JP2015173635A - 肝炎組織体、肝炎ウイルスの感染方法、肝炎組織体の製造方法、肝炎ウイルスの増殖方法、肝炎ワクチンの製造方法、スクリーニング方法、及びキット - Google Patents

肝炎組織体、肝炎ウイルスの感染方法、肝炎組織体の製造方法、肝炎ウイルスの増殖方法、肝炎ワクチンの製造方法、スクリーニング方法、及びキット Download PDF

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Abstract

【課題】肝臓の構成単位である肝小葉に近い組織構造を有し、肝炎ウイルスが感染可能であって、肝炎ウイルスの効率的な増殖が可能な肝炎組織体を提供する。【解決手段】1)肝炎ウイルス感染状態の肝組織を模した肝炎組織体であって、管状構造を有する内皮細胞と、該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含み、前記細胞塊を構成する細胞の少なくとも一部は肝炎ウイルスを保持する肝炎組織体。2)前記管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊が、肝細胞、肝細胞前駆細胞、肝芽細胞肝臓由来の細胞及び肝細胞系譜細胞からなる群から選ばれる少なくとも一つの細胞種を含む前記肝炎組織体。【選択図】なし

Description

本発明は肝炎組織体、肝炎ウイルスの感染方法、肝炎組織体の製造方法、肝炎ウイルスの増殖方法、肝炎ワクチンの製造方法、スクリーニング方法、及びキットに関する。
ウイルスが感染するには宿主(動物種や細胞種)特異性があることが知られている。感染後のウイルスの増殖および粒子構築・放出のプロセスにおいては、宿主の様々な因子が用いられるため、宿主因子の影響が非常に強い。B型肝炎ウイルス(HBV)はヒトに感染して肝炎、肝硬変、最終的には肝癌を引き起こす病原体として恐れられている。HBVは通常ヒト、チンパンジー、齧歯類のツパイにのみに感染する。そのため動物実験を行うことが難しい。その他、動物実験系又は動物実験系に代わるシステムとしては、ヒトの初代培養肝細胞、ヒト肝細胞のキメラマウス等が肝炎ウイルスの感染システムとして知られている(非特許文献1〜4)。
しかし、ヒト初代培養肝細胞は短期間のみの培養にしか用いることができず、またヒト肝細胞キメラマウスは非常に高価であることから、これらのシステムの頻用、特に創薬スクリーニングなどの大規模な実験系として用いることは現実的でない。このような経緯から、新たな肝炎ウイルス感染システムの開発が求められていた。
Gripon, P., Diot, C., Theze, N., Fourel, I., Loreal, O., Brechot, C., and Guguen-Guillouzo, C. (1988). Hepatitis B virus infection of adult human hepatocytes cultured in the presence of dimethyl sulfoxide. J. Virol. 62, 4136-4143. Ochiya, T., Tsurimoto, T., Ueda, K., Okubo, K., Shiozawa, M., and Matsubara, K. (1989). An in vitro system for infection with hepatitis B virus that uses primary human fetal hepatocytes. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 1875-1879. Meuleman P., Leroux-Roels G. (2008). The human liver-uPA-SCID mouse: a model for the evaluation of antiviral compounds against HBV and HCV. Antiviral Res. 80, 231-238. Chayama, K., Hayes, C.N., Hiraga, N., Abe, H., Tsuge, M., Imamura, M. (2011). Animal model for study of human hepatitis viruses. J Gastroenterol Hepatol. 26, 13-18.
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、肝臓の構成単位である肝小葉に近い組織構造を有し、肝炎ウイルスが感染可能であって、肝炎ウイルスの効率的な増殖が可能な肝炎組織体の提供を課題とする。
本発明者らはこれまでに、内皮細胞ネットワークと肝細胞とを含むin vitro肝組織(IVL)を開発してきた。そこで、IVLで発現する因子の解析を行ったところ、B型肝炎ウイルスが感染に利用することが報告されているナトリウムイオン−胆汁酸トランスポータータンパク質(NTCP)の発現が従来知られている培養中の肝細胞及び分化誘導された肝細胞系譜の細胞と比較して非常に高いことをつき止めた。
そして本発明者らは、IVLに肝炎ウイルスを接触させる又は肝炎感染細胞を用いてIVLを製造することにより、肝炎ウイルス感染状態の肝組織を模した肝炎組織体が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)肝炎ウイルス感染状態の肝組織を模した肝炎組織体であって、
管状構造を有する内皮細胞と、該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含み、
前記細胞塊を構成する細胞の少なくとも一部は肝炎ウイルスを保持することを特徴とする肝炎組織体。
(2)前記管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊が、肝細胞、肝細胞前駆細胞、肝芽細胞、肝臓由来の細胞及び肝細胞系譜細胞からなる群から選ばれる少なくとも一つの細胞種を含む前記(1)に記載の肝炎組織体。
(3)前記肝炎ウイルスがB型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルスであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の肝炎組織体。
(4)管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体に、肝炎ウイルスを接触させる工程を有することを特徴とする肝炎ウイルスの感染方法。
(5)前記管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊が、肝細胞、肝細胞前駆細胞、肝芽細胞、肝臓由来の細胞及び肝細胞系譜細胞からなる群から選ばれる少なくとも一つの細胞種を含む前記(4)に記載の肝炎ウイルスの感染方法。
(6)前記肝炎ウイルスがB型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルスであることを特徴とする前記(4)又は(5)に記載の肝炎ウイルスの感染方法。
(7)以下の工程(a−1)又は工程(b−1)を有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の肝炎組織体の製造方法。
(a−1)管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体に、肝炎ウイルスを接触させる工程
(b−1)管状構造を有する内皮細胞に肝炎ウイルス感染細胞を付着させる工程
(8)以下の工程(a−1)〜(a−2)又は工程(b−1)〜(b−2)を有することを特徴とする肝炎ウイルスの増殖方法。
(a−1)管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体に、肝炎ウイルスを接触させる工程
(a−2)肝炎ウイルスが接触した肝組織体を培養する工程、
(b−1)管状構造を有する内皮細胞に肝炎ウイルス感染細胞を付着させる工程
(b−2)管状構造を有する内皮細胞に付着した肝炎ウイルス感染細胞を培養する工程
(9)前記管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊又は前記肝炎ウイルス感染細胞が、肝細胞、肝細胞前駆細胞、肝芽細胞、肝臓由来の細胞及び肝細胞系譜細胞からなる群から選ばれる少なくとも一つの細胞種を含む前記(8)に記載の肝炎ウイルスの増殖方法。
(10)前記肝炎ウイルスがB型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルスであることを特徴とする前記(8)又は(9)に記載の肝炎ウイルスの増殖方法。
(11)前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の肝炎組織体より得られた肝炎ウイルス粒子又は肝炎ウイルス粒子構成タンパク質を用いることを特徴とする肝炎ワクチンの製造方法。
(12)前記(8)〜(10)のいずれか一つに記載の肝炎ウイルスの増殖方法により得られた肝炎ウイルス粒子又は肝炎ウイルス粒子構成タンパク質を用いることを特徴とする肝炎ワクチンの製造方法。
(13)前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の肝炎組織体と、評価対象の薬剤候補物質とを共に培養する工程を含むことを特徴とする肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤のスクリーニング方法。
(14)前記肝炎組織体が検査対象者由来の肝炎ウイルス感染細胞を含み、前記薬剤が検査対象者の肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤である前記(13)に記載の薬剤のスクリーニング方法。
(15)管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体と、肝炎ウイルスと、評価対象の薬剤候補物質とを共に培養する工程を含むことを特徴とする肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤のスクリーニング方法。
(16)前記肝炎ウイルスが検査対象者由来であり、前記薬剤が検査対象者の肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤である前記(15)に記載の薬剤のスクリーニング方法。
(17)前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の肝炎組織体を備えたことを特徴とする肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤をスクリーニングするためのキット。
本発明によれば、肝臓の構成単位である肝小葉に近い組織構造を有し、肝炎ウイルスが感染可能であって、肝炎ウイルスの効率的な増殖が可能な肝炎組織体を提供できる。
実施例において作製された、IVLhiPSの顕微鏡写真である。 IVLhiPS、iPS由来肝細胞、Huh−7細胞におけるNTCPの発現量(相対値)を示すグラフである。 IVLhiPS、共培養 on gelatinの幹細胞系譜細胞におけるHBVのpgRNAの発現量を示すグラフである。 IVLhiPS、iPS由来肝細胞、共培養 on gelatinの幹細胞系譜細胞におけるHBVのDNAコピー数を示すグラフである。 (A)(EHS(+), HUVEC(+))系でのHep G2.2.15の培養の様子を示す顕微鏡写真である。 (B)(EHS(+), HUVEC(−))系でのHep G2.2.15の培養の様子を示す顕微鏡写真である。 (C)(EHS(−), HUVEC(+))系でのHep G2.2.15の培養の様子を示す顕微鏡写真である。 (D)(EHS(−), HUVEC(−))系でのHep G2.2.15の培養の様子を示す顕微鏡写真である。 (E)上記各系でのHBVのpgRNAの発現量を示すグラフである。 (F)上記各系でのHBVのDNAコピー数を示すグラフである。 (A)(EHS(+), HUVEC(+))系でのHuH−HB−Aeの培養の様子を示す顕微鏡写真である。 (B)(EHS(+), HUVEC(−))系でのHuH−HB−Aeの培養の様子を示す顕微鏡写真である。 (C)(EHS(−), HUVEC(+))系でのHuH−HB−Aeの培養の様子を示す顕微鏡写真である。 (D)(EHS(−), HUVEC(−))系でのHuH−HB−Aeの培養の様子を示す顕微鏡写真である。 (E)上記各系でのHBVのHBsAgの発現量を示すグラフである。
≪肝炎組織体≫
本発明の肝炎組織体は、肝炎ウイルス感染状態の肝組織を模した肝炎組織体であって、管状構造を有する内皮細胞と、該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含み、前記細胞塊を構成する細胞の少なくとも一部は肝炎ウイルスを保持するものである。
ここで、「内皮細胞上に形成された細胞塊」とは、内皮細胞と細胞塊が直接に接していてもよいし、他の細胞、細胞外マトリックス成分、ハイドロゲル等の任意の物質を介して内皮細胞と細胞塊が接している状態であってもよい。
前記内皮細胞上に形成された細胞塊に含まれる細胞の種類は、肝炎ウイルスが感染可能な細胞であれば、特に制限されないが、細胞塊に含まれる細胞としては、肝細胞、肝細胞前駆細胞、肝芽細胞、肝臓由来の細胞及び幹細胞由来の肝細胞系譜細胞であることが好ましく、それらが互いに混在した状態で細胞塊に含まれていても良い。前記幹細胞としては、ES細胞、iPS細胞、その他の肝細胞系譜に分化し得る細胞等を例示できる。肝細胞系譜細胞は、肝臓の発生の任意段階で肝臓を構成する細胞の特徴として挙げられる表現型の少なくとも一つを有していればよい。
前記内皮細胞上に形成された細胞塊に含まれる細胞はヒト由来の細胞であることがより好ましい。したがって、前記幹細胞としては、ヒトES細胞(hES細胞)、ヒトiPS細胞(hiPS細胞)をより好ましい前記幹細胞として例示できる。幹細胞由来の肝細胞系譜細胞としては、ヒト幹細胞由来の肝細胞系譜細胞であることが好ましい。
管状構造を有する内皮細胞とは、例えば、複数の内皮細胞が集合して管腔構造を形成している状態である。このとき、管腔構造の形成を促進するという点から、内皮細胞同士は互いに網目状につながって内皮細胞のネットワークを形成していることが好ましい。すなわち内皮細胞同士は内皮細胞管状ネットワークを形成していることが好ましい。
内皮細胞の種類としては、特に限定されるものではないが、血管内皮細胞であることが好ましい。血管内皮細胞としては正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を用いることができる。
前記肝炎ウイルスとしては特に制限されず、例えば、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスを挙げることができる。
従来、肝炎ウイルスが感染し得る細胞に肝炎ウイルスを感染させて、それを培養させることが試みられてきた。しかし、肝炎ウイルスが細胞へ感染する効率は低く、また肝炎ウイルスが感染した状態にある肝炎ウイルス感染細胞を得ることは出来ても、当該細胞を長期間培養することは難しく、実験系として用いるには不都合があった。
本発明の肝炎組織体は、肝組織体への肝炎ウイルスが非常に感染しやすく、さらには、肝炎ウイルスが良好に保持された状態で長期間培養することが可能である。そのため、肝炎ウイルス感染状態の肝組織を模したin vitroモデルとして、良好且つ安価に用いることができる極めて優れた組織体である。
≪肝炎組織体の製造方法・肝炎ウイルスの感染方法≫
<肝炎組織体の製造方法>
本発明の肝炎組織体の製造方法は、以下の工程(a−1)又は工程(b−1)を有するものである。
(a−1)管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体に、肝炎ウイルスを接触させる工程
(b−1)管状構造を有する内皮細胞に肝炎ウイルス感染細胞を付着させる工程
工程(a−1)は、まず非感染状態の肝組織体を形成させ、該肝組織体に肝炎ウイルスを接触させ、細胞塊を構成する細胞を肝炎ウイルスに感染させ、肝炎組織体を製造する方法である。
まず、この非感染状態の肝組織体の製造方法としては、例えば、培養液中にある培養基板上に内皮細胞を播種した後に肝炎ウイルスの感染対象の細胞を加えて、それらの細胞を含む組織体を形成せることができる。
肝炎ウイルスの感染対象の細胞としては、肝炎ウイルスが感染し得る細胞であれば特に制限されず、肝細胞、肝細胞前駆細胞、肝芽細胞、肝臓由来の細胞及び幹細胞由来の肝細胞系譜細胞であることが好ましい。前記幹細胞としては、ES細胞、iPS細胞、その他の肝細胞系譜に分化し得る細胞等を例示できる。肝細胞系譜細胞は、肝臓の発生の任意段階で肝臓を構成する細胞の特徴として挙げられる表現型の少なくとも一つを有していればよい。
肝炎ウイルスの感染対象の細胞はヒト由来の細胞であることがより好ましい。したがって、前記幹細胞としては、hES細胞、hiPS細胞をより好ましい前記幹細胞として例示できる。幹細胞由来の肝細胞系譜細胞としては、ヒト幹細胞由来の肝細胞系譜細胞であることが好ましい。
肝細胞系譜の細胞を、内皮細胞が播種された培地上に播種する場合、肝細胞系譜の細胞は内胚葉細胞又は内胚葉様細胞であることが好ましい。或いは、内胚葉細胞又は内胚葉様細胞への分化誘導には、Activin Aを含む培地を用いることができるので、Activin Aを含む培地中で培養された幹細胞を用いることが好ましい。例えば、iPS細胞をActivin Aを含む培地で数日間培養して内胚葉細胞又は内胚葉様細胞を得ることができる。Activin A存在下でのiPS細胞の培養期間は特に制限されず、1時間〜12日間が好ましく、1日〜7日間がより好ましく、2日〜5日間がさらに好ましい。
このとき、まず、基板上にさらに足場材料の層を形成させ、その上に内皮細胞ネットワークを形成させ、管状構造を有する内皮細胞ネットワークを形成させることが好ましい。足場材料としては、特に制限されず、ゼラチン、ラミニン、フィブロネクチン、ポリ−D−ラミニン、コラーゲンタイプI、コラーゲンタイプIV等のコラーゲン、Engelbreth−Holm−Swarm(EHS)ゲル、及び従来公知の足場材料として使用可能な成分を用いることができる。なかでも、内皮細胞により効率的に管状構造を有する内皮細胞ネットワークを形成させることができるという点から、EHSゲルを用いることが特に好ましい。内皮細胞がまずネットワークを形成することにより、内皮細胞が管腔構造を形成することが促進され、in vitroであっても、より効率的に管腔構造を形成させることが可能となる。
このように、内皮細胞ネットワークを形成させた後、内皮細胞ネットワークが形成された培地上に、一例として肝細胞を播種すると、幹細胞が内皮細胞ネットワークに向かって移動し、管状構造を有する内皮細胞ネットワーク上に細胞塊を形成し、高度に組織化された肝組織体を形成させることができる。
次いで、非感染状態の当該肝組織体に、肝炎ウイルスを接触させる。肝組織体に肝炎ウイルスを接触させる方法は特に制限されるものではない。例えば、肝組織体を浸している培地中に肝炎ウイルスを添加し、肝組織体に肝炎ウイルスを接触させることができる。或いは、マイクロインジェクション法やエレクトロポーレーション法等により肝組織体中に肝炎ウイルスを注入してもよい。肝炎ウイルスと接触した肝組織体の細胞には肝炎ウイルスが取り込まれる。
このようにして、肝組織体に含まれる肝細胞にウイルスを保持させ、本発明に係る肝炎組織体を得ることができる。
工程(b−1)は、管状構造を有する内皮細胞に、予め肝炎ウイルス感染状態にある肝炎ウイルス感染細胞を付着させ、肝炎組織体を製造する方法である。
肝炎ウイルス感染細胞としては、Hep G2に代表される肝癌細胞株、肝炎ウイルスによる肝癌患者由来の肝炎ウイルス感染細胞、肝炎患者由来の肝炎ウイルス感染細胞の他、細胞に肝炎ウイルスを感染させて得られた肝炎ウイルス感染細胞等が挙げられる。この肝炎ウイルスの感染対象の細胞としては、前述の工程(a−1)で説明したものと同様の細胞を用いることができる。工程(b−1)で用いられる内皮細胞、好ましい足場材料についても前述の工程(a−1)で説明したものと同様のものを用い、本発明に係る肝炎組織体を得ることができる。
ここで、内皮細胞に肝炎ウイルス感染細胞を「付着させ」るとは、内皮細胞と細胞塊が直接に接して付着していてもよいし、他の細胞、細胞外マトリックス成分、ハイドロゲル等の任意の物質を介して内皮細胞と肝炎ウイルス感染細胞が接し、これらが一体化して肝炎ウイルス感染細胞が内皮細胞に付着している状態であってもよい。
このようにして製造された本発明に係る肝炎組織体は、肝組織体へ肝炎ウイルスが非常に感染しやすく、さらには、肝炎ウイルスが良好に保持された状態で長期間培養することが可能である。
<肝炎ウイルスの感染方法>
本発明の肝炎ウイルスの感染方法は、管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体に、肝炎ウイルスを接触させる工程を有する。当該工程は、上述の<肝炎組織体の製造方法>における工程(a−1)と同一である。
管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体は、肝炎ウイルスが非常に感染しやすい。そのため本発明の肝炎ウイルスの感染方法によれば、非常に効率的に肝炎ウイルスを細胞へ感染させることができる。
上記の≪肝炎組織体≫、<肝炎組織体の製造方法>及び<肝炎ウイルスの感染方法>において挙げた本発明の利点は、本発明の肝炎組織体が高度に組織化された状態であるからと考えられる。生体内での肝細胞は細胞や基質、毛細胆管等と隣接して配置されており、それらの細胞からのシグナルの受容やコミュニケーションが肝細胞としての様々な機能の発現に関与し、良好な培養状態が継続可能となっていると考えられる。
また、その結果、本発明の肝炎組織体における肝炎ウイルスへの感染されやすさを高めていると考えられる。これは、後述の[実施例]で示すように、管状構造を有する内皮細胞ネットワーク上に形成されていない細胞では肝炎ウイルスへの感染が著しく劣るのに対し、管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体では、肝炎ウイルスが感染に利用することが知られているNTCPの発現が高められており、肝炎ウイルスへ非常に感染しやすいことからも示される。
≪肝炎ウイルスの増殖方法≫
本発明の肝炎ウイルスの増殖方法は、以下の工程(a−1)〜(a−2)又は工程(b−1)〜(b−2)を有する。
(a−1)管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体に、肝炎ウイルスを接触させる工程
(a−2)肝炎ウイルスが接触した肝組織体を培養する工程、
(b−1)管状構造を有する内皮細胞に肝炎ウイルス感染細胞を付着させる工程
(b−2)管状構造を有する内皮細胞に付着した肝炎ウイルス感染細胞を培養する工程。
このように、本発明の肝炎ウイルスの増殖方法は、本発明の肝炎組織体の製造方法が含む工程(a−1)に加えて前記工程(a−2)を有するもの、又は、本発明の肝炎組織体の製造方法が含む工程(b−1)に加えて前記工程(b−2)を有するものである。
(工程(a−1)〜(a−2))
本実施形態のウイルス増殖方法では、まず、工程(a−1)を行い、肝組織体に肝炎ウイルスを接触させ、細胞塊を構成する細胞を肝炎ウイルスに感染させて、肝炎組織体を得る。その後工程(a−2)を行い、当該肝炎組織体を培養し、ウイルスを増殖させる。
別の形態としては、工程(a−2)の「肝炎ウイルスが接触した肝組織体」は、肝炎ウイルスへの感染が成立していない状態であり、肝組織体を培養する間に感染が成立して肝炎組織体となってもよい。当該工程(a−2)における培養方法については特に制限されず、当業者において一般的な動物細胞の培養方法に従い、培養対象の細胞に応じて適切な方法を選択し、行うことができる。
本実施形態のウイルス増殖方法によれば、肝組織体へのウイルスの感染しやすさが高く、更に肝炎ウイルスが接触した肝組織体の培養も大変良好に行われるので、効率的に肝炎ウイルスを増殖させることができる。
(工程(b−1)〜(b−2))
本実施形態のウイルス増殖方法では、まず、工程(b−1)を行い、肝炎組織体を得る。その後工程(b−2)を行い、当該肝炎組織体を培養し、ウイルスを増殖させる。当該工程(b−2)における培養方法についても特に制限されず、当業者において一般的な動物細胞の培養方法に従い、培養対象の細胞に応じて適切な方法を選択し、行うことができる。
肝炎ウイルスの増殖は、工程(b−1)で用いる肝炎ウイルス感染細胞にてすでに生じていると考えられるが、本実施形態のウイルス増殖方法によれば、肝炎ウイルス感染細胞を管状構造を有する内皮細胞に付着させて肝炎組織体とすることで、より安定的に肝炎ウイルスの増殖を行わせることができる。
≪肝炎ワクチンの製造方法≫
本発明の肝炎ワクチンの製造方法は、本発明の肝炎組織体又は本発明の肝炎ウイルスの増殖方法により得られた、肝炎ウイルス粒子又は肝炎ウイルス粒子構成タンパク質を用いる。
肝炎組織体および肝炎組織体を培養した培養上清には肝炎ウイルス粒子又は肝炎ウイルス粒子構成タンパク質が含まれるので、これらを抗原とした肝炎ウイルスワクチンを製造することができる。肝炎ウイルスワクチンの製造には、例えば、従来公知の方法により肝炎ウイルス粒子等を弱毒化、無毒化または不活化してウイルス粒子を得て、肝炎ワクチンとして製造することも可能である。
本発明の肝炎ワクチンの製造方法によれば、本発明の肝炎組織体又は本発明の肝炎ウイルスの増殖方法によって高効率に得られた肝炎ウイルス粒子又は肝炎ウイルス粒子構成タンパク質を用いるので、効率的に肝炎ワクチンを製造することができる。
≪薬剤のスクリーニング方法≫
[第一実施形態]
本実施形態の薬剤のスクリーニング方法は、本発明の肝炎組織体と、評価対象の薬剤候補物質とを共に培養する工程を含む、肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤のスクリーニング方法である。
評価対象の薬剤候補物質としては、特に限定されず、肝炎ウイルス又は肝炎ウイルスタンパク質に対する抑制効果が従来知られている物質でもよく、当該効果が未知の物質でもよい。
第一実施形態の薬剤のスクリーニング方法の手順の一例としては、肝炎組織体を培養している培養液中に薬剤候補物質を加えて培養する系と、薬剤候補物質を加えずに培養する系とを用意して、各肝炎組織体を培養した後に各肝炎組織体中のウイルス量を定量し、得られたウイルス量の値を指標にして薬剤のスクリーニングを行うことができる。ウイルス量の定量方法としては特に限定されず、ウイルス感染により特異的に生産されるタンパク質又は核酸を定量することが挙げられ、より具体的にはPCR、リアルタイムPCR、ノーザンブロッティング、ウェスタンブロッティング、サザンブロッティング、ELISA等の方法が挙げられる。
[第二実施形態]
本実施形態の薬剤のスクリーニング方法は、管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体と、肝炎ウイルスと、評価対象の薬剤候補物質とを共に培養する工程を含む、肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤のスクリーニング方法である。
第二実施形態の薬剤のスクリーニング方法の手順の一例としては、肝組織体を培養している培養液中に肝炎ウイルス及び薬剤候補物質を加えて培養する系と、薬剤候補物質を加えずに培養する系とを用意して、各肝炎組織体を培養した後に各肝炎組織体中のウイルス量を定量し、得られたウイルス量の値を指標にして薬剤のスクリーニングを行う方法が挙げられる。肝炎ウイルスと薬剤候補物質とを加える順序及びタイミングは特に限定されず、当該培養液中に先に肝炎ウイルスを加えた後に薬剤候補物質を加える、肝炎ウイルスと薬剤候補物質を同時に加える等の手順で行えばよい。その後、各肝組織体中のウイルス量を定量し、得られたウイルス量の値を指標にして薬剤のスクリーニングを行うことができる。ウイルス量の定量方法としては上記の[第一実施形態]で挙げたものと同様の方法により行うことができる。
肝炎組織体又は上記肝組織体と共に培養する評価対象の薬剤候補物質は、一種類でもよく、複数種類の組み合わせであってもよい。複数種類の薬剤候補物質と共に肝炎組織体又は上記肝組織体を培養することで、適切な薬剤の組み合わせをスクリーニングすることができる。
肝炎組織体又は上記肝組織体が検査対象者由来の肝炎ウイルス感染細胞を含んでいる場合、患者(検査対象者)にとって治療効果の高い薬剤をスクリーニングすることができる。なお、この場合患者本来の肝臓の組織に近い状態でスクリーニングすることができる点から、肝炎組織体又は上記肝組織体が患者由来の細胞を含んでいることが好ましい。
本発明の肝炎組織体又は上記肝組織体は、容易に多数のものを用意することも可能であるので、本実施形態の薬剤のスクリーニング方法によれば薬剤候補物質の種類、濃度、組み合わせ等に関するスクリーニングを一度に低コストで行うことができる。
≪キット≫
本発明のキットは、本発明の肝炎組織体を備えた、肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤をスクリーニングするためのキットである。
本発明のキットは、より簡便に肝炎ウイルスを抑制する薬剤のスクリーニングを可能とするために、さらに肝炎ウイルスを定量するための試薬類を備えていることが好ましい。また更には、本発明のキットは、肝炎組織体を培養するための器具、キットを使用するための指示書等をさらに備えていてもよい。
このように、肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤をスクリーニングするために必要なものをキット化することにより、肝炎ウイルスを抑制する薬剤のスクリーニングをより簡便にかつ客観的に行うことができる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
≪IVLhiPS
[肝組織体の作製]
(IVLhiPSの作製)
EHSゲル(BD Biosciences社製)上に、HUVECs(Cambrex BioScience社製)を4.2×10cells/cmで播種し、5%CO、37℃条件下で培養した。なお、以下に示す他の培養についても該条件の下で行った。HUVECsは12時間以内にネットワークを形成した。なお、前記HUVECsは予めゼラチンコート プレート上でEGM−2(Lonza Japan Ltd.製)入りの培地中にて培養しておいたものである。
hiPS細胞(201B1株,文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクトを介して理研BRCから提供されたもの、Takahashi, K., Tanabe, K., Ohnuki, M., Narita, M., Ichisaka, T., Tomoda, K., and Yamanaka, S. (2007). Induction of pluripotent stem cells from adult human fibroblasts by defined factors. Cell 131, 861-872.)をマウス胎仔線維芽細胞上で4μgのbFGF(R&D Systems 社製)含有霊長類ES/iPS細胞用培地(Reprocell社製)を使用して培養した。70%コンフルエント状態のiPS細胞に、Activin A(R&D Systems 社製)を加えた後、3日間培養を行った。次いで、Activin A存在下で3日間培養された当該iPS由来の細胞を、1.2×10cells/cmで、培養開始から1日目の前記HUVECネットワークが形成されている培地中に播種した。その後1日間の培養期間中で、当該iPS由来の細胞はHUVECネットワークへと移動した。このようにして、HUVECネットワーク(管状構造を有する内皮細胞ネットワーク)上に形成されたhiPS細胞由来の肝細胞の細胞塊を含む肝組織体(IVLhiPS:human iPS cell-derived in vitro liver system)を得た(図1)。
(IVLhESの作製)
iPS細胞に代えてhES細胞を用いた以外は、前記(IVLhiPSの作製)と同様にして、HUVECネットワーク(管状構造を有する内皮細胞ネットワーク)上に形成されたhES細胞由来の肝細胞の細胞塊を含む肝組織体(IVLhES:human ES cell-derived in vitro liver system)を得た。hES細胞は京都大学の中辻らが樹立し、京都大学経由で供与された KhES-1 株(Suemori, H., Yasuchika, K., Hasegawa, K., Fujioka, T., Tsuneyoshi, N., and Nakatsuji, N. (2006). Efficient establishment of human embryonic stem cell lines and long-term maintenance with stable karyotype by enzymatic bulk passage. Biochem. Biophys. Res. Commun. 345, 926-932.)を使用した。
また比較対象として、iPS細胞由来肝細胞及びHuh−7細胞を用意した。iPS細胞由来肝細胞は、iPS細胞にActivin Aを3日間、BMP-2とFGF-4を5日間、HGFを5日間、OSMとDexamethasoneを5日間、順番に培地中に添加して得たものである。Huh−7細胞は、細胞内でのC型肝炎ウイルスの増殖が可能なヒト肝癌細胞株である。iPS細胞由来肝細胞、及びHuh−7細胞の両細胞ともにHUVECネットワーク上での培養を経ない状態で培養を行った。
[NTCP発現量の測定]
得られたIVLhiPSの培養中のナトリウムイオン−胆汁酸トランスポータータンパク質(NTCP)の発現量を求めた。NTCPは、B型肝炎ウイルス(HBV)が細胞への感染に利用する可能性が報告されている膜タンパク質である(Yan, H., Zhong, G., Xu, G., He, W., Jing, Z., Gao, Z., Huang, Y., Qi, Y., Peng, B., Wang, H., et al. (2012). Sodium taurocholate cotransporting polypeptide is a functional receptor for human hepatitis B and D virus. Elife 1, e00049.)。NTCPの発現量は、リアルタイムPCR法を用い、培養中の前記IVLhiPS、iPS細胞由来肝細胞、Huh−7細胞をそれぞれ同量取り出し、mRNAを逆転写したcDNA量を、β-ACTINに対する相対値として定量した。
NTCP特異的プライマー(配列番号1:5’-ATCGTCCTCAAATCCAAACG-3’、配列番号2:5’-CCATTGAGGCAGAAGAGAGC-3’)とβ-ACTIN特異的プライマー(配列番号3:5’-GGGCATGGGTCAGAAGGATT-3’、配列番号4:5’-CAGTGCACATCACATCAACC-3’)を使用し、95℃15秒、65℃30秒を1サイクルとし、40サイクルまでの反応を測定した。全てのサンプルはduplicateで測定し、その平均値を測定値として使用した。反応終了後、融解曲線分析により増幅産物が1種類のみであることを確認した。
図2にNTCP発現量の測定結果を示す。グラフの縦軸はNTCPの発現量(相対値)であり、横軸は培養日数であり、IVLhiPS及びiPS細胞由来肝細胞については分化誘導開始時点(Activin A添加時点)からの培養日数である。図2のグラフから、IVLhiPSでのNTCPの発現量は、iPS細胞由来肝細胞及びHuh−7細胞と比較して、高いことが明らかである。この結果から、IVLhiPSはHBVへの感染しやすさが高められていることが示された。
[B型肝炎ウイルスの増殖−1]
上記の結果を得て、IVLhiPSのHBVへの感染実験を行った。IVLhiPSが培養されている培地中へとHBVを添加し本発明に係る肝炎組織体を得た。
また比較対象として、EHSゲルを用いずに直接ゼラチンコート上に前記iPS細胞由来肝細胞を播種した以外は、上記IVLhiPSの作製と同様にしてHUVEC上に形成された細胞塊(共培養on gelatin)を得て、HBVへの感染実験を行った。このとき共培養on gelatinのHUVECはIVLhiPSとは異なり、管状構造を有する内皮細胞ネットワークを形成していなかった。
HBV添加後4日目、8日目、12日目のHBVの各群でのpgRNAの発現量を求めた。pgRNAの発現量は、培養中のIVLhiPS、前記共培養on gelatinが含む肝細胞系譜細胞を含むペレットを同量取り出してtotal RNAを抽出し、RT−PCRを行い、β-ACTINに対する相対値としてpgRNA量を定量した。
pgRNA特異的プライマー(配列番号5:5’-TCCCTCGCCTCGCAGACG-3’、配列番号6:5’-GTTTCCCACCTTATGAGTC-3’)とβ-ACTIN特異的プライマー(配列番号7:5’-TTCTACAATGAGCTGCGTGTG-3’、配列番号8:5’-GGGGTGTTGAAGGTCTCAAA-3’)を使用し、95℃15秒、60℃30秒を1サイクルとし、40サイクルまでの反応を測定した。全てのサンプルはduplicateで測定し、その平均値を測定値として使用した。反応終了後、融解曲線分析により増幅産物が1種類のみであることを確認した。
図3にHBVのpgRNAの発現量の測定結果を示す。共培養on gelatinの肝細胞系譜細胞と比較して、IVLhiPSではpgRNAの発現量が高められており、IVLhiPSにおいて良好にHBVが増殖していることが示された。
[B型肝炎ウイルスの増殖−2]
前記[B型肝炎ウイルスの増殖−1]と同様にして、IVLhiPSが培養されている培地中へとHBVを添加し本発明に係る肝炎組織体を得た。また比較対象として、前述のHUVEC上に形成された細胞塊(共培養on gelatin)と、前記[NTCP発現量の測定]で用いたものと同様にして得たiPS細胞由来肝細胞とを用意した。
HBV添加後6日目、9日目、12日目の各群の培養液中あたりのHBVのDNAコピー数を求めた。PCR条件は前記[B型肝炎ウイルスの増殖−1]で示したものと同一である。
図4にHBVのDNAコピー数の測定結果を示す。共培養on gelatinの肝細胞系譜細胞と比較して、IVLhiPSではHBVのDNAコピー数が高められており、IVLhiPSにおいて良好にHBVが増殖し、培養液中にウイルス粒子が放出されていることが示された。
以上の結果から、iPS細胞を用いて分化誘導した肝細胞系譜とヒト内皮細胞管腔ネットワークと共培養することにより、肝臓の構成単位である肝小葉に近い組織構造(IVLhiPS:human iPS cell-derived in vitro liver system)をin vitroで構築することに成功したことが示された。また、当該IVLhiPSでは、HBVへの感染しやすさが高く、HBVが良好に増殖可能であった。
≪IVLHep G2.2.15
[肝炎組織体の作製]
(EHS(+), HUVEC(+))
EHSゲル(BD Biosciences社製)上に、HUVECs(Cambrex BioScience社製)を4.2×10cells/cmで播種し、5%CO、37℃条件下で培養した。なお、以下に示す他の培養についても該条件の下で行った。HUVECsは12時間以内にネットワークを形成した。なお、前記HUVECsは予めゼラチンコート プレート上でEGM−2(Lonza Japan Ltd.製)入りの培地中にて培養しておいたものである。
次いで、ヒト肝細胞癌由来の細胞株であって、継続的にHBVの複製が行われているHep G2.2.15を1.2×10cells/cmで、培養開始から1日目の前記HUVECネットワーク上に播種した。その後1日間培養して、HUVECネットワーク(管状構造を有する内皮細胞ネットワーク)上に形成されたHep G2.2.15の細胞塊を含む、本発明に係る肝炎組織体(IVLHep G2.2.15)を得た(図5(A))。
(EHS(+), HUVEC(−))
HUVECを用いずにHep G2.2.15を播種した以外は、上記の(EHS(+), HUVEC(+))系と同様にして、Hep G2.2.15の培養を行った(図5(B)参照)。
(EHS(−), HUVEC(+))
EHSゲルを用いずに、直接ゼラチンコート上にHUVECを形成させた以外は、上記の(EHS(+), HUVEC(+))系と同様にして、Hep G2.2.15の培養を行った(図5(C)参照)。
(EHS(−), HUVEC(−))
EHSゲル及びHUVECを用いずに、直接ゼラチンコート上にHep G2.2.15を播種した以外は、上記の(EHS(+), HUVEC(+))系と同様にして、Hep G2.2.15の培養を行った(図5(D)参照)。
上記の系のうち、(EHS(−), HUVEC(+))の系HUVECは(EHS(+), HUVEC(+))の系のHUVECとは異なり、管状構造を有する内皮細胞ネットワークを形成していなかった。
次いで、上記各群でのpgRNAの発現量を求めた。pgRNAの発現量は、培養7日目の各群からHep G2.2.15を含むペレットを同量取り出してtotal RNAを抽出し、半定量RT−PCRを行い、β―ACTINに対する相対値としてpgRNA量を定量した。
また、上記各群の培養液中あたりのHBVのDNAコピー数を求めた。測定方法は、上記≪IVLhiPS≫で行ったものと同様であり、培養1−3日目と培養3−5日目での培養液に対して測定を行った。
図5(E)にHBVのpgRNAの発現量を定量した結果を示す。この結果から、EHS(+), HUVEC(+)の系で得られたIVLHep G2.2.15及び、EHS(−), HUVEC(+)で培養されたHep G2.2.15では、EHS(+),HUVEC(−)及びEHS(−),HUVEC(−)の系と比較して、HBV pgRNAの発現量が高められ、良好にHBVが増殖していることが示された。
図5(F)に培養液中あたりのHBVのDNAコピー数を定量した結果を示す。この結果から、EHS(+), HUVEC(+)の系で得られたIVLHep G2.2.15では、HBVのDNAコピー数が他の系と比較して高められており、良好にHBVが増殖し、培養液中にウイルス粒子が放出されていることが示された。
以上の結果から、Hep G2.2.15とヒト内皮細胞管腔ネットワークと共培養することにより、肝臓の構成単位である肝小葉に近い組織構造(IVLHep G2.2.15)をin vitroで構築することに成功したことが示された。また、当該IVLHep G2.2.15では、HBVが良好に増殖可能であった。
≪IVLHuH−HB−Ae
[肝炎組織体の作製]
分化型の肝細胞癌由来の細胞株であるHuH−7にgenotype A−containing plasmidをトランスフェクションさせ、継続的にHBV遺伝子が発現している細胞株であるHuH−HB−Aeを得た。
(EHS(+), HUVEC(+))
上述の≪IVLHep G2.2.15≫の(EHS(+), HUVEC(+))において、Hep G2.2.15に代えて前記HuH−HB−Aeを用い、HUVECネットワーク(管状構造を有する内皮細胞ネットワーク)上に形成されたHuH−HB−Aeの細胞塊を含む、本発明に係る肝炎組織体(IVLHuH−HB−Ae)を得た(図6(A))。
また、Hep G2.2.15に代えて前記HuH−HB−Aeを用い、上述の≪IVLHep G2.2.15≫と同様にして(EHS(+), HUVEC(−))(図6(B)参照)、(EHS(−), HUVEC(−))(図6(C)参照)、(EHS(−), HUVEC(−))(図6(D)参照)の系でHuH−HB−Aeの培養を行った。
次いで、上記各群でのB型肝炎表面抗原(HBsAg)の発現量を求めた。HBsAgの発現量は、各群の培養液に対してHBsAgに対する抗体を用いてエンザイムイムノアッセイによって求めた。
図6(E)に培養液中あたりのHbsAgを定量した結果を示す。この結果から、EHS(+), HUVEC(+)の系で得られたIVLHuH−HB−Aeでは、HBsAgの値が他の系と比較して有意に高められており、良好にHBVが増殖し、培養液中にウイルス粒子が放出されていることが示された。
以上の結果から、HuH−HB−Aeとヒト内皮細胞管腔ネットワークと共培養することにより、肝臓の構成単位である肝小葉に近い組織構造(IVLHuH−HB−Ae)をin vitroで構築することに成功したことが示された。また、当該IVLHuH−HB−Aeでは、HBVが良好に増殖可能であった。
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
本発明の肝炎組織体、肝炎ウイルスの感染方法、肝炎組織体の製造方法、肝炎ウイルスの増殖方法、肝炎ワクチンの製造方法、スクリーニング方法、及びキットは、肝炎ウイルスを対象とする医療関連分野に広く適用可能である。

Claims (17)

  1. 肝炎ウイルス感染状態の肝組織を模した肝炎組織体であって、
    管状構造を有する内皮細胞と、該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含み、
    前記細胞塊を構成する細胞の少なくとも一部は肝炎ウイルスを保持することを特徴とする肝炎組織体。
  2. 前記管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊が、肝細胞、肝細胞前駆細胞、肝芽細胞、肝臓由来の細胞及び肝細胞系譜細胞からなる群から選ばれる少なくとも一つの細胞種を含む請求項1に記載の肝炎組織体。
  3. 前記肝炎ウイルスがB型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の肝炎組織体。
  4. 管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体に、肝炎ウイルスを接触させる工程を有することを特徴とする肝炎ウイルスの感染方法。
  5. 前記管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊が、肝細胞、肝細胞前駆細胞、肝芽細胞、肝臓由来の細胞及び肝細胞系譜細胞からなる群から選ばれる少なくとも一つの細胞種を含む請求項4に記載の肝炎ウイルスの感染方法。
  6. 前記肝炎ウイルスがB型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルスであることを特徴とする請求項4又は5に記載の肝炎ウイルスの感染方法。
  7. 以下の工程(a−1)又は工程(b−1)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の肝炎組織体の製造方法。
    (a−1)管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体に、肝炎ウイルスを接触させる工程
    (b−1)管状構造を有する内皮細胞に肝炎ウイルス感染細胞を付着させる工程
  8. 以下の工程(a−1)〜(a−2)又は工程(b−1)〜(b−2)を有することを特徴とする肝炎ウイルスの増殖方法。
    (a−1)管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体に、肝炎ウイルスを接触させる工程
    (a−2)肝炎ウイルスが接触した肝組織体を培養する工程、
    (b−1)管状構造を有する内皮細胞に肝炎ウイルス感染細胞を付着させる工程
    (b−2)管状構造を有する内皮細胞に付着した肝炎ウイルス感染細胞を培養する工程
  9. 前記管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊又は前記肝炎ウイルス感染細胞が、肝細胞、肝細胞前駆細胞、肝芽細胞、肝臓由来の細胞及び肝細胞系譜細胞からなる群から選ばれる少なくとも一つの細胞種を含む請求項8に記載の肝炎ウイルスの増殖方法。
  10. 前記肝炎ウイルスがB型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルスであることを特徴とする請求項8又は9に記載の肝炎ウイルスの増殖方法。
  11. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の肝炎組織体より得られた肝炎ウイルス粒子又は肝炎ウイルス粒子構成タンパク質を用いることを特徴とする肝炎ワクチンの製造方法。
  12. 請求項8〜10のいずれか一項に記載の肝炎ウイルスの増殖方法により得られた肝炎ウイルス粒子又は肝炎ウイルス粒子構成タンパク質を用いることを特徴とする肝炎ワクチンの製造方法。
  13. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の肝炎組織体と、評価対象の薬剤候補物質とを共に培養する工程を含むことを特徴とする肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤のスクリーニング方法。
  14. 前記肝炎組織体が検査対象者由来の肝炎ウイルス感染細胞を含み、前記薬剤が検査対象者の肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤である請求項13に記載の薬剤のスクリーニング方法。
  15. 管状構造を有する内皮細胞と該管状構造を有する内皮細胞上に形成された細胞塊とを含む肝組織体と、肝炎ウイルスと、評価対象の薬剤候補物質とを共に培養する工程を含むことを特徴とする肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤のスクリーニング方法。
  16. 前記肝炎ウイルスが検査対象者由来であり、前記薬剤が検査対象者の肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤である請求項15に記載の薬剤のスクリーニング方法。
  17. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の肝炎組織体を備えたことを特徴とする肝炎ウイルスの増殖、肝炎ウイルスの作用又は肝炎ウイルスタンパク質の発現を抑制する薬剤をスクリーニングするためのキット。
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