JP2015175018A - ゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法、マイクロキャピラリー電解パターニング装置、並びに金属導体及び金属酸化物パターン又は薄膜の形成方法 - Google Patents

ゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法、マイクロキャピラリー電解パターニング装置、並びに金属導体及び金属酸化物パターン又は薄膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工程が簡略化された、金属元素に複数のカルボキシル基を配位して形成されたゲル状アモルファス化合物のパターン形成方法の提供。
【解決手段】高さ(h)と一辺の長さ(w)のアスペクト比(h/w)が1以上の中空柱状で下部先端部に微細な開口部22を有し、その内面がアノード電極23となるマイクロ電解槽3と、マイクロ柱状カソード電極25とが設置された、マイクロキャピラリー電解パターニング装置1を用いて、金属元素のカルボン酸、アルカリ金属カルボン酸、及びラクタム系化合物が溶解された反応水溶液38をマイクロ電解槽3内に供給して、電解反応により前記金属元素に複数のカルボキシル基を配位して形成されたゲル状アモルファス化合物を生成させ、次にマイクロ電解槽3の先端開口部22から該ゲル状アモルファス化合物を基材上36に吐出して微細なゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜を形成する、パターン又は薄膜の形成方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、金属元素又は半金属元素カルボン酸化合物から電解反応により得られるゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法、該パターン又は薄膜の形成方法に用いられるマイクロキャピラリー電解パターニング装置、並びに前記パターン又は薄膜を、加熱及び/又は光照射して得られる金属導体及び金属酸化物パターン又は薄膜の形成方法に関する。
金属成膜においては、スパッタリング法を用いたパターニングから金属ナノ粒子を用いた印刷技術適用まで、プロセスの幅が広がってきている。特に薄膜型半導体(thin film transistor (TFT))の電極を形成する場合などにおいて、インクジェット法を用いたソース、ドレイン、ゲート電極の形成が進められている。その他、金属含有薄膜の液相塗布による形成方法として、金属、無機ナノ粒子ではなく、金属を含有するアモルファス材料を溶解した溶液を塗布、エネルギー照射することで、金属膜や半導体膜を形成する技術が開示されている(特許文献1参照)。
酸化物半導体においては、IGZO(In−Ga−Zn−O)系などの実用化進んでいるが、これらは直流マグネトロンスパッタ法などの気相法などが用いられている(特許文献2参照)。この場合、酸化物ターゲット材の作成、スパッタによるパターニング、アニールなどの工程が必要になる。
酸化物絶縁体においては、高い誘電特性をもつ薄膜を得るために、シリコンの熱酸化法から、より誘電率の高い酸化物薄膜を形成するために、金属錯体原料を用いた化学気相蒸着(chemical vapor deposition(CVD))や多元素スパッタリング法などが応用されるようになってきている。Hf窒化物系材料を形成する場合ECRスパッタ法を用いてHfNを形成後、プラズマ酸化処理するなどの手法が用いられてきている(非特許文献1参照)。
また、特許文献3には、カルボン酸化合物が分散または溶解している水中に、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウムとの金属塩の水溶液と中和剤の水溶液とを同時に添加して、水酸化物または水和物の微粒子を生成させ、得られた微粒子を焼成して、プラスチィクや塗料、接着剤などのフィラー、精密加工用の研磨剤等に利用できる微粒子状金属酸化物の製造方法が開示されている。
一方、非特許文献2には、硫酸銅、グリセリン及び水酸化ナトリウムからなる反応溶液から得られた生成物を、グリセリン水溶液で繰り返しデカンテーションし、次に希塩酸洗浄した後に、グリセリン中に分散させ、更に蒸留水で洗浄後、乾燥させるアモルファス水酸化銅の合成方法が開示されている。非特許文献3には、ヘキサン酸銅水和物のアモルファス薄膜から光照射によって導体パターンを形成する方法が開示されている。特許文献4には、液相法の中和反応により微粒子状金属酸化物を製造するにあたり、カルボン酸化合物が分散または溶解している水中で、微粒子状金属酸化物の前駆体である水酸化物または水和物を生成させると、濾過性の良好な微粒子が得られ、しかも乾燥後のゲルの粉砕性、再分散性が良好で、微粒子状金属酸化物が得られることが開示されている。
また、特許文献5には、化学技術分野における新薬開発や、バイオ技術分野におけるDNA解析等において有用な微小容積のマイクロリアクタ及びその製造方法が開示されている。
米国特許5534312号公報明細書 国際公開第2009/084537号 特開2005−081501号公報 特許第2767478号公報 特開2005−207901号公報
"Interface reaction at TiN/HfSiON gate stacks: Dependence on the electrode structure and deposition method" Sci. Technol. Adv. Mater., 8, pp. 219-224, (2007) Journal of Colloid and Interface Science, 215, 23-27 (1999) Journal of the American Chemical Society, 118, 237-238 (1996)
特許文献1に開示の金属含有薄膜の液相塗布による形成方法ではアモルファス材料の焼成に水素ガス雰囲気等の還元性雰囲気が必要であり、実用化には至っていない。
上記薄膜型半導体の電極を形成する場合などにおいて、インクジェット法を用いたソース、ドレイン、ゲート電極の形成では、厚み精度やフラットネスが金属ナノ粒子の形状や分散性に依存しているため、微細なTFT形成に用いるには制約がある。特許文献2に開示の酸化物半導体の製造方法においては、酸化物ターゲット材の作成、スパッタによるパターニング、アニールなど多くの工程が必要になり、その中でも、アニール処理で温度をかける際に400℃程度の高温処理が必要になり、酸素欠陥が消失して移動度の低下などの懸念があるため、アニール雰囲気の細かい制御が必要になっている。
また、上記酸化物絶縁体においては、金属錯体原料を用いた化学気相蒸着(CVD)や、非特許文献1に開示されたHf窒化物系材料を形成する場合ECRスパッタ法を用いてHfNを形成後、プラズマ酸化処理するなどの手法では、プロセスが煩雑になっている。上記特許文献3、非特許文献2、及び非特許文献3には、パターンを形成後に加熱又は光照射手段を用いた簡易なプロセスにより、導電パターン、及び金属酸化物のパターンを形成することは開示されていない。特許文献4では、得られた水酸化物又は水和物を乾燥後500〜900℃と高い温度で焼成して金属酸化物が得られることが記載されているが焼成温度が高いという問題点がある。特許文献5には、マイクロリアクタが開示されているが反応で得られた生成物のパターニングについては記載されていない。
本発明は、上記課題を解決して、金属等のカルボン酸化合物を含む電解反応溶液を電解還元して得られるゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法、及び該パターン又は薄膜を更に加熱又は光照射して金属導体パターンもしくは薄膜、又は金属酸化物パターンもしくは薄膜の形成方法を提供することにある。
本発明は上記従来技術に鑑みて、内面形状の高さ(h)と、水平方向断面形状の方形の一辺の長さ又は円形の直径(w)のアスペクト比(h/w)が1以上の中空柱状の内面にアノード電極が形成されたマイクロ電解槽と、該電解槽の中心に設置されたマイクロ柱状カソード電極からなるマイクロ電解槽の下部先端に微細な開口部を設けたキャリピラリー電解パターニング装置を用いて、
金属等のカルボン酸化合物、アルカリ金属等のカルボン酸化合物、及びラクタム系低分子有機物等を溶解した水溶液を電解することにより、電解槽内でゲル状アモルファス化合物を形成して、キャピラリー電解パターニング装置の下部先端より、基材上に吐出することにより、微細なゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜を形成し、該パターン又は薄膜を加熱又は光照射することにより、特性に優れた金属膜、半導体、絶縁体等を得ることより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下の(1)ないし(19)に記載する発明を要旨とする。
(1)内面形状の高さ(h)と、水平方向断面形状の方形の一辺の長さ又は円形の直径(w)のアスペクト比(h/w)が1以上の中空柱状で、下部先端部に微細な開口部(H)を有していてその内面がアノード電極となる、1又は2以上のマイクロ電解槽(A)と、
該マイクロ電解槽(A)の中心に垂直方向にマイクロ柱状カソード電極(K)とが設置された、マイクロキャピラリー電解パターニング装置(M)を用いて、
少なくとも、金属元素及び/又は半金属元素のカルボン酸化合物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属カルボン酸化合物、並びにラクタム系化合物(L)が溶解された反応水溶液をマイクロ電解槽(A)内に供給して、上記アノード電極とカソード電極間を通電する電解反応により、前記金属元素及び/又は半金属元素に複数のカルボキシル基(置換基を有するものも含む)からなる配位子が配位して形成されたゲル状アモルファス化合物(G1)を生成させ(工程1)、次に、マイクロ電解槽(A)の先端の開口部(H)から上記ゲル状アモルファス化合物(G1)を基材上に吐出することにより、微細なゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜(G2)を形成する(工程2)、
ことを特徴とする、ゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法(以下、第1の実施形態ということがある)。
(2)前記工程1における、金属元素が銀、銅、亜鉛、スズ、ニッケル、ハフニウム、及びアルミニウムの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(1)に記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
(3)前記工程1における、半金属元素が珪素、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種であることを特徴とする、前記(1)に記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
(4)前記工程1における、前記配位子が酢酸イオン、シュウ酸イオン、プロピオン酸イオン、マロン酸イオン、及び酒石酸イオンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(1)から(3)のいずれかに記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
(5)前記工程1における、アルカリ金属カルボン酸化合物のアルカリ金属が、リチウム、ナトリウム、及びカリウムから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(1)から(4)のいずれかに記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
(6)前記工程1における、アルカリ土類金属カルボン酸化合物のアルカリ土類金属が、カルシウムであることを特徴とする、前記(1)から(4)のいずれかに記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
(7)前記工程1における、ラクタム系化合物(L)が炭素原子数4〜12の五員環構造を有する、2−ピロリドン、アルキル−2−ピロリドン、及びヒドロキシアルキル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(1)から(6)のいずれかに記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
(8)前記工程1における、アルキル−2−ピロリドンがN−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−n−プロピル−2−ピロリドン、N−n−ブチル−2−ピロリドン、N−iso−ブチル−2−ピロリドン、N−n−オクチル−2−ピロリドン、3−メチル−2−ピロリドン、4−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−3−メチル−2−ピロリドン、及びN−メチル−4−メチル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(7)に記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
(9)前記工程1における、ヒドロキシアルキル−2−ピロリドンがN−(ヒドロキシメチル)−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、及びN−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(7)に記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
(10)前記工程1における、ゲル状アモルファス化合物(G1)中のアモルファス化合物の結晶化度が5%以下であることを特徴とする、前記(1)から(9)のいずれかに記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
(11)前記工程2における、マイクロ電解槽(A)の先端の開口部(H)からのゲル状アモルファス化合物(G1)の吐出が、周期的振動を付加できる装置によりマイクロ柱状カソード電極(K)に周期的振動を与えて行われることを特徴とする、前記(1)から(10)のいずれかに記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
(12)内面形状の高さ(h)と方形の一辺の長さ(w)のアスペクト比(h/w)が1以上の中空柱状で、下部先端部に微細な開口部(H)を有していてその内面がアノード電極となる、1又は2以上のマイクロ電解槽(A)と、
該マイクロ電解槽(A)の中心に垂直方向にマイクロ柱状カソード電極(K)とが設置された、マイクロキャピラリー電解パターニング装置(M)であって、
マイクロ電解槽(A)の先端部に設けられた、開口部(H)の面積が7.8×10−7〜7.8×10−3mmであり、マイクロ柱状カソード電極(K)に周期的振動を付加できる装置が設けられていることを特徴とする、マイクロキャピラリー電解パターニング装置(以下、第2の実施形態ということがある)。
(13)前記マイクロ電解槽(A)が反応水溶液中間貯槽(R)の底部より、下方垂直方向に突出して形成され構造であることを特徴とする、前記(12)に記載のマイクロキャピラリー電解パターニング装置。
(14)前記マイクロ柱状カソード電極(K)に周期的振動を付加できる装置が圧電素子(又はピエゾ素子)を利用した装置である、前記(12)又は(13)に記載のマイクロキャピラリー電解パターニング装置。
(15)前記(1)〜(11)のいずれかに記載の、工程1及び工程2を経て形成されたゲル状アモルファス金属化合物のパターン又は薄膜(G2)を更に、加熱、及び光照射の中から選択される1種又は2種の工程(工程3)を経ることを特徴とする、金属導体パターン又は薄膜の形成方法(以下、第3の実施形態ということがある)。
(16)前記光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が500〜5000Vの範囲であり、得られる金属導体が銀、及び銅の中から選択される1種又は2種であることを特徴とする、前記(15)に記載の金属導体パターン又は薄膜の形成方法。
(17)前記(1)〜(11)のいずれかに記載の、工程1及び工程2を経て形成されたゲル状アモルファス金属もしくは半金属化合物のパターン又は薄膜(G2)を更に、加熱、及び光照射の中から選択される1種又は2種の工程(工程3)を経ることを特徴とする、金属もしくは半金属酸化物パターン又は薄膜の形成方法(以下、第4の実施形態ということがある)。
(18)前記光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が1000〜3000Vの範囲であり、得られる金属酸化物が銅、亜鉛、スズ、及びニッケルの中から選択される1種又は2種以上の金属酸化物半導体であることを特徴とする、前記(17)に記載の金属酸化物パターン又は薄膜の形成方法。
(19)前記光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が300〜3000Vの範囲であり、得られる金属又は半金属酸化物がアルミニウム、ハフニウム、ゲルマニウム、及び珪素の中から選択される1種又は2種の酸化物絶縁体であることを特徴とする、前記(17)に記載の金属もしくは半金属酸化物パターン又は薄膜の形成方法。
本発明においては、還元剤、酸化剤等の添加剤の投入なしで電解反応によりゲル状アモルファス化合物(G1)が形成できるために、不純物の混入が避けられ、また、ゲル状アモルファス化合物(G1)形成直後にパターニングできるために安定化剤の添加を必要としない。本発明の電解反応では反応ポテンシャルの細かい制御が可能であり、連続して安定したゲルが得られるために連続パターニングに適している。結晶化が起こると低温加熱で酸化物構造は酸素拡散に決定されるが、ゲル状態では室温でも銅等の金属錯体は非常に早く拡散できることから、本発明により、比較的低温での加熱、光照射で焼成が容易に起こるようになり、連続して金属導体パターン又は薄膜、及び金属酸化物パターン又は薄膜等をそれぞれ容易に得ることが可能になる。
本発明のマイクロ電解槽(A)を模式的に示した断面斜視図である。 本発明のマイクロ電解槽(A)の製造方法の各工程を示した模式図である。 本発明のマイクロ柱状カソード電極(K)の製造方法の各工程を示した模式図である。 本発明のマイクロキャピラリー電解パターニング装置の模式断面図である。
以下に本発明の〔1〕ゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法(第1の実施形態)、〔2〕マイクロキャピラリー電解パターニング装置(第2の実施形態)、〔3〕金属導体パターン又は薄膜の形成方法(第3の実施形態)、及び〔4〕金属酸化物パターン又は薄膜の形成方法(第4の実施形態)について説明する。
〔1〕ゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態である「ゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法」は、
内面形状の高さ(h)と、水平方向断面形状の方形の一辺の長さ又は円形の直径(w)のアスペクト比(h/w)が1以上の中空柱状で、下部先端部に微細な開口部(H)を有していてその内面がアノード電極となる、1又は2以上のマイクロ電解槽(A)と、
該マイクロ電解槽(A)の中心に垂直方向にマイクロ柱状カソード電極(K)とが設置された、マイクロキャピラリー電解パターニング装置(M)を用いて、
少なくとも、金属元素及び/又は半金属元素のカルボン酸化合物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属カルボン酸化合物、並びにラクタム系化合物(L)が溶解された反応水溶液をマイクロ電解槽(A)内に供給して、上記アノード電極とカソード電極間を通電する電解反応により、前記金属元素及び/又は半金属元素に複数のカルボキシル基(置換基を有するものも含む)からなる配位子が配位して形成されたゲル状アモルファス化合物(G1)を生成させ(工程1)、次に、マイクロ電解槽(A)の先端の開口部(H)から上記ゲル状アモルファス化合物(G1)を吐出することにより、微細なゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜(G2)を形成する(工程2)、
ことを特徴とする。
〔1−1〕工程1
工程1は、少なくとも、金属元素及び/又は半金属元素のカルボン酸化合物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属カルボン酸化合物、及びラクタム系化合物(L)が溶解された反応水溶液をマイクロ電解槽(A)内に供給して、上記アノード電極とカソード電極間を通電する電解反応により、前記金属元素又は半金属元素に複数のカルボキシル基(置換基を有するものも含む)からなる配位子が配位して形成されたゲル状アモルファス化合物(G1)を生成させる工程である。
(1)金属元素又は半金属元素
前記金属元素は、銀、銅、亜鉛、スズ、ニッケル、ハフニウム、及びアルミニウムの中から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。また前記半金属元素は、珪素、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種であることが好ましい。
これらの金属等は、後述する、金属導電体、金属酸化物半導体、及び酸化物絶縁体の製造方法に使用可能な金属等の元素である。
(2)金属元素又は半金属元素のカルボン酸化合物
前記工程1における、金属元素及び/又は半金属元素のカルボン酸化合物は、上記金属元素及び/又は半金属元素のカルボン酸化合物であることが望ましい。これらのカルボン酸化合物は電解反応により、金属元素及び/又は半金属元素が錯体のオレーション(olation)が生成する際にカルボキシル基が配位子となりゲル状アモルファス化合物(G1)が形成される。尚、該カルボキシル基には、置換基(R)を有するカルボキシル基(R−CO−O−)が含まれ、該置換基(R)として、メチル基、カルボキシル基、エチル基、メチルカルボキシル基、−C(OH)−O−CH−C(OH)COOHがそれぞれ含まれる金属元素又は半金属元素のカルボン酸塩として、酢酸塩、シュウ酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、及び酒石酸塩から選択される1種又は2種以上であることが望ましい。
(3)アルカリ金属カルボン酸化合物、アルカリ土類金属カルボン酸化合物
反応水溶液に、アルカリ金属カルボン酸化合物、及びアルカリ土類金属カルボン酸化合物の中から選択される1種又は2種が溶解していることが好ましい。
反応溶液にアルカリ金属カルボン酸化合物及び/又はアルカリ土類金属カルボン酸化合物が溶解していると、アルカリ反応場の安定化、金属イオンの電解形成物がデンドライト状になるのを抑制する効果が期待できる。経済性、入手の容易性等の観点から、アルカリ金属カルボン酸化合物のアルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、及びカリウムを挙げることができ、アルカリ土類金属カルボン酸化合物のアルカリ土類金属としてはカルシウムを挙げることができる。反応水溶液中の前記カルボン酸化合物の濃度は、金属粒子の生成を抑制するために0.5mol/L程度以上が好ましく、2mol/L以下で電流効率の低下が抑制でき、経済性の問題を排除できるため、0.5〜2.0mol/L程度が好ましい範囲といえる。
(4)ラクタム系化合物(L)
反応溶液にラクタム系化合物(L)を存在させることにより、アルカリ反応場に介在して、析出物の結晶性低下を促進する効果が期待できる。
ラクタム系化合物は、一般的にカルボキシル基とアミノ基が脱水縮合して環を成している化合物の総称で、環の一部に−CO−NR−(Rは水素でもよい)結合を有しており、本発明で使用するラクタム系化合物(L)は、炭素原子数4〜12の五員環構造を有する、2−ピロリドン、アルキル−2−ピロリドン、及びヒドロキシアルキル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることが好ましい。反応水溶液中のラクタム系化合物(L)は、10g/Lの添加でも加速効果は発現するが、100g/L程度で顕著な効果が得られ、一方、ラクタム系化合物(L)の濃度が200g/L以下で、電解液粘度の向上に起因する、電解時のマイクロキャピラリー先端の閉塞を防止できること等から、50g/L〜200g/L程度が好ましい範囲と考えられる。
前記アルキル−2−ピロリドンは、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−n−プロピル−2−ピロリドン、N−n−ブチル−2−ピロリドン、N−iso−ブチル−2−ピロリドン、N−n−オクチル−2−ピロリドン、3−メチル−2−ピロリドン、4−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−3−メチル−2−ピロリドン、及びN−メチル−4−メチル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
また、前記ヒドロキシアルキル−2−ピロリドンは、N−(ヒドロキシメチル)−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、及びN−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
(5)反応水溶液
前記工程1における、反応水溶液のpHが4.0〜11.0であることが好ましく、また、ゲル状アモルファス化合物中の金属(又は半金属)とカルボキシル基からなる配位子で形成される錯体の全生成定数が1〜10であることが好ましい。
電解法でアモルファス化合物を形成させるためには、過電圧が大きく、電極近傍のpH上昇に伴う適正なアルカリ反応場が必要となる。上記pH範囲の下限未満であるとpH上昇が不足しゲル生成効率が低下するだけでなく、電極から脱離したゲルが酸性バルク溶液中へ溶解するおそれがあり、一方、上記pH範囲の上限を超えると、金属塩を電解浴として安定化させるための錯体を形成させる必要があるが、電極反応場で配位子が解離しづらくなるので前駆物質であるゲル形成が阻害され生成効率が低下し、場合によってはめっき膜を形成するおそれがある。また、ゲル形成が阻害されない配位子の解離性の点から、金属イオンと配位子で形成される錯体の全生成定数が1〜10であることが望ましい。配位子の数が複数の場合、反応溶液中に存在する金属イオン全量に配位するのに充分な濃度の配位子の中から、最も強いものが全生成定数の対象とされる。
尚、錯体の全生成定数は、(i)化学便覧第四版、礎編II、(ii)J. Mass Spectrom. Soc. Jpn. Vol.60,No.2,P25, 2012、(iii)基礎教育、分析化学(東京教学社発行)等に示されている。
前記工程1における、反応水溶液中に水以外のアルコール、ポリオール等の親水性化合物を本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。
(6)アノードとカソード間を通電する電解反応
上記電解法によるゲル状アモルファス化合物の製造方法を以下に例示する。尚、本発明は下記の例示に限定されるものではない。
反応溶液中のマイクロ柱状カソード電極(K)(陰極)の材料としては、ニッケル、白金、銅、ステンレス等のナノ構造電極を挙げることができ、アノード(陽極)となるマイクロ電解槽(A)の内表面材料としては、白金、銅、チタン、ステンレス、亜鉛、スズ、ニッケル、イリジウム等を挙げることができる。
マイクロ電解槽内に上記反応水溶液を供給して、作用電極であるカソード及び補助電極であるアノード間に電圧を印加する電解反応により、金属イオンに由来するゲル状アモルファス化合物をカソード表面へ析出することができる。また、アノードの材質を目的の金属種とすることで、アノード付近からもアモルファス化合物ゲルを析出することが可能となる。また、反応溶液中に半導体特性を制御するためのドーパントの元素を含む水溶性塩などを添加しておくことで、アモルファス化合物ゲル中にドーパント元素を導入することも可能である。
電解条件としては、電流密度は好ましくは0.01〜200A/dm、より好ましくは3〜100A/dm程度であり、直流のほかパルス電流とすることもできる。反応溶液の温度は、0〜50℃が好ましく、5〜25℃がより好ましい。温度は、高温になるほど生成反応速度は速くなり、低温になるほど生成するアモルファス化合物ゲルの結晶化度が低下し、経時安定性も向上する傾向がある。電解時間は、1〜60分が好ましく、3〜40分がより好ましいが、該電解反応を連続的に行うことも可能である。
(7)ゲル状アモルファス化合物(G1)
前記工程1における、ゲル状アモルファス化合物(G1)中のアモルファス化合物の結晶化度が5%以下であることが好ましい。前記カルボキシル基の配位子と錯体形成させることで、活性ラジカル種の発生量や構造変化後の結晶性の制御が可能、すなわち、配位子中の分子と、金属元素または半金属元素との間で多分子結合による立体構造化(オレーション)の制御が可能となる。結晶化度が5%以下のアモルファス化合物から導体である金属、または半導体及び絶縁体を構成する酸化物へそれぞれ変換させる際の選択性が高い。
このアモルファス化合物中のカルボキシル基と、金属元素または半金属元素との結合は加熱処理や光照射で容易に切断され、その際、2次元構造であるアモルファスゲル中では原子拡散が金属結晶中よりも容易に起こるため、結晶構造をとっている場合よりも構造変化が起こりやすい。拡散する原子が金属元素の場合、金属微粒子の焼結反応よりも低いエネルギーで導体形成が可能となる。また、加熱処理や光照射のエネルギー条件を調整することで、特有の構造をもつ金属結晶体や酸化物結晶体の形成も可能となる。
〔1−2〕工程2
工程2は、マイクロ電解槽(A)の先端の開口部(H)から上記ゲル状アモルファス化合物(G1)を基材上に吐出することにより、ゲル状アモルファス化合物の微細なパターン又は薄膜(G2)を形成する工程である。
本発明において、工程1で形成されたゲル状アモルファス化合物(G1)を回収して有機溶媒に再分散することなく、そのまま、マイクロ電解槽(A)から基材上に吐出してパターン又は薄膜の形成を行うことができるので、工程が簡略化できると共にプロセスの連続化を可能にできる。
工程2における、マイクロ電解槽(A)の先端の開口部(H)からのゲル状アモルファス化合物(G1)の吐出は、周期的振動を付加できる装置によりマイクロ柱状カソード電極(K)に周期的振動を与えて行うことが好ましい。マイクロ電解槽(A)の先端の開口部(H)の面積は、が7.8×10−7〜7.8×10−3mm程度になるように開口されているため、毛細管現象により自然には滴下しないので、マイクロ柱状カソード電極(K)に周期的振動を付加できる装置を設けることにより、ゲル状アモルファス化合物(G1)の吐出を行うことが望ましい。このような周期的振動を付加できる装置として、後述するように圧電素子(又はピエゾ素子)を使用することができる。
このようなゲル状アモルファス化合物(G1)の吐出により、微細なパターン又は薄膜の形成が可能になる。
〔2〕マイクロキャピラリー電解パターニング装置(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態である「マイクロキャピラリー電解パターニング装置」は、
内面形状の高さ(h)と、水平方向断面形状の方形の一辺の長さ又は円形の直径(w)のアスペクト比(h/w)が1以上の中空柱状で、下部先端部に微細な開口部(H)を有していてその内面がアノード電極となる、1又は2以上のマイクロ電解槽(A)と、
該マイクロ電解槽(A)の中心に垂直方向にマイクロ柱状カソード電極(K)とが設置された、
マイクロキャピラリー電解パターニング装置(M)であって、
マイクロ電解槽(A)の先端部に設けられた、開口部(H)の面積が7.8×10−7〜7.8×10−3mmであり、
マイクロ柱状カソード電極(K)に周期的振動を付加できる装置が設けられていることを特徴とする。
(1)マイクロキャピラリー電解パターニング装置の構造
マイクロキャピラリー電解パターニング装置(M)は、図4の模式断面図に例示する通り、少なくとも、マイクロ電解槽(A)、及びマイクロ柱状カソード電極(K)から形成される。図4の例示においてはマイクロ電解槽(A)上に反応水溶液中間貯槽(R)が設けられていて、マイクロ電解槽(A)は反応水溶液中間貯槽(R)の底部より、下方垂直方向に突出して形成された構造になっている。
図1は、マイクロ電解槽(A)の部分断面斜視図である。図1において、複数のマイクロ電解槽(A)は、サポート2と、当該サポート2を挿通してアレイ状に整列して立設形成されている。サポート2は、例えば上面及び下面の結晶方位が(100)、厚さTが数μm〜数百μmのSi板から形成でき、アレイ状に複数個の貫通孔4が設けられている。
各マイクロ電解槽(A)は、例えばSiO製の中空柱状容器であり、その内面厚さ(t)は数百nm〜数十μm、水平方向断面形状は略正方形、その正方形の一辺の長さ(w)は数μm〜数百μmとすることができる。また、マイクロ電解槽(A)3の内面高さ(h)は、上述した長さ(w)と同様に数μm〜数百μmのオーダであるが、当該長さ(w)より大きく、マイクロ電解槽(A)のアスペクト比は高くする。各マイクロ電解槽(A)3は略同一の形状を有しており、その底部5は下向きのやや丸みを帯びた略逆ピラミッド状であり、当該底部5の周縁部から基板2の貫通孔4を挿通して上方に側部6が延び、上方に開口している。マイクロ電解槽(A2)の先端部に設けられた、開口部(H)22の断面積(a)は、水の毛細管現象により、還元反応で生成したゲル状アモルファス化合物(G1)が自然流出しない程度の開口部断面積である、7.8×10−7〜7.8×10−3mmである。また、その開口部の形状は特に限定されるものではないが、例えば長径(d)として1〜10μm程度が好ましい。
尚、マイクロ電解槽(A)の外形形状は、四角柱、円柱形状等に限定されないで、多角柱状のものも使用できる。多角柱状の場合の上記辺の長さ(w)は、円形の直径に対応させて最も長い対角線の長さを長さ(w)とする。
(2)マイクロキャピラリー電解パターニング装置の製造例
第2の実施形態である、マイクロキャピラリー電解パターニング装置の製造例を、図2、3を用いて説明するが、本発明の第2の実施形態は、下記の製造例に限定されるものではない。
(2−1)マイクロ電解槽(A)の形成
マイクロ電解槽(A)は、例えば図2に示す、下記(a)〜(h)の工程により製造することができる。
(a)先ず、上面及び下面の結晶方位が(100)のSiウェハ7をサポート2の構成部材とし、当該ウェハ7の上面8a及び下面8bにマスク層として約140nmのSi層9をLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition;低圧化学気相蒸着)法により形成する。
その後、ホトリソグラフィー法及びRIE(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング)法により、Siウェハ7の上面8aの、マイクロ電解槽3形成部分10のSi層9をエッチングし、アレイ状に整列した約10μm間隔の正方形の穴をパターン形成し、マイクロ電解槽3が形成される部分10のSiウェハ7を露出させる(図2(a)参照)。
(b)次に、このSiウェハ7をKOH濃度が約20wt%の90℃の水溶液に浸漬して異方性エッチングを行う。この異方性エッチングとは、シリコン単結晶は結晶方位により溶解速度が異なり、(100)面の溶解速度が速く、(111)面の溶解速度が遅いという特性を利用したものであり、Siウェハ7が露出したSiウェハの露出部10に逆ピラミッド型の微小な凹構造11が形成される。なお、当該凹構造11形成後、下面8bのSi層9は除去する(図2(b)参照)。
(c)次いで、当該微小凹構造11が形成されたSiウェハ7に、以下に述べる(i)〜(iii)の一連の陽極酸化処理を施す(図2(c)参照)。なお、当該処理の条件は下記の通りである。
HF濃度 :1.25wt%
エタノール濃度:8.15wt%
電流密度 :0.1〜10mA/cm
温 度 :25℃
陰 極 :Pt
(i)Siウェハ7の下面に導通用のAu/Cr層12を蒸着し、マイクロパターンニングにより、エッチピット16の対峙位置に照射光窓13を形成する。このようにパターンニングすることによってSiウェハ7の特定の位置に対してのみ励起光を照射することができ、サイドエッチングを抑制して精度の高い穿孔加工を行うことができる。
(ii)Siウェハ7と、陰極としてのPt電極(図示せず)とを、HF(フッ酸水溶液)が1.25wt%、エタノールが8.15wt%のフッ酸水溶液14の入った反応槽に浸漬する。
(iii)Siウェハ7の下面からハロゲンランプにより可視励起光を照射する。すると、照射光窓13を通してSiウェハ7が光励起されて正孔15が生じ、エッチピット16近傍に発生した正孔15が集中する。そして、Fと正孔とが反応し、エッチピット16先端から略垂直下方にSiウェハ7が穿孔されていき、高アスペクト比の孔17が形成される。なお、導通用のAu/Cr層12は孔17の形成後に除去する
(d)陽極酸化処理の後、孔17が形成されたSiウェハ7に対して1100℃で約3時間の熱酸化を行い、孔17の内部及びSiウェハ7の下面8bに約1μmの厚さのSiO層18を形成する(図2(d)参照)。
(e)Siウェハ7上面のSi層9、及び下面のSiO層18を、精密研磨処理によって除去する(図2(e)参照)。なお、この場合これらの層の除去は、精密研磨処理に限定されず、化学的溶剤を使った除去であってもよい。
(f)Siに対する選択性の高いTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)25wt%溶液を使用して、0.4μm/minのエッチング速度でアルカリエッチングを行い、Siウェハ7を所望の厚さTまでエッチングする。このとき、SiO層18はTMAH溶液によってエッチングされないため、孔の内部のSiO層18が残り、上部及び底部5が基板2から突き出した形の複数の容器3が形成される(図2(f))。
(g)次の工程として、マイクロ電解槽(A)3の先端部分をドライエッチング又はウエットエッチング手段で貫通孔を設けることにより、キャピラリー化できる。実施したエッチングはマイクロ電解槽(A)3の先端をHFとNHF水溶液により行って、開口部(H)22を設ける。
(h)更に、マイクロ電解槽(A)3の先端と外周にPtスパッタリングを施すことによって、電解アノードを形成する。
以上がマイクロ電解槽(A)3の形成プロセスの例である。
上記の製造例で形成されたマイクロ電解槽(A)は、サポート2と、当該サポート2を挿通して当該サポート2に対して垂直に立設形成されるため、マイクロ空間での化学反応の検証に好適なミクロンオーダのマイクロキャピラリー電解パターニング装置(M)1を提供することができる。また、マイクロキャピラリー電解パターニング装置(M)1のマイクロ電解槽(A)3は、サポート2に挿通されて固定保持されている部分以外がサポート2から突き出して立設し、各マイクロ電解槽(A)の開口部3aが互いに分離しているため、それぞれ独立した制御を行うことが可能である。
上記マイクロ電解槽(A)3は、SiO、即ちシリコン酸化物で形成されているので透明であり、光学的観察、蛍光分析、分光分析等が可能で、更にレーザ等を利用することもできる。またSiOは高い親水性を有するため、毛細管現象によりマイクロ電解槽(A)3内部を容易に液体で充填することができる。更にSiOは絶縁性が高いため、抵抗加熱式ヒータを接触させて用いることができる。サポート2がn型シリコン基板であり、その上面及び下面の結晶方位を(100)面としていると、ステップ(b)のエッチングにおいて、アルカリエッチによる異方性エッチングによって、逆ピラミッド状の孔を形成することができる。このピラミッド状の孔の先端が、次のステップ(c)における陽極化成処理のエッチピットとなり、陽極化成処理において孔を垂直下方に延ばすことが容易に可能となり、アスペクト比の高い容器を提供することができる。また、本実施形態のマイクロキャピラリー電解槽1は、ステップ(a)において、開口部分10が方形のアレイ状に整列されているため、断面方形のアレイ状に整列した容器3を提供することができる。従って、大面積領域に対応できる高集積のマイクロキャピラリー電解槽1アレイを一括して形成可能である。更に、陽極酸化処理という電気化学プロセスを用いて孔を形成するため、RIE(reactive ion etching;反応性イオンエッチング)などのドライプロセスと比較して、高コストパフォーマンスでかつ高い生産性で孔を形成することができる。
(2−2)マイクロ柱状カソード電極(K)の形成
マイクロ柱状カソード電極(K)は、前記マイクロ電解槽(A)の製造プロセスと類似のプロセスで製造可能であり、マイクロ柱状カソード電極(K)の形成プロセスを図3を用いて以下に説明する。
(a)上記マイクロ電解槽(A)の製造の場合と同様に、ウェハ7へのLPCVD(低圧化学気相蒸着)によるSi9のコーティングを行う(工程(a)参照))。
(b)RIE(反応性イオンエッチング)法によるSiの上面側にパターニング箇所3を形成する(工程(b)参照)。
(c)上記マイクロ電解槽(A)の製造の場合と同様に、上面側から異方アルカリエッチング箇所32を形成する(工程(c)参照)。
(d)RIEによる下面側のSiのエッチング除去を行う(工程(d)参照)。
(e)下面側へのAu/Cr膜のパターン蒸着33を行う(工程(e)参照)。
(f)上面側からのシリコンの電気化学エッチング箇所34を形成する(工程(f)参照)。
(g)上面側からのニッケル電気めっきを行い、マイクロ柱状カソード電極25を形成する(工程(g)参照)。
上記工程により、シリコンの部分的アルカリエッチングによニッケルカソードアレイを形成後、ニッケルカソードアレイのエッチングによる分離を行う。
上記工程(a)から(g)により、マイクロ柱状カソード電極(K)を形成できる。
(3)マイクロキャピラリー電解パターニング装置(M)
本発明のマイクロキャピラリー電解パターニング装置(M)1は、上記製造例に示した、マイクロ電解槽(A)3とマイクロ柱状カソード電極(K)25を図4に示すように配置することにより電解槽構造ができる。
尚、マイクロ電解槽(A)3に反応水溶液38を供給するために、図4に示すようなマイクロ電解槽(A)3が、シール蓋7を有する反応水溶液中間貯槽(R)21の底部より、下方垂直方向に突出して形成された構造とすることが望ましい。この場合、反応水溶液中間貯槽(R)への反応水溶液への供給は、反応水溶液導入口27より供給することができる。
また、マイクロ柱状カソード電極(K)25へはカソード電極導電帯部26に給電線配線(図示せず)して給電し、アノード電極(K)23へはアノード電極面24に給電線配線(図示せず)して給電することができる。マイクロ柱状カソード電極(K)への周期的振動の付加は、カソード電極導電帯部26に接するように圧電素子(又はピエゾ素子)を配置することにより、マイクロ柱状カソード電極(K)に周期的振動を付加できる。
〔3〕金属導体パターン又は薄膜の形成方法(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態である「金属導体パターン又は薄膜の形成方法」は、上記第1の態様に記載した、工程1及び工程2を経て形成されたゲル状アモルファス金属化合物のパターン又は薄膜(G2)を更に、加熱、及び光照射の中から選択される1種又は2種の工程(工程3)を経ることを特徴とする。
(1)基材上へのゲル状アモルファス化合物の吐出
本発明のゲル状アモルファス化合物を吐出し、金属導体を形成させるための基材としては、加熱や光照射によってエネルギーが付加される各工程における温度範囲において形状を維持しうるものであれば、特に制限はない。例えば、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)などのセラミックスや各種ガラス等の無機材料、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミドなどのプラスチック類)等の高分子材料などで形成された板状物、シート状物、フィルム状物等を用いることができる。
(2)予備乾燥
基材上のゲル状アモルファス化合物は吐出後、通常の方法で乾燥を行ってよい。例えば、熱処理炉やホットプレート等を用いて、0.5〜10分加熱して40〜80質量%程度まで乾燥することができる。また、乾燥は大気雰囲気中、又は窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気で行うことが望ましい。
(3)加熱、及び光照射
本発明においては、このようにして基材上に設けられたアモルファス化合物ゲルを、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、加熱処理、光照射、及び加熱処理しながら光照射等の方法で焼成処理して、金属導体を形成する。
加熱処理の方法について、特に制限はなく、例えば熱処理炉やホットプレート等を用いることができる。焼成時の雰囲気と昇温速度を制御するために、雰囲気置換型の熱処理炉を使うことが望ましい。
光照射の方法について、光(電磁波)を発生させる手段に特に制限はなく、例えば、キセノンランプ、水銀灯、連続レーザー発振器やパルスレーザー発振器等の光源を用いることができる。これらのうち、形成される金属導体の特性を光照射条件によって制御するという観点から、紫外線から赤外線まで連続した広いスペクトル分布をもっており、放電発光電圧の変化に対して分光分布も一定で、本発明のゲル状アモルファス化合物との反応性が良好なキセノンランプを用いることが好ましい。
さらに、加熱処理しながら光照射する方法で焼成を行ってもよい。
前記工程3における、光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が500〜5000Vの範囲であり、得られる金属導体が銀、及び銅の中から選択される1種又は2種であることが好ましい。
〔4〕金属もしくは半金属酸化物パターン又は薄膜の形成方法(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態である「金属もしくは半金属酸化物パターン又は薄膜の形成方法」は、
上記第1の態様に記載した、工程1及び工程2を経て形成されたゲル状アモルファス金属もしくは半金属化合物のパターン又は薄膜(G2)を更に、加熱、及び光照射の中から選択される1種又は2種の工程(工程3)を経ることを特徴とする。
(1)金属酸化物半導体パターン又は薄膜の形成方法
(1−1)金属酸化物半導体の金属が銅、亜鉛、スズ、及びニッケルの場合
「金属酸化物半導体パターン又は薄膜の形成方法」は、上記第1の態様に記載した、工程1及び工程2を経て形成されたゲル状アモルファス金属もしくは半金属化合物のパターン又は薄膜(G2)を更に、加熱、及び光照射の中から選択される1種又は2種の工程(工程3)を経る際の光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が1000〜3000Vの範囲であり、得られる金属酸化物が銅、亜鉛、スズ、及びニッケルの中から選択される1種又は2種以上の金属酸化物半導体であることが望ましい。
(イ)前記ゲル状アモルファス化合物を用いて、酸化物半導体膜を高い効率で、低コスト、低エネルギーで作製することができる。例えば、銅、亜鉛、スズ、及びニッケルのアモルファス化合物ゲルから亜酸化銅、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化スズの酸化物半導体がそれぞれ形成される。尚、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。
(ロ)光源がキセノンランプで、放電発光電圧が1000〜3000Vの範囲で光照射
酸化物半導体の製造において、光源にキセノンランプを用いた光照射を用いることが特に好ましく、亜酸化銅、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化スズの酸化物半導体を形成するための光照射条件としてキセノンランプの放電発光電圧1000〜3000Vの範囲とすることが好ましい。
(ハ)酸化物半導体の製造方法の例示
前記アモルファス化合物ゲルを用いた酸化物半導体の製造方法を以下に例示する。尚、本発明は下記の例示に限定されるものではない。
まず、基材上にゲル状アモルファス化合物を吐出した後、ホットプレート等を用いて、40〜80質量%程度まで乾燥する。その後、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、光照射または加熱処理しながら光照射等の方法で焼成処理を行う。
(i)光照射による焼成
キセノンランプの光照射条件を調整することで、照射条件に特有の酸化物半導体が得られる。焼成状態は、キセノンランプの発光条件や繰り返し数などによる状態が変化するために、一義的に規定することはできないが、キセノンランプの放電発光電圧1000〜3000Vの範囲で、パルス幅500〜5000μsecとすることが好ましい。放電発光電圧が1000V未満であると酸化物半導体の膜形成に必要なエネルギーが不足し、3000Vを超えるとゲルの結晶化反応が不安定化し、均一な構造が得られないおそれがある。また、キセノンランプと基材の距離は5〜100mmの距離とすることが好ましい。
(ii)光照射と加熱処理による焼成
加熱処理しながら光照射する方法においても、上記の光照射条件の範囲において焼成可能で、乾燥後、好ましい加熱条件は金属微粒子の種類にもよるが150〜250℃程度で加熱することが好ましい。
(1−2)金属酸化物半導体の金属が珪素、及びゲルマニウムの場合
「金属酸化物半導体パターン又は薄膜の形成方法」は、上記第1の態様に記載した、工程1及び工程2を経て形成されたゲル状アモルファス金属もしくは半金属化合物のパターン又は薄膜(G2)を更に、加熱、及び光照射の中から選択される1種又は2種の工程(工程3)を経る際の光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が500〜2000Vの範囲であり、得られる金属酸化物が珪素、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種以上の金属酸化物半導体であることが望ましい。
放電発光電圧が500〜2000Vであること以外は、上記(1−1)に記載した金属酸化物半導体パターン又は薄膜の形成方法と同様である。
(2)酸化物絶縁体パターン又は薄膜の形成方法
「酸化物絶縁体パターン又は薄膜の形成方法」は、上記第1の態様に記載した、工程1及び工程2を経て形成されたゲル状アモルファス金属もしくは半金属化合物のパターン又は薄膜(G2)を更に、加熱、及び光照射の中から選択される1種又は2種の工程(工程3)を経る際の光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が300〜3000Vの範囲であり、得られる金属又は半金属酸化物がアルミニウム、及び珪素の中から選択される1種又は2種の酸化物絶縁体であることが望ましい。
(イ)酸化物結晶体がアルミニウム、珪素等の中から選択される酸化物絶縁体
ゲル状アモルファス化合物を用いた酸化物絶縁体の製造方法において、酸化物絶縁体膜を高い効率で、低コスト、低エネルギーで作製することができる。例えば、アルミニウム、ハフニウム、ゲルマニウム、及び珪素のアモルファス化合物ゲルからそれぞれの酸化物絶縁体が形成される。尚、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。
(ロ)光源がキセノンランプで、放電発光電圧が300〜3000Vの範囲での光照射
本発明の酸化物絶縁体の製造において、光源にキセノンランプを用いた光照射を用いることが特に好ましく、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ゲルマニウム、二酸化珪素の酸化物絶縁体をそれぞれ形成するための光照射条件としてキセノンランプの放電発光電圧300〜3000Vの範囲とすることが好ましい。
(ハ)酸化物絶縁体の製造方法の例示
ゲル状アモルファス化合物を用いた酸化物絶縁体の製造方法を以下に例示する。尚、本発明は下記の例示に限定されるものではない。
まず、アルミニウム、及び珪素等のゲル状アモルファス化合物を基材上に吐出した後、ホットプレート等を用いて、40〜80質量%程度まで乾燥する。その後、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、光照射または加熱処理しながら光照射等の方法で焼成処理を行う。
(i)光照射による焼成
本発明においては、キセノンランプの光照射条件を調整することで、照射条件に特有の酸化物絶縁体が得られる。キセノンランプの放電発光電圧300〜3000Vの範囲で、パルス幅500〜5000μsecとすることが好ましい。放電発光電圧が300V未満であると酸化物絶縁体の膜形成に必要なエネルギーが不足し、3000Vを超えるとゲルの結晶化反応が不安定化し、均一な構造が得られない恐れがある。また、キセノンランプと基材の距離は5〜100mmの距離とすることが好ましい。
(ii)光照射と加熱処理による焼成
加熱処理しながら光照射する方法においても、上記の光照射条件の範囲において焼成可能で、加熱条件については150〜250℃程度と低い温度以下の温度範囲で加熱することが好ましい。
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に本実施例、比較例における評価方法を記載する。
(1)マイクロキャピラリー電解パターニング装置
図4に示すマイクロキャピラリー電解パターニング装置を用いた。
(イ)マイクロ電解槽
(i)材質
マイクロ電解槽本体:SiO、マイクロ電解槽内面のアノード電極:ニッケル
マイクロ柱状カソード電極:ニッケル
サポート:Si
(ii)形状
水平方向の断面形状が正方形であるマイクロ電解槽の内面の高さ:150μm、1辺の長さ:5μm
SiO層の厚み:1μm
アレイ間隔:20μm、先端開口部:3.5μmφの貫通孔
(ロ)オシュレーション(揺動)装置
オシュレーション(揺動)装置として、100Vで10μmの変位量が得られる圧電素子((株)ナノコントロール製)をカソード支持体の中央部の上面に取り付け、ドライバー電源を用いて1Hzで動作させた。
(2)評価方法
(イ)生成物の観察方法
走査型電子顕微鏡(SEM)を使用した観察により、生成したアモルファス化合物ゲル、及び該生成したアモルファス化合物を加熱処理又は光照射して得られたアモルファス化合物ゲルの構造変化を確認した。
(ロ)生成物の同定と、生成物の結晶構造分析
X線回折測定装置((株)リガク製、型式:Geigerflex RAD-A)を用い、X線源をCuKαとして、結晶を構成する原子を同定、生成物の結晶性の分析をX線回折(X-ray diffraction,XRD)により行った。
尚、下記計算式(1)で示される結晶化度が5%以下のものを、実質的にアモルファス化合物とした。
結晶化度(%)=〔Ic/(Ic+Ia)〕×100 ・・・(1)
(上記Icは結晶性散乱積分強度、Iaは非晶性散乱積分強度を示す。)
(ハ)生成物の分子構造の同定方法
顕微ラマン分光装置((株)東京インスツルメンツ製、型式:Nanofinder@30)とフーリエ変換赤外分光光度計(日本分光(株)製、型式:FT/IR−4100)を用いて、生成物中の金属元素または半金属元素の化合物種を同定した。なお、顕微ラマン分光装置では必要に応じて、局在表面プラズモン共鳴によってラマン散乱強度を高めることが可能なナノサイズの凹凸構造体(Ag、Au、又はCu)に試料を塗布して解析した。
(ニ)エネルギー分散型X線元素分析
加速電圧300kVの走査透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JEM 3100FEF)付属のエネルギー分散型X線元素分析(Energy Dispersive X-ray spectroscopy、EDX)装置を使用して、元素の同定を行った。
(ホ)比抵抗値の測定
四端子法(使用測定機:ケースレー(Keithley)社製、デジタルマルチメータDMM2000型(四端子電気抵抗測定モード))を用いて、ラインパターンの抵抗値の測定を行った。
(ヘ)半導体の移動度とキャリア密度の測定
得られた金属酸化物半導体について、(株)東陽テクニカ製 ResiTest 8300を用いて、室温にてホール効果の測定を行い、移動度とキャリア密度を算出した。
[実施例1]
実施例1において、金属として銅を用い、工程1にてゲル状アモルファス銅化合物を生成させ、工程2にて該ゲル状アモルファス銅化合物のラインパターンと薄膜を形成し、工程3にて該パターンと薄膜について加熱と、光照射をそれぞれ行って、焼結体を形成し、評価を行った。
(1)工程1
銅イオンとして酢酸銅(II)の1水和物((CHCOO)Cu・1HO)200g、アルカリ金属イオンとして酢酸ナトリウムの3水和物(CHCOONa・3HO)137g、アルカリ土類金属イオンとして酢酸カルシウムの1水和物((CHCOO)Ca・HO)90g、及びラクタム系化合物としてN−ビニル−2−ピロリドン(炭素原子数:6)800gを使用して、反応水溶液10L(リットル)を調製した。該反応水溶液のpHは約6.4であった。
浴温5℃で、電流密度30A/dmで3分間通電して、カソード先端部近傍にゲル状物質を生成させた。尚、下記パターニングの際も連続して通電した。
(2)工程2
カソード支持体の中央部に取り付けた、上記オシュレーション(揺動)装置により、100Vで10μmの変位量が得られる圧電素子にドライバー電源により1Hzで動作させた。また、基板としてガラス基板(サイズ:100mm×100mm)を用い、該板をステッピングモータ駆動で移動させることによりパターン化速度100μm/sとした。工程1で調製したゲル状物質をマイクロ電解槽の先端から吐出して、幅3μm、厚さ1μm、長さ100mmの水和物ゲルラインのパターンを形成した。
また、別のガラス基板上の同じ位置に5分間、ゲルを吐出した後、スピンコートで薄膜状とし、真空中で乾燥薄膜(10mm×10mm)とした。
形成した乾燥薄膜をX線回折(XRD)による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークは殆ど確認されなかったのでアモルファス状態にあると判断された。また、エネルギー分散型X線元素分析(EDX)装置を用いて、該乾燥薄膜を分析したところ、Cu、C、及びOが確認され、また、顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として水酸化銅(Cu(OH))に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物は水酸化銅を主成分とする銅系アモルファス化合物ゲルであると判断された。
フーリエ変換型赤外分光(FT−IR)では、酢酸に由来するカルボキシル基の帰属ピークが確認された。以上の結果から、得られた乾燥薄膜は、Cu(OH)(CHCOO)(HO)(x、yは整数)に近い構造であると考えられた。
(3)工程3
工程2で得られた、ラインパターンと、乾燥薄膜をそれぞれ更に乾燥後に、加熱、光照射を行い、金属導体、金属酸化物半導体を形成した。
(3−1)加熱による金属導体、金属酸化物半導体の形成
(イ)加熱による金属導体の形成
前記乾燥ラインパターンと、乾燥薄膜をそれぞれ窒素ガス雰囲気中、150℃で20分間乾燥後、250℃で5分間加熱、焼成した。前記乾燥薄膜から得られた焼結体をX線回折(XRD)による分析を行ったところ、銅(Cu)であることが確認された。また、前記ラインパターンから得られた金属導体の比抵抗値は、8.5(μΩcm)であったことから得られた焼結体は銅導体であることが確認された。
(ロ)加熱による金属酸化物半導体の形成
前記ラインパターンと、乾燥薄膜をそれぞれ大気圧雰囲気中、150℃で20分間乾燥後、250℃で5分間加熱、焼成した。前記乾燥薄膜から得られた焼結体をX線回折(XRD)による分析を行ったところ、銅酸化物(CuO)であることが確認された。前記ラインパターンから得られた焼結体の比抵抗値は、5×10−15(μΩcm)であった。
また、該焼結体膜のホール効果の測定では、移動度は15(cm/V・s)、キャリア密度は8.6×10−14(cm−3)であったことから、銅酸化物半導体であることが確認された。
(3−2)光照射による金属導体、金属酸化物半導体の形成
(イ)光照射による金属導体の形成
前記乾燥ラインパターンと、乾燥薄膜を150℃で20分間乾燥後、キセノンランプ3kVで300ms照射を行った。
前記乾燥薄膜から得られた焼成体をX線回折(XRD)による分析を行ったところ、銅(Cu)であることが確認された。また、前記乾燥ラインパターンから得られた焼結体の比抵抗値は、2.1μΩcmであったことから、得られた焼結体は銅導体であることが確認された。
(ロ)光照射による金属酸化物半導体の形成
前記乾燥パターンと、乾燥薄膜を150℃で20分間乾燥後、キセノンランプ1kVで300ms照射を行った。
前記乾燥薄膜から得られた焼成体をX線回折(XRD)による分析を行ったところ銅酸化物(CuO)であり、前記乾燥ラインパターンから得られた焼結体の比抵抗値は、5×10―1(Ωcm)であった。また、前記乾燥膜から得られた焼結体のホール効果の測定では、移動度は10(cm/V・s)、キャリア密度は5.2×1014(cm−3)であったことから、銅酸化物半導体であることが確認された。
また、前記前記乾燥薄膜、及び前記乾燥薄膜から得られた焼結体をそれぞれ走査型電子顕微鏡で観察すると、連続した膜構造となっていることが確認された。
[実施例2]
実施例2において、金属として亜鉛を用い、工程1にてゲル状アモルファス亜鉛化合物を生成させ、工程2にて該ゲル状アモルファス亜鉛化合物のラインパターンと薄膜を形成し、工程3にて該ラインパターンと薄膜について加熱と、光照射をそれぞれ行って、焼結体を形成し、評価を行った。
(1)工程1
亜鉛イオンとして酢酸亜鉛の2水和物((CHCOO)Zn・2HO)220g、有機添加剤としてN−ビニル−2−ピロリドン(炭素原子数:6)600g、及びアルカリ金属イオンとして酢酸ナトリウムの3水和物(CHCOONa・3HO)68.7gを使用して、反応水溶液10L(リットル)を調製した。該反応水溶液のpHは約5であった。
浴温15℃で、電流密度30A/dmで3分間通電して、カソード先端部近傍にゲル状物質を生成させた。尚、下記パターニングの際も連続して通電した。
(2)工程2
カソード支持体の中央部に取り付けた、上記オシュレーション(揺動)装置により、100Vで10μmの変位量が得られる圧電素子にドライバー電源により1Hzで動作させた。また、基板としてガラス基板(サイズ:100mm×100mm)を用い、該板をステッピングモータ駆動で移動させることによりパターン化速度100μm/sとした。工程1で調製したゲル状物質をマイクロ電解槽の先端から吐出して、幅3μm、厚さ1μm、長さ100mmの水和物ゲルラインのパターンを形成した。
また、別のガラス基板上の同じ位置に5分間、ゲルを吐出した後、スピンコートで薄膜状とし、真空中で乾燥薄膜(10mm×10mm)を形成した。
形成した乾燥薄膜をX線回折(XRD)による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が0%であったのでアモルファス状態にあると判断された。
また、顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として水酸化亜鉛(Zn(OH))に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物は水酸化亜鉛を主成分とする亜鉛系アモルファス化合物ゲルであると判断された。また、水酸化物イオンが吸着した亜鉛の水和物(Zn‐(OH)‐(HO))と、N−ビニル−2−ピロリドンに由来するピロリドン基(CNO)に帰属するピークも副成分として検出された。さらに、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による解析も行ったところ、酢酸に由来するカルボキシル基の帰属ピークが得られた。
これらの解析結果から、Zn(OH)(CHCOO)(HO)(X,Yはそれぞれ整数である。)に近い分子構造の水和物も副生成物として形成されており、N−ビニル−2−ピロリドンは、ゲル中に分散した形で存在しているものと判断された。
(3)工程3
工程2で得られた、ラインパターンと乾燥薄膜を更に乾燥後に、加熱、光照射を行い、金属酸化物半導体をそれぞれ形成した。
(3−1)加熱による金属酸化物半導体の形成
前記ラインパターンと乾燥薄膜を大気圧雰囲気中、150℃で20分間乾燥後、250℃で5分間加熱、焼成した。乾燥薄膜から得られた焼結体についてX線回折(XRD)による分析を行ったところ、亜鉛酸化物(ZnO)であることが確認された。前記ラインパターンから得られた焼結体の比抵抗値は、5×10−1(Ωcm)であった。
また、前記乾燥薄膜から得られた焼結体のホール効果の測定では、移動度は17(cm/V・s)、キャリア密度は8.6×1019(cm−3)であったことから、銅酸化物半導体であることが確認された。
(3−2)光照射による金属酸化物半導体の形成
前記ラインパターンと乾燥薄膜を150℃で20分間乾燥後、キセノンランプ1kVで300ms照射を行った。
前記乾燥薄膜を光照射して得られた焼成体をX線回折(XRD)による分析を行ったところ亜鉛酸化物(ZnO)であり、前記乾燥ラインパターンから得られた焼結体の比抵抗値は、4×10−1(Ωcm)であった。
また、前記乾燥薄膜から得られた焼成体のホール効果の測定では、移動度は22(cm/V・s)、キャリア密度は7.2×1020(cm−3)であったことから、銅酸化物半導体であることが確認された。
また、前記乾燥薄膜、該乾燥薄膜から得られた焼成体を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると、連続した膜構造となっていることが確認された。
[実施例3]
実施例3において、金属としてアルミニウムを用い、工程1にてゲル状アモルファス銅化合物を生成させ、工程2にて該ゲル状アモルファス化合物のパターンと薄膜を形成し、工程3にて該パターンと薄膜について加熱と、光照射をそれぞれ行って、焼成体を形成し、評価を行った。
(1)工程1
アルミニウムイオンとして酢酸アルミニウムAl(CHCOOH) 204g、アルカリ土類金属イオンとして酢酸カルシウムの1水和物((CHCOO)Ca・HO)180g、ラクタム系化合物としてN−ビニル−2−ピロリドン(炭素原子数:6)800gを使用して、反応水溶液10L(リットル)を調製した。該反応水溶液のpHは約5.8であった。
浴温5℃で、電流密度20A/dmで3分間通電して、カソード先端部近傍にゲル状物質を生成させた。尚、下記パターニングの際も連続して通電した。
(2)工程2
カソード支持体の中央部に取り付けた、上記オシュレーション(揺動)装置により、100Vで10μmの変位量が得られる圧電素子にドライバー電源により1Hzで動作させた。また、基板としてガラス基板(サイズ:100mm×100mm)を用い、該板をステッピングモータ駆動で移動させることによりパターン化速度100μm/sとした。工程1で調製したゲル状物質をマイクロ電解槽の先端から吐出して、幅3μm、厚さ1μm、長さ100mmの水和物ゲルラインのパターンを形成した。
また、別のガラス基板上の同じ位置に5分間ゲルと吐出した後、スピンコートで薄膜状とし、真空中で乾燥薄膜(10mm×10mm)とした。
形成した乾燥薄膜をX線回折(XRD)による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークは殆ど確認されなかったのでアモルファス状態にあると判断された。また、エネルギー分散型X線元素分析(EDX)装置を用いて、該乾燥薄膜を分析したところ、Al、及びOが確認され、また、顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として水酸化アルミニウム(Al(OH))に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物は水酸化アルミニウムを主成分とするアルミニウム系アモルファス化合物ゲルであると判断された。
フーリエ変換型赤外分光(FT−IR)では、酢酸に由来するカルボキシル基の帰属ピークが確認された。以上の結果から、得られた乾燥薄膜は、Al3(OH)8(CHCOO)(HO)(yは整数)に近い構造であると考えられた。
(3)工程3
工程2で得られた乾燥パターンと、乾燥薄膜を更に、大気雰囲気中150℃で乾燥後、大気中にてキセノンランプ3kVで3ms焼成を行った。
前記乾燥薄膜を光照射して得られた焼成体をX線回折(XRD)による分析を行ったところアルミニウム酸化物(Al)であり、前記乾燥パターンを光照射して得られたラインパターンの比抵抗値は、10.2(μΩcm)、絶縁破壊電解は0.5V/nm以上であったことから、金属酸化物絶縁体であることが確認された。
また、乾燥薄膜、該乾燥膜から得られた焼成体を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると、連続した膜構造となっていることが確認された
1 マイクロキャピラリー電解パターニング装置(M)
2 サポート
3 マイクロ電解槽(A)
3a 開口部
4 貫通孔
5 マイクロ電解槽(A)底部
6 側部
7 Siウェハ
8a マスク層上面
8b マスク層下面
9 Si層(マスク層)
10 Siウェハの露出部
11 逆ピラミッド型の凹構造
12 Au/Cr層
13 照射光窓
14 フッ酸水溶液
15 正孔
16 エッチピット
17 高アスペクト比の穴
18 SiO
21 反応水溶液貯蔵中間層(R)
22 開口部(H)
23 アノード電極(K)
24 アノード電極面
25 マイクロ柱状カソード電極
26 カソード電極導電帯
27 反応水溶液導入口
31 RIEによるエッチング箇所
32 異方アルカリエッチング箇所
33 Au/Cr膜パターン層
34 電気化学エッチング箇所
36 基材
37 シール蓋
38 反応水溶液

Claims (19)

  1. 内面形状の高さ(h)と、水平方向断面形状の方形の一辺の長さ又は円形の直径(w)のアスペクト比(h/w)が1以上の中空柱状で、下部先端部に微細な開口部(H)を有していてその内面がアノード電極となる、1又は2以上のマイクロ電解槽(A)と、
    該マイクロ電解槽(A)の中心に垂直方向にマイクロ柱状カソード電極(K)とが設置された、
    マイクロキャピラリー電解パターニング装置(M)を用いて、
    少なくとも、金属元素及び/又は半金属元素のカルボン酸化合物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属カルボン酸化合物、並びにラクタム系化合物(L)が溶解された反応水溶液をマイクロ電解槽(A)内に供給して、上記アノード電極とカソード電極間を通電する電解反応により、前記金属元素及び/又は半金属元素に複数のカルボキシル基(置換基を有するものも含む)からなる配位子が配位して形成されたゲル状アモルファス化合物(G1)を生成させ(工程1)、次に、マイクロ電解槽(A)の先端の開口部(H)から上記ゲル状アモルファス化合物(G1)を基材上に吐出することにより、微細なゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜(G2)を形成する(工程2)、
    ことを特徴とする、ゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
  2. 前記工程1における、金属元素が銀、銅、亜鉛、スズ、ニッケル、ハフニウム、及びアルミニウムの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
  3. 前記工程1における、半金属元素が珪素、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種であることを特徴とする、請求項1に記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
  4. 前記工程1における、前記配位子が酢酸イオン、シュウ酸イオン、プロピオン酸イオン、マロン酸イオン、及び酒石酸イオンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
  5. 前記工程1における、アルカリ金属カルボン酸化合物のアルカリ金属が、リチウム、ナトリウム、及びカリウムから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
  6. 前記工程1における、アルカリ土類金属カルボン酸化合物のアルカリ土類金属が、カルシウムであることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
  7. 前記工程1における、ラクタム系化合物(L)が炭素原子数4〜12の五員環構造を有する、2−ピロリドン、アルキル−2−ピロリドン、及びヒドロキシアルキル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
  8. 前記工程1における、アルキル−2−ピロリドンがN−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−n−プロピル−2−ピロリドン、N−n−ブチル−2−ピロリドン、N−iso−ブチル−2−ピロリドン、N−n−オクチル−2−ピロリドン、3−メチル−2−ピロリドン、4−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−3−メチル−2−ピロリドン、及びN−メチル−4−メチル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項7に記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
  9. 前記工程1における、ヒドロキシアルキル−2−ピロリドンがN−(ヒドロキシメチル)−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、及びN−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項7に記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
  10. 前記工程1における、ゲル状アモルファス化合物(G1)中のアモルファス金属化合物の結晶化度が5%以下であることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
  11. 前記工程2における、マイクロ電解槽(A)の先端の開口部(H)からのゲル状アモルファス金属化合物(G1)の吐出が、周期的振動を付加できる装置によりマイクロ柱状カソード電極(K)に周期的振動を与えて行われることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載のゲル状アモルファス化合物のパターン又は薄膜の形成方法。
  12. 内面形状の高さ(h)と、水平方向断面形状の方形の一辺の長さ又は円形の直径(w)のアスペクト比(h/w)が1以上の中空柱状で、下部先端部に微細な開口部(H)を有していてその内面がアノード電極となる、1又は2以上のマイクロ電解槽(A)と、
    該マイクロ電解槽(A)の中心に垂直方向にマイクロ柱状カソード電極(K)とが設置された、
    マイクロキャピラリー電解パターニング装置(M)であって、
    マイクロ電解槽(A)の先端部に設けられた、開口部(H)の面積が7.8×10−7〜7.8×10−3mmであり、
    マイクロ柱状カソード電極(K)に周期的振動を付加できる装置が設けられていることを特徴とする、
    マイクロキャピラリー電解パターニング装置。
  13. 前記マイクロ電解槽(A)が反応水溶液中間貯槽(R)の底部より、下方垂直方向に突出して形成された構造であることを特徴とする、請求項12に記載のマイクロキャピラリー電解パターニング装置。
  14. 前記マイクロ柱状カソード電極(K)に周期的振動を付加できる装置が圧電素子(又はピエゾ素子)を利用した装置である、請求項12又は13に記載のマイクロキャピラリー電解パターニング装置。
  15. 前記請求項1〜11のいずれかに記載の、工程1及び工程2を経て形成されたゲル状アモルファス金属化合物のパターン又は薄膜(G2)を更に、加熱、及び光照射の中から選択される1種又は2種の工程(工程3)を経ることを特徴とする、金属導体パターン又は薄膜の形成方法。
  16. 前記工程3における、光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が500〜5000Vの範囲であり、得られる金属導体が銀、及び銅の中から選択される1種又は2種であることを特徴とする、請求項15に記載の金属導体パターン又は薄膜の形成方法。
  17. 前記請求項1〜11のいずれかに記載の、工程1及び工程2を経て形成されたゲル状アモルファス金属もしくは半金属化合物のパターン又は薄膜(G2)を更に、加熱、及び光照射の中から選択される1種又は2種の工程(工程3)を経ることを特徴とする、金属もしくは半金属酸化物パターン又は薄膜の形成方法。
  18. 前記工程3における、光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が1000〜3000Vの範囲であり、得られる金属酸化物が銅、亜鉛、スズ、及びニッケルの中から選択される1種又は2種以上の金属酸化物半導体であることを特徴とする、請求項17に記載の金属酸化物パターン又は薄膜の形成方法。
  19. 前記工程3における、光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が300〜3000Vの範囲であり、得られる金属酸化物又は半金属酸化物がアルミニウム、ハフニウム、ゲルマニウム、及び珪素の中から選択される1種又は2種の酸化物絶縁体であることを特徴とする、請求項17に記載の金属もしくは半金属酸化物パターン又は薄膜の形成方法。
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