JP2015175707A - 分注装置及びそれを備えた分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分注チップに加わる衝撃を緩和することができる分注装置及びそれを備えた分析装置を提供する。
【解決手段】本発明の分注装置は、分注チップ2と、シリンジ部3と、シリンジベース4とを有する。シリンジ部3は、鉛直方向に延び、鉛直方向の下端に分注チップ2が装着されたノズル11を有する。シリンジベース4は、シリンジ部3を移動可能に支持し、シリンジ部3を鉛直方向で上方向に付勢する弾性部材8を備えている。シリンジ部3とシリンジベース4は鉛直方向に相対的に移動可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、交換可能な分注チップを有する分注装置及びそれを備えた分析装置に関する。
液体を吸引し、吸引した液体を吐出する分注装置が知られている。分注装置は、例えば、人体から採取した血液や血清等の検体や、その検体と混合して所定の処理を行う試薬等を、検体や試薬が収容された容器内から複数の別の容器に分配する装置として用いられている。
分注装置では、所定量の検体や試薬が容器から吸引装置(例えばシリンジポンプ)によって分注チップ内に吸引され、分注チップ内から所定の別の容器に吐出される。このような分注装置では一般的に、多種類の検体や試薬が連続的に処理されるので、それらの混合や汚染を防止するために、分注チップは吸引対象が変わるごとに、または吸引のたびに新しいものと交換する必要がある。そのため、主に硬質プラスチック等の安価な樹脂で構成される使い捨ての分注チップが使用されている。
分注チップを使用して容器から正確に液体を吸引し、別の容器に精確に液体を分注するには、分注チップの下端部(先端部)と各容器の底の間隔を適切に管理する必要がある。これは、容器内の液体が少ない場合、容器の底付近に分注チップの下端部を配置しないと液体を吸引できないからである。また、液体を吐出する場合においては、容器の底と分注チップの下端部の距離を適切に管理することで、気泡が容器の底などに取り残されることを防止するためである。したがって、分注チップの下端部と各容器の底との間の間隔を適切に管理することが重要である。
上述したように、分注チップは同じものが使用され続けるのではなく、一度使用されると新しいものと交換される。また、容器の形状はすべて同じではなく、様々な形状のものが用いられている。そのため、予め分注チップ、容器の寸法のばらつきを考慮して、分注チップの吸引位置及び吐出位置を設定する必要がある。
しかし、分注チップ、容器の寸法のばらつきを考慮して正確に分注チップをそれぞれの容器の底に対して位置合わせることは難しい。
そこで、関連技術の一例として、分注チップの先端を容器の底に接触させてから分注チップを該容器の底に対して位置合わせする方法が特許文献1に開示されている。具体的には、容器内の液体が少ない場合、分注チップの先端を容器の底に衝突させて、その衝撃を検知することで容器の底の位置を検知し、分注チップの下端部と容器の底との間の距離を調整してから吸引を行うことが示されている。
しかしながら、上述した衝突の検知による位置決めでは、衝突の際に分注チップの先端に破損が生じる可能性がある。
そこで、分注チップと容器の底との衝突を検知し、且つ、分注チップの衝突時の破損を抑制する装置が、特許文献2に開示されている。特許文献2に開示された分注装置は、鉛直方向に延びるノズルを有するシリンジ部と、ノズルの鉛直方向で下端部に装着された分注チップと、シリンジ部の上部に位置し、シリンジ部を下方向に付勢する弾性部材を介してシリンジ部に接続される基部と、を有する。さらに、分注装置には、基部とシリンジ部との間の鉛直方向における距離の変化を検知する検知手段が設けられている。
分注チップの下端部と容器の底との衝突時に、シリンジ部が該シリンジ部の上部に設けられた弾性部材の付勢力に抗して上方向へ移動するため、基部とシリンジ部との間の距離が変化し、分注チップと容器の底との衝突が検知される。本装置では、シリンジ部と基部との間には弾性部材が設けられているため、分注チップと容器の底との衝突による衝撃を該弾性部材である程度吸収することができる。
特開平11−352132号公報 特開2005−207850号公報
特許文献1に開示された方法の場合、分注チップの下端部と容器の底との衝突の衝撃を緩和させる手段及びその効果が明確ではない。また、特許文献2に開示された方法の場合、弾性部材がシリンジ部を下方向に付勢しているため、弾性部材によって多少の衝撃吸収効果が得られるものの、衝突時にはシリンジ部の荷重の大部分が分注チップに加わる。したがって、特許文献2に開示された方法でも、分注チップの下端部と容器の底との衝突時の衝撃を十分に緩和できていない。そのため、分注チップの変形、衝突した容器の変形や容器の位置ずれが発生する場合があり、分注チップで容器内の液体を正確に吸引したり、容器に精確な量の液体を吐出したりすることが困難であった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、分注チップに加わる衝撃を緩和することができる分注装置及びそれを備えた分析装置を提供することを目的とする。
本発明の分注装置は、分注チップと、鉛直方向に延び、鉛直方向の下端に分注チップが装着されたノズルを有するシリンジ部と、シリンジ部を移動可能に支持し、シリンジ部を鉛直方向で上方向に付勢する弾性部材を備えたシリンジベースと、を有する。シリンジ部とシリンジベースは鉛直方向に相対的に移動可能である。
本発明によれば、分注チップが容器の底に衝突しても、シリンジ部は弾性部材によって上方向に付勢されながらシリンジベースに支持されているため、衝突時にシリンジ部の荷重が分注チップとシリンジベースとに分散して加わる。また、シリンジ部は弾性部材によって上方向に付勢されているため、衝撃を受ける方向と付勢される方向とが一致しており、分注チップと容器の底に加わる衝撃を緩和することができる。
本発明によれば、分注チップと容器の底とが接触したときに分注チップに加わる衝撃を緩和させることができる。そのため、分注チップの変形、衝突した容器の変形や容器の位置ずれなどを抑えることができ、正確な吸引と吐出を行うことができる。
本発明に係る分注装置が搭載された分析装置の斜視図である。 第1の実施形態の分注装置の構成を示す側面図である。 分注チップを装着した状態のシリンジ部の断面図である 分注チップが未装着の状態のシリンジ部の断面図である。 第1の実施形態の分注装置の側面図であり、分注動作を説明するための図である。 第2の本実施形態の分注装置の構成を示す側面図である。 第2の実施形態の分注装置の側面図であり、分注動作を説明するための図である。 第3の実施形態の分注装置の構成を示す側面図である。 本実施形態の分注装置の側面図であり、ノズルに分注チップを装着する流れを示す図である。 分注チップを吐出位置に移動させる流れを示す図である。 吐出位置を調整する手順を示すフローチャートである。 比較例の分注装置の側面図である。
以下に、本発明の分注装置及びそれを備えた分析装置を図面に基づいて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る分注装置が搭載された分析装置の斜視図である。図1の分析装置は、抗原抗体反応及び化学発光反応によって生じる光の強度を測定することにより物質を定量的に検出する免疫学的測定装置である。この免疫学的測定装置では、検体の中から検出対象の抗原と当該抗原と特異的に結合する抗体とを抗原抗体反応させ、その後、試薬と化学発光反応させ、この化学発光反応により生じる光の強度を測定する。このような装置では、一般的に、抗体が固定された部材を搬送する搬送装置により当該部材を各反応槽へ正確に搬送する。また、上述した化学発光反応により生じた光の強度を測定する手段としては光電子増倍管が知られている。
分析装置51は、試薬容器セット部52と、サンプル容器セット部53と、チップセット部54と、チップ廃棄部55と、移送部56と、分注装置1と、搬送装置57と、測定装置58と、制御部59と、入力部60と、表示部81とを備えている。
サンプル容器セット部53には、例えば、人体から採取した血液や血清等の検体が充填されたサンプル容器53aがセットされる。試薬容器セット部52には、複数の槽52a、例えば、検体と混合して所定の処理を行う試薬等が充填された格納槽や、所定の反応を行うための反応槽を備えた試薬容器52bがセットされる。なお、サンプル容器53aと試薬容器52bを別々に示したが、試薬容器52bに検体が充填される槽を設けて一体としてもよい。
チップ廃棄部55は、使用済みの分注チップを分注装置51から外して、廃棄する箱である。移送部56は、アーム部56aと、アーム部56aを図1において手前から奥に移動させるX方向移動手段56bと、アーム部56aを図1において左右に移動させるY方向移動手段56cとを有している。アーム部56aには、分注装置1が搭載される。
分注装置1の詳細については後述するが、分注装置1は、移送部56とは独立して上下方向に移動するシリンジベース移動手段7を有しており、所定のサンプル容器53aや試薬容器52bの槽52aで液を吸引、吐出、混合することができる。例えば、試薬容器の格納された槽から試薬を所定量吸引し、反応槽へ所定量吐出することができる。
搬送装置57は、抗体と試薬を反応させるために抗体が固定された部材を試薬容器52bの各槽52aに搬送する装置である。測定装置58は光電子増倍管により光の強さを測定する。
図1に示す本実施形態の分析装置51では、分注装置1、搬送装置57、測定装置58はアーム部56aに搭載され、アーム部56aの移動に伴いこれらが同時に移動する。しかしながら、分注装置1、搬送装置57、測定装置58のそれぞれに独立した移送部を設けてもよい。
表示部81は、例えば、液晶ディスプレイにより構成され、各種情報が表示される。入力部60は、キーボードやマウスなどにより構成され、作業者によって各種設定などが入力される。なお、表示部81と入力部60は、タッチパネルを用いて一体化させてもよい。
制御部59は、例えば、データを記憶させるメモリやCPUからなるコンピュータにより構成され、分析装置51の制御が行われる。制御部59は、分注装置1、移送部56、搬送装置57、測定装置58ごとに設けてもよく、分析装置51全体を1つの制御部59で制御してもよい。
次に、図2〜図4を参照して、本実施形態の分注装置1について説明する。図2は、本実施形態の分注装置1の構成を示す側面図である。図3は、分注チップを装着した状態のシリンジ部の断面図である。図4は、分注チップが未装着の状態のシリンジ部の断面図である。
分注装置1は、分注チップ2と、分注チップ2が装着されるシリンジ部3と、弾性部材8を有するシリンジベース4と、シリンジ部摺動部5と、アーム部56aに固定された移動手段固定部6と、シリンジベース移動手段7と、を有する。
シリンジ部3は、シリンジポンプ部10とノズル11とシリンジポンプ部10を支持するシリンジ支持部19とを有する。シリンジポンプ部10は吸引力や吐出力を発生させるものであり、ノズル11に装着された分注チップ2を介して、液体の吸引及び吐出を行うことができる。
シリンジポンプ部10は上下方向(鉛直方向)に延びており、中空のシリンジ12と、シリンジ12の中空部14内を挿通するプランジャ13と、プランジャ13を中空部14内で摺動させて吸引力や吐出力を発生させるプランジャ移動手段15とを有する。シリンジ12の下部(プランジャ移動手段15とは反対の方向)には、分注チップ2を装着するための中空のノズル11が固定される。ノズル11の上端部11aがシリンジ12に固定されることで、ノズル11の中空部16とシリンジ12の中空部14とが連通する。
プランジャ移動手段15は、ねじ軸からなるモータ軸と、モータ軸に螺合する回転ナットが内装されたモータ本体とを備えている。プランジャ移動手段15として、回転ナットの回転駆動によりモータ本体を相対的に直進動作させるリニアステッピングモータを使用することができる。また、プランジャ移動手段15として、モータなどの回転型のアクチュエータと、ボールねじなどの回転を直進運動に変換する機構とを組み合わせたリニアアクチュエータを使用することもできる。
上述のとおり、ノズル11の上端部11aはシリンジ12の下部に固定されている。ノズル下端部11bの表面は下方向に向かってノズル11の外径が徐々に小さくなるテーパ形状をしている。
分注チップ2は、中空の筒形状をしており、上端開口部2aから下端開口部2bに向かって、内径及び外径ともに徐々に小さくなるテーパ形状をしている。また、例えば導電性の樹脂からなり、不図示の静電容量センサで分注チップ2と液体との接触を検知してもよい。この分注チップ2は、槽内部に進入し、液体を吸引あるいは吐出をする。
分注チップ2の上端開口部2aから分注チップ2の内部にノズル11の下端部11bが挿入されている。
シリンジ支持部19はシリンジポンプ部10から水平方向に突出するように設けられており、シリンジ部を支持している。
ノズル11に分注チップ2を装着する方法を図1、図4を参照して説明する。チップセット部54には分注チップ2が挿入され、該分注チップ2を支持するための複数の穴54aが開いている。この穴54aは分注チップ2の上端の外径よりも小さくなっており、この穴54aに対して分注チップ2の上端開口部2aを上に向けてセットすることで、穴54aから分注チップ2が抜け落ちないようになっている。
次に、移送部56を移動させ、分注チップ2の上端開口部2a上にノズル11が位置するようにシリンジ部3を配置する。その状態から、後述するシリンジベース移動手段7でシリンジ部3を下方向に移動させることで、分注チップ2の上端開口部2aにノズル11の下端部11bが圧入されテーパ嵌合することで、ノズル11に分注チップ2が装着される。
このように、シリンジポンプ部10に固定されたノズル11に分注チップ2を装着することで、分注チップ2の下端開口部2bは、ノズル11の中空部16を介して、シリンジ12の中空部14と連通する。そのため、プランジャ13を移動させることで、分注チップ2の下端開口部2bから分注チップ2の内部2cに液体を吸引したり、分注チップ2の内部2c内の液体を吐出したりすることが可能となる。
図2より、シリンジベース4は上下方向の断面がL字形状をしており、上下方向に延びる第1の平板4aと、第1の平板4aの下端から一方向に突出するように水平方向に延びる第2の平板4bと、第2の平板4bに固定された弾性部材8とからなる。第1の平板4aの、第2の平板4bが延びる方向を向いた第1の面4cに、シリンジ部摺動部5が取り付けられ、第1の面4cとは反対の第2の面4dには、シリンジベース移動手段7が取り付けられている。
弾性部材8は、シリンジ部3のシリンジ支持部19とシリンジベース4の第2の平板4bとに固定され、鉛直方向の上方向にシリンジ部3を付勢している。また、弾性部材8は、シリンジ部3がシリンジベース4に対して相対的に下方向へ移動することを抑制する。
シリンジ部摺動部5は、シリンジ部3をシリンジベース4に対して上下方向に摺動するようにガイドする。なお、シリンジ部摺動部5として、例えば直動ガイドを使用することができる。シリンジ部摺動部5は、シリンジベース4の第1の面4cに係合された軌道レール17と、該軌道レール17に沿って移動する移動体18とを有する。移動体18にはシリンジ部3が係合されているので、シリンジ部3は軌道レール17に沿って上下方向に摺動可能である。
シリンジベース移動手段7は、シリンジベース4を上下方向の任意の位置へ移動させることができる。シリンジベース移動手段7としては、例えば、ねじ式送り装置と直動案内軸受とが一体化した一軸アクチュエータと、駆動源21と、を使用することができる。
一軸アクチュエータは、回転運動を直線運動に変換するねじ軸(不図示)と、直線運動方向にガイドする案内レール22と、ねじ軸に螺合されたナットを含むスライダ23と、案内レール22とスライダ23との間に配置された移動体(不図示)とを有する。
ねじ軸をモータなどの駆動源21で回転させることで、スライダ23を案内レール22に沿って移動させることができる。なお、駆動源21としてはステッピングモータやサーボモータを使用することができる。ステッピングモータやサーボモータの回転量を制御することで案内レール22上のスライダ23の位置を制御することができる。
また、シリンジベース4の第2の面4dはスライダ23に固定され、案内レール22は移動手段固定部6に固定され、移動手段固定部6はアーム部56aに固定されている。そのため、シリンジ部3は、移送部56により図1において左右方向及び奥行き方向に移動可能であるとともに、シリンジベース移動手段7により上下方向に移動可能であるので、シリンジ部3を任意の位置へ移動することができる。
シリンジ部3は、シリンジ部3の自重により、シリンジ部摺動部5に沿って、シリンジベース4に対して相対的に下方向へ移動しようとするが、弾性部材8が縮むことにより、その移動は抑制される。よって、シリンジ部3は、弾性部材8を介してシリンジベース4で支えられている。シリンジベース4が、シリンジベース移動手段7により上下方向に移動する場合、シリンジベース4はシリンジ部3と一体となって移動する。
なお、弾性部材8は、弾性変形範囲内でばね等を使用することができる。また、本実施形態では弾性部材8は、シリンジ部3のシリンジ支持部19とシリンジベース4の第2の平板4bとの間に挟持されており、圧縮するように使用している。しかしながら、シリンジ部3がシリンジベース4に対して下方向へ移動することを抑制できればよいので、引張りばねでシリンジ支持部1219をシリンジベース4から吊り下げる構成にしてもよい。
ここで、本実施形態における分注動作を説明する。図5は、分注装置の側面図であり、分注動作を説明するための図である。図5(a)は、試薬容器セット部52に正常にセットされた試薬容器52bの槽52aに液体を吐出する場合を示している。シリンジベース4を、分注チップ2が吐出位置41に達する規定位置42まで、シリンジベース移動手段7で降下させる。そして、シリンジベース4が規定位置42に達した後、分注チップ2に吸引された液体を吐出する。なお、吐出位置41として、槽52aの底52a1と分注チップ下端部2dとが接触しない位置を予め設定しておく。そして、規定位置42は、分注チップ2が吐出位置41に達するときのシリンジベース4の位置であるため、該規定位置42も予め設定しておく。
図5(b)は、槽52aが試薬容器52bに正常にセットされていない場合を示している。シリンジベース4の規定位置42への移動中に、分注チップ下端部2dが槽52aの底52a1などに衝突することがある。このように、分注チップ2の下端部2dが槽52aの底52a1に衝突した場合には、分注チップ2の下端部2dは、吐出位置41に到達することなく分注チップ2の下端部2dと試槽52aの底52a1との衝突位置43で停止する。
このとき、シリンジ部3は、弾性部材8で上向きに付勢されながら弾性部材8を介してシリンジベース4に支持されているため、分注チップ2が衝撃を受ける方向と、弾性部材8により付勢される方向とが一致する。そのため、分注チップ2の下端部2dと槽52aの底52a1とに加わる衝突を緩和することができる。また、分注チップ2の下端部2dと槽52aの底52a1とに加わる衝突が緩和されるので、分注チップ2の破損や変形、衝突した槽の変形や槽の位置ずれを防止することができる。
さらに、分注チップ2が槽52aの底52a1以外の部分に衝突する場合の衝撃も緩和できる。そのため、吸引時、吐出時のいずれの場合においても分注チップ2の破損を防止できる。また、分注チップ2が装着されていない状態のノズル11の先端に、何かが衝突した場合にはノズル11の破損を防止できる。
また、上記の説明は、正常時には分注チップ2と槽52aの底52a1とが衝突しないで吐出を行った。しかしながら、後述する第4の実施形態のように、一度分注チップ2を槽52aの底52a1に衝突させてから、分注チップ2を吐出位置に移動させる吐出方法における、分注チップ2と槽52aの底52a1との衝突の衝撃も緩和させることができる。
[第2の実施形態]
図6を参照して、分注装置の第2の実施形態について説明する。図6は、本実施形態の分注装置の構成を示す側面図である。なお、上述の実施形態と同様の構成については説明を省略するとともに、同一の符号を付与する。
本実施形態では、分注装置1に衝突検知手段61を加えたことを特徴とする。衝突検知手段61は、シリンジ部3とシリンジベース4との間隔が変化したことを検知する。つまり、検知手段は、シリンジ部3とシリンジベース4との間隔の変化に基づいて、分注チップ2が外部部材、例えば槽の底に衝突したことを検知する。衝突検知手段61として、たとえば、シリンジベース4にセンサ62を設置し、シリンジ部3にセンサ62の検知体63を設置し、シリンジ部3がシリンジベース4から離れたことをセンサ62で検知すればよい。センサ62としては、フォトセンサ、マグネットセンサ、光電センサなどを使用することができ、非接触で検知できるセンサが好ましい。
本実施形態では、シリンジベース4の第2の平板4bとシリンジ部3とが水平方向に対向する位置にセンサ62と検知体63とがそれぞれ位置している。
ここで、本実施形態における分注動作を説明する。図7は、衝突検知手段61を備えた分注装置の側面図であり、分注動作を説明するための図である。なお、本説明では、槽52aが試薬容器52bに正常にセットされていない場合を説明する。
図7(a)は、シリンジ部3を降下させる前の状態である。この状態から、シリンジベース4を降下させると、シリンジベース4が規定位置42に達する前に、分注チップ2の下端部2dと槽52aの底52a1とが衝突する(図7(b)参照)。このときのシリンジベース4の底面位置を第1の位置45とする。但し、この時点(衝突の瞬間)ではまだシリンジ部3とシリンジベース4との間の間隔は変化していない。
そして、分注チップ2と槽52aとが接触しているため、シリンジ部3はそれ以上、下降できず、その場で停止する。しかし、シリンジ部3とシリンジベース4とはシリンジ部摺動部5によって相対的に摺動可能であるので、シリンジ部3が停止していても、シリンジベース4は下降を続けることができる。したがって、シリンジベース4がさらに降下すると、シリンジベース4とシリンジ部3の間隔が大きくなる。そして、衝突検知手段61がシリンジベース4とシリンジ部3の間隔の変化を検知するのに十分な大きさになるまでシリンジベース4が第1の位置45から降下する。このとき、シリンジベース4の位置を第2の位置46とする(図7(c)参照)。
衝突検知手段61が測定誤差や弾性部材8の振動などではなく、分注チップ2と槽52aの底52a1との衝突に伴う間隔の変化であると判断するためには、シリンジベース4とシリンジ部3との間の間隔の変化量がある程度大きい必要がある。このことが第1の位置45と第2の位置46の差を生じている。第1の位置45と第2の位置6との間の距離、つまり、分注チップ2が槽52aに衝突してから衝突検知手段61でシリンジベース4とシリンジ部3との間隔が変化したことを検知するまでに、シリンジベース4が降下した距離を「衝突検知距離47」と称する。なお、突検知手段61で、シリンジベース4とシリンジ部3との間隔が変化したことを検知するまでにシリンジベース4が降下した距離は、シリンジベース4とシリンジ部3との間隔の変化量に相当する。
衝突検知距離47は、衝突検知手段61で用いるセンサ62と検知体63の位置関係によるが、ほぼ一定の値になり、予め実験的に測定することで定数として使用できる。衝突検知手段61がこの間隔の変化を検知したことを「衝突検知」と称する。
次に、衝突検知後にシリンジベース4の降下を停止させるが、シリンジベース4は、衝突検知後にシリンジベース移動手段7により減速されて停止するので、衝突検知後に停止位置48まで降下する(図7(d)参照)。シリンジ部3とシリンジベース4との間の間隔は、衝突検知距離47に加えてシリンジベース4が減速して停止するのに必要な距離だけ離れることになる。この距離を「減速停止距離49」と称する。なお、減速停止距離49は、シリンジベース4の下降速度と加減速度が定まっていれば、ほぼ一定の値になるので、予め実験的に測定することで定数として使用できる。
分注チップ2と槽52aとが衝突した後に、衝突検知距離47と減速停止距離49の和の分だけ弾性部材8の縮み量が減少するので、弾性部材8による上方向への付勢力が小さくなり、分注チップ下端部2dの槽52aとの衝突部分に加わる荷重が大きくなる。しかしながら、縮み量の減少分に相当する衝突検知距離47と減速停止距離49の和は一定の値であるので、分注チップ2の下端部2dにかかるシリンジ部3の荷重を許容範囲に収めるために必要な弾性部材8のばね定数を算出できる。そのようにして算出したばね定数の弾性部材8を用いることによって、分注チップ2に過剰な荷重が加わらない構成にすることができる。
以上、説明したように、衝突検知手段61を設けることで、分注チップ2と槽52aとの衝撃を緩和させて分注チップ2の破損を防止することができ、分注チップ2の破損や変形、衝突した槽の変形や槽の位置ずれをさらに防止することができる。また、分注チップ2が装着されていない状態のノズル11においても同様な効果が得られる。
[第3の実施形態]
図8を参照して、分注装置の第3の実施形態について説明する。図8は、本実施形態の分注装置の構成を示す側面図である。なお、上述の実施形態と同様の構成については説明を省略するとともに、同一の符号を付与する。
本実施形態では、シリンジベース4の第1の平板4aの上端から第2の平板4bと同様な方向に突出する、第3の平板4eが設けられている。つまり、本実施形態のシリンジベース4の上下方向の断面はコの字型をしている。また、第3の平板4eには、シリンジ部3(シリンジ支持部19)に向かって下方に突出する、移動規制部材71が設けられている。この移動規制部材71によって、シリンジ部3はシリンジベース4に対して相対的な上方向への移動が規制される。
なお、移動規制部材71によるシリンジ部3の移動の制限範囲は、少なくとも衝突検知手段61が衝突を検知し減速停止するまで、シリンジ部3がシリンジベース4に対して鉛直方向で上方向に移動することを許容するような範囲に設定されることが好ましい。
本実施形態の分注装置1は、特に、ノズル11に分注チップ2を装着する場合に好適である。図9を参照して、ノズル11に分注チップを装着する方法を説明する。図9は、本実施形態の分注装置の側面図であり、ノズルに分注チップ2を装着する流れを示す図である。
チップセット部54に、分注チップ2をセットする。次に、図9(a)に示すように、分注チップ2の上端開口部2a上にノズル11の下端部11bが位置するように、分注装置1を移送部56で移動させる。その後、シリンジベース4をシリンジベース移動手段7で下方向に移動させる。そして、図9(b)に示すように、ノズル11の下端部11bが分注チップ2の上端開口部2aを介して分注チップ2内に挿入され、分注チップ2の上端の内壁にノズル11が衝突する。
第2の実施形態と同様に、この衝突後もシリンジベース4が降下することで、衝突検知手段61にて、この衝突が検知され、シリンジベース4の減速が開始し、図9(c)のように、シリンジベース4が停止する。このとき、移動規制部材71は、シリンジ部3と当接していない。
図9(d)に示すように、シリンジベース4が停止した位置から、シリンジベース4をさらに降下させると、シリンジ部3と移動規制部材71とが当接し、シリンジベース4とシリンジ部3とが一体となって移動する。そのため、シリンジ部3と移動規制部材71とが当接した後は、シリンジベース4の降下に伴い、シリンジ部3が降下し、ノズル11に分注チップを圧入することができる。
なお、上述の第2の実施形態の説明と同様に、ノズル11と分注チップ2とが衝突すると、衝突検知距離と減速停止距離の和の分だけ弾性部材8の縮み量が減少する。そのため、衝突前の、移動規制部材71とシリンジ部3との間の第1の距離72(図9(a)参照)は、シリンジベース4が停止したときの、移動規制部材71とシリンジ部3との間の第2の距離73(図9(c)参照)へと減少する。しかしながら、第2の実施形態で説明したように、衝突検知距離と減速停止距離は定数であるので、衝突検知後の第2の距離73は既知の値である。よって、シリンジベース4が停止してから(図9(c)参照)、第2の距離73に指定の圧入距離を足した距離だけシリンジベース4を移動させることで、分注チップ2をノズル11に所定の距離の圧入をすることができる。
ノズル11に分注チップ2を圧入し、ノズル11に分注チップ2を装着した後、シリンジベース4を上昇させる(図9(e)参照)。
なお、移動規制部材71は、ばねなどの弾性部材であってもよい。また、移動規制部材71は、シリンジ部3とシリンジベース4とに挟まれることができればよいので、シリンジベース4ではなく、シリンジ部3に設置してもよい。
以上、説明したように、本実施形態の分注装置では、特許文献2と同様に、分注チップ2にノズル11を圧入することができる。また、本実施形態の分注装置では、ノズル11に圧力を加えすぎることなく、任意の圧力でノズル11を分注チップ2に圧入することができるので、ノズル11の損傷を防止することができる。
上述の実施形態と同様に、本実施形態の分注装置は、分注チップ2を未装着のノズル11が分注チップ2に衝突したときも、シリンジ部3は弾性部材8により上向きに付勢されているため、衝撃を受ける方向と付勢される方向とが一致している。そのため、ノズル11と分注チップ2に加わる衝突を緩和することができる。
[第4の実施形態]
本実施形態では、上述した第2、第3の実施形態の分注装置1に、制御部91と位置検出手段92を備えることを特徴とする。位置検出手段92としては、シリンジベース移動手段7の駆動源21として使用するモータに、エンコーダを設置すればよい。制御部91は、コンピュータを使用できる。分注装置1を制御するための制御部91を設置してもよいし、分析装置の制御部59を利用してもよい。
本実施形態では、分注チップ2を槽52aの底52a1に衝突させて槽52aの底31aの位置を検知し、衝突検知後、分注チップ2を上昇させて分注チップ2の下端部2dと槽52aの底52a1との間の距離を適切に管理する。そのため、分注チップ2の下端部2dが槽52aの底52a1から適切な距離離れた状態で分注チップ2内の液体を吐出することが可能である。
図10、図11を参照して吐出位置調整方法を説明する。図10は、分注チップを吐出位置に移動させる流れを示す図である。図11は吐出位置を調整する手順を示すフローチャートである。
予め、衝突検知位置範囲103と、上昇距離107と、上昇後停止時間とを設定しておく。なお、衝突検知位置範囲103は、想定される槽52aの底52a1の位置の上下方向の範囲である。そのため、衝突検知位置範囲103は、槽52aが試薬容器52bに正しくセットされた場合に、分注チップ2の下端部2dが槽52aの底52a1に衝突したときのシリンジベース4の位置を中心に上下方向に適宜範囲をとればよい。なお、本実施形態では、図10(b)に示すように、衝突検知下限位置101と衝突検知上限位置102との間の範囲を衝突検知位置範囲103としている。衝突を検知したときに、シリンジベース4の上下方向の位置が衝突検知位置範囲以外の場合は、分注チップ2の下端部2dと槽52aの底52a1とが適切に接触していないか、分注チップ2の下端部2dが槽52aの底52a1以外に衝突した可能性がある。そのため、制御部91はこの衝突をエラーとして処理してもよい。
上昇距離107(図10(d)参照)は、分注チップ2からの吐出時の分注チップ2の下端部2dを配置するべき位置と槽52aの底52a1との間の距離104(図10(d)参照)と衝突検知距離との和である。上昇後停止時間は、衝突検知後にシリンジベース4が上昇して分注チップ2が吐出位置に到達してから吐出するまでに待機する時間である。
初めに、衝突検知位置範囲103と、上昇距離107と、上昇後停止時間を設定しておく(S1)。次に、図10(a)に示すように、移送部56によって分注チップ2の下端部2dを槽52aの上方に移動させ、待機させる。槽52aの底52a1に分注チップ2の下端部2dを衝突させるため、槽52aの底52a1より低い位置を目標位置としてシリンジベース4を下降させる(S2)。
図10(b)に示すように、分注チップ2の下端部2dを槽52aの底52a1に衝突させ、シリンジ部3を移動不能にさせた後、さらにシリンジベース4を降下させる。そして、シリンジベース4は、第2の実施形態で説明したように衝突検知距離だけ降下し、衝突検知手段61で衝突を検知可能な位置に達する。そして、衝突検知手段61で衝突を検知したときの位置である衝突検知位置105を位置検出手段92にて取得する(S3)。衝突検知手段61で衝突を検知した後、シリンジベース4を停止させる。制御部91は、位置検出手段92で取得した衝突検知位置105が、衝突検知位置範囲103内であるのか判断し、衝突検知位置範囲103外の場合は、エラーとして処理をする。
第2の実施形態で説明したように、シリンジベース4は、減速停止距離106分降下し、停止する(S4)(図10(c)参照)。
そして、図10(d)に示すように、制御部91は、シリンジベース4を、該シリンジベースが停止した停止位置109(図10(c)参照)から、取得された衝突検知位置105から上昇距離107の分、上昇した吐出位置108まで上昇させる(S5)。シリンジベース4を衝突検知位置105から上昇距離107の分、上昇させることで、吐出時における分注チップ2の下端部2dと槽52aの底52a1との間の距離104を一定に保つことができる。
そして、シリンジベース4を吐出位置108に停止させてから上昇後停止時間経過するまで待ち、その後制御部91は分注チップ2からの吐出を開始させる(S6)。
本実施形態では、槽52aの底52a1を検知してから分注チップ2を上昇させる。そのため、異なる形状の槽52aを利用する場合や、槽52aが試薬容器52bに正確にセットされていない場合でも、槽52aの底52a1と分注チップ2の下端部2dとの間隔を一定に保つことができる。
また、分注チップ2と槽52aとの衝突による衝撃を緩和させることができるので、分注チップ2の破損や変形、衝突した槽の変形や槽の位置ずれを防止することができる。さらに、分注チップ2が槽52aの底52a1以外の部分に衝突する場合の衝撃も緩和できる。そのため、吸引時、吐出時のいずれの場合においても分注チップ2の破損を防止できる。また、分注チップ2が装着されていない状態のノズル11の先端に何かが衝突した場合にはノズル11の破損を防止できる。
なお、衝突検知位置範囲103、上昇距離107、上昇後停止時間は、容器の各槽、液体の種類に合わせて設定すればよい。また、液体を吸引するときにも同様な方法を用いることで吸引位置を一定に保つことができる。さらに、液体を吐出すると容器内の液面が上昇するため、液面上昇に合わせてシリンジ部4を上昇させてもよい。
[実施例]
以下に第4の実施形態の分注装置1の実施例について説明する。本実施例では、第4の実施形態の分注装置を用いて、上述の方法で分注したときの吐出量の精度を評価した。評価は以下のように行った。
同じ形状の容器を用意する。片方の容器aに純水を200μl充填する。もう一方の容器bは、空の状態で容器の重さを測定する。なお、測定された重さは、空の容器bの重さと記載する。
次に、第4の実施形態の方法で、容器aから150μl吸引し、容器bに100μl吐出する。容器aの底から分注チップ2の下端部2dの距離は、1mmとなるように、上昇距離を設定する。上昇後停止時間は、0.2secとする。
そして、吐出後の容器bの重さを測定する。なお、測定された重さは、吐出後の容器bの重さと記載する。吐出後の容器bの重さから、空の容器bの重さを引いた値を吐出量とする。吐出量を10回測定し、CV値(変動係数)を求める。結果は、CV値0.20であった。
同様な評価を、吐出量20μlでも行った。具体的には、容器aに200μl充填する。容器aから、70μl吸引し、容器bに20μl吐出する。結果は、CV値0.65であった。
[比較例]
比較例では、特許文献2に開示された分注装置と同様に、シリンジ部3を下方向に向かって付勢する下方向付勢弾性部材210を設けている。図12を参照して、比較例の分注装置201について説明する。図12は、比較例の分注装置の側面図である。下方向付勢弾性部材210により、シリンジ部3をシリンジベース204に下方向に付勢されている。本比較例の分注装置201では、下方向付勢弾性部材210によりシリンジ部3は付勢されているため、シリンジ部3とシリンジベース204とは当接している。
シリンジベース204の下降中に、分注チップ2の下端部2dが容器の底に衝突することで、シリンジ部3は下方向付勢弾性部材210の付勢力に抗してシリンジ部摺動部5に沿って、上方向に移動する。シリンジ部3とシリンジベース204とが相対的に離れることを衝突検知手段61で検知する。このとき、下方向付勢弾性部材210の下方向に付勢する力に抗して、下方向付勢弾性部材103aが縮むことで分注チップ2と容器との衝撃を吸収する。
本比較例において実施例と同様な評価を行った。容器の底から分注チップ下端部の距離は、1mmとなるように、上昇距離を設定する。上昇後停止時間は、0.2secとする
結果は、純水が200μl充填された容器aから150μl吸引し、容器bに100μl吐出する場合でCV値0.25、200μl充填した容器aから、70μl吸引し、容器bに20μl吐出する場合でCV値0.80であった。
以上のことから、本実施例の分注装置は、シリンジ部を下方向に付勢する比較例の分注装置に比べて正確な分注を行うことができる。これは、実施例の分注装置では比較例の分注装置に比べて分注チップと容器の底との衝撃を十分吸収できているので、容器の位置ずれなどが生じず、正確な量の液体を吐出することができたためだと考えられる。
1 分注装置
2 分注チップ
3 シリンジ部
4 シリンジベース
5 シリンジ部摺動部
7 シリンジベース移動手段
8 弾性部材
11 ノズル
61 衝突検知手段
71 移動規制部材

Claims (12)

  1. 分注チップと、
    鉛直方向に延び、鉛直方向の下端に前記分注チップが装着されたノズルを有するシリンジ部と、
    前記シリンジ部を移動可能に支持し、前記シリンジ部を鉛直方向で上方向に付勢する弾性部材を備えたシリンジベースと、を有し、
    前記シリンジ部と前記シリンジベースとは鉛直方向に相対的に移動可能である、分注装置。
  2. 前記シリンジ部と前記シリンジベースとの間に位置し、前記シリンジベースを前記シリンジ部に対して鉛直方向に相対的に摺動可能に係合させる摺動部を有する、請求項1に記載の分注装置。
  3. 前記シリンジベースを鉛直方向に移動させる移動手段を有する、請求項1または2に記載の分注装置。
  4. 前記シリンジ部は、鉛直方向で下方向から前記弾性部材を介して前記シリンジベースに支持されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の分注装置。
  5. 前記シリンジベースと前記シリンジ部との間の鉛直方向における間隔の変化に基づいて前記分注チップが外部部材と衝突したことを検知する検知手段が設けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載の分注装置。
  6. 前記シリンジ部または前記シリンジベースには、前記シリンジ部の鉛直方向で上方向への移動を規制する規制部材が設けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載の分注装置。
  7. 前記シリンジベースと前記シリンジ部との間の鉛直方向における間隔の変化に基づいて前記分注チップが外部部材と衝突したことを検知する検知手段と、
    前記シリンジ部または前記シリンジベースに設けられ、前記シリンジ部の鉛直方向で上方向への移動を規制する規制部材と、を備えており、
    前記規制部材による前記シリンジ部の移動の制限範囲は、少なくとも前記分注チップが前記外部部材と衝突したことを前記検知手段が検知するまで、前記シリンジ部が前記シリンジベースに対して鉛直方向で上方向に移動することを許容する範囲に設定されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の分注装置。
  8. 前記シリンジベースを鉛直方向に移動させる移動手段を有し、
    前記検知手段は、前記移動手段によって前記シリンジベースが降下しているときに前記シリンジベースと前記シリンジ部との間の鉛直方向における間隔の変化を検知することにより、前記分注チップの前記外部部材への衝突を検知することができる、請求項5または7に記載の分注装置。
  9. 前記移動手段を、前記分注チップによる容器内での液体の吸引または吐出を行う前に前記シリンジベースを降下させるとともに、前記検知手段が前記分注チップの前記容器の底への衝突を検知した位置から前記シリンジベースを予め設定された上昇距離だけ上昇させるように制御する制御部を有し、
    前記上昇距離は、前記分注チップの液体の吸引時または吐出時に前記分注チップの下端部を配置すべき位置と前記容器の底との間の鉛直方向の間隔と、前記検知手段が前記分注チップと前記外部部材との衝突を検知するために必要な前記シリンジベースと前記シリンジ部との間隔の変化量との和である、請求項8に記載の分注装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項の分注装置と、
    前記分注装置を移動させる移送部と、
    前記分注装置によって内部の液体が吸引または内部に液体が吐出される容器と、
    を有する分析装置。
  11. 外部部材である容器内に進入し、該容器内で液体の吸引または吐出を行う分注チップと、鉛直方向に延び、鉛直方向の下端に前記分注チップが装着されたノズルを有するシリンジ部と、前記シリンジ部を移動可能に支持し、前記シリンジ部を鉛直方向で上方向に付勢する弾性部材を備えたシリンジベースと、前記シリンジベースと前記シリンジ部との間の鉛直方向における間隔の変化に基づいて前記分注チップが前記外部部材と衝突したことを検知する検知手段と、を有し、前記シリンジ部と前記シリンジベースとは鉛直方向に相対的に移動可能である分注装置における、分注チップの位置調整方法であって、
    前記容器の底の上方に前記分注チップが位置した状態から前記シリンジベースを降下させることで前記分注チップを降下させる工程と、
    前記シリンジベースを降下させることにより、前記弾性部材によって鉛直方向の上方向に付勢されている前記シリンジ部の前記ノズルの下端部に位置する前記分注チップと前記容器の前記底とを衝突させることで前記シリンジ部を移動不能にした後に、さらにシリンジベースを続けて降下させて前記シリンジベースと前記シリンジ部との間の間隔を変化させる工程と、
    前記検知手段によって前記分注チップと前記容器の前記底との衝突を検知する工程と、
    前記分注チップと前記容器の前記底との衝突を検知した後に前記シリンジベースを停止させる工程と、
    前記シリンジベースを、前記検知手段が前記分注チップと前記容器の前記底との衝突を検知した位置から予め設定された上昇距離だけ上方に上昇させる工程と、
    を含む、分注チップの位置調整方法。
  12. 前記上昇距離は、前記分注チップの液体の吸引時または吐出時に前記分注チップの下端部を配置すべき位置と前記容器の底との間の鉛直方向の間隔と、前記検知手段が前記分注チップと前記外部部材との衝突を検知するために必要な前記シリンジベースと前記シリンジ部との間隔の変化量との和である、請求項11に記載の分注チップの位置調整方法。
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