列接続された第3のスイッチと第4のスイッチの両端を直流電源の両端に接続して構成され、
    前記第1のスイッチと前記第4のスイッチおよび前記第2のスイッチと前記第3のスイッチは、それぞれ回路上で対角に配置されており、
    前記制御手段は、前記モード1において、系統電圧の半周期間は、対角となるスイッチの一方を系統継続的にオンすると共にもう一方をPWMし、
    前記制御手段は、前記モード2において、対角となるスイッチのゲート電圧パルス同士をスイッチング周期の半周期分ずらし、対角となるスイッチのそれぞれのオン期間が重なったときに前記ブリッジ回路からパルス電圧が出力されるように各スイッチをPWMすることを特徴とする系統連系インバータ装置。
  3. 請求項1または2に記載の系統連系インバータ装置において、
    エネルギー源と地面との間に発生する接地容量を介して流れる同相電流を検出または推定する手段を備え、
    系統電圧のゼロクロス点を基点として所定の時間前から所定期間経過後までの期間において前記モード1で動作し、所定期間経過後から、所定期間前までの期間において前記モード2で動作することを特徴とする系統連系インバータ装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の系統連系インバータ装置を備えたことを特徴とする分散型電源システム。
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