以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の斜視図である。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして有効として設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
音孔143はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
図2は、前面扉を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。
筐体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。筐体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、筐体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、筐体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔143に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
次に図3を用いて、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、電圧を監視する電圧監視回路330と、WDT313(ウォッチドッグタイマー)が設けられている。
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322を設けており、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324を設けており、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326を設けており、各種ランプ340(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406が設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、演出画像表示装置157や各種演出用駆動装置160の制御を行う。第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置165の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。第2副制御部は、演出画像表示装置157の表示制御を行ったり、演出用の駆動装置165を制御したりする。
次に図4(a)を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号4のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号11のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
次に、図4(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「REG−REG−REG」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−ベル−リプレイ」である。
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。本実施例では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、に大別するような区分けであってもよい。
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施例では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を連続して繰り返し実行可能とすることなく、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施例では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了する。BB遊技は、予め定めた回数の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。
次に図5を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図9に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップ1000で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行う。ステップ1001ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップ1002へ進む。
ステップ1002では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップ1003では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。
ステップ1004では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップ1003で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。
ステップ1005では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。ステップ1006では全リール110乃至112の回転を開始させる。ここでは、リールアクションが実行された場合と、行われなかった場合とで、リールの回転開始タイミングを異ならせる制御が行われる。ステップ1007では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップ1005で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップ1008へ進む。ステップ1008では入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、停止表示されている出目を記憶し、次回のリール回転開始の際に参照可能とする。ステップ1010では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出すメダル払出処理を実行する。ステップ1010では、遊技状態制御処理を行う。
次に図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップ1101では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップ1102では、WDT313のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップ1103では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップ1104では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137乃至139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
ステップ1105では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップ1106では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、フリーズ演出に関するタイマ情報などの遊技情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップ1107では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップ1108では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップ1105において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。また、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ340、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップ1109では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップ1110に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップ1111に進む。
ステップ1111では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップ1101で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図9に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップ1110では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図5に示す主制御部メイン処理に復帰する。
次に、図7を用いて、第1副制御部400をフローチャートを用いて説明する。
図7(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップ2001では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まず2001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップ2002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップ2003の処理に移行する。
ステップ2003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップ2004では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信した場合に、その内容を解析し、所定領域に演出データとして格納する。
ステップ2005では、演出選択処理を行う。この処理は、副制御部にて行われるコマンド演出の種類を決定する処理である。
ステップ2006では、演出制御処理を行う。この演出制御処理では、ステップ2005で決定された演出内容に従って、各種の演出デバイスを制御するパラメータなどを設定する処理である。
ステップ2007では、ステップ2006で設定した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップ2008では、ステップ2006で設定した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップ2009では、ステップ2006で設定した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップ2002へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップ2101では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部400のタイマ割込処理のステップ2201では、図7(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップ2003において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップ2003において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップ2202では、設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、メダル払出装置180に異物が混入した場合の本発明の解決手段の説明を行う。
図8は、本実施形態に係るメダル払出装置180の分解斜視図である。
メダル払出装置180は、払出すメダルを一定量貯留するバケット801と、バケット内に貯留されたメダルを一枚ずつ選別して、メダル払出装置180外へ排出する送出ロータ802と、送出ロータ802が装着される送出ロータ受部803と、送出ロータ802に回転力を与えるモータ804と、これらの構成部品をユニット化するための本体ベース805と、で構成されている。
図9は、送出ロータ802と送出ロータ受部の拡大図である。
送出ロータ802には、メダルを一枚ずつ区分けするためのメダル収容部802aが複数(本実施形態では六か所)設けられており、また、送出ロータ受部803に設けられた回転軸心804eと係合する軸受部802bが設けられている。送出ロータ受部803には、送出ロータ802を収納可能なように円環状に形成されたリブ803bが設けられており、回転軸心804eに接続された送出ロータ802は、モータ804の駆動力によってリブ803b内で回転する。そしてメダル収容部802aに収容されたメダルは、送出ロータ802の回転に伴って移動し、メダル排出口803cからメダル払出装置180外部へ排出される。
また、送出ロータ受部803には、外部から送出ロータ802に入ってきた異物を送出ロータ下部へ排出する送出ロータ受部異物排出口803dが設けられている。ここで異物の例としては、例えば、メダル投入口141から侵入してきたゴミやジュースなどの液体、遊技台を構成する部品(例えばビスや欠けた基板ケース)の一部などが挙げられる。すなわち、メダルの直径以上の異物は送出ロータ802によって侵入を阻害し、それ以下の大きさの異物は、送出ロータ受部異物排出口803dより下方へ排出される。
次に、上述したメダル払出装置を構成する部品同士の位置関係の説明をする。
図10(a)は、メダル払出装置180の上面図である。
上述したバケット810の略中央には、送出ロータ802の大きさに合わせた開口801aが設けられている。送出ロータ802のメダル収納部802aからは、送出ロータ受部803が視認可能であり、またメダル収納部802aからは、送出ロータ受部異物排出口803dが視認可能である。また図中右下には、バケット内に大量のメダルが貯留された場合に、図2に示すメダル補助収納庫240へ余剰のメダルを排出するためのメダルスライド部806が設けられている。
図10(b)は、メダル払出装置180の正面図である。
バケット801の下部には、本体ベース805が備え付けられ、本体ベース805の左上には、メダル排出口803cが設けられている。
図10(c)は、メダル払出装置180の右側面図である。
図2にて示したように、メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配置されており、バケット801には、溢れたメダルをメダル補助収納庫240に排出するための溢れメダル排出口807が設けられている。
次に、メダル払出装置180内に混入した異物の処理について説明する。
図11(a)は、メダル払出装置180の上面図である。図11(b)はメダル払出装置180の斜視図である。この視点におけるA−A断面図を示したのが図11(c)である。
図11(c)では、メダル収納部802aから送出ロータ受部異物排出口803dが望んでおり、送出ロータ受部異物排出口803dの下部には、異物貯留部810が設けられている。
図12(a)、図12(b)は、払出装置180内に混入した異物の排出通路を示した図である。図12(a)は、図11中に示したA−A断面図、図12(b)は、図11中に示したB−B断面図である。
図12(b)に示すように、送出ロータ802は右方向に向けて傾斜しているので、送出ロータ802上に落下した異物は、送出ロータ802または送出ロータ受部803上を伝って下部にある送出ロータ受部異物排出口803dから異物貯留部810に落下(流下)する。
次に、図13(a)および図13(b)を用いて、上述した異物貯留部810について説明する。
図13(a)は、本体ベース805の斜視図、図13(b)は、図13(a)におけるC−C断面図である。
異物貯留部810は、本体ベース805と一体的に成形されており、異物として混入したビスや、ジュースなどの液体を、一定の量まで貯留可能なように構成される。異物貯留部810を構成する壁面は、底面部810aと、側壁部810bと、側壁部810cと、本体ベース805の壁部810eと、立ち上がり部810dで構成されている。立ち上がり部810dは、他の壁面と比較してその高さが低く形成されており、異物貯留部810の内部に異物が一定量以上になると、異物が立ち上がり部810dの上端を超えて異物排出口811から異物貯留部外へ排出される。
また、異物排出口811は、図14(a)、図14(b)、図14(c)に示すように、本体ベースの一端側設けられ、本実施形態では、メダル払出装置の奥側に設けられている。
また、異物貯留部810は、送出ロータ受部異物排出口803dが設けられた位置に対応して、本体ベース805の中央部よりも右側のずれた位置(部品における高さとしては低い位置)に設けられている。
次に、図15を用いて、異物貯留部810に異物がどのように貯留されるのかを説明する。
図15(a)は、異物貯留部810の断面図である。
例えばいたずらなどで、メダル払出装置180内にジュースなどの液体が注ぎ込まれた場合、注ぎ込まれた液体は、送出ロータ受部異物排出口803dなどを通じて、液体が異物貯留部810に溜まる。溜まった液体の量が少量であれば、液体は異物貯留部810に溜まった状態のまま、時間が経過することで蒸発するので、筐体101の下面板264まで流下することなく、下面板264を汚したり、メダル払出装置180の取付レールの滑りを悪くするようなことを防止できる。一方、比較的大量の液体が異物貯留部810に流入した場合は、図15(b)に示すように、立ち上がり部803dから液体が溢れだし、異物排出口811からメダル払出装置外へ排出されることで、液体がメダル払出装置180内に溢れだし、モータなどの電子部品が故障するようなことも防止できる。
また異物がゴミやビス821などの場合は、異物貯留部810に一旦貯留されるので、メダル払出装置180の下部に落下して、メダル払出装置180を取り外す際に障害になったり、下面板264を傷つけることを防止できる。
また、図15(c)に示すように、定期的にメダル払出し装置180を筐体101から外して、ビス821が異物排出口811から排出される角度まで傾ければ、メダル払出装置180を分解することなく、異物を外部に排出することができる。
なお、上述した実施形態では、異物貯留部810は手前側から奥側に長方形に設けられ、一番奥側に異物排出口811が設けられていたが、図16(a)に示すように、異物貯留部810を左右方向に長く設け、その左右端に異物排出口811を設けるようにしてもよい。
メダル払出装置180は、筐体101に設けられたレール849にそって筐体101の開口部方向(前後方向)に移動することで取り外し可能なので、メダル払出装置180を手前側に引っ張ると取り外せるような場合、引っ張ったときの慣性力によって、内部の異物が移動した場合も、異物貯留部810の壁部に当たり、異物排出口811の方向には移動しないので、メダル払出装置180を取り外す際に異物排出口811から異物が飛び出てしまうようなことを防止できる。
また、図16(b)に示すように、異物排出口811を本体ベース部805の壁部810eに設けても良い。この場合、異物排出口811から異物貯留部810に異物が貯留されているか確認できるので、メンテナンスが容易となる。
また、17(a)に示すように、たち立ち上がり部810dの上端に折り返し部815を設けてもよい。この場合、例えば遊技台が振動したり、メダル払出装置180を取り外す際にも、異物貯留部810内に貯留されている異物が折り返し部で異物貯留部内に押し戻され、異物排出口811からこぼれるようなことを減少させることができる。
また、図17(b)に示すように、異物貯留部810内に、液体などを吸収可能な吸収部材816を設ければ、メダル払出装置180が移動しても、異物が異物排出口からこぼれるようなことがない。液体を吸収させる部材としては、ポリウレタンを発泡成形したものなどが挙げられる。
次に、図18を用いて、メダル貯留装置180の貯留バケット内に余剰に貯留されたメダルの排出構造について説明する。
図18(a)は従来におけるメダル払出装置180の斜視図、図18(b)は、メダル払出装置180の上面図、図18(c)は、メダル払出装置180の側面図である。
本実施形態におけるメダル払出装置180は、本体ベース805にバケット801が装着され、バケット801の下部開口837には、メダルを払い出す送出ロータ802が配置されている。また下部開口837からは、メダルが貯留されるバケット底面部836、およびバケット底面部836の上端から垂直方向に延設されるバケット側壁部832が設けられ、内部にメダルを貯留可能に構成されている。
また、バケット801には、バケット801に過剰に貯留されたメダルを外部に排出するためのメダル排出口835が設けられている。そして、メダル排出口835には、メダル排出口835に排出するメダルを案内するメダルスライド部833が接続されている。
また、メダルスライド部833には、バケット底面部836から上方に立ち壁部834が設けられている。この立ち壁部834は、送出ロータ802の回転力によってメダルがバケット801内部を回転移動(渦運動)するのを利用して、メダルを立ち壁部に沿ってせり上がらせ、隣接するメダルスライド部833からメダルを排出させやすくして、中央部にメダルが山積みされてしまうことを防止するためのものである。
よって、本発明では、図18(b)に示すように、立ち壁部834に加わるメダルの回転移動圧力が大きくなるように、バケット側壁部832より送出ロータ802に近い位置に立ち壁部834を設けてメダルと立ち壁部の間に働く摩擦力を大きくするように構成し、その立ち壁部8384の上部にメダルスライド部833を設けてメダル排出案内部839を形成した。
よって、単にメダルスライド部833を、メダルが比較的貯留されづらく、また送出ロータ802の渦運動の利用も難しいバケット側壁部832近傍に設けた場合と比較し、確実に余剰メダルを排出することが可能となる。
次に、図19を用いて、上記実施形態の変形例の説明を行う。本実施形態では、図19(a)に示すように、立ち壁部832の上端部に被さるようにメダルスライド部833を延設した。
図19(a)および図19(b)は本実施形態におけるメダル払出装置180の斜視図、図19(c)は、メダル払出装置180の上面図である。
上述した実施形態は、メダルと立ち壁部の摩擦力を利用したものであるが、図19(d)に示すように、立ち壁部834の位置が送出ロータ802に近すぎた場合など、送出ロータ802の回転によるメダルの渦運動が強い場合、立ち壁部834に沿ってせり上がってきたメダル同士の摩擦力が強く、かみ合ったままの状態となり(いわゆるブリッジ現象)、立ち壁部834の上端を超えてせり上がってしまい、メダルスライド部833にメダルが流入しなくなる可能性がある。よって本実施形態では、立ち壁部834の上端に覆い被さるように一定位置以上にメダルが上昇することを規制する規制手段を設けた。
メダルスライド部833は、図19(c)に示すように、メダル排出口835に連結される下流側メダルスライド部833aと、上流側メダルスライド部833bにて構成される。上流側メダルスライド部は、下流側において下流側メダルスライド部833aと接続し、上流側では、固定部838にビス等で固定される。上流側メダルスライド部833bは、側面の一端側がバケット側壁部832に接し、もう一端側がバケット801内部側にせり出す状態で固定される。
次に図20を用いて、メダルスライド部833におけるメダルの挙動について説明する。
図20(b)は、図20(a)に示すメダル払出装置180のD−D断面図である。
メダルスライド部833の裏面側では、立ち壁部834がバケット側壁部832と接しており、更にはバケット底面せり上げ部836が底面をなして、メダルが内部に流入可能な空間部を形成している。
送出ロータ802が回転することによって貯留メダルに生じる渦運動によりこの空間部に流入してくるメダルは、図20(c)および図20(d)に示すように、立ち壁部834、バケット底面せり上げ部836、バケット側壁部832に沿って上方に移動していく。そしてメダルスライド部833の裏面部に当接して、水平方向に倒れた状態でバケット801の内部側に押し出される。よって立ち壁部834やバケット側壁部832に当接して垂直方向に直立した状態でブリッジが形成されることを防止できる。
更には、図20(d)において、バケット側壁部834とメダルスライド部833との距離aがメダルの直径より小さいと、メダルがバケット側壁部832に密着することなく、スムーズにメダルの移動方向を変更することができる。
図21(a)および図21(b)は、上流側メダルスライド部833aを外した状態を示す斜視図、および上面図である。
図21(a)に示すように、立ち壁部834は、メダルスライド部によって天井部分が形成される右側立ち壁部834bと、天井部分が形成されない左側立ち壁部834aにて構成される。
図21(c)は断面位置を示すメダル払出装置の上面図である。また図21(d)は、図21(c)におけるE―E断面図であり、メダルスライド部833は、メダル排出口835に向けてメダルが流下するように傾斜している。
図22(a)は断面位置を示すメダル払出装置の上面図である。図22(b)は、図22(a)におけるF−F断面図である。
本実施形態では、立ち壁部834とバケット側壁部832は直角以上の広い角度で接するように構成されている。
本実施形態では、メダルスライド部833は、立ち壁部834の上端からバケット側壁部832に対して傾斜面を有しており、立ち壁部834を超えてきたメダルがメダルスライド部833内に流入しやすい構造となっている。
次に、図23を用いて、本実施形態におけるメダルの動きについて説明する。
図23(a)は送出ロータの回転方向と立ち壁部に対するメダルの移動方向を示す図である。図23(b)は、図23(a)におけるG−G断面図である。図23(c)は送出ロータの回転方向とメダルスライド部に対するメダルの移動方向を示す断面図である。
今、送出ロータ802が時計回り方向に回転することでメダルが払い出される場合に、送出ロータ802が立ち壁部834に近い、図中の斜線矢印Aの位置では、送出ロータ802の回転運動に付随するメダルの渦運動の方向(接線方向)が立ち壁部834に対して略直角となり、渦運動によってメダルが垂直方向にせり上がる力を強くすることができる。
一方、立ち壁部834全体に強い圧力がかかってしまうと、メダルブリッジが生じてしまい、メダルスライド部833にメダルが流入しなくなる可能性も考えられるので、立ち壁部834が送出ロータ802から遠い図中の斜線矢印Bの位置では、メダルを逃がす方向に渦運動の圧力を働かせ、メダルブリッジの発生を抑制することもできる。
この力の作用を別角度で見たのが図23(c)である。図23(c)は、図21(c)におけるE−E断面図に相当し、図21(d)で上述したように、メダルスライド部833を、送出ロータ802から遠いバケット側壁部832の近く(もしくはバケット底面部836の上流側)まで延設しているので、メダルは渦運動によって、メダル850aの位置からメダル850bの位置に移動し、渦運動の力が弱まるバケット側壁部付近ではブリッジが起きづらく、少なくともその部分でメダルを確実にメダルスライド部に導ける。また、セレクタの落下位置に固まりがちなメダルを、バケット801内に均一に貯留させることができる。
なお、図24(a)に示すように、メダルをバケット内部側に切り返す第2天井部840を左側立ち壁部の上部に設けても良い。また、第2天井部840は、一端側はバケット側壁部832にて塞がれているが、上流側メダルスライド部833aの近くでは塞がれていない。よって、メダルスライド部にメダルを確実に流入させることができる。
また、図24(b)に示すように、メダルスライド部833をバケット側壁部832側に傾斜させてもよい。このように構成することで、メダルがメダルスライド部833に流入しやすくなるとともに、渦運動によってメダル850aがメダル850bまで移動した状態で、メダル850cが重なったような場合、案内通路の幅がメダルスライド部833の幅に加えてメダル850cの分まで広がるので、よりメダルスライド部833から遠い位置にあるメダル850dまでメダルスライド部833まで導くことができる。
以上に説明したように、本発明の遊技台は、メダルを貯留可能なバケットと、前記メダルを一枚ずつ払い出し可能な送出ロータと、前記送出ロータを駆動する駆動手段と、前記バケットを取り付け可能な本体ベースと、を備えたメダル払出装置を有する遊技台であって、前記バケット内に混入した異物の少なくとも一部を排出可能な第一の異物排出口と、前記第一の異物排出口から排出される異物の少なくとも一部を貯留可能な貯留部と、前記貯留部内に貯留されている異物を前記メダル払出装置の外部に排出可能な第二の異物排出口と、を備え、前記第二の異物排出口は、前記第一の異物排出口より低く、前記貯留部の最下部より高い位置に設けられている、ことを特徴とした。
よって、一定量以下の異物であれば、内部で貯留可能であり、筐体を汚したり傷つけることがなく、一定量以上の場合は、開口から外部に排出可能なので、例えば液体などでホッパの電子部品が破壊されることもない。
また、本発明では、前記遊技台は、内部に遊技部品を収納可能な筐体と、前記筐体の開口部に設けられた前面扉と、を備え、前記メダル払出装置は、前記筐体に取り付けられた状態から、前記筐体の開口部に向けて移動させることで前記筐体から取り外し可能であり、前記貯留部が配置されている位置と前記第二の異物排出口が配置されている位置を結んだ平面における方向は、前記筐体の開口部に向けた平面における方向よりも、前記開口部に向けた平面における方向に対する直角方向に近いことを特徴とした。
よって、内部に異物が貯留されている状態で、ホッパを着脱したとしても、貯留部から開口部へ向かうような慣性力が働きにくいので、開口から異物が飛び出るようなことを防止できる。
また本発明では、前記貯留部は、前記本体ベースの外周壁に囲まれており、
前記第二の異物排出口は、前記本体ベースの外周壁の内部に設けられていることを特徴とした。
よって、開口が外部に露出しないので、開口からメダル払出装置内部への不正行為が行われることを防止できる。
また、本発明では、前記送出ロータを回転可能に保持する送出ロータ受部を備え、前記送出ロータは、前記バケット内に貯留されたメダルを収容可能な穴部を有し、所定の軸を中心に円回転することにより前記穴部に収容されているメダルを一枚ずつ払い出し可能であり、前記第一の異物排出口は、前記送出ロータ受部に設けられていることを特徴とした。
よって、送出ロータの穴部に混入した異物を確実に排出できる。
また、本発明では、前記貯留部は、底面部と、前記底面部を囲むように設けられた側壁部と、前記側壁部の内部に形成され、前記側壁部の上端よりも低く形成された立ち壁部と、を備え、前記側壁部の少なくとも一部と、前記立ち壁部の間に、前記第二の異物排出口を設けたことを特徴とした。
よって、排出口から不正な器具を挿入しようとしても、側壁部と立ち壁部に引っかかり内部まで届かないので、不正行為を防止できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。