JP2015173748A - 定量シリンジ型噴出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】内容液を小分けにして所定の量で噴出することができると共に、噴出させる際の操作も簡単になる、新たなシリンジ型噴出器を提供する。
【解決手段】操作部52の押圧にて、差込壁54が弾性アーム44の自由端44bの径方向内側に差し込まれ該自由端の径方向内側への変形を規制すると共に、第1押圧面Fp1が第1受圧面Fr1に当接し、操作部52の押圧の継続にて、摺動突起45が、シリンジ2に押し込まれ、弾性アーム44の前後方向中間部を径方向内側に弾性変形させた状態でシリンジ2の内周面上を摺動し、係止突起46がシリンジ2に当接してピストンPの押し込みを停止させ、操作部52の押圧力を緩め、若しくは解除し、又は操作部52を後方に引くと、差込壁54が前記自由端44bの径方向内側から抜け出して、弾性アーム44の自由端44b側部分が復元し、さらなる操作部52の押圧にて、第2押圧面Fp2に第2受圧面Fr2が押されてピストンPが押し込まれる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンジと、該シリンジの後端側より挿通され操作部の押圧にてピストンを押し込んで内容液を噴出させるプランジャとを備える定量シリンジ型噴出器に関する。
従来、薬液等の内容液を噴出させるものとしては、例えば特許文献1に示されるような、シリンジ内に操作用のプランジャを押し込むようにしたものが一般的である。
特開平7−213612号公報
ところで、内容液によっては、一度に全て噴出させずに所定の量を小分けにして噴出させることが望ましい場合がある。しかし、特許文献1に記載されるようなシリンジ型噴出器では、シリンジに示した目盛等を見ながら所定量を噴出させる必要があるため、正確な量で噴出させることが困難である上、操作に手間を要していた。
本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、内容液を小分けにして所定の量で噴出することができると共に、噴出させる際の操作も簡単になる、新たなシリンジ型噴出器を提供するところにある。
すなわち、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
1.シリンジと、該シリンジの後端側より挿通され操作部の押圧にてピストンを押し込んで内容液を噴出させるプランジャとを備える定量シリンジ型噴出器であって、
前記プランジャは、第1プランジャ部材と、前記操作部を有し、前記第1プランジャ部材を介して前記ピストンを押し込む第2プランジャ部材とを備え、
前記第1プランジャ部材は、前記ピストンが前端側に取り付けられた第1プランジャ部材本体と、該第1プランジャ部材本体に連結し、前方に固定端、後方に自由端を有する弾性アームと、該弾性アームの自由端から径方向外側に突出する係止突起と、前記弾性アームの前後方向中間部から径方向外側に突出する摺動突起と、前記第1プランジャ部材本体に設けられた第1受圧面と、前記弾性アームの自由端に設けられた第2受圧面とを有し、
前記操作部の押圧にて、前記第2プランジャ部材が前記第1プランジャ部材に対して前進し、前記第2プランジャ部材に設けられた差込壁が前記弾性アームの自由端の径方向内側に差し込まれ該自由端の径方向内側への変形を規制すると共に、前記第2プランジャ部材に設けられた第1押圧面が前記第1受圧面に当接し、
前記操作部の押圧の継続にて、前記摺動突起が、前記シリンジに押し込まれ、前記弾性アームの前後方向中間部を径方向内側に弾性変形させた状態で前記シリンジの内周面上を摺動し、前記弾性アームの自由端の係止突起が前記シリンジに当接して前記ピストンの押し込みを停止させ、
前記操作部の押圧力を緩め、若しくは解除し、又は前記操作部を後方に引くと、前記差込壁が前記弾性アームの自由端の径方向内側から抜け出して、前記弾性アームの自由端側部分が復元し、
さらなる前記操作部の押圧にて、前記差込壁の前端に設けられた第2押圧面に前記弾性アームの自由端の第2受圧面が押されて前記ピストンが押し込まれることを特徴とする定量シリンジ型噴出器。
2.前記第1プランジャ部材本体は、前後方向に延びるシャフトを有し、
前記第2プランジャ部材は、前記シャフトが挿入される挿入部を有し、
前記シャフトと前記挿入部との間には、前記挿入部からの前記シャフトの抜け出しを防止する係合部が設けられている、前記1の定量シリンジ型噴出器。
本発明によれば、第2プランジャ部材の操作部を押圧することで、第2プランジャ部材が第1プランジャ部材に対して前進し、第2プランジャ部材の差込壁が第1プランジャ部材の弾性アームの自由端の径方向内側への変形を規制すると共に、第2プランジャ部材の第1押圧面が、第1プランジャ部材本体に設けられた第1受圧面に当接し、操作部の押圧を継続することで、弾性アームの摺動突起がシリンジに押し込まれ、摺動突起が弾性アームの前後方向中間部を径方向内側に弾性変形させた状態で、摺動突起がシリンジの内周面上を摺動し、弾性アームの自由端の係止突起がシリンジに当接してピストンの押し込みを停止させる。したがって、操作部の1回目の押圧によって、1段目の内容液を噴出させることができる。
この状態から、第2プランジャ部材の操作部の押圧力を緩め、若しくは解除し、又は操作部を後方に引くことで、第2プランジャ部材の差込壁が第1プランジャ部材の弾性アームの自由端の径方向内側から抜け出して、弾性アームの自由端側部分が復元し、さらなる操作部の押圧にて、差込壁の下端に設けられた第2押圧面に弾性アームの自由端に設けられた第2受圧面が押されてピストンが押し込まれる。したがって、操作部の押圧力を緩め、若しくは解除し、又は操作部を後方に引いた後に行われる操作部の2回目の押圧によって、2段目の内容液を噴出させることができる。
したがって、本発明によれば、内容液を小分けにして所定の量で噴出することができると共に、噴出させる際の操作も簡単になる、新たなシリンジ型噴出器を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る定量シリンジ型噴出器の縦断面図及びその一部拡大図である。 図1の定量シリンジ型噴出器におけるプランジャの一部を模式的に示す分解斜視図である。 図1の定量シリンジ型噴出器の一部を示す縦断面図であり、(a)は1段目の内容液の噴出開始時の状態、(b)は1段目の内容液の噴出終了時の状態、(c)は2段目の内容液の噴出開始時の状態をそれぞれ示す。
以下、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係る定量シリンジ型噴出器1について詳細に例示説明する。
なお、本明細書において、前端側とは、図1に示すシリンジ本体10を基準とする場合にノズル20が位置する側であり、後端側とはその逆側である。
図1中、符号1は、本発明に従う定量シリンジ型噴出器の一実施形態を示す。定量シリンジ型噴出器1は、シリンジ2と、シリンジ2の後端側より挿通されるプランジャ3とを備えている。本実施形態におけるシリンジ2は、シリンジ本体10と、シリンジ本体10の前端側に取り付けられるノズル20と、シリンジ本体10の後端側に取り付けられるホルダ30によって構成されている。また、プランジャ3は、第1プランジャ部材40と、第1プランジャ部材40の前端側に取り付けられるピストンPと、第1プランジャ部材40に対して前進後退可能に配置され、第1プランジャ部材40を介してピストンPを押し込む第2プランジャ部材50によって構成されている。
シリンジ本体10は、例えば合成樹脂やガラスによって形成される。シリンジ本体10は、内容液(例えば点鼻薬等)Mを充填可能な中空形状(本実施形態では円筒状)の胴部11を有し、この胴部11には、肩部12を介して胴部11よりも小径となる前端部13が一体に繋がる。前端部13の内側には、貫通孔14が形成されている。また胴部11の後端部には、胴部11の外周面から径方向(定量シリンジ型噴出器1の中心軸線Oに対して直交する向き)外側に突出する突起部15が設けられている。
ノズル20は、前端部13に取り外し可能に嵌合するノズル本体21を有する。ノズル本体21には、ノズルチップ22が内蔵されている。またノズル本体21の前端側には、ノズルチップ22に通じる噴出口23が形成されている。
ホルダ30は、本実施形態では合成樹脂によって形成している。ホルダ30は、径方向外側に向けて延在するとともに、その内部に突起部15を収容保持する凹部31aを有する板状の指掛け部31を有する。指掛け部31は、周方向の一部が切り欠かれていて、ここが凹部31aにつながっている。これによりホルダ30は、シリンジ本体10に対して径方向外側から内側に向かってスライドさせるようにして取り付けられる。
指掛け部31の後端31bの内周面は、シリンジ本体10の内周面10aと同一の径寸法を有しており、シリンジ本体10の内周面10aと指掛け部31の後端31bの内周面によって、シリンジ2の内周面を形作っている。
第1プランジャ部材40は、その前端側に設けられるネジ状の前端部41と、この前端部41に一体に連結するとともに後方側に向けて延在するロッド部42とを備えている。本実施形態におけるロッド部42は、その前端側、及び後端側に配置される円板状のディスク42a、42bと、これらのディスク42a、42bを一体に連結する断面十字形に組み合わせた縦長の4枚のプレート部42cとからなる。
ここで、第1プランジャ部材40の前端側には、前端部41にピストン(ガスケット)Pが保持される。ピストンPは、例えばゴムなどの弾性材料からなり、シリンジ本体10の内周面10aに摺動可能に当接する。ピストンPとシリンジ本体10との間には、内容液Mを充填する充填空間Sが形成される。
第1プランジャ部材40の後端側には、ディスク42bの中央部に一体に連結するシャフト43が設けられている。図2に示すようにシャフト43は、前端側部分が大径部43a、後端側部分が大径部43aよりも径の小さい小径部43bとして形成されている。大径部43aは、プレート部42c(ディスク42b)よりも径が小さくなっている。またシャフト43には、軸線Oを挟んで反対側の位置にそれぞれ、大径部43aから小径部43bの途中にかけて平坦に窪ませた窪み面43cが形成されている。更に小径部43bは、その後端側に軸線O周りを周回する環状溝43dが形成されている。小径部43bに環状溝43dが形成されていることで、シャフト43の後端には、ヘッド43eが形成される。ヘッド43eは、前端側から後端側に向かって先細りとなる傾斜面43fを有する。
ディスク42bには、2つの弾性アーム44が、シャフト43を挟んで対向する位置(窪み面43cに対向する位置)に、嵩上げ部44cを介して一体に設けられている。嵩上げ部44cは、ディスク42bと、大径部43aの窪み面43cとに一体に連結している。
本例では、前述した前端部41と、ロッド部42と、シャフト43と、嵩上げ部44cとで第1プランジャ部材本体が構成されており、該第1プランジャ部材本体に(より具体的には、ディスク42bの後端面における外周縁に)、後述する第2プランジャ部材50の第1押圧面Fpが当接する第1受圧面Frが設けられている。
弾性アーム44は、軸線Oに沿って延在する平板状に形成され、前方に、嵩上げ部44cに一体に連結する固定端44a、後方に自由端44bを有する。なお、本実施形態では、弾性アーム44は、撓みやすく、また復元しやすい肉厚に形成されている。
弾性アーム44の前後方向中間部には、径方向外側に突出する摺動突起45が形成されている。摺動突起45の外径は、シリンジ本体10の内周面10aの径よりも大きくなるように設定されている。また、摺動突起45は、弾性アーム44の固定端44aに向かって先細りに傾斜する傾斜面45aを有する。このような構成により、第1プランジャ部材40がホルダ30内に押し込まれる際、図1に示したように傾斜面45aがホルダ30の指掛け部31の後端31bの内周面に接触し、弾性アーム44の前後方向中間部の径方向内側への撓みを誘発させることができるので、弾性アーム44をホルダ30内へ容易に進入させることができる。また、第1プランジャ部材40がシリンジ本体10内で押し込まれる際、摺動突起45はシリンジ本体10の内周面10a上を摺動する。
また、弾性アーム44は、図2に示すように、自由端44bから径方向外側に突出する係止突起46を有する。係止突起46は、摺動突起45よりも後端側に、且つ摺動突起45に対して間隔をあけて設けられている。係止突起46の径方向外側端での外径は、図3(a)に示すように、自由端44bの径方向内側に第2プランジャ部材50の差込壁54が配置された(例えば、自由端44bが差込壁54によって押し開かれた)状態で、ホルダ30の指掛け部31の後端31b(シリンジ2の後端)における内周面の内径よりも大きく、且つ、図3(c)に示すように、摺動突起45がシリンジ本体10の内周面10aに当接した状態で弾性アーム44の自由端44b側部分が復元したとき、ホルダ30の指掛け部31の後端31b(シリンジ2の後端)における内周面の内径よりも小さくなるように設定されている。
ここで、弾性アーム44の自由端44b(係止突起46の後端側の面)には、図3(c)に示したように、後述する第2プランジャ部材50の第2押圧面Fpが当接する第2受圧面Frが設けられている。第2受圧面Frは、図1の拡大図に示すように軸線Oと直交する面(水平面)Fに対し、径方向外側に向かうにつれて後端側から前端側に向かって角度θで傾斜するテーパ面として形成されている。角度θは、本例では、図3(c)に示したように、摺動突起45がシリンジ本体10の内周面10aに当接した状態で弾性アーム44の自由端44b側部分が復元したときに、自由端44bが水平線F(図1の拡大図参照)と平行になるように設定されている。なお、θの値は、定量シリンジ型噴出器1の大きさ等に応じて、適宜変更することができる。また、図1の拡大図に示したように、係止突起46の径方向内側には、後端から前端に向かって径方向内側に傾斜するテーパ面47が設けられている。
第2プランジャ部材50は、図2に示したように円筒状の本体51を有し、本体51の後端には、使用者が指を直接押し当てる部位となる円板状の操作部52が一体に設けられている。本体51の内周面には径方向内側に向けて突出する環状突起53が設けられている。本体51の内径は、後述する差込壁54の前端よりも後方において、シャフト43の小径部43bの外径と同等又は僅かに大きく設定されていて、環状突起53の径方向内側端における内径は、環状溝43dの外径と同等以上小径部43bの外径未満に設定されている。これにより、シャフト43を本体51に挿入することで、第2プランジャ部材50は、第1プランジャ部材40に対して抜け止め保持される。
このように、本例では、本体51の径方向内側の空間をシャフト43が挿入される挿入部とし、該挿入部とシャフト43との間には、係合部として環状突起53及び環状溝43dを設けることで、前記挿入部からのシャフト43の抜け出しを防止している。なお、シャフト43を本体51に挿入する際、シャフト43の傾斜面43fが環状突起53に接触してヘッド43eに対する乗り越えを誘導するので、組み立て作業が容易になる。
また、本体51には、前端から後端に向かって延びる切欠き55が形成されている。本実施形態では、弾性アーム44に対応して軸線Oを挟んで向かい合う2箇所に形成されている。切欠き55は、弾性アーム44の横幅よりも僅かに広い幅を有し、弾性アーム44を動作可能に収容している。
また、図2に示す切欠き55の後端には、差込壁54が設けられている。差込壁54は、操作部52の押圧前の状態では、図1の拡大図に示したように、弾性アーム44の自由端44bのテーパ面47に当接し、操作部52を押圧すると、図3(a)に示したように、弾性アーム44の自由端44bの径方向内側に差し込まれる(例えば、自由端44bを径方向外側に押し開く)ようになっている。なお、本例では、差込壁54は外周面がテーパ面54aとして形成されている。さらに、本例では、差込壁54と自由端44bの径方向内側との双方にテーパ面54a、47を設けているが、いずれか一方のみにテーパ面を設けるようにしてもよい。また、差込壁54は、自由端44bを押し開くことなく、自由端44bの径方向内側への変形を規制するように挿入されていてもよい。
差込壁54の前端には、図3(c)に示したように、第1プランジャ部材40の第2受圧面Frに当接する第2押圧面Fpが設けられている。本体51の内径は、差込壁54の前端よりも前方において、シャフト43の大径部43aの外径と同等又は僅かに大きく設定されていて、本体51の前端には、第1プランジャ部材40の第1受圧面Frに当接する第1押圧面Fpが設けられている。
次に、前述した構成になる定量シリンジ型噴出器1の使用方法を説明する。使用者は先ず、図1に示す状態で、例えば人差し指と中指を指掛け部31にあてがい、操作部52を親指で押さえて定量シリンジ型噴出器1を保持する。そして、第2プランジャ部材50を親指で押し込むと、第2プランジャ部材50が第1プランジャ部材40に対して前進し、図3(a)に示したように、第2プランジャ部材50の差込壁54が第1プランジャ部材40の弾性アーム44の自由端44bの径方向内側に挿入され当該自由端44bの変形を規制すると共に、第2プランジャ部材50の第1押圧面Fpが、第1プランジャ部材本体に設けられた第1受圧面Frに当接する。
そして、操作部52の押圧を継続すると、弾性アーム44の摺動突起45がシリンジ2に押し込まれ、摺動突起45が弾性アーム44の前後方向中間部を径方向内側に弾性変形させた状態で、摺動突起45がシリンジ本体10(シリンジ2)の内周面上を摺動し、図3(b)に示すように、弾性アーム44の自由端44bの係止突起46がホルダ30の指掛け部31の後端31b(シリンジ2の後端)に当接してピストンP(図1参照)の押し込みを停止させる。このように、操作部52の1回目の押圧によって、ピストンPを図1に仮想線で示す位置Ptまで到達させると共に当該位置Ptにて停止させ、充填空間S内の内容液Mの所定量を、貫通孔14、及びノズルチップ22を介して噴出口23から噴出することができる(1段目の内容液Mの噴出)。なお、図2に示したようにシャフト43には、弾性アーム44に対向する位置に窪み面43cを設けているので、弾性アーム44の前後方向中間部を径方向内側に弾性変形させた状態でもシャフト43に干渉することがない。
次いで、第2プランジャ部材50の操作部52の押圧力を緩め、若しくは解除すると、図3(c)に示したように、第2プランジャ部材50の差込壁54が第1プランジャ部材40の弾性アーム44の自由端44bの径方向内側から抜け出す。このとき、弾性アーム44の前後方向中間部は、シリンジ本体10(シリンジ2)の内周面に当接する摺動突起45によって径方向内側に変形したままであるので、弾性アーム44の自由端44b側部分が、摺動突起45を起点として斜め内向きに変形(復元)する。これにより、係止突起46が斜め内向きに変位して、係止突起46と、ホルダ30の指掛け部31の後端31b(シリンジ2の後端)との係止状態が自動的に解除される。なお、図1の拡大図に示したように、係止突起46の径方向内側、及び差込壁54には、テーパ面47、54aが設けられている。これによりテーパ面47は、弾性アーム44が復元する際に、差込壁54のテーパ面54aを後端側に押し出すように作用するため、係止状態の解除がより確実に行われる。なお、係止状態の解除は、第2プランジャ部材50を指で摘まんで後方に引く構成を採用してもよい。
そして、図3(c)の状態から再び第2プランジャ部材50の操作部52を押圧すると、差込壁54の下端に設けられた第2押圧面Fpに弾性アーム44の自由端44bに設けられた第2受圧面Frが押されてピストンP(図1参照)が押し込まれる。このように、操作部52の押圧力を緩め、若しくは解除し、又は操作部52を後方に引いた後に行われる操作部52の2回目の押圧によって、ピストンPを図1に仮想線で示す位置Ptまで到達させ、2段目の内容液Mの噴出を行うことができる。なお、図1の拡大図に示したように、弾性アーム44の自由端44bに設けられた第2受圧面Frには角度θのテーパをつけているので、図3(c)に示した弾性アーム44の自由端44b側部分が復元した状態では、この第2受圧面Frは、水平面F(図1の拡大図参照)と平行に近い状態になる。このため、第1プランジャ部材40の押し込みを円滑に行うことができる。
本発明に従う定量シリンジ型噴出器は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に従う範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、シリンジ2にホルダ30を設け、シリンジ本体10の突起部15にホルダ30の指掛け部31を嵌合保持するように構成したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではなく、例えば、シリンジ本体10の突起部15、及びホルダ30を省略してもよい。また、シリンジ本体10の肩部12、前端部13を省略するとともに、シリンジ本体10の胴部11にノズル20を直接取り付けるように構成することも可能である。また、第1プランジャ部材40に設けたシャフト43と、このシャフト43を挿通させる第2プランジャ部材50の挿入部とを相互に入れ換えるようにして、第2プランジャ部材50に、後端側から前端側に向けて延在するシャフトを設け、第1プランジャ部材40に、このシャフトを挿通する挿入部(凹部又は孔)を設けてもよい。
本発明は、シリンジと、シリンジ内に押し込み可能なプランジャとを備える定量シリンジ型噴出器であれば、様々な形態のものに採用することができ、内容液も様々なものを採用することができる。
1 定量シリンジ型噴出器
2 シリンジ
3 プランジャ
10 シリンジ本体
10a 内周面
11 胴部
12 肩部
13 前端部
14 貫通孔
15 突起部
20 ノズル
21 ノズル本体
22 ノズルチップ
23 噴出口
30 ホルダ
31 指掛け部
31a 凹部
31b 後端
40 第1プランジャ部材
41 前端部(第1プランジャ部材本体の一部)
42 ロッド部(第1プランジャ部材本体の一部)
42a、42b ディスク
42c プレート部
43 シャフト(第1プランジャ部材本体の一部)
43a 大径部
43b 小径部
43c 窪み面
43d 環状溝
43e ヘッド
43f 傾斜面
44 弾性アーム
44a 固定端
44b 自由端
44c 嵩上げ部(第1プランジャ部材本体の一部)
45 摺動突起
45a 傾斜面
46 係止突起
47 テーパ面
50 第2プランジャ部材
51 本体
52 操作部
53 環状突起
54 差込壁
54a テーパ面
55 切欠き
M 内容液
P ピストン
O 中心軸線
S 充填空間
Fp 第1押圧面
Fr 第1受圧面
Fp 第2押圧面
Fr 第2受圧面
F 水平面
θ 角度

Claims (2)

  1. シリンジと、該シリンジの後端側より挿通され操作部の押圧にてピストンを押し込んで内容液を噴出させるプランジャとを備える定量シリンジ型噴出器であって、
    前記プランジャは、第1プランジャ部材と、前記操作部を有し、前記第1プランジャ部材を介して前記ピストンを押し込む第2プランジャ部材とを備え、
    前記第1プランジャ部材は、前記ピストンが前端側に取り付けられた第1プランジャ部材本体と、該第1プランジャ部材本体に連結し、前方に固定端、後方に自由端を有する弾性アームと、該弾性アームの自由端から径方向外側に突出する係止突起と、前記弾性アームの前後方向中間部から径方向外側に突出する摺動突起と、前記第1プランジャ部材本体に設けられた第1受圧面と、前記弾性アームの自由端に設けられた第2受圧面とを有し、
    前記操作部の押圧にて、前記第2プランジャ部材が前記第1プランジャ部材に対して前進し、前記第2プランジャ部材に設けられた差込壁が前記弾性アームの自由端の径方向内側に差し込まれ該自由端の径方向内側への変形を規制すると共に、前記第2プランジャ部材に設けられた第1押圧面が前記第1受圧面に当接し、
    前記操作部の押圧の継続にて、前記摺動突起が、前記シリンジに押し込まれ、前記弾性アームの前後方向中間部を径方向内側に弾性変形させた状態で前記シリンジの内周面上を摺動し、前記弾性アームの自由端の係止突起が前記シリンジに当接して前記ピストンの押し込みを停止させ、
    前記操作部の押圧力を緩め、若しくは解除し、又は前記操作部を後方に引くと、前記差込壁が前記弾性アームの自由端の径方向内側から抜け出して、前記弾性アームの自由端側部分が復元し、
    さらなる前記操作部の押圧にて、前記差込壁の前端に設けられた第2押圧面に前記弾性アームの自由端の第2受圧面が押されて前記ピストンが押し込まれることを特徴とする定量シリンジ型噴出器。
  2. 前記第1プランジャ部材本体は、前後方向に延びるシャフトを有し、
    前記第2プランジャ部材は、前記シャフトが挿入される挿入部を有し、
    前記シャフトと前記挿入部との間には、前記挿入部からの前記シャフトの抜け出しを防止する係合部が設けられている、請求項1に記載の定量シリンジ型噴出器。
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