JP2015172333A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピエゾ素子積層体を備える燃料噴射弁において、制御可能な最小噴射量を小さくするとともに、燃料噴射量のばらつきを少なくする。
【解決手段】排出弁32のリフト量Lが所定シフト量L1以上の領域(L≧L1)でのみ排出弁32を閉弁向きに付勢するスプリング59を設ける。これにより、L≧L1の領域では、排出弁32の開弁向き移動速度が低下して噴射開始遅れ時間が従来よりも増加するとともに、排出弁32の閉弁向き移動速度が高くなって噴射終了遅れ時間が従来よりも短くなる。したがって、制御可能な最小噴射量を小さくすることができる。また、L<L1の領域では、スプリング59は実質的に作用しないため、排出弁32が着座するときの速度が低下して閉弁時のバウンスが抑制される。したがって、排出弁32の閉弁時の作動が安定して燃料噴射量のばらつきを少なくすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料を内燃機関に噴射するための燃料噴射弁に関する。
従来、この種の燃料噴射弁として、例えば特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された燃料噴射弁は、噴孔を開閉するノズルニードルを備え、制御室の燃料圧力によりノズルニードルが閉弁向きに付勢されている。また、高圧燃料を制御室に供給する高圧供給通路と、制御室の燃料を低圧部に排出させる排出通路と、排出通路を開閉する排出弁と、排出弁を閉弁向きに付勢するスプリングとを備えている。
また、電荷の充放電により伸縮するピエゾ素子積層体を備え、ピエゾ素子積層体の長さの変化を変位伝達機構により拡大して排出弁に伝達し、排出弁を開閉作動させるようになっている。
そして、排出弁を開弁させて制御室の燃料を低圧部に排出させることにより、ノズルニードルを開弁向きに作動させて燃料噴射を開始し、また、排出弁を閉弁させて制御室に高圧燃料を流入させることにより、ノズルニードルを閉弁向きに作動させて燃料噴射を終了させるようになっている。
特許第3827003号明細書
ところで、従来の燃料噴射弁は、排出弁開弁時に排出通路を流れる燃料の流量を増加(すなわち、シート径を拡大)させることで、ノズルニードルの開弁速度を高めて噴射率矩形度を向上させている。因みに、噴射率矩形度向上のメリットとしては、等容度の向上による燃焼効率の向上、煤再燃焼時間の増加によるエミッション低減等がある。
しかしながら、排出通路の通過流量を増加させてノズルニードルの開弁速度を高めた場合、噴射弁に指令値を出力してから噴射開始までの遅れも短縮されるため、同一指令値での噴射量が増大する。
その結果、微小量の燃料噴射時の指令値が極端に短くなり、指令値(すなわち、ピエゾ素子積層体の充電期間)はピエゾ素子積層体の最小充電期間(100msec程度)以下となる。
そして、ピエゾ素子積層体の最小充電期間以下の指令値は、排出弁の開弁挙動が不安定となるため使用が困難であり、したがって、制御可能な最小噴射量が大きくなるという問題が発生する。
この問題に対しては、排出弁を閉弁向きに付勢するスプリングのセット荷重を増加させることで噴射開始遅れ時間を増加させて対処することが可能である。しかし、セット荷重を増加させた場合、排出弁の閉弁速度が高くなって閉弁時のバウンスが顕著になり、排出弁の作動が不安定になって排出通路の通過流量がばらついてしまい、燃料噴射量がばらついてしまうという問題が発生する。
本発明は上記点に鑑みて、ピエゾ素子積層体を備える燃料噴射弁において、制御可能な最小噴射量を小さくするとともに、燃料噴射量のばらつきを少なくすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、制御室(26)の燃料圧力により噴孔(211)を閉じる向きに駆動されるノズルニードル(22)と、電荷の充放電により伸縮するピエゾ素子積層体(4)と、ピエゾ素子積層体により駆動され、ピエゾ素子積層体の伸長に伴って油密室(60)の燃料を加圧する加圧部材(52)と、油密室の燃料圧力を受けて移動する受圧部材(51)と、制御室の燃料を低圧部(12)に排出させる排出通路(315)を開閉するとともに、ピエゾ素子積層体の伸長に伴う受圧部材の動きに連動して排出通路を開く排出弁(32)と、排出弁を閉弁向きに付勢するメインスプリング(57)と、排出弁のリフト量が所定シフト量以上の領域でのみ排出弁を閉弁向きに付勢するサブスプリング(59)とを備えることを特徴とする。
これによると、サブスプリングを備えることにより、排出弁を閉弁向きに付勢する荷重を増加させて噴射開始遅れ時間を増加させ、制御可能な最小噴射量を小さくすることができる。
また、排出弁のリフト量が小さい領域ではサブスプリングは作用しないため、排出弁の着座速度が低下して閉弁時のバウンスが抑制される。したがって、排出弁の閉弁時の作動が安定して燃料噴射量のばらつきを少なくすることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の一実施形態に係る燃料噴射弁の構成を示す断面図である。 図1の燃料噴射弁における要部の拡大断面図である。 図1のA部の拡大断面図である。 図1のB−B断面図である。 図1の燃料噴射弁における固定ピストンの斜視図である。 図1の燃料噴射弁における伝達部材の斜視図である。 図1のC部の拡大断面図である。 図1のC部の他の作動状態を示す拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る燃料噴射弁と従来の燃料噴射弁の作動説明に供する図である。 本発明の一実施形態に係る燃料噴射弁の効果を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図に基づいて説明する。
本実施形態の燃料噴射弁は、コモンレール(図示せず)から供給される高圧燃料を、圧縮着火式内燃機関(以下、内燃機関という。図示せず)の燃焼室に噴射するものである。
図1〜図3に示すように、燃料噴射弁は、インジェクタボデー1、ノズル2、制御弁機構3、ピエゾ素子積層体4、変位伝達機構5、リテーニングナット6を、主要構成要素として備えている。
略有底円筒状のインジェクタボデー1には、コモンレールから供給される高圧燃料が流通する高圧燃料通路11と、ピエゾ素子積層体4および変位伝達機構5が収容される低圧部としての収容室12が形成されている。この収容室12は、図示しない燃料タンクに接続されており、常に低圧になっている。
ノズル2は、略有底円筒状のノズルボデー21、ノズルボデー21に摺動自在に挿入される略円柱状のノズルニードル22、ノズルニードル22を閉弁向きに付勢するノズルスプリング23、およびノズルシリンダ24を備えている。
ノズルボデー21には、高圧燃料を内燃機関の燃焼室に噴出させる噴孔211が形成され、ノズルニードル22の先端部(すなわち、噴孔側端部)がノズルボデー21に接離することにより噴孔211が開閉されるようになっている。
ノズルボデー21内には、コモンレールから高圧燃料が常時供給される燃料溜まり室25が形成され、コモンレールからの高圧燃料は燃料溜まり室25を介して噴孔211に向かって流れるようになっている。
円筒状のノズルシリンダ24は、ノズルスプリング23によって後述する中間ボデー31に押し付けられ、ノズルニードル22の後端部(すなわち、反噴孔側端部)がノズルシリンダ24に摺動自在に挿入されている。
このノズルシリンダ24内には、内部の燃料圧力が高圧と低圧に切り替えられる制御室26が形成されている。そして、ノズルニードル22は、制御室26内の燃料圧力により閉弁向きに付勢されるとともに、燃料溜まり室25の燃料圧力により開弁向きに付勢される。
制御室26の圧力を制御する制御弁機構3は、中間ボデー31、排出弁32、制御プレート33、およびプレートスプリング34を備えている。
円板状の中間ボデー31は、インジェクタボデー1とノズルボデー21に挟持されている。なお、インジェクタボデー1とノズルボデー21との間に中間ボデー31を挟持して、インジェクタボデー1とリテーニングナット6とを螺合させることにより、燃料噴射弁の構成要素が一体化されている。
中間ボデー31におけるインジェクタボデー1側の収容室側シート面311は、収容室12に露出している。中間ボデー31におけるノズルボデー21側の制御室側シート面312は、燃料溜まり室25および制御室26に露出している。
また、中間ボデー31には、インジェクタボデー1の高圧燃料通路11とノズルボデー21内の燃料溜まり室25とを連通させる高圧燃料通路313、高圧燃料通路313と制御室26とを連通させる高圧供給通路314、および収容室12と制御室26とを連通させる排出通路315が形成されている。
そして、制御室側シート面312に、ノズルスプリング23によってノズルシリンダ24が押し付けられている。
制御室26内には、円板状の制御プレート33、および制御プレート33を中間ボデー31側に向かって付勢するプレートスプリング34が配置されている。
ノズルシリンダ24には、制御室26を区画する内壁面にストッパ面241が形成されている。そして、制御プレート33は、このストッパ面241と制御室側シート面312との間で往復変位するようになっている。
なお、制御プレート33がストッパ面241に当接した状態では、制御プレート33により制御室26は2つの空間に分離される。具体的には、中間ボデー31側の空間である中間ボデー側制御室26aと、ノズルニードル2側の空間であるニードル側制御室26bとに分離される。以下、必要に応じて、制御室26と、中間ボデー側制御室26aと、ニードル側制御室26bを、使い分ける。
制御プレート33の径方向中心部には、制御プレート33の軸方向に貫通する連通孔331が形成されている。
そして、制御プレート33が制御室側シート面312に当接することにより、高圧供給通路314が閉塞されて、高圧燃料通路313と制御室26との連通が遮断されるようになっている。また、制御プレート33が制御室側シート面312に当接した状態のとき、連通孔331と排出通路315は連通している。
排出弁32は、バルブボデー321と弁体322とからなる。バルブボデー321は、有底円筒状であり、円柱状空間である排出弁凹部321aが形成されている。弁体322は、バルブボデー321の底部の外表面に接合されている。そして、排出弁32は、収容室12内に配置され、弁体322が収容室側シート面311と接離して収容室12と排出通路315との間を開閉するようになっている。
ピエゾ素子積層体4は、電荷の充放電により伸縮するピエゾ素子が多数積層されて構成されている。
伝達手段としての変位伝達機構5は、ピエゾスプリング50、可動シリンダ51、可動ピストン52、固定ピストン53、スペーサ54、伝達部材55、ロッド56、第1バルブスプリング57、第2バルブスプリング58、および第3バルブスプリング59を備えている。
受圧部材としての円筒状の可動シリンダ51内には、円柱状空間である第1シリンダ孔511、第1シリンダ孔511よりも大径の円柱状空間である第2シリンダ孔512、および第1シリンダ孔511と第2シリンダ孔512との境界部に位置して後述する油密室60の圧力を受けるシリンダ受圧面513が形成されている。
第1シリンダ孔511に、加圧部材としての円柱状の可動ピストン52が摺動自在に挿入されている。この可動ピストン52における油密室60の端部には、油密室60の圧力を受けるピストン受圧面521が形成されている。このピストン受圧面521の受圧面積は、シリンダ受圧面513の受圧面積よりも大きく設定されている。また、可動ピストン52は、油密室60とは反対側の端面がピエゾ素子積層体4に当接している。
第2シリンダ孔512に、ストッパ部材としての円柱状の固定ピストン53(詳細後述)が摺動自在に挿入されている。そして、可動シリンダ51と可動ピストン52と固定ピストン53とによって、燃料が充填される油密室60が区画形成されている。
スペーサ54は、円筒状であり、スペーサ54の内部に排出弁32および第2バルブスプリング58が配置されている。また、スペーサ54は、一端側が中間ボデー31に当接し、他端側が固定ピストン53に当接している。そして、可動ピストン52と固定ピストン53とに挟持されたピエゾスプリング50により、固定ピストン53がスペーサ54に押し付けられ、スペーサ54が中間ボデー31に押し付けられている。換言すると、固定ピストン53は中間ボデー31に対して位置決め固定されている。
伝達部材55は、排出弁32と可動シリンダ51との間に配置されている。そして、伝達部材55の一端側は、排出弁凹部321aを塞ぐようにして排出弁32の開口側端面に当接している。また、伝達部材55の他端側は、可動シリンダ51における第2シリンダ孔512側の端面に当接している。
ロッド56は、円柱状のロッド本体部561と、ロッド本体部61よりも大径のロッド鍔部562とを備えている。そして、ロッド本体部61は、伝達部材55に形成された伝達部材貫通孔551に挿入され、その先端面が固定ピストン53の端面に対向している。また、ロッド鍔部562は、排出弁凹部321a内に配置されている。
メインスプリングとしての第1バルブスプリング57は、可動シリンダ51と可動ピストン52とに挟持されている。そして、第1バルブスプリング57は、可動ピストン52をピエゾ素子積層体4に向かって付勢し、これにより、ピエゾ素子積層体4の伸縮に伴って可動ピストン52がピエゾ素子積層体4と一体的に作動するようになっている。また、第1バルブスプリング57は、可動シリンダ51および伝達部材55を介して排出弁32を閉弁向きに付勢している。
第2バルブスプリング58は、中間ボデー31と排出弁32とに挟持されている。そして、第2バルブスプリング58は、排出弁32を開弁向きに付勢している。
サブスプリングとしての第3バルブスプリング59は、排出弁凹部321a内に配置され、バルブボデー321の底部とロッド鍔部562とに挟持されている。そして、排出弁32が閉弁状態のとき、ロッド鍔部562は第3バルブスプリング59に付勢されて伝達部材55に当接するとともに、ロッド本体部61の先端面と固定ピストン53との間には所定シフト量としての隙間L1(図7参照)がある。
図2、図5に示すように、固定ピストン53には、第2シリンダ孔512に挿入される円柱状の固定ピストン部531が形成されるとともに、固定ピストン部531における油密室60とは反対側の端面に、径方向外側に突出する3つの固定ピストン腕部532が形成されている。この固定ピストン腕部532間には、周方向に沿って3つの固定ピストン切り欠き部533が形成されている。
図2、図6に示すように、伝達部材55には、中央部に伝達部材貫通孔551が形成されている。また、伝達部材55には、排出弁32とは反対側の端面に、軸方向に突出する3つの伝達部材脚部552が形成されている。この伝達部材脚部552間には、周方向に沿って3つの伝達部材切り欠き部553が形成されている。
そして、図2、図4に示すように、固定ピストン腕部532が伝達部材切り欠き部553に挿入され、伝達部材脚部552が固定ピストン切り欠き部533に挿入されている。
次に、上記燃料噴射弁の作動を説明する。
まず、ニードル閉弁状態のとき、すなわち弁体322が収容室側シート面311に当接しているときに、指令値が出力されてピエゾ素子積層体4に電荷が充電されると、ピエゾ素子積層体4が伸長する。それに伴い、可動ピストン52がピエゾ素子積層体4から遠ざかる向きに駆動され、可動ピストン52により油密室60の圧力が高められる。
また、高圧化された油密室60の圧力が、シリンダ受圧面513に作用し、可動シリンダ51がピエゾ素子積層体4側に向かって駆動される。さらに、排出弁32および伝達部材55は、第2バルブスプリング58に付勢されて、可動シリンダ51に追従してピエゾ素子積層体4側に向かって移動する。
このように、本実施形態の燃料噴射弁は、ピエゾ素子積層体4の伸長に伴う可動ピストン52の移動向きと可動シリンダ51の移動向きが逆向きとなり、且つピエゾ素子積層体4の伸長に伴い弁体322が収容室側シート面311から離れる向きに駆動されるようになっている。
そして、排出弁32の移動により、弁体322が収容室側シート面311から離れて排出通路315が開かれると、排出通路315の燃料が収容室12に流出して排出通路315および中間ボデー側制御室26aの圧力が下がる。これにより、中間ボデー側制御室26aの圧力にて制御プレート33がノズルニードル2側に向かって付勢される力よりも、ニードル側制御室26bの圧力にて制御プレート33が中間ボデー31側に向かって付勢される力の方が大きくなるため、制御プレート33が中間ボデー31側に向かって移動する。
これにより、制御プレート33が制御室側シート面312に当接し、制御プレート33により高圧供給通路314が閉塞されて、高圧燃料通路11と制御室26との連通が遮断される。また、制御室26の燃料が、連通孔331および排出通路315を介して収容室12に流出し、制御室26の圧力が下がる。その結果、ノズルニードル22を閉弁向きに付勢する力が小さくなるため、ノズルニードル22が開弁向きに移動し、噴孔211から燃料が噴射される。
なお、ピエゾ素子積層体4の長さの変化量(≒可動ピストン52の変位量)と可動シリンダ51の変位量との比である変位拡大率は、ピストン受圧面521の受圧面積Slarge(図3参照)とシリンダ受圧面513の受圧面積Ssmall(図3参照)との比(Slarge/Ssmall)により決まる。
また、ピエゾ素子積層体4が伸長する際に油密室60の圧力によって可動シリンダ51が押される力は、油密室60の圧力とシリンダ受圧面513の受圧面積Ssmallの積で表される。そのため、シリンダ受圧面513の受圧面積Ssmallを大きくとることが出来れば、排出弁32の開弁に必要な油密室60の圧力を低くすることが可能である。その結果、可動シリンダ51と可動ピストン52との摺動部や、可動シリンダ51と固定ピストン53との摺動部からの、開弁保持中の燃料リーク量が低減される。
一方、ニードル開弁状態のとき、すなわち弁体322が収容室側シート面311から離れているときに、ピエゾ素子積層体4の電荷を放電させると、ピエゾ素子積層体4が収縮する。それに伴い、第1バルブスプリング57に付勢される可動ピストン52は、ピエゾ素子積層体4に追従してピエゾ素子積層体4側に向かって移動し、油密室60の圧力が低下する。
したがって、可動シリンダ51、排出弁32および伝達部材55は、第1バルブスプリング57の付勢力により、中間ボデー31側に向かって移動する。このように、本実施形態の燃料噴射弁は、ピエゾ素子積層体4の収縮に伴う可動ピストン52の移動向きと可動シリンダ51の移動向きが逆向きとなる。
この排出弁32の移動により、弁体322が収容室側シート面311に当接して排出通路315が閉じられると、排出通路315の燃料の流出が止まり、排出通路315と制御室26が同圧になる。これにより、制御室26の圧力にて制御プレート33が中間ボデー31側に向かって付勢される力よりも、排出通路315および高圧供給通路314の圧力にて制御プレート33がノズルニードル2側に向かって付勢される力の方が大きくなるため、制御プレート33がノズルニードル2側に向かって移動する。
そして、制御プレート33がストッパ面241に当接し、高圧供給通路314から中間ボデー側制御室26aに流入した高圧燃料は、連通孔331を介してニードル側制御室26bに流入する。
このように、ニードル側制御室26bに高圧燃料が流入することにより、ノズルニードル2が閉弁向きに移動し、噴孔211が閉じられて燃料噴射が終了する。
次に、図7〜図9に基づいて、さらに作動を説明する。
なお、図9において、実線は本発明の一実施形態に係る燃料噴射弁の特性を示し、一点鎖線は従来の燃料噴射弁の特性を示している。
ここで、排出弁32のリフト量をL、排出弁32に作用する閉弁向きの合力をF、第1バルブスプリング57のセット荷重をF1、第2バルブスプリング58のセット荷重をF2、第3バルブスプリング59のセット荷重をF3とする。
まず、指令値が出力されてから燃料が噴射されるまでにおいて、L<L1の領域では、すなわち図7に示すようにロッド56が固定ピストン53に当接していない領域では、ロッド56は排出弁32と一体的に移動し、第3バルブスプリング59は、排出弁32を直接的に閉弁向きに付勢するとともに、可動シリンダ51および伝達部材55を介して第1バルブスプリング57に対抗する。
換言すると、L<L1の領域では、第3バルブスプリング59が排出弁32を付勢する力は、第3バルブスプリング59が第1バルブスプリング57に対抗する力にてキャンセルされるため、実質的には、L<L1の領域では排出弁32は第3バルブスプリング59により閉弁向きに付勢されていない。
したがって、L<L1の領域では、F=F1−F3−F2+F3=F1−F2である。
また、排出弁32がさらにリフトし、L≧L1となった場合には(すなわち、図8の状態)、ロッド56が固定ピストン53に当接して、固定ピストン53によりロッド56の移動が阻止される。このため、L≧L1の領域では、第3バルブスプリング59は、排出弁32を閉弁向きに付勢するが、第1バルブスプリング57には対抗しない。換言すると、第3バルブスプリング59は、L≧L1の領域でのみ実質的に排出弁32を閉弁向きに付勢する。
したがって、L≧L1の領域での合力Fは、F=F1−F2+F3となり、L<L1のときよりも増加することになる。
その結果、L≧L1では、L<L1のときよりも、排出弁32のリフトに必要な油密室60の圧力が上昇するため、油密室圧が上昇するまでの間排出弁32のリフトが増加しない期間が生じるとともに、L≧L1での排出弁32の開弁向き移動速度が低下する。その結果、指令値が出力されてから排出弁32がフルリフトするまでの時間が従来よりも増加し、噴射開始遅れ時間が従来よりも増加する。
一方、燃料噴射を終了させる際、L≧L1の領域では、合力Fが大きいため排出弁32の閉弁向き移動速度が高くなる。したがって、指令値の出力が停止されてから排出弁32が閉弁するまでの時間が従来よりも短くなり、噴射終了遅れ時間が従来よりも短くなる。
また、燃料噴射を終了させる際、L<L1の領域では、第3バルブスプリング59は実質的に作用しないため、排出弁32の開弁向き移動速度が低下し、弁体322が収容室側シート面311に着座するときの速度が低下する。
以上述べたように、本実施形態によると、噴射開始遅れ時間が従来よりも増加するとともに噴射終了遅れ時間が従来よりも短くなるため、同一指令値で比較して従来よりも噴射量が少なくなる。したがって、図10に示すように、制御可能な最小噴射量を小さくすることができる。
また、弁体322が収容室側シート面311に着座するときの速度が低下するため、排出弁32の閉弁時のバウンスが抑制される。したがって、排出弁32の閉弁時の作動が安定して燃料噴射量のばらつきを少なくすることができる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、加圧部材(可動ピストン52)の移動向きと受圧部材(可動シリンダ51)の移動向きが逆向きとなる燃料噴射弁に本発明を適用したが、本発明は、特許文献1に記載されたような加圧部材の移動向きと受圧部材の移動向きが同じ向きとなる燃料噴射弁にも適用することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
また、上記実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
また、上記実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
4 ピエゾ素子積層体
12 収容室(低圧部)
22 ノズルニードル
26 制御室
32 排出弁
51 可動シリンダ(受圧部材)
52 可動ピストン(加圧部材)
57 第1バルブスプリング(メインスプリング)
59 第3バルブスプリング(サブスプリング)
60 油密室
211 噴孔
315 排出通路

Claims (5)

  1. 制御室(26)の燃料圧力により噴孔(211)を閉じる向きに駆動されるノズルニードル(22)と、
    電荷の充放電により伸縮するピエゾ素子積層体(4)と、
    前記ピエゾ素子積層体により駆動され、前記ピエゾ素子積層体の伸長に伴って油密室(60)の燃料を加圧する加圧部材(52)と、
    前記油密室の燃料圧力を受けて移動する受圧部材(51)と、
    前記制御室の燃料を低圧部(12)に排出させる排出通路(315)を開閉するとともに、前記ピエゾ素子積層体の伸長に伴う前記受圧部材の動きに連動して前記排出通路を開く排出弁(32)と、
    前記排出弁を閉弁向きに付勢するメインスプリング(57)と、
    前記排出弁のリフト量が所定シフト量以上の領域でのみ前記排出弁を閉弁向きに付勢するサブスプリング(59)とを備えることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記サブスプリングは、一端側が前記排出弁に当接していることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記サブスプリングを前記排出弁との間に挟持するとともに、前記排出弁のリフト量が前記所定シフト量未満の領域では前記排出弁と一体的に移動するロッド(56)と、
    前記排出弁のリフト量が前記所定シフト量以上の領域で前記ロッドの移動を阻止するストッパ部材(53)とを備えることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記メインスプリングは、前記受圧部材を介して前記排出弁を閉弁向きに付勢するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
  5. 前記加圧部材の移動向きと前記受圧部材の移動向きが逆向きになるように構成され、
    前記加圧部材、前記受圧部材、および前記排出弁は、前記低圧部に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
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