JP2015175453A - ダンパ装置 - Google Patents

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【課題】大型化を招くこと無しにダンパ特性のヒステリシスを可変にして異音の発生を抑制できるダンパ装置を提供する。【解決手段】クラッチディスク2のクラッチハブ22上に、磁力により吸着した摩擦体3を設ける。摩擦体3の中央部に係止凹部33を設け、中間プレート4に備えられた突部41を、この係止凹部33に挿入する。エンジンから伝達されるトルクの変動が小さい場合には、中間プレート4の移動範囲は小さく、突部41が摩擦体3に接触することはない。これによりダンパ特性のヒステリシスは小さくなる。一方、エンジンから伝達されるトルクの変動が大きい場合には、中間プレート4の移動範囲は大きく、突部41が摩擦体3に接触し、摩擦体3が磁力に抗し、クラッチハブ22に対して相対移動する。これによりダンパ特性のヒステリシスは大きくなる。【選択図】図4

Description

本発明はダンパ装置に係る。特に、本発明は、捩り方向の振動に対するダンパ特性のヒステリシスを可変とする構成の改良に関する。
従来、自動車等における動力伝達系には、エンジン等の駆動源からのトルクを伝達し、且つ捩り方向の振動を吸収および減衰させるダンパ装置が設けられている。例えば特許文献1には、相対回転自在な第1回転部材と第2回転部材との間に、回転方向に延びるコイルスプリングを介在させ、このコイルスプリングの弾性変形によって捩り方向の振動を吸収および減衰させる直列バネ式ダンパ装置が開示されている。
ところで、前記動力伝達系にあっては、駆動源の回転変動に起因する捩り振動によって異音が発生することがある。この異音としては所謂ジャラ音が挙げられる。このジャラ音は、前記動力伝達系に備えられた歯車同士が前記捩り振動に起因して衝突することで発生する。
前記異音を抑制する対策として、ダンパ装置のダンパ特性のヒステリシスを大きく設定することが行われている。これによれば、前記捩り振動に共振が発生する運転状況(例えば加速時)であっても、前記ヒステリシスが大きく設定されていることで共振を抑制でき、前記ジャラ音を低減することが可能である。しかしながら、このヒステリシスを大きく設定した場合、駆動源の回転変動が動力伝達系に伝達されやすくなることから、共振が発生しない運転状況(例えば減速時)にあっては歯打ち音等の異音の発生を招いてしまう可能性がある。このため、この共振が発生しない運転状況では前記ヒステリシスは小さい方が好ましい。
図5は、前記ヒステリシスが異なる場合のエンジン回転数(横軸)と、ダンパ装置の入出力トルクの比(縦軸)との関係を示す図である。図中の破線はヒステリシスを大きく設定した場合であり、実線はヒステリシスを小さく設定した場合である。なお、図中に一点鎖線で示す領域Xはヒステリシスを小さく設定した場合に異音が発生しやすい領域であり、一点鎖線で示す領域Yはヒステリシスを大きく設定した場合に振動が伝達されやすくなる領域である。
特許文献2には前記ヒステリシスを可変とする構成が開示されている。具体的に、この特許文献2のものは、運転状況に応じて回転部材同士の間の摩擦力を油圧アクチュエータ等を利用して変化させる構成となっている。つまり、共振が発生する運転状況にあっては、油圧アクチュエータによって回転部材同士の間の摩擦力を大きくしてヒステリシスを大きくし、逆に、共振が発生しない運転状況にあっては、油圧アクチュエータによって回転部材同士の間の摩擦力を小さくしてヒステリシスを小さくするものである。
特開2001−221288号公報 特開平1−275920号公報
しかしながら、特許文献2に開示されているものは、前記ヒステリシスを可変とするための油圧アクチュエータ等を含む制御装置が別途必要であり、ダンパ装置の大型化を招いてしまうことから、実用性に欠ける。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、大型化を招くこと無しにダンパ特性のヒステリシスを可変にして異音の発生を抑制できるダンパ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の解決手段は、入力側回転部材および出力側回転部材に対して相対回転自在な中間プレートと、前記入力側回転部材と前記中間プレートとの間および前記出力側回転部材と前記中間プレートとの間のそれぞれに介在された弾性部材とを備え、この弾性部材の弾性変形によって捩り振動を減衰させるダンパ装置を前提とする。このダンパ装置に対し、前記中間プレートの回転方向の単位時間当たりの変位量が所定量以上である場合に、この中間プレートに接触して摩擦力を発生させる摩擦体を設ける。そして、この摩擦体を、磁力によって前記入力側回転部材または前記出力側回転部材に接続した構成としている。
この特定事項により、中間プレートの回転方向の単位時間当たりの変位量が所定量未満である場合には、入力側回転部材または出力側回転部材に接続された摩擦体の回転方向の変位量と中間プレートの回転方向の変位量との差は小さく、この中間プレートが摩擦体に接触することはない。このため、この摩擦体が入力側回転部材または出力側回転部材に対して相対移動することはなく、これらの間で摩擦力が発生することはない。つまり、中間プレートの回転方向の一方側のダンパ特性と他方側のダンパ特性とが略同一になり、このダンパ特性のヒステリシスは小さくなる。例えば、捩り振動に共振が発生しない運転状況においてダンパ特性のヒステリシスが小さくなることから、入力側回転部材の回転変動が出力側回転部材に伝達され難くなり、異音(例えば歯打ち音)の発生を抑制することが可能となる。
一方、中間プレートの回転方向の単位時間当たりの変位量が所定量以上である場合には、入力側回転部材または出力側回転部材に接続された摩擦体の回転方向の変位量と中間プレートの回転方向の変位量との差は大きく、この中間プレートが摩擦体に接触する。このため、磁力に抗して摩擦体が入力側回転部材または出力側回転部材に対して相対移動することになり、これらの間で摩擦力が発生する。つまり、中間プレートの回転方向の一方側のダンパ特性と他方側のダンパ特性とに大きな差が生じることになり、このダンパ特性のヒステリシスは大きくなる。例えば、捩り振動に共振が発生する運転状況においてダンパ特性のヒステリシスが大きくなることから、共振を抑制でき、異音(例えばジャラ音)の発生を抑制することが可能となる。
このように、磁力により支持された摩擦体に対して中間プレートが接触する状態と接触しない状態とが切り換わることで、ダンパ特性のヒステリシスを可変とする構成となっている。このため、油圧アクチュエータ等を含む制御装置を別途必要とすること無しに、ダンパ特性のヒステリシスを可変にして異音の発生を抑制することが可能になり、異音発生の抑制とダンパ装置の小型化とを両立できる。
本発明では、中間プレートの回転方向の単位時間当たりの変位量が所定量以上である場合に、この中間プレートに接触して摩擦力を発生する摩擦体を、磁力によって支持した構成としている。このため、ダンパ特性のヒステリシスを可変にして異音の発生を抑制可能な構成を、ダンパ装置の小型化を図りながら実現することが可能になる。
実施形態に係るダンパ装置を軸心に沿った方向から見た模式図である。 中間プレートを省略して示す図1相当図である。 ダンパ装置の摩擦体周辺をクラッチディスクの軸心に対して直交する方向から見た図であって、トルク変動が小さい場合におけるダンパ装置の動作を説明するための模式図である。 ダンパ装置の摩擦体周辺をクラッチディスクの軸心に対して直交する方向から見た図であって、トルク変動が大きい場合におけるダンパ装置の動作を説明するための模式図である。 ダンパ特性のヒステリシスが異なる場合のエンジン回転数とダンパ装置の入出力トルクの比との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、クラッチ装置(自動車の動力伝達系に備えられたクラッチ装置)に組み込まれた直列バネ式のダンパ装置に本発明を適用した場合について説明する。
図1は本実施形態に係るダンパ装置1をその軸心に沿った方向から見た(例えば変速機側から見た)模式図である。図2は後述する中間プレート4を省略して示す(中間プレート4の突部41のみを仮想線で示す)図1相当図である。図3は、ダンパ装置1に備えられた摩擦体3の周辺をクラッチディスク2の軸心に対して直交する方向から見た図であって、エンジンから伝達されるトルクの変動が小さい場合におけるダンパ装置1の動作を説明するための模式図である。図4は、ダンパ装置1に備えられた摩擦体3の周辺をクラッチディスク2の軸心に対して直交する方向から見た図であって、エンジンから伝達されるトルクの変動が大きい場合におけるダンパ装置1の動作を説明するための模式図である。なお、これら図3および図4では、中間プレート4の突部41のみを示している。
これらの図に示すように、本実施形態に係るダンパ装置1は、クラッチディスク2、摩擦体3、中間プレート4、コイルスプリング(弾性部材)51,52を備えている。これらの配設位置の概要としては、図示しないエンジン側(フライホイール側;図3および図4における右側)から変速機側(図3および図4における左側)に向かって、クラッチディスク2、摩擦体3、中間プレート4の順で、これらが重ね合わされている。また、コイルスプリング51,52は、エンジンから伝達されるトルクを変速機の入力軸に向けて伝達する機能、および、捩り方向の振動を吸収および減衰させる機能を有している。以下、それぞれについて説明する。
−クラッチディスク−
クラッチディスク2は、本発明でいう入力側回転部材に相当し、その外周部分を構成するクラッチフェーシング21と、内周部分を構成するクラッチハブ22とを備えている。
クラッチフェーシング21は、図示しないプレッシャープレートとフライホイールとの間に介在されている。そして、このクラッチフェーシング21は、前記プレッシャープレートからフライホイールに向けての押し付け力を受けると、これらプレッシャープレートとフライホイールとの間に挟持される。これにより、エンジンからのトルクがフライホイールを経てクラッチフェーシング21(クラッチディスク2)に伝達され、このトルクがクラッチディスク2から、コイルスプリング51,52および中間プレート4に伝達されることになる。また、前記プレッシャープレートからの押し付け力が解除されると、クラッチフェーシング21は、フライホイールから離間され、このクラッチフェーシング21へのトルクの伝達も解除される。これにより、コイルスプリング51,52および中間プレート4へのトルクの伝達も解除されることになる。なお、プレッシャープレートの押し付け力を変更する構成(運転者によるクラッチペダルの踏み込み操作に応じてプレッシャープレートの押し付け力を変更する構成)は周知であるため、ここでの説明は省略する。
クラッチハブ22は、前記クラッチフェーシング21に回転一体に連結されている。また、このクラッチハブ22の特徴として、このクラッチハブ22の各面(図3および図4において左側に向かう面および右側に向かう面)のうち前記摩擦体3に向かう面(中間プレート4に向かう面;図3および図4において左側に向かう面)には、前記摩擦体3を支持するための軌道23が形成されている。後述するように、摩擦体3は円環状の平板で構成されており、この摩擦体3の形状(円環状)に略合致する円環状の溝が前記軌道23としてクラッチハブ22には形成されている。そして、この軌道23内に摩擦体3が嵌め込まれている。なお、この軌道23は、クラッチディスク2の軸心方向から見た場合に、このクラッチディスク2の軸心を中心とした真円形状となっている。
−摩擦体−
摩擦体3は、前述した如く円環状の平板で構成されている。また、この摩擦体3は、金属製であって、内部に磁性体が埋め込まれている。このため、前述した如く摩擦体3が前記クラッチハブ22(金属(強磁性体)製)の軌道23に嵌め込まれた状態にあっては、磁性体の磁力によって摩擦体3はクラッチハブ22に吸着されている。つまり、この摩擦体3は、その周方向に向かう外力が作用した場合、その外力の大きさが所定値に達するまでは前記磁力によってクラッチハブ22に相対回転不能に吸着される。そして、周方向に向かう外力の大きさが所定値を超えると前記磁力に抗して、摩擦体3は、クラッチハブ22に対して相対回転する。この場合、摩擦体3は、クラッチハブ22の軌道(溝)23に嵌め込まれているため、クラッチディスク2の軸心を中心として回動することになる。この際、摩擦体3とクラッチハブ22との間で摩擦力が発生する。
また、この摩擦体3は、その表面(中間プレート4に対向する面)に、中間プレート4が係止する係止部32,32を備えている。この係止部32,32は、摩擦体3の周方向の2箇所であって、この周方向に180°の角度間隔を存した位置に設けられている。
具体的に、前記係止部32は、摩擦体3のベース部31(円環状の平板部分)に対して中間プレート4側に向けて所定寸法だけ突出しており、その中央部(摩擦体3の周方向における中央部)には、中間プレート4の一部(後述する突部41)が挿入する係止凹部33が形成されている。言い換えると、この係止凹部33は、係止部32の中央部が薄肉とされることによって形成されている。また、この係止凹部33の両側部分(摩擦体3の周方向での両側部分;図3および図4における上下方向の両側部分)は係止凸部34,34となっている。言い換えると、この係止凸部34,34は、係止部32の両側部が厚肉(前記係止凹部33よりも厚肉)とされることによって形成されている。
このため、前記周方向に向かう外力の大きさが所定値を超えて摩擦体3がクラッチハブ22の軌道23に沿って回動した場合には、これら係止部32,32も、クラッチハブ22の軌道23に沿って周方向に移動することになる。
−中間プレート−
中間プレート4は、前記クラッチディスク2と同心円上に配設されたプレートで成り、各面(図3および図4において左側に向かう面および右側に向かう面)のうち摩擦体3に向かう面(図3および図4において右側に向かう面)には、前記係止部32の係止凹部33に挿入される突部41が設けられている。
この突部41は、各係止部32,32の係止凹部33,33に対応した2箇所に設けられている。具体的に、この突部41は、中間プレート4における中央部からその半径方向外側に向けて延長された形状となっている。また、この突部41の幅寸法(中間プレート4の周方向に亘る寸法;図3および図4における上下方向の寸法)は、前記係止部32の係止凹部33の幅寸法(摩擦体3の周方向に亘る寸法;図3および図4における上下方向の寸法)よりも僅かに小さく設定されている。このため、中間プレート4に外力が作用していない状態にあっては、図2および図3に示すように、突部41と係止部32の各係止凸部34,34との間には、クラッチディスク2の周方向に亘って僅かな隙間(図3における寸法tを参照)が形成されている。つまり、外力が作用して中間プレート4がクラッチハブ22に対して相対的に回動する場合に、その回動量の差が所定量(前記隙間tに相当する量)に達するまでは、突部41が係止部32の係止凸部34に接触しないようになっている。なお、前記隙間tは実験やシミュレーションによって適宜設定されている。
−コイルスプリング−
コイルスプリング51,52としては、第1コイルスプリング51,51および第2コイルスプリング52,52がそれぞれ2本ずつ備えられている。
第1コイルスプリング51,51は、クラッチハブ22と中間プレート4との間に介在されている。具体的に、各第1コイルスプリング51,51は、クラッチハブ22に設けられたスプリング座24と、前記中間プレート4の突部41,41との間にそれぞれ配設されている。これらスプリング座24および突部41,41には、第1コイルスプリング51,51の各端部を保持するための保持部(図示省略)が設けられており、第1コイルスプリング51,51の離脱を防止している。例えば、第1コイルスプリング51の端部の内部に挿入される円柱形状の突起によって第1コイルスプリング51の離脱を防止する構成となっている。
このように第1コイルスプリング51,51が配設されていることにより、エンジンからのトルク伝達によってクラッチハブ22と中間プレート4との間で回動量に差が生じた場合には、これら第1コイルスプリング51,51が弾性変形することによって、捩り方向の振動を吸収および減衰させるダンパ機能を発揮するようになっている。
一方、第2コイルスプリング52,52は、中間プレート4と変速機の入力軸に繋がる(入力軸にスプライン嵌合された)シャフト部材6(本発明でいう出力側回転部材に相当)との間に介在されている。具体的に、各第2コイルスプリング52,52は、前記中間プレート4の突部41と、シャフト部材6に一体的に設けられたスプリング座61との間にそれぞれ配設されている。これら突部41およびスプリング座61には、第2コイルスプリング52,52の各端部を保持するための保持部(図示省略)が設けられており、第2コイルスプリング52,52の離脱を防止している。例えば、第2コイルスプリング52の端部の内部に挿入される円柱形状の突起によって第2コイルスプリング52の離脱を防止する構成となっている。
このように第2コイルスプリング52,52が配設されていることにより、エンジンからのトルク伝達によってクラッチハブ22と中間プレート4との間で回動量に差が生じた場合には、これら第2コイルスプリング52,52が弾性変形することによって、捩り方向の振動を吸収および減衰させるダンパ機能を発揮するようになっている。
以上のようにクラッチディスク2、摩擦体3、中間プレート4、および、各コイルスプリング51,52が配設されていることにより、エンジンから伝達されるトルクは、クラッチディスク2、第1コイルスプリング51、中間プレート4、第2コイルスプリング52、シャフト部材6を介して変速機の入力軸に伝達されることになる。図1および図2における矢印は、エンジントルクの伝達経路を示している。
−ヒステリシス可変動作−
前述した構成により、本実施形態に係るダンパ装置1は、ダンパ特性のヒステリシスが可変となっている。つまり、エンジンから伝達されるトルクの変動が小さい場合には、ヒステリシスが小さくなり、逆に、エンジンから伝達されるトルクの変動が大きい場合には、ヒステリシスが大きくなる。以下、この動作について具体的に説明する。
(トルク変動が小さい場合)
エンジンから伝達されるトルクの変動が小さい場合、中間プレート4の回転方向の単位時間当たりの変位量は所定量未満であり、クラッチハブ22と中間プレート4との間での相対的な回動量の差(相対回転差)は比較的小さい。そして、この回動量の差が、前記中間プレート4の突部41と係止部32の各係止凸部34,34との間の隙間tよりも小さい場合には、中間プレート4の突部41が係止部32の係止凸部34に接触することはなく、この突部41は係止凹部33の内部を移動することになる。つまり、この突部41が係止部32の係止凸部34に接触して摩擦体3に対して回動方向の押圧力を作用させるといったことはない。このため、中間プレート4の回転方向の一方側のダンパ特性と他方側のダンパ特性とが略同一になり、このダンパ特性のヒステリシスは小さくなっている。
エンジンから伝達されるトルクの変動が小さい状況としては、例えば捩り振動に共振が発生しない運転状況(例えば減速時)が挙げられ、この場合、ダンパ特性のヒステリシスが小さくなっていることからエンジンの回転変動が動力伝達系に伝達され難くなっている。このため、動力伝達系における歯打ち音等の異音の発生を抑制することが可能である。
なお、この場合、摩擦体3はクラッチハブ22の軌道23内を移動することはなく、クラッチハブ22と一体的に回転している。
(トルク変動が大きい場合)
エンジンから伝達されるトルクの変動が大きい場合、中間プレート4の回転方向の単位時間当たりの変位量は所定量以上となり、クラッチハブ22と中間プレート4との間での相対的な回動量の差は比較的大きくなる。そして、この回動量の差が、前記中間プレート4の突部41と係止部32の各係止凸部34,34との間の隙間tよりも大きい場合には、中間プレート4の突部41が係止部32の係止凸部34に接触することになり、この突部41からの押圧力によって、摩擦体3は磁力に抗し、クラッチハブ22に対して相対的に回動する。図4では、中間プレート4の突部41が図中の上方に移動し、係止部32の上側の係止凸部34に接触することによって摩擦体3がクラッチハブ22に対して相対的に上方に移動した状態(摩擦体3が磁力に抗して回動した状態)を示している。これにより、摩擦体3とクラッチハブ22との間で摩擦力が発生する。
この状態から、トルク変動により中間プレート4の突部41が図中の下方に移動すると、この突部41が係止部32の下側の係止凸部34に接触するまでの間は、摩擦体3が移動しないため、この摩擦体3とクラッチハブ22との間で摩擦力が発生することはない。そして、中間プレート4の突部41が係止部32の下側の係止凸部34に接触すると、摩擦体3がクラッチハブ22に対して相対的に下方に移動し、再び、摩擦体3とクラッチハブ22との間で摩擦力が発生することになる。このようにして中間プレート4の回転方向の一方側のダンパ特性と他方側のダンパ特性とに大きな差が生じることになり、このダンパ特性のヒステリシスは大きくなっている。
エンジンから伝達されるトルクの変動が大きい状況としては、例えば捩り振動に共振が発生する運転状況(例えば加速時)が挙げられ、この場合、ダンパ特性のヒステリシスが大きくなっていることから共振を抑制でき、前記ジャラ音等の異音の発生を抑制することが可能である。
以上説明したように、本実施形態では、磁力により支持された摩擦体3に対して中間プレート4が接触する状態と接触しない状態とが切り換わることで、ダンパ特性のヒステリシスを可変とする構成となっている。このため、油圧アクチュエータ等を含む制御装置を別途必要とすること無しに、ダンパ特性のヒステリシスを可変にして異音の発生を抑制することが可能になり、異音発生の抑制とダンパ装置1の小型化との両立を図ることができる。
また、摩擦体3が磁力によってクラッチハブ22に保持された構成であるため、摩擦体3とクラッチハブ22との相対移動によって、これら摩擦体3やクラッチハブ22の軌道23に摩耗が生じた場合であっても、クラッチハブ22上に摩擦体3を良好に保持し続けることが可能であり、ダンパ装置1の信頼性を確保できる。
−他の実施形態−
前記実施形態では、自動車の動力伝達系に備えられたダンパ装置1に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、その他の装置の動力伝達系に備えられたダンパ装置に対しても適用が可能である。
また、前記実施形態では、第1コイルスプリング51と第2コイルスプリング52とを別部材としていた。本発明はこれに限らず、これら第1コイルスプリング51と第2コイルスプリング52とを1本のコイルスプリングで構成し、このコイルスプリングの中間部分に前記中間プレート4の突部41を挿入することで、この突部41の挿入箇所に対して一方側を第1コイルスプリング51として機能させ、他方側を第2コイルスプリング52として機能させる構成としてもよい。これによれば、部品点数の削減が図れる。但し、前記実施形態の如く第1コイルスプリング51と第2コイルスプリング52とを別部材とした場合には、各コイルスプリング51,52のバネ定数を個別に設計することが容易になり、効果的なダンパ特性を実現することが可能になるため好ましい。
また、前記実施形態では、摩擦体3の内部に磁性体を埋め込んでいた。本発明はこれに限らず、摩擦体3自体を磁性体で成形するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、摩擦体3をクラッチハブ22に吸着させる構成としていた。つまり、摩擦体3を入力側回転部材に吸着させる構成としていた。本発明はこれに限らず、摩擦体3を出力側回転部材(例えば前記シャフト部材6)に吸着させる構成としてもよい。この場合、出力側回転部材に、前記と同様の軌道を設けておく必要があり、また、中間プレート4における出力側回転部材に向かう側の面に突部41を設けておく必要がある。
さらに、前記実施形態では、中間プレート4の突部41が、各コイルスプリング51,52を保持する機能と、ダンパ特性のヒステリシスを大きくする際に摩擦体3に接触する機能とを兼ね備えた構成としていた。本発明はこれに限らず、中間プレート4の突部41の機能としては、ダンパ特性のヒステリシスを大きくする際に摩擦体3に接触する機能のみを備えさせ、各コイルスプリング51,52を保持するための機能部品を個別に設けるようにしてもよい。
また、前記クラッチディスク2、摩擦体3、中間プレート4、および、シャフト部材6それぞれの形状は前述したものには限定されず、適宜設計されるものである。
本発明は、自動車の動力伝達系に備えられ、捩り方向の振動に対するダンパ特性のヒステリシスを可変にしたダンパ装置に適用可能である。
1 ダンパ装置
2 クラッチディスク(入力側回転部材)
22 クラッチハブ
3 摩擦体
32 係止部
4 中間プレート
41 突部
51 第1コイルスプリング(弾性部材)
52 第2コイルスプリング(弾性部材)
6 シャフト部材(出力側回転部材)

Claims (1)

  1. 入力側回転部材および出力側回転部材に対して相対回転自在な中間プレートと、前記入力側回転部材と前記中間プレートとの間および前記出力側回転部材と前記中間プレートとの間のそれぞれに介在された弾性部材とを備え、この弾性部材の弾性変形によって捩り振動を減衰させるダンパ装置において、
    前記中間プレートの回転方向の単位時間当たりの変位量が所定量以上である場合に、この中間プレートに接触して摩擦力を発生させる摩擦体が設けられ、
    前記摩擦体が、磁力によって前記入力側回転部材または前記出力側回転部材に接続された構成となっていることを特徴とするダンパ装置。
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JPH04105634U (ja) * 1991-02-21 1992-09-11 株式会社三陽 円錐式クラツチ
JPH10339355A (ja) * 1997-06-06 1998-12-22 Exedy Corp サブダンパーユニット、ダンパー装置

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